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(12) No.32 2016.11
FOURIN 世界自動車技術調査月報
2016 年 9 月、韓国釜山市にて FISITA(the International Federation of Automotive Engineering
Societies:国際自動車技術連盟)が主催する自動車技術国際会議 FISITA World Automotive Congress
2016(以下:FISITA 2016)が開催された。韓国をはじめ、欧米や中国、日本、インド、ASEAN 地域等から
1,279 人(学術セッションのスピーカー含む)が参加した。エンジンや変速機、車体、電動化等の環境技術、
自動運転技術等をテーマに、自動車や部品企業をはじめ、エンジニアリング企業、大学における各分野の
専門家による学術セッションや、技術展示会を通じて、各国の自動車エンジニア同士で将来的な自動車技
術の発展に向けた技術や知識を共有し合った。
技術展示会では、韓国の現代自グループが市販 FCEV モデル Tucson Fuel Cell や新型 EV モデル
IONIQ Electric を出展して電動化技術をアピールしたほか、Bosch や Schaeffler などの大手部品メーカーも
電動化や内燃機関の効率化技術を出展し、グローバルでの中長期的な排ガス規制強化に対応する技術
を提案した。
学術セッションでは、水素社会などの環境対応や自動運転による安全技術などがメインセッションとして
注目を集めており、FCEV の普及拡大に向けたインフラ整備への取り組みについての発表や、高度自動運
転の実現を目指したカメラやセンサー技術、V2X などの通信技術、高精度地図に関する技術発表が相次
いだ。このほか分野別の個別学術センションについては、世界各国のメーカーや大学関係者が講演を行う
なか、中国関連のメーカーや大学の講演が目立った。参加人数についても中国から92人が参加しており、
ホスト国である韓国(847 人)を除き一番多く、中国における自動車技術開発力の強化に向けた姿勢を世界
にアピールした。
(FISITA 広報資料等より FOURIN 作成)
【FISITA World Automotive Congress 2016 開催概要】
▽開催概要
・ 主 催 : FISITA ( the International Federation of Automotive Engineerring Societies)、KSAE(the Korean Society of Automotive Engineers)
・開催期間:2016 年 9 月 26 日~30 日 :9 月 26 日(歓迎レセプション) :9 月 27~29 日(学術セッション/技術展示会) :9 月 30 日(技術見学会)
・開催場所:韓国 釜山コンベンションセンター(BEXCO) ・参加人数:1,279 人(うち韓国 847 人、中国 92 人、ドイツ 73 人、
日本 69 人、米国 24 人) ・セッション数:112 ・プレゼンテーション数:511
・主な技術議題:高効率エンジン、トランスミッション・電動化、車両向けソフトウェア、コネクテッド・自動運転、車両姿勢制御、NVH、衝突安全分野、水素社会など。
▽開催目的
・グローバルで中長期的な自動車技術の発展を目指し、自動車エンジニアを中心とした技術交流を行う。 -各国の自動車メーカーや部品メーカー、大学などの専門家による学術セッションや技術展示会を通じて、世界各国の自動車に関する技術や知識を共有する。
-2016 年では、エンジンや変速機の効率化、電動化技術をはじめ、コネクテッド技術による自動運転や、インフラ整備を含めたFCEV の普及拡大などが議題に挙がった。
開会式で登壇した FISITA 代表の Paul Mascarenas OBE 展示会場の様子(現代自グループブース)
OBE=Order of the British:大英帝国勲章
FISITA World Automotive Congress 2016 報告
自動運転や環境負荷軽減技術を中心にグローバルで知識や技術を共有
No.32 2016.11 (13)
FOURIN 世界自動車技術調査月報
<GM Korea>
・GM Korea は電動車アピールとして 2017MY の Chevrolet Volt や、新型の Chevrolet Malibu Hybrid の実車を展示。EV 等のバッテリー充電用の壁掛け用充電器も展示した。
