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阿蘇市まち・ひと・しごと創生 平成27年10月 人口ビジョン

阿蘇市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン - Aso-City …...阿蘇市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン ~はじめに~ 阿蘇市の人口減少の克服と将来のまちの発展・繁栄のため、この度、

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阿蘇市まち・ひと・しごと創生

平成27年10月

阿 蘇 市

人口ビジョン

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目 次

~はじめに~

Ⅰ.統計データから見る阿蘇市の現状

1.現状分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

①人口の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

②出生・死亡数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・4

③世帯構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

④転入・転出者の推移と傾向 ・・・・・・・・・・・・・6

⑤産業構造と就労人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・9

⑥阿蘇市在住者の就業地 ・・・・・・・・・・・・・・10

⑦阿蘇市で就業している他市町村在住者 ・・・・・・・10

2.人口の現状分析のまとめ

①他自治体との行政サービスの比較 ・・・・・・・・・12

②定住環境に求められるもの ・・・・・・・・・・・・14

③職業選択における問題点 ・・・・・・・・・・・・・17

Ⅱ.若年層流出の主な要因 ・・・・・・・・・・・・・・・21

Ⅲ.阿蘇市の人口の将来推計と分析

1.将来人口のシミュレーション ・・・・・・・・・・23

2.目指すべき将来の方向 ・・・・・・・・・・・・・27

3.人口の将来展望 ・・・・・・・・・・・・・・・・27

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阿蘇市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン

~はじめに~

阿蘇市の人口減少の克服と将来のまちの発展・繁栄のため、この度、

国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(以下「長期ビジョン」と

いう。」及び「まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「総合戦略」と

いう。)」に基づき、「阿蘇市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン(以

下「阿蘇市人口ビジョン」という。)」を策定した。

「阿蘇市人口ビジョン」は、本市の人口の現状と将来の姿を示し、人

口問題に関する市民の認識の共有を目指すとともに、今後、取り組むべ

き将来の方向を提示することを目的としている。これにより、人口減少

をめぐる問題や本市の創生=将来の発展・繁栄の在り方について、市民

の論議がより一層深まることを心から期待するものである。

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1

Ⅰ.統計データから見る阿蘇市の現状

1.現状分析

日本が「人口減少時代」に突入している中で、本市も人口減少が顕著に進ん

でいる。国の長期ビジョンが指摘するように、人口減少がこのまま続けば、将

来的には経済規模や生活サービスの更なる縮小・低下を招きかねない。このた

め、国全体の人口の現状と将来の姿と併せ、本市における人口の現状と将来の

姿についても、まずは、市民の皆さんと認識を共有し、国・熊本県・近隣市町

村と力をあわせて取り組んでいくことが何よりも重要である。そこで、まず本

市の人口の現状と将来の姿を明らかにすることとする。

①人口の推移

日本の総人口が2008年以降、減少局面に入り、国立社会保障・人口問題研究所

(以下「社人研」という。)によると、2040年代頃には毎年100万人程度の減少

スピードにまで加速するとされるが、一方で、本市の人口は、戦後、既に1955

年(昭和30年)の約4万1千人をピークに減少し続けている。また、1991年(平成

3年)を境に、年少人口(0~14歳)を老年人口(65歳以上)が上回り、生産年齢

人口(15~64歳)は、1955年の約2万4千2百人をピークに減少し続けている。

2010~2040年の間に、東京都区部は▲6%、中核市の多くは▲15%の減少にとど

まるのに対して、本市の人口は▲30%と実に2倍のスピードで人口が減少する

『人口急減』が待ち受けている。

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(注)1955年をピークに年々減少している。

(注)1990年からは 14歳以下と 65歳以上の人口が逆転し、同時に死亡者数が出生者数を

上回る「自然減」の状態となっている。

30,029

30,451

40,001 35,878

34,004

33,018

30,457

28,444

25,714

22,792

19,948

17,114

14,643

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060

阿蘇市の人口推移と将来推計

総人口 一の宮町 阿蘇町 波野村

(人)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060

阿蘇市の年齢3区分人口の推移

総人口 年少人口(0~14歳)

生産年齢人口(15~64歳) 老年人口(65歳以上)

(人)

資料:2010年までは国勢調査、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所による推計値

資料:2010年までは国勢調査、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所による推計値

人口のピーク:41,617人(1955年)

