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職場のメンタルヘルスの現状と課題 厚生労働省労働基準局 安全衛生部 労働衛生課長 椎葉茂樹 平成24年11月28日 東京大学伊藤謝恩ホール 社会で取り組むうつ病の予防と回復 ICTの活用による心のバリアフリーを目指して Since2012 Shigeki Shiiba All Rights Reserved

職場のメンタルヘルスの現状と課題 - 東京大学...職場のメンタルヘルスの現状と課題 厚生労働省労働基準局 安全衛生部! 労働衛生課長

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  • 職場のメンタルヘルスの現状と課題

    厚生労働省労働基準局安全衛生部  

    労働衛生課長 椎葉茂樹

    平成24年11月28日 東京大学伊藤謝恩ホール  社会で取り組むうつ病の予防と回復      ー ICTの活用による心のバリアフリーを目指して ー 

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  • 経歴昭和63年 産業医大卒業・厚生省入省        労働省安全衛生部労働衛生課平成 元年  関東労災病院内科    2年 労働省安全衛生部化学物質調査課    4年 厚生省大臣官房厚生科学課    5年 青森県むつ保健所    8年 環境庁環境保健部環境安全課    11年 厚生省児童家庭局母子保健課   13年 厚生労働省健康局総務課   14年         老健局老人保健課   16年 富山県厚生部     20年 環境省環境保健部特殊疾病対策室     22年 厚生労働省医政局研究開発振興課     23年         労働基準局安全衛生部労働衛生課   

    宮崎県椎葉村出身 昭和38年2月22日卯年 O型 うお座 

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    出典:労働者健康状況調査(厚生労働省)

    職業生活でのストレス等の状況

    労働者の約6割が強いストレスがある

    0

    20

    40

    60

    80

    100[%]

    1982年 1987年 1992年 1997年 2002年 2007年

    50.655.0 57.3

    62.8 61.558.0

    強い不安、悩み、ストレスがある労働者の推移

    3

  • 精神障害の労災補償状況

    精神障害の労災件数が増加傾向にある

    出典:厚生労働省労働基準局労災補償部調べ

    [件]

    4

     業務との間に相当因果関係が認められる疾病については、労働者災害補償保険法に基づき、労災保険給付の対象となる。   精神障害についての労災請求件数とその認定件数(発病した精神障害が業務上のものと認められた件数)の推移は以下のとおり。  

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    207243

    444

    631

    704

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    平成8年 平成11年 平成14年 平成17年 平成20年

    双極性障害(躁うつ病)

    うつ病

    気分変調症

    その他

    千人

    433 441

    711

    924

    1041

    気分障害患者数の推移

    ※ うつ病の患者数はICD-‐10におけるF32(うつ病エピソード)とF33(反復性うつ病性障害)を合わせた数

    【出典】患者調査

  • ・自殺者数は年間3万人超・自殺者の3割が労働者

    30,651人

    8,207人

    自殺者の推移

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    ・勤務問題を理由とする自殺者は約2,700人            ※労働災害による死亡者数1,195人(平成22年)

    自殺の原因

    (単位:⼈人)

    家庭問題 健康問題 経済・⽣生活問題 勤務問題 男⼥女女問題 学校問題 その他

    平成23年年 30,651 22,581 4,547 14,621 6,406 2,689 1,138 429 1,621平成22年年 31,690 23,572 4,497 15,802 7,432 2,590 1,103 371 1,533平成21年年 32,845 24,434 4,117 15,867 8,377 2,528 1,121 364 1,613平成20年年 32,249 23,490 3,912 15,153 7,404 2,412 1,115 387 1,538平成19年年 33,093 23,209 3,751 14,684 7,318 2,207 949 338 1,500

    ⾃自殺の原因・動機⾃自殺者数 原因・動機

    特定者

     資料出所:「平成23年中における自殺の状況」(警察庁)

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              ※1   「2011年度個別労働紛争解決制度施行状況」(厚生労働省、2012年5月)を基に作成。なお、「民事上の個別労働紛争相談件数に占める「いじめ・嫌がらせ」の割合」は、「いじめ・嫌がらせ」を含む相談の件数を全体の相談件数で単純に除したもの。

              ※2   2011年度は、上記の相談の中で、いじめ・嫌がらせに関するものは、解雇に関するものに続き2番目に多い。 

     職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は、増加傾向にある。

    相談件数の推移

    民事上

    個別労働紛争相談件数【

    民事上

    個別労働紛争相談件数【

    】  

    割合

    総合労働相談コーナーへの職場のいじめ嫌がらせに関する相談件数

    103,194  140,822  

    160,166  

    176,429  187,387  

    197,904  

    236,993  

    247,302  

    246,907  

    256,343  6.4%  8.3%  

    9.2%  10.1%  

    11.8%  

    14.3%  13.6%  

    14.5%  16.0%  

    17.9%  

    0%  

    2%  

    4%  

    6%  

    8%  

    10%  

    12%  

    14%  

    16%  

    18%  

    0  

    50,000  

    100,000  

    150,000  

    200,000  

    250,000  

    300,000  

    350,000  

    民事上の個別労働紛争相談件数【A】(左軸)

