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新しい介護食品(スマイルケア食)に関する これまでの検討経緯及び青Dに関する論点について (資料1)

新しい介護食品(スマイルケア食)に関する これまでの検討経緯 … · 2.介護食品に関する検討の経緯 ・介護食品に関係する事業者、介護施設関係者、専門家などから構成。

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Page 1: 新しい介護食品(スマイルケア食)に関する これまでの検討経緯 … · 2.介護食品に関する検討の経緯 ・介護食品に関係する事業者、介護施設関係者、専門家などから構成。

新しい介護食品(スマイルケア食)に関するこれまでの検討経緯及び青Dに関する論点について

(資料1)

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1.農林水産省が介護食品に取り組む理由

◆ 介護食品市場の拡大を図ることは、農林水産業・食品産業を振興し、かつ、国民への食料の安定供給という農林水産省のミッションに合致するものであり、健康寿命の延伸にも資するものである。

介護食品市場の拡大

食品産業の新たな分野を開拓(新製品の製造、技術開発など)

農林水産業の活性化(新たな原料の供給先の拡大)

利用者のQOL( Quality of life(生活の質) )の向上

健康寿命の延伸

1

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2.介護食品に関する検討の経緯

・介護食品に関係する事業者、介護施設関係者、専門家などから構成。・介護食品をめぐる論点について、4つのWTを設置し具体的に検討。

平成26年4月

「新しい介護食品」の考え方の公表

平成26年11月

「新しい介護食品」の愛称=「スマイルケア食」決定

平成26年11月

「新しい介護食品」の選び方(早見表)決定

平成27年3月

定義WT認知度向上

WT提供方法

WT社会システムWT

H25年10月~H27年3月 介護食品のあり方に関する検討会議H25年2月~7月

これからの介護食品をめぐる論点整理の会

・介護食品に係る現状や課題及び対応方向等について論点整理を行い、将来を見据えた介護食品のあり方等の検討を行うため開催。

・提供方法に関する基本的考え方(事業者向けガイドライン)を公表

・社会システム構築に係る課題(中間整理)の公表

2

・今後の課題として以下の論点を提示・介護食品の定義の明確化・高齢者の栄養に関する理解の促進・介護食品の提供方法・介護食品の普及

・介護食品の利用に向けた社会システムの構築

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<参考>介護食品のあり方に関する検討会議 委員リスト

定義に関するWT

認知度向上に関するWT

提供方法に関するWT

社会システムに関するWT

石垣 孝樹 イーエヌ大塚製薬(株) 取締役会長 ○ ○

岩元 睦夫 (公社)日本フードスペシャリスト協会 会長 ○ ◎

因 利恵 日本ホームヘルパー協会 会長 ○ ○

菊谷 武日本歯科大学 教授(大学院生命歯学研究科臨床口腔機能学)日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長

◎ ○

吉良 厚子 (一社)日本介護支援専門員協会 常任理事 ○ ○

※葛谷 雅文名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻発育・加齢医学講座 地域在宅医療学・老年科学分野 教授

○ ◎

黒田 賢 ヘルシーフード(株) 代表取締役社長 ○ ○

神山 かおる(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所食品機能研究領域 上席研究員

○ ○

迫 和子 (公社)日本栄養士会 専務理事 ○ ○

島崎 みつ子 社会福祉法人偕寿会 特別養護老人ホーム蓬仙園 施設長 ○ ○

武見 ゆかり 女子栄養大学大学院教授 食生態学研究室 博士(栄養学) ○ ○

西山 隆 和光市北地域包括支援センター センター長 ○ ○

東口 髙志 藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座 教授 ○ ◎

平野 覚治 (一社)全国老人給食協力会 専務理事 ○ ○

深柄 和彦 東京大学医学部附属病院 手術部 准教授 ○ ○

宗像 守 日本チェーンドラッグストア協会 事務総長 ○ ○

森田 勉日本介護食品協議会 副会長((株)明治 執行役員 健康栄養営業本部長)

○ ○

※印:全体会議座長、◎印:WT座長

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3.「新しい介護食品」の愛称及び早見表の決定

○介護食品といっても、どこまでを指すのかがわかりにくい。

○介護食品がいろいろ販売されているが、どれを選んだらよいかわからない状態。

○「介護食品」という名称に抵抗感や拒否感があるとの声。

○「新しい介護食品」の考え方を整理

○何を選べばよいか、を選びやすくするための統一的な基準を示すツールが必要。

○「新しい介護食品」の愛称を募集 (平成26年8月11日~9月16日)

