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自己凝集藻によるジェット燃料の製造法

2017年９月２６日(火) JST東京本部別館１Fホール（東京・市ヶ谷）

茨城大学 農学部食生命科学科教授 朝山 宗彦

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藻類が寄与するバイオ領域

グリーンバイオ農水・環境

ホワイトバイオ工業・エネルギー

レッドバイオ医療・健康

バイオ燃料

ジェット燃料・軽油・重油

バイオマス

環境 飼料

健康 栄養補助食品

栄養

医薬品

疾患予防

機能性食材

魚貝類・家畜用水・土壌の浄化

CO2

固定

糖質脂質

炭化水素

非可食 可食

食物資源天然着色剤

JST科学技術動向 (2009) をもとに作成

藻

独立行政法人科学技術振興機構

3

生物面積収量

(Tons of Oil/ ha/ Year)トウモロコシ Corn ０．２

大豆 Soybeans ０．５

ベニバナ Safflower ０．８

ヒマワリ Sunflower １．０

アブラナ Rapeseed １．２

ジャトロファ Jatropha １．９

アブラヤシ Oil Palm ６．１

藻類 Micro Algae ４８ 〜１４３

バイオオイル生産能の比較

T. F. Riesing (2006) 「Cultivating Algae for Liquid Fuel Production」 をもとに作成

独立行政法人科学技術振興機構

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種類 用途 炭素数炭化水素(アルカン)

相体(標準)

天然ガス(LNガス)

C1 メタン

気体石油ガス(LPガス)

C3 プロパン

C4 ブタン

ガソリン・ナフサ

C5 ペンタン

液体

C6 ヘキサン

C7 ヘプタン

C8 オクタン

C9 ノナン

C10 デカン

ジェット燃料 ・灯油

C11 ウンデカン

C12 ドデカン

C13 トリデカン

C14 テトラデカン

C15 ペンタデカン

軽油

C16 ヘキサデカン

C17 ヘプタデカン

C18 オクタデカン

固体

C19 ノナデカン

C20 エイコサン

重油・ロウソク

（固形燃料）

＞C21 ヘネイコサン

＞C35 ペンタトリアコンタン

バイオ燃料とアルカン

CH3 OHEthanol

(エタノール)

Wax ester(ワックスエステル)

O

OR'

TAG(中性脂肪）

FFA(遊離脂肪酸)

Alkane/Alkene(炭化水素)

CH2COOR1

CH COOR2

CH2COOR3

n-3

OHn-2

PHA/PHB(プラスチック)

バイオ燃料

有用炭素化合物

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細胞例 分類 燃料例 生産量(％ in 菌体乾燥重量)

シアノバクテリア(原核生物)

炭化水素（C15 & C17）

〜数％

緑藻（真核生物）

中性脂肪(C16 & C18)

〜７０％

珪藻（真核生物）

中性脂肪(C16 & C18)

〜４０％

天然藻の燃料生産例 独立行政法人科学技術振興機構

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従来技術の課題 新技術の特長

ジェット燃料高生産株の取得C15アルカン高生産天然株使用（シアノバクテリア SK1-2-1）

藻回収に遠心や凝集剤が必要自己凝集で回収コストを軽減（青色光照射で凝集促進）

特別な培地や誘導条件が必要 通常培養でジェット燃料生産可能

培養環境が限定される様々な培養装置に対応

（液体・固相支持体培養可）

従来技術と新技術の比較 独立行政法人科学技術振興機構

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単離された有用天然藻

溶ける藻

固まる藻

丸まる藻

張付く藻

普通の藻

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8

Limnothrix sp. SK1-2-1

糸状性シアノバクテリア

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9

糸状性藻

球状性藻

桿状性藻

Limnothrix sp. SK1-2-1 (LC272581)

Limnothrix planktonica KLL-C001 (KP726241)

Limnothrix sp. CENA111 (EF088336)

Limnothrix redekei 2LT25S01 (FM177493)

Limnothrix redekei 007a (AJ505941)

Planktothrix sp. FP1 (AF212922)

Pseudanabaena sp. PCC 6802 (AB039016)

Pseudanabaena sp. ABRG5-3 (AB527076)

Pseudanabaena sp. PCC 7408 (AB039020)

Limnothrix redekei NIVA-CYA 227/1T (AB045929)

Nostoc punctiforme PCC 73102 (NR_074317)

Nostoc sp. PCC 7120 (HM573458)

