消費電力の低減と視覚疲労の軽減のためのハイビ …JEITA主催FPDの人間工学シンポジウム2010.3.5 消費電力の低減と視覚疲労の軽減のための

JEITA主催 FPDの人間工学シンポジウム 2010.3.5

消費電力の低減と視覚疲労の軽減のための消費電力の低減と視覚疲労の軽減のためのハイビジョン液晶テレビの適正視聴条件ハイビジョン液晶テレビの適正視聴条件

窪田窪田悟（成蹊大学）悟（成蹊大学）

岸本和之，合志清一，山根康邦（シャープ株式会社）岸本和之，合志清一，山根康邦（シャープ株式会社）五十嵐陽一（株式会社日立ディスプレイズ）五十嵐陽一（株式会社日立ディスプレイズ）芳賀秀一，松本達彦，中枝武弘（ソニー株式会社）芳賀秀一，松本達彦，中枝武弘（ソニー株式会社）

本報告は本報告はNEDONEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の助成事業の成果（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の助成事業の成果

の一部をまとめたものである．当該プロジェクトは上記メンバーによって構成さの一部をまとめたものである．当該プロジェクトは上記メンバーによって構成されている．れている．


カタログスペック競争から人間工学へカタログスペック競争から人間工学へ

技術主導から視聴者中心の視点へ技術主導から視聴者中心の視点へ

大画面化・高精細化・３Ｄ化大画面化・高精細化・３Ｄ化技術主導の考え方技術主導の考え方高輝度，高コントラスト，広色域，高速応答（動画質），広視野角高輝度，高コントラスト，広色域，高速応答（動画質），広視野角etcetc．．

個々のスペックの向上と新機能の追加個々のスペックの向上と新機能の追加

家庭の視聴空間における好適視聴条件を描く家庭の視聴空間における好適視聴条件を描く

視聴環境・視覚特性・映像内容を考慮した視聴条件の最適化視聴環境・視覚特性・映像内容を考慮した視聴条件の最適化＝人間工学の課題＝人間工学の課題視聴者中心の視点視聴者中心の視点

消費電力の低減と視覚疲労の軽減に寄与し得る消費電力の低減と視覚疲労の軽減に寄与し得る

視聴実態を考慮した実験データの積み重ねが不可欠視聴実態を考慮した実験データの積み重ねが不可欠

利用段階での究極の省エネは利用段階での究極の省エネは小さな画面，近い視距離，暗い部屋，低輝度小さな画面，近い視距離，暗い部屋，低輝度だが・・・だが・・・

視聴者の要求とメーカーの思惑との折り合いをどこでつけるか視聴者の要求とメーカーの思惑との折り合いをどこでつけるか


HDTVHDTVの視聴に関する一般的な推奨条件の視聴に関する一般的な推奨条件

観視距離 3H（水平画角33°）HDTVの設計観視距離

観視角度ｰ10 °~ ｰ15°コンピュータモニターに対する推奨角度が適用され

ることが多い

家庭のリビングを想定した標準観視条件画面照度 200 lx表示輝度 200 cd/㎡（ピーク白輝度）

観視距離

表示輝度

観視角度

e.g. ITU-R BT.710-3 文献3）

e.g. J.Panero et al.文献5)が引用されることがあるがTV画面を想定したものではない

ITU-R BT.500文献4)

照明環境

家庭の居間の照明基準（水平面）全般照明局所照明

JIS Z9110 30-75 lx 150-300 lx照明学会 75-150 lx 150-300 lx

文献1)文献2)


視聴者が好ましいと感ずる視聴者が好ましいと感ずるHDTVHDTVの視聴条件の視聴条件

画面サイズによって異なる好ましい観視距離24型：5.4H 32型：4.9H 42型：4.6H52型：4.1H 65型：3.9H

画面中心に対する視線角度がほぼ水平となる高さ

画面照度，観視画角，映像のALL，視聴者の年齢によって異なる好適表示輝度平均的画面照度 100 lx水平観視画 20°放送の平均的ALL 25%視聴者の年齢 22歳の場合好適表示輝度 160 cd/㎡（ピーク白輝度）

