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名古屋高速道路の交通安全対策
名古屋高速道路公社管理部 交通課
平成24年6月
~カーブ事故の撲滅に向けて~
1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.交通事故の現状と事故防止対策
2-1.事故件数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2-3.事故に伴う社会的影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
3.今後の取り組み
3-1.事故対策の骨子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
4.お客様へのお願い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
2-4.これまでの取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3-2.新たな取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
2-2.カーブ事故の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.交通事故の現状と事故防止対策
1.はじめに
・平成17年度以降の事故件数については緩やかに減少しています。・カーブでの事故件数は、平成19年度以降、増加傾向です。
名古屋高速道路では、お客様に安全で快適に道路をご利用していただくため、事故の多いカーブにカラー舗装など様々な事故防止対策を実施してきました。
事故が増加傾向にあるカーブ区間について、路面状況別の傾向(平成23年度)を見て
みると、湿潤した路面での事故比率が70%と非常に高くなっています。このことからわかるように、カーブでは雨天時のスリップ事故が多発しています。雨天時の事故削減が、今後の事故対策の重要な課題となっています。
-1-
2-1.事故件数の推移
2-2.カーブ事故の特徴
(1)路面状況別の事故件数
路面状況 平成23年度 比率
乾 燥 107 30%
湿 潤 252 70%
合 計 359 100%
路面状況別のカーブ事故件数
事故件数の推移
7784 85
1031049999
99
97
94876
943901854
1,007
958
992
1,145
1,034
900
190210 196 236
195251 270
335 332 359
0
200
400
600
800
1000
1200
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 年度
事故件数(件)
0
20
40
60
80
100
120
通行台数(百万台)通行台数(百万台)
全事故件数
カーブ事故件数
カーブ事故が増加
全事故件数は緩やかに減少
※公社調べ
しかしながら、カーブでの事故が増加傾向にあるため、ソフト対策を中心とした幅広い事故防止対策を講じ、更に安全で快適な都市高速道路の実現を目指します。
(2)カーブ箇所別の事故件数
N
一宮 JCT
東海北陸
自動車道
一宮IC
小牧 IC
小牧JCT
清洲JCT楠 JCT
明道町JCT
東片端JCT 上社JCT
鶴舞南JCT 高針JCT
名古屋IC
名古屋西JCT
山王JCT
東海JCT
大高
名古屋南JCT
知多半島道路
飛島IC
1号楠線
6号清須線
3号大高線
号小牧線号
一宮線
2号東山線2
1
R
3
6
4
5
16
11
環状線
5号万場線
都心
4号東海線
伊勢湾岸自動車道
16
11
名古
屋
第二環状自動車道
カーブ事故件数を箇所別に見てみると、カーブの多い都心環状線が最も多く、その中でも「山
王JCT北渡り」においては、全体のカーブ事故件数の25%を占めており、非常に事故が多い状況となっています。次いで、「鶴舞南JCT北渡り」、「高針JCT北渡り」の順となっています。
山王JCT北渡り
鶴舞南JCT北渡り
凡例 事 故 多 発 箇 所(ワースト1~3) その他カーブ箇所 (ワースト4~10)
高針JCT北渡り
明道町JCT北渡り
明道町JCT南渡り
鶴舞南JCT南渡り
新洲崎JCT北渡り
新洲崎JCT南渡り
丸田町JCT南渡り
丹後通カーブ上り
-2-
worst カーブ箇所 件数 比率
1 山王JCT北渡り 91 25%
2 鶴舞南JCT北渡り 67 19%
3 高針JCT北渡り 33 9%
4 明道町JCT南渡り 29 8%
5 明道町JCT北渡り 23 6%
6 鶴舞南JCT南渡り 18 5%
7 新洲崎JCT南渡り 10 3%
8 新洲崎JCT北渡り 10 3%
9 丸田町JCT南渡り 8 2%
10 丹後通カーブ上り 7 2%
その他のカーブ箇所 63 18%
合 計 359 100%
カーブ箇所別の事故件数(平成23年度)
カーブの制限速度はこちらをみてね!!
