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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの 配合及び施工指針 参考資料 (第 1 回改訂版) 令和元年 5月 沖縄県土木建築部

参考資料...沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針 参考資料 1.はじめに 参資-1 1. はじめに 沖縄県土木建築部では、2014年1月に「フライアッシュコンクリートの利用促進について」と

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの

配合及び施工指針

参考資料

(第 1 回改訂版)

令和元年 5月

沖縄県土木建築部

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改訂履歴(参考資料)

改訂年月日 改訂箇所・追加資料 理由等

2017 年 12 月

初版発行

2019 年 3月

(第 1回改訂)

参資-41 LCC について追記

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目 次

1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資- 1

2. フライアッシュ(FA)の性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資- 3

2.1 物理的性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資- 3

2.2 化学的性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資- 3

2.3 沖縄県内で産出するフライアッシュの成分成績・・・・・・・・・・・・ 参資- 4

3. フライアッシュコンクリート(FAC)の特性・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-12

3.1 流動性の改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-12

3.2 水和熱の抑制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-14

3.3 乾燥収縮及び自己収縮の低減・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-16

3.4 力学的特性(長期強度の増進)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-18

3.5 アルカリシリカ反応(ASR)の抑制・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-21

3.6 遮塩性の向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-23

3.7 中性化に対する抵抗性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-26

4. フライアッシュ(FA)の供給能力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-29

4.1 電源開発火力発電所から産出するJIS Ⅱ種灰(JPFA)の出荷量・・・・・ 参資-29

4.2 リュウクスから出荷される改質フライアッシュ(CfFA)の供給量・・・・ 参資-32

5. 環境負荷低減効果(CO2削減効果)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-33

6. 経済性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-35

6.1 施工費用の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-35

6.2 補修費用の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-40

6.3 ライフサイクルコスト(LCC)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-41

7. 配合設計例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-42

7.1 内割り+外割り配合タイプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-43

7.2 内割り配合タイプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-54

7.3 外割り配合タイプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-63

8. 施工事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-73

9. コンクリート製造工場および施工会社へのヒアリング結果・・・・・・・・・・ 参資-105

9.1 ヒアリング概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-105

9.2 ヒアリング結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参資-107

9.3 ヒアリングで得られた情報および意見・・・・・・・・・・・・・・・参資-115

【参考文献】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・参資-123

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 1.はじめに

参資-1

1. はじめに

沖縄県土木建築部では、2014 年 1 月に「フライアッシュコンクリートの利用促進について」と

題した事務連絡が発出されている(次頁)。ここでは、沖縄県の高温多湿の島嶼環境は、構造物

に対し過酷であり、塩害やアルカリシリカ反応対策として FAC を用いることは、ライフサイクル

コスト(LCC)の観点から考えても重要であるとされている。そのため、重要構造物のコンクリー

トの耐久性を確保するために FAC の利用促進を促すよう関連部署に出されたものである。

この事務連絡を更に推し進めるために「沖縄県におけるフライアッシュコンクリート(FAC)の

配合及び施工指針」は作成されており、本参考資料は、同指針の本文を補うための資料である。

本参考資料は、第 2 章においてフライアッシュ(FA)の一般的な性質を述べ、第 3 章では、伊

良部大橋建設時の各種検討結果から FAC の物理的性質および耐久性向上効果を示している。また、

FAC の弱点と言われた中性化抵抗性については、一般財団法人沖縄県建設技術センターの研究成

果から、内陸部における FAC の利用可能性を述べた。第 4章では、県内の FAメーカーから収集し

た FA の供給能力や使用実績などを示し、第 5 章では既存資料からセメントを一部 FA に置き換え

ることによる CO2排出量削減効果について述べた。第 6 章では、南部東道路建設計画時に検討し

た施工費の算定結果と FAC を使用しなかった場合の耐久性劣化補修工事費との経済比較を示して

いる。第 7 章、第 8 章、第 9 章では県内の FAC の施工工事に用いた実配合の例と施工事例、それ

らに携わったコンクリート製造工場と施工会社に対するヒアリング結果を示している。

これらの参考資料は、本指針の本文を補うだけでなく、今後 FAC を製造・施工しようとする方々

に対し、少しでも役に立つ資料となる事を望むものである。

なお、本指針本文および参考資料で用いた各種書籍や論文等を巻末【参考文献】に示している。

必要に応じてこれらの参照を願いたい。

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 1.はじめに

参資-2

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-3

2. フライアッシュ(FA)の性質

2.1 物理的性質

フライアッシュ(FA)は微細粒子であり、これを電子顕微鏡でみると写真 1.1 に示すような

球形をしている。

このため、FA を混和材として用いると、コンクリートやモルタルの施工時の流動性が増大す

る事がわかっている。

写真 1.1 フライアッシュ電子顕微鏡写真(2,000 倍)

出典:日本フライアッシュ協会 HP(http://www.japan-flyash.com/index.html)

2.2 化学的性質

フライアッシュ(FA)の主成分は、シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)であり、セメントと混

合するとセメントの水和の際に生成される水酸化カルシウム[Ca(OH)2]と徐々に反応して、カ

ルシウムシリケート水和生成物等を生成する。これをポゾラン反応と呼び、生成された水和物は、

セメントの水和生成物と類似した化合物なる。

このカルシウムシリケート水和生成物は、セメント結晶粒界を徐々に埋めていくため、長期の

強度増進や水密性が向上し、結果的にコンクリートの耐久性が向上するものである。こうした一

連の反応は、図 2.2.1 のように表される。

図 2.2.1 ポゾラン反応の化学式

Ca(OH)2+[SiO2,Al3O3] nCaO・SiO2・mH2O(ケイ酸カルシウム水和物)

3CaO・Al2O2・6H2O(アルミン酸カルシウム水和物)

3CaO・Al2O2・3CaSO4・32H2O(エトリンガイト)

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-4

2.3 沖縄県内で産出するフライアッシュ(FA)の成分成績

沖縄県内で産出するフライアッシュ(FA)は、電源開発株式会社石川火力発電所から出る JIS Ⅱ

種灰(JPFA)と、株式会社リュウクスが沖縄電力株式会社の非 JIS 灰を再燃焼して JIS Ⅱ種灰に

改質したフライアッシュ(CfFA)の2種類がある。これら 2種の FA について、毎月発行される成

績証明書のデータを以下の期間で収集整理し、FAの品質について確認した。

(ア)電源開発株式会社石川火力発電所の JIS Ⅱ種灰(JPFA)

伊良部大橋建設初期の JPFA :平成 17 年 12 月~21年 4月(3年 4ヶ月)

直近の 5年間の JPFA :平成 24 年 4 月~29年 3月(5年間)

(イ)株式会社リュウクスの改質フライアッシュ(CfFA)

沖縄電力排出 非 JIS 灰 CfFA :平成 28年 6 月~29 年 7 月(1年 2ヶ月)

県外排出 非 JIS 灰 CfFA :平成 26 年 10 月~28年5月(1年 8ヶ月)

次頁以降には、上記の 4つの FA について、大きな変動のなかった「湿分」と「フロー値」を除

いた以下の 7項目について、その特徴を示す。

(1) 二酸化ケイ素

(2) 強熱減量

(3) 密度

(4) 45μmふるい残分

(5) 比表面積

(6) 活性度指数 28日

(7) 活性度指数 91日

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-5

(1) 二酸化ケイ素

FA の主成分はシリカとアルミナであり、二酸化ケイ素は前述のようにセメントの水和の際に

生成される水酸化カルシウムとポゾラン反応を起こし、耐久性と水密性を向上させる働きをす

る。二酸化ケイ素の JIS Ⅱ種灰規準は 45%以上であり、図 2.3.1 を見ると JPFA・CfFA ともに

この規準を上回っていた。ただし、JPFA と CfFA で見ると、CfFA の方が高く、JPFA の最大値が

CfFA の最小値程度であった。

次に、伊良部大橋建設初期 JPFA(以下、伊良部 JPFA と称す)と平成 28 年度以前の直近 5

年間の JPFA(以下、直近 JPFA と称す)を比較すると、やや伊良部 JPFA が多く含有しているが、

ほとんど差はない。また、沖縄電力株式会社排出灰 CfFA(以下、沖電 CfFA と称す)と県外排

出灰 CfFA(以下、県外 CfFA と称す)もほとんど差はなかった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.1 二酸化ケイ素の含有率分布

0

2

4

6

8

10

12

14

50 53 56 59 62 65 68

頻度

二酸化ケイ素含有率分布

(%)

平 均 値 58.2

最 大 値 65.9

最 小 値 50.7

標準偏差 3.59

変動係数 6.18

0

5

10

15

20

25

47.5 49.3 51.1 52.9 54.7 56.5 58.3

頻度

二酸化ケイ素含有率分布

(%)

平 均 値 53.0

最 大 値 57.7

最 小 値 48.1

標準偏差 2.20

変動係数 4.16

0

1

2

3

4

5

6

63 65 67 69 71 73 75

頻度

二酸化ケイ素含有率分布

(%)

平 均 値 68.7

最 大 値 74.3

最 小 値 65.3

標準偏差 3.29

変動係数 4.79

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

60.5 63.0 65.5 68.0 70.5 73.0 75.5

頻度

二酸化ケイ素含有率分布

平 均 値 67.4

最 大 値 74.1

最 小 値 60.9

標準偏差 2.46

変動係数 3.65

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-6

(2) 強熱減量

強熱減量とは未燃炭素含有量の目安で、強熱減量が大きいほど未燃炭素含有量が大きいこと

を示している。この未燃炭素含有量が大きいほど、スラリーの流動性が低下することが判って

おり、強熱減量が小さいほど流動性に対しては良質な FA であると言える。

強熱減量の JIS Ⅱ種灰規準は 5.0%以下であり、図 2.3.2 を見ると JPFA・CfFA ともにこの

規準を満足していることがわかる。ただし、JPFA と CfFA で見ると、JPFA の方が高く、JPFA

の最小値が CfFA の最大値程度であったことから、未燃炭素含有量は JPFA の方が多いと考えら

れる。

次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を比較すると、分布に偏りがあり変動係数が直近 JPFA の方

が大きいが、その差はほとんどないと言える。また、沖電 CfFA と県外 CfFA も、両者の差はほ

とんどなかった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.2 強熱減量の分布

0

5

10

15

20

25

1.4 1.9 2.4 2.9 3.4 3.9 4.4

頻度

強熱減量の分布

(%)

平 均 値 2.4

最 大 値 3.9

最 小 値 1.6

標準偏差 0.46

変動係数 18.44

0

5

10

15

20

25

0.8 1.3 1.8 2.3 2.8 3.3 3.8

頻度

強熱減量の分布

(%)

平 均 値 2.4

最 大 値 3.4

最 小 値 0.9

標準偏差 0.60

変動係数 24.83

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0.3 0.5 0.7 0.9 1.1 1.3 1.5

頻度

強熱減量の分布

(%)

平 均 値 0.7

最 大 値 1.0

最 小 値 0.4

標準偏差 0.16

変動係数 23.68

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0.1 0.3 0.5 0.7 0.9 1.1 1.3

頻度

強熱減量の分布

平 均 値 0.58

最 大 値 0.9

最 小 値 0.3

標準偏差 0.16

変動係数 28.14

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-7

(3) 密度

FA の密度の JIS Ⅱ種灰規準は 1.95g/cm3以上であり、図 2.3.3 を見ると JPFA・CfFA ともに

この規準を満足していることがわかる。また、JPFA と CfFA で見ると、やや CfFA の方が密度の

平均値は小さく、最大値・最小値も小さい。また、CfFA は、密度の分布も狭い範囲にあるため、

変動係数は極端に小さかった。

次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を比較すると、ほとんど差はなかった。また、沖電 CfFA と

県外 CfFA でも、両者に差はほとんどなかった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.3 密度の分布

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2.2 2.25 2.3 2.35 2.4 2.45 2.5

頻度

密度の分布

(g/cm3)

平 均 値 2.37

最 大 値 2.45

最 小 値 2.24

標準偏差 0.06

変動係数 2.43

0

5

10

15

20

25

2.34 2.38 2.42 2.46 2.5 2.54 2.58

頻度

密度の分布

(g/cm3)

平 均 値 2.46

最 大 値 2.54

最 小 値 2.35

標準偏差 0.05

変動係数 1.84

0

2

4

6

8

10

12

2.25 2.26 2.27 2.28 2.29 2.3 2.31

頻度

密度の分布

(g/cm3)

平 均 値 2.28

最 大 値 2.28

最 小 値 2.27

標準偏差 0.01

変動係数 0.19

0

2

4

6

8

10

12

2.25 2.26 2.27 2.28 2.29 2.3 2.31

頻度

密度の分布

平 均 値 2.28

最 大 値 2.29

最 小 値 2.27

標準偏差 0.01

変動係数 0.26

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-8

(4) 45μmふるい残分

一般に、FA は気流分級して JIS Ⅱ種灰を製造するが、ほぼ 0.05mm 以下の細粒分のみを JIS

用の FA としてコンクリート混和材に用いている。ここで言う 45μm ふるい残分とは、FA の粉

末度を評価する指標の一つで、JIS 用 FA を 45μmふるいにかけ、残分(粗い分)がどの程度あ

るかを確認するものである。

FA の 45μm ふるい残分の JIS Ⅱ種灰規準は 40%以下であり、図 2.3.4を見ると JPFA・CfFA

ともにこの規準を満足した値であった。また、JPFA と CfFA で見ると、沖電 CfFA の最小値は小

さいが、平均値や最大値の差はなく、概ね同程度と言える。次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を

比較すると、ほとんど差はなかった。また、沖電 CfFA と県外 CfFA を比較すると、平均値・最

大値・最小値などで県外 CfFA の方が大きな値であった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.4 45μm ふるい残分の分布