観視距離

表示輝度

観視角度

実態調査と実験室実験に基づく好適条件実態調査と実験室実験に基づく好適条件

照明環境

リビングのTV画面照度の実態10%ile-50%ile-90%ile30 lx 100 lx 300 lx


ＨＤＴＶの視聴における好ましいＨＤＴＶの視聴における好ましい観視距離と観視角度観視距離と観視角度

83世帯における実地計測と多元的な実験室実験の結果に基づく好適条件


θ

x＝15/tanθ（cm）

15cm

観視距離（x）ＴＶ

180度の魚眼レンズカメラ

直径30cmの円板

83世帯の各世帯で4～5箇所の視聴位置を計測

各世帯の家族構成員に普段テレビを視聴する位置とその中で最も好ましい位置を指定してもらい計測した

テレビ観視位置の実態調査テレビ観視位置の実態調査計測方法計測方法


0

200

400

600

200

400

600

-90° -75°-60°

-45°

-30°

-15°

0°

15°

30°

45°

60°75°90°

CRT N=203 LCD N=149 PDP N=41

cm

cm

cm

cm

0

200

400

600

200

400

600

-30°

-20°

-10°

0°

10°

20°

30°

83世帯 N=393Top view Side view

・

各世帯の家族構成員に普段テレビを視聴する位置を数箇所指定してもらい計測した

TV画面の中心

TV画面の中心

テレビの観視位置の実態テレビの観視位置の実態

左からの観視が多い

画面中心への視線角度は水平か若干下方

±10°


0

200

400

600

200

400

600

-90° -75°-60°

-45°

-30°

-15°

0°

15°

30°

45°

60°75°90°

CRT N=41 LCD N=32 PDP N=10

0

200

400

600

200

400

600

-30°

-20°

-10°

0°

10°

20°

30°

cm

cm

cm

cm

83世帯の各世帯における好ましいテレビ視聴位置 N=83

Top view Side view

各世帯の家族構成員にテレビを視聴するのに最も好ましい位置を指定してもらい計測した

TV画面の中心

TV画面の中心

各世帯におけるテレビの好ましい観視位置各世帯におけるテレビの好ましい観視位置

・

±15°に収まる

±10°


0

10

20

30

40

50

～10

0～

120

～14

0～

160

～18

0～

200

～22

0～

240

～26

0～

280

～30

0～

320

～34

0～

360

～38

0～

400

～42

0～

440

～46

0～

480

～50

0～

520

～54

0～

560

～58

0～

600

601～

Freq

uenc

y

Viewing Distance (cm)

PDP N= 41LCD N= 149CRT N= 203

N=393Median=252Mean=276.510%ile=16590%ile=417Max=674.0Min=108.0

0

10

20

30

40

50

0.0-

3.0

3.0-

3.5

3.5-

4.0

4.0-

4.5

4.5-

5.0

5.0-

5.5

5.5-

6.0

6.0-

6.5

6.5-

7.0

7.0-

7.5

7.5-

8.0

8.0-

8.5

8.5-

9.0

9.0-

9.5

9.5-

10.0

10.0

-10.

510

.5-1

1.0

11.0

-11.

511

.5-1

2.0

12.0

-12.

512

.5-1

3.0

13.0

-13.

513

.5-1

4.0

14.0

-14.

514

.5-1

5.0

15.0

-15.

515

.5-1

6.0

度数

相対観視距離（H）

PDP N= 41LCD N= 149CRT N= 203

総数=393中央値=6.0平均値=6.510ﾊﾟｰｾﾝﾀｲﾙ=3.990ﾊﾟｰｾﾝﾀｲﾙ=9.9最大値=15.7

0

100

200

300

400

500

600

0 10 20 30 40

観視距離（cm）

部屋の広さ(畳）

CRT N=41

LCD N=32

PDP N=10

0

100

200

300

400

500

600

10 20 30 40 50 60

観視距離(cm)

画面サイズ(型)

CRT N=41

LCD N=32

PDP N=10

各世帯における最も好ましいテレビ視聴位置での計測結果 N=83

テレビ観視距離の分布 83世帯 N=393


8383世帯の好ましいテレビ視聴位置における水平観視画角世帯の好ましいテレビ視聴位置における水平観視画角文献文献6)6)

0

5

10

15

20

25

30

0 10 20 30 40 50 60

水平観視画角（

deg）

画面サイズ（型）

Disp. N Mean● LCD 32 15.7°○ CRT 41 12.6°× PDP 10 20.1°


液晶テレビの好ましい観視距離に関する液晶テレビの好ましい観視距離に関する多元的な実験の結果多元的な実験の結果

好ましい視距離好ましい視距離好ましい視距離

画面サイズ画面サイズ画面サイズ画面輝度画面輝度画面輝度

液晶とプラズマの違い

液晶とプラズマの違い

表示映像の解像度表示映像の解像度

高齢者と若年者高齢者と若年者

部屋の大きさ部屋の大きさ動画と静止画の違い

動画と静止画の違い

映像内容映像内容

有意な影響 n.s.有意な影響

n.s.

