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現代中国研究拠点 研究シリーズ No.13 南進する中国と東南アジア: 地域の「中国化」 末廣昭・伊藤亜聖・大泉啓一郎 助川成也・宮島良明・森田英嗣 東京大学社会科学研究所 Institute of Social Science ISS Contemporary Chinese Studies No.13 Is China's southern advance Sinicizing Southeast Asia? Akira Suehiro Asei Ito Keiichiro Oizumi Seiya Sukegawa Yoshiaki Miyajima Hidetsugu Morita INSTITUTE OF SOCIAL SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO ISS Contemporary Chinese Studies No.13

南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

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現代中国研究拠点 研究シリーズ No.13

南進する中国と東南アジア:地域の「中国化」

末廣昭・伊藤亜聖・大泉啓一郎助川成也・宮島良明・森田英嗣

東京大学社会科学研究所Institute of Social Science

ISS Contemporary Chinese Studies No.13

Is China's southern advance Sinicizing Southeast Asia?

Akira SuehiroAsei ItoKeiichiro OizumiSeiya SukegawaYoshiaki MiyajimaHidetsugu Morita

INSTITUTE OF SOCIAL SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO

南進する中国と東南アジア:地域の「中国化」

ISSC

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hinese Studies No.13

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現代中国研究拠点 研究シリーズ No.13 東京大学社会科学研究所

南進する中国と東南アジア:

地域の「中国化」

末廣昭・伊藤亜聖・大泉啓一郎

助川成也・宮島良明・森田英嗣

【写真】タイ(メーソート)=ミャンマー(ミヤワディ)の国境検問所

タイ側からのぞむ(2013 年 8 月 23 日、森田英嗣撮影)

2014 年 3 月

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はじめに

本報告書は、人間文化研究機構の「現代中国研究拠点事業・中国経済」を担当する東京大

学、その中に設置された「貿易班」の 4 冊目の研究成果である。

1 冊目は、2008 年 3 月に刊行した宮島良明・大泉啓一郎『中国の台頭と東アジア域内貿易:

World Trade Atlas (1996-2006) の分析から』(東京大学社会科学研究所、現代中国研究拠点研

究シリーズ No.1)である。「World Trade Atlas」を使って詳細な貿易データを整理し、その

エッセンスは英文でも紹介した (ISS Social Science, September 2008)。

2 冊目は、2009 年 3 月に刊行した末廣昭・宮島良明・大泉啓一郎・助川成也・青木まき、

ソムポップ・マーナランサン.『大メコン圏(GMS)を中国から捉えなおす』(同上、研究

シリーズ No.3)である。この報告書では、大メコン圏(GMS)に研究の焦点をあて、GMS

の展開と中国の対外戦略との関係、中国各省とカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム

(CLMV)との貿易関係、中国各省と ASEAN 諸国の貿易結合度の変化、ASEAN の FTA 戦

略と GMS(ジェトロの日系企業調査)、タイの対外経済戦略と GMS を、それぞれ取り上

げた。また、GMS に関する詳細な年表と文献目録も作成して掲載した。

3 冊目は、2011 年 3 月に刊行した末廣昭・大泉啓一郎・助川成也・布田功治・宮島良明『中

国の対外膨張と大メコン圏(GMS)・CLMV』(同上、研究シリーズ No.7)である。この

報告書では、南北経済回廊の一部とタイ北部の国境地帯(2008 年)、ベトナムからラオス

をへてタイ東北部までの東西経済回廊の一部(2009 年)、ベトナムのホーチミンからカン

ボジアのプノンペン、タイとの国境コッコンをへて、バンコクに至る南部経済回廊(2010

年)の詳しい実走記録を掲載した。経済回廊の区間ごとの速度や交通量、国境経済区の実態

を詳しく紹介したので、経済回廊の「構想と現実の乖離」を知ることができる。

同報告書では、そのほかに中国の対外経済戦略(貿易・直接投資・援助・経済合作・国有

企業)と、中国企業の東南アジア進出の実態、日本政府が主導する「日メコン協力」の背景

とその内容、中国と CLM、中国とベトナムの経済関係についても分析を行った。

いずれの報告書も、社会科学研究所のホームページ(現代中国研究拠点事業)で公開して

いるので、ご覧いただければ幸いである。

さて、今回で 4 冊目となる私たち「貿易班」の報告書は、『南進する中国と東南アジア:

地域の「中国化」』と題して、引き続き中国・ASEAN の経済関係に焦点をあてた。ここで

言う「中国化」(Sinicization)とは、貿易、投資、援助、経済合作(建設請負や労務提供な

ど)、博覧会、孔子学院において、中国が国有企業(中央と地方)、民営企業、大学、海外の

華人団体など多種多様なアクターを動員しつつ、自国に有利な「環境作り」を推進している

実態を指す。それは、2010 年に完成した「中国 ASEAN 包括的経済協定」を補完するとと

もに、地域において中国の主導権を構築する試みでもあった。

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本報告書の第1章では、3 冊目と同様に、ミャンマー(ヤンゴン、ネピドー)とタイ南部

の調査(2011 年)、中国南部の広州=南寧=友誼関・浦塞(ベトナムとの国境)の調査(2012

年)、タイ東北部のコーンゲンからタイ・ミャンマー国境(ミヤワディ)に至る東西経済回

廊の未踏査部分の調査(2013 年)に関する実走記録を、前回と同じ形式で掲載した。

第2章(末廣論文)は、中国・ASEAN の関係を、2004 年から広西チワン族自治区の南寧

市で開催されている「中国 ASEAN 博覧会」(CAEXPO)に焦点を絞って検討し、物産展だ

けではなく、投資サミット、魅力の城(観光都市の紹介)、開幕式(首脳の集い)、経済フォ

ーラム(地域協力)、政策対話などを通じて、中国主導の環境作り(地域の中国化)が着実

に進んでいる実態を紹介する。

第3章(伊藤論文)は、3 冊目で末廣(第 2 章)が日本語・英語文献を使って試みた中国・

ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

ップデイトすると同時に、進出した中国企業の企業名と所在地、資本所有形態、産業分野に

関する網羅的なリストを提供する。また、中国のソフトパワー戦略の中心をなす孔子学院の

活動についても、初めてデータの整理を試みる。

第4章(大泉論文)は、2 冊目で大泉(第 3 章)が行った、中国・ASEAN 諸国の貿易結

合度指数に関するデータのアップデイトを行う。今回は、期間を 2001~06 年と 2007 年~12

年の 2 つに分け、大陸部 ASEAN 諸国、島嶼部 ASEAN 諸国、日本を含む東アジアと、中国

の各省レベルの間の輸出と輸入の結合度の変化を測定し、ベトナム・フィリピン・マレーシ

アと重慶市とのサプライチェーンなど、新しい経済関係の展開を浮き彫りにする。

第5章(宮島論文)は、「Global Trade Atlas」を使って、中国と ASEAN 加盟 10 カ国の輸

出と輸入について詳しい動向を追う。具体的には、1995 年、2005 年、2012 年の 3 つを基準

年にとり、貿易相手先上位 10 カ国・地域と貿易商品上位 10 品目(HS コード 4 桁分類、計

1280 品目)の変化をみる。同時に、中国市場における ASEAN 製品のシェアの変化も整理

する。なお、本章は 1 冊目のデータの更新も兼ねている。

第6章(助川論文)は、2015 年の妥結を目指して交渉が続けられている「東アジア包括

的経済連携」(RCEP)を念頭におきつつ、ASEAN 自由貿易地域(AFTA)と ASEAN・中国

FTA の 2 つをとりあげ、両者の制度化や自由化の水準がどこまで進んでいるのかを検証す

る。同時に、FTA は関係国を「勝ち組」と「負け組」に二分するという見解に対し、自然

災害に対するリスク分散によって、その状況に変化が現れてきている事実にも注目する。

なお、今回は口絵として、2 つのフィールド調査に同行した森田英嗣氏(社会科学研究所)

に「写真集」を作成していただいた。これにより、読者にはよりビジュアルに調査した現地

の様子が理解していただけるものと信じている。

最後に、本報告書が中国や日本と東南アジア諸国・CLMV との経済関係に関心をもつ多

くの人々に利用されることを期待したい。

末廣昭 2014 年 2 月 7 日

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目 次

はじめに

目 次

口絵写真集 ミャンマー(ヤンゴン、ネピドー)・南タイのラノーン県、東西経済回廊

(タイ・コーンゲン、ミャンマー・ミヤワディ) 森田英嗣・・・・i~xvi

第1章 大メコン圏(GMS)走行記録:ミャンマー・南タイ、南寧・友誼関、

東西経済回廊 末廣昭・助川成也・布田功治・宮島良明・・・・・・1

第2章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会(CAEXPO) 末廣昭・・・・・ 41

第3章 中国 ASEAN 経済関係の諸相:南進しているのは誰か? 伊藤亜聖・・・・・ 81

第4章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?:

貿易結合度指数を用いて 大泉啓一郎・・・・・119

第5章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易:

Global Trade Atlas(1995-2012) の分析から 宮島良明・・・・・171

第6章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

助川成也・・・・・197

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執筆者一覧 (執筆順)

森田英嗣

(東京大学社会科学研究所 技術専門職員)

末廣 昭

(東京大学社会科学研究所 教授)

助川成也

(中央大学経済研究所 客員研究員)

(日本貿易振興機構 企画部事業推進班 所属)

布田功治

(東海大学経済学部 専任講師)

宮島良明

(北海学園大学経済学部 准教授)

伊藤亜聖

(東京大学社会科学研究所 特任助教)

大泉啓一郎

(株式会社日本総合研究所 上席主任研究員)

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図表 大メコン圏(GMS)の経済回廊

(出所)Asian Development Bank, Corridor Chronicles: Profiles of Cross Border

Activities in the Greater Mekong Subregion, December 2008, p.57.をもとに末廣作成。

地図の番号は本報告書の第1章を参照。

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

ii

【写真 1】 ヤンゴン・ネピドー間の高速道路(コンクリート舗装)を走る長距離バス(2011 年

8 月 21 日、以下写真 28 まで森田撮影)

【写真 2】 首都ネピドーの市庁舎を望む(ネピドー、2011 年 8 月 22 日)

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【写真 3】 ミャンマー商務省国境貿易局アウン・ミン局長、ミント・ウィン副局長ほかとの面

談(ネピドー、2011 年 8 月 22 日)

【写真 4】 首都ネピドーのホテル建設現場にて(ネピドー、2011 年 8 月 22 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 5】 首都ネピドーのホテル建設現場にて(ネピドー、2011 年 8 月 22 日)

【写真 6】 首都ネピドーのホテル建設現場にて(ネピドー、2011 年 8 月 22 日)

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【写真 7】 ピンマナ市の市場にて(ピンマナ、2011 年 8 月 22 日)

【写真 8】 ヤンゴン郊外の工業団地内のガーメント工場(ヤンゴン、2011 年 8 月 23 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 9】 ガーメント工場でヒアリング中の調査グループ(ヤンゴン、2011 年 8 月 23 日)

【写真 10】 タイ南部のゴム園でゴム樹液からシートラバーを作るモン族系ミャンマー人(プラ

チュアップキーリーカン、2011 年 8 月 24 日)

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【写真 11】 ゴム園で働くモン族系ミャンマー人の家族(プラチュアップキーリーカン、2011

年 8 月 24 日)

【写真 12】 タイ南部ラノーン魚卸市場(ラノーン、2011 年 8 月 25 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 13】 タイ南部ラノーン魚卸市場で交渉をするミャンマー人(左)とタイ人(ラノーン、

2011 年 8 月 25 日)

【写真 14】 JETRO Bangkok 主催セミナーで「中進国タイはどこに向かうのか」と題して講演す

る末廣昭教授(バンコク、2011 年 8 月 26 日)

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【写真 15】 タイ国家経済社会開発庁(NESDB)アーコム長官(バンコク、2013 年 8 月 19 日)

【写真 16】 アマタナコン工業団地での聞き取り調査(チョンブリー県、2013 年 8 月 19 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 17】 東北タイ・スラナリー工業団地での工場視察と聞き取り調査(ナコンラーチャシー

マー、2013 年 8 月 20 日)

【写真 18】 コーンゲン大学メコン・インスティテュートでのワークショップ(コーンゲン、2013

年 8 月 21 日)

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【写真 19】 タイ、ピッサヌローク県境の手前、道路の拡幅工事中(ペッチャブーン、2013 年 8

月 22 日)

【写真 20】 メーソート工業団地のガーメント工場での工場視察と聞き取り調査(メーソート、

2013 年 8 月 23 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 21】 タイ(メーソート)とミャンマー(ミヤワディ)の国境ポイント(メーソート、2013

年 8 月 23 日)

【写真 22】 ミヤワディ国境貿易地区にある保税倉庫(ミヤワディ、2013 年 8 月 23 日)

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【写真 23】 ミヤワディ市内の公設市場(ミヤワディ、2013 年 8 月 23 日)

【写真 24】 ナコンサワン県チャオプラヤー川の浮き家と水上生活者(2013 年 8 月 25 日)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

xiv

【写真 25】 チャオプラヤー川源流地点、チェンマイから流れるピン川(左側)とナーン県から

流れるナーン川(右側)の合流地点(ナコンサワン、2013 年 8 月 25 日)

【写真 26】 ノンタブリー県にある幼稚園から高校までの一貫したイスラームの私立学校(ター

イット校)(2013 年 8 月 26 日)

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【写真 27】 タークからミャンマーとの国境メーソートに向かう大型コンテナ車(2013 年 8 月

24 日 8 時 59 分 57 秒撮影)

(同日 9 時 00 分 08 秒撮影) (同日 9 時 01 分 52 秒撮影)

(同日 9 時 02 分 22 秒撮影) (同日 9 時 02 分 40 秒撮影)

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口絵写真集 ミャンマー・南タイのラノーン県、東西経済回廊

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【写真 28】 タイ、ミャンマーの各地で食べた料理の数々(2011 年 8 月、2013 年 8 月)

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第 1 章

大メコン圏(GMS)走行記録

ミャンマー・南タイ、南寧・友誼関、東西経済回廊

末廣昭・助川成也・布田功治・宮島良明

はじめに

私たち現代中国研究拠点事業(東京大学)の貿易班(GMS 班)は、大メコン圏(GMS)

の経済回廊の実態調査のために、次のような地域を実走し、その記録を紹介してきた。

① 2008 年 8 月 南北経済回廊の一部。バンコクからチェンラーイ、北タイのミャンマー

との国境(メーサーイ)、ラオス国境(チェンセーン、チェンコン)を視察。そのあと

飛行機でバンコクから昆明へ。雲南大学、商業会議所などで聞き取り調査。

② 2009 年 8 月 東西経済回廊の一部。ハノイを出発、南下してドーンハ、ベトナム(ラ

オバオ)・ラオス(デンサワン)の国境を通過後、ラオス国内を横断して、ラオス(サ

ヴァンナケート)・タイ(ムックダーハーン)の国境をへて東北タイのコーンゲンまで。

③ 2010 年 1 月 ベトナム中部の「開発の三角地帯」。ベトナム中部とラオス、カンボジア

の国境を視察(現代中国研究拠点事業ではなく、末廣が個別に参加)。

④ 2010 年 8 月 南部経済回廊。ホーチミンからベトナム(モックバイ)・カンボジア(バ

ベット)国境をへて、プノンペン、シハヌークビル港、北上してタイとの国境コッコン

へ。その後、タイ側国境(ハートレック)からラヨーン県をへてバンコクへ。

⑤ 2011 年 8 月 ミャンマーのヤンゴンからネピドーへ。ヤンゴン近郊で工場調査。

⑥ 2011 年 8 月 タイのバンコクから南下して、ミャンマーと海をへだてた対岸のラノー

ン県へ。ラノーン市にはミャンマー人が働く巨大な魚卸売市場が存在する。

⑦ 2012 年 8 月 中国の広州、広西チワン族自治区の南寧市をへて西に進路をとり、ベト

ナムとの国境(友誼関と浦塞)を往復。南寧市と広州市で工場調査。

⑧ 2013 年 8 月 東西経済回廊の残りの一部。バンコクからコーラート経由でコーンゲン

へ北上。コーンゲンを起点にして西に進路をとり、タークをへてタイ(メーソート)・

ミャンマー(ミヤワディ)の国境へ。メーソートとミヤワディを視察。

以上の 8 つのうち①から④は、末廣昭ほか『中国の対外膨張と大メコン圏(GMS)・CLMV』

(現代中国研究拠点、研究シリーズ No.7)の第1章に、詳細な実走記録を掲載した。残り

の⑤、⑦、⑧が本章の実走記録の対象となる。地図と当該番号については、図表 1-1(巻頭

カラー写真に掲げた図表も参照)を参照していただきたい。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

2

図表 1-1 大メコン圏(GMS)の経済回廊

(出所)Asian Development Bank, Corridor Chronicles: Profiles of Cross Border Activities in the

Greater Mekong Subregion, December 2008, p.57.をもとに末廣作成。

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図表 1-2 は、過去の実走記録も含めて、2009 年から 2013 年までの大メコン圏の主な経済

回廊や特定の区間の走行距離と時速(休憩を除く)を計測し、比較したものである。

まず目につくのは、中国の広州=南寧、南寧=友誼関(ベトナムとの国境)の片道 2 車線

道路の整備の良さである。平均時速は 80 キロに達し、東南アジアで も道路が整備されて

いるタイにほぼ匹敵する。また、ヤンゴンと首都ネピドーの間も道路は整備されており、片

道 4 車線の新道に限れば、平均時速は 84 キロと 高の速度を記録した。これとは対照的に、

ベトナムは国道 1 号線、ホーチミンからカンボジア国境のモックバイまでの走行実績は、時

速がそれぞれ 49 キロ、37 キロと、極端に低かった。ホーチミン=モックバイ間は法律で時

速が 40 キロに制限されているためと、コンテナ車やトラック、乗用車、自転車が入り乱れ

て通行しているため、時速 40 キロにも達していない。

同時に、1 級国道(全天候対応の高速道路が中心)であっても、平地と山間部の間では大

きな差が見られる。例えば、タイ国内を横断する東西経済回廊の場合、平地を走るムックダ

ーハーン=コーンゲン間、ピッサヌローク=ターク間と、山間部のコーンゲン=ピッサヌロ

ーク間、ターク=ミャンマー国境のメーソート間では、時速に大きな差があることに注意し

ておきたい。

年次 参考 国 走行区間と道路の等級 走行距離 時速

2009 参考 ベトナム ハノイ=ディエンチョウ(国道21号、15号線) 392 63.1

2009 参考 ベトナム ディエンチョウ=ドーンハ(国道1号線) 340 49.3

2009 参考 ベトナム ドーンハ=ラオス国境ラオバオ(山間部) 76 53.6

2009 参考 ラオス 国境デンサワン=タイ国境サヴァンナケート 243 71.8

2009 参考 タ イ 国境ムックダーハーン=コーンゲン(209号線) 254 80.6

2010 参考 ベトナム ホーチミン=カンボジア国境モックバイ 74 36.7

2010 参考 カンボジア 国境バペット=プノンペン(1級国道) 172 60.7

2010 参考 カンボジア シハヌークビル港=タイ国境コッコン(山間部) 252 57.9

2010 参考 タ イ 国境ハートレック=バンコク(高速) 480 82.5

2011 ミャンマー ヤンゴン市内=ネピドー(高速含む) 355 78.3

2011 ミャンマー ヤンゴン=ネピドー(片道4車線の新道のみ) 323 84.3

2012 中 国 広州=南寧(高速のみ) 446 81.0

2012 中 国 南寧=ベトナム国境友誼関(高速のみ) 150 80.5

2012 中 国 国境浦塞=南寧(高速のみ) 153 78.9

2013 タ イ バンコク=ナコンラーチャシーマー(2号線) 299 63.5

2013 タ イ ナコンラーチャシーマー=コーンゲン(2号線) 156 74.4

2013 タ イ コーンゲン=ピッサヌローク(12号線、山間部) 232 67.3

2013 タ イ ピッサヌローク=ターク(12号線) 164 73.9

2013 タ イ ターク=ミャンマー国境メーソート(全行程) 163 57.8

2013 タ イ ターク=メーソート(山越え区間) 101 54.5

2013 タ イ スコータイ=ナコンサワン(1号線) 273 68.4

2013 タ イ ナコンサワン=バンコク(1号線) 226 71.2

(出所)各年の実走記録にもとづき末廣作成。

図表1-2 GMS実走の走行距離と時速の比較 (単位:キロメートル)

(注)2010年のカンボジアは現代自動車COUTY、ベトナムとタイはトヨタ・ハイエース。2011年、2012年、2013年はいずれもトヨタ・ハイエース(10人乗り、15人乗り)。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

4

第1節 ミャンマー、南タイ(ラノーン県)2011 年 8 月

調査期間:2011 年 8 月 20 日から 28 日

調査メンバー:末廣昭(東京大学社会科学研究所)、大泉啓一郎(日本総研)、助川成也(日

本貿易振興機構バンコクセンター)、宮島良明(北海学園大学)、佐藤正喜(バンコク日本人

商工会議所 GMS 分科会委員)、森田英嗣(社会科学研究所)。

調査日程と内容:

8 月 20 日 午前の便で成田出発。午後 3 時 25 分タイのスワンナプーム国際空港に到着。

飛行機乗り継ぎで、午後 6 時 50 分ヤンゴンに到着。午後 8 時 10 分、Sedona Hotel に投宿(1

泊 75 ドル。2013 年には 200 ドルを超える)。

8 月 21 日:午前 7 時 40 分、ホテルを出発。車でヤンゴンから新首都ネピドーへ。走行距

離 350 キロ。ネピドー入口料金所に午後 1 時に到着。宝石ミュージアム、100 億ドル以上を

かけたと思われる巨大なウッパタタンティ・パゴダ、ハイパーマケットのオーシャン(フラ

ンス資本とタイのサハ・グループの合弁。ヤンゴン市内にも店舗あり)を見学。ネピドーの

Thingaha Hotel 宿泊。バンガロー形式で 1 泊 55 ドル。

8 月 22 日:午後 国境貿易局のアウン・ミン局長、ミント・ウィン副局長ほかと面談。

旧市街のピンマナ町を視察。ネピドーからヤンゴンへ帰還。交通渋滞でヤンゴンの入口から

レストランまで 20 キロに 1 時間を要す。夜 ヤンゴン日本人商工会議所メンバー、ジェト

ロ・ヤンゴン事務所の駐在員から聞き取り調査。

8 月 23 日:ヤンゴン近郊のミンガラドン工業団地(Mingaladon Industrial Park、1998 年完

成、入居 8 社)と地場のガーメント工場視察(850 人、EU 向け輸出)。午後、日系ガーメン

ト工場 TI Garment を視察(1030 名、紳士用ワイシャツほか、イトーヨーカ堂に納品)、聞き

取り調査(巻頭カラー写真)。夕方、ヤンゴン市内のスーパー、百貨店を視察。午後 7 時 45

分発の飛行機でバンコクへ。

8 月 24 日:午前 6 時 45 分バンコクを車で出発。午前 10 時 30 分、プラチュアップキーリ

ーカン県とミャンマーの間の国境を視察。午前 12 時、フアイグリアット産業村で聞き取り

調査。午後 4 時半、クラ地峡通過。午後 6 時、ラノーン市街に到着。走行距離 587 キロ。夜

は海岸に面した野外レストランでタイの海鮮料理。

8 月 25 日:早朝、ラノーン港と魚生鮮卸売市場を見学(ラノーン県で働くミャンマー人

は 5 万人)。午前 8 時 30 分、バンコクに向け出発。夕方バンコクに到着。

8 月 26 日:午後、日本貿易振興機構バンコクセンター主催で末廣のタイ経済に関する講

演会。夜 チュラーロンコン大学ほかの経済学者たちと懇談。

8 月 27 日:バンコク近郊のノンタブリー県パックレ島、アユタヤー県のムスリム村落を

視察。夜中の便で成田に向かう。28 日早朝、成田着。

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5

図表 1-3 ヤンゴン=ネピドー(2011 年 8 月 21 日)

経過時間 累計時間

7:42 0:00 0:00 セドナホテル Sedona Hotel を出発小雨。空港横ピー道路(Pyay Rd.)を一路北へ。.車の混雑ぶりは想像以上。

7:56 0.14プロム通り6車線、国道1号線につながる

左手にゴルフ場、Myanmar Golden Land。ヤンゴン市内、97年頃からオートバイ乗り入れ禁止

7:59 0.17 左手にゴルフ場、City Resort Golf

8:01 0.19 左手にゴルフ場

8:02 0.20 左手に教会(アルカン教会)

8:03 0.21 左手に軍医科大学、軍人居住地

8:06 0:24 0:24 チャイカノム・パゴダ横 10 このあと、初めてオートバイを見る

8:09 0.27 右手、湖と浄水場 6車線の舗装道路。家屋がなくなる

8:14 0:08 0:32Myanmar CP Livestock Company(ミャンマーCPライブストック工場)

25タイのCPグループ畜産用飼料工場(CP社は2010年まで連続で税納入企業1位)、デーウの縫製工場

8:17 0:03 0:35 連合軍墓地 28 墓地過ぎてすぐにタウチェンの街

8:19 0:02 0:37ヤンゴン市境の石碑(写真あり)・料金所

29旧道路走行の場合支払い。新道路は車番確認。

8:23 0:04 0:41 新道路へ(左折)。8車線 32料金は5000チャット。新道路はコンクリート、旧道路はアスファルト。この先、水田が広がる

8:34 0:52 新道路8マイル地点 この辺りから天然ゴムが目立つ

8:37 0:14 0:55 新道路10マイル地点 48 見晴らしよく、対向車1台(ジープ)

8:41 0:04 0:59 新道路13マイル地点 53

ヤンゴン=ネピドー路線バスと擦れ違う。午前4時半から7時、午後8時から10時は15分おき。普通バス6500チャット、エアコンバス8500チャット

8:49 0:08 1:07 20マイル地点 65バゴー山脈入口(1980年代までチーク材産地)

8:51 1:09 22マイル地点天然ゴム園が続く。会社に30年間レンタル、入植地の上限は5000エーカー

8:59 1:17 29/4マイル地点 道路修復工事

9:00 0:11 1:18 30マイル地点 75

9:08 1:26 37/2マイル地点 川を越える

9:09 1:27 38/3マイル地点 初めて自転車と人を道路内に見る

9:10 0:10 1:28 39/2マイル地点 95ペヤジー交差点。右折するとモーラミャイン経由でメソットにつながる道路。

9:11 1:29 40/2マイル地点 左手に16の平屋建物。養鶏場か?

9:13 1:31 42/1マイル地点 左手にセメント配給工場 (砕石場?)

9:19 0:09 1:37 46/5マイル地点。 107 ワーカドックダム

9:23 0:04 1:41 50マイル地点 112

9:25 0:02 1:43 道路幅標識確認(写真あり) 116道路局が保有している土地の幅を示す標識

9:34 1:52 59マイル地点この地点から60/5マイル地点までゴム園が整然と続く。64/5マイル地点から再度ゴム園に

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:助川成也、末廣昭)

その1 ヤンゴン~ネピドー(2011年8月21日)

備考時刻 累計距離地点

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

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図表 1-3(続き) ヤンゴン=ネピドー(2011 年 8 月 21 日)

経過時間 累計時間

9:35 0:10 1:53 60マイル地点 129

9:44 2:02 68/5マイル地点 左手にセメント配給工場 (砕石場?)

