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商工会議所で貿易書類認証を取得しよう!~一般原産地証明書の作成と申請手続き~
日時: 2020年1月30日(木) 14:00~16:00
場所: 大阪商工会議所 5階 502号会議室
大阪商工会議所
国際部 笹本 慧
1
第1部 貿易関連書類について
1.良く使われる貿易関連書類
2.商工会議所が発給する書類の種類
第2部 「一般原産地証明書」とは何か
1.商工会議所が発給する権限と意義
2.原産地規則について
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
1.貿易業者登録
2.証明関係書類の作成
3.書類の申請
4.証明書の発給
第4部 その他の貿易関係証明書類
1.外国原産地証明書
2.インボイス証明
3.サイン証明
4.その他の証明
目次 <解説編>
2
(1)良く使われる貿易関連書類
名 称 英文(略号) 備 考
商業送り状 Commercial Invoice(I/V)輸出産品の送付状と請求書を兼ねる。Proforma Invoice、Custom Invoice等との区別を要する。
梱包明細書 Packing List(P/L)梱包単位の貨物や重量などの明細。海上運賃の計算の根拠となるなど、貿易取引上、ほぼ必須の書類。
信 用 状 Letter of Credit (L/C)一種の支払い保証書。輸入者の取引銀行が発行し、L/Cに記載条件に合致する場合に同行が輸出代金を支払う。
船 荷 証 券 Bill of Lading (B/L)輸出産品の船積み確認書、揚地での引換証、輸出産品の所有権移転のための有価証券。
航空貨物送状 Air Way Bill (AWB)航空会社が発行する貨物受取証。B/Lとは異なり有価証券では無い。
輸出申告書 Export Declaration (E/D) 輸出通関に際し、日本の税関に提出する申告書
輸入申告書 Import Declaration(I/D) 輸入通関に際し、日本の税関に提出する申告書
第1部 貿易関連書類について
3
(2)商工会議所が発給する貿易関連書類
○ 原産地証明書 (Certificate of Origin, C/O)
①産地(国)別による種別
「日本原産地証明書」、「外国原産地証明書」
②仕向け(国)別による種別
「一般(非特恵)原産地証明書」、「特恵(特定、EPA)原産地証明書」
○ インボイス証明 (Seen証明、Witness証明)
書類名義人によって適正に作成された船積み書類(インボイスなど)に対して、当該書類が
発給商工会議所に提示された事実のみを証明するもの。書類に公的性質が付与される。
○ サイン証明
申請者が書類上に自書したサインが、商工会議所に登録されているサインと同一であること
を証明することにより、申請された書類が、申請者により正規に作成された(確かに、申請者
が作成された)ものであることを間接的に証明するもの。
○ その他証明
会員証明、日本法人証明、営業証明など
第1部 貿易関連書類について
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(1)商工会議所が発給する権限と意義
商工会議所法(1953年10月1日制定)
⇒第9条6項「輸出品の原産地証明を行うこと」
・世界の原産地証明書の発給件数:約900万件/年(ICC統計)
→国内商工会議所の発給合計:約76万件(2008年)⇒約52万件(2017年)
国内すべての商工会議所で発給しているわけではない(大阪府下は全て)
また、商工会議所以外でも原産地証明書を発給する機関あり。
(輸出組合や関連団体などで、その件数は僅か)
※ 日本の商工会議所は「公的機関」ではあるが、「公の機関」ではない。
よって、そこが発給する原産地証明書は「公文書」ではなく、「私文書」扱い。
しかしながら、貿易の実務上は「公文書」に近い扱いを受けている場合が多い。
第2部 「一般原産地証明書」とは何か
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(2) 原産地規則について
<原産地規則の意味: 原産地を判断するにあたって>
○ 輸出される産品の原産性を判断する基準 (輸出品の「国籍」を規定する基本要件)
⇒ 原産地を判断するのであって、それ以外の何事も判断しない。
(例) 値段、品質、新旧などを判断するものではない
原産「国」を判断するもので、原産「市町村」を判断するものではない
○ 原産地の判断においては、下記2つの規則によって判断される
①生産国規則: 輸出産品が最終的に生産された国を基準とする。
⇒ 日本の資本、技術、機械、部材・原材料を用いて製造された産品であっても、中国の工場で生産さ
れたものは「中国産」であって「日本産」とは認められない。
日本製 日本製 必ず日本製 ?
