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観光分野における女性活躍推進に関する調査事業報告書 令和2年3月 国土交通省観光庁 国際関係参事官室

観光分野における女性活躍推進に関する調査事業報 …1 目次 項目 ページ 1. 本事業の目的・概要 P.3~6 2-1.観光分野における女性活躍推進に向けた検討会実施報告

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観光分野における女性活躍推進に関する調査事業報告書

令和2年3月国土交通省観光庁国際関係参事官室

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目次

項目 ページ

1. 本事業の目的・概要 P.3~6

2-1.観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

2-2.観光業でキャリア再発進プロジェクト 実施報告

2. 実施報告 P.7~36

P.8~22

P.23~36

3-1.事業実施成果

3-2.今後に向けて

3. まとめ P.37~46

P.38~42

P.43~46

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1.本事業の目的・概要

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本事業の目的・概要

• 2019年6月に開催されたG20大阪サミットで、女性のエンパワーメントが大きく取り上げられるなど、近年、世界的に女性の活躍推進への注目が集まっている。

• 観光分野は日本の代表的な成長産業であり、近年の観光立国の取組みを通じて、その投資や雇用は急速に増加。雇用拡大に伴う人材不足に対しては、学生やアクティブシニア層、女性など多様な人材の取り込みと活用施策を積極的に展開されてきた。一方、特に女性人材の活躍推進(マネジメント層への進出)においては諸外国と比較してもまだ展開・拡大の余地が大きい。

↑G20大阪サミットにて、W20共同代表として安倍首相に提言書を渡す吉田晴乃氏(写真右/撮影は日経ARIA編集部)

• 長期のキャリアブランクによって、スキルがアップデートされていないこと等により、自身を喪失してしまう。

• 自身が就職できる職業の幅が狭いと感じている。

• 自己評価と市場の評価とのミスマッチが生じている。

女性のエンパワーメントに関する注目の高まり

育児などで労働市場を離れた女性の現状

←同サミットにて、女性の活躍に向けて「大胆な解決策」を各国首脳に求めるイバンカ米大統領補佐官(代表撮影)

• 深刻な人材不足。

• 他業界に比べ、女性の数は多いが、マネジメント層への女性の進出は十分に進んでいない。

• パート等の非正規雇用者の場合は、実務人材の戦力としての期待値が高い一方、中長期のキャリア形成に向けた社内外での育成の施策が不足しているため定着~活躍に結びつきづらい。

観光分野における女性活躍の現状

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本事業の基本コンセプト

【本事業のチャレンジ】

• 本事業では、検討会やヒアリング調査、文献調査(Input①)に加え、実証プロジェクトを通じた情報収集(Input②)を行う。この女性活躍推進実証プロジェクトでは、観光分野の中でもとりわけ雇用吸収力が高く、女性活躍の可能性が多数眠る東京都内のホテル業に焦点を置き、自身のホスピタリティ等の能力を活かしライフイベントとも両立しながらキャリア形成を行うことを目指す女性人材とマッチアップする実証プロジェクトを実施する。20程度のマッチング~女性人材の活躍事例を創出することを目指す。

• これらの取組みを通して、ホテル業における女性活躍促進実現のポイント(本取組みを継続的に実施するための仕組みづくりに向けたポイント、女性側への支援のポイント、ホテル側受入れポイント)を抽出する。

• 次年度以降、他地域のホテル業や、ホテル業以外の観光分野においても、自立的・継続的に本取組みが行われるよう、官民学の連携を図り、ノウハウを展開することで、観光分野全体での女性活躍推進の取組み加速を実現。

本調査事業での取組み(本年度Input) ノウハウの抽出(本年度Output) 普及

2019年度 2020年度以降

✓ 日本全国への展開

✓ 他の観光分野への展開

✓ 本実証事業を継続的に実施するための仕組みづくり

✓ 本取組みを継続的に実施するための仕組みづくりに向けたポイントの整理

✓ 女性側への支援のポイントの整理

✓ ホテル側受入れポイントの整理

3つの方法による情報収集

観光分野各業種/職種における女性活躍の実態・課題等の抽出

(A)ヒアリング調査 (B)文献調査 (C)検討会

実証プロジェクトを通じた情報収集

ホテル×女性人材のマッチング~採用事例を踏まえたホテル業における女性活躍推進のポイントの抽出

女性人材ホテル

Input②

Input①

他の地域への展開 大学等

との連携

他の観光業への展開

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「観光業でキャリア再発進プロジェクト」の概要

■プロジェクト実施概要

➢ 主なプロジェクト参加対象者本プロジェクトにおいては、主に以下のペルソナに該当する女性人材/ホテルをターゲットとして実施することを想定。

女性人材

ホテル

➢ 実施スケジュール(一部改訂)11~12月の採用成立を目指し、8月末よりプロジェクト参加者の母集団形成を開始し、9月26日にプロジェクト内容についての説明会を実施(①・②)。女性人材へはホテルへの就職に必要なスキル・マインドを習得する講座(③)を提供(10月19、26日, 11月2日)。その間、就職活動を伴走で後押しするキャリアコンサルティングを実施(④)。11月18日に双方を引き合わせる集合型イベントを開催し(⑤)、以降個別に採用成立を目指す。ホテルに対しては、今回のプロジェクトに対するアンケートを行い、以降の施策検討に繋げる(⑥)。女性人材へは、フォローアップ交流会を実施し(⑦)、就職決定者/未決定者/辞退者間で情報交換を行い、さらなる背中押しに繋げる。

①母集団形成③講座

⑤マッチングイベント~採用

8月 9月 10月 11月

④キャリアコンサルティング※

②母集団形成

2月

2019年 2020年

女性人材

ホテル

面接~採用

12月

説明会

説明会

マッチングイベント

※期間中に1名あたり1~2回実施

求人情報等準備

✓ 育児・介護等の事由でキャリアブランクがあるが、復職し、改めてキャリアを構築していきたいと考えている女性✓ 現在有職だが、キャリアアップのしづらい環境で働いており(例えば、パートや派遣社員として限られた職務範囲のまま継続的に働いている等)、今後専門性を身につけキャリアアップを実現できる仕事に就くことを志向している女性

✓ 経営課題解決の一手として、ライフイベントを抱える女性を含む多様な人材の活用を進めている/進めたいと考えているホテル

✓ 組織内に多様な職種・職階があり、性別等にかかわらない能力ベースでのキャリアアップを実現しうる環境を有するホテル

• 観光分野の中でも特に人材難であり多様な人材の活用が喫緊の経営課題である東京都内のホテル業を舞台に、自身のホスピタリティ等の能力を活かしライフイベントとも両立しながらキャリア形成を行うことを目指す女性人材とマッチアップする実証プロジェクト。

• 本プロジェクトにおいては、 マッチング~女性人材の活躍事例を創出することを目指し、その一連のプロセスより、ホテル業における女性活躍促進実現のポイントを抽出。次年度以降、他地域のホテル業や、ホテル業以外の観光分野においても女性活躍を促進するキーポイントを整理。

⑦フォローアップ交流会

1月

⑥アンケート

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2.事業実施報告

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2-1.観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■検討会有識者委員・ゲストスピーカー

• 委員は、観光分野の学識経験者、観光関連業界団体、ホテル業、旅行業、などから選任。座長には学識経験者から⽮ヶ崎教授が就任。• また、第2回~第4回検討会では、観光業において女性活躍に資する取組みを実施されている企業・団体の方を、ゲストスピーカーとして招聘。

項目 氏名(敬称略) 所属・役職

座長 ⽮ヶ崎 紀子 東京女子大学 現代教養学部国際社会学科コミュニティ構想専攻 教授

委員

市川 のぞみ (株)パレスホテル ヒューマンリソース部人材開発課 スーパーバイザー

岩本 裕美 (公社)日本観光振興協会観光地域づくり・人材育成部門 DMO推進部長

加藤 遼(株)パソナグループ 成長戦略本部 ソーシャルイノベーション担当部長、(株)パソナJOB HUB 事業統括部長 兼 旅するようにはたらく部長(兼務)

櫻田 あすか サービス・ツーリズム産業労働組合連合会 副事務局長

田瀬 和夫 SDGパートナーズ(有) 代表取締役 CEO

富澤 慶太 (株)帝国ホテル 人事部労務課労務支配人

森下 晶美 東洋大学 国際観光学部国際観光学科 教授

山本 綾子 (株)日本旅行 公務法人営業部 部長 LADY JATA 委員長

第2回検討会ゲストスピーカー

田中 美岐日本旅館協会会員・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 女性経営者の会 会長、(株)日昇別荘 代表取締役

山本 牧子 MPI Japan Chapter名誉会長、(株) Finesse Hospitality Management 代表取締役

第3回検討会ゲストスピーカー

浅生 亜也 AXIA~Ladies in Hospitality~代表理事、(株)サヴィーコレクティブ 代表取締役CEO

萬年 良子 ベルトラ株式会社 取締役海外事業部執行役員

第4回検討会ゲストスピーカー

塚原 月子 (株)カレイディスト 代表取締役

⽮島 麻優美 休日子育てシェアハウス山ん家 代表

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■検討会実施概要

• 観光分野における女性活躍の現状と課題を整理し、ベストプラクティスを共有するとともに、課題の解決方策等について検討するため、4回の検討会を実施。

• 観光分野における就業機会が増加していることを発信しつつ、多様な女性人材を確保し、それぞれの意欲と能力にあった活躍を可能とするための課題やその解決方策等について検討した。

項目 第1回検討会 第2回検討会 第3回検討会 第4回検討会

日時2019年8月19日(月)15:00-17:00

2019年9月27日(金)13:00-15:00

2019年12月20日(金)13:00-15:00

2020年2月18日(火)13:00-15:00

場所中央合同庁舎3号館 国土交通省 8階 国際会議室

中央合同庁舎3号館 国土交通省 8階 国際会議室

経済産業省別館 3階 共用会議室312

中央合同庁舎3号館 国土交通省 8階 国際会議室

出席委員

⽮ヶ崎座長、市川委員、岩本委員、加藤委員、櫻田委員、田瀬委員、富澤委員、森下委員

⽮ヶ崎座長、市川委員、岩本委員、加藤委員、櫻田委員、田瀬委員、富澤委員、森下委員、山本委員

⽮ヶ崎座長、市川委員、加藤委員、櫻田委員、田瀬委員、富澤委員、森下委員、山本委員

⽮ヶ崎座長、市川委員、岩本委員、加藤委員、櫻田委員、富澤委員、森下委員、山本委員

ゲストスピーカー なし 田中氏、山本氏 浅生氏、萬年氏 塚原氏、⽮島氏

議事

• 本事業の趣旨説明• 各委員からの取組み内容の発表

• 「観光業でキャリア再発進プロジェクト」の概要説明

• 意見交換

• LADY-JATAの取組み• 旅館業での女性活躍• MICE業界での女性活躍• 「観光業でキャリア再発進プロジェクト」の進捗報告

• リカレント教育の取組み• 意見交換

• G20についての報告• ホテル業での女性活躍• 旅行業での女性活躍• 「観光業でキャリア再発進プロジェクト」の進捗報告

• 意見交換

• ダイバーシティ&インクルージョンについて

• 休日子育て支援について• 「観光業でキャリア再発進プロジェクト」の実施報告と今後の方向性

• 各省庁における令和2年度女性活躍関連予算

• 意見交換

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■メディア掲載実績

• 本検討会の実施は多数のメディアの関心を集め、25のメディアに本検討会の内容が掲載された。

日付 媒体 記事 見出し アクション

2019年8月7日 官庁速報※7月30日観光庁第1回検討会プレスリリース

2019年8月11日 上毛新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 静岡新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 中日新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 西日本新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁

2019年8月11日 山陽新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 高知新聞 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 沖縄タイムス 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 msn.com 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 gooニュース 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 YAHOOニュース 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 Dmenu 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月11日 ライブドアニュース 共同新聞記事 女性のホテル再就職支援、観光庁 今秋から、人手不足解消も

2019年8月14日 ジャパンプランナーズ 育児等で就業ブランクのある女性を観光業とマッチング

2019年8月14日 産経ビズ 育児後女性などにホテル再就職支援 観光庁、今秋から仲介イベント

2019年8月19日 トラベルボイス観光庁、女性活躍推進に向けた検討会実施へ、今秋には復職支援プロジェクト

※8月19日第1回検討会開催

2019年8月20日 四国新聞 観光業界での女性活躍後押しへ有識者検討会

2019年8月21日ウィングトラベル(航空新

聞社)観光庁、女性活躍推進検討回を発足

2019年8月24日 観光経済新聞社 観光庁 女性の活躍を促進 ホテルへの就業で実証事業

2019年8月27日 宿屋大学 観光庁「観光業でキャリア再発進プロジェクト」を開始、ホテルへの就業支援

2019年8月28日 産経ニュース 観光庁、ホテルへの女性就職支援

2019年8月29日 日経プレスリリース PwCコンサルティング、「観光業でキャリア再発進プロジェクト」を開始 ※8月29日PwCプレスリリース

2019年9月3日 日刊工業新聞 観光業でキャリア再発進 PWCコンサル 女性活躍事例を創出 ※9月3日観光庁トピックス掲載

2020年2月28日 時事通信社 iJAMP 就労環境整備、育成に重点=女性活躍で取組み方針-観光庁 ※2月18日第4回検討会開催

2020年3月2日 旅行新聞社観光庁、観光業で働く女性活躍へ「知らせる」「整える」「育てる」柱に、第4回推進検討会開催

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

• 観光業で働いている女性が、その土地に訪れる人からの印象を左右するといっても過言ではない。観光分野で活躍する女性は、お客様の「思い出づくりのお手伝い」をしている。観光業で女性が活躍することが、観光業の成長には欠かせない。

• 仲居の仕事には、清掃、フロント、予約対応(ネット予約含む)等、多様な仕事内容が含まれている。チェックインから出発まで、食事・入浴・配膳・清掃等、1人の仲居で対応する旅館もある。本検討会のターゲットとなっている既婚女性が、上記のような多様なタスクをこなす必要がある旅館で働き続けることに対しては、難しい意見も多い。特に、子育て中の女性にとっては、中抜け(朝食・夕食の間の休み)を挟んで朝と夜に仕事がある旅館業は、夕食後の子育てに影響が出るため、働き続けることが難しい。女性の幹部である若女将・仲居頭は、仲居の仕事全般(仲居・清掃、フロント、予約、洗い場、浴室清掃、営業、ナイトフロント等)を完璧に把握する必要があり、相当な体力・気力が必要となる。

• 若女将の一番の悩みは、祝祭日に預けられる保育園が少ないこと。祝祭日にお客様をお受けする観光業を支えるシステムとして検討してほしい。このような仕組みが整ってこそ、観光業に従事する人が、自身の思い描くおもてなしを実現することができる。

■第2回検討会におけるゲストスピーカーの発表①:「観光業に携わる女性(中小宿泊業界での女性雇用の実態)」(株)日昇別荘(田中氏)

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

• 主なMICEプレイヤーとしては、Meetingでは企業のミーティングプランナー・インディペンデントプランナー、Incentiveでは企業のミーティングプランナーやイベントプランナー、インセンティブハウス等、Conventionでは国際会議・組織・協会の本部やコアPCO(大型会議運営会社)、Exhibitionの場合はショー・オーガナイザー(リード等)等が挙げられる。

• 主なMICEサプライヤーとしては、コンベンションセンターやホテル等のMICE施設、PCO(Professional Congress Organizer)、DMC(Destination Management Company:地域のリソースを知り尽くした専門家)等が挙げられる。行政、コンベンションビューローも国内外のMICEの誘致活動等を実施している。その他にも、映像・音響・照明の専門家等、MICEには多様なサプライヤーが関わっている。

• MICE専門家が加盟する世界最大規模の国際非営利団体のMPI(Meeting Professional International)では、女性会員の割合は70~75%と高く、女性が活躍できる業界であると言える。

• MPIにおいては、Women in the Workforce等女性活躍に向けたコミュニティがあり、女性のリーダーシップに関する教育セミナー等を開催• ミーティングプランナーの仕事内容は非常に多岐にわたるが、手配業務等、必ずしもオフィスにいなくても、リモートでできる仕事も多く、働く場所・時間に制約がある女性でもできる業務も多い。離職中の女性の活用については、1日2時間でも働けるのであれば一緒に働いていきたい。成長しているMICE業界では、そのような人材も求められており、眠っている人材を世に出していきたいと考えている。

■第2回検討会におけるゲストスピーカーの発表②:「MICE業界における女性活躍の現状」(株) Finesse Hospitality Management(山本氏)

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

• ホテル業界は女性の方が活躍しているというイメージを持たれることが多いが、実際は女性が働き続けることが難しい業界となっている。同じような問題意識を持っているホテル総支配人等役職に就いている女性等とともに、輝くホテリエールの成長の場を作るため、本団体を設立。

• 第1回のAXIA FORUMを2019年5月に開催した。ホテル雅叙園の協力を得て、同ホテルのチャペルで実施し、120人が参加。またホテル業界との様々なかかわり方を参加者が知ることができるように、キャリアブレイクスルーをテーマとしたパネルディスカッションを実施。「マネジメントポジションに挑戦してほしい」という強いメッセージがフォーラム参加者の心に響いたようで、怖がらずにマネジメントにチャレンジしたい、という声が参加者から聞かれた。

• パネルディスカッションでは、現在ホテル総支配人などに就く女性が登壇し、「やりたいことを口に出す」ことのパワーと自己体験について共有した。• ホテル業界の日々の業務では、彼女たちのようなロールモデルと会う機会はあまり多くないため、他業界の方が女性が活躍しているように見えてしまうが、このようなロールモデルがいることを示し、ホテル業界を女性の輝ける場にしていきたい。

■第3回検討会におけるゲストスピーカーの発表①:「輝くホテリエールの成長の場 アクシアについて」AXIA~Ladies in Hospitality~(浅生氏)

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

• 能力的に管理職に就くことができる女性は多くいるが、女性のキャリアアップを実現する場づくりが十分でないこと、女性自身がキャリアアップに対してあまり前向きでないことの両方が起因していると思われる。女性たちには、勇気を持って管理職に挑戦してほしいと日ごろから伝えている。

• ベルトラでは、女性を特別優遇しているわけではないが、女性人材の活躍なしでは成り立たない。ベルトラは女性社員が全体の67%を占めている。世界の8拠点ほぼすべてで女性がリーダーとして活動している。ベルトラのマネジメント層における女性比率は41%。

• キャリアアップに躊躇している社員の背中を押して、「初めは失敗してもよいので挑戦してみることが大切」と勇気づけを行うことで、どんどん活躍できるようになっていった。このように活躍している女子社員にインタビューを実施し、ロールモデルとして他の社員に見せることにより、挑戦してみようと思える風土を醸成している。また、ベルトラでは、育休後の復帰率が100%となっている。出産した社員が子供を連れて会社に遊びに来ることもよくある。育休から復帰した社員は、限られた時間でタスクをこなすことに注力しているため、生産性が高く、活躍されている方も多い。このような素晴らしい人材を手放すのは、企業としてももったいないため、女性社員に働きやすい環境を作る工夫を実施している。

• 観光産業の働き手の多くは女性、世界の観光産業のリーダーの多くは女性である。女性活躍の後押し、役員への起用は観光産業の未来につながる。

■第3回検討会におけるゲストスピーカーの発表②:「女性を活かす経営 ベルトラの取組み」 ベルトラ(株)(萬年氏)

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会におけるゲストスピーカーの発表①:「ダイバーシティ&インクルージョン」(株)カレイディスト(塚原氏)

• 本当の意味での女性活躍に必要となる、多様性を見つめる「ダイバーシティ&インクルージョン」について紹介。• ダイバーシティとは、異なる属性を持つ人々が同じ組織に属している状態、インクルージョンとは、異なる属性を持つ人々が能力を発揮して、組織で活躍できる状態になっていることを指す。

• ダイバーシティが高いチームは、初期の生産性の立ち上がりは遅いが(様々な意見・見方があり合意形成が難しいため)、長期的な生産性は、同一性の高いチームを上回っている。ダイバーシティの高いチームのうち、うまくマネジメントされているチームと、されていないチームとで、長期的な生産性の高さに大きな差が出る。

• インクルージョンがあると答えているチームは、そうでないチームに比べて、チームシティズンシップが1.7倍、エンプロイイノベーションは1.8倍となっているという調査結果が出た。インクルージョンを意識することは、企業の組織形成の中で重要であることがよくわかる。

