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藤沢市人材育成基本方針 ふじさわ“Grow Up”プラン ~「考える・行動する・信頼される」職員を目指して~ 総務部職員課 2014年4月1日改訂 2017年4月1日一部改訂 2020年4月1日一部改訂

藤沢市人材育成基本方針...- 1 - はじめに 本市はこれまでに t2002年4月1日に策定した藤沢市人材育成基本方針「ふじさ わ“Grow Up”プラン」に基づき

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藤沢市人材育成基本方針

ふじさわ“Grow Up”プラン

~「考える・行動する・信頼される」職員を目指して~

総務部職員課

2014年4月1日改訂

2017年4月1日一部改訂

2020年4月1日一部改訂

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あ 目 次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1 人材育成の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

2 求められる職員像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

3 標準職務遂行能力(必要とされる能力、意識・行動)・ ・・・・4

○標準職務遂行能力(必要とされる能力、意識・行動)

【行(1)・医(1)・医(2)】体系図・・・・・・・・・・・・・・5

○標準職務遂行能力(必要とされる能力、意識・行動)【行(2)】

体系図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

4 人材育成における各分野の役割と取り組み・・・・・・・・・・9

(1)職員の責務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

①積極的な自己啓発

②研修成果の還元

③業務遂行における協力・連携

(2)職場における人材育成・・・・・・・・・・・・・・・・10

①日常業務を通じての指導・助言

②「職場集合研修」の実施

③「派遣研修」等への職員の推薦

④人材育成型人事評価制度の適切な運用

(3)職員研修による人材育成・・・・・・・・・・・・・・・11

①「職場研修」のサポート

②経験年数・職責に応じた「基本研修」の実施

③専門知識・スキルを習得するための「専門研修」の実施

④「派遣研修」の推進

⑤「自主研修」の支援

(4)人材育成に繋がる人事制度・・・・・・・・・・・・・・12

①採用

②ジョブローテーション制度

③人材育成型人事評価制度

④自己申告制度を活用した適材適所の人員配置・登用

⑤庁内フリーエージェント制度

(5)人材育成に関連するその他の取り組み・・・・・・・・・14

①職員の健康管理

②多様な任用形態の人材活用

③希望降任制度

④働き方改革の推進

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はじめに

本市はこれまでに、2002年4月1日に策定した藤沢市人材育成基本方針「ふじさ

わ“Grow Up”プラン」に基づき、「市民とともに考え、市民のために働き、市

民の信頼を得られる職員」を育成するため、求める職員像や必要な「能力」「意識・行

動」を明確にし、職場・研修部門・人事部門が一体となり、職員の人材育成を推進して

きました。

2014年には本方針の改訂を行い、本市を取り巻く環境において市民ニーズの多様

化や社会情勢がめまぐるしく変化する一方で、少子高齢化が進み、時代の要請に基づく

幅広い課題に迅速かつ的確に対応することや、市民の満足度を高める柔軟な行政運営が

求められていることから、職員は、厳しい財政状況や組織・職員構造が変化する中にお

いても、基礎知識や基本技術の習得に加えて、新たな発想や創意工夫により、将来を見

据えた「まちづくり1」を積極的に進めていくこととしました。また、職員として求め

られる職員像を明確に示し、そのような人物として最大限に力を発揮するために必要と

される「能力」「意識・行動」を具体的に体系化しました。

このことにより、職員・職場・研修部門・人事部門の役割や人材育成に関わる各制度

の相関関係が明確となり、計画的な人材育成を実施することができるものと考えていま

す。

2017年には、地方公務員法の改正及び,藤沢市職員人事評価実施規定の施行に伴

い、標準職務遂行能力及び,人材育成型人事評価制度についての表記を一部変更しまし

た。

2020年には、地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、会計年度任用職員につ

いて記載しました。また、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の