9:46 0:11 2:04 70マイル地点 145 車線の間に夜間反射板埋め込み確認

9:48 0:02 2:06 72マイル地点 右手に建設省のオフィス。若干道路悪し

9:57 2:15 80マイル地点 両脇に水田が広がる。農民多くみる

10:00 2:18 左手、山が迫る

10:02 0:16 2:20 83/6マイル地点 167 Mura hia方面交差点。右手に少し大きな町

10:03 2:21 85/5マイル地点初めて速度制限100キロの標識。以後一定距離ごとにネピドーまで標識あり

10:07 88/5マイル地点チークの植林をみる。ネピドーまで85キロの標識あり。

10:09 0:07 2:27 90マイル地点 177 この辺りから両脇に整備された水田広がる

10:20 0:11 2:38 100マイル地点 193 112マイル地点まで見事な水田

10:35 2:53 114マイル地点 ピュー川 (Phyu River)を渡る

10:37 0:17 2:55115マイル地点。ドライブイン到着・休憩

217

ガソリン補充。リッター当たり777.78チャット。Express の店で食事。伝統的な麺(タイのカノムチーン)とミャンマー風ミルクティー。各種ぶっかけご飯のほか、日本の寿司、日本酒もあり。コメ(健康、低カロリーを謳い文句にしたAyeya の「勃山香山印」Paw San、2キロ、5キロ、10キロの袋詰めの3種類)や国産ワイン(Ngwe Nan Taw,Damson Wine ぶどうは有機栽培)も販売。

11:15 0:38 3:33 休憩終了・出発 217

11:32 0:17 3:50 130マイル地点 242

11:40 0:08 3:58 137/6マイル地点 254左手にセイヤワディ製糖工場(80年代に日本のODA)。メヤワディへの道あり

11:42 0:02 4:00 140マイル地点 257

11:50 0:08 4:08 146/6マイル地点 268 Toungoo交差点。右手にガソリンスタンド

11:54 0:04 4:12 150マイル地点 273 道路に車両待避スペースあり

11:58 0:04 4:16 154/1マイル地点 280マンダレー行交差点。マンダレー行き道路は細い。近隣にサトウキビ畑

12:05 0:07 4:23 160マイル地点 290 サトウキビ畑が続く

12:10 0:05 4:28 165/1マイル地点 296 Yedasheへの交差点。ソワー川近接

12:15 0:05 4:33 170マイル地点 305 狭い区画の水田。田越し灌漑か?

12:19 0:04 4:37 173/2マイル地点 309 Thangayaへの交差点

12:26 0:07 4:44 179/3マイル地点 320道路工事50メートル。小規模のアスファルト補修は、175/7マイル地点、176/2マイル地点でもそれぞれ確認

12:27 0:01 4:45 180マイル地点 321

12:38 0:11 4:56 190マイル地点 337

12:42 0:04 5:00 193/4マイル地点 343 左手に国軍宿舎。右手は水田広がる

12:44 0:02 5:02 194/6マイル地点 345 峠。見晴らしよく調査団全員で記念撮影

累計距離 備考

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:助川成也、末廣昭)

その2 ヤンゴン~ネピドー(2011年8月21日)

時刻 地点

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7

図表 1-3(続き)ヤンゴン=ネピドー(2011 年 8 月 21 日)

経過時間 累計時間

12:53 0:09 5:11 休憩終了・出発 345

12:55 5.13 196/6マイル地点 橋を修理中

12:59 0:06 5:17 200マイル地点 353 両脇に水田が広がる

13:01 0:02 5:19 料金所・ネピドー入り 355支払い1000チャット。直進はマンダレー、ネピドーは右方向。ネピドー市内に入る

13:04 5.22 マイル表示はなくなる 検問所あり。ここから8車線に広がる

13:07 0:06 5:25左手にゴルフ場(Yang Ongi Golf)。右手は集落

360 ネピドーには計5カ所のゴルフ場あり

13:09 0:02 5:27USDP本部前。ロータリを左側に。ホテル集中地区に入る。

36280×60フィートで1000ドルで購入可能。建物4万ドル

13:14 0:05 5:32 宿泊ホテル前通過 369ホテル集中地区から銀行集中地区に入る

13:17 0:03 5:35 昼食のためストップ 371YKKO Kyay-Oh & Restaurant。麺のチェーン店。YKKOは Yan Kin (ミャンマーの有力実業家)、Khay-Oh(麺)の略記。

14:13 宝石ミュージアム到着

2階はルビー、サファイア、真珠、水晶などの原石や加工品の展示場、1階は宝石即売の小売店が入る。2011年の宝石フェアでは13億ドルの取引が成立

14:52 1:35 7:10 宝石ミュージアム出発 375

15:05 0:13 7:23 ウッパタタンティ・パゴダ到着 382 パゴタの前は20車線道路

15:50 0:45 8:08 パゴダ出発 382

16:07 0:17 8:25 ハイパーマーケット着 400

Junction Center 内の「オーシャン」(Ocean フランス資本、タイのサハ・グループと合弁、ヤンゴンにも大きな店舗あり)。1階は売り場、2階はテナントが入る。品揃えは生鮮品、日用品、家電品ともタイ並み。ミャンマー唯一の3D映画館もセンター内にあり

16:32 0:25 8:50 ハイパーマーケット出発 400

16:34 0:02 8:52 ホテル着 401

Thingaha Hotel バンガロー形式で、花の中にバンガローが配置され、ベランダもついて快適。大型液晶テレビあり。1泊55ドル

8:54 8:52 401

休憩時間の合計 3.32

走行時間の合計 8.52

実質走行時間 5.20

[1日目まとめ]

走行距離 時速

ヤンゴン市内~ネピドー入口 355 78.3

323 84.3

46 57.5

401 75.2

ネピドーに向かう新道(片道4車線)

備考

走行区間

累計距離

ネピドー市内

合 計

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:助川成也、末廣昭)

その3 ヤンゴン~ネピドー(2011年8月21日)

時刻 地点

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

8

ヤンゴンの南に位置するセドナホテルから北上して 40 分くらい車で走ると、左手にヤン

ゴンの市の境界を示す石碑が立っている。そこを超えると間もなく片道 4 車線の広い新道路

の料金所に到着。高速料金は 5000 チャット(5 ドル、10 チャット=1 円。因みに日系ガー

メント工場の従業員の平均賃金は月 60 ドル)。

新道路は荷物を搬送するトラックの乗り入れは禁止されているため、車輌の往来は少ない。

30 分間(走行距離 40 キロ)の間の対向車の数は、図表 1-4 にあるように、平均で 52 台。

ヤンゴンとネピドーを結ぶ定期路線の中型バス 9 台、乗用車 12 台、ピックアップ 12 台とき

わめて少ない。南タイに向かう道路と比較すると差は歴然としている。また、道路は平たん

でまっすぐなため、「速度制限 100 キロ」の看板があるものの、あっという間に 100 キロを

超えてしまう。このスピード超過が事故につながりやすいと聞いた。

車 種午後2時45分から午後3時15分

午後4時40分から午後5時10分

午後5時10分から午後5時40分

平均値

バ ス 0 9 17 9

乗用車 10 17 8 12

ピックアップ 9 10 18 12

ランドクルザー 13 9 3 8

トラック 3 6 2 4

バ ン 4 5 5 5

ジープ 3 3 2 3

合 計 42 59 55 52

車 種ミャンマー

(ヤンゴン=ネピドー新道路)

%タ イ

(国道4号線、フアヒン付近)

バ ス 9 16.7 4 0.9

乗用車 12 22.4 76 17.8

ピックアップ 12 23.7 193 45.3

ランドクルザー 8 16.0 0 0.0

トラック 4 7.1 139 32.6

バ ン 5 9.0 14 3.3

ジープ 3 5.1 0 0.0

合 計 52 100.0 426 100.0

図表1-4 ミャンマー、ネピドー=ヤンゴン間の車種別車の往来、2011年8月22日

図表1-5 ミャンマーとタイの車種別車の往来、2011年8月 (単位:台数、%)

(注)ミャンマーは、ネピドーからヤンゴンに向かう新国道(片道4車線、中央分離帯あり。トラック・コンテナ車の乗り入れは原則禁止)の対向車の数で、8月22日(火)の午後2時45分から30分、午後4時40分から30分、午後5時10分から30分の3回分の平均値。タイはバンコクから南タイのラノーン県に向かう国道4号線(片道4車線、中央分離帯あり)でフアヒン付近。8月24日(木)の午前10時10分から30分。末廣GMS調査グループの調査。

給油所とサービスエリアは、2011 年の段階では 100 マイル(161 キロ)地点(ヤンゴン市

内からは 183 キロ)に 1 カ所のみであった。2014 年現在、トイレのみ 50 マイル地点と 150

マイル地点に新設された。しかし、仮に事故や不具合が生じた場合には、ヤンゴンかネピド

ーから救援を頼まざるをえないので、陸路は決して便利とは言えない。実際、役人やビジネ

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スマンは、 近増便された飛行機の方をもっぱら利用している。

【補足1】 新首都ネピドー(Nay Pyi Taw)の建設(末廣昭記)

ネピドーは「Royal City」(王の住みたもう都市)の意味。総面積 7054 平方キロメートル。

人口は 2007 年 93 万人から 2011 年には 200 万人弱に増加し、ヤンゴン、マンダレイに次ぐ

第3位の都市である。ただし、ほとんどの建物は緑の樹木に囲まれており、通常の都市の景

観は見られない。中国の無償援助で建てられた国会議事堂(2010 年完工)は、東京ドーム

70 個分の広さを誇る(写真はネピドー市境の看板)。

2001 年、ヤンゴンからネピドーにつながる新道路の建設工

事が開始され、2003 年夏から首都建設が始まった。2005 年

11 月に省庁の建物・施設を旧ピンマナー町に移動。2006 年 3

月 27 日、国軍記念日の軍事パレードに合わせて、ネピドーの

お披露目がなされた。

なぜ、首都をヤンゴンからネピドーにわざわざ移転したの

かについては諸説がある( Malaysia, New Strait Times,

November 9, 2005)。

政府の公式見解は、ネピドーが国土の地理的中心に位置し、国民のニーズに対応しやすい

からというものだ。ただし、この見解を素直に受け入れるものはいない。①知識人・学生の

反政府運動の活動拠点になったヤンゴンを放棄し、仮に革命が起きても鎮圧しやすい内陸部

に首都機能を移動したという説。②外からの軍事攻撃に対応するために内陸部に移動したと

いう説(地下に巨大な施設を作るという情報もある)。③ネピドーが位置するピーネー州は、

カレン、シャン、チンなどの少数民族が多く、内戦が起きた場合に対処しやすいという説。

④タンシュエ元首お抱えの占星術師のお告げに従ったという説(ミャンマーでは占星術が盛

んであり、タイの政治指導者も相談に行く――末廣)。などなどである。

【補足2】 タイにおける CLM 諸国外国人労働者(末廣昭記)

タイは 1990 年代後半から非熟練労働力の慢性的不足に直面するようになった。この労働

力不足を埋めているのが、ラオス、カンボジア、ミャンマー(CLM)諸国からの移住労働

者である。ミャンマー訪問のあと、私たちがバンコクから南に 600 キロ離れたラノーン県を

訪れたのも、ラノーン港と魚卸売市場が、ミャンマー人の商人や労働者によって事実上、支

えられているからであった。

2010 年に実施されたタイの人口センサスによると(図表 1-6)、CLM 諸国の国籍を持った

人口は 196 万人。うち 157 万人がミャンマー人であった。また、171 万人は 15 歳から 60 歳

未満の「生産年齢人口」で占められ、多数の CLM 諸国の外国人労働者がタイの労働市場を

支えていることを示唆する。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

10

年齢構成 ミャンマー カンボジア ラオス 合計 %

0~14歳 191,458 18,938 8,561 218,957 11.2

15~60歳 1,363,327 177,405 166,008 1,706,740 87.2

60歳以上 19,285 3,062 9,037 31,384 1.6

合 計 1,574,070 199,405 183,606 1,957,081 100.0

3カ国% 80.4 10.2 9.4 100.0

(注)2010年人口・住宅センサスの結果にもとづき、国家経済社会開発庁(NESDB)が整理。

図表1-6 2010年センサスによるタイ在住のミャンマー、カンボジア、ラオス国籍の分布 (単位:人)

(出所)NESDB『2012年第3四半期社会状況報告』(タイ語)より末廣作成。

CLM 諸国の外国人労働者は、合法的に入国して労働許可証を持っている労働者と、非合

法に入国しているが、タイ政府の方針で一時的に労働許可証を発給している労働者(いわゆ

る「12 条・13 条労働者」)の 2 つに分かれる。

労働省外国人労働者事務所の統計によると、合法と非合法(ただし労働許可証の保有者)

の CLM 外国人労働者の数は、2002 年 36 万人から 2005 年には 85 万人に増加し、取り締ま

りの強化で 2008 年には 59 万人に減少した。しかし、タイ政府の非合法入国者への一時的就

労許可政策によって、2009 年には 142 万人(うち 12 条・13 条労働者が 131 万人)に跳ね上

がり、2011 年に 183 万人(同 125 万人)とピークを記録した。2012 年は、再度受入れの制

限を強化し、99 万 5000 人(同 17 万人)に半減している。

図表 1-7 は、CLM 外国人労働者の職種別分布を一覧で示したものである。アンダマン海

沖で漁業に従事する労働者(船の所有者はタイ人)、コメの搬送、天然ゴム、オイルパーム、

砂糖きびの収穫作業、建設作業など、いわゆる3K(きつき、汚い、危険)労働は、その大

半を CLM 諸国の労働者が担っている。また、家事や高齢者のケアに、5 万人近いミャンマ

ー人女性が従事している点も注目すべきであろう。

いまや、タイはこうした

CLM 諸国の労働者、とりわけ

ミャンマー人労働者の助け

がないと、経済が成り立たな

いところまできている。逆に、

今後ミャンマーで経済開発

が進むとすれば、それを担う

のはタイでさまざまな職種

を経験した移住労働者たち

である可能性が高い。

本章の第 3 節の補足9で紹介した、北タイのミャンマー国境のメーソート工業団地で、ミ

ャンマー人を雇用した工場視察記録も参照されたい。

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11

合計 男性 女性

0 労働者合計数 235,521 106,970 905,573 504,171 401,402 1,248,064

1 漁 業 15,073 1,153 24,902 22,192 2,710 41,128

2 水産加工業 9,149 820 96,882 46,193 50,689 106,851

3 農業及び畜産業 35,882 17,737 174,422 106,756 67,666 228,041

4 建設作業 84,368 12,321 135,473 85,306 50,167 232,162

5 農業関連業 10,335 3,493 68,054 42,514 25,540 81,882

6 畜産関連・解体業 3,544 1,767 36,726 21,131 15,595 42,037

7 リサイクル、廃品回収業 4,955 1,395 11,981 7,737 4,244 18,331

8 採鉱業・採石業 289 190 2,245 1,559 686 2,724

9 金属製品販売業 3,687 2,978 17,772 12,122 5,650 24,437

10 食料・飲料品販売業 9,340 13,499 38,759 19,949 18,810 61,598

11 土砂採掘業 956 718 8,168 4,647 3,521 9,842

12 建設資材製造販売業 2,653 1,435 12,922 8,921 4,001 17,010

13 石材加工業 366 174 2,732 1,731 1,001 3,272

14 衣類製造販売 4,423 6,285 63,973 21,995 41,978 74,681

15 プラスチック製品製造販売 3,214 2,670 18,251 10,990 7,261 24,135

16 紙製品製造販売 1,253 457 3,572 2,268 1,304 5,282

17 エレクトロニクス製造販売 1,352 461 5,080 3,195 1,885 6,893

18 船内・沿岸荷役,倉庫 2,588 513 7,664 5,262 2,402 10,765

19 卸売り・小売・露天商 10,089 8,067 37,439 22,854 14,585 55,595

20 自動車修理庫・洗浄・注油 1,221 1,646 5,902 4,241 1,661 8,769

21 オイル・ガス燃料供給所 692 1,103 3,115 2,016 1,099 4,910

22 教育機関・財団・協会 248 141 1,714 864 850 2,103

23 各種サービス業 22,417 11,495 66,642 37,637 29,005 100,554

24 家政婦、掃除、運転手 7,427 16,452 61,183 12,091 49,092 85,062

(注)この職種分類は国際標準にもとづくものではなく、タイ労働省雇用局発表のデータにもとづく。

(出所) สํานักบรหิารแรงงานตา่งดา้ว กรมการจัดหางาน. ผลการพจิารณาอนุญาตการทํางานของคนตา่งดา้ว ประจําปี๒๕๕๒-๒๕๕๕. (労働省職業斡旋局外国人労働者事務所編、Survey Results of the Foreign Worker’s Work Permit 2009-2012) 。竹口美久(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修士課程)が整理したデータ。末廣作成。

CLM合計

図表1-7 タイにおけるCLM労働者の職種別分布、2011年 (単位:人)

番号 職種 カンボジア ラオスミャンマー

<写真>左はウッパタタンティ・パゴダからネピドーを俯瞰する。

右の写真は広大なネピドー市内の道路。軍用にも使用できる。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

12

第2節 中国の広州市・南寧市・友誼関、浦塞 2012 年 8 月

調査期間:2012 年 8 月 16 日から 24 日

調査メンバー:末廣昭(承前)、伊藤亜聖(東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠点事

業)、大泉啓一郎、宮島良明、布田功治(東海大学)、金炫成(中京大学)、佐藤正喜、中島

勝利(社会科学研究所)、門闖(モンチン。広州:中山大学)。

調査日程と内容:(地図は、ADB, Corridor Chronicles, 2008, p.7.)

8 月 16 日:午後 5 時 20 分成田発。午後 9 時 10 分、広州の白雲国際空港に到着。

8 月 17 日:午前:広州市近郊の花都人民政府で朱承志副区長等から聞き取り調査(補足3

を参照)。午後、花都獅嶺(Shiling)皮革皮具城、獅嶺国際皮革電子交易中心を視察。夕方、

市内の電気街、天河の大型書店など視察。

8 月 18 日:午前 8 時すぎ広州市出発。午後 1 時、峯渓サービスエリアで昼食(カップ麺)。

午後 6 時 20 分、南寧市の南寧飯店にチェックイン。夜、

Parkson 百貨店。「老成都」で四川料理の火鍋。

8 月 19 日:午前 9 時 40 分、ホテル出発。南寧市から

ベトナム国境へ。午前 12 時、友誼関に到着。歴史館で

ある友誼館視察。午後、近くの国境貿易地区の浦塞(Pu

Zhai)を視察(補足4を参照)。午後 3 時 40 分、浦塞を

出発。午後 7 時 20 分、南寧飯店に帰宿。

8 月 20 日:午前、南寧市内の ASEAN 国際ビジネス

センター視察(民間会社の開発)。カンボジア園、日本

園などで聞き取り調査。昼、航洋国際購物中心。午後、

中国 ASEAN 博覧会会場(第2章を参照)、高新区技術産

業開発区(補足5を参照)を視察、聞き取り調査。午後

5 時半ホテルに戻る。

8 月 21 日:午前 8 時半、南寧のホテル出発。崇左(Chongzuo)のサービスエリアで「広

西北部湾経済区」の看板を見る(補足6を参照)。貴港、峯渓、安塘をへて、午後 6 時すぎ、

中山大学構内の宿舎「栄光堂」に到着。夕食は広西チワン族自治区の郷土料理。

8 月 22 日:午前、曁南大学の華僑華人研究所を訪問。午後、ジェトロ広州事務所で聞き

取り調査とデータ収集。夜、中信広場(ショッピングモール)視察。「東海海鮮酒家」で夕食。

8 月 23 日:午前、中山大学。午後、広州市東の近郊にある永和経済技術開発区の日系物

流会社で聞き取り調査。その後、広州市内の環市東路に面し、越秀公園近くの「中東アフリ

カ村」(チョコレート・シティ)を視察。登録人口のみで2万人以上(ナイジェリア 33%、

マリ 10%、ガーナ 8%、ギニア 6%)、周辺を含めると 20 万人以上のアフリカ人商人が活動

していると言われる。近隣の中東料理店で夕食。

8 月 24 日:午前 9 時 15 分発のフライトで広州出発。午後 2 時 40 分成田着。

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13

図表 1-8 広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

8:14 0 0 ホテル出発 0.0 Ramda Pearl Hotel 珠江に面している

8:17 3 3 ペットボトル購入 0.9

8:20 3 6 ペットボトルの店出発

8:33 13 19 東風西路に入る 10.6 白雲空港行きとの分岐道路

8:37 4 23 金沙州橋わたる 珠江を渡る。

8:40 3 26 広州北環状高速料金所 17.6 3元。片道4車線。

8:44 4 30 沙介たん(?)通過。 20.6その後、北江大橋(Beijiang Daqiao)をわたる

0 30 補修工事

8;51 7 37 分岐点を右へ 住宅街が左右に続く。

9:00 9 46 36.3片道4車線。左から時速100、100、100、80キロ。

9:04 4 50 花都区への分岐点 41.9 この辺り、農家とマンションが混在。

9:10 6 56 獅嶺(Shiling) IC 通過 50.6

9:11 1 57 南行と北行が分かれる(G94) 結構、コンテナ車、12輪車をみる。

9:13 2 59 西川わたる(珠江の支流)

9:16 3 62 雲浮、肇慶方面への分岐点 57.5 片道3車線

9:18 2 64 右手に広東電覧企業集団の工場。

9:20 2 66 三水(Sanshui)方面への分岐点 63.1 片道2車線

9:23 3 69 国道80号線(広昆高速)の標識 南寧まで621キロの標識。

9:24 1 70 西川再びわたる 金鳥大橋、全長1190メートル。

9:25 1 71 金利(Jinli)IC通過 70.0

9:29 4 75住宅街が途切れる。大型トラック、乗用車、バンの交通量多し。

9:35 6 81 蜆崗(Xian'gang)の分岐 83.5 Gxx4車線。国道80号線(G80)に正式に入る?

9:36 1 82 2車線、すぐサービスエリアあり 86.6

9:41 5 87 肇慶(Zhao Qing)東出口分岐点 93.1 一時的に雨に遭遇。

9:51 10 97 大橋をわたる 全長1098メートル

9:52 1 98 肇慶西方面への分岐点(出口32) 110.8 G32 南寧まで577キロの標識あり。

9:52 0 98 馬安大橋をわたる 全長2015メートル。引き続き雨。

9:56 4 102 定江橋、次いで大朗大橋わたる全長165メートル、1305メートル。右手は水田風景が始まる。

10:00 4 106 白渚(Baizhu)の分岐(出口64) 123.2 G64 雨の地域抜ける。

10:03 3 109民家の横、防音 壁あり。以下、南寧までずっと同じで感心した。

10:07 4 113 思労(Silao)分岐点 (出口75) 134.4 G75 分岐点の手前、大きな団地造成中。

10:11 4 117 安塘(Antang)SAにて休憩 1,396.0ペットボトル、ゆでトウモロコシ、ちまき、ごま団子など購入。

10:29 18 135 安塘(Antang)SAを出発

10:35 6 141 雲浮(Yunfu)IC通過 (出口89) 148.2 G89 右手山が続く。

10:38 3 144 初めてのトンネル Dahuashan① 1179メートル

10:40 2 146 短いトンネル② 長さは短い。

10:44 4 150 雲安(出口102) 161.9 G102

10:47 3 153 石牙山トンネル③全長4604メートル。旅程中 も長い。3分後、トンネルを出る。

10:52 5 158 隧道群、④ 3つの短いトンネル。899メートル。

時刻 備考中国側距離表示

地点 距離計

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その1 (1)広州市~南寧市(2012年8月18日)

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

14

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

10:54 2 160 葵洞(Kuidong)SA 通過 174.2左手にユーカリ植林。くだり坂。梧州まで114キロの標識あり。

10:57 3 163 五指山(Wuzhishan)トンネル⑤ 全長124メートル。

11:01 4 167 茶林頂(Chalinding)トンネル⑥ 183.8 全長2691メートル。

0 167 雲梧(ウジュウ)方面への分岐点 187.1

11:05 4 171 遼灘(Liaotan) IC 分岐点(出口128) 188.5 G128

11:07 2 173 南江大橋わたる

11:08 1 174 遼灘(Liantan) SA 通過 191.6このあたりから勾配のきつい上り道。12輪大型トラックが往生している。

11:11 3 177 旗山頂(Qishanding)トンネル⑦ 全長1961メートル

11:15 4 181 石排口高架橋わたる 全長1181メートル

11:16 1 182 鵝●寺(Eyongsi) トンネル⑧全長3361メートル、2番目に長い。小雨降り始める。

11:20 4 186 隧道群、そのあと大よう跨棧 山の中に入る。雨激しさ増す。

11:23 3 189 牛東頂トンネル⑨ 216.0 全長2458メートル。

11:27 4 193 建城(Jiancheng)IC、通過 217.3 雨足が強くなる。

11;30 3 196 建城(Jiancheng)SA

11:34 4 200 息村大山トンネル⑩ 全長627メートル。下り道に変わる。

11:35 1 201 正湧トンネル⑪ (出口167) G167

11:37 2 203 郁南IC、通過 (出口170) 230.9 G170

11:42 5 208 高架大橋わたる(出口178) G178

11:46 4 212 料金所(支払いは11時50分、打刻) 244.5154元、広東省と広西チワン自治区の境。料金は広東省側の通過料。

11:53 7 219広西チワン自治区の歓迎看板あり(出口191)

249.5 G191桂林まで314キロの標識あり。以下、下り道。

11:58 5 224 大坡(Dapo)SA通過(出口197) 256.2 G197

11:58 0 224 桂東(広西東)料金所 256.9 カードの受取

12:04 6 230 203 右手に高速道路建設中。

12:06 2 232G65(包茂高速)、 G80(廣昆高速)の分岐点右(出口207)

266.5G2790,G207

「G2790」は内モンゴル、包頭からの距離。「G207」は広昆高速の広州からの距離。

12:09 3 235桂林(Guilin)・南寧の分岐(G65包茂高速とG80廣昆高速)

271.2分離帯には植樹がされ、緑豊かになるが、道路がアスファルトからコンクリートに。車の上下ゆれがひどくなる。

12:10 1 236 蒼梧(Cangwu)の街左手に大きな工業団地。南寧まで337キロの標識あり。

12]13 3 239 雨が降り始める。

12:21 8 247 新地(Xindi) IC通過 (出口801) 287.5 G2801

12:23 2 249 新地(Xindi)SA 通過 290.7 G2802

12:24 1 250 蒙村大橋わたる 車の量が減る。雨が降り始める。

12:30 6 256 牛呤界トンネル⑫ 全長1314メートル

12:33 3 259 G2816 玉林124キロ、南寧307キロの標識。

12:40 7 266 糯垌(Nuodong)IC 通過 (出口829) 315.7G2829,G207

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その2 (1)広州市~南寧市(2012年8月18日)

時刻 地点 距離計中国側距離表示

備考

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15

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

12:43 3 269 峯溪(Cenxi) PA 昼食 320.0

レストランがないため、全員が店内のカップラーメン(商標:康師博)を食す。中国で一番良く売れているとのこと。他の客もカップラーメンか、持参のカップラーメンを、店備え付けのお湯を借りて食べていた。

13:14 31 300 峯溪(Cenxi) PA 出発 G2836 南寧まで290キロの標識。

13:22 8 308 峯溪(Cenxi) (出口843) 329.5 G2843 左右にチェンシの街並み広がる。

13:27 5 313南寧・玉林(Nanning, Yulin)との分岐点

335.7G80(廣昆高速、2車線)へ。分岐点を出てまもなく、柳州起重機器有限公司の工場造成地。

13:31 4 317 馬路・南都 IC、通過(出口278) 341.7 G278

13:37 6 323 镸容(Tanrong) IC 通過 352.1 G289

13:45 8 331 Rongchong トンネル G297玉林との境界。大型トラックの交通量極めて多し。

13:59 14 345 容県(Rongxian) 382.2 G318

14:10 11 356 山囲(Shanwei) IC、 通過 (出口334) 399.1 G334右手に大きな集落、水田が広がる。南寧まで212キロの標識。

14:18 8 364 北流(Beiliu)PA、通過 408.9

14:20 2 366 北流 IC 通過(出口347) 411.5 G347

14:22 2 368 道路修復工事中。迂回線へ。 416.1

14:24 2 370 本線に復帰 417.0

14:30 6 376 Rongzhu-hu 左手に湖。

14:35 5 381 玉林(Yulin)IC、通過(出口367) 431.7 G367

14:39 4 385 玉林(Yulin) SAにて休憩 437.0

14:58 19 404 玉林サービスエリア出発 南寧まで180キロの標識。

15:12 14 418 山心(Shanxin)PA、通過 457.2

15:16 4 422 山心(Shanxin)IC、通過 (出口396) 462.1 G396 ずっとサトウキビ畑。

15:24 8 430 貴港(Guigang)との境界線 G407

15:26 2 432 木格(Muge)IC、通過 (出口411) 476.2 G411

15:32 6 438 車線規制 486.4

15:35 3 441 補修工事 490.0

15:40 5 446 貴港(Guigang)PA、通過 498.5

15:41 1 447 貴港(Guigang)IC 通過 (出口434) 500.5 G434

15:53 12 459 Lingshan IC 通過(出口450) 516.0 G450

15:54 1 460 雲表PA 518.2

0 460 G458 G458-G460 雨がどしゃぶりとなる。

16:03 9 469横県(Hengxian)への分岐点 (出口464)

