17
野菜をめぐる情勢

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平 成 2 3 年 7 月

野菜をめぐる情勢

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1 生産の動向(1)野菜の産出額と作付面積・生産量・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2)生産の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

2 野菜の消費(1)消費の動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3(2)消費拡大対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

3 野菜の輸入状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54 加工・業務用需要への対応

(1)野菜の輸入状況と国産野菜に対するニーズ・・・・・・・・・・・・・6(2)国産原材料供給力強化対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

5 野菜の価格動向と需給・価格安定対策(1)野菜の価格動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8(2)指定野菜と指定産地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9(3)野菜需給安定対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10(4)野菜価格安定対策の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11(5)野菜価格安定制度の充実について・・・・・・・・・・・・・・・・・12

6 野菜の生産振興対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13(参考1)野菜対策の方向性について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14(参考2)野菜の品目について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

目 次

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○ 野菜の産出額は、約2兆円であり、畜産、米の産出額に匹敵。

○ 作付面積は約44万ha、生産量は約1,200万トンであり、近年横ばい傾向。

資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」、「地域特産野菜の生産状況」

○野菜の作付面積・生産量の推移

1 生産の動向

(1)野菜の産出額と作付面積・生産量

資料:農林水産省「生産農業所得統計」

○我が国の農業産出額

300

509 503 490 479 470 463 455 449 443 440 438 436

1,3701,390

1,3701,3601,330

1,291

1,2341,249

1,2361,253 1,255

1,234

1,000

1,050

1,100

1,150

1,200

1,250

1,300

1,350

1,400

1,450

1,500

300

350

400

450

500

550

600

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

生産量(万トン)

作付面積(

千ha)

作付面積

生産量畜産

2兆5096億円(31%)

農業産出額8兆491億円

(平成21年度)(100%)

野菜2兆331億円(25%)

米1兆7950億円

(22%)

果実6,751億円(8%)

花き3,330億円

(4%)

いも類1,929億円(2%)

麦類706億円(1%)

豆類678億円(1%)

その他3720億円(5%)

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○ 野菜生産は、主に農業所得で生計を立てている農家(主業農家)によって担われている。

○ 農業従事者の減少や高齢化が進行しており、65歳以上の従事者が約4割。

資料:主副業別シェアは、「2005年世界農林業センサス」、「農業経営動向統計」より推計。

注 :・主業農家とは農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得で、65歳未満の自営農業従事60日以上の世帯員がいる農家である。

・準主業農家とは農外所得が主(農家所得の50%未満が農業所得)で、65歳未満の自営農業従事60日以上の世帯員がいる農家である。

・副業的農家とは65歳未満の自営農業従事60日以上の世帯員がいない農家である。

81% 8% 11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

主業農家割合 副業的農家割

準主業農家割合

○ 野菜農家(露地野菜)の労働力

資料:農林水産省「農林業センサス」

○野菜作付農家における農家類型シェア(農業総生産額ベース)

(2)生産の構造

○ 販売目的で作付けした農家数(H17)

(単位:千戸)

資料:農林水産省「2005年世界農林業センサス」※農家数は実農家数で作物による重複がある。

全農家数※ 水稲 野菜

1,639 1,402 511

145万人 140万人130万人

29%35%

40%

0

50

100

150

200

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H7 H12 H17

販売農家の総従事者数

65歳以上の割合

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150.3240.1 245.5 241.9 266.8 268.5 303.5 339.6 306.4

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

1~6歳 7~14歳 15~19歳20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳 70歳~

嫌いな食べ物上位10品目と回答割合(小学校)

10.0

10.2

10.2

10.8

11.1

11.3

12.3

12.6

17.7

34.7

0 10 20 30 40

グリンピース

アスパラ ガス

セロリー

肉の脂身

梅ぼし

トマト

ピーマン

なす

レバーなど

にがうり

(1)消費の動向

○ 野菜の消費量は減少傾向にあり、平成21年では1人1年あたり92kg。小学生の嫌いな食べ物上位10品目中7品目が野菜。

○ 世代別の摂取量を見ても、野菜摂取目標量※350gを下回り、特に若年層において不足。※2000年3月に厚労省により策定された「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」において摂取目標量を350g