施行に伴い、働き方改革の取組等について追記しました。

この方針を実効性のあるものとするためには、職員一人一人が内容を理解し、全職員

が一丸となって取り組んでいく必要があります。それには、職員一人一人が、採用時に

抱いていた志を改めて見つめ直し、自分に今必要とされる能力を把握し、その向上に取

り組んでいくことが何より大切です。

ついては、この方針を是非ご一読いただき、職員一人一人が自分のこととして捉え、

自分がやるべきことは何かを考え、人材育成に取り組んでいただきますようお願いしま

す。

1 「まちづくり」とは、インフラ整備や各種施設の建設などハード面でのまちづくりと、各種行政事務の制度構築・

運用、シティプロモーションや賑わい創造などのソフト面でのまちづくりの双方をさします。

実効性あるものとするために

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1.人材育成の目的

人材育成の目的は、「職員一人一人の資質の向上」にあります。さらに職員同士が連

携することにより、「組織力の向上」を図り、最終的に「市民サービス2の向上」へつな

げていくことを目指しています。

人材育成を効果的に進めていくためには、常日頃から、個々の職員が積極的な自己啓

発に努め、職場、研修部門、人事部門を含めた四者が目的意識を共有し、一体となって

「人材育成の土壌」を育んでいくことが重要です。

また、人材育成を推進することにより、職員一人一人の業務に対する知識や意識が高

まり、より良い業務遂行につながるほか、職員個人にとっても、業務そのものへのやり

がいや働きがいにつながるものと考えます。

職員一人一人の資質向上【信頼される職員・考える職員・行動する職員】

市民サービスの向上

人 材 育 成 の 目 的

モチベーション向上!

やりがい!

職場における人材育成

人材育成につながる人事制度

職員研修による人材育成

職員の責務

人 材 育 成 の 土 壌

2 「市民サービス」とは、市民の幸せ、地域の豊かさを向上させるための市民生活に密着した行政サービスのことで

す。

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2.求められる職員像

市民生活に密着した行政サービスを担う私たち職員には、市民から信頼され期待に応えられるよう、行政課題を的確に捉えた上で、解決方法を自ら考え、行動していくことが求められています。それには、職員一人一人が全体の奉仕者としての意識を常に持ち、職員として必要な能力を日々高め、発揮していくことが前提となります。この方針では、そのような職員像を次のように位置づけます。

考える職員

・市民サービスの向上を常に念頭において考えることができる職員

・時代の変化に適応して自らを変革させ、長期的・多角的な視点で業務を行う

ことができる職員

・新たな発想や創意工夫により、将来を見据えた「まちづくり」を積極的に進

めることができる職員

行動する職員

・自らの仕事に誇りと責任を持って行動できる職員

・常に問題意識を持ち、失敗を恐れずに問題や課題に情熱を持って果敢に挑戦

することができる職員

・課題解決に向けて、市民や職場の仲間とともに行動できる職員

信頼される職員

・相手の立場で物事を考え、思いやりを持った対応ができる職員

・倫理観を持って、公平・公正に業務を行うことができる職員

・知識・技術を備え、適切な判断、調整、計画立案ができる職員

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3.標準職務遂行能力(必要とされる能力、意識・行動)

職員が最大限の力を発揮していくためには、必要な能力等を適切な時期に習得し、職

員として常に成長していくとともに組織の中で経験段階に応じた、組織運営上の能力を

身に付ける必要があります。

具体的には、まず6つの能力「知識」「判断」「調整」「計画」「統率・管理」「指導・

育成」を経験段階に応じて身に付け、かつ5つの意識・行動「責任感」「積極性」「協調

性」「倫理」「接遇」といった意識を高め、行動していかなければなりません。(下図参

照)

なお、これら標準職務遂行能力(6 つの能力、5 つの意識・行動)は、公務に携わる

者として全職員が基本的なレベルで兼ね備えている必要がありますが、複雑化する環境

下ではそれぞれをバランスよく高める職員だけでなく、自身の適性や得意分野に特化し

てその分野に必要な特定の能力を高めていく職員も必要となります。

本市では、これらの標準職務遂行能力(能力、意識・行動)を、職(補職)に応じた

体系図(5~8 ページ)にまとめ、これを職場・研修部門・人事部門それぞれの取り組

みにおいて共有し、研修カリキュラムや人事評価の共通した基準として活用することで、

体系的・計画的に人材育成に取り組んでいくとともに、人事配置や昇任等にも活かして

いきます。

標準職務遂行能力(職員に必要とされる能力、意識・行動)

