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(c)JC Educational Institute, Inc. - 1 - 社会福祉士国家試験 赤マル福祉 Web模擬試験 解答・解説 注意事項 赤マル福祉の正規利用者本人が自身の学習のために使用する場合に限り、印刷可能です。 それ以外での無断転載、無断複写・複製をかたく禁じます。 専 門

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(c)JC Educational Institute, Inc.

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社会福祉士国家試験

赤マル福祉 Web模擬試験

解答・解説

注意事項

赤マル福祉の正規利用者本人が自身の学習のために使用する場合に限り、印刷可能です。

それ以外での無断転載、無断複写・複製をかたく禁じます。

専 門

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社会調査の基礎

問題 84 【 正解 2 】

1 × 研究や調査は、たとえ大学生や大学院生によるものであっても、公的な行為であるため、研究者

には倫理上の義務が伴う。よって適切でない。

2 ○ 研究倫理とは、倫理の基本法則を研究行為に適用したもので、研究者は研究活動で公正な社会性

を有するべきという社会規範のひとつであり、研究公正という概念の前提条件になる。広義には

「科学者の社会的責任」に属し、狭義には科学者が属する研究機関における「職務責任」とみな

すことができる。正解。

3 × 調査を論文等で公表する場合、イニシャルの割付は個人名を反映させず、無作為にする必要があ

る。年齢については、特に必要ない場合を除いて、何歳代(前半、半ば、後半)などと示すこと

もある。よって適切でない。

4 × 調査研究で得られたデータは、調査対象者個人が特定できる形で発表されてはならない。また、

個人情報を含んだデータ等については、個人を特定できる情報を削除したうえで管理するとなっ

ているので、適切でない。

5 × 戸籍法第126条より、市町村長又は法務局若しくは地方法務局の長は、法務省令で定める基準及

び手続きにより、統計の作成又は学術研究であって、公益性が高く、かつ、その目的を達成する

ために戸籍等書類に記載した事項に係る情報を利用する必要があると認められるもののため、そ

の必要の限度においてこれらの情報を提供することができるものとする、と定められているため、

適切でない。

問題 85 【 正解 5 】

1 × 母集団の規模が大きい場合、費用や労力の面から全数調査の実施が困難であったり、又、全数調

査では回収数が多くなり、かえってデータ点検、入力ミス等の非標本誤差が大きくなることも起

こり得る。このため、必ずしも全数調査が標本調査より望ましいとはいえず、適切でない。

2 × 層化抽出法とは、母集団が、あらかじめ割合が知られているいくつかの層(性別、年齢階級など)

に分けられる場合、それらの層ごとに標本の無作為抽出を行うものである。「まずは都道府県、

その次は市町村を無作為に抽出し、その中から標本を抽出するというような方法」は多段抽出法

であるため、適切でない。

3 × スノーボール法の特徴としては、ある人物を中心とし、そこからつながる人間関係のネットワー

クのうち、趣味や仕事など特定の分野のネットワークの集団関係や人間関係を把握することなど

に役立つ。結果に偏りや不十分な情報となってしまうことがデメリットとしてあるが、調査した

い内容から大きく外れることはないので、適切でない。

4 × 回答者の属性分布を確認しないまま大規模な調査を行っても、調査したい母集団を回答者が代表

しているかが分からない。標本数が多いといって標本の代表性の問題が解消されるわけではない

ので、適切でない。

5 ○ 全数調査は標本を抽出することはないため、標本誤差は生じない。しかし、対象者による回答ミ

ス、誤解、記入漏れ等、調査者による集計ミス等の非標本誤差は必ず生じてしまうので、適切で

ある。

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問題 86 【 正解 2 】

1 × お茶の「香りが良かった」のか「美味しかった」のかどちらについて回答して良いのか分かりに

くい。複数のポイントを一度に聞こうとする「ダブルバーレル質問」は回答者が答えにくいため、

適切でない。

2 ○ パーソナルな質問なのか、インパーソナルな質問なのかの見分けができず、回答者は混乱してし

まう。また、回答者は世間で常識とされていることに同調しやすいため、回答が偏ってしまうリ

スクがある。よって適切である。

3 × 質問の傾向を中立的にすることは必要であるが、回答者は質問に対し「はい」を選択しやすい傾

向(イエステンデンシー)があるといわれているので、適切でない。

4 × 質問紙に記入する人が記入しやすいように、レイアウトを工夫して質問紙を作る。レイアウトに

よって、誤解を招きやすかったり、回収率、回答率に影響する場合もある。よって適切でない。

5 × 「これから」の示す時間の幅、「子供たち」の年齢層、「外国語」の種類など、回答者によって解

釈は異なる。多くの回答者が「はい」と選んだとしても、その内容は個々に異なり、正確な調査

にはならない可能性が高いので、適切でない。

問題 87 【 正解 5 】

1 × 留め置き調査とは、調査票の配布時に調査員が訪問して説明を行うので、適切でない。記入は調

査対象者が行い、後日、郵送などで回収する方法であり、時間を要する質問を設けられる。

2 × インターネットを利用している層に回答者が限られるという短所があるため、誰もが手軽に行え

るわけではないので、適切でない。ただし、調査対象者がインターネットを好む層である場合に

は効果的である。

3 × 訪問面接調査では、調査員と対象者との関係で回答が異なってしまう可能性がある。また、他記

式の場合、社会的に望ましい内容に同調する選択肢を選びがちになる傾向があることから、適切

でない。

4 × 携帯電話の普及により、固定電話を持たない人が若い世代を中心に増えてきたため、2016 年か

ら携帯電話に対しても調査をするようになったので、適切でない。しかし、固定電話のように「市

外局番」のような地域情報がないため、地域を対象にする形式の調査では、引き続き固定電話の

みを対象にしている。

5 ○ 集合調査法は、集められた対象者の集団効果が影響し、回答結果にバイアスが生じやすい欠点が

あるので、適切である。ただし、時間や経費、労力といった面において効果的であり、参加者全

員から回収できるため回収率が高くなるというメリットがある。

問題 88 【 正解 1 】

1 ○ データの総和をケースの数で割った標本平均と、中央にあるケースのデータである中央値、デー

タの中で最も多い値である最頻値が等しい場合、分布は1山で左右対称となる。よって適切であ

る。

2 × 50パーセンタイルは中央値となるので、適切でない。また、ちょうどよいところにデータがない

場合は、両隣のデータの値を補間して求める。

3 × (四分位範囲)=(第3四分位数)-(第1四分位数)で定義される。第1四分位数までの全体

の4分の1、第3四分位数以降の全体の4分の1は除かれ、はずれ値の影響を削除できるので、

適切でない。

4 × 歪度とは、分布が平均値を中心に左右対称になっているか否かを示す量である。歪度が正ならば、

最頻値<中央値<標本平均の順となるので、適切でない。

5 × 分散とは、データが平均値からどの程度散らばっているか表すものである。集団の各値と平均と

の差(偏差)の2乗を平均することにより求められる。よって適切でない。なお、分散の平方根

をとったものが標準偏差であり、標準偏差もデータが平均値からどの程度散らばっているか表す

ものである。

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問題 89 【 正解 3 】

1 × アクションリサーチは、普遍的な心理・法則性の同定ではなく、極めて価値志向的であること、

研究者と調査対象者とが融合しながら調査を進めていくことが重要であり、画一化された手法を

用いるわけではない。

2 × エスノグラフィーとは、参与観察による質的調査とも呼ばれており、研究者が調査対象になる

人々やフィールドに関与して見聞きした事象を記録にしていくことであるので、適切でない。

3 ○ 参与観察とは、研究者が調査対象者になる人々やその活動の場面に関与して見聞きした事象を記

録にしていくこと、アクションリサーチとは、研究者がフィールドに積極的に関与して、何らか

の問題を解決していくものと捉えられているので、適切である。

4 × KJ法の本質は、意見やデータの分類というよりも、分類と集約を通して、分析前には気がつか

なかったことを創造的につくり出すことである。よって適切でない。

5 × グラウンテッドセオリーの特徴は、インタビューや観察などを行い、得られた結果をまず文章化

し、特徴的な単語などをコード化しデータを作ることである。データ収集とコーティングを、こ

れ以上新しい概念やカテゴリーが出てこないと判断されるまで繰り返す。「これ以上新しい概念

やカテゴリーが出てこないと判断される状態」は理論的飽和についての説明であるため、適切で

ない。

問題 90 【 正解 3 】

1 × 縦断調査とは、ある母集団を対象とし、時間間隔を空けて何回もデータを取る調査である。同じ

内容の調査でも、毎回異なる地域で調査を実施する場合は、縦断調査にはならないので、誤り。

2 × パネル調査では、同じ対象者に繰り返し調査を行うため、転居や死亡等で調査対象者が減少する

ことが多々見られるため、誤り。これをパネルの磨耗という。

3 ○ 1回だけの調査で幅広いデータを取るものを「横断調査」といい、対象者を一定期間継続的に追

跡し調査する方法を「縦断調査」という。よって正しい。

4 × クロスセクショナルデータ(横断データ)とは、横断調査によって得られたデータのことである。

クロスセクショナルデータは、時間を一時点に固定して止め、その時点で区切って各地点、場所、

グループで起こっているデータを記録したものであり、場所的要素は含まれているが、時間的要

素は含まれていないので、誤り。

5 × コーホート調査は、同時期に生まれた人口集団を追跡して同一の調査を繰り返す縦断調査である。

世代間を比較する調査ではないので、誤り。

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相談援助の基盤と専門職

問題 91 【 正解 2 】

1 × 社会福祉士及び介護福祉士法第 47 条において「社会福祉士は、その業務を行うに当たっては、

その担当する者に、福祉サービス及びこれに関連する保健医療サービスその他のサービスが総合

的かつ適切に提供されるよう、地域に即した創意と工夫を行いつつ、福祉サービス関係者との連

携を保たなければならない。」とあり、医師の指導については明記されていないので、適切でな

い。また、医師の指導が明記されているのは、精神保健福祉士法である。

2 ○ 社会福祉士及び介護福祉士法第 48 条の3より、自らの事業又は、その一環として、介護福祉士

が行う喀痰吸引等の業務を行おうとする者は、その事業所ごとに、その所在地を管轄する都道府

県知事の登録を受けなければならない。よって適切である。

3 × 社会福祉士及び介護福祉士法第 46 条において「社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がな

く、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でな

くなった後においても、同様とする。」とあるため、適切でない。

4 × 社会福祉士及び介護福祉士法第3条より、成年被後見人又は被保佐人は、社会福祉士又は介護福

祉士になることができない。被補助人はなることができるので、適切でない。

5 × 社会福祉士及び介護福祉士法第 47 条の2において「社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及