    民事上の個別労働紛争相談件数【A】に占める「いじめ・嫌がらせ」の割合(右軸)

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    自殺・うつ病の社会的損失

    損失額: 2兆6782億円 (2009年推計)    69歳以下の自殺者2万6500人が働いていた場合  ○生涯所得 = 1兆9028億円    2009年にうつ病を患った人の推計  ●労災補償給付      = 456億円  ●休業者が失った所得  = 1094億円  ●失業者への失業給付  = 187億円  ●生活保護費        = 3046億円  ●医療費           = 2971億円   

    国立社会保障・人口問題研究所

    合計 7754億円

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    メンタルヘルスケアの取組の現状

    労働者健康状況調査

    2007年

    33.6%メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合

    (新成長戦略)

    10.0ポイント向上

    メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所割合

    取り組んでいない理由(複数回答)

     「必要性を感じない」       ・・・・・・・・・        48.4% (2011年)                                  

     「専門スタッフがいない」       ・・・・・・・・・         22.1% ( 2011年)                                          

     「取り組み方が分からない」       ・・・・・・・・・       20.1% ( 2011年)                                         

    10

    労働災害防止対策等重点調査

    2011年

    43.6%

    目標

    メンタルヘルスケア取組事業所割合

    (日本再生戦略)

    2015年度

    67%2020年

    100%

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    Ⅰ 都道府県労働局・労働基準監督署による事業場に対する指導等の実施

    ○衛生委員会等での調査審議  (心の健康づくり計画等)

    ○事業場内体制の整備 (事業場内メンタルヘルス推進担当者の選任) (セルフケア、ラインによるケア、産業保健スタッフ、外部機関)

    ○教育研修の実施    (一次予防)

    ○職場環境等の把握と改善      (一次予防)

    ○不調の早期発見・適切な対応  (二次予防)

    ○職場復帰支援  (三次予防)

    「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年公示第3号)に基づく取組の促進

    ○事業者、産業保健スタッフ等からの相談対応○個別事業場に訪問し助言・指導の実施○職場の管理監督者に対する教育の実施

    ○職場復帰支援プログラムの作成支援○メンタルヘルス相談機関の登録・紹介

    ○事業者、産業保健スタッフ、行政機関等とのネットワーク形成

    ○働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」を通じた情報提供(アクセス数 月8万件以上)

    ○産業医等に対する研修の実施      等

    事業場での基本的取組事項

    Ⅱ 全国の「メンタルヘルス対策支援センター」による事業場の取組支援

    Ⅲ その他メンタルヘルス対策の実施

    ○メンタルヘルス対策の具体的な取組についてメンタルヘルス対策支援センターと連携した指導・助言

    職場でのメンタルヘルス対策の推進

    11  

    事業場の取組を支援する施策

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    1 趣旨2 メンタルヘルスケアの基本的考え方3 衛生委員会等における調査審議  4 心の健康づくり計画の策定5 4つのメンタルヘルスケアの推進 

         ○セルフケア    労働者自身がストレスに気づき対処すること。  ○ラインによるケア    管理監督者が職場の具体的なストレス要因を把握し改善すること。  ○産業保健スタッフによるケア    産業医等の産業保健スタッフが、セルフケア、ラインによるケアの実施を支援するとともに、    教育研修の企画・実施、情報の収集・提供等を行うこと。  ○事業場外資源によるケア    メンタルヘルスケアに関する専門機関を活用すること。

    6 メンタルヘルスケアの具体的進め方  ○メンタルヘルスケアを推進するための教育研修・情報提供  ○職場環境等の把握と改善  ○メンタルヘルス不調の気づきと対応  ○職場復帰における支援

    7 メンタルヘルスに関する個人情報の保護への配慮8 小規模事業場におけるメンタルヘルスケアの取組の留意事項9 定義 

    労働安全衛生法第70条の2第1項に基づき、厚生労働大臣が公表した指針。メンタルヘルスケアの原則的な実施方法を定めている。

    労働者の心の健康の保持増進のための指針(概要)(平成18年3月31日 健康保持増進のための指針公示第3号)

    12

  • メンタルヘルス対策支援センター事業の概要

    趣旨・目的

    ○地域での職場のメンタルヘルス対策の中核的機関として全国47都道府県に設置  (注)○メンタルヘルス不調の予防から復職支援まで職場のメンタルヘルス対策を総合的に支援

    事業内容

    ○事業者、産業保健スタッフ等からの相談対応○個別事業場に訪問し助言・指導の実施○職場の管理監督者に対する教育の実施○職場復帰支援プログラムの作成支援○メンタルヘルス相談機関の登録・紹介