許容最短視距離のみ有意n.s.

一部有意

有意


液晶テレビの好ましい視距離：液晶テレビの好ましい視距離：画面サイズと表示輝度の影響画面サイズと表示輝度の影響文献文献7)7)

24,32,42,52,65型HDTV-LCDに3種類の標準動画像を表示して被験者が車椅子に乗って前後する調整法で好適観視距離を求めた．同時に許容最短視距離（連続視聴できる限界）も計測した．

各画面サイズ、表示輝度に対する27名の平均値と標準偏差

画面サイズF(4,116)=107p<0.001表示輝度F(1,29)=38p<0.001映像F(2,58)=0.8 N.S

三元配置分散分析画面サイズ(5)表示輝度(2)映像(3)

好適視距離

好ましい視距離（H）


ＨＤＴＶの好ましい観視距離ＨＤＴＶの好ましい観視距離

Arditoら8)， Lund9)，ITU-R4)の好ましい観視距離(Preferred viewing distance)と傾向は一致している

65型

LundやArditoらの実験はHDTV用のCRTやリアプロを使用したもの

01

2

34

56

7

89

10

0 20 40 60 80 100 120 140 160

好ましい観視距離（

H）


100cd/㎡(本研究(1))

300cd/㎡(本研究(1))

Ardito 動画(文献2より)

Ardito 静止画(文献2より)

Lund 動画(文献3より)

ITU-R BT.500（文献4）

Pref

erre

d vi

ewin

g di

stan

ce(H

)文献7)

文献7)

（文献8より)

（文献8より)

（文献9より)

（文献4より)


0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

20 30 40 50 60 70

視距離(cm)

画面サイズ(型)

100cd/㎡

300cd/㎡

100cd/㎡

300cd/㎡

好適

視距離

許容最短

視距離

液晶テレビの好ましい観視距離液晶テレビの好ましい観視距離-- 画面サイズと表示輝度の影響画面サイズと表示輝度の影響 ‒‒文献文献7)7)

75％ile値

25％ile値

好ましい視距離（cm）

家庭環境における視距離の中央値


実験条件画面照度 100（lx）表示輝度 340cd/m2

座位高椅座位，床座位観視距離 150cm， 250cm， 400cm画面サイズ 32型， 42型， 65型

座位高（2）×観視距離（3）×画面サイズ（3）＝計18条件被験者平均年齢 21.7歳（20～28歳）の31名視聴映像 HDTV画質評価用映像Qtec社製QT-1000とASTRODESIGN社製

VT-7001から合計6種類，10秒ずつ60秒間の映像の繰り返し再生

HDTVHDTVの好ましい設置高さに関する実験の好ましい設置高さに関する実験文献文献10)10)

実験風景椅座位床座位

壁掛けTVを想定して好ましい画面高さを調整法で求めた．手元のコントローラーで画面を自由に上昇・下降できる装置を作成し，視距離，画面サイズ，座位姿勢を実験変数として実験した．リアプロジェクション方式を使用した．


150 250 400405060708090

100110120130140150

150 250 400

32型 42型 65型

TVの好ましい設置高３１名の平均と標準偏差

0

31名の目の高さの平均

椅座位・床座位ともに画面の中心が被験者の目の高さになるように調節した

観視距離（cm）

画面中央の高さ

(cm

)

椅座位床座位


0

10

20

30

40

5010 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95100105110115120125130135

視聴者の目の高さ（cm）

度数

臥位床座位椅座位

N=393

83世帯における実態調査の結果度数

視聴者の目の高さ（cm）

テレビ視聴者の目の高さ壁掛けTVの設置の指針となる


テレビの大画面化照明映り込み増加の懸念

実態調査データに基づいて画面の大型化による映り込みの増加を予測する

画面の設置高さ，観視位置の実態調査に画面の設置高さ，観視位置の実態調査に基づいた基づいた大画面化大画面化によるによる照明器具の映り照明器具の映り込み込みの増加予測の増加予測文献文献1111））,12,12））

クリアパネルの普及


目

照明

大画面化による映り込み

),( HzHx法線 x

垂直z

),( LzLx

大画面化による照明器具の画面への映り込み大画面化による照明器具の画面への映り込み

目と照明との位置関係から反射像が画面に映る

ＴＶ

ＴＶ


照明器具の位置 N=198視聴者の目の位置 N=393

画面への照明器具の映り込み位置の算出画面への照明器具の映り込み位置の算出

テレビ中心から見た視聴者の目の位置と照明器具の位置


0

50

100

150

200

250

300

-350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200 250 300 350

テレビの中心からの距離(cm)