び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関

する知識及び技能の向上に努めなければならない。」とあるため、適切でない。

問題 92 【 正解 1 】

1 ○ 各国および世界の各地域は、このグローバル定義を基に、それに反しない範囲で、それぞれの置

かれた社会的・政治的・文化的状況に応じた独自の定義を作ることができることとなった。よっ

て適切である。

2 × ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を

促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。よって適切でない。

3 × 社会変革の任務は、個人・家族・小集団・共同体・社会に対し、現状が変革と開発を必要とする

とみなされる時、ソーシャルワークが介入することを前提としている。個人も含まれるので、適

切でない。

4 × ソーシャルワークの大原則は、人間の内在的価値と尊厳の尊重、危害を加えないこと、多様性の

尊重、人権と社会正義の支持である。よって適切でない。

5 × ソーシャルワークは、相互に結び付いた歴史的・社会経済的・文化的・空間的・政治的・個人的

要素が人々のウェルビーイングと発展にとってチャンスにも障壁にもなることを認識している、

実践に基づいた専門職であり学問である。障壁にもなり得るので、適切でない。

問題 93 【 正解 1 】

1 ○ エンパワメントとは、個人や集団が自分の人生の主人公となれるように力をつけて、自分自身の

生活や環境をよりコントロールできるようにしていくことである。エンパワメントの根底にある

のは、能力や権限は訓練や指導によって後から付加されるものではなく、本人が本来もっている

もので、本人が力を発揮できるようにあらゆる社会資源を再検討し、条件整備を行っていく必要

があるという見方である。よって適切である。

2 × 社会的排除には、失業、技術および所得の低さ、粗末な住宅、犯罪率の高さ、健康状態の悪さお

よび家庭崩壊などの、互いに関連する複数の問題を抱えた個人、あるいは地域としており、貧困

も含まれる。よって適切でない。

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3 × ノーマライゼーションとは、障害者(広くは社会的マイノリティも含む)が一般市民と同様の普

通(ノーマル)の生活・権利などが保障されるように環境整備を目指す理念である。当事者の訓

練をしてノーマルに近づくことではないので、適切でない。

4 × レジリエンスは、ボナノ(Bonanno,G.)が 2004 年に述べた「極度の不利な状況に直面しても、

正常な平衡状態を維持することができる能力」という定義があり、ストレスに対してそれを跳ね

返す力を指している。苦しみやストレスを感じなくなり、病気や症状が完全に治ることではない

ため、適切でない。

5 × ストレングス・パースペクティブとは、個人、グループ、家族、コミュニティには「できること」

と「強み」があること、そして、クライエントを取り巻く環境には活用できる多くの資源がある

という考え方を基本としている。環境も含まれるので、適切でない。

問題 94 【 正解 35 】

1 × アドボカシーとは、社会的・法制的に人生の主体者としての位置づけが奪われ、権利侵害行為の

対象となったり、困難な生活環境におかれたりしている人たちの復権を目的として生まれた実践

理念であり、新しい権利の獲得とは異なる。よって適切でない。

2 × ケースアドボカシーは、クライエントが公的扶助や福祉保健医療サービスが利用できるように、

クライエントの人権を十分に尊重しながら、クライエントとともに得られるようにすることをい

い、クライエント自身も動けるようにすることである。よって適切でない。

3 ○ クラスアドボカシーは、政策、実践、法律などを変えさせるような働きかけや、ある特定の社会

階層に属する人全てに良い影響が与えられるような活動をいう。よって適切である。

4 × シチズンアドボカシーとは、市民の自発的な行為によって、不利益を被る可能性がある人を擁護

することであり、公的機関が何らかの支援をするものではない。よって適切でない。

5 ○ ベイトマンは、アドボケイトを具体的に実践するときの原則を、(1)常にクライエントの最善の利

益にむけて行動する、(2)クライエントの自己決定を徹底的に尊重する、(3)クライエントに対して

逐一正確な情報を提供する、(4)努力と有能さでクライエントの指示を実行する、(5)クライエント

に対して、率直で主体的な助言を行う、(6)クライエントの秘密を厳守する、の6項目を挙げてい

る。よって適切である。

問題 95 【 正解 2 】

1 × Kさんの年金での生活や介護をしていないということを、実際の状況を確認せず近所の人からの

情報のみで虐待と判断することは、A社会福祉士の先入観とも考えられる。また、自宅で生活し

たいというKさんに対する説明もなく、自己決定を尊重していないので、適切でない。

2 ○ A社会福祉士のクライアントはKさんだが、Kさん家族をシステムとして捉え、Tさんの問題も

一緒に解決しようと他の専門職との連携を図ろうとすることはKさんの支援にも繋がる。よって

適切である。

3 × ほとんど仕事歴のないKさんに仕事をする必要性を説明していないことは、説明責任を果たして

いないことになる。また、Kさんの情報を勝手にハローワーク職員に伝えることは守秘義務違反

となるので、適切でない。

4 × 利用者の個人情報を収集する場合、その都度利用者の了解を得なければならないとされている。

この場合、Kさんにも、Tさんにも了解を得ていないのでプライバシーの侵害となる。よって適

切でない。

5 × Tさんは精神的に不安定な面があり、本人の状況などを確認することなく、仕事に就くこととK

さんの介護をすることを説得するのは、適切でない。

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問題 96 【 正解 5 】

1 × 祖母の高齢化の現象をひとくくりにして判断している。また、Bさんが進学を諦めようとするほ

ど悩んでいることを、真剣に受け止め立場を理解しようとしていないので、適切でない。

2 × 祖母が本当に悲しむかどうかは分からない。また、Bさんは本当はどうしたいのかを聞いて、自

己決定を促さなければならないので、適切でない。

3 × Bさんが相談に来た内容は、祖母の症状ではなく、Bさん自身の進学の問題である。スクール・

ソーシャルワーカーは、自身の経験に照らし合わせてしまい、相談の主旨を間違えてしまってい

るので、適切でない。

4 × Bさんの祖母の状態を、BさんやBさんの祖母の了解なく市役所や民生委員に伝えているので、

守秘義務違反になる。また、見守りが必要かどうかは説明をした上で、Bさんと祖母が判断する

ことである。よって適切でない。

5 ○ Bさんの思いを受け止め、活用できる制度の情報を提供した上で、時間を空けて面談の日程を設

けることは、Bさんはどうしたいのか自分で決められるように促しているので、適切である。

問題 97 【 正解 4 】

1 × ソーシャルワークの統合化とは、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワークの共通基

盤を明らかにして、一体化して捉えようとする動きである。共通基盤を個々のものとして捉える

のではないので、適切でない。

2 × ソーシャルワークの統合化に影響を与えたのは、個人、グループ、コミュニティを分断するもの

ではなく、システムとしてとらえる視点をもつシステム理論である。よって適切でない。

3 × 「状況(環境)のなかの人」の概念は、「人」のみ又は「状況(環境)」の側だけに焦点を当てる

のではなく、その関係のあり方に焦点を当て、そこに介入をしていくという考え方である。よっ

て適切でない。

4 ○ ジェネラリスト・ソーシャルワークでは、ソーシャルワークの共通基盤のもとで、実践において、

統合的に援助が展開されることと、利用者が主体的に問題を解決するための援助を行うことを特

徴としている。よって適切である。

5 × クライエントや、環境の「力」や「強さ」を重視し、その人とその人の環境がもっている問題解

決可能性をソーシャルワーカーが見出して尊重することを援助活動の基底に据えているので、重

度障害者の支援であっても必要な考え方である。よって適切でない。

相談援助の理論と方法

問題 98 【 正解 14 】

1 ○ 資源は物的資源、情報的資源、人的資源、関係的資源の4種類に分類されるため、正解。物的資

源は、自然(生態)環境、土地、建物、材料、動力、熱、光等の各種の物質的-エネルギー資源

であり、情報的資源は、知識や観念など様々な社会情報であり、情報処理機器(PC、スマート

フォン等)や盲導犬等を含む。関係的資源とは関係性の中でのみ機能するものであり、地位や権

力、貨幣、権利等が該当する。

2 × クライエント・システムはクライエント個人の他、家族、所属するグループや組織等、支援の対

象となるクライエントを取り巻く小単位のシステムを指す。サブシステムはピンカス(Pincus,A.)

及びミナハン(Minahan,A.)の分類により、クライエント・システム(クライエントとその所

属する集団)、ワーカー・システム(ワーカーの所属する組織)、ターゲット・システム(支援目

標達成のために変化を求める対象)、アクション・システム(変化に資する社会資源)の四種か

らなる。

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3 × ライフモデルはジャーメイン(Germain,C.B.)とギッターマン(Gitterman,A.)が提唱した実

践モデルであり、利用者が置かれている環境(人と環境との交互作用)に介入することを重視し

ている。パーソンズ(Parsons,T.)は社会システムに必要な機能要件を想定し、A(Adaptation:

適応)、G(Goal-attainment:目標達成)、I(Integration:統合)、L(Latency:潜在性)の

4種の機能を分化した下位システムを備えて維持・存続・発展できるというAGIL理論を提唱

した。

4 ○ ターゲット・システムとは、問題解決のために変革あるいは影響を与えていく標的となる人や組

織をいうため、正解。

5 × AGIL理論は、パーソンズ(Parsons,T.)が社会システムについて、適応(Adapteation)、目

標達成(Goal-attainment)、統合(Integration)、潜在性(Latency)の機能要件と下位システ

ムに分類するものである。ピンカスとミナハンは、ソーシャルワークを四種のサブシステム(ク

ライエント・システム、ワーカー・システム、ターゲット・システム、アクション・システム)

からなる一つのシステムとし、その機能を7種類(問題解決能力向上、資源への結びつけ、資源

活用阻害要因の修正、資源提供能力改善・創造、社会的諸施設開発、経済的給付、社会的統制)

に分類した。

問題 99 【 正解 2 】

1 × 若干の影響はあり得るが、利用者層と目的が異なるものであり、むしろ専門職としては地域の社

会資源として活用を検討するべきである。

2 ○ 住民活動の主体はあくまで地域住民である。小地域福祉活動に対するコミュニティソーシャル

ワーカー(CSW)の関わり方は側面的な支援であるべきである。

3 × 一般的に行政が制度化するのはニーズの普遍性が認められた後であり、先駆的な取組に対しては

時間がかかる。またフォーマルサービス化した方が財源等は安定する反面で活動の範囲は固定さ

れることが多く、インフォーマル・サービスとして展開した方が自由度は高いため、一概に制度

化することが適切とはいえない。

4 × この事業を行うにあたり、会場や人材の確保が必要であるが、コミュニティソーシャルワーカー

(CSW)は地域住民が主体的に取り組めるよう支援することが求められるため、適切でない。

5 × 住民活動の主体はあくまで地域住民である。事業計画や手続きを住民が行う過程で、新しい連携

や課題に気付くことも大切な地域活動の一部であり、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)

