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電気をカエル計画TEL/FAX 058-323-2534 [email protected]
電力自由化の光と影電力自由化で脱原発するために
■原発に依存しない電気をもっと増やしたい。2000年の電力自由化で、電気は電力会社以外から購入が可能になりました。2016年4月から家庭などの小口電力も対象になります。
■原発に依存しなくてすむよう、電気使用量を減らしたい。照明代が半分になる「安い」蛍光灯、電気代が1/10になる「安い」ガスエアコン。
■電源で電気を選びたいどうやっても電力会社のくびきから逃れられないが、、、せめて電源を開示してもらいたい。電源で選びたい。
私たちが目指すもの
市民の「原発・石炭火力いらない・再生可能エネルギー多目で」に応える電力会社を増やしたい
電気をカエル計画
設立 2011年7月
メンバー 関東・中部・関西で約100人 脱原発を目指す市民の活動です。
活動実績 自治体電力切り替え・節電調査(18都道府県) PPSの電力供給力に関する調査 自治体・議員向け電力切り替えセミナー(愛知) 自治体・議員向け節電セミナー(東京・愛知・大阪) 節電戦隊古い蛍光灯をカエルンジャー 自治体への各種提案 市民・議員等を対象とした講師派遣 市民向けセミナー等
より詳しくは http://www.ekaeru.jpn.org
私たちのこと
電気をカエル計画
電力自由化の担い手は
新電力(小売り電気事業者)
6%
PPS電力10社
電力自由化の現状
2000年から電力自由化がスタート。電力の6割が対象になったが、新電力のシェアは約6%。なお、東電管内では新電力のシェア約12%。
2012年から比較し、約2倍のシェアとなっている。
電力自由化対象(50kW以上)
62%
電力自由化対象外(家庭用など)
38%
自由化対象のうち
電気をカエル計画
新電力
※一般家庭の電力需要は全電力のわずか16%。(2012年)
新電力≠発電事業者
電力自由化の担い手は、新電力(PPS/小売り電気事業者)。自家発電だけではなく、あちこちから買ってきて、販売する商社みたいなもの。
自家発電
卸供給事業者
卸電力取引所
一般家庭
新電力
○○市
㈱○△
●△大学
一般家庭
電力会社
電気をカエル計画
(2016年4月から)
33.8
13.6
8.5
44.1エネット
Fパワー丸紅
その他
新電力のシェア
現在、登記されてる新電力は約700。そのうち、電気の供給実績があるのは約80社。新電力のシェアはエネットの独壇場。ただし、そのシェアは減少気味。家庭向け小売りがスタートすると、KDDI、ソフトバンクは一気に大手になることが予想される。
エネットはNTTファシリティーズと、東京ガス・大阪ガスの全額出資子会社。
電気をカエル計画
自治体は新電力への切り替え進む
●新電力から電力購入した自治体数の比率
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
2010 2011 2012 2013
都道府県(N=47)
政令市(N=20)
中核市(N=40)
出所:2013年度分の自治体の電力購入・売却状況の調査 2014.9.17 全国市民オンブズマン連絡会
電気をカエル計画
自由化後のシェア見通し
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
2010 2015 2020 2025 2030
電力会社
PPS
現時点の新電力の総発電容量は233万kW。(シェア6%)現時点で分かっている新電力の新規火力発電所建設計画の合計は1630万kW。現在の8倍。高圧需要の25%、家庭需要の40%が切り替わると全体で30%現時点でも東電管内の高圧需要の10%以上が新電力。以上の観点から、ざっくり見通しで25~35%くらいのシェアになるのではないか。
?
電気をカエル計画
新電力
電気の地産地消もスタート
自治体 主体 再生可能電源
提携 販売先 その他
群馬県中之条町
(一社)中之条電力
町内のメガソーラー(町設置)
(株)Vパワー 町内公共施設等
町内PVで520万kWh/年、供給は205万kWh/年
大阪府泉佐野市
(一財)泉佐野電力(200万市が出資、100万提携企業が出資)
隣市などのメガソーラー(民間)から2MW
(株)パワーシェアリング2.2円/KWhで業務委託。入札で決定
市内公共施設等、家庭向けも想定。
関電2割、隣市PV2割、JEPX6割(kWh)。
福岡県みやま市
(株)みやまスマートエネルギー(市出資1100万、提携企業900万)
市内民間メガソーラー、市内家庭設置太陽光等
(株)エプコ 市内公共施設等、家庭向けも想定。
市内5MWのPV、一般家庭PV1000世帯(未定)。16年4月より家庭向けも販売。
※その他計画中の自治体電力:山形県、群馬県太田市、秋田県鹿角市、など。
2016年4月の電力完全自由化を前に、自治体設立新電力がいくつか出てきた。
電気をカエル計画
新電力の課題①電力会社依存
最大の問題点は「バックアップ電源」電力会社と競争しているはずなのに、電力会社からかなりの量の電気を購入している。
主にはベースロード電源として、石炭火力、原子力。
正確なデータはないものの、約3割と言われている。
PPS
卸電力事業者等
電力9社
電気をカエル計画
新電力自社発電分
新電力の課題①「常時」バックアップ
電気をカエル計画
新電力の課題②石炭火力依存
太陽光発電の場合は特に夜間需要をまかなうために安価な石炭火力・原子力による電力が必要とされてしまう。新電力・電力会社の新規建設予定案件の発電容量ベースで約18%、発電量ベース(見込み)で約30%が石炭火力。CO2の排出量(見込み)の約40~50%は石炭火力由来。
電力自由化しても、新電力がシェアを伸ばしても、市民が新電力を始めても、あまり温暖化対策としての問題構造は変わらない。石炭火力規制と節電、再生可能エネルギーシフトが必要不可欠。
0% 20% 40% 60% 80% 100%
新規発電容量
発電量(見通し)
CO2排出量(見通し) 石炭
LNG太陽
風力
その他
新規発電計画容量総計:震災以降の建設計画。各種新聞報道等から集計:6738万KW設備稼働率:石炭0.75、LNG0.55、太陽光0.12、風力0.15、その他0.5として試算。CO2排出量:石炭0.94、LNG0.6、太陽光・風力0、その他0.8として試算。
電気をカエル計画
どの新電力を選べば?
