近年のジカウイルス感染症の流行域の拡大...RR107 DENV-1/US/BID-V1741/1998 Den1BR/90 100 100 100 100 100 100 59 100 100 100 83 100 100 100 100 82 100 100 100 49 81

近年のジカウイルス感染症の流行域の拡大

2019年7月12日(土)

国立感染症研究所ウイルス第1部第2室

林昌宏イムチャンガン

第18回ウイルス学夏の学校みちのくウイルス塾

主なアルボウイルス

フラビウイルス科

• 黄熱ウイルス、

• デングウイルス、

• ウエストナイルウイルス、

• 日本脳炎ウイルス、

• ジカウイルス

• ダニ媒介性脳炎ウイルス等

レオウイルス科

• ムコウイルス、

• ブルータングウイルス、

• イバラキウイルス等

ラブドウイルス科

• 牛流行熱ウイルス等

トガウイルス科

• チクングニアウイルス、

• 東部馬脳炎ウイルス、

• 西部馬脳炎ウイルス、

• ベネズエラ馬脳炎、

• ゲタウイルス等

ブニヤウイルス科

• 重症熱性血小板減少症候群ウイルス、

• クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、

• リフトバレー熱ウイルス、

• カブトヤマウイルス等

感染症法に掲載されているフラビウイルスとトガウイルスに起因する疾患

フラビウイルス

• 黄熱（四類）

• 日本脳炎（四類）

• ウエストナイル熱（四類）

• デング熱（四類）

• ジカ熱（四類）

• ダニ媒介脳炎（四類）

• オムスク出血熱（四類）

• キャサヌル森林病（四類）

トガウイルス

• 東部馬脳炎（四類）

• 西部馬脳炎（四類）

• ベネズエラ馬脳炎（四類）

• チクングニア熱（四類）

フラビウイルス

フラビウイルス感染症は世界各地において流行している公衆衛生

学的に重要な新興・再興感染症である。

複数のフラビウイルスが同一地域に同時に流行する状況が報告さ

れている。

フラビウイルスはしばしば他の熱性疾患との鑑別疾患を要する。

フラビウイルスではこれまでに約70種類のウイルスが報告されて

おり、未知のフラビウイルス存在の潜在的可能性も否定出来ない。

フラビウイルス感染症の状況

日本脳炎ウイルス血清型群

蚊

デングウイルス血清型群

ウイルスベクター

NS5蛋白質コード領域遺伝子配列にもとづく主なフラビウイルスの系統樹解析

スポンドウェニウイルス血清型群

黄熱ウイルス

ダニ媒介性ウイルス群ダニ

構造蛋白質の翻訳とウイルス粒子の形成

非構造蛋白質の翻訳とプロセッシング

：セリンプロテアーゼ

：シグナルペプチダーゼ

：フリンあるいはフリン様酵素

EprMC NS5NS1

NS2A NS2B NS4A NS4B

Mpr

3’5’cap

2Aα

Cleaved NS3

?

(+) strand RNA

NS3

フラビウイルスRNAの転写機構

非構造蛋白質構造蛋白質

フラビウイルスの不活化法

化学的処理

エタノール, グルタールアルデヒド, ホルムアルデヒド

次亜塩素酸塩 (塩素系漂白剤)

