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3 第 1 章 新市の概況と課題

新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

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第 1 章

新市の概況と課題

Page 2: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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1 構成市町村の位置づけ

(1)地勢・歴史・自然 ① 広域的位置づけと地理的条件

新市は、新潟県の北端に位置し、山形県と境を接しており、村上市、荒川町、神林村、朝日村、山北町の1市2町2村からなっています。

近傍には新発田市があり、また圏域内 70㎞圏内には新潟市及び山形県鶴岡市があり、経済圏の一部として交流もあります。

新市の面積は約 1,174.24㎢で新潟県の総面積(12,583.32㎢)のおよそ 9.3%を占めています。また、50㎞にもおよぶ海岸線を有し、その中核として、特定地域振興重要港湾岩船港が地域産業や観光振興など地域の重要拠点としてその役割を担っています。

主要道路としては、国道7号、国道 113号、国道 290号、国道 345号が新市内を縦横に走っており、これに主要県道や一般県道などが交差しています。また、日本海沿岸東北自動車道の中条~朝日間の整備が着工されているほか、地域高規格道路として新潟山形南部連絡道路が計画され一部事業化されています。なお、日本海沿岸東北自動車道については、朝日~山形県温海間の整備計画が未定となっている現状を早急に打開する必要があります。

また、鉄道網としてはJR羽越本線とJR米坂線があり、現在、新潟~酒田間を結ぶ羽越本線高速化の検討の中で、新潟駅での在来線と新幹線の同一ホーム乗換えが議論されています。

表 1-1-1 新市の面積 単位:k ㎡,%

村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 合 計 県全体

面 積 142.12 36.71 82.18 629.32 283.91 1,174.24 12,583.32

面積比 12.1 3.1 7.0 53.6 24.2 100.0 9.3

資料:「全国市町村要覧」市町村自治研究会編

図 1-1-1 広域的位置

図 1-1-2 市町村別面積構成比

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第1章 新市の概況と課題

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図 1-1-3 広域的交通体系

② 自然条件及び歴史、市町村の変遷等

ア 自然条件 新市は、地質的には沖積平坦地と山間部洪積地で構成されています。平地は飯豊朝

日山系に源を発する荒川・三面川・石川流域に広がっています。集落は河川流域に集中しているほか、朝日山塊が直接日本海に迫る三面川河口以北の海岸線に分布しています。特に、この三本の河川流域は肥沃な水田として新市の農業生産活動の基盤となっています。

気候は日本海型の気象区分に属し、四季の移り変わりがはっきりしているとともに、冬季は、西高東低の冬型の気圧配置が続き、シベリアからの季節風がもたらす雪は、時として日常生活や産業活動に悪影響を与えることもありますが、そうした反面、豊かな水資源となり、生活や産業活動に欠かせない重要な資源となっています。

イ 歴史と市町村の変遷 新市では、今からおよそ2万年前の後期旧石器時代の石器が発見されています。浦

田山古墳群の遺跡から6世紀には朝鮮半島を含む広い地域との文化的交流があったと考えられます。また、磐舟柵等の資料から、古代7世紀半ばには中央政府の支配下にあったとされています。その後、9世紀には仏教がこの地域に浸透し、12世紀には鎌倉時代の有力な武士が幕府官吏として移住し、その影響を強く受けました。戦国時代には本庄氏、色部氏、上杉氏等の支配の影響を受けましたが、江戸時代に入るとめまぐるしく支配者が変わりました。

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第1章 新市の概況と課題

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その後、明治4年の廃藩置県、明治 22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和 30年前後の合併によって成立しました。

表 1-1-2 市町村の変遷 村上市 S29.3.31 合併・市制施行(村上町、岩船町、瀬波町、山辺里村、上海府村)

荒川町 S29.12.1 合併・町制施行(保内村、金屋村)

神林村 S30.1.10 合併・村制施行(平林村、神納村、西神納村)

朝日村 S29.10.1 合併・村制施行(舘腰村、三面村、高根村、猿沢村、塩野町村)

山北町 S30.3.31 合併・村制施行(下海府村、中俣村、大川谷村、八幡村、黒川俣村)

S40.11 町制施行

③ 社会情勢の変化 我が国では、モータリゼーションの定着や情報通信技術の進展、多彩なメディア情

報により個人意識や生活様式(いわゆるライフスタイル)などが急速に変化しています。また、環境問題や経済活動のグローバル化、人口構造の少子・高齢化現象など様々な形で社会構造に変化が見られます。特に、経済面においては、消費者ニーズの多様化、地域間競争の激化、近年のデフレ傾向と価格破壊によるし烈な競争時代に入っています。

農業や水産業、家族経営型の小規模商工業などは、高齢化と後継者不足が心配されており、林業にあっては価格の低迷に加え、外国産材の影響が脅威となっています。

また、中心市街地では、消費者ニーズへの対応の遅れや高齢化などにより郊外のショッピングセンターなどに顧客を奪われ空洞化が進行していますが、最近では、村上市内で独自の取組みとして町屋や伝統行事などをモチーフにした各種のイベントなどが好評を得ており、新たな観光資源として期待がもたれています。

