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遠隔計測(リモートセンシング)遠隔計測(リモートセンシング)研究室における研究研究室における研究
島根大学 島根大学
総合理工学部 総合理工学部
電子制御システム工学科 電子制御システム工学科
遠隔計測研究室遠隔計測研究室
古津年章・下舞豊志古津年章・下舞豊志
スタッフスタッフ
古津,下舞 古津,下舞
M2M2:3:3名名
M1M1:1:1名名
RSL_home
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
レーダリモートセンシングの系統図
リモートセンサ
電磁波と物体の相互作用
雑音
不要物体からの散乱
電磁波減衰フェージング
物体からの散乱
データ処理
物理量
科学研究実利用リモートセンシング
データ検証
2
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
卒業研究で学ぶこと卒業研究で学ぶこと
・電磁波技術:基礎から応用
・計算機プログラミングによる数値計算,データ処理
・自主的な研究推進力,課題解決力,技術討論・発表
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
どんな人に向いているかどんな人に向いているか
・電波通信,電波応用・計測に興味のある人
・計算機によるデータ処理,プログラミングを勉強したい人
・環境問題に,技術者として貢献を目指す人
3
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
進行中の主なプロジェクト
1.熱帯降雨観測衛星(TRMM),“次世代”TRMM研究: 宇宙航空研究開発機構,情報通信研究機構などと協力.
2.赤道域の対流活動観測: 京大,北大,インドネシア航空宇宙庁などと協力.
3.汽水域のリモートセンシング技術開発: 島根大学汽水域研究センター,広島大などと協力.
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 図2.TRMM衛星の外観.
衛星の下の白い箱がアンテナ.
TRMMによる降雨観測の概念
760 km
VIRSTMI
720 km 215 km
250 m
飛行速度: 7.3 km/sec
PR
PR: 降雨レーダ TMI: TRMMマイクロ波観測装置 VIRS: 可視赤外観測装置
4km6~50km
2km
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
スマトラ島コトタバンの位置
コトタバン
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
EARのアンテナ(直径110m)
560本の八木アンテナ
RASSスピーカー
インドネシア・スマトラ島コトタバンのリモートセンサ
5
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
汽水域の環境要素とリモートセンシング汽水域の環境要素とリモートセンシング
物理的特性
・水位
・水流
・水面波(水面粗さ)
・河川流入量
・水温
・塩分濃度
・水質
・風速,風向,降雨量・・・
水質特性
・溶存酸素量(DO)・クロロフィルa(Chl-a)・化学的酸素要求量(COD)・pH・濁度
・水中懸濁物質(SS)生態系,汽水域周辺環境
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
衛星センサ名
Landsat-7ETM
SPOTHRV
TerraASTER
観測周期 16日 26日 16日 16日
観測幅 185km 60km 60km 7.5km
解像度 30m 20m 15m 30m
EO-1Hyperion
宍道湖・中海観測に使える主な可視赤外センサ搭載衛星
Landsat5 True color SPOT-2 False color
6
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 宍道湖・中海観測に使える主な宍道湖・中海観測に使える主なSARSAR搭載衛星搭載衛星
衛星名 JERS-1 Radarsat ERS-1/ERS-2/Envisat運用年 ’92~’98 ’95~ ’91~センサ名 SAR SAR AMI//ASAR観測波長 23 cm 5.6 cm 5.6 cm偏波 水平 水平 垂直//垂直・水平空間分解能 18 m 8~30 m 30 m中心入射角 35度 20~49度 23度回帰日数 44日 24日 35日
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
卒業研究のテーマ1卒業研究のテーマ1
1.リモートセンサの設計,システム検討
(1) アダプティブ走査によるS/N改善
(2) PSARによる降水粒子落下速度の推定
(3) 雨滴粒径分布推定用小型FM-CWレーダにおける最適エコー受信方式の検討
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
(1)(1)衛星搭載降雨レーダにおける衛星搭載降雨レーダにおけるS/NS/N改善改善
衛星搭載降雨レーダでは,200km程度の走査幅を高速でアンテナ走査しながら,秒速7.3km/secですすむ衛星の動きに対応して順次降雨観測を行う.