(成人1人1日あたり)と設定。

○野菜消費量の推移(1人1年当たり)

○世代別野菜摂取量の推移(1人1日当たり)

資料:農林水産省「食料需給表」

2 野菜の消費

○嫌いな食べ物上位10品目と回答割合(小学生)

右上:(独)日本スポーツ振興センター「平成17年度児童生徒の食生活等実態調査報告書」右下:厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査結果」

103 102

102

9796

94

96 95 9594 92

85

90

95

100

105

110

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

(単位:㎏)

摂取目標量=350g(成人1人1日あたり)

(単位:g)

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○ 野菜嫌いをなくそう全国横断

○ 野菜の消費拡大を図るため、野菜嫌いの多い子どもや野菜が不足がちな成人にターゲットを絞り、食育の取組と一体的に野菜摂取による栄養バランスが優れた食生活の習慣化を推進。

○ 厚生労働省の「健康日本21」で推奨されている成人の一人一日当たり摂取目標量である350gの達成を視野に入れ、民間団体を巻き込んで野菜の消費拡大を促進。

主に児童を対象・量販店における食育体験ツアー及び学校における出前授業の実施

主に園児・保護者を対象・園児、保護者用啓発資材の作成

○ モデル企業を設置し野菜摂取の重要性の普及・啓発

従業員食堂を利用した普及・啓発・メタボリック症候群対策として野菜をたくさん摂れるメニューの導入、目安量の表示等

「従業員食堂における野菜摂取推進活動の手引き」の作成

○ 青果物健康推進協会

○ ファイブ・ア・デイ協会

キャッチコピー:ベジフルセブン会員数:241主な会員:全農、全中青協、イトーヨーカ堂、キユーピー、マルエツ

ベジフルティーチャーによる出前授業など啓発活動を展開。

キャッチコピー:5 A DAY会員数:128主な会員:イオン、伊藤忠商事、住友商事、ドール

食育体験ツアー、企業ウェルネス活動など啓発活動を展開。

(2)消費拡大対策

対策のターゲットの集中・重点化 野菜摂取を推進する民間団体

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○ 年間を通した安定供給や価格面での有利性から、17年まで野菜の輸入量は増加。特に中国からの輸入が過半を占める。

○ 平成22年4月以降、国内の天候不順のため一部の国産野菜の卸売価格が高騰した影響もあり、中国産野菜の輸入量は前年を超える水準で推移している。

○直近1年間の中国産野菜の輸入量○野菜の輸入量の推移(加工品を含む)

資料:財務省「貿易統計」

3 野菜の輸入状況

資料:財務省「貿易統計」

95

185

224

252239

211

188180

208

27

74

110

154 152

132

108 103121

0

50

100

150

200

250

300

H2 H7 H12 H17 H18 H19 H20 H21 H22

万トン

全体 中国

38 37

4548

43

52

3640

54

42

35

43

62 6257 58

75 75 76

53

70 70 72

63

109

119114 116

134 131 129

115

145

109114

100

-10

10

30

50

70

90

110

130

150

0

20

40

60

80

100

120

22年7

8月 9月 10月 11月 12月 23年1

2月 3月 4月 5月 6月

対前年同月比(

%)

輸入量(千トン)

生鮮 加工 対前年同月比

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○ 加工・業務用の国産野菜のシェアは平成2年から平成17年の15年間で20ポイント減少。○ 食品製造業者や外食事業者の意向調査では、平成22年の国産野菜の使用量は、2~3年前と比較して増加したとの回答が1割程度であり、さらに、今後の国産野菜の取扱いの意向調査では、国産野菜を利用したいとの回答が4割以上。

○ 野菜の生産・流通・消費施策を検討する上で、加工・業務用需要への対応は重要な課題。

○平成22年の国産野菜の使用量の変化

○今後の国産野菜の取扱いの意向○加工・業務用需要に占める国産割合

(1)加工・業務用の国産シェアと国産野菜に対するニーズ

資料:農林水産政策研究所調べ

4 加工・業務用需要への対応

6資料:平成23年1月農林水産省調べ

資料:平成23年1月農林水産省調べ

注:農林水産省情報交流ネットワーク事業の流通加工業者モニターのうち、野菜を原材料として使用している食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者及び外食産業に対して調査を実施。

