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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism Geospatial Information Authority of Japan 測量・地図分野: 激甚化する自然災害への対応と 高精度測位社会に向けて 国土交通省 国土地理院長 川﨑 茂信

測量・地図分野: 激甚化する自然災害への対応と 高精度測位社 … · 測量技術の進歩 三角測量からgnss測量へ変化し、測量がより高精度に、より短時

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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and TourismGeospatial Information Authority of Japan

測量・地図分野:激甚化する自然災害への対応と高精度測位社会に向けて

国土交通省 国土地理院長川﨑 茂信

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本日の話題

1)はじめに:近代測量150年の歩みと得られるようになった成果

2)激甚化する自然災害に対する測量・地図分野の役割

3)高精度測位とそれがもたらすサービス

4)おわりに:是非、つくばの地へ

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「みちびき」により高精度測位時代へ

11月1日に「みちびき」サービスが開始され、これから高精度な測位が可能になり、様々な分野で活用される時代に

出典:qzss.go.jp

平成30年11月1日 準天頂衛星システム「みちびき」サービス開始記念式典における安倍総理の祝辞より

「本日、『みちびき』によって、歴史の新たなページが開かれようとしています。世界初、センチメートル級の衛星測位サービスが、近未来の社会を現実のものとしようとしています。」

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来年は近代測量150年

2019年は明治政府が「近代測量」に着手してから150年になります※「近代測量」=明治政府が国家統治に必要な最も基本的な情報として、

我が国の国土の姿を統一的な基準で把握する枠組

その後、測量技術が進歩しながら、地名や地理の情報収集、三角測量・水準測量の実施、全国を網羅した地形図の整備等の基本的な体系・枠組みが今日まで存続しています。

1869(明治2)年 民部官庶務司戸籍地図掛を設置(「郡国ノ地図戸口名籍ヲ祥明ニ」するための情報収集)

1875(明治8)年 内務省地理寮が関東地方の三角測量に着手

1880(明治13)年 参謀本部が関東平野の2万分の1迅速測図の作成に着手

1884(明治17)年 全国測量事業の実施主体を参謀本部に一元化

1890(明治23)年 参謀本部陸地測量部が全国の5万分の1地形図の整備に着手

近代測量の道のり ~約20年かけ実行体制を確立~

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測量技術の進歩

三角測量からGNSS測量へ変化し、測量がより高精度に、より短時間で、より安全に

日本経緯度原点(東京都港区)

日本水準原点(東京都千代田区)

明治~昭和30年代

角度を測る昭和40年代~

光で距離を測る平成年代~

宇宙から測る

測量の原点

※GNSS(Global Navigation Satellite System): 全球測位衛星システム

レーザ測距儀経緯儀

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地殻変動監視の進歩

全国に張り巡らした電子基準点網により、地殻変動を24時間監視できるように

平成23年東北地方太平洋沖地震前は年間数㎝の東西短縮。地震後は年間数㎝の東西伸張に転じ、現在も継続中。

電子基準点全国に約1,300点設

置している、高い位置精度の国家基準点

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激甚化する災害

1時間降水量50mm以上の年間発生件数(アメダス1,000地点あたり)

※気象庁資料より国土交通省水管理・国土保全局作成

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戦後の自然災害による死者・行方不明者

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

22,000

20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29

(人)

(年)

平成昭和

資料:昭和20年は主な災害による死者・行方不明者(理科年表による)。昭和21年~27年は日本気象災害年報、昭和28年~37年は警察庁資料、昭和38年以降は消防庁資料による。注:平成7年の死者のうち、阪神・淡路大震災の死者については、いわゆる関連死919名を含む(兵庫県資料)。平成29年の死者・行方不明者は内閣府取りまとめによる速報値

出典:「平成30年版 防災白書」を元に作成

空白の36年

1,000人以上の被害者ゼロ

平成7年阪神・淡路大震災(6,437人)昭和34年

伊勢湾台風(5,098人)

昭和22年カスリーン台風(1,930人)