    ○事業者、産業保健スタッフ、行政機関等とのネットワーク形成

    活動実績(H23年度)事業者等からの相談件数 24,813件

    事業場に対する訪問支援件数

    助言・指導 20,247件

    管理監督者への教育 4,859件

    職場復帰支援プログラムの作成支援 673件

    メンタルヘルス相談機関の登録・紹介件数

    登録機関(累計) 37機関

    紹介 105件

    ※ 実績は延べ数

    予算額の推移

    新成長戦略で「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100% 」が示される。

    メンタルヘルス対策支援センタ-

    事業者産業保健スタッフ

    労働者

    支援 健康管理

    支援の流れ

    (注)国の委託事業として医師等の相談員を配置している。

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    職場でのメンタルヘルス対策に関する国の取組

    14  

    総合的な対策

    個別の  対策

    メンタルヘルス不調

    の未然防止

    (一次予防)

    メンタルヘルス不調の

    早期発見と適切な対応

    (二次予防)

    職場復帰支援

    (三次予防)

    ○ 「労働者の心の健康の保持増進のための大臣指針」の策定・公表○ 都道府県労働局・労働基準監督署による事業場に対する指導等の実施○ メンタルヘルス対策支援センターによる事業場の取組支援○ ポータルサイトを通じた事業場への情報提供

       ○労働安全衛生法の改正(ストレスチェックと面接指導等の義務化) (国会提出→衆院解散に  よる廃案)

         ○「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」の策定・公表      ○地域障害者職業セン

    ターにおけるリワーク支援 等

       ○教育研修、情報提供    ○過重労働による健康障害防止対策    ○職場でのパワーハラスメント・セクシャルハラ

    スメント対策 等

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    http://kokoro.mhlw.go.jp/

    職場のメンタルヘルスに関する総合的な情報提供を実施

     ○メンタルヘルスに関する基礎知識 ○事業場の取組事例 ○各種支援・助成制度 ○専門の相談機関や医療機関

     ○統計情報  ○関係行政機関の情報  等          

    15

    ポータルサイトを通じた事業場への情報提供

    活動実績の推移

    ○ 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」

    ○ 職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けたポータルサイト     「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」

    職場のパワーハラスメントに関する情報提供を実施

     ○パワーハラスメントに関する基礎知識

     ○事業場の取組事例 ○裁判事例 ○統計情報  等   

    http://www.no-awahara.mhlw.go.jp/

  • (1)時間外・休日労働時間の削減 (2)年次有給休暇の取得促進(3)労働時間等の設定の改善(4)労働者の健康管理に係る措置の徹底 ○ 産業医の選任時の健康管理体制の整備、健康診断及びその事後措置

    の実施等 ○ 長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対する面接指導等 ○ 過重労働による業務上の疾病を発生させた場合の原因の究明及び再

    発防止の徹底

    過重労働による健康障害防止のための総合対策(2006年3月策定、2011年2月最終改正)

    過重労働による健康障害を防止することを目的として、事業者が講ずべき措置を定めるとともに、当該措置が適切に講じられるよう国が行う周知徹底、指導等の所要の措置をとりまとめたもの。

    16Ⓒ Since2012 Shigeki Shiiba All Rights Reserved

  • 事業 者    

    ②面接指導の実施依頼

    (医師が必要と判断した場合)時間外労働の制限、作業の転換等について意見

    医師(

    産業医、

    地域産業保健

    医師等)

    ○ 月100時間超の時間外・休日

     労働を行い、疲労の蓄積があると

     認められるもの(申出)

    労働者

    ③面接指導の実施

    (医師等からの意見を勘案し、必要があるとき)時間外労働の制限、作業の転換等の措置

    ①面接指導の申出

    ④医師からの意見聴取⑤事後措置の実施

    義務

    ○ 月80時間超の時間外労働を行

     い、疲労の蓄積があると認められ

     るもの(申出)

    ○ 事業場に定める基準に該当する者

    努力義務

    長時間労働者に対する医師による面接指導制度

    17Ⓒ Since2012 Shigeki Shiiba All Rights Reserved

  • 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議  ワーキング・グループ報告(H24.1.30)   

      職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」は労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為であり、早急に予防や解決に取り組むことが必要な課題である。
 企業は、職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワーハラスメント」による職場の生産性の低下や人材の流出といった損失を防ぐとともに、労働者の仕事に対する意欲を向上させ、職場の活力を増すためにも、この問題に積極的に取り組むことが求められる。

    なぜ職場のいじめ・嫌がらせ問題に取り組むべきなのか

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    パワーハラスメントの定義  職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職

    務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。 ※ 上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。  

    類型 具体的行為

    (1)身体的な攻撃  暴行・障害

    (2)精神的な攻撃 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言

    (3)人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し・無視

    (4)過大な要求 業務上明らかに不要なことなどを要求

    (5)過小な要求 仕事を与えない等

    (6)個の侵害  私的なことに過度に立ち入ること

  •     この問題を予防・解決するための労使の取組については、まず、企業として職場のパワーハラスメントはなくすべきという方針を明確に打ち出すべきである。
 対策に取り組んでいる企業・労働組合の主な取組の例と、取り組む際の留意点は以下のとおり。