②積送規則: 輸出産品が直送されていることが原則。(ワンシップメントの原則)
⇒ 原則として迂回は認められない。
⇒ 迂回が必要な場合(船の積換えなど)、輸出品の原産性に影響が出ないことが条件。
(倉庫での保管中に、何らかの加工がおこなわれるなどの可能性を考慮)
第2部 「一般原産地証明書」とは何か
※参考特恵証明の場合、原産性を判断する際に下記も選択できる。
「付加価値基準 (VA、RVC基準)」FOB - VNM(非原産材料価格)
FOB
この比率が一定水準(50%以上が一般的)を超える場合に、原産性を認める。但し、完成品の原産性に影響しない軽度な加工等を除く(希釈、清掃、包装など)
「加工工程基準 (SP基準)」繊維や化学品に適用されることが多い基準。一定の加工工程(染め、織りや分離、精製など)を経ていることを原産性の基礎とする方式。
6
(2) 原産地規則について (続き)
○ 判断基準の基礎 (WTOの一般総則に規定: 輸入通関における原産地規則)
①完全生産品 (農水産品、鉱物などのみが対象)
②原産材料のみから生産される産品(原料、部品が全て日本産)
③実質的変更基準を満たす産品
「関税番号変更基準 (HS:Harmonized System=関税番号)」を使用
CTC基準:関税番号が一定レベル以上に変更することで、原産性を評価し、付加価値を認める
方式。原則として「モノ」の物理的な変化の側面を重視
(*一般証明の場合、「HS4桁レベル」での変更が求められる)
第2部 「一般原産地証明書」とは何か
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全ての申請者は、貿易業者としての登録が必要(所定用紙)
<商工会議所の会員、非会員は不問>
原産地証明書の場合は、商工会議所で専用紙を入手して作成
その他書類は、申請者の自社製等で可(インボイス証明など)
作成された書類を商工会議所に申請
(商工会議所保管用に、コピーを1セット余分に用意)
(注)コピーは正本に対する謄本の意味。コピー機での複写は不可。
書類の審査、認証印の押印、各種処理
手数料の支払い、証明書の交付
貿易業者登録
証明関係書類の作成
書類の申請
証明書の発給
STEP 1
STEP 2
STEP 3
STEP 4
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 1: 貿易事業者登録
目的: 一般原産地証明書の取得を希望する事業者の事業実体把握
対象: 一般原産地証明書の取得を希望する事業者
⇒ 商工会議所の会員、非会員不問。(商工会議所の「入会」とは別個のもの!)
⇒ 貿易証明を取得しようとする地域商工会議所での登録が各々必要。
(東京商工会議所で登録 = 東京商工会議所で取得 ≠ 大阪商工会議所で取得)
⇒ 1社1登録。ただし、支店単位での登録は可能
必要書類:必要書類の提出(法人・団体の場合)
(1)貿易関係証明に関する誓約書 (WEBサイトにテンプレあり)
(2)貿易関係証明業態内容届 (WEBサイトにテンプレあり)
(3)貿易関係証明申請者署名(サイン) (WEBサイトにテンプレあり)
(4)登記事項証明書(履歴事項全部証明書)<発行後3か月以内の原本>
・法務局が発行する文書・支店の場合も履歴事項全部証明書(本店管轄)が必要・「現在事項全部証明書」ではないので注意・法人格のない団体の場合は、認証の写し、定款、役員名簿等が必要
※個人事業者や代表者が外国人の場合は別途提出資料が必要納税証明書、印鑑証明書や在留カード/特別永住者証明書(写し)など
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 1: 貿易事業者登録 (つづき)
署名(サイン)の登録
・証明書を作成する(しようとする可能性のある)社員すべての登録が望ましい。
(1社での登録人数制限はない。但し、登録する署名者(サイナー)は、申請会社に所属していること!)
