13
1 飼料の分類:成分による分類 粗飼料 ・繊維質が多く、可消化養分総量が少ないもの ・青草・乾草・サイレージ・作物の茎葉・海草など 濃厚飼料 ・繊維質が少なく、可消化養分総量が多いもの ・穀類・ぬか類・油粕類・動物性飼料など 性状 粗飼料 濃厚飼料 粗繊維 可消化養分総量 容積 分類 特徴 穀類 トウモロコシ・オオムギ デンプンが多い 植物性油粕類 ダイズ・ラッカセイ タンパク質が多い ヌカ類 玄米・オオムギ タンパク質・ビタミンBが多い 製造粕類 デンプン粕・ビール粕 いろいろ 動物性飼料 魚粉・肉骨粉 タンパク質が多い 単体飼料 個々の飼料原料のこと 配合飼料 対象となる家畜の養分要求量を満たすように複数 の飼料原料や飼料添加物を配合・混合したもの 飼料の分類:配合による分類 青刈り類 トウモロコシ、ソルガムなど ソルガムの亜種のスーダングラスはイネ科牧草として利用されている 農業副産物 稲ワラ、麦ワラなど 稲ワラはすき込みに利用されたり焼却処分されるため飼料用は一割程度 牧草 イネ科牧草 糖質の割合が高い イタリアンライグラス、チモシーなど マメ科牧草 イネ科と比較してタンパク質やCa、ビタミンAが豊富 赤クローバー、アルファルファなど 粗飼料:飼料作物 濃厚飼料 穀類 可溶無窒素物(デンプン等)が多い 必須アミノ酸のリジンやメチオニンが不足することがある (例)トウモロコシ、マイロ ぬか類 穀類の副産物で、その成分は穀類と概ね同様である (例)米ぬか、フスマ 油粕 採油した後の残渣で、タンパク質を多く含む (例)大豆油粕、菜種油粕 動物性飼料 タンパク質を多く含む 植物性飼料で不足しがちな成分も含む (例)魚粉、肉骨粉 CP:粗タンパク質 NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物) DCP:可消化タンパク質 TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー) 粗飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版) 一番草、出穂前または開花前、生草 水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN イタリアン* 84 3 8 3 2 12 チモシー 82 3 9 3 2 13 赤クローバー 86 3 7 3 3 11 アルファルファ 82 5 7 4 4 12 *イタリアンライグラス CP:粗タンパク質 NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物) DCP:可消化タンパク質 TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー) 濃厚飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版) 水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN トウモロコシ 14 8 72 2 6 78 脱脂米ぬか 13 18 47 9 13 56 大豆粕 12 46 29 6 42 77 魚粉 7 65 1 0.2 61 74

飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

  • Upload
    others

  • View
    7

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

1

飼料の分類:成分による分類

粗飼料

・繊維質が多く、可消化養分総量が少ないもの

・青草・乾草・サイレージ・作物の茎葉・海草など

濃厚飼料

・繊維質が少なく、可消化養分総量が多いもの

・穀類・ぬか類・油粕類・動物性飼料など

性状 粗飼料 濃厚飼料

粗繊維 多 少

可消化養分総量 少 多

容積 大 小

分類 例 特徴

穀類 トウモロコシ・オオムギ デンプンが多い

植物性油粕類 ダイズ・ラッカセイ タンパク質が多い

ヌカ類 玄米・オオムギ タンパク質・ビタミンBが多い

製造粕類 デンプン粕・ビール粕 いろいろ

動物性飼料 魚粉・肉骨粉 タンパク質が多い

単体飼料 個々の飼料原料のこと

配合飼料 対象となる家畜の養分要求量を満たすように複数

の飼料原料や飼料添加物を配合・混合したもの

飼料の分類:配合による分類

青刈り類

トウモロコシ、ソルガムなど ソルガムの亜種のスーダングラスはイネ科牧草として利用されている

農業副産物

稲ワラ、麦ワラなど 稲ワラはすき込みに利用されたり焼却処分されるため飼料用は一割程度

牧草

イネ科牧草

糖質の割合が高い

イタリアンライグラス、チモシーなど

マメ科牧草

イネ科と比較してタンパク質やCa、ビタミンAが豊富

赤クローバー、アルファルファなど

粗飼料:飼料作物 濃厚飼料

穀類

可溶無窒素物(デンプン等)が多い

必須アミノ酸のリジンやメチオニンが不足することがある

(例)トウモロコシ、マイロ

ぬか類

穀類の副産物で、その成分は穀類と概ね同様である

(例)米ぬか、フスマ

油粕

採油した後の残渣で、タンパク質を多く含む

(例)大豆油粕、菜種油粕

動物性飼料

タンパク質を多く含む

植物性飼料で不足しがちな成分も含む

(例)魚粉、肉骨粉

CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

粗飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版) 一番草、出穂前または開花前、生草

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

イタリアン* 84 3 8 3 2 12

チモシー 82 3 9 3 2 13

赤クローバー 86 3 7 3 3 11

アルファルファ 82 5 7 4 4 12

*イタリアンライグラス CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

濃厚飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版)