床からの距離(cm）

画面下端の高さ　60cm

42型2％

150型92％

65型15％

100型

67％

52型5％

83世帯 N=1015 における照明器具の反射位置の散布図

結果：結果：照明器具の画面上の映り込み照明器具の画面上の映り込み


画面サイズと照明器具の映り込みの確率画面サイズと照明器具の映り込みの確率

0

10

20

30

40

50

60

70

80

30 40 50 60 70 80 90 100


映り込みの発生確率（％）

0cm

35cm

50cm

60cm

70cm

画面下端高

1. 我が国の一般的なリビングでは現状の普及帯の50型以下のサイズでは照明器具の映り込みはほとんど問題にならない

2. さらに大型化した場合は，テレビの設置高さと画面傾斜角度文献12)

が映り込みに対して重要なパラメータとなる


映り込み入射角度（水平成分）の分布

0

20

40

60

80

100

120

140

160

-90

-80

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10 0102030405060708090

水平入射角(deg)

度数

83世帯N=1015

映り込み入射角度（垂直成分）の分布

0 50 100 150

-44-40-36-32-28-24-20-16-12-8-404812162024283236404448

入射角（deg)

度数

83世帯N=1015

水平方向成分垂直方向成分

リビングやホームシアターの照明のカットオフ角の設計に適用できる

画面への照明器具の映り込みの入射角度画面への照明器具の映り込みの入射角度LEDLED電球の普及により一室多灯照明のリビングが増加する電球の普及により一室多灯照明のリビングが増加する照明の有効利用を検討する必要がある照明の有効利用を検討する必要がある


ＨＤＴＶの好適表示輝度ＨＤＴＶの好適表示輝度文献文献 6),13),146),13),14））

83世帯における実地計測と多元的な実験室実験の結果に基づく好適条件


0

50

100

150

200

250

300

350

0 100 200 300 400 500 600 700

消費電力（W）

輝度（ cd /m 2）

2 0 0 7年製 HDTV-LCD

E社 37型

F社 40型

G社 42型

D社 42型

A社 37型

B社 42型

C社 40型

0

50

100

150

200

250

300

350

0 100 200 300 400 500 600 700

消費電力（W）

輝度（ cd /m 2）

2 0 0 9年製 HDTV-LCD

C社 40型

B社 42型

G社 42型

H社 40型

B社 42型

C社 46型 LED

G社 46型 LED

C社 40型 LED

表示輝度と消費電力との関係表示輝度と消費電力との関係

適切な輝度制御による消費電力の低減の可能性適切な輝度制御による消費電力の低減の可能性視聴者にとって適切な輝度とは？視聴者にとって適切な輝度とは？

全画面白表示における輝度と消費電力（ダイナミックモード）全画面白表示における輝度と消費電力（ダイナミックモード）


0 50 100 150 200 250

G社 42型

F社 40型

E社 37型

D社 42型

C社 40型

B社 42型

A社 37型

40型 LED

46型 LED

46型 LED

H社 40型

G社 42型

C社 40型

B社 42型

B社 42型

消費電力[W ]

スタンダードモード

P0_ static

P0 _ b roadcast

P0 _ in ternet

2

0

0

9

年

製

2

0

0

7

年

製

IEC62087IEC62087--2.0 2.0 文献文献15)15)によるによるOnOn--modemode測定の結果測定の結果


液晶テレビの好適表示輝度液晶テレビの好適表示輝度

空間的視聴条件空間的視聴条件

コンテンツコンテンツ

照明環境照明環境

視聴者特性視聴者特性

液晶テレビの好適表示輝度に影響する要因液晶テレビの好適表示輝度に影響する要因

ALLALL

観視画角観視画角

視聴者の年齢視聴者の年齢

画面照度画面照度

HDTVHDTV放送信号の分析放送信号の分析

2424時間ﾘﾋﾞﾝｸﾞ環境計測時間ﾘﾋﾞﾝｸﾞ環境計測視聴空間の実地測定視聴空間の実地測定

シニア層を被験者に使用シニア層を被験者に使用


2424時間リビング照度環境の計測時間リビング照度環境の計測

テレビ画面照度のテレビ画面照度の2424時間連続測定時間連続測定 7777世帯で実施世帯で実施

画面照度センサー

画面からの光束センサーUSB経由でPCのHDDへ１分ごとに記録したのデータを24時間保存


2424時間リビング照度環境の計測の例時間リビング照度環境の計測の例

画面入射照度と画面から放射される光束を照度計で24時間連続測定した結果の一例

0.01

0.1

1

10

100

1000

0:00

1:00

2:00

3:00

4:00

5:00

6:00

7:00

8:00

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

18:00

19:00

20:00

21:00

22:00

23:00

時刻

照度(lx)

