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自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に応じた頻度・目的地の変化に着目して― Automated Driving Vehicle Effects on Life Activities -Emphasis on Changes of Trip Frequency and Destination - 香月 秀仁 1 ,川本 雅之 ,栗野 盛光 3 ,谷口 4 Hideto KATSUKI 1 , Masayuki KAWAMOTO 2 Morimitsu KURINO 3 and Mamoru TANIGUCHI 4 近年注目を集める自動運転車(ADV) の実用化は,人々の外出行動を変化させる効果が見込まれる.本研 究では, ADV 利用に伴う個人の外出行動の目的ごとの外出頻度や目的地の変化(行動変化)に着目し, ①どのような外出目的において変化が生じやすいか,②どのような属性を持つ個人は変化が生じやすい 2 つの観点から分析を行った.主な結果として,1) 通院や買物と比較して,観光等や社交・娯楽と いった余暇活動において行動変化が生じやすい.2) 運転者と比較して非運転者の方が行動変化が生じや すい.3) 男性と比較して女性の方が行動変化が生じやすい. 4) 自分の運転に対して不安を感じている非 運転者は,通院および食料品等買物における目的地の変化が生じやすい.5) 観光等の外出頻度は単身世 帯 において増加しやすい等の傾向が明らかとなった. Automated driving vehicles (ADVs) are receiving much attention recently for their expected effects on the travel activities of many people. Some ADV users might tend to go out more frequently or travel to destinations they would not otherwise visit. This study specifically examines life activity changes of ADV users, especially with respect to two points. This study examines what activities are expected to be affected or changed. Additionally, this study assesses the main factors inducing ADV users to change activities. Results reveal the following: 1) Leisure time activities are expected to be more affected than other daily activities. 2) Non -drivers are expected to be more affected than drivers. 3) Women's life activities are expected to be enhanced more than men's activities by ADVs. 4) Non-drivers who are afraid of driving themselves tend to use different hospitals or food stores from those used before using ADVs. 5) Regarding sightseeing activity frequency, single-person households are expected to be more affected than multi-person households. Keywords: 自 動運転,外出行動,外出頻度変化,目的地変化 Automated driving, Activity, Trip frequency, Destination 1.はじめに 近年,運転手の運転を必要とせず自動走行する「自動 運転車(“Automated Driving Car ”,以下「ADV *1 」)」の注 目が高まっている. ADV の導入は,交通弱者の移動支援 や交通事故の減少 1) といった従来の交通問題の解消が期 待される.加えて,運転行為が自動化されることで移動 負担が軽減され,様々な外出行動( 買物等の目的を持って 外出する行動) において,外出する頻度の増加や,従前に 利用していなかった施設に出向くといった目的地の変化 が生じることが想定される.このような ADV 利用に伴 う外出行動の変化がどのような外出行動の目的(以下「目 的」)において生じやすいか,また,どのような人の外出 行動において変化が生じやすいかを明らかにすることは, ADV が普及した社会における人々の外出行動を予測す る 際の基礎的情報となりえる. これまで ADV の利用に対する意識に関して,渋滞の 1 学生会員,学士(社会工学),筑波大学大学院システム情報工学研究科 Student Member, B.S, Graduate School of Systems and Information Engineering, University of Tsukuba 305-8573 茨 城県つくば市天王台 1-1-1 3F 1135 e-mail:[email protected] Phone: 029-853-5596 2 非 会員,修士(工学),筑波大学国際産学連携本部 Non-member, ME, International Innovation Interface Organization, University of Tsukuba 3 非会員,Ph.D. in Economics,筑波大学システム情報系 Non-member, Ph.D. in Economics, Faculty of Engineering, University of Tsukuba 4 正会員,工学博士,筑波大学システム情報系 Member, Dr. Eng, Faculty of Engineering, University of Tsukuba

自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に ...tj330/Labo/taniguchi/...ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって レベル1~4の4段階の自動運転レベルが定義されている

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自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響

―目的に応じた頻度・目的地の変化に着目して―

Automated Driving Vehicle Effects on Life Activities

-Emphasis on Changes of Trip Frequency and Destination -

香月 秀仁 1,川本 雅之2,栗野 盛光 3,谷口 守 4,

Hideto KATSUKI 1, Masayuki KAWAMOTO 2,Morimitsu KURINO3 and Mamoru TANIGUCHI 4

近年注目を集める自動運転車(ADV)の実用化は,人々の外出行動を変化させる効果が見込まれる.本研

究では,ADV利用に伴う個人の外出行動の目的ごとの外出頻度や目的地の変化(行動変化)に着目し,

①どのような外出目的において変化が生じやすいか,②どのような属性を持つ個人は変化が生じやすい

か の 2つの観点から分析を行った.主な結果として,1)通院や買物と比較して,観光等や社交・娯楽と

いった余暇活動において行動変化が生じやすい.2)運転者と比較して非運転者の方が行動変化が生じや

すい.3)男性と比較して女性の方が行動変化が生じやすい. 4)自分の運転に対して不安を感じている非

運転者は,通院および食料品等買物における目的地の変化が生じやすい.5)観光等の外出頻度は単身世

帯において増加しやすい等の傾向が明らかとなった.

Automated driving vehicles (ADVs) are receiving much attention recently for their expected effects on the travel

activities of many people. Some ADV users might tend to go out more frequently or travel to destinations they

would not otherwise visit. This study specifically examines life activity changes of ADV users, especially with

respect to two points. This study examines what activities are expected to be affected or changed. Additionally, this

study assesses the main factors inducing ADV users to change activities. Results reveal the following: 1) Leisure

time activities are expected to be more affected than other daily activities. 2) Non-drivers are expected to be more

affected than drivers. 3) Women's life activities are expected to be enhanced more than men's activities by ADVs.

4) Non-drivers who are afraid of driving themselves tend to use different hospitals or food stores from those used

before using ADVs. 5) Regarding sightseeing activity frequency, single-person households are expected to be

more affected than multi-person households.

Keywords: 自動運転,外出行動,外出頻度変化,目的地変化

Automated driving, Activity, Trip frequency, Destination

1.はじめに

近年,運転手の運転を必要とせず自動走行する「自動

運転車(“Automated Driving Car”,以下「ADV*1」)」の注

目が高まっている.ADVの導入は,交通弱者の移動支援

や交通事故の減少 1)といった従来の交通問題の解消が期

待される.加えて,運転行為が自動化されることで移動

負担が軽減され,様々な外出行動(買物等の目的を持って

外出する行動)において,外出する頻度の増加や,従前に

利用していなかった施設に出向くといった目的地の変化

が生じることが想定される.このような ADV利用に伴

う外出行動の変化がどのような外出行動の目的(以下「目

的」)において生じやすいか,また,どのような人の外出

行動において変化が生じやすいかを明らかにすることは,

ADV が普及した社会における人々の外出行動を予測す

る際の基礎的情報となりえる.