<LG>
・LG グループは、電動車向け車両の軽量プラットフォームを展示したほか、メーターディスプレイやカーナビ等のセンターディスプレイ等を展示した。
<ジヤトコ>
・ジヤトコは、グループ会社の Jatco Korea Engineering を通じて出展。ジヤトコの主力 CVT を中心にアピール。 -Jatco CVT7 や CVT8、CVT8 Hybrid などジヤトコの主力 CVT 製品を出展。
-Jatco Korea Engineering は、約 40 人の研究員が所属しており、韓国やマレーシア向けの CVT の適応開発を行う。日本から CVTを持ち込み、現地の車に合わせて、外側のケース形状を変更するほか、エンジン特性に合わせた振動抑制のためのチューニングを行う。韓国では、変速ショックが少ない方が好まれるため、CVT へのニーズも高いと考えている(現地ヒアリング)。
<FEV>
・エンジンの高性能化に向けた、可変圧縮比対応コンロッド技術を提案。 -コンロッド側面に 2 つのシリンダーを装備し、シリンダー内の圧力を調整してエンジンピストンの圧縮比を変更。
-2 ステージの圧縮比を設定しており、ディーゼルエンジンでは、圧縮比を 14:1/16.5:1 を設定。ガソリンエンジンでは、8:1/12:1 と9:1/13:1 の 2 種類を設定している。
-連続可変では無く、圧縮比を 2 ステージに絞ることで、切替速度を速くできる(0.5 秒で切り替え可能)、コストも低減できる(ヒアリングより)。
-FEV の可変圧縮比コンロットの仕組の詳細については本誌 2014年 7 月号(第 4 号)を参照。
<現代自 Gr.>
・現代自グループは、FCEV や EV、などの電動車の実車を展示。 -2016 年 1 月に韓国市場へ投入した HEV モデル IONIQ の EV 仕様や、IONIQ と同じ 1 モーター+6 速 DCT システムを搭載した起亜 NIRO を展示。このほか、現代自の市販 FCEV モデル Tucson Fuel Cell を出展した。
-車両以外では、IONIQ の HEV モデルのパワートレインモデルやダウンサイズエンジン 1.0ℓ Kappa 直噴ターボガソリンエンジン、FF 用 8 速 AT 等を展示。
<現代 Mobis>
・現代 Mobis は、車両に搭載されるセンサーやコックピット関連部品を展示。 -タイヤ空気圧監視センサーやミリ波レーダー、超音波センサー等の事故防止に向けたセンサーや、HUD ユニット、車両周辺モニター用カメラなど、ドライバーの運転支援関連部品を展示。
<現代 Powertech>
・現代 Powertech は、現代自グループの主力モデルに搭載されている変速機を展示。 -FF 用 8 速 AT や 6 速 AT のほか、FR 用 8 速 AT 等を出展。 -FF 用 8 速 AT では 2 クラッチ 3 ブレーキ方式を採用。ベアリングの方式の変更などでサイズダウンを図っている。
【FISITA World Automotive Congress 2016 技術展示会における主な出展概要】
技術展示:現代自 Gr.中心に、電動化技術や内燃機関の
燃費改善、運転支援技術を提案
FISITA 2016 では、自動車メーカーや部品メーカー、
エンジニアリング会社などが、将来的な自動車技術の発
展に向けた技術を提案した。
現代自は、IONIQ(2016 年 1 月に韓国市場に投入し
た HEV)ベースの新型 EV モデルや、現代自の市販
FCEV Tucson Fuel Cell を出展し、グローバルで環境規
制強化への対応するための電動車戦略の方向性を示し
たほか、IONIQ に搭載されている HEV システムのパワー
トレインモデルや、ダウンサイズガソリンエンジン等を展
示した。また現代自傘下の現代 Mobis は、安全運転支
援システムや将来の自動運転につながる、センサーや
レーダー、カメラ技術をアピールした。
現代自グループ以外では、エンジニアリング会社のド
イツ FEV が、内燃機関の効率化技術として、ガソリンエ
ンジンとディーゼルエンジン向けの可変圧縮比コネク
ティングロッド技術を展示。可変圧縮比を2ステージに限
定することで、連続可変式と比較して作動速度の向上
や、コスト低減が可能であることをアピールした。
大手部品メーカーでは、ドイツ Bosch が 48V マイルド
ハイブリッドシステムをアピールし、アシスト用のスター