ヨード, フェノール, ヨウ素担体

物理学的処理

56℃で 30分間加熱

紫外線、ガンマ線照射

フラビウイルス脳炎の分布

ウエストナイルウイルスクンジンウイルス日本脳炎ウイルスロシア春夏脳炎ウイルスダニ脳炎ウイルス

デングウイルスの分布域

デング熱

デングウイルスによる蚊媒介性の急性熱性疾患である

ヒトが感染しても無症候感染の頻度は50〜80%で、症候性の場合の病態には軽症のデング熱と血管透過性亢進を伴うデング出血熱がある (WHOガイドライン1997年）

WHOガイドライン(2009年)ではショック症状を伴うデング出血熱や重篤な出血、重篤な臓器障害を伴う場合を重症デングと呼称している

感染症法上では4類感染症

Year

Nu

mb

er

of

pa

tie

nts

autochthonous case

Imported case

9 18

50 5232

49

7458

89104

93

244

113

221

249

292

338

162

0

50

100

150

200

250

300

350

400

149

245

179

国内の1999-2019年6月におけるデング熱症例の推移

202

341

2016年における渡航先別デング熱輸入症例数

渡航した国と地域

症例数

感染症発生動向調査より

感染地別診断週別報告数（2014年第1～39週、n=292）

診断週

報告数

0

10

20

30

40

50

60

70

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39

国外 n=143

国内 n=149

感染症発生動向調査より2014年10月1日現在

≥ 10010-995-91-4

デング熱の国内流行（2014年）

0

2

4

6

8

10

12

1日

3日

5日

7日

9日

11日

13日

15日

17日

19日

21日

23日

25日

27日

29日

31日

2日

4日

6日

8日

10日

12日

14日

16日

18日

20日

22日

24日

26日

28日

30日

その他・不明 n=21

新宿中央公園のみ n=8

代々木公園またはその周辺のみ n=122

感染症発生動向調査より2014年10月1日現在

Tajima et al Jpn J Infect Dis. 2017

DENV1/CN/GZ35/2014D1/Hu/Hyogo/NIID188/2014*D1/Hu/Saitama/NIID100/2014*D1/Hu/Tokyo/NIID111/2014*D1/Hu/Tokyo/NIID149/2014*D1/Hu/Chiba/NIID153/2014*

D1/SG/05K4604DK1/2005D1/SG/05K4820DK1/2005D1/SG/05K4441DK1/2005D1/SG/05K4480DK1/2005D1/SG/05K2928DK1/2005D1/SG/05K4154DK1/2005

D1/SG/05K3301DK1/2005D1/SG/05K2402DK1/2005DH/S1/05/154

SG(EHI)D1227Y03ZH1067

NIID02-20KDH0030A

GZ27SV2951/07

D1/Hu/Shizuoka/NIID181/2014*DENV-1/KH/BID-V1978/2000

DENV-1/KH/BID-V1989/2003DENV-1/VN/BID-V996/2006

D1.Myanmar.31987/98ThD1_0102_01

MochizukiHawaii

WestPacCHI3336-02

NC10/080810-1138PF07/051107-164

16007Comoros 04.329/93

RR107DENV-1/US/BID-V1741/1998

Den1BR/90

100100

100

100100

100

59

100

100

100

83100

100

100100

82100

100

100

4981

100

81

99

100

99

98

100

61

88

100

7875

0.01

Yoyogi group

GI

GIV

GV

GII

Phylogenic analysis of whole genome DENV isolates from the

autochthonous DF cases in Japan in 2014

DENV1

ヒトスジシマカネッタイシマカ

デングウイルスの媒介蚊

国立感染症研究所昆虫医科学部提供

まとめ

2014年8月に代々木公園およびその周辺という

限られた地域で短期間に多数のデング熱症例の

集積が認められた

これはヒトスジシマカを主媒介蚊とする流行で

あった

Zika virus

ジカ熱

発熱: ほとんどは ≤ 38.5 ºC, 発疹, 間接

痛, 結膜充血, 結膜炎, 筋肉痛, 頭痛

多くの場合不顕性感染であり、発症しても

比較的穏やかな症状を呈す

症状が穏やかなため多くの患者は受診し

ないが、発疹を呈して皮膚科を受診する

場合がある

Kutsuna et al. Euro Surveill. 2014

ブラジルにおける小頭症症例数

2010-2014年 2015年新生児1000人あたりの発生率

平均163症例計3530症例

ブラジルにおける小頭症の増加（2015-2016）

小頭症と以下の症状が関連する:

• 発作

• 発達障害

• 発育障害

• 動作障害、平衡感覚の欠如

• 嚥下障害

• 聴覚障害

• 視覚障害

2015年11月28日、保健省が小頭症の新生児からジカウイルスRNAを検出したとして、

ジカ熱と小頭症との関連の可能性について発表。

ブラジルおよびWHOの対応

＜ブラジル＞

1月17日、妊婦に対して十分な防蚊対策を推奨。（渡航に関して言及なし。）

また、ギラン・バレー症候群を含む神経症状に対して注意喚起を実施。

1月24日、カナダとチリを除いた南北アメリカ大陸全域に拡大する可能性を指摘。

2月1日、緊急委員会を開催し、小頭症及び神経障害の多発について「PHEIC（国際

的に懸念される公衆の保健上の緊急事態）」に該当すると宣言。

2月12日、妊婦の流行地域への渡航延期を勧告。

＜WHO＞

ネッタイシマカヒトスジシマカ

都市型

Aedes. Africanus

森林型

経胎盤

性行為涙液

輸血

ジカウイルスの感染環

‘In February 2016, the FDA, US, issued recommendations

for donor screening, donor deferral, and product

management to reduce the risk for transfudion-transmitted

Zika virus in the US and its territories.’