(http://www.nagoya-expressway.or.jp/safety/pdf/
speed.pdf)
(3)走行速度と事故件数の相関
2-3.事故に伴う社会的影響
平成23年度は、事故に伴い、渋滞が111回発生しています。
この事故渋滞により影響を受けた交通量は、約38万台※
と推定されます。 事故に伴い、当事者(人的・物的)の被害のみならず、第三者を巻き込んだ社会的損失も多大であるので、今後も更に事故削減を目指して取り組む必要があります。
-3-
最も事故が多い山王JCT北渡りにおいて、平成23年度における車線別走行速度と事故件数を見ると、最も事故が多い第3車線で82km/hと30km/h以上もオーバーしており、事故件数もこれに相関するように高くなっています。また、施設衝突が全体の77%と非常に高く、右側の壁に衝突したケースが多いことがわかります。これらのことから、速度抑制対策及び壁への衝突を抑制するような対策の実施が必要となっています。
※時間交通量2,500台を想定
渋滞回数 111回 渋滞時間(1回当たり) 82分 渋滞長(1回当たり) 3.4km
社会的損失(平成23年度)・・・渋滞による影響
注1)試算結果は、渋滞に巻き込まれた方の損失を試算したものです。注2)時速30km以下の車列の延長が、1㎞を超えその状態が30分以上継続した場合を「渋滞」と定義しています。
渋滞状況 試算結果
事故渋滞損失額 約 1億円(年間) 約 90万円(1回当たり)
【損失額の算出方法】 ・20km(渋滞時)と60km(通常時)との渋滞通過時間の差(10.2分-3.4分)=6.8分
・1台当たりの損失を時間便益で計算すると、6.8分×40.1円※/分・台≒273円/台 ・損失額=273円/台 × 2,500台/h ×82分/60分≒90万円(渋滞1回当たり) ※乗用車1台・1分あたりの時間価値(出典:国土交通省 費用便益分析マニュアルH20.11)
山王JCT北渡り車線別走行速度と事故件数の相関
(平成23年度)
23
41
4
10
82
6668
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
第1車線(左) 第2車線(中) 第3車線(右) 不明
事故件数(件) 走行速度(km/h)
事故件数
走行速度
事故内容 平成23年度 比率
施設衝突 70 77%
車両衝突 9 10%
多重衝突 6 7%
追突 4 4%
その他 2 2%
合計 91 100%
内容別の事故件数(山王JCT北渡り)
注1)走行速度は車両感知器の1分間データ
注2)事故件数は平成23年6月~平成24年3月のデータ
名古屋高速では、車両感知器を約500mピッチに設置し、車両の通行台数や走行速度の計測をしています。
※
2-4.これまでの取り組み
名古屋高速道路では、事故多発地点(特に山王JCT北渡り、鶴舞南JCT北渡り)の対策のほか、渋滞末尾での追突事故防止のため、パトロールカーによる監視、落下物防止のための積載不良車取締り、ドライバーへの啓発活動など、あらゆる対策を実施しています。
鶴舞南JCT北渡りの取り組み
路面標示(カラー舗装+速度落せ) 回転灯の改良(黄→赤へより明るく)
矢羽根の増設
高輝度反射シート
朱色の路面標示と文字を組み合わせた速度抑制対策の他、視認性向上対策を中心に実施。
-4-
山王JCT北渡りの取り組み
注意喚起看板
カラー舗装
カラー舗装
高輝度反射シート
山形減速マーク
エスコートライン延伸
最も事故の多いカーブであるため、速度抑制対策、視認性向上対策、注意喚起等あらゆる対策を実施。
道路情報板による注意喚起 パトロールカーによる注意喚起
高針JCT北渡りの取り組み
路面標示(エスコートライン延伸+急カーブ注意)
長い直線部の後に急カーブがある為、カーブ手前での速度抑制対策、カーブの注意喚起を実施。
笠寺入口合流部の取り組み
お客様からの要望で、本線走行車両に対し、入口合流車両があることへの注意喚起を促し、減速させるための対策を実施。
路面標示(合流注意) 電光標示板(合流注意)
その他事故防止のための取り組み
渋滞手前での渋滞情報提供・監視
積載不良車等の取締り
落下物防止啓発チラシの配布
警察によるオービスの設置
高辻・堀田入口の合流部延伸
排水性舗装の設置
情報板での注意喚起 速度警告板での注意喚起
-5-
雨天時速度抑制啓発チラシ(ティッシュ)の配布
合流部を延伸することで、本線走行車と合流車がお互いの車間を調整しあう距離が伸び、ゆとりを持って合流することができます。
舗装にすきまを持たせることで、水はけが良くなり、雨天時の走行安全性が向上します。
水を逃がす
3.今後の取り組み
3-1.事故対策の骨子