531.5 G464 サトウキビ畑、天然ゴム(ごく一部)

0 469 G471 右手サトウキビ畑、南寧81キロ標識

16:11 8 477 横県(Hengxian)SAにて休憩 542.3 G476

16:20 9 486 横県(Hengxian)SA、出発

0 486 G480サトウキビ畑。とくに「G487」地点前後から広大なサトウキビ畑が続く。

16:36 16 502G72(南寧)とG80(柳州)方面への分岐点

564.7 G489 「489」の先、南寧62キロの標識。

16:38 2 504 六景(Liujing)IC、通過(出口) 568.2右手に六景工業団地。大型トラックが行く手を塞ぐようになる。

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その3 (1)広州市~南寧市(2012年8月18日)

時刻 地点 距離計中国側距離表示

備考

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

16

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

16:40 2 506 六景(Liujing)大橋、通過 *1439大橋は全長480メートル。右手はサトウキビ畑が続く。

16:47 7 513 怜悧(Lianli) PA 通過 578.5 :1448 雨が降る。G1451で雨地域を抜ける。

16:50 3 516怜悧(Lianli)・南阳(Nanyang) IC 通過(出口1452)

582.7 *1452 右手は依然としてサトウキビ畑。

0 516 五合(Wuhe)への分岐点(出口476)*1455,G476

南寧まで32キロの標識あり。

17:00 10 526 596.4 *1465工事渋滞。1車線となるが、全車輌が右側の緊急道を使用するので、実際は2車線。

17:06 6 532 599.8 渋滞解消

17:09 3 535 邕江(Yongjiang)大橋渡る *1472 大橋は全長604メートル。

17:11 2 537 邕江(Yongjiang)・五合IC、通過 607.3 *1476 「1477」地点に南寧10キロの標識。

17:17 6 543 三岸(San'an)PA、通過 614.6

17:21 4 547 南寧環状線への分岐点 617.6 *1487 車が混み始める。

17:23 2 549 南寧市の料金精算所 619.5

305元。人口700万人の巨大地方都市。事前の認識と大違いでびっくりする。高層ビルが林立し、中央を走る「民族大道」(Minzu Dadao)はバス、乗用車などで大混雑。

18:18 55 604 南寧飯店(Nanning Hotel) 630.9

休憩時間の合計 - 77分

高速以外の時間と距離 29.0 81分、29キロ

[1日目まとめ]

1.197 527.0 71.8

1.349 446.0 81.0

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その4 (1)広州市~南寧市(2012年8月18日)

時刻 地点 距離計中国側距離表示

備考

時速

広州~南寧(高速のみ)

分当たり速度走行時間

(分)走行区間 (昼食・休憩時間除

く)

広州~南寧(市内を含む)

<写真>2012 年 8 月 18 日、広州から南寧に向かう整備された片道 2 車線の道路。

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17

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

9:44 0 0 ホテル出発 0.0 車のナビでは目標地203キロ。

10:09 25 25 永和橋(Yonghe)をわたる。 406メートル。その後、南建通りを西

10:13 4 29 ガソリンスタンドにて給油、水購入 7.6 ホテルから朝阳通りを西へ

10:20 7 36 ガソリンスタンド出発

10:25 5 41 壮錦大道に入る ASEAN諸国の国旗が飾られている。

10:31 6 47 南寧高速道路料金所 13.4 広州ナンバーのため15元支払う。

10:33 2 49 ゲート通過

10:36 3 52 G75とG80の分岐点 15.0片道3車線、コンクリート。すぐ民家が消える。林へ。

10:43 7 59 明陽(Mingyang)工業地区分岐点 28.0 14

59 ヨイグァン分岐点 30.2 崇左・友誼関との分岐点

10:46 3 62 吴圢高速料金所通過 31.4南友高速(G7211)開始。2車線、アスファルト。右手に「友誼関176キロ」の標識。

10:53 7 69 G55 雨が降る。

10:54 1 70 蘇圢(Suxu)分岐点 42.2 G57

70 G60雨が激しくなる。左右ともにサトウキビ畑が始まる。

70 G65 右手、整備された植林。

11:02 8 78 扶綏(Fusui)PA 通過 56.0 G70 友誼関手前165キロの標識あり。

11:04 2 80 扶綏(Fusui)・芭盆(Bapen)の分岐点 59.3 G73左右サトウキビ畑。左手に奇岩始まる。以後、サトウキビ畑続く。

80 汪大河大橋わたる G78

80 69.0 G83 左右奇岩多し。サトウキビ畑。

11:13 9 89渠黎(Quli)・雷州への分岐点 (出口87)

73.4 G87ASEAN Youth Industrial Park 15キロ先の標識あり。

89 G90左右に石灰岩の奇岩多し。以後も同じなので以下、省略。

89 G96 サトウキビ畑とは別に、キャッサバを右手に見る。

11:23 10 99 左手に街並み 86.1 G99 左手に街並み

11:24 1 100 G103広大なサトウキビ畑。ゆるかな下り道になる。

11:29 5 105渠旧(Qujiu)・東羅(Dongluo)への分岐点(出口113)

99.7 G113

11:33 4 109 崇左(Chongzuo)SAにて休憩 105.1 G119左手にユーカリ植林みる。サービスエリアの中に、「北部湾経済特区」の紹介看板2つあり。

11:46 13 122 崇左(Chongzuo)SA出発

122 G121-G123左右とも、広大なサトウキビ畑。ユーカリ植林もみる。交通量はきわめて少ない。

11:53 7 129 道路補修工事 115.1 G129

129 G130-135 ユーカリ植林が続く。

11:59 6 135崇左(Chongzuo)・江州(Jianzhou)の分岐点 (出口137)

124.1 G137 右手に崇左市城市工業区の看板。

12:03 4 139 G145 再び雨に遭遇。すぐに雨地域抜ける。

備考中国側距離表示

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その1 (2) 南寧市~友誼関・浦寨(Youyiguan, Puzhai、2012年8月19日)

地点 距離計時刻

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

18

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

12:12 9 148天西(Tianxi)・亭亮(Tingliang)への分岐点 (出口157)

145.6 G157

12:14 2 150 148.0 G160右手に小規模がけ崩れ。G161の先、友誼関手前63キロの標識あり。

12:27 13 163 寧明(Ningming)SAを通過 166.2

12:29 2 165寧明(Ningming)・花山(Huashan)への分岐点 (出口181)

169.3 G181左手かなたに寧明の街並み。あとは一面サトウキビ畑。

12:40 11 176夏石(Xiashi)・龍州(Longzhou)への分岐点 (出口195)

184.2 G195右手に「凭祥辺境経済合作区友誼関工業園」の看板あり。

12:47 7 183 燕安大橋(Yan'an Bridge)わたる G199友誼鎮の手前18キロ、友誼関の手前26キロの標識あり。

12:52 5 188高速料金精算所、直後六尖山トンネル

198.0

料金は145元。トンネルを出て左に曲がる。まっすぐ行けば「浦寨国境貿易地区」に、右手は凭祥工業団地へ。友誼関は左に曲がる。

12:55 3 191 凭祥(Pingxiang) IC、通過。 199.5 G214

12:56 1 192 凭祥の交差点で一時停車 199.8「凭祥辺境経済合作区友誼関工業園」の写真を撮る。

13:04 8 200 凭祥の交差点を出発

13:07 3 203 凭祥(Pingxiang) PAを通過 202.4

13:07 0 203 凭祥(Pingxiang) ・物流園への分岐点 203.1 G217 民家と倉庫多数あり。

13:13 6 209 浦寨(Pu Zhai)への分岐点 210.2

13:16 3 212 友誼関の国境貿易ゲート 212.9

13:21 5 217 友誼関に到着 214.6

「鎮南関」から「友誼関」への名前変更は1965年。命名者は軍司令官の陳毅(中国共産党の戦前初期メンバー、1949年に上海市長、66年党中央軍事委員会副主席)。ハノイまで174キロ。1885年にフランス軍と清軍、1917年に孫文と清軍、1949年に中国共産党と国民党の間で軍事対立。1979年に中越戦争。

217

*ベトナム料理店で昼食。豚の角煮、空心菜(パックブンファーイ)、搾菜と豚こま肉炒め、黄豆腐とトマト炒め、蒸し鶏肉、もやし豆炒め、フォー、ご飯。

217*遺跡観光。一人50元+ガイド50元。フランス式建物、友誼館(歴史館)を見学。China EXPO キャンペーンガール。

14:58 97 314 友誼関を出発 214.6

314 1車線、コンクリート

15:01 3 317 鉄道わたる 216.4

15:05 4 321 中国側の国境貿易ゲート通過 218.0 ベトナム側の車はここまで。

15:13 8 329ベトナムとの国境通関。貨物の集積地、浦寨に到着。

220.6

大きな街。木工製品・家具などの卸市場、ベトナム、ミャンマー製品の販売店、ホテル、荷物の積み替え場所などが密集。検問所近くには展示とホテルを兼ねた巨大なビルあり。ミャンマーの翡翠特売を見学。

地点 距離計中国側距離表示

備考

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その2 (2) 南寧市~友誼関・浦寨(Youyiguan, Puzhai、2012年8月19日)

時刻

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19

図表 1-8(続き)広州=南寧=友誼関・浦塞(2012 年 8 月 18 日、19 日)

経過時間、分

累計時間、分

15:37 24 353浦寨を出発。友誼関にでて、国道7211を使って南寧に

220.6

15:56 19 372 凭祥(Pingxiang) ゲート検問 235.6武警(公安+軍、人民軍ではない)が検問。ベトナム人密入国の疑いをもたれ、パスポートチェックを受ける。

17:08 72 444 崇左(Chongzuo), SAにて休憩、給油 329.8アイスクリームを食べる。チョコレートのコーティングは1本10.5元と高い。

17:28 20 464 崇左(Chongzuo), SAを出発

18:15 47 511 吴圢高速料金所 403.6 G46

18:30 15 526 南寧料金所 421.8 G0

19:17 47 573 ホテル南寧飯店に到着 435.5

休憩時間、視察時間

南寧市内から高速料金所まで 13.4キロ、47分

高速料金所から友誼関 201.2キロ、150分(休憩時間除く)

浦寨から高速料金所まで 201.2キロ、153分(休憩時間除く)

高速料金所から南寧市内まで

[2日目まとめ]

南寧~友誼関(市内含む) 197.0 65.4

150.0 80.5

153.0 78.9浦寨~南寧(高速のみ)

南寧~友誼関(高速のみ)

中国側距離表示

時速

距離計

計算式走行時間

(分)走行区間

末廣GMS調査団走行記録 (記録作成者:布田功治、宮島良明、監修者:末廣昭)

その3 (2) 南寧市~友誼関・浦寨(Youyiguan, Puzhai、2012年8月19日)

備考時刻 地点

中国の道路はどこも整備されており、車線も片道2車線以上で、中央分離帯がある。また、

道路標識や指示も徹底しており、タイの道路行政に匹敵する水準の高さである(この点、ラ

オス、カンボジアはいまだ整備されていない)。

図表 1-9 に示したように、広州・南寧間の1級国道では、相当数のコンテナ車を確認でき

た。30 分間(走行距離 40 キロ)の対向車の観測によると、平均でトラックが 60 台(うち 2

割がコンテナ車)、路線バスが 27 台であった。

一方、図表には示していないが、南寧からベトナム国境の友誼関や浦塞への道路では、ほ

とんどコンテナ車を見なかった。国境経済区である浦塞から高速道路に入る料金所までの道

路は、ひっきりなしにコンテナ車が走っていたので、これらの車は高速道路に入る手前で、

高速料金が不要の一般道路に利用道路を変更したものと思われる。今回の調査では、走行の

途中でこの点に気付いたため、残念ながら南寧=浦塞間の実際の交通量を計測することがで

きなかった。恐らく南寧=浦塞間を走るコンテナ車やトラックの数は 30 分間で 100 台を超

えるものと推測される。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

20

車 種午後2時00分から

午後2時30分午後3時00分から

午後3時30分午後3時35分から

午後4時5分平均値

大型トラック 35 55 90 60

長距離バス 13 25 42 27

合 計 48 80 132 87

図表1-9 広州~南寧間の対向車:大型トラックとバスの往来、2012年8月18日

*大型トラック、長距離バスともに数が増えていくのは、時間帯もあるが、南寧に近づいたというロケーションの問題の方が大きいと考えられる。

(注)(1)大型トラックは、①10輪のコンテナ車(COSCO, K Line, Merske etc)と、10輪もしくは12輪の大型輸送トラック。大半は12輪のロングトラック。コンテナ車の比率は大型トラックのうち約2割。一方、バスは長距離旅客バス(エアコン、2階建て)。

(2)午後2時から2時半は、玉林境界に入り、玉林市の手前43キロ(広州から382キロ)の容県(Rongxian)から山囲(Shanwei)を経て北流(Beiliu:南寧まで200キロ手前)の先までの行路。

(3)午後3時から午後3時半は王林(Yulin)で休憩したあと山心(Shanxin)を経て木格(Muge)までの行路。

【補足3】 花都工業団地と獅嶺 (Shiling) 皮革皮具城(末廣昭記)

花都区は広州市の北に位置する。2000 年以前は農業(米作、ライチ、ロンガンなど)を

中心とする経済であったが、2000 年以降、急速に工業化が進み、経済成長を遂げた。その

理由は、第一に地の利にある。広州新白雲国際空港と北京につながる広州北駅(鉄道)がそ

ばにあり、国道 107 号、二環状道路、珠三環状高速、机場高速(Airport Express)などが交

錯して、交通の便がよい。第二に海外華僑華人との結びつきが強く、情報が外から入ってく

る。第三に人民政府は人材育成・科学技術に重点を置いてきた。

<写真>獅嶺皮革皮具城の南広場と城の中の商店街の一角

花都区の主要産業は計6つある。①自動車組立と同部品産業(東風日産を中心に部品メー

カー120 社が集中)、②装飾・アクセサリー産業(“中華珠宝”と呼ばれる)、③中国 大(世

界 大)の旅行鞄の生産・輸出基地(獅嶺皮革皮具城)、④照明器具 LED の生産(北京オリ

ンピックやエッフェル塔にも使用。品質の高いことで有名)、⑤音響関連産業(8 つの中国

ブランド企業のうち 5 社が進出。生産は 230 億元)、⑥空港関連経済(空港の団地造成、飛

行機の修理、物流関係など)。

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21

以上のうち、③の旅行鞄の生産集積地が「獅嶺皮革皮具城」である。製造会社は 7200 社、

販売会社は 1 万 7300 店舗が集中しており、獅嶺だけで戸籍人口は 40 万人(うち外籍人口は

7.5 万人)。従業員数は 30 万人を超える。雄獅東路(北門)と広清高速道路(南広場)の間

にはさまれた敷地内に、皮革主管、皮具・五金、五金・補助具など 6 つのブロックがあり、

ありとあらゆる素材・補助具・アクセサリーが揃う。

獅嶺皮革皮具城のみで中国の皮革製品の生産の 55%を占め、中国の世界輸出の 70%を占

める(136 カ国に輸出)。素材、アクセサリーその他が集中していること、取引の大半はネ

ットもしくは電子媒体で行っており、世界各地のどのような需要に対しても、製品を迅速(24

時間以内)かつ柔軟に対応することが可能である。

獅嶺皮革皮具城を 2000 年から開発したのは「聖地集団」で、70 万平米の土地に 10 億元

以上を投資。2010 年からは金融グループの「国叶集団」が同集団と連携するようになった。

また、アクセサリー関係は「広東華標創業集団」が投資を行っている。

【補足4】 中国ベトナム国境の友誼関・浦塞(末廣昭記)

中国とベトナムの国境にある友誼関(ハノイまで陸路で 174 キロ)は、両国の間を結ぶ結

節点であると同時に、歴史的には絶えず、中国と旧宗主国であるフランスや隣国ベトナムと

の軍事対立、中国の内戦の舞台にもなった。具体的には、1885 年に仏軍と清国の軍隊が衝

突し、1917 年には孫文の国民党軍と清国の軍隊が、49 年には国民党軍と共産党の軍隊がそ

れぞれ衝突し、79 年には「中越戦争」の舞台ともなった。歴史的な事件の説明や主要品の

展示は「友誼館」でなされており、有数の観光地に現在はなっている。

<写真>浦塞国境貿易地区から六尖山トンネルを出るコンテナ車、右は浦塞の街。

友誼関から 6 キロ(車で 15 分)のところに、税関所をもつ「浦塞国境貿易地区」がある。

ベトナムから持ち込まれる木工製品・家具などの大きな卸市場、ベトナム、ミャンマー製品

の販売店、ホテル、荷物の積み替え場所などが密集した街並みが続く。また、税関所のそば

には、12 階建ての巨大なビル(ホテル、事務所、物産店)が建っており(上記の右の写真

の後の建物)、2 階ではちょうど、ベトナム製の家具とミャンマー産出の宝石・翡翠の特売

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

22

場を開設していた。

【補足5】 南寧ハイテク産業開発地区(末廣昭記)

南寧ハイテク産業開発地区(国家高新技術産業開発区)は、「台湾、香港を主な対象とし、

日本・韓国に目を向け、珠江デルタ、長江デルタをさらに深化させ、中央企業を開拓し、革

新型プロジェクトや産業チェーン関連プロジェクトなどの導入に力を入れる。また、特に世

界トップ 500 社企業、中国トップ 100 社企業の招聘に努める」ことを目的に、工業団地とし

て整備された。

キーワードは、三資(日本、華僑、台湾)、三外(海外資本、海外企業、海外商人)、三大

(大プロジェクト、大企業、大集団)である。同産業開発地区は、西部大開発、中国 ASEAN

自由貿易地域の推進とも関係している。例えば、産業開発地区の中には、南寧‐東盟企業総

部基地(Nanning-ASEAN Advanced Business Park)も設置されている。

第 12 次国家開発 5 カ年計画(2011 年から 2015 年)では、南寧ハイテク産業開発地区は、

「工業発展の主戦場」「都市新区建設の主軸地」「科学技術革新のモデル区」「改革開放の先

行区」という 4 つの戦略的位置付けがなされ、①医薬と有機エネルギー産業園(広西薬園な

ど)、②新時代情報技術とソフト産業園(フォックスコン=富士康産業園)、③省エネルギー・

環境保護園の 3 つを重点産業に指定した。

登記している企業はすでに 8000 社、従業員 10 万人に及ぶ。主な企業は広西チワン族自治

区のほか、貴州、雲南、湖南の各省からも来ている。東南アジアからの投資は現在、100 社

余り。また、同産業開発地区とは別の南寧市内に、フォックスコンが「富士康産業園」を建

設中であり、当面は 3 万人規模の工場から操業する予定である。将来は 60 万人の一大工場

地区(深圳からの工場移転)への発展を目指しており、賃金の上昇が激しい沿岸部から相対

的に賃金水準の低い内陸部への、労働集約型産業の国内移動(国内版雁行形態的発展)を象

徴する動きと言えよう。

年次 工業生産額 技工収入額 税収

1992 55 118 8

1994 271 319 34

1996 687 900 51

1998 1,414 2,207 212

2000 4,548 6,234 712

2002 7,934 11,218 1,244

2004 14,857 19,671 2,332

2006 22,701 32,541 3,403

2008 37,365 49,767 5,701

2010 54,600 68,000 6,800

図表1-10 南寧国家高新技術産業開発区の発展、1992-2010年 (単位:100万元)

(注)2010年現在の工業生産額の業種別分布は、①バイオ、食品加工業 35.42%、②自動車部品産業 29.48%、③電子部品産業 10.75%、④その他の産業 24.35%。

(出所)高新技術産業開発区の事務所2階にある展示室の壁に掲示してあったグラフより末廣作成(2012年8月20日、当地訪問)。

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【補足6】 広西・北部湾経済区の建設(末廣昭記)

第 12 次国家開発 5 カ年計画(2011 年から 2015 年)は、中国全土のうち 21 の「重点産業

園」を指定した。このうち中国南部に位置する産業園は、長江三角洲地区(上海、寧波、杭

州)、珠江三角洲地区(広州、深圳、香港)

など計 9 つ。この 9 つの中のひとつが、広西

チワン族自治区の南寧、北海、欽州、防城港、

玉林、崇左の 6 都市を結ぶ「北部湾経済開発

区」である。崇左のサービスエリアに掲げら

れた看板によると、同経済開発区の発展は次

のとおりである。

2006 年 3 月に広西北部湾経済区規則建設

管理委員会と同弁公室が創設され、正式に発

足。2008 年 1 月に「広西北部湾経済開発区

発展計画」(2006~2020 年)が批准された。

同年 2 月には胡錦濤主席が、次いで 10 月には温家宝首相が、相次いで訪問している。

2010 年には、広西チワン族自治区党委員会が「八大重点工程」を決定した。①強大産業、

②建設大港口、③完善大交通、④構築大物流、⑤推進大城建、⑥発展大旅遊、⑦実施大招商、

⑧発展大文化、がそれである。2010 年を党委員会は「かえる跳びの発展時期」と位置付け

た。また、同年 5 月には、のち国家主席となる習近平(当時副主席)が、この地区を視察に

訪れている。

2011 年 3 月には、インフラ、電子・情報産業、化学、エネルギーなど、計 96 件の産業プ

ロジェクト(投資規模 1000 億元)をいっせいに立ち上げた。過去 5 年間の投資実績は 409

件、金額は 2246 億元に達する(『人民網日本語版』2011 年 3 月 22 日号)。

北部湾経済区は、同時に中国とベトナムの間の経済協力の要でもある。2005 年 10 月末に

中国を訪問したベトナムのカイ首相は、胡錦濤主席との間で「ふたつの経済回廊、ひとつの

ベルト」で相互に協力することで合意している。

ふたつの経済回廊というのは、①昆明を起点としてGMSの南北経済回廊を使って老街(ラ

オカイ)、そして国道 2 号線を南下してハノイに至るルート、②昆明から国道 14 号線を南下

して朋普(カイユアン)で東に折れ、高速道路 323 号線に沿って南寧を経由して北海に至る

ルート、この 2 つを指す。この道路と鉄道建設に両国が協力すると同時に、北部湾経済区の

中にある北海港とベトナムのハイフォン港の双方の開発を進めようとするものである。この

事業はアジア開発銀行(ADB)の GMS 開発プロジェクトではなく、中越両国の経済協力を

前提にしている。ただし、中国側はベトナム企業だけではなく、広く ASEAN 諸国の企業(マ

レーシアなど)にも北部湾経済区への投資を呼び掛けている。

北部湾経済区の開発については、本報告書の第 2 章の記述と、関満博・池部亮編(2011

年)、池部亮(2013 年)も参照(第 2 章の文献目録)。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

24

第3節 東西経済回廊とタイ・ミャンマー国境 2013 年 8 月

調査期間:2013 年 8 月 18 日から 27 日

調査メンバー:末廣昭、伊藤亜聖、大泉啓一郎、助川成也、宮島良明、佐藤正喜、古屋慎

一郎(社会科学研究所)、森田英嗣(同上)。

調査日程と内容:(地図は、ADB, Corridor Chronicles, 2008, p.37)

8 月 18 日:午前 10 時 50 分発の飛行機で成田出発。午後 3 時 25 分、タイのスワンナプー

ム空港に到着。午後 5 時ホテル投宿。夜、ミャンマーみずほ銀行支店長ほかと懇談。

8 月 19 日:午前、国家経済社会開発庁(NESDB)のアーコム長官ほかからタイ経済、GMS、

ミャンマーのダウェイ開発などについて聞き取り調査。午後、タイ東部のアマタ工業団地へ

(90 キロ)。ウスイ国際産業で工場視察と聞き取り調

査。夜、同社の社長ほかと懇談。

8 月 20 日:午前 8 時半、バンコク出発。午前 12 時、

コーラートの恐竜博物館。午後 2 時、スラナリー工業

団地内の日信工業で工場視察と聞き取り調査。

8 月 21 日:午前 9 時、コーラート出発。午後 1 時、

コーンゲン大学内の孔子学院を訪問、王貴彬院長ほか

と面談。午後 2 時、同大学内のメコン・インスティチ

ュートで、パリシ副所長、サンガ事業計画責任者ほか

と意見交換。夜は東北タイ料理(ガイヤーンほか)。

8 月 22 日:早朝、コーンゲン空港で助川氏と合流。

8 時 30 分、コーンゲン出発。西に進路をとって山越え。

ターク市に午後 4 時 40 分、到着。ホテルに投宿。

8 月 23 日:午前 6 時 40 分、ホテル出発。山越えのあとメーソートに到着。午前 9 時、ミ

ャンマー人を雇用するガーメント工場で聞き取り調査。午前 12 時、ミャンマー側のミヤワ

ディに出国。出入国事務所の近くでミャンマー料理の昼食。ミヤワディ市内と 12 キロ先の

国境貿易地区と保税倉庫を視察。午後 2 時すぎミヤワディ出発、メーソートに戻る。

8 月 24 日:午前 9 時、メーソートのホテルを出発。タークをへてスコータイの歴史遺跡

へ。午後 5 時 20 分、ナコンサワンへ到着。同市のショッピングセンターを視察。

8 月 25 日:午前 9 時、ナコンサワンの市内を視察したあと出発。2011 年 9 月の大洪水で

被害を受けたアユタヤーの「サハラッタナナコン工業団地」を視察。昼食はエビ料理で有名

なチャオプラヤー川沿いのレストラン「リム・ナーム」で。午後 4 時前にバンコクのホテル

に到着。夕方、バーンラック幼稚園で末廣昭「タイの華人社会と中国」の講演会。

8 月 26 日:チャオプラヤー川のパックレ島、ノンタブリー県のイスラーム教徒向けの幼

稚園から高校まで一貫の私立学校ター・イット校(タイ 大規模)とイスラーム村を視察。

夜の便でバンコクを出発。27 日早朝に成田着。

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25

図表 1-11 東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

8:56 0:00 0:00 ホテル出発 0.0 Center Point Chidlom Hotel

9:48 0:52 0:52 工業団地通過 55.6

9:51 0:03 0:55 ガソリンスタンド到着 59.5 1500バーツ分給油

10:10 0:19 1:14 出発 59.5

11:17 1:07 2:21 東北タイに入る 151.5

12:18 1:01 3:22 昼食到着 223.9

13:00 0:42 4:04 出発 223.9

13:16 0:16 4:20 ナワナコン第2工業団地通過 246.3 2011年洪水後、第2工業団地を造成

13:34 0:18 4:38 恐竜博物館到着 267.0 正式名称は珪化木化石博物館

14:01 0:27 5:05 出発 267.0

14:27 0:26 5:31 スラナリー工業団地入口通過 298.0

14:46 0:19 5:50 日信ブレーキ(タイ)到着 301.5 Nissin Brake (Thailand) Co.,Ltd.