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第1章 新市の概況と課題

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(2)土地利用の状況 新市の土地利用状況は、その他(77,688ha)を除くと山林(27,103ha)が最も多く、次

いで田(7,022ha)、畑(1,835ha)の順となっています。 広大な新市面積のうち山林をはじめとした自然的土地利用の占める割合が高くなって

おり、これら自然環境の保護と同時に森林資源の有効活用により、新しい都市のあり方を考えていくことが重要となっています。 また、農作物は「岩船産コシヒカリ」に代表されるように自然の恵みを受け、独自のブ

ランド形成に至っています。しかし、農地については農業従事者の高齢化と後継者問題から離農者が増加してきており、米生産調整田での畑作物栽培等の対応が必要なことなどと併せ、小規模個別農家では農地保全が困難となっています。今後は、農地利用集積の推進や集落営農等組織化の推進などにより、担い手を確保・育成し、農地の保全に努める必要があります。 新市の宅地の比率は低い状況となっていますが、今後、都市計画の見直しなどにより、

土地の有効利活用と良好な市街地誘導を図る必要があります。

表 1-1-3 土地利用の状況 (平成 18 年 1 月 1 日現在) 単位:ha

田 畑 宅地 山林 原野 雑種地 その他 合 計

村上市 933 413 600 4,054 220 163 7,829 14,212

荒川町 1,324 127 290 203 87 609 1,031 3,671

神林村 2,001 241 265 3,364 82 77 2,188 8,218

朝日村 2,107 885 298 7,645 407 110 51,480 62,932

山北町 657 169 155 11,837 209 204 15,160 28,391

合 計 7,022 1,835 1,608 27,103 1,005 1,163 77,688 117,424

※「その他」には、国有林、海浜、湖沼、河川等が入っています。 資料:固定資産概要調書

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2 人口と世帯の動向

(1)人口の推移 2005 年(平成 17 年)の国勢調査による構成市町村の人口は 70,705 人で 1985 年(昭和

60 年)から 20 年間で約 11%の減少率となっています。特に、山北町では減少率が約 23%と高い状態にあり、荒川町でも近年は、微減傾向に転じています。

表 1-2-1 人口の推移 単位:人

1985 年

(S60)

1990 年

(H2)

1995 年

(H7)

2000 年

(H12)

2005 年

(H17)

H17/S60

増減率

村上市 33,325 32,171 31,938 31,758 30,685 -7.9%

荒川町 11,418 11,353 11,596 11,555 11,105 -2.7%

神林村 11,629 11,277 10,989 10,625 10,135 -12.8%

朝日村 13,578 13,014 12,837 12,125 11,489 -15.4%

山北町 9,416 8,696 8,231 7,839 7,291 -22.6%

合 計 79,366 76,511 75,591 73,902 70,705 -10.9%

資料:国勢調査

(2)世帯数の推移 2005 年(平成 17 年)の国勢調査による本圏域の世帯数は 22,321 世帯で 1985 年(昭和

60 年)から 20 年間でおよそ8%の増加となっています。一方、1世帯平均では 3.2 人と20 年前よりおよそ 0.6 人減っています。人口が減少してきている一方で、世帯数が増えており、核家族化の傾向が顕著になっています。

表 1-2-2 世帯数の推移 単位:世帯

1985 年

(S60)

1990 年

(H2)

1995 年

(H7)

2000 年

(H12)

2005 年

(H17)

H17/S60

増減率

村上市 9,645 9,786 10,192 10,768 10,774 11.7%

荒川町 2,847 2,947 3,138 3,311 3,454 21.3%

神林村 2,543 2,518 2,531 2,638 2,644 4.0%

朝日村 3,072 3,064 3,223 3,080 3,029 -1.4%

山北町 2,632 2,570 2,528 2,503 2,420 -8.1%

合 計 20,739 20,885 21,612 22,300 22,321 7.6%

資料:国勢調査

図 1-2-1 人口・世帯数の推移

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第1章 新市の概況と課題

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(3)人口推計 2000 年(平成 12 年)及び 2005 年(平成 17 年)の国勢調査結果をもとに、年齢別5歳

階級ごとの人口の動向を踏まえ、今後の本圏域の将来人口を予測した結果は以下のとおりです。2025 年(平成 37 年)までに、今後人口の社会移動がないとした場合の人口減少率は約 26%となります。年齢3区分別にみると、圏域全体では、年少人口(15 歳未満)及び生産年齢人口(15~65 歳)が減少し、高齢者人口(65 歳以上)が増える結果となっています。

表 1-2-3 人口の推計 単位:人

2000(H12) 2005(H17) 2010(H22) 2015(H27) 2020(H32) 2025(H37) H17/H37

増減率

村上市 31,758 30,685 29,156 27,423 25,473 23,460 -23.5

荒川町 11,555 11,105 10,568 9,991 9,361 8,687 -21.8

神林村 10,625 10,135 9,525 8,898 8,226 7,543 -25.6

朝日村 12,125 11,489 10,679 9,849 8,975 8,119 -29.3

山北町 7,839 7,291 6,604 5,927 5,248 4,587 -37.1

合 計 73,902 70,705 66,532 62,088 57,283 52,396 -25.9

※ 2005 年(平成 17 年)の国勢調査に基づく人口推計が発表されていないため、2010 年(H22)以降のデータ

はコーホート要因法により推計しました。

表 1-2-4 年齢別人口の推計

2000

(H12)

