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玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 1
2013.7
情報技術科
技能検定(電子機器組立て)3級
実技試験対策マニュアル
1 練習に入る前の準備
(1)実技試験問題(仕様書)を熟読し,試験の内容とポイントを理解しておくこと。
(2)製作する製品の機能と動作を理解しておくこと。
(3)回路図と部品配置を覚えておくこと。(作業の効率化と動作欠陥を防ぐため)
(4)作業の留意点を理解しておくこと。(作業漏れ防止・作業指示違反を防ぐため)
(5)支給部品・使用工具を覚え,定位置化すること。
2 部品点検(制限時間外)
(1)部品を開梱して,部品の点検を実施する。
すべての部品の数量,形状,傷の有無を確認する。アルミシャーシの保護シートは傷つけない
ように慎重に剥がして,表面の傷の有無を確認する。このときシャーシに指紋を付けないように
注意すること。確認した後はすべて元の状態に戻しておく。
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 2
(2)抵抗,ダイオードのリードの成形を実施する。
部品のリードが曲がっていると後のフォーミングに時間がかかってしまうので,よく確認して
成形しておくこと。チップ部品のパッケージは完全に開梱して確認し,元に戻す。確認後はバラ
バラにならないように整理して元に戻す。
(3)スイッチの導通確認をする。(テスタを使用する)
※ここでテスタの動作確認もできるので必ず実施すること。(バッテリ切れに注意)
トグルスイッチのナットはゆるめておくとよい。
(4)確認したらすべての部品を元の状態に戻し,所定の位置に置く。
もし傷や不足,不具合があった場合は手を上げて検定委員に申し出ること。部品の破損や異常
は交換,基板やシャーシの傷はマークされる。
(5)IC類は動作チェックをしてもよい。
検定委員に申し出れば,IC類の動作チェックができる。目視では異常が確認できない上,試
験開始以降の部品交換は認めらず減点になるので,時間があれば点検しておくこと。
マークされたシャーシ
確認用チェッカ
(検定委員が用意してくれる)
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 3
3 試験開始 ●はんだごてを電源投入する。
(1)部品の展開(作業時間 1分)
部品をビニール袋から出し,部品マット上に展開する。
このときの作業は必ず部品マットの上で行うこと。ねじは平座金・ばね座金を入れておくとよい。
※部品マットの配置や分類は,効率化や作業工程から自分で考えること。
(2)予備はんだ(作業時間 5分) (はんだこて・吸い取り器)
●ゴーグルの着用(忘れると減点されるので注意!)
トグルスイッチ端子・端子台・LEDブラケット端子・基板端子の予備はんだを行う。
このとき使用するはんだごては,先端の太いものか,熱量の高いものにする。
(3)リード線のカットと端末処理(作業時間 5分)
①PBとE1間の配線(電池スナップの端末処理) (ニッパ・ワイヤストリッパ)
110mm
(黒色)
(赤色)
100mm
※赤線と黒線をよっておく。
リード線にクセがつかない
よりかたをすること。
処置後が写真のような状態
が望ましい。
心線長10mm
ねじ座金類
ゴム足
基板実装部品
電線類
電池類
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 4
②PB(5・6・7)とT1(NC・COM・NO)間の配線
リード線(KV線0.5mm黄色)の加工(員数:3本)
120mm
100mm
③PB(3・4)とLED(A・K)間の配線
リード線(KV線0.5mm赤色)の加工(員数:2本)
160mm
PB-4 LED-K
140mm
150mm
PB-3 LED-A(+)
130mm
④PB(1・2)とS1(NO・COM)間の配線
リード線(KV線0.5mm赤色)の加工(員数:2本)
180mm
PB-1 S1-NO(下)
160mm
170mm
PB-2 S1-COM(中)
150mm
<リード線の加工要領>
①長さを測らずに,KV線(黄)はおおよそ3等分,KV線(赤)は4等分にカットする。