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

トウモロコシ 14 8 72 2 6 78

脱脂米ぬか 13 18 47 9 13 56

大豆粕 12 46 29 6 42 77

魚粉 7 65 1 0.2 61 74

Page 2: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

2

飼料を評価する【成分分析】

水分

水分

窒素化合物

粗タンパク質

無機物

粗灰分

有機物

乾物

脂肪

粗脂肪

無窒素化合物

糖質

可溶無窒素物

炭水化物

繊維質

粗繊維

成分 方法 測定項目

水分 105℃ 乾燥恒量法

水・揮発性成分 135℃ 2時間乾燥法

粗灰分 500~600℃ 灰化法 ミネラル

粗タンパク質 ケルダール法 タンパク質・アミノ酸

・非タンパク態窒素

粗脂肪 ソックスレー脂肪抽出法 脂肪・脂溶性ビタミン

粗繊維 希H2SO4-希NaOH処理 リグニン・セルロース

・ヘミセルロース

可溶無窒素物 100(%)から上記5つ

糖類 の合計を差し引く

「粗」とは

名称 方法

ヘンネブルグ・ ストーマン改良法

希H2SO4-希NaOH処理の後、残渣を測定

デタージェント・ ファイバー法

中性デタージェント繊維

中性界面活性剤で処理の後、残渣を測定

酸性デタージェント繊維

酸性界面活性剤で処理の後、残渣を測定

プロスキー変法 (酵素重量法)

脱脂処理の後、糖分解酵素とタンパク質分解酵素で処理し、残渣を測定

食物繊維

可溶部 不溶部:中性デタージェント繊維 セルロース・ヘミセルロース・リグニン

中性デタージェント処理

可溶部:ヘミセルロース 不溶部:酸性データージェント繊維 セルロース・リグニン

酸性デタージェント処理

可溶部:セルロース 不溶部:リグニン

72%硫酸処理

粗繊維の測定

粗飼料など

リグニンは反芻動物の第一胃でも利用されない

消化率(%)

= × 100 飼料中含量-糞中含量

飼料中含量

=可消化粗タンパク質含量(%)+可消化可溶無窒素物含量(%)

+可消化粗繊維含量(%)+可消化粗脂肪含量(%)× 2.25

可消化養分総量(%)

飼料を評価する【可消化養分総量・TDN】

CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

粗飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版) 一番草、出穂前または開花前、生草

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

イタリアン* 84 3 8 3 2 12

チモシー 82 3 9 3 2 13

赤クローバー 86 3 7 3 3 11

アルファルファ 82 5 7 4 4 12

*イタリアンライグラス

Page 3: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

3

CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

濃厚飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版)

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

トウモロコシ 14 8 72 2 6 78

脱脂米ぬか 13 18 47 9 13 56

大豆粕 12 46 29 6 42 77

魚粉 7 65 1 0.2 61 74

MILK MILK MILK

飼料

生産物

ガス

動物の維持・摂取消化吸収

ガス

尿 糞

飼料を評価する【代謝エネルギー】

MILK MILK

MILK

ガス 尿

可消化エネルギー

総エネルギー

代謝エネルギー

維持の正味エネルギー

正味エネルギー

生産の正味エネルギー

熱増加

泌乳牛 体重474kg

代謝エネルギー

100

33

67

57

35 15

7

3

22

20

代謝エネルギーの測定

飼料 糞 尿

ガス(主にメタン)

呼気中のメタン量を測定

GE:飼料燃焼時の発生熱量

DE:GE-糞燃焼時の発生熱量

ME:DE- (尿燃焼時の発生熱量+メタンのエネルギー)

ボンブ熱量計

完全に燃焼させた時の

熱量を測定する

方法 特徴

飼料の成分分析 飼料の栄養素含量がわかるだけ

可消化養分総量* 消化・吸収されない糞のもののエネル

ギーを取り除いたもの

代謝エネルギー*

糞に加え、吸収したが利用されずに

排出される尿とガスになるもののエ

ネルギーを取り除いたもの

飼料の評価の特徴 *成分別ではない ヒトを構成する分子

18

16

1 5 60

その他

水分

酸素・水素

タンパク質

酸素・水素・炭素・窒素

脂質

酸素・水素・炭素

糖質

酸素・水素・炭素

Page 4: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

4

働き 例

生体構成成分 コラーゲン(骨・軟骨・真皮) ケラチン(毛・爪)