16:43 1:57 7:47 出発 301.5

17:01 0:18 8:05 テスコ・ロータス到着 309.9 両替など

17:25 0:24 8:29 出発 309.9

17:44 0:19 8:48 ホテル到着 316.5 ホテル Dusit Princess Korat Hotel

18:35 0:51 9:39 出発 316.5

18:47 0:12 9:51 夕食到着 321.4旧市内の東北タイ料理店スワヌシン・レストラン。鍋料理ジェーンホー、ラーム、ナムトック、タップヤーンなど

20:07 1:20 11:11 出発 321.4

20:17 0:10 11:21 ホテルに帰還 325.3

休憩時間の合計 6:00

走行時間 5:21

高速区間 4:59

[1日目まとめ]

1.01 321.0 60.8

1.06 299.0 63.5高速区間のみ

分当たり速度走行時間

(分)走行区間 (昼食・休憩時間除

く)

バンコク~コラート

備考

時速

地点

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

1日目 バンコク~コラート(2013年8月20日)

距離計時刻

<写真>8 月 19 日、タイ国家経済

社会開発庁(NESDB)にて GMS、

ダウェイ開発などについて聞き

取り調査。前列左からアーコム長

官、末廣、田口 JICA 専門員。後

列は調査団メンバー。

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

26

図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

8:53 0:00 0:00 ホテル出発 0.0

10:15 1:22 1:22 トイレ休憩(ガソリンスタンド) 112.0

10:30 0:15 1:37 出発 112.0

11:44 1:14 2:51 コーンゲン大学正門到着 193.4目当てのガイヤーンの店は、中秋の名月のため休み

11:47 0:03 2:54 出発 193.4

11:57 0:10 3:04 コーンゲン大学内のレストランで昼食 200.1ガイヤーン・プリチャー・レストラン。これが予想以上においしく、東北タイ料理10種類以上を注文。

12:52 0:55 3:59 出発 200.1

13:00 0:08 4:07 コーンゲン大学内のブックセンター到着 203.9

13:30 0:30 4:37 出発 203.9

13:34 0:04 4:41コーンゲン大学の待ち合わせ場所に到着

13:39 0:05 4:46 出発

13:42 0:03 4:49コーンゲン大学孔子学院の新校舎建設現場に到着

206.7王貴彬院長、孫中華専門職員の説明を受ける

14:06 0:24 5:13 出発 206.7

14:19 0:13 5:26 孔子学院の現校舎に到着 212.5 40分間、議論

15:02 0:43 6:09 出発 212.5

15:07 0:05 6:14コーンゲン大学メコン研究所(Mekong Institute)に到着

パリス副所長(ニュージーランド)、サンガ及びポーンウィライ事業計画副部長等と議論

16:50 1:43 7:57 出発

17:09 0:19 8:16 ホテル到着 220.4Pullman Khon Kaen Hotel コーサビルの真向かい

18:10 1:01 9:17 夕食へホテル出発 220.4

18:29 0:19 9:36 レストランに到着 229.0セープ・ニウ・レストラン。東北タイ料理と中華料理の混在。

19:44 1:15 10:51 出発 229.0

19:53 0:09 11:00 ホテルに帰還 234.1

休憩時間の合計 6:36

走行時間 4:23

高速区間 2:36

[2日目まとめ]

0.89 263.0 53.4

1.24 156.0 74.4

備考

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

2日目 コラート~コーンゲン(2013年8月21日)

時速

時刻 地点 距離計

コラート~コーンゲン

高速区間

走行区間 (昼食・休憩時間除く)

分当たり速度走行時間

(分)

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27

図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

7:34 0:00 0:00 ホテル出発 0.0

7:43 0:09 0:09 給油 4.3 メーソートまで650キロの看板。

7:49 0:06 0:15 出発 4.3

7:57 0:08 0:23 コーンゲン空港到着 8.9 助川成也氏、合流

8:09 0:12 0:35 出発 8.9 当初は3車線

8:43 0:34 1:09 ノーンルア郡通過 41.0หนองเรอื.ミャンマー国境まで518キロの看板。

8:51 1:17 2車線。左手に露店続く ガイヤーン(鶏の炭火焼き)の露店。

8:55 0:12 1:21 サトウキビ畑出現 64.1 チュムペーまで25キロ

9:00 0:05 1:26 プーウィアン交差点 右折するとプーウィアン ภเูวียง9:16 0:21 1:42 チュムペー郡の市街地を通過 89.0

9:34 0:34 2:00 コーヌサーン交差点 109.0 ロムサックまで95キロ。右折 คอนสาร

9:40 0:24 2:06 第1回交通量調査(15分間) 113.5山岳地に入る。1車線に変わる。アップダウンを繰り返す

9:52 0:12 2:18 峠を通過 126.5 プーパーマーン郡 ภผูาม่าน9:55 0:03 2:21 プーパーマーン国立公園を通過 133.0 อุทยานแหง่ชาตภิผูาม่าน10:02 0:07 2:28 ペッチャブーン県境を通過 140.5 舗装がまだ新しい

10:10 2:36 第2回交通量調査(15分間)

10:14 0:12 2:40 ナムナーウ国立公園に入る 155.0 อุทยานแหง่ชาตน้ํิานาว10:18 0:04 2:44 峠(山頂)付近を通過 160.0 霧が出て、S字カーブが続く。

10:25 0:07 2:51 ロムサック郡の境に入る 167.0 หลม่สัก10:31 2:57 ナムナーウ国立公園の出口

10:39 0:14 3:05 峠(山頂)付近、パーホング洞窟を通過 183.0 この辺り、右手に村あり。ผาหง10:42 0:03 3:08 渓谷の橋を通過 186.0

10:48 3:14 2275号線との交差点 ペチャブーンまで140キロの看板。

10:51 0:09 3:17 左手に田植え風景 198.0

10:53 0:02 3:19 203号線との交差点 200.0 右折するとナームプングへ

10:57 0:04 3:23 21号線との大交差点 204.0 左折ペッチャブーン。ピッサヌロークまで130キロ

10:59 0:02 3:25 トイレ休憩 205.0 セブンイレブン

11:15 0:16 3:41 出発 205.0

11:19 0:04 3:45 昼食(ポー・プラー・レストラン) 207.0 ครัวป.ปลา 炒飯、春雨スープなど

12:13 0:54 4:39 出発 207.0この付近、4車線拡幅工事。そのあとすぐ、急勾配の上りに入る。

12:29 0:16 4:55 ドライブイン通過 221.0 ロムサック・ビューポイント

12:30 4:56 第3回交通量調査(15分間)

12:33 0:04 4:59 カオコー国立公園通過 224.0 อุทยานแหง่ชาตเิขาคอ้12:40 0:07 5:06 ゴルフ場付近を通過 232.0 ゴルフ場2つ、避暑ハウス数軒あり。

12:45 0:05 5:11モン族 大の村(ケックノーイ )通過

เขกนอ้ย 237.0 この付近、4車線拡幅工事

12:45 0:00 5:11 ピッサヌローク県入り 238.0 以後、山岳地帯。アップダウン繰り返す

12:55 5:21トゥングサレーンルアン国立公園に入る。滝も多い

250.0อุทยานแหง่ชาตทิุง่แสลงหลวง

右手はトウモロコシ畑

12:58 5:24 右手にパイナップル果樹園

13:11 0:26 5:37 ピッサヌローク市街地入り 269.0

13:21 0:10 5:47 ゲーンコーハの滝あり 285.0 筏下り観光の案内看板あり

13:32 0:11 5:58 トイレ休憩 295.0 Amazon にて大福4個50バーツ。美味

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

3日目 コーンゲン~ターク(2013年8月22日) 12号線 AH16

時刻 地点 距離計 備考

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

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図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

13:45 0:13 6:11 出発 295.0

13:58 0:13 6:24 ワントン分岐 310.0

14:05 0:07 6:31右折、12号線をはずれ、バイパス126号線へ

318.0 市街地を迂回

14:14 6:40 Thai Arrow 工場を通過 タイ矢崎総業。ワイヤーハーネス工場

14:17 0:12 6:43 ピッサヌロークのWat Bo 付近 331.0

14:19 0:02 6:45 12号線に戻る 335.0

14:20 6:46 第4回交通量調査(15分間)

14:32 0:13 6:58 スコータイの県境入り 351.0

14:40 0:08 7:06 ゴーンググライラートを通過โกงไกรลาศ周りは田圃。左手は洪水が続く

14:52 0:12 7:18スコータイ市街地方面と分岐、125号線、AH16

380.0 コーングダーノック交差点โคงดานก

14:55 0:03 7:21 1054号線との交差点 383.0 シーサーロン交差点。ศรีสาโรง14:58 0:03 7:24 101号線との交差点 387.0 ターチャン交差点。右折はサワンカロークへ。

15:00 7:26 第5回交通量調査(15分間)

15:16 0:18 7:42 スコータイ世界遺産公園との分岐. 408.0 ワングラジャーイ交差点。วังกระจาย15:21 0:05 7:47 1327号線との分岐 415.0

15:23 0:02 7:49 ライホイ町通過 417.0

15:30 7:56 第6回交通量調査(15分間)

15:34 0:11 8:00 タークの市街地に入る 434.0 ただし、周りは未開墾かキャッサバ畑

16:00 0:26 8:26 ターンルアン交差点(1号線)パホンヨーティン道路との交差。左折はガムペーンペット、右折はラムパーン。

16:08 0:08 8:34 ピン川のつり橋に到着 471.0歩いて吊り橋を渡る。ラッタナコーシン王朝200周年記念時(1982年)に県自治体が建設、2008年に修復。

16:37 0:29 9:03 出発 471.0

16:40 0:03 9:06 ホテル到着 474.2 The Viang Tak Riverside Hotel

18:08 1:28 10:34 夕食に出発 474.2

18:17 0:09 10:43 レストラン到着 492.4工業団地横のレストラン。北タイ料理と川魚料理

19:51 1:34 12:17 出発 492.4

20:00 0:09 12:26 ホテルに帰還 496.9

[3日目まとめ]

1.11 446.0 66.8

1.23 164.0 73.9

1.12 232.0 67.3

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

3日目(続き) コーンゲン~ターク(2013年8月22日) 12号線 AH16

時刻 地点 距離計 備考

時速走行区間 (昼食・休憩時間除

く)

山道区間 (コーンゲン~ピッサヌローク)

分当たり速度走行時間

(分)

コーンゲン~ターク

高速区間 (ピッサヌローク~ターク)

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図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

6:41 0:00 0:00 タークのホテル出発 0.0 ピン川沿いの道路

6:45 0:04 0:04 1号線に合流 2.0 片道4車線。ガムぺーンペットまで67キロ

6:45 0:00 0:04 給油 3.5峠越えを考慮し、少なめの1,000バーツ給油

6:53 0:08 0:12 出発 3.5 ガソリンスタンド出発

6:56 0:03 0:151号線と12号線の三叉路、12号線、AH1 へ

7.0メーソートまで80kmの看板。สามแยก่แม่สอด

7:07 0:11 0:26 山道に入り、1車線に変わる 9.5 S字カーブが続く。

7:15 0:34 第7回交通量調査(15分間) 対向車と追い抜きの双方を記録

7:25 0:18 0:44 メーソートの県境入り。山道下り 34.0この付近、コンテナ、タンクローリー、連結トラックの対向車多数

7:28 0:03 0:47 マーケットあり、検問①通過 36.5

7:41 0:13 1:00 写真撮影のため車を止める 48.9

7:45 0:04 1:04 出発 48.9 付近に小学校と病院あり

7:46 0:01 1:05 検問②通過 49.8 付近はトウモロコシ畑続く

7:57 0:11 1:16 橋の修理工事 60.0

8:00 1:19 第8回交通量調査(15分間) 対向車増えと追い抜きが減少

8:18 0:21 1:37 検問③通過 78.5 この間、道路工事多数

8:21 0:03 1:40 リゾート地あり 81.0

8:24 0:03 1:43 交差点(ラウンドアバウト) 83.0 国境から9kmの看板

8:26 0:02 1:45 Centara Hotel 通過 84.8 周りはキャッサバとトウモロコシ畑

8:34 0:08 1:53メーソート工業団地、サハグループ事務所到着

91.8海抜180メートル、工業団地130ライ。ミャンマー人1050名、タイ人120名

M.S.B. Apparel で工場見学 日本の下着メーカーの受託生産

10:38 2:04 3:57 出発 91.8

10:45 0:07 4:04 12号線に戻る 98.5

10:56 0:11 4:15 タイ側の国境ゲートに到着 105.2 出国事務所で手続き

11:10 4:29 タイ出国手続き完了 10分間並んで終了

11:16 4:35 タイ=ミャンマー友好橋を渡るトラックの総重量制限25トン。コンテナの荷物が積めない悩みがある

11:28 4:47 ミャンマー側入国事務所(ミヤワディ)パスポート預け、入国手数料(10ドルか500バーツ)を支払う

11:40 4:59 ミャンマー側で車の手配 運転手は Mr. Win Zaw タイ語出来る

11:58 5:17 昼食入国事務所近くのレストラン。野菜と肉の各種カレー8皿。全部で1200バーツ。

12:28 5:47 ミヤワディ市内各地を視察 船着き場、チェリントン寺、公営市場

13:10 6:29街の税関まで8キロ。午後1時32分、税関所に到着。対向車はトラック、乗用車含めて87台

これより先は外国人の入国は不可、輸出と輸入の保税倉庫あり。*8月28日から、ビザがあれば外国人もヤンゴンまで陸路で移動可能と、当局が入国制限の大幅な自由化を発表(8月27日)

14:10 7:29 タイの出国事務所パスポート審査完了。ミャンマーの救急車が検問抜きで通過するのを観察

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

4日目 ターク~メーソート~ミャンマー国境ミヤワディ (2013年8月23日)

備考時刻 地点 距離計

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

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図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

14:11 3:15 7:30 出発 105.2

14:23 0:12 7:42 ホテル到着 138.4Centara Mae Sot Hill Resort Hotel。玄関口に「インドシナへの入口、昆明まで1684キロ」の石碑あり

18:06 3:43 11:25 夕食に出発 138.4

18:33 0:27 11:52 レストランに到着 154.3

カーウマオ・カーウファング・レストラン。ゲーンハレ、ゲーンホなど北タイの各種カレー、味噌で食べる新鮮野菜、各種ソーセージなど美味

20:00 1:27 13:19 レストラン出発 154.3

20:05 0:05 13:24 ホテルに帰還 156.9

休憩時間の合計 10:41

走行時間 2:43

山越え区間 1:41

[4日目まとめ]

0.963 163.0 57.8

0.909 101.0 54.5

時速

備考時刻 地点 距離計

ターク~メーソート

山越え区間

走行区間 (昼食・休憩時間除く)

分当たり速度走行時間

(分)

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

4日目(続き) ターク~メーソート~ミャンマー国境ミヤワディ (2013年8月23日)

<写真>左の写真は、タイ側メーソートとミャンマー側ミャワディの間の国境検問所。

右の写真は、検問所の近くに建つターク県の出入国管理事務所

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図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

8:06 0:00 0:00 ホテル出発 0.0 センタラ・ホテル

8:11 0:05 0:05 12号線、AH16号線に合流 1.9

8:16 0:05 0:10 検問① 6.6

8:20 0:14 第9回交通量調査(15分間)前日の調査に比較し、ピックアップ車、トラック10輪、トラック連結が増える

8:39 0:23 0:33 検問② 24.5 拡幅工事区間多数

8:49 0:10 0:43 検問③ 35.2

8:57 0:08 0:51 峠で写真撮影 41.5眺望が素晴らしく、眼下を連結トラックやタンクローリー車が行きかう

9:10 0:13 1:04 出発 41.5

9:15 1:09 第10回交通量調査(15分間)いちだんと対向車数が増える。コンテナ車とタンクローリーが急増

9:18 0:08 1:12 タラート・ムス、検問④ 48.6

9:38 0:20 1:32 検問⑤、山道区間が終わり、2車線に 69.0

9:44 0:06 1:38タークとガムペーンペットへの分岐、1号線、AH2

77.9 メーソート交差点 แยกแม่สอด

9:46 0:02 1:40 ピン川を渡る 80.5

9:48 0:02 1:42 ターク市街地を左折 Tesco LotusとBig Cが隣接

9:49 0:01 1:43 トイレ休憩 82.7

10:00 0:11 1:54 出発 82.7

10:03 0:03 1:57 12号線へ右折 84.6 右手にタークのバスターミナルあり

10:14 0:11 2:08 ターク空港通過 98.9 右手に空港

10:15 2:09 第11回交通量調査(15分間)片道2車線。平地の幹線道路に入り、乗用車、ピックアップ車の数が増加

10:21 0:07 2:15 大規模な整地工事あり 109.4

10:32 0:11 2:26 スコータイの県境入り 123.0

10:40 0:08 2:34 スコータイの市街地に入る 139.0

10:45 0:05 2:39 検問 142.5

10:52 0:07 2:46旧市街へ右折(ムアン・ガオまで4キロ)。ワングラジャーイ

152.2ムアン・ガオ=古都(世界遺産指定)。

แยกวังกระจาย

11:00 0:08 2:54 遺跡群、Historical Park 着 156.9 อุทยานประวัตศิาสตร์สโุขทัย11:15 0:15 3:09 Wat Si Chum に到着 166.9 วัดศรีชมุ11:30 0:15 3:24 同遺跡を出発 166.9

11:36 0:06 3:30 再びHistorical Parkに到着 169.7 入場チケット購入100バーツ

11:40 0:04 3:34 出発 169.7

11:41 0:01 3:35 公園内、マハータート寺遺跡入り口到着 169.9Wat Mahathat, Wat Sa Si, Wat Tra Phang Ngoen, Wat Si Sawai など

12:54 1:13 4:48 出発 169.9

12:59 0:05 4:53 Historical Parkの出口通過 172.0

13:02 0:03 4:56 タークとスコータイの分岐地点 175.1

13:06 0:04 5:00ピッサヌロークへの分岐地点、東西経済回廊、12号線、AH16 に戻る

180.0

13:10 5:04 第12回交通量調査(15分間)片道2車線。ピックアップ車のほかトラックの台数が増える

13:15 0:09 5:09 空港への分岐点 192.4

時刻 地点 距離計 備考

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

5日目 メーソート~スコータイ~ナコンサワン(2013年8月24日)

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

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図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

13:16 0:01 5:10 101号線と交差ターチャーング 193.2 แยกทา่ชา้ง13:20 0:04 5:14 1054号線と交差 197.3

13:27 0:07 5:21 12号線に戻る。コーターノック 206.3 แยกโคต้านก

13:40 5:34 第13回交通量調査(15分間)片道2車線。ピックアップ車の数がターク=スコータイ間より倍増する

13:54 0:27 5:48 外環125号線へ 245.5 ナコンサワンまで131kmの看板

13:59 0:05 5:53ナコンサワンへ分岐、3車線に117号線、AH13

253.8タートーングの町。ナコンサワンまで123kmの看板

14:04 0:05 5:58左はウッタラディット(チエンラーイ方面)、126号線との交差点

257.3 ノーングオー交差点。แยกหนองออ้

14:05 0:01 5:59 給油 257.7

14:13 0:08 6:07 出発 257.7

14:25 0:12 6:19 ピチットの県境入り 276.0

14:27 0:02 6:21 ピチット工業団地 280.0

14:32 0:05 6:26ピチット方面への分岐、115号線と交差プルワックスーン

287.0 แยกปลวกสงู

14:53 0:21 6:47昼食の食堂「大きな魚」に到着 รา้นปลาใหญ่

314.8プラー・マー、プラー・ヌアオーヌ、プラー・ガオなど魚が新鮮で種類が豊富。店内に手を合わせたワニの守り像あり。

15:44 0:51 7:38 出発 314.8

15:58 0:14 7:52 1067号線との交差点ポーサインガーム 332.0 แยกโพไทรงาม バンコク297kmの看板

16:31 0:33 8:25 3523号線分岐地点 378.1

16:34 0:03 8:28 国道1号線に合流 379.7

16:38 0:04 8:32 Big CへUターン 380.0

16:40 0:02 8:34 Big Cに到着 380.53階建て。バンコクのBig Cを上回る巨大な商業コンプレクスに驚く

17:15 0:35 9:09 出発 380.5

17:21 0:06 9:15 ホテル到着 381.4Aramis Hotel。オーナーのグリン・ニティタムはマツダの県総代理店

休憩時間の合計 3:15

走行時間 6:00

山越え区間(メーソット~スコータイ) 1:19

高速区間(スコータイ~ナコンサワン) 4:33

[5日目まとめ]

1.059 360.0 63.6

0.873 79.0 52.4

1.139 273.0 68.4

地点 距離計 備考

メーソット~スコータイ~ナコンサワン

時速

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

5日目(続き) メーソート~スコータイ~ナコンサワン(2013年8月24日)

時刻

山越え区間 (メーソット~スコータイ)

高速区間 (スコータイ~ナコンサワン)

走行区間 (昼食・休憩時間除く)

分当たり速度走行時間

(分)

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33

図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

9:03 0:00 0:00 ホテル出発 0.0

9:07 0:04 0:04 市場、チャオプラヤー川の0地点 1.2ピン川とヨム川、ナーン川の合流点付近(チャオプラヤー川の源流)

9:14 0:07 0:11 船乗り場到着、生鮮魚市場 1.6合流点付近と廟、浮き家(船上生活者)を視察

9:56 0:42 0:53 出発 1.6

10:01 0:05 0:58デーチャビブン橋(チャオプラヤー川)通過

4.8バンコクまで235キロ、チャイナートまで57キロの看板

10:21 1:18 3008号線との交差点。パユハキリ แยกพยหุะคริิ

10:25 0:24 1:22 ウタイターニーの県境入り 32.7

10:26 0:01 1:23ウタイターニー方面(333号線)の分岐点。ターナームオーイ

34.4 แยกทา่น้ําออ้ย

10:53 0:27 1:50 シンブリーの県境入り 77.2 右手、魚網の露店が多数並ぶ

10:56 0:03 1:53 Tak Fa 分岐 81.9

11:07 0:11 2:04 シンブリー方面分岐、335号線へ 100.5 アーントーンまで42キロの看板

11:10 0:03 2:07 ロッブリー方面分岐、311号線へ 104.6

11:22 0:12 2:19 ターウング郡方面への分岐点 122.7 อําเภอทา่อุง11:31 0:09 2:28 レンガ村(バーンイット)通過 137.0 บา้นอิฐ

11:31 0:00 2:28 アーントーン方面分岐、324号線へ 138.0

11:39 0:08 2:36 329号線への分岐点 150.8

11:42 0:03 2:39 バーンパハン方面への分岐点 152.9 อําเภอบางปะหัน

11:47 0:05 2:4432号線からはずれ、ナコンルアン郡方面へ

161.4 อําเภอนครหลวง

11:50 0:03 2:47 田んぼの写真を撮る 163.7 横では新しい工業団地造成中

11:54 0:04 2:51 出発 163.7

11:55 0:01 2:52 右手に大きなサイロあり 165.0

12:00 0:05 2:57三叉路右折(サハラッタナナコン工業団地方面へ)

169.8このあたりの道路は、洪水後、かさ上げされている

12:03 0:03 3:00サハラッタナナコン工業団地入口通過

นิคมอุตสาหกรรมสหรัตนนคร 172.0

入口の近くにある商店街は、空き家や「貸し店舗」の表示が目立つ。入居数46社のうち再開と部分再開が29社、未再開11社、工場閉鎖6社。

12:12 0:09 3:09工業団地内、日系某社(自動二輪車ホンダの金型)に到着。守衛から聞き取り調査。

175.08月初めに企業はサラブリー県ノーンケー工業団地に移転。3メートル近い洪水の痕跡の写真撮影

12:22 0:10 3:19 出発 175.0

12:27 0:05 3:24 防波堤を作っている現場の写真撮影 177.1工業団地のオーナーが洪水以前に破たんしたため、防波堤も中断状況

12:32 0:05 3:29 出発 177.1

12:34 0:02 3:31 工業団地出口を通過 177.9

12:37 0:03 3:34 三叉路左折、329号線に戻る 180.3

12:39 0:02 3:36 パーサック川を渡る、ロッブリー方面に 181.0

12:43 0:04 3:40 3063号線、右折 185.0右手に次々と瑞興利(Sui Heng Lee)、タイセントラル化学(TCC)、ニンスワン等の工場やサイロが出現。

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

6日目 ナコンサワン~バンコク(2013年8月25日)

時刻 地点 距離計 備考

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

34

図表 1-11(続き)東西経済回廊(2013 年 8 月 20 日~8 月 25 日)

経過時間、分

累計時間、分

12:50 0:07 3:47 左折、32号線、AH1、AH2に戻る 190.7

12:51 0:01 3:48 アユタヤー市街地に入る 191.8

12:59 0:08 3:56川べりのレストラン「リム・ナーム」(สวนอาหารรมิน้ํา)到着

195.0

半生状態の焙り焼きエビ(กุง้เผา)、貝類(หอยแคลง, หอยหวาน)が名物の店。店内は日曜日もあって超満員。

14:24 1:25 5:21 出発 195.0

14:27 0:03 5:24 32号線に戻る 196.1アユタヤー市まで6キロ、バンコクまで73キロの看板。右手に巨大なTESCO/LOTUSの店舗

14:30 5:27 右手にBig C アユタヤーの店舗

14:51 0:24 5:48左折、ウドンラーチャヤ方面、3214号線へ

229.4

14:56 0:05 5:53 首都高速に入る 234.4

15:14 0:18 6:11 料金所通過 260.3

15:26 0:12 6:23 高速降りる 273.0

15:45 0:19 6:42 ホテル着 278.6 Center Point Chidlom Hotel

16:23 0:38 7:20 バーンラック幼稚園へ出発 278.6

16:37 0:14 7:34 バーンラック幼稚園着 284.6 講演会開催

休憩時間の合計 3:04

走行時間 4:30

高速区間 3:46

[6日目まとめ]

1:17 270.0 63.2

1.19 226.0 71.2

東西経済回廊 末廣GMS調査団 走行記録 (記録作成者:宮島良明、監修者:末廣昭)

6日目(続き) ナコンサワン~バンコク(2013年8月25日)

時刻 地点 距離計 備考

ナコンサワン~バンコク

高速区間

走行区間 (昼食・休憩時間除く) 分当たり速度走行時間

(分)時速

<写真> 2011 年 9 月から 10 月の大洪

水で、甚大な被害を受けたサハラッタナ

ナコン工業団地内の自動車部品工場。壁

に棒で指し示したところまで水がきた。

この工場は私たちが訪問した 8 月に、隣

接する県にすでに機械設備を移動して

いた。

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35

経済回廊は、メコン川流域 6 カ国の内陸都市もしくは港を起点にし、終点の都市もしくは

港までつなげる事業である。国境における通関手続きその他を簡素化・効率化することで、

ボーダレスの経済圏を生み出すことを目的とする。しかし、実際に経済回廊の起点から終点

までを利用するコンテナ車は皆無に近いし、それだけの時間とコストをかけて運ぶ付加価値

の高い商品もほとんどない(したがって、ASEAN 連結性の強化を意味しない)。

むしろ、経済回廊のメリットは、これまで経済的に後進であった国境地域を活性化させ、

経済回廊の一部を利用することで、物流を増大させることにある。その典型が今回調査した

東西経済回廊であった。

コーンゲンからタークまでの東西経済回廊は、山間部が多く対向車もほとんどなかった。

一方、タークとメーソートの間はコンテナ車などが増える。さらに、スコータイやピッサヌ

ロークから南下してバンコクに通じる道路(南北回廊の一部)では交通量が急増する。経済

回廊は一本の線ではなく「特定区間」ごとに見ていく必要があるのである。

項目・車種 1 2 3 4 5 6

対向車・追抜き 対向車 対向車 対向車 対向車 対向車 対向車

調査日 8月22日 8月22日 8月22日 8月22日 8月22日 8月22日

調査開始 9時40分から 10時10分から 12時30分から 14時20分から 15時00分から 15時30分から

調査終了 9時55分まで 10時25分まで 12時45分まで 14時35分まで 15時15分まで 15時45分まで

目視場所

ロムサック手前100キロ・コーヌ

サーンから14キロ(山岳地帯、S字

カーブ)

ロムサック手前58キロ・国立公園から14キロ (山岳地帯、S字カーブ)