平成2年 平成12年 平成17年

家計消費用 100% 98% 98%

加工・業務用 88% 74% 68%

回答者数1,025人(100.0%)

積極的に国産の利用を続けていきたい、又は、国産を増やしていきたい。 24.1%

可能な範囲で国産の利用を続けていきたい、又は、国産を増やしていきたい。17.8%

積極的に外国産の利用を続けていきたい、又は、外国産を増やしていきたい。0.3%

可能な範囲で外国産の利用を続けていきたい、又は、外国産を増やしていきたい。0.3%

これまでと変わらない。 21.5%

無回答36.1%

12.3 47.6 5.3 34.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1

2~3年前と比べて、増えた

2~3年前と比べて、ほとんど変わらない

2~3年前と比べて、減った

無回答

回答者数:1,025人

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⑤生産・流通体制の高度化⑥産地・生産者側の意識改革と産地体制の整備⑦高付加価値化商品、商材の開発

①安定供給に向けた中間事業者の育成・強化②定時・定量・定品質・定価格(「4定」)と多様なニーズ③安全・消費者の信頼の確保④一次加工の高度化、近代化

課題

○加工施設の衛生管理基準の策定・徹底○加工適性試験の実施 等

○出荷規格の簡素化・統一検討○コールドチェーン対応流通施設の整備 等

○品種の現地適性試験○共同育苗施設の整備 等

7~10月

A社

○ 数量確保○ ニーズに合った

一次処理加工○ 産地指導○ 新商品提案 等

B社

C社

周年供給

周年供給

周年供給

5~7月

11~4月

出荷

《中間事業者》 《食品製造業者》

季節・天候などの影響による供給量変動に対し、緩衝機能を発揮

《産地・生産者》大玉

寒玉系

カット

○トレーサビリティシステムの導入

国産原材料の安定供給を実現

支 援 措 置 ( 例 示 )

【産地活性化総合対策事業のうち産地収益力向上支援事業 平成23年度予算額 10,704(6,515)百万円の内数】

国産原材料の生産・流通体制の整備

一つの産地では業者の要望に対応するのは難しいけど、間に入ってくれる人がいると安心!

※食品製造業者等は、整備事業の支援対象としていません。

(2)国産原材料のサプライチェーンの構築 ~加工・業務用需要への対応~

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○ 野菜は、国民消費生活上不可欠であるが、気象条件の影響を受けて、作柄が変動しやすい上に、保存性も乏しいため、価格が変動しやすい特性がある。

○ 平成22年は、2月からの低温及び日照不足、7月から8月の高温等の影響により年間を通じて不作となり、野菜価格は高値で推移した。

○ 平成23年は、3月から4月にかけ好天で生育が順調である中で、3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所事故及び計画停電等の影響により需要が低下し、3月下旬以降野菜価格の大幅な下落が続いている。

5 野菜の価格動向と需給・価格安定対策

【参考】卸売価格の推移

注:平年とは、過去5カ年(平成18年~22年)の月別価格の平均値である。資料:東京中央市場青果卸売会社協会「東京都中央卸売市場における野菜の市場別入荷数量及び価格」

○キャベツの卸売価格 ○トマトの卸売価格 ○指定野菜(14品目)の卸売価格

(円/kg)

平成21年

平成22年

平成23年

平 年

(1)野菜の価格動向

○ねぎの卸売価格

(円/kg) (円/kg) (円/kg)

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○ 野菜生産出荷安定法に基づき、指定野菜(14品目)について、全国で933の野菜指定産地を指定。○ 野菜生産においては、産地を単位として計画的かつ安定的な供給、需給調整などに取り組むこととし

ている。

○指定野菜消費量が相対的に多く又は多くなることが見込まれる野

菜であって、その種類、通常の出荷時期等により政令で定める種別に属するもの(法第2条)(14品目30種別)

○野菜指定産地指定野菜の種別ごとに、その区域から当該指定野菜の出荷

が行われる一定の生産地域であって、その出荷の安定を図るため当該指定野菜の集団産地として形成することが必要と認められるもの(法第4条)