運動 アクチン ミオシン

酵素 消化酵素 代謝酵素

免疫 免疫グロブリン

情報伝達 ホルモン(成長ホルモンなど) 受容体

輸送 血清アルブミン

栄養素 カゼイン(乳)

タンパク質の働き

食品名 値

卵 100

卵白 88

鶏肉 79

魚肉 70

牛肉 69

牛乳 60

精白米 56

大豆 47

体内に保留された窒素量

体内に吸収した窒素量 = ×100

保留された窒素量

=吸収した窒素量-(尿中窒素量-内因性尿窒素量)

吸収した窒素量

=摂取した窒素量-(糞中窒素量-代謝性糞窒素量)

代謝性糞窒素量

無タンパク質飼料給与時の糞中窒素量

生物価

内因性尿窒素量

無タンパク質飼料給与時の尿中窒素量

タンパク質の消化・吸収・利用

ペプチド アミノ酸 タンパク質

小腸絨毛の毛細血管に吸収

体タンパク質の分解

血液中のアミノ酸

他のアミノ酸の合成 ホルモンなどの合成 糖質・脂質の合成

体タンパク質の合成

必須アミノ酸

バリン Val V

ロイシン Leu L

イソロイシン Ile I

リシン Lys K

メチオニン Met M

動物が自ら合成することができないため、摂取しなければ

いけないアミノ酸

タンパク質やアミノ酸誘導体の原料として必要

*昔、ヒスチジンは乳幼児にのみ必須アミノ酸とされていた

フェニルアラニン Phe F

スレオニン Thr T

トリプトファン Trp W

ヒスチジン His H

準必須アミノ酸

*昔、ヒスチジンは乳幼児にのみ必須アミノ酸とされていた

必須アミノ酸からのみ合成されるもの

システイン Cys C メチオニンから合成

チロシン Tyr Y フェニルアラニンから合成

成長時に体内での合成が不十分なもの

アルギニン Arg R ブタやイヌ、ラットなど

HOOC

NH2

C

H

C

H

H

SH

システイン(含硫アミノ酸)

HOOC

NH2

C

H

C

H

H

OH

チロシン(芳香族アミノ酸)

動物の必須アミノ酸

ウシなどの反芻動物

基本的に必須アミノ酸はない ただし、生産量向上にはバイパスタンパク質が必要

ニワトリなどの鳥類

アルギニン:尿素回路がないので合成できない

グリシン:合成量が不十分

その他のものはヒトと同じ

ネコ

タウリン:合成酵素がない

(他の哺乳類ではシステインから合成される)

アルギニン:要求量が高く、合成量が不十分

その他のものはヒトと同じ

Page 5: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

5

肝臓

タウリンと胆汁酸

コレステロール

コール酸(胆汁酸の80%)

グリココール酸 タウロコール酸

グリシン

十二指腸 胆汁として働く

タウリンはその他にも神経伝達物質として働く

タウリン

肝臓(と腎臓)の尿素回路

NH3 カルバミルリン酸

シトルリン

オルニチン アルギニノコハク酸

アスパラギン酸

フマル酸 アルギニン 尿素

糖新生など

クエン酸回路から

窒素原子

ミトコンドリア

2ATP

ATP

豚肉のアミノ酸

124

イ ソ ロ イ シ ン

ロ イ シ ン

リ ジ ン

含 硫 ア ミ ノ 酸

芳 香 族 ア ミ ノ 酸

ス レ オ ニ ン

ト リ プ ト フ ァ ン

バ リ ン

100

100

150

50

0

100

150

50

0

116

168

114 124

116 127

106

イ ソ ロ イ シ ン

ロ イ シ ン

リ ジ ン

含 硫 ア ミ ノ 酸

芳 香 族 ア ミ ノ 酸

ス レ オ ニ ン

ト リ プ ト フ ァ ン

バ リ ン

100

150

50

0

100

150

50

0

精白米のアミノ酸【制限アミノ酸】

110

114

65

132

153

84

145

123

65

第1制限アミノ酸 第2制限アミノ酸

ケミカルスコア

(化学価) 全卵タンパクのアミノ酸を基準とする

プロテインスコア

(タンパク質価)

1955年にFAOが定めたヒトの必要量

を基準とする

アミノ酸スコア

(アミノ酸価)