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

9.4 10.6 11.8 13 14.2 15.4 16.6

頻度

45μmふるい残分の分布

平 均 値 12.5

最 大 値 15.0

最 小 値 10.4

標準偏差 1.21

変動係数 9.70

0

5

10

15

20

25

8.2 9.4 10.6 11.8 13 14.2 15.4

頻度

45μmふるい残分の分布

平 均 値 12.0

最 大 値 15.9

最 小 値 8.0

標準偏差 1.36

変動係数 11.31

0

1

2

3

4

5

6

2 5 8 11 14 17 20

頻度

45μmふるい残分の分布

平 均 値 10.1

最 大 値 14.0

最 小 値 2.0

標準偏差 3.46

変動係数 34.12

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

4.5 7.0 9.5 12.0 14.5 17.0 19.5

頻度

45μmふるい残分の分布

平 均 値 11.5

最 大 値 16.0

最 小 値 8.0

標準偏差 1.99

変動係数 17.35

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-9

(5) 比表面積

比表面積は、FAの粉末度を評価するもう一つの指標である。FA の比表面積は、原粉で 3,000

~3,500cm2/g が平均的な値であり、比表面積が大きいと粒径が小さく、流動性や反応性が良い

ということになる。

JIS Ⅱ種灰の比表面積規準は、2,500cm2/g 以上であり、図 2.3.5 を見ると JPFA・CfFA とも

にこの規準を満足した値であった。また、JPFA と CfFA で見ると、大きな差はなく、概ね同程

度と言える。次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を比較すると、ほとんど差はなかった。また、沖

電 CfFA と県外 CfFA を比較すると、県外 CfFA の方が平均値・最大値・最小値で沖電 CfFA より

低い値であったが、大きな差は無かった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.5 比表面積の分布

0

2

4

6

8

10

12

14

16

頻度

比表面積の分布

(cm2/g)

平 均 値 4,438

最 大 値 4,840

最 小 値 4,070

標準偏差 205.3

変動係数 4.63

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

頻度

比表面積の分布

(cm2/g)

平 均 値 4,241

最 大 値 4,780

最 小 値 3,500

標準偏差 264.8

変動係数 6.24

0

1

2

3

4

5

6

頻度

比表面積の分布

平 均 値 4,575

最 大 値 5,200最 小 値 4,080

標準偏差 335.6

変動係数 8.43

(cm2/g)

0123456789

10

頻度

比表面積の分布

平 均 値 4,178

最 大 値 4,480

最 小 値 3,690

標準偏差 216.1

変動係数 5.17

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-10

(6) 活性度指数 28日

活性度指数 28 日は、FA の 28 日強度発現を評価する指標であり、この値が大きいほど 28 日

強度が発現しやすいことを示している。

JIS Ⅱ種灰の活性度指数 28 日の規準は、80%以上であり、図 2.3.6を見ると JPFA・CfFA と

もに最小値は 80%で規準を満足した値であった。また、JPFA と CfFA で見ると、CfFA の方が平

均値・最大値ともに小さく、JPFA に比べて 28 日強度が発現しにくいと考えられた。

次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を比較すると、直近 JPFA の方が、最大値がやや大きかった

が、ほとんど差はないと考えられた。また、沖電 CfFA と県外 CfFA の比較では、やや県外 CfFA

の方が平均値・最大値等が低かった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.6 活性度指数 28日の分布

0

2

4

6

8

10

12

14

81 83 85 87 89 91 93

頻度

活性度指数(28d)分布

(%)

平 均 値 85.6

最 大 値 90最 小 値 80

標準偏差 2.33

変動係数 2.73

0

5

10

15

20

25

81 83 85 87 89 91 93

頻度

活性度指数(28d)分布

(%)

平 均 値 86.3

最 大 値 93

最 小 値 80

標準偏差 3.00

変動係数 3.47

0

1

1

2

2

3

3

4

4

5

79 80 81 82 83 84 85

頻度

活性度指数(28d)分布

(%)

平 均 値 82.1

最 大 値 84最 小 値 80

標準偏差 1.21

変動係数 1.47

0

2

4

6

8

10

12

79 80 81 82 83 84 85

頻度

活性度指数(28d)分布

平 均 値 80.9

最 大 値 83

最 小 値 80

標準偏差 0.79

変動係数 0.97

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 2.フライアッシュの性質

参資-11

(7) 活性度指数 91日

活性度指数 91 日は、FA の 91 日強度発現を評価する指標であり、この値が大きいほど 91 日

強度が発現しやすいことを示している。

JIS Ⅱ種灰の活性度指数 91 日の規準は、90%以上であり、図 2.3.7を見ると JPFA・CfFA と

もに最小値は 90%で規準を満足した値であった。また、JPFA と CfFA で見ると、ここでも CfFA

の方が平均値・最大値ともに小さく、JPFA に比べて 91日強度が発現しにくいと考えられた。

次に、伊良部 JPFA と直近 JPFA を比較すると、直近 JPFA の方が、最大値・平均値ともにや

や大きかったが、ほとんど差はないと考えられた。また、沖電 CfFA と県外 CfFA でもほとんど

差はなかった。

伊良部大橋建設初期 JPFA 本指針(案)作成直近の 5年間 JPFA

沖縄電力排出灰 CfFA 県外排出灰 CfFA

図 2.3.7 活性度指数 91日の分布

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

91 94 97 100 103 106 109

頻度

活性度指数(91d)分布

(%)

平 均 値 99.1

最 大 値 105

最 小 値 93

標準偏差 2.82

変動係数 2.85

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

91 94 97 100 103 106 109

頻度

活性度指数(91d)分布

(%)

平 均 値 100.7

最 大 値 109

最 小 値 90

標準偏差 4.02

変動係数 3.99

0

1

2

3

4

5

6

7

8

90 92 94 96 98 100 102

頻度

活性度指数(91d)分布

(%)

平 均 値 95.0

最 大 値 100最 小 値 92

標準偏差 2.42

変動係数 2.55

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

89 91 93 95 97 99 101

頻度

活性度指数(91d)分布

平 均 値 93.5

最 大 値 99

最 小 値 90

標準偏差 2.06

変動係数 2.21

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-12

3. フライアッシュコンクリート(FAC)の特性

以下のフライアッシュコンクリートの特性について述べる。

① 流動性の改善

② 水和熱の抑制

③ 乾燥収縮及び自己収縮の低減

④ 長期強度の増進

⑤ アルカリシリカ反応の抑制

⑥ 遮塩性の向上

⑦ 中性化に対する抵抗性

3.1 流動性の改善

(1) 伊良部大橋下部工 27N/mm2フライアッシュコンクリート(FAC)

図 3.1.1 は、伊良部大橋下部工 27N/mm2FAC の配合試験におけるスランプロスのデータである

(目標スランプ 8±2.5 ㎝)。この FAC は、内割り+外割り配合タイプで、セメント置換の内割

り 20%(65㎏/m3)、細骨材置換の外割り 25㎏/m3でフライアッシュ(FA)を配合している。同

図において、普通コンクリート(NC)の 45 分と 60 分のスランプが測定されていないのは、45

分で大きくスランプロスし、目標スランプを外れたためである。

NC と FAC の平均スランプロスを比較すると、0~30 分では 5.75cm と 5.5cm とほぼ同程度であ

ったが、30~60 分では、NC が大きくスランプロスしたのに対し、FAC は 1.0cm と緩やかなロス

であった。これらの結果から、内割り+外割り配合タイプの FAC は、NC に比べ 30 分以降のスラ

ンプロスが少なく、現場でのトラブルに対処できることがわかった。

※) 27NC :27N/mm2普通コンクリート、平成 18 年 10 月 26 日測定と 27 日再測定の試験結果

27FAC:27N/mm2フライアッシュコンクリート、平成 18 年 10 月 26 日測定の試験結果

図 3.1.1 伊良部大橋下部工 27N/mm2コンクリートのスランプ経時変化

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

0分 15分 30分 45分 60分

スラ

ンプ

(cm

)

経時時間

27NC(10/26)

27NC(10/27)

27FAC(10/26)

27NC :0~30分の平均スランプロス:5.75cm

27FAC:0~30分の平均スランプロス:5.5cm

30~60分の 〃 :1.0cm

打設開始

予定時間:30分

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-13

(2) 伊良部大橋上部工 50N/mm2外割りフライアッシュコンクリート(FAC)

図 3.1.2 は、伊良部大橋上部工 50N/mm2外割り FAC の配合試験におけるスランプロスのデータ

である(目標スランプ 18±2.5 ㎝)。

ここで、この NC は、アルカリシリカ反応(ASR)の発生を懸念して、細骨材を砕砂 100%とし

たものであり、FAC は、その砕砂の 3%(22㎏/m3)を外割り配合したものである。

同図に示すように砕砂 100%の NC に比べ外割り FAC は 0~30 分のスランプロスが大きく異な

り、FA3%の置換で施工性は大きく向上した。

※) 50N-NC :50N/mm2普通コンクリート

50N-U0F22:50N/mm2外割り 22kg/m3配合フライアッシュコンクリート

図 3.1.2 伊良部大橋上部工 50N/mm2コンクリートのスランプ経時変化

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-14

3.2 水和熱の抑制

図 3.2.1 および図 3.2.2 は、伊良部大橋 P6 橋脚柱部の 1 ロット目と深江橋 A2 橋台竪壁部の

コンクリート打込み時から 21 日間のコンクリート温度の実測結果である。また、表 3.2.1 は、

それらの温度測定結果から算定した温度上昇値である。

ここで、伊良部大橋下部工は、本指針の内割り+外割り配合タイプの 27N/mm2フライアッシュ

コンクリート(FAC)であり、深江橋の橋台は、27N/mm2の JIS 普通コンクリート(NC)の配合で

ある。これらを見ると、コンクリート温度のピークは、FAC が 74.8℃、NCが 72.5℃と FAC の方

が高いが、コンクリートの膨張に寄与する温度上昇量(コンクリート打込み時とピーク時の温度

差)は、FAC が 43.8℃、NC が 46.5℃と、2.7℃FAC の方が低かった。この事から、FAC はフライ

アッシュ(FA)の配合により水和熱が抑制されていると考えられた。

次に、温度上昇と温度降下について見ると、FAC がピーク温度に達するまで 2.3 日かかったの

に比べ、NCはピーク温度まで 1.7 日と短かった。また、温度降下は、FAC の方が NC よりなだら

かで、ゆっくり温度が下がっていることがわかった。このことから、NC の方が FAC より膨張・

収縮が急激に起こると考えられ、FAC の方が温度応力の抑制効果が高いことがわかった。

※) ①中心部は、周囲のコンクリートに囲まれて断熱状態になっているため、この温度変

化を 27FAC の温度上昇カーブとして扱う

図 3.2.1 下部工 27FAC(伊良部大橋 P6橋脚柱部 1ロット目)の温度測定結果

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

0 7 14 21

打設開始からの経過時間 (日)

温度

(℃

①中心部(1/2H、長辺面より1250mm)②表面部(1/2H、長辺面より150mm)③表面部(1/2H、短辺面より150mm)④表面部(1/2H、隅角面より150mm)⑤内 部(1/2H、長辺面より625mm)⑥表面部(下面より150mm)⑦表面部(上面より130mm)外気温

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-15

※) ①中心部は、周囲のコンクリートに囲まれて断熱状態になっているため、この温度変

化を 27FAC の温度上昇カーブとして扱う

図 3.2.2 下部工 27NC(深江橋 A2橋台堅壁部)の温度測定結果

表 3.2.1 伊良部大橋 P6橋脚と深江橋 A2 橋台のコンクリート温度測定結果比較

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

0 7 14 21

打設開始からの経過時間 (日)

温度

(℃

①中心部(1/2H、長辺面より1150mm)

②表面部(1/2H、長辺面より150mm)

③中心部(1/4H、長辺面より1150mm)

④内 部(1/2H、長辺面より575mm)

⑤表面部(上面より130mm)

⑥内 部(1/2H、短辺面より2000mm)

外気温

打込み温度最高温度Tmax

(℃)温度上昇量

T0(℃) [ピーク材齢] Tmax-T0(℃)

伊良部大橋P6橋脚柱部1ロット

27FAC 2008/6/13 31 74.8[2.3日] 43.8

深江橋A2橋台堅壁部

27NC 2008/4/11 26 72.5[1.7日] 46.5

対象部材コンク

リートの種類

打設日

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-16

3.3 乾燥収縮及び自己収縮の低減

沖縄県土木建築部では、フライアッシュコンクリート(FAC)の乾燥収縮および自己収縮に関す

る試験を行っていないため、石川嘉崇・安田幸弘による「コンクリートの収縮ひび割れ抵抗性に

関するフライアッシュ混和の影響」(コンクリート工学年次論文集、Vol.33、№1、2011、pp.191-196)

を引用して以下に述べる。詳細については、引用文献を参照願いたい。

一般に、フライアッシュ(FA)は、自己収縮・乾燥収縮低減効果を有するといわれている。ま

た、FA を内割置換したコンクリートは、普通コンクリート(NC)と同程度以上の収縮ひび割れ抵

抗性を有していると報告されている。そこで、石川らは FAC の収縮ひび割れ抵抗性について、FA

置換率および置換方法の影響等について検討している。

ここで、試験に用いたコンクリートは普通コンクリート(NC)、フライアッシュコンクリート

(FAC)、高炉スラグコンクリート(BBFC)であり、使用した FA は JIS Ⅱ種灰である。表 3.3.1

に試験に用いたコンクリートの配合を示す。

表 3.3.1 試験に用いたコンクリートの配合

著者らは、まとめにおいて以下のように述べており、関連する図を図 3.3.1~図 3.3.3 に示す。

本実験では,水粉体比が一定で強度発現性状はそれぞれ異なるので,今後詳細な検討が必要では

あるが,本実験結果をまとめると以下のとおりである。

(1) 自己収縮ひずみは,NCと FAC(内割り使用)を比較した場合,FA置換率が高いコンクリート

では自己収縮ひずみは小さく,FA置換による自己収縮ひずみ抑制効果が認められた。

(2) 自由収縮ひずみは,NC と FAC(内割り使用)を比較した場合,FAC では自由収縮ひずみは NC

に比較して小さく,FA置換率によるひずみ量の差はあまりなかった。

(3) FAC(内割り使用)は,FA 置換率 20%までは収縮ひび割れの抑制効果が認められた。本実験

結果からは,FAを外割り置換した FAC は,NCと比べひび割れ発生日数が若干早かった。同様

に,高炉セメント B 種にフライアッシュを 20%置換した BBFC についても,ひび割れ発生日

数が早かった。

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-17

図 3.3.1 自己収縮試験結果

図 3.3.2 自由収縮試験結果

図 3.3.3 ひび割れ発生日数とひび割れ発生応力・ひび割れ発生時引張強度との関係

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-18

3.4 力学的特性(長期強度の増進)