760 km
VIRSTMI
720 km 215 km
250 m
飛行速度: 7.3 km/sec
PR
PR: 降雨レーダ TMI: TRMMマイクロ波観測装置 VIRS: 可視赤外観測装置
4km6~50km
2km
観測手法の工夫でS/N改善
1. 走査角適応型波形制御
2. 可変走査角方式
3. アダプティブ走査
4. 送信電力制御
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
アダプティブ走査の概念アダプティブ走査の概念図2.TRMM衛星の外観.衛星の下の白い箱がアン
テナ.
760 km
VIRSTMI
720 km 215 km
250 m
飛行速度: 7.3 km/sec
PR
PR: 降雨レーダ TMI: TRMMマイクロ波観測装置 VIRS: 可視赤外観測装置
4km6~50km
2km
まず,降雨のある場所をQuick走査で探し,次に降雨域だけを狙って観測を集中する.これにより,S/Nの改善を目指す.
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
PRPRがアマゾン上空から観測した降雨がアマゾン上空から観測した降雨
PRで観測した降雨の3次元分布を用いて,考案したアダプティブ走査の動作試験シミュレーションを行う.
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 通常の合成開口レーダ(SAR)
9
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
PSAR観測の概念合成開口長は,衛星速度,波長,ドップラスペクトル
に依存
実際のアンテナサイズ lh
実開口分解能は λR/lh
PSAR分解能は2σvR/U
TRMM-nextの諸元ではLpsarは概ね12~18m
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 (2)PSARの面白い性質:雨滴粒径分布のスペクトル解析機能
-焦点(ゼロドップラ)位置の粒子落下速度依存性-
( ) ( )DVHDXVV tss ==θ
tV
ビームシフト量X
ZのXスペクトル
x Tx
Rx
H
SV衛星進行方向 衛星の位置
θ )(xZx
雨域のにじみ(2σ)
θ
10
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
雨滴直径対終端落下速度特性とPSAR映像
Comparison of Vt formulae
0
2
4
6
8
10
12
0 1 2 3 4 5 6D (mm)
Vt (
m/s
ec)
地上 高度3km雨滴により終端落下速度が異なる.
雨滴によりドップラシフトトレンドが異なる.PSARでフォーカスする位置が異なる.
異なる雨滴は異なる位置に映像化される.
降雨分布は単なるアンテナパターン重み付けとは異なる広がりを持つ.
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
位置ずれ検出のための「基準」:表面反射波減衰
0
20
40
60
80
100
2 3 4 5 6 7 8 9 10
衛星進行方向距離 (km)
R (mm/h), Z/3000, A(dB)
Zpsar/3000 Rain rate Atten.
位置ずれを検出するには,雨域は狭い方が良い.どの程度の雨域で検出可能かを明らかにする必要がある.そのため実際の航空機搭載レーダデータを用いてシミュレーションを行う.
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13 航空機搭載レーダデータによるシミュレーション
1988.11.01(b) X-Band~Over ocean. Some heavy storms.~
ブライトバンド
海表面
対流性降雨
層状性降雨
10GHzのレーダ
降雨からの散乱 雨域
金属板からの散乱
金属板からの散乱
24GHzのレーダ
50GHzのレーダ
ピーク送信電力 10(dBm)
アンテナ直径 0.1(m)
ピーク送信電力 37(dBm)
アンテナ直径 0.3(m)
ピーク送信電力 10(dBm)
アンテナ直径 0.1(m)
金属板1.44 (m2 )
金属板0.5(m2 )
伝搬路300(m)
(3) 3周波FMCWレーダによる雨滴粒径分布測定テーマ:降雨減衰推定に最適な往復距離を自動的に決定したい.
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
卒業研究のテーマ2卒業研究のテーマ2
2.リモートセンシングアルゴリズムの開発・改良
(1) 大気レーダによる雨滴粒径分布推定
(2) 多周波FM-CWレーダによる雨滴粒径分布推定アルゴリズムの改良
(3) 航空機搭載SARによる風向の推定
(4) 衛星観測による宍道湖・中海濁度モニター
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
(1) 大気レーダによる雨滴粒径分布の推定
降雨からのエコーと大気からのエコーは異なるドップラーシフトを生じる.これを利用して,スペクトル上で分離を行う.