が地域の意見を待たずに先回りして自己判断するべきではない。

問題 100 【 正解 2 】

1 × インテーク段階でソーシャルワーク機能の説明は必要であるが、信頼関係(ラポール)を構築す

る段階であるため、クライエントの訴えに耳を傾けることを優先すべきであり、説明は簡潔にす

るべきである。

2 ○ 相談援助は、必ずしもクライエント本人が解決を求めた時点で始まるとは限らない。自身では問

題意識のない(インボランタリー)クライエントもいる。地域住民や関係機関からの相談、通報

(通告)で関わる場合もある。

3 × モニタリングの中で状況の変化を確認し、再アセスメントのうえ、ゴールを変更することもある

が、プランニングにあたっては、援助の最終的な目標(ゴール)と、達成するための目標を明ら

かにする必要がある。

4 × 問題の把握からニーズの確定、アセスメントと目標設定まで一体的に行われることが多いが、常

に同時に行わなければならない訳ではない。また、アセスメント結果を整理した上で目標を設定

し、そこに向けた支援計画を作成するため、プランニングは改めて行われることも多い。

5 × 問題が残っていても、それをクライエント自身解決できる目途が立っている場合や適切な他機関

に引き継いだ場合等、支援を終結する事は有り得る。

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問題 101 【 正解 4 】

1 × コーピング・クエスチョンは、これまで問題を抱えながらもそれを悪化させずにいたクライエン

ト自身も気付いていない力(ストレングス)に着目することを目的とした質問である。

2 × ソリューション・トークは問題の解決策に焦点化し、肯定的な問いかけによりクライエント自身

に解決するイメージを作り上げていく対話である。

3 × スケーリング・クエスチョンは、抽象的な事を数値化し、その数値の差や変化を評価するための

質問である。

4 ○ 例外探し(の質問)は、クライエント自身の過去の言動から問題解決策を探るものであり、問題

が起きた場面に近いが問題が起きずに済んだ場面とその理由(例外)を探し、成功体験を意識す

ると同時に課題解決に向けたクライエント自身の資源を明らかにすることを目的とした質問で

ある。

5 × ミラクル・クエスチョンは、(奇跡が起きて)問題が解決した時の事を想像してもらい、ゴール

設定を引き出すための質問である。

問題 102 【 正解 5 】

1 × バイステック(Biestek,F.P.)に関するものである。バイステックが著書『ケースワークの原則』

の中で示したケースワークの7原則は、(1)個別化、(2)意図的な感情表出、(3)統制された情緒的

関与、(4)受容、(5)非審判的態度、(6)自己決定、(7)秘密保持、である。

2 × 「人間の欲求を生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5段階に分類」

したのは、マズロー(Maslow,A.)の提唱した欲求五段階説の説明である。

3 × 「ソーシャルサポートネットワークの方法を、個人ネットワーク法、ボランティア連結法、相互

援助ネットワーク法、近隣地区援助者法、地域活性化法の5つに分類」したのは、フロランド

(Froland,C.)である。

4 × パールマン(Perlman,H.H.)に関するものである。パールマンは 1957年に人(person)、問題

(problem)、場所(place)、過程(process)の四要素を4つのPとして示し、1986年に専門職

(professional)と制度(provisions)の2要素を追加し6つのPとした。

5 ○ トール(Towle.C.)が提唱したものであり正解。トール(Towle.C.)は貧困が子どもにもたらす

影響を研究し、社会保障・公的扶助の必要性を説き、「コモン・ヒューマン・ニーズ」を著した。

問題 103 【 正解 1 】

1 ○ クライエントの話を要約することで話を聞いていることを示しつつ次の話題に展開でき(要約の

技法)、併せて話や行動に共感を示し肯定的に評価することで、クライエントに安心感を与え距

離感を縮めることができる(保証の技法)。クライエントが語る中に今後の生活への不安やニー

ズが隠れていることが考えられ、次の話題の中で「先ほどのお話にもありましたが」と展開でき

る。

2 × クライエントに対し、(消極的に)質問に対する回答以外聞く気がないというメッセージを伝え

ることになり、関係構築やその後の話の展開を考えると適切とはいえない。

3 × クライエントに対し、(積極的に)質問に対する回答以外聞く気がないというメッセージを伝え

ることになり、関係構築やその後の話の展開を考えると適切とはいえない。

4 × うなずきや相づちは傾聴の基本であり、話を続けることはナラティブアプローチを行う場面やカ

ウンセリング場面では有効であるが、目的をもって行っている本事例の面接場面ではそれだけが

適切とはいえない。

5 × 一つのエピソードのみで認知症を疑うのは早計である。関係を構築する前にこじらせるおそれも

あり適切とはいえない。

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問題 104 【 正解 2 】

1 × 話し方や言葉を相手に合わせる(ペーシング)は、ラポール形成のための基本技術である。

2 ○ 「クライエントに合わせて言葉遣いや話し方を使い分け、緊張させない程度に視線を向ける」の

は、マイクロカウンセンリングの基本となるかかわり行動であり、信頼関係(ラポール)を構築

する上でも、適切である。

3 × クライエントに注意を払っていることを示すため、文化的に適した範囲で視線を向けるのはかか

わり行動の基本である。

4 × 時間の見通しを先に示した方が良いクライエントもいるが、初回面接の最初に面接時間の上限を

示すと、クライエントに対し冷たい印象を与えかねない。また、面接の最初には、時間を割いて

面接に応じてくれたことに対する謝意を言葉と表情で示すことが、ラポール形成の第一段階とし

て重要な行動である。

5 × ラポールの形成段階でクライエントの話を引き出すためには、相手の間違いを指摘して話を中断

するのは避けた方が良い。クライエントの意見に同意できない時は、「○○と感じているのです

ね」等の相手を評価しない表現で続きを促す。

問題 105 【 正解 3 】

1 × 終結に向けた面接は、支援の結果解決した(もしくは目途が立った)課題について、クライエン

トが支援者から見放されるという不安(分離不安)を抱かず肯定的な感情を持てるように行うも

のである。「これからは今までのようにお話しを聞けませんが頑張ってください。」といった言葉

がけは、クライエントに不安を抱かせてしまうおそれがある。よって適切でない。

2 × 「これでうまくいかなければ生活保護を受けるしかありませんから頑張ってください。」といっ

た言葉がけは、失敗を前提に話しているように受け取れ、支援者に対しても相談すること自体に

対しても否定的な感情を持たれかねない。よって適切でない。

3 ○ 「また何か困ることがあったら遠慮せずに相談してくださいね。」といった言葉がけは、再度困難

な事態に陥った時に再相談が可能と伝え、不安を抱かせないようにしている。よって適切である。

4 × 「もうここに来ないで済むようにお仕事頑張ってください。」といった言葉がけは、クライエン

トに不安を抱かせ、相談自体にも否定的な感情を持たせてしまうおそれがある。よって適切でな

い。

5 × 「うまくいかなかったら何度相談に来てもらっても構いませんよ。」といった言葉がけは、失敗

を前提に話しているように受け取れ、支援者に対しても相談すること自体に対しても否定的な感

情を持たれかねない。よって適切でない。

問題 106 【 正解 4 】

1 × 三世代以上の家族構成を図式化したものは、ジェノグラムである。ファミリーマップは家族間の

情緒的関係や力関係を図式化したものである。

2 × 「記録は専門的職業性と運営管理上の事務的能率の二重性がある」としたのは、岡村重夫である。

その上で、ケース記録法を改善して専門的技術と知識に対する社会的信用を得ることが専門的職

業確立に必要とした。ケーグル(Kagle,J.D.)は、記録の目的を10の枠組み(1.クライエントの

ニーズ明確化、2.サービスの文書化、3.ケースの継続性の維持、4.専門職間のコミュニケーショ

ンの促進、5.クライエントとの情報共有、6.再検討の促進(スーパービジョン、コンサルテーショ

ン、同僚間)、7.サービスの過程とその影響のモニター、8.学生・専門職の教育、9.管理上の課題

に対するデータ提供、10.調査・研究のためのデータ提供)で捉え、目的はクライエントのための

サービス供給の促進であるとし、よりよいサービス提供が記録の主たる目的に位置づけられてき

たと指摘した。

3 × 家族間の情緒的関係や力関係を図式化したものは、ファミリーマップである。エコマップは家族

間や社会資源との関係性を図式化したものである。

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4 ○ SOAP形式とは Subjective(主観的情報)、Objective(客観的情報)、Assessment(評価・分

析)、Plan(計画)の略であり、医療機関を中心に導入が進む問題志向型記録に用いられる記録

項目である。

5 × 個人情報の保護に関する法律第 28 条に基づき、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権

利利益を害するおそれがある場合、当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を

及ぼすおそれがある場合、他の法令に違反することとなる場合は記録の全部又は一部を開示しな

いことができる。

問題 107 【 正解 5 】

1 × モニタリングは、計画された支援がその目的に沿って実施されているかどうかを確認し、適切に

実施されていない場合や、実情と計画とのずれが生じている場合などは計画を見直すために行う。

モニタリングでは、クライエントとその家族を基本として、関係機関等に対象を拡大することは

あるが、対象を明確化しておくことは必須である。

2 × モニタリングでは、支援やサービス提供が的確に進んでいるか、クライエントの取組がどのよう

に進んでいるかなどを確認する必要がある。このため、モニターの対象者であるクライエントや

その家族のニーズ、課題(問題)を明確にする必要がある。

3 × モニタリングを行うにあたり、実施時期(スケジュール)、場所、方法を定め関係機関で共有し

ておく必要がある。

4 × モニタリングの対象は、サービスや支援を利用しているクライエントや家族であると同時に、

サービスを提供している支援者も含まれる。このため、他の専門職や民生委員等にも情報提供を

依頼することはあり得る。

5 ○ モニタリング結果として得られた情報に基づき、再アセスメントを実施した上で、援助プランの

修正および課題が解決していれば終結の可否を判断することとなる。

問題 108 【 正解 4 】

1 × 危機は災害発災直後のストレス障害だけではなく、親しい人を失う等の原因による急性悲嘆反応、

ライフステージにおける新たな課題に対応できない場合等の強いストレスによっても生じ、危機

介入アプローチの対象となる。

2 × 危機的状況の中では当事者の問題解決能力は低下しており、危機介入アプローチはその間にあく

まで緊急避難的に、指示的に関わり具体的かつ実際的な支援や情報を提供する。

3 × 危機介入アプローチは当事者が問題解決能力を回復するまでの短期処遇を前提としており、通常

4~6週間に限定される。

4 ○ 危機介入の過程では最初に当事者の不安や混乱、怒り等の感情の表出が奨励され、明らかになっ

たニーズの充足や懸念の解消のため具体的かつ実際的な支援や情報を提供する。

5 × 危機介入アプローチは、個人だけではなく、同じ危機を抱える家族やグループにも適用可能であ

る。

問題 109 【 正解 3 】

1 × ワーカーがあらかじめ参加者の思いや感情を理解するのは、グループワークの準備期で行われる

「波長合わせ」に関する説明である。パートナーシップを築くのは基本的に専門職のサポートを

必須としない自助グループとの連携においてである。

2 × メンバー同士が相互に尊重し、受容し、メンバー同士の助け合いで課題解決するのは、相互援助

システム形成過程の説明である。「ヘルパー・セラピー原則」はリースマン(Riessman,F.)が自

助グループにおける役割について提唱した論であり、論旨は「援助をする人が最も援助を受ける」、

つまり自助グループ内において援助者的な役割を担うものが自己肯定感の向上等最も得るもの

が多いというものである。

3 ○ ワーカーはグループの危機を成長の機会と捉え、メンバー自身のコミュニケーションスキルや

ソーシャルスキル獲得、グループ内の関係強化を支援する。よって適切である。

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4 × これら4つの原則はグループワークにおける実践原則であり、ワーカーが遵守するべきものであ