これまで ADV の利用に対する意識に関して,渋滞の

1 学生会員,学士(社会工学),筑波大学大学院システム情報工学研究科

Student Member, B.S, Graduate School of Systems and Information Engineering, University of Tsukuba

〒305-8573 茨城県つくば市天王台 1-1-1 3F棟 1135 e-mail:[email protected] Phone: 029-853-5596

2 非会員,修士(工学),筑波大学国際産学連携本部

Non-member, ME, International Innovation Interface Organization, University of Tsukuba

3 非会員,Ph.D. in Economics,筑波大学システム情報系

Non-member, Ph.D. in Economics, Faculty of Engineering, University of Tsukuba

4 正会員,工学博士,筑波大学システム情報系

Member, Dr. Eng, Faculty of Engineering, University of Tsukuba

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緩和や移動負担の軽減等「実用化に伴い期待する効果」2)-7),「利用したい目的」4),8),「利用の際の支払意思額」3),9)

等の項目について多くの調査がなされている.一方で,

ADVを利用することで,交通行動自体もその目的に応じ

て異なる変化が生じると思われ,さらに個人の属性や自

動車利用に対する内面的な意識もそのような変化に大き

く影響すると考えられる.近年,当学会においても「未

来のクルマ」特集の中で ADVを題材とした論説 10)が登

場しており,交通計画の分野において ADVを対象とし

て扱った先進的な研究も見られるようになってきた 11).

しかし前記のような ADV導入に伴う基本的な課題に十

分応えることができていないのが現状である.

以上のような背景のもとで,本研究では目的ごとに

ADV 利用による外出行動への影響がどのように異なる

かを明らかにする.さらにその変化が一般的な個人属性

のみならず,潜在的に自動車利用の動向に大きな影響を

及ぼしていると考えられる内面的属性からの影響も同時

に明らかにすることを目的とする.

2.研究の特徴

本研究は以下の特長を有している.

1) 今後の普及の想定される ADVの利用に伴う個人の外

出行動の変化に着目した新規性,緊急性の高い研究で

ある.

2) 独自に実施した全国 47都市の 3,500人を対象とした

アンケートデータを用いて,個人の地域属性や内面的

属性といった多様な側面から ADV利用に伴う外出行

動の変化を分析している点で独自性のある研究であ

る.

3) 日常生活圏内に留まらず,日常生活圏外への外出行動

を含めて,幅広い外出目的における外出行動の変化を

対象に分析している点で有用性の高い研究である.

3.使用データ

3.1 想定する ADVの定義

ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって

レベル 1~4の 4段階の自動運転レベルが定義されている1).本研究では,2020 年前半に導入が検討されているレ

ベル 3(加速・操舵・制動を全て自動車が行い緊急時のみ

ドライバーが対応する状況)1)の技術水準の ADV を想定

している.ただし,レベル 3では交通事故時の責任の所

在がドライバーにあるため,利用時にドライバーは異常

事態に対応できる状態であることが必要となる.ゆえに

後述のアンケート調査では,回答者がこのレベル 3の特

徴を踏まえて回答することが必要となる.以上をふまえ,

本研究で想定する ADVの利用条件を次の 1)~5)に定義

し,後述のアンケートではこれらの条件を分かりやすく

表現・説明した後,ADVの利用に関する設問を行った.

1) 目的地まで自動走行で移動する.

2) 自動走行中,ドライバーは運転以外の活動を行うこと

ができる.例)読書,PCやスマ-トフォンの使用等

3) 緊急時に手動運転に切り替わる場合がある.

4) ドライバーは運転免許資格を取得している必要があ

り,飲酒や居眠りは禁止である.

5) 自動走行の性能は十分な安全性が確保され,アクセル

とブレ-キの踏み間違いによる事故等は発生しない.

3.2 ADV利用に関する意識調査

3.1 の ADVの想定に基づき,ADV利用に関する意識

調査(以下「アンケート」)を実施した.調査対象地の選

定については,全国の多様な都市に居住する個人の内面

的属性を把握するため,多様な規模や地域の都市を対象

に調査が実施されている全国都市交通特性調査の調査対

象都市より選定を行った.アンケートの概要を表 1に示

す.サンプルの回収方法として,都市類型・性別・年齢

階層ごとの層別化抽出を通じ,各層で可能な限り均等な

サンプル数を確保できるような設計を行っている.これ

により,回答者が若者等の年齢層に偏るといった Webア

ンケートが一般的に有するサンプルバイアスを解消する

ことを意図している.

集計結果として,普通自動車運転免許(以下「免許」)

の有無や現在の自動車の運転有無(以下「免許保有・運

転状況」)についての基礎集計結果を図 1に示す.なお,

以下で免許保有・運転状況について「免許を持っており

運転している」を回答した者を「運転者」,「免許を保有

しているがほとんど運転しない」を回答した者を「非運

転者」と呼ぶ.本研究では ADVを利用することによる

外出行動の変化を明らかにするため,調査時点における

自動車の運転有無によって外出頻度の変化,および目的

地の変化(以下「行動変化」)の傾向が大きく異なること

が想定される.そのため,以降の分析では運転者と非運

転者にサンプルを分けて分析を進める.なお,3.1 の 4)

の条件より,回答時点で ADVを利用出来ない運転免許

非保有のサンプルは,以降の分析の対象外とする.また,

ADVを利用したいかどうか(以下「ADV利用意向」)に

ついて,運転者・非運転者別の集計結果を図 2に示す.

本研究はADVの利用による行動変化を対象とするため,

以降では ADV利用意向について,「とても利用したいと

思う」「少し利用したいと思う」を回答した者(運転

者:1,529人,非運転者:306人)を本研究における分析の対

象とする.

なお,ADVが利用可能になることによって,行動変化

以外の変化(居住地の変化等)が生じる可能性があるが,

回答者の回答のしやすさを考慮し,現在の外出状況から

どのように変化するかという条件での回答を求めている.