テレビ画面入射照度

テレビ画面表示照度

on off画面入射照度

画面光束 TVｰON状態を示す


0

2

4

6

8

10

12

～1

～2

～3

～4

～5

～6

～7

～8

～9

～10

～11

～12

～13

～14

～15

～16

一日あたりのテレビ点灯時間(時間)

度数

N = 77世帯平均 = 8.06時間最大 = 15.7時間

最小 = 1.3時間

一日あたりのテレビ点灯時間は平均約一日あたりのテレビ点灯時間は平均約88時間時間

省エネ法では省エネ法では4.54.5時間で計算？時間で計算？


0102030405060708090100

0

5

10

15

20

25

-0.9

1-1.

61.

7-2.

52.

6-4.

04.

1-6.

36.

4-10

11-1

617

-25

26-4

041

-63

64-1

0010

1-15

815

9-25

025

1-39

839

9-63

063

1-10

0010

01-

Cum

ulat

ive F

requ

ency

(%)

Freq

uenc

y (%

)

Screen Illuminance (lx)

Geometric Mean 84Median 92Mode 71Arithmetic Mean172 10%ile 20 90%ile 305 Min 0.1 Max 42600

TVTVオン時の画面照度（オン時の画面照度（7777世帯の世帯の2424時間計測）時間計測）文献文献6)6)


%

0

10

20

30

40北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

N=83

%

0

10

20

30北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

N=173

8383世帯のリビングにおけるテレビ画面と窓の方位世帯のリビングにおけるテレビ画面と窓の方位

我国では窓は南向き，テレビは北向きなることが圧倒的に多い．我国では窓は南向き，テレビは北向きなることが圧倒的に多い．さて壁掛けテレビはどのように設置するのだろうか．さて壁掛けテレビはどのように設置するのだろうか．

テレビ画面の向きテレビ画面の向き窓の向き窓の向き


昼間昼間 7777世帯の輝度分布世帯の輝度分布夜間夜間 3838世帯の輝度分布世帯の輝度分布

テレビ視聴者のテレビ視聴者の180180°°視野の輝度分布（中央がテレビ画面）視野の輝度分布（中央がテレビ画面）昼間は窓からの自然光，夜間は天井の照明光が主となり光の方向性が異昼間は窓からの自然光，夜間は天井の照明光が主となり光の方向性が異なる．画面照度は視野輝度とは必ずしも一致しない．今後は視野輝度に合なる．画面照度は視野輝度とは必ずしも一致しない．今後は視野輝度に合わせた輝度制御が必要になる．わせた輝度制御が必要になる．


○Daytime N=78y = 0.87x0.84

R² = 0.40

●Nighttime N=37y = 0.18x0.99

R2 = 0.61

1

10

100

1000

10 100 1000 10000

Lum

inac

e of V

iewe

rs' V

isua

l Fie

ld

(cd/

m2 ）

Screen Illumimance (lx)

画面照度と視聴者の視野輝度との関係が昼夜で異なる画面照度と視聴者の視野輝度との関係が昼夜で異なる文献文献 16)16)

画面表面の照度センサーだけで最適輝度制御する難しさを表す画面表面の照度センサーだけで最適輝度制御する難しさを表す視聴者の180度視野の平均輝度

（cd/㎡）


%

-5

5

15

25

35

45北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

米国　窓の方位　N=580

%

-5

5

15

25

35

45北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

英国　窓の方位　N=580

%

-5

5

15

25

35

45北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

中国　窓の方位　N=580

%

-5

5

15

25

35

45北

北東

東

南東

南

南西

西

北西

日本　窓の方位　N=2060

リビングの窓の向きリビングの窓の向き国別比較国別比較


TV視聴時の照明欧米で低表示輝度が求められるとすれば

目の特性ではなく照明条件の違いと考えた方がよい

36


HDTVHDTV放送信号の分析放送信号の分析文献文献1717））,18),18)