る。

5 × グループワークの終結後、ワーカーの働きかけの有無に関わらずサポートグループや自助グルー

プへ移行していく事もあるが、全ての例で移行するわけではなく、また専門機関の働きかけや支

援を必要とする例も多い。

問題 110 【 正解 3 】

1 × 認知アプローチに関するものである。ナラティブアプローチは、クライエント自身が否定的に捉

えている人生を肯定的に再構築することで問題の解決を図るものである。

2 × ナラティブアプローチに関するものである。行動変容アプローチは学習理論を基盤として、クラ

イエントの行動について、望ましい行動を強化することで結果として望ましくない行動を減らし

ていくものである。

3 ○ エンパワメントアプローチに関するものであり正解。エンパワメントアプローチは、社会的マイ

ノリティを理由に抑圧され、パワーレスな状態に対し、クライエント自身が状況を認識し、自ら

の能力に気づき、それを高め、解決することを支援しつつ抑圧の原因となる社会の変革も併せて

支援焦点とする。面接、SST、グループワーク、コミュニティワーク、アドボカシー活動及び

ソーシャルアクション等の手法も活用される。

4 × 解決志向アプローチに関するものである。解決志向アプローチは短期療法から派生したものであ

り、ソリューション・トークや独特な質問法を用いて、クライエントのペースで展開することを

特徴としている。認知アプローチは、クライエントの思考パターンの歪みを是正し、感情と行動

の変容を促すものである。

5 × 機能的アプローチに関するものである。心理社会アプローチは診断主義アプローチから発展した

もので、人と状況の相互作用に注目して人間の行動や成長に注目する手法である。

問題 111 【 正解 4 】

1 × 社会資源には有体物を含むこともあるが、サービス等無形のものや、親族、知人等無形の関係性

も含まれる。

2 × 再資源化とは、すでに今あるサービスのうち、クライエントのニーズを直接的には満たさないが、

条件や環境を少し変えれば対応できるようになる、といった場合に規制の緩和や条件の変更など

により、資源として活用できるものに変化させることである。

3 × 社会資源には家族や知人、NPO等が制度外で実施するインフォーマル・サービスや、民間企業

の提供する営利事業も含まれる。

4 ○ 再資源化についての説明であり、正解。再資源化は既存資源の修正とも表され、既存の社会資源

が通常サービス等を提供している対象以外のクライエントに提供する事や提供内容を拡充する

事を働きかける事を指す。

5 × 社会資源には家族や知人、NPO等が制度外で実施するインフォーマル・サービスや、民間企業

の提供する営利事業も含まれる。

問題 112 【 正解 4 】

1 × リンケージ(linkage)は支援の実施過程(インプリメンテーション)で、必要となる社会資源に

結び付けることを指す。

2 × リファーラル(referral)は他機関への紹介・送致を指す。支援者が、より適切に対応できる専

門機関がある場合に、利用者にその旨を説明し、承諾を得た上で相手先の機関につないでいく。

3 × インプリメンテーション(implementation)は、支援計画に沿った支援の実施過程を指す。

4 ○ フォローアップ(follow-up)は、支援を終了した利用者の状況について追跡確認することを指す。

フォローアップの結果、利用者の状況に応じ、引き続き対応する必要があると認められる場合は

アフターケア(aftercare)を行う。

5 × 「ホメオスタシス」はキャノン(Cannon,W.B.)の唱えた生物の恒常性維持機能を指す。

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問題 113 【 正解 25 】

1 × 集団比較実験計画法に関するものである。単一事例実験計画法は単一の対象に対し因子(支援プ

ログラム等)を適用(実施)した前後を比較する方法である。

2 ○ KJ法に関するものであり正解。KJ法は膨大なデータから抽出できる短文をラベルに記載し、

同系統のグループに分類し図解化し、それをもとに文章化していく方法である。

3 × 単一事例実験計画法に関するものである。事例研究法は個別の支援記録に基づき主に支援のプロ

セスを評価する方法である。

4 × グラウンデッド・セオリー・アプローチの説明である。グラウンデッド・セオリー・アプローチ

は、質的研究に用いられるものであるが、得られた質的データから理論構築を行うためのもので

あり、新たな発想を得る方法として用いられる。ビネット(ヴィネット)調査とは、架空の具体

的状況(事例)を提示し、複数の状況に対する評価や意志決定などの回答を調査対象者に求め、

比較検討する社会調査方法を指す。

5 ○ トライアンギュレーションの説明であり正解。トライアンギュレーションは異なる調査者や手法

により、データの収集や分析が研究者の力量や主観に影響されることを避けるものである。

問題 114 【 正解 34 】

1 × 閉ざされた質問は質問された側にとって答えやすい面もあるが、その反面、話を広げたり深めた

りすることが難しく、また場合によっては問い詰められているような印象を与えるおそれもある。

部分的に使用したり、能力的な問題で言語化が苦手な相談者に対して用いることは有効であるが、

相談者との関係(ラポール)を作り、思考を整理していくためには相談者の思考を待つ必要もあ

る。

2 × 傾聴とはただ聞く事ではなく、受容、励まし、言い換え、感情・意味の反映、要約などのかかわ

り技法を用いて話を引き出す事により、より深くクライエントの話す内容を理解し、信頼関係を

築く支援姿勢及び技法である。

3 ○ うなずきや相槌により受容的な雰囲気を作り、相談者の言葉のポイントを繰り返すことで相談者

に自らの言葉を客観視する機会を作り、「今あなたが言ったことは・・・ということですね」、

「・・・と感じているようですね」と言い換え、反映、要約といったかかわり技法を交えること

で相談者との信頼関係を築き、課題を明確化しやすくなる。

4 ○ 聴き手の積極的な傾聴の姿勢を話し手に示す手法を関わり行動といい、具体的には文化的に適合

した視線の位置、身体言語(身振り手振りや姿勢)、声の質(大きさ、調子、スピード)、言語追

跡(話題を変えない事)を指す。

5 × 開かれた質問は回答の自由度が高く、具体的な回答を得られる可能性も高いが、相談者によって

は何を話せばよいか戸惑うこともあり、質問に対する理解ができていないと方向性の違う回答と

なることもある。話の展開や相談者の能力にも配慮して、場面ごとに閉ざされた質問と使い分け

る必要がある。

問題 115 【 正解 2 】

1 × 1対1で行う個人スーパービジョン、スーパーバイジーが(場合によってはスーパーバイザーも)

複数のグループスーパービジョンが一般的であるが、スーパーバイザーのいないピアスーパービ

ジョンやスーパーバイジー自身が内省を深めるセルフスーパービジョンといった変則的なスー

パービジョンもある。

2 ○ ライブスーパービジョンとして、面接の同席や同行訪問により、現場で実施する場合もあるため、

正解。実践場面で行われるため、教育的機能が高い。

3 × スーパーバイザーのいないピアスーパービジョンや、スーパーバイジー自身が内省を深めるセル

フスーパービジョンといった変則的なスーパービジョンもある。ピアスーパービジョンでは、お

互いの実践経験を語り合うことを通し、相互に学び合うことができる。

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4 × 他分野の専門家からの助言指導が行われるのは、コンサルテーションである。コンサルテーショ