1091件もの応募

○専門家による厳正な審査を実施

○各企業、店頭、介護施設、医療機関等が共通して利用できる早見表「新しい介護食品の選び方」を作成。

○愛称を

「スマイルケア食」に決定(11月11日公表)

ほかぞの じゅり

【背 景】

福岡県在住 外薗樹里さんの作品

4

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4.「新しい介護食品」の考え方

[対象者]原則、在宅の高齢者や障がい者の方であって、○食機能(噛むこと、飲み込むこと)に問題があることから栄養状態が不良○食機能に問題があるが、本人又は介護を行っている方の食内容や食形態の工夫により栄養状態は良好

○食機能に問題はないが、栄養状態が不良+上記に移行する恐れのある人

[内容]・単品としての加工食品(レトルト食品など)・個々の食品が組み合わされた料理・料理を組み合わせた一食分の食(配食サービス、宅配食など)

[配慮すべき点]・美味しさ ・ QOL(Quality of life(生活の質))の向上・低栄養の改善 ・見た目の美しさ・食べやすさ ・入手のしやすさ・食べる楽しみ ・コストへの配慮

[対象外]・治療食・病院食・形状がカプセル・錠剤のもの

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7※1 (一社)日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013を合わせてご覧ください。※2 硬さ、付着性、凝縮性の試験方法は、「特別用途食品の表示許可等について(平成23年6月23日付消食表第277号)」別紙3の4えん下困難者用食品の試験方法(1)に準ずる。

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6.これまでの議論で明らかとなった課題と平成27年度の対応

【課題】

食に起因する低栄養等の問題の認知度向上

低栄養等への対応策としての「スマイルケア食」の認知度向上

(特に、介護に係る専門職等における認知度向上)

これらの情報を伝達し、普及する拠点、手法等の構築

これらに係る人材育成、情報発信・交換の体系整備

介護食品の開発、販売ルート拡大

【平成27年度の対応方向】

・医療・介護等の専門職向け講習会・関係学会、関係団体への周知・食品事業者向け研修会

・新しい介護食品(スマイルケア食)普及推進会議(「介護食品のあり方に関する検討会議」を継承)

・地場農水産物の活用・輸出環境整備

これまでの議論の中で挙げられた検討課題について、以下の作業部会を設け検討を行う。・スマイルケア食の選び方検討ワーキンググループ(噛むこと・飲み込むことが困難な人向け食品)

・スマイルケア食の選び方検討ワーキンググループ(低栄養予防のための食品)

・医療・介護関係者と食品事業者等との連携方策検討ワーキンググループ

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~「『新しい介護食品(スマイルケア食)』の提供方法に関する基本的考え方(事業者向けガイドライン)」(平成27年3月)より抜粋~

1 はじめに○ 本ガイドラインの位置づけ

なお、「スマイルケア食の選び方」では、噛む力、飲み込む力の目安は定性的に示すに留まっている。今後、さらに「スマイルケア食」の製造・販売をする事業者を増やしていくためには、定量的な基準の策定、測定方法の標準化、「スマイルケア食の選び方」で示した各分類を表すマークの使用方法のルール化等が課題となる。これらの基準の策定等は、別の検討の場で行うこととし、基準等が策定された段階で、本ガイドラインの改訂を行うこととする(P1)。

7.「事業者向けガイドライン」等で示された課題と論点

1.青Dの食品とは2.青Dの食品の提示の仕方3.「新しい介護食品(スマイルケア食)の選び方」における「相談」マークの取扱い

4.その他検討すべき課題

論点

~「『新しい介護食品(スマイルケア食)』を活用した食支援のための社会システム構築に係る課題」(平成27年3月)より抜粋~

1 食に関する問題を抱えた人が豊かな食生活を送るために必要な社会システムの構築に向けて(今後の検討事項)

専門職に「スマイルケア食の選び方」を理解してもらい、通常行っている相談・チェック等により、食に関する問題を抱えた人に、その人の状態に合った食品がどのようなものかをアドバイスできるようにするには、どのような取組が必要か。(P5)。