②片方を加工してから長さを測り,切らずに所定の長さで被覆を剥ぐ。
心線長10mm
予備はんだ
心線長10mm
予備はんだ
心線長10mm
予備はんだ
心線長10mm
予備はんだ 心線長10mm
予備はんだ
心線長10mm
予備はんだ
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 5
③心線はきつくしっかりと撚り,予備はんだは薄く処理する。被覆から出た心線は,はんだで覆われて
いること。
予備はんだは心線の付け根から行う。
(4)基板組み立て(作業時間 40分)
①フォーミング(作業時間 5分) (ニッパ・リードペンチ)
□ジャンパ線(スズメッキ線)の成形と10本カット,フォーミング
□抵抗,ダイオードのフォーミング
□絶縁チューブカット(6mm×2本)後,フォトICダイオードに挿入。
何本かまとめ
て成形する
6mm×2本
抵抗 8本
タ イ゙オ トー゙ 1本
ジャンパ線
10本
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 6
②実装(作業時間 10分)●ゴーグルの着用
□ジャンパ線(10)・抵抗(8)・ダイオード(1)の実装とリードカット(3mm)
※部品の浮き上がり,リードの形状を確認しながら実装すること。
□DIP型ICの実装と仮はんだ2箇所(基板と密着しているか確認すること)
□縦型部品(9)の実装とリードカット(3mm)
□リレーの実装と仮はんだ(基板と密着しているか確認すること)
393
555
104
103
103
103
22μ
Kが下
33μ
33μ
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 7
※曲がっているリードは修正しておくこと。
③はんだ付け(作業時間 15分) (はんだごて・竹ピンセット)
□すべての部品を順にはんだ付けする。
※チップ部品の片側のみを予備はんだする。
□表面実装(チップ)部品(9)のはんだ付け
□ラグ端子の圧着部(9)のはんだ付け
<挿入実装部品のはんだ作業>
3mm の長さで
リードカット
ランドの隙間は
1mmが目安
流れ込みに注意
90°でカット
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 8
<表面実装部品のはんだ作業>
仮付け
ここから
はんだ量
1mm
片側を仮付け
仮付け
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 9
※はんだがランドの全面をすべて覆っているか確認し,ここで修正すること。(わずかでも見
逃さない)このとき,はんだの拡散範囲に注意すること。
はんだ量不足 はんだ量過
<はんだの拡散範囲の失敗例>
はとめは忘れやす
いので注意!
流れやすいので
注意!
チェック端子の
リードはカット!
はんだが覆ってい
ない!
512 223
153
682
332
102
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 10
<表面実装のはんだ付け失敗例と成功例>
④リード線取り付け(作業時間 10分) (ニッパ・リードペンチ・竹ピンセット)
□①・②番端子にSW線(赤色リード線)(①が180mm,②が170mm)
□③・④番端子にLED線(赤色リード線)(③が150mm→A+印,④が160mm→K)
□⑤・⑥・⑦番端子に黄色のリード線
□電池スナップの取り付け
⑦
⑥
⑤
④
③
② ① 赤 黒
予備はんだしたリード線の先端をリードペンチで曲げて端子に通した後,しっかりとかしめ...
ておくとはんだ付けしやすい。取り付けたリード線は曲がったり折れたりしないようにまっす
ぐに伸ばしておくこと。
※力をかけすぎてリード線の先端を潰さないように注意すること。
左から固定し
ていくこと。
先端の処理をしてか
らからげること。
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 11
完成した基板は支持台に載せたままで,次の作業に移る。
クセをつけない!
基板と平行に固定
スナップの向きに
注意!
ビニール被覆を焦
がさないこと!
基板と平行に固定
はんだの流れ込み
に注意!