老年人口と年少人口が逆転

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35.1% 21.4%

14.5% 10.5% 9.8% 8.9%

57.9%

65.4%

58.8%

50.7% 48.8% 48.0%

7.0% 13.2% 26.7%

38.8% 41.4% 43.1%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1960 1980 2000 2020 2040 2060

阿蘇市の年齢3区分人口割合の推移

年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳) 老年人口(65歳以上)

1,500 1,000 500 0 500 1,000 1,500

0~4歳

5~9歳

10~14歳

15~19歳

20~24歳

25~29歳

30~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

75~79歳

80~84歳

85~89歳

90歳以上

阿蘇市の人口ピラミッド(2010年時点対1980年比)

2010年(女) 2010年(男) 1980年(女) 1980年(男)

男 女

資料:国勢調査

資料:2000年までは国勢調査、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所による推計値

生産年齢人口 1.1 人で老年人

口1人を支えることになる。

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②出生・死亡数の推移

1,500 1,000 500 0 500 1,000 1,500

0~4歳

5~9歳

10~14歳

15~19歳

20~24歳

25~29歳

30~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

60~64歳

65~69歳

70~74歳

75~79歳

80~84歳

85~89歳

90歳以上

阿蘇市の人口ピラミッド(2060年推計対2010年比)

2060年(女) 2060年(男) 2010年(女) 2010年(男)

男 女

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

2

0

100

200

300

400

500

600

阿蘇市の出生・死亡数の推移

出生数

死亡数

合計特殊出生率

(人)

合計特殊出生率

出生数

死亡数

資料:熊本県推計人口調査

資料:2010年は国勢調査、2060年は国立社会保障・人口問題研究所による推計値

(出生率)

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5

③世帯構成

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

平成12年 平成17年 平成22年

世帯の家族類型別一般世帯の推移

核家族 単独世帯 その他

世帯

3世代

同居世帯

9,903 10,070

15.7% 18.4% 21.4%

50.0% 50.2% 49.4%

26.8% 24.1% 21.8%

28.8% 25.7% 23.1%

9,690

(世帯)

0

50

100

150

200

9,200

9,400

9,600

9,800

10,000

10,200

平成 7年 平成12年 平成17年 平成22年

阿蘇市の母子・父子世帯数の推移

世帯総数 母子・父子世帯数 母子世帯数 父子世帯数

(世帯) (世帯)

資料:国勢調査

資料:国勢調査

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6

④転入・転出者の推移と傾向

(注)1975年以降、転出超過が続いている。

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

50.0%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

昭和60年 平成 2年 平成 7年 平成12年 平成17年 平成22年

阿蘇市の未婚者数の推移(20歳~49歳)

総数 男 女 未婚割合:男女計 未婚割合:男 未婚割合:女

(人)

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

阿蘇市の転入・転出数の推移

転入数

転出数

(人)

資料:熊本県推計人口調査

資料:国勢調査

1975年以降転出超過が続いている。

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(注)

・転入者は、県内では熊本市、九州では福岡・大分、九州外では関東・関西圏からが多い。

・転出者は、県内では熊本市・大津町・菊陽町、九州では福岡への転出が超過している。

熊本市

259人

熊本市

226人

大津町

135人

大津町

31人

菊陽町

58人

菊陽町

25人

その他県内

197人

その他県内

229人

福岡県

107人

福岡県

72人

大分県

33人

大分県

44人

その他九州

68人

その他九州

58人

九州外(関東)

44人

九州外(関東)

57人

九州外(関西)

34人

九州外(関西)

44人

九州外(その他)

51人

九州外(その他)

63人

その他

17人

0人 200人 400人 600人 800人 1,000人 1,200人

転出

転入

【2013年】阿蘇市の転入・転出数及び転入先・転出先

転入者数 866人 転出者数 986人 差引 ▲120人

熊本市

33人

大津町

104人

菊陽町

33人

その他県内

32人

福岡県

35人

大分県

11人

その他九州

10人

九州外(関東)

13人

九州外(関西)

10人

九州外(その他)