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参考データ

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16.814.8 15.2

16.8 17.2

29.6

0

5

10

15

20

25

30

35

総数 65ー69歳 70-74歳 75-79歳 80-84歳 85歳以上

8.低栄養傾向の高齢者の割合(65歳以上)

11

(%)

資料:平成25年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)注:男女計の数値。低栄養傾向とはBMI20以下を指す。

低栄養傾向の高齢者の割合は16.8%であり、85 歳以上では3割の人が低栄養傾向にある。

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9.在宅療養患者の高齢者の栄養状態のデータ

栄養状態と食事形態栄養状態と要支援・要介護度

出典:国立長寿医療研究センター(平成24年度老人保健健康増進等事業 在宅療養患者の摂取状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書・調査対象者:男性384名、女性606名、計990名・対象者の年齢:男性81.1±7.9歳、女性84.7±8.3歳

低栄養低栄養のおそれあり

(参考)低栄養+低栄養のおそれあり計

栄養状態良好 計

男性 126 135 261 108 36934.1% 36.6% 70.7% 29.3% 100.0%

女性 230 200 430 152 58239.5% 34.4% 73.9% 26.1% 100.0%

計 356 335 691 260 95137.4% 35.2% 72.7% 27.3% 100.0%

栄養評価(MNA-SF)の結果

注:MNA-SF(Mini Nutritional Assessment);高齢者の栄養評価スケール

(人)

(人)

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10.在宅療養患者の高齢者の1年後の追跡調査の結果~ベースライン時に栄養状態(MNA=SF)と1年後の予後に与える要因~

出典:国立長寿医療研究センター(平成25年度老人保健健康増進等事業 在宅療養患者の栄養状態改善方法に関する調査研究報告書)調査対象者:男性294名、女性477名、計771名対象者の年齢:男性81.1±7.9歳、女性84.7±8.3歳

在宅療養患者の高齢者の調査で追跡ができた者771名を対象に調査を行った結果、栄養状態がよくなるほど死亡リスクが低くなる有意な関連が見られた。

13

(性年齢調整)イベント 包括

例数 イベント 割合(%) HR比 下限 上限 p値 p値 対照MNA-SF評価3カテゴリー

低栄養 218 62 28.4 0.0004 低栄養低栄養の恐れ 248 43 17.3 0.56 0.36 0.86 0.0086栄養状態良好 277 33 11.9 0.41 0.26 0.65 0.0001

BMI3カテゴリー18未満 150 35 23.3 1.40 0.90 2.19 0.14 0.0362 18≦BMI<2518≦BMI<25 347 57 16.425以上 91 8 8.8 0.49 0.22 1.09 0.08

95%信頼区間

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11.在宅療養患者の高齢者の摂食・嚥下機能に関するデータ

噛める程度

誤嚥の有無

BMIと食事形態

出典:国立長寿医療研究センター(平成24年度老人保健健康増進等事業 在宅療養患者の摂取状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書

調査対象者:男性384名、女性606名、計990名

対象者の年齢:男性81.1±7.9歳、女性84.7±8.3歳

258

377

188

44

6162

どんなものでも、欲しいものを噛んで

食べられる

噛みにくいものがあるが、たいていの

ものは食べられる

あまり噛めないので、食べ物が限られ

ている

ほとんど噛めない

全く噛めず流動食(ミキサー食等)を食

べている

欠損値

26.1%

38.1%

4.4%

6.2%6.3%

19.0%

誤嚥あり 誤嚥なし 欠損 計

男性 87 269 28 384

22.7% 70.1% 7.3% 100.0%女性 88 491 27 606

14.5% 81.0% 4.5% 100.0%

注:摂食・嚥下障害重症度分類(DSS)により、7正常範囲、6経度問題、5口腔

問題が「誤嚥なし」とされ、4機会誤嚥、3水分誤嚥、2食物誤嚥、1唾液誤嚥が「嚥下あり」とされている。

(人)

(人)

14

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◆「『低栄養』という言葉を知っていますか?」という問いに対しては、「知っている」と回答した者が6割程度。

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12.介護食品に対するアンケート・調査結果データ①

出典:NHKプロモーション 平成26年度農林水産省補助事業 介護食品に関するシンポジウム「みんなで考える“介護食品”」アンケート結果調査対象:シンポジウム開催事前608人、開催当日77人、開催事後379人