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表 1 アンケート概要

図 1 免許保有・運転状況別集計

図 2 ADV 利用意向に関する集計結果

4. ADV 利用に伴う個人の外出行動への影響

ADVを利用することで,運転者にとっては運転行為の

負担の軽減,非運転者にとっては公共交通の乗り換えや

荷物を持ちながらの移動等の移動負担が軽減され,その

結果として行動変化が生じることが考えられる.また,

外出目的ごとに行動変化の生じやすさが異なると推測さ

れる.そこで,まず始めに,外出目的ごとの行動変化の

生じやすさを明らかにするため,性質の異なる 6つの目

的において,運転者・非運転者ごとに行動変化の有無に

関するクロス集計を行った.外出頻度の増加の有無につ

いての集計結果を図 3,図 4に,目的地の変化の有無に

ついての集計結果を図 5,図 6に示す.なお,外出頻度

の変化の背景には,発生需要の純増か交通手段の転換が

生じている可能性があるが,それらの判別には高度な検

討を要することもあり,本稿ではそれらの結果として生

じた「外出頻度の変化」を総体として分析対象とした.

これらの結果から以下の点が読み取れる.

1) 外出頻度の変化と比較して,目的地変化が生じやすい.

これは,外出頻度が個人のスケジュール(仕事・業務等)

に依存しているため変化しづらいことに対して,ADV

の利用による移動負担の軽減によって従前よりも遠

い目的地の施設に出向くようになるといった変化が

生じやすいことが想定される.

図 3 ADV 利用に伴う外出頻度の増加有無(運転者)

図 4 ADV 利用に伴う外出頻度の増加有無(非運転者)

図 5 ADV 利用に伴う目的地の変化有無(運転者)

図 6 ADV 利用に伴う目的地の変化有無(非運転者)

2)日常生活圏内で完結する通院や買物の外出行動と比較

して,観光等に行動変化が生じやすい.比較的長距離

の移動を伴う外出行動ゆえ,運転者にとっては長時間

の運転行為からの解放,非運転者にとっては乗換や乗

り継ぎ無しに目的地に向かうことが可能になるとい

った形で,ADV利用による移動負担の軽減の影響が生

じやすいと推測される.

3) 日常生活圏内での外出行動に関して,通院において行

動変化の生じる割合が小さい.活動の性質上,頻度の

増加が好ましいものとは限らないことや,目的地の選

択が個人の病状に大きく依存するためと考えられる.

以上で明らかとなった目的ごとの行動変化の生じやすさ

を踏まえ,次章では個人の行動変化の生じやすさに影響

を及ぼす要因を明らかにする.対象とする目的として,

調査対象

調査方法サンプル抽出

調査期間

都市類型

 三大都市圏大都市

 三大都市圏中都市

 地方圏大都市 地方圏中都市 地方圏小都市A (人口15万人以上)

主な調査項目

・個人属性 性別・年齢・職業・免許保有・運転状況 等・SDC利用に関する意識  SDC利用意向 等・内面的属性に関する項目  運転動機,非運転理由,普段の生活スタイル 等

調査対象都市

(計47都市)

都市名

東京23区  京都府   名古屋市

松戸市   奈良市   豊橋市

 三大都市圏小都市 取手市   稲城市   青梅市   津島市 小田原市  東海市 亀山市   近江八幡市 宇治市   泉佐野市 明石市 福岡市   仙台市   広島市 熊本市   金沢市   松山市

盛岡市   上越市   磐田市   呉市 徳島市

 地方圏小都市B (人口15万人未満)

小樽市   千歳市  塩釜市   湯沢市 山梨市 伊那市  小松市   小谷部市 海南市   総社市 安来市   大竹市 長門市   南国市  太宰府市 臼杵市 諫早市    人吉市  浦添市

18歳以上の楽天リサーチ会員 (3,500サンプル)Webアンケート

2015年10月28日~10月30日都市類型別・性別・年齢階層別の層別化抽出

0% 20% 40% 60% 80% 100%

免許保有・

運転状況(N=3,500)

免許を持っており運転している

免許を持っているがほとんど運転しない

免許を持っていない

0% 20% 40% 60% 80% 100%

非運転者(N=589)

運転者

(N=2,528)

とても利用したいと思う

少し利用したいと思う

どちらともいえない

あまり利用したいと思わない

全く利用したいと思わない

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院**

食料品等買物**

買回品買物**

食事**

社交・娯楽**

観光等**

増加する 増加しない

N=1,529

χ²=908.92

P=0.00

**:1%有意

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院**

食料品等買物

買回品買物

食事**

社交・娯楽*

観光等**

増加する 増加しない

N=306

χ²=105.61

P=0.00

**:5%有意

*:1%有意

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院**

食料品等買物**

買回品買物**

食事*

社交・娯楽**

観光等**

変化する 変化しない

N=1,529

χ²=589.04

P=0.00

**:1%有意

*:5%有意

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院**

食料品等買物

買回品買物

食事

社交・娯楽*

観光等**

変化する 変化しない

N=306

χ²=95.93

P=0.00

**:1%有意

*:5%有意

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生命維持のために必要であり日常生活圏内で行われる

「通院」「食料品等買物」,日常生活圏を越えて行われる「観

光等」を対象とする.

5. ADV 利用による行動変化の要因分析

5.1 分析の概要

どのような個人の属性が ADVの利用による行動変化

の生じやすさに影響を及ぼしているかを明らかにするた

め,数量化理論Ⅱ類による要因分析を実施した.外的基

準を,各外出目的における外出頻度の増加有無・目的地

の変化有無とし,説明変数として個人属性・世帯属性・

地域属性に加えて,表 2で示す全 26項目に及ぶ内面的属

性に関する項目より,変数同士の多重共線性に配慮して

選定を行っている.内面的属性項目は,現在の外出行動

との関連が深いと考えられる「ライフスタイル」の項目,

および ADVの利用動機との関係性が強いと考えられる

「運転動機」,「非運転理由」の項目で構成される.ライフ

スタイル項目の中にはインターネット利用(以下,「ネッ

ト利用」)についての項目も含まれている.ネット利用に

関する項目の回答には,Web調査でサンプル回収を行う

ことによるバイアスが生じている可能性がある.しかし,

将来的に ADV が普及する時代において,ネット利用は

現在よりも一般化し,ADV利用の際にも目的地の選択の

際にもネットを利用することが想定される.ゆえに,回

答者の属性としてネット利用者であることがむしろ必要

であり,上記の項目を分析に含めることが不可欠である

と考える.

なお,以降の分析においては,最寄駅までの距離の設

問に対して 100km 以上の回答をしたサンプルについて

欠損処理を行っている.

5.2 ADV 利用による外出頻度変化の要因分析結果

(1) 通院における外出頻度変化の要因分析

運転者における分析結果を図 7に示す.ここから以下の

点が読み取れる.