国連食糧農業機関(FAO)と世界健康

機関(WHO)の定めたアミノ酸評定

パターンを基準とする

その食品中の第一制限アミノ酸含量*

それぞれの基準における同一アミノ酸含量 = ×100

アミノ酸を基準としたタンパク質の評価

*窒素1gあたりに占める当該アミノ酸の含量(mg)

食品 第一制限アミノ酸 アミノ酸スコア

卵 なし 100

牛乳 なし 100

牛肉・豚肉・鶏肉 なし 100

魚類 なし 100

大豆 メチオニン 100

プロセスチーズ メチオニン 91

じゃがいも ロイシン 68

精白米 リジン 65

とまと ロイシン 48

アミノ酸は足りているのか

Page 6: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

6

青刈り類

トウモロコシ、ソルガムなど ソルガムの亜種のスーダングラスはイネ科牧草として利用されている

農業副産物

稲ワラ、麦ワラなど 稲ワラはすき込みに利用されたり焼却処分されるため飼料用は一割程度

牧草

イネ科牧草

糖質の割合が高い

イタリアンライグラス、チモシーなど

マメ科牧草

イネ科と比較してタンパク質やCa、ビタミンAが豊富

赤クローバー、アルファルファなど

粗飼料:飼料作物 飼料作物の例:イネ科牧草

草種名 年生

主要栽培地

特徴

寒地 温暖地

イタリアンライグラス 一年 冬作飼料作物の代表的品種

オーチャードグラス 多年 採草と放牧の両方に利用

チモシー 多年 主に採草用で耐寒性が高い

トールフェスク 多年 耐暑性に優れた寒地型牧草

バヒアグラス 多年 再生力に優れた暖地型牧草

ペレニアルライグラス 多年 主に放牧用で再生力が高い

飼料作物の例:マメ科牧草と青刈り類

草種名 年生

主要栽培地

特徴

寒地 温暖地

赤クローバー 多年 採草用で寒地型イネ科牧草と混播

白クローバー 多年 放牧用でイネ科牧草と混播で利用

アルファルファ 多年 栄養価が高く採草と放牧に利用

トウモロコシ 一年 栄養価が高く乾物収量も多い

ソルガム 一年 耐湿性・耐倒伏性が高く再生可

エンバク 一年 冷涼な気候で湿潤な土壌に向く

青草 乾草 サイレージ

作り方 刈り取っただけ 水分が15~20%になるまで乾燥

嫌気的に貯蔵して発酵

長所 栄養・嗜好性ともに優れる

保存できる

運搬しやすい 保存できる

短所 保存できない

季節の影響

調製の失敗で栄養が損失する

運搬しづらい

変敗する

粗飼料の利用の仕方

速やかに乾燥し、細胞の代謝を抑えて栄養損失を防ぐ

葉にはタンパク質が多いので、葉の脱落を抑える

(特にマメ科牧草)

天日乾燥法と人工乾燥法がある

・天日乾燥法:主に太陽熱と自然の風を利用して乾燥する

・人工乾燥法:乾燥機を利用して乾燥する

*天日乾燥では雨による養分の溶脱を防ぐ必要がある

ワラや収穫適期を逸した飼料作物はリグニンが多い

アルカリ処理によりリグニンを溶解させる

アンモニアを使うと窒素栄養源として利用できTDNが向上

乾草の調製

塔型サイロ バンカーサイロ ラップサイロ

木材またはコンクリート

ビニール

土または重石

ロールベール

サイレージ

ロ ー ル ベ ー ル は

ロールベーラーで

作り、これにラッ

ピングマシーンで

ビニールを巻く

ホールクロップサイレージ トウモロコシやイネのように、子実をとることを

目的に作られた作物を、繊維の多い茎葉部分と栄

養価の高い子実部分を一緒に収穫してサイレージ

に調製したもので、栄養価のバランスが良い

Page 7: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

7

順 手順 具体的な内容 理由など

1 刈り取り 細断する場合もある

2 予備乾燥 水分含量70%まで 有機酸の抗菌作用の向上

酪酸菌の増殖抑制

3 詰め込み 圧力をかける 嫌気条件のため

4 添加

乳酸菌添加 乳酸菌増殖のため

乳酸基質添加 乳酸菌増殖のため

塩酸・硫酸添加 pHを下げる

(酪酸菌等の増殖抑制)