ンでは、一定の距離を置いた、側面的な援助が行われるので、コンサルタントとコンサルティの

間に上下関係はなく、助言を採り入れるかはコンサルティの判断による。

5 × インシデント・プロセス法のように発表資料を作成しない事例検討法もあるが、スーパービジョ

ンでは記録をまとめることにより内省を促す作用もある。

問題 116 【 正解 5 】

1 × アウトリーチは、解決すべき問題をもちながら自らは来所しないクライエントを対象に、ケース

ワーカーが出向き、クライエントに援助の必要性を感知させ、問題解決の動機づけを高めること

を目指している。相談機関へ行けないクライエントからの依頼に基づく訪問を指すのではない。

2 × 初期段階においてアウトリーチが重要となるのは、危機に対する早期介入を必要とする危機介入

アプローチである。

3 × 地域住民等のインフォーマルな社会資源から、家族内の他の利用者にサービス提供している介護

事業所まで、多様なルートでの発見が期待できる。そのために、ソーシャルワーカーは日頃から

地域との良好な関係を構築しておくことが求められる。

4 × アウトリーチの起源は 19 世紀後半にイギリスの慈善組織協会(COS)が実施した友愛訪問に

あるとされている。

5 ○ アウトリーチの主要な機能は、ニーズの堀り起し、情報提供、サービス提供、地域づくりの4種

である。

問題 117 【 正解 1 】

1 ○ 個人情報の保護に関する各種法令は「人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要がある

とき」を個人情報保護の例外としている。また。社会福祉士会の定める倫理綱領に基づく行動規

範にも、5-3.「社会福祉士は、利用者の自己決定が重大な危険を伴う場合、あらかじめその

行動を制限することがあることを伝え、そのような制限をした場合には、その理由を説明しなけ

ればならない。」と定めている。

2 × 従前は個人情報取り扱い件数が5,000件を超えない事業所は適用対象外であったが、平成29年5

月施行の法改正によりこれが撤廃された。事業所の種類は営利・非営利や法人格を問わないため

NPO、自治会やサークル等も規制対象となる。

3 × 共同利用で個人情報の提供を受ける場合は、第三者提供にはあたらない。なお、この場合あらか

じめ(1)共同して利用される個人データの項目、(2)共同利用者の範囲、(3)利用する者の取得時の

利用目的、(4)個人データの管理について、責任を有する者の氏名又は名称を本人に通知等をしな

ければならない。

4 × 虐待に関する当事者だからといって、その個人情報を法令に定める範囲を超えて請求・公開する

ことはできない。

5 × 利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データの取扱いに関する業務の全部又は一部を委

託することに伴い、当該個人データが提供される場合は、当該提供先は第三者に該当しない。な

お、委託元である個人情報取扱事業者には、個人情報の保護に関する法律第 22 条により、委託

先に対する監督責任が課される。

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問題 118 【 正解 34 】

1 × 個人情報には音声及び映像による記録も含まれる。音声・画像の記録はあらかじめ本人の同意を

得ていることが望ましいが、必ずしも禁止されてはおらず、内容の正確さを担保するために用い

られる場合も有る。

2 × サーバーはネットワークの中枢であり、データの破壊・流出その他のトラブルを回避するために

取り扱いを責任者(管理担当者)等のごく少数に限定するのが一般的な運用である。

3 ○ 個人情報の流出はあってはならない事であるが、近年では対面や電話が苦手であったり抵抗を感

じる相談者の為にソーシャルネットワークサービス(SNS)を活用した相談も開始されている。

4 ○ リテラシーは読み書き能力と訳されるが、近年では対象となる物事に対する知識を持ち、状況に

応じ判断できる能力を指すことが多く、情報リテラシーはICTの活用に必要な知識や技術を指

す。

5 × ファイル共有ソフトとはインターネットで不特定多数の利用者とファイルをやり取りするため

のソフトウェアのことであり、情報セキュリティ上は導入すること自体が不適切である。

福祉サービスの組織と経営

問題 119 【 正解 5 】

1 × 全ての理事に報酬が支給されないわけではないので誤り。社会福祉法第 27 条に「社会福祉法人

は、その事業を行うに当たり、その評議員、理事、監事、職員その他の政令で定める社会福祉法

人の関係者に対し特別の利益を与えてはならない」と規定されているが、労働基準法に則った業

務についている場合は、当然給与は支給される。

2 × 2016(平成 28)年の社会福祉法の改正によって、評議員会は諮問機関から議決機関へと役割が

変更となっているので誤り。このことにより、すべての社会福祉法人に評議員会は必置となり、

法人運営を事後的に監督する機関として位置付けられることになった。

3 × 社会福祉法第 45 条の8 第2項より、評議会は、社会福祉法に規定する事項および定款で定め

た事項に限り、決議することができると規定されているので誤り。

4 × 社会福祉法人は、毎会計年度、その保有する財産について、事業継続に必要な財産を控除した上、

再投下可能な財産(社会福祉充実財産)を算定しなければならないこととされている。その結果、

社会福祉充実財産が生じる場合には、社会福祉充実計画を策定し、所轄庁の承認を得た上で、こ

れに従って、地域の福祉ニーズ等を踏まえつつ、当該財産を計画的かつ有効に再投下していくこ

ととなる。社会福祉法人の内部留保(過去の利益の蓄積額)を有効活用する仕組みとして社会福

祉法人充実計画が設けられているので、すべての社会福祉法人が作成するとは限らないので誤り。

5 ○ 社会福祉法第 55 条の2 第7項において「社会福祉充実計画は、評議員会の承認を受けなけれ

ばならない。」と規定されているので、正しい。なお、承認された社会福祉充実計画の変更、終

了は、あらかじめ所轄庁の承認が必要となっている。

問題 120 【 正解 4 】

1 × 外部環境の不確実性が低い(安定している)場合は、機械的組織が有効で、垂直方向のコミュニ

ケーションが多くみられる傾向にあるので誤り。外部環境の不確実性が高い(複雑で不安定な)

場合は、有機的組織が有効で、水平方向のコミュニケーションが多くみられる傾向にある。

2 × シャインは、組織文化に関して、組織によって作り上げられた価値観であることを提唱している

ので誤り。人間関係論を提唱したのはメイヨーである。メイヨーは、ホーソン実験を行い、科学

的管理法を否定し、人間関係論の妥当性を明らかにした。

3 × ゴミ箱モデルでは、結論を導き出すことに時間をとるより、ある段階で一度結論を出し、仮設と

検証を繰り返すことが重要であると指摘しているので誤り。

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4 ○ 正しい。サイモンは、個々の意思決定は(1)専門化、(2)標準的手続き、(3)権限委譲、(4)コミュニ

ケーション、(5)教育、訓練、(6)インフォーマルな影響力を通じて組織全体の意思決定に統合され

るとしている。

5 × アンラーニングとは、組織にとって時代遅れとなり、有効性が失われた知識を棄却し、新たな学

習を行う姿勢を確保することなので誤り。「既存の枠組みとは異なる新しい枠組みを取り込み、

価値、目標などのコンテクストそのものを修正する学習」は、ダブルループ学習のものである。

問題 121 【 正解 3 】

1 × PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、ポジションベース型戦略であるので

誤り。資源ベース型戦略としては、エクセレント・カンパニー、コア・コンピタンス、ビジョナ

リー・カンパニーがある。

2 × コア・コンピタンスとは、他社が模倣することが困難で、競合する他社を圧倒的に上回るレベル

の能力を指すので誤り。「人と行動に価値を置き、独自の企業文化をもつ優良企業」は、エクセ

レント・カンパニーのものである。

3 ○ 正しい。経営戦略は、経営理念、ミッション、経営ビジョン・経営目標を達成するためのもので、

一貫性、統合性、重点性が必要となる。

4 × 外部環境となる政策や制度の変更は、事業所でコントロールできるものではない。したがって、

変更に対して内部環境である組織構造を柔軟に変化させなければ対応できなくなるので誤り。

5 × この業績評価表はバランス・スコアカードのことなので誤り。ドメインとは、事業所が選択する

事業領域のことである。また、ドメインを設定するには、自組織の置かれた内部・外部環境を正

しく認識することが必要となる。

問題 122 【 正解 1 】

1 ○ 正しい。社会福祉法人の会計処理は、以前は法人が実施する事業の種類ごとに様々な会計ルール

が併存していたが、法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析をするとともに、外部への情報

公開にも資することを目的に2012(平成24)年度から2015(平成27)年度にかけて、「社会福

祉法人会計基準」の一元化が図られている。

2 × アカウンタビリティとは、結果責任、説明責任のことをいう。社会福祉法人の事業においては、

当然アカウンタビリティは求められているので誤り。

3 × 社会福祉事業から生じた所得については、法人税、事業税、都道府県民税、市町村民税、不動産

取得税は原則非課税であるが、収益事業から生じた所得に関しては課税されるので誤り。

4 × 固定資産税と消費税に関しては、原則非課税となるので誤り。なお、1千万円を超える課税売上

高がある場合は、消費税の申告と納税の手数料が必要となる。

5 × 一定の要件を満たした場合に、社会福祉施設の運営費の弾力運用が認められており、すべての社

会福祉法人で認められているわけではないので誤り。一定の要件とは、(1)適切な法人運営、(2)

適切な施設運営、(3)財産目録、貸借対照表及び収支計算書の公開、(4)第三者委員会の設置、(5)

第三者評価の受審等である。

問題 123 【 正解 3 】

1 × 集団力学の創始者であるレヴィンは、集団の凝集性が高ければ業績は高くなり、集団の凝集性が

低ければ業績が低くなるとは限らないと提唱しているので誤り。凝集性とは、仲間意識ともいえ

る。

2 × コンフリクトには、正負両面の見方があり、一概に回避することが良いとはいえないので誤り。

コンフリクトの正の側面を生産的コンフリクトといい、負の側面を非生産的コンフリクトという。

3 ○ 正しい。コンティンジェンシー理論(条件適合理論)は、状況や関心に応じてリーダーや組織が

とるスタイルは変わるとする理論である。フォロワーシップシップ理論は、フォロワー(部下)

が能動的に動くことで、リーダーに影響をあたえるといったものである。

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4 × 「状況好意性とリーダーシップスタイルの関係性からリーダーシップの有効性をとらえた」のは