(FOURIN)
現代自:IONIQ のパワートレインモデル
現代 Powertech の FF 用 8 速 AT FEV の可変圧縮比コンロットの仕組み
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FOURIN 世界自動車技術調査月報
<Bosch>
・Bosch は、運転支援用のカメラやセンサーのほか、48V マイルドハイブリッドシステム、サーマルマネジメントシステム、高効率燃料噴射システム等を展示。 -車両の全方位の状況把握を目的としたカメラ(ステレオや単眼)をはじめ、超音波センサー等の各種センサーにより車両周辺の短距離から長距離まで障害物を検知する技術を展示した。
-48V システムでは、アシスト用のスタータージェネレータをはじめDCDC コンバーターなどの周辺部品を展示。
-高効率燃料噴射システムでは、直噴ガソリン用インジェクターにおいて、噴射ノズル形状を最適化。従来よりも噴射ノズル径を小さくすることで、噴射ノズル側面に残留する燃料を減らして、噴射時のロスを低減し、燃焼効率を高める。2016 年末に量産を開始する。
【FISITA World Automotive Congress 2016 技術展示会における主な出展概要】(つづき)
タージェネレータや DCDC コンバーターなどの周辺部品
を展示。このほか、2016 年末に市場投入を予定する、噴
射ノズルの形状を改良した高効率燃料噴射ガソリンエン
ジン用インジェクターを展示して、内燃機関効率化技術
を提案した。Schaeffler は、変速機のダンパースプリング
の改良等によりエンジンからの振動吸収性を高めた低
回転ロックアップ AT 用トルクコンバーターを展示し、動
力伝達の効率化技術を提案した。また日本メーカーで
は、唯一ジヤトコが出展。グループ会社の Jatco Korea
Engineering を通じて、CVT7 や CVT8 等の高効率 CVT
や、1 モーターと CVT を組み合わせたハイブリッドシステ
ムを韓国市場にアピールした。
学術セッション:水素社会を含めた環境技術、自動運転技
術などに注目が集まる
FISITA 2016 では、エンジンや変速機、車体、環境対
応技術、自動運転などの各分野で自動車メーカーや部
品メーカーをはじめ、エンジニアリング企業、大学等によ
る学術セッションを通じた技術や知識の共有を推進。今
回は水素社会の実現をはじめとした環境技術や、自動
運転に関する技術に注目が集まった。
水素社会の実現をテーマに、日米欧中の専門家によ
るセッションが開かれた。中国の専門家は、これまでの
FCEV に関する試験実績や将来的な普及に向けた補助
金政策等を公表。また FEV は EV の航続距離延長に向
(FISITA 2016 資料より FOURIN 作成)
Bosch の次世代直噴ガソリン用燃料インジェクター
<Schaeffler>
・Schaeffler は、Fiat のツインエアーエンジンシステム(インテークのバルブの動きをポンプやアクチュエータで制御しインテーグ側カムシャフトを省略)を展示したほか、変速機の効率化に向けた低回転ロックアップのトルクコンバーターを出展。 -低回転ロックアップ用トルクコンバータでは、コンバーター内のダンパー部分のスプリングをアウターとインナーの 2 列配置にしたほか、可動式の錘(ペンデュラム)を搭載することでエンジンからNVHを吸収して、ロックアップの回転領域を従来比100rpm低減した。
-トルクコンバーターの小型化に向けた技術も提案しており、タービンの外枠部分にロックアップクラッチの摩擦材を統合して、搭載スペースを小型化した。
【FISITA World Automotive Congress 2016 で発表された主な学術セッション】
Schaeffler 低回転ロックアップトルクコンバータ
<水素社会>
・グローバルでの水素社会実現に向けたインフラ整備や FCEV 技術
開発に関して、日米欧中の専門家が報告。
・中国の自動車技術研究センターからは、中国における FCEV の試
験実績や普及に向けた補助金政策を公表。
-2008 年の北京オリンピックで FCEV バスを提供したほか、2010 年
の上海万博から約 2 年間で 300,000km の FCEV バスの走行実
験実施。2014 年には、上海汽車が FCEV の乗用車を 25 都市で
走行試験を開始した。
-中国政府は 2030 年までに炭素排出量を 2005 年比で 60~65%