MMWR 65(24), 627, 2016

Proportion of screened blood donations reactive for Zika virus

infection, by week of testing-Puerto Rico, Apr.-Jun., 2016

Total 68 (0.5%) viremic donors out of 12,777 MMWR 65(24), 627, 2016

南北アメリカ諸国におけるジカウイルス感染症累計症例数（2015-2018年1月）

国と地域国内症例

輸入症例死亡例先天性ジカ症例疑い症例確定症例

北米カナダ 0 0 473 0 1

米国 0 227 5,885 0 102

バーミューダ 0 0 6 0 0

中米メキシコ 0 11,805 15 0 20

中米諸国 57,704 5,994 77 0 52

カリブカリブ諸国 109,738 45,434 234 9 127

南米ブラジル 231,725 137,288 0 11 2,952

ボリビア 2,672 811 4 0 14

コロンビア 98,803 9,927 0 0 248

エクアドル 3,954 2,397 15 0 14

ペルー 2,564 450 21 0 0

ベネズエラ 60,097 2,413 0 0 0

アルゼンチン 539 278 29 0 5

チリ 0 0 33 0 0

パラグアイ 715 20 0 0 2

ウルグアイ 0 0 1 0 0

合計 583,451 223,477 5,655 20 3,720

タイにおけるジカウイルス感染症

年感染者数

小計

顕性感染者数不顕性感染者数

2016 606 4 610

2017 564 13 577

2018 882 239 1,121

合計 2,052 256 2,308

国内初のジカウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KITの製造販売承認

「国内侵入・流行発生が危惧される昆虫媒介性ウイルス感染症に対する総合的対策に資する開発研究」班（AMED）

（長崎大学安田二朗先生、キャノンメディカルシステムズ（株）共同研究）

L. Arzuza-Ortega et al. Emerg Infect Dis. 2016

African genotype

Asian genotype

Phylogenic analysis of Zika virus

当室におけるリアルタイムRT-PCR法によるアルボウイルス遺伝子検出法

患者検体（血液、血清、血漿、尿、唾液等）

RNA抽出（Roche社 High Pure Viral RNA kit）

48℃(RT reaction)

5 min 1cycle

95℃ 20 sec 1 cycle

95℃ 3 sec40 cycles

57℃ 30 sec

ワンステップリアルタイムRT-PCR

必要に応じて通常のRT-PCR法によりウイルス遺伝子を増幅後、塩基配列を決定し、遺伝子解析を行っている

Thermo Fisher社・StepOnePlus

・Quantistudio5

を使用

Name Sequence

Primer

ZIKV 1086f: CCG CTG CCC AAC ACA AG

ZIKV 1162c:CCA CTA ACG TTC TTT TGC

AGA CAT

Probe ZIKV 1107p

FAM-AGC CTA CCT TGA CAA

GCA GTC AGA CAC TCA A-

TAMRA

Lanciotti et al. EID 14: 1232-1239 (2008)

当室で使用しているジカウイルス用リアルタイムPCRプライマープローブセット

男性55%

女性45%

2013-2017年のジカ熱国内輸入症例

10代10%

20代20％

30代45%

40代25%

50代以上0%

10代未満0%

中南米52%

南太平洋19％

東南アジア29%

Sample type NAT (Ct) Isolation

Serum （11/22） neg. No

Urine （11/22） 32.0 Yes

Saliva （11/22） 39.1 No

Whole Blood （11/22） 38.1 No

Semen （11/24、HighPure） neg. No

Semen （11/24、NucleoSpin RNA Blood) neg. No

Semen （11/24、TRIzol) neg. No

・40s, Male・2016/11/10-17 Viet Num・11/18 temp. 38℃・11/18-19 rush, red eye・dengue NS1 (-), IgM (-), IgG (-)