3.4.1 伊良部下部工配合試験における FAC の長期強度増進

図 3.4.1 は、伊良部大橋下部工 27N/mm2コンクリートの配合試験における長期強度増進状況で

ある。同図の①~⑤は内割り配合 0%、⑥~⑨は内割り配合 10%、⑩~⑫は内割り配合 20%で

あり、各々外割り配合量(kg/m3)を配合名の末尾に示している。

この図から、FAC は 28 日から 91 日でも強度増進が認められ、内割り配合量に関係なく外割り

配合量が多いほど強度は大きくなることがわかった。

逆に内割り配合量が多いほど、初期強度は低かったが、内割り 20%配合でも 28日強度は目標

配合強度 32N/mm2を上回っていた。

供試体名の読み方

●N:強度(N/mm2)、U▲:内割り配合量(kg/m3)、F■:外割り配合量(kg/m3)

図 3.4.1 伊良部大橋下部工 27N/mm2コンクリートの強度増進経時変化

3.4.2 辺土名暴露試験場における 11年暴露 FAC 供試体の力学的特性

ここでは、風間洋・富山潤・砂川勇二・比嘉正也・小籏俊介による「沖縄県の海岸線に 11 年

間暴露したフライアッシュコンクリートの耐久性に関する研究」(土木学会論文集 E2(材料・

コンクリート構造)、No.3、pp.251-270、2017)を参考に、FAC 長期暴露供試体の強度発現につ

いて述べる。

表3.4.1は、辺土名暴露試験場に11年間暴露した沖縄電力株式会社排出の非JIS灰(表3.4.2)

を用いた供試体の配合である。同表に見られるように、これらの配合は外割り配合である。ただ

し、伊良部大橋の下部工コンクリート配合も併記しているように、各単位量は伊良部大橋の下部

工に近似しており、この試験結果が伊良部大橋の 10 年後を予測するものと考え各種試験を実施

した。

伊良部大橋で

採用された配合

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-19

なお、この供試体は、暴露後 8 年間は、沖縄電力株式会社牧港火力発電所の波しぶきのかかる

桟橋上に暴露されていたが、その後、同じように波しぶきのかかる辺土名海岸暴露され、10 年

11 ヶ月後(約 11 年)に各種試験を行ったものである。

暴露 11 年後の長期強度測定結果を図 3.4.2 に示す。この図から、非 JIS 灰 FA を用いても暴

露 11年の長期強度増進は認められた。また、図 3.4.3 には、暴露 10年 11 ヶ月供試体の圧縮強

度と静弾性係数の関係を示す。同図から、全ての供試体で圧縮強度に対する静弾性係数は、土木

学会コンクリート標準示方書[設計編]に示された圧縮強度と静弾性係数の関係を上回る値であ

った。

以上の結果から、本暴露試験で測定した普通コンクリート(NC:図表中では B(ベースコンク

リート)と記載)および外割り FAC は、同様の相関関係にあると言え、外割り FAC の長期的な力

学的性質は、NC と同等と考えて良いと言える。

表 3.4.1 辺土名暴露試験場の供試体配合

F1 F2 海砂 砕砂 4020 2005

65 25 399 273 458 687

80 20 295 302 693 462

60-B - - - - 49.1 - 452 542 - 956

60-F50 - 51.1 17.7 15.0 46.6 - 415 415 - 969

60-F75 - 47.5 26.5 20.9 42.7 - 374 374 - 1023

60-F100 - 44.4 35.3 26.1 41.6 - 358 358 - 1023

55-B - - 48.0 - 437 437 - 964

55-F50 - 47.4 16.2 13.9 45.6 - 401 401 - 975

55-F75 - 44.3 34.3 19.5 41.0 - 355 355 - 1040

55-F100 - 41.6 32.4 24.4 40.1 - 341 341 - 1040

45-B 45 - - - - 45.5 - 171 380 400 400 - 977

65-B - - - - 50.5 - 461 461 - 921

65-F50 - 55.1 18.2 15.4 48.4 - 427 427 - 929

65-F75 - 51.1 27.3 21.4 44.2 - 384 384 - 986

65-F100 - 47.7 36.4 26.7 43.2 - 368 368 - 988

暴露供試体の配合名の読み方

※1) 頭の数字45、55、60、65:水セメント比の意

※2) B:ベースコンクリート(PLと同様)の意

※3) Fの後の50、75、100:FA量でそれぞれ50、75、100kg/m3の意

50

75

100

100

50

75

100

597

945

1155

50

75

37.13948.5

793

32315735.434.623.631

36 26.5 37.6 38.6 156 250

283

309

275

36N-U80F20

27N-U65F2590

100

62 49.5 45.9伊良部大橋

暴露供試体

60

55

65

170

170

179

W CF 細骨材 粗骨材

単位量(kg/m3)F/(C+F)

(%)s/a(%)

sF2/a(%)

箇所名 配合名W/C(%)

W/(C+F1)(%)

W/(C+F)(%)

F/C(%)

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-20

表 3.4.2 暴露供試体の使用 FA 品質

供試体名の読み方

45,55,60,65:水セメント比 W/C(%)、B:ベースコンクリート、

F○○:フライアッシュ・外割り配合量(kg/m3)

図 3.4.2 辺土名暴露試験場に設置したコンクリート供試体の強度増進経時変化

供試体名の読み方

45,55,60,65:水セメント比 W/C(%)、B:ベースコンクリート、

F○○:フライアッシュ・外割り配合量(kg/m3)

図 3.4.3 辺土名暴露試験場に設置した材齢 10年 11 ヶ月コンクリート供試体の

圧縮強度と静弾性係数の関係

% 44.7(≧45)

% 0.0(≦1.0)

% 2.1(≦5.0)

g/cm3 2.21(≧1.95)

45μmふるい残分(網ふるい方法)

% 15.0(40以下)

比表面積(ブレーン方法) cm2/g 4030(≧2500)

% 98(≧95)

材齢28日 % 81(≧80)

材齢91日 % - (≧90)

南屯炭※1:(  )内はJIS A 6201(1999)Ⅱ種灰の品質規格

※2:黄色表示はJIS規格から外れている二酸化けい素の値

                     種類項目

具志川火力発電所石炭灰平成12年9月26日

石炭銘柄

粉末度

活性度指数

二酸化けい素

湿分

強熱減量

密度

フロー値比

0

10

20

30

40

50

60

70

45-B

55-B

55-F50

55-F75

55-

F100

60-B

60-F50

60-F75

60-

F100

65-B

65-F50

65-F75

65-

F100

圧縮

強度

(N

/m

m2 )

供試体

材齢28日 材齢10年11ヶ月

10

15

20

25

30

35

40

45

50

10 20 30 40 50 60 70 80 90

静弾

性係

数(k

N/m

m2 )

圧縮強度 (N/mm2)

65-B

65-F50

65-F75

65-F100

60-B

60-F50

60-F75

60-F100

55-B

55-F50

55-F75

55-F100

45-B

土木学会 2012年制定コンクリート標準示方書[設計編]

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-21

3.5 アルカリシリカ反応(ASR)の抑制

3.5.1 伊良部大橋の事例

沖縄県内で現在使用されているコンクリート用骨材のうち、ASR を発生させるものは、新川沖

産海砂のみである。しかし、この骨材は ASR がゆっくり進む遅延膨張性というタイプのものであ

り、この骨材を用いた構造物全てに ASR による劣化が発生するものではない。

表 3.5.1 は、伊良部大橋のコンクリート配合検討に用いた各種コンクリートである。同表中の

コンクリート配合の概要は以下の通りであり、何れも粗骨材は沖縄本島石灰岩砕石、細骨材は沖

縄本島新川沖産海砂と石灰岩砕砂を用いている。

上部工 50NC :宮古島の JIS 生コン工場における呼び強度 50N/mm2の普通コンクリート配合

で、伊良部大橋上部工の当初予定配合。

下部工 27NC :宮古島の JIS 生コン工場における呼び強度 27N/mm2の普通コンクリート配合

で、伊良部大橋下部工の当初予定配合。

下部工 27FAC:下部工 27NC のセメントの 20%をフライアッシュ(FA)に内割り置換し、細

骨材の 25 ㎏/m3を FA に外割り置換した配合。遮塩性の向上、温度応力の低

減、海砂のアルカリシリカ反応(ASR)抑制の効果を狙っている。

ここで、新川沖産海砂の ASR を促進膨張試験で確認するには、カナダ法と呼ばれる温度 80℃、

1mol/l の NaOH 溶液にコンクリート供試体を浸漬するしかない。

図 3.5.1 はこのカナダ法を用いて、上記 3 配合のコンクリート供試体を促進膨張試験したもの

である。この結果、FAを用いた 27FAC のみが膨張せず、FAに新川沖産海砂の ASR 抑制効果がある

事がわかった。

表 3.5.1 伊良部大橋配合検討に用いたコンクリート配合

図 3.5.1 伊良部大橋下部工 27N/mm2と上部工 50N/mm2コンクリートの促進膨張試験結果

水 セメント 内割りFA 外割りFA細骨材(S1)

細骨材(S2)

粗骨材(4020)

粗骨材(2005)

高機能形AE減水

高性能AE減水

剤27FAC 156 250 65 25 405 275 689 459 1.575 -

27NC 158 319 - - 448 304 664 443 1.276 -

50NC 156 436 - - 292 447 - 1004 - 3.728

単位量(㎏/m3)

配合

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-22

3.5.2 長期暴露試験における事例

ここでは、富山潤・知念正昭・大宜見圭太・山田 義智による「長期間暴露した FAC 試験体を用

いた遅延膨張型 ASR に関する研究」(コンクリート工学年次論文、Vol.32、No.1、2010 、pp.947-952)

を参考に、沖縄県新川沖産海砂を用いた長期暴露供試体の外割りフライアッシュ(FA)によるア

ルカリシリカ反応(ASR)抑制効果について述べる。

表 3.5.2 は、暴露供試体に用いたコンクリートの配合である。同表に見られるように、セメン

ト(C)と水(W)が一定で、FAと細骨材(S1:海砂、S2:砕砂)が変化していることから、これ

らの配合は SL-0 がベース配合の普通コンクリート(NC)で、その他は外割りフライアッシュコン

クリート(FAC)である。

なお、本研究で用いられた FA は、沖縄電力株式会社から排出された非 JIS Ⅱ種灰であり、海

砂は、新川沖産海砂を用い、本論文中で遅延膨張性骨材であると確認されている

これらの配合で作成した暴露供試体を波飛沫のかかる海岸線に 10 年間暴露し、その供試体から

採取したコンクリートコアを前述のカナダ法で促進膨張試験した結果を図 3.5.2 に示す。

同図から、NC の SL-0 と最も FA の外割り配合が少なかった SL-4 は促進膨張が認められたが、

その他の 3配合(SL-1、SL-2、SL-3)は ASR の膨張が認められなかった。

この事から、FA は外割り配合でも ASR の抑制効果がある事がわかった。

表 3.5.2 供試体に用いたコンクリートの配合

図 3.5.2 FA 外割り配合コンクリートの促進膨張試験結果

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-23

3.6 遮塩性の向上

3.6.1 伊良部暴露試験

表 3.6.1 は、伊良部大橋暴露試験供試体のコンクリート配合であり、下部工 27N/mm2 および

36N/mm2の普通コンクリート(NC)とフライアッシュコンクリート(FAC)供試体について示した。

暴露試験は、伊良部大橋 A2 橋台横の海中道路法肩ブロック上に 27N/mm2 供試体を約 3 年間、

36N/mm2供試体は約 4年間暴露し、飛来塩分の浸透状況をコア採取により確認した(図 3.6.1、図

3.6.2)。なお、供試体側面には遮塩性塗装を施し、上面と下面が暴露面である。この結果、NC

は 2 層目の 2~4 ㎝と 21~23 ㎝に塩分浸透が認められるのに対し、FAC は 2 層目には殆ど塩分浸

透が認められず、FAC は NC に比べ遮塩効果が高いことが確認された。

表 3.6.1 伊良部大橋暴露試験供試体の配合

図 3.6.1 下部工 27N/mm2コンクリートの 5年暴露含有塩分量分布

図 3.6.2 下部工 36N/mm2コンクリートの 5年暴露含有塩分量分布

セメント 水

(N/mm2) (cm) (mm) (%) (%) C 膨張剤 内割りFA W 海砂 砕砂 外割りFA G1 G2

27FAC 27 12 40 49.5 38.7 250 - 65 156 405 275 25 689 459

27NC 27 12 40 49.5 41.1 319 - - 158 448 304 - 664 443

36FAC 36 12 40 39.0 35.4 323 - 80 157 295 302 20 693 462

36NC 36 12 40 39.0 35.4 403 - - 157 308 315 - 695 463

混和材供試体名

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基準強度

目標スランプ

骨材最大寸法

水セメント比W/C

細骨材率s/a

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

Cl-

・kg

/m

3

供試体上面からの距離(cm)

27FAC

27NC

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

Cl-

・kg

/m

3

供試体上面からの距離(cm)