電気をカエル計画
こだわりがあり、家庭向けも手掛ける新電力は全国でも数社企業名 概要 供給
実績
トドック電力 コープさっぽろ孫会社。北海道エリア王子・伊藤忠エネクス電力販売と提携、太陽光、バイオマス燃料を中心として供給予定。
未
うなかみの大地
パルシステム子会社。関東・東北エリア再エネ比率7割超。(主にバイオマス等利用)パルシステムの事業所にのみ供給、家庭向けは未定。
1,289
生活クラブエナジー
生活クラブ生協子会社。2016年10月以降、関東の組合員向け供給を予定。
1,312
エヌパワー 愛知県清須市に本社。再エネ比率45%。全国で供給実績あり。蓄電池付き太陽光発電システムの導入を進めており、自治体などへの供給実績もある。一般向けには2016年秋以降の予定。
3,812
供給実績は 単位:1000kWh/月 (2015年10月実績値)
通信系、LPガス系はほぼ100%電力会社の電気
電気をカエル計画
企業名 提携先
ソフトバンク 東京電力。FIT電源にこだわったSBエナジーもある。
KDDI 東京電力と協議中、関西電力と管内供給提携
docomo 東京電力と協議中
東京電力 LPガス会社など、100社と協議中 ローソン、ツタヤ、損保ジャパン他
中部電力 武州ガス、入間ガス等首都圏9社と提携
東京ガス 発電能力は現状の約130万kW(ガス火力)から20年に約300万kW(稼働率50%で130億kWh)に引き上げるとしたほか、電力販売量を現状の約100億kWhから20年に約300億kWhへ引き上げる方針。首都圏の市場の約1割の獲得が目標。200万kWの石炭火力を出光・九電と合同で新設予定。
東邦ガス 供給電力を最大10万キロワットまで引き上げる。中部電の供給電力の0・5%程度で、東邦ガスの顧客約280万世帯のうち、3%に当たる約8万世帯の使用電力を賄う予定。調達はJEPXなどを予定。
大阪ガス 初年度の供給目標をガス供給世帯の2~3%に当たる約20万世帯に設定。供給は自社保有発電所(110万kW級ガス火力)とJEPXを予定。2020年目標で32万世帯。
大手企業の動向(各種報道などから)
参入障壁
利益率
高い
低い
高い低い
家庭向け電力小売り
事業者向け電力小売り
燃料調達
発電
事業規模の大きな電力会社が強みを持つ領域
電力会社の生きる道
電気をカエル計画
参入障壁
電気をカエル計画
原発はどうなる?
電気をカエル計画
電気をカエル計画
■卸電力取引所(JEPX)の活性化(現状1%)
→JEPXも電力会社依存高まる(経産省の玉だし要請)
■電力小売り新規参入組大手は電力会社と提携。 先発参入組も電源の3割程度は電力会社の常時バックアップ。
→購入先が変わっても、電力供給の主体は変わらず電力会社。
■電力会社の利益率は低下。電力の利益は家庭部門7割、 高圧部門3割。(東電は9:1)
→利益率向上の一番簡単な方法は原発再稼働(新規投資不要)
電力自由化は原発再稼働を促進する
希望を、さがせ
市民の立場でできること
10%値引き=3割乗り換え?
電気をカエル計画
出展:プライスウォーターハウスクーパース株式会社「電力小売市場意識調査結果2015」
脱原発電気が欲しい=3割
電気をカエル計画
東京新聞 2015年12月20日
せめて電源を教えて!