• 日本企業の財務業績をみてみると、女性が活躍している企業「なでしこ銘柄」の方が、中長期的に高い水準を保っている。• 女性活躍推進のために有効なアクションは3つ。1つ目はメンター・スポンサーシップ(女性のキャリア推進の「背中を押す」こと)。女性が昇進に値するほどの潜在的な能力を持っていても、女性自身が飛び込む勇気・ジャンプする勇気が持てない、ホットジョブへのアクセスが少ない、女性の昇進機会が少ない等により、昇進に繋がらない場合がある。制度化されるかは別として、女性のキャリア推進の「背中を押す」ことは実質的に必要である。2つ目は、男女平等を意識している人ほど無意識の偏見は持っていることを認識し、無意識の偏見に立ち向かう行動改革をとることである。具体的には、自分の見えない偏見を可視化し、自覚すること、意図的にインクルージョンを導くための行動をとることである。3つ目は、インクルーシブ・リーダーシップの体現である。インクルージョンのあるチーム、ないチームで、上司の性質について比較すると、インクルージョンのあるチームのリーダーは、寛容さ、謙虚さ、エンパワーメント、といった要素を兼ね備えている。これらの要素を各人のリーダーシップに取り込むことで、ダイバーシティだけでなく、インクルージョンが達成される組織になりうる。

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観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

• 本事業は、子どもの見守り合いをモットーに、ただの託児ではなく、観光地の魅力をアピールすることを利用した地域の支え合い、女性のキャリアとキャリア継続支援、新たな雇用創出を目的として活動している。

• 山間地なので民間学童もなく、休日に子どもを預けることができない状況があった。近隣住民に子どもを預けようにも、近隣住宅まで歩いて20分ほどかかるという地理的な問題があり、子育てに従事する母親は働きたくても働けない状況であった。観光業の管理職に女性がおらず、子育て中の女性についての理解が進んでいないので、働くことを断念せざるを得ない母親もいる。

• 現在の開園日程は毎週土曜日のみとなっており、食事の無償提供も行っている。0歳から6歳までが在籍しているが、保育士はおらず託児保育園ではないため、ファミリーサポートセンター事業を活用。観光地に住んでいると、その土地の自然を体験したことがない子どもも多いが、山ん家では、子どもたちが自然に触れることができるよう、観光資源を活用したイベントを実施。子どもたちに自分の住む観光地を好きになってもらうことを目指している。

• 宿泊施設、観光施設にも、優秀な人材の定着、繁忙期の人材確保等のメリットがある。

■第4回検討会におけるゲストスピーカーの発表②:「休日の子どもの居場所プロジェクト」休日子育てシェアハウス山ん家(矢島氏)

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• 観光地域づくりの分野における女性活躍の効果、現状と課題、さらなる女性活躍推進に必要な取組みについて、以下の通りアンケート調査を実施。

観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会における 「観光地域づくり分野における女性活躍推進に係るアンケート」 実施報告

項目 概要

対象

18団体にアンケートを送付、うち17団体に所属する個人39名(全員女性)から回答

• 観光協会(5名)

• 観光関連企業(32名):旅館、DMO等

• 教育関係者(2名)

実施期間 • 2019年11月22日~2020年1月10日

実施方法 • 観光庁からのメール送付

設問

(以下、すべて自由記述)

• お名前、所属(企業だけでなく、関わっている観光地域づくりのプロジェクト名などでも結構です)可能な範囲

で、ご自身のご経歴なども含めたプロフィールも記載いだけると幸いです。

• 観光地域づくりの現場で、女性が従来よりも活躍できる機会が増え、ダイバーシティが向上することによる効果と

してどのようなことが想定されますか? もし具体例があれば教えてください。

• 観光地域づくりの現場で、女性として仕事をする際に課題と感じていることはありますか? あれば、具体的な課

題を教えてください。

• 観光地域づくりに関して、女性の活躍推進に向けた地域の取組みがあれば教えてください。

• 観光地域づくりの分野での女性の活躍を推進に向けて(行政、経営者、組織内、個人)どのような取組みが

必要でしょうか?

• その他の意見、コメント

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• 観光地域づくりの現場で、女性が従来よりも活躍できる機会が増え、ダイバーシティが向上することによる効果としてどのようなことが想定されますか?

①プロダクトイノベーション:多様な人材が異なる分野の知識、経験、価値観を持ち寄ることで、「新しい発想」

が生まれる

②プロセスイノベーション:(管理部門の効率化を含む)多様な人材が能力を発揮できる働き方を追求することで、効率性や創造性

が向上

③外的評価の向上:多様な人材を活用していること、およびそこから生まれる成果によって、顧客や市場などか

らの評価が向上

④職場内の効果:自身の能力を発揮できる環境が整備されることでモチベーションが高まり、また、働きがいの

ある職場に変化

その他• シングル家庭の受け入れや、貧困などの社会課題を解決できる。(観光関連企業)• 働き手不足の解消。(10年前と比較すると、人材募集に対する応募数は10分の1以下となっていて、人材確保が非常に難しいのが現状)(観光関連企業)

• 若い女性たちが観光の現場で、「生き生きとやりがいを持って働きながら住み続けられる。子育てできる」ことが、地域の人口流出に歯止めをかけることになると思う 。(観光関連企業)

• 経済産業省が定義する「ダイバーシティ経営の成果」は、大きく①プロダクトイノベーション、②プロセスイノベーション、③外的評価の向上、④職場内の効果、の4つに分類される。

• 本アンケート項目への回答についても、これらに当てはまるものが多く、「ダイバーシティ経営の効果」は、地域観光×女性活躍の分野においても当てはまることがうかがえる。

飯山市の温井集落において、女性中心の村づくり委員会が進められたことで、①集落の直売所、②わら細工の商品開発、③廃寺を利用したカフェ、④わら細工体験プログラムの構築が進んだ。(観光協会)

個々のライフスタイルを重視することで、仕事の成果を上げ、会社全体の質が向上。(観光関連企業)

女性目線での細やかな対応によるリピーター観光客の獲得。着物着付け体験や体験観光をする際、女性客には女性が対応することでお客様満足度が高まることがある。(観光協会)

産休社員の送り出し、育休明けの復帰社員の受け入れもスムーズにすることで「帰ってくることが前提」の職場づくりができ、今後を見据えやすい環境に。(観光関連企業)

出所:経済産業省「平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選ベストプラクティス集」(平成29年3月)

社内インパクト社外インパクト

直接的成果(財形的価値)

間接的成果(非財形的価値)

観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会における 「観光地域づくり分野における女性活躍推進に係るアンケート」 実施結果①

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19

• 観光地域づくりの現場で、女性として仕事をする際に課題と感じていることはありますか?

①管理職についての課題:女性が少ないまたは不在、経営にその視点が不足

②キャリアアップに対する課題:スキル面の不足、マインド醸成の難しさ

③継続(働き続けること)に対する課題:仕事と家庭の両立の難しさ

各観光協会役員でも女性理事の数が少なく、観光地づくりの現場で女性のリーダーが少ない。女性の意見を反映できる機会が少ない。(観光協会)

鈴木:ノウハウ、人脈について、出産、育児によりブランクができた際、復職してそれらを繋げて行くことができるか否かが課題

休日、時間外の行政サービスが全て休みの為、頼れるところがない場合、子どもの預け先がなく辞めてしまう。(観光関

連企業)

保守的な地域では男尊女卑の考えがまだ残っているため、女性が少し目立ったことをいうと「生意気だ」「女のくせに」となる。(教育関係者)

• アンケート回答に見られる地域観光×女性活躍における課題は、大きく次の3点に分類される。• ①管理職に女性が少ない、または不在なため、経営にその視点が不足している。• ②女性がキャリアアップをするにあたって、周囲・本人のマインド醸成が難しい、またスキルが不足している。• ③女性が働き続けるにあたって、土日・祝日、夜間に人手が必要という業界特性、風土から、仕事と家庭を両立することが難しい。

ノウハウ、人脈について、出産、育児によりブランクができた際、復職してそれらを繋げていくことができるか否かが課題。(観光協会)

観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会における 「観光地域づくり分野における女性活躍推進に係るアンケート」 実施結果②

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• 観光地域づくりに関して、女性の活躍推進に向けた地域の取組みがあれば教えてください。

• 地域観光×女性活躍における取組みについては、女性のネットワーキング、女性にフォーカスまたは女性が活躍するイベントの実施、女性活躍の取組みに対する表彰・活躍している女性のPR、女性が働きやすい環境づくりのための支え合い、女性の育成、地域外女性人材の活用、簡単な活動から始められるといった女性の参入障壁を下げる工夫、等が挙げられる。

観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会における 「観光地域づくり分野における女性活躍推進に係るアンケート」 実施結果③

分類 具体例

ネットワーキング• 「津軽海峡マグロ女子会」:女性人財を掘り起こしネットワーク化し、事業を通して自ら成長していく取組み。(観光関連企業)

• 「酒田地域づくり女流塾」:農家を中心とした若手女性の異業種連携チーム。(教育関係者)

イベント

• 国際女性デー@沖縄県、恩納村(2020年3月5日~8日にかけて女性にフォーカスしたイベントを実施。)(観光関連企業)

※新型コロナウィルス感染拡大のため中止

• 北海道の小さな市町村では、イベントを一つ実施するにしても、女性の活躍は不可欠。どっこい積丹さくらます祭り・積丹ソーラン味覚

祭り等で女性が活躍。(観光協会)

表彰・PR• 男女共同参画の推進に顕著な功績のあった個人や団体、事業所に「さいたま輝き荻野吟子賞」を 贈呈。(観光協会)

• 沖縄タイムスアカデミア(女性のためのPR・ブランディングゼミ)。(観光関連企業)

支え合い • 地域における休日の子どもの居場所づくり(山ん家)。(観光関連企業)

育成• 岩手県K町 2017年~2018年にDMO(まちづくり会社)設立支援事業を行ったのち、女性2名が昨年起業。(観光関連企業)

• 女将の会の活動(自己研鑽のための研修、PR活動等)。(観光協会)

外部人材の活用• 飯能市エコツーリズム推進協議会:女子の副業で成り立つ、女子ならではの視点でエコツアーを実施。このツアーに参加した女子が

自らガイドになる循環も生まれた。(教育関係者)

参入障壁を下げる

工夫

• 空き店舗のカフェスペースに集まった主婦が各自やれることを積み上げて店を作る等、小さく無理せずスタートさせて広げていく活動で

女性が活躍。(観光関連企業)

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• 観光地域づくりの分野での女性の活躍推進に向けてどのような取組みが必要でしょうか。

• 地域観光×女性活躍に向けて、これから必要な取組みとしては、主に政府や組織に対して連携の構築・女性活躍の重要性についてPR・啓蒙活動を推進してほしいという声が多く挙げられていた。

• また、女性の管理職が少ないという課題も見られるとおり、幹部における女性登用のインセンティブを設ける必要があるとの意見が挙げられた。• 女性が働きやすい環境整備、女性の能力開発・研修の実施等についても、求める声が多い。