ジカウイルスの分離（ベトナム株）

Hashimoto et al. Emerg Infect Dis. 2017

KU501217 8375

KX446951 MEX_I-7

KU501215 PRVABC59

KU321639 ZikaSPH2015

KX280026 Paraiba

LC190723 ZIKV/Hu/Yokohama/1/2016

KJ776791 H/PF/2013

KU866423 ZKV.SZ01.2016.CN

KX806557 TS17-2016

LC191864 ZIKV/Hu/S36/Chiba/2016

LC219720 ZIKV/Hu/NIID123/2016

KX827309 Zka-16-291

KU681081 ZV.Hs.THA.2014

KF993678 PLCal_ZV

KU681082 ZV.H.s.PHL.2012.CPC-0740

KF383116 ArD7117

KF268948 ARB13565

KF383115 ArB1362

LC002520 MR766-NIID

KF383118 ArD157995

KF383119 ArD158084

NC_029055 SPOWV

63100

100

100

100

100

100

100

98

97

99

93

100

10087

77

99

0.05

African

genotype

Asian

genotype

輸入症例から分離されたジカウイルス株の系統学的解析


2013年から2017年12月までに20例のジカ熱輸入症

例が報告された

ベトナムから帰国した40代の男性の尿サンプルから

ジカウイルスを分離した

これまでに日本で分離されたジカウイルスはすべて

遺伝子型がアジア型のウイルスであった

Summary

KU501217 8375 (Guatemala)KX446951 MEX_I-7 (Mexico)KU501215 PRVABC59 (Puerto Rico)

KU321639 ZikaSPH2015 (Brazil)KX280026 Paraiba_01 (Brazil)

LC190723 ZIKV/Hu/Yokohama/1/2016 (Dominica R.)KJ776791 H/PF/2013 (French Polynesia)

KU866423 ZKV.SZ01.2016.CN (Samoa)KX806557 TS17-2016 (Tonga)

LC191864 ZIKV/Hu/S36/Chiba/2016 (Fiji)

KX827309 Zka-16-291 (Singapore)KU681081 ZV.Hs.THA.2014 (Thailand)

KF993678 PLCal_ZV (Thailand)KU681082 ZV.H.s.PHL.2012.CPC-0740 (Philippines)

9977

87

99

93100

100

97

98

100

100

0.002

LC219720 ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Viet Nam)

American

Clade

Pacific

Clade

Southeast

Asian

Clade

ZIKV/Hu/Chiba/S36/2016 (Fiji) ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Viet Nam)

Asian

genotype

Zika virus Asian genotype were classified within three clade


Infe

ctious titer

(PF

U/m

L)

Day post infection

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

1.E+08

1.E+09

0 1 2 3 4

MR766

PRVABC59

ChibaS36

NIID123

Vero C6/36

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

0 1 2 3 4

MR766

PRVABC59

ChibaS36

NIID123

B C

A MR766ZIKV/Hu/

NIID123/2016

ZIKV/Hu/

Chiba/S36/2016PRVABC59

Day post infection

***

***

Growth in vitro of 4 ZIKV strains: MR766-NIID, PRVABC59, ZIKV/Hu/Chiba/S36/2016, and

ZIKV/Hu/NIID123/2016

Kawai Y, et al. PLoS Negl Trop Dis. 2019

各臓器におけるウイルスレベルの比較

ZIKV接種 (1x104 PFU/mouse, s.c.)1) MR766 (Uganda)2) PRVABC59 (Puerto Rico)3) ZIKV/Hu/S36/Chiba/2016 (Fiji)4) ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Vietnam)

（各3-4匹）

IFNAR1 K/O

Day6

感染性ウイルス量（TCID50）ウイルスコピー数（リアルタイムRT-PCR）

解剖・採材

血清脳脊髄脾臓肝臓腎臓

1.E+00

1.E+02

1.E+04

1.E+06

1.E+08

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

Infe

ctio

us tite

r (T

CID

50/m

L)

Ge

no

me

le

ve

l (c

op

ies/m

L)