2005

(H17)

2010

(H22)

2015

(H27)

2020

(H32)

2025

(H37)

村 15 歳未満 4,615 4,279 3,773 3,246 2,824 2,464

上 15 歳以上

65 歳未満 19,643 18,134 16,742 14,973 13,476 12,387

市 65 歳以上 7,469 8,252 8,641 9,204 9,173 8,609

荒 15 歳未満 1,770 1,527 1,361 1,167 1,073 965

川 15 歳以上

65 歳未満 7,168 6,700 6,307 5,654 4,892 4,357

町 65 歳以上 2,617 2,824 2,900 3,170 3,396 3,365

神 15 歳未満 1,552 1,311 1,154 1,021 922 809

林 15 歳以上

65 歳未満 6,236 5,873 5,518 4,919 4,321 3,868

村 65 歳以上 2,837 2,951 2,853 2,958 2,983 2,866

朝 15 歳未満 1,805 1,521 1,271 1,089 964 841

日 15 歳以上

65 歳未満 6,888 6,350 5,898 5,194 4,512 3,944

村 65 歳以上 3,432 3,618 3,510 3,566 3,499 3,334

山 15 歳未満 1,032 813 619 502 422 363

北 15 歳以上

65 歳未満 4,169 3,678 3,262 2,745 2,242 1,894

町 65 歳以上 2,638 2,800 2,723 2,680 2,584 2,330

合 15 歳未満 10,774 9,451 8,178 7,025 6,205 5,442

15 歳以上

65 歳未満 44,104 40,735 37,727 33,485 29,443 26,450

計 65 歳以上 18,993 20,445 20,627 21,578 21,635 20,504

※2005 年(平成 17 年)までは、国勢調査確定値(年齢不詳は含まない) 図 1-2-2 市町村別年齢 3区分別

人口の推計

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第1章 新市の概況と課題

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3 産業の状況 2005 年(平成 17 年)における新市の就業者の産業別割合は、第1次産業が 10.9%、第

2次産業が 32.7%、第3次産業が 56.4%であり、就業者の半数以上を第3次産業が占めています。 また、第1次・第2次産業の割合は年々減少していますが、新潟県平均をやや上回る値

で推移してきている状況です。

表 1-3-1 産業別就業者数 (平成 17 年 10 月 1 日現在) 単位:人,%

第1次 構成比 第2次 構成比 第3次 構成比 合 計 構成比

村上市 774 5.4 4,049 28.1 9,573 66.5 14,396 100.0

荒川町 558 9.8 2,151 37.8 2,985 52.4 5,694 100.0

神林村 707 14.4 1,794 36.4 2,423 49.2 4,924 100.0

朝日村 1,070 19.1 1,903 33.9 2,642 47.0 5,615 100.0

山北町 591 17.2 1,230 35.9 1,606 46.9 3,427 100.0

合 計 3,700 10.9 11,127 32.7 19,229 56.4 34,056 100.0

新潟県 7.6 31.3 61.1 100.0

資料:国勢調査

図 1-3-1 市町村別産業就業数

(1)農林漁業について 新市の第1次産業は、稲作・畜産を中心に、農業、林業、漁業により構成されています。 農業に関しては、三面川・石川・荒川流域の稲作を中心に、野菜の生産や畜産が行われ

ていますが、特に、「岩船産コシヒカリ」、「村上牛」などのブランド名を有し、市場の評価は高くなっています。 林業に関しては、スギとヒノキのほか、特用林産物としてエノキタケ、シイタケ等の生

産も盛んに行われており、特に、木材加工部門においては、下越地区の要としての木材コンビナートが建設され、地域産材需要増への期待が高まっています。 漁業に関しては、寝屋漁港等の近海物を中心に 2004 年(平成 16 年)の漁獲量は 3,714 ト

ンとなっております。今後、日本海沿岸東北自動車道の延伸により東京築地市場への直送時間の短縮が図られることから、需要増への期待が寄せられています。 また、内水面漁業では、三面川に代表される鮭の利用・販路拡大により、地域特産品と

しての需要増が期待されています。

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第1章 新市の概況と課題

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表 1-3-2 総農家数の推移

単位:戸,%

1995(H7) 構成比 2000(H12) 構成比 2005(H17) 構成比

村上市 945 16.2 843 16.2 817 16.6

荒川町 849 14.6 766 14.7 709 14.4

神林村 1,236 21.2 1,110 21.4 1,058 21.5

朝日村 1,826 31.4 1,595 30.7 1,553 31.6

山北町 964 16.6 881 17.0 783 15.9

合 計 5,820 100.0 5,195 100.0 4,920 100.0

資料:2005 年世界農林センサス

表 1-3-3 農業産出額の推移 単位:千万円,%

1995

(H7)構成比

2000

(H12) 構成比

2005

(H17)構成比

村上市 301 15.7 276 16.0 408 19.5

荒川町 309 16.2 278 16.1 238 11.3

神林村 483 25.2 404 23.4 389 18.5

朝日村 734 38.3 691 40.1 1,002 47.8

山北町 87 4.6 75 4.4 60 2.9

合 計 1,914 100.0 1,724 100.0 2,097 100.0

資料:2005 年農林水産統計

表 1-3-4 林家の状況

林家総数(戸) 保有山林面積(ha)

