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秋といえば芸術の秋である。今回はそんな芸術の中でも音楽、それも一風変わった響きを持った「ロマ音階」というものを用いた音楽を紹介したいと思う。 (利休)
魅惑の旋律「ロマ音階」
ロマ音階は別名ハンガリー音階とも呼ばれ、上の図の通り、通常の短調の第四音(この場合ファの音)を半音上げた(この場合ソ♭となる)音階である。主にロマ民族という民族の中で発達してきた音階であるため、ロマ音階と呼ばれる。
ロマ音階普通の短調(和声的短音階)
ロマ音階って何?
ロマ音階は普通の長調や短調に比べて、音同士の間隔が不規則なため不安定な響きになりやすいが、それによって不思議な魅力が生み出される。これに魅せられた作曲家も多く、クラシック音楽などにもロマ音階の影響を受けたと思われる曲が存在している。
ロマ音階の特徴
▲ロマ民族の旗
コラム ~流浪の民ロマ~ ロマ民族は北インドに起源を持つ民族で、別名「ジプシー」とも呼ばれる。彼らは各地を旅しながら音楽を演奏したり、踊りを披露したりして生計を立てる流浪の民として生きてきた。その旅の過程で各地の音楽に影響を与え、また彼ら自身も影響を受けてきたのである。ロマ音階の持つどことない寂
せき
寥りょう
感かん
は、そんなロマの人たちが醸成してきた、さまざまな人との関わりから生まれた価値観が基となっているのかもしれない。
ロシアの民族音楽として親しまれているこの曲は、ウクライナの詩人グレビョンカの詩を、ゲルデリがドイツ出身の作曲家ヘルマンの曲にのせたもので、ロマの女性の蠱
こ
惑わく
的てき
な魅力に苦悩する男性を題材にしたものである。後半に行くにつれて徐々に盛り上がる旋律に、ロマ音階の特徴である第四音をふんだんに使った調べが重なり、何とも言えない魅力を漂わせている。
1884年 ゲルデリ作黒い瞳
スペイン出身の作曲家サラサーテによって作られた、バイオリンの音色が美しいこの曲。前半部などにロマ音階が用いられている。その勇壮でありながら悲しさをたたえた旋律は、CMソングやゲームのBGMにも使用されたことがあるので、たとえ曲名を知らなくても、一度聴いてみれば、「この曲のことか!」と思われる方も多いかもしれない。
1878年 サラサーテ作ツィゴイネルワイゼン
ロマ音階を用いた曲
このように、ロマ音階は少し変わったマイナーな音階ではあるが、上記の曲に代表されるように、優れた楽曲がたくさんある。「音階」という観点で音楽を聴いてみると、また新たな発見があるかもしれない。これを機会に普段あまり聴かないような音楽にも興味を持ってもらえると嬉しい。
まとめ
54
背理法を否定したいと思います。まず背理法が正しいと仮定すると… (農・1 こっこ)⇒世界が闇で包まれます。 (文系には難しい話だ;編)
はみ出さずに生きるのも悪くない (文・3 Mr.貴族)⇒中学生の頃はクラスの輪からはみ出していました。 (そういうのつらいよね;編)