A 知識 必要な知識・技術を習得し業務に活用する。

B 判断 適切・迅速な判断に基づき事務処理・決定を行う。

C 調整 相手の話を的確に捉え、適切な説明・調整を行う。

D 計画 的確な状況把握に基づいた業務・計画の立案を行う。

E 統率・管理 業務遂行にあたり的確なリーダーシップを発揮する。

F 指導・育成 部下・後輩の人材育成に積極的に取り組む。

G 責任感 業務遂行にあたり責任感・使命感を発揮する。

H 積極性 業務遂行にあたり前向きな姿勢で意欲的に取り組む。

I 協調性 適切なコミュニケーションをとり、円滑な行政運営を図る。

J 倫理 全体の奉仕者として公平・公正に事務を遂行する。

K 接遇 高い接遇意識を持ち、相手の立場に立った対応を行う。

能力

意識・行動

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A 知識 B 判断 C 調整 D 計画

員級定例的な業務を中心に担う担当者。

主任級定例的な業務及び担当内の高度な業務を担う担当者。

主査級担当内に複数ある小グループのリーダー。高度で専門的な業務を担う。

上級主査級

担当内の実務レベルでのリーダー。担当内をまとめ、管理職を補佐する。業務を通じて管理職になるための素養を身に付ける。

課長補佐級

大グループまたは担当等のリーダー。大グループまたは担当等の事務管理・労務管理を行い、課長及び主幹を補佐する。

課長級

課等の長(主幹として配置する場合もある)。課等の事務管理・労務管理を行う。部長等を補佐する。

参事級

参事または所長として総務課など組織を束ねる課や、大規模または重要な施策を担う課等の長を務める。部長を補佐する。

部長級

部等の長。部を取りまとめると共に、理事者(市長及び副市長等)を支え、市の意思決定に携わる。

標準職務遂行能力( 必要と さ れる能力、 意識・

任期付職員は員級に位置づける。

※2参事 …複数の部・課にまたがる重要な案件の取りまとめを業務とする。

※1主幹 …主に参事級が配置されているまたは出先機関のある課等に配置され、その長を補佐する。

職標準的な職務内容

      能        力

常日頃から知

識の習得を行

い、社会の動

向にも広く関

心を持ち、課

題解決や意思

決定、政策検

討に活用して

いる。

知識の習得を日常的に

行い、社会の動向に関

心を持ち、業務に活用

している。

業務に必要な

知識・技術を習

得するととも

に、市民ニー

ズや社会動向

も把握し、業

務に活用して

いる。

担当業務や関

連分野での知

識・技術を持ち、

業務に活用し

ている。

重大で困難な

事業について、

責任者として

迅速で適切な

決断・判断を

行っている。

課題の内容を的

確に認識し、迅

速で適切な判断

を行っている。

担当業務につ

いて適切に理

解し、他の業

務との関連や

影響を考慮し

事務処理を

行っている。

担当業務につ

いて適切に理

解して事務処

理を行ってい

る。

重大で困難な

事業について、

優れた交渉・折

衝力を的確に

発揮し、関係

者との合意を

形成している。

優れた交渉・折衝

力を発揮し、関

係者との合意を

形成している。

担当する事案

について、優

れた説明・調整

力を発揮し、

円滑に業務遂

行している。

担当する事案

について、市

民等の意見を

正確に聴き取

り、わかりや

すい説明を

行っている。

所管行政を取

り巻く状況を

的確に把握し、

市民の視点に

立って、行政

課題に対応す

るための方針

を示している。

組織方針と行政ニー

ズを踏まえ、課題を

的確に把握し、施策

の企画・立案を行っ

ている。

上司や部下と

連携し、施策

の企画・立案

を行い、事務

事業の中核を

担っている。

論理的な思考を

醸成するととも

に、新しい視点

での発想・提案

を行っている。

A4

知識

見識

B4

決断力

判断力

A2

知識

技術

A1

知識

技術

※1

※2

B2

理解力

判断力

C2

説明力

調整力

D2

企画力

B1

理解力

C1

傾聴・説明・

対応力

D1

論理力

発想力

C4

交渉力

折衝力

D4

政策形成力

A3

知識

見識

B3

理解力

判断力

C3

交渉力

折衝力

D3

政策形成力

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E 統率・管理 F 指導・育成 G 責任感 H 積極性 I 協調性 J 倫理 K 接遇