フィードラー理論のものなので誤り。SL理論は、部下の成熟度によって、有効なリーダーシッ

プのスタイルが異なるとしたものである。なお、SL理論、フィードラー理論共にコンティンジェ

ンシー理論(条件適合理論)である。

5 × 「メンバーの個々の動機づけや知的刺激を引き出すリーダーの行動を重視する理論」は、変革型

リーダーシップのものなので誤り。カリスマ的リーダーシップ論とは、現実と期待のギャップが

大きいほどカリスマ性が発揮できるとした理論である。

問題 124 【 正解 2 】

1 × エルダー制度とは、先輩社員が教育係となって指導するとともに生活上の相談役を担う制度であ

るので誤り。「コミュニケーションによって従業員の労働意欲や能力開発を手助けし、目標達成

に向かわせることを目的とした人材開発技法」は、コーチングの説明である。

2 ○ 正しい。ジョブ・ローテーションは、人材育成、適性発見、マンネリズムの打破、セクショナリ

ズムの防止を目的として、積極的・計画的に職務や職場の移動を行うことである。これらは、動

機づけ要因を強化する方法として、福祉サービス事業所でも取り組まれるべきとされている。

3 × キャリアパスとは、ある職位や職務に就くまでに必要な業務の経験や順序などのことであるので

誤り。「組織内で昇進・昇格の可能性に行き詰まりを感じ、モチベーションの低下や能力開発機

会の喪失に陥ること」はキャリアプラトーのことである。プラトーとは、「高原・台地」という

意味で、キャリアの発達が高原状態に達した停滞期であることを表している。

4 × キャリアアンカーとは、個人がキャリアを選択する際に、最も重要であり他に譲ることができな

い価値や欲求、動機、能力のことなので誤り。「ある職位や職務に就くまでに必要な業務の経験

や順序など」は、キャリアパスのことである。

5 × メンタリングとは、メンター(経験者)がメンティー(経験の少ない者)に対して、キャリア形

成の促進を支援・指導することであるので誤り。

問題 125 【 正解 5 】

1 × ストレスチェック制度は、契約期間が1年未満の労働者や労働時間が通常の労働者の4分の3未

満の短時間労働者は義務の対象外となるので誤り。また、すべての事業者に義務付けられている

わけではなく、労働者が常時50人未満の事業場については、当分の間努力義務となっている。

2 × 育児休業の対象となる子の範囲は、法律上の親子関係がある実子・養子だけでなく、特別養子縁

組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等も 2017(平成 29)年1月より新たに

対象に追加されているので誤り。

3 × 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働

契約の内容である労働条件を変更することはできないと「労働契約法」9条で規定されているが、

一定の手続きを経て合理的なものは変更することができると同法 10 条で規定されているので誤

り。

4 × 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる

と「労働契約法」に規定されているので誤り。なお、そのような場合においては、無効となった

部分は、就業規則で定める基準によるものとされている。

5 ○ 正しい。2012(平成 24)年の「労働契約法」の改正によって、無期労働契約への転換(労働契

約法第18条)や雇止め法理の法定化(同法第19条)以外にも、不合理な労働条件の禁止(同法

第20条)も定められている。

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高齢者に対する支援と介護保険制度

問題 126 【 正解 5 】

1 × 「平成 30年版高齢社会白書」によると、「総人口が減少する中で 65歳以上の者が増加すること

により高齢化率は上昇を続け、平成48(2036)年に33.3%で3人に1人となる。」と記述されて

いるため、誤りである。

2 × 「平成30年版高齢社会白書」によると、「75歳以上人口は増加を続け、平成30(2018)年には

65~74歳人口を上回り、その後も平成66(2054)年まで増加傾向が続くものと見込まれている。」

と記述されているため、誤りである。

3 × 「平成 30年版高齢社会白書」によると、「平成 28(2016)年では夫婦のみの世帯が一番多く約

3割を占めており、単独世帯と合わせると半数を超える状況である。」と記述されているため、

誤りである。

4 × 「平成 30年版高齢社会白書」によると、「平成 29(2017)年現在の高齢化率は、最も高い秋田

県で35.6%、最も低い沖縄県で21.0%となっている。」と記述されているため、誤りである。

5 ○ 「平成 30年版高齢社会白書」によると、「平成 27年度の年齢階級別1人当たり医療費(医療保

険制度分)をみると、60歳から64歳で37.1万円であるのに対し、75歳から79歳で79.3万円、

80歳から84歳で94.0万円となっている。」と記述されているため、正しい。

問題 127 【 正解 4 】

1 × 要介護状態とは、身体上または精神上の障害があるために入浴、排泄、食事が6ヶ月以上にわた

り継続して、常時介護を要すると見込まれる状態である。「常時介護を要する状態の軽減もしく

悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれる状態」ではないため、誤りである。

2 × 要介護認定や要支援認定を受けるためには、保険者である市町村に申請をしなければならないた

め、誤りである。

3 × 要介護、要支援を申請するには、成年後見人、民生委員、介護相談員、地域包括支援センター指

定介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設などが代理で申請することが可

能であるため、誤りである。

4 ○ 認定調査は新規の場合は市町村職員が行うことが原則であるが、そのほかに指定市町村事務受託

法人に委託することができる。更新及び区分変更の場合は指定居宅介護支援事業所や介護保険施

設などに委託することが可能であるため、正しい。

5 × 要介護認定や要支援認定の結果や保険料の決定などの処分に不服があった場合には、都道府県に

設置されている「介護保険審査会」に対して審査請求をすることができる。介護認定審査会では

ないため、誤りである。

問題 128 【 正解 45 】

1 × 妻Dさんは重度のうつ病を患っているが、Aさんの意見のみを重視して支援するのではなく、妻

と共に在宅で暮らしていけるように支援していくことが求められるため、適切でない。

2 × 資産状況は年齢から推察すると年金受給者と思われるものの、Aさんと妻Dさんの資金管理を

しっかりと確認しなければ、安定した生活を維持することが困難である。必要に応じて生活保護

や日常生活自立支援事業の利用を提案していくことが望ましいため、適切でない。

3 × 事例文より、在宅サービスの利用はすぐにでも始めなければ日常生活を維持することが困難であ

るものと思われる。関係機関との連携を図り、退院後の生活環境の方向性を決めていく必要があ

るため、適切でない。

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4 ○ 近所に住んでいる住民や民生委員など、個人情報保護の観点もあるが、Aさんと妻Dさんに了解

をもらった上で地域住民等の連携協力を受ける必要があると思われるため、適切である。

5 ○ Kケアマネジャーは介護保険制度上での資格であるものの、他の制度を活用しながら、利用者及

び家族の日常生活を維持していく役割であるため、適切である。

問題 129 【 正解 3 】

1 × 地域密着型通所介護などの地域密着型サービスについて、市町村介護保険事業計画において定め

る見込量に達しているときは指定をしないことができるとされている。見込量は目安ではないた

め、誤りである。

2 × 日常的な医学的管理が必要な重度の介護者の受け入れや看取り、ターミナル等の機能と生活機能

としての機能を兼ね備えた新たな介護保険施設として「介護医療院」が創設された。介護老人保

健施設は介護保険制度当初から存在しており、誤りである。

3 ○ 2017(平成 29)年の介護保険制度の改正により、地域包括支援センターの設置者による自己評

価を通じた質の向上が義務付けられた。また、市町村は、地域包括支援センターの事業の実施状

況について定期的に評価を行うとともに、必要な措置を講じなければならないこととなったため、

正しい。

4 × 都道府県は、運営上問題がある事実がわかった時点で、有料老人ホームに対して事業の制限また

は停止を命令することができる。国ではないため、誤りである。

5 × 2018(平成 30)年8月から年金収入等が 340万円以上の単独世帯の方は利用負担割合が2割か

ら3割に変更されたため、誤りである。

問題 130 【 正解 2 】

1 × 認知症の人には現実世界の事実とは異なる「主観的」な世界観が存在するので、それを共感して

受け止めることが援助者に求められる。よって適切でない。

2 ○ 援助者が受け止められることを認知症の人に伝えるためのコミュ二ケーションスキルも必要にな

る。コミュニケーションスキルは認知症の人、一人ひとりの個別的な症状とBPSDなどの周辺

症状による影響を鑑みて選択する必要があるため、適切である。

3 × 「開かれた質問」に対して答えにくそうな場合には、「はい」「いいえ」で答えられる「閉じた質

問」に切り替えて質問する。相手が用いた「言葉を大切し、話されている内容や事実よりも伝え

たい思い、感情に焦点をあてて共感するように努めるため、適切でない。

4 × コミュニケーションをとる際の座る位置は基本的に側面ではなく、正面に位置し、笑顔と温かな

眼差しで視線を合わせて相手に関心があることを伝えるため、適切でない。

5 × 認知症の人が会話に集中できるよう、障害となるような雑音や刺激を遠ざけるなど環境を整える

必要があるため、適切でない。

問題 131 【 正解 2 】

1 × 訪問入浴介護は、居宅要介護者に対して、その居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介

護のことである。自宅内での浴槽を使った入浴介助は、訪問介護による身体介護であるため、誤

りである。

2 ○ 通所リハビリテーションとは、病状が安定期にある居宅要介護者を介護老人保健施設、病院、診

療所等に通わせ、その施設において、心身の機能の維持回復および日常生活上の自立を図るため

に、診療に基づき実施される計画的な医学的管理のもとで行う理学療法、作業療法その他必要な

リハビリテーションをいう。よって正しい。

3 × 介護保険に伴う住宅改修の種類のうち、浴槽用手すりは特定福祉用具に該当し、簡易式手すり(取

付工事を伴わないもの)は福祉用具の貸与に該当するため、誤りである。介護保険に伴う住宅改

修の種類には、手すりの取付け、段差の解消、引き戸等への扉の取替えなどがある。

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4 × 短期入所療養介護の施設では、担当医師の指示のもと、その施設において看護、医学的管理下に

おける介護及び機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことをいうため、誤

りである。

5 × 訪問看護とは、病状が安定期にある居宅要介護者に対して、その居宅において看護師、保健師、

准看護師、理学療法士、作業療法士、准看護師及び言語聴覚士が行う療養上の世話又は必要な「診

療」の補助をいうため、誤りである。

問題 132 【 正解 4 】

1 × 福祉の措置の実施者は対象者の居住地の市町村とされ、居住地が明らかでない場合などは現在地

の市町村が実施することになっている。都道府県と協議して実施するのではないため、誤りであ

る。

2 × 老人居宅生活支援事業は、「65歳」以上の者であってやむを得ない事由により、介護保険サービ

スを利用することが著しく困難と認められたときに措置を行うため、誤りである。

3 × 養護老人ホームは、「65 歳」以上の者であって、環境上の理由や経済的な理由により居宅におい

て養護を受けることが困難なものを入所させる施設であるため、誤りである。

4 ○ 有料老人ホームとは、老人を入居させ、入浴、排せつもしくは食事の介護、食事の提供またはそ

の他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものを行う施設であって、老人福祉

施設や認知症対応型老人共同生活援助事業ではないものである。よって正しい。

5 × 老人福祉法第 13 条第2項より、地方公共団体は老人の福祉を増進することを目的とする事業の

振興を図るとともに、老人クラブその他の事業を行う者に対して、適当な援助をするように努め

なければならない。国の役割ではないため、誤りである。

問題 133 【 正解 35 】

1 × 初回訪問時は信頼関係ができていない状態なので、社会福祉士Sさんが一人で伺うことは好まし

くない。初回時は本人と長年関係性を構築してきた民生委員Gさんと、Aさん宅を訪問し面接を

行うほうが安心感を与える上では望ましいため、適切ではない。

2 × 事例文より、お金の細かい計算ができなくなっていることで金銭管理が不安な様子が見られるも

のの、日常生活に大きく支障をきたしているとは考えにくく、また契約なども問題ないため、成

年後見制度よりも、日常生活自立支援事業所による金銭管理の支援を受けることを提案してみる

ことが望ましいと思われるため、適切ではない。

3 ○ 不定期であっても月1回程度訪問することにより、Aさんの食事や買い物の有無や金銭面の出し

入れなど日常生活を把握することができる。よって適切である。

4 × 一人暮らしであることを考えると、緊急通報システムやヘルパーなど、見守りの多様化を検討す

る余地がある。よって適切ではない。

5 ○ 健康面や日常生活動作の不安感はあるものの、本人の自立支援や個人の尊厳を勘案しながらアセ

スメントを踏まえて生活のニーズを明らかにし、必要な支援を行っていくことが望ましい。よっ

て適切である。

問題 134 【 正解 2 】

1 × 介護老人福祉施設とは、「老人福祉法」に規定する特別養護老人ホームのことであり、施設サー

ビス計画書に基づいて入浴、排泄食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理

及び療養上の世話をする施設であるため、誤りである。

2 ○ 2003(平成15)年以降に広がってきたユニットケアとは、8~10名程度を1つの単位(ユニッ

ト)として、馴染みの空間と人間関係により、生活と介護を同一ユニットで行うことで個別性を

重視した質の高い介護を提供する方法であるため、正しい。

3 × 「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」第2条によると、介護老人

保健施設の支援相談員は1名以上となっており、入所者が100名超えるたびに常勤換算で1名加

えなければならないため、誤りである。

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4 × 介護老人福祉施設は医療的管理が必要でないものを対象とする生活施設であるため、誤りである。