12人

その他

17人

0人 50人 100人 150人 200人 250人

転出

超過

転入

超過

【2013年】阿蘇市の転入・転出超過状況

資料:住民基本台帳人口移動報告年報

資料:住民基本台帳人口移動報告年

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阿蘇市の転入・転出数の状況図

⑤産業構造と就労人口

※下記地図及び転入または転出者数が10人/年以上のみを記載しています。

17人関東 関西 福岡県 大分県 宮崎県 佐賀県 外国他13人 10人 ▲35人 11人 ▲19人 4人

県外・他

転入者数①転出者数②

866人986人

水俣市▲7人玉名市▲7人人吉市▲5人

転入についてすべて

11~30人以下31人以上

県内

転出について10人以下

差引①-② ▲120人

青文字=転入超過

赤文字=転出超過

熊本市

菊池市

大津町

菊陽町

合志市

南小国町

小国町

産山村

高森町西原村

益城町

山鹿市

阿蘇市

南阿蘇村

±0

4人

5人

18人

5人

▲1人

▲33人

▲104人2人

13人

▲4人

4人

▲33人

※県内では熊本市・大津町・菊陽町、九州では福岡への転出超過が顕著である。

5,250 4,436

3,413 2,910 2,738 2,397 3,358 3,604

3,732 3,604 3,067 3,065

8,121 8,619 8,728 8,798 8,749 8,363

16,732 16,666 15,888 15,313

14,564 13,921

0

5,000

10,000

15,000

20,000

1985 1990 1995 2000 2005 2010

阿蘇市の産業別就業人口(15歳以上)

第1次産業 第2次産業 第3次産業 就業者総数

(人)

資料:国勢調査

資料:住民基本台帳人口移動報告年報

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0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

阿蘇市の男女別産業人口

男 女 特化係数(男) 特化係数(女)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

農業,林業

建設業

製造業

運輸業,郵便業

卸売業,小売業

金融業,保険業

宿泊業,飲食サービス業

医療,福祉

農業,林業

建設業

製造業

運輸業,郵便業

卸売業,小売業

金融業,保険業

宿泊業,飲食サービス業

医療,福祉

年齢階級別産業人口割合(主なもの)

15~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上

※特化係数:熊本県の就業者比率/阿蘇市の就業者比率 資料:国勢調査

資料:国勢調査

農業・林業の高齢化が顕著。(50%を超える。)

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(注)

・農林業の従事者は 21.72%と全産業中最も多いが、50歳未満の割合は 23%と最も低い。

・製造業の従事者は全体の 19.2%と 2番目に多く、50歳未満の就業割合は男女とも 69%と

最も高い。

・医療福祉の従事者は全体の 17%と多いが、74%が女性である。

・小売業とサービス業を合わせると全体の 28%と多く、男女ともに 50歳未満の就業割合

は 50%前後と高い。

・建設業の従事者は全体の 8.6%と低く、50歳未満の就業割合も 36%と低い。

⑥阿蘇市在住者の就業地

⑦阿蘇市で就業している他市町村在住者

0

300

600

900

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成12年 平成17年 平成22年

地域別就業先の推移(総数)

阿蘇市 熊本市 大津町 菊陽町 阿蘇郡内

(人) (人)

0

200

400

600

800

1,000

1,200

平成12年 平成17年 平成22年

地域別就業先の推移(総数)

阿蘇郡内 大津町 菊陽町 熊本市

(人)

資料:国勢調査

資料:国勢調査

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阿蘇市における県内市町村別流入・流出(15歳以上)人口

単位:人

市町村名 流 入 流 出

総 数 就 業 者 通 学 者 総 数 就 業 者 通 学 者

総 数 2,725 2,581 144 2,409 1,978 431

熊本市 626 607 19 780 472 308

八代市 6 6 - 8 4 4

荒尾市 1 1 - 1 1 -

玉名市 7 7 - 13 8 5

山鹿市 20 20 - 12 10 2

菊池市 59 56 3 92 91 1

宇土市 6 5 1 1 1 -

宇城市 4 4 - 5 2 3

合志市 91 88 3 95 87 8

美里町 3 3 - 1 1 -

玉東町 2 2 - - - -

南関町 2 2 - 1 1 -

長洲町 2 2 - - - -

和水町 - - - 1 1 -

大津町 529 503 26 512 434 78

菊陽町 198 184 14 117 110 7

南小国町 101 97 4 70 69 1

小国町 143 136 7 68 65 3

産山村 142 117 25 84 82 2

高森町 184 174 10 77 77 -

西原村 51 48 3 45 45 -

南阿蘇村 453 426 27 367 359 8

御船町 8 8 - 4 3 1

嘉島町 5 5 - 4 4 -

益城町 41 41 - 43 43 -

甲佐町 3 2 1 1 1 -

山都町 35 34 1 3 3 -

氷川町 - - - 1 1 -

芦北町 1 1 - 1 1 -

多良木町 1 1 - 1 1 -

湯前町 1 1 - - - -

あさぎり町 - - - 1 1 -

資料:国勢調査(市町村名は平成 22年 10月 1日現在)