観光分野における女性活躍推進に向けた検討会 実施報告

■第4回検討会における 「観光地域づくり分野における女性活躍推進に係るアンケート」 実施結果④

分類 想定主体 具体例

連携の構築・

PR

• 政府

• 組織

• まず啓蒙からにしろ、女性活躍の重要性を行政や企業と連携して、形にしていくことが必要。(観光関連企業)

• マスコミ等との連携による「専業主婦前提」イメージの払拭。(観光協会)

• 地域ではまだ女性が何かを成し遂げる際には、周囲の理解が足りなく障害になることも多い。(観光協会)

• コミュニケーションが活発になされる組織づくり・フラットな横の連携を期待。(観光関連企業)

幹部登用• 政府

• 経営者

• 行政の管理職や町会議員に女性の登用が少ない。女性が活躍できる環境を整備していくために味方を作る。(周

りを固める)⇒女性管理職登用(観光協会)

• 女性自身が役職を敬遠する傾向がある。比率を強制的に決めてでも、推し進める必要がある。(観光協会)

• 重要なポストの3~4割(最終は5割)を目標に女性を登用する。(観光協会)

働きやすい環境

整備(仕組み

づくり、風土

醸成等)

• 政府

• 経営者

• 組織

• 仕事の切り分け(仕事量の明確化)週末公休のローテーション制、残業減の取組等。(観光関連企業)

• 土日祝日、長期休暇期間に深夜まで運営できる保育施設や学童施設を、行政と民間が協力して、観光地域に最

低1か所開設できれば、女性の活躍推進の大きな起爆剤になるのでは。(観光関連企業)

能力開発・研修

• 組織

• 政府

• 個人

• 女性向け 資格認定制度の導入(○○コンシェルジュ・○○ソムリエ・ ○○師)。(観光協会)

• 実践的な専門人材講座の開催→参加しやすいカリキュラムの提案。(観光協会)

• 今後起こりうるライフスタイルの予測と、観光分野特有で起こりうる働き方の変化の認識。また、その対策。(観光関

連企業)

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2-2.観光業でキャリア再発進プロジェクト 実施報告

Page 24: 観光分野における女性活躍推進に関する調査事業報 …1 目次 項目 ページ 1. 本事業の目的・概要 P.3~6 2-1.観光分野における女性活躍推進に向けた検討会実施報告

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プロジェクト応募状況(女性人材)

• 潜在層を含む女性人材へ、短期間で効率的に情報を届けることができるよう、多面的な周知活動を展開。• 2019年9月30日(月)9時~NHK「あさイチ」にて本PJTの紹介VTR放映。

方法 経路・媒体 数量 申込者数

直接声掛け

事務局等関係者からのチラシ配布・メール送付等 ― 5

明治大学スマートキャリアプログラム受講生へのチラシ配布・メール送付 300 1

東京しごとセンター等公共就労支援施設における窓口での案内・メール送付 ― ―

各種媒体経由

チラシ男女共同参画センターへのチラシ配架(埼玉県、千葉市、市川市、船橋市、習志野市、千代田区、中央区、新宿区、文京区、 江東区、世田谷区、横浜市)

430 ―

メール マガジン

各種女性向けメルマガでの情報配信(ビースタイル、ポラリス、 パワーウーマンともえ、ココフル等)

43,000程度

6

SNS観光庁・関係者個人Twitterへの情報掲載 ― 1

関係者・インフルエンサー個人Facebookへの情報掲載 2,000 5

Web記事掲載

観光庁・本PJTホームページ ― 1

観光庁・PwCプレスリリース(転載多数) ― 3

TV番組 NHK「あさイチ」 ※9月30日9時放映 ― ―

➢ 主な周知方法・応募状況 ◆女性向けチラシ(別紙参照)

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プロジェクト応募状況(女性人材)

• 実際にキャリアブランクがありながらホテルに再就職したロールモデルとの対談や、参加者同士のグループセッションを実施。ホテルでのキャリア形成の魅力を具体的に伝え、互いの状況をシェアし不安を払拭する場を通じ、講座参加へ背中押しした。

➢ 応募女性の属性

➢ 説明会に参加した女性の声

✓ 専業主婦から社会復帰し、パートとして働いてきたが、より責任を任される仕事をしたいと思うようになり、受講を決めた。

✓ 海外の高校・大学を卒業、国内外で勤務後、配偶者転勤に伴い海外在住。その間、日本のコンサル企業の海外案件に関わる。経験・スキル・語学力を活かせる機会を求めており、以前より興味があったホスピタリティ業界について学びたい。

✓ 大学卒業後、就職氷河期を経て就職・転職ののち専業主婦へ。育児もひと段落し、今後の自分自身の人生について悩み中。ホテル業界に興味はあるものの、語学が苦手なのが不安。

➢ 説明会のプログラム

・プロジェクト趣旨説明・メイン講師紹介・講演・対談「ホテル業界からのキャリア再発進!」・『観光業でキャリア再発進プロジェクト』の詳細説明・キャリアイメージセッション・グループセッション(質疑応答)

4

6

4

3

6

1

現状就労状況

正社員 契約・派遣社員 フリーランス

パート・アルバイト 就労無し その他

1

7

6

8

11

年代内訳

20代後半 40代前半 40代後半

50代前半 50代後半 60代前半

(単位:人)(単位:人)

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プロジェクト応募状況(ホテル)

• 説明会には、都内のラグジュアリーホテルを中心に、14社ご出席。プロジェクト詳細や応募女性人材のペルソナのご案内に加え、薄井シンシア氏によるプレゼンテーションを実施。自身等のホテルへの復職経験を踏まえた本プロジェクトの必要性や女性活躍の可能性につき、具体的な事例・エピソードを交え紹介。

方法 経路・媒体 数量説明会申込数

直接声掛け

観光庁・事務局関係者からの案内文送付

本プロジェクト参加ホテルからの案内文送付25社

14社17名

各種媒体経由

SNS LinkedIn ― ―

Web記事掲載観光庁・PwCプレスリリース(転載 多数)

― ―

TV番組NHK「あさイチ」※9月30日9時放映

― ―

➢ 周知方法・応募状況

➢ 説明会のプログラム

・観光庁町田参事官よりご挨拶・プロジェクトの背景、女性の活躍事例紹介・『観光業でキャリア再発進プロジェクト』 詳細説明・質疑応答

➢ ホテル向けチラシ

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日程 内容ねらい 講師

• 日本における観光分野の現状と傾向• ホテル業界についての基礎知識

• ホテル内の業務、職種、得られる機会等• 職務に必要な知識、スキル

• 自身のキャリア・強みの理解• 自己の強みを反映した履歴書の作成• マッチングイベントに向けたスピーチ準備• ビジネスマナー(メール、身だしなみ、話し方等)

就職先業界についての基礎知識・顧客のニーズに理解、ホテル業界への就職に向けたマインドセットの習得

マッチングへ向けた準備(ビジネスマナーの再習得・PR力向上)

薄井シンシア

蒲生智会

• ホテル業界のマーケットニーズ• キャリアプランの作成• 必要とされるスキル、知識に対しての自己開発• キャリア実現へ向けたアクションプランの作成・行動の開始

主体的なキャリア構築姿勢や、ホテル業界におけるキャリア構築イメージの醸成

薄井シンシア

Day110月19日(土)

9:00-13:00

Day2※11月2日(土)9:00-13:00

Day3※10月26日(土)

9:00-11:00

➢ 女性向け講座の内容と受講者の声

• 女性参加者を対象に、下記3回の講座を実施。合計22名の女性が参加し、グループディスカッション等を通じて、ホテル業界におけるニーズの理解、ホテルへの就職に向けたマインドセットの構築、自身の強み・弱みの考察等を実施。

• マッチングイベントに向けた履歴書・職務履歴書・自己PR書等の作成等について、参加者一人ひとりにキャリアコンサルティングを実施し、下記のような不安等に関する女性参加者からの個別相談に対応。

• 講座の中や個別のキャリアコンサルティングにおいて、継続的に背中押しを行った。

受講生の声

• 講師のパワフル・ポジティブなお話を聞くうちに、「挑戦しよう!できるかも!」という気持ちになった。

• ホテル業界に関して全く知識がなかったことが恥ずかしくなるほど、目からうろこの情報が多くあった。

• 去年就職活動をした際に、ホテル関係は難しいと思っていたが、頭や心を真っ白にして一から学ぶことも楽しいのではないかと思えた。

• マッチングまで自分がすべきことを整理できた。なかなかするべきことが習慣化できない性格なので、今日の講座でのヒントを元に早速今日からやってみようと思った。

• 自分の強みをしっかり伝えることの大切さを感じた。今まで職務経歴書に教えて自己PR等アピールできていなかったことも反省。

• SWOT分析をグループディスカッションで行ったが、みな共通している部分があった。客観的に指摘していただくことで、弱みを強みに変化させ、前向きなきもちになりました。

• 具体的にどのようにホテルでのキャリアをこじ開けてはいっていくのかが分かり良かった。

• 柔軟性を持って働くことの大切さを知り、心に留めておきたいと感じた。

• ブランクによりキャリアに自信がない• パートから再スタートしたとして、先のキャリアパスに対する不安がある

• 体力面から週5日で勤務できるか不安

講座の様子

➢ キャリアコンサルティングにおける主な相談事項

女性からの相談事項

• 英語力の不足に関する不安• どのホテル/職種が自分にあっているか、自分のどの経験が観光業で活きるのか分からない。

• 家庭が優先のため、ホテルの勤務形態に自分が合わせられるか不安

• 過去の成功事例やご経験から次のキャリアに活かせる点を見つける

• 不安な点(英語力・生活リズムの変化等)について今できることを考える、等

ホテル業界特有の内容

一般的な内容

キャリアコンサルティングでの

アプローチ

※台風19号の影響により講座の順番を変更して実施

女性参加者向け講座の実施

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➢ マッチングイベントの参加者

• マッチングイベントには、女性参加者19名、ホテル企業11社19名が参加。• 互いの魅力を知るために、プログラム冒頭に参加女性・ホテル双方から1分間スピーチの時間を設け、互いの特長や魅力を伝えあった上で、個別の交流を実施。