平成26年9~11月 平成26年11月11日平成26年12月~27年2月

(参考)

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◆「『低栄養』になる原因について知っていますか?」という問に対しては、「知っている」が約半数を占めている。

12.介護食品に対するアンケート・調査結果データ②

出典:NHKプロモーション 平成26年度農林水産省補助事業 介護食品に関するシンポジウム「みんなで考える“介護食品”」アンケート結果調査対象:シンポジウム開催事前608人、開催当日77人、開催事後379人

(参考)

平成26年9~11月 平成26年11月11日平成26年12月~27年2月

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◆「低栄養にならないように食事に気をつけていますか?」という問に対しては、日々の食事に気を配っている人が過半数を占めた。

12.介護食品に対するアンケート・調査結果データ③

出典:NHKプロモーション 平成26年度農林水産省補助事業 介護食品に関するシンポジウム「みんなで考える“介護食品”」アンケート結果調査対象:シンポジウム開催事前608人、開催当日77人、開催事後379人

(参考)

平成26年9~11月 平成26年11月11日平成26年12月~27年2月

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◆低栄養予防について、食事に気を配っていない理由については、「どうすればいいのか分からない」という回答が約7割を占めた。

12.介護食品に対するアンケート・調査結果データ④

出典:NHKプロモーション 平成26年度農林水産省補助事業 介護食品に関するシンポジウム「みんなで考える“介護食品”」アンケート結果調査対象:シンポジウム開催事前608人、開催当日77人、開催事後379人

(参考)

平成26年9~11月 平成26年11月11日平成26年12月~27年2月

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(調査概要)調査事業者:イー・マネージ・コンサルティング協同組合調査期間:平成27年1月~2月調査方法:書面調査、インタビュー調査回答事業者数:36社(製造事業者33社、流通事業者3社)

13.「新しい介護食品(スマイルケア食)の選び方」に係る調査について

農林水産省食料産業局食品製造卸売課では、選び方の黄A~黄Cに該当する製品の規格等に関する情報を幅広く収集・整理することを目的として、以下の委託調査を行った。

19

「青D」に対する事業者の声(36社中8社が言及) 栄養成分について、濃厚流動食には規格があるが、それ以外には特に規格がない状態なので、低栄養予防食や水分補給食の規格があってもよいかと考える。

低栄養予防の観点から栄養成分表示は必要であろう。 青のDの運用に際しては栄養の基準が必要だと考える。 Dに関しては、カロリー基準が必要だと思う。 栄養成分の規格が必要。どのようなものが青Dに該当するか分からないからである。 栄養に配慮した食品については、栄養規格も必要ではないか。

手作りで調理した場合、栄養価は低下し、食事は増量となる。少量でも高栄養なミキサー食、ペースト食等の各色形態で容量(g数)に対する栄養基準があればよいと思う。

今後、広く在宅ケアでの利用が求められてくることが想定された場合、低栄養への対応、個別の栄養価管理などから「栄養価」に対する何らかの「わかりやすい」表現が求められるものと考える。また、いずれのメーカーの商品だけでは「主菜」「副菜」などの献立の一つしかないものが多いことからも、「食事」としてのバランス、栄養価などについて分かりやすく標記される副材が必要と考える。

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14.日本人の食事摂取基準(2015年版)における高齢者についての記述(抜粋)

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 平成26年3月28日公表

(策定の目的)日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成14年法律第103号)第30条の2に基づき厚生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を示すものである。(使用期間)平成27(2015)年度~平成31(2019)年度の5年間。(ポイント)・ 生活習慣病の発症予防とともに、重症化予防を追加。・ 対象について、健康な個人並びに集団とし、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下に関して、保健指導レベルにある者までを含む。・ エネルギーの摂取量及び消費量のバランスの維持を示す指標として、「体格(BMI:body mass index)」を採用。

食事摂取基準の概要

目標とするBMIの範囲(18 歳以上)1,2 注1) 男女共通。あくまでも参考として使用すべきである。注2) 観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かったBMI を基に、疾患別の発症率とBMI との関連、死因とBMI との関連、日本人のBMI の実態に配慮し、総合的に判断し目標とする範囲を設定。