基板と平行に固定
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 12
(5)シャーシ組み立て(作業時間 15分) ●ゴーグルを外し,手袋を装着する。
※できるだけ部品マットの上で作業すること。(部品落下の防止のため)
①ゴム足・スペーサの取り付け (ナットドライバ・プラスドライバ)
□ゴム足・ネジ・平座金(ワッシャ)・ナット・スぺーサを図のように取り付ける。
座金(ワッシャ)の入れ忘れに注意すること。
(できればナットの角の向きにも注意したい。)
※ネジの締め付けの目安はゴム足を持って力をかけても回らない程度。締めすぎてはいけない。
②スイッチ・端子台の取り付け (プラスドライバ・ナットドライバ・板スパナ)
□端子台を取り付ける部品と位置を間違えないこと。
※ナットドライバがシャーシに直接触れるとキズを付けるおそれがあるので注意すること。
□スイッチは,あらかじめ表のナットの位置を決め,裏のナットを締めて取り付ける。シャー
シの表側でスパナは使わず裏側だけに使用する。スパナの平面には傷防止のためにテープを
貼っておくとよい。
※傾きに注意すること。
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 13
③電池ボックスの取り付け (ナットドライバ小・細プラスドライバ)
□M2のネジを使用して電池ボックスを固定する。この時シャーシを汚したり,ネジの落下・
紛失に注意し,しっかり固定すること。(締め閉めすぎに注意する)
また,座金(ワッシャ)の入れ忘れに注意すること。
④基板の取り付け (ナットドライバ・プラスドライバ)
□M3のネジを使用して基板を固定する。このとき,締めすぎてシャーシを傷つけないように
注意すること。
※ばね座金はナット側だけにつけ,ナットの角は4箇所とも揃えること。
シャーシに触れな
いように!
基板側にナット
スペーサ
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 14
(6)端子とリード線のはんだ付け(作業時間10分) ●ゴーグルの着用
※シャーシ内にウェスを敷いて作業すること。(フラックスの飛散防止のため)
□端子台・スイッチ端子への取り付け (はんだごて大・ニッパ・リードペンチ他)
予備はんだしたリード線を,端子台とスイッチ端子は「下」から,LED表示灯は「左」か
ら絡げて軽くかしめてからはんだする。ビニール被覆が焦げないように注意すること。
□スイッチ端子と赤色リード線
1番(長)→ スイッチ端子の下
2番(短)→ スイッチ端子の中
◆ここで製作・組立は終了する。もう一度各箇所を点検すること!
<チェック>
○電源を投入する前に,必ず各部品(IC・コンデンサなど)の極性を確認すること。
○線くず,飛びはんだを取り去ること。(ショートの原因)
同じ向きにからげ
てはんだ付けする。
こて先と横から
あてると焦げにくい
リード線にクセが
つかないように
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 15
(7)動作チェック(作業時間5分) (テスタ・調整ドライバ)
①フォトダイオードの調整
□S1スイッチをOFFにしてVR1を左に回しきり,電池
を挿入する。
□TP1とTP2にテスタを接続し,スイッチをONにする。
電圧が1.5±0.05VなるようにVR1を調整する。
フォトダイオードの上部の光を遮断して,リレーが動作し,
LEDが点灯すればよい。
②端子間の導通チェック
□テスタをターミナル(黒-黄・黒-赤)に接続し,レンジを導通チェックに切り替えて,
リレーを動作させ,導通と絶縁が切り替わることを確認する。
※もし正しく動作しなければ各部品の配置や接続状態を確認して間違いを探し,修正する。
(8)提出前の最終点検 (竹ピンセット・ハケ等)
□線くず,飛びはんだ,ごみを完全に取り去ること。
□部品・リード線等の修正をする。
□スイッチはOFFにしておく。端子ネジは締めておく。
ピー!
玉工技能検定電子機器組立て実技マニュアル(訂正) 16
(9)標準時間(1時間30分)に近づいたら・・・
◆点検が終わったら・・・ 挙手をして試験終了!
標準時間直前(5分前くらい)に挙手をして終了を告げる。標準時間超過は減点になるので
注意すること。課題を提出したら,作業スペースの清掃と工具の手入れと片付けをして静かに
退出する。
◆もし正常に動作しないときは? → 点検表&誤動作事例表を見よう!
<間違え例>
LEDが点灯しない → アノードとカソードの誤配線では?
LEDの点滅が速い → セラミックコンデンサの間違いでは?
※ 図の一部は,中央職業能力開発協会「平成24年度技能検定 3級 電子機器組立て(電子機器組立て作業)
実技試験問題」から転載した。