昭和20年三河地震(2,306人)枕崎台風(3,756人)

昭和23年福井地震(3,769人) 昭和29年

洞爺丸台風(1,761人)

昭和28年紀伊豪雨(1,124人)

平成23年東日本大震災(22,199人)[2018年3月7日現在。震災関連死含む]

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過去の災害史での災害集中期がやってくる

災害史(1854~1859年)

• 出典:理科年表(国立天文台編)、内閣府(防災)ホームページより作成

発災日(西暦) 被災地域 被災状況

地震

1854年7月9日安政伊賀地震

伊賀・伊勢・大和および隣国

倒壊家屋数千戸、死者1500名以上、上野の北方(西南西―東北東方向)で断層発生、南側1kmの地域が最大1.5m相対的に沈下

1854年12月23日安政東海地震

東海・東山・南海街道

津波が房総から土佐までの沿岸を襲う、家屋倒壊・焼失は約3万戸、死者は2000~3000名との記録

1854年12月24日安政南海地震

畿内・東海・南海・山陰・山陽道など

津波被害(串本で15m、久礼で16m、種崎で11mなど)、 紀州沿岸熊野以西の大半が流出、死者数千名

1855年3月18日 飛騨白川・金沢寺・家屋半壊(野谷村)、家屋2戸が山崩れのため全壊(保木脇村)、死者12名、金沢城で石垣など半壊

1855年11月7日 遠州灘前年の安政東海地震の最大余震、掛塚・下前野・袋井・掛川周辺がほぼ全滅、死者あり、津波発生

1855年11月11日安政江戸大地震

江戸および付近地震後30余ヶ所から出火、消失面積2.2平方km、倒壊家屋1万4300戸、死者7400名

1856年8月北海道大地震

日高・胆振・渡島・津軽・南部

三陸・北海道で津波被害。南部藩で流出家屋93戸、倒壊家屋106戸、溺死者26名、八戸藩でも死者3名など

風水害

1856年9月安政3年の大風災

関東一帯江戸城の直近を巨大台風が通過、家屋倒壊多数、築地本願寺倒壊、高潮発生、品川・深川・本所で溺死多数、全体で死者10万名

(幕末期)

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過去の災害史での災害集中期がやってくる

災害史(1944~1950年)

• 出典:理科年表(国立天文台編)、内閣府(防災)ホームページより作成

発災日(西暦) 被災地域 被災状況

地震

1944年12月7日東南海地震

東海道沖 死者・不明者1223人、全壊家屋17600戸、津波流出3100戸

1945年1月13日三河地震

愛知県南部 死者2306人、全壊家屋7200戸

1946年12月21日南海地震

南海道沖 死者1330人、全壊家屋11600戸 津波流出1450戸

1948年6月28日福井地震

福井平野 死者3770人、全壊家屋36000戸、焼失3900戸

風水害

1945年9月枕崎台風

九州~東北 死者・不明者3760人、全・半壊家屋・流出88000戸

1947年9月カスリーン台風

東海以北 死者・不明者1930人、全・半壊家屋・流出9300戸

1948年9月アイオン台風

四国~東北(特に岩手)

死者・不明者840人、全・半壊建物138000戸

1949年8月ジュディス台風

九州、四国 死者・不明者179人、全・半壊家屋・流出2560戸

1949年8月キティ台風

中部~北海道 死者・不明者160人、全・半壊家屋161000戸

1950年9月ジェーン台風

四国以北(特に大阪)

死者・不明者593人、全・半壊家屋流出19100戸

(太平洋戦争敗戦前後)

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国土地理院における災害初動への対応

災害対策基本法に基づく指定行政機関として、測量・地図分野の最新技術を活用し、被災状況の把握、地殻変動の監視を行い、関係機関に情報を提供しています。

災害時の対応検討

・地方公共団体・現地対策本部 等

情報を直接提供(内容、使用方法の説明)