1) 最寄り駅からの距離が 5km 以上の人は頻度が増加

しやすい.駅から離れている地域では医療施設の数が

比較的少なく,施設までの距離が長くなる可能性があ

る. ADV利用による移動負担の軽減により,長距離

の移動においても頻度増加が促されると考えられる.

2) 友人や人づきあいが多い人,誰かと外出するよりイン

ターネットを利用することを好む人(以下「ネット利

用愛好者」)という,一見して相反する人において外

出頻度が増加する傾向が見られる.前者は活発に活動

する人々,後者は外出に消極的な人々と想定され,共

に外出頻度が増加するポテンシャルが高く,それゆえ

に ADV の利用で頻度が増加しやすいということが考

えられる.

表 2 内面的属性に関する項目一覧

続いて,非運転者における分析結果を図 8に示す.こ

こから以下の点が読み取れる.

1)世帯人数に着目すると, 4人以上世帯において通院目

的の外出頻度は増加しづらい傾向が見られる.人数規

模が大きな世帯においては,他の世帯構成の都合上で

活動を大きく変えづらいという要因が考えられる.

2) 最寄駅までの距離が 3km 未満の場合,距離が長くな

るほどに頻度が増加しやすい傾向が見られる.鉄道駅

の周辺に医療施設が立地しやすいことを考慮すると,

施設までの距離が通院への障害になっており,ADVの

利用で同距離の移動への抵抗が低くなることで外出

頻度が増加しやすくなると考えられる.

3) 「自宅で静かに過ごすことが好きな人」,「交通事故が

心配な人」,「運転は肉体的な負担が大きいと感じてい

る人」は通院の頻度が増加する傾向が見られる.自分

の運転に対する自信の無さや体調不良により外出す

ることが億劫に感じられても,ADVの利用で通院目的

の外出に対する抵抗が低くなることが考えられる.

(2) 食料品等買物の外出頻度に関する要因分析

運転者における分析結果を図 9に示す.ここから以下の

点が読み取れる.

1)最寄り駅からの距離に着目すると,駅から遠くに住む

人の頻度が増加しやすい傾向がみられる.駅周辺より

も買物施設数が少なく,食料品を購入するために比較

的長距離の移動を必要とする場合が少なくないと想

定される地域に住む人が,ADVの利用による影響を受

けやすいということが考えられる.

2)「自宅で静かに過ごすことが好き」,ネット利用愛好者

といった内向的に思われる人と,友人や近所づきあい

の多い外交的な人の双方で外出頻度が増加する傾向

がみられる.両者とも,入手元が異なるが新しい情報

を定期的に得られる環境が身近にあることで,特売情

報等に即座に反応して外出頻度が増えるといった効

果も想定される.

1.自宅で静かに過ごすことが好き

4.買物に出かけるのが好き

1.運転がすることが好き

2.好きなところに行ける 3.公共交通より安上がりである 2.公共交通が便利だから

3.自分の運転に自信がないから

4.自動車にかかる費用が高いから

5.自動車なら所要時間が短い

6.業務で必要だから 7.他に交通手段がない

7.交通事故が心配だから 9.好きな時に使える

9.自動車に乗るのが好きでないから

運転動機

非運転理由

1.自動車を利用する必要がないから

4.多くの人や荷物を載せることが できる

5.自動車の利用は環境によくないため

6.自転車や徒歩の方が健康に良いから 8.自動車に乗ることは自己表現の 一つである

8.自動車の運転は肉体的な負担が  大きいため 10.プライベートな空間を確保

できる

ライフ

スタイル

3.友人や近所づきあいは多い 方である

2.観光・行楽・レジャーに出かける のが好き

5.遠くても大きな店や品質の良い店に行く のが好き

6.通信販売・ネットショップを利用するのが 好き

7.誰かと外出するより、インターネットを利用 することを好む

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図 7 運転者におけるADV利用に伴う通院の外出頻度

の増加有無についての要因分析結果

図 8 非運転者におけるADV利用に伴う通院の

外出頻度の増加有無についての要因分析結果

図 9 運転者におけるADV利用に伴う食料品等買物の

外出頻度の増加有無についての要因分析結果

3)世帯人数に着目すると,単身世帯の人の外出頻度が増

加しやすい傾向が見て取れる.複数世帯と比べて単身

世帯は活動の自由度が高いことが要因と考えられる.

また,非運転者における分析結果を図 10 に示す.こ

こから以下の点が読み取れる.

1)高齢層と比較すると若年・中高年層の頻度が増加しや

すい傾向がみられる。時間制約が比較的弱い退職者の

割合が比較的大きいと想定される高齢者よりも、時間

制約が強いと想定される若年・中高年層の方が ADV

を利用することによる移動負担軽減効果が生じやす

いことが伺える.

2)友人や近所づきあいの多い人,ネット利用愛好者の双

方で外出頻度が増加しやすいという運転者と同様の

傾向が見られた.

3)交通事故が心配で自動車を運転しない非運転者は通院

目的の外出頻度が増加しやすい.自動車利用上の心配

の種である安全性が ADVでは保障され,自動車によ

るモビリティを享受できるためと考えられる.

(3)観光等の外出頻度変化に関する要因分析

運転者における分析結果を図 11に示す.ここから以下

の点が読み取れる.

カテゴリスコア

若年 454

中高年 718

高齢 253

男性 844

女性 581

1人 168

2人 418

3人 388

4人以上 451

大都市 317

中都市 418

小都市 690

~1km未満 260

~3km未満 424

~5km未満 267

~10km未満 229

~10km以上 245

960

465

1,020

405

310

1,115

776

649

674

751

937

488

334

1,091

856

569

1,284

141

729

696

1,201

224

995

430

533

892

252

1,173

1,065

360増加しない ⇔  増加する

0.22(63.1%)

個人属性

年齢階層 0.05

性別 0.53

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.94

世帯属性

世帯人数 0.41

地域属性

都市類型 0.60

最寄り駅からの距離 0.62

0.48

観光等に出かけるのが好き 0.10

友人や近所づきあいは多い方である

1.14

自動車なら所要時間が短い 0.14

他に交通手段がない 0.48

自動車に乗ることは自己表現の一つである

サンプル数1,425

外的基準 : ADVを利用することで通院の頻度は

相関比(的中率)

公共交通より安上がりである 0.31

多くの人や荷物を載せることができる

0.13運転動機

運転がすることが好き

0.76

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.29

プライベートな空間を確保できる 0.21

好きなところに行ける 0.45

買物に出かけるのが好き 0.30

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.22

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.14

アイテム

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

カテゴリ N レンジ-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 142中高年 97高齢 34男性 96女性 1771人 762人 913人 63