事故が起こりやすいカーブについては、これまで幾度となく事故防止対策を行い、効果をあげてきましたが、ドライバーの「慣れ」により効果が薄れるなど、従来の対策だけでは事故抑制効果に限界があります。このため、従来の対策に加え、以下の3点を骨子とした事故対策を推進し、カーブ手前での速度抑制による事故の削減を図っていきたいと考えています。
緑:従来実施してきた対策(今後も継続して実施)赤:今後新たに実施していく対策
-6-
(本線合流部での本線車両への速度減速対策)・本線合流ゾーンのカラー化
ハード対策
・排水性舗装(雨天時走行安全性向上対策)
・矢羽根増設、高輝度反射シート、 エスコートライン延伸、回転灯の改良(視認性向上対策)
・カラー舗装の設置、路面標示(速度落せ)による注意喚起(速度抑制対策)
・リブ付きラインの設置(カーブ内側へのはみ出し抑制対策)
【鶴舞南JCT北渡り、山王JCT北渡り】
【笠寺入口】
・カラー舗装の延伸+路面標示(速度落せ)による注意喚起
【山王JCT北渡り】
①速度抑制
②ドライバーの心に響く情報提供
③施設衝突防止
対策の骨子
・横断幕による速度抑制対策
・速度監視カメラの設置
ソフト対策
・道路情報板による注意喚起
・注意喚起看板の設置
・巡回車による注意喚起(雨天時カーブ手前、渋滞末尾)
・雨天時のパトロールの強化
・事故多発地点等の公表(公社ホームページ)
・事故原因の徹底調査 (公社ホームページで公表)
・より一層注意喚起を促す 情報発信 (日本道路交通情報センター)
・効果的な情報提供 (情報板・車載標識)
【山王JCT北渡り5箇所、鶴舞南JCT北渡り2箇所】
【山王JCT北渡り】
【山王JCT北渡り】
【都心環状線】
3-2.新たな取り組み
鶴舞JCT北渡りの新たな取り組み
リブ付きラインの設置 注意喚起看板(連続して2枚)の設置
リブ付きライン
「事故注意」看板
事故多発地点について、更なる取り組みとして、カーブ手前での速度抑制に主眼を置いた対策を実施する他、情報提供の充実を図ります。
効果的な情報提供
事故発生状況の提供(情報板) インパクトのある情報提供(車載標識)
昨日、○件事故発生
-7-
カーブ手前に横断幕の設置
速度監視カメラ、注意喚起看板(連続して5枚)の設置
山王JCT北渡りの新たな取り組み
交互に標示
スピードは控えめに
交互に標示
薄層舗装(段差)速度監視カメラ
速度落せ
「 速度落せ」看板
カラー舗装設置済
カラー舗装の延伸
カラー舗装延伸+路面標示(速度落せ7箇所)
路面標示
山王JCT北渡り
約140m
【対策の趣旨】
4.お客様へのお願い
-8-
カーブを走行する際は次の点に特に注意しましょう。
○カーブ手前で十分にスピードを落とし、○カーブに入ってからは出来る限りブレーキをかけずに、安全な一定速度で走行しカーブを抜けてください。また、カーブでは先の見通しが悪いため、カーブを抜けきった先が渋滞の末尾であった場合には、追突する危険もあります。安全運転での走行を心がけましょう。
速度監視カメラの設置カーブの手前に速度監視カメラを設置することで、速度抑制を促します。
雨天時のパトロールの強化事故の多い雨天時は、カーブ手前におけるパトロールを強化し、注意喚起に当たります。雨天時は追い越し車線を複数台のパトロールカーで周回します。
対策の骨子 対策内容 対策の趣旨
より一層注意喚起を促す情報発信(日本道路交通情報センター)
日本道路交通情報センター提供の道路交通情報において、天気状況に応じて、雨天時のカーブ事故について注意喚起を促す情報発信を行います。
カラー舗装の延伸+路面標示(速度落せ)による注意喚起
カーブ区間のカラー舗装区間をさらに手前側に延伸するとともに、路面標示(速度落せ)を合わせることで、一層の速度抑制を促します。
横断幕による速度抑制対策情報伝達効果の高い横断幕をカーブ手前に設置することで、より多くのお客様にカーブ事故が多いことの認識を持っていただき、速度抑制を促します。
速度抑制
速度抑制ドライバーの心に響く情報提供 事故を起こした方の生の声を聴取し、事故の原因・どう
すれば回避できたかをホームページでアピールすることで、お客様に事故に対する注意喚起を促します。こちらをご覧下さいhttp://www.nagoya-expressway.or.jp/kousin/topics/pdf/120608ka-bujiko.pdf
効果的な情報提供(情報板・車載標識)
情報板や車載標識による情報を(単に速度落とせ)よりインパクトのある内容にすることで、お客様への情報伝達力の強化を行います。
施設衝突防止
事故原因の徹底調査
リブ付きラインの設置カーブ内側の車線境界線をリブ付きにすることにより、内側へのはみ出しの抑制を行います。