1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

*

*

*

*

NS

NS

NS

NS NS NS

NS

NS

Levels of viremia/infectious virus and viral RNA in ZIKV-infected IFNAR1-KO mice

Serum


1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

1.E+08

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

Brain Spinal cord Liver Kidney Spleen

Infe

ctio

us tite

r (T

CID

50/

g)

1.E+00

1.E+02

1.E+04

1.E+06

1.E+08

1.E+10

1.E+12

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

MR

766

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

Brain Spinal cord Liver Kidney Spleen

Ge

no

me

le

ve

l (c

op

ies/ g

)

**

NS

NS

NS

*

*

*NS

*

*

*

*

*NS

*

*

*

*

*NS

*

*

*

*

*

*

*

*

*

*NS

*

*

*

Levels of viremia/infectious virus and viral RNA in ZIKV-infected IFNAR1-KO mice


ウイルス血症レベルの比較

ZIKV接種1) PRVABC59 (Puerto Rico)2) ZIKV/Hu/S36/Chiba/2016 (Fiji)3) ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Vietnam)

A群（3匹）

B群（3匹）IFNAR1 K/O Day2

Day1 Day3 Day5

Day4 Day6

Day7

Day8

Day9

採血

感染性ウイルス量を測定（TCID50）

採血

Viremia levels in ZIKV-infected IFNAR1-KO mice

PRVABC59

ChibaS36

NIID123

Day post infection

Infe

ctio

us tite

r (T

CID

50/m

L)

****

**

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

1 2 3 4 5 6 7 8 9


雄性生殖腺等に対する影響の比較

ZIKV接種 (1x104PFU/mouse, s.c. route)

1) PRVABC59 (Puerto Rico)

2) ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Vietnam)

3) ZIKV/Hu/Chiba/S36/2016 (Fiji)

（各6匹）

IFNAR1 K/O

2w

感染性ウイルス量（TCID50）ウイルスコピー数（リアルタイムRT-PCR）

解剖・採材

血清精液（精巣上体内液）精巣精巣上体精子

6w

解剖・採材

0

20

40

60

80

100

120

PRVABC59 ChibaS36 NIID123

0

20

40

60

80

100

120


0

10

20

30

40

50

60

70


0

10

20

30

40

50

60

70


A B

C D

Testis, 2 weeks Testis, 6 weeks

Epididymis, 2 weeks Epididymis, 6 weeks

NS*

Weig

ht (m

g)

Weig

ht (m

g)

Weig

ht (m

g)

Weig

ht (m

g)

Weight of testis (A and B) and epididymis (C and D) of ZIKV-infected IFNAR1-KO mice


Testis (mg)

Epididymis

(mg) Semen Remarks

PRVABC59, 2w #1 100 49 Low volume

#2 110 62 Low volume

#3 78 54 Low volume

#4 90 46 Low volume

#5 97 54 Low volume

#6 95 45 Low volume

PRVABC59, 6w #1 88 44 Low volume,

low viscosity

#2 21 28 Very few Small

#3 20 20 Low volume,

low viscosity

Small


low viscosity

Small


low viscosity

Small

#6 21 32 Very few Small

PRVABC59 (Puerto Rico)


Testis (mg)

Epididymis

(mg) Semen Remarks

ChibaS36, 2w #1 103 54 Normal

#2 104 47 Normal

#3 100 47 Normal

#4 92 50 Normal

#5 100 56 Normal

#6 100 64 Normal

ChibaS36, 6.5w #1 83 29 Normal

#2 82 30 Normal

#3 88 38 Normal

#4 92 33 Normal

#5 68 30 Normal

#6 18 25Low vol.

low viscosity

One of the

testes was small

ChibaS36 (French Polynesia)


Testis (mg)

Epididymis

(mg) Semen Remarks

NIID123

(Vietnam), 2w

#1 103 44 Normal

#2 90 62 Normal

#3 100 54 Normal

#4 97 54 Normal

#5 108 63 Normal

#6 95 60 Normal

NIID123

(Vietnam), 6.5w

#1 100 30 Normal

#2 78 35 Normal

#3 76 28 Normal

#4 92 35 Normal

#5 67 31 Normal

#6 97 38 Normal

ZIKV/Hu/NIID123/2016 (Vietnam)