電気をカエル計画
2016年1月22日、経産省の電力取引監視等委員会で営業指針が建議された。
■指針で示された表示例
指針(案)の問題点ドイツの制度との比較から
電気をカエル計画
■表示が「義務」ではない ドイツは罰則付きの義務。 もっとも、経産省の指針なので、大手は開示すると思われるが。
■放射性廃棄物量の開示がない ドイツは二酸化炭素排出量と同じサイズで記載
■表示の方法がHP、広告などとなっている ドイツは請求書でも表示
■常時バックアップ、JEPXからの調達電気が全電源平均になる 常時BUはベースロード分。原発、石炭火力の割合が高い。 JEPXに電力会社が玉だし量を増やした際、隠れ蓑になる
不備はあるけど、指針を活かそう
脱原発を実現したい市民は何をすればいい??
電気をカエル計画
期待できる効果
高い
低い
高い低い
自治体・企業への電源開示請求
消費者の
電力切り替え促進
再エネ発電事業
再エネ小売り事業
必要リソース(ヒトモノカネ)
パワーシフトキャンペーン自然エネルギー電力購入希望登録100万人単位で登録できれば・・・。
コスト削減を主目的とした単なる切り替え促進は状況を悪化させる
新電力窓口への電話キャンペーン
電力コスト裁判?
原発の運転コストが安くなるからくりをつぶせ。
電気をカエル計画
原発の運転コストが(見かけ上)安くなる理由
①建設コスト 減価償却の終わってないものもあるが、膨大な地元対策費などは税金から、 支出済み。
②安全対策 過去10年で原発の建設コストは世界的に2倍に。 つまり、過去の原発はそれだけ安全対策が甘いということ。
③保険 原子力損害賠償法は事故の際の事業者の無限責任を明記しているが、、 「天災の場合は補償責任が免じられる」 「1事業者あたり1200億円の積み立て」(たったそれだけ??)
④バックエンド 廃炉費用の積み立ては明らかに不足。 高レベル放射性廃棄物の処理コストの試算も甘すぎ。
将来は・・・オルタナティブ電力
20××年 社会にとって望ましい電力供給のイメージ電力供給 特徴 顧客イメージ 望ましいシェア
電力会社 現在まで最大の信用と実績がある。普通の顧客は切り替えが面倒で変えない。大需要家には一番安い。規模の経済が一番働く強みがある
高齢者、大需要家。
40~50%
新電力(通信・ガス・商社等)
料金徴収システムを有し、規模の経済がある程度働く通信・ガス系がセット料金で安値攻勢をかけられる。
ファミリー、自治体、民間オフィス部門
30~40%
新電力(生協・有機宅配・NPO等)
料金徴収システムを有し、食や環境へのこだわり顧客を抱える。比較的営利追求をせずにすむ。切り替え訴求力は高い。
都市部のこだわり市民
5~10%
新電力(自治体等)
料金徴収システムを有し、営利追求を目的としない。環境保全・地域経済貢献のための電力供給が可能。一般市民にとって切り替えの訴求力はやや低く、NPOとの提携などが必要。
公共施設、地元企業、地方のこだわり市民
5~10%
時間がかかっても、消費者の想いに応える新電力を「作る」、「応援する」
電気をカエル計画
まずは・・・100人で状況をカエル
電気をカエル計画
買いたいと思える電気を提供してくれる会社は本当に少ない。脱原発デモも参加者は低下傾向。でも、あきらめたくない。
■新電力の窓口に100人の電話がかかったら? 「電気を買いたいのですが、再エネ多目ですか?」 「原発・石炭の電気は入ってませんよね?」
■トヨタ、イオンなど、消費者接点が多く、環境企業と目されている 企業の窓口に100人の電話がかかったら? 「御社が使う電気は再エネ多目ですか?」 「原発・石炭の電気は入ってませんよね?」 「環境報告書に電源記載されていますか?」
■脱原発首長会議に参加する自治体の一つでも 電力調達指針をつくって「再エネ多目、原発電気ゼロ」としたら?
■生協、有機宅配事業者、自治体の一つでも 再エネ多目、原発電気ゼロの新電力を作ることができたら?
Step1 パワーシフトキャンペーン 自然エネルギー宣言に登録 現状で2000人だそう。めざせ1万人!
Step2 チラシにある新電力で、電話したいところを決めよう ひとりあたり3社~5社くらい目標。
Step3 それぞれで新電力に電話する 「○○県に住んでます。年間××万円くらい、使っています」 「御社への切り替えを検討していますが、どんな電源ですか?」 「再エネ入ってますか?」 「原発の電気は入ってないですよね?」 「電力会社の電気は入ってないんですよね?」 Step4 事務局に報告する 「○○社はこんなことを言っていました」
別途事務局として、電源に関するアンケート調査を行い、報道発表は書面調査による結果を報告する。
今日から始める「電源で選び隊」
電気をカエル計画
まとめ
全家庭が再エネ100%電気に切り替えても全電力消費量のわずか15%。家庭での電力切り替えは、
再エネの普及には役立つが、脱原発とは無関係。よい会社が供給できるようになってから選べば充分。
自由化によって変るのは、「原発のコスト問題」。今後特に重要な争点になる。
デモ、裁判、国政選挙、議員への働きかけ等を通じて、一基ずつ、安全対策コストを計上させよう。原子力損害賠償法の改正を追求しよう。
脱原発を望むなら、脱原発運動をするしかない。