ロムサック展望台(山岳地帯)からピッサヌローク県境(平地)の間

ピッサヌローク県西側からスコータイ県境5キロ地点

ターク手前81キロ地点(平地)から手前63キロ地点

ターク手前41キロ地点(平地)から手前22キロ地点

走行距離(km) 14 14 17 18 18 19

気候条件 小雨 小雨 雨 雨 曇り 曇り

車線 片側1車線 片側1車線 片側1車線 片側2、3車線 片側2車線 片側2車線

ワゴン、バン 0 0 2 8 4 2

乗用車 3 1 2 61 17 12

ピックアップ車 29 23 45 112 38 42

バス(路線、観光) 1 0 1 9 0 2

トラック4輪 1 1 2 10 5 2

トラック6輪 1 1 1 2 2 3

トラック6輪連結 2 0 0 4 3 3

トラック10輪以上 1 0 0 2 2 0

コンテナー車 0 0 0 1 0 0

タンクローリー 0 0 0 0 1 0

コンクリートミキサー

郵便コンテナ パトカー 軍用車 耕運機

1 1 25 1

(注)(1)ピックアップ車は通常の1トン積み商用車のほか、荷台を改造した車を含む。

(2)トラック6輪は、タイヤが前輪2個、後輪が4X2=8個の「シップロー」(10輪車)を指す。

(3)トラック6輪連結は、前輪2個の駆動車に、6輪(タイヤ12個)の荷台を2連結合した車。

(4)トラック10輪以上は、タイヤが前輪2個、後輪が10X2=20個(22輪車)、12X2=24個(26輪車)。トレラーを含む。

(出所)末廣昭・助川成也・宮島良明の3名による合同調査(目視調査)から集計。

図表1-12A 東西経済回廊(コーンゲン=ターク)の各地点における対向車(1回15分間) 2013年8月22日(木曜日)調査

その他 - -

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

36

項目・車種 7A 7B 8A 8B 9 10

対向車・追抜き 対向車 追抜き 対向車 追抜き 対向車 対向車

調査日 8月24日 8月24日

調査開始 8時20分から 9時15分から

調査終了 8時35分まで 9時30分まで

目視場所

メーソートから10キロ地点から下りと上りを繰り返しながら23キロ地

点まで。

メーソートから47キロ地点から下りで62キロ(タークまで23キロ)地

点。

走行距離(km) 13 15

気候条件 曇り 曇り

車線 片側1車線 片側1車線

ワゴン、バン 3 0 4 0 3 4

乗用車 5 0 8 0 10 17

ピックアップ車 15 4 37 1 33 52

バス(路線、観光) 1 0 0 0 1 0

トラック4輪 1 3 6 2 12 5

トラック6輪 1 4 0 2 6 0

トラック6輪連結 1 1 0 0 5 9

トラック10輪以上 1 2 0 0 3 3

コンテナー車 0 1 1 0 3 8

タンクローリー 3 1 2 2 0 6

コンクリートミキサー 1 0 3 0 0 0

パトカー 1

軍用車 2

(出所)末廣昭・助川成也・宮島良明の3名による合同調査(目視調査)から集計。

図表1-12B 東西経済回廊(ターク=メーソート)の対向車(1回15分間) 2013年8月23日(金曜日)、24日(土曜日)調査

その他

8月23日

7時15分から

7時30分まで

8月23日

8時00分から

8時15分まで

タークから●キロ地点、平地から山岳地帯に入り、S字カーブ多し。

メーソートまで23キロ地点、第三検問所(タークから78.5キロ)の手前ま

で。山岳地帯、S字カーブ多し。

小雨 小雨

片側1車線 片側1車線

<写真> 2013 年 8 月 24 日、タークとミャンマー国境メーソート間の山越え

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37

項目・車種 11 12 13 平均 南北経済回廊☞ 14

対向車・追抜き 対向車 対向車 対向車 対向車 対向車

調査日 8月24日 8月24日 8月24日 8月24日 8月25日

調査開始 10時15分から 13時10分から 13時40分から 10時25分から

調査終了 10時30分まで 13時25分まで 13時53分まで* 10時40分まで

目視場所

ターク空港(メーソートから102キロ地点)の先からスコータイ市街の

手前まで

スコータイ旧市街(メーソートから187キロ地点)からゴーングライ

ラート郡手前まで

メーソートから228キロ地点からピッサヌロークのバイパス右折地点ま

南北経済回廊。ウタイターニー県10キロ手前地点からチャイナート市手前57キロ。

走行距離(km) 21.3 19.0 16.5 18.9 25.0

気候条件 曇り 曇り 曇り 曇り 晴れ

車線 片側2車線 片側2車線 片側2車線 片側2車線 片側2車線

ワゴン、バン 3 0 5 2.7 28

乗用車 16 21 115 50.7 180

ピックアップ車* 59 62 119 80.0 191

バス(路線、観光) 1 0 3 1.3 10

トラック4輪 4 8 12 8.0

トラック6輪 2 2 8 4.0

トラック6輪連結 0 7 2 3.0

トラック10輪以上 4 1 0 1.7

コンテナー車 0 1 4 1.7

タンクローリー 0 2 1 1.0

コンクリートミキサー 1 0 1 0.7

その他 パトカー 2 DHL 1

(出所)末廣昭・助川成也・宮島良明の3名による合同調査(目視調査)から集計。

図表1-12C 東西経済回廊(ターク=スコータイ=ピッサヌローク)の対向車(1回15分間) 2013年8月24日(土曜日)調査:南北経済回廊(国道32号線、ウタイターニー県)、同8月25日(日曜日)調査。

79

【補足7】 東部タイのアマタナコン工業団地(末廣昭記)

私たちが 2013 年 8 月 19 日の午後訪問したウスイ国際産業の工場があるアマタナコンは、

日系企業を中心に自動車関連企業が集積する工業団地である。

3040ヘクタール 700工場以上 1600ヘクタール 140工場以上

1989年造成 16万人 1995年造成 2万5000人

企業の国籍 工場の業種 企業の国籍 工場の業種

日本 58% 自動車 31% 日本 24% 自動車 35%

タイ 21% 鉄鋼・金属 29% タイ 19% 金属プラスチック 23%

欧州 6% 電子 11% 中国 13% 電子 14%

米国 4.2% 消費財 9% ASEAN 10% 消費財 12%

ASEAN 4.0% 化学 9% 欧州9% 食品 6%

台湾 3.2% インフラ 8.5% 米国・カナダ 8% 化学 5%

オーストラリア 1.3% 食品 2% 韓国 6.5% インフラ 4%

(出所)Amata Corporation, Annual Report 2013 , ほかより末廣昭作成。

Amata Nakorn (チョンブリー県) Amata City (ラヨーン県)

図表1-13 アマタ・グループの工業団地の比較

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

38

アマタ・グループは、客家系の華人実業家ウィグロム・グロマディットが、一代で築き上

げた建設請負・工業団地造成の大手である。現在、東部タイのチョンブリー県とラヨーン県

に二つの工業団地(図表 1-13 を参照)を有し、ベトナムのホーチミン市郊外にも工業団地

(1994 年操業)を持つ。2000 年代半ばに、上海とインドのムンバイにも工業団地造成の計

画を持っていたが、地価の高騰(中国)やパートナーとの対立(インド)が原因で、両国の

事業は棚上げになっている。

一方、アマタ・グループは、ミャンマーの南部にあるダウェイ開発に強い関心を持ち、バ

ンコクとダウェイを結ぶ幹線道路の国境沿いに工業団地を造成する計画をすでに公表して

いた。この工業団地はミャンマー人労働者を使って労働集約的な製品を作り、バンコクに持

ち帰って海外に輸出することを目的とする。

東部タイのチョンブリー県に保有するアマタナコン工業団地は、現在、700 社以上の工場

が入居する。当初は一つの村の土地を買い取ったが、その後、ウィグロムが政治的手腕を発

揮して敷地を拡大していき、現在は 1 万 9000 ライ(3000 ヘクタール)に及ぶ広大な敷地を

持つ。敷地内は高速道路をはさんで、計 8 つの地区から成り、2011 年 9 月の大洪水で被害

を被った日系企業や、2011 年以降に新規に進出してきた外国企業が、こぞって洪水のリス

クのない東部タイに工場用地を求めたため、アマタナコン工業団地はすでに「満杯」に近い

状況にある。

アマタナコン工業団地の中には工場サイトだけでなく、発電設備、物流企業や各種サービ

ス業、商店、レストラン、工場労働者の住居などが存在し、それらに従事する従業員や工場

労働者の家族を含めると、人口はすでに 20 万人を優に超える「大都市」に発展しているこ

とに注目したい。アマタナコン工業団地やアマタシティ工業団地は、タイを代表する産業集

積地(industrial clusters)と言ってよいだろう。

【補足8】 コーンゲン大学構内の孔子学院(末廣昭記)

2000 年代半ばから、アメリカ、欧州、アジアで、中国語の普及や中国文化の紹介を軸と

する「ソフトパワー戦略」(Sinicization)を担っているのが孔子学院である(本報告書の第3

章 伊藤論文を参照)。私たちが 8 月 21 日に訪問した東北タイのコーンゲン大学構内にも孔

子学院はあった。

じつは、コーンゲン大学の構内にある孔子学院は、2006 年にタイで 初に開校された学

院である。私はたまたま同大学のメコン・インスティチュートを訪問した際に、同じ建物内

に開校直後の孔子学院の看板を見て(タイではコーンゲンは華語で坤敬と書くが、中国政府

は意図的に発音が同じ孔敬、あるいは孔敬大学を看板に使用していたので、興味を持った)、

飛び込みで調査を行ったことがある。このときは、まだ狭い部屋を間借りしている状態で、

事務職員も一人しかいなかった。

しかし、今回訪問した際には、同じ大学の構内に独立の立派な建物を建設しているさなか

であり、2013 年末に完成するとのことだった。建設費用の 5488 万バーツ(約 1 億 5000 万

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39

円)はコーンゲン大学が全額..

負担し...

、北京政府はコンピュータや机椅子などの什器や教材の

みを負担する。タイ側の負担は、恐らくコーンゲン県の華僑華人の寄付で賄うものと推測さ

れる(下の写真は新校舎、孔敬大学孔子学院ののぼり、2 人の院長、教材)。

学院の院長は中国人とタイ人の 2 人体制である。中国語の教師 20 名(多くは提携先の重

慶・西南大学の教員)とタイ人事務員 3 名を雇用し、それとは別にコーンゲン県と近隣県の

高校の中国語(第二外国語)の教師として、じつに 50 名が中国から派遣されていた。

学生はコーンゲン大学に在籍し、中国語(もしくは中国文化)を専攻するものが 100 名、

副専攻が 300 名である。そのほか、2012 年には、8598 名が中国語の授業を受講したという

(うち無料の語学受講者は 2294 名、中学高校での第二外国語としての受講生が 3630 名)。

2014 年以降の課題は、タイ人の中国語教師を養成することにあると、王貴彬(Wang Guibin)

院長は、私たちに誇らしげに語った。

番号 地域 孔子学院のあるタイの大学 中国側の提携大学

1 バンコク チュラーロンコン大学 北京大学

2 バンコク カセサート大学 華僑大学(Chongqing Univ)

3 バンコク トライミット・ウィタヤーライ高校 天津実験中学

4 バンコクバーンソムデット・チャオプラヤー・ラーチャパット大学

天津師範大学

5 北タイ チエンマイ大学 雲南師範大学

6 北タイ メーファールアン大学 厦門大学

7 東北タイ コーンゲン大学 西南大学(重慶)

8 東北タイ マハーサーラカム大学 広西民族大学

9 南タイ ソンクラー大学 広西師範大学

10 南タイ ソンクラー大学プーゲット校 上海大学

11 南タイ(フアヒン) スワン・ドゥシット・ラーチャパット大学 広西大学

12 ? Betong International Chinese 重慶大学

(出所)チエンマイ大学のホームページ(タイ語)より末廣昭作成。

図表1-15 タイの孔子学院設置の大学と提携大学(2013年現在)

コーンゲンを皮切りに、タイではチュラーロンコン大学、カセサート大学、チエンマイ大

学など 12 の大学に孔子学院が設置され、それぞれに中国側の提携先が指定されている(図

表 1-15)。提携先は語学などの教師の派遣に責任を持ち、学術文化交流も担当する。タイの

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第 1 章 大メコン圏(GMS)走行記録

40

孔子学院の数は日本と同数であり、東南アジアの中では突出して多い。それだけ北京政府が

タイを重視していることの証しとも言えよう。

【補足9】 国境のミャンマー人労働者雇用の工場(末廣昭記)

8 月 23 日に、ミャンマーとの国境にあるメーソート工業団地を訪問した。この工業団地

は、日系企業などと合弁形態で、化粧品、歯磨き・洗剤、婦人下着、インスタントラーメン

など消費財の製造・販売(160 社以上)と、工業団地の造成を行っているサハ・グループ(チ

ョークワッタナ家)が新たに造成した団地である。敷地面積は 130 ライ(21 ヘクタール)。

主にレンタルで工場や倉庫を貸し出す。工業団地で働くミャンマー人は 1050 人で、タイ人

210 名(管理職を含む)をはるかに超える。

ミャンマー人の多くは、国境から内陸に入ったバゴー管区から来ている。メーソートがあ

るターク県などに事務所を置く人材派遣会社が、労働力の徴募や斡旋を行う。私たちが訪問

した企業は、3 つのガーメント製造工場(婦人服、下着、靴下など)をもち、サハ・グルー

プ傘下の企業(バンコクに本社)の生産受託を行っていた。従業員数は第一工場が 300 人、

第二工場が 200 人、建設中の第三工場が 350 人である。24 名でチームを編成し、チームリ

ーダーはタイ人、補佐をミャンマー人がつとめる。

賃金は 2013 年 1 月から全国一律に実施された 低賃金(1 日 300 バーツ)にしたがって

いるが、食事、宿舎、制服などの企業福利も、 低賃金の中に含めているとの話であった。

工場内の作業指示はミャンマー語とタイ語の両方で行っている。もっとも、工場の門には、

タイ語で「phasa phama phua karn suesarn」(コミュニケーションはミャンマー語で行おう)

とのスローガンが掲載されていた。離職率は月 1%と低く、東部タイの工業団地のタイ人労

働者と比べて、勤務態度も勤務状況もよいという。

サハ・グループは、現在、ミャンマー内陸部のパアーン(Hpa An)に工業団地を建設す

る計画を持っている。サハ・グループはすでに、フランス資本と共同でヤンゴンとネピドー

に「オーシャン」の名前のハイパーマケットを出店している。この工業団地が実現すれば、

タイ資本による本格的な工業団地の展開となる。

<写真>左はタイとミャンマーの国境に架かる橋。右は「東西経済回廊」がインドを経て中

東、ヨーロッパまで延びることを示したインラック首相の看板(メーソート)。

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41

第 2 章

南進する中国と中国ASEAN博覧会(CAEXPO)

末 廣 昭

はじめに

中国 ASEAN 博覧会(以下、CAEXPO)は、2004 年 11 月にその第 1 回が、ベトナムと国

境を接する広西チワン族自治区の南寧市で開催された。以後、毎年 9 月か 10 月に開催され、

2013 年に第 10 回目を迎えた(Suehiro 2013)。

それでは、なぜ南寧市で ASEAN を対象とする博覧会を実施するようになったのか。

その理由は、第 1 回目からほぼ 1 年前の 2003 年 10 月に、温家宝首相が ASEAN 中国首脳

会議の場で、CAEXPO の開催を約束したからである。この約束は、同じ年の 7 月に中国と

ASEAN の間で合意した「中国 ASEAN 包括的経済協力の枠組み協定」の円滑な実施を目的

としていた(『中国-東盟年鑑 2004』、87 頁)。この協定の基本方針を、朱鎔基首相が「第 4

回 ASEAN 中国首脳会議」の場で表明したのが、2000 年 11 月のことであった。したがって、

CAEXPO の出発点は 2000 年に遡ることができる。

中国 ASEAN の経済関係の進展を規定しているのは、公式の外交関係と具体的な経済活動

の 2 つである。前者の外交関係は二国間の外交、そして、1990 年代前半から本格化する中

国と「組織としての ASEAN」間の外交である(天児・三船編著 2010 年)。

まず 1993 年に、中国は ASEAN の「協議パートナー」として認められ、3 年後の 1996 年

には「対話国」に昇格した。さらに、2003 年 6 月には ASEAN の「東南アジア友好協力条

約」(TAC)への加盟が認められ、同じ年の 10 月には、ASEAN 域外国としては初めて、中

国は「戦略的パートナー」の地位を獲得している(図表 2-1 を参照)。

一方、ASEAN は公式(非公式)首脳会議のあとに、主要国の首脳と個別に会合する「ASEAN

プラス1」首脳会議の方式をとってきた。第 1 回目の ASEAN 中国首脳会議(クアラルンプ

ル)が開催されたのは 1997 年 12 月。このときは江沢民国家主席が出席している。次いで

翌 1998 年 12 月には、第 2 回 ASEAN 中国首脳会議(ハノイ)が開催され、胡錦濤国家副主

席が出席した。1999 年 11 月の第 3 回目(マニラ)からは、朱鎔基首相が毎回出席するよう

になる(『中国-東盟年鑑 2008』、363 頁)。

しかし、「ASEAN 中国首脳会議」の名称から分かるように、首脳会議のイニシアチブは

あくまで ASEAN 側にあり、会場も ASEAN 首脳会議の議長国で実施された。決して、「中

国 ASEAN 首脳会議」ではなかったのである。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

42

年月日 事 項

1992年10月第1回GMS経済協力会議をマニラで開催。「大メコン圏経済協力(Greater Mekong Subregion Economic Cooperation)」に合意。メコン川流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV)、タイの5カ国と中国の雲南省地方政府が参加。

1993年9月ASEAN事務局訪問団(アジット事務局長が団長)が中国を公式訪問。中国をASEANの「協議パートナー」にすることで合意。

1994年7月第1回ASEAN地域フォーラム(ARF)をバンコクで開催。このときの昼食会で、初めて日中韓の代表が同席する。

1994年9月GMSプロジェクトの第1号として、アジア開発銀行(ADB)が雲南高速道路建設を認可。ADBが1億5000万ドル、中国政府が3億1140万ドルを出資。

1994年 雲南省昆明市でASEAN加盟国を招聘して、「昆明進出口商品交易会」を開催。

1996年7月ASEAN拡大外相会議に中国の銭外交部長が初めて招聘されて出席。中国はASEANの「協議パートナー」から「対話国」に昇格する。

*1996年8月 第6回GMS経済協力会議を昆明で開催。

*1997年2月 第1回ASEAN中国合同協力委員会(JCC)を開催。

*1997年12月ASEAN非公式首脳会議(クアラルンプル)のあと、第1回ASEAN・中国首脳会議を開催。江沢民主席が出席する。

*1998年12月 ASEAN非公式首脳会議(ハノイ)のあと、第2回ASEAN・中国首脳会議。胡錦濤副主席が出席。

*1999年11月 ASEAN非公式首脳会議(マニラ)のあと、第3回ASEAN・中国首脳会議。朱鎔基首相が出席。

*2000年3月中国政府が「第10次5カ年計画要綱」を発表。中国企業の対外進出を支援する「走出法」を初めて制定、以後、対外進出が本格化する。

*2000年11月 第4回ASEAN・中国首脳会議(ブルネイ)で、朱鎔基首相がASEANに自由貿易協定を提案する。

*2000年12月 中国が世界貿易機関(WTO)に正式に加盟。

*2001年3月 ASEAN中国FTA専門委員(ACTFA)による研究会の発足に合意する。

*2001年11月 第5回ASEAN・中国首脳会議を開催。朱鎔基首相が出席。

*2001年中国政府・僑務弁公室が、世界とASEAN諸国の青年企業家に対して、「China Discovery Trip」に招聘。タイはこれに呼応して「泰青年企業家協会」を創設。華人財閥の新世代が多数参加。

*2002年11月第6回ASEAN・中国首脳会議(プノンペン)で、温家宝首相が10年以内の「中国ASEANの包括的経済協力」の実施に合意する。

*2002年11月 第1回GMSサミット(プノンペン)開催。非公式であった中国の北京政府が正式にGMSに参加。

*2002年雲南省「昆明進出口商品交易会」のASEAN諸国のブース出展数が、2001年77から136へほぼ倍増。2003年243、2004年267へと増加を続ける。

*2003年4月 ASEAN・中国特別首脳会議(バンコク、SARS問題)を開催。温家宝首相が出席。

*2003年6月 ASEAN拡大外相会議で、中国の「東南アジア友好協力条約」(TAC)への加盟を承認。

*2003年7月 「中国・ASEAN包括的経済協力の枠組み協定」が発効する。

*2003年8月中国の財務次官、金立群(Jin Lingu, 54歳)が、中国としては初めてアジア開発銀行(ADB)の副総裁に就任。以後、ADB内での中国の発言権が増す。

*2003年10月中国がASEAN域外国として初めて、TACに調印。同時に、「平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」に調印し、ASEAN域外として 初の戦略的パートナーシップになる。

*2003年10月第7回ASEAN・中国首脳会議(バリ島)で、温家宝首相が、広西チワン族自治区の南寧市で毎年、「中国ASEAN博覧会」(CAEXPO)を開催する意思のあることを提案。

*2004年11月 第8回ASEAN・中国首脳会議(ビエンチャン)を開催。温家宝首相が出席。

*2004年11月 広西チワン族自治区の南寧市で、第1回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)を開催。

図表2-1 中国・ASEAN関係の進展、1992-2004年

(出所)末廣昭ほか(2009年)の「年表1 GMS、中国ASEAN、東アジア経済協力に関する年表」、『中国-東盟年鑑2008』、並びに本章の付表3などから筆者作成。

もうひとつのルートは具体的な経済活動である。この中には、貿易、直接投資、経済援

助(無償と有償)、経済合作(建設請負、労務提供、設計など)、国有の電力集団、石油集

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団などの海外事業活動などがある(末廣 2009a 年;本報告書の伊藤論文)。これらの活動

は、一方では、対外進出を支援する法律や制度の整備(2000 年の「走出法」、2003 年 3 月

の対外援助司の設置、2004 年 9 月の対外直接投資手続きの簡素化など)によって支えられ

ると同時に、「中国 ASEAN 包括的経済協力協定」の締結によっても加速した。

しかし、中国と ASEAN の間の経済関係を規定する枠組みは以上の 2 つに限らない。じつ

はこれ以外にも、非外交的ルートやさまざまな制度・組織(institutions)を使って、中国 ASEAN

間の経済関係を強化している点が、中国の対外経済政策、とりわけ対 ASEAN 政策の大きな

特徴であったからである。

例えば、1992 年からアジア開発銀行(ADB)の主導で始まった「大メコン圏」(GMS)

開発プロジェクトがそれである1。メコン川流域 6 カ国で構成される GMS は、当初、中国

は雲南地方政府を唯一の公式代表として送り込んでいた。北京政府が代表メンバーとして

参加するのは、2002 年 11 月の第 1 回 GMS サミット(マニラ)からである。また、3 年後

の第 2 回 GMS サミット(昆明)からは、雲南地方政府、北京政府に加えて、広西チワン族

自治政府(CAEXPO の事務局)も、正式メンバーとして参加するようになった。とはいえ、

北京政府が発足当初から GMS に深く関与していたことは間違いない。

末廣(2009a 年、2011 年)でも明らかにしたように、中国の参加は、構成国の一員として

GMS 開発事業に協力する(出資する)という目的だけではなかった。そこには、中国の

ASEAN 進出(南進)と国内の内陸部開発という 2 つの国家目標を実現するために、GMS

という「地域協力枠組み」を積極的に活用するという意図が明確に存在した。

同様のことは、1994 年から雲南省昆明で開始された「昆明進出口商品交易会」(以下、昆

明商品交易会)にもあてはまる。「昆明商品交易会」は、雲南地方政府と ASEAN 加盟国の

貿易商業関連部局が合同で開催する物産展である。

しかしながら、物産展のブース出展の実態をみると、主要メンバーは雲南のほか、重慶、

四川、貴州、広西チワン族自治区、チベットの 6 省市と成都市人民政府の 7 つの連合体で

あり、ブースの数も、ASEAN 諸国(2007 年 183)より中国側(同年 2000 以上)の方が頭

抜けて多かった(末廣 2009a 年、52-53 頁)。ここでも、中国 ASEAN 経済関係の強化と同

時に、「内陸部開発」という中国側の政策意図が見え隠れする。

2001 年から中国国務院僑務弁公室(華僑事務所)と外交部(外務省)の肝いりで始まっ

た「China Discover Trip」キャンペーンは、世界各国の有力華人青年実業家を招聘し、経済・

文化交流の促進と共に、新世代の華僑華人のネットワークづくりを目指した国家事業であ

1 大メコン圏(GMS)開発や、日本とインドシナ大陸開発の関係に関する研究については、

次の文献を参照。森薗(2002 年)、山影(2003 年)、石田編(2005 年)、ジェトロセンサ

ー編(2006 年、2008 年)、石田・工藤編(2007 年)、石田編(2008 年、2010 年)、末廣

ほか(2009a 年、2011 年)、United Nations University (1996), Oehlers (2006)、United Nations (2007), ADB (2008a, 2010, 2012a, 2012b, 2012c, 2013)、Mekong Institute (2008)、Hensegerth (2009)、Ishida ed. (2013).

