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対面助言と治験・審査 医薬品医療機器総合機構 新薬審査第二部 中村龍太 CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山)

対面助言と治験・審査 - Med対面助言(治験相談) CRCと臨床試験のあり方を考える会議20112011年9月25日(岡山) 7 開発計画や治験に関する助言

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  • 対面助言と治験・審査

    医薬品医療機器総合機構新薬審査第二部

    中村龍太

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山)

  • お断り

    本発表の内容には個人的見解が含まれます。医薬品医療機器総合機構の見解ではないことにご留意ください。

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 2

  • 医薬品総合機構の業務体系

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  • 業務の一貫体制

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  • 審査関連業務

    薬事法に基づく医薬品や医療機器などの承認審査

    治験などに関する指導および助言

    承認申請や再審査・再評価の確認申請の添付資料についてのGCP、GLP等の基準への適合性の調査

    GMP調査による製造設備、工程、品質管理の調査

    薬事法に基づく再審査・再評価の確認

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  • 審査チーム

    薬理 動態 毒性臨床 生物統計

    医薬品の品質、有効性、安全性について、薬学、医学、獣医学、生物統計学等の専門的知識を有する者が一つのチームを構成し、それぞれの見地から現在の科学水準に基づき、多面的な承認審査等を行う。

    チームマネージメント

    チームマネージメント

    規格・安定性

    主任 副主任 プロジェクトマネージャー

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  • 対面助言(治験相談)

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 7

    開発計画や治験に関する助言

    対象

    新医薬品や新医療機器の治験

    再評価・再審査にかかる臨床試験

    事前評価

    その他

    目的

    実施しようとしている試験の倫理性、科学性、信頼性及び被験者の安全性の確保

    承認申請に必要な要件を正しく満たすことの確認

    治験の質的な向上

    ・・・と考えます。

  • 合成・分離

    薬理・毒性・動態

    第Ⅰ相試験前相談

    臨床試験

    2~10 年 (平均 5 年)

    第Ⅰ相

    第Ⅱ相

    Ⅱ相試験終了後相談

    第Ⅲ相

    申請前相談

    初回治験届

    申請

    単回・反復投与

    後期Ⅱ相前相談

    30 days

    医薬品開発と主な治験相談

    非臨床試験

    審査

    前期Ⅱ相前相談

    承認

    医薬品事前評価相談

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    薬事戦略相談

  • 初回記録案送付

    -3ヵ月 0 1ヵ月

    対面助言概略

    相談内容や資料編さんについて助言・確認

    申込み 資料搬入 記録確定対面当日

    -7日

    事前面談

    相談事項に対する事前見解の送付

    機構の意見等についての解説・確認・関連議論

    7日

    事前照会送付

    プレゼンテーション事前見解に対する意見等事前照会回答

    -5週間

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  • 対面助言の内容

    開発の方針 非臨床試験の結果との整合性確認 ヒトへ最初に投与する試験のデザイン 用量設定試験、検証試験等の治験デザイン 臨床データパッケージに関する認識の共有 GCP等規制との関係の理解 臨床試験成績の評価 申請資料の妥当性 (製造販売後の対応・方針の決定)等

    得られている情報の評価と次に為すべき検討CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 10

  • 216 232

    295 302338

    393

    457

    050

    100150200250300350400450500

    平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度

    治験相談の実施件数

    (注1)平成21年度から実施した、医薬品事前評価相談及びファーマコゲノミクス・バイオマーカー相談を含む。(注2)処理件数は、実施件数に、実際の相談前に問題点が解決し相談に至らなかった取下件数を含む。

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  • 対面助言は「治験相談」

    対面助言の目的

    治験:薬事承認を目的とした臨床試験

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    薬事承認って?

  • PMDA新薬審査部の業務分担新薬審査第一部 第1分野

    第6分野の2

    消化器官用薬、外皮用薬

    ホルモン剤、代謝性疾患用薬(糖尿病、骨粗鬆症、痛風、先天性代謝異常等)

    新薬審査第二部 第2分野

    第5分野

    放射性医薬品分野

    体内診断分野

    循環器官用剤、抗パーキンソン病薬、脳循環・代謝改善薬、アルツハイマー病薬

    泌尿生殖器官・肛門用薬、医療用配合剤

    放射性医薬品

    造影剤

    新薬審査第三部 第3分野の1

    第3分野の2

    中枢神経系用薬、末梢神経系用薬。ただし、麻酔用薬を除く

    麻酔用薬、感覚器官用薬(炎症性疾患に係るものを除く)、麻薬

    新薬審査第四部 第4分野

    第6分野の1

    エイズ医薬品分野

    抗菌剤、寄生虫・抗ウイルス剤(エイズ医薬品分野を除く)

    呼吸器官用薬、アレルギー用薬(内服のみ)、感覚器官用薬(炎症性疾患)

