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介護老人保健施設セージュ山の手
褥瘡委員 看護師
武川 静江
平成24年9月18日
踵部踵部褥瘡褥瘡にに湿潤療法(ラップ)を湿潤療法(ラップ)を取り入れての効果取り入れての効果
はじめにはじめに
「傷は消毒しない。乾燥させない」の新「傷は消毒しない。乾燥させない」の新
しい創の治療法に基づき、今回、 しい創の治療法に基づき、今回、 踵部褥瘡を発生した入所者様にを発生した入所者様に湿潤療法でで
あるある穴あきビニールでのでのラップ療法をを
実施したところ、治癒効果が認められた実施したところ、治癒効果が認められたので、症例で報告する。ので、症例で報告する。
褥瘡発生した症例紹介褥瘡発生した症例紹介
・平成24年7月10日
右踵部約5㎝×5㎝の
水庖発見
K様 男性、72歳 病名:老年認知症 DM
日常生活自立度A2 介護度4
・2日後
右踵部約7㎝×8㎝の
水庖発見・
ネットから処置法を学んでの方法ネットから処置法を学んでの方法
水疱より大きめにオプサイトを貼り、注射針で 水疱より大きめにオプサイトを貼り、注射針で水を抜く。 その上にオプサイトを重ね貼りする。水を抜く。 その上にオプサイトを重ね貼りする。翌日水が溜まっていたら、翌日水が溜まっていたら、オプサイトを貼ったまま針を刺して水を抜く。
水疱を破らずに治療する裏技!!
オプサイトを重ね貼り、これを繰り返して約 オプサイトを重ね貼り、これを繰り返して約11週週間経つと、間経つと、88枚重ねになる。オプサイトが剥がれ枚重ねになる。オプサイトが剥がれ
オプサイトの下にオプサイトの下に新しい表皮新しい表皮が完成している。が完成している。
オプサイトを貼って穿刺オプサイトを貼って穿刺し水庖を吸引した後オプし水庖を吸引した後オプサイト貼付。サイト貼付。
穿刺後
25cc
16日自然排液に腐敗臭と創周囲に浮腫と発赤を確認。
2日後2日後8cc8cc、、33日後日後33cccc穿刺穿刺
4日後4日後
オプサイト処置方法中止オプサイト処置方法中止
白く浸軟した表皮をカット白く浸軟した表皮をカット
表皮カット後表皮カット後77月月1616日:日:カット前カット前
湿潤療法(ラップ)開始湿潤療法(ラップ)開始
①毎日1回、ビオレ(弱酸性)の泡石鹸で汚れを落①毎日1回、ビオレ(弱酸性)の泡石鹸で汚れを落ととし微温湯 で洗浄するし微温湯 で洗浄する。。
処置方法処置方法
②穴あきビニールを創の大きさにカットし、そこに薄②穴あきビニールを創の大きさにカットし、そこに薄く軟膏塗布く軟膏塗布(ゲンタシン)し創に当てる。(ゲンタシン)し創に当てる。
③カットおむつを当てビニールテープで固定する。③カットおむつを当てビニールテープで固定する。
④ストッキネットで固定④ストッキネットで固定(ずれずにしっかり固定でき(ずれずにしっかり固定できる)る)
ラップ療法開始の経過
77月月2020日カット後日カット後44日目日目77月月1616日表皮カット後日表皮カット後
中央部はゲンタシン軟膏、赤い中央部はゲンタシン軟膏、赤い部分はワゼリン軟膏塗布部分はワゼリン軟膏塗布
フロモックスフロモックス33錠 錠 33× 一週間× 一週間
みるみると新しい皮膚が盛みるみると新しい皮膚が盛り上がって治ってきているり上がって治ってきている
77月月2323日カット後日カット後77日目日目
77月月3030日カット後日カット後1414日目日目
フロモツクス中止。ゲンタシフロモツクス中止。ゲンタシン軟膏中止しワゼリンのみ。ン軟膏中止しワゼリンのみ。
きれいな浸出液になっているきれいな浸出液になっている
新しい皮膚に覆われている。一部湿潤部位認めるが、尿取りパットのみで保護している。
8月8日カット後8月8日カット後2323日目日目
88月月1717日カット後日カット後11ヶ月後ヶ月後
一部浸潤のみ一部浸潤のみ
結果結果
ネットからの情報である「オプサイト貼布し水泡内浸出液を吸引」する処置を断念したのは残念であったが、褥瘡が悪化する前に、ラップに切り替えての「湿潤療法」の効果が確認できた。
またオプサイト貼付し浸出液を穿刺することで踵部の表皮が浸軟し、カット(デブリードマン)しやすい皮膚状態になったのも効果的だった。
湿潤方法のメリットとデメリット湿潤方法のメリットとデメリット
1日1回の簡易的な処置で職員の負担が少ない。
ローコストである。
痂皮形成(かさぶた)がないため痛みを伴わない。
メリットメリット
デメリットデメリット仙骨など排尿・便など常に汚染される場合は、その都度の処置が必要となる。
最後に最後に
1.歩行レベル(日常生活自立度A2)で褥瘡リスク
の認識がなかった。
*今回の褥瘡で高血糖状態が発見できた。インシュリン治療で血糖値も改善され、更に創の治癒効果が高まった。
褥瘡の原因として褥瘡の原因として
3.糖尿病の既往があったが、入所時正常値だった
ため、その後(4ヵ月)血糖確認していなかった。
2・夜間は睡眠薬で同一体勢で休まれていた。