予防するために
 ○トップのメッセージ ○ルールを決める ○実態を把握する
 ○教育する ○周知する

解決するために
 ○相談や解決の場を設置する ○再発を防止する

行政は、
・問題の現状や課題、取組例などについて周知啓発を行うべき。
・併せて、この問題についての実態を把握し、明らかにするべき。

    取組の例と留意点

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  • ○ 医師又は保健師による労働者の精神的健康の状況を把握するための検査を行うことを事業者に義務付ける。

    ○ 労働者は、事業者が行う当該検査を受けなければならないこととする。

    ○ 検査の結果は、検査を行った医師又は保健師から、労働者に対し通知されるようにする。医師又は保

    健師は、労働者の同意を得ないで検査の結果を事業者に提供してはならないこととする。

    ○ 検査の結果を通知された労働者が面接指導の申出をしたときは、医師による面接指導を実施すること

    を事業者に義務付ける。

    ○ 面接指導の申出をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならないこととする。

    ○ 事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮そ

    の他の適切な就業上の措置を講じなければならないこととする。

     メンタルヘルス対策の充実・強化

    ○ 受動喫煙を防止するための措置として、職場の全面禁煙、空間分煙を事業者に義務付ける。○ ただし、当分の間、飲食店その他の当該措置が困難な職場については、受動喫煙の程度を低減させ

    るため一定の濃度又は換気の基準を守ることを義務付ける。

     受動喫煙防止対策の充実・強化

    ○ 特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する労働者に使用が義務付けられている電動ファン付き呼吸    用保護具を型式検定及び譲渡の制限の対象に追加する。

    型式検定及び譲渡の制限の対象となる器具の追加

    施行期日:公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日 (「型式検定及び譲渡の制限の対象となる器具の追加」は、6月を超えない範囲内で政令で定める日)

    労働安全衛生法の一部を改正する法律案の概要(平成23年12月2日国会提出、平成24年11月16日国会解散に伴い廃案)

    21

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    自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム報告書(平成22年5月取りまとめ)

    職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書(平成22年9月取りまとめ)             

    定期健診に併せ、ストレスに関連する労働者の症状・不調を医師が確認し、産業医等の面接につなげる新たな枠組みが提言された。

    新成長戦略 (平成22年6月18日閣議決定)             

    別表 成長戦略実行計画(工程表) Ⅵ 雇用・人材戦略~「出番」と「居場所」のある国日本~② 11. 職場における安全衛生対策の推進

    【2020年までの目標】メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100%               (現状)50.4%(平成22年 職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査)

    【早期実施事項(2010年度に実施する事項)】  「労働政策審議会での検討・結論」

    労働政策審議会で、審議(平成22年12月建議)

    「職場におけるメンタルヘルス対策」が重点の一つとされ、「メンタルヘルス不調者の把握と把握後の適切な対応」について検討することとされた。

    労働政策審議会で、法改正要綱を審議
(平成23年10月諮問(妥当の答申))

    22

    職場におけるメンタルヘルス対策の検討経緯

  • ・ 労働者のプライバシーが保護されること

    ・ 事業者にとって容易に導入でき、また、労働者にとって安心して参加できること

    ・ 専門的な知識を有する人材の確保や活用等の基盤整備が図られること

    ・ 労働者が、健康の保持に必要な措置を超えて、人事、処遇等で不利益を被らないこと

    ・ 必要な場合には専門家につなぐことができること、職場においてメンタルヘルス不調の正しい知識の普及が図られること

    職場におけるメンタルヘルス対策検討会(概要)

    職場のメンタルヘルス対策の基本的な方向

    23

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    ・ 医師が労働者のストレス症状を確認し、面接が必要と認める場合には労働者に直接通知

    ・ 労働者が事業者に対し面接の申出を行った場合には、現行の長時間労働者に対する医師による面接指導制度と同様に、事業者が医師による面接指導及び医師からの意見聴取等を行う

    (留意点)・ 労働者の申出又は面接指導の結果を理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない

    労働政策審議会建議(平成22年12月22日)

     事業者の取組の第一歩として、ストレス症状を有する者に対する面接指導制度を導入する。

    【具体的な枠組み】

    24

  •   

    ○ひどく疲れた

    ○不安だ     

    ○ゆううつだ

    医師・保健師がストレスチェックを実施

    ①結果の通知

    一般定期健康診断の「自覚症状、他覚症状の有無の検査」に併せて実施※別途実施も可能

    ③面接の実施依頼

    時間外労働の制限、作業の転換について意見

    医師(

    産業医、

    地域産業保健

    医師)