村上市 426 2,438

荒川町 35 144

神林村 166 834

朝日村 571 2,635

山北町 846 7,927

合 計 2,044 13,978

資料:2005 年世界農林センサス

表 1-3-5 海面漁業の状況

経営体総数(体) 漁業就業者数(人) 漁獲金額(万円)

1993(H 5 年) 393 571 565

1998(H10 年) 416 647 553

2005(H17 年) 214 576 791

※漁獲金額は、1 経営体当たりのものです。 資料:第 9 次・第 10 次・第 11 次漁業センサス

表 1-3-6 市町村別海面漁獲量

単位:t

村上市 神林村 山北町 計

漁獲高 1,357 20 2,337 3,714

資料:平成 16 年海面漁業生産統計

※ 内水面漁業については、資料データが公表されていません。

図 1-3-2 市町村別農業産出額の推移

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第1章 新市の概況と課題

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(2)工業について 2005 年の統計によると、新市の工業事業所数は 291 事業所で、新潟県に占める割合は

2.2%、従業者数では 4,786 人で新潟県に占める割合は 2.2%といずれも低い数値を示しています。また製造出荷額等のシェアはさらに 1.5%と低く、経営規模が比較的小さいことが特徴です。

表 1-3-7 工業事業所数・工業従事者数の推移 単位:事業所,% 単位:人,%

工業事業所数 工業従事者数

1995

(H7) 構成比

2000

(H12) 構成比

2005

(H17)構成比

1995

(H7)構成比

2000

(H12)構成比

2005

(H17) 構成比

村上市 204 49.0 181 48.4 129 44.3 3,982 51.1 3,053 51.7 2,324 48.6

荒川町 59 14.2 55 14.7 42 14.4 1,311 16.8 1,120 18.9 1,010 21.1

神林村 51 12.3 41 11.0 36 12.4 970 12.5 572 9.7 505 10.6

朝日村 49 11.8 45 12.0 39 13.4 730 9.4 536 9.1 390 8.1

山北町 53 12.7 52 13.9 45 15.5 795 10.2 629 10.6 557 11.6

合 計 416 100.0 374 100.0 291 100.0 7,788 100.0 5,910 100.0 4,786 100.0

新潟県 18,262 2.3 16,089 2.3 13,071 2.2 272,359 2.9 241,969 2.4 213,170 2.2

資料:工業統計調査、新潟県の工業 2005 年(速報値)

表 1-3-8 製造品出荷額等の推移

単位:百万円,%

1995(H7) 構成比 2000(H12) 構成比 2005(H17) 構成比

村上市 60,543 62.0 49,953 58.6 29,792 43.5

荒川町 17,563 18.0 18,661 21.9 22,894 33.5

神林村 7,754 7.9 5,745 6.7 6,394 9.3

朝日村 6,515 6.7 5,476 6.4 3,796 5.6

山北町 5,314 5.4 5,458 6.4 5,539 8.1

合 計 97,689 100.0 85,293 100.0 68,415 100.0

新潟県 4,954,246 2.0 4,739,003 1.8 4,689,282 1.5

資料:工業統計調査、新潟県の工業 2005 年(速報値)

図 1-3-3 市町村別製造出荷額等の推移

Page 11: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

13

(3)商業について 2004 年(平成 16 年)における新市の商店数は 1,173 店で、新潟県に占める割合は 3.2%

となっています。また、商業従事者数は 5,609 人(対県 2.5%)、商品年間販売額は 959 億円(対県 1.3%)となっています。 新潟県全体と比べて「販売額の比率」が小さい割には「商店数の比率」が大きいことか