• マッチングイベント最後に、女性参加者に対し各社への応募希望度についてのアンケート、ホテル企業に対し各女性参加者の採用希望度についてのアンケートを実施。

参加者 参加者 備考

女性 19名受講者22名のうち1名辞退、2名欠席

ホテル企業 11社19名 1社途中参加

時間 項目 詳細

14:30-14:35 主催者挨拶 観光庁 町田参事官よりご挨拶

14:35-15:00参加者女性による1分間スピーチ

参加者女性より、自身のキャリアや強みについて1分間自己PR

15:00-15:20参加ホテル企業による1分間PR

参加ホテル担当者より、各社の特長や参加女性達へのメッセージ

15:20-17:20 交流タイム1名×1社(各5分)で個別質問の時間を設け交流

17:20-17:40フリータイム・アンケート記入

自由交流(途中参加の企業との交流等)、女性・企業それぞれアンケートに記入

➢ 当日のプログラム

◆ アンケート例

◆ マッチングイベントの様子

No. 名前 電話番号

スタッフ数 1 株式会社ホテル・○○ https://www.〇〇〇/tokyo/ 03-1111-2222

概 要

特色

〇〇〇〇

〇〇〇〇

求める人材像 Memo

〇〇〇〇

〇〇〇〇

□企業へ質問 □事務局へ質問

求める職種・ポジション

レストラン部門(サービス)

宿泊部門(フロント、客室予約、)

営業部門(婚礼、法人セールス)

https://www.〇〇〇/tokyo/recruit/

1 2 3

ぜひ応募したい/応募を前向きに検討したい/応募は控える

◆ 交流タイムの流れ

<ホテル向けアンケート>

<女性向けアンケート>

マッチングイベントの実施

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• 2020年3月時点で、ホテル企業への採用決定は5名(採用プロセス参加者数に対する決定率は35.7%、マッチング参加者数に対する決定率は26.3%、リカレント講座受講者数に対する決定率は22.7%)。ほか、引き続き4名がホテル企業での選考中であり、ホテル企業以外への就職決定者も2名。

女性参加状況 直近の就労状況

講座修了者 22名 ー

マッチングイベント参加 19名 ー

採用プロセス参加 14名 ー

ホテル企業に就職決定 5名 正社員1名、契約・派遣3名、就業なし1名

現在も応募中(書類選考~面接段階) 4名 契約・派遣1名、フリーランス2名、アルバイト2名

ホテル企業以外に就職決定 2名 契約・派遣1名、フリーランス1名

現職の継続を決め辞退 2名*1 フリーランス2名

その他 1名*2 契約・派遣1名

採用プロセス辞退 5名 ー

現職の継続を決め辞退 2名 パート・アルバイト2名

家庭事情・体調の不安により辞退 3名 契約・派遣1名、フリーランス1名、就業なし1名

マッチングイベント不参加 3名 ー

現職の継続を決め辞退 2名 正社員2名

体調の不安により辞退 1名 アルバイト1名

*1:このうち1名は内定を獲得したが辞退(勤務体系の希望が合わなかった、長く勤めるイメージがわかなかったため)*2:内定を獲得したが辞退(現在実施しているボランティア活動の任期が終わってから再チャレンジしたい)

採用状況

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• 採用決定した5名の参加者の属性、就労先概要は以下の通り。• 就職先の業務はそれぞれ異なるが、就業形態はアルバイト・パートタイムとなっており、いずれも時給1,200~1,300円のスタートとなっている。• 現職のある方も、ホテル企業はキャリアアップに希望が持てるため、アルバイトからでも飛び込んでみよう、と就職を決めた方が多い。職場に慣れるために、講座修了者本人がアルバイト・パートタイムからのスタートを希望したケースもある。

分類 項目 ① ② ③ ④ ⑤

属性

年齢 50代前半 50代前半 50代後半 40代後半 40代前半

直近の就労状況 契約・派遣社員 会社員(正社員) 契約・派遣社員 就労無し 契約・派遣社員

職務経験客室乗務員としての勤務経験あり

旅行会社での勤務経験あり

空港での接客業経験あり

接客、秘書業務の経験あり

秘書業務の経験あり

就職先について

就職先企業 外資系ホテル 日系ホテル 外資系ホテル 日系ホテル 日系ホテル

就職先部署(実施予定の業

務)

料飲部(館内レストランでの案内等)

不動産事業部(事務)

料飲部ゲストアテンダント(電話対応及び館内レストランでの案内)

ウェディングサロン業務(事務)

ロビーフロアグリーター業務

雇用形態 パートタイム社員 アルバイト アルバイト アルバイト アルバイト

就職を決めた理由

正社員の道が開けているキャリアを探していた。これまで日系企業で働いていたため、外資系ホテルに就職を決めた。

今後のキャリアを見据えての判断。長時間の立ち仕事に不安があったため、事務の仕事でオファーのあった日系ホテルに就職を決めた。

現職のやりがいへの疑問や職場の閉館に伴い、もう一度観光業に戻りたいと考えた。子どもが自立し時間的制約が少なかった。

子育てがひと段落し、仕事に全力で取り組みたい、という熱意を持っていた。希望の部署からオファーがあった日系ホテルに就職を決めた。

子育てがひと段落したが、慣れるためにアルバイトからのスタートを希望。社員と面談した感触から日系ホテルに就職を決めた。

■本プロジェクトにおいて採用が決定した講座修了者の属性・就職先概要

採用決定した参加者の属性・就業先概要

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• 本プロジェクトに参加したホテル企業に向けて、本プロジェクトの内容の検証のため、以下のアンケートを実施。• 講座修了者の印象や受入れにあたっての懸念、本プロジェクトの有効性・改善点、今後の取組み等について、企業側からの意見を収集。

「観光業でキャリア再発進プロジェクト」参加企業向けアンケート

■アンケート項目

分類 項目 質問詳細 回答方式

①採用状況

採用状況

マッチングイベント(11月18日開催)ご参加後の、リカレント講座修了生採用結果をお答えください。

①面接後採用に至った ②面接したが、採用に至らなかった③応募があったが、書類選考で面接に至らなかった ④応募がなかった

「②面接したが、採用に至らなかった」または「③応募があったが、書類選考で面接に至らなかった」とお答えの方に伺います。採用に至らなかった理由を教えてください。

自由記述

②講座修了者について

講座修了者への印象

講座修了者の印象を教えてください。(複数回答可)・既存の社員と比較しても、十分なスキル・経験を有していた・採用を検討するために必要なスキル・経験を有していた・スキル・経験は不足していたが、必要なマインドを有していた ・その他

講座修了者の印象について具体的に教えてください。 自由記述

受入れにあたっての懸念

就業ブランクのある方等、多様な人材を受け入れるにあたっての懸念を教えてください。(複数回答可)

・自社の仕組みでは短時間勤務や柔軟なシフトの考慮が難しい・既存社員からの不満が予想される等受け入れ可能な雰囲気をつくることが難しい・講座修了女性本人が、ポジションに必要なスキル・経験・マインドを有していない・講座修了女性のような人材を受け入れるにあたって、あまり懸念はない ・その他

懸念について、具体的に教えてください。 自由記述

③本プロジェクトについて

スケジュール 本プロジェクトの実施時期について教えてください。 ・実施時期は適切であった ・〇カ月前/〇カ月後の方が良い

女性向け講座

女性向け講座について、女性人材の魅力を高めるために追加で実施するとよいと思われる研修項目等、改善点ございましたら教えてください。

自由記述

マッチングイベント

マッチングイベントの有効性についてご感想を教えてください。 「有効だと思う」を5、「有効だと思わない」を1とした5段階評価

その理由やご感想、改善点等を教えてください。 自由記述

採用プロセスにおけるフォロー

マッチングイベントでの交流をもとに、各企業の求人に講座修了生がそれぞれに応募する段階において、事務局から適宜フォローする体制で求職活動を進めてまいりました。本サポートの有効性について教えてください。

「有効だと思う」を5、「有効だと思わない」を1とした5段階評価

その理由やご感想、改善点等を教えてください。 自由記述

今後について

今後もこのようなプロジェクトがあればエントリーしたいと思いますか。 「エントリーしたい」を5、「エントリーしたいとは思わない」を1とした5段階評価

その理由を教えてください。 自由記述

他の就業マッチングイベントと比較して、ご意見、ご感想あられましたら教えてください。 自由記述

貴社の女性人材の採用に資するコンテンツとして、どのようなものが有益であると考えられますか。以下の案のうち、今後実施されると望ましいと思われるものを教えてください。(複数回答可)

・観光業界・ホテル業界で働くことの魅力を広く周知するイベント/シンポジウム・観光業界・ホテル業界で働くことを希望する方と企業とのマッチングの機会・交流会・職場体験会・見学会(個社の魅力を周知するイベント)・多様な人材受け入れの仕組みに関する支援(個社支援)・企業間のネットワーキング(業界内情報交換・機運醸成)・女性人材に対する継続的な研修・女性人材同士のネットワークの構築

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• 向上心がありつつも、謙虚な方が多い印象。

• 人それぞれだが、謙虚で客観的に自身を評価できる人と、そうでない方がいた。客観的に評価できる人は協調性もあるように見え、ホテル業界で十分に再発進できると感じた。本人が望めば、その後のキャリアアップも十分可能と思うが、その辺りはまだまだ控えめすぎる印象。

• 本アンケートでは、プロジェクト参加企業11社のうち、9社(日系ホテル5社、外資系4社)から回答を受領した。• 参加企業から見た受講生の印象としては、「採用を検討するために必要なスキル・経験を有していた」との回答が最も多く、仕事に対しての意欲・前向きさが評価されていた。

「観光業でキャリア再発進プロジェクト」参加企業向けアンケート

4

2

2

1

面接後採用に至った

面接したが採用に至らなかった(内定辞退)

面接したが採用に至らなかった(不採用)

応募があったが書類選考で採用に至らなかった

1

6

1

1

既存の社員と比較しても、十分なスキル・経験を有していた

採用を検討するために必要なスキル・経験を有していた

意識は高いが、ホテル現場にマッチするスキルを有する方はそれほどいなかった

スキル・経験・マインド共に基準に満たなかった

◼ マッチングイベントご参加後の、リカレント講座修了生採用結果をお答えください。

◼ 講座修了者の印象を教えてください。

• 面接でお話ししていたことと、採用内定を出した後にギャップがあった。

• 仕事に対しての意欲・意識の高さを感じた

• 快活明朗• 想定していたよりも、年代的にベテランの方が多かった

• とても仕事に対して前向きな方が多い印象。

• グルーミングが基準に満たない候補者が多い。

(単位:社)

(単位:社)

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• 多様な人材を受け入れるにあたっての懸念に関しては、「あまり懸念はない」と答えた企業が6件と多い一方、講座修了女性本人と、職場環境・職務内容・既存社員の意識との間で、多方面からのギャップに懸念が残る、という意見も見られた。

「観光業でキャリア再発進プロジェクト」参加企業向けアンケート

1

3

3

6

既存社員からの不満が予想されるなど、受け入れ可能な雰囲気を

つくることが難しい

自社の仕組みでは短時間勤務や柔軟なシフトの考慮が難しい

講座修了女性本人が、ポジションに必要なスキル・経験・マインドを

有していない

あまり懸念なし

0 1 2 3 4 5 6 7

◼ 就業ブランクのある方等、多様な人材を受け入れるにあたっての懸念を教えてください。(複数回答可)