    時間外労働の制限、作業の転換の措置

    ②面接の申出

    ⑤医師からの意見聴取

    ⑥事後措置の実施

    労働者の意向を尊重

    申出後は事業者が対応

    労働者

    事業 者    

    ④面接指導の実施

    精神的健康の状況を把握するための検査(ストレスチェック)と面接指導

    面接指導後受診

    相談機関・保健所、精神保健福祉センター・民間団体 

    医療機関

    相談

    直接受診

    連携の促進

    【地域の機関】

    ・・・

    ①’労働者の同意を得て事業者に通知

    気づきの促進

    不利益な取扱いをしてはならない

    25

  • ① 下記チェックシートを事前に配布し、労働者が最近1ヶ月間の状態について、疲労、不安、抑うつの項目について、頻度について該当する数字に○をつける。

    ② チェックシートにより得られた数値を基に、医師又は保健師が、疲労、不安、抑うつの項目を確認し、そ

    の労働者のストレス加重の程度をマニュアルで示す基準に当てはめる。

    ③ ストレス加重が強度である場合、医師又は保健師が、その労働者に対し、医師が行う面接指導を勧奨

    する。

    精神的健康の状況を把握するための検査(ストレスチェック)(案)

     ストレスチェックの流れ

     ストレスチェックシート(例)

    項目                頻度  最近1ヶ月の状態  

    ほとんど  なかった

    ときどきあった

    しばしばあった

    ほとんど  いつもあった

    疲労

    ①ひどく疲れた 1 2 3 4

    ②へとへとだ 1 2 3 4

    ③だるい 1 2 3 4

    不安

    ④気がはりつめている 1 2 3 4

    ⑤不安だ 1 2 3 4

    ⑥落ち着かない 1 2 3 4

    抑うつ

    ⑦ゆううつだ 1 2 3 4

    ⑧何をするのも面倒だ 1 2 3 4

    ⑨気分が晴れない 1 2 3 4

    (注)上記の数字はスコアであり、各項目の合計点等により評価を行う。  ※出典 ストレスに関連する症状・不調として確認することが適当な項目等に関する調査研究報告書

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    ストレスチェックの実施主体について

    ① 事前にチェックシートを配布し、労働者に該当する数値に○を付すよう指導。

    ② 回収したシートの数値を、予め定められた基準に当てはめる。

    ③ 労働者に検査の結果を通知する。(面接指導等の勧奨も併せて通知)

    Ⅰ 労働安全衛生法におけるストレスチェックの手法

    Ⅱ ストレスチェックの実施主体について

    ① ストレスチェックは、医行為(医師の医学的判断及び技術を持ってするのでなければ
人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為)には該当しないことから、
医師以外でも実施可能である。

    ② 他方、これは労働者の健康の確保のために行うものであることから、労働者の
健康管理を行うのに必要な産業保健に関する知識を有する者が行う必要がある。
このため、医師又は産業保健に関する知識を有する専門職種であって、現行の
労働安全衛生法において一定の役割を担っている保健師(※)に行わせるものである。

    (※)① 医師、歯科医師、保健師等は、第1種衛生管理者の免許を無試験で取得することが可能である。

       ② 労働安全衛生法では、50人未満の事業場では、労働者の衛生管理の一部を、医師又は保健師に行わせるよう努めなければならないとされている。

       ③ 保健師国家試験の出題範囲に「産業保健に関する健康問題(職場のメンタルヘルス対策、

    ストレス対策)」が含まれている。   27

  • 点数が高い者に対し、医師による面接指導の勧奨  

    個人の点数の集計  

    9項目のチェックシート          

    (疲労)  ・ひどく疲れた  ・へとへとだ  ・だるい  

    (不安)  ・気がはりつめている  ・不安だ  ・落ち着かない  

    安全衛生法におけるストレスチェック(最低基準・労働者に受ける義務)

    中小企業など取組が進んでいない場合

    大企業などで既に先進的に取り組んでいる場合

    追加のチェック項目        

    ・眠れない等の追加の項目  ・職場環境に関する項目   (長時間労働が多い 等)  

    職場全体の環境改善について提言  (個人が特定できない形で通知)  

    医師が、チェック項目及び問診により面接指導の必要性を判断し、通知  

    個々の事業場で追加できる取組み例

    (抑うつ)  ・ゆううつだ  ・何をするのも面倒だ  ・気分が晴れない

    (注)労働政策審議会の建議に事業者側が賛成した際、労働安全衛生法上義務づけられるストレスチェックが過大なものでないことが、前提となっている。

    ストレスチェックについて

    等、既に労働者の同意を得て実施している様々な先進的な企業の取り組み  (労働者に受ける義務は無いが、現在実施している企業では、そのまま実施可)

    28

  • 取り組んでいない66.4%

    先進的

    取組

    メンタルヘルス対策の取組状況

    現状

    進んでいる

    遅れている

    2020年 メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100%

    (新成長戦略における目標)