UAV撮影

4.判読による状況把握

3.空中写真の撮影

被災状況の把握・分析・公開平成30年7月豪雨撮影範囲

平成30年北海道胆振地震に伴う斜面崩壊・堆積分布図

1.電子基準点による地殻変動監視

人工衛星ALOS-2による面的な地殻変動の把握

地殻変動の把握・分析・公開

2.衛星による観測

5.情報を分かりやすく提供

地理院地図による情報提供

(関係機関、国民)

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平成30年7月豪雨災害による浸水推定段彩図倉敷市真備町の浸水推定段彩図を発災翌日(7月8日)に提供し、被災状況の把握や

排水作業を支援

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平成30年7月豪雨への対応(被災状況の早期提供)

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被災前後の比較被災前後の空中写真を提供し、流木の堆積箇所を確認、台風襲来による2次災害対

策を支援

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平成30年7月豪雨への対応(2次災害対策の支援)

7月11日と被災前の比較(被災前写真:平成21年4月撮影)(広島県坂町付近)

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電子基準点による地殻変動解析当日(9月6日)に電子基準点の解析により得られた地殻変動の暫定値を公表し地震

のメカニズムの解明を支援

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平成30年北海道胆振東部地震への対応

以下の地殻変動を確認電子基準点「門別(もんべつ)」南方向に約5cm

電子基準点「厚真(あつま)」南東方向に約2cm

平成30年北海道胆振東部地震(9月6日 M6.7,M5.4)前後の観測データ

基準期間:2018/08/29~2018/09/05 [F3:最終解] 比較期間:2018/09/06~2018/09/13 [F3:最終解]

(地震メカニズム解明の支援)

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空中写真の撮影当日(9月6日)に測量用航空機「くにかぜⅢ」による緊急撮影を実施し、発災1日

目(9月7日)に垂直写真等を被災自治体等に提供し、被災状況把握を支援

14北海道厚真町吉野地区(左:2018年9月6日撮影 右:2011年10月~11月撮影)

くにかぜによる緊急撮影の様子

平成30年北海道胆振東部地震への対応

(被災状況の早期提供)

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災害への「備え」の支援の充実

発災後の「初動対応」だけでなく、災害の前に、減災に向け日頃の「備え」も重要。ここにも地理空間情報の活用を強化すべき。

高さ情報を色別に表現することにより0メートル地帯を把握できます。

避難路の縦断図を表示し安全に避難できるかチェックできます。

明治期の低湿地のデータは、例えば指定緊急避難場所の位置が液状化しやすいかどうかを点検することに使えます。

これらの情報は、地形図や写真、地形分類、災害情報など2,000以上の情報を無料で利用できる地理院地図(https://maps.gsi.go.jp)でご覧いただけます。

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地理教育の重要性

減災への最大の「備え」として、子どもの段階から地図を読み解き、地域の災害特性を理解する力を身につけることが必要

• 安全・安心な社会の構築には国民が自然災害に関する知識を高めることが大切• 地理空間情報を活用して地形や土地の成り立ちを知ることは自然災害への「備え」を高めることになる• 災害から身を守るためには、子どもの段階から地理院地図やハザードマップなどの地図を読み解く力の習得や地域の災害履歴に関心を持つことが必要

出前授業断面図

土地条件図

ハザードマップポータルサイト

明治期の低湿地

地理院地図3D

国土地理院では出前授業の実施など防災教育の支援に引き続き力を入れていきます

~災害から自身の身を守るために~

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リアルタイムな位置特定環境へのチャレンジ

物流 移動支援

準天頂衛星(みちびき)GPS(米国)

ガリレオ(欧州)グロナス(ロシア)

リアルタイムに高精度な測位が可能になり、様々な分野で活用される時代に

i-Construction

スマート農業

here! here!

スマホの位置と違うのはなぜ??