• フルタイム勤務を望む職場が多いなかで、週に数日または短時間を希望される方が多かった。

• 面接の中ではホテルの中で何をしたいかも明確ではない方が多かった。

• イメージが先行してしまう。サービス業の賃金の低さに驚かれてしまう。

• 適切なマインドセットが必要。

• キャリアアップの意識と、現在現場で就労している社員の意識のギャップを埋めることはもう少し時間がかかる。孤立してしまわないか心配。

• 就業ブランクがあることはあまり気にならない。その方が持っているスキル、知識、育児などで培ってきたものを組織や他のスタッフにどう還元できるのか、それはその方の持つコミュニケーションスキルなどによるところが大きい。溶け込みながら、いかに周りに働きかけていくかが大切。

(社)

(単位:社)

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33

• 本プロジェクトの実施時期については、「1~2カ月早い/遅い方が良い」という回答が1件ずつあったものの、7社は「実施時期は適切であった」と評価。• マッチングイベントは、全体的に交流の時間が少なかったという意見が挙がっている。一方で、交流の手法として、自社に興味を持っている女性と会話できる時間をより長くしてほしい、という意見も見られた。採用プロセスにおける女性参加者に対してのフォローについては、マッチングイベントに比べると評価は良かったものの、企業側にどのようなフォローを実施しているのか見えなかったため評価できない、という意見もあった。

「観光業でキャリア再発進プロジェクト」参加企業向けアンケート

7

1

1

実施時期は適切であった

1~2カ月早い方が良い(9月~10月頃マッチン

グイベント実施)

1~2カ月遅い方が良い(12月~1月頃マッチン

グイベント実施)

有効だと思わない

有効だと思う

0

1

2 2

4

1 2 3 4 5

0

1

2

3

4

5

有効だと思わない

有効だと思う

0

1

2

4

2

1 2 3 4 5

0

1

2

3

4

5

◼ 本プロジェクトの実施時期について教えてください。

◼ マッチングイベントの有効性についてご感想を教えてください。

◼ 採用プロセス中のフォローアップの有効性についてご感想を教えてください。

• 全員とではなくとも、当ホテルに興味を持っている方と、もっと長く話したかった。明らかに当ホテルに興味のない方もいた。

• 時間が短く、一人ひとりを深く知ることができなかったが、多くの人と一度に知り合えたのは良かった。

•事務局の支援が必要。• どのようにフォローしたのか見えなかった。

• サポート体制があるからこそ、求職者の方が安心してステップを進めたと思う。

• 実際に採用する段階でフォローがなかった。

(単位:社)(社)

(社)

(単位:社) (単位:社)

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• 有益であると思われるコンテンツについては、本プロジェクトのようなマッチング機会を望む声が6件と最も多く、女性への研修機会、職場体験、シンポジウム、個社支援がそれに続いた。一方、企業間ネットワーキングを希望する声は1件のみであった。

「観光業でキャリア再発進プロジェクト」参加企業向けアンケート

サービススキルや意欲を持っている人の採用は近年とても難しいが、それらを持ち合わせている方が、今回の講座修了性には多くいたため、今回は採用に至らなかったが、次回も是非エントリーしたい。

1

3

3

4

6

企業間のネットワーキング(業界内情報交換・機運醸成)

多様な人材受け入れの仕組みに関する支援(個社支援)

観光業界・ホテル業界で働くことの魅力を広く周知するイベント/シンポジウム

女性人材に対する継続的な研修・女性人材同士のネットワークの構築

観光業界・ホテル業界で働くことを希望する方々と企業とのマッチングの機会・交流会

0 2 4 6 8

◼ 今後もこのようなプロジェクトがあれば、エントリーしたいと思いますか。

◼ 貴社の女性人材の採用に資するコンテンツとして、どのようなものが有益であると考えられますか。(複数回答可)

参加したいと思わない

参加したい

0 0

2

3

4

1 2 3 4 5

0

1

2

3

4

5

これからの日本には、このような方々の力が間違いなく必要である。是非キャリアアップを目指し、お子様のキャリアアップの良い見本にもなってほしい。

(社)

(社)

(単位:社)

(単位:社)

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• 2020年2月29日(土)に、オンラインWeb会議システムにて、講座修了女性の交流会を実施。(本来は講座開催地付近での対面での実施を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインでの実施に変更)

• 講座修了女性4名(うち、本プロジェクトにてホテル企業に就業した女性3名、現職の継続を決めた女性1名)、ゲスト1名(元専業主婦で昨年度ラグジュアリーホテルに就職した女性)、講師1名(薄井シンシア氏)、事務局4名が参加。

• ゲストの経験の共有、講座修了女性の現状共有、各自懸念事項の共有、質疑、講師からのコメント等を実施。• ホテル業に就業した女性は、想定よりも周囲の従業員が若く自身がマイノリティであることや、ITツールの整備が業界に比べ進んでいないこと等に前職等とのギャップを感じていた。また、職場において先のキャリアパスについて考える機会が少なく、モチベーションの維持や今後のキャリアパスについて不安に思う声が多く挙がっており、講師やゲストにアドバイスを求めていた。

• また、この場には、ホテル業界に就職しなかった講座修了女性も含まれていたが、ホテル業に就業を決めた女性に決め手を尋ねたり、彼女たちが新しいスタートを切って活躍している話を聞いたりすることによって、今後の就職活動に向け背中を押されていた。

受講者交流会

項目 参加者女性の声

ホテル業界を選んだ理由

• 派遣のみだと一つの業界への理解が深まらないことに気づき、講師に進められたホテル業界に就職を決めた。• このままだと人生物足りないという気持ちが、前職の時は何年も続いていた。人前に立ちたいという思いがホテル業で求められることと一致したため、就職を決めた。

• 面接時に、性格や特長を含めて親身に相談にのってくれたことが決め手。

事業に参加しての感想

• 自分の特技を総合的に考えられたとてもいい機会。数社の面接を受けることによって、さらに自分が何をしたいのか明確になった。• ホテル業界は初めてだったが、外資系を含めていろいろ見て全体像がつかめた。

実際にホテル業界で働いてみて感じた

ギャップ

• ホテル業界はとても若い方が多く、40代でホテル業界が初めてという方は珍しい。• 若いメンバーから学ぶことも多い 自分がフィードバックできることもあると感じる。• 古いIT環境に慣れるのに苦労した。アウトルック、FAXなど、ツールが古く、新しいものに飛び込む意気込みを感じる方は少ない。効率性があまり重視されない。本社はテクノロジーもしっかり使えているため、本社とのやりとりの中で、自身の経験を活かしアイデアを投入している。

• 人対人の基本レベルのところに戻って仕事をしており、そこに前職とのギャップを感じている。• 今いる部署の既存社員も、あまり部署異動ができていない模様。同じ部署に何年もいる方もいる。モチベーションの維持やこの先のキャリアパスについて少し不安は感じている。

• キャリアパスを考える機会があまりない。年1回面談はあるようだが、新卒の育成が基本。元専業主婦は他にひとりしかおらず、上長が受け入れ慣れていない。

• 人事と今後のキャリアについて話す機会がない。ホテルでのキャリアアップを目指すときに、どのような形でどのようなタイミングで行動を起こしていったらよいのか分からない。

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3.まとめ

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3-1.事業実施成果

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本事業を通じて確認できたこと ①各種データ

• 宿泊業においては、他産業の倍以上の就業者数増加率を記録しており、中でも女性の就業者数、65歳以上の就業者数の増加が顕著。(観光庁「観光白書2019」)

• 就労者における女性の割合は高く、宿泊業では女性就業者が男性の1.7倍である。(労働政策研究・研修機構「産業別就業者(2018年平均)」

• 女性の労働参加率に関しては、国際比較でも高い水準となってきている。男女格差も2012年から2018年で6%縮小し、ブリスベンゴール(2025年までに労働参加率の男女格差を25%縮小するというG20ジェンダー目標)に大きく貢献している。(ILO Webサイト)

日本全体 観光分野

労働参加数・参加率

管理職に占める

女性の割合

• 日本の民間企業における管理職に占める女性の割合は、2018年に課長クラスで約11% (厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」) 、2019年に上場企業の役員クラスで約5%(東洋経済新報社「役員四季報」)となった。しかし、管理的職業従業者に占める女性の割合の国際比較では、4割を超えているフィリピン、アメリカ等と比べ、日本は14.8%と、依然として低い水準にとどまっている。(総務省「令和元年労働力調査」)

• 宿泊業、飲食サービス業における管理的職業従事者に占める女性の割合は20%程度であり、全体の産業平均の15%程度に比べると高い割合のように見えるが、女性就労者が多いことに鑑みると、高い割合とはいいがたい。(総務省「令和元年労働力調査」)

人材育成

• 女性が期待する研修の内容はビジネススキルや資格実務が多い。一方で、企業はリーダーシップ能力やコミュニケーション能力を高める学びへの期待が女性より高い傾向もあり、これを踏まえた講座の検討等も期待される。(文部科学省「文部科学省におけるリカレント教育の取組~学びを通じた女性の社会参画の推進~」)

• 研修への女性の参加比率は全体の約3割にとどまっている。女性の参加割合の高い研修はインバウンドの受入整備。(日本観光振興協会「平成29年度観光地域づくり人材育成研修報告書」)

※観光分野は全体として、データが不足。G20観光大臣会合の附属書においても、「性別、年齢、職業、雇用状況等により分類された観光データを戦略的に収集、使用、および報告するための国の能力を強化(UNWTO等2019)」とされている。

• 観光分野は、他の産業と比較すると女性の労働参加数・率や管理職に占める女性の割合が高いが、女性就労者が多いことに鑑みると管理職率は高いとはいいがたく、賃金も男性と比較して低い。労働時間の短縮等、就業継続のための環境整備が必要な状況にある。

労働時間・賃金

• 女性の育児期の離職や女性管理職の比率の低さから、男女間の賃金格差は縮小傾向にあるものの、依然として大きい。(厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」)

• 男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合は、ツーリズム・国際航空貨物で約7割、ホテル・レジャーでは約8割と、大きく差がある。世帯主条件、その分の手当てなどが要因と推察される。(サービス連合「2018年賃金実態調査」)

• 観光産業の年間総実労働時間は現在平均2,000時間。総労働時間の短縮・多様な働き方に関して制度策定等、就業継続のための環境整備が必要。(サービス連合)

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本事業を通じて確認できたこと ②検討会にて確認できた事実・ご意見等