    労働安全衛生法の改正○ストレスチェックの義務化○監督署による指導

    事業者の取組を支援○メンタルヘルス対策支援センターによる支

    援○ポータルサイトによる情報提供   等

    より先進的な取組

    最低基準の取組

    メンタルヘルス対策の促進

  • ストレスに関連する症状不調の確認項目の試行的実施(調査研究) ①(平成23年6月 労働安全衛生総合研究所実施。労働者4000名対象、有効回答者2605名)

    「ストレスに関する症状・不調として確認する事が適当な項目等に関する調査研究報告書」に示された、「9項目」及び「高ストレス者のカットオフ基準」について、妥当性等について調査 ※「高ストレス者」(本研究におけるカットオフ基準)   9項目のチェックリスト各項目の合計点が(疲労:12点、不安:11点以上 抑うつ:10点以上)にいずれかに該当する者

    各尺度の分布

    0  

    100  

    200  

    300  

    400  

    500  

    3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

    「疲労」得点の度数分布

    0  

    100  

    200  

    300  

    400  

    500  

    600  

    3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

    「不安」得点の度数分布

    0  

    100  

    200  

    300  

    400  

    500  

    600  

    3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

    「抑うつ」得点の度数分布

    3.1% 4.0% 8.5%

    いずれか1尺度でも該当する者  10.6%(274人)

    「高ストレス者」として基本属性、生活習慣、職場環境、健康関連指標との相関について調査30

  • 「高ストレス者」と健康関連指標との相関

    高ストレス者の健康関連指標

      ○ 翌日の疲労の回復状態(「疲れを持つことがいつもある」と回答した割合) 

            31.8%(非高ストレス者:3.8%)

      ○ 身体的健康(「非常に不調」と回答した割合)

            28.1%(非高ストレス者:2.8%)

      ○ よく眠れない(「よくある」と回答した割合)

            35.4%(非高ストレス者:8.9%)

      ○ K6調査票(13点以上となった割合)

            60.1%(非高ストレス者:3.5%)

      ○ 過去一年間で精神的な健康問題により休んだ日数(「29日以上」)

              5.6%(非高ストレス者:0.6%)

    ・ 9項目によるチェックリストにより捉えられる高ストレス状態が、種々の健康関連指標と高い相関示す

    ストレスに関連する症状不調の確認項目の試行的実施(調査研究) ②(平成23年6月 労働安全衛生総合研究所実施。労働者4000名対象、有効回答者2605名)

    【K6調査票】   気分・不安障害のスクリーニングを目的として開発された調査票   高得点であると精神的健康が悪いことを意味する  (得点範囲が0~24点)

    31  

  • ・ 労働者は不利益を被らないこと、同意なくストレスチェックの結果が事業者に伝わらないことを重視している

    75.0%  

    57.2%  

    56.2%  

    54.2%  

    45.3%  

    結果によって解雇等の不利益が生じない

    結果が本人の同意なしに事業者に通知されない

    結果により、時間外労働の削減等、就業環境の改善

    が図られる

    結果により、必要な人に対し専門家による適切なアドバイスが行われる

    行うことのメリットを事前に説明してもらえる

    ストレスチェックに重視すること

    本人にのみ通知すべき34%本人の同

    意があれば会社に通知してもよい50%

    本人の同意がなくても健康管理の

    観点から会社に通知す

    べき10%

    分からない6%

    判定結果の取扱い

    84%

    ストレスに関連する症状不調の確認項目の試行的実施(調査研究) ⑧ (平成23年6月 労働安全衛生総合研究所実施。労働者4000名対象、有効回答者2605名)

    ストレスチェックに関する意識調査①

    32  

  • ストレスに関連する症状不調の確認項目の試行的実施(調査研究) ⑨(平成23年6月 労働安全衛生総合研究所実施。労働者4000名対象、有効回答者2605名)

    ストレスチェックに関する意識調査②

    判定結果が本人のみに通知される場合、ストレスチェックの実施を希望するか

    はい,  43.3

    どちらともいえない,  43.6

    いいえ,  13.1 %

    ストレスチェック後の面接に関する意識調査

    77.5  

    44.9  

    34.2  

    0   10   20   30   40   50   60   70   80   90  

    会社に結果が知られると就業上の不利益につながりそ

    うだから

    自分で病院などに行くから

    ストレスが高いとされても特に問題は感じないから

    ストレスが高いとされた場合、会社に申し出て医師の面接を受けられる制度があったら受けたいか

    面接をうけたい,  54.3

    面接をうけたくない,  17.2

    分からない,  28.5

    %%

    受けたくない理由

    33  

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    1 基本的な考え方   円滑な職場復帰を行うためには、職場復帰支援プログラムの策定や関連規程の整備等により、休業の開始から通常業務への復帰までの流れを明確にすることが重要。策定された職場復帰支援プログラム等については、労働者、管理監督者等に周知すること。