36FAC

36NC

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-24

3.6.2 辺土名海岸長期暴露試験における事例

ここでは、風間洋・富山潤・砂川勇二・比嘉正也・小籏俊介による「沖縄県の海岸線に 11年間

暴露したフライアッシュコンクリートの耐久性に関する研究」(土木学会論文集 E2(材料・コン

クリート構造)、No.3、pp.251-270、2017)を参考に、FAC 長期暴露供試体による遮塩性効果に

ついて述べる。

表 3.6.2 は、沖縄県国頭村の波飛沫のかかる辺土名海岸線に設置された暴露 11 年の供試体コン

クリートの配合である。同表の配合名のうち、65-18-B は普通コンクリート(NC)で、65-18-75

と 65-18-100 がフライアッシュコンクリート(FAC)である。これら FAC の配合と最下段に示した

伊良部大橋下部工の 27N-FAC(27N/㎜ 2の内割り+外割り配合タイプの FAC)を比べると、辺土名

暴露試験場 FAC の 2配合に伊良部大橋下部工の 27N-FAC の配合が近似していることがわかる。

なお、このコンクリートに用いたフライアッシュ(FA)は、表 3.6.3 に示すように、JIS Ⅱ種

灰の既定値を二酸化けい素 1 項目のみ外れているが、ほぼ JIS Ⅱ種灰に近い物性と言える。

よって、これらの含有塩分量分布を調べることで、伊良部大橋下部工の塩分浸透予測が可能で

あると考え、コア抜きを行い、含有塩分量分析を行ってみた。結果を図 3.6.3 に示す。なお、供

試体側面には遮塩性塗装を施し、上面と下面が暴露面である。

同図を見ると、波飛沫のかかる海岸線に 11 年間暴露した NC 供試体には、上面から下面まで塩

分浸透が認められたが、FAC 供試体は上面および下面の 1層目にしか塩分浸透が認められない。

この結果から、伊良部大橋下部工 27N-FAC は遮塩性の高いコンクリートであると言える。

表 3.6.2 辺土名暴露試験場の供試体配合

※)供試体の読み方

65:W/C(%)、18:スランプ(㎝)、B:ベースコンクリート、75・100:外割り FA 配合量(kg/m3)

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-25

表 3.6.3 暴露供試体の使用 FA 品質

図 3.6.3 暴露 11年の供試体の含有塩分量分布

% 44.7(≧45)

% 0.0(≦1.0)

% 2.1(≦5.0)

g/cm3 2.21(≧1.95)

45μmふるい残分(網ふるい方法)

% 15.0(40以下)

比表面積(ブレーン方法) cm2/g 4030(≧2500)

% 98(≧95)

材齢28日 % 81(≧80)

材齢91日 % - (≧90)

南屯炭※1:(  )内はJIS A 6201(1999)Ⅱ種灰の品質規格

※2:黄色表示はJIS規格から外れている二酸化けい素の値

                     種類項目

具志川火力発電所石炭灰平成12年9月26日

石炭銘柄

粉末度

活性度指数

二酸化けい素

湿分

強熱減量

密度

フロー値比

供試体上面 供試体下面

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-26

3.7 中性化に対する抵抗性

3.7.1 中性化促進試験

表 3.7.1 は、伊良部大橋下部工で用いた 27N/mm2および 36N/mm2フライアッシュコンクリート

(FAC)と比較のためのベースとなった普通コンクリート(NC)の配合である。これらの配合を用

いて、JIS A 1153 コンクリートの促進中性化試験方法により、CO2濃度 5%環境における FAC 供試

体の中性化進行状況を確認した。

なお、中性化促進試験は、本来 26週まで行うものであるが、今回は長期中性化進行状況を確認

するために、26 週以降 59 週間まで中性化促進試験器の中に供試体を置き、中性化進行状況を確

認した。

試験結果は、図 3.7.1に示すとおりであり、最も中性化が進んだのは 27FAC で 21.5mm、その他

は 27NC が 17.9mm、36FAC が 9.8mm、36NC が 8.9mm であった。

これらの中性化進行値から、中性化速度係数を求めると表 3.7.2 のようになり、このうち中性

化速度係数の大きかった 26 週の係数を用いて 100 年後の中性化進行深さを予測すると、図 3.7.2

のようになる。同図から、100年後の中性化進行深さは、27FACで 26.0mm、その他は27NCが18.2mm、

36FAC が 13.3mm、36NC が 8.4mm となることがわかった。

ここで、実構造物の鉄筋の最小かぶりについて、道路橋示方書では表 3.7.3 のように規定して

おり、沖縄県の内陸部において、鉄筋の最小かぶりは一部工場製品以外 50mm とされている。また、

コンクリート標準示方書では、鉄筋かぶりから中性化深さを引いた未中性化領域を「中性化残り」

と称し、これが一般環境の場合 10mm、塩害環境の場合 15mm を下回ると鋼材腐食が顕著になる構

造物が急増すると記載されており、鉄筋かぶりを50mmから未中性化領域の最小値15mmを引くと、

許容中性化深さは 35mm と仮定できる。この値と、図 3.7.2 の 100 年後の予測中性化深さを比較す

ると、最大値の 26.0mm でも中性化残りは 24.0mm(=50mm-26.0mm)であり、NC および FAC とも中

性化劣化の許容値内にあった。

以上から、促進中性化速度係数による中性化予測では、伊良部大橋下部工に用いられたFACは、

内陸部においても中性化抵抗性が 100 年耐久性を満足する可能性が高いとわかった。

表 3.7.1 供試体打込みを行ったコンクリートの配合

W/(C+F1) (s+F2)/a W セメント フライアッシュ** 海砂 砕砂 フライアッシュ

** 2005 4020高性能

AE減水剤AE助剤

(cm) (%) (%) (%) C F1 S1 S2 F2 G1 G2 (C×%) (C×%)

39.4 315 0 434 294 0 687 458 0.45*** 0.0015

38.6 250 65 406 274 25 690 460 0.475 0.0015

35.4 403 0 312 316 0 701 468 0.75 0.0089

35.4 323 80 296 300 20 693 462 0.90 0.0015

* 配合の読み方 : 27N-U65F25は,27N/mm2, 内割65kg/m

3, 外割25kg/m

3 の意味, ( )内は略称

** フライアッシュは,沖縄県石川火力発電所産,JISⅡ種灰使用

*** 27N-U0F0配合のみノーマルタイプのAE減水剤,他は高機能形AE減水剤

細骨材 粗骨材 混和剤 AD

36N-U80F20(36FAC)

配合記号*

配合条件 単位量(kg/m3)

スランプ 空気量 水結合材比

27N-U65F25(27FAC)

27N-U0F0(27NC)

36N-U0F0(36NC)

細骨材率 水 結合材

12±2.5

49.5

39.0

156

157

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-27

図 3.7.1 中性化促進試験結果

表 3.7.2 促進試験より得られた中性化速度係数

図 3.7.2 促進中性化速度係数から試算した中性化予測

材齢26週 材齢59週

27N-U0F0 18.1 17.5 27NC

27N-U65F25 25.9 23.4 27FAC

36N-U0F0 8.4 8.4 36NC

36N-U80F20 13.3 11.5 36FAC

備考

中性化速度係数(mm/√年)配合

18.2

26.0

8.4

13.3

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0 20 40 60 80 100 120

中性

化深

さ(m

m)

経過年数(年)

27N U0 F0

27N U65 F25

36N U0 F0

36N U80 F20

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参考資料 3.フライアッシュコンクリートの特性

参資-28

表 3.7.3 道路橋示方書に記載される鉄筋の最小かぶり(mm)

3.7.2 中性化暴露試験

前述の中性化促進試験で求めた 100 年後の中性化進行予測値は、あくまでも促進試験から求め

た値であり、現実の環境における中性化進行値から求めたものではない。そのため、(一財)沖縄

県建設技術センターでは、沖縄県内で CO2 排出が多い交通渋滞箇所で、降雨の影響がなく中性化

が進行しやすい箇所として、沖縄都市モノレール安里駅下の中央分離帯を選定し、中性化暴露試

験を実施し、実環境におけるフライアッシュコンクリート(FAC)中性化抵抗性の確認を行ってい

る。暴露試験状況を写真 3.7.1 に示す。

ただし、本暴露試験は、平成 26 年度から開始、平成 35年度までの 10年間を予定しており、最

新のデータとしては平成 28 年度に 3.3 年目の追跡調査値が得られている。その 3.3 年目の中性化

進行値は、27FAC が 2.7mm、27NC が 2.0mm、36FAC が 0.4mm、36NC が 0.1mm と僅かであった。

よって、この結果については、10年間のデータが得られ次第取りまとめ、本指針(案)の改定

時に記載するものとする。

写真 3.7.1 中性化暴露試験状況

1.工場で製作されるフプレキャスト部材

2.1以外のプレストレストコンクリート構造

3.1以外の鉄筋コンクリート構造

影響が激しい

S

I 50(35) 70(50) 90(50) 90(50)

II 35(25) 50(35) 70(40) 70(50) 70(50)

III 25(25) 35(35) 50(30) 50(35) 50(40)

※:別途の塩害対策を併用(塗装鉄筋、コンクリート塗装など)

注:かっこ内は現行の塩害対策指針による規定値

塩害の懸念の度合

70※(50~70) 90※(70)

影響を受ける

部材の種類

上部構造 下部構造

けた

はり 柱

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 4.フライアッシュの供給能力

参資-29

4. フライアッシュ(FA)の供給能力

沖縄県では、3 か所の石炭火力発電所が稼働しており、そのうち 2 発電所は沖縄電力株式会社

管理、残り1発電所は電源開発株式会社管理である。

このうち、電源開発株式会社石川石炭火力発電所には分級設備があり、コンクリート材料に使

用可能な JIS 灰が産出され、コンクリート用材料としては琉球セメント株式会社がこのフライア

ッシュ(FA)を用いてフライアッシュセメント B種の生産、および JIS Ⅱ種灰そのものをコンク

リート用混和材としてコンクリート製造工場に販売している。

一方、沖縄電力株式会社の 2 箇所の火力発電所では、コンクリートの混和材などに使用するた

めの分級設備がなく、JIS に定められた灰を採取できない。ここで、沖縄電力株式会社の平成 24

年度石炭灰排出量は約 10.2 万㌧であり、その処理として、セメント原料やリサイクル資材として

の再資源化に 9.9 万㌧、残りは土地造成材として公有水面の埋め立てに利用されており、再資源

化率は 100%となっている。しかし、将来的には埋め立てが不可能になる可能性もあり、別の再

資源化を考える必要がある。そこで、沖縄電力株式会社の非 JIS 灰は、株式会社リュウクス(元

ゼロテクノ沖縄、平成 24年 1 月設立)において未燃カーボンを再燃焼して改質した高品質の JIS

Ⅱ種灰(CfFA)に再生され、コンクリート用混和材として利用されている。

また、沖縄県内のいくつかのコンクリート製造工場においては、フライアッシュコンクリート

(FAC)の JIS 認証を受けており、今後も JIS 認証工場の拡大が予定されている。

このように沖縄県では、FA をコンクリートに使用するための環境が整ってきており、日本コン

クリート工学会の特集(2014 年 5 月)でも「沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの利用

促進について」が取り上げられている。

4.1 電源開発火力発電所から産出する JIS Ⅱ種灰(JPFA)の出荷量

図 4.1.1 は、電源開発株式会社石川火力発電所から産出する JIS Ⅱ種灰産出量の推移である。

ただし、この全量を琉球セメント株式会社が購入し販売するため、電源開発株式会社からの出荷

量は琉球セメント株式会社のオーダーによるものである。

図 4.1.2 は、琉球セメント株式会社屋部工場における石炭灰(JIS 灰・非 JIS 灰)受入量の推

移である。ここで、石炭灰は前述のようにセメントの原料となるため、琉球セメント株式会社は

コンクリート混和材以外にセメントの材料として購入し、利用している。

図 4.1.3 は、琉球セメント株式会社が出荷(販売)したフライアッシュ(FA)(JIS Ⅱ種灰)

の量と主な工事の関係である。これに見られるように、沖縄県内における FA の出荷量は、ダム工

事に多く、次いで伊良部架橋工事である事がわかる。

図 4.1.4 は、琉球セメント株式会社の FA セメント出荷(販売)量と主な工事の関係である。こ

のうち、H24 年度および H25 年度の工事では、プレミックスセメント(フライアッシュセメント B

種)を製造し出荷しており、それ以前の工事ではポストミックスセメントとして原材料を出荷し、

生コンクリート工場で混合・製造している。

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 4.フライアッシュの供給能力

参資-30

図 4.1.1 電源開発石炭火力発電所の FA(JIS Ⅱ種灰)産出量

図 4.1.2 琉球セメント屋部工場における石炭灰(JIS 灰・非 JIS 灰)受入量の推移

図 4.1.3 琉球セメントの FA(JIS Ⅱ種灰)出荷(販売)量と主な工事

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

FA(

JIS Ⅱ

種灰

)発生

量(t)

05,000

10,00015,00020,00025,00030,00035,00040,00045,00050,000

電源開発 JIS灰 電源開発非JIS灰 沖縄電力非JIS灰

石炭

灰(

JIS灰

・非JIS

灰)受

入量

(t)

02,0004,0006,0008,000

10,00012,00014,00016,000

FA(

JIS Ⅱ

種灰

)出荷

(販売

)量

(t)

与勝ダム

久米島地下ダム

伊良部架橋

大保ダム

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参考資料 4.フライアッシュの供給能力

参資-31

図 4.1.4 琉球セメントの FAセメント出荷(販売)量と主な工事

図 4.1.5 フライアッシュの有効利用状況内訳

表 4.1.1 フライアッシュの有効利用状況内訳

0

100

200

300

400

500

600

FAセ

メン

ト出

荷(販

売)量

(t)