熊本市及び大津町との流入・流出が多い。

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12

2.人口の現状分析のまとめ

①他自治体との行政サービスの比較

住民に直結した行政サービス(税・上下水道料・国保・介護・福祉サービス

など)は、法令等に基づくものであり、他自治体と比較しても標準的なものと

捉えている。

特に、子育て支援に関する本市の特徴として、保育料の一人当たり負担額は

国の基準と比較しても△約40%と低く、医療面でも小学校就学前までは無料、

小中学校においても自己負担分を少なく抑える取り組み(通院 月/1,000 円負担、

入院 月/2,000 円負担)を行っており、子育て環境におけるサービスは他自治体

に劣るものではない。

平成 26 年度に策定した「阿蘇市子ども・子育て支援事業計画」では、子育て

家庭の実態と子育て支援ニーズ等の把握を行うため、市内在住の小学生以下の

全児童(2,766 人)の家庭を対象としたアンケート調査を実施した。

本アンケートでは、子育ての家庭環境、保護者の就労状況、保育サービスの

利用状況等全 11 項目を調査しており、近年の核家族化と共働き世帯の増加を象

徴する意見として「病児病後児保育の充実」「一時預かり、土日祝日等の保育施

設」を求める声が多かったものの、サービス満足度において全体の 61%が普通

若しくはそれ以上の評価となっている。また、小学生の世帯よりも就学前児童

のいる世帯の方が高い満足度を示している。

民間機関においても、地域の居住性や自治体サービス等に係る住民満足度を

図る全国的な調査が行われており、以下は本市が高い評価を受けている調査結

果である。

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13

【民間調査の状況】

○都市データパック「住みよさランキング」2015 年度版

調査対象:全国813市区

調査項目:「安心度」「利便性」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」

結 果:総合評価全国 679 位(813 中)であるが、「安心度」は全国

7位と評価が高い。

全国813市区を対象に実施した「住みよさランキング」において、

○都市データパック「成長力・民力度ランキング」2015 年度版

調査対象:全国813市区

調査項目

①「成長力」・・・人口や世帯数、事業所数(民営)、工業生産、商業販売、新

築住宅着工面積、乗用車保有台数など

②「民力度」・・・事業所数(人口当たり)、製造品出荷額、卸売・小売業年

間販売額、新築住宅着工戸数など

結 果:総合評価全国99位(813 中)と評価が高い。

○地域ブランド調査 2014

調査対象:全国1047自治体(1000 市町村、47 都道府県)

調査項目:地域の魅力度、認知度、情報発信力など 100 項目

結 果:全国67位(1000 市町村中)

【安心度の指標】

①出生数(15~49 歳女性人口当たり)

②保育所定員数-待機児童数(0~4 歳人口当たり)

③病院・一般診療所の病床数(人口当たり)

④介護老人福祉施設・介護老人保健施設定員数(65 歳以上人口当たり)

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これらの調査結果から、市民の多様なニーズに対し、十分にサービスが行き

届いているとは言い切れないものの、今後も評価の高い部分を維持しながら、

ニーズを反映した施策の展開によって、安心して暮らせる環境を整え市民の満

足度向上を図っていくことが重要となる。併せて、これら評価が高いサービス

については市内外ともに認知度が低い部分もあることから、積極的な情報発信

も必要である。

②定住環境に求められるもの

本市は、市街地(内牧、宮地)を中心に人口が集中しているが、近年、国道

57 号や 212 号沿線への商業施設の立地や、赤水・阿蘇駅近郊・古神地区の一部

地域に新たな住宅街が形成されるなど、定住や生活の利便性は高くなっている。

■土地面積(総面積:37,625ha) (単位:ha)

農用地 森林 原野

宅 地

その

他 田 畑

国有

民有

住宅

工業用

その他

住宅

2008

2009

2010

2011

2012

2013

4,770

4,750

4,740

4,720

4,480

4,640

4,760

4,750

4,740

4,740

4,730

4,720

1,419

1,410

1,405

1,418

1,418

1,418

19,771

19,771

19,721

19,713

19,714

19,706

2,921

2,921

2,921

2,921

2,921

2,921

677

694

699

705

719

719

32

33

34

25

25

29

322

344

358

374

401

402

2,953

2,952

3,007

3,009

3,217

3,070

資料:土地利用現況把握調査(平成 25 年 10 月 1 日現在)