    2 病気休業開始及び休業中の段階   休業中の労働者が不安に感じていることに関して十分な情報提供や相談対応を行うこと。職場復帰支援に関する事業場外資源や地域にある公的制度等を利用する方法もあることから、これらについての情報を提供することも考えられること。

    3 職場復帰の決定までの段階   主治医による職場復帰の判断は、職場で求められる業務遂行能力まで回復しているか否かの判断とは限らないことに留意。より円滑な職場復帰を図る観点から、主治医に対し、あらかじめ職場で必要とされる業務遂行能力の内容や勤務制度等に関する情報提供を行うこと。

    4 職場復帰後の段階   心の健康問題を抱えている労働者への対応はケースごとに柔軟に行う必要があることから、主治医との連携を図ること。職場復帰した労働者や当該者を支援する管理監督者、同僚労働者のストレス軽減を図るため、職場環境等の改善や、職場復帰支援への理解を高めるために教育研修を行うこと。

    心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(平成16年10月 改訂平成21年3月、平成24年7月)

  • 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(2004年10月 改訂2009年3月、2012年7月)

    <第1ステップ>  病気休業開始及び休業中のケア

    <第2ステップ>  主治医による職場復帰可能の判断

    <第3ステップ>  職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

    <第4ステップ>最終的な職場復帰の決定

    <第5ステップ>職場復帰後のフォローアップ

    職 場 復 帰

    手引きによる職場復帰支援の流れ

    メンタルヘルス不調により休業した労働者に対する職場復帰を促進するための事業場向けマニュアル

    管理監督者及び事業場内産業保健スタッフ等の役割  

         

    プライバシーの保護          

    35

  • 背 景 ・ 趣 旨

    概要・仕組み

    ○昭和33年(1958年)以来、5年ごとに「労働災害防止計画」を策定し、中長期的な計画に基   づいて労働災害防止対策を推進してきた。  

    ○現在の計画(平成20年~24年)が今年度で終了することから、平成25年度を初年度とする新たな5か年計画「第12次労働災害防止計画」を策定する必要。

    労働安全衛生法(第6条)  厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見をきいて、労働災害の防止のための主要な対策に関する事項その他労働災害の防止に関し重要な事項を定めた計画を策定しなければならない。

    労働災害防止計画の策定(5年ごと)  

    計画に基づく施策の実施   ・行政運営方針、留意通達等   ・検討会、法令改正   ・予算措置  

    評価  見直し

    策定手続き

    7月23日 労働政策審議会安全衛生分科会         (安衛分科会)で論点の議論            ↓ (議論を踏まえ骨子案作成)    9月7日  安衛分科会で骨子案の議論(1回目)  9月下旬  安衛分科会で骨子案の議論(2回目) 10月    安衛分科会で骨子案の議論(3回目)            ↓ (議論を踏まえ計画案作成)    12月    安衛分科会で計画案の議論          安衛分科会に計画案を諮問・答申            ↓    12月~1月  第12次労働災害防止計画の公示

    第12次労働災害防止計画(12次防)について

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  • <骨子案抜粋>  5.重点施策ごとの具体的取組  (1)労働災害、業務上疾病発生状況の変化に合わせた対策の重点化    イ 重点とする健康確保・職業性疾病対策     ○ メンタルヘルス対策     ○ 過重労働対策     ○ 化学物質による健康障害防止対策     ○ 腰痛予防対策     ○ 熱中症対策     ○ 受動喫煙防止対策    ウ 業種横断的な取組    (イ)高年齢者労働者対策    (ウ)非正規労働者対策  (2)行政、労働災害防止団体、業界団体等の連携・協働による労働災害防止の取組み    ウ 安全衛生管理に関する外部専門機関の育成と活用     ○ 産業保健機関、産業保健専門職の質の向上とその活用  (6)東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電事故を受けた対応    イ 原子力発電所事故対策     ○ 原発事故対応の体制整備     ○ 原発事故対応作業と除染作業の労働災害防止

    12次防骨子案中の労働衛生関係施策

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  • 健康日本21と課題 健康日本21(第2次)

    健康日本21(第2次)の「基本的な方向」について

    (健康寿命の延伸と健康格差の縮小)

    ○ 「健康寿命の延伸」に加えて、あらゆる世代の健やかな暮らしを支える良好な社会環境を構築し、「健康格差の縮小」を実

    現することを「基本的方向」に明記。

    (主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底)

    ○ 引き続き一次予防に重点を置くとともに、合併症の発症や症状進展などの重症化予防を重視。

    (社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上)

    ○ 高齢期における日常生活の自立を目指した身体機能の強化・維持、子どもの頃からの健康づくり、働く世代のこころの

    健康対策等を推進。

    (健康を支え、守るための社会環境の整備)

    ○ 時間的にゆとりのない者や、健康づくりに無関心な者も含め、社会全体として相互に支え合いながら健康を守る環境を整備

    することを重視。

    (健康増進支援のための環境整備)