・登録できる署名は1人につき1個(英語と中国語(漢字)の2個登録は不可)
・インボイス、原産地証明書にする署名は、必ずこの署名と同一であること
・署名者は必ずフルネームで登録する
・役職がない場合は記載しなくても良い
・外国人従業員も、もちろん登録可能
・期間中に署名の変更は何度でも可能
・登録者やサインを変更する場合は変更届けが必要
・よく、登録した従業員が誰か、それぞれの署名(サイン)の字体はどのようなものかを忘れる方が居ます。
後々の偽造防止の観点から、各申請会社で控え(コピー)を必ずとっておいてください。
登録手数料各商工会議所により異なる (大阪の場合、会員は「無料」。非会員は「11,000円」)
※登録・更新時は非会員で、期間途中で入会となった場合、更新料は返却されない。また、登録・更新時には会員で、期間途中に退会(非会員)となった場合、退会後に証明書取得が必要となったら、再度登録が必要。(登録料も必要)
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 2: 証明書類の作成 (日本原産地証明書の例)
<< 別紙ご参照 >>
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 3: 書類の申請
<第1欄>Exporter(輸出者) ○ 商工会議所に登録された輸出申請者であるか
・事業者名、所在地・支店、営業所の表記など
○ コマーシャルインボイス表記と同じか?・異なる場合、事務所移転であれば変更届の提出要請
○ PO Box(私書箱)での表記でも可・登録台帳に所在地とPO Boxを併記
○ 国名は必須
<第2欄>Consignee(荷受人) ○ コマーシャルインボイスに記載の荷受人との照合
・事業者名、所在地(国名含む)・所在地の国名は必須(L/C発行銀行が荷受人の場合除く)・ConsigneeとImporterが同一でないケースは?⇒実際の荷受人の記載を要する。(例外:LC発行銀行が荷受人の場合)
○ 指図式の記載も可(To order of -----)
<第3欄>No. and date of Invoice ○ コマーシャルインボイスの番号と日付の確認(インボイス番号及び日付) ・日付は申請者申告日より同日以前
・原則として、申請日より6ヶ月以上前の日付は、船積日との整合性を確認○インボイス番号が無い場合
⇒ NIL の表記を要する。(空欄は不可)
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第3欄>(続き)No. and date of Invoice
(インボイス番号及び日付)
* 日付に関する原則○原産地証明書は、船積日以前に発給するもの(通常は、通関時に使用することが多いため)○インボイス上の日付、原産地証明の作成日、原産地証明書発給日の関係は次の通り。
| | |(早い期日) (遅い期日)
IV日付 原産地証明作成日 証明発給日
(上記3日付が同じでもOK)
(注) 証明発給日が、IV日付、作成日のいずれか、もしくは両方より先行することは、絶対に不可⇒不確定または未確定の内容を証明することになるため
<第4欄>Country of Origin ○日本原産の場合はJAPANと記載(原産国) ○外国原産の場合は当該国の国名を表記
⇒必ず英語での表記(正)Thailand Germany
(誤)Thai German
○日本産、外国産混載の場合は、該当する全ての国名を表記⇒ Japan, China, Indonesia など
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第5欄>Transport details ○輸送手段とルートの記載(積送基準)(輸送経路等詳細) ・積出港(空港)
・仕向港(空港)<原則として輸出先国>・輸送手段(sea /air )・経由地(あれば)
※積出港、仕向港、輸送手段(海運or空運)があれば、その他の情報(船積日、船名など)は必要なし
* 原産地規則をインボイスで確認できるのは「積送基準」のみ。原則、荷物は「直送」されると解釈。
<経由地>・経由地では積換えか一時保管のみ・輸出品の原産性に影響するような加工がなされれば、原産地証明書は失効(記載例)From Osaka Port, JAPAN
Via Singapore
To Jakarta, Indonesia
By Sea(Air)
昨今、この第5欄の訂正が多い。船積日や、船名
など変更の可能性がある場合は、少なくとも「積み地(Osakaなど)」と「仕向け地」を記載頂き、船積日、船名については記入の必要はありません
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第5欄>Transport details (つづき)(輸送経路等詳細)
*内陸国の取扱い・世界の内陸国(海洋部に国境線を有さない国)は約50カ国・内陸国の場合は、隣接国等を揚げ地(海運)とし、同地から最終輸入国まで陸送が大半⇒この場合、揚げ地から陸送であることが確認できればOK
(例) Osaka (積出し) → Bangkok(積揚げ) → <陸送> → Vientiane
*第3国を輸入国として認める例外・欧州連合(EU)は、政策上の単一市場と認識され、輸入国と揚げ地国とがいずれもEU加盟国の場合に、両者の相違は無視し得る。
<第6欄>Remarks(備考) ○原産地証明書記載義務事項に関連する参考事項のみ記入可