注3)70 歳以上では、総死亡率が最も低かったBMI と実態との乖離が見られるため、虚

弱の予防及び生活習慣病の予防の両者に配慮する必要があることも踏まえ、当面目標とするBMI の範囲を21.5~24.9 とした。

出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(平成26年3月28日公表) 20

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高齢者についての記述(抜粋)

○ 今後、超高齢社会における栄養の問題として、健康寿命の延伸や介護予防の視点から、過栄養だけではなく、後期高齢者(75歳以上)が陥りやすい「低栄養」、「栄養欠乏」の問題の重要性が高まっている。

脳卒中を始めとする疾病予防の重要性は言うまでもないが、後期高齢者が要介護状態になる原因として無視できないものとして、「認知症」や「転倒」と並んで「高齢による衰弱」がある。「高齢による衰弱」とはまさしく老年医学で言う「虚弱:フレイルティ(frailty)」を含んでおり、低栄養との関連が極めて強い。また、高齢者の身体機能障害のリスク因子、転倒リスク因子として加齢に伴う筋力の減少、又は老化に伴う筋肉量の減少(以下、サルコペニア)も注目されている。この病態は栄養障害、虚弱(以下、フレイルティ)とも関連が強く、転倒予防や介護予防の観点からも重要である。

○ 将来の身体機能障害との関連が強いフレイルティとサルコペニアの予防の重要性が注目されている。この予防のターゲット臓器とゴールは骨格筋とその機能維持であり、骨格筋量、筋力、身体機能は栄養素としてはたんぱく質摂取量に強い関連があるため、たんぱく質の重要性が注目されている。

・妊婦・授乳婦、乳児・小児、高齢者については、その特性上、特に注目すべき事項について参考資料が示された。・高齢者については、過栄養だけではなく、低栄養、栄養欠乏の問題の重要性に鑑み、フレイルティ(虚弱)やサルコペニア(加齢に伴う筋力の減少)など

とエネルギー・栄養素との関連についてレビューし、最新の知見がまとめられた。・たんぱく質、アミノ酸、ビタミン、ミネラル等のサルコペニア・フレイルティに対する関与又は介入効果については、認知症発症と栄養素との関連同様結

論に至っておらず、今後更なる科学的根拠(エビデンス)の蓄積が望まれるとして、「今後の課題」に挙げられた。

出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書(平成26年3月28日公表) 21

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15.栄養等表示基準値

栄養素等表示基準値とは、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)により定められている、国民の健康の維持増進等を図るために示された性別及び年齢階級別の栄養成分の摂取量の基準(食事摂取基準)を性及び年齢階級(十八歳以上に限る。)ごとの人口により加重平均した値であって別表第十の上欄の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げる値をいう。

栄養成分 栄養素等表示基準値

栄養成分 栄養素等表示基準値

栄養成分 栄養素等表示基準値

栄養成分及び熱量 栄養素等表示基準値

たんぱく質 81g カルシウム 680mg ヨウ素 130μg ビタミンB12 2.4μg

脂質 62g クロム 10μg リン 900mg ビタミンC 100mg

飽和脂肪酸 16g セレン 28μg ナイアシン 13mg ビタミンD 5.5μg

n‐3系脂肪酸 2.0g 鉄 6.8mg パントテン酸 4.8mg ビタミンE 6.3mg

n‐6系脂肪酸 9.0g 銅 0.9mg ビオチン 50μg ビタミンK 150μg

炭水化物 320g ナトリウム 2900mg ビタミンA 770μg 葉酸 240μg

食物繊維 19g マグネシウム 320mg ビタミンB1 1.2mg 熱量 2200kcal

亜鉛 8.8mg マンガン 3.8mg ビタミンB2 1.4mg

カリウム 2800mg モリブデン 25μg ビタミンB6 1.3mg

食品表示基準 別表第十(第二条関係)

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16.栄養成分の補給、栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示装に表示される場合には、同表の下欄に定める表示の方法に従い表示されなければならない。

○高い旨、含む旨の表示ついては、それぞれ、当該栄養成分が以下の表で定められた基準値以上の場合に表示することができる。○強化された旨の表示については、他の同種の食品に比べて強化された当該栄養成分の量がそれぞれ以下の表で定められた基準値以上の場合(たんぱく質及び食物繊維にあっては他の食品に比べて強化された割合が25%以上のものに限る。)に表示することができる。また、この場合、以下の事項を表示しなければならない。