    ○ 健康づくりに取り組もうとする個人を社会全体で支援して

    いくことを重視。

    <課題> 今後は、健康の意識はありながら生活に追われ

    て健康が守れない者や、健康に関心が持てない者も含めた対策も必要。

     

    (目的)

    ○ 壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸、生活の質の向上

    を目的として健康づくりを推進。

    <課題> 非正規雇用の増加など雇用基盤の変化、家族形

    態・地域の変化等がある中で、今後、健康における地域格差縮小の実現が重要。

    (一次予防の重視)

    ○ 健康を増進し発病を予防する一次予防を重視。

    <課題> 今後は、高齢化社会の中で、重症化を予防する

    観点や、年代に応じた健康づくりを行うことにより社会生活機能を維持する観点が重要。

    (多様な分野における連携) 

    (多様な分野における連携)  ※引き続き重点的に推進

     住民活動、NPO活動、産業界との連携などポピュレーションアプローチの進化 38

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    精神疾患に関する医療計画 目指すべき方向

    精神疾患患者やその家族等に対して、1.住み慣れた身近な地域で基本的な医療やサービス支援を受けられる体制

    2.精神疾患の患者像に応じた医療機関の機能分担と連携により、


    他のサービスと協働することで、適切に保健・医療・介護・福祉・生活支援・就労支援等

    の総合的な支援を受けられる体制

    3.症状がわかりにくく、変化しやすいため、医療やサービス支援が届きにくいという特性

    を踏まえ、アクセスしやすく、必要な医療を受けられる体制

    4.手厚い人員体制や退院支援・地域連携の強化など、必要な時に、入院医療を受けられる体制

    5.医療機関等が、提供できるサービスの内容や実績等についての情報を、


    積極的に公開することで、各種サービス間での円滑な機能連携を図るとともに、


    サービスを利用しやすい環境

    を、提供することを目指す。

    39

    医療計画について(平成24年3月30日付け医政発0330第28号)(厚生労働省医政局長→都道府県知事あて通知)

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    精神疾患に関する医療計画 イメージ 【うつ病の場合】

    40

      【予防】 【アクセス】 【治療~回復】 【回復~社会復帰】

    機能 うつ病の発症予防 症状が出てから精神科医に受診できる機能

    適切な医療サービスの提供 
退院に向けた支援を提供

    再発を予防して地域生活を維持
社会復帰(復職等)に向けた支援、外来医療や訪問診療等を提供

    目標 うつ病の発症を防ぐ

    ●症状が出てから精神科医に受診できるまでの期間を短縮する ●うつ病の可能性について判断ができる

    ●うつ病の正確な診断ができ、うつ病の状態に応じた質の高い医療の提供
●退院に向けて病状が安定するための支援を提供

    ●できるだけ長く、地域生活を継続できる 
●社会復帰(復職等)のための支援を提供 
●急変時にいつでも対応できる

    関係機関

    保健所、精神保健福祉センター等の保健・福祉等の関係機関 (地域保健・産業保健・学校保健等)

    一般の医療機関(かかりつけの医師)、精神科病院、精神病床を有する一般病院、精神科診療所、救急医療機関、薬局、保健所、精神保健福祉センター、職場の産業医 等

    精神科病院、精神病床を有する一般病院、精神科診療所、薬局、訪問看護ステーション 等

    精神科医療機関、薬局、障害福祉サービス事業所、相談支援事業所、介護サービス事業所、職場の産業医、ハローワーク、地域障害者職業センター  等

    医療機関に


    求められる事項

    ●うつ病に関する知識の普及啓発、一次予防に協力する
●地域保健、産業保健領域等との連携 
等

    ●内科等身体疾患を担当する医師(救急医、産業医を含む。)と精神科医との連携会議等(GP連携事業等) への参画
●自殺未遂者やうつ病等に対する対応力向上のための研修等への参加
●保健所等の地域、職域等の保健医療サービス等との連携
等

    ●うつ病とうつ状態を伴う他の疾患について鑑別診断できる●うつ病の重症度を評価できる●重症度に応じて、薬物療法及び精神療法等の非薬物療法を含む適切な精神科医療を提供でき、必要に応じて、他の医療機関と連携できる●医師、薬剤師、保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士等の多職種チームによる支援体制
●産業医等を通じた連携により、復職に必要な支援を提供
等

    ●患者の状況に応じて、適切な外来医療や訪問診療等を提供 ●生活習慣などの環境調整等に関する助言ができる
●緊急時の対応体制や連絡体制の確保
●ハローワーク、地域障害者職業センター等と連携により、就職、復職等に必要な支援を提供
●産業医等を通じた連携により、就労継続に必要な支援を提供
等

    ※うつ病に関連する施策:うつ病に対する医療などの支援体制の強化(G-P連携事業) 、かかりつけ医等心の健康対応力向上研修事業 、  自殺未遂者・自殺者遺族ケア対策事業、 認知行動療法研修事業  等