医療的な管理が必要とされる者を対象とするのは、介護老人保健施設や介護療養型医療施設、

2017(平成29)年の介護保険制度改正で新たに設けられた介護医療院である。

5 × 介護老人保健施設は、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生労働省が定める者が、

都道府県知事の「許可」を受けることにより開設することができる。指定ではないため、誤りで

ある。

問題 135 【 正解 5 】

1 × 高齢者介護において自立ということが位置づけられたのは、1994(平成6)年 12月に高齢者介

護・自立支援システム研究会報告「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」で示されたこ

とによる。1997(平成9)年に介護保険制度が成立した時ではないため、適切でない。

2 × 自立を支援するということは、支援や介助には常に自立した考えが芽生えているのではなく、常

に依存する関係が成り立っていることを忘れてはならないため、適切でない。

3 × これまでの介護の主体が利用者側でなく、定時介護・流れ作業的な介護を実施してきた主介護者

であったことが問題であり、自分らしく生きているとはいえない現状であったため、適切でない。

4 × 自立を支える介護の基本では「その人が自分でできないことを助ける」と思いがちであるが、大

切なことは「自分でできるように援助すること」ことであり、利用者が「前向きに生活していく

のだ」という意欲をもてるような援助が必要であるため、適切でない。

5 ○ 2001(平成 13)年にICIDH(国際障害分類)の改訂版として採択されたプラスの視点で考

えるICFにおいても、活動制限、参加制限に繋がる環境因子のなかに介護の専門職が入ること

が指摘されているため、適切である。

児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度

問題 136 【 正解 5 】

1 × 誤り。aの「児童の権利に関する条約」は1989年11月に国連で採択され、日本は1994年4月

に批准し、同年5月から効力が発生した。

2 × 誤り。bの「子どもの貧困対策の推進に関する法律」は2013年6月に制定され、2014年1月に

施行された。

3 × 誤り。cの「少子化社会対策基本法」は2003年7月に制定され、同年9月に施行された。

4 × 誤り。dの「子ども・子育て支援新制度」は、2012年8月に成立した「子ども・子育て支援法」、

「認定こども園法の一部改正」、「子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行

に伴う関係法律の整備等に関する法律」通称:子ども・子育て関連3法)に基づく制度であり、

2015年4月から施行された。

5 ○ 正しい。eの「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(認定

こども園法)は2006年6月に制定され、同年10月に施行された。日本国内施行順に「児童の権

利に関する条約」1994年5月、「少子化社会対策基本法」2003年9月、「就学前の子どもに関す

る教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(認定こども園法)2006年10月、「子ども

の貧困対策の推進に関する法律」2014 年1月、「子ども・子育て支援新制度」2015 年4月であ

る。

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問題 137 【 正解 3 】

1 × 家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)は、入所している児童の保護者等に対し、

相談援助等の支援を行い、入所児童の早期の退所を促進し、親子関係の再構築等が図られること

を目的とし、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設に配置され

る。資格要件は、社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者、児童養護施設等におい

て児童の養育に5年以上従事した者又は児童福祉法第 13 条第3項各号のいずれかに該当する者

でなければならない。

2 × スクール・ソーシャルワーカーは学校または教育委員会等に配置され、いじめ、不登校、暴力行

為、児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉

等の専門的な知識・技術を用いて、児童生徒の置かれた様々な環境に働き掛けて支援を行うもの

であり、配置の場所や支援方法は自治体により異なる。資格も国の実施要領では社会福祉士や精

神保健福祉士等の福祉に関する専門的な資格を有する者とされているが、地域や学校の実情に応

じて、福祉や教育の分野において、専門的な知識・技術を有する者又は活動経験の実績等がある

者も可とされている。

3 ○ 里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)は、地域の里親及びファミリーホームを支

援する拠点としての機能をもたせるため、児童養護施設及び乳児院に配置される。資格要件は、

社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者、児童福祉法第 13 条第3項各号のいずれ

かに該当する者又は児童養護施設等(里親を含む。)において児童の養育に5年以上従事した者

であって、里親制度への理解及びソーシャルワークの視点を有するものでなければならない。

4 × 児童自立支援専門員は、児童自立支援施設において非行児童、触法少年のほか、環境上の理由に

より生活指導等を要する児童に対して入所・通所による指導を行い、その自立を支援するもので

ある。資格要件は精神保健に関し学識経験を有する医師、社会福祉士、養成施設を卒業した者の

他、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第82条に定められている。

5 × 児童福祉司の任用資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、医師の国家資格者、講習を受講した実

務経験のある保健師、教員、保育士等の他、社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事し

た者を含む。

問題 138 【 正解 3 】

1 × 児童福祉法第 25 条の2第2項には「支援対象児童等」として、要保護児童若しくは要支援児童

及びその保護者又は特定妊婦が定義されている。

2 × 個人情報の保護に関する法律及び各自治体の個人情報保護条例等においては個人の生命・身体に

関わる情報は守秘義務から除外されている。全国児童相談所長会では平成 19 年に「被虐待児童

の転居及び一時帰宅等に伴う相談ケースの移管及び情報提供等に関する申し合わせ」(ケース移

管ルール)を定めている。

3 ○ 厚生労働省「要保護児童対策地域協議会の設置運営状況調査結果の概要」によると、平成 28 年

4月1日現在、児童福祉主管課の設置が59.1%、児童福祉・母子保健統合主管課が23.6%であり、

合計82.7%の市町村で児童福祉主管課に設置されている。

4 × 2か月を超えて引き続き一時保護を行うことが当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の意

に反する場合、都道府県知事は児童福祉審議会に意見を聞かなければならない。

5 × 厚生労働省「要保護児童対策地域協議会の設置運営状況調査結果の概要」によると、平成 28 年

4月1日現在の設置率は99.2%であった。市では100%であるが、町村に未設置の自治体が残っ

ている。

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問題 139 【 正解 5 】

1 × 子ども・子育て支援法に基づく施設型給付は認定こども園(4類型)、幼稚園、保育所を対象と

した財政支援であり、児童福祉法に基づくその他の施設は該当しない。

2 × 地域子ども・子育て支援事業は、「子育て短期支援事業」(いわゆるショートステイやトワイライ

トステイ等)や、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)等、就学後の児童が利用する事

業を対象に含んでいる。

3 × 「施設型給付」及び「地域型保育給付」利用料は、介護保険や障害福祉サービスとは異なり単位

数の設定はない。世帯の所得の状況その他の事情を勘案して国が定める水準を限度として、実施

主体である市町村が定めることとされている。

4 × 利用者支援事業は子育て家庭や妊産婦が、必要な支援に結びつくように、身近な場所での相談や

連絡調整の体制づくり等を行うものであり、「基本型」、「特定型」(いわゆる保育コンシェル

ジュ)、「母子保健型」がある。「子育て世代包括支援センター」においてその機能を担っている

場合も有る。

5 ○ 子ども・子育て支援法第8条には「子ども・子育て支援給付は、子どものための現金給付及び子

どものための教育・保育給付とする」と定められており、児童手当がこれに相当する。

問題 140 【 正解 4 】

1 × 他の虐待防止法に基づく通報(通告)義務と異なり、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保

護等に関する法律」第6条の規定では、通報は努力義務とされている。同法第6条第2項には、

医療関係者は通報することができると明記されているが、通報にあたり被害者の意志を尊重する

よう努めることと併記されている。実務的にもA自身が必要性を理解し納得していなければその

後の支援に繋がりづらいこともあり、必ずしも最も適切とまではいえない。

2 × 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」第8条の規定では、被害の発生防

止に関する措置は警察官の業務である。Cがその場で反省の意を表明したとしても、注意された

ことを理由に帰宅後暴力に及ぶおそれもあり、適切とはいえない。

3 × 母子生活支援施設の入所決定は私的契約の場合を除き都道府県、市及び福祉事務所を設置する町

村の福祉事務所(児童福祉法第 23 条)となっている。また本人の意向を無視しており、被害者

が帰宅した場合に施設の位置が発覚し、その後の緊急避難先として確保できないこと、また他の

入所者にも危険が及ぶおそれがあることから、適切とはいえない。

4 ○ 「児童虐待の防止等に関する法律」第2条には、児童が同居する家庭におけるDVを心理的虐待

として定義しており、同法第6条および児童福祉法第 25 条の規定に基づき、DVと異なり被虐

待者や家族の意向に関わらず通告の義務が生じる。実践現場では、Aへの説得の過程でBの心理

的被害が成長過程で及ぼす影響にも言及し、通告の義務についても説明した上で、支援を受ける

必要性について説明する。

5 × 「児童虐待の防止等に関する法律」第2条には児童が同居する家庭におけるDVを心理的虐待と

して定義しており、同法第6条および児童福祉法第 25 条の規定に基づき、DVと異なり被虐待

者や家族の意向に関わらず通告の義務が生じる。何ら対応しないことはBへの虐待通告義務違反

であり、適切ではない。

問題 141 【 正解 2 】

1 × 従前は公的年金との併給は認められていなかったが、平成26年の制度改正により、同年12月か

らは年金受給額が手当額を下回る場合には差額を手当として支給できるようになった。

2 ○ 平成 26 年に「母子及び寡婦福祉法」から「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に改正されたこと

に伴い、父子福祉資金制度が施行された。

3 × 高等職業訓練促進給付金等事業は、ひとり親家庭の親が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、

1年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活費にあたる高等職業訓練促進給付金を支

給するとともに、就労時の負担軽減のため、修了時に高等職業訓練修了支援給付金を支給する事

業である。

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4 × 母子生活支援施設は児童福祉法に基づく施設であり、母子父子生活支援施設に改称されていない。

児童福祉法第23条には、母子生活支援施設は、「保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる

事情にある女子」であり要件に該当する場合にその保護者及び児童を保護する施設と規定されて

おり、父子家庭は対象に含まれない。

5 × 自立支援教育訓練給付金事業は、ひとり親家庭の親の主体的な能力開発の取組みを支援するもの

で、対象教育訓練を受講し、修了した場合、経費の60%(1万2千1円以上で20万円を上限)

が支給される。平成 29 年度から雇用保険法に基づく一般教育訓練給付金の支給を受けることが

できる者はその支給額との差額を支給できるよう制度改正された。

問題 142 【 正解 4 】

1 × 平成 27 年1月1日施行の児童福祉法改正に伴い、小児慢性特定疾患治療研究事業から小児慢性

特定疾病医療費助成に制度改正されたが、実施主体は従前の制度と同じ都道府県、指定都市、中

核市である。

2 × 児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援及び保育

所等訪問支援の障害児通所給付費は、児童福祉法に基づき市町村が決定する。

3 × 療育手帳自体が法律に規定されたものではなく、発達障がい者(児)への療育手帳交付は自治体

の判断に差がある。この件に関し平成 22 年9月、総務省行政評価局から厚生労働省に対し「療

育手帳を交付する都道府県等の取組が区々となっていることについて改善を図るべきである」と

通知されている。

4 ○ 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業は慢性的な疾病を抱える児童及びその家族の負担軽減、長

期療養をしている児童の自立や成長を支援するものであり、相談支援の実施や自立支援員の配置

を必須事業とし、任意事業として、日中における居場所を確保し療養生活の改善を図る療養生活

支援事業、コミュニケーション能力の向上と自立の促進を図る相互交流支援事業、就職支援事業

及び介護者支援事業等の事業がある。

5 × 学校教育法第 81 条第2項では知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、その他の障害と