上記の表は、阿蘇市の土地利用に関する推移である。

特徴としては、2008 年からの 5 ヶ年で、農用地面積の減少に伴い宅地面積が

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増加しているが、この中で注目すべきは、住宅地面積が 106%の増加となってい

る点である。これは、個人住宅及び民間の賃貸住宅件数の増加を裏付けるもの

であり、本市の世帯数増加の要因とも考えられる。しかしながら、全体として

は依然として人口流出は続いている状況は、宅地面積の増加が必ずしも移住者

の住宅建設によるものではなく、核家族化に起因したものである事が推測され

る。

本市からの主な転出先として大半の比率を占める熊本市・菊陽町・大津町は、

幹線道路沿線にJRなどの公共交通の利便性を高めたまちづくりによって、大

型商業施設をはじめ医療や生活関連の多様な業種が立地し、それを取り巻くよ

うに新たな居住エリアが形成されている。このため、都市部に隣接し、就業・

就学・生活の利便性が高い地域への居住に対する需要は今後も続くと予想され

る。

(資料:国勢調査)

上記グラフは、転出者の年齢階級別グラフである。

先に、主要転出先(熊本市・菊陽町・大津町)は就業・就学の利便性が高いと

述べているが、本グラフにはその傾向が表れており、転出の理由として以下の

要因が推測される。

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傾向1:生産年齢世代の転出者のうち、20~34歳の比率が高い。

●阿蘇よりも条件の良い、就業環境及び生活利便性を求めて転出

傾向2:子供世代の転出者のうち、4歳以下と15~19歳の比率が高い。

●教育環境及び子育て環境に有利な条件を求めて転出

一方、この様な若年層の転出超過に対して、本市では昼間人口割合が増加し

ている。

(資料:国勢調査)

昼間人口割合増加の主な要因は、近隣市町村に居住している方が、阿蘇市内

事業所へ通勤しているためと考えられるが、この様な昼間人口割合増加の傾向

として、阿蘇通勤への距離や移動時間が日常の許容範囲であることが推測され

る。

市庁舎を起点と考えた場合、熊本市内中心部へは、マイカーで約 1 時間半、

JR利用においても同様の時間帯での移動が可能である。また、熊本-阿蘇を

結ぶ主要幹線の国道57号においては4車線化が整備進行中であり、今後更な

る時間短縮が期待できる。一方、JRやバスなどの公共交通については、市内

の交通利便性を考えた場合、都市部のように十分な整備がされているとは言え

ず、特にバス路線については、利用者減少による不採算路線増加の影響で、阿

年 次 総人口(人) 昼間人口(人) 人口比(%)

2005

2010

29,636

28,444

29,809

28,766

100.58

101.13

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蘇市合併時31路線が現在7路線(2015.4 月現在)へと廃止又は統合を行ってい

る。このため、移動手段のない高齢者等の利便性を確保するため、公共交通空

白地域への乗合タクシーやコミニュティバスの導入を図っているところである。

この様に、市内でのアクセス面は、今後も交通事業者や地域の声を反映し、

より利便性を高める施策の検討が必要であるが、単に、本市からの移動という

視点でいえば、大都市圏等と比較しても通勤通学に対して特別不利な条件であ

るとは言い難い面もある。

以上のことから、居住に対しては「生活の利便性」という視点が重要であり、

移住定住施策の展開には、都市部へのアクセスが良く、移動利便性の高い定住

エリアへの誘導がポイントになると考えられる。

③職業選択における問題点

「地元には働く場がない」という声は、会議や地域の会合等、色々な場で聞

かれ、若者が阿蘇に留まらない大きな要因として通説化している。

近年、ハローワーク阿蘇においては、2011 年度以降全国平均を上回る有効求人

倍率となっており、2013 年からは 1 倍を超えるなど県内でも高い求人状況とな

っているが、阿蘇地域が高い求人数を示している特徴として、「宿泊や飲食等の

サービス業、医療関係、福祉関係」に求人が集中していることがあげられる。

中でも宿泊業や飲食サービス業の求人比率が最も高くなっている状況は、阿

蘇は年間 1700 万人が訪れる有数の観光地である表れであり、阿蘇ならではの特

殊事情といえる。

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以下は、厚生労働省がまとめている、近年の若者が職に求める条件の特徴的