行動) 体系図【 行( 1) ・ 医( 1) ・ 医( 2) 】意  識  ・   行  動

部下の指導・育

成を行っている。小グループや担

当内で、リー

ダーシップを発

揮し、構成員の

意見を引き出し

取りまとめをし

ている。

管理職としての

リーダーシップ

を発揮するとと

もに、組織及び

人的な管理を適

切に行っている。

職場内での情報

共有やコミュニ

ケーションの活

性化に配慮して

いる。

責任感・使命

感を持ち業務

を遂行してい

る。

業務遂行にあ

たり前向きな

姿勢で意欲的

に取り組んで

いる。

上司・同僚等

と適切なコ

ミュニケー

ションをとり、

協力的な関係

を構築するこ

とにより、円

滑な行政運営

を図っている。

市全体の奉仕

者として責任

を持って業務

に取り組むと

共に、服務規

律を遵守し、

公正に任務を

遂行している。

あいさつ・声

かけはもちろ

んのこと、高

い接遇意識を

持って、相手

の立場に立っ

た対応ができ

る。

E3

組織管理

能力

責任感

使命感

積極性I

組織内コ

ミュニケー

ション・

協調性

倫理・

コンプライ

アンス

接遇

人材育成の重要性

を理解し、部下の

指導・育成を行っ

ている。

F3

部下の指導・

育成

F2

部下の指導・

育成

後輩職員の指

導・育成を行っ

ている。

F1

後輩の指導・

育成

藤沢市の将来を

見据え、部・課

を越えた人材育

成に積極的に取

り組んでいる。

F4

全体的な

指導・育成

管理職の役割

自らが率先して模範となるように業務運営等を実践するとともに、熱心に

取り組んでいる職員や成果を出した職員を適正に評価する等により、組織

内の意識向上に努める。

担当内で他者

の意見も尊重

しながら、率

先して行動し

ている。

E1

率先力

E2

リーダー

シップ

個別の能力等の囲み内の背景色は色が濃くなる方向に従い、対象の能力等を高めていくことを表しています。

管理職になるための

素養を身に付ける。

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A 知識 B 判断 C 調整 D 計画

員級定例的な業務を中心に担う担当者。

班長級定例的な業務及び担当内の高度な業務を担う担当者。

上級班長級担当内に複数ある小グループのリーダー。高度で専門的な業務を担う。

上級主査級

小グループまたは担当内の実務レベルでのリーダー。管理職職員を補佐する。(業務を通じて管理職としての素養を積極的に涵養)

標準職務遂行能力( 必要と さ れる能力、 意識・

職標準的な職務内容

      能      力

業務に必要な知

識・技能を習得す

るとともに、市

民ニーズや社会

動向も把握し、

業務に活用している。

担当業務や関

連分野での知

識・技能を持ち、

業務に活用し

ている。

担当業務につい

て適切に理解し

他の業務との関

連や影響を考慮

し事務処理を

行っている。

担当業務につ

いて適切に理

解して事務処

理を行ってい

る。

担当する事案に

ついて、優れた

説明・調整力を発

揮し、円滑に業

務遂行している。

担当する事案

について、市

民等の意見を

正確に聴き取

り、わかりや

すい説明を

行っている。

上司や部下と連

携し、施策の企

画・立案を行い、

事務事業の中核

を担っている。

論理的な思考

を醸成すると

ともに、新し

い視点での発

想・提案を

行っている。

A2

知識

技能

B2

理解力

判断力

C2

説明力

調整力

D2

企画力

A1

知識

技能

B1

理解力C1

傾聴・説明・

対応力

D1

論理力

発想力

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E 統率・管理 F 指導・育成 G 責任感 H 積極性 I 協調性 J 倫理 K 接遇

