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戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 自動運転・コースティングに対応した 先進アイドルストップ用バインド式12V蓄電池の開発 事業実施法人名:CONNEXX SYSTEMS (株) 委託先:古河電池(株) 研究開発期間:平成26年12月~平成29年6月

自動運転・コースティングに対応した 先進アイドル …戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 自動運転・コースティングに対応した

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Page 1: 自動運転・コースティングに対応した 先進アイドル …戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 自動運転・コースティングに対応した

戦略的省エネルギー技術革新プログラムフェーズ名:実用化開発

自動運転・コースティングに対応した先進アイドルストップ用バインド式12V蓄電池の開発

事業実施法人名:CONNEXX SYSTEMS (株)委託先:古河電池(株)

研究開発期間:平成26年12月~平成29年6月

Page 2: 自動運転・コースティングに対応した 先進アイドル …戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 自動運転・コースティングに対応した

位置付け、必要性、重要性

1-1.研究開発の背景

電池出力の増大要求

ハイブリッド電池(2種の電池を個別制御=複雑, 高価)

PbBを改善LiBに分担

PbB + Li

PbB

コースティング、自動運転バックアップ(バックアップブースト)

Li

12V BIND BatteryTM

(バインド技術により単一制御)

PbB 簡素 小型 安価

回生受入能力に限界

・アイドルストップ:12V小型電池で効率的にガソリン消費を削減(5~10%燃費改善)

コースティング(惰性走行中エンジンOFF)

自動運転(センサ多数搭載)のため電力消費は今後増大

・Li-ion電池やキャパシタを搭載する従来のハイブリッド電池ではシステムが複雑化

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1-1.研究開発の背景

国内外の市場動向・技術動向

・世界で販売されるアイドルストップ車両は年々増加

・2020年には約5台に2台2025年には約2台に1台がアイドルストップシステム搭載車になると予想

ISS(アイドルストップシステム)搭載車両

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2025

矢野経済研究所「新世代アイドルストップ市場の徹底分析2015」より引用

図. 世界の自動車販売台数とアイドルストップ車の販売予測

販売

台数

(千

台)

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1-2.研究開発の目的、目標

従来の課題

・BIND BatteryTM(バインド電池):鉛蓄電池とLi-ion電池とを電力変換や切替スイッチを介さず接続し、1つの電池として動作させる技術

・定置型用途では導入が進んでおり、車載12V電源に応用することで、従来のハイブリッド電池よりも制御を簡素にできる利点があるが、下記表に示すような課題を解決する必要があった

12V BIND BatteryTMにおける課題 NEDO事業における研究課題目標

十分な回生受入を達成できるか? (1) 入出力性能の向上

10年寿命を達成できるのか?鉛電池が先に劣化しないか?

(2) 長寿命化の達成

耐振性、安全性に問題はないか? (3) 車両規格に適合する筐体構造の開発

車載に必要な量産、品質保証体制を構築できるか?

(4) 量産モデル、量産プロセスの開発

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1-2.研究開発の目的、目標

目標・目的バインド技術を用いて、自動運転バックアップとコースティングを可能とする先進アイドルストップ向け蓄電池の開発を行う。

Li-ionバッテリ(HYPER BatteryTM)

鉛バッテリ

236 202

40

分離型構成

Li-ionバッテリ(HYPER BatteryTM)

鉛バッテリ

236 173

202

一体型構成

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2-1.研究開発体制

委託先

研究開発責任者

CONNEXX SYSTEMS株式会社

古河電池株式会社(平成27年度)

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2-2.研究開発内容

12V車載用途に好適なLi-ionバッテリHYPER BatteryTM

Po

we

rD

en

sity

[SO

C5

0%

, W/k

g]

放電

放電

充電

充電

・優れた充電受入能力を有するLi-ionバッテリ

・作動電圧範囲が広く、鉛蓄電池の通常使用範囲で過充電、過放電にならない

・BIND Battery技術により鉛蓄電池と結合、1つの電池として制御なく使用可

・保護回路内蔵(異常時のみ作動)

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2-2.研究開発内容

長寿命化の達成

電池工業規格のアイドリングストップ寿命試験において11万回以上のサイクル寿命を達成

HYPER Batteryの優れた回生受入能力により、鉛電池を高い充電率で使用し、劣化を抑制

Page 9: 自動運転・コースティングに対応した 先進アイドル …戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発 自動運転・コースティングに対応した

2-2.研究開発内容

他技術との比較

回生受入性能 長寿命 軽量 安全性

技術アイドルストップ

専用鉛電池鉛電池+LiB 12V BIND Battery

構成・レイアウト

回生受入性能 1.5kW 3kW 3kW

寿命(鉛電池) 3年 3年 >10年

制御 必要なし 複雑 必要なし

重量 17kg 20kg 14.5kg

PbB PbBPbB

LiB

PbB: 鉛電池LiB: Li-ion バッテリ

HYPERBattery

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3-1.研究開発成果

アイドルストップ用途に好適な、優れた入出力性能を有するLi-ion電池「HYPER BatteryTM」を開発した

HYPER Batteryを鉛蓄電池と組み合わせることで、

従来鉛蓄電池の2倍の回生受入性能と

従来鉛蓄電池の6倍以上のサイクル寿命を達成した

セル設計、パック機械設計、専用保護回路により、

高い安全性を確保した

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3-2.今後の展望

12V BIND BatteryTMは、先進アイドルストップシステムの導入に必要な車両側の設計・制御の変更を最小限にすることが可能であり、先進アイドルストップ電池のすそ野を広げることで、省エネルギー化に貢献する

今回開発した技術は、自動車分野だけでなく、以下の分野へも応用可能であり、さらなる省エネに向けた展開を検討する

【鉄道分野】ハイブリッド車両、回生電力貯蔵/架線電圧補償用等

【産業分野】フォークリフト、自動搬送装置(AGV)等

【再生可能エネルギー分野】ピークカット/過積載電力貯蔵用等

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3-3.省エネルギー効果

2023年時点: 1.66万kL/年

2030年時点: 15.6万kL/年

※ 省エネルギー効果量=指標A×指標B

指標A : 単位あたりの省エネルギー効果量:16.8L/(年・台)

指標B : 市場規模(導入量)2023年:990,000台2030年:9,270,000台