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

44

る。このキャンペーンでも、ASEAN 諸国は重要なターゲットになった。

例えば、北京政府の呼びかけに対して、タイ側が派遣した「第 1 回タイ青年企業家訪問

団」の中核となった 8 名のメンバーをみると、次のとおりであった(末廣による調査)。

番号 華語名 タイ語名 タイの名前 タイの姓名 祖籍・原籍泰国青年企業家

協会 2011年備 考

1 丘夏莉ティティナン・ワッタナウェーキン

ฐตนันท์ วธันเวคน 客家、豊順県 初代理事長

1955年生まれ。丘細見(キアット:1960年代以降、砂糖、

金融、不動産で財をなす)の七女。2006年、泰中友好協

会理事。2002年、Kiatnakin Finance PLC

2 陳智淦チャーリー・ソー

ポンパニットชาลี โสภณพานช 潮州潮陽県

栄誉理事長(2代目理事長)

1961年生まれ。陳有漢(チャートリー:バンコク銀行総帥)

の次男:1987年、President of Asia Sermkij Co ,Ltd 。

3 歐先慈プラソン・アオ

ラーンประสงค์ เอาฬาร 海南

栄誉理事長(3代目理事長)

1952年生まれ。歐宗清(ソンサクディ:OGCグループの創

始者、2006年TCCC常務會董、海南会館理事長)の長

男。OGCグループを引き継ぐ。

4 胡寶鋒チューシット・

オーパサウォンชสูทธ ์ โอภาสวงศ์ 潮州潮安県

栄誉理事長(4代目理事長)

1959年生まれ。胡玉麟(サマーン、コメ輸出商の大手・匯

川) の次男。社長 Huay Chuan Co ,Ltd ;Huay Chuan (Rubber) Co ,Ltd 。

5 陳 正ソムヌック・ガヤワッタナギット

สมนกึ กยาวฒันกจ 潮州潮陽県 理事長陳純(サコン:中華日報の元社長、潮陽同郷会理事長ほか)の次男。現在、中華日報社長;中華保険有限公司。

6 李先樑ニポン・リーラ

シートンนพนธ์ ลีละศธร 潮州潮陽県 副理事長

1961年生まれ。李光隆(ウィシット:長くTCCC理事、潮州

会館副主席)の長男:1998年から社長。Lee Feed Mill PLC; Wall Street Life Assurance Co ,Ltd

7 李天才チャートチャイ・ウィーラメーティ

グン

ฉัตรชยั วรีะเมธกีลุ 潮州普寧県 理事長顧問主席

1963年生まれ。李景河(ウィラチャイ:2001年下院議員、

M Thai 明泰グループ総帥)の長男。現在 M Thai Industrial 会長, M Thai Estate の社長。

8 謝吉人スパギット・チア

ラワノンสุภกจ เจียรวนนท์ 潮州澄海県 会員

謝國民(タニン:CPグループ総帥)の次男。兄はナロン。

TelecomAsia PLC(True Corp PLC), CEO of Telecom Holding Co ,Ltd

図表2-2 「China Discover Trip」の 初のタイ訪問団代表8名と泰国青年企業家協会の役員、2013年現在

(出所)『泰国青年企業家協会10周年記念本』(華語、タイ語、英語)、バンコク、2012年より筆者作成。各人の経歴や祖籍・原籍の確認は筆者の独自の調査による。

中国訪問後にタイ国内で組織された「泰国青年企業家協会」(Samakhom Thurakit Thai

Run-mai)の初代理事長である丘夏莉(ティティナン・ワッタナウェーキン。タイ砂糖・金

融財閥の創始者・丘細見の七女)、2 代目理事長である陳智淦(チャーリー・ソーポンパニ

ット。バンコク銀行総帥の陳有漢 [チャートリー] の次男)、現在の理事長である陳正(ソ

ムヌック・ガヤワッタナギット。『中華日報』創業者の陳純 [サコン] の長男)、謝吉人(ス

パギット・チアラワノン。タイ最大の華人系財閥である CP グループの総帥で、北京の僑務

委員会メンバーもつとめる謝國民 [タニン] の次男。本人は CP グループの中国事業を統括)

たちであった。

タイを代表し、中国と強いパイプを持つ財閥(ファミリービジネス)の 2 代目、3 代目が

ずらりと顔を揃える、錚々たるメンバー構成だったのである。

また、2000 年代半ばから本格化する中国の「ソフトパワー戦略」、つまり、中国語教育の

普及と中国文化・歴史の学習促進を目的とする「孔子学院」の海外展開は、アメリカを最

重要の戦略拠点としつつも、アジア、とりわけ韓国やタイなどの近隣諸国もターゲットに

していた点に注意する必要がある(本報告書の第 3 章 伊藤論文を参照)。

以上のような、外交関係や貿易・投資活動と並行して構想され、これらの活動を補完す

る各種枠組みの形成(中国主導の環境づくり)は、欧米と日本の地域主義(regionalism)の

比較を行ったカツェンシュタイン(Peter Katzenstein)の言葉を借りれば、北京政府主導に

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よる「中国化」(Sinicization)の試みと呼ぶことができるだろう(Katzenstein ed. 2012)。ま

た、天児たちはこうした動きを、「パクス・アメリカーナ」になぞらえて「パクス・シニカ」

と呼んだ(天児・三船編著 2010 年)。そして、中国政府による周辺諸国の「中国化」の典

型的な動きが、ここで紹介する CAEXPO の開催であった。

というのも、CAEXPO は看板に掲げる「博覧会」だけではなく、多様な目的を持ってい

たからである。具体的には、中国 ASEAN 間の貿易・投資の拡大、両者の観光事業の促進、

開幕式に名を借りた「中国 ASEAN 首脳の集い」(従来の ASEAN 中国首脳会議ではない)

の実現、各種の経済フォーラムを通じた地域協力の推進、華人企業家ネットワークの強化、

文化交流の推進(「偉大なる中国」の復興)、などがそれであった。これは日本・ASEAN 関

係にはほとんど見ることのできない、中国の ASEAN 政策(戦略)の大きな特徴とみなすこ

とができる。

そこで本章では、東南アジア地域の「中国化」の一部をなす CAEXPO に焦点をあてて、

その背景と実態、組織体制と後援団体、政治的あるいは経済的意図について、詳しく検討

することにする。主に利用したデータは、中国が 2004 年から定期的に刊行している『中国

-東盟年鑑 China-ASEAN Yearbook』(中国語)の記述である。詳しい内容は、付表1から

付表3に整理しておいたので、そちらを参照していただければ幸いである。

第1節 CAEXPO 開催の背景とその経緯

1. 中国 ASEAN 関係の進展と CAEXPO

最初に図表 2-3 を見ていただきたい。図表は 1990 年から 2012 年までの、日本並びに中国

と ASEAN 諸国の輸出と輸入を合計した貿易額の推移を示したものである。1990 年代は、

日本 ASEAN 貿易が中国 ASEAN 貿易をはるかに凌駕していた。ところが、2004 年あたりを

境に中国ASEAN貿易が急増し、2008年には遂に中国ASEAN貿易が日本のそれを追い抜く。

そして、その後は両者の貿易額の差は広がるばかりであった。

ここでは、2004 年から始まる CAEXPO が、中国 ASEAN 貿易が急速な増加を示す時期と

ほぼ重なっている事実に注目しておきたい。それでは、このような貿易の急増をどのよう

に説明すればよいのか。

中国と ASEAN 諸国との間の貿易関係については、これまで現代中国研究拠点事業のリサ

ーチシリーズの中で重点的に紹介してきた2。本報告書でも、大泉論文(第4章)、宮島論文

(第5章)が、最新のデータにもとづいて分析を行っているので、詳しくはそちらを参照

2 中国と ASEAN 諸国との貿易の発展については、宮島・大泉(2008 年)、大泉(2007 年、

2011 年)、宮島(2009 年)などを参照。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

46

していただきたい。ここでは簡単な説明にとどめる。

図表2-3 ASEAN加盟国と日本、中国の貿易の推移、1990-2011年 (100万ドル)

(出所)日本アセアンセンターの貿易統計集、JETRO貿易統計より筆者作成。

7,42019,933

35,02948,471

88,685

147,281

230,953

213,006

292,776

362,854

65,064

132,480 127,772108,866

143,244165,783

219,403

161,248

213,080

255,400

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

1990 1995 2000 2002 2004 2006 2008 2009 2010 2011

中国との輸出入 日本との輸出入

2008 年世界金融危機を契機に、貿易金額が一時的に低下したことはあるものの、中国

ASEAN 貿易が急速な成長を遂げた理由は、次に述べる 2 つの異なる貿易パターンが結合し、

中国とASEAN諸国の間にWIN=WINの関係が生まれたことに依拠すると筆者は考える(末

廣 2014 年、第3章)。

ひとつ目の貿易パターンは、同一産業内水平貿易の進展である。つまり、中国と ASEAN

諸国の双方に進出した日本、韓国、台湾、欧米諸国の製造企業の子会社の間で、IT 産業を

中心に部品・半製品や最終製品のやりとりが急増したことによる。したがって、これらの

貿易は国と国の間の貿易ではない。同一の親会社のもとで展開される、同一産業内の「企

業内貿易」(intra-firm trade)と呼んだ方が正確であろう。

実際、ASEAN 諸国から中国に輸出される IT 製品(コンピュータ製品と同部品、集積回

路、半導体などの合計金額)は、1995 年の 3.4 億ドルから 2008 年には 523 億ドルへ飛躍的

に伸び、2012 年も 657 億ドルを記録した(本報告書の第 5 章 宮島論文を参照)。他方、ASEAN

諸国が中国から輸入する IT 製品の合計金額も、1995 年 5.4 億ドル、2008 年 232 億ドル、2012

年 223 億ドルと推移している。中国 ASEAN 貿易の急増は、明らかに IT 産業が主導する「域

内貿易の発展」がもたらしたものであった(同上論文)。

二つ目の貿易パターンは、要素賦存の違いにもとづく垂直貿易(工業品と一次産品の貿

易)の拡大である。つまり、ASEAN 諸国は保有する資源・一次産品(石油、天然ガス、石

炭、天然ゴム、砂糖、コメ、タピオカなど)を中国に輸出し、逆に中国からは各種の工業

製品を輸入するという、伝統的な貿易パターンがそれであった。

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<写真> 第 7 回 CAEXPO の開幕式の様子(CAEXPO 公式サイトより)

2000 年代に入って高い経済成長を続けた中国は、鉄鋼業、自動車産業、石油化学産業の

急速な発展に伴って、資源・エネルギーの海外依存度を高めた(郭 2011 年)。その輸入先

になったのが、中東・アフリカと東南アジアの2地域である。また、中国の所得水準の上

昇は農水産物・畜産物の需要を一気に拡大したから、ASEAN 諸国が産出する農水産物への

需要も急速に伸びた。ASEAN 諸国にとって中国は、欧米・日本市場で競合する「競争相手」

ではなく、むしろ、彼らにとって最大の「顧客」になったのである3。

その結果、中国 ASEAN の間には、領土問題などの政治対立を別とすれば、経済的には共

存共栄の「WIN=WIN 関係」が生まれた(末廣 2014 年、第 3 章)。この関係は当面続く

ものと思われる。

2.中国 ASEAN 包括的経済協力の締結

中国 ASEAN 貿易の発展を支えたのは、IT 産業内の水平貿易と伝統的な垂直貿易の結合

だけではない。「はじめに」で紹介した「中国 ASEAN 包括的経済協力協定」の締結も、両

者の貿易の発展に制度的に貢献したからである。

図表 2-4 は、この間の協定の動きを整理したものである。2002 年 11 月の枠組み協定の署

3 南進する中国と ASEAN 諸国との関係については、次の文献を参照。渡辺・向山編(2001年)、大西編(2006 年)、松本(2006 年)、石川幸一(2006 年、2007 年)、玉村編(2007年)、大西(2007 年)、木村・石川編(2007 年)、Saw Swee Hock ed.(2007), Park(2007)。なお、中国企業の具体的な東南アジア諸国への進出は、末廣(2011 年)、白石・ハウ(2012年)、石川・清水・助川(2013 年)が、具体的な事例を紹介している。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

48

名のあと、2003 年には、中国とタイの間で農産物についても「前倒し協定」(early harvest

agreement)が締結された(末廣 2003 年;Siriluk 2004)。そして、2005 年から自由貿易協

定(FTA)が発効し、物品の関税が引き下げられた。さらに 2007 年からサービス貿易分野

の自由化が、2009 年には投資の自由化協定がそれぞれ合意され、当初の計画どおり、2010

年 1 月から中国 ASEAN 自由貿易協定の枠組みが完成した。

年月日 事 項

2000年11月中国の朱鎔基首相、中国ASEANサミットの席上で、中国・ASEANの自由貿易の枠組みに関する共同研究を提案。

2001年3月{中国とASEANの貿易と経済協力に関する合同委員会」の第3回会合(マレーシア)で、経済協力に関する専門家委員会(Expert Group on Economic Cooperation: EGEC)を立ち上げること、また10年以内に両地域の貿易・投資その他の自由化を完了することで合意。

2002年11月4日中国とASEANの首脳が、中国ASEAN首脳会議(カンボジア)の席上で、「中国ASEAN包括的経済協力の枠組み」について合意し、署名する。

2003年10月タイと中国の間で、農産物、果実の貿易自由化の前倒し実行である「アーリー・ハーベスト計画」に調印。ただし、猶予期間を3か月置き、2004年1月から実施。

2004年1月中国とASEANが「Early Harvest Programme, EHP」を関税コードHS01-HS08 について実施。残りの製品については、2006年1月1日までに輸入関税をゼロとする。

2005年7月20日

中国とASEANがノーマルトラック(Normal Track)の製品の関税率引き下げを開始する。ただし、製品を2つのグループに分ける。第1グループ(Track I)は向こう5年以内(2010年まで)に関税率をゼロとする。第2グループ(Track II)は向こう7年以内(2012年まで)に関税率をゼロとする。第2グループは150品目を超えてはならない。

2007年7月 タイと中国の間でサービス貿易の自由化を開始する。

2009年8月15日 中国とASEANの間で「中国ASEAN投資協定:ASEAN-China Investment Agreement」を合意する。

2010年1月1日中国とASEANの間で、ノーマルリストに掲載されている全製品の輸入関税をゼロにすることを実施。これで中国ASEANのFTA枠組みは完成した。

図表2-4 中国・ASEAN包括的経済自由化の枠組みの進展

(出所)(1)から(3)は、อักษรศรี พานชิสาสน์, ทนุจีนรุกอาเซียน , สําหนักพมิพ์กรุงเทพธุรกจิ, พ.ศ. ๒๕๔๔(アクソンシー・パニッチャサーン著『中国資本、ASEANに侵入』バンコク:グルンテープトゥラギット社、2011年)、71-77

頁より筆者作成。

中国 ASEAN 包括的経済協力協定が、どの程度貿易の発展に貢献したのかを示す総合的

な調査結果は未見である。ただし、タイについては商務省が推計を行っている。その報告

によると、タイから中国に輸出される金額のうち、自由貿易協定がカバーする商品の輸出

額は、2008 年の 17 億ドル(中国向け輸出の 34%)から、2 年後の 2010 年には 74 億ドル

(同 65%)に飛躍的に伸びた(Akusonsri 2011)。輸出金額の増加と比率の上昇が重なって

おり、したがって、包括的経済協力協定はタイ中国貿易の増加に大きく貢献したと言える

だろう。

3.CAEXPO 開催に至る経緯とその準備

次に、CAEXPO 開催までの経緯についておさらいをしておきたい。

図表 2-1 で確認したように、CAEXPO 開催の構想を北京政府が持つに至った理由は、2000

年の動きと密接に関係している。すなわち、2000 年に中国は「第 10 次国家開発 5 カ年計画

要綱」を公表し、その中で中国企業の対外進出を支援する「走出法」(直接投資法)を制定

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49

した。同時に、同年 12 月には、EU やアメリカとの長い交渉をへて、世界貿易機関(WTO)

に正式に加盟した(中国研究所編 2002 年)。朱鎔基首相が ASEAN 自由貿易協定締結の方

針を打ち出したのは、中国にとって「国際化元年」にあたる 2000 年の 11 月であった。

それ以後、北京政府は中国 ASEAN 経済関係を補強する制度的枠組みを、矢つぎ早に整備

していく。2003 年の第 7 回 ASEAN 中国首脳会議の場で、温家宝首相が提案した南寧市で

の CAEXPO 開催の構想は、まさにその一つだったのである。

それではなぜ、広西チワン族自治区の省都である南寧が選ばれたのであろうか。

第一に、北京政府は江沢民時代から「西部大開発」の方針を掲げており、広西チワン族

自治区はその重要なターゲットとみなされた。そして、西部大開発の一部をなす「広西ハ

イテク産業開発地区」や「北部湾経済開発地区」の中核拠点都市が南寧であった4。加えて、

2 つの開発地区の資金源の一部として、北京政府は、ASEAN 諸国の華人企業からの投資も

期待していた。

第二に、広西チワン族自治区はベトナムと国境を接しており(国境の友誼関からハノイ

までは陸路で 174 キロ)、省都の南寧はまさに ASEAN 諸国への入り口を意味した。実際、

南寧の広西民族大学は、広州の曁南大学と並んで、中国における東南アジア研究のメッカ

であり、学術・文化交流の経験も豊富である。

第三に、中国は GMS 開発プロジェクトの一環として、昆明とハノイ(ハイフォン港)を

結ぶ南北経済回廊(道路と鉄道)の建設に着手したが、南寧はこの南北経済回廊の拠点都

市のひとつに位置していた(池部 2013 年)。したがって、ASEAN 諸国との関係強化を目

論む北京政府は、古くから東南アジアと関係の深い香港や広州とは異なる新たな役割を、

広西チワン族自治区政府と南寧に期待したのである。

もっとも、西部大開発の一部をなし、ASEAN 諸国と国境を接しているという点では、雲

南省も同じである。ただし、「昆明商品交易会」がもっぱら提携相手に考えたのは、タイを

含む大陸部東南アジアであり、マレーシア、シンガポール、インドネシアの島嶼部東南ア

ジアではなかった。そこで、「ASEAN10」との経済関係を強化する拠点として、南寧が改め

て注目を浴びたのである。

温家宝首相が、2003 年 10 月の ASEAN 中国首脳会議で CAEXPO 構想を表明したあとの

広西チワン族自治区のその後の準備活動は、北京政府の指示もあったとはいえ、周到かつ

きわめて徹底していた事実に驚かされる。

その詳細は付表3の「関連年表」に譲るが、広西チワン族自治区の人民政府と同自治区

の共産党委員会は、ASEAN 諸国と招待国(日本、韓国など)に訪問団を派遣し、首相クラ

スの政治指導者に面談し、同時に訪問国の華僑・華人団体を動員して、中国向け投資セミ

ナーを現地で積極的に開催したからである。

4 中国とベトナム、とりわけ広西チワン族自治区とベトナムの関係については、関・池部

編(2011 年)、池部(2013 年)を参照。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

50

<写真>南寧市の国際 ASEAN 村(民間分譲地)(2012 年 8 月 20 日、末廣撮影)

もう少し具体的に追ってみよう。まず 2004 年 3 月に、呉儀副首相(経済担当)と広西チ

ワン族自治区の李金早副主席を団長とする代表団が、ラオス、カンボジア、ミャンマーの 3

カ国を訪問して、CAEXPO を説明し、参加を要請した。同じ 3 月には、広州市に領事館を

置くアメリカや欧州の主な国の領事に対して、CAEXPO の趣旨説明を行っている(『中国-

東盟年鑑 2004』、91 頁)。

次いで同年 4 月には、広西チワン族自治区の陸兵主席を団長とする政府代表団が、カン

ボジア、タイ、韓国、日本の 4 カ国を訪問し、カンボジアではフンセン首相、タイではタ

ックシン首相と面談した。ただし、第 1 回目の開催準備は、昆明商品交易会と同様に、CLM

とタイがまだ主たる対象であった5。

ASEAN 加盟国全体に、それも政治指導者に対する働きかけが本格化したのは、第 3 回

(2006 年)の準備工作からである。まず、2006 年 3 月 28 日から 4 月 12 日にかけて、広西

チワン族自治区の陸兵主席を団長とする政府代表団が、フィリピン、ブルネイ、シンガポ

ール、ミャンマーの 4 カ国を訪問した。そして、フィリピンではアロヨ大統領、ブルネイ

では国王、シンガポールではリーシェンロン(李顕龍)首相、ミャンマーでは ソーウィン

首相と、すべての国で首脳と会見し、CAEXPO への協力を要請した。また、首脳だけでな

く国会議長、商工会や華人団体の代表、華人系大企業の経営者などとも、精力的に会って

いる(『中国-東盟年鑑 2007』、152-153 頁)。

一方、4 月 13 日から 25 日にかけては、広西チワン族自治区党書記である曹伯純が率いる

政府代表団と、李金早副主席が率いる広西経済投資代表団の 2 つが、ベトナム、マレーシ

5 中国とミャンマー、タイの国境貿易については、水野(2004 年)、朱振明(2007 年)、

工藤編(2008 年)、畢世鴻(2008 年、2010 年)、恒石(2010 年)、宮島(2011 年)、Poncet (2006)などを参照。

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ア、ラオス、カンボジア 4 カ国と香港を訪問した。

彼らはベトナムでは、国家主席のチャン・ドゥック・ルオン(陳徳良)、副首相のグエン・

タンズン(阮晋勇。2006 年 6 月から首相)、ホーチミン市党書記グエン・ミンチェット(阮

明哲。2006 年 6 月から国家主席)、ハノイ市党書記グエン・プゥーチョン(阮富仲。2011

年 1 月から共産党書記長)など、当時のベトナム最高指導者たちと会見した。また、マレ

ーシアでは国会上院議長の曾永森(マハティール首相は不在)、ラオスではブンニャン首相、

カンボジアではフンセン首相と、それぞれ会見している(同上書、153 頁)。

最後に残ったタイは、タイ側の招聘により、CAEXPO 広西実行委員会副主任で、広西人

大党委副主席の袁鳳蘭が率いる代表団が、2006 年 7 月にタイを訪れている。彼らは、バン

コク、チエンマイ(北部)、コーンゲン(東北)、ソンクラー(南部)を訪問し、政府要人

だけでなく、バンコクや地方の華人企業家たちと精力的に会合・投資セミナーを重ねた(同

上書、153 頁)。

<写真>第 3 回 CAEXPO の開幕式(2006 年 10 月 31 日)、温家宝首相が

ASEAN10 の首脳を歓迎している様子(公式サイトより)

こうした積極的な勧誘政策が功を奏して、2006 年 10 月 31 日の第 3 回 CAEXPO 開幕式に

は、ASEAN10 カ国の全首脳(ミャンマーのソーウィン首相は開幕時には引退しており、元

首相の肩書で出席。ブルネイは国王)と温家宝首相、薄熙来商務大臣、そして、オン・ゲ

ン・ヨング(王景榮)ASEAN 事務局長が一堂に集まるという、「もうひとつの中国 ASEAN

首脳の集い」が実現したのである(後出図表 2-9、付表2も参照)。

なお、この開幕式では公式の首脳会議が開催されたわけではない。しかし、ASEAN 首脳

会議のあとでしか実現しなかった「ASEAN 中国首脳会議」(いわゆる After Meeting, ASEAN

プラス1)ではなく、中国が主催者となって、中国と ASEAN 諸国の首脳が「集う場」が実

現した意義は大きかったと言えよう。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

52

4.CAEXPO の概要:出展ブース数と成約した投資

図表 2-5A と図表 2-5B は、第 1 回(2004 年)から第 9 回(2012 年)までの CAEXPO の

概要を、博覧会への参加者数(訪問客を含む)、開催期日、参加企業数、出展ブースの数と

その出展国、博覧会開催中に契約が成立した投資プロジェクトの金額を示したものである。

なお、投資プロジェクトには、中国企業と ASEAN 諸国やその他外国との契約だけではなく、

中国国内の企業同士の契約も含んでいる。

まず参加人数は、第 1 回(2004 年)の 1 万 8000 名から第 3 回(2006 年)には 3 万 8900

名に倍増し、第 4 回(2007 年)からは 4 万人を、第 8 回(2011 年)からは 5 万人を超える

に至っている。

図表2-5A CAEXPOの参加者数の推移、2004-2012年 (人数)

(出所)CAEXPOの公式サイト(2012年第9回)より筆者作成。

18,000

25,000

38,90041,600

44,300

48,619 49,00050,600 52,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

55,000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

参加企業数は、2004 年の第 1 回の 1500 社から第 2 回に 2000 社に増えたあとは、概ね 2300

社前後で推移している。一方、出展ブースの数は第 1 回の 2500 件から第 2 回以降は 3000

件台に増加し、第 6 回(2009 年)以降は 4000 件を超えるに至った。

ただし、「昆明商品交易会」と同様に、中国 ASEAN 博覧会と銘打ちながら、ASEAN 諸国

からの出展の比率はそれほど高くはない。第 1 回が 25%、第 3 回(2006 年)が 23%、第 7

回(2010 年)が 26%と、一貫して全体の四分の一の水準に留まった。逆に、直近の第 9 回

(2012 年)における中国側...

の出展ブース数の比率は、4600 件のうち 3379 件と 73%に達す

る(図表 2-5B)。

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EXPO開催 参加

年月日 企業数 合計 ASEAN10 その他* 中国 外国と** 中国国内

第1回2004年11月3日-

11月6日1,505 2,506 626 131 1,749 4,968 5,864

第2回2005年10月19日-

10月22日2,000 3,300 696 86 2,518 5,290 6,124

第3回2006年10月31日-

11月3日2,000 3,663 837 163 2,663 5,850 6,945

第4回2007年10月28日-

10月31日1,908 3,400 2,276 6,150 7,651

第5回2008年10月22日-

10月25日2,100 3,300 1,154 70 2,076 6,364 8,807

第6回2009年10月20日-

10月24日2,450 4,000 1,168 106 2,726 6,440 9,054

第7回2010年10月19日-

10月23日2,200 4,600 1,178 43 3,379 6,690 9,962

第8回2011年10月21日-

10月26日2,300 4,700 7,420 11,316

第9回2012年9月21日-

25日2,280 4,600 3,300 8,204 12,712

(注): (1) 「その他」は韓国、オーストラリアなど非ASEAN加盟国。 (2) 「外国と」は、中国企業(中国進出外国企業を含む)とASEAN等の企業の間の投資成約を指す。「中国国内」は中国企業同士の投資成約を示す。

出展ブース数 成約投資 (US$ Million)

(出所)『中国東盟年鑑』2003年版から2011年版(中国語); official website of CAEXPO (http://www.caexpo.org/)

1,124

図表2-5B 中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の発展、2004-2012年 (企業数、ブース数、100万ドル)

CAEXPO

n.a

1,300

同じように、CAEXPO で契約が成立した投資案件を見ても、中国企業と ASEAN 諸国を

含む外国企業との間の投資案件ではなく、中国国内の企業同士の投資案件の方が増大して

きたことが判明する。中国国内の企業同士の投資案件は、第 1 回目の 59 億ドル(全体の 54%)

から第 9 回目の 127 億ドル(同 61%)へと、金額が倍増しているだけではなく、比率も上

昇していた。この事実をどう解釈するかは本章の第 4 節で改めて検討したい。

<写真>左は公式ロゴ。右は CAEXPO の会場(2012 年 8 月 20 日、末廣撮影)。

CAEXPO の建物は、南寧の「市の花」であるハイビスカスの花をかたどっており、ドイ

ツと広西の設計事務所が共同で設計を担当した。他方、CAEXPO のロゴは、2003 年 10 月

に公募を行い、北京のデザイナーである張建彬の案が採択された。上の図にあるように 11

枚(中国と ASEAN10 カ国)のハイビスカスの花びらからなる(南寧市の HP より)。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

54

第2節 CAEXPO の実態と組織機構

1.パビリオン・物産展・「魅力之城」とその出展者

CAEXPO の具体的なイメージを得るため、第 2 回(2005 年)の様子を見ておこう。

まず、CAEXPO 準備委員会は、2004 年 2 月に博覧会の基本コンセプトである「凝聚・綻

放・繁栄」(中国と ASEAN 諸国が集い、花を咲かせ、繁栄する)と、ハイビスカスをかた

どったロゴを決定し、これを公表した(前頁の図を参照)。次いで博覧会会場の検討を開始

し、次の 4 つのイベントを柱にすることで合意をみた。①国を紹介する展示会場、②物産

や機械機器の展示会場、③ビジネス投資サミット、高官レベルの経済フォーラムの会場、

④文化交流の会場である(『中国-東盟年鑑 2004』、87 頁)。

第 2 回目からは 4 つのイベント会場のほかに、中国と ASEAN10 カ国が観光客を誘致する

ために、自国の都市を宣伝する⑤「魅力之城」(Cities of Charm)の展示場が加わった。第 2

回 CAEXPO でみると、北京(中国)、セブ(フィリピン)、チエンマイ(タイ)、ルアンプ

ラバン(ラオス)、シエムリアップ(カンボジア)、ハノイ(ベトナム)、プトラジャヤ(マ

レーシア)、シンガポール(都市国家)、ジャカルタ(インドネシア)、バンダール・スリ・

ブガワン(ブルネイ)の 11 都市が選ばれている(同上書、163-166 頁)。

<写真>左は「魅力之城」のベトナムのフエ(順化)、右はラオスのビエンチャンを紹介す

る第 5 回 CAEXPO(2008 年)のブース(CAEXPO の公式サイトより)

さて、第 2 回 CAEXPO の展示場の数は全部で 16 である(図表 2-6)。このうち①の国の

パビリオンと⑤の「魅力之城」の展示には、第 2 会場(462 ブース)が割り当てられた。ま

た、②のうち ASEAN10 カ国の物産と機械機器の展示に対しては、第 4 会場から第 6 会場が

割り当てられている。なお、③のビジネス投資関係は、「国際経済合作展」と題して、第 1

会場(135 ブース)が提供されている。

第 2 回 CAEXPO のブースの総数は 2856(最終的には図表 2-5B に示したように 3300)。

したがって、ASEAN 諸国の出展数は国のパビリオン、「魅力之城」、物産関係の計 696(21%)

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55

に留まった。残りの 8 割は中国が出展するブースだったのである。

さて、ASEAN 諸国の物産の出展状況をみると、最も積極的だったのはタイ(121 ブース)

である。以下、ベトナム(109 ブース)、マレーシア(52 ブース)、インドネシア(50 ブー

ス)、ミャンマー(39 ブース)、ラオス(35 ブース)、カンボジア(26 ブース)と続く。ミ

ャンマー、カンボジアなどは、回を重ねるにつれてブース数を増やしている。他方、消極

的だったのはフィリピン(10)とシンガポール(2)の 2 カ国である(図表 2-6)。

会場名 テーマ ブース数 出展企業数 備考

第1号展示場国際経済合作展(対外経済活動展)

135 74

中国機械進出口集団、中国水利水電対外公司、中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行など。上海、浙江、江蘇、広東各省の対外進出中国企業。

第2号展示場政府主催の国別展示と各国の「魅力之城」*

462

「魅力之城」(City of Charm)11都市:①セブ(フィリピン)、②ルアンプラバン(ラオス)、③ハノイ(ベトナム)、④チエンマイ(タイ)、⑤シエムリアップ(カンボジア)、⑥ジャカルタ(インドネシア)、⑦マンダレイ(ミャンマー)、⑧プトラジャヤ(マレーシア)、⑨シンガポール、⑩バンダール・スリ・ブガワン(ブルネイ)、⑪北京。