5 発酵 pHは4.0~4.2が良い

サイレージの作り方

良いサイレージとは

乳酸が多く、酪酸がない

アンモニアが少ない

ホモ発酵型乳酸菌が優占していれば乳酸が多くなる

腸内細菌など活発だと酢酸の割合が増える

酵母が活発だとエタノール濃度が高まる

酪酸菌が増殖していれば酪酸が生成される

酪酸菌はアミノ酸を分解してアンモニアを生成する

乳酸菌はアミノ酸を分解する能力が低い

サイレージの品質について

悪いサイレージとは

上記の条件を満たしていない:不良発酵サイレージ

開封後に好気的変敗を起こす:二次発酵サイレージ

エンドファイト中毒

エンドファイトは植物に共生している真菌や細菌のこと

エンドファイトには動物に有害な物質を産生するものがいる

そのエンドファイトを含む牧草(海外から輸入したもの)を

家畜に摂取させると、エンドファイト中毒になる

フェスクトキシコーネス

Neotyphodium coenophがトールフェスクに感染して生じる

増体量の低下、泌乳量の低下等

ライグラススタッガー

Neotyphodium loliiがペレニアルライグラスに感染して生じる

筋肉痙攣や神経過敏、歩行異常等

エンドファイト=endo (within) + phyte (plant)

CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

粗飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版) 一番草、出穂前または開花前、生草

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

イタリアン* 84 3 8 3 2 12

チモシー 82 3 9 3 2 13

赤クローバー 86 3 7 3 3 11

アルファルファ 82 5 7 4 4 12

*イタリアンライグラス

濃厚飼料

穀類

可溶無窒素物(デンプン等)が多い

必須アミノ酸のリジンやメチオニンが不足することがある

(例)トウモロコシ、マイロ

ぬか類

穀類の副産物で、その成分は穀類と概ね同様である

(例)米ぬか、フスマ

油粕

採油した後の残渣で、タンパク質を多く含む

(例)大豆油粕、菜種油粕

動物性飼料

タンパク質を多く含む

植物性飼料で不足しがちな成分も含む

(例)魚粉、肉骨粉

牛の脳の中に空洞ができスポンジ(海綿)状になる病気 過敏な反応を示し、運動機能も冒されて起立不能になる BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)

その他の伝達性海綿状脳症

スクレイピー(ヒツジ)

クロイツフェルト・ヤコブ病(ヒト) クールー(ヒト)

ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(ヒト)

脳 脊髄

回腸遠位部

特定危険部位

リンパ

狂牛病:牛海綿状脳症 © 動物衛生研究所

Page 8: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

8

日本における動物性飼料の制限

主な動物性飼料 由来 ウシ ブタ ニワトリ 魚

乳・卵・骨灰

魚粉 魚介類

チキンミール ニワトリ

フェザーミール ニワトリ

肉骨粉 ブタ

肉骨粉 ウシ

魚油・植物油 魚介類・植物

動物性油脂 ウシ

大豆油粕の作り方 © Laughy

圧片化

溶媒抽出

大豆油粕

大豆油

加熱粉砕

トリプシンインヒビター

豆類に含まれており、膵臓から分

泌されるタンパク質分解酵素であ

るトリプシンの働きを抑える

トリプシンインヒビターはタンパ

ク質で、加熱すると失活する

種類 活性(単位/g)

ダイズ 99000

インゲン 1552

リョクトウ 260

ヒヨコマメ 220

トリプシンインヒビターの活性

ダイズ

魚粉の作り方

ジャックマカレル カタクチイワシ マイワシ

原料となる魚(の例)

粉砕

圧搾

乾燥

粉砕

分離

フィッシュソリュブル 魚粉 魚油

固形成分 液体成分

水分 油分

フスマなど

と混ぜる

ここで加熱しすぎるとジゼ

ロシンが生成される

この魚粉をニワトリに給与

すると黒吐病が起きる

CP:粗タンパク質

NFE:可溶無窒素物(可消化炭水化物)

DCP:可消化タンパク質

TDN:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

濃厚飼料の成分(ウシ) 日本標準飼料成分表(2001年版)

水分 CP NFE 粗繊維 DCP TDN

トウモロコシ 14 8 72 2 6 78

脱脂米ぬか 13 18 47 9 13 56

大豆粕 12 46 29 6 42 77

魚粉 7 65 1 0.2 61 74

分離給与方式

粗飼料と濃厚飼料を別に給与する方法

粗飼料(イネ科牧草)の給与が先

混合給与方式:TMR(total mixed ration)