4人以上 43大都市 118中都市 66小都市 89

~1km未満 87~2km未満 91~3km未満 613km以上 34

2136016810535238136137102171189848818515911418687462271888586187

増加しない ⇔  増加する

0.37(66.3%)

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 0.22

性別 0.21

世帯

属性

世帯人数 0.95

地域属性

都市類型 0.35

最寄り駅からの距離 0.88

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.54

観光等に出かけるのが好き 0.50

友人や近所づきあいは多い方である

0.24

買物に出かけるのが好き 0.03

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.10

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.42

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.46

相関比(的中率)

外的基準 : ADVを利用することで通院の頻度は サンプル数273

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.85

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.04

自分の運転に自信がないから 0.44

自動車の利用は環境によくないため

0.47

交通事故が心配だから 0.50

-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 454

中高年 718

高齢 253

男性 844

女性 581

1人 168

2人 418

3人 388

4人以上 451

大都市 317

中都市 418

小都市 690

~1km未満 260

~3km未満 424

~5km未満 267

~10km未満 229

~10km以上 245

960

465

1,020

405

310

1,115

776

649

674

751

937

488

334

1,091

856

569

1,284

141

729

696

1,201

224

995

430

533

892

252

1,173

1,065

360

増加しない ⇔  増加する0.21(60.0%)

レンジ

個人属性

年齢階層 0.38

性別 0.38

Nアイテム カテゴリ

世帯

属性

世帯人数 0.66

地域属性

都市類型 0.52

最寄り駅からの距離 1.01

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.55

観光等に出かけるのが好き 0.31

友人や近所づきあいは多い方である

0.70

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.85

公共交通より安上がりである 0.57

多くの人や荷物を載せることができる

0.05運転動機

運転がすることが好き

0.31

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.60

プライベートな空間を確保できる 0.24

自動車なら所要時間が短い 0.24

他に交通手段がない 0.58

自動車に乗ることは自己表現の一つである

サンプル数1,425相関比(的中率)

外的基準 : ADVを利用することで食料品等買物の頻度は

好きなところに行ける 0.34

買物に出かけるのが好き 0.52

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.05

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.00

-1.0 0.0 1.0

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1)年齢階層が高いほど外出頻度が増加する傾向が見られ

る.定年退職後で時間的,経済的な余裕があることや,

体力面で運転の負担が大きいと想定される世代ゆえ,

長距離運転の負担が軽減されることによる外出頻度

への影響が比較的生じやすいためと考えられる.

2)世帯人数が少ないほど外出頻度が増加する傾向が見ら

れる.特に単身の場合は日程の自由が利きやすく,複

数人世帯より頻度が増加しやすいことが想定される.

3)自宅で静かに過ごすことが好きな人において外出頻度

が増加する傾向が見られる.移動負担の軽減により外

出への抵抗が低くなるためと考えられる.

また,非運転者における分析結果を図 12 に示す.こ

こから以下の点が読み取れる.

1)最寄り駅からの距離が短い人ほど外出頻度が増加する

傾向が見られ,鉄道から ADVへの移動手段の変化と

共に,観光等目的の外出行動の活性化が想定される.

2)世帯人数に関して 2人世帯でもっとも外出頻度が増加

しやすく,人数が増えるに連れて増加しづらい傾向が

見られる.人数規模が大きな世帯では,観光等に関し

て他の世帯構成員の都合を踏まえて行動を行う必要

があるため,外出頻度が増加しづらいと考えられる.

3)交通事故が心配で運転をしていない非運転者にお

いて外出頻度が増加しやすい傾向が伺える.自分の運

転無しに自動車のモビリティを享受できることで,観

光等における外出が活性化されることが考えられる.

図 10 非運転者におけるADV利用に伴う食料品等買物

の外出頻度の増加有無についての要因分析結果

図 11 運転者における ADV利用に伴う観光等の

外出頻度の増加有無についての要因分析結果

図 12 非運転者におけるADV利用に伴う観光等の外出

頻度の増加有無についての要因分析結果

カテゴリスコア

若年 142

中高年 97

高齢 34

男性 96

女性 177

1人 76

2人 91

3人 63

4人以上 43

大都市 118

中都市 66

小都市 89

~1km未満 87

~2km未満 91

~3km未満 61

3km以上 34

213

60

168

105

35

238

136

137

102

171

189

84

88

185

159

114

186

87

46

227

188

85

86

187

増加しない ⇔  増加する0.38(63.3%)

サンプル数273

外的基準 : ADVを利用することで食料品等買物の頻度は

相関比(的中率)

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.36

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.06

自分の運転に自信がないから 0.43

自動車の利用は環境によくないため

0.60

交通事故が心配だから 0.76

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.56

観光等に出かけるのが好き 0.37

友人や近所づきあいは多い方である

1.25

買物に出かけるのが好き 0.20

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.33

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.06

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.88

世帯

属性

世帯人数 0.26

地域属性

都市類型 0.18

最寄り駅からの距離 0.38

アイテム カテゴリ レンジ

個人属性

年齢階層 1.05

性別 0.54

N-1.2 0.0 1.2

カテゴリスコア

若年 454

中高年 718

高齢 253

男性 844

女性 581

1人 168

2人 418

3人 388

4人以上 451

大都市 317

中都市 418

小都市 690

~1km未満 260

~3km未満 424

~5km未満 267

~10km未満 229

~10km以上 245

960

465

1,020

405

310

1,115

776

649

674

751

937

488

334

1,091

856

569

1,284

141

729

696

1,201

224

995

430

533

892

252

1,173

1,065

360増加しない ⇔  増加する

0.24(58.1%)

他に交通手段がない 0.28

自動車に乗ることは自己表現の一つである

0.55

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.39

好きなところに行ける

自動車なら所要時間が短い 0.50

運転がすることが好き

0.72

公共交通より安上がりである 0.46

多くの人や荷物を載せることができる

外的基準 : ADVを利用することで観光等の頻度は

相関比(的中率)サンプル数

1,425

プライベートな空間を確保できる

0.36

0.67

0.03

友人や近所づきあいは多い方である

0.32

買物に出かけるのが好き 0.12

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.33

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.07

0.79自宅で静かに過ごすことが好き

最寄り駅からの距離 0.33

観光等に出かけるのが好き 0.30

世帯人数 0.73

都市類型 0.58

ライフスタイル

運転動機

個人属性

世帯

属性

地域属性

アイテム カテゴリ N レンジ

年齢階層 1.35

性別 0.60

-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 142中高年 97高齢 34男性 96女性 1771人 762人 913人 63