削減することを掲げ、FCEV の普及を推進。2016~2020 年の期
間で購入補助金を導入(1 台あたり乗用車で 3.1 万ドル、小型バ
スで 4.6 万ドル、大型バスで 7.7 万ドル)。
・ドイツFEVは、電気自動車の航続距離に対するコストを分析。電気
自動車の航続距離を効率的に伸ばすため、小型水素燃料電池シ
ステムを搭載したレンジエクステンダーシステムを提案。
-試験車両の概要やシステムレイアウト等を公表。試験車両は Fiat
500 をベースとした EV(航続距離 80km)に小型 FC ユニットのレ
ンジエクステンダーを装着。FC レンジエクステンダーにより、ゼ
ロ・エミッションで 200km 航続距離を延長可能。
・ドイツの研究機関 Ludwig-Bölkow-Systemtechnik は、自動車に限
らず、フェリーなどのその他交通機関での水素エネルギーの活用
や、FCEV の水素供給、水素を活用した電力供給を含めた水素イ
ンフラ網などを提案。
・Energy Efficiency and Renewable Energy からは、米国における石
油消費量の削減に向けた水素エネルギーの活用を提案。
-水素社会の実現に向けた 2020 年までのコスト目標(Fuel Cell シ
ステムで$40/kW、車両への充填で$10/kWh とする)の設定や、
自動車メーカーなどの企業や国を超えたパートナーシップの提
案などを発表。
・日本の東京工業大学からは、日本におけるFCEVの試験状況やイ
ンフラ状況のほか、インフラ整備や車両価格を含めた FCEV の普
及予測等を講演。このほか、グローバルでの水素調達のサプライ
チェーンにおける CO₂フリー化を提案した。
(FOURIN)
No.32 2016.11 (15)
FOURIN 世界自動車技術調査月報
<コネクテッドカー>
・現代自は、インターネットなどの情報化社会の中で、自動車のコネ
クテッドサービスを通じて自動運転をはじめとした運転支援やユー
ザーへの利便性向上をテーマに講演。
-クラウドを利用した車両のリモート診断のほか、ビックデータを活
用したリアルタイムの交通情報、高精度地図、V2X の連携による
目的地への最適ルートの選択。このほか、自動運転への実現に
向けた高速通信の導入や、マシンラーニング、最新地図データ
の導入・更新等を提案した。
・LG は、車載インフォテイメントシステムの動向について講演。
-ナビゲーションのほか、スマートフォンとの連携などが進んでいる
中、近年は直感的な操作や、大サイズ、高解像度のディスプレイ
などユーザーの視認性等を考慮した HMI(Human Machine
Interface)の開発が加速している。
-ボタン操作から、タッチパネル、ジェスチャー操作や音声認識へ
の進化を説明。今後のニーズとして、ディスプレイにおいて車載
機器やスマートフォンやタブレットを通じて自車の車両状態の把
握や全方位モニターの視認性向上のほか、各種機能操作の更
なる簡略化による運転支援などを掲げている。
-コネクティビティでは、スマートキーからスマートフフォンやウエア
ラブル機器との連動技術への進化や、OTA を活用したコネクテッ
ド NAVI 技術などを提案。
・トヨタは IT が支援する運転支援技術の発展と自動運転システムを
テーマに講演。
-IT の活用技術や自動運転における高精度地図の生成、人工知
能技術の発展による交通死亡事故 0 を目指す。
-トヨタ安全運転支援パッケージ Toyota Safety Sense や、ドライ
バーの視覚を補助する形で車両が自ら進路上の歩行者を検知
通知し、安全運転支援や Fun to Drive に貢献する技術を紹介。
-高速道路での入口から出口までの完全自動運転をターゲットに
据え、レーダーや LiDAR などを搭載した試験車両を公開。トヨタ
の高速道路自動運転の詳細については本誌 2016 年 10 月号(第
31 号)P.5 を参照。
-高度自動運転で必要となる、自車位置の正確な把握のため、高
精度地図の必要性を強調。
-トヨタスマートセンターを通じ、車両外部環境のデータや車内のド
ライバー情報を収集して、自動運転に向けた高精度地図の自動
生成や自己学習等への応用。
-高度自動運転に向けた AI 開発において、ディープラーニングに
よる学習結果を周辺車両にも共有することで、エリア内で接触す
ることなく自律運転を行うデモンストレーション映像を公開した。
<次世代自動車>