プレミックス

ポストミックス

波照間漁港防波堤

佐手橋架橋

本部大橋橋脚

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 4.フライアッシュの供給能力

参資-32

4.2 リュウクスから出荷される改質フライアッシュ(CfFA)の供給量

以下は、土木建築部技術・建設業課から株式会社リュウクスへ改質フライアッシュ(CfFA)の

生産量に関する問合せを行い、得られた回答である。

以下からは、CfFA の生産量が現状で最大 10,000t/年あることが確認できた。

【回答】

弊社では、フライアッシュ(JIS A 6201 Ⅱ種規格)の生産量を需要に応じて管理してお

り、通常は5,000t/年の生産量を公称値としております。なお、フライアッシュ製造

装置の処理能力としては10,000t/年となり、今後需要の増加が見込まれる場合、生

産量を同数値まで引き上げることが可能です。

また、弊社ではフライアッシュ生産量の大幅な拡大と製造コストの削減を目的に、琉球大

学工学部及び株式会社沖縄 TLO の支援を頂き、平成 30年度の実用化を目標として新型装置

の開発に取り組んでおります。

株式会社リュウクス

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 5.環境負荷低減効果(CO2削減効果)

参資-33

5. 環境負荷低減効果(CO2削減効果)

沖縄県土木建築部では、フライアッシュコンクリート(FAC)の環境負荷低減効果(CO2削減効

果)についての具体的な検討を行っていないため、土木学会コンクリートライブラリー132「循環

型社会に適合したフライアッシュコンクリートの最新利用技術」-利用拡大に向けた設計施工指

針試案-(土木学会コンクリート委員会、2009.12)から引用して以下に述べる。

(1) 環境負荷低減効果

上記指針試案では、石炭火力発電所の副産物であるフライアッシュ(FA)は、アルミノシリ

ケートガラスを主成分として、ムライトやα-石英を結晶として含む。常温では、ムライトや

α-石英は反応せず、アルミノシリケートガラスのポゾラン反応により、組織を緻密とし、屈

曲度の大きな空隙構造を生成し、低置換率でもアルカリシリカ反応抑制効果があるとしている。

図 5.1.1 は、指針試案に示された混和材の利用による環境負荷低減効果などをまとめて示し

たものである。これらを見ると、FA は CO2、SOX、NOXばいじんの排出量低減効果があり、製造

エネルギー削減効果もある。この他、耐久性に及ぼす要因の低減としては、アルカリ量や塩化

物イオン量の希釈効果があるとしている。

図 5.1.1 各種混合剤の環境負荷低減効果

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 5.環境負荷低減効果(CO2削減効果)

参資-34

(2) CO2排出量

図 5.1.2 は、CO2排出量に着目してポルトランドセメント(OPC)と高炉スラグ微粉末(BFS)、

フライアッシュ(FA)および石灰石微粉末(LS)を図に示す置換率で置換した場合の CO2排出

量比較である。

同図に見られるように、FA・BFS・LS の CO2排出量削減効果はほぼ同じであり、OPC の 20%

置換では CO2排出量が 20%程度減少することがわかる。

これに加え、前出図 5.1.1 に示すように、FAはアルカリ量や塩化物イオン量の希釈効果があ

ることがわかっているため、厳しい塩害環境の沖縄県では FA の有効利用が環境的に大変有用

であると言える。

図 5.1.2 フライアッシュの CO2排出量

OPC:ポルトランドセメント

BFS:高炉スラグ微粉末

FA :フライアッシュ

LS :石灰石微粉末

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-35

6. 経済性

フライアッシュコンクリート(FAC)を使用した場合と使用しなかった場合の施工費の試算を以

下に行った。この試算は、平成 23 年度に実施した「南部東道路橋梁下部工での FAC 使用検討」の

際の事例である。

6.1 施工費用の検討

(1) フライアッシュコンクリート(FAC)の単価

FAC の単価は、平成 23 年度当時計画されていた沖縄本島北部の本部大橋下部工での単価で

あり、北部土木事務所管内の沖縄北部地区生コンクリート協同組合に依頼して提供してもらっ

た。また、普通コンクリートの単価は、物価資料で調べたものである。ただし、FAC 等の単価

は、平成 23 年度当時のものであるため、同様の比較を行う際は現時点での単価を用いる必要

があることに注意を要する。

これらの単価比較を行うと以下の通りとなる。

a)FAC 単価 : 15,700 円/m3

b)普通コンクリート単価 : 14,220 円/m3

c)差 額 : 1,480 円/m3

(2) 代表的な構造物の選定

FAC を用いた施工費の試算を行うために、南部東道路の代表的な構造物として最も橋長の長

い高平高架橋と、最も短い大城ダム 2号橋を選定した。これら 2橋の下部工および場所打ち杭

に FAC を使用した場合について試算を行った。

(3) FAC を用いた場合の試算

① 高平高架橋

表 6.1.1 は、高平高架橋下部工及び場所打ち杭のコンクリートに FAC を使用した場合の、増

加工事費の算定結果である。なお、コンクリート数量及び FAC を使用しない場合の概算工事費

は、南部土木事務所から提供してもらった。

② 大城ダム 2号橋

表 6.1.2 は、大城ダム2号橋の下部工及び場所打ち杭のコンクリートに FAC を使用した場合

の、増加工事費の算定結果である。なお、コンクリート数量及び FAC を使用しない場合の概算

工事費は、南部土木事務所から提供してもらった。

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-36

表 6.1.1 高平高架橋下部工及び場所打ち杭のコンクリート FAC 施工概算算定結果

本  工  事  費  内  訳  表

費 目 工 種 種 別 細 別 規 格 単位 数 量 単 価 金 額 備 考

高平高架橋FAC概算算定

1,480円/m3増の場合(15,700-14,220)

コンクリート 10,818,652

躯 体 27N/mm2 m3 3,803.8 1,480 5,629,624 増分のみ

場所打ち杭 〃 3,506.1 1,480 5,189,028 〃直接費の50%

諸経費 % 50 5,409,326 予備設計報告書より

工事費増分 ① 16,227,978

高平高架橋工事費

一般部 式 1 828,031,000 予備設計報告書より

ランプ部 〃 1 468,798,000 〃

合 計 ② 1,296,829,000 円

1,480円/m3増の場合(15,700-14,220)

増加工事費 ① 式 1 16,227,978 円

全体工事費 ①+② 1,313,056,978 円当初工事費に対する

工事費増加割合 % 1.25 ①/②×100

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-37

表 6.1.2 大城ダム 2号橋下部工及び場所打ち杭のコンクリート FAC 施工概算算定結果

本  工  事  費  内  訳  表

費 目 工 種 種 別 細 別 規 格 単位 数 量 単 価 金 額 備 考

大城ダム2号橋FAC概算算定

1,480円/m3増の場合(15,700-14,220)

コンクリート 1,566,876

躯 体 27N/mm2 m

3546.9 1,480 809,412 増分のみ

場所打ち杭 〃 511.8 1,480 757,464 〃直接費の50%

諸経費 % 50 783,438 予備設計報告書より

工事費増分 ① 2,350,314

大城ダム2号橋工事費

上部工 式 1 178,957,000 予備設計報告書より

下部工 〃 1 88,428,000 〃

大城2号橋 ② 267,385,000 円

1,480円/m3増の場合(15,700-14,220)

増加工事費 ① 式 1 2,350,314 円

全体工事費 ①+② 269,735,314 円当初工事費に対する

工事費増加割合 % 0.88 ①/②×100

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-38

③ FAC 使用による工事費の増加率

表 6.1.3 および図 6.1.1は、当初工事費(普通コンクリート)に対する FAC 工事費の増加割

合である。これを見ると、高平高架橋は FAC が 1480 円/m3増になった場合、橋梁全体で 1.25%

の工事費増加となる。これに対して大城ダム 2号橋は、FAC を用いても 0.88%増で、やや高平

高架橋に比べ増加率が低く、橋長が長いほど増加率は大きくなることがわかった。

この結果から、本事例で示す南部東道路のように同一路線で複数の橋梁がある場合、図6.1.1

の橋長で工事費増加率を補間・算出すれば、他の橋梁の工事費は概ね把握できると考えられる。

表 6.1.3 当初工事費(普通コンクリート)に対する FAC 工事費の増加割合

図 6.1.1 当初工事費(普通コンクリート)に対する FAC 工事費の増加割合

これを増加工事費で見た場合、表 6.1.4 および図 6.1.2 のように示される。増加工事費に

ついても、本事例で示す南部東道路のように同一路線で複数の橋梁がある場合、図 6.1.2 の橋

長で補間・算出すれば、増加工事費は概ね把握できると考えられる。

高平高架橋 379.6 一般部+ランプ部

大城ダム2号橋 76

橋 名 橋長当初工事費に対する工事費増割合

備  考1,480円/m

3増

1.25%

0.88%

00.20.40.60.8

11.21.41.61.8

2

0 100 200 300 400 500

工事

費増

加割

合(%

橋 長(m)

1,480円/m³増の場合

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-39

表 6.1.4 当初工事費(普通コンクリート)に対する FAC 工事の増加費用

図 6.1.2 当初工事費(普通コンクリート)に対する FAC 工事の増加費用

高平高架橋 379.6 一般部+ランプ部

大城ダム2号橋 76

16,228(千円)

2,350(千円)

橋 名 橋長当初工事費に対する工事費増

備  考1,480円/m3増

02,0004,0006,0008,000

10,00012,00014,00016,00018,00020,000

0 100 200 300 400 500

工事

費増

(千

円)

橋 長(m)

1,480円/m³増の場合

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参考資料 6.経済性

参資-40

6.2 補修費用の検討

アルカリシリカ反応(ASR)の補修は、一般的にはひび割れ注入工および表面被覆工が用いられ

るが、新川沖産海砂で ASR が発生した場合、既出の構造物の例からひび割れ幅が小さくひび割れ

注入工が施工出来ない事がわかっている。これは、粒径の小さな細骨材の ASR はその膨張量が少

ないため、ひび割れ幅が小さくなることが原因である。この他、内陸部の構造物に発生した ASR

に対しては、シラン系+けい酸塩系含浸材を塗布し、ASR 進行の抑制を図る工法も用いられる場

合がある。

よって、ここでの補修費用の検討は、表面被覆による補修と含浸材による補修により補修工費

を試算するものとする。なお、地中深くに施工された場所打ち杭については、表面被覆工法・含

浸材塗布工法ともに施工が特殊な場合になるため、ここでは試算を行わないものとする。

また、表面被覆工法に用いる塗装材は、無機系塗装材(セメント系塗装材)および有機系塗装

材(柔軟形エポキシ樹脂系塗装材)の 2 種類を選出した。これらは、建設省総合技術開発プロジ

ェクト「コンクリートの耐久性向上技術の開発」(平成元年 5月)の付属資料 3.被覆仕様例 に

示された塗装材であり、現在も各種補修工事に用いられているものである。表面被覆材料の塗装

単価は補修業者からの見積りによるものであり、含浸材塗布工法は積算資料公表価格版 2017 年 3

月号 p.377 に示された単価である。

補修費用の検討は、高平高架橋および大城ダム2号橋の下部工に対して行った。結果を表 6.2.1

に示す。同表に見られるように、高平高架橋における ASR 補修費用は補修単価の最も安い含浸材

を用いた場合でも 1,660 万円/m3かかり、無機系塗装材を用いた場合は 2,800 万円/m3以上、有機

系塗装材を用いた場合は 4,259 万円/m3かかることがわかる。この金額は、仮設費を含んでいない

ため、南部東道路全体で ASR が発生すると膨大な補修費用がかかることになる。

また、表面被覆工法は、トップコートが劣化し始めると再塗装を行う必要があり、メーカー側

の試算によると、紫外線劣化や塩害などによる劣化環境が厳しい場合は 10~15 年に 1回行うとの

ことである。これは、含浸材でも同様で、架設環境にもよるが経過年数によりその効果は薄れる

とされている。

以上を鑑みると、フライアッシュコンクリート(FAC)の利用は、表面被覆工法 1 回の補修費

用よりも安価であり、含浸材塗布工法とほぼ同等であるが、その効果は半永久的に続くと考えら

れるため、南部東道路におけるコンクリート耐久性向上に有効な工法であると言える。

表 6.2.1 ASR補修工事の概算費用

(単位:円/㎥)

含浸材塗布工法

無機系塗装材 有機系塗装材シラン系+けい酸塩系

¥8,982 ¥13,599 ¥5,300

高平高架橋 3132.2 ¥28,133,420 ¥42,594,788 ¥16,600,660 一般部+ランプ部

大城ダム2号橋 417.9 ¥3,753,578 ¥5,683,022 ¥2,214,870

補修面積(㎡)

表面被覆工法

備考橋名

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 6.経済性

参資-41

6.3 ライフサイクルコスト(LCC)

図 6.3.1 および図 6.3.2 は、高平高架橋と大城ダム 2 号橋の各種表面被覆工法・含浸材塗布工

法とフライアッシュコンクリート(FAC)初期投資のアルカリシリカ反応(ASR)に対するライフ

サイクルコスト(LCC)である。ただし、これらの補修工法の要求性能は、工法毎に異なるため、

これらを用いたとしても同等の補修効果が得られるものではなく、実際の補修では要求性能だけ

でなく、劣化要因や劣化の程度なども総合的に判断し、工法決定されるものである。また、補修

工法の効果持続期間を 15 年と仮定しているが、構造物の設置環境や劣化の程度により 15 年より

短くなる場合がある。

これらの図から、高平高架橋および大城ダム 2 号橋ともに、FAC を用いて ASR を抑制した場合

の方が、ASR が発生して各種維持補修工事を 15 年毎に行うより、LCC は明らかに有利である事が

わかる。

図 6.3.1 高平高架橋のライフサイクルコスト

図 6.3.2 大城ダム 2号橋のライフサイクルコスト

0

50

100

150

200

250

300

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 92 96 100

無機系塗装材補修工法累積工費

有機系塗装材補修工法累積工費

シラン系 or けい酸塩系耐塩害用含

浸材補修工法累積工費FAC初期投資

経過年数(年)

コス

ト(百

万円

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 92 96 100

無機系塗装材補修工法累積工費

有機系塗装材補修工法累積工費

シラン系 or けい酸塩系耐塩害用含

浸材補修工法累積工費FAC初期投資

経過年数(年)