ら、経営規模の小さい既存商店が多い状況がうかがえます。 なお、新市においては、小売業全体の売場面積が減少傾向にあります。

表 1-3-9 商店数・商業従事者数の推移

単位:件,% 単位:人,%

商 店 数 商 業 従 事 者 数

2002

(H14)構成比

2004

(H16)構成比 増減率

2002

(H14)構成比

2004

(H16) 構成比 増減率

村上市 630 52.3 615 52.4 -2.4 3,557 61.1 3,461 61.7 -2.7

荒川町 177 14.7 178 15.2 0.6 830 14.3 802 14.3 -3.4

神林村 133 11.1 124 10.6 -6.8 579 9.9 528 9.4 -8.8

朝日村 93 7.7 89 7.6 -4.3 345 5.9 315 5.6 -8.7

山北町 171 14.2 167 14.2 -2.3 513 8.8 503 9.0 -1.9

合 計 1,204 100.0 1,173 100.0 -2.6 5,824 100.0 5,609 100.0 -3.7

新潟県 38,109 3.2 36,512 3.2 -4.2 229,471 2.5 223,858 2.5 -2.4

資料:2004 年商業統計調査 資料:事業所・企業統計調査

表 1-3-10 商品販売額の推移

単位:億円、%

2002

(H14) 構成比

2004

(H16) 構成比 増減率

村上市 669.91 64.4 605.46 63.1 -9.6

荒川町 129.03 12.4 142.77 14.9 10.6

神林村 119.08 11.5 95.68 10.0 -19.7

朝日村 55.87 5.4 51.00 5.3 -8.7

山北町 65.42 6.3 64.94 6.7 -0.7

合 計 1,039.31 100.0 959.85 100.0 -7.6

新潟県 73,306.19 1.4 72,152.14 1.3 -1.6

資料:事業所・企業統計調査

表 1-3-11 市町村別小売業売場面積

単位:㎡,%

平成 14 年度 平成 16 年度 増減率

村上市 70,138 67,531 -3.7

荒川町 17,089 17,350 1.5

神林村 7,739 7,018 -9.3

朝日村 3,531 3,277 -7.2

山北町 6,072 5,922 -2.5

合 計 104,569 101,098 -3.3

資料:商業統計調査(平成 16 年度)

図 1-3-4 市町村別商業販売額の推移

Page 12: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

14

(4)観光について 2005 年(平成 17 年)における新市の観光入込客数は 240 万人で新潟県に占める割合は

3.5%となっています。 この3年間の推移を見ると、観光入込客数は年度間でバラツキが見受けられます。しか

しながら、県全体に占める割合は横ばい状態です。

表 1-3-12 観光入込客数の推移 単位:人,%

2003(H15) 構成比 2004(H16) 構成比 2005(H17) 構成比

村上市 1,571,300 59.4 1,323,690 56.7 1,402,970 58.3

荒川町 50,570 1.9 48,010 2.1 53,020 2.2

神林村 55,980 2.1 58,120 2.5 63,000 2.6

朝日村 491,480 18.6 441,270 18.9 464,380 19.3

山北町 477,180 18.0 462,740 19.8 424,580 17.6

合 計 2,646,510 100.0 2,333,830 100.0 2,407,950 100.0

新潟県 73,567,070 3.6 66,700,100 3.5 68,918,560 3.5

資料:新潟県観光動態の概要

図 1-3-5 市町村別観光入込客数の推移

Page 13: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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4 日常生活圏の状況

(1)通勤通学流動等 就業者の勤務地を見ると、村上市、山北町を除く3町村では、新市の他地域に通勤する

人の割合が高くなっています。また、相対的に新市北部は村上市に、新市南部の荒川町等は県内他地域に通勤する人が多くなっているのが特徴です。 一方、通学者に関しては、いずれも自分の居住する市町村内への通学が最も多い状態に

あります。また、新発田市、胎内市をはじめ新市外へは約 12%の人が通学している状況です。

表 1-4-1 通勤の状況

単位:人,(%)

常住地

就業者数 自市町村 村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 県内他 県 外

14,409 10,749 ☆ 508 921 481 108 1,535 107村上市

(74.6) ☆ (3.5) (6.4) (3.3) (0.8) (10.7) (0.7)

5,705 2,889 643 ☆ 250 49 11 1,801 62荒川町

(50.6) (11.3) ☆ (4.4) (0.9) (0.2) (31.5) (1.1)

4,932 2,293 1,175 367 ☆ 74 0 1,003 20神林村

(46.5) (23.8) (7.5) ☆ (1.5) (-) (20.3) (0.4)

5,625 2,813 1,899 150 315 ☆ 90 357 1朝日村

(50.0) (33.8) (2.7) (5.6) ☆ (1.6) (6.3) (0.0)

3,415 2,758 317 23 34 49 ☆ 102 132山北町

(80.8) (9.3) (0.7) (1.0) (1.4) ☆ (3.0) (3.8)

34,086 21,502 4,034 1,048 1,520 653 209 4,798 322合 計

(63.1) (11.8) (3.1) (4.5) (1.9) (0.6) (14.1) (0.9)

資料:2005 年国勢調査

表 1-4-2 通学の状況

単位:人,(%)

常住地

通学者数 自市町村 村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 県内他 県 外

4,032 3,537 ☆ 95 0 4 6 388 2村上市

(87.7) ☆ (2.4) (-) (0.1) (0.1) (9.6) (0.1)

1,387 1,014 130 ☆ 0 0 0 243 0荒川町

(73.1) (9.4) ☆ (-) (-) (-) (17.5) (-)

1,306 840 253 21 ☆ 0 0 191 1神林村

(64.3) (19.4) (1.6) ☆ (-) (-) (14.6) (0.1)

1,477 1,000 271 54 1 ☆ 3 148 0朝日村

(67.7) (18.3) (3.7) (0.1) ☆ (0.2) (10.0) (-)

773 547 155 10 0 0 ☆ 38 23山北町

(70.7) (20.1) (1.3) (-) (-) ☆ (4.9) (3.0)

8,975 6,938 809 180 1 4 9 1,008 26合 計

(77.3) (9.0) (2.0) (0.0) (0.1) (0.1) (11.2) (0.3)

資料:2005 年国勢調査

Page 14: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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5 公共施設等の整備状況

(1)学校等の整備状況 新市の学校・幼稚園の整備状況は、2006 年(平成 18 年)5月1日現在、幼稚園が私立

のみ 4園(村上市 3園、荒川町 1園)、小学校 21 校、中学校 8校となっています。 今後、教育水準向上と少子化に対応した小学校の統合整備が課題となっており、住民の