4人以上 43大都市 118中都市 66小都市 89

~1km未満 87~2km未満 91~3km未満 613km以上 34

2136016810535238136137102171189848818515911418687462271888586187

増加しない ⇔  増加する

0.36(67.0%)

外的基準 : ADVを利用することで観光等の頻度は サンプル数273相関比(的中率)

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.10

自分の運転に自信がないから 0.24

自動車の利用は環境によくないため

0.35

交通事故が心配だから 0.90

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.60

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.16

観光等に出かけるのが好き 0.19

友人や近所づきあいは多い方である

0.04

買物に出かけるのが好き 0.49

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.04

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.92

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.20

世帯

属性

世帯人数 0.89

地域属性

都市類型 0.70

最寄り駅からの距離 1.26

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 0.41

性別 0.21

-1.0 0.0 1.0

Page 7: 自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に ...tj330/Labo/taniguchi/...ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって レベル1~4の4段階の自動運転レベルが定義されている

5.3 ADV 利用による目的地変化の要因分析結果

(1) 通院における目的地変化の要因分析

運転者における分析結果を図 13に示す.ここから以下

の点が読み取れる.

1)年齢階層が高いほど目的地が変化する傾向が見られる.

ADV利用で移動負担が軽減され,従前よりも少し遠く

の医療施設も目的地の選択肢として選択される可能

性が高まると推測される.

2)最寄り駅からの距離が遠い人において目的地が変化す

る傾向が見られる.医療施設の数が比較的多いと想定

される駅周辺に対し,郊外では医療施設の選択肢が少

ないものの,ADVを利用することで利用できる医療施

設の選択肢が増えることが考えられる.

また,非運転者における分析結果を図 14 に示す.こ

こから以下の点が読み取れる.

1) 中年層において目的地の変化が生じやすい傾向が見

られる.勤務時間や交通手段の制約で利用できる医療

施設が限定されていた状態が,ADVの利用で改善され,

利用可能な施設の選択肢が増えるためと考えられる.

2) 観光等や買物に出かけるの好きな人において目的地

が変化する傾向が見られる.元々外出に積極的ゆえ多

様な目的地を志向することが想定され,ADVが利用で

きることでより適切な医療サービスの受けられる施

設を訪れるようになるといったことが考えられる.

3)自分の運転に自信が無い人,交通事故が心配な人は,

目的地が変化しやすい傾向が明らかとなった.ADVを

利用することで広範囲の移動が可能になり,通院可能

な医療施設の選択肢が増えるためと考えられる.

(2) 食料品等買物における目的地変化の要因分析

運転者における要因分析の結果を図 15に示す.ここか

ら,以下の点が読み取れる.

1)男性と比較して,女性の目的地変化が生じやすい傾向

が見られる.多くの世帯において女性が家事を担って

いることから,食料品等買物の施設への関心が男性と

比較して高く,ADVが利用できることで普段とは異な

る施設を利用する意向になることが考えられる.

2)遠くても品質良い店に行くことが好きや,自分の運転

で好きなところに行けないと考えている人の目的地

が変化しやすい傾向が見られる.ADVを利用すること

で従前よりも遠い目的地に向かうことへ抵抗が小さ

くなり,目的地の選択肢がより広範に広がることで,

従前は利用していなかった施設に訪れるようになる

ことが考えられる.

また,非運転者における要因分析の結果を図 16に示

す.ここから以下の点が読み取れる.

1)女性の方が,目的地が変化しやすいという運転者と共

通した傾向が見られる.

図 13 運転者における ADV利用に伴う通院の

目的地の変化の有無についての要因分析結果

図 14 非運転者におけるADV利用に伴う通院の

目的地の変化の有無についての要因分析結果

カテゴリスコア

若年 454

中高年 718

高齢 253

男性 844

女性 581

1人 168

2人 418

3人 388

4人以上 451

大都市 317

中都市 418

小都市 690

~1km未満 260

~3km未満 424

~5km未満 267

~10km未満 229

~10km以上 245

960

465

1,020

405

310

1,115

776

649

674

751

937

488

334

1,091

856

569

1,284

141

729

696

1,201

224

995

430

533

892

252

1,173

1,065

360変化しない ⇔  変化する

0.23(60.6%)

外的基準 : ADVを利用することで通院の目的地は サンプル数1,425相関比(的中率)

運転動機

運転がすることが好き

自動車なら所要時間が短い 0.19

他に交通手段がない 0.16

自動車に乗ることは自己表現の一つである

0.62

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.10

好きなところに行ける 1.02

公共交通より安上がりである 0.39

多くの人や荷物を載せることができる

0.34

プライベートな空間を確保できる

0.18

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.32

観光等に出かけるのが好き 0.30

友人や近所づきあいは多い方である

0.71

買物に出かけるのが好き 0.23

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.02

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.20

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.75

世帯

属性

世帯人数 0.63

地域属性

都市類型 0.25

最寄り駅からの距離 0.89

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 0.63

性別 1.22

-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 142中高年 97高齢 34男性 96女性 1771人 762人 913人 63

4人以上 43大都市 118中都市 66小都市 89

~1km未満 87~2km未満 91~3km未満 613km以上 34

2136016810535238136137102171189848818515911418687462271888586187

変化しない ⇔  変化する

0.35(64.1%)

外的基準 : ADV利用することで通院の目的地は サンプル数273相関比(的中率)

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.49

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.04

自分の運転に自信がないから

0.80

自動車の利用は環境によくないため

0.15

交通事故が心配だから 0.57

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.02

観光等に出かけるのが好き 0.83

友人や近所づきあいは多い方である

0.00

買物に出かけるのが好き 0.62

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.43

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.14

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.69

地域属性

都市類型 0.65

最寄り駅からの距離 0.57

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 0.72

性別 0.34

世帯

属性

世帯人数 0.23

-1.0 0.0 1.0

Page 8: 自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に ...tj330/Labo/taniguchi/...ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって レベル1~4の4段階の自動運転レベルが定義されている

2)大きな店や質の良い店を重視する人や,ネット利用愛

好者は目的地の変化が生じやすい傾向が見られる.食

料品等買物施設の選択へのこだわりが強く,ADVが利

用できることで,ネット上で見つけた施設へ気軽に訪

れることが出来るためと考えられる.