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13 Comparison of KT ORG vs. KTG Disd
0
10
20
30
40
3:05:00 3:15:00 3:25:00 3:35:00 3:45:00 3:55:00
Time (LT)
Rai
n ra
te (m
m/h
)
1015
20
25
30
3540
45
50
Dis
d dB
Z
KT ORG 2002-03-28 KTG Disd RR 1min KTG disd dBZ 1min2002年3月28日 3LT-4LT
EAR 2002-03-2803:21LST
40
60
80
100
120
140
160
180
-12 -8 -4 0 4 8 12
Doppler velocity (m/sec)
Rel
ativ
e sp
ectra
l pow
er (d
B)
1575 1875 2175 24752775 3075 3375 36753975 4275 4575
EAR 2002-03-2803:46LST
40
60
80
100
120
140
160
180
-12 -8 -4 0 4 8 12
Doppler velocity (m/sec)
Rel
ativ
e sp
ectra
l pow
er (d
B)
1575 1875 2175 24752775 3075 3375 36753975 4275 4575
EAR 2002-03-2803:15LST
40
60
80
100
120
140
160
180
-12 -8 -4 0 4 8 12Doppler velocity (m/sec)
Rel
ativ
e sp
ectra
l pow
er (d
B)
1575 1875 2175 24752775 3075 3375 36753975 4275 4575
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
赤道大気レーダのドップラスペクトル:最小二乗法fittingの例
EAR 03/28 03:21 2.35 km
15
20
25
30
35
40
45
50
55
-12 -8 -4 0 4 8 12Doppler velocity (m/s)
Z sp
ectru
m (d
BZ/
(m/s
))
Sp_meas3190_8_1Sp_fit3190_8_1
EAR 03/28 03:21 2.5 km
15
20
25
30
35
40
45
50
55
-12 -8 -4 0 4 8 12Doppler velocity (m/s)
Z sp
ectru
m (d
BZ/
(m/s
))
Sp_meas3340_8_1Sp_fit3340_8_1
EAR 03/28 03:37 2.8 km
15
20
25
30
35
40
45
50
55
-12 -8 -4 0 4 8 12
Doppler velocity (m/s)
Z sp
ectru
m (d
BZ/
(m/s
))
Sp_meas3640_8_1Sp_fit3640_8_1
EAR 03/28 03:37 3.1 km
15
20
25
30
35
40
45
50
55
-12 -8 -4 0 4 8 12
Doppler velocity (m/s)
Z sp
ectru
m (d
BZ/
(m/s
))
Sp_meas3940_8_1Sp_fit3940_8_1
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
EAR 2002 3/28 03:27 Non_uni wgt
-1
0
1
2
3
4
5
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4D (mm)
log1
0 N
(D)
log10Nd2740_8_1 log10Nd2890_8_1log10Nd3040_8_1 log10Nd3190_8_1log10Nd3340_8_1 log10Nd3490_8_1log10Nd3640_8_1 03:3203:35 03:3803:41 03:44log10Nd3790_8_1 log10Nd3940_8_1log10Nd4090_8_1 log10Nd4240_8_1log10Nd4390_8_1 log10Nd4540_8_1log10Nd4690_8_1
High alt.: 3.5 km AGL
Low alt.: 2-2.5 km AGL
雨滴粒径分布の推定結果:大きなドットは2DVDの測定値
10GHzのレーダ
降雨からの散乱 雨域
金属板からの散乱
金属板からの散乱
24GHzのレーダ
50GHzのレーダ
ピーク送信電力 10(dBm)
アンテナ直径 0.1(m)
ピーク送信電力 37(dBm)
アンテナ直径 0.3(m)
ピーク送信電力 10(dBm)
アンテナ直径 0.1(m)
金属板1.44 (m2 )
金属板0.5(m2 )
伝搬路300(m)
(2) 3周波FMCWレーダによる雨滴粒径分布測定 テーマ:粒径分布推定
アルゴリズムを改良したい.