理解のもと課題解決を図っていく必要があります。 また、校舎や体育館などの施設についても老朽化や耐震化に対応して年次計画的に施設

の改修を進めるとともに、生活行動範囲の拡大も踏まえ、通学区域の見直しについても視野に入れていく必要があります。

表 1-5-1 小学校等の状況

(2006 年 5 月 1 日現在)

小 学 校 中 学 校

学校数 学級数 児童数(人) 学校数 学級数 児童数(人)

村上市 7 76 1,878 3 31 827

荒川町 2 25 676 1 11 341

神林村 5 33 595 2 14 326

朝日村 5 33 647 1 10 326

山北町 2 37 419 1 8 230

合 計 21 204 4,215 8 74 2,050

資料:学校基本調査より

(2)医療体制について 村上地域(旧二次圏域)では、病院が7ヵ所、医科診療所が 39 ヵ所、歯科診療所が 38

ヵ所開設されています。また、新潟県地域医療計画により三次救急医療体制の整備として、県立新発田病院に救命救急センターが開設され村上・新発田圏域においては、一次、二次、三次の救急体制が整備されました。しかし、当地域においては、一次・二次救急医療に対応できる体制(施設、設備を含む)の弱体化及び整形外科医や産婦人科医をはじめとする医師不足等の諸問題が山積しています。 これらの、急務となった諸問題を解決に向け話し合うため、医師会と行政機関等が一緒

になって「村上・岩船地域医療懇談会」を立ち上げ、急速に進行している高齢化社会への対応も合わせ、その解決に向けての検討を進めております。

表 1-5-2 医療施設等の状況(診療所) (2007 年 4 月 1 日現在)

市町村名 診療所(医科) 診療所(歯科) 備考

村上市 23 18

荒川町 4 7

神林村 2 2

朝日村 3 4

山北町 3 4

※関川村 3 2

※粟島浦村 1 1

合計 39 38

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第1章 新市の概況と課題

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表 1-5-3 医療施設等の状況(病院) (2007 年 4 月 1 日現在)

許可病床 病 院 名 所在地

一般 療養 精神 合計

瀬波病院 村上市 92 92

県立坂町病院 荒川町 150 150

村上総合病院 村上市 263 263

村上はまなす病院 村上市 222 222

山北会肴町病院 村上市 105 105

村上記念病院 村上市 120 120

山北徳州会病院 山北町 53 50 103

合 計 558 275 222 1,055

(3)福祉施設について 新市の児童福祉施設は、保育園 23 箇所、児童館 3箇所などとなっています。少子化の

進行に伴い、新市の保育園においては定員割れなどの影響もみられ、今後、定員見直しや統合に向けた取組みが必要となっています。 一方では、共働きなどの就業事情や核家族化の進行に対応した早朝保育や延長保育等、

時代を反映した特別保育内容の充実が求められています。 さらに、一部の施設では建物の老朽化に伴って早期改築を求める声がありますが、施設

の再編統合などの課題もあり、今後総合的な子育て支援策を講じる必要があります。 また、高齢化の進行により養護老人ホームや高齢者生活福祉センター(支援ハウス)な

どの高齢者福祉施設の充実を図るとともに、グループホーム等の障害者福祉に対する支援強化策が求められています。

表 1-5-4 保育園・児童館の状況 単位:箇所

保育園(公立) 児童館(公立)

村上市 7 3 荒川町 4 神林村 5 朝日村 5 山北町 2 合 計 23 3

資料:市町村調べ(平成 19 年 4 月 1 日現在)

表 1-5-5 老人福祉・障害者福祉施設の状況 単位:箇所

村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 合 計

養護老人ホーム 1 1

特別養護老人ホーム 1 1 1 1 1 5

老人保健施設 1 1 1 3

デイサービスセンター 9 3 3 3 1 19

在宅介護支援センター 2 1 2 1 1 7

高齢者生活福祉センター 1 1

老人憩いの家 1 1

身障者療護施設 1 1

身障者デイサービスセンター 1 1

知的障害者更生施設 1 1 2

知的障害者授産施設 1 1 2

グループホーム 1 1

地域包括支援センター 1 1 1 1 1 5

資料:市町村調べ(平成 18 年 3 月末)

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第1章 新市の概況と課題

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6 行財政の状況

(1)行政体制の状況 ① 議会議員数

構成市町村の議会議員の状況は次のとおりです。

表 1-6-1 構成市町村の議会議員の状況 (平成 19 年 4 月現在)

議員数 (人) 報 酬 (円/月)

法定数 条例数 現 数 議 長 副 議 長 議 員

村上市 26 18 18 359,800 295,800 273,500

荒川町 22 18 18 291,000 212,000 194,000

神林村 22 18 18 292,000 216,000 197,000

朝日村 22 18 15 280,000 207,000 188,000

山北町 18 14 14 255,000 182,000 168,000

合 計 110 86 83 - - -

資料:市町村調べ

② 常勤特別職と一般職員数等 構成市町村の常勤特別職及び一般職の状況は次のとおりです。村上市、荒川町、神

林村では副市町村長を置き、朝日村及び山北町では副町村長は置かずに空席となっています。また、収入役の設置は、村上市のみです。なお、今後、合併による事務処理のスケールメリットを最大限享受できるよう、職員の定数管理を適正に進めることが必要となります。