3)「自分の運転に自信が無い」「交通事故が心配」といっ

た,自分の運転に対する安全面に不安を頂いている非

運転者は目的地変化が生じやすい傾向が見られる.

ADVの利用により移動における不安が軽減され,従前

よりも訪れることのできる目的地の選択肢が増える

ということが推測される.

(3) 観光等における目的地変化の要因分析

運転者における要因分析の結果を図 17に示す.ここか

ら,以下の点が読み取れる.

1) 内面的属性と比較し,個人属性等の外部観察可能な要

因が比較的大きな影響を及ぼしていることが示され

た.

2) 年齢階層が高い人ほど,目的地が変化しやすい傾向が

見られる.退職者が比較的多いと想定される年齢階層

ゆえに,時間的余裕があることから様々な場所に遠出

することが可能であるためと考えられる.

図 15 運転者における ADV利用に伴う食料品等買物の

目的地の変化の有無についての要因分析結果

図 16 非運転者におけるADV利用に伴う食料品等買物

の目的地の変化の有無についての要因分析結果

図 17 運転者における ADV利用に伴う観光等の

目的地の変化の有無についての要因分析結果

カテゴリスコア

若年 454

中高年 718

高齢 253

男性 844

女性 581

1人 168

2人 418

3人 388

4人以上 451

大都市 317

中都市 418

小都市 690

~1km未満 260

~3km未満 424

~5km未満 267

~10km未満 229

~10km以上 245

960

465

1,020

405

310

1,115

776

649

674

751

937

488

334

1,091

856

569

1,284

141

729

696

1,201

224

995

430

533

892

252

1,173

1,065

360

変化しない ⇔  変化する0.26(60.8%)

サンプル数1,425

外的基準 : ADVを利用することで社交・娯楽の目的地は

相関比(的中率)

運転動機

運転がすることが好き

自動車なら所要時間が短い 0.09

他に交通手段がない 0.49

自動車に乗ることは自己表現の一つである

0.45

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.30

好きなところに行ける 0.82

公共交通より安上がりである 0.41

多くの人や荷物を載せることができる

0.20

プライベートな空間を確保できる 0.74

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.17

観光等に出かけるのが好き 0.01

友人や近所づきあいは多い方である

0.51

買物に出かけるのが好き 0.09

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.66

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.22

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.64

世帯

属性

世帯人数 0.54

地域属性

都市類型 0.57

最寄り駅からの距離 0.61

アイテム カテゴリ レンジ

個人属性

年齢階層 0.36

性別 1.09

N-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 142中高年 97高齢 34男性 96女性 177

1人 762人 913人 63

4人以上 43

大都市 118中都市 66小都市 89

~1km未満 87~2km未満 91~3km未満 613km以上 34

21360168105352381361371021711898488185

15911418687462271888586187

変化しない ⇔  変化する0.41(69.6%)

サンプル数273

外的基準 : ADVを利用することで食料品等の目的地は

相関比(的中率)

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.18

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.04

自分の運転に自信がないから 0.62

自動車の利用は環境によくないため

0.12

交通事故が心配だから 0.92

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.59

観光等に出かけるのが好き 0.34

友人や近所づきあいは多い方である

0.52

買物に出かけるのが好き 0.01

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.64

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.26

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.91

地域属性

都市類型 0.43

最寄り駅からの距離 0.98

アイテム カテゴリ レンジ

個人属性

年齢階層 0.31

性別 0.66

N

世帯

属性

世帯人数 0.39

-1.0 0.0 1.0

カテゴリスコア

若年 454中高年 718高齢 253男性 844女性 5811人 1682人 4183人 388

4人以上 451大都市 317中都市 418小都市 690

~1km未満 260~3km未満 424~5km未満 267~10km未満 229~10km以上 245

960465

1,020405310

1,115776649674751937488334

1,091856569

1,284141729696

1,201224995430533892252

1,1731,065360

変化しない ⇔  変化する

0.21(58.5%)

外的基準 : ADVを利用することで観光等の目的地は サンプル数1,425相関比(的中率)

多くの人や荷物を載せることができる

0.29

自動車なら所要時間が短い 0.13

0.14

他に交通手段がない 0.16

運転動機

運転がすることが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.24

好きなところに行ける 0.11

公共交通より安上がりである 0.51

自動車に乗ることは自己表現の一つである

0.06

プライベートな空間を確保できる 0.42

0.11

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.05

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.29

0.37

観光等に出かけるのが好き 0.60

友人や近所づきあいは多い方である

0.45

世帯

属性

地域属性

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

買物に出かけるのが好き

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

世帯人数 0.62

都市類型 0.96

最寄り駅からの距離 0.42

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 1.43

性別 0.98

-1.0 0.0 1.0

Page 9: 自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に ...tj330/Labo/taniguchi/...ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって レベル1~4の4段階の自動運転レベルが定義されている

3) 男性に比べて,女性は目的地が変化しやすい傾向が見

られる.図 10 で示した外出頻度の増加有無について

も同様の傾向がみられ,ADVの利用により運転者女性

の行動変化が生じやすいという結果が得られた.

4) 単身世帯および 4 人以上世帯において目的地が変化

しやすい傾向が見られる.単身者は旅程の自由度の高

さゆえに様々な場所に行きやすいこと,4 人以上世帯

の人においては運転から解放されることで家族サー

ビス等を行う余裕が生まれ,いつもと異なる目的地を

志向するといったことが考えられる.

また,非運転者における要因分析の結果を図 18 に示

す.ここから以下の点が読み取れる.

1) 男性と比較して女性の方が目的地が変化しやすい傾

向が見られる.

2) 4人以上世帯において目的地が変化しないという傾向

がみられた.外出頻度の場合と同様に,世帯規模が大

きくなるにつれて旅程の自由度が低くなることが想

定され,ゆえに目的地の変化が生じづらいということ

が考えられる.

3) 最寄駅からの距離が 3km以上の居住者において変化

が生じにくい傾向がみられる.

図 18 非運転者におけるADV利用に伴う観光等の

目的地の変化の有無についての要因分析結果

以上より,本章ではその実態が明らかとなっていない

ADV 利用による活動変化の有無が生じやすい個人の特

性について,内面的属性,外部観察可能な属性の多面的

観点から影響要因の把握を試みた.結果として,外出目

的によって影響力の強い要因が異なることが明らかとな

った.運転者を対象とした分析(図 7,図 9,図 11,図 13,

図 15,図 17)において的中率がやや低くなっているもの

の,各個人属性による活動変化の有無への影響の傾向を

明らかにしたことは本研究の意義と考える.