(注)「法」:野菜生産出荷安定法(昭和41年法律第103号)

指定野菜 野菜指定産地

○指定野菜と指定産地

キャベツ(春、夏秋、冬)きゅうり(夏秋、冬春)さといも(秋冬)だいこん(春、夏、秋冬)ト マ ト(夏秋、冬春)な す(夏秋、冬春)にんじん(春夏、秋、冬)ね ぎ(春、夏、秋冬)はくさい(春、夏、秋冬)ピーマン(夏秋、冬春)レ タ ス(春、夏秋、冬)たまねぎばれいしょほうれんそう

933産地(平成23年6月現在)

(2)指定野菜と指定産地

※農林水産大臣が都道府県知事の意見を聞いて指定

※都道府県知事は、当該産地にかかる「生産出荷近代化計画」を策定

野 菜 産 地

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○ 野菜を安定的に消費者に供給するため、国が需給ガイドライン等を策定し、生産者団体等はそれらを踏まえた供給計画を作成し、供給計画に基づく生産・出荷を推進。

○ 豊凶に伴う価格高騰・低落対策として価格高騰時には出荷の前倒し等を、価格低落時には出荷の後送り、加工用販売、市場隔離等を行う緊急需給調整対策を措置。

需要及び供給の見通し(国)(概ね5年ごとに策定)

需給ガイドライン(国)(毎年、5月(冬春野菜)、11月(夏秋野菜)に策定)

供給計画(全農、県経済連、大規模生産者等)(種別ごとに年2回作成)

(は種・定植前の当初計画、出荷前の確定計画)

国50%:生産者50%※国、生産者の拠出により、

(独)農畜産業振興機構に資金を造成

100%

<発動基準と補てん額>

150%以上出荷の前倒し((平均価格×0.3)を補てん)

過去の市場価格の平均

80%以下出荷の後送り((平均価格×0.3)を補てん)

加工用販売((平均価格×0.4ー加工販売額+加工販売経費)を補てん)

有効利用、土壌還元:(平均価格×0.4)を補てん)価格回復後の出荷等:(平均価格×0.3)を補てん)

重要野菜キャベツ(周年)、たまねぎ(周年)、秋冬だいこん、秋冬はくさい調整野菜春だいこん、夏だいこん、春はくさい、夏はくさい、レタス(周年)、にんじん(周年)

価格

70%以下

○指定野菜の計画的な生産・出荷の推進 ○重要野菜等の緊急需給調整対策

指定野菜(14品目)キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ばれいしょ、ほうれんそう

(3)野菜需給安定対策

10

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○ 国民生活上重要な野菜について、計画的な出荷、豊凶に伴う需給調整を推進するとともに、著しい価格低落時には生産者に補給金を交付する価格安定対策を実施し、野菜農家の経営に及ぼす影響を緩和し、次期作の確保と、消費者への安定的な供給を図る。

69

(4)野菜価格安定対策の概要

11

基本の仕組み

指定野菜価格安定対策事業

(うち指定野菜) (うち特定野菜)

指定野菜 14品目 指定野菜 14品目 特定野菜 34品目

国民消費生活上重要な野菜地域農業振興上の重要性等から

指定野菜に準ずる重要な野菜

面積  25ha(露地野菜) 10ha(露地野菜) 5ha

共同出荷割合 2/3 1/2 2/3

指定・選定者 大臣指定 知事選定 知事選定

国 6/10 1/2 1/3

都道府県 2/10 1/4 1/3

生産者 2/10 1/4 1/3

平均価格の90% 90% 80%

平均価格の60% 60% 55%

原則90% ※1 80% 80%

(独)農畜産業振興機構

 

※1 需給調整の重要性等から、供給計画に対する出荷実績の乖離の度合い等に応じて、補塡率を3区分(70%~90%)

都道府県野菜価格安定法人

特定野菜等供給産地育成価格差補給事業

対象野菜

産地要件

資金造成割合

平均価格 過去6カ年の卸売市場価格を基礎に算出

保証基準額

最低基準額

事業実施主体

補塡率

※2 特定野菜のうち、かぼちゃ、スイートコーン及びブロッコリーにあっては、国1/2、都道府県1/4、生産者1/4 

 価格

平均販売価額

平均価格

この一部につき補給金を交付

保証基

指定野菜(14品目)

キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、

トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、

ピーマン、レタス、たまねぎ、ばれいしょ、

ほうれんそう

特定野菜(34品目)アスパラガス、いちご、えだまめ、かぶ、かぼちゃ、カ

リフラワー、かんしょ、グリーンピース、ごぼう、こま

つな、さやいんげん、さやえんどう、しゅんぎく、しょ

うが、すいか、スイートコーン、セルリー、そらまめ、

ちんげんさい、生しいたけ、にら、にんにく、ふき、ブ

ロッコリー、みずな、みつば、メロン、やまのいも、れ

んこん、ししとうがらし、わけぎ、らっきょう、にがう

り、オクラ

国、都道府県、生産者で

資金造成

(100%)

(90%)

(60%)

※2

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(5)野菜価格安定対策の支援強化について【野菜価格安定対策事業 23年度所要額 15,925百万円】

○契約取引への一層の支援強化

○緊急需給調整対策の強化

野菜価格高騰時における出荷前倒しの支援対象品目を指定野菜及び特定野菜全品目に拡大するなど、緊急需給調整対策を強化。(4品目(6種別)→48品目(64種別))

保証基準額の算定に用いる卸売市場価格の対象年数を現行の9ヵ年から6ヵ年に短縮し、より市場シグナルを反映した算定手法に見直し。また、燃油等生産資材費の高騰時には保証基準額を引き上げる仕組みをビルトインすることにより、セーフティネットを強化。

通常

保証基準額

最低基準額

資材費高騰時価格の推移

(90)

(60)

卸売価格

(90)

(60)

(95)資材費高騰時保証基準額

新最低基準額 (65)

卸売価格

価格の推移

切換

保証基準額

最低基準額

補てん対象補てん対象

資材費高騰分を加算(平年価格の5%)

最低基準額を引き上げた上で補てん対象を拡大

セーフティネットの強化

・登録生産者の面積要件を緩和。指定野菜7ha→2ha特定野菜2.5ha→1.5ha

・共同出荷割合の要件(対象品目:ねぎ)を緩和。

輸入品と競合している特定野菜について、生産者負担割合を引き下げ。(1/3→1/4)。

対象:ブロッコリー、かぼちゃ、スイートコーンの3品目

契約野菜安定供給事業の活用を促進する第1歩として、六次産業化法により、指定産地によらずリレー出荷による周年供給の取組みを促進する特例措置を設置。また、上記取組における発動要件を緩和。

契約取引において、豊凶にかかわらず収入が確保されるセーフティネット支援を新たにモデル事業として実施。

・生産者負担金について、指定野菜の品目・種別毎に、過去の交付実績を踏まえた負担率(50%、70%、100%)を設定し、負担を軽

減。

・国・県の債務負担行為限度額の引き上げ。(国:50%→70%)

負担軽減分を新たな交付予約に活用

交付予約数量の拡大が可能

事業概要

(モデル事業における対象品目)キャベツ、レタス等7品目

(例)不作等で契約数量・価格に変動が生じた場合に、収入減見込額の一部を補てん。

契約数量・価格の双方の変動に伴う収入(P×Q)減少に対応した新たなセーフティネット措置を創設。

野菜生産者の経営安定の確保や加工・業務用需要に対応した契約取引の推進等を強化します。

○指定野菜・特定野菜の生産者に対する経営安定の支援強化

生産者が広く加入できる事業を整備し、契約取引を一層推進

(例のイメージ)

(現行)市場購入価額が平年価格の130%

(見直し)品目の状況に応じ、110%、120%に緩和

契約Q0実取引Q1

契約P0

実取引P1

Q(数量)

P(価格)

収入減見

込額の一

部を補てん

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○ 産地活性化総合対策事業のうち産地収益力向上支援事業 【10,704百万円の内数】