コス

ト(百

万円

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-42

7. 配合設計例

フライアッシュコンクリート(FAC)には、図 7.1 に示すように①内割り+外割り配合タイプ、

②内割り配合タイプ、③外割り配合タイプの 3配合パターンがある。

ここでは、沖縄県内でこれまでに使用されたまたは現在使用されている8配合の設計例を表 7.1

に示す。ただし、本章に示す配合計算書等は、実際に出荷されたコンクリート製造工場から提供

されたもので、あくまで参考事例である。よって、新規に FAC を製造するに当たっては、配合の

条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成する必要がある。

これらの FAC は、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」に規定されるフライアッシュ

Ⅱ種を混和材として用いた配合と、JIS R 5213「フライアッシュセメント」に規定されるフライ

アッシュセメント B 種を混合セメントとして用いた配合がある。混合セメントとして使用した場

合は、事例の配合表に「フライアッシュセメント」と記載している。

なお、フライアッシュ(FA)以外の材料(セメント、水、骨材等)は、コンクリート製造工場

で通常使用している材料が原則使用されている。

図 7.1 配合パターン

表 7.1 配合設計例

FA無混和

普通コンクリート配合 水(W) 粗骨材(G)

FAをセメントの質量に対して置換+FAを細骨材の質量に対して置換

① 内割り+外割り 水(W) セメント(C) FA(1) 細骨材(S) FA(2) 粗骨材(G)

      配合タイプ

FAをセメントの質量に対して置換

② 内割り配合タイプ 水(W) セメント(C) FA 粗骨材(G)

FAを細骨材の質量に対して置換

③ 外割り配合タイプ 水(W) 細骨材(S) FA 粗骨材(G)

※この場合の細骨材(S)は砕砂100%

セメント(C) 細骨材(S)

細骨材(S)

セメント(C)

空気混和剤(Ad)

結合材B 細骨材

結合材B

細骨材※

配合設計例呼び強度

(N/mm2)

27

30

36

27

33

36

45

50

① 内割り+外割り    配合タイプ

② 内割り配合タイプ

③ 外割り配合タイプ

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-43

7.1 内割り+外割り配合タイプ

従来の普通コンクリート(NC)と同等の強度管理(管理材齢 28 日)が可能なコンクリートで、

沖縄県で最も多く用いられている配合である。特に塩化物イオンの浸透抑制(塩害抑制)、マス

コンクリートのセメント水和熱に起因したひび割れ発生の抑制、アルカリシリカ反応(ASR)に対

しても高い抑制効果がある。セメントに対する質量置換率は 20%とし(内割り配合)、初期強度

発現不足を補う意味で細骨材の一部と質量置換(外割り配合)するものである。外割り配合の置

換率は、内割り配合と合わせて 100kg/m3以下となるようにする。

図 7.1.1 に内割り+外割り配合イメージを示し、図 7.1.2 に配合決定に至る検討フロー示す。

図 7.1.1 内割り+外割り配合タイプのイメージ

図 7.1.2 内割り+外割り配合決定検討フロー

FAをセメントの質量に対して置換+FAを細骨材の質量に対して置換

①内割り+外割り 水(W) セメント(C) FA(1) 細骨材(S) FA(2) 粗骨材(G)

     配合タイプ FA(1) = C × 20%

FA(1) + FA(2) = 100kg/m3以下

結合材B 細骨材

空気混和剤(Ad)

配合決定

塩害抑制

ASR抑制温度応力

抑制

内割り

20~30%

(内割り10~30%)

(内割り

15~30%)(内割り

20~30%)

スランプロス、強度発現、施工性等の検討

管理強度が28日強度であるため、初期強度を確保するための外割り配合

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-44

7.1.1 27N/㎜ 2内割り+外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 27N/㎜ 2の基本配合(27-8-40)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足するよ

う配合設計された 27N/㎜ 2内割り+外割り FAC の配合設計例を以下に示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.1.1 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.1.1 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 27N/㎜ 2

単位水量 基本配合と同じ

水結合材比 基本配合の水セメント比と同じ

スランプ 12±2.5cm

空気量 指定なし

FA フライアッシュⅡ種(株式会社ジェイペック石川カンパニー)

FA 量 総量 90kg/m3

内割り FA量:セメントの約 20%置換

外割り FA量:FA 総量 90kg/m3 - 内割り FA 量

混和剤 高機能 AE 減水剤

③ 配合の照査

表 7.1.2 に基本配合表、表 7.1.3 に基本配合表と FA 配合条件の照査結果を示す。

表 7.1.2 基本配合表(27-8-40)

の種類

27 28 8±2.5 4.5±1.5 40 N

設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

(N/㎜2) (日) (㎝) (%) (㎜)

設計基準強度

セメント 水 粗骨材 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C W

海砂S1

砕砂S2

4005G

Ad

27 8 40 49.5 38.0 315 156 347 356 1173 1.89

単位量 (kg/m3)

細骨材

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-45

表 7.1.3 基本配合表と FA 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.1.4 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 27N/㎜2 基本配合と同じ -

単位水量 156kg/m3 基本配合と同じ -

水セメント比

(水結合材比)49.5% 基本配合と同じ -

スランプ 8±2.5cm 12±2.5cm ○

空気量 4.5±1.5% 指定無し ○

内割りFA量 - セメント量の約20% ○ セメント置換

外割りFA量 - FA総量90kg/m3-内割りFA量 ○ 細骨材置換

混和剤 AE減水剤 高機能AE減水剤 ○

普通ポルトランドセメント(琉球セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.37)

地下水

S1 東村新川産 海砂(表乾密度2.61,F.M2.30)

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.66,F.M3.00)

F2 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.37)

G1 本部半島産 砕石2005(表乾密度2.70,実績率59.0%)

G2 本部半島産 砕石4020(表乾密度2.70,実績率61.0%)

混和剤 Ad 高機能AE減水剤

セメント

細骨材 

粗骨材 

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-46

⑤ 配合の照査結果に基づく配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.1.5 に

示す。

表 7.1.5 27N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 2 2.0 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 32.0 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

単位水量 工場実績値より W = 156 kg/m3

単位結合材量 B = ( C + E ) = ( ÷ ) × = 315 kg/m3

混和材量 F1 = 65 65 kg/m3

セメント量 C = - = 250 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 79 L/m3

混和材容積 Ev = ÷ = 27 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + + ) = 693 L/m3

かさ容積 = 工場実績値より (実績率 = %) 697 L/m3

粗骨材容積 Gv = × ÷ = 425 L/m3

細骨材容積 Sv = - = 268 L/m3

細骨材率 = ÷ × = 38.7 %

S1 = × ÷ × = 420 kg/m3

S2 = × ÷ × = 285 kg/m3

G1 = × ÷ × = 689 kg/m3

G2 = × ÷ × = 459 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 2.678 kg/m3

混和材 使用量指定により F2 = 25 kg/m3

S1 = - ÷ × × ÷ = 403 kg/m3

S2 = - ÷ × × ÷ = 274 kg/m3274285 25 2.37 2.66 40 100

2.6784

25

細骨材補正420 25 2.37 2.61 60 100 403

459.0

結合材量の 0.85% 315 0.85 100

粗骨材425 60 100 2.70 688.5

425 40 100 2.70

419.6

268 40 100 2.66 285.2

38.67

細骨材268 60 100 2.61

693 425 268

s/a 268 693 100

45 693

粗骨材のかさ容積 GM 697 61.0

697 61.0 100 425

45

骨材容積 1000 156 79 27

65 2.37 27.4

1000 4.5 100

315 65 250

250 3.16 79.1

156

156 49.5 100 315.1

49.36W/B 19.4 100 32.0 7.3%水結合材比

σ28 -7.3 19.4 B/W より49.5

計算式 結 果

SL 2.5 32.0

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-47

⑥ 配合表

27N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表を表 7.1.6 に示す。図 7.1.3 および図 7.1.4 に基本配

合(普通コンクリート:NC)と FAC 配合の圧縮強度試験およびスランプの経時変化を示す。

表 7.1.6 27N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表

図 7.1.3 圧縮強度試験結果 図 7.1.4 スランプ経時変化

セメント 混和材 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

フライアッシュ

F1

W海砂S1

砕砂S2

フライアッシュ

F2

2005G1

4020G2

Ad

27 12 40 49.5 38.7 250 65 156 403 274 25 689 459 2.68

設計基

準強度f'ck

目標SL

骨材最

大寸法Gmax

水結合

材比W/B

細骨

材率s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-48

7.1.2 30N/㎜ 2内割り+外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 30N/㎜ 2の基本配合(30-12-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足する

よう配合設計された 30N/㎜ 2内割り+外割り FAC の配合設計例を以下に示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.1.7 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.1.7 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 30N/㎜ 2

水結合材比 基本配合の水セメント比と同じ

空気量 2.0%±1.5%

FA フライアッシュⅡ種(株式会社ジェイペック石川カンパニー)

FA 量 総量 90kg/m3

内割り FA量:セメントの約 20%置換

外割り FA量:FA 総量 90kg/m3 - 内割り FA 量

③ 配合の照査

表 7.1.8 に基本配合表、表 7.1.9 に基本配合表と FA 配合条件の照査結果を示す。

表 7.1.8 基本配合表(30-12-20)

30 28 12±2.5 4.5±1.5 20 N

(N/㎜2) (日) (㎝) (%) (㎜) の種類

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C W

海砂

S1

砕砂

S2

2005

G1

4020

G2Ad

30 12 20 47.5 45.6 356 169 446 364 988 - 4.005

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度f'ck

目標SL

骨材最

大寸法Gmax

水セメ

ント比W/C

細骨

材率s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-49

表 7.1.9 基本配合表と FA 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.1.10 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 30N/㎜2 基本配合と同じ -

水セメント比(水結合材比)

49.0% 基本配合と同じ -

空気量 4.5±1.5% 2.0±1.5% ○

内割りFA量 - セメント量の約20% ○ セメント置換

外割りFA量 - FA総量90kg/m3-内割りFA量 ○ 細骨材置換

普通ポルトランドセメント(琉球セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 フライアッシュⅡ種((株)ジェイペック石川カンパニ ,ー密度2.45)

工業用水

S1 東村新川産 海砂(表乾密度2.60,F.M2.30)

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.68,F.M3.00)

F2 フライアッシュⅡ種((株)ジェイペック石川カンパニ ,ー密度2.45)

G1 本部半島産 砕石2005 (表乾密度2.70,実績率59.0%)

G2 -

混和剤 Ad 高機能AE減水剤

セメント

細骨材

粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-50

⑤ 配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.1.11

に示す。

表 7.1.11 30N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

30N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表を表 7.1.12に示す。

表 7.1.12 30N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 2.45 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 36.1 N/㎜2

= + ×

= ÷ ( + ) × =

単位水量 工場実績値より W = 169 kg/m3

単位セメント量 C = W ÷ × = ÷ × = 356 kg/m3

= C × = × = 71 kg/m3

= ÷ = 71 ÷ = 29 L/m3

= 19 kg/m3

= ÷ = 19 ÷ = 8 L/m3

C = - = 285 kg/m3

Cv = C ÷ = ÷ = 90 L/m3

空気容積 【2.0%(規定値)】 A = × = 20 L/m3

当工場の実績値より かさ容積 = 実績率 = % 59.0 %

Gv = × × ÷ = 366 L/m3

G = Gv × = × = 988 kg/m3

Sv = - (W+Cv+Gv+ADv+A) = - 318 L/m3

S = Sv × = × = 840 kg/m3

S1 = S × = 462 kg/m3

S2 = S × = 378 kg/m3

細骨材率 = ÷ × = 47.1 %

単位混和剤料 Ad = × × = × × = 4.219 kg/m3

計算式 結 果

2.45

SL 2.5 36.1

水結合材比σ28 -0.9 17.7 C/W より

%W/C 17.7 36.1 0.9 47.8

47.5

356

356 71 285

19

2.45

20

密度 375

AD2 密度

285

59.0

100 47.1

(C+AD) 添加率

100 366

1000

(Sv+ADv2) (Gv+Sv+ADv2)

988

45.0% 378

1000

s/a

100

添加率 356 20% 71

169

169 47.5 100

混和材量

0.620

59.0

表乾密度 366

単位粗骨材容積

ADv2

0.620 1000

2.0% 1000

単位細骨材容積318 2.64 840

AD1

ADv1 AD1 密度 2.45

1.1250% 1 4.219

(W/C) 100

682

表乾密度

55.0% 462

8

密度 3.16 90

29

2.70

AD2

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) (%) C

フライアッシュ

F1

W海砂S1

砕砂S2

フライアッシュ

F2

2005G1

4020G2

Ad

30 12 20 59.3 47.5 47.1 285 71 169 462 378 19 988 - 4.219

設計基

準強度f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法Gmax

水結合

材比W/B

細骨

材率s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

水セメ

ント比W/C

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参考資料 7.配合設計例

参資-51

7.1.3 36N/㎜ 2内割り+外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 36N/㎜ 2の基本配合(36-8-40)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足するよ

う配合設計された 36N/㎜ 2内割り+外割り FAC の配合設計例を以下に示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.1.13 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.1.13 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 36N/㎜ 2

単位水量 基本配合と同じ

水結合材比 基本配合の水セメント比と同じ

スランプ 12±2.5cm

空気量 指定なし

FA フライアッシュⅡ種(株式会社ジェイペック石川カンパニー)

FA 量 総量 100kg/m3

内割り:セメントの約 20%置換

外割り:FA 総量 100kg/m3 - 内割り FA量

混和剤 高機能 AE 減水剤

③ 配合の照査

表 7.1.14 に基本配合表、表 7.1.15 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.1.14 基本配合表(36-8-40)

36 28 8±2.5 4.5±1.5 40 N

(N/㎜2) (日) (㎝) (%) (㎜) の種類

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C W

海砂S1

砕砂S2

2005G1

4020G2

Ad

36 8 40 39.0 35.4 403 157 308 315 701 468 1.61

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-52

表 7.1.15 基本配合表と FAC 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、製造プラントで通常使用している材料をその