規定され、文部科学省通知「障害のある児童生徒の就学について」により言語障害、情緒障害が

規定されているが、発達障害及び医療的ケア児に関する定めはない。医療的ケアに関しては文部

科学省で「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」が開催されており、平成 30 年6

月20日に中間まとめが報告されている。

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就労支援サービス

問題 143 【 正解 4 】

1 × ワーキングプアの説明あるため誤り。ディーセント・ワークとは、「働きがいのある人間らしい

仕事」のことである。1999年の第87回ILO総会に提出された事務局長の報告において初めて

用いられたもので、ディーセント・ワークはILOの活動の主目標と位置づけられた。

2 × 福祉的就労とは、一般企業への就労が困難な人に障害等に配慮して提供される就労の場である。

福祉的就労には、就労移行支援事業や就労継続支援事業B型のような雇用契約を結ばないものだ

けでなく、就労継続支援事業A型のような雇用契約を結ぶものもあるため誤り。

3 × 「労働力調査」(総務省)によると、「労働力人口」とは、15 歳以上の人口のうち、「就業者」と

「完全失業者」を合わせたものをさす。18歳以上ではない。

4 ○ 家族形態や職場状況の大きな変化の中で、介護・育児などの家庭生活と職場生活を両立させる手

法がワークライフバランスである。ワークライフバランス憲章では、誰もがやりがいや充実感を

感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発

等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活

の双方の調和の実現を希求していかなければならないと説明している。

5 × 厚生労働省はニートの定義を「非労働力人口のうち、15~34 歳に限定し、家事も通学もしてい

ないその他の者」と定義している。このため、すべての年齢においてではなく若年層における対

象を指す。

問題 144 【 正解 3 】

1 × 障害者就業・生活支援センターの内容であるため誤り。障害者就業・生活支援センターでは、雇

用、保健福祉、教育等の関係機関の連携拠点として、就業面・生活面における一体的な相談支援

を実施している。

2 × 実雇用率が法定雇用率に満たない場合には、公共職業安定所(ハローワーク)によって障害者雇

用率達成指導が行われ、具体的な「障害者の雇入れに関する計画」を作成するように命ぜられる

場合がある。作成された計画が十分に行われず、勧告にも従わなかった場合は、厚生労働大臣が

その企業名を公表することになっているため誤り。

3 ○ 公共職業安定所(ハローワーク)では、障害者向け求人の開拓を行うとともに、一般求人として

受理したもののうちから障害者に適したものについて障害者求人への転換を勧め、求人の確保に

努めている。

4 × 障害者に対して職業訓練を行うのは、障害者職業能力開発校であるため誤り。障害者職業能力開

発校は、障害のある人が様々な職業についての知識や専門的な技術、技能を習得するための学校

であり、職業能力開発促進法に基づいて設置されている。

5 × ジョブコーチが配置されているのは地域障害者職業センターであるため誤り。ジョブコーチは、

障害者が円滑に就職と職場適応できるよう事業所に派遣し、障害者と事業所の双方に対して、雇

用の前後を通じて直接的で専門的な支援を行う。

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問題 145 【 正解 5 】

1 × 訪問型ジョブコーチは、障害者の就労支援を行う社会福祉法人等に雇用されるジョブコーチであ

るため誤り。高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する訪問型職場適応援助者養成研修又は厚

生労働大臣が定める訪問型職場適応援助者養成研修を修了した者であって、必要な相当程度の経

験及び能力を有する者が担当する。

2 × 配置型ジョブコーチは、地域障害者職業センターに配置するジョブコーチであるため誤り。就職

等の困難性の高い障害者を重点的な支援対象として自ら支援を行うほか、訪問型ジョブコーチ及

び企業在籍型ジョブコーチと連携し支援を行う場合は、効果的・効率的な支援が行われるよう必

要な助言・援助を行う。

3 × 企業在籍型ジョブコーチは、障害者を雇用する企業に雇用されるジョブコーチである。高齢・障

害・求職者雇用支援機構が実施する企業在籍型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定め

る企業在籍型職場適応援助者養成研修を修了した者が担当するため、産業カウンセラーが行うこ

とはできないため誤り。

4 × ジョブコーチは、障害者の職場適応に向けて、障害者には職場の従業員の方との関わり方や、効

率の良い作業の進め方などのアドバイスを行う。事業主に対しては本人が力を発揮しやすい作業

の提案や、障害特性を踏まえた仕事の教え方などのアドバイスを行う。したがって両方への支援

を実施するため誤り。

5 ○ ジョブコーチ支援は、対象の障害者がその仕事を遂行し、その職場に対応するため、具体的な目

標を定め、支援計画に基づいて実施される。またジョブコーチが行う障害者に対する支援は、事

業所の上司や同僚による支援(ナチュラルサポート)にスムーズに移行していくことを目指して

いる。

問題 146 【 正解 5 】

1 × 配置換えをしたからといって本質的な解決方法には至っていない。また匂い対策というだけで清

掃業務に配置変えすることは短絡的な方法であるため、適切ではない。

2 × 生活面における支援も障害者就業・生活支援センターの生活支援担当職員の役割である。生活場

面の困りごとをアセスメントし、適切な解決に導き、就労面に悪影響が出ないようにすることが

大切である。

3 × 困っている問題に対して放置してしまっては継続的な就労には結びつかない。知的障害者の場合、

困っている事柄に対して解決方法が見つからないため、だれに相談してよいかわからずに結果、

放置してしまっていることがある。困っていることに耳を傾け一緒に解決方法を考えることが大

切である。

4 × 就業支援担当職員は障害者本人の支援をすることはもちろん、企業側の困りごとに対しても介入

し、支援をすることが必要である。支援することで障害や特性を理解し、今後本人を支援してい

くことで必要な情報が蓄積することができる。

5 ○ 就労と生活は車の両輪のような関係のため、どちらかが崩れてしまっては成立しない。生活支援

担当職員は生活の困りごとについて耳を傾け、一緒に解決する方法を考える支援が必要である。

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更生保護制度

問題 147 【 正解 4 】

1 × 犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内処遇と恩赦の適正な運用は、機能として区別さ

れている。恩赦には、法の画一性に基づく具体的不妥当の矯正、事情の変更による裁判の事後変

更、他の方法をもってしては救い得ない誤判の救済、有罪の言渡しを受けた者の事後の行状に基

づくいわゆる刑事政策的な再犯の変更もしくは資格の回復の機能がある。

2 × 犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内処遇と犯罪予防活動の促進等は、機能として区

別されている。犯罪予防活動は、主に保護観察所が中心となり、世論の啓発、社会環境の改善、

地域住民の活動の促進によって行われる。

3 × 更生保護法は、県知事等による措置命令によって処遇されるのではない。社会内において、様々

な関係機関や個人の協力によって、適正な処遇を行うこととなる。

4 ○ 犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内で処遇を行い、再犯を防ぎ、又はその非行をな

くし、自立と改善更生を助けることは、更生保護法の目的の一つである。その他、恩赦の適正な

運用を図ること及び犯罪予防活動の促進等を行うことも更生保護法の目的となっている。

5 × 犯罪をした者及び非行のある少年に対し、生涯において適切な処遇を行うことは目的とされてい

ない。なお、更生保護の中心的制度となる保護観察の実施は、原則として期間が定められている。

例外として無期懲役受刑者に対する保護観察期間は、恩赦がない限り、生涯にわたり保護観察と

なる。

問題 148 【 正解 13 】

1 ○ 保護司の立場は非常勤の国家公務員であるが、無給のボランティアである。ただし、交通費など

の実費弁償はされる。

2 × 保護司は、保護観察官で十分でないところを補うとされている。また保護司は、地方更生保護委

員会又は保護観察所の長の指揮監督を受けることとなる。

3 ○ 保護司法は、昭和25年5月25日に施行され、保護司の使命や職務遂行等について記載されてい

る。

4 × 保護観察官は、保護観察所と地方更生保護委員会に配置されており、保護観察が主な業務となる。

5 × 保護司は、法務大臣から委嘱されたボランティアである。保護司になることができない条件は、

成年被後見人又は被保佐人、禁固刑以上の刑に処せられた者、日本国憲法の施行の日以後におい

て、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を

結成し、又はこれに加入した者である。

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問題 149 【 正解 3 】

1 × 犯罪少年とは、14歳以上20歳未満の罪を犯した少年(男女)である。大半は家庭裁判所の関与

だけとなるが、犯罪の内容によっては、14歳以上で刑事裁判を受けたり、16歳以上で重大な犯

罪をした者は、検察官へ逆走となり、刑事処分(実刑)を受けたりすることがある。

2 × 触法少年とは、14 歳未満の少年(男女)をいい、児童福祉法上の措置が優先される。また、14

歳未満は、いかなる犯罪であっても刑事処分を受けることはない。ただし、非行内容が重大等の

場合は、家庭裁判所へ送致され、12歳から少年院に入院することもある。

3 ○ 虞犯少年とは、20歳未満で、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触

れる行為をする虞のある少年をいう。具体的には、保護者の正当な監督に服しない性癖のあるこ

と、正当の理由がなく家庭に寄り付かないこと、犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し又

はいかがわしい場所に出入りすること、自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

である。

4 × 非行少年は、14歳未満の触法少年は、児童福祉法上の措置が優先とされるが、14歳以上20歳未

満については、児童相談所以外にも直接、家庭裁判所や検察庁が関与することがある。

5 × 非行少年のうち、犯罪少年で 16 歳以上の者が、重大な犯罪をした場合、裁判所によって実刑を

受けることがある。18歳以上であれば、死刑に処することもある。

問題 150 【 正解 2 】

1 × 裁判所は、裁判官1名と、精神科医である精神保健審判員1名からなる合議体を形成しなければ

ならない。必要に応じて精神保健福祉士等の精神保健の専門家である精神保健参与員の意見も聴

くことができるとされている。

2 ○ 鑑定入院となったAさんは、原則として同時に社会復帰調整官による生活環境調整が始まり、A

さんに関する住居や家庭、医療や福祉について、約1か月程度の間で調査される。

3 × 裁判所は、裁判官と精神保健審判員の合議体と、必要に応じた精神保健参与員の意見によって、

「医療観察法」による医療の必要性の有無や、必要がある場合の入院又は通院による医療のいず

れかが決定される。

4 × 「精神保健福祉法」は、「医療観察法」による制度が終了しても、なお精神科の医療等が必要と

なる対象者について適用されるが、裁判時から「精神保健福祉法」が適用されることはない。な

お、「精神保健福祉法」による措置入院の要否は、精神保健指定医2名の診察によって、都道府

県知事が決定する。

5 × 裁判所は、Aさんにとって最も適切な処遇を決めるため、鑑定医による検査結果だけではなく、

生活環境調整の結果や、必要に応じて検察官や付添人、社会復帰調整官等が打ち合わせに参加し、

率直な意見交換がされる。