計測値計測値各フレーム毎に算出各フレーム毎に算出

ITUITU--R BT.709R BT.709 準拠準拠

記録期間記録期間20092009年年77月月3131日午前日午前00時時からから

20092009年年88月月77日の日の11週間週間

装置装置地上デジタル放送チューナー地上デジタル放送チューナー八木アンテナ社製八木アンテナ社製 DTC110DTC110

HDMIHDMIキャプチャーボードキャプチャーボードBlackMagicDesignBlackMagicDesign 社製社製Intensity ProIntensity Pro

Windows Vista 64bitWindows Vista 64bit PCPC

輝度情報輝度情報刺激値Y ヒストグラム刺激値Y による APL ,ALL* SD映像の場合, 黒帯領域は除去

色度情報色度情報

uu’’vv’’ ヒストグラムヒストグラム

a*b* a*b* ヒストグラムヒストグラム

放送局放送局NHKNHK総合総合日本テレビ日本テレビテレビ朝日テレビ朝日

TBSTBS フジテレビフジテレビ


ジャンル別の放送時間ジャンル別の放送時間

• 総計測時間 829 時間 (11時間の欠損)• 総番組数 1211番組

放送局別のジャンルの放送時間総計測時間に対する総計測時間に対する放送時間の割合放送時間の割合

情報・ワイドショー情報・ワイドショー 27.0%27.0%

ニュース・報道ニュース・報道 22.5%22.5%

バラエティバラエティ 22.2%22.2%

ドラマドラマ 10.5%10.5%

その他のジャンルその他のジャンル 17.8%17.8%


APLAPLの分析結果の分析結果平均平均APLAPL

IEC62087 Ed.2.0IEC62087 Ed.2.0 33.9%33.9%

本研究結果本研究結果 44.8%44.8%

情報・ワイドショー情報・ワイドショー 49.3%49.3%

バラエティバラエティ 49.6%49.6%

ニュースニュース 47.7%47.7%

ドラマドラマ 36.0%36.0%

放送局別平均放送局別平均APLAPL

NHKNHK総合総合 47.2%47.2%

日本テレビ日本テレビ 43.4%43.4%

テレビ朝日テレビ朝日 45.2%45.2%

TBSTBS 42.9%42.9%

フジテレビフジテレビ 45.2%45.2%引用：引用：IEC 62087IEC 62087

本研究結果と本研究結果とIEC62087IEC62087文献文献15)15)のの電力測定用映像の電力測定用映像のAPLAPL分布の比較分布の比較


空間累積輝度分布空間累積輝度分布NHKNHK総合総合

日本テレビ日本テレビ

TBSTBS

テレビ朝日テレビ朝日

フジテレビフジテレビ


二次元二次元UU’’VV’’ ヒストグラムヒストグラム

D65D65

全画素の全画素のuu’’vv’’ ヒストグラムヒストグラム uu’’vv’’ ヒストグラムの外周ヒストグラムの外周

BluBluee

ReRedd

GreenGreen

※※ ZZ軸を対数化軸を対数化


好ましい表示輝度に関する多元的な実験好ましい表示輝度に関する多元的な実験結果から求めた重回帰モデル結果から求めた重回帰モデル

目的変量目的変量説明変量説明変量

画面照度画面照度観視画角観視画角表示映像の表示映像のALLALL

好ましい輝度好ましい輝度

log(log(好ましい輝度好ましい輝度))＝＝aa・・log(log(画面照度画面照度))

＋＋bb・・log(log(観視画角観視画角)+c)+c・・log(log(ALLALL)+d)+d

各要因とは両対数で線形の関係があり，独立な要因として扱えるので各要因とは両対数で線形の関係があり，独立な要因として扱えるので以下の回帰モデルが構築できる以下の回帰モデルが構築できる


観視観視画角・ＡＬＬ・画面照度を変数とした好適輝度の画角・ＡＬＬ・画面照度を変数とした好適輝度の実験結果から求めた実験結果から求めた重回帰モデル重回帰モデル

log PL = 2.40 + 0.27 log E - 0.22 log SA ‒ 0.32 log ALL

Adjusted R2=0.99

PL : 好ましい輝度（cd/㎡） E ：画面照度（lx）SA : 観視画角(deg) ALL ：映像の平均輝度レベル（%）

log PL = 2.87 + 0.13 log E - 0.34 log SA - 0.21 log ALLAdjusted R2=0.94

高齢者群

各説明変量に対する標準偏回帰係数若年者群高齢者群

①画面照度： 0.58 ①画面照度： 0.37②観視画角： - 0.27 ②観視画角： - 0.56③ALL : - 0.77 ③ALL ： - 0.71

若年者群平均年齢 22歳

平均年齢 71歳


100

120

140 160180

200220

10

70

30 100 300

水平観視画角 (deg)