なものである。

上記傾向からすれば、若年層の就職への希望として、公務員をはじめとする

事務系職種と製造業関係が好まれる業種といえる。現に、新規高卒者(全国)

の職業別就職率では、約半数が製造業への就職となっていることからも、若者

が就職に求める諸条件は上記内容と合致する。

次頁の表は、阿蘇地域における高校卒業者への「求人と求職者」の関係を示

している。事業者から求められている職種は、「宿泊・飲食サービス業、医療・

福祉関係」であり、逆に働き手が求めている職種は、求人倍率の低い「一般事

務の職業、商品販売の職業」となっている。若年層に人気の高い「製造業」は、

新規学卒者の求人はあるものの、中途採用人数は極めて少ない状況である。製

造業に関しては、自動車関連企業が多く立地する菊池地域での有効求人倍率が

景気回復を背景に上昇(2015.1 月時点 1.73 倍)している現状からも、製造関連

企業が多く立地する菊池市、大津町、菊陽町に対して就職人口が流出している

ことが伺える。

◆若年層が求める職種の傾向

1.就労条件が良い(賃金、労働時間、休日面での好待遇)

2.業界の発展性、安定性、将来性(自身のキャリアアップによる将来への展

望が抱ける。)

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以上の要因から、阿蘇には「働く場がない」のではなく、若年層が求める「製

造」や「事務系職業」の求人が少ないのであって、慢性的に労働力が不足し人

材を求めている職種は存在するが、選ばれる職業に成り得ていないというのが

現状である。

労働者不足の傾向は、建設業などにも見られるが、労働力を必要としている

職種の就労環境改善を促し、「賃金・労働時間・休暇取得」の環境を整えること

で、将来性があり魅力ある職業であることが認知されれば、若年層の流出を防

ぐだけでなく、都市部からの移住者の働く場の確保にもつながるものと考えら

れる。

また、本市の基幹産業である「農業」においては、従事者の内、50 歳未満の

占める割合が23%と全産業中最も低く(他産業の働く世代の割合は約50%)、

加えて高い高齢化率(約 50%)の影響で、今後20年において労働力は半減し、

農地維持や生産力に重大な影響を及ぼすものと予想される。

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

0

20

40

60

80

高校卒業者の求人・就職状況

求人数 就職者数 求人倍率

資料:ハローワーク

宿泊・飲食サービス業の求人が突出して高い。

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20

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

1960年 1965年 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年

阿蘇市の総農家数の推移

一の宮町 阿蘇町 波野村 阿蘇市

(戸)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

1960年 1965年 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年

阿蘇市の総農家数の推移(旧町村別)

宮地町 中通村 古城村 坂梨村 内牧町

黒川村 永水村 尾ヶ石村 山田村 波野村

(戸)

資料:農林業センサス

資料:農林業センサス

1960 年から 2010 年までの 50

年間で阿蘇市の人口が約 3 割減

少しているのに対し、総農家数は倍

の約 6割減少している。

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農業の担い手は集落コミュニティに欠かせない存在でもあり、集落機能の存

続に大きく影響することが想定されるため、単に新規就農を促すだけでなく、

新たな集落のあり方を含めた後継者育成施策の検討が急務と考えられる。

Ⅱ.若年層流出の主な要因

都市部と比較し、このような人口減少の格差が生じるのは、本市から都市圏

及び近隣の自治体への若年層を中心とした「転出」が多いことが第一の原因で

ある。

本市の場合、出生率自体は低下傾向にあるものの、合計特殊出生率は1988年以

降1.7前後で推移しており、都市部に比べ比較的高い水準にあるが、高校及び大

学を卒業した年代の若年層を中心とした転出による社会減は、出生率減以上に

大きな要因となっている。特に20~34歳までの若年層の転出超過が突出している

状況となっている。これは、都市部や近隣市町村に立地する製造業を中心とし

た雇用環境の良い地域への流出に加え、熊本市近郊の定住・就学・子育てに条

件の良い環境を求めて、新興住宅地の整備が進む地域に対しての転出増加と推

測される。このため、出産適齢期の若年世帯数が減少することにより、出生率

の低下傾向と相まって、出生数がさらに減少してしまうという悪循環が続いて

いる。

このように、本市では、高齢化や出生数の低下という「自然減」に加えて、

将来世代の形成が期待される若い世代が大量に流出する人口の「社会減」が重

なり合い、都市部より速いスピードで人口減少が生じる結果となった。

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2014年に日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した分析結果によると、

