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肯定側立論の書き方
肯定側モデル立論 私は、学級文庫にまんがを置くことに賛成
します。
どうしてかというと、理由は二つあります。
一つ目の理由はまんがを置けば楽しい学級
文庫になるからです。
上じょうくんは、まんがが好きですよね。
私もまんがが好きだし、クラスのみんなもま
んがが大好きです。このように、学級文庫に
まんがを置くとまんがはみんなが大好きだか
ら、よく学級文庫を利用し、学級文庫が楽し
くなります。
二つ目の理由は、本がきらいな人でも本を
読むきっかけになるということです。
学級文庫には、まんがの他にもふつうの本
がたくさんあります。まんがを手にする時、
他の本にも自然に目が行って、興味を持つよ
うになります。だから、本ぎらいな人でも本
を読むきっかけになります。
この二つの理由「楽しい学級文庫になる」
「本がきらいな人でも本を読むきっかけにな
る」から、私は学級文庫にまんがを置くこと
に賛成です。
以上でこう定側立論を終わります。
★自分でも肯定側立論を書いてみよう。 私は、学級文庫にまんがを置くことに賛成
します。
どうしてかというと、理由は二つあります。
一つ目の理由は
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
説得力のある意見の書き方・自分の立場を書く。(私は、学級文庫にまんがを置くことに賛成します。)・理由の数を書く(ナンバリング)→理由は二つあります。一つ目の理由は・・・。・理由を一言で書く(ラベリング)→「まんがを置けば楽しい学級文庫になります。」・理由のかんたんな説明を書く。→具体的な例をあげるといい。・最後にラベルを繰り返す。→聞き手に確認させるため。
否定側立論の書き方
否定側モデル立論 私は、学級文庫にまんがを置くことに反対
します。
どうしてかというと、理由は二つあります。
一つ目の理由はふつうの本を読まなくなる
ということです。
すず木くんは、まんがが好きですよね。私
もまんがが好きだし、クラスのみんなもまん
がが大好きです。このように、学級文庫にま
んがを置くとまんがはみんなが大好きだか
ら、まんがばかりを読むことになります。そ
うすると、ふつうの本を読まなくなってしま
います。
二つ目の理由は、想像力がなくなるという
ことです。まんがは絵ばかりがかいてありま
す。絵があることによって読者は想像する必
要がありません。だから、ふつうの本とち
がって想像力がつきにくいです。文章だけを
読んで想像する力はとても大切です。
この二つの理由「ふつうの本を読まなくな
る」「想像力がなくなる」から、私は学級文
庫にまんがを置くことに反対します。
以上で否定側立論を終わります。
★自分でも肯定側立論を書いてみよう。
私は、学級文庫にまんがを置くことに反対
します。
どうしてかというと、理由は二つあります。
一つ目の理由は
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
説得力のある意見の書き方・自分の立場を書く。(私は、学級文庫にまんがを置くことに反対します。)・理由の数を書く(ナンバリング)→理由は二つあります。一つ目の理由は・・・。・理由を一言で書く(ラベリング)→「まんがを置けば楽しい学級文庫になります。」・理由のかんたんな説明を書く。→具体的な例をあげるといい。・最後にラベルを繰り返す。→聞き手に確認させるため。
議論のメモ(フローシート)を書く
議論メモ(フローシート)の書き方例
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
文○
立論を聞いて聞きっぱなしにすると、その後、相手の議論に対して反論がうまくできなくなってしまう。そこで相手の言ったことをメモにとります。○議論メモのとり方のコツ・ラベルは正確に書く。・その議論でよく出てくる言葉は省略記号を使う。(学級文庫→ 、まんが→ま など)・文のつながりを→で書く。・短いことばで書く。
「文」にまんが賛成
①まんがを置けば楽しい
学級文庫になる
↓
「ま」みんな大好き
↓
「文」利用
↓
楽しい「文」
②本がきらいな人でも本を
読むきっかけになる
↓
ふつうの本
↓
目にする
↓
興味を持つ
↓
本のきっかけ
否定側反駁(はんばく)否定側立論肯定側立論
いい議論メモは、それを見て、相手のスピーチを自分で言ってみることができるかです。
反ばくのやり方
反論メモの書き方
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
反ばくのスピーチでは相手の立論が正しいかどうかを調べるために反論をします。 相手の議論で「おかしいな」と思ったところを議論メモを見ながら考えましょう。
反論の言い方 ・○○側は○つ目の理由で「 」と言いましたが、それはおかしいです。どうしてかと言うと、(理由を述べる。)だから、○つ目の××という意見は成り立ちません。 反ばくスピーチの最後は、自分の立論の理由を繰り返し述べ、自分の立場を確認し終えるといいです。(ワークシートで確認してください。)
反ばくの手順 1.議論メモを見て「おかしなところ」に←を引き、おかしい理由を簡単にメモする。 2.くわしい理由のところのつながりを考えるのがコツ。 3.反ばくワークシートを使い、「反論の言い方」に習って、反論を書く。 4.最後に、自分の意見と立場を繰り返し書く。
本当にみんな好きなのか
本当に楽しくなるのかな
まんが賛成
①まんがを置けば楽しい
学級文庫になる
↓
「ま」みんな大好き
↓
「文」利用
↓
楽しい「文」
否定側反駁(はんばく)否定側立論肯定側立論
このくわしい理由のところに反論する!