行動) 体系図  【 行( 2 ) 】意  識  ・   行  動

部下の指導・育成

を行っている。

後輩職員の指

導・育成を行っ

ている。

担当内で他者の

意見も尊重しな

がら、率先して

行動している。

小グループや担当内

で、リーダーシップ

を発揮し、構成員の

意見を引き出し、取

りまとめをしている。

責任感・使命

感を持ち業務

を遂行してい

る。

業務遂行にあ

たり前向きな

姿勢で意欲的

に取り組んで

いる。

上司・同僚等

と適切なコ

ミュニケー

ションをとり、

協力的な関係

を構築するこ

とにより、円

滑な行政運営

を図っている。

市全体の奉仕

者として責任

を持って業務

に取り組むと

共に、服務規

律を遵守し、

公正に任務を

遂行している。

あいさつ・声

かけはもちろ

んのこと、高

い接遇意識を

持って、相手

の立場に立っ

た対応ができ

る。

責任感

使命感

積極性

組織内コ

ミュニケー

ション・

協調性

倫理・

コンプライ

アンス

接遇

個別の能力等の囲み内の背景色は色が濃くなる方向に従い、対象の能力等を高めていくことを表しています。

F2

部下の指導・

育成

F1

後輩の指導・

育成

E1

率先力

E2

リーダー

シップ

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4.人材育成における各分野の役割と取り組み

職員が標準職務遂行能力(能力、意識・行動)を、体系図に基づいて効果的に

身に付けていくためには、職員個人が自身のキャリアビジョンを描いて自己啓発

に努めることが必要です。また、「職場」における取り組みを中心に、「研修部門」

「人事部門」がそれぞれの役割を相互補完し合い、“職員の人材育成なくしては、

本市の発展・継続は成り立たない”という危機感を持ち続けて、「職場」及び「研

修部門」、「人事部門」が一丸となって人材育成に取り組んでいく必要があります。

①日常業務を通じての指導・助言 ②「職場集合研修」の実施 ③「派遣研修」等への職員の推薦

  ④人材育成型人事評価制度の適切   な運用

(2) 職 場 に お け る 人 材 育 成

①「職場研修」のサポート

②経験年数・職責に応じた「基   本研修」の実施

③専門知識・スキルを習得する   ための「専門研修」の実施

  ④「派遣研修」の推進

⑤「自主研修」の支援

(3 )職 員研 修に よる 人材 育成

①採用

②ジョブローテーション制度

③人材育成型人事評価制度

④自己申告制度を活用した適材 適所の人員配置

⑤専任職制度

⑥庁内フリーエージェント制度

(4 )人材育成に繋がる人事制度

能力向上支援の情報共有、職員研修・人事

制度一体的運用

研修と日常業務との調整、職場研修実施に

おける協力・連携

個々の職員の能力・適性に関する情報共有、

人事制度の運用におけ

る協力・連携

部下・後輩職員の積極的な育成、職場活性化の

ための自発的行動

キャリアプランを尊重した配置・登

用、各種制度の

情報提供

人事制度の積極的な活用

    ①積極的な自己啓発     ②研修成果の還元     ③業務遂行における協力・連携

(1) 職 員 の 責 務

能力向上に向けた研修への積極

的な参加

階層別研修の実施、各種研

修の情報提供

上司・先輩職員による積極的な指導・助言、

研修参加のための日常

業務の支援

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人材育成にあたっては、職員一人一人が自分のこととして捉え、自分がやるべ