<世界的には当欄が無い様式は多い>*コマーシャルインボイスに記載がある場合に限る(例)決済方法、製造業者、貿易条件、L/C番号、注文書番号など
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第7欄>Marks, numbers, ○荷印、梱包数・種類、具体的な産品名number and kind of packages; ⇒コマーシャルインボイスとの照合description of goods ⇒ブランド名や業者間でのみ通じる型番のみの場合、一般名称(荷印、荷番号、梱包数と種類、品目名) の記載が必要
⇒表記の仕方(in dia, in tri など)にも要注意○荷印が無い場合は、N/M(No Mark)と表記○原産地証明書の目的から逸脱した事項の記載は不可
(例) 価格、品質、性能、曖昧な表現 など(例) 中古建機、中古車の製造年(マレーシアなど)
<例外>業者特殊宣誓文・非イスラエル産、イスラエル不経由(不寄港)の文言
(ケースマークの例) ただし、インボイスにも同一の文言があること
* 輸出品目名 <品目名、数量の記載について>
⇒ 一般的な商品名になっているか?(HSコード6桁に相当する商品名)ブランド名(”BMW” Parts は× “BMW Motorcycle parts” は○)
⇒ 原産地証明書に記載するものは「Goods」であり、「Service」ではない。よって、”Consultation Fee” “Freight Charge” “Special Discount”などの記載は不可。
⇒ 契約番号やL/C番号、決済方法などを記載したい場合(L/C等で要求のある場合が多い)は、”Shipper’s Statement”という見出しに続けることで記載は可能。ただし、I/Vに同様の記載要【大阪商工会議所の場合】
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第8欄>Quantity(数量) ○具体的な数量
⇒ 梱包数のみでは不可* インボイスに記載の無い輸出品の重量(Gross, Net)が原産地証
明書に記載されている場合は、Packing List の提出などその根拠を示す典拠資料が必要
⇒ 「Total 10sets & pieces」ではなく、「8 sets & 2 pieces」 のように単位ごとの記載が必要
⇒ I/Vに記載されているのと同一の梱包数と種類であること。* Case、Carton、Piece、Crate、Skid、Pallet、Drum などの表記が
一致していること
<第9欄>Declaration by the ○宣誓場所(日本国内)Exporter ○宣誓日⇒インボイスの日付以降、申請日迄。未来の日付は不可(申請者宣誓) ○氏名 *法人名、役職の記載は必要ない
○サイン(登録内容との照合)*必要部数+会議所控えの全ての用紙に同一のサイン*必ずしも肉筆である必要はない
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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<第10欄>Certification ○証明番号(商工会議所証明欄) ○証明日
○公印(会議所印)○サイン(肉筆 or ラバー)
Original or Copy ○Original又はCopyの別を記載⇒ *「Origin」と記載するのは間違い
⇒Copyとは、コピー機による複写(フォトコピー)では無く、正本に対する謄本の意味。よって、ゼロックスコピーなどをして会議所控えにすることは不可
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 4: 証明書の発給
■貿易事業者登録が済んでいることが前提■証明書の作成原産地証明書は、指定の用紙を使用。窓口で頒布しています(100枚綴り/550円(税込))。これを事前に入手し、必要事項をタイプ打ちorプリンターで印字し、自社の必要枚数+1枚(会議所控え)を作成いただきます。
■典拠書類とともに、窓口に提出コマーシャルインボイスを典拠書類として添付し、作成した原産地証明書を、「依頼書(窓口備え付け)」及び「国別表(窓口備え付け)」とともに窓口に提出します。その際、「依頼書写し」を控えとしてお渡しします。
■証明書の受取方法審査終了後、窓口で会社名をお呼びします。↓
窓口で現金又はプリペイドカードにて料金をお支払い下さい。※ 払い戻しはできませんのでご注意下さい。
↓
「依頼書写し」と引き換えに、証明済み書類をお渡しします。※ 領収書は、現金払いの場合のみ発行されます。 プリペイドカード利用時には発行されません。
■発給手数料(2020年10月1日現在・税込)会員 1,100円/件非会員 3,300円/件 ※ここでいう「1件」は肉筆3枚、ラバー5枚が最大です。
■プリペイドカード【額面:33,000円】 販売価格:31,900円 ※プリペイドカードには、1,100円のプレミア付
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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STEP 4: 証明書の発給
【大阪商工会議所 貿易証明窓口】 大阪商工会議所ビルの1階
■ 執務時間・申請書類の受付:
09:00~12:00 13:00~16:30
・土日祝日、及び大商が定めた日はお休み
■ 発給件数・1日平均500件(月約9,500件、年間11万件余)
