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記憶のマーケティング 香りを使ったマーケティング戦略

記憶のマーケティング...嗅覚と感情と記憶 嗅覚からの刺激は、直接、「本能の脳」である大脳辺縁系に伝達されるので、その匂いを嗅い

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記憶のマーケティング 香りを使ったマーケティング戦略

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嗅覚に訴える ~そもそも嗅覚とは~

五感の中で、最も本能的な感覚である

人間の脳は、新しい脳(大脳新皮質)と旧脳(大脳辺縁系)とがあります。

大脳新皮質は「理性の脳」、大脳辺縁系は「本能の脳」と呼ばれ、嗅覚を感じるのは「本能の脳」

大脳辺縁系は人間だけでなく、犬や猫、爬虫類にも存在しており、動物的・野性的な部分を支配する。

動物は匂いによる記憶で、食べられるものや安全な場所などを判断し、危険と判断したもの避けたり、攻撃したりといった行動を起こします。動物にとって、とても重要な感覚です。

人の嗅覚は進化と共に退化し鈍感だといわれるが、それでも1万種類も匂いを嗅ぎ分けれられる。

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嗅覚は直接本能に訴える

本能的に好きな香り ⇒ 弱っている部分をケアする効果

アロマセラピーの際、好きだと感じる精油を選んで、成分を見てみると、その時の不調をケアすることができる成分が入っている事が多い。

・Geranium ⇒ 女性ホルモンのバランスを整える

・Tea Tree ⇒ 抗ウイルス作用、抗菌作用、免疫向上作用

・Rosemary ⇒ 脳細胞に活気、頭を明晰、記憶力の増進

「ラベンダー」と「安眠」

一般的に不眠に効果のあるラベンダーの香り。しかし、ラベンダーの香りから呼び起される記憶が良いものではない場合、その人にとってそれは良い効果を生みません。

その場合、別の香りを選んでもらうと、ちゃんと安眠効果のある香りを自然とに選ぶのがほとんどです。

嗅覚は本能に直結しているから、自分で自分を整える香りを選ぶことができる

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嗅覚と感情と記憶

嗅覚からの刺激は、直接、「本能の脳」である大脳辺縁系に伝達されるので、その匂いを嗅いだ時の思い出や感情と深く結び付き、記憶されます。

そして、その香りを嗅いだ時、香りが感情を呼び起し、記憶が蘇ります

視覚 聴覚 触覚 味覚 他の4つの感覚と違い、本能(無意識)にダイレクトに伝わるのは、嗅覚だけです。

ある匂いを嗅いだ時に、

「懐かしい…」と思った事がありませんか?

「匂い・香り」というのは、

人間の記憶や感情に訴えかける「最高のツール」だと言えます。

これをマーケティングに使わないのは、もったいない。 マーケティング先進国アメリカでは、いち早くこの手法を取り入れ、多くの企業が成功しています

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ブランド(Brand)セント(Scent)とは

企業やショップが自社ブランドイメージに基づいて独自の 「香り」を開発する新たなブランディング手法

従来アプローチされなかった人間の「嗅覚」を刺激する

顧客様は「ブランドセント」を嗅ぐことにより

ブランドイメージを印象深く記憶する

ブランドイメージの向上

購買意欲の促進

匂い

感情 記憶

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ブランドの世界観の構築に成功

・「視覚」内装・照明・陳列方法

・「聴覚」店内BGM

「視覚」「聴覚」に加え「嗅覚」にアプローチ、お客様の複数のセンサーに同時に刺激を与え、 より強いブランドイメージの植付けに成功。

「香り」を関連付けてブランドイメージを記憶してもらった事により、その匂いまたはそれに近い香りを嗅いだ時には必ず(無意識のうちに)A&Fを思い出すという、お客様とブランドの繋がりが確立。

A&Fのある店舗では、香りマーケティングに取り組むことが、30%の売上増に直結しました。

・「嗅覚」オリジナルフレグランス芳香

香水の販売

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オリジナル香水・スキンケア商品の販促

「bebe」のイメージに合ったオリジナルフレグランスを調合

香水「BEBE」が発売される数週間前から、商品ディスプレイの周辺を中心に店内を香らせました

香りにつられて入店したお客様多数。発売前から多くの人に認識され、注目される。

プレセール、発売は大成功。想定以上の売り上げを達成

現在では215の店舗に拡大

米国のレディースアパレルブランド

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上顧客向けにオリジナルブランドセントを季節毎に開発し、VIP向け顧客施設にて ブランドセントで空間を演出し、それと共に同じ香りの香水をプレゼントし顧客獲得につなげている。

店内で流しているオリジナルブランドセント をマイクロカプセルに封じ込め、顧客へのDMに活用。

DM封筒を開けると ブランドセントが香り、店舗での体験記憶が呼び起こされ、来店を促す効果が出ている。

自社のオリジナルブランドセントを開発し、ショールームや売り場で拡散させ、競合他社の家電製品とのブランドイメージの差別化を図っている。

などなど、、、

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日本での香りマーケティング

日本で香りマーケティングは受け入れられるの?

日本の芳香消臭市場は成長市場

無印良品のアロマディフューザーの爆発的ヒット

洗濯用洗剤、柔軟剤の種類の多様化(自分で好きな香りを作れる、カプセルが弾ける等…)

日本では成功しにくいと考えられていた男性用フレグランス用品のヒット(ユニリーバジャパン「AXE」)

日本人の感覚が「無臭嗜好」から「香りを楽しむ」へ変化

他との差別化を図る企業や、感度の高いショップは

いち早く香りを使ったマーケテイィングに着手しています!

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沖縄 ホテル ソルヴィータ

1階入口とロビー付近で香りでお客様をおもてなし。 明るさ・清潔感・上品さをイメージした香り。 滞在するお客様は無意識に香りと共に楽しい思い出と感情を記憶する

香りマーケティング開始直後から好反応あり。ブログで「いい匂いがするホテル」と紹介されたり、口コミを聞いたりして泊まりに来るお客様や良質なリピーター様が増えました。

他ホテルとの差別化、イメージ付けに成功。喫煙所から漂う匂いもほとんど消えました。

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バロックリミテッドジャパン

ブランドごとに香りを変え、イメージ訴求、他社との差別化

ブランドAZUL by moussyに関しては、「in the spotlight」というオリジナルセントを調合し店内で香らせる。店内と同じ香りで作ったコスメ用品も生産が追いつかない程の売行き。FacebookやTwitterで話題に。

「この匂いを嗅いだらAZULを思い出す」記憶のマーケティングに成功

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気分を盛り上げる

五感で花火を楽しむ

音楽とシンクロさせて花火を打ち上げる企画。

より一層のワクワク感を演出するために、

会場入り口でチョコチップクッキーの香り

を流して演出しました。

バレンタインの時期に、チョコレートの香りを入口~売り場に香らせる。

来店客数の増加

購買意欲の促進、他店舗との差別化に成功

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アパレル

ショップ

その他

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香りの記憶マーケティング 例を挙げたように、「香りのすること」が、当たり前の事になりつつある時代。

感度の高い場所には必ず「香り」があります。

視覚・聴覚・触覚に合わせて「嗅覚」に訴えかければ。お客様の脳に、鮮烈な記憶として残ります。また、嗅覚に訴えかけておくことにより、同じ様な香りを嗅ぐたびに、お客様は思い出してくれます。

「匂い・香り」というのは、

人間の記憶や感情に訴えかける「最高のツール」

是非、香りマーケティングをご活用下さい。