大都市圏への人口移動が現在のペースで持続すると仮定した場合、人口の再生

産を中心的に担う「20~39歳の女性人口」が2010~2040年にかけて、半数以下に

なる自治体の割合は、896自治体(全体の49.8%)にのぼるとされている。当該

分析において本市は消滅自治体に含まれていないものの、何ら対策を講じなけ

れば、本市の人口減少も地域コミュニティの存続にかかわる重大な結果になる

ことはしっかりと受け止めておく必要がある。

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Ⅲ.阿蘇市の人口の将来推計と分析

1.将来人口のシミュレーション

現状分析による人口の推移は、これまで検証した「社会減」と「自然減」の

傾向がこのまま継続した場合の将来推計である。少子化等の人口減少に歯止め

をかけなければ、阿蘇市の人口は50年後に約14,000人に減少する結果となった。

以下は、少子化と人口減少に一定の効果を上げる何らかの対策を講じた場合

のシミュレーションである。

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

阿蘇市の将来人口推計

社人研 推計 日本創成会議 推計

阿蘇市シミュレーション① 推計 阿蘇市シミュレーション② 推計

(人)

人口 2万人が維持できる。

人口が 1万 5千人を下回る。

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0

5,000

10,000

15,000

20,000

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

阿蘇市の人口構造推計(社人研推計ベース)

年少人口(0歳~14歳) 生産年齢人口(15歳~64歳)

老年人口(65歳以上)

(人)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

阿蘇市の人口構造推計(阿蘇市シミュレーション①ベース)

年少人口(0歳~14歳) 生産年齢人口(15歳~64歳)

老年人口(65歳以上)

(人)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

阿蘇市の人口構造推計(阿蘇市シミュレーション②ベース)

年少人口(0歳~14歳) 生産年齢人口(15歳~64歳)

老年人口(65歳以上)

(人)

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12.1% 11.5% 10.5% 10.0% 9.7% 9.7% 9.8% 9.7% 9.5% 9.2% 8.9%

55.9% 53.0% 50.7% 49.7% 49.3% 49.0% 48.8% 48.5% 48.4% 48.5% 48.0%

31.9% 35.4% 38.8% 40.3% 41.0% 41.2% 41.4% 41.8% 42.1% 42.3% 43.1%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

人口3区分割合の推移(社人研推計ベース)

(社)00~14歳 (社)15~64歳 (社)65歳以上

12.1 12.0 11.5 11.8 12.3 13.3 14.0% 14.1% 14.2% 14.1% 14.2%

55.9% 52.8% 50.1% 48.7% 48.1% 47.6% 47.5% 47.8% 48.5% 49.3% 49.7%

31.9% 35.2% 38.3% 39.5% 39.5% 39.1% 38.5% 38.0% 37.4% 36.6% 36.1%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

人口3区分割合の推移(阿蘇市シミュレーション①ベース)

(社)00~14歳 (社)15~64歳 (社)65歳以上

12.1% 12.1% 11.6% 12.1% 12.9% 14.1% 15.1% 15.3% 15.3% 15.3% 15.4%

55.9% 53.1% 50.9% 49.8% 49.6% 49.5% 49.8% 50.8% 52.0% 53.4% 53.6%

31.9% 34.9% 37.4% 38.0% 37.5% 36.5% 35.1% 33.9% 32.7% 31.3% 31.0%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

人口3区分割合の推移(阿蘇市シミュレーション②ベース)

(社)00~14歳 (社)15~64歳 (社)65歳以上

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◆将来人口推計に関する用語解説

社人研推計

・主に平成17(2005)年から22(2010)年の人口の動向を勘案し将来の人口を推計。

・移動率は、今後、全域的に縮小すると仮定。

<出生に関する仮定>

原則として、平成22(2010)年の全国の子ども女性比(15~49歳女性人口に対する0~4歳人口の

比)と各市町村の子ども女性比との比をとり、その比が平成27(2015)年以降、平成52(2040)年まで

一定として市町村ごとに仮定。

<死亡に関する仮定>

原則として、55~59歳→60~64歳以下では、全国と都道府県の平成17(2005)年→平成

22(2010)年の生残率の比から算出される生残率を都道府県内市町村に対して一律に適用。60~64

歳→65~69歳以上では、上述に加えて、都道府県と市町村の平成12(2000)年→平成17(2005)