申請窓口 返却窓口登録窓口
第3部 一般原産地証明書の申請手続きの流れ
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(1)外国原産地証明書日本からの輸出品が、外国で製造または実質的に加工されており、当該国の産品であることを証明するもの。以下の場合に取得可能。
日本経由
種 類 概 要必要な添付書類(大阪商工会議所)
無し 仲介貿易・輸出品は日本以外のA国(生産国)からB国(輸入国)へ・取引関係において日本で外国原産証明が必要の場合
・海外公的機関発行の原産地証明書
・誓約書(仲介貿易用)
有り 再輸出・海外で製造の産品を一旦日本に輸入し、在庫として第3国
へ輸出する場合・誓約書(再輸出・積戻し用)
有り 積戻し ・保税状態で、輸入元国へ返送の場合 ・誓約書(再輸出・積戻し用)
種類と概要
第4部 その他の貿易関係証明書類
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輸出者(A国)(原産国)
輸入者(B国)
仲介者(日本企業)(C:日本)
代金
請求書原産地証明書
物品輸送指示
<特徴> 貿易取引は、仲介者(C)と輸入者(B) 輸出物品は、輸出者(A)が生産するので、A国原産となる 輸出者(A)は、仲介者(C)の指示で、同国産品をB国に輸出
この時、A国で原産地証明書発行 A国発行の原産地証明書を、領事査証取得等の理由により、日本で切り替え発行し、
輸出者をCとするのが仲介貿易における原産地証明書(原産国はA国)
※外国原産地証明発給(切り替え)の場合は、誓約書(輸送経路などを記載)とA国発給の原産地証明書(フォトコピー可:大阪商工会議所の場合)など が必要
物 品
第4部 その他の貿易関係証明書類
【参考1】仲介貿易(日本が仲介する場合)
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<特徴> 原産国(A)から同国産品が一旦日本(C)に輸入される。 A国産物品に日本で加工を加えず、A国原産のままでB国に輸出する。 この場合、上記A国産品に日本原産品を加えて混載し、B国に輸出するケースも多い。 B国への輸出に際して日本で発行する原産地証明書における原産国は「A国」となる
※外国原産地証明発給の場合は、誓約書(輸送経路、対象産品情報等を記載)などが必要(A国発給の原産地証明書は必ずしも必要ではない)
原産者(A国)輸入者(B国)
日本企業(C):日本
物品代金
請求書原産地証明書代金物品
請求書
【参考2】再輸出・積戻し
第4部 その他の貿易関係証明書類
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記載方法原則、日本原産地証明書に準拠するが、下記の点について注意を要する
(1)第4欄「Country of Origin」・日本原産地証明書の場合は、当然「Japan」であるが、ここには「China」などの外国名を記載して下さい・ただし、日本産の物品との混載の場合は「Japan」と「外国名」を併記。複数の外国名の場合はその全てを記載しなければなりません。
(2)第7欄「Description of goods」・全ての商品について原産国を記載すること(例)① Autoparts for TOYOTA Engine AT2013 10 pieces (Made in Japan)
② Autoparts for TOYOTA Engine AT2014 15 pieces (Made in Japan)
③ Autoparts for TOYOTA Engine BT2013 7 pieces (Made in China)
④ Autoparts for TOYOTA Engine BT2014 6 pieces (Made in China)
再輸出の場合、日本産品と混載されるケースが多い(事例)中国、アセアン各国に生産ラインを有する企業が、それらの国々で生産した産品を一旦日本に輸入し、日本で生産された産品(日本産)とともに、南アジア(インドなど)や中東、アフリカなどに輸出するケース。↓
「外国原産地証明書」として、日本を含む外国名を全て記入のうえ申請してください。その際、インボイスに記載されている当該国製品はその全てが原産地証明書に記載されなければなりません(一部の日本製品或いは外国製品を抜書きするには不可)。上記の例では、①~④全てを記入。①と③だけ、②,③,④だけ などは不可
第4部 その他の貿易関係証明書類
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(2) インボイス証明 (Seen 証明)
インボイス証明とは書類名義人によって適正に作成された船積み書類(インボイスなど)に対して、当該書類が発給商工会議所に提示された事実のみを証明するもの。
(重要)商工会議所はインボイス記載の内容までは証明しません。
・対象書類○各種インボイスと船積関連書類(商業インボイス、見積もりインボイスなど)○輸出に先立ち海外取引先から要求された書類(確認書、注文書、価格表など)○船会社、航空会社、保険会社の発行した書類(航空貨物運送状、船荷証券など)
・証明文言:Seen the Osaka Chamber of Commerce and Industry
・「確かに商工会議所に提出された」ことを証明するものなので、「Seen」の文言。よって、「インボイス証明」 または 「Seen証明」 とも言われる。
主なチェックポイント (商工会議所の担当者は、ここを見ている!)