• 当該他の同種の食品を特定するために必要な事項• 当該栄養成分の量が当該他の食品に比べて強化された量又は割合

栄養成分 高い旨の表示の基準値 含む旨の表示の基準値 強化された旨の表示の基準値

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

たんぱく質 16.2g(8.1g) 8.1g 8.1g(4.1g) 4.1g 8.1g(4.1g)

食物繊維 6g(3g) 3g 3g(1.5g) 1.5g 3g(1.5g)

亜鉛 2.64mg

(1.32mg)

0.88mg 1.32mg

(0.66mg)

0.44mg 0.88mg(0.88mg)

カリウム 840mg

(420mg)

280mg 420mg

(210mg)

140mg 280mg(280mg)

カルシウム 204mg

(102mg)

68mg 102mg

(51mg)

34mg 68mg(68mg)

鉄 2.04mg

(1.02mg)

0.68mg 1.02mg

(0.51mg)

0.34mg 0.68mg(0.68mg)

栄養成分 高い旨の表示の基準値

含む旨の表示の基準値 強化された旨の表示の基準値

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

銅 0.27mg

(0.14mg)

0.09mg 0.14mg

(0.07mg)

0.05mg 0.09mg(0.09mg)

マグネシウム 96mg

(48mg)

32mg 48mg(24mg) 16mg 32mg(32mg)

ナイアシン 3.9mg

(1.95mg)

1.3mg 1.95mg

(0.98mg)

0.65mg 1.3mg(1.3mg)

パントテン酸 1.44mg

(0.72mg)

0.48mg 0.72mg

(0.36mg)

0.24mg 0.48mg(0.48mg)

ビオチン 15µg

(7.5µg)

5µg 7.5µg

(3.8µg)

2.5µg 5µg(5µg)

ビタミンA 231µg

(116µg)

77µg 116µg(58µg) 39µg 77µg(77µg)

※括弧内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合の基準値。

※栄養成分の量又は熱量は、当該食品の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他の1単位当たりの量を表示する。この場合において、当該栄養成分の量及び熱量は、食品表示基準別表第九の第一欄の区分に応じ、同表の第三欄に掲げる方法によって得るものとする。

栄養成分の補給(高い旨、含む旨、強化された旨)の表示

食品表示基準(平成27年内閣府令第10号) 別表第十二(第七条関係)

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栄養成分 高い旨の表示の基準値

含む旨の表示の基準値 強化された旨の表示の基準値

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

ビタミンB1 0.36mg

(0.18mg)

0.12mg 0.18mg

(0.09mg)

0.06mg 0.12mg(0.12mg)

ビタミンB2 0.42mg

(0.21mg)

0.14mg 0.21mg

(0.11mg)

0.07mg 0.14mg(0.14mg)

ビタミンB6 0.39mg

(0.20mg)

0.13mg 0.20mg

(0.10mg)

0.07mg 0.13mg(0.13mg)

ビタミンB12 0.72µg

(0.36µg)

0.24µg 0.36µg

(0.18µg)

0.12µg 0.24µg(0.24µg)

ビタミンC 30mg

(15mg)

10mg 15mg

(7.5mg)

5mg 10mg(10mg)

栄養成分の補給(高い旨、含む旨、強化された旨)の表示

栄養成分 高い旨の表示の基準値

含む旨の表示の基準値 強化された旨の表示の基準値

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

100kcal当たり

食品100g当たり

ビタミンD 1.65µg

(0.83µg)

0.55µg 0.83µg

(0.41µg)

0.28µg 0.55µg(0.55µg)

ビタミンE 1.89mg

(0.95mg)

0.63mg 0.95mg

(0.47mg)

0.32mg 0.63mg(0.63mg)

ビタミンK 45µg

(22.5µg)

30µg 22.5µg

(11.3µg)

7.5µg 15µg(15µg)

葉酸 72µg

(36µg)

24µg 36µg(18µg) 12µg 24µg(24µg)

栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨(含まない旨、低い旨、低減された旨)の表示

○含まない旨、低い旨の表示ついては、それぞれ、当該栄養成分が次項の表で定められた基準値に満たない場合に表示することができる。○低減された旨の表示については、他の同種の食品に比べて低減された当該栄養成分の量又は熱量の量がそれぞれ次項の表で定められた基準値以上であって、他の食品に比べて低減された割合が25%以上である場合に表示することができる。また、この場合、以下の事項を表示しなければならない。