• 観光業の各現場においては、実際に女性の活躍によりプロダクトイノベーションやプロセスイノベーションの事例が生まれており、生産性向上等の効果が見られる。• 一方、意思決定層に女性が少ない等により女性の意見が反映される機会が少ない、観光現場に近い職場であるほど仕事と家庭の両立が容易ではなく就業継続が困難である、キャリアアップに際して女性本人のスキル・マインド双方にフォローが必要等、課題も存在する。

• 宿泊業、旅行業などで企業単位・業界単位での女性活躍の取組が始まっており、労働組合においても女性活躍は重点的な取組分野。最近では、自発的なネットワークづくり(AXIA)や、業界内の女性の働く環境の改善・業界内での地位向上に向けた組織づくり(LADY JATA)等も開始されている。各地域でも、女性の活躍推進に向け、ネットワーキングや表彰・PR、人材育成や支え合い等の多様な取組の事例が生まれているが、今後それらをさらに展開していくには、地域内の各ステークホルダーの連携や環境整備、人材育成が必要な状況にある。また、業態ごとに女性活躍の現状は異なる点には留意が必要。

• 観光産業の中核人材育成事業(東洋大学)を通じては、組織内での仕組みづくり、組織の雰囲気づくり、女性本人のモチベーション醸成の3点が、観光分野における女性活躍推進に重要なポイントであると見えてきている。

観光分野における女性活躍推進の全体像

働き方改革関連 女性の管理職登用・育成関連

• 働き方改革の観点では、MICEや旅行業等のオフィスワーク系の部門においてはリモートワークも取り入れやすく、柔軟な働き方を徹底している事例も出てきている。一方、宿泊業においてはリモートワークで従事できる業務に偏りがあり、導入の難しい対面接客部門との間に生まれる不公平感が課題となっている。

• 宿泊業を中心に、土日・祝日、夜間に人手が必要という業界特性、風土から、仕事と家庭を両立することが難しく、育児期の離職も多い。このような課題を解決するため、休日の子供の居場所事業を立ち上げ、地域内で観光業従事者の子供を預かる取組事例も出てきている。また、育児休業制度の改定等、組織内で制度整備を進める動きも出てきている。

• 女性管理職については、旅行業を中心に、現場マネージャークラスでは全体に増えてきているものの、経営の意思決定に関わるクラスではまだ少ない。地域の観光協会においても女性役員の数が少なく、女性の意見を反映できる機会が少ないという課題が存在する。また、DMOの現場においても、女性は日々の業務に忙殺され改革に関する動きには関わることができておらず、5年10年単位で自身のキャリアパスを描くことができていないケースも多い。

• このような課題を解決するにあたっては、既存の経営層に女性従業員の活躍事例を知らせ登用の機会を増やしつつ、女性本人に対してはロールモデルを提示するなど、管理職に挑戦するにあたっての心理的ハードルを下げるアプローチも同時に必要。

• 女性の育成については、組織内や業界内、地域内で研修を行う事例も増えてきている一方、女性本人が学びたいテーマと組織側が学ばせたいテーマにギャップがあったり、組織側の女性を育てる意識がまだあまり定着していないケースも見られる。

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• 実証プロジェクトにおける各実施方策に対しては、それぞれ以下のように評価。ただし、今回の参加者は、完全なる無業者は少数であり(全体の1割弱)、キャリアブランク等がありながらも比較的自立度が高く、ホテル業での就業に必要なスキル(語学、接客等)を既に持つ人材も多かった点に留意が必要。

母集団形成

• 女性募集:1か月程度の募集期間で、関係団体へのチラシ配架、既存ネットワークからの個別声かけ等多面的なアプローチを実施。説明会は1日限定で実施。説明会後、申込誘導のため適宜個別フォロー。

• ホテル募集:1か月程度の募集期間で、主に既存ネットワークからの個別声かけを実施。説明会は1日限定で実施。

リカレント講座(女性向け)

キャリアコンサルティング

(女性向け)

マッチング

就業後フォローアップ

• 3日間、1回2~4時間(午前中)、3週連続で実施。• 有償(25,000円)で実施。• 内容は、ホテル業界への理解を深めるもので2日間、ビジネスマナーや履歴書の書き方のものを1日間で開催。

• インタラクティブな運営とし、気づきを多く与えられるよう工夫。

• 講座期間中、全員に対して1人1回、30分~1時間程度実施。対面/Web/電話等方法は個別事情に合わせて設定。また、面談対応者は個々の抱える悩みやキャラクター等に鑑み、必要な支援を整理の上、適当なフォロワーを配置。

• 約半数の方が、追加の面談やメールでの個別フォローを要した。

• 候補女性人材/ホテル担当者が一堂に会したマッチングイベントの方式で実施。• 女性人材/ホテル双方からの1分間PRの後、個別の対話の時間を均等に5分ずつ設け、面接に進めたいかのアンケートを回収。以降、個別に面接調整。

• 対女性人材:マッチングイベント実施3か月後(就業決定者は就業開始約1か月後)に、近況報告会を開催。

• 対ホテル:同時期に当該プロジェクト振り返りアンケートを実施。当初企業交流会を実施予定であったが参加が少なくアンケートに変更。

✓ 女性募集:ホテルへの就職という選択肢がまだ頭にない方も多く、集客に苦慮。説明会を複数回実施する等、まずは「知ってもらう」ところに力をかけることも今後必要。説明会参加者の講座参加率は高く、その内容や不安払拭のための個別刈り取りの動きは有効であった。また、特定の業種に係る募集であったため公共機関との周知連携には困難が生じた。

✓ ホテル募集:申込手続のボリューム等含め、大きな問題はなかった。

✓ 講座のボリュームや開催時間の設定は、適当であった。3週連続実施は、宿題(実際にホテルを見に行く)をこなすには少々タイトであったが、モチベーションを高く保ったままマッチングまで突入できる点で離脱率が少なく効果的であった。有償であったことも受講者のコミットメントを高めていた。

✓ 内容も適当であったが、一部消化しきれない参加者もおり、キャリアコンサルティング等を通じた個別フォローは欠かせない。

✓ フォロワーそれぞれの得意を組み合わせたチーム型での支援方法は有効であった(ホテル業界のプロ/不安払拭のプロ/就職支援のプロ)

✓ やむを得ない事情が中心ではあったものの、マッチングイベント後数名離脱者が発生した事実を踏まえると(今回は対応工数等の都合でマッチングイベント前の面談実施を基本としたが)、就職決定までの間についても伴走でのフォローと継続的な背中押しが必要か。

✓ イベント方式での実施は、一度に多くの情報を得た上で面接相手を検討できる点、機運醸成の点で有効。

✓ 個別対話の運営方法については、各5分では不十分であった、確度の低い相手方との時間がもったいなかったとの声もあり、再考の余地あり。

✓ イベント後の女性人材主導での個別の面接設定も大きなトラブルなく進行したが、一部メールでの言葉遣い等に指導が必要なケースもあり、仲介者のフォローは欠かせない。

✓ 対女性人材:キャリア検討中の方や観光業へ就職した方、すでに観光業で活躍する先輩が一同に会しての情報交換やコミュニティ形成は、互いの不安払拭や背中押しに有効であった。今後もこのような取組みを継続させていくことが、就職後の定着~活躍実現のひとつのポイントとなる可能性がある。

✓ 対ホテル企業:採用等、ホテルにとって緊急性の高い課題への対処に繋がりにくいイベントは集客が困難であり、今後も方策を検討する必要がある。

実施実績 実施方策に対する評価

本事業を通じて確認できたこと ③「観光業でキャリア再発進プロジェクト」にて確認できた情報(1/2)

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• 今回のプロジェクトを通じて確認できた、ホテル業界の働く場所としての魅力/課題を以下にまとめる。• 魅力についてはより広範に発信することで、他業界を含めたより広い母集団からの人材確保に繋げていくきっかけになりうる。また、課題については今後ホテル業界での女性活躍(多様なライフステージの女性人材の確保)をさらに推し進めていく上で、改善や工夫の余地のあるポイントであると考えられる。

• 今回は有職の参加者が多く(リカレント講座受講生の22名中20名、91%が有職(77%が非正規雇用))、ホテル業界は業界未経験者やキャリアブランクのある人材層にも(主にアルバイトでの)採用の門戸が大きく開かれている点では魅力的であるものの、給与面で現職と比較をすると、新たに観光業に飛び込む確信が得にくかった、との声もあがっている。

ー就職決定者5名中、有職4名、無職1名。(有職者のうち、1名は元会社員からアルバイト、他3名は契約・派遣社員からアルバイトとなった)ー採用プロセスを辞退した8名についても、5名が他業界との比較の上、他業界への就職または現職の継続を選択(2名は他業界への就職が決まって辞退、3名は現職の継続を決め辞退)

マッチングの課題

• 例えば新卒採用等既存の人材採用方法である程度の人材確保ができているホテル企業の場合、各種採用施策の中で今回のような人材層を積極的に受け入れ活用に挑戦することの優先順位は、相対的になかなか上がりにくいように見受けられた。一部、プロジェクト主旨の理解が不十分であった企業では、書類選考段階・面接段階を通じての求職者との対話や就業条件すり合わせが十分に実施されず、マッチングが円滑に進まないケースもあった。

• 各社の採用・人材活用戦略の中での優先順位をどのように上げていくか、社内での合意形成をどのように進めていくかの双方で、今後の伸びしろがある。

キャリアアップの課題

• ホテル業は、アルバイト入社であっても契約社員や正社員登用の門戸が大きく平等に開かれており、また特に接客業務等のポジションにおいてはコミュニケーション力等ポータブルスキルベースでのマッチング機会も広く提供されているため、子育て等でキャリアブランクを有する女性にとっても、キャリア形成のチャンスの大きな業界である。

• また、採用面談の過程においては、ホテル内に多様に存在する職種のうち求職者にどれが最もマッチするか、採用者側が見極め柔軟にアレンジしながら進むケースもあり、実際に、ホテル側のそのような丁寧な対応を目の当たりにしホテルへの就職を決意したとの声もあった。このような動きがとれることは、他の業界と比較しても大きな特長であると言える。

ホテル業の働く場所としての魅力

ホテル業の働く場所としての課題

• 実態として、特に接客関連の職種の場合、休日や夜を含むシフト制がベースにあり、リモートワーク等の働き方の柔軟性が作りにくいことから、子育てがある程度落ち着いた層(小学校中学年以上)が主な母集団となる。これまでもそのような子育て期の女性の(主にアルバイト)採用は平等に行われてきており、プロパー社員の育休取得も増えてきているが、管理職登用となるとフルタイム勤務が条件となっていることが多く、両立を望む女性の登用事例は生まれにくいという課題がある。