⇒ インボイスの日付が申請日と同日、もしくはそれ以前であること⇒ インボイス上のサインが登録されたものか?⇒ サインの下に、署名者のネーム(フルネーム)が記載されているか?⇒ 書類作成者のサインの下、あるいは横に証明印を押印しますが、書類が複数頁にわたる、又は添付
資料がある場合は原則最終頁(署名のある頁)に押印します⇒ 文言の訂正は申請前のみ可能。認証後の訂正は不可(取り直しとなる)。
申請者の訂正印のみで商工会議所の訂正印は押印しません。
第4部 その他の貿易関係証明書類
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(3) サイン証明
サイン証明とは申請者が書類上に自書したサインが、商工会議所に登録されているサインと同一であることを証明することにより、申請された書類が、申請者により正規に作成されたものであることを間接的に証明するもの。
証明文言Signature verified the Osaka Chamber of Commerce and Industry
証明対象書類(主なもの):会社推薦状、契約書、翻訳証明
主なチェックポイント (商工会議所の担当者は、ここを見ている!)⇒ 肉筆のサインであり、商工会議所に登録のサインであること⇒ 署名者自らが署名したこと(代理署名Forサインは不可)⇒ サインの下に、署名者のネーム(フルネーム)が記載されていること⇒ 認証する署名は1つに限定されていること⇒ 日付がきちんと入っていること(もちろん、未来の日付ではダメ)⇒ 書類の宛先(誰宛の書類か)が明確であること⇒ 原則として英語による文書であること⇒ 書類が複数枚でも契印等は押しません⇒ 文言の訂正は申請前のみ可能。申請者の訂正印のみで商工会議所は押印しない。⇒ 書類の内容が妥当であること ⇒公序良俗に反する内容は不可
第4部 その他の貿易関係証明書類
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(4)その他の証明
○ 会員証明申請企業が、証明する商工会議所の会員であることを証明する。主な用途は、海外企業との新規取引、海外での事務所開設、海外の政府・政府機関の行う公募への入札、欧州等での展示会への出展申込み等における当事者照会書類など。
申請手続き:・申請書の提出により、商工会議所が商工会議所のレターヘッドにて作成、証明書の発行をします。・貿易登録事業者でなくても申請できます。
○ 日本法人証明日本で登記された法人であることを証明します。主な用途は上記「会員証明」とほぼ同じ。
申請手続き:・登記事項証明書(3カ月以内のもの)を用意いただき、申請書 (WEBサイトにフォーマットあり)を提出して頂きます。(ただし、大阪商工会議所の会員企業はこれを省略できます)・申請事業所の概要は登記事項証明書で確認させて頂き、英文社名は登記事項証明書では確認できないため、商工会議所に登録の英文社名と照合させて頂くことがあります。・商工会議所のレターヘッドにて作成、証明書の発行をします。・貿易登録事業者でなくても、大阪商工会議所会員であれば申請できます
(注)いずれも海外の機関(企業、政府など)に提出する書類。国内取引を目的とする場合は、発給できません。
第4部 その他の貿易関係証明書類
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(4)その他の証明
○ 自由販売証明書(Free Sales Certificate)目 的:輸出産品が、日本の国内市場で規制を受けずに流通する事実を証明する書類。需 要:中国などへの輸出の際に要請されるケースなど。証明書:種別=サイン証明書(輸出者の自己宣誓文)<記載内容を証明しません。>(WEBサイトにフォーマットあり)
留意点:輸出企業(登録事業者)のレターヘッドを用いて、英文で表記していること(中国語、日本語は不可)。宛先がある場合、海外の機関名(企業、政府など)であること。(注) “To whom it may concern”の表記は可。
英文表記であっても、日本企業向けは不可(国内対応のため)
○ 衛生証明(Health Certificate)目 的:輸出産品(食品、飲料ほか)が、衛生上、無害であることを証明する書類。需 要:中国や東南アジアなどへの輸出に要請されるケースなど。証明書:種別=サイン証明書(輸出者の自己宣誓文)<記載内容を証明しません。>(WEBサイトにフォーマットあり)
留意点:輸出企業(登録事業者)のレターヘッドを用いて、英文で表記していること。(中国語、日本語の表記は不可)宛先がある場合、海外の機関名(企業、政府など)であること。
(注) “To whom it may concern”の表記は可。英文表記であっても、日本企業向けは不可(国内対応のため)