    HIV感染症治療薬

    新薬審査第五部 抗悪分野 抗悪性腫瘍用薬

    生物系審査第一部 血液製剤分野

    バイオ品質分野

    血液凝固因子製剤、遺伝子治療確認、カルタヘナ確認、

    抗体製剤品質

    生物系審査第二部 生物製剤分野

    細胞治療分野

    ワクチン、抗毒素

    細胞治療用医薬品

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  • 法律上の定義

    薬事法14条第2項 医薬品の承認は、申請された医薬品の名称、成分、分量、用法、用量、効能、効果、副作用等を審査して行う

    同条第3項 申請者は申請書に資料を添付して申請

    同条第4項 審査においては申請内容と添付資料に基づき、その医薬品の品質、有効性及び安全性に関する調査を行う

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 14

    新薬承認審査

    薬事法に基づく医薬品や医療機器などの承認審査

  • 薬事法施行規則第43条(抜粋) 当該資料は、これを作成することを目的として行われた調

    査又は試験において得られた結果に基づき正確に作成されたものであること。(正確性)

    品質、有効性又は安全性を有することを疑わせる調査結果、試験成績等が得られた場合には、検討及び評価が行われ、その結果は当該資料に記載されていること。(完全性、網羅性)

    根拠となった資料は、承認を与える(又は与えない)日まで保存されていること。(保存)

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 15

    申請資料の信頼性の基準

    薬事法第14条第5項 承認申請書に添付された資料が信頼性の基準に適合するかどうかについての書面による調査又は実地の調査を行うものとする。(書面適合性調査及びGCP実地調査)

  • CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 16

  • 新薬の申請資料

    規格・安定性

    毒性

    薬理作用

    薬物動態

    臨床試験(有効性、安全性、臨床薬理他)

    第Ⅰ相試験:PK/PDの検討、忍容性の確認 第Ⅱ相試験:用量設定

    第Ⅲ相試験:検証試験、長期投与試験

    その他

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  • 医薬品の審査のステップ

    製薬企業が科学的データを申請資料として提出

    審査側が資料の信頼性をチェック

    審査側が資料の内容を評価

    申請区分毎の要件を満たす資料が揃っているか?

    法律に定める承認拒否事由に該当しないか?

    申請内容は妥当か?

    使用上の注意は妥当か?

    承認に条件は必要か?

    (承認の4~10年後に再審査)

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 18

  • 審査における着目点

    資料の信頼性が担保されていること

    適切にデザインされた試験において、対象集団における有効性が確認されていること

    得られた結果に臨床的意義があると判断されること

    想定されるベネフィットがリスクを上回ること

    一定の有効性&安全性を有する医薬品を恒常的に供給可能であること

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 19

  • 有効性評価の手がかり

    臨床試験成績

    薬か?

    評価方法は適切か?

    想定した治療効果が得られているか?

    既存類薬との力関係は?

    適切な用法・用量が選択されているか?

    非臨床試験成績

    薬効薬理

    薬物動態

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  • 副作用と有害事象

    有害事象(Adverse Event) 医薬品が投与された患者・被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上の出来事

    副作用(Adverse Drug Reaction) 有害事象のうち、医薬品との因果関係が否定できないもの

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    安全性評価

    基本的には有害事象ベースで安全性を評価

  • 安全性評価の手がかり 臨床試験成績

    どんな種類の有害事象が発現しているか?

    どのくらいの頻度で有害事象が発現しているか?

    有害事象はいつ発現しているか?

    発現した有害事象の重症度は?

    対照薬と比較してどうか?

    忍容性は?

    非臨床試験成績 毒性試験の成績

    安全性薬理試験の成績CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 22

  • 臨床現場に提供できる有用性

    検証試験で示された有効性の臨床的意義に安全性も加味して新医薬品としての有用性を総合的に判断

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 23

    対象疾患(対象患者)における臨床的に意義のあるベネフィットと臨床的に許容されるリスクが示されていることが必須

  • 対面助言の前に

    開発方針・開発計画の策定

    実施する治験(対面助言の対象となる試験)の前に得られているエビデンスの確認

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 24

    上記エビデンスと対象疾患の特徴を踏まえた適切な臨床試験の設計

    被験者の安全を担保する方策の策定 データの信頼性を担保する方策の策定

    (必要に応じ変更)

    (希望的観測は禁物)

    (試験の目的、主要評価項目、症例数)

    (試験デザインと試験の実施体制)

    (主に試験の実施体制)

  • 新医薬品の承認件数

    49

    60

    77 81 79

    107114

    22 1824 20

    2515

    2127

    42

    5361

    54

    92 93

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度総件数 うち優先審査品目 うち通常審査品目CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 25

  • 本邦での治験届け数

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  • CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 27

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    150

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    350

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    TN

    Late FY2007

    EarlyFY2007

    (Apr-Sep)

    Late FY2008

    EarlyFY2008

    EarlyFY2009

    (Oct-Mar) (Apr-Sep) (Oct-Mar) (Apr-Sep)

    Late FY2009

    (Oct-Mar)

    EarlyFY2010(Apr-Jul)

    LateFY2010(Oct-Mar)

    国内の国際共同治験実施状況

  • 医師主導治験の届出件数

    CRCと臨床試験のあり方を考える会議2011 2011年9月25日(岡山) 28

    注1)医師主導治験では、連名又は各々が届出を提出することができる。また、治験責任医師が追加される場合には、新規の届出が必要。

    注2)プロトコール数は、同一プロトコールを1件とし、もっとも早く届出られた年度で集計

    N回初回プロトコール数

    治験計画届出回数

    プロトコール数