6.おわりに

本研究ではADV導入に伴う個人の行動変化に着目し,

目的ごとの行動変化の生じやすさを明らかにするととも

に,行動変化が生じやすい個人の属性を外出目的ごとに

検証した.得られた結果は以下の通りである.

1) 日常生活圏内における外出行動と比較して,観光等と

いう比較的長距離のトリップを伴う目的において行

動変化が生じやすい.

2) 最寄駅から居住地までの距離が遠い人において,通院

の頻度が増加しやすい.

3) 女性は男性と比較して,食料品等買物および観光等に

おける目的地変化が生じやすい.

4) 観光等における目的地の変化は,個人属性や地域属性

といった要因の影響が内面的属性と比較して大きい

ことが明らかとなった.

なお,本研究では外出行動の変化のみに焦点を当てて

いるが,ADVが普及した都市においては,外出目的地が

変わらずともモーダルシフトに伴い居住地を変える場合

や,実際の外出行動は変化せずとも,移動負担の軽減に

よる心理的効用を得る可能性が高いと考えられ,今後考

慮すべき課題の一つであると考える.また,本研究で扱

った行動変化を観察するにあたっては,現在の外出行動

状況との比較を行うことも重要であり,年齢階層や性別

といったグループ単位で,ADV利用前後の外出頻度の前

後比較を行う必要があると考える.同様に,外出頻度の

増加の原因が発生需要の増加なのか他交通手段から

ADV に転換したのかについて区別して分析を行うこと

で,他の交通機関への影響等も合わせて把握することも

重要な検討課題である.関連して,5 章の要因分析にお

いても,他交通手段からの転換の有無を説明変数として

モデルに加えることで,より精度の高い結果を得ること

も期待できる.

加えて,本研究で想定したADVの利用形態以外にも,

カーシェアリングでの利用といった様々な利用形態の場

合における行動変化についても併せて考慮していく必要

があると考えられる.また,将来的には個人の活動ニー

ズを汲みながら,目的先の施設等を自動でマッチングす

るような,ドライバーと都市が連動した動きに展開する

カテゴリスコア

若年 142

中高年 97

高齢 34

男性 96

女性 177

1人 76

2人 91

3人 63

4人以上 43

大都市 118

中都市 66

小都市 89

~1km未満 87

~2km未満 91

~3km未満 61

3km以上 34

213

60

168

105

35

238

136

137

102

171

189

84

88

185

159

114

186

87

46

227

188

85

86

187変化しない ⇔  変化する

0.40(69.6%)

外的基準 : ADVを利用することで観光等の目的地は サンプル数273相関比(的中率)

非運転理由

公共交通が便利だから

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.63

自分の運転に自信がないから 0.22

自動車の利用は環境によくないため

0.21

交通事故が心配だから 0.40

自動車の運転は肉体的な負担が大きいため

0.22

ライフスタイル

自宅で静かに過ごすことが好き

上段:当てはまる

下段:当てはまらない

0.15

観光等に出かけるのが好き 0.43

友人や近所づきあいは多い方である

0.44

買物に出かけるのが好き 0.35

遠くても大きな店や品質の良い店に行くのが好き

0.17

通信販売・ネットショップを利用するのが好き

0.26

誰かと外出するより、インターネットを利用することを好む

0.39

世帯

属性

世帯人数 0.75

地域属性

都市類型 0.66

最寄り駅からの距離 1.51

アイテム カテゴリ N レンジ

個人属性

年齢階層 0.09

性別 0.86

-1.0 0.0 1.0

Page 10: 自動運転車(ADV)利用がもたらす外出行動への影響 ―目的に ...tj330/Labo/taniguchi/...ADVの自動化レベルには,自動化の技術水準によって レベル1~4の4段階の自動運転レベルが定義されている

ことも想定され,そのような発展可能性の高い検討も今

後は期待される.

謝辞

本研究は(株)トヨタ自動車との共同研究「これからの

社会システムとモビリティのあり方研究」の一環として

実施したものである.また,JSPS科学研究費(26289170)

の助成を得た.重ねてお礼申し上げる.また,第 36回交

通工学研究発表会においては座長:東北大学桑原雅夫教

授,副座長:東海大学梶田佳考教授など,数多くの先生

方から有益なコメントを頂いた.記して謝意を表す.

補注

*1 自動運転車を指す英語名称は複数存在し,研究発表

論文原稿の執筆時は Self Driving Car(SDC)という表

現を用いていた.その後,英語表現としては

Automated Driving Vehicle(ADV)の方がより適切であ

るとの指摘を受け,本論文の執筆にあたり英語表現

を変更した.

参考文献

1) 内閣府:SIP自動走行システム研究開発計画,http:

//www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/keikaku/6_jidouso

ukou.pdf>,2015.(2016.08.25)

2) 財団法人日本自動車研究所:自動運転トラックの隊

列走行についてアンケート調査,http://www.jari.

or.jp/Portals/0/resource/JRJ_q/JRJ20140602_q.

pdf,2014.(2016.08.25)

3) 日本経済新聞:自動運転車に乗ることについての読

者のご意見,http://www.nikkei.com/news/survey/

vote/result/?uah=DF290120147645,2014.(2016.

08.25)

4) オークネット総合研究所:自動運転技術への期待と

ニーズ,http://www.aucnet.co.jp/wp-content/

uploads/58ca1b1b106951cf9ecb7c0b13f69d52.pdf,

2014.(2016.08.25).

5) Harris Polls:The Driverless Debate,http://www.

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html,2015.(2016.08.25).

6) ソニー損保:2015年新成人のカーライフ意識調査,h

ttp://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2015/01/20150106_

01.html,2015.(2016.08.25)

7) 住商アビーム自動車研究所:使用者が自動運転に期

待する価値,http://www.sc-abeam.com/sc/?p=7358,

2015.(2016.08.25)

8) ボストンコンサルティンググループ:自動運転車の

将来の普及に関する調査,http://www.bcg.co.jp/

documents/file180099.pdf,2015.(2016.08.25)

9) NTTリサーチコム:自動車の自動運転に関する調査,

http://research.nttcoms.com/database/data/001877/,

2014.(2016.08.25).

10) 太田勝敏:自動運転が開く明日の交通社会を考える

―オートサピエンスの“素晴らしき新世界”?-,

特集『未来のクルマ』,交通工学,Vol.50,No.2,

pp8-14,2015.

11) たとえば,谷本圭志・川村周平:無人運転技術を用

いた車両共有システムの導入に伴う環境負荷への影

響に関する分析,社会技術研究論文集,Vol.6,pp.68-

76,2010