第4部 その他の貿易関係証明書類
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(4)その他の証明(受取のみ)
○ 農林水産省発行の輸出証明書(東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う諸外国の輸入規制にかかる証明書)
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、現在、いくつかの国が日本食品の輸入に対し、規制措置を講じています。これに対して、農林水産省は以下の内容に関する証明書を無料で発給中。(酒類は、国税庁が輸出証明書を発給)(1)日付証明 : 2011年3月11日より前に生産・加工されたことを証明(2)産地証明 : 輸出先国の規制する都道府県以外で生産・加工等されたことを証明(3)放射性物質検査証明: 輸出される食品に対して、指定検査機関が放射性物質検査を行い、
その結果について政府機関が輸出先国の放射性物質基準値を超えていないことを証明
「食の輸出証明書ワンストップ化実証実験(2018.3~2020.2)」現在、食品等の輸出手続きに必要な複数の証明書類(輸出証明書(酒類を除く);農林水産省発行)」、原産地証明書・衛生証明書等;大阪商工会議所)を、1つの窓口で受取り可能とし、輸出事業者の利便性向上を目指す取り組みを行なっています。従来、近畿農政局窓口または郵送での「輸出証明書(酒類を除く)」の受け取りが、大阪商工会議所「貿易証明窓口」でも可能となっています。*留意点: 大阪阪商工会議所は、「受取窓口」の機能です。審査内容については、農林水産省および
地方農政局の審査担当窓口にお問合せ下さい。なお、本実証実験の結果を受けて、2020年3月1日以降は、有料(330円/1件)にて、引き続き輸出証明書の交付をさせていただくことになりました。
第4部 その他の貿易関係証明書類
ご静聴有難うございました。
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各種貿易関連証明書についてのお問合わせ、ご相談等は
大阪商工会議所 国際部 ☎06-6944-6411
まで、お気軽に。
各種貿易関連証明書についての手続き、手順等はhttp://www.osaka.cci.or.jp/trade.html
にて、ご案内しています。
<<別紙>> 日本原産地証明書(専用紙)
1.Exporter ( Name, Address, Country)
誰から Who
CERTIFICATE OF ORIGIN
issued by
The Osaka Chamber of Commerce & Industry
Osaka, Japan
2.Consignee ( Name, Address, Country)
誰に Whom
*Print ORIGINAL or COPY
3.No. and date of Invoice
何を根拠に on Which
4.Country of Origin
JAPAN
5.Transport details
どの様にして、何処から何処へ
How & Where-to-where
6.Remarks
7.Marks, numbers, number and kind of packages; description of goods 8.Quantity
何を、どれだけ
What and How Many
9.Declaration by the Exporter
The undersigned, as an authorized signatory, hereby declares
that the above-mentioned goods were produced or
manufactured in the country shown in the box 4.
Place and Date
( Signature)
( Name )
10.Certification
The undersigned hereby certifies, on the basis of relative invoice and
other supporting documents, that the above-mentioned goods
originated in the country shown in the box 4. to the best of its
knowledge and belief.
______________________________________
Authorized Signatory
Certification No.