• 入社後、どのようなキャリアパスがあるのかイメージできず不安であるとの声が聞こえる。キャリアパスが見える化されていないとともに、特にアルバイト/パート形態での採用の場合、キャリアパスについて情報を得たり考えたりする機会が十分に提供されていない可能性がある。

本事業を通じて確認できたこと ③「観光業でキャリア再発進プロジェクト」にて確認できた情報(2/2)

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3-2.今後に向けて

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知らせる

整える

育てる・引き上げる

✓ 観光産業の就業機会拡大と働く場所としての認知・裾野拡大

✓ 業界内でのロールモデル人材/企業事例展開

✓ 女性活躍推進の重要性、生産性向上とのリンク、認知度向上

<雇用>• 観光産業の成長、就業機会拡大の周知活動、マッチング機会創出• 観光分野の多様な仕事とその現実の姿、活躍機会、キャリアパスの見える化• 観光産業や地域づくりにおける女性活躍施策の啓蒙活動• 表彰制度に女性活躍部門創設(企業や地域の取組みを積極的に表彰)・ 生産性向上施策との連動、企業経営へのプラス効果の見える化<教育>• 民間人材サービス会社や公的キャリア形成支援者等に観光業への関心を喚起

し、その知見も活用して、観光業が市場から効果的に人材確保するための方策を検討

<教育>• 観光分野の経営層のためのダイバーシティ&インクルージョン研修実施• 次世代管理職層等の女性へのスキル・リーダーシップ研修• 成長を促すホットジョブの機会の付与• リカレント教育実施校と観光産業のマッチング、復職支援セミナー等• 地域行政の委員会などに女将の会、女性経営者などの参画• 地域づくりの実践的な専門人材講座への女性の積極的な参画• 学生に対するダイバーシティ意識向上の教育<コミュニティ>• ネットワーキング機会の拡充

<雇用>・ 時差出勤やリモートワークなど柔軟な働き方、マネジメント改革の事例展開・ 育休取得促進(男女とも)と復帰サポートの事例展開• 特に宿泊業における、日曜・祝祭日の子供の預け先確保• 観光産業での厚生労働省「えるぼし認定」などの活用推進• 雇用対策、ICT活用支援対策など厚生労働省や経済産業省等各種支援メニューの積極的活用

• ESG投資における女性活躍評価を踏まえた各企業の取組推進

✓ 働き方改革を進める環境整備

✓ 育児、介護との両立を進める環境整備

✓ 定着率向上✓ 性別による職域分離や賃金格差への留意

✓ データの整備

✓ 管理職層~経営層への登用事例創出

✓ 地域づくりでのリーダー的立場へのアクセス促進

✓ 観光業でのキャリア再発進の支援

• 業界団体• 民間人材サービス会社• 大学• 公的キャリア形成支援者

• 業界団体• 各省庁等支援メニュー

• 業界団体• 民間人材サービス会社• 民間研修会社• 大学

×

×

×

今後の取組みの方向性

※< >内はG20観光大臣会合附属書における「観光分野における女性活躍推進に向けた行動メニュー:「雇用」、「起業」、「教育」、「リーダーシップ」、「コミュニティ」、「その他」を踏まえ、事務局にて分類。

具体的施策案と連携すべきパートナー

観光分野での女性活躍実現に向けた今後の取組みについて(取組みの方向性・施策案)

• 以上を踏まえ、観光分野における女性活躍実現に向け今後強化していくべきポイントは、「知らせる」、「整える」、「育てる・引き上げる」の大きく3つに整理される。各取組みの施策案について、以下に記載する。

• 観光分野における女性活躍は、これらの取組みのいずれが欠けても前に進まないものであり、同時並行で一体的に取り組まれることが重要である。またその際、各企業や地域、教育機関等の、観光分野をとりまくステークホルダー間で互いのニーズやナレッジを共有しながら、連携して取組みを進めていくことがポイントとなるであろう。

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観光分野での女性活躍実現に向けた今後の取組みについて(連携が期待されるステークホルダー)

女性人材

観光分野の企業

観光分野業界団体

大学

民間人材サービス会社・研修会社等

公的キャリア形成支援経済団体、産業振興団体

公的なキャリア形成支援者への期待• 観光業関連求人の積極的な発信 等

大学への期待• 女性に向けた観光分野等への就職等を出口としたリカレント講座等の開設

民間人材・教育関連企業への期待• 観光分野での女性活躍推進等を強化していくためのカリキュラムの開発

• 観光分野での担い手を増やすための母集団形成 等

観光分野業界団体への期待• 業界全体での女性活躍推進の旗振り• 観光分野における女性活躍のポイントの普及等• マッチングを促進するイベントなどの開催 等

経済団体・産業振興団体への期待• 観光分野における女性活躍のポイントの普及等

• 今後観光分野における女性活躍推進の取組みをサステイナブルに継続させていくためには、以下のような連携の仕組みが必要ではないか。• 例えば、本事業において実施したホテルと女性のマッチングプロジェクトにおいても、その取組の意義やニーズは確認できたものの、取組みを継続実施するための体制づくりやマネタイズには課題が残っている。そのような課題を解決していくためにも、各者がそれぞれの役割の中で連携して取り組みを進めていくことなどが想定される。

• 海外には、観光業に係る多様なステークホルダーが加盟し、観光分野における女性活躍を推進するコミュニティも存在する。その中では、イベントや研修、メンタリング、調査等の活動が実施され、それらの成果はWeb上で披露されている。日本における取組推進の方向性としても、参考になる事例であろう。(例:イギリスで観光分野の女性活躍推進を行う団体“WiHTL”のサイト https://www.wihtl.com/)

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観光分野での女性活躍実現に向けた今後の取組みについて(誰に、何を、どのように「知らせる」のか)

• 前述の取組みの方向性のうち、「整える」、「育てる・引き上げる」については、宿泊業の生産性向上に係る実証事業や人材層別の育成事業、観光地域づくりの人材育成事業など、観光庁の他の事業においても積極的に取組が行われつつあるところであり、今後の展開ではこれらの事業との連携が特に重要。一方、ここでは「知らせる」の施策強化に主に光を当て、今後取り組むべき内容につきまとめたい。

• より多くの賛同者を集め本取組みを強化していくにあたっては、女性の活躍推進そのものが重要であることはもとより、観光分野において女性の活躍が具体的に人材/企業に対してどのような効果をもたらすのかを、情報の受け取り手の課題感を意識した上で伝えていくことがポイントであると考える。観光分野における女性活躍推進の成果として期待されるアウトプットは、主に、①人手不足解消に資する観光業への入職、②管理職登用を通じた経営の多様性確保~付加価値向上、③より限られたリソースで最大の成果を生み出すための生産性向上、の3つであると考えられる。今後は、各者が継続してこれらの事例の創出に努めるとともに、生まれた具体的な事例・課題やロールモデルについてより広範に発信していくことが、取組みを拡大していく重要なポイントになるであろう。また、これらの情報発信に際しては、各所に点在する既存の情報を体系的にまとめ観光分野の魅力発信のツールとしても活用していくことや、施策検討にあたり不足するデータを収集・分析していくことも並行して必要となる。

• これらの情報を各者へ知らせるにあたっては、既存の各人材層向けの育成研修やセミナー、企業や団体の会合等の場を活用するほか、現在学生向け以外にはあまり実施されていない職場体験の機会を入職予備軍の女性にも提供することや、多角的な事例やロールモデルを紹介し学び合えるシンポジウムの開催等も有効な方法であろう。

実務人材

中核人材

経営人材

入職者予備軍

抱える課題感例(カッコ内は上記文中①~③との対応) 知らせるべき情報例

女性の力が自社/自地域をどのように良くするのかがわからず施策を立てることができない(①②③)

女性の活躍を後押しするにあたり既存の体制や手法を脱却するだけの判断材料がない(①②③)

女性の登用にあたりどのような育成が必要かわからない(②)

✓ ダイバーシティ&インクルージョンを重視する経営の意義✓ 機関投資家による女性活躍の評価の現状(ESG投資への対応)✓ 観光分野や他産業で女性の活躍を通じて生まれた好事例(プロダ

クトイノベーション、プロセスイノベーション等、経営目線での整理)

女性の活躍を後押しするにあたり既存の体制や手法を脱却するだけの社内説得材料がない(①②③)

ライフイベントとの両立を望む女性の活用にあたっての具体的な準備事項、留意事項、マネジメントのポイントがわからない(①)

(女性自身として)今後経営層へのキャリアアップを目指せるか自信がない(②)

✓ 観光分野で女性の活躍を通じて生まれた好事例(同上)✓ 女性活躍を実現するにあたり、どのような課題にどのように対処したか

の具体事例✓ 女性の採用・定着・活躍に資するソフト面(マインド)・ハード面

(制度・ツール等)双方からの環境整備事例、お役立ちツール情報✓ すでに経営層で活躍する女性ロールモデルの事例

(女性自身として)今後どのようなキャリアパスがありうるのか、このまま観光分野で働き続けてよいかわからず不安(②)

✓ 他業界と比較しての観光分野の魅力✓ 自社内/観光分野内外でのキャリアパスの事例✓ 自身の強み・保有スキルの棚卸し

観光分野にはどのような仕事があり自身の経験がどのように活かせるのかわからない(①)

観光分野に入職すると、企業内/観光分野内外でどのようなキャリアパスがありうるのかわからない(①②)

低賃金、長時間労働のイメージがあり入職を躊躇してしまう(③)

✓ 他業界と比較しての観光分野の魅力✓ 観光分野における業種・職種MAP、求められるコンピテンシー✓ 自社内/観光分野内外でのキャリアパスの事例✓ 観光分野で進められている生産性向上の取組み事例

入職意思決定に関わる周囲の方々

教員

家族・知人人材エージェント

公的就労支援機関 観光分野が職場としてどのような魅力や課題、成長性を持つフィー

ルドなのかわからない(①②③) 観光業に係る知識が不足しており、求職者への案件紹介ができて

いない(①) 観光分野は低賃金、長時間労働のイメージがある。ライフイベント

との両立が可能な職場なのかわからない(①②③)

✓ 他業界と比較しての観光分野の魅力✓ 観光分野における業種・職種MAP、求められるコンピテンシー✓ 自社内/観光分野内外でのキャリアパスの事例✓ 観光分野で進められている生産性向上の取組み事例

キャリアアップ

人手不足解消に資する

観光業への入職

管理職登用を通じた経営の多様性確保~付加価値向上

より限られたリソースで最大の成果を生み出すための生産性向上