画面照度 (lx)

cd/m2若年者群ALL 25 %50

30

20

50 200

cd/m2

画面照度と観視画角に対する好適輝度（画面照度と観視画角に対する好適輝度（若年者若年者））

下記のモデルを下記のモデルを等高線図で表現等高線図で表現

等高線は好ましい等高線は好ましい輝度（輝度（cd/cd/㎡㎡））PLPL

若年者若年者2424名（平均年齢名（平均年齢2222歳）歳）の実験結果から求めた回帰式の実験結果から求めた回帰式

log PL = 2.40 + 0.27 log E– 0.22log SA – 0.32 log ALL

好適輝度（cd/㎡）観視角度（deg） ALL（％）画面照度（lx）

E：

SA：

100（lx）

25°4.5H


160180

200

220

240

260280

300320

34010

70

30 100 300


画面照度 (lx)

cd/m2

高齢者群ALL 25%50

30

20

50 200

画面照度と観視画角に対する好適輝度（画面照度と観視画角に対する好適輝度（高齢者高齢者））

下記のモデルを下記のモデルを等高線図で表現等高線図で表現

等高線は好ましい等高線は好ましい輝度（輝度（cd/cd/㎡㎡））PLPL

高齢者高齢者2424名（平均年齢名（平均年齢7171歳）歳）の実験結果から求めた回帰式の実験結果から求めた回帰式

log PL = 2.87 + 0.13 log E– 0.34log SA – 0.21 log ALL

好適輝度（cd/㎡）観視角度（deg） ALL（％）画面照度（lx）

E：

SA：

100（lx）

25°4.5H


1.2

1.3

1.41.5

1.6

1.7

1.8

1.9

10

70

30 100 300


画面照度 (lx)

高齢者群と若年者群との好適輝度の比　ALL25%50

30

20

50 200

平均年齢平均年齢7171歳の高齢者群と平均年齢歳の高齢者群と平均年齢2222歳の若年者群の歳の若年者群の好適表示輝度の違い好適表示輝度の違い


LCD　N=31

0

5

10

15

20

25

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550

ピーク白輝度（cd/㎡）

％ALL 30%

CRT　N=41

0

5

10

15

20

25

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550


％

ALL 30%

PDP　N=10

010203040506070

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550


％

ALL 30%

8282世帯で実測した世帯で実測したTVTV画面の輝度の実態画面の輝度の実態（外光反射輝度含むピーク白輝度）（外光反射輝度含むピーク白輝度）

LCD　N=31

0

5

10

15

20

25

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550


％

ALL 100%

CRT　N=41

0

10

20

30

40

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550


％ ALL 100%

PDP　N=10

0

20

40

60

80

100

～50

～100

～150

～200

～250

～300

～350

～400

～450

～500

～550


％

ALL 100%

APL 30% APL 100%

LCDN=31

CRTN=41

PDPN=10

明るさｾﾝｻON：86%，標準ﾓｰﾄﾞ：70%

明るさｾﾝｻON：33%，標準ﾓｰﾄﾞ：17%


0

50

100

150

200

250

300

350

0 20 40 60 80 100

Peak

Whi

te L

umin

ance

(cd/

m2 )

Average Picture Level (%)

Mean with ±1 SD error bar

LCD N=32CRT N=41PDP N=10

表示輝度の表示輝度のAPLAPL依存性依存性実環境下における外光反射輝度を含むピーク白輝度実環境下における外光反射輝度を含むピーク白輝度

APL 1% APL 50% APL 100%


まとめまとめ視聴実態を考慮した液晶テレビの好ましい視聴条件視聴実態を考慮した液晶テレビの好ましい視聴条件を見出すために，視聴環境と視聴条件に関する実地を見出すために，視聴環境と視聴条件に関する実地調査と多元的な実験室実験を積み重ねてきた調査と多元的な実験室実験を積み重ねてきた

その結果，その結果，HDTVHDTVの視聴における一般的な推奨条件の視聴における一般的な推奨条件は，視聴者が好ましいと感ずる視聴条件とは必ずしは，視聴者が好ましいと感ずる視聴条件とは必ずしも一致しないことが示されたも一致しないことが示された

また，高齢視聴者に対しては若年視聴者とは別途視また，高齢視聴者に対しては若年視聴者とは別途視聴条件について検討する必要性が示された聴条件について検討する必要性が示された