第3号展示場 先進技術活用展示 135 248 うち中国科学技術部所属の企業が248社中202社、出展414品目中226品目を占める。

第4号展示場 ASEAN国物産展示場1 114 インドネシア50、マレーシア52、タイ10

第5号展示場 ASEAN国物産展示場2 153 タイ111、カンボジア26、フィリピン10

第6号展示場 ASEAN国物産展示場3 185 ベトナム109、ラオス35、ミャンマー39、シンガポール2

第7号展示場 電子電機産業展示場 180 116 深圳市のみで147ブースを展示。その他、上慶電集団、厦華電子ほか

第8号展示場 機械機器産業展示場1 177 113 上海、広東、天津、重慶、四川の各省有力企業が展示。

第9号展示場 機械機器産業展示場2 150 102 江蘇、上海、遼寧、北京、広東、湖南、広西の各省有力企業が展示。

第10号展示場 食品包装機械類展示場 150 97 中国食品包装機械組合の会員企業が150中115ブースを展示。

第11号展示場 自動車産業展示場 182 82 上海汽車集団、東風汽車集団、奇端汽車集団、吉興汽車集団など。

第12号展示場 主要自動車企業展示場 182 12216の日本企業部品メーカーが参加。中国は江門大長江集団、北方建設、上海嘉陵車業など。

第13号展示場 建材五金産業展示場 184 129 宝鋼股份、金徳管業集団、広西南南鋁業、広西華錫集団、広州嘉宝莉日化など。

第14号展示場 軽工業展示場 161 131 世界500企業から王子製紙、文具の中国有力企業、得力集団、中国日化集団など。

第15号展示場 食品類展示場 114 86 中国の特色ある食品会社が出展。北京二商集団、桂林瀋泉ビール、鄭州三全商品など。

第16号展示場 農産品・食品展示場 192 219 紅塔集団、雲南普洱茶(プアール茶)集団、三元集団、上海海豊集団など。

計 合 計 2,856 1,519 うちASEAN加盟国の出展ブースは 終的には696件。図表2-4参照。

(出所)『中国-東盟年鑑2006』2007年、162-166頁より筆者作成。

図表2-6 第2回中国ASEAN博覧会の16展示会場の構成、2005年10月

もっとも、シンガポールは、1994 年 5 月から「中国シンガポール連合協調理事会」を毎

年開催しており、副首相クラスの会合と、投資プロジェクト・工業団地の造成について、

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

56

二国間協議を行っている6。そのため、CAEXPO の参加に消極的であった可能性が高い。そ

のシンガポールも、第 8 回 CAEXPO(2011 年)では、環境保全を目的とするグリーン技術

(エコシティ、エコ・ハイテクノロジー)を、3つの都市(天津、広州、Nanjing)に提供

することで合意している(『中国-東盟年鑑 2011』)。

次に中国側に目を転じると、機械機器、電子電機、自動車、五金(金属加工)などの業

種に、北京、天津、上海、江蘇、深圳などの沿岸部の有力企業がこぞって出展しているこ

とが判明した(中国に進出した一部の日系企業も参加)。第 7 会場の電子電機の場合には、

深圳の企業のみで 147 のブースを出展するほどであった(図表 2-6)。

雲南、桂林、鄭州などの内陸部の企業は、農産品・食品の分野に参加している。雲南省

の特産品である「プアール茶」のブースなどが、その典型であろう。第 1 会場の「国際経

済合作展」(対外経済活動展)には、中国の電力会社、五大銀行、上海・江蘇・広東に本社

を置く海外進出企業が、それぞれブースを出した。

沿岸部の大企業や先端企業にとっては、CAEXPO は ASEAN 諸国だけではなく、世界に

向けて自社の製品と技術力をアッピールする格好の場となり、逆に ASEAN 諸国からすれば、

自国に誘致したい中国企業を探し求め、交渉の糸口を得る貴重な場になっていると言えよ

う。同時に、内陸部の地方政府や企業にとっては、CAEXPO が沿岸部の企業と接触する重

要な機会になっている事実も看過すべきではない。図表 2-5B で、中国国内の企業同士の投

資契約というのは、沿岸部と内陸部の企業の交渉を含んでいたからである。この点につい

ては、3の「中国 ASEAN ビジネス投資サミット」で改めて検討する。

2.CAEXPO の主催者と後援団体

CAEXPO の中国側の主催者は商務部、実行責任者は広西チワン族自治区政府である。2003

年 12 月に、まず広西チワン族自治区政府内に「広西国際博覧会事務局」(事務局長は李金

早副主席)が設置され、これが実行部隊となった(『中国-東盟年鑑 2004』、90 頁)。

次いで、2004 年 5 月に「中国 ASEAN 博覧会組織委員会」のメンバーが発表される。そ

の陣容は、名誉主任が呉儀副首相(経済担当)、主任が薄熙来商務大臣、副主任が広西チワ

ン族自治区主席の陸兵、同副主席の李金早、商務副大臣の安民の 3 名であった。組織委員

会の正式の発足と第 1 回会合は、2004 年 7 月 15 日に北京でなされている。(同上書、151

頁)。したがって、CAEXPO の組織機構は、国務院・商務部・広西チワン族自治区政府の三

者の共同体制であったことが分かる。

6 第 1 回目の中国シンガポール連合協調理事会は 1994 年 5 月 20 日に、中国の李嵐清副首相

とシンガポールのリーシェンロン副首相の間で開催され、同理事会の位置づけ、構成メン

バーを決めると同時に、シンガポール国営企業による蘇州工業団地の造成を、両国の友好

協力の出発点にすることで合意した(同理事会の公式サイトより)。

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主力組織 支持商協会(後援組織・業界団体)

中 国 商務部(商務省)

①中国繊維輸出入商会、②中国軽工業工芸品輸出入商会、③中国金属化学品輸出入商会、④中国食品畜産品輸出入商会、⑤中国電機電子品輸出入商会、⑥中国医薬品健康品輸出入商会、⑦中国対外建設請負連合会、⑧中国食品和包装機械工業連合会、⑨中国電気会議(China Electricity Council)*

カンボジア 商業省

①カンボジア総商会(別名プノンペン総商会)、②カンボジア縫製業者協会、③カンボジア中華総商会(CCC of Cambodia)、④カンボジア港澳僑商総会(China Hong Kong & Macao Expatriate &Business Association of Cambodia)。

ラオス 工業貿易省 ①ラオス国家工商会(Laos National CCI)

ミャンマー 商務省

①ミャンマー連邦工商会(Union of Myanmar Federation of CCI)、②ミャンマー林産物商業者協会、③ミャンマー豆類商協会、④ミャンマー漁業協会、⑤ミャンマー工業協会 (Myanmar IndustriesAssociation)、⑥ミャンマー農産加工業者輸出商協会*

ベトナム 工業貿易省 ①ベトナム商工会(Vietnam Chamber of Commerce)

フィリピン 通商産業省(商工省)①フィリピン華人商工会議所連盟 (Federation of Filipino-ChineseCCI)

タ イ 商務省①泰中華総商会(Thai-Chinese Chamber of Commerce)、②タイ産業連盟(Federation of Thai Industries)、③タイ中国ビジネス会議 (Thailand-China Business Council), ④タイ商業者連合会

マレーシア 通商産業省

①マレーシア中華総商会(Malaysia-China CC)、②マレーシア製造業者連合会(FMM)、③マレーシア中国友好協会(Malaysia-China Friendship Association)、④マレーシア中華商工会議所連合会(Associated CCCI of Malaysia)

シンガポール 通商産業省

①シンガポール中華総商会(Singapore CCCI)、②シンガポール中国ビジネス協会(Singapore China Business Association)、③シンガポール・ビジネス連盟、④シンガポール製造業者協会、⑤シンガポール中小企業工会

インドネシア 商業省①インドネシア商工会議所中国委員会、②インドネシア中国人企業家協会 (PERPIT Indonesian Chinese EnterpreneurAssociation)、③インドネシア中国経済社会文化協力協会

ブルネイ 資源産業省①ブルネイダルサラーム中華商工総会、②ブルネイ中国友好協会(Brunei-China Friendship Association)

ASEAN10カ国 ASEAN事務局 ジャカルタに事務局を置く

中 国 広西壮族自治区(広西チワン族自治区)人民政府

中 国

香 港 香港貿易発展局 Hong Kong Trade Development Council (HKTDC)

(注)(1)組織機構は第3回CAEXPO実施の準備段階である2006年3月15日現在の状況を指す。

(2)支持商協会の*は、2007年以降後援を開始した団体を示す。

科学技術省、交通運輸省、国家観光局、国際貿易促進委員会(CCPIT)、工業通信技術省*、国家関税局*

(3)CCCI = Chinese Chamber of Commerce & Industry; CCI = Chamber of Commerce & Industry

図表2-7 中国ASEAN博覧会の組織機構、2006年3月現在(*2007年以降参加)

(出所)中国ASEAN博覧会の公式サイト(http://www.caexpo.org, 中国語と英語、2012年10月5日アクセス)。

(1)構成メンバー

(2)実施主体

(3)中国の協力部局・組織

国・機関名

一方、ASEAN 諸国は、貿易もしくは商業・産業を担当する省庁がパートナーになってい

る(図表 2-7)。具体的には、カンボジア、ミャンマー、タイ、インドネシアが商務省(商

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

58

業省)、ラオスとベトナムが工業貿易省、フィリピン、マレーシア、シンガポールが通商産

業省、ブルネイが資源産業省である。これらの省庁の大臣は開幕式には必ず招待される。

ASEAN 諸国とは別に、ジャカルタに事務局を置く ASEAN の事務局長も、CAEXPO の重要

な構成メンバーの一人である。第 1 回から第 4 回まではシンガポール出身のオン・ゲン・

ヨング(王景榮)事務局長が、第 5 回から第 9 回まではスリン・ピットスワン事務局長(タ

イ元外務大臣)が、それぞれ出席した。

興味深いのは、CAEXPO を背後で支える支持組織もしくは後援団体である。これは、中

国と ASEAN 諸国の商工団体や業界団体(中国は繊維産業など 9 つの経済団体。ASEAN 諸

国は商工会議所、産業連盟、ビジネス連盟など)と、ASEAN 諸国の華人団体....

の 2 つからな

る。かつては表舞台にでることが少なかったカンボジアをはじめ、タイ、フィリピン、マ

レーシア、シンガポール、インドネシアの華人団体、とくに中華総商会(CCCI: Chinese

Chamber of Commerce and Industry)や、中国との交流を図る友好協会が、後援団体に名前を

連ねている点が目を惹く。

それだけではない。これらの華人団体は、広西チワン族自治区政府が毎年、準備のため

に派遣する代表団と協力して、自国で説明会や投資セミナーを組織すると同時に、CAEXPO

の「中国 ASEAN ビジネス投資サミット」でも、重要な役割を果たしている。「はじめに」

でも述べたように、北京政府は CAEXPO を東南アジアの華人企業家との関係強化に利用す

ることを、当初から構想していた。それを制度的に支えるのが、「支持商協会」(後援団体)

の登録制度だったのである。

3.中国 ASEAN ビジネス投資サミット(CABIS)

CAEXPO の主要イベントは、国のパビリオン、物産展、魅力之城、文化交流、貿易・投

資促進の 5 つからなる。このうち最後の貿易・投資促進を具体化するのが、博覧会に合わ

せて実施される「中国-東盟商務與投資峰会」(CABIS: China-ASEAN Business and Investment

Summit)、つまり「中国 ASEAN ビジネス投資サミット」であった。

例えば、第 1 回 CAEXPO の場合には、2004 年 11 月 3 日から 4 日にかけて、中国商務部

国際貿易促進委員会と広西チワン族自治区政府の共同で開催され、ASEAN10 カ国の商務大

臣、27 の有力企業の経営者、国際機関の代表など 400 名が参加した(『中国-東盟年鑑 2004』、

150 頁)。公式の博覧会なり地域フェアと投資交渉を並行して進める方式は、「中国アフリ

カ・フォーラム」でも見られる中国の得意技で、むしろ、貿易・投資案件の交渉の方が主

目的ではないかと思うほど活発である(小林 2007 年)。

この「中国 ASEAN ビジネス投資サミット」で特に注目しておきたいのは、この交渉の場

が、中国 ASEAN 間の投資案件に限らず、中国内陸部の開発のためにも頻繁に利用されてい

る事実であろう。そもそも、第 1 回 CAEXPO では、博覧会の開催に先立って、南寧の都市

インフラ整備(36 項目)に対して、大規模の投資が実施された経緯がある(『中国-東盟年

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鑑 2004』、152 頁)。

その後、このビジネス投資サミットは、南寧の経済開発と南寧を含む「北部湾経済開発」

(第1章の補足6を参照)にもしばしば利用された(関・池部編 2011 年)。例えば、第 4

回 CAEXPO(2007 年)の場合には、投資契約が成立した国際経済合作は 81 件(32.49 億ド

ル)に達し、このうち中国と ASEAN 諸国の間の投資は 37 件(11.92 億ドル)であった。一

方、中国国内の投資案件は 18 省、81 件(444 億元=58.42 億ドル)に及び、その中で投資

規模の大きかった案件は、桂林高速道路、南寧工業原料物流センター、南寧国際総合物流

センター、防城城南新区開発(北部湾経済開発の一部)など、広西チワン族自治区内の経

済開発に集中していた(『中国-東盟年鑑 2008』、195-196 頁)。

同様に、第 5 回(2008 年)の場合には、国際経済合作は 80 件(35.25 億ドル)。うち中国

と ASEAN 諸国の投資案件は 31 件(10.94 億ドル)であった。一方、国内経済合作の方は

80 件(519 億元=74.68 億ドル)を数え、そのうち「北部湾経済開発」関連が 22 件(158 億

元=22.73 億ドル)を占めた(『中国-東盟年鑑 2009』、197-198 頁)。

さらに、第 6 回(2009 年)の場合も同じ傾向が確認できる。国際経済合作は 80 件(39.78

億ドル)、うち中国と ASEAN 諸国の投資案件は 27 件(16.77 億ドル)である。一方、国内

経済合作 80 件(474 億元=69.40 億ドル)のうち、「北部湾経済開発」関連は 17 件(75 億

元=10.98 億ドル)を占めた(『中国-東盟年鑑 2010』、220-221 頁)。

もちろん、北京政府も広西チワン族自治区政府も、「北部湾経済開発」のさまざまなプロ

ジェクトに、ASEAN 諸国の政府(国営企業)や民間企業が積極的に参加することを期待し

ている。しかし、実際に投資が望めるのは ASEAN 諸国の企業ではない。上海や広州・深圳

などに位置する大企業であった(上海は雲南省、広州は広西チワン族自治区の開発目的の

経済パートナーに指定されている)。

筆者が、CAEXPO の目的のひとつが、ASEAN 諸国との関係強化という公式表明だけでは

なく、沿岸部と内陸部の投資家のマッチングという国内目的にもあると判断する根拠もこ

こにある。

第3節 CAEXPO の開幕式と経済フォーラム

1.第8回 CAEXPO (2011 年) の主要イベント

以上、CAEXPO のイベントを、物産展、魅力之城、ビジネス投資サミットを中心に紹介

してきた。しかしながら、CAEXPO の活動はこうした分野に限っていない。じつは、博覧

会と密接に関連するイベントとは別に、開幕式における ASEAN 諸国の首脳との「集いの場」

の実現、各種経済フォーラムの実施、ASEAN 諸国の「幹事国」との首脳会談などが、CAEXPO

の開催期間中に精力的に進められているからである。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

60

その点を確認するために、第 8 回 CAEXPO(2011 年)の行事日程を掲げておいた。図表

2-8 を仔細に見ると、じつに多様なイベントが、さまざまな政策的意図を秘めて設定されて

いたことが分かる。日本政府が組織する国際博覧会(大阪万国博覧会、つくばの科学技術

博覧会など)とはまったく異なる、アジア地域秩序の「中国化」(Sinicization)を目指す北

京政府の意図が窺える「仕掛け」であった。

月日 時間帯 会場 主要イベント内容

10月10日 17:00 - 19:30 Forest Hotel* 第8回CAEXPO主要戦略パートナー調印式、プレスリリース

10月11日 終日 Liyuan Resort 中国ASEAN人口・家族開発フォーラム①

10月12日 17:00 - 19:30Guangxi Wharton

International Hotel第8回中国ASEAN博覧会戦略パートナー調印式

10月17日 終日 Mingyuan Xindu Hotel 第4回中国ASEANシンクタンク戦略対話②

10月19日 終日 広西民族博物館 2011中国ASEAN文化産業フォーラム③

10月20日 16:30 - 17:30 CAEXPO事務局 プレスリリース

早朝 Liyuan Resort マレーシア・欽州工業団地の調印式と着工式

午前 NICEC マレーシアの商品展示場と「魅力の城」開場式典

午前 NICEC 各国首脳、VIPが会場のパビリオンを視察

午前 Liyuan Resort タイ政府首脳・企業家と中国企業家の対話集会

11:00 - 11:45 Liyuan Resort 第8回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)開幕式

12:10 - 13;20 Liyuan Resort中国ASEAN「対話国関係」20周年記念、第8回CAEXPO、第8回CABISを祝す午餐会

午後 マレーシア政府首脳と中国企業CEOの円卓会議

時間不定 中国ASEANソーラーエネルギー政策フォーラム④

時間不定 Forest Hotel 中国ASEAN薬物の安全に関するフォーラム⑤

時間不定 ゴルフ場 第8回中国ASEAN国際ゴルフ大会(招待)

8:30 - 12:00 Yongjiang Hotel 中国ASEAN物流協力フォーラム⑦

9:00 - 12:00 Guangxi Wharton 第1回中国ASEAN閣僚による国境交通協定協力会議⑧

9:00 - 18:00 広西民族博物館 2011中国ASEAN出版物EXPO

10:00 - 10:30 広西展示場 CAEXPO農業展示場開幕式

10:00 - 10:30 NICEC CAEXPO軽工業と軽工業品展示場開幕式

10:00 - 18:00 Forest Hotel 中国ASEAN都市緑化推進フォーラム⑨

10月23日 10:00 - 11:30 広西新聞出版局 2011中国ASEAN出版物EXPOに関するプレス会議

14:00 - 15:30 第9回CAEXPO国別会場割当の事前協議 (閣僚級)

16:00 - 17:30 第8回CAEXPO, CABIS閉幕式とプレス会議

(注)(1)①などの番号は博覧会に付随して開催するフォーラムもしくは会議の通し番号。図表2-10も参照。

8:30 - 12:00

図表2-8 第8回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の日程と主要イベント、2011年10月10日~26日

第8回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)開幕式南寧国際会議・展示場(NICEC)

9:00 - 9:40

Mingyuan XinduHotel

Guangxi WhartonInternational Hotel

10月21日(木)

第3回中国ASEAN金融協力・開発フォーラム⑥

10月22日(金)

商品展示と貿易プロモーションに関する各種行事

(2)Forest Hotel の正式名称は、Best Western Premier Red Forest Hotel

(3)TBT協力会議は、国境交通協定を指す。

(出所)中国ASEAN博覧会(CAEXPO)会の公式ウェッブサイトより末廣昭作成(2012年9月19日アクセス)。

10月24~25日

10月26日 Liyuan Resort

終日NICEC並びに広西展示場

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例えば、①から⑨まで番号を付したのは、「中国 ASEAN 人口・家族開発フォーラム」を

はじめ、各種の経済社会問題に関するフォーラムである。また、第 8 回 CAEXPO の ASEAN

側の幹事国であったマレーシアとは、マレーシア・欽州工業団地の調印式や、マレーシア

のナジブ首相、ムスタパ・モハメッド通商産業大臣と、中国の高虎城商務副大臣、中国有

力企業(中国輸出入機械有限公司、北京ホールディング・グループなど)の CEO との「円

卓会議」が特別に設定されている(第 8 回 CAEXPO の公式サイトより)。

そのほか、図表 2-8 には掲載していないものの、広西民族大学の東南アジア研究チームが

パネルを組織し、親睦会を兼ねたテニス大会やゴルフコンペも開催されている。開幕式を

間にはさんで、2 週間の間に、政治・経済だけでなく、学術文化・スポーツもカバーする多

種多様なイベントが目白押しに並んでいた。

2.開幕式の主要出席者と招聘者

CAEXPO のハイライトは何といっても開幕式である。というのも、中国側はこの開幕式

に精力を注ぎ、最低でも大臣クラス、可能であれば首相・副首相クラスの出席を期待する

からである。実際、先にも述べたように、第 3 回は ASEAN10 カ国の全首脳(ブルネイは国

王)が顔を揃えるという、「もうひとつの首脳会合」が実現した(図表 2-9)。

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第9回

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2012年

カンボジア 首相 首相 首相 首相 首相 商業大臣 商業大臣 商業大臣

ラオス 首相 前副首相 首相 首相 副首相 首相 副首相 首相

ミャンマー 元首相 元首相 元首相 商業大臣 首相 第一書記 商業大臣 大統領

ベトナム 副首相 副首相 首相 首相 副首相 副首相 副首相 首相

タ イ 副首相 副首相 首相 商業大臣 商業副大臣 商業副大臣 商業副大臣 副首相

フィリピン 商工副大臣 商工副大臣 大統領 農業副 下院議長 下院議長 通産副大臣 内務大臣

マレーシア 総理府大臣 通産大臣 首相 通産副大臣 開発大臣 財務副大臣 通産副大臣 副首相

シンガポール 通産大臣 通産大臣 首相 国務大臣 通信大臣 通産大臣 通産大臣 副首相

インドネシア 商業大臣 商業大臣 大統領 運輸大臣 投資長官 開発庁長官 副大統領 商業省

ブルネイ 産業資源大臣 産業資源大臣 国王 皇太子 王女 産業資源大臣 産業資源大臣 産業資源大臣

ASEAN事務局 事務局長 事務局長 事務局長 事務局長 事務局長 事務局長 事務局長 事務局長

中国国務院 呉儀 曾慶紅 温家宝 曾培炎 王岐山 李克強 温家宝 習近平

中国商務部 薄熙来 薄熙来 薄熙来 次官 陳徳銘 陳徳銘 副大臣 陳徳銘

広西自治区 書記・主席 書記・主席 書記・主席 書記・主席 書記・主席 書記・主席 書記・主席 書記・主席

(注)第8回(2011年)の開幕式の公式招待者は一部の国で不明のため、リストから外した。

(出所)付表2より筆者作成。

図表2-9 中国ASEAN博覧会の開幕式における主要招聘者、2004-2012年

国と中国

その後は、貿易・商業関連大臣(副大臣)に代わっているものの(とくにフィリピンは

消極的である)、CLMV 諸国の場合は、首相・大統領や副首相クラスが引き続き出席してお

り、彼らの CAEXPO に対する強い関心と経済面での期待を窺い知ることができる。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

62

一方、中国側は一貫して国務院のナンバー2かナンバー3クラス(呉儀、曾慶紅、曾培

炎、王岐山、李克強、習近平)が、主催者を代表して出席している。実行責任者である広

西チワン族自治区は、当然ながら、同自治政府の共産党トップである書記と行政面のトッ

プである主席の両者が常に出席していた。同時に、国務院と商務部の出席者の過去の顔ぶ

れを見れば、北京政府がこの博覧会をいかに重視してきたかが分かるだろう。

3.各種の経済フォーラムと政策対話

CAEXPO の各種イベントの中で重要な位置を占めるのが、経済フォーラムや政策対話の

開催である。図表 2-10 には、第 4 回 CAEXPO(計 9 のフォーラム)、第 5 回 CAEXPO(計

16 のフォーラム)、第 6 回 CAEXPO(計 11 のフォーラム)の 3 回分の状況を、一覧表にし

て掲げておいた。

例えば、第 6 回 CAEXPO のフォーラム1は、中国人民銀行が主催する「中国 ASEAN 金

融協力」に関するものである。もっとも、ASEAN 諸国と域外諸国の通貨・金融協力は、こ

れまで「ASEAN+3財務担当大臣会議」の場で主として議論され、チエンマイ・イニシア

チブ(将来の通貨危機に対処するための通貨スワップ協定)など、顕著な成果を挙げてき

た。つまり、CAEXPO のフォーラムとこの ASEAN 主導の会議は、メンバーも議題もほぼ

重なっているのである。両者の違いは「中国 ASEAN 金融協力」の主催者が ASEAN 議長国

ではなく、中国人民銀行だった点である。

同様に、同じ年のフォーラム6の「中国 ASEAN 農

業産業発展高級フォーラム」や、フォーラム7の「中

国 ASEAN 関税・貿易協力フォーラム」の方は、「大

メコン圏」(GMS)開発事業の分科会と、メンバーや

議題が重なっていた。こちらの違いは、主催者がア

ジア開発銀行(ADB)ではなく、中国の関係省庁で

あったという点に尽きる。

←<写真>第 9 回(2012 年)CAEXPO の開幕式で演説する習

近平(当時副主席)。

要するに、中国側が開催する経済フォーラムや政策対話の目的は、アジア地域秩序に関

わる経済・社会問題の議論の場所と協議の主導権を、いかにして ASEAN から中国側に引き

寄せるのかという点にあった。

冒頭で述べた「地域の中国化」、あるいは中国に有利な「環境作り」(milieu)という動き

を把握するためには、直接投資、経済援助、経済合作、国有企業の海外事業などを見てい

くだけでは十分とは言えない。CAEXPO のフォーラムなどが、「地域の中国化」を制度的に

補完し、あるいは強化している事実があるからだ。

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項 目 第4回CAEXPO 9フォーラム 第5回CAEXPO 16フォーラム 第6回CAEXPO 11フォーラム

博覧会 2007年10月28日~31日 2008年10月22日~25日 2009年10月20日~24日

10月28日、参加450人 10月19日~20日、参加60人 10月20日~21日、参加300人

中国ASEAN港湾開発協力に関するフォーラム(中国交通部)

第1回中国ASEAN港湾協力に関する高官レベル会議

中国ASEAN金融協力と開発指導者フォーラム(中国人民銀行)

10月30日 参加190人 10月9日~10日、300人 10月11日~12日、100人

第1回中国ASEAN林業協力フォーラム(国家林業局主催)

中国ASEAN自由貿易地区内地方裁判官フォーラム

中国広西・ベトナム地方裁判官フォーラム、中越貿易円滑化のため

10月29日、参加30カ国、200人 10月23日、参加150人 10月21日、26カ国・地域、200人

2007中国ASEAN博覧会参加の海外華商と広西企業家の交流会(中国国務院僑弁室主催)

2008中国ASEAN博覧会参加の海外華商とインドネシア・広西企業家の交流会(中国国務院僑弁室)

中国ASEAN博覧会広西北部湾経済区事業推進会(中国国務院僑弁室)

10月29日~30日、23カ国・地域 10月23日、参加者? 10月28日~29日、参加260人

中国ASEAN関税担当大臣会議 中国ASEANラジオ周波数フォーラム 中国ASEAN伝統医薬フォーラム

10月30日~11月1日、参加500人 10月21日~22日、事務次官クラス 10月14日~15日、参加60人

第1回中国ASEAN女性フォーラム(中国全国婦人連合会主催)

第2回中国ASEAN女性高級フォーラム(中国全国婦人連合会主催)

中国ASEAN越境犯罪取締協力研究会(中国公安部)

11月2日、参加100人 11月4日~5日、参加100人 10月19日、参加150人

第1回中国ASEAN社会開発・貧困削減フォーラム(国務院扶貧弁)

第2回中国ASEAN社会開発・貧困削減フォーラム(国務院扶貧弁)

第1回中国ASEAN農業産業発展高級フォーラム(CAAF)、珠三角区域

ASEAN10ほか、参加300人 10月21日、参加300人 10月20日~21日、参加300人

中国ASEAN電力協力及び発展フォーラム(中国電力企業連合会)

中国ASEAN電力協力及び発展フォーラム(中国電力企業連合会)

中国ASEAN関税・貿易協力フォーラム

10月30日、参加120人 10月23日、参加者? 10月22日、CAEXPO事務局、120人

第4回中国ASEAN自由貿易区に関する法律事務フォーラム

第5回中国ASEAN自由貿易区に関する法律事務フォーラム

第6回中国ASEAN自由貿易区に関する法律事務フォーラム

中国外務省主催。 10月22日、110人 10月21日、参加170人

アジア欧州会合高官会議 アジア欧州会合投資促進円卓会議 アジア協力経済組織高級フォーラム

10月21日、参加160人 10月24日、参加80人

中国ASEAN青年企業家フォーラム 中国ASEANテレビフォーラム

10月16日、参加者? 10月17日~18日

中国ASEAN情報担当大臣会議 中国ASEANシンクタンク戦略対話

10月21日、参加200人

中国ASEAN農資商会創立大会

フォーラム10

フォーラム6

フォーラム11

フォーラム12

図表2-10 中国ASEAN博覧会(CAEXPO)に付随した各種フォーラム、2007-2009年

(出所)許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2008』、196-198頁;『中国-東盟年鑑2009』、199-203頁;『中国-東盟年鑑2010』、222-226頁、より筆者作成。

フォーラム7

フォーラム8

フォーラム1

フォーラム2

フォーラム4

フォーラム5

フォーラム9

フォーラム3

第4節 CAEXPO の狙いは何か?