• 当該他の同種の食品を特定するために必要な事項• 当該栄養成分の量が当該他の食品に比べて強化された量又は割合

※括弧内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合の基準値。

食品表示基準別表第十二(第七条関係)

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栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨(含まない旨、低い旨、低減された旨)の表示

栄養成分及び熱量 含まない旨の表示の基準値 低い旨の表示の基準値 低減された旨の表示の基準値

食品100g当たり 食品100g当たり 食品100g当たり

熱量 5kcal(5kcal) 40kcal(20kcal) 40kcal(20kcal)

脂質 0.5g(0.5g) 3g(1.5g) 3g(1.5g)

飽和脂肪酸 0.1g(0.1g) 1.5g(0.75g)。ただし、当該食品の熱量

のうち飽和脂肪酸に由来するものが当

該食品の熱量の10パーセント以下であ

るものに限る。

1.5g(0.75g)

コレステロール 5mg(5mg)。ただし、飽和脂肪酸の量

が1.5g(0.75g)未満であって当該食品

の熱量のうち飽和脂肪酸に由来するも

のが当該食品の熱量の10パーセント未

満のものに限る。

20mg(10mg)。ただし、飽和脂肪酸の

量が1.5g(0.75g)以下であって当該食

品の熱量のうち飽和脂肪酸に由来する

ものが当該食品の熱量の10パーセント

以下のものに限る。

20mg(10mg)。ただし、飽和脂肪酸の

量が当該他の食品に比べて低減され

た量が1.5g(0.75g)以上のものに限る。

糖類 0.5g(0.5g) 5g(2.5g) 5g(2.5g)

ナトリウム 5mg(5mg) 120mg(120mg) 120mg(120mg)

※括弧内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合の基準値。

食品表示基準別表第十三(第七条関係)

※栄養成分の量又は熱量は、当該食品の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他の1単位当たりの量を表示する。この場合において、当該栄養成分の量及び熱量は、食品表示基準別表第九の第一欄の区分に応じ、同表の第三欄に掲げる方法によって得るものとする。

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17.栄養機能食品○栄養機能食品とは、食生活において特定の栄養成分(食品表示基準別表第十一において定められたもの)の補給を目的として摂取する者に対し、当該栄養成分の機能の表示をするもの。○栄養機能食品として販売するためには、1日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上・下限値の範囲内にある必要がある。○個別の許可申請を行う必要がない自己認証制度となっている。

【栄養機能食品としての義務表示事項】・栄養機能食品である旨及び当該栄養成分の名称 例:栄養機能食品(○○)

・栄養成分の機能 (別表第十一の第一欄に掲げる栄養成分の量が、それぞれ同表の第二欄に掲げる量以上であるものについて、それぞれ同表の第

三欄に掲げる事項を記載)

・一日当たりの摂取目安量(当該摂取目安量に含まれる別表第十一の第一欄に掲げる栄養成分の量が、それぞれ同表の第四欄に掲げる量を超えるものであってはならない)

・摂取の方法・摂取をする上での注意事項 (別表第十一の第一欄に掲げる栄養成分の区分に応じ、同表の第五欄に掲げる事項を記載)

・バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言 「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」

・消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨 「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたもので

はありません。」

・一日当たりの摂取目安量に含まれる機能に関する表示を行っている栄養成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合・栄養素等表示基準値の対象年齢及び基準熱量に関する文言・調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては、当該注意事項・特定の対象者に対し注意を必要とするものにあっては、当該注意事項

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栄養成分 下限値 栄養成分の機能 上限値 摂取をする上での注意事項

n -3系脂肪酸 0.6g n -3系脂肪酸は、皮膚の健康維持を助ける栄養素です。 2.0g 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

亜鉛 2.64mg 亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。

亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持

に役立つ栄養素です。

15mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。亜鉛の摂り過ぎは、銅の吸収を阻害するおそれ

がありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。一日

の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避け

てください。

カリウム 840mg カリウムは、正常な血圧を保つのに必要な栄養素です。 2800mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

腎機能が低下している方は本品の摂取を避けてください。

カルシウム 204mg カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。 600mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

鉄 2.04mg 鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。 10mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