ウシの飼料として、粗飼料と濃厚飼料にビタミンなど

添加物を加えて混合し、十分な栄養分を供給できるよ

うにした飼料

濃厚飼料と粗飼料の混合給餌が可能になる

長所:乳量・乳脂率が高くなる 労力が軽減できる

短所:飼料中穀類比率が増加する 搾乳牛が短命になる

粗飼料と濃厚飼料の給与の仕方

長所:個体別に飼料内容を調整できる

短所:労力がかかる 飼料の選び食いが起きる可能性

品種群 週齢 ME CP Ca Lys

卵用種 幼雛(~4週) 2900 19 0.8 0.85

中雛(~10週) 2800 16 0.7 0.57

大雛(~22週) 2700 13 0.6 0.42

産卵鶏 2800 16 3.3 0.65

ブロイラー 前期(~3週) 3100 20 0.9 1.16

後期(3週~) 3100 16 0.8 0.97

ニワトリの発育段階と養分要求量

ME:代謝エネルギー、kcal/kg

CP:粗タンパク質、%

Ca:カルシウム、%

Lys:リジン、%

幼雛のMEとCP要求量が高く成長

とともに下がる

産卵鶏では要求量が高くなりCaの

要求量も高くなる

Page 9: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

9

段階 体重 DE CP Ca Lys 飼料量

子ブタ ~5 kg 3880 16 0.90 1.64 0.22

~10 kg 3700 13 0.80 1.34 0.38

~30 kg 3400 16 0.65 1.07 1.05

肥育ブタ ~70 kg 3300 20 0.55 0.75 2.16

~115 kg 3300 19 0.50 0.55 3.12

妊娠ブタ ~215 kg 3080 16 0.75 0.51 2.13

授乳ブタ ~230 kg 3300 13 0.75 0.86 5.35

ブタの発育段階と養分要求量

DE:可消化エネルギー、kcal/kg CP:粗タンパク質、%

Ca:カルシウム、% Lys:リジン、%

飼料量:乾燥飼料量、1日あたりのkg

日本飼養標準豚(1998年版)

中央畜産会

分類 例 特徴

穀類 トウモロコシ・オオムギ デンプンが多い

植物性油粕類 ダイズ・ラッカセイ タンパク質が多い

ヌカ類 玄米・オオムギ タンパク質・ビタミンBが多い

製造粕類 デンプン粕・ビール粕 いろいろ

動物性飼料 魚粉・肉骨粉 タンパク質が多い

単体飼料 個々の飼料原料のこと

配合飼料 対象となる家畜の養分要求量を満たすように複数

の飼料原料や飼料添加物を配合・混合したもの

飼料の分類:配合による分類

一般的な配合飼料 2007年

農林水産省資料より

トウモロコシ

50%

その他穀類

12%

大豆油粕

14%

その他油粕

5%

ぬか類

9%

その他

10%

トウモロコシの生産量

2006年:6億8873万トン

アメリカ

40%

中国

20%

EU

6%

その他

34%

国内のトウモロコシの生産 2012年財務省貿易統計

輸入量

1490万

トン

トウモロコシの用途別輸入割合

65%

配合飼料

21%

コーン

スターチ

7%

その他

トウモロコシの種類

スイートコーン(甘味種):食用等

デントコーン(馬歯種):飼料用等

フリントコーン(硬粒種):飼料用等

ポップコーン(爆裂種)

ワキシーコーン(糯種)

日本のトウモロコシ輸入量:約1600万トン/年

青刈りトウモロコシの国内生産:約450万トン/年

*自家消費されているので流通していない

*統計上の自給率は0%

スイートコーンの国内生産:約25万トン/年

スイートコーンの輸入量:約2000トン/年

*自給率はほぼ100%

*スイートコーンは野菜類に分類されている

人工乳

ウシやブタの早期離乳を行うための離乳飼料

いろいろな配合飼料

代用乳

乳用子牛の育成にかかる牛乳の消費を減らすため

の配合飼料、粉ミルクの様に溶解して給与する

採卵鶏用飼料

卵殻に必要なカルシウムとリンを十分に含んだ

配合飼料

暑熱対策のための卵鶏用サプリメント

炭酸イオンやビタミンCなど、暑熱時の生産低下を抑

える物質を配合したサプリメント

ウェットフィーディング

主に養豚で用いられている、水分の高い飼料を給与する方法

リキッドフィーディング パイプラインで液状の飼料を給与

ウェットフィーディング ウェットフィーダーを用いて飼料と水を同時に給与

粉塵が減り、飼料や水のこぼれや無駄が少なく、採食速度

が速まり、採食量も増え、夏季でも食い込みが落ちないの

で、発育が良好に

水分の多い食品残さを乾燥せずに利用できることから、コ

ストの削減に有効

原料が腐敗しやすいため、有機酸の添加や乳酸発酵により

pHを下げて保存性を高めている

Page 10: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

10

家畜は様々なものを排泄している

家畜が排泄するもの

畜産業が排出する温室効果ガスの総量は、車・飛行機などの

輸送手段から出される総量よりも多い

畜産業からのCO2排出量は年間326億トン超で世界排出量の

51%にあたる(ワールドウォッチ研究所、2009年)

NH3

NH3

メタン(反芻動物)