きことは何かを考えて取り組みを進めることが重要となります。

① 積極的な自己啓発

職員は、一人一人が明確な将来像を描いて、それを実現するために研修等への

参加により積極的に自己啓発に努めなければなりません。

② 研修成果の還元

研修を受講した職員には、研修成果を職場や組織全体へ報告し、業務に反映し

て還元するとともに、自己啓発の意義を理解した上で、職場で共に学び高めあう

風土の醸成に寄与していくことが求められます。

③ 業務遂行における協力・連携

職場における日常業務は、職員一人一人が組織目標や個人目標などに基づき、

職場の役割や自分の役割だけでなく、職場内の上司や同僚職員の役割も認識し、

協力・連携しながら遂行していく必要があります。また、上司や同僚職員との協

力・連携は、職場でのコミュニケーションを促し、相談しやすい関係の構築につ

ながり、職場における人材育成に取り組む上で非常に重要です。

なお、職員には、個人目標に基づく業務以外にも、日々処理しなければならな

い業務に積極的に取り組み、迅速に処理することが求められます。

人材育成を適切に行っていくためには、職員として最も長い時間を過ごす職場

において、一人一人が人材育成の重要性を認識し、日常業務を通じた経験の蓄積

と、自己啓発意欲の尊重が、効果的な人材育成に繋がることを理解したうえで、

体制を整える必要があります。

また、人材育成にあたっては、職員個人の能力や適性を把握するほか、職場内

の役割分担を明確にし、職場内で協力・連携しながら業務を進めていく必要があ

ります。

① 日常業務を通じての指導・助言

職員は、後輩職員に対して、「成長段階に応じた業務経験」3や「必要に応じた

3 「成長段階に応じた業務経験」とは、後輩職員の習熟度合に応じて業務を任せることをさします。時には

敢えて成長を期待し負荷の高い業務に取り組ませることもあります。この場合には普段以上の周囲からのフ

ォローやサポートが必要となります。

(2)職場における人材育成

(1)職員の責務

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- 11 -

的確な指導・助言」を適切な機会に提供することにより、育成を図ります。本市

では、入庁時から「職場における人材育成」の意義を認識させる取り組みとして、

マンツーマン型の研修を実施します。

指導にあたっては、後輩職員に与える影響を十分に意識し、職員として求めら

れる人物像や、その職に必要な標準職務遂行能力(能力、意識・行動)を明確に

理解するとともに、研修等で後輩職員の指導方法等を積極的に習得する必要があ

ります。

② 「職場集合研修」の実施

所属長及び職場研修指導員は、日々の業務遂行の中で、職場の課題や職員に求

められるスキルを的確に把握したうえで職場集合研修を実施し、職場における学

習的風土の醸成を図ります。

③ 「派遣研修」等への職員の推薦

所属長、職場研修指導員及び管理監督者は、職員の成長段階や業務の習熟度を

考慮したうえで、適切な機会を捉え派遣研修等に推薦します。また、研修を受講

する職員が明確な目標を持って研修に取り組める環境を整えるとともに、研修成

果を職場に還元できる機会を設け、職員の能力開発・活用を効果的に図ります。

④ 人材育成型人事評価制度の適切な運用

管理職職員は、所属職員の能力や適性を総合的に評価し、職員との面談におい

ては、職層ごとに求められる職務内容や標準職務遂行能力(能力、意識・行動)