地図だと今はここのはずだけど・・・

here!

here!• 速やかな測位・測量が求められる• リアルタイムに精度の高い位置特

定環境へ

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準天頂衛星「みちびき」のサービスへの支援

準天頂衛星システムでcm級精度の測位を実現するため、電子基準点網が大きな役割を担っています

準天頂衛星「みちびき」

準天頂衛星等からの測位信号を全国の電子基準点で観測

電子基準点のリアルタイムデータ

補正情報の生成「みちびき」からの配信

GPS(米国)

グロナス(ロシア)

ガリレオ(EU)

測位信号

出典:qzss.go.jp

出典:地理空間情報活用推進会議事務局G空間プロジェクトパンフレットより

建設重機の制御 農機の自動運転GNSS測量

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水平方向については既に高精度測位を実現

・電子基準点の情報も用いて誤差を軽減し位置を高精度に決定

・測量やICT施工、IT農業等で利用・精度(水平):~数cm

・単独の受信機で位置を決定・衛星からの情報のみの自己完結型・カーナビやスマホ等で広く利用

・精度(水平):~約10m

通常のカーナビ等 高精度な測位

電離層

水蒸気電離層や水蒸気次第で、電波の遅れ方が様々

↓衛星と自動車の距離に誤差が発生

↓自動車の位置の誤差大

※マップマッチング技術で補正

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標高決定には時間がかかる

・約1.7万点の水準点を、10年以上かけて測量→ 標高の管理に膨大なコスト

・東日本大震災では約1,900点の水準点を再測量(約7ヶ月要した)・当初は約1.2m沈降、その後現在まで約60cm上昇

→ 災害復旧・復興に支障

水準点観測者

標尺者

器械者

標尺者

標尺間は最大80m

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標高は、日本水準原点を基準に、水準測量により水準点の標高から求める体系となっている

年度別の水準測量の実施状況

日本水準原点

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迅速に標高が決まる環境に向けて

国土地理院では、この補正値(ジオイド高)を数年かけて測定→2024年までには、衛星を用いて標高がリアルタイムで得られるように

※1GNSS:全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)

※2楕円体:回転させた楕円で地球を近似したもの、GNSSでは楕円体表面からの高さで表示

・これまで水平方向と高さ方向は、別体系の測量

・補正値(ジオイド高)は、東日本大震災でも約2cmと精度内の誤差程度の変化⇒地震後もジオイド高を決め直すこと

なく利用することが可能

高さ方向については、GNSS※1衛星で求められる高さ(楕円体高※2)から補正値(ジオイド高)を差し引くだけで標高を求めるようになる

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三次元の高精度測位時代のサービス実現への期待

ドローン物流

高精度な標高を用いることでマンション階に応じたきめ細やかな配送が可能に

高精度な標高を用いることで火山活動時の危険な状況下での観測が可能に

マップマッチングではわからない、高架の上と下のいずれを走行しているかが区別可能に

火口付近の無人飛行測量 高精度ナビゲーション(自動運転)

i-Construction

・東日本大震災の場合、水準測量に時間を要するため、沈下から隆起に現在も日々変動する地盤高への対応が課題であった・地震が補正量に与える影響は小さいので迅速な復旧・復興にも貢献

高精度な標高を用いることで重機の自動運行による3次元施工が可能に

リアルタイムに三次元の位置特定が可能となる社会が実現される→どんなサービスの可能性があるか

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高精度測位時代に向けた地図

定常的に地殻が変動している日本で、三次元で正確に測量する技術が充実→三次元位置に加え測量時点の情報が重要

地図等の地理空間情報はある基準時点で作成→地殻変動が蓄積すると、測位結果と地図の

ズレが大きくなる

地殻の移動に応じて、三次元の空間座標の補正が重要

東日本大震災以降の地殻変動のようす

(地殻変動補正の重要性)

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高精度測位時代の位置特定と地図の

我々の社会活動の位置特定を三次元+時刻で行え、平時・災害時ともリアルタイムに高精度測位・高精度地図が得られる環境整備が求められる

環境整備に向けて

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25「正しい位置なのにズレる? ~ドラマで描く地図と位置情報の未来~」http://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/positioning_movie.html

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より詳しくは、つくばの地へ

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ご清聴ありがとうございました

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