尿 糞

二酸化炭素

アンモニア

CH4

CH4

CH4 CO2

CO2

CO2

家畜排泄物の環境への影響

排泄物

糞尿

ガス

揮散 アンモニア

土壌蓄積

窒素

リン

メタン

カリウム

その他(カルシウム、銅)

土壌蓄積

土壌蓄積

温暖化

水質汚染

農業不適

これらの排泄物を抑えることで、環境への負担を減らす

フィターゼ添加

動物は植物のリン酸貯蔵体であるフィチン酸を消化でき

ないので利用できない

フィチン酸はタンパク質やカルシウムの吸収を阻害する

穀類にはリジンが、豆類にはメチオニンが不足している

アミノ酸組成を改善し、窒素の排泄量を減らす

アミノ酸添加

フィターゼ

排泄物の臭いの抑制

環境低負荷飼料

P

P P

P

P Ca Zn

タンパク質

イノシトール 環

P

イノシトール 環

Ca Zn タンパク質

P P P P P P

用途 目的 種類

飼料品質低下防止

油脂の酸化・変敗防止 抗酸化剤

かびの発生防止 防かび剤

飼料の整形 粘結剤

油脂および飼料の乳化 乳化剤

サイレージの発酵調整 調整剤

栄養成分等の補給 不足栄養素の補充 アミノ酸・ビタミン

畜産振興上のため ミネラル・色素

栄養の利用促進

成長・飼料効率向上 合成抗菌剤・生菌剤

抗生物質・有機酸

嗜好性の改善 着香料・呈味料

消化・吸収の改善 酵素

飼料添加物

カビが生産するカビ毒が嘔吐、食欲不振、成長遅延、

免疫抑制、肝障害、腎障害、突然死などを起こす

ゼアラレノン:主にブタで繁殖障害

アフラトキシン:肝機能障害

抗生物質

転写・翻訳

タンパク質

細胞壁合成酵素

細胞壁

微生物が産生し、他の微生物などの増殖や機能を阻害する物

質の総称(いわゆる抗菌薬)

5000~6000種類ある(合成したものは含まない) タンパク質合成阻害

テトラサイクリン系

マクロライド系

ペニシリン、バンコマイシン

動物には細胞壁はない!

細胞壁合成阻害

核酸合成阻害

リファンビシン 細胞膜の作用を阻害

ポリミキシン

コリスチン

抗生物質の効果

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000

結核 気管支炎

悪性腫瘍

心疾患 死亡率

抗生物質の普及

西暦

1929年 ペニシリン 発見

Page 11: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

11

配合飼料の説明書

豊橋飼料

マルト幼雛餌付用配合飼料

「餌付BX」

クランブル状の配合飼料

この飼料に含まれている抗生物質(抗菌薬)