を意識しつつ助言することで、職員個々の段階に合った自己啓発を促します。ま

た、個人ごとに設定する目標を職場内で共有することにより、役割分担の明確化

や業務の進捗管理、職場内での協力・連携に役立て、職場の活性化を図ることが

必要です。

研修部門においては、前項で述べた「職場研修」をサポートするほか、「基本

研修」「専門研修」「派遣研修」「自主研修」を組み合わせて、必要とされる標

準職務遂行能力(能力、意識・行動)を身につけるための学習機会を提供してい

きます。

① 「職場研修」のサポート

職場研修を効果的に実施できるよう、所属長や職場研修指導員、マンツーマン

研修指導員等を対象とした研修を実施し、指導・育成についてのスキルアップを

図ります。また、必要な研修情報や機材を提供することにより、職場集合研修を

(3)職員研修による人材育成

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サポートしていきます。

② 経験年数・職責に応じた「基本研修」の実施

職場における人材育成を補完するとともに職員の成長段階に応じた「基本研

修」を実施します。研修実施に際しては、各階層において“必要とされる標準職

務遂行能力(能力、意識・行動)”を基に時代のニーズに即した効果的な研修カ

リキュラムを計画します。また、研修の中では、研修生同士の対話や議論の場を

設け、他者理解・自己理解を深めるとともに、相互に刺激を与え合うことで、今

後の業務や自己啓発へのモチベーション向上につなげていきます。

③ 専門知識・スキルを習得するための「専門研修」の実施

担当する業務の遂行に必要とされる特定の専門的な知識やスキルを習得する

ための「専門研修」を実施します。研修実施に際しては、各職場からの研修ニー

ズの把握に努め、専門性の高い実践的な研修カリキュラムを計画し、職員の行政

実務能力を高めていきます。

④ 「派遣研修」の推進

職場における人材育成や、「基本研修」「専門研修」の刺激により自己啓発意欲

を高めた職員が、さらに高度な能力や知識の習得を目指すことができるよう、「派

遣研修」の受講を推進します。積極的な受講案内や参加しやすい環境の整備、個々

の専門的知識や技術を高めるとともに、他の自治体職員や民間企業社員との交流

を通して刺激を受けることにより、幅広く客観的な視点を醸成していきます。

⑤ 「自主研修」の支援

自己啓発を行う職員への支援として、資格取得や自主研究グループ活動等へ援

助を進めていきます。

各種の人事制度による取り組みが、人材育成に繋がるよう運用していきます。

① 採用

人物を重視した試験を実施し、総合的な人間力を持った人材の採用に取り組む

ことで組織の活性化に努めます。

② ジョブローテーション制度

採用から10年間を能力開発期間と位置づけ、例えば窓口部門や、事業部門、

また管理部門という違った部門を10年以内に3職場を経験できるよう人事配

(4)人材育成に繋がる人事制度

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置に配慮します。

その間、職員は基本的な知識を習得するとともに、自身の適性を見いだすこと

で、①今後どのような業務にチャレンジしたいのかといったキャリアプラン作成

や、②将来特定分野のスペシャリストとして活躍するのか、またはゼネラリスト

として各部門における施策の総合調整を担うのか、自身が進むべき方向を考える

重要な時期と位置づけています。

③ 人材育成型人事評価制度

平成15年度から実施している人事評価制度は、点数や単なる結果を求めるも

のではなく、より良く仕事を進めていくため、職員個人の能力向上や“やる気”

を醸成するとともに、職員同士の協力や連携を強化することを目指しています。

◎能力評価(能力、意識・行動)

職員個々の業務遂行能力、管理能力のレベルや職員としてふさわしい意識を

持ち、行動をとれているかを評価し、評価結果の開示や評価者との面談を通じ

て、職員に自身の優れている点や伸ばしたい能力について気付きを与え、職員

個々の能力向上に結びつけます。

◎業績評価(目標管理)