表 1-6-2 常勤特別職及び一般職の状況 単位:人

村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 岩船広域 合計

常勤特別職 4 3 3 2 2 - 14

一般職 290 115 120 181 122 186 1,014

※常勤特別職とは、市町村長・副市町村長・収入役・教育長のことをいいます。 資料:市町村調べ

③ 行政組織 構成市町村及び岩船地域広域事務組合の行政組織(市町村長部局のみ・広域は事務

局のみ)は次のとおりです。

表 1-6-3 構成市町村の行政組織(市町村長部局のみ) (平成 19 年 4 月 1 日現在)

村上市 荒川町 神林村 朝日村 山北町 岩船広域

12 課 7 室 30 係

2 連絡所 6 課 16 係 8 課 24 係 8 課 1 室 24 係 5 課 1室 17 係 2 課 3施設 6係

資料:市町村調べ

(2)財政の状況等 ① 財政の構造

ア 歳入の状況と推移 2005年度(平成 17年度)決算における新市の歳入合計は約 320億円で、主な歳入

のうち、地方税が 68億円(21.3%)、地方交付税が 120億円(37.7%)、地方債が 41

億円(12.9%)となっており、地方交付税に依存する財源構造となっています。

国、地方とも厳しい財政事情を抱え、補助金や交付税制度の大幅な見直しが予想されている中で、自主財源の確保を図る必要があります。

Page 17: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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表 1-6-4 歳入決算の状況(普通会計) 単位:千円,%

平成 16 年度 平成 17 年度 比 較 増 減 率

地方税 6,799,724 6,818,944 19,220 0.3

地方譲与税等 1,797,059 1,907,723 110,664 6.2

地方交付税 11,899,564 12,032,650 133,086 1.1

使用料等 1,490,791 1,529,106 38,315 2.6

国庫支出金 1,209,452 1,283,826 74,374 6.1

県支出金 1,558,015 1,655,212 97,197 6.2

財産収入 305,307 193,767 -111,540 -36.5

繰入金 619,763 675,065 55,302 8.9

繰越金 827,413 671,429 -155,984 -18.9

諸収入等 1,057,078 1,056,580 -498 -0.1

地方債 3,956,200 4,130,400 174,200 4.4

歳 入 合 計 31,520,366 31,954,702 434,336 1.4

※合併関係市町村と岩船地域広域事務組合との負担金等の重複部分を控除している。 資料:地方財政状況調査

イ 歳出の状況と推移 2005年(平成17年度)における新市の歳出合計は313億円で、人件費81億円(25.8%)、

公債費 49億円(15.7%)、投資的経費 51億円(16.4%)が主な内容となっています。 また、繰出金も年々上昇の傾向にあり、義務的経費の抑制とあわせ、人件費の抑制

等合併のスケールメリットを最大限生かし、財政の健全化を図る必要があります。

表 1-6-5 歳出決算の状況(普通会計) 単位:千円,%

平成 16 年度 平成 17 年度 比 較 増 減 率

人件費 8,040,529 8,077,996 37,467 0.5

扶助費 1,710,850 1,783,962 73,112 4.3

公債費 5,236,325 4,909,735 -326,590 -6.2

物件費 4,276,632 4,113,841 -162,791 -3.8

維持補修費 728,097 869,413 141,316 19.4

補助費等 1,417,774 1,352,089 -65,685 -4.6

積立金 690,318 412,577 -277,741 -40.2

投資・出資・貸付金 794,477 765,561 -28,916 -3.6

繰出金 3,737,523 3,890,696 153,173 4.1

投資的経費 4,216,413 5,116,853 900,440 21.4

歳 出 合 計 30,848,938 31,292,723 443,785 1.4

※合併関係市町村と岩船地域広域事務組合との負担金等の重複部分を控除している。 資料:地方財政状況調査

図 1-6-1 平成 17年度歳入歳出の内訳

Page 18: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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7 新市づくりのための主要課題 新市は、海・山・川といった多彩な自然と歴史や文化等に育まれた人情味あふれる地域

として形成発展してきました。 また、日本海沿岸東北自動車道も新潟空港インターチェンジから中条インターチェンジ

までが平成 14 年 10 月 20 日に開通し、その先の荒川インターチェンジまでの間についても平成 21 年度開通を目指し工事が進められています。荒川~朝日間については、新直轄方式により整備を行なっておりますが、朝日~山北間は未だ具体化が示されていません。また、地域高規格道路新潟山形南部連絡道路の整備も一部着工され、今後は,新潟市はもとより東北圏、首都圏、関西圏との経済活動や観光面でのより強いつながりが期待されます。 こうした中、21 世紀初頭における村上岩船地域5市町村合併に伴う新市づくりにあたっ

ては、新市を取り巻く社会経済情勢の変化や国・県の計画、関連計画、新市の現状と特性、市町村合併に関する住民説明会やはがきなどによる要望意見等を踏まえると次のような主要課題が抽出されます。今後これらの課題解決のため、適切かつ効果的な施策・事業による対応が必要となります。