以上の検討の結果から、CAEXPO は 3 つの目的をもっていると筆者は判断する。

一番目は、「中国 ASEAN 包括的経済協力」の枠組みのもとで着実に進展する中国 ASEAN

経済関係、これを側面から補強するという政策目的である。博覧会の柱である物産展(貿

易促進)、ビジネス投資サミット(投資促進)、「魅力之城」(観光促進)は、まさにその目

的を具体化するためのイベントであると言えよう。

同様の政策目的は、1994 年から開始された雲南省の昆明商品交易会にも見ることができ

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

64

る。ただし、こちらの方は近年、雲南省と国境を接するミャンマー、タイ、ラオスだけで

はなく、インドとの経済関係の強化が目立つようになっている。つまり、昆明商品交易会

は「西」に目が向いており、南寧の CAEXPO は「南」に目が向いているのである。

二番目は、これまでもっぱら ASEAN 首脳会議のあとに設定される「ASEAN プラス1」

(ASEAN 中国首脳会議、ASEAN 日本首脳会議など)、「ASEAN プラス3(日中韓)」、「ASEAN

プラス6(日中韓に豪州・NZ・インド」で議論されてきた、アジア地域の政治・経済・社

会問題の協議の主導権を、中国側にシフトさせるという目的である。もっとも、ASEAN を

軸とする既存の枠組みは今後も続くから、中国側の意図は、「ASEAN 中国」と「中国 ASEAN」

の双方を展開していくという両面作戦であろう。

2013 年 12 月に安倍首相が、東京で「日本 ASEAN 特別首脳会合」を開催したのは、中国

の積極的な攻勢に対抗する意味があったと考えられる。しかし、この会合は外務省が当初

意図したような「首脳会議」ではなく「交流会」に留まった。これに対して、中国が CAEXPO

の場を借りて開催する経済フォーラムは、議題の選定や議事進行を含めて、中国側が主導

権を発揮している。CAEXPO は単に経済関係の強化や円滑化だけではなく、政治・外交関

係(二国間関係ではなく「組織としての ASEAN」との関係)の強化を補完する役割も担っ

ているとみなすべきである。

三番目は、CAEXPO を活用して、中国国内の沿岸部と内陸部、あるいは経済的な先進地

域と後進地域をマッチングする目的である(国内経済合作など)。別言すれば、沿岸部の資

本と技術を利用して内陸部の経済開発を進めることが目的であった。その触媒..

として選ば

れたのが南寧の CAEXPO であった。こうした目的は、昆明商品交易会にも GMS 開発事業

にも明確にみることができる(末廣 2009a 年)。

CAEXPO に出展する沿岸部の企業からすれば、投資の対象は ASEAN 諸国の事業だけで

はなく、政府が奨励する内陸部の産業開発地区にも向けられていた。この点は、第 9 回(2012

年)の中国と ASEAN 諸国などとの投資契約金額(82 億ドル)に対し、中国企業同士の国

内経済合作が 127 億ドルと、1.5 倍以上に達した点に端的に示されている(前出図表 2-5B)。

実際、CAEXPO(とくに CABIS)は、広西・北部湾経済開発や南寧のハイテク産業開発に

国内の投資家を呼び込む重要な場でもあった。そして、ASEAN 諸国の場合には、中国向け

投資主体は当該国の華人企業がターゲットであった。

筆者はかつて「GMS 開発はだれのためか?」という問いを発し、主たる受益者は中国であ

ると主張したことがある(末廣 2011 年)。同じく、「CAEXPO はだれのためか?」という問

いに対しては、やはり、ASEAN を含め、アジアにおける新しい地域秩序の形成を目論む中

国自身のためと言わざるを得ない(白石・ハウ 2012 年;Shiraishi Paper in Katzenstein ed.

2012)。その意味で、中国の対外経済関係は、外交方針や貿易・投資の動きだけではなく、

中国が仕掛けるさまざまな「環境作り」にこそ、注意深い目を向ける必要があると筆者は

考える。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

70

付表1 中国 ASEAN 博覧会の基本データ、2004-2012 年

項 目 第1回 第2回 第3回

2004年11月3日~6日 2005年10月19日~22日 2006年10月31日~11月3日

1,505 1,866 2,000

合 計 2,506 3,300 3,663

1.ASEAN10カ国 626 696 837

2.ASEAN以外の外国 131 86 163

3.中国 1,749 2,518 2,663

*ASEAN諸国の比率(%) 25.0 21.1 22.9

*中国の比率(%) 69.8 76.3 72.7

18,000 25,000 38,900

1.件数 129 126 132

2.投資金額(億ドル) 49.68 52.90 58.50

3.為替レート(対ドル、元) 8.277 8.194 7.973

4.投資金額(億元)* 411.20 433.46 466.42

1.件数 102 263 301

2.投資金額(億元) 485.40 501.80 553.70

*国内投資/国際投資(倍率) 1.18 1.16 1.19

1.社数 113 183 215

2.記者の数

1.商品と貿易 ①商品貿易 ①商品貿易 ①商品貿易

2.投資協力 ②投資協力 ②投資協力 ②投資協力

3.先端技術 ③農業先進技術利用商品 ③農業先進技術利用商品 ③農業先進技術利用商品

4.「魅力の城」(City ofCharm)

該当パビリオンなし

①シエムリアップ(暹粒)、②ルアンプラバン、③マンダレイ(曼徳勒)、④ハノイ(河内)、⑤チエンマイ(清邁)、⑥セブ(宿務)、⑦プトラジャヤ(布城)、⑧シンガポール(新加坡城)、⑨ジャカルタ(雅加達)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪北京

①プノンペン(金辺)、②ビエンチャン(万泉)、③パガン(蒲甘)、④ホーチミン(胡志明)、⑤コーンゲーン(孔敬)、⑥フィリピン不明、⑦ペナン(檳城)、⑧シンガポール、⑨スマラン(三宝壟)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪上海

付表1(1) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO)基本データ(1)、2004-2006年

(1)開催期間

(2)出展企業数

(4)来場者数

(3)設置ブース数

(5)国際経済合作(契約)

(6)国内経済合作(契約)

(7)メディア来場

(出所)許家康・古小松主編『中国-東盟年鑑』(2004年版から2011年版の各年版)、並びに中国ASEAN博覧会の公式サイト(http://www.caexpo.org、2009年1月18日、2012年9月20日アクセス)より末廣昭作成。

(8)展示のカテゴリー:パビリオン Pavilion

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項 目 第4回 第5回 第6回

2007年10月28日~31日 2008年10月22日~25日 2009年10月20日~24日

1,908 2,100 2,450

合 計 3,400 3,300 4,000

1.ASEAN10カ国 1,124 1,154 1,168

2.ASEAN以外の外国 70 106

3.中国 n.a. 2,076 2,726

*ASEAN諸国の比率(%) 33.1 35.0 29.2

*中国の比率(%) n.a. 62.9 68.2

41,600 44,300 48,619

1.件数 182 136 136

2.投資金額(億ドル) 61.50 63.64 64.40

3.為替レート(対ドル、元) 7.608 6.949 6.831

4.投資金額(億元)* 467.89 442.23 439.92

1.件数 138 216 n.a.

2.投資金額(億元) 582.10 612.01 618.45

*国内投資/国際投資(倍率) 1.24 1.38 1.41

1.社数 n.a. n.a. 238 (うち外国67)

2.記者の数 1,106 n.a. 1,419

1.商品と貿易 ①商品貿易 ①商品貿易 ①商品貿易

2.投資協力 ②投資協力 ②投資協力 ②投資協力

3.先端技術 ③先進技術利用商品 ③先進技術利用商品 ③先進技術利用商品

4.「魅力の城」と出展都市

①シハヌークビル、②スワンナキット(沙湾拿吉)、③ヤンゴン(仰光)、④ハロン(下龍)、⑤チョンブリー(春武里)、⑥スービック湾、⑦クラン(巴生)、⑧シンガポール、⑨パレンバン(巨港)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪天津

①プノンペン、②ビエンチャン、③Yatanabon(ミャンマー)、④フエ(順化)、⑤プーゲット(普吉)、⑥ダバオ(達沃)、⑦Cyberjava、⑧シンガポール、⑨バンドン(万隆)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪蘇州

①シハヌーク、②スワンナキット、③ムセ(木姐)、④カントー(芹苴)、⑤サムットプラガーン(北欖)、⑥イロイロ、⑦クチン(古晋)、⑧シンガポール、⑨西カリマンタン、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪深セン

付表1(2) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO)基本データ(2)、2007-2009年

(1)開催期間

(5)国際経済合作(契約)

(6)国内経済合作(契約)

(7)メディア来場

(2)出展企業数

(3)設置ブース数

(4)来場者数

(8)展示のカテゴリー:パビリオン Pavilion

(出所)許家康・古小松主編『中国-東盟年鑑』(2004年版から2011年版の各年版)、並びに中国ASEAN博覧会の公式サイト(http://www.caexpo.org、2009年1月18日、2012年9月20日アクセス)より末廣昭作成。

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

72

項 目 第7回 第8回 第9回

2010年10月19日~23日 2011年10月21日~26日 2012年9月21日~25日

2,200 2,300 2,280

合 計 4,600 4,700 4,600

1.ASEAN10カ国 1,178

2.ASEAN以外の外国 43

3.中国 3,379 3,300

*中国の比率(%) 73.5 71.7

49,000 50,600

1.件数 135 118

2.投資金額(億ドル) 66.90 74.20 82.04

3.為替レート(対ドル、元) 6.770 6.461 6.310

4.投資金額(億元)* 452.91 479.41 517.67

1.件数 156 104

2.投資金額(億元) 674.46 731.10 802.12

99.62 113.16 127.12

*国内投資/国際投資(倍率) 1.49 1.53 1.55

1.社数 199(うち外国72) n.a. n.a.

2.記者の数 1,458(外国記者106人)

1.商品と貿易①商品貿易(ASEAN、中国商品、農産品)

①商品貿易(ASEAN、中国商品、農産品)

①商品貿易(ASEAN、中国商品、農産品)

2.投資協力 ②投資協力 ②投資協力 ②投資協力

3.先端技術 ③先進技術利用 ③先進技術利用 ③先進技術利用

5.「魅力の城」と出展都市

①コンポンチャム、②Kammouane (甘蒙、ラオス)、③マンダレイ、④ダラット、⑤チエンラーイ(清莱)、⑥サンボアンガ(三宝顔)、⑦クアラルンプル(吉隆城)、⑧シンガポール、⑨ソロ(梭羅)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪欽州の各都市

①ラッタナキリ、②チャンパサック、③ネピドー、④ホイアン、⑤コーンゲーン、⑥Puetro Princesa、⑦ジョホール、⑧シンガポール、⑨西パプア島、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪海南の各都市

① バッタンバン、②Kammouane、③Yatanapon(ミャンマー)、④ニャチャン(Nha Trang)、⑤チエンマイ、⑥Clark Freeport、⑦クアンタン(関丹)、⑧シンガポール、⑨Bengulu(インドネシア)、⑩バンダール・スリ・ブンガワン、⑪広州の各都市。

1,300

(出所)許家康・古小松主編『中国-東盟年鑑』(2004年版から2011年版の各年版)、並びに中国ASEAN博覧会の公式サイト(http://www.caexpo.org、2009年1月18日、2012年9月20日アクセス)より末廣昭作成。

④サービス貿易(金融協力、物流、文化教育)

(7)メディアの来場

(2)出展企業数

(3)設置ブース数

付表1(3) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO)基本データ(3)、2010-2012年

(1)開催期間

(4)来場者数

④サービス貿易(金融協力、物流、文化教育)

(8)展示のカテゴリー:パビリオン Pavilion

(5)国際経済合作(契約)

(6)国内経済合作(契約)

④サービス貿易(金融協力、物流、文化教育)

4.サービス貿易

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73

付表 2 CAEXPO 開幕式の主要出席者一覧、2004-2012 年

項 目 第1回 第2回 第3回

2004年11月3日~6日 2005年10月19日~22日 2006年10月31日~11月3日

首相 フン・セン 首相 フン・セン 首相 フン・セン

Hun Sen 洪森 Hun Sen 洪森 Hun Sen 洪森

商業大臣 Cham Prasidh 商業大臣 Cham Prasidh 商業大臣 Cham Prasidh

首相 ブンニャン 前副大統領 チョウマリー 首相 ブアソーン

Boungnang Vorachith 本南 Choummaly Sayngnasone Buasone Bouphavanh

貿易大臣 蘇里瑪・達拉瑪

元首相 ソーウィン 元首相 ソーウィン 元首相 ソーウィン

Lt. General Soe Win Lt. General Soe Win Lt. General Soe Win

商業大臣 U Tin Naing Thein

副首相 キアム 副首相 グエン・タン・ズン 首相 グエン・タン・ズン

Pham Gia Khiem 范家謙 Nguen Tan Dung 阮晉勇 Nguen Tan Dung 阮晉勇

工業大臣 黄忠海

通商産業(商工)副大臣 アキノ 通商産業(商工)副大臣 朱瑞達 大統領 アロヨ

トマス・G.アキノ ソライダ・アメリア・C・アロンソ Gloria Macapagal Arroyo

副首相 ピニット 第一副首相 ソムキット 首相 スラユット・チュラーノン

Phinij Jarusomboon Somkij Jalusripitak Surayud Chulanont

商業副大臣 アヌティン

総理府大臣 ドムポック 通商産業省政務次官 陳儀喬 首相 アブドゥラ

Tansiri Bernard Dompok タン・イーキュウ Tan Yee Kew Abdullah Ahmad Badawi

通商産業大臣 リム・フンキャン 通商産業大臣 チャン・スーセン 首相 りー・シェンロン

Lim Hung Kiang 林勲強 Chan Soo Sen 曾士生 Lee Hsien Loong 李顕龍

商業大臣 マリ・パンゲストゥ 商業大臣 マリ・パンゲストゥ 大統領 ユドヨノ

Mari Eka Pangestu 瑪惠蘭 Mari Eka Pangestu 瑪惠蘭 Susilo Bambang Yudohoyono

10.ブルネイ 産業資源大臣 産業資源大臣 国王 ハッサナル・ボルキア

阿ト杜・拉赫曼・伯泰 Haji 阿哈邁徳・朱馬徳 Haji Hassanal Bolkiah

事務局長 オン・ゲン・ヨング 事務局長 オン・ゲン・ヨング 事務局長 オン・ゲン・ヨング

Ong Keng Yong 王景榮 Ong Keng Yong 王景榮 Ong Keng Yong 王景榮

12.1 中国国務院ほか 副首相 呉儀 Wu Yi 国家副主席 曾慶紅 首相 温家宝

(主催者) Zeng Qinghong Wen Jiabao

12.2 政治局常務委、 n.a. n.a. n.a.

もしくは全国政協会議

商務大臣 薄熙来 Bo Xilai 商務大臣 薄熙来 Bo Xilai 商務大臣 薄熙来 Bo Xilai

国家貿易促進協議会議長 Wan Jifei

委員会書記 曹伯純 Cao Bochun 委員会書記 曹伯純 Cao Bochun

自治区主席 陸兵 Lu Bing 自治区主席 陸兵 Lu Bing 自治区主席 陸兵 Lu Bing

自治区副主席 李金早 Li Jinzao 自治区副主席 李金早 Li Jinzao 自治区副主席 李金早 Li Jinzao

出 所許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2005』、147, 150頁。

許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2006』、161頁。

許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2007』、153-154頁。

11.ASEAN事務局

12.3 中国商務部

12.3 広西壮族自治区

付表2(1) CAEXPO開幕式出席の首脳・代表派遣者、2004-2006年

(1)開催期間

(2)開幕式の出席者:各国の首脳・代表者、機関の代表者

7.マレーシア

8.シンガポール

9.インドネシア

6.タ イ

3.ミャンマー

2.ラオス

1.カンボジア

4.ベトナム

5.フィリピン

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

74

項 目 第4回 第5回 第6回

2007年10月28日~31日 2008年10月22日~25日 2009年10月20日~24日

首相 フン・セン 首相 フン・セン Hun Sen 商業大臣 チャム・プラシット

Hun Sen 洪森 副首相 Hor Namhong Cham Prasidh

首相 ブアソーン 波松 副大統領 ブンニャン 首相 ブアソーン 波松

Buasone Bouphavanh Bounnhang Vorachit Buasone Bouphavanh

商業大臣 ウティン・ネイン・テイン 首相 テイン・セイン SPDC第一書記 ミント・オー

U Tin Naing Thein Thein Sein Tin Aung Myint Oo

首相 グエン・タン・ズン 副首相 ホアン・チュン・ハイ 第一首相 グエン・シン・フン

Nguen Tan Dung 阮晉勇 Hoang Trung Hai 黄忠海 Nguyen Sinh Hung

農業副大臣 ブヤット 下院議長 プロスペロ・ノグラレス 下院議長 プロスペロ・ノグラレス

ベルナデッテ・ファティマ・ロムロ・プヤット Prospero Nograles Prospero Nograles

商業大臣 グルークライ 商業副大臣 商業副大臣 アロンゴーン

Krirkkrai Jiraphat 本因・唐帕孔 Arongkorn Phonlabutr

通商産業副大臣 ゴ・リップヨン 女性・家族・コミュニティ開発大臣 財務副大臣 曹智勇

Ng Lip Yong 呉立洋 Ng Yen Yen 黄燕燕 Chor Chee Heung チョー・チーヒュン

運輸担当上級国務相 リム 教育兼ニュース通信芸術担当 通商産業兼ニュース通信芸術担当

Lim Hwee Hua 陳惠華 Ms. 上級国務相 Lui Tuck Yew 呂徳耀 上級国務相 Tan Chin Siong 陳振泉

運輸大臣 賈馬爾 ジャマル 投資調整庁(BKPM)長官 商業省貿易研究開発庁長官

Jusman Syafii Djamal Muhammad Lutfi ルトフィ Muchtar ムフタル

10.ブルネイ 皇太子 ムハタディー・ビラー 王女 ハジャ・マスナ 産業資源大臣 ヤヒヤ・バカル

Al-Muhtadee Billah Hajah Masna Yahya Bakar

事務局長 オン・ゲン・ヨング 事務局長 スリン 事務局長 スリン

Ong Keng Yong 王景榮 Surin Pitsuwan Surin Pitsuwan

12.1 中国国務院ほか 副首相 曾培炎 副首相 王岐山 副首相 李克強

(主催者) Zeng Peiyan Wang Qishan Li Keqiang

12.2 政治局常務委、 n.a. 全人代常委副委員長 李兆輝 中共中央政治局常任委

もしくは全国政協会議 Li Zhaohui 李克強 Li Keqiang

商務次官、国際貿易交渉代表 商務大臣 陳徳銘 商務大臣 陳徳銘

高虎城 Gao Hucheng Chen Deming Chen Deming

委員会書記出席 不明 委員会書記 郭声琨 Guo Shengkun 委員会書記 郭声琨

自治区主席 陸兵 自治区主席 馬飈(Ma Biao) 自治区主席 馬飈(ひょう)

12.5 その他国際機関 世界銀行副総裁 UNCTAD事務局長 スパチャイ 閣僚級206名が出席。

喬伊・普曼非 Supachai Panitchpakdi うち67名がASEAN諸国から

出 所許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2008』、194頁。

許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2009』、196-197頁。

許家康・古小松主編 『中国-東盟年鑑2010』、220頁。

12.4 広西壮族自治区

9.インドネシア

(2)開幕式の出席者:各国の首脳・代表者、機関の代表者

1.カンボジア

2.ラオス

3.ミャンマー

4.ベトナム

5.フィリピン

6.タ イ

付表2(2) CAEXPO開幕式出席の首脳・代表派遣者、2007-2009年

11.ASEAN事務局

12.3 中国商務部

7.マレーシア

8.シンガポール

(1)開催期間

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75

項 目 第7回 第8回 第9回

2010年10月19日~23日 2011年10月21日~26日 2012年9月21日~25日

商業大臣 チャム・プラシット 商業大臣 チャム・プラシット

Cham Prasidh Cham Prasidh

副首相 アサン・ラオリー 首相 トンシン・タムマヴォン

Asang Laoly Thongsing Thammavongauch

商業大臣 ウティン・ネイン・テイン 大統領 テイン・セイン

U Tin Naing Thein Thein Sein

副首相 チュン・ビン・チョン 首相 グエン・タン・ズン

Trung Vinh Trong 張永仲 Nguen Tan Dung 阮晉勇

通商産業副大臣 クリストバル 大統領特使・内務大臣 ラハス

Cristobal Rahas 羅哈斯

商務副大臣 ウィーラサック 副首相 ギティラット

Veerasak Jinarat Kittirat Na-Ranong

通商産業副大臣 ヤコブ・サガン 首相 ナジブ 副首相 ムヒディン・ヤシン

Yacob Dungau Sagan 通商産業大臣 ムスタバ・モハマド Muhyidin Yassin

Datuk Seri Mustapa Mohamed

貿易兼通信大臣 陳振泉 通商産業担当上級国務相

Tan Chin Siong 李奕賢

副大統領 ブディオノ 商業大臣補佐官 商業省国家輸出振興総局長

Boediono Muchtar ムフタル グスマルディ・ブスタミ Gusmardi Bustami

10.ブルネイ 産業資源大臣 ヤヒヤ・バカル 産業資源大臣 ヤヒヤ・バカル 産業資源大臣 ヤヒヤ・バカル

Yahya Bakar Yahya Bakar Yahya Bakar

ASEAN市場統合局長 ASEAN事務局副局長 林康完

Subash Bose Pillai

12.1 中国国務院ほか 首相 温家宝 首相 温家宝 国家副主席 習近平

(主催者) Wen Jiabao Wen Jiabao Xi Jinping

12.2 政治局常務委、 政治常委、全国政協主席

もしくは全国政協会議 賈慶林 Jia Qinglin

商務副大臣、国際貿易交渉代表 商務副大臣、国際貿易交渉代表 商務大臣 陳徳銘

高虎城 Gao Hucheng 高虎城 Gao Hucheng Chen Deming

自治区書記、人大常委会主任 自治区書記、人大常委会主任

郭声琨 Guo Shengkun 郭声琨 Guo Shengkun

12.5 その他国際機関 不明 不明 UNCTAD事務局長 スパチャイ

Supachai Panitchpakdi

出 所『中国-東盟年鑑2011』、227-228頁。

CAEXPO公式ウェッブサイト情報

CAEXPO公式ウェッブサイト情報

(注)中国表記のインドネシア、フィリピン、マレーシアの経済関連大臣ほかの名前の確認作業にあたっては、日本貿易振興機構アジア経済研究所の佐藤百合、川中豪、中村正志の各氏の協力を得た。

8.シンガポール

6.タ イ

7.マレーシア

(1)開催期間

(2)開幕式の出席者:各国の首脳・代表者、機関の代表者

1.カンボジア

3.ミャンマー

11.ASEAN事務局

12.3 中国商務部

12.3 広西壮族自治区

4.ベトナム

5.フィリピン

付表2(3) CAEXPO開幕式出席の首脳・代表派遣者、2010-2012年

2.ラオス

9.インドネシア

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

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付表 3 中国 ASEAN 博覧会の関連年表、2000-2012 年

年月 事項(日程を含む)

2003年10月8日:第7回中国ASEAN首脳会議(バリ島)にて、温家宝首相が広西壮族自治区の南寧市で今後、毎年「中国ASEAN博覧会」を開催することについて提案する。

2003年12月17日:中国商業副大臣・安民が、国内メディアに対して、「中国ASEAN博覧会(CAEXPO)」の構想を発表する。

2003年12月 26日:広西壮族自治区に「広西国際博覧会事務局」を設置。自治区副主席・李金早が担当。

2004年1月1日:中国政府、特恵関税の対象品目をCLMに対して大幅に拡大。カンボジア335品目、ラオス239品目、ミャンマー183品目。2006年1月1日から、さらに2度目の特恵関税品目の拡大を実施。(2006年、157頁)

2004年1月15日:中国ASEAN博覧会(CAEXPO)事務局が、ASEAN10カ国、韓国、日本の12カ国に正式に招聘状を送付する。

2004年2月29日:中国ASEAN博覧会(CAEXPO)会徽式典(南寧市)で、コンセプト担当の設計技師・張建彬が、主題「凝聚、綻放、繁栄」を発表。4つのカテゴリーが提示される。①国家展示(810ブース)、②貿易商品展示(1020ブース)、③中国ASEANビジネス投資サミットの開催、④文化交流。

2004年3月17日~19日:国務院副首相呉儀と広西壮族自治区副主席・李金早を団長とする代表団が、ラオス、カンボジア、ミャンマーを公式訪問。第1回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の宣伝と参加要請を行う。

2004年4月27日:広州にあるASEAN10カ国の領事館の総領事(領事)、アメリカ、イギリス、カナダ、デンマーク、ポーランドの総領事などを招聘して、南寧市・中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の説明会を開催する。

2004年4月4月29日~5月初旬:広西壮族自治区主席陸兵を団長とする自治区人民政府代表団が、カンボジア、タイ、韓国、日本を訪問。4月30日、カンボジアのフン・セン首相、5月3日、タイのタックシン首相と、それぞれ会見。

2004年5月 23日:広西中国ASEAN青年商会連合会を南寧市で設立。

2004年5月24日:中国ASEAN博覧会(CAEXPO)組織委員会のメンバー構成を公表。名誉主任は呉儀国務院副総理、主任は商務大臣の薄熙来、副主任は広西壮族自治区主席の陸兵、同副主席の李金早、商務副大臣の安民の3名。

2004年7月 15日:北京で中国ASEAN博覧会(CAEXPO)組織委員会が正式に発足。第1回会議を開催。

2004年9月18日:南寧で中国ASEAN博覧会(CAEXPO)事務レベル高官会議を開催。博覧会とビジネス投資サミットの式次第を検討する。

2004年10月26日:中国ASEAN博覧会(CAEXPO)に合わせて実施していた南寧市のインフラ整備36項目(竹渓大道と民族大道の立体交差、金湖広場などの建設)の完成式典を実施。

2004年10月 28日:中国ASEAN国際観光フォーラムを博覧会に先立って南寧で実施。

2004年11月3日:第1回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)開幕式。各国首脳と経済関連閣僚、業界代表、官僚、メディア、学者など5000人が参加。

2004年11月3日~4日:第1回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を実施。ASEAN10の首脳と閣僚クラス、27の中国ほかの企業集団、国際機関の代表など計400人が出席。

2005年3月 1日:広西壮族自治区主席・陸兵が、中国ASEAN博覧会(CAEXPO)広西推進委員会を招集。

2005年3月1日~8日:CAEXPO副事務局長の龍勲を団長とする6人の代表団がブルネイを訪問。「食品展」への参加を要請。

付表3(1) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO) の関連年表、2003-2005年

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77

年月 事項(日程を含む)

2005年3月27日~4月10日:広西壮族自治区副主席・李金早を団長とする7人の代表団が、シンガポール、韓国、日本を訪問。第2回CAEXPOの宣伝と協力要請。

2005年3月30日~4月15日:自治区主席・陸兵を団長とする自治区人民政府代表団と経済貿易代表団が、マレーシア、インドネシア、ベトナムを訪問。

2005年4月30日~4月4日:同上2つの代表団がマレーシア訪問。1日、クアラルンプルの太子世貿中心で「中国(広西)・マレーシア商品展覧会」と「第2回CAEXPO広西マレーシア投資協力推進会」を開催。

2005年4月4日~9日:同代表団がインドネシア訪問。6日、副大統領と会見。7日、ジャカルタで「第3回CAEXPO広西インドネシア投資協力推進会」を開催。

2005年4月10日~14日:同代表団がベトナム訪問。11日、ホーチミン市党書記・黎清海と会見。市としての出展を要請。14日、ハノイで「第4回CAEXPO広西ベトナム投資協力推進会」を開催。

2005年4月 26日:中国商務部が桂林で「第2回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)高官会議」を開催。

2005年10月 19日:第2回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。

2005年10月19日:第2回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。テーマは「中国とASEAN国家:市場の開放と開発」。薄熙来商務大臣の主催。開幕式はASEAN10カ国のほか1000名が出席。新聞記者も100名が出席。

2005年11月 24日~25日:第9回東南アジア経済協力フォーラムを南寧で開催。

2005年12月12日:第9回ASEAN中