まま使用している。

表 7.1.16 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 36N/㎜2 基本配合と同じ -

単位水量 157kg/m3 基本配合と同じ -

水セメント比

(水結合材比)49.5% 基本配合と同じ -

スランプ 8±2.5cm 12±2.5cm ○

空気量 4.5±1.5% 指定無し ○

内割りFA量 - セメント量の約20% ○ セメント置換

外割りFA量 - FA総量90kg/m3-内割りFA量 ○ 細骨材置換

混和剤 AE減水剤 高機能AE減水剤 ○

普通ポルトランドセメント(琉球セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.37)

地下水

S1 東村新川産 海砂(表乾密度2.61,F.M2.30)

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.66,F.M3.00)

F2 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.37)

G1 本部半島産 砕石2005(表乾密度2.70,実績率59.0%)

G2 本部半島産 砕石4020(表乾密度2.70,実績率61.0%)

混和剤 Ad 高機能AE減水剤

粗骨材 

細骨材 

セメント

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-53

⑤ 配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.1.17

に示す。

表 7.1.17 36N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

表 7.1.18 に 36N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表を示す。

表 7.1.18 36N/㎜ 2内割り+外割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 2.45 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 42.1 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

単位水量 工場実績値より W = 157 kg/m3

単位結合材量 B = ( C + E ) = ( ÷ ) × = 403 kg/m3

混和材量 F1 = 80 80 kg/m3

セメント量 C = - = 323 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 102 L/m3

混和材容積 Ev = ÷ = 34 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + + ) = 662 L/m3

細骨材率 = 35.4 %

細骨材容積 Sv = × ÷ = 234 L/m3

粗骨材容積 Gv = - = 428 L/m3

S1 = × ÷ × = 305 kg/m3

S2 = × ÷ × = 311 kg/m3

G1 = × ÷ × = 693 kg/m3

G2 = × ÷ × = 462 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 4.232 kg/m3

混和材 使用量指定により F2 = 20 kg/m3

S1 = - ÷ × × ÷ = 294 kg/m3

S2 = - ÷ × × ÷ = 300 kg/m3300311 20 2.37 2.66 50 100

4.2315

20

細骨材補正305 20 2.37 2.61 50 100 294

462.2

結合材量の 1.05% 403 1.05 100

粗骨材428 60 100 2.70 693.3

428 40 100 2.70

305.3

234 50 100 2.66 311.2

662 234 428.0

細骨材234 50 100 2.61

45 662

指定細骨材率より s/a 35.4

662 35.4 100 234.3

45

骨材容積 1000 157 102 34

80 2.37 33.8

1000 4.5 100

403 80 323

323 3.16 102.2

157

157 39.0 100 402.5

39.25W/B 19.4 100 42.1 7.3%水結合材比

σ28 -7.3 19.4 B/W より39.0

計算式 結 果

2.45

SL 2.5 42.1

セメント 混和材 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

フライ

アッシュ

F1

W海砂

S1

砕砂

S2

フライ

アッシュ

F2

2005

G1

4020

G2Ad

36 12 40 39.0 35.4 323 80 157 294 300 20 693 462 4.23

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水結合

材比

W/B

細骨

材率

s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-54

7.2 内割り配合タイプ

従来の普通コンクリート(NC)と同等の製造管理と強度管理(管理材齢 28 日)が可能なコンク

リートであり、主にコンクリートの流動性改善効果を期待し、収縮ひび割れ等の改善に寄与する

配合である。セメントに対する質量置換率は、10~20%の範囲(フライアッシュセメント B 種相

当)とする。ただし、ASR 抑制効果を望む場合は、図 7.1.2 に示すように質量置換率は 15%以上必

要であるため、置換率を 15~20%とする必要がある。

なお、内割り配合では、NC のセメントの一部を FA と置換するポストミックス配合とフライア

ッシュセメントとして使用するプレミックス配合がある。

JIS における FAセメント(JIS R 5213)における規格を表 7.2.1 および表 7.2.2 に示し、図 7.2.1

に内割り配合のイメージを示す。

表 7.2.1 FA の分量 表 7.2.2 FA セメントの品質

図 7.2.1 内割り配合イメージ

FAをセメントの質量に対して置換

FA(1) = C ×

混和剤(Ad) 空気

②内割り配合タイプ 水(W) セメント(C) FA(1) 粗骨材(G)

結合材B

細骨材(S)

10~20%

種類

C種

B種

A種

フライアッシュの分量(質量%)

5を超え 10以下

10を超え 20以下

20を超え 30以下

密度 g/cm3

比表面積 cm2/g

始発 min

終結 h

パット法

ルシャテリエ法 min

酸化マグネシウム

三酸化硫黄

強熱減量 5.0以下 - -

28d

7d

3d

37.5以上 32.5以上

5.0以下 5.0以下 5.0以下

3.0以下 3.0以下 3.0以下

10以下 10以下

12.5以上 10.0以上 7.5以上

22.5以上 17.5以上 15.0以上

60以上 60以上

10以下 10以下 10以下

良 良 良

B種 C種

2500以上 2500以上

- - -

凝結

安定性

圧縮強さ

N/mm2

化学成分%

品質 A種

2500以上

60以上

10以下

42.5以上

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-55

7.2.1 27N/㎜ 2内割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 27N/㎜ 2の基本配合(27-8-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足するよ

う配合設計された 27N/㎜ 2内割り FAC の配合設計例を以下に示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.2.3 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.2.3 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 27N/㎜ 2

セメント フライアッシュセメントB種(FA 分量 18%)

単位水量 166kg/m3以下

水セメント比 50.0%以下

スランプ 8±2.5cm

空気量 指定なし

③ 配合の照査

表 7.2.4 に基本配合表、表 7.2.5 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.2.4 基本配合表(27-8-20)

27 28 8±2.5 4.5±1.5 20 N

骨材最大寸法 セメント

(㎝) (%) (㎜) の種類

設計基準強度

(N/㎜2)

設計材齢

(日)

スランプ 空気量

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%)

ポルト

ランドセメント

C

W海砂S1

砕砂S2

2005G1

4020G2

Ad

27 8 20 53.0 47.8 314 166 560 303 965 - 3.988

細骨

材率s/a

設計基

準強度f'ck

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

目標SL

骨材最

大寸法Gmax

水セメ

ント比W/C

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-56

表 7.2.5 基本配合表と FAC 配合条件の照査

④ 使用材料

配合条件で材料指定されているセメント以外は、コンクリート製造工場で通常使用してい

る材料をそのまま使用している。

表 7.2.6 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 27N/㎜2 基本配合と同じ -

セメント 普通ポルトランドセメント フライアッシュセメントB種 ○

単位水量 166kg/m3

166kg/m3以下 -

水セメント比(水結合材比)

53.0% 50.0%以下 ○

スランプ 8±2.5cm 8±2.5cm -

空気量 4.5±1.5% 指定無し ○

フライアッシュセメントB種 (琉球セメント㈱製,密度2.98)

混和材 F1 -

地下水・上澄水

S1 東村新川産 海砂(表乾密度2.61,F.M2.30)

S2 国頭村半地産 砕砂(表乾密度2.62,F.M3.30)

F2 -

G1 国頭村半地産 砕石2005 (表乾密度2.68,実績率59.0%)

G2 -

混和剤 Ad AE減水剤標準形

セメント

細骨材

粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-57

⑤ 配合の照査結果に基づく配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.2.7 に

示す。

表 7.2.7 27N/㎜ 2内割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

27N/㎜ 2内割り FAC 配合表を表 7.2.8に示し、この配合による圧縮強度試験結果を図 7.2.2

に示す。

表 7.2.8 27N/㎜ 2内割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 1.96 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 31.9 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

単位水量 W = 156 kg/m3

単位セメント量 C = ( ÷ ) × = 322 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 108 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + ) = 691 L/m3

かさ容積 = 工場実績値より (実績率= %) 615 L/m3

粗骨材容積 Gv = × ÷ = 363 L/m3

細骨材容積 Sv = - = 328 L/m3

細骨材率 = ÷ × = 47.5 %

S1 = × ÷ × = 556 kg/m3

S2 = × ÷ × = 301 kg/m3

粗骨材容積 G1 = × = 973 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 3.220 kg/m31% 100 3.220

363 2.68 972.8

セメント量の 1.0% 322

556.4

328 35 100 2.62 300.7

47.46

細骨材328 65 100 2.61

691 363 328

s/a 328 691 100

45 691

粗骨材のかさ容積 GM 615 59.0

615 59.0 100 362.9

1000 4.5 100 45

骨材容積 1000 156 108

156

156 48.5 100 321.6

322 2.98 108.1

%W/C 20.2 100 31.9 9.4 48.9

水セメント比σ28 -9.4 20.2 C/W より

48.5

計算式 結 果

1.96

SL 2.5 31.9

セメント 混和材 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) (%)

フライ

アッシュ

セメント

C

フライ

アッシュ

F1

W海砂

S1

砕砂

S2

フライ

アッシュ

F2

2005

G1

4020

G2Ad

27 8 20 48.5 - 47.5 322 - 156 556 301 - 973 - 3.22

細骨材 粗骨材

単位量 (kg/m3)水結合

材比

W/B

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-58

図 7.2.2 27N/㎜ 2内割り FAC 圧縮強度試験結果

■セメントの 18%を FA に置換しても管理材齢 28 日強度で設計基準強度を十分満足している

養生方法 4日 7日 28日 91日

標準養生 20.0 24.9 34.2 43.7

現場封かん養生 24.4 26.3 33.9 42.3

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-59

7.2.2 33N/㎜ 2内割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 33N/㎜ 2の基本配合(33-8-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足するよ

う配合設計された内割り 33N/㎜ 2内割り FAC の配合設計例を以下に示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.2.9 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.2.9 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 33N/㎜ 2

セメント フライアッシュセメントB種(FA 分量 18%)

単位水量 167kg/m3以下

水セメント比 43.0%以下

スランプ 8±2.5cm

空気量 指定なし

③ 配合の照査

表 7.2.10 に基本配合表、表 7.2.11 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.2.10 基本配合表(33-8-20)

N33 28 8±2.5 4.5±1.5 20

セメント

(N/㎜2) (日) (㎝) (%) (㎜) の種類

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%)

ポルトランドセメント

CW

海砂S1

砕砂S2

2005G1

4020G2

Ad

33 8 20 45.0 45.6 376 169 516 279 973 - 5.264

細骨材率s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基準強度

f'ck

目標SL

骨材最大寸法Gmax

水セメント比W/C

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-60

表 7.2.11 基本配合表と FAC 配合条件の照査結果

④ 使用材料

配合条件で指定されているセメント以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.2.12 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 33N/㎜2 基本配合と同じ -

セメント 普通ポルトランドセメント フライアッシュセメントB種 ○

単位水量 169kg/m3

167kg/m3以下 ○

水セメント比(水結合材比)

45.0% 43.0%以下 ○

スランプ 8±2.5cm 8±2.5cm -

空気量 4.5±1.5% 指定無し ○

フライアッシュセメントB種 (琉球セメント㈱製,密度2.98)

混和材 F1 -

地下水・上澄水

S1 東村新川産 海砂(表乾密度2.61,F.M2.30)

S2 国頭村半地産 砕砂(表乾密度2.62,F.M3.30)

F2 -

G1 国頭村半地産 砕石2005 (表乾密度2.68,実績率59.0%)

G2 -

混和剤 Ad AE減水剤標準形

セメント

細骨材

粗骨材

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-61

⑤ 配合の照査結果に基づく配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.2.13

に示す。

表 7.2.13 33N/㎜ 2内割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

33N/㎜ 2内割りFAC配合表を表7.2.14に示し、この配合による圧縮強度試験結果を図7.2.3

に示す。

表 7.2.14 33N/㎜ 2内割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 2.45 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 39.1 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

単位水量 工場実績値より W = 161 kg/m3

単位セメント量 C = ( ÷ ) × = 388 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 130 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + ) = 664 L/m3

かさ容積 = 工場実績値より (実績率= %) 622 L/m3

粗骨材容積 Gv = × ÷ = 367 L/m3

細骨材容積 Sv = - = 297 L/m3

細骨材率 = ÷ × = 44.7 %

S1 = × ÷ × = 504 kg/m3

S2 = × ÷ × = 272 kg/m3

粗骨材容積 G1 = × = 984 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 4.268 kg/m3

161

1.1% 100 4.268

367 2.68 983.6

セメント量の 1.1% 388

503.5

297 35 100 2.62 272.2

44.71

細骨材297 65 100 2.61

664 367 297

s/a 297 664 100

45 664

粗骨材のかさ容積 GM 622 59.0

622 59.0 100 367

1000 4.5 100 45

骨材容積 1000 161 130

161 41.5 100 388

388 2.98 130.2

%W/C 20.2 100 39.1 9.4 41.6

水セメント比σ28 -9.4 20.2 C/W より

41.5

計算式 結 果

2.45

SL 2.5 39.1

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) (%)

フライアッシュ

セメントC

W海砂

S1

砕砂

S2

2005

G1

4020

G2Ad

33 8 20 41.5 - 44.7 388 161 504 272 984 - 4.268

水結合

材比W/B

細骨

材率s/a

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法Gmax

水セメ

ント比W/C

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-62

図 7.2.3 33N/㎜ 2内割り FAC 圧縮強度試験結果

■セメントの 18%を FA に置換しても管理材齢 28 日強度で設計基準強度を十分満足している

養生方法 4日 7日 28日 91日

標準養生 26.0 32.0 41.6 51.6

現場封かん養生 27.2 34.2 44.9 51.0

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-63

7.3 外割り配合タイプ

沖縄県産の海砂は、遅延膨張性のアルカリシリカ反応(ASR)を示す骨材であるため、コンクリ

ート橋上部工のような高強度コンクリートではセメント量の多さから総アルカリ量が多くなる傾

向にあり、ASR が発生する可能性がある。しかしながら、内割り配合でフライアッシュを配合す

ると初期強度発現が低くなるため、桁製作やセグメント製作の工程的な問題が出てくる。このた

め、リスクを回避し、細骨材を砕砂のみとすることとなるが、砕砂のみでは流動性が確保されず、

ワーカビリティーの悪いコンクリートとなる。よって、この流動性確保、ワーカビリティー改善

を目的として、砕砂の質量の 3~5%をフライアッシュに置換するのが本配合である。なお、コン

クリート工場毎に用いる砕砂の粗粒率(FM)や粒度分布が異なることから、各工場で配合試験を

行い、使用砕砂に合わせた最適置換率を決定する必要がある。

外割り配合イメージを図 7.3.1 に示す。

図 7.3.1 外割り配合イメージ

FAを細骨材の質量に対して置換

FA(2) = S × 3~5%程度

③外割り配合タイプ 水(W) 細骨材(S) FA(2) 粗骨材(G)