サリノマイシン:細胞膜の作用を阻害

コリスチン:細胞膜の作用を阻害

アビラマイシン:タンパク質合成阻害

配合飼料の説明書

ウシ、ヤギ、ヒツジに動物性飼料を与えてはいけない

休薬期間:抗生物質を体外に排出させる

採卵鶏用の配合飼料の説明書

抗生物質や抗菌剤は添加されていない 採卵期間中に抗生物質等を給与することは禁止されている

家畜は1日にどれくらい飼料を食べるか

ウシ 乳牛(泌乳牛):配合飼料:7 kg程度

粗飼料:8 kg程度

肉牛(10か月齢):配合飼料:4 kg程度

粗飼料:4 kg程度 「カラダのごちそう、アタマの栄養」

「地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部畜産試験場」

ブタ 離乳直後:500 g程度

体重15 ㎏程度:1 ㎏程度

体重30㎏程度:1.5 ㎏程度

体重80㎏程度:3 ㎏程度

体重100㎏超:3 ㎏以上 「三重県畜産協会」

ニワトリ 卵用鶏(採卵鶏):110 g

ブロイラー(70日齢、オス):250 g 「畜産zoo鑑」

「チャンキー ブロイラー管理マニュアル2009」

畜産物の生産

飼料

家畜 生産物

タンパク質や植物にない栄養素を作ってもらう過程

ともいえる

細胞壁成分

植物性タンパク質

不飽和脂肪酸

β-カロテン

非ヘム鉄

植物性食品 動物性食品

細胞壁のない細胞

動物性タンパク質

飽和脂肪酸

ビタミンA

ヘム鉄

コレステロール

ビタミンB12

畜産物の生産

飼料

家畜 生産物

タンパク質や植物にない栄養素を作ってもらう過程

ともいえる

飼料要求率

動物の体重を一定量増加させるために必要な飼料の重量

生産物を1 kg作るために必要な飼料の重量

・ニワトリ:2~3

・ブタ:3~4

・ウシ:10~11

Page 12: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

12

乳牛の飼育にかかる経費

北海道の搾乳牛通年換算

1頭当たりの生産費用の割合 搾乳牛1頭当たりの労働時間

H22年度費用 574,524円 1頭当たり労働時間90.2時間

飼料費

51.5%

乳牛償却費

19.8%

農機具費

5.0%

その他

23.7%

飼料の準備・給与

19.3%

敷量・厩肥

関係の作業

10.5%

飼育管理

11.3% 搾乳および

牛乳の処理

49.7%

生産管理

1.1%

間接労働時間

8.0%

農林水産省「農業経営統計調査」 肉牛の飼育にかかる経費

子牛 肥育牛

子牛の生産費:42.5万円 肥育牛の生産費:76.3万円

労働費

47.1%

飼料費

25.6%

母牛償却費

9.5%

その他

14.6% 労働費

10.9%

飼料費

25.3%

素畜費

56.4%

建物・機械

償却費

1.5%

その他

5.9%

中央畜産会

「平成15年畜産経営の動向」

建物・機械

償却費

9.5%

牛肉 乳製品 豚肉

2003年 カロリーベース

鶏肉 鶏卵 0

50

100

39

69 53

67

96

飼料自給率 % 26 42 10 10 10

畜産物の食料自給率

10

29

5 7 10

2011年の飼料自給率 26%

77% 粗飼料の自給率

濃厚飼料の自給率 12%

飼料の輸入先 飼料自給率はTDNベース

農林水産省資料より(おそらく2007年)

アメリカ 87% 豪州

5%

カナダ 3%

中国 2%

アルゼンチン 1% その他

2%

0

20

40

60

80

100

2 7 9 13 14 15 16

平成

日本の飼料自給率の推移 日本の飼料の輸入元

85 75

10 11

粗飼料

濃厚飼料

飼料穀物の輸入状況

2009年度 2010年度 2011年度

トウモロコシ 1159 1113 1060

コウリャン 151 124 130

オオムギ 122 110 114

その他 22 23 54

カナダ

オオムギ

コムギ

26%

20%

アメリカ

トウモロコシ

コムギ

コウリャン

86%

36%

13%

アルゼンチン

コウリャン

トウモロコシ

36%

4%

オーストラリア

コウリャン

オオムギ

コムギ

51%

73%

40%

日本の飼料穀物輸入量(万トン)

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14

配合飼料の価格動向 独立行政法人農畜産業振興機構

円/

トン

西暦

成鶏用

ブロイラー用

乳牛用

肥育肉牛用

育成豚用

配合飼料価格は飼料メーカーが自由な競争の下で、飼料穀物

の国際相場、海上運賃や為替レート等の動向を反映して形成

トウモロコシの国際価格が

燃料用エタノール生産向け

の需要増加に伴い上昇

トウモロコシの価格と

海上運賃が下落

Page 13: 飼料の分類:成分による分類 飼料の分類:配合による分類web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/DA06_Forage.pdf · dcp:可消化タンパク質 tdn:可消化養分総量(≒可消化エネルギー)

13

エコフィード(食品残渣飼料)

食品残渣等を利用して製造された飼料

(社団法人配合飼料供給安定機構が商標登録したもの)

資源の有効利用に加え、飼料自給率の向上等を図る

エコフィードの原料となる食品残渣等

パン屑、菓子屑、製麺屑、醤油粕、焼酎粕、ジュース粕、茶粕、

チーズホエー、売れ残り弁当、カット野菜屑等

食品産業から生じる食品残渣は約1900万トン発生し、うち約1300万

トン(69%)が再生利用(2014年度)

さらにそのうち73%を飼料として利用

長所:コストダウン、嗜好性が良い、脂の融点が下がる

短所:成分が不安定、水分が多く保存性が悪い、取扱いが難しい

ブタの場合、軟脂になる場合がある(コムギが主成分のため) 0

10000

20000

30000

40000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

飼料用米の利用 農林水産省食料・農業・農村政策審議会畜産部会

2009年まで畜産振興課調べ、それ以降は新規需要米の

取組計画認定状況による

(西暦)

作付

面積

(ha)

飼料用米

稲ホールクロップサイレージ

45

34525

(2015年に79766)

25672

4594

水田を利用するため、農機具の新規投資が不要

連作障害がない

良好な栄養価を有し、ウシの嗜好性も良く保存可(稲WCS)

輸入トウモロコシよりも高価で、保管・流通体制が未整備

飼料用米および稲ホールクロップサイレージ(稲WCS)の作付面積