年度当初に、職員全体で本市としての組織目標を共有し、部目標>課目標>

個人目標とブレイクダウン4していくことで、目的意識を明確にし、その年度の

業務の進捗管理に役立てます。また、個人目標を職場内で共有することで職員

同士の協力や連携を高めることを目指します。

④ 自己申告制度を活用した適材適所の人員配置・登用

所属長による意向調査票に基づく面談や人事評価における職員との面談を重

視し、職員の意欲を引き出し、適性の合った職場への配置に取り組みます。また、

年齢や経験に関わらず、能力と意欲の高い職員の積極的な登用に取り組みます。

⑤ 専任職制度

複雑化・高度化している市民ニーズに対応するため、また、一定の分野におい

て専門知識を備え、具体的に施策に反映できる職員を育成するため、必要部署に

配置していきます。それにより、スペシャリストとして専門性を高める意欲のあ

る職員を後押しし、やる気を引き出すとともに、職場全体の能力水準の向上を目

指します。

4 「ブレイクダウン」とは、分類・分析の意。上位の目標を下位に展開していくときの1つの方法です。

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⑥ 庁内フリーエージェント制度

一定の要件を満たした職員が、自ら従事したい業務を選ぶことができる制度

で、積極的で能力と意欲がある職員を希望職場へ配置するよう努めます。

人材育成には、良質な職場環境や適切な体調の管理、仕事と私生活との両立が

欠かせません。中でも、職場環境を整備していくには、多様な任用形態の職員が

混在する職場において、任用形態の違いを越えた協力・連携が必要となります。

そのため、任期の定めのない常勤の職員(「一般職員」という。)以外の職員に

も必要な業務知識の習得や、それに対する支援を図っていきます。

① 職員の健康管理

職員が、日々、健康で、明るく、元気に業務に従事できることは、市民サービ

スの向上ばかりでなく、組織の活性化という観点からも欠かせない要素です。

そのためには、職員一人一人の心身の健康管理として、健康診断による疾病の

早期発見、早期治療や健康相談、保健指導、健康教育等をリンクさせることによ

り、職員の健康の保持増進に努める必要があります。

なお、万が一職場の同僚が疾病により休業した際には、早期に職場復帰できる

よう周囲の職員が協力し合い、復帰できる環境づくりが必要となります。

◎メンタルヘルスケア対策

近年、社会情勢の目まぐるしい変化や価値観の多様化等に伴い、ストレスの増

大が課題となっており、精神面での健康管理(メンタルヘルスケア)の重要度が

増しています。

しかし、うつ病などの精神疾患に至る経過、要因は多様であり、因果関係を検

証し統一的な対策を講じることは極めて困難です。そのため、心の病を特定の人

の問題とせず、職員一人一人が自分にも起こりうる問題として認識し、職員同士

お互いに助け合いながらストレスに対処していくことが重要です。

② 多様な任用形態の人材活用

再任用職員や任期付職員などそれぞれの職務・職責を明確にし、職務・職責に

見合った能力向上に努めます。

◎再任用職員

公的年金支給開始年齢の段階的引き上げに伴い、雇用と年金の接続を図るた

め、定年退職した職員をフルタイムまたは短時間勤務の形態で、幅広い職域へ

配置していきます。

(5)人材育成に関連するその他の取り組み

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再任用職員は、職員として培ってきた知識や経験、技術を発揮できるよう、

過去に経験した業務を中心として常勤の一般職員と同様の業務に従事します。

そのため、配置換えや役割の変化が伴う場合には、必要な業務知識の習得の支

援も行います。

◎任期付職員

一定期間内に終了が見込まれる業務や、窓口業務を有する職場等で繁忙時の

体制の充実を必要とする職場、育児休業や育児短時間勤務を取得している職員

がいる職場に配置し、市民サービスの提供体制の維持・充実のために、定めら

れた職務・職責の範囲の中で業務に従事します。そのため、一般職員と同様に

基本的な業務遂行能力を身に付けることができるよう支援する必要がありま

す。

◎会計年度任用職員

地方公務員法上「一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職」を占

める一般職の職員として、専門的な資格が必要なものから事務的な補助まで、

様々な職種を担います。また、本市行政サービスにおいて重要な役割を担うこ

とから、必要な知識の習得を支援します。

③ 希望降任制度

家族の介護等の事情や自らの傷病により身体的または精神的にその職責を果

たすことが困難となった場合、職員個々の能力と意欲に応じた任用の趣旨のも

と、自らの意思に基づく希望を尊重し、現在の職(補職)から下位の職(補職)

への降任を行います。なお、降任した場合でも、状況の変化により上位の職責を

果たせると認められた場合は、昇任推薦により再度昇任することができます。

④ 働き方改革の推進

育児や介護との両立など働く人のニーズが多様化する中で、すべての職員がや

りがいや充実感を感じながら働き、健康で豊かな生活ができるよう、仕事と生活

の調和を図るワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいく必要があります。

そのためには、職員の意識改革を図るとともに、人事制度の適切な運用や、意欲

ある職員がいつでも能力向上の機会を得られるようにするなど、多方面から支援

していく必要があります。また、柔軟な働き方の実現や長時間労働の改善に向け

た制度の構築に取り組みます。