市町村等を構成員とする協議会が策定する産地収益力向上プログラムに基づく販売企画力、生産技術力、人材育成力の強化を図る取組を総合的に支援

①産地活性化総合対策事業(ソフト) 2,149百万円の内数以下の取組を支援

・協議会の開催、加工品の試作、新品種の導入、税務・財務研修・イチゴのクラウン温度制御等の国が奨める新技術の導入・外部専門家で構成される産地経営支援チームによるサポート活動 等②産地活性化総合対策事業(ハード) 8,555百万円の内数

①の取組と併せて、集出荷貯蔵施設等の共同利用施設の整備を支援

○ 農畜産業機械等リース支援事業 【1,627百万円の内数】産地収益力向上支援事業における採択地区が、産地収益力向上プログラムの実現の

ために必要とする農業機械、園芸用施設(高温抑制型温室、植物工場)のリース導入を支援

○ 強い農業づくり交付金 【3,127百万円の内数】産地における加工・業務用需要への対応等による販売量の拡大、高付加価値化等に

よる販売価格の向上、生産・流通コストの低減に向けた取組に必要な共同利用施設整備や小規模土地基盤整備等を都道府県を通じて交付金を交付し支援

<補助対象メニュー(抜粋)>・共同育苗施設 ・農産物処理加工施設・低コスト耐候性ハウス ・集出荷貯蔵施設 等

○ 生産環境総合対策事業(地球温暖化対策推進分)【603百万円の内数】循環扇、内張の多層化等の施設園芸用省エネルギー設備の導入やヒートポンプ等の

先進的加温設備の導入を支援

○ 野菜産地の競争力強化や収益力向上を図るため、低コスト・高品質化等のために必要な共同利用施設の整備や、販売企画力、生産技術力、人材育成力を強化する各種の取組を支援。

6 野菜の生産振興対策(平成23年度予算)

集出荷貯蔵施設 選果機

ヒートポンプ

高温抑制型温室

協議会の開催 イチゴのクラウン温度制御

循環扇

移植機

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食料・農業・農村基本計画 (平成22年3月策定) (抜粋)

第3 食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策2.農業の持続的発展に関する施策(1)戸別所得補償制度の創設と生産・経営関係施策の再整理

②戸別所得補償制度の本格実施

また、野菜や果樹については、恒常的に販売価格が生産費を下回っている状況にはないと考えられるため、戸別所得補償制度の仕組みがそのまま適用されることにはならないが、消費者ニーズに即した商品の安定的な供給や経営安定の確保等を図る観点から、新たな支援策を検討する。

(参考1)野菜政策の方向性について

表1 生産数量目標と克服すべき課題

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その他特産野 菜

(44品目)

特定野菜

(34品目)

地域農業振興上

の重要性等から

指定野菜に準ず

る重要な野菜

指定野菜

(14品目)

全国的に流通し、

特に消費量が多

く重要な野菜

かぼちゃ、さやいんげん、スイートコーン、

そらまめ、えだまめ、さやえんどう、グリンピース

にがうり、ししとうがらしオクラ

注:上記の品目は、「野菜生産出荷統計」又は「地域特産野菜の生産状況」の調査対象品目

こまつな、みつば、ちんげんさい、ふき、しゅんぎく、セルリー、アスパラガス、にら、

カリフラワー、にんにく、ブロッコリー

わけぎ、らっきょう、みずな

いちご、メロン、すいか

しょうが生しいたけ

かぶ、 ごぼう、れんこん、やまのいも

かんしょ

うど、芽キャベツ、モロヘイヤ、もやし等

カイワレダイコン、マッシュルーム、しそ 等

とうがん等 くわい、ラディシュ等

葉茎菜類 果菜類 根菜類 果実的野 菜

キャベツ ほうれんそう レタス

ねぎ たまねぎ はくさい

きゅうり なす トマト

ピーマン

だいこん にんじん さといも

ばれいしょ

○ 我が国では数多くの野菜が栽培されているが、生産量等が統計で把握されているのは約100品目。

○ 全国的に流通し、特に消費量が多く重要な野菜を指定野菜として指定。

(参考2)野菜の品目について

その他野 菜

996万トン(74%)

292万トン(22%)

53万トン( 4%)

出荷量(20年産)

15資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」、「地域特産野菜の生産状況」