細骨材

セメント(C)

混和剤(Ad) 空気

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-64

7.3.1 36N/㎜ 2外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 36N/㎜ 2の基本配合(36-12-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足する

よう配合設計された外割り FAC の配合設計例を示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.3.1に基本配合の配合条件を示す。

表 7.3.1 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 36N/㎜ 2 ※早期に緊張強度(約 34N/㎜ 2)を確保すること

単位水量 基本配合と同じ

水セメント比 基本配合と同じ

スランプ 15±2.5cm

空気量 4.5±1.5%

FA 量 細骨材量の 3%置換

細骨材 砕砂のみ

③ 配合の照査

表 7.3.2 に基本配合表、表 7.3.3 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.3.2 基本配合表(36-12-20)

N

(㎝) (%) (㎜) の種類

36 28 12±2.5 4.5±1.5 20

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

(N/㎜2) (日)

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C W

海砂

S1

砕砂

S2

2005

G1

4020

G2Ad

36 12 20 42.5 46.0 374 159 - 838 980 - 2.06

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度f'ck

目標SL

骨材最

大寸法Gmax

水セメ

ント比W/C

細骨

材率s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-65

表 7.3.3 基本配合表と FAC 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.3.4 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 36N/㎜2 基本配合と同じ -

単位水量 159kg/m3 基本配合と同じ -

水セメント比

(水結合材比)42.5% 基本配合と同じ -

スランプ 12±2.5cm 15±2.5cm ○

空気量 4.5±1.5% 4.5±1.5% -

外割りFA量 - 細骨材量の3% ○ 細骨材置換

細骨材 砕砂のみ 砕砂のみ -

混和剤 AE減水剤 高性能型AE減水剤 ○

普通ポルトランドセメント(琉球セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 -

地下水

S1 -

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.65,F.M3.10)

F2 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.41)

G1 本部半島産 砕石2005(表乾密度2.71,実績率59.0%)

G2 -

混和剤 Ad 高性能AE減水剤

粗骨材 

セメント

細骨材 

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-66

⑤ 配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.3.5 の

に示す。

表 7.3.5 36N/㎜ 2外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

表 7.3.6 に 36N/㎜ 2外割り FAC 配合表を示す。

表 7.3.6 36N/㎜ 2外割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 3.0 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 43.5 N/㎜2

= + × より

= × ÷ ( - 1.5 ) = 44.5 %

W/C比較 指定W/C < 42.5 %

単位水量 工場実績値より W = 159 kg/m3

単位水量比較 指定水量 ≧ 159 kg/m3

単位セメント量 C = ( ÷ ) × = 374 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 118 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + ) = 678 L/m3

細骨材率 = 46.0 %

細骨材容積 Sv = × ÷ = 312 L/m3

粗骨材容積 Gv = - = 366 L/m3

細骨材 S1 = × = 827 kg/m3

粗骨材 G2 = × = 992 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 1.870 kg/m3

混和材 使用量指定により F2 = 25 kg/m3

細骨材補正 S = - = 802 kg/m3

水セメント比

42.5 44.5

159 159

W/C 18.8 100 43.5 44.76

σ28 +1.5 18.8

0.50 100 1.8700

25

827 25 802

指定細骨材率より s/a 46.0

311.8

678 312 366

骨材容積 1000 159 118 45 678

結 果

3

SL 2.5

C/W

159

計算式

159 42.5 100 374.1

セメント量の 0.50% 374

366 2.71 991.8

312 2.65 826.8

678 46.0 100

1000

374 3.16 118.3

100 454.5

43.5

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

フライアッシュ

F1

W海砂S1

砕砂S2

フライアッシュ

F2

2005G1

4020G2

Ad

36 15 20 42.5 46.0 374 - 159 - 802 25 992 - 1.87

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度f'ck

目標SL

骨材最

大寸法Gmax

水セメ

ント比W/C

細骨

材率s/a

Page 70: 参考資料...沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針 参考資料 1.はじめに 参資-1 1. はじめに 沖縄県土木建築部では、2014年1月に「フライアッシュコンクリートの利用促進について」と

沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-67

7.3.2 45N/㎜ 2外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 45N/㎜ 2の基本配合(45-12-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足する

よう配合設計された外割り FAC の配合設計例を示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.3.7 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.3.7 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 45N/㎜ 2

※材齢 7日で緊張強度(約 32.5N/㎜ 2)を確保すること

水セメント比 基本配合と同じ

スランプ 18±2.5cm

空気量 4.5±1.5%

FA 量 細骨材量の 5%置換

細骨材 砕砂のみ

混和剤 高性能 AE 減水剤

③ 配合の照査

表 7.3.8 に基本配合表、表 7.3.9 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.3.8 基本配合表(45-12-20)

N

(㎝) (%) (㎜) の種類

45 28 12±2.5 4.5±1.5 20

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

(N/㎜2) (日)

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C W

海砂S1

砕砂S2

2005G1

4020G2

Ad

45 12 20 37.0 41.9 433 160 431 295 1031 - 0.40

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-68

表 7.3.9 基本配合表と FAC 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.3.10 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 45N/㎜2 基本配合と同じ -

水セメント比 37.0% 基本配合と同じ -

スランプ 12±2.5cm 18±2.5cm ○

空気量 4.5±1.5% 4.5±1.5% -

外割りFA量 - 細骨材量の5% ○ 細骨材置換

細骨材 海砂+砕砂 砕砂のみ ○

混和剤 高性能AE減水剤 高性能AE減水剤 -

普通ポルトランドセメント(太平洋セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 -

地下水

S1 -

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.67,F.M2.90)

F2 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.44)

G1 本部半島産 砕石2005(表乾密度2.70,実績率60.2%)

G2 -

高性能AE減水剤

セメント

細骨材 

粗骨材 

混和剤

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-69

⑤ 配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.3.11

に示す。

表 7.3.11 45N/㎜ 2外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

表 7.3.12 に 45N/㎜ 2外割り FAC 配合表を示す。

表 7.3.12 45N/㎜ 2外割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 2.55 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 51.4 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

W/C比較 ≧ 37.0 %

単位水量 W = 165 kg/m3

単位セメント量 B = ( ÷ ) × = 446 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 141 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + ) = 649 L/m3

かさ容積 = 工場実績値より (実績率= %) 612 L/m3

粗骨材容積 Gv = × ÷ = 368 L/m3

細骨材容積 Sv = - = 281 L/m3

細骨材率 = ÷ × = 43.3 %

細骨材 S1 = × = 750 kg/m3

粗骨材 G1 = × = 994 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 3.122 kg/m3

混和材 使用量指定により F2 = 38 kg/m3

細骨材補正 S1 = - = 712 kg/m3

38

750 38 712

セメント量の 0.70% 446 0.70 100 3.1220

43.3

281 2.67 750.2

368 2.70 993.6

649 368 281

s/a 281 649 100

粗骨材のかさ容積 GM 612 60.2

612 60.2 100 368

骨材容積 1000 165 141 45 649

100 446

446 3.16 141.1

1000 4.5 100 45

指定W/C 55.0 37.0

工場実績値より 165

165 37.0

W/C 23.58 100 51.4 11.7 37.36%水セメント比

σ28 -11.7 23.58 C/W より37.0

SL 2.5 51.4

計算式 結 果

2.55

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

フライ

アッシュ

F1

W海砂

S1

砕砂

S2

フライ

アッシュ

F2

2005

G1

4020

G2Ad

45外FAC 45 18 20 37 43.3 446 - 165 - 712 38 994 - 3.12

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材配合名

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-70

7.3.3 50N/㎜ 2外割りフライアッシュコンクリート(FAC)の配合設計例

設計基準強度 50N/㎜ 2の基本配合(50-15-20)をもとに、指定された FAC 配合条件を満足する

よう配合設計された外割り FAC の配合設計例を示す。

① 基本配合の配合条件

表 7.3.13 に基本配合の配合条件を示す。

表 7.3.13 基本配合の配合条件

② FAC 配合条件

FAC 発注時における指示または特記事項を以下に示す。

設計基準強度 50N/㎜ 2

単位水量 基本配合と同じ

水結合材比 基本配合の水セメント比と同じ

スランプ 18±2.5cm

空気量 4.5±1.5%

FA 量 細骨材量の 3%置換

膨張材 早強性膨張材から普通膨張材へ変更

③ 配合の照査

表 7.3.14 に基本配合表、表 7.3.15 に基本配合表と FAC 配合条件の照査結果を示す。

表 7.3.14 基本配合表(50-15-20)

N

(㎝) (%) (㎜) の種類

50 28 15±2.5 4.5±1.5 20

設計基準強度 設計材齢 スランプ 空気量 骨材最大寸法 セメント

(N/㎜2) (日)

セメント 混和材 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

膨張材E

W海砂S1

砕砂S2

2005G1

4020G2

Ad

50 15 20 33.5 42.9 436 30 156 - 745 1004 - 4.15

単位量 (kg/m3)

細骨材 粗骨材

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-71

表 7.3.15 基本配合表と FAC 配合条件の照査結果

④ 使用材料

FAC 配合条件で指定されているもの以外は、コンクリート製造工場で通常使用している材

料をそのまま使用している。

表 7.3.16 使用材料

項目 基本配合 FAC配合条件変更の有無

備考

設計基準強度 50N/㎜2 基本配合と同じ -

単位水量 156kg/m3 基本配合と同じ -

水セメント比

(水結合材比)33.5% 基本配合と同じ -

スランプ 15±2.5cm 18±2.5cm ○

空気量 4.5±1.5% 4.5±1.5% -

外割りFA量 - 細骨材量の3% ○ 細骨材置換

細骨材 砕砂のみ 砕砂のみ -

混和剤 高性能AE減水剤 高性能AE減水剤 -

普通ポルトランドセメント(琉球セメント㈱製,密度3.16)

混和材 F1 -

地下水

S1 -

S2 本部半島産 砕砂(表乾密度2.66,F.M2.90)

F2 フライアッシュⅡ種(㈱ジェイベック石川カンパニー,密度2.37)

G1 本部半島産 砕石2005(表乾密度2.70,実績率60.0%)

G2 -

混和剤 Ad 高性能AE減水剤

粗骨材 

セメント

細骨材 

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沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針

参考資料 7.配合設計例

参資-72

⑤ 配合計算

コンクリート製造工場の実績値や使用材料の物性値を基に行われた配合計算を表 7.3.17

に示す。

表 7.3.17 50N/㎜ 2外割り FAC 配合計算書

※ 配合計算書は、コンクリート製造工場から提供されたもので、あくまで参考事例である。配合実施に当たっ

ては、各条件・数値を確認したうえで、独自の配合計算書を作成すること。

⑥ 配合表

表 7.3.18 に 50N/㎜ 2外割り FAC 配合表を示す。

表 7.3.18 50N/㎜ 2外割り FAC 配合表

項 目

標準偏差 工場実績値より σ = 3.0 N/㎜2

配合強度 m = + × σ = 57.5 N/㎜2

= + ×

= × ÷ ( + ) =

W/C比較 指定 W/C = 33.5 33.5 %

単位水量 W = 156 kg/m3

単位結合材量 B = ( C + E ) = ( ÷ ) × = 466 kg/m3

混和材量 E = 20 20 kg/m3

セメント量 C = - = 446 kg/m3

セメント容積 Cv = ÷ = 141 L/m3

混和材容積 F2v = ÷ = 6 L/m3

空気容積 VA = × ÷ = 45 L/m3

全骨材容積 = - ( + + + ) = 652 L/m3

かさ容積 = 工場実績値より (実績率= %) 620 L/m3

粗骨材容積 Gv = × ÷ = 372 L/m3

細骨材容積 Sv = - = 280 L/m3

細骨材率 = ÷ × = 42.9 %

細骨材 S1 = × = 745 kg/m3

粗骨材 G1 = × = 1004 kg/m3

混和剤 Ad = × ÷ = 3.26 kg/m3

混和材 使用量指定により F2 = 22 kg/m3

細骨材補正 S1 = - = 723 kg/m3

計算式 結 果

3

SL 2.5 57.5

33.5 100 465.6

%W/C 22.3 100 57.5

σ28 -9 22.3 C/W より33.5

9.0 33.53

466 20 446

446 3.16 141

156

156

示方配合で規定

652

粗骨材のかさ容積 GM 620 60.0

620 60.0 100 372

6 骨材容積 1000 156 141

723

セメント量の 0.70% 466 0.70 100

22

745 22

3.260

372 2.70 1004.4

744.8

42.94

280 2.66

652 372 280

s/a 280 652 100

45

45

20 3.16 6.3

1000 4.5 100

水セメント比

セメント 水 混和剤

(N/㎜2) (cm) (mm) (%) (%) C

膨張材

E

フライ

アッシュ

F1

W海砂

S1

砕砂

S2

フライ

アッシュ

F2

2005

G1

4020

G2Ad

50 18 20 33.5 42.9 446 20 - 156 - 723 22 1004 - 3.26

設計基

準強度

f'ck

目標

SL

骨材最

大寸法

Gmax

水セメ

ント比

W/C

細骨

材率

s/a

単位量 (kg/m3)

混和材 細骨材 粗骨材