個々の視聴者が好ましいと感ずる視聴条件を創出す個々の視聴者が好ましいと感ずる視聴条件を創出することによって液晶テレビの消費電力の低減と視覚ることによって液晶テレビの消費電力の低減と視覚疲労の軽減がもたらされる可能性が示された疲労の軽減がもたらされる可能性が示された

そのためには技術主導ではない視聴者（ユーザー）そのためには技術主導ではない視聴者（ユーザー）を中心に据えた技術の俯瞰と方向づけが必要と考えを中心に据えた技術の俯瞰と方向づけが必要と考えられるられる


文献文献1. JIS Z9110：照度基準（1979）

2. 照明学会：屋内照明基準 JIES-008(1999)

3. ITU-R BT.710-3: Subjective Assessment for image quality in HDTV, (1997)

4. ITU-R BT.500-11 ：Methodology for the Subjective Assessment of the Quality of Television Pictures，(2002)

5. J.Panero and Martin Zelnik: Human Dimension & Interior Space,Whitney Library of Design, (1979)

6. 岸本，窪田，鈴木, 久保田，三澤，山根，合志，今井，五十嵐，松本，芳賀，中枝：家庭の視聴環境に即した液晶テレビの最適輝度制御，映像情報メディア学会誌，（2010投稿中）

7. 小林，小野，窪田，岸本，山根，五十嵐，芳賀，中枝：液晶テレビの好ましい視距離 (2)，映像情報メディア学会冬季大会，(2008.12.9)

8. Ardito,M.:Studies of the Influence of Display Size and Picture Brightness on the Preferred Viewing Distance for HDTV Programs,SMPTE J,103,8,517-522,(1994)

9. Lund,A.M.:The Influence of Video Image Size and Resolution on Viewing -Distance Preferences,SMPTE J.,102,5,406-415,(1993)

10. 三澤，久保田，松岡，窪田，岸本，山根，合志，五十嵐，芳賀，中枝:壁掛けテレビの好ましい設置高，日本人間工学会関東支部第39回大会，(2009.12.5)

11. 窪田,小林,久保田,三澤,岸本,山根,五十嵐,芳賀,中枝：薄型テレビの大画面化と照明器具の映り込み，電子情報通信学会2009年総合大会，（2009.3.18）


12. 久保田，三澤，窪田，岸本，山根，合志，五十嵐，芳賀，中枝:薄型テレビの画面傾斜による照明器具の映り込み低減効果，映像情報メディア学会冬季大会，（2009.12.16）

13. 窪田，小野，小林，岸本，山根，五十嵐，芳賀，中枝：液晶テレビの好適表示輝度に関する研究 (1)，映像情報メディア学会冬季大会，(2008.12.9)

14. 鈴木，窪田，岸本，山根，五十嵐，芳賀，中枝：液晶テレビの好適表示輝度に関する研究(2)，映像情報メディア学会冬季大会，（2008.12.9）

15. IEC62087：Method of measurement for the power consumption of audio, video and related equipment, IEC62087 Edition2.0 (2008.10)

16. 岸本,窪田,小野,久保田,三澤,山根,五十嵐,芳賀,中枝:視聴環境を考慮した液晶テレビの輝度制御，電子情報通信学会2009年総合大会，(2009.3.18)

17. 小野，小林，窪田，岸本，山根，合志，五十嵐，芳賀，中枝:HDTV放送信号の輝度と色度情報の記録分析，映像情報メディア学会冬季大会，(2009.12.16)

18. 小野,小林,窪田,岸本,合志,五十嵐,松本,芳賀,中枝:HDTV放送信号の色度情報の分析,電子情報通信学会2010年総合大会，(2010.3)

最後に，本プロジェクトは成蹊大学理工学部認知工学研究室の大学院生と研究補助員の協力を得て実施されている．以下に記して感謝の意を表します．

小野石樹，小林雄二，久保田雄大，関根豪，三澤優貴，鈴木瑞穂（研究補助員）以上，敬称略


ご清聴ありがとうございましたご清聴ありがとうございました

Documents

消費電力の低減と視覚疲労の軽減のための ハイビ …JEITA主催FPDの人間工学シンポジウム2010.3.5 消費電力の低減と視覚疲労の軽減のための

消費電力の低減と視覚疲労の軽減のためのハイビ …JEITA主催FPDの人間工学シンポジウム2010.3.5 消費電力の低減と視覚疲労の軽減のための