・Bosch は、排ガス規制の強化による電動化の加速や、交通安全強
化のためのシステム自動化に向けた技術について講演。
-Boschの自動運転の発展見通しは2018年に特定エリアでの自動
バレットパーキング、2020 年に高速道路での実現を見込んでい
る。電動化では 12V や 48V マイルドハイブリッドからはじまり、EV
や HEV、PHEV など電動システムの高圧化を見込む。
-将来的に、各種 ECU の統合、Ethernet による処理速度向上のほ
か、IoT による無線でのソフトウェアのアップデート、駐車場検索
サービスなどの活用、自動運転や電動化と IoT を組み合わせな
がら、次世代自動車のビジネスモデルを構築する。
・FEV は、将来的なグローバルでの排ガス規制強化に備えた、環境
対応技術について講演。
-FEV は、2050 年に温暖化の原因となる温室効果ガスを最大 2℃
削減するため、自動車の CO₂排出を 30g/km にする必要があると
予想している。
-CO₂削減に向けた燃焼改善技術や電動化技術等を提案。ガソリ
ンエンジンのウォーターインジェクションや可変圧縮比システム、
48V システムを利用した電動スーパーチャージャー、1 モーター
パラレルハイブリッドや 2 モーター以上の電動システムを提案。
-通信面では、V2X を利用した ADAS や渋滞シミュレーションによ
る快適な自動車の運用を提案。
・オーストリアの ALV List は、燃費性能の向上を目的とした、エンジ
ンやトランスミッション分野等での技術要素について講演。
-エンジンのバルブ制御の最適化、過給ダウンサイズ、ローフリク
ション化、燃焼や排ガスシステムの最適化などエンジンの改良で
約 10%の燃費改善が見込めると指摘。
-低コスト電動システムとして、HEV やレンジエクステンダーEV で
使用可能な変速機と電気モーターと統合したシステムの提案や、
高圧バッテリーと燃料電池システムを併用したレンジエクステン
ダーシステムを提案。水素燃料電池では 230km、アルコール燃
料電池では 350km まで EV の航続距離を延長可能としている。
・現代自からは、次世代の自動運転に関する技術について講演。
-現代が 2015 年末に発表した Genesis EQ900 に搭載されたレー
ダーとカメラを用いて、高速道路での単一車線での追従、車線
キープを組み合わせた技術(自動運転 Level 2 に相当)や、将来
的な高度自動運転(Level 4)に向けたレーザースキャナーや
GPS、カメラ、レーダー、超音波センサー技術の融合、高精度地
図や V2X の活用等を提案。
-米国での自動運転試験の様子も公開。自動での車線変更による
追い抜きや、緊急時の路肩停止、緊急停止からの救助車両等へ
の先行車追走、自動運転によるバレットパーキング等を披露。
【FISITA World Automotive Congress 2016 で発表された主な学術セッション】(つづき)
けた水素燃料電池を使用したレンジエクステンダーシス
テムを提案した。このほか、米国での水素社会実現に向
けた、企業間や国を超えたパートナーシップ構築の提
案、日本の東京工業大学は、CO₂フリーの水素サプライ
チェーンの構築に向けた取り組みなどを発表した。
水素関連以外では、次世代自動車をテーマに、Bosch
が、将来の HEV や PHEV などの電動車の発展や自動運
転の進化等を通じた自動車の将来像について講演した
ほか、FEV は EU での 2050 年までの CO₂排出規制強化
を予測した上で、水噴射システムや可変圧縮比技術、ハ
イブリッド技術などの CO₂排出削減技術を提案した。
このほか自動運転をテーマに、現代自では、2016 年
現在で Genesis EQ900 に搭載した単一車線での自動追
従、車線キープ技術(自動運転Level 2)の紹介や、将来
的な自動運転 Level 4 の実現に向けた、カメラやセン
サー技術をはじめとした車両周辺検知技術と、V2X や高
精度地図の活用などについて発表。また、日本のトヨタ
も IT を通じた運転支援技術の発展をテーマに講演を実
施。2015 年に実施した高速道路で自動運転車の紹介
や、将来的な高度自動運転を目指した自車位置の高精
度な把握を実現する高精度地図データの生成や、車両
間でディープラーニングの学習データを共有化して人
口知能による状況認識、判断の精度向上を目指した取
り組みを発表した。 (新山)
(FISITA 2016 資料、各種報道等より作成)