年の生残率の比から算出される生残率を市町村別に適用。

<移動に関する仮定>

原則として、平成17(2005)~22(2010)年の国勢調査(実績)に基づいて算出された純移動率

が、平成27(2015)~32(2020)年までに定率で0.5倍に縮小し、その後はその値を平成47(2035)~

平成52(2040)年まで一定と仮定。

日本創成会議推計

・社人研推計をベースに、移動に関して異なる仮定を設定。

<出生・死亡に関する仮定>

社人研推計と同様。

<移動に関する仮定>

全国の移動総数が、社人研の平成22(2010)~27(2015)年の推計値から縮小せずに、平成

47(2035)年~平成52(2040)年まで概ね同水準で推移すると仮定。(社人研推計に比べて純移動

率(の絶対値)が大きな値となる)

阿蘇市シミュレーション①

・社人研推計をベースに、合計特殊出生率が平成42(2030)年までに人口置換水準(2.1)まで上昇

すると仮定。

阿蘇市シミュレーション②

・社人研推計をベースに、合計特殊出生率が平成42(2030)年までに人口置換水準(2.1)まで上昇

し、かつ移動(純移動率)がゼロ(均衡)で推移すると仮定。

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2.目指すべき将来の方向

人口減少を克服していくためには、中長期的な視点のもと、国の長期ビジョ

ンが指摘するような「出生者数の増加」への取り組みに加え、本市人口減少の

最大の要因となっている「転出超過」を解消するための「雇用」と「定住」に

関する施策を重点的に行う必要がある。

若者が地域で安心して生活できるだけでなく、都市部からの移住定住を促進さ

せることによって「しごとの創生」と「ひとの創生」の好循環による豊かな地

域社会の実現を目指すためには、シミュレーション2にあるように、出生率向

上と転入転出による人口減少を抑える取り組みが大変重要となる。

本市の現状分析を踏まえ、本市が人口減少問題に取り組む基本な方向性を以

下に掲げる。

①「経済」の活性化による地域の活力創造

②「福祉・生活」の充実による選ばれるまちの創造

③「教育」による人材育成と郷土愛の創造

3.人口の将来展望

本市の高齢者人口(65歳以上)がピークを迎えるのは2020年頃であり、そ

の後減少していくものの、社会減による人口減少を抑えることが出来なければ高齢

化率は40%を超える予想となっている。

高齢化による扶助費増大と生産年齢人口の減少による税収減は、現状の行政サー

ビスが維持できないことを意味することから、将来推計における高齢者人口をベー

スとし、人口が減少する中においても年齢階層における各比率を一定程度維持して

いくことが重要と考えられる。

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このため、2060年における将来人口における将来推計(社人研)の65歳以上

人口(約6,000人)を基準として、働く世代2人で高齢者1人を支える人口構造を目指

すと仮定した場合、高齢者比率は30%程度、生産年齢人口比率は約60%(2010年と

同比率)となるため約2万人の人口規模が必要となるものの、人口年齢層がある程

度平準化することでバランスの良い人口構造が見込まれる。

また、少子化対策においては、本市は現状の合計特殊出生率「1.7」を単に向

上させることに主眼を置くよりも、現保育等の子育てに関するサービスを維持しな

がら、生産年齢人口増加のための移住定住等施策や雇用対策を複合的かつ継続的に

実施することで同水準を維持することが現実的といえる。

国の長期ビジョン及びこれまでの推計や分析、調査などを考慮し、「雇用」と「定

住」施策による生産年齢人口の確保によって本市が将来目指すべき人口規模を以下

に展望する。

【目 標 値】

①2060年の将来人口は「20,000人」を維持する。

②転入転出による社会増減の割合を±0に抑える。

③現状の合計特殊出生率「1.7」を維持する。

想定する人口バランス(2060 年)

65歳以上 ・・・ 6,000 人(30%)← (H22) 9,086 人(31.9%)

15~64歳 ・・・ 12,000 人(60%)← (H22)15,909 人(55.9%)

14歳以下 ・・・ 2,000 人(10%)← (H22) 3,443 人(12.1%)