銅 0.27mg 銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄

養素です。

6.0mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・

小児は本品の摂取を避けてください。

マグネシウム 96mg マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネル

ギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必

要な栄養素です。

300mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。多量に摂取すると軟便(下痢)になることがあ

ります。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品

の摂取を避けてください。

ナイアシン 3.9mg ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 60mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

パントテン酸 1.44mg パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素で

す。

30mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビオチン 15µg ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 500µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

食品表示基準別表第十一(第二条、第七条、第九条、第二三条関係)

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栄養成分 下限値 栄養成分の機能 上限値 摂取をする上での注意事項

ビタミンA 231µg ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

600µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

妊娠三か月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう

注意してください。

ビタミンB1 0.36mg ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や

粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

25mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンB2 0.42mg ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素で

す。

12mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンB6 0.39mg ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギーの産生と皮

膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

10mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンB12 0.72µg ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。 60µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンC 30mg ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、

抗酸化作用を持つ栄養素です。

1000mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンD 1.65µg ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の

形成を助ける栄養素です。

5.0µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンE 1.89mg ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から

守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。

150mg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンK 45µg ビタミンKは、正常な血液凝固能を維持する栄養素です。 150µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

血液凝固阻止薬を服用している方は本品の摂取を避けてください。

葉酸 72µg 葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。

200µg 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するも

のではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取によ

り胎児の発育がよくなるものではありません。

食品表示基準別表第十一(第二条、第七条、第九条、第二三条関係)

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18.食品に関する虚偽・誇大広告の規制①

健康増進法(平成14年法律第103号)(抄)

第31条第1項 何人も、食品として販売に供するものに関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(以下「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

平成25年4月4日規制改革会議第2回健康・医療WG資料を基に作成29

景品表示法(昭和37年法律第134号)(抄)

第4条第1項 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

「健康の保持増進の効果等」とは・・・・疾病の治療又は予防を目的とする効果

・身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果・特定の保健の用途に適する旨の効果・栄養成分の効果・内閣府令で定める事項

〈内閣府令で定める事項〉・含有する食品又は成分の量・特定の食品又は成分を含有する旨の表示・熱量

・人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことに資する効果

「著しく優良であると示す」とは・・・

当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいい、表示上の特定の文章、図表、写真等から一般消費者が受ける印象・認識ではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が判断の基準となる。

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18.食品に関する虚偽・誇大広告の規制②

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医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)(昭和35年法律第145号)(抄)

第68条 何人も、第14条第1項、第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の23第1項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第14条第1項、第19条の2第1項、第23条の2の5第1項、第23条の2の17第1項、第23条の25第1項若しくは第23条の37第1項の承認又は第23条の2の23第1項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

同法上、医薬品は人の疾病の診断、治療又は予防に使用されること、人の身体の構造機能に影響を及ぼすこと等を目的とする物とされており、承認を受けていない医薬品について、効能効果等を表示・広告することは、禁止されている。このため、健康食品(例えばサプリメントなど)に医薬品的な効能効果の表示や広告を行うことはできない。

平成25年4月4日規制改革会議第2回健康・医療WG資料を基に作成

無承認無許可医薬品の指導取締りについて(昭和46年6月1日薬発第476号)(抄)

ただし、次の物は、原則として、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない。

1 野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物2 健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品3 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項の規定に基づき制定された食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第10号の規定に基づき届け出た表示内容を表示する機能性表示食品

上記のものは、原則として、医薬品とはみなされず、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)の対象外。

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19.栄養に関する既存の簡易チェックツール①

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高齢者の栄養評価スケール(最大14ポイントで、食欲不振、体重減少、歩行の状況、ストレス、神経・精神的問題の有無、BMI(BMI が測定できない人はふくらはぎの周囲長で判定)低栄養:0~7ポイント、低栄養のおそれあり:8~11ポイント

MNA-SF(Mini Nutritional Assessment)(ネスレヘルスサイエンスカンパニー)

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「食事バランスガイド」(厚生労働省・農林水産省決定)

毎日の食事を 主食/副菜/主菜/牛乳・乳製品/果物の5 つに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いて表しているもの。食事の適量(どれだけ食べたらよいか)は性別、年齢、身体活動量によって異なる。

19.栄養に関する既存の簡易チェックツール②

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