1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

Serum Epididymal fluid EpididymisTestisSperm

NS

**

** NS

**

** NS

**

** NSNS

NS

NSNS

NS

Infe

ctio

us tite

r (T

CID

50/m

L o

r g

)

1.E+00

1.E+02

1.E+04

1.E+06

1.E+08

1.E+10

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123


*

**

****

**

** NS

**

* NS

**

** NS

**

*

Ge

no

me

le

ve

l (c

op

ies/m

L o

r g

)

Levels of viremia/infectious virus and viral RNA in serum, epididymal fluid, sperm, testis, and epididymis of

ZIKV-infected IFNAR1-KO mice at 2 weeks after inoculation


1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

1.E+06

1.E+07

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123


NSNS

NS

NSNS

NS

NSNS

NS

NSNS

NS

NSNS

NS

Infe

ctio

us tite

r (T

CID

50/m

L o

r g

)


1.E+00

1.E+02

1.E+04

1.E+06

1.E+08

1.E+10

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

PR

VA

BC

59

Ch

iba

S3

6

NII

D123

NS

**

NS*

**

* *

**

NS *

**

* NS

**

NS

Ge

no

me

le

ve

l (c

op

ies/m

L o

r g

)

Levels of viremia/infectious virus and viral RNA in serum, epididymal fluid, sperm, testis, and epididymis of

ZIKV-infected IFNAR1-KO mice at 6 weeks after inoculation


PRVABC59 ZIKV ZIKV/Hu/Chiba/S36/2016 ZIKV/Hu/NIID123/2016

Te

ste

sE

pid

idym

ide

s

HE Anti-ZIKV HE Anti-ZIKV HE Anti-ZIKV

A B

C D

E F

I

G

K

J

H M

L Q

0 P

N

R

Histological analysis of testes and epididymides at 2 weeks after inoculation


PRVABC59 ZIKV ZIKV/Hu/Chiba/S36/2016 ZIKV/Hu/NIID123/2016

Te

ste

sE

pid

idym

ide

s

HE Anti-ZIKV HE Anti-ZIKV HE Anti-ZIKV

A B

C D G

E

H

F I

K L

J

Histological analysis of testes and epididymides at 6 weeks after inoculation


まとめ

ジカウイルスアジア・アメリカlineageの異なるsubtypeの株間で、in vitroでの増殖性、マウス内での増殖性、精巣へのダメージの度合いが異なることが明らかとなった。

増殖性およびダメージの強さは、PRVABC59 (Puerto Rico) > ChibaS36 (Fiji) > NIID123 (Vietnam)

であった。

精巣のダメージは6か月後でも残存していた。

これらの差異がsubtype間の性状の差異を示しているのか、単なる株間の差異なのかを明らかにするためには、さらなる解析が必要である。

今後、感染性分子クローンを用いて、これらの差異に関わるウイルス側要因を同定する。

Acknowledgements

National Institute of Infectious

Diseases

Yasuhiro Kawai, Shigeru Tajima,

Satoshi Taniguchi, Eri Nakayama,

Takahiro Maeki, Nor Azila

Muhammad Azami, Fumihiro

Kato, Nahoko Kastuta, Kenichi

Shibasaki, Makiko Ikeda, Takuya

Inagaki, Yasushi Ami, Yuriko

Suzaki, , Tadaki Suzuki, Noriyo

Nagata, Naoko Iwata-Yoshikawa,

Hideki Hasegawa, Kyoko

Sawabe, Ichiro Kurane, Masayuki

Saijo

Nagasaki University

Meng Ling Moi, Kouichi Morita,

Jiro Yasuda

Kanagawa Prefectural

Institute of Public Health

Tomohiko Takasaki

Fundings

Japan Agency for Medical Research and Development (AMED)

Ministry of Health, Welfare and Labor, Japan

National Center for Global

Health and Medicine

Satoshi Kutsuna

Documents

近年のジカウイルス感染症 の流行域の拡大...RR107 DENV-1/US/BID-V1741/1998 Den1BR/90 100 100 100 100 100 100 59 100 100 100 83 100 100 100 100 82 100 100 100 49 81

近年のジカウイルス感染症の流行域の拡大...RR107 DENV-1/US/BID-V1741/1998 Den1BR/90 100 100 100 100 100 100 59 100 100 100 83 100 100 100 100 82 100 100 100 49 81