Anabaena variabilis ATCC 29413 (NC_007413)

Arthrospira platensis NIES-39 (DQ393279)

Trichodesmium erythraeum IMS101 (NC_008312)

Microcystis aeruginosa NIES-843 (NR_074314)

Synechocystis sp. PCC 6803 (NC_020286)

Cyanothece sp. PCC 8801 (AF296873)

Prochlorococcus marinus MED4 (NC_005072)

Synechococcus elongatus PCC 7942 (AF132930)

Thermosynechococcus elongatus BP-1 (NC_004113)

Gloeobacter violaceus PCC 7421 (NC_005125)

Escherichia coli K-12 (NC_000913)

98100

94

100

71

67

59

95

100

100

93

97

87

6662

67

74

18

52

0.02

SK1-2-1株の生物学的位置

16S rDNAによる分子進化系統樹

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凝集藻

溶菌藻

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２段階培養による自己凝集

撹拌培養 静置培養

数十分〜数時間

凝集剤添加や遠心せずとも自然に凝集

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自己凝集と多糖分泌

アルシアンブルー染色による多糖蓄積の観察

細胞外に多糖蓄積（青色部分）

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C15 アルカン生産

5 10 15 20 25 30 35

10.88

18.00

C15H32

内部標準物質

ペンタデカン

GC-MS分析

約１％油 in DCW

C20H42

通常培養条件下でペンタデカンを優先的に生産

従来の約１０倍の生産量

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白色光照射 青色光照射

青色光照射の凝集促進効果

青色光照射１日目の自己凝集の様子

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増殖相 と C15H32蓄積量

16th

8th

35th

対数増殖後期（〜定常期初期）で燃料生産性が最大

100 103 72

73 96 61

撹拌培養直後 (凝集前)

青色光照射１日目 (凝集後)

C15H32 蓄積量 (相対値 %)

Log 中期 Log 後期 定常期増殖相

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増殖相

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凝集藻による燃料製造

C15H32

SK cells

静置培養

自己凝集

青色光照射

燃料蓄積

撹拌培養

回収抽出

接種

通常培養後に自己凝集させて細胞を回収

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青色光照射は自己凝集を促進

２段階培養

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凝集藻SK1-2-1の可能性

グリーンバイオ農水・環境

ホワイトバイオ工業・エネルギー

レッドバイオ医療・健康

バイオ燃料

ジェット燃料・軽油・重油

バイオマス

環境 飼料

健康 栄養補助食品

栄養

医薬品

疾患予防

機能性食材

魚貝類・家畜用水・土壌の浄化

CO2

固定

糖質脂質

炭化水素

非可食 可食

食物資源天然着色剤

JST科学技術動向 (2009) をもとに作成

藻

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本技術の課題 企業との共同開発への期待

屋外大規模培養 屋外大規模培養

自己凝集による細胞回収 自己凝集効率UPの条件検討

C15アルカンの抽出 C15アルカンの抽出試験

燃料以外の使途開発 環境浄化・飲食品への利用開発

課題と企業への期待 独立行政法人科学技術振興機構

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 ：凝集藻による燃料の製造法

• 出願番号 ：特願2017-107854

• 出願人 ：茨城大学

• 発明者 ：朝山宗彦

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その他の関連情報

• 特許関連： 特許第5688665号及び第6080049号、特許第6152933号、国際公開 WO 2016/140374 A1

• 論文著書： Biosci. Biochem. Biochem. (2010) 74:1827-1835、Appl.

Microbiol. Biotech. (2012) 95:683-695、 Biosci. Biochem. Biochem.

(2013) 77:2339-2347、J. Biochem. (2015) 157:519-527、J. Biosci.

Bioeng. (2015) 120:510-517、化学と生物 (2017) 55:88-97

• 技術説明： JST技術説明会 (2012.6.12＠東京・市ヶ谷) 、JSTサイエンスアゴラ (2014.11.7@東京・日本科学未来館)、イノベーションJapan

(2016.8.25-26@東京・有明ビックサイト) など

• Project： JSTさきがけ（2011.3〜2014.3）、農林水産省「緑と水・第６次産業化」 （2012.4〜2014.3、2015.4〜2017.3）、茨城大学「推進研究」（2015.4〜2018.3）など

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お問い合わせ先

茨城大学

産学連携課 知財担当

ＴＥＬ： 0294-38-7281

ＦＡＸ： 0294-38-5240

E-mail： chizai-cd＠ml.ibaraki.ac.jp

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