議論メモがそのまま反論メモになります。理由のラベルではなく、そのくわしい理由に反論をします。上の例で言うと、①「まんがはみんなが好きだ」と言っていたが、本当にみんな好きな好きなのでしょうか。②「文庫を利用すると楽しい文庫になる」と言っていましたが、それは本当にそうなのでしょうか。↓は本当につながっているかを考えます。
反ばくスピーチを書こう
否定側反ばくスピーチ例
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
( )定側は一つ目の理由で「 」
と言いましたがそれはおかしいです。
なぜならば、
だから一つ目の「 」という意見は成り立ちません。
また、二つ目の理由で、「 」
と言いましたがそれはおかしいです。
なぜならば、
私は、 側立論で二つの理由
「 」「 」
と言いました。だから、私は学級文庫にまんがを置くことに(賛成・反対)します。
以上で、( )側反ばくを終わります。ありがとうございます。
こう定側は一つ目の理由でまんがを置くとみんなが利用して学級文庫が楽しくなると
言いましたがそれはおかしいです。なぜならば、まんがが楽しくてみんなが読めば他の
ふつうの本は読まれないようになり、かえってつまらない学級文庫になってしまいま
す。だから一つ目の楽しい学級文庫になるという意見は成り立ちません。
また、二つ目の理由で、・・・と言いましたがそれはおかしいです。なぜなら
ば、・・・。
私は、否定側立論で二つの理由「ふつうの本を読まなくなる」「想像力がなくなる」
といいました。だから、私は学級文庫にまんがを置くことに反対します。
以上で、否定側反ばくを終わります。ありがとうございます。
(反駁時間は1分間です。書きすぎに注意。)
審判のやり方
判定スピーチの述べ方
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
ディベートの審判はゲームの中でも一番むずかしいパートです。ここではかんたんに、
どちらの議論がわかりやすかったか
で勝敗を決めます。 わかりやすかったかということは、それだけその議論になるほどなと説得力があったから、わかりやすかったのです。 ディベートの初歩の段階ではこれでかまいません。 審判は、一生けん命試合をした肯定側、否定側の人をほめてあげることから判定のスピーチが始まります。声の大きさ、調子、をはじめとして、スピーチ全般のよかったことをほめてあげましょう。 そして、次に、判定をします。はっきりと答えてあげましょう。「○○側の方がわかりやすかったです。」そして、できれば、なぜ自分がわかりやすかったのかの説明をかんたんにしてあげるといいです。
こう定側、否定側のみなさん、おつかれさまでした。とってもいいディ
ベートでした。
こう定側の人のよかったことは、
否定側の人のよかったことは、
判定にうつります。
私は○○側の議論がわかりやすかったです。
どうしてかというと、
(かんたんな説明をする)
ありがとうございました。
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」 小学生ができる即興ディベート。
ー聞く、書く、話すディベートワークショップー
ディベートとは、一つの論題(テーマ)に対してこう定側(賛成側)と否定側(反対側)に分かれて議論をし、しん判がその議論を聞いて、どちらの議論がより説得力があったかで勝敗を決めるゲームです。
1.ディベートの用語とルール ここでは、論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」でディベートの試合にいたるまでを体験します。 この論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」では、「学級文庫にまんがを置くことにする」「学級文庫にまんがを置かない」の2つの立場に立って議論を行うことになります。テーマに賛成する立場がこう定側、反対する立場を否定側です。 この両方の立場から意見を言い合い、どちらの立場がより分かりやすい議論をしたかをしん判が考え、勝敗を決めます。
このように、ふつうの討論とは違い、ディベートでは自分たちのスピーチする順番と時間が決まっています。順番はちょうど野球の守備と攻撃が分かれているのと同じですね。 ・2つの立場 この2つの立場は形式的に決められる。つまり、自分が賛成だからといって賛成の立場を選ぶことはできない。教室ディベートでは、全ての立場(こう定側、否定側、しん判)を一通り行うのが望ましい。・反ばくとは反論するということ。ここでは、反論と自分たちの意見のまとめを述べる。・判定スピーチはしん判が行う。判定基準はどちらの立場が「より分かりやすい議論をしたか」で決める。・今回の論題は光村図書6年(上)「学級討論会をしよう」の単元を参考にした。もともとのテーマは「学級文庫にまん画を置くのはよいか」である。
肯定側立論 1分 否定側立論 1分 (反駁準備時間)10分 否定側反駁 1分 肯定側反駁 1分 (判定準備時間)2分 判定スピーチ 1分 (時間は、スピーチの持ち時間)
Copyright (C) 2003 Ikeuchi Kiyoshi
論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
授業づくりネットワーク主催 連続ワークショップ
ディベートワークショップ
小学生がすぐできる「聞く、書く、話す、即興ディベート」
講師 東京・聖学院小学校教諭 池内 清
ワークショップの流れ
1.ディベートの簡単な説明
2.論題「学級文庫にまんがを置くことにしよう」
論題解説と考えられる議論
・・・(学校単位時間1時間)
3.こう定側立論と否定側立論の構成
4.議論のメモを書こう
・・・(1時間)
5.反ばくの考え方と書き方
反論のコツと反論のメモ
6.ディベートの試合
それぞれの立場に立って
7.ふり返り
・・・(2時間)
合計4時間