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X-band HH (SSI7206E) X-band VV (SSI7206E)
X-band HH (SNA7205E) X-band VV (SNA7205E)フライト方向
フライト方向
(3) (3) 風向の推定? 風向の推定? 2003/8/23 2003/8/23 PiPi--SAR XSAR X--band band 中海の中海のNRCSNRCS画像画像
9.5 m/s
風によるストリーク構造の画像処理で,風向を推定したい.
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 (4) (4) MODISMODISによる西日本観測結果(による西日本観測結果(true colortrue color)) これによる濁度推これによる濁度推
定をトライしたい.分解能定をトライしたい.分解能250250mm,,ほぼ毎日飛来.ほぼ毎日飛来.
2005年12月1日~10日コンポジット
http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/img/japan_composite.jpg
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
卒業研究のテーマ3卒業研究のテーマ3
2.リモートセンシングデータの解析
(1) ALOSデータの解析(衛星「だいち」)
(2) 航空機搭載降雨レーダのデータ解析(降雨構造の解析と特徴抽出)
(3) ビデオディスドロメータのデータ解析
(4) 複数のリモートセンシングデータの組合わせによる熱帯大気現象の解析
(5) FM-CWレーダによる降雨観測(実験)
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
(1) ALOS(だいち)のデータ解析
PALSAR :Lバンド合成開口レーダAVNIR-2: 高分解能可視・近赤外イメ
ージャ
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
2003/8/23 2003/8/23 ASTERASTERによる中海表面による中海表面ChlChl--aa分布分布
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
2003/8/23 2003/8/23 ASTERASTERによる中海の濁度分布による中海の濁度分布
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
大風速下でもシグナチャが現れる場合がある大風速下でもシグナチャが現れる場合がある
7.6
7.8
8.2
7.7 ERS1 1996年4月24日油膜?
強風下で, 風送流が底層水と表層水の混合を引き起こす.貧酸素化した底層水が表面に現れ,それが風下に流されて,スリック状の水面を作る? PALSARとAVNIR-2に期待?
Remote Sensing Laboratory2006.2.13 “NASA/T-39 aircraft”観測装置概要
T-39 experiment : Oct. 1988~ June. 1989
Official name : T-39 Subliner (NASA 431)Nominal speed : 385 knots (198m/s)Observation equipment : Radar (X/Ka-Band)
Radiometer (X/Ka-Band)
旧郵政省通信総合研究所(日本)とNASA(米)の共同観測実験
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13(2) 航空機搭載レーダデータの
解析
XとKaの2周波で,レーダ反射因子の垂直構造を解析し,降雨モデルに反映させるのが目的.
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
1988.11.01(b) Ka-Band~Over ocean. Some heavy storms.~
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Remote Sensing Laboratory2006.2.13
(5)FM-CWレーダーによる降雨観測
現在,このような小型FM-CWレーダと光学式雨量計による降雨観測システムを整備検討中.
機器を設置,運用し,初期的観測結果をまとめたい. 小型FM-CWレーダ(マイクロレインレーダ)
光学式雨量計
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
スマトラ コトタバンにおけるMRR観測例
11-11-2003
0
10
20
30
40
50
60
17:38 17:52 18:06 18:21Local t ime
dBZ
ORG
MRR
11-12-2003
-25
-15
-5
5
15
25
35
45
18:00 18:14 18:28 18:43 18:57Local time
dBZ
MRR
ORG
16:32 16:36 16:40 16:44 16:480
200
400
600
Local Time
MRR(14-11-2003)52.5-55
50-52.5
47.5-50
45-47.5
42.5-45
40-42.5
37.5-40
35-37.5
32.5-35
30-32.5
27.5-30
25-27.5
22.5-25
20-22.5
ORG (14-11-2003)
15
20
25
30
35
40
45
50
55
16:32 16:34 16:37 16:40 16:43 16:46 16:49Local Time
dBZ
21
Remote Sensing Laboratory2006.2.13
卒業研究の流れ卒業研究の流れ
4月 オリエンテーション+α
5-6月 卒研テーマ決定 (就職活動)
7月 第1回中間報告(勉強結果の発表)+α
11-12月 第2回中間報告,忘年会
2月 卒論提出,卒研発表会
# 毎週セミナー,個別指導
# 研究テーマに応じて,観測実験がある.
# 歓迎会,ご苦労さん会,・・・