NO. 主 要 課 題

(1)

きめ細やかな保健・医療・福祉サービスの提供 住民の生活環境における快適性や利便性を十分考慮しつつ、保健・医療・福祉の総合的

かつ一体的な連携を図り、子どもから高齢者まで地域格差のないきめ細やかなサービスを提供する新市づくりを展開する必要があります。

(2)

健康で安全な地域社会の実現 リサイクルに配慮した人と環境にやさしい健康都市の実現に努めるとともに、自然エネ

ルギーの利活用などを促進し、防災、防犯、交通安全等の対策、措置を講じた安全社会の実現に向けた新市づくりを展開する必要があります。

(3) 豊かな自然と地域資源の有効活用

豊かな自然(山、海、川等)や地域資源(文化・歴史、人、特産品、祭り、温泉等)の保全と創出を図り、これらを活用した彩りのある新市づくりを展開する必要があります。

(4) 新たな産業の創造と雇用の場の創出

新たな時代の潮流に適合する産業の創造と若者や意欲ある高齢者等の雇用の場が創出される新市づくりを展開する必要があります。

(5)

地域資源を活かした第1次産業の振興 多彩な地域資源を十分活用しつつ、第1次産業(農業・林業・水産業)の 1.5 次産業化

やより一層の高付加価値化を図るとともに、後継者の育成にも配慮した新市づくりを展開する必要があります。

(6)

交流人口の拡大や起業支援などによる産業の活性化 本圏域の基幹産業である農業に加え林業や水産業、あるいは商業においても観光サービ

ス化に努め、新たな観光客を誘客し交流人口の増進による産業の活性化を図る新市づくりを展開する必要があります。 また、伝統地場産業などの継承とあわせ、雇用機会の創設と確保を図るには工業の振興

策は欠かせない重要課題であり、新規起業家の支援など新たな分野での取組みが必要です

Page 19: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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NO. 主 要 課 題

(7)

過疎化が進む中山間地と中心市街地の空洞化への対応 他の圏域では見られない地域性とアイデンティティ(独自性)の創出を図り、中山間地

域の過疎化進行や中心市街地の空洞化問題等に対応する新市づくりを展開する必要があります。

(8) 生涯学習機会の拡大と創造性あふれる人材の育成

社会的ニーズや住民ニーズに応える生涯学習社会の構築に努めるとともに、時代の流れに対応できる創造性あふれる人材の育成を図る新市づくりを展開する必要があります。

(9)

地域文化の振興とスポーツ・レクリエーション活動の支援 圏域の歴史と風土に根ざした地域文化の振興を促進するとともに、住民の健康増進のた

めのスポーツ・レクリエーション活動支援や施設整備のネットワーク化等がなされた新市づくりを展開する必要があります。

(10)

長期的・広域的視点に基づく適正な土地利用の計画 日本海沿岸東北自動車道や新潟山形南部連絡道路等の開通による大きな地域構造の変

化を踏まえ、長期的・広域的視点に基づいた適正な土地利用計画による新市づくりを展開する必要があります。

(11)

地域連携を促進し、生活利便性を高める交通ネットワークの形成 地域間の連携や交流を促す道路・交通網の整備やネットワーク化を促進するとともに、

住民の生活利便性の向上を図るため、生活道路の整備やバス路線等の充実による新市づくりを展開する必要があります。

(12)

高度情報化の推進と行政情報の公開・提供 高度情報通信基盤の整備と地域情報化の推進を基本として、教育、医療・福祉、行政等

の各公共分野において高度情報化を導入推進するとともに、住民や観光客等に対し、より的確なニーズに即した地域行政情報の公開・提供が図られた新市づくりを展開する必要があります。

(13)

住民参加による心がかよう地域社会の形成 都市づくりの様々な分野において、開かれた住民参加型システムを取り入れるととも

に、ボランティアやNPO(特定非営利活動団体)との連携や共働が図られた、心がかよい合う新市づくりを展開する必要があります。

(14) 行財政運営の効率化とサービスの高度化

多様化する行政需要に対応し、住民生活のより一層の向上を図るため、行財政運営の効率化及び行政サービスの高度化に努めた新市づくりを展開する必要があります。

こうした主要課題の中には、市町村合併が行われることによる多くの住民の夢や希望、

思いやこだわりなどが込められています。 また、本圏域において、四季折々の彩りを見せる山、時には荒々しく波の花が舞い上が

る海、魚やトンボ、ホタルなどが生息する川や湖沼など、豊かで多彩な自然・景観が、いつまでも保全され後世に引き継がれるような新市づくりが必要です。 このような主要課題を解決し、住民が地域格差のない均等なサービスを享受できるため

には、行政のみならず、住民、企業等の参画・協働による“パートナーシップ”の新市づくりが不可欠になります。 厳しい財政事情の中ではありますが、合併によるスケールメリットを最大限に生かし、

集中と選択により住民の負託に応えていく必要があります。

Page 20: 新市の概況と課題第1章 新市の概況と課題 6 その後、明治4年の廃藩置県、明治22年市町村制施行により現在の基本的枠組みが 成立し、関係市町村の1市2町2村は昭和30年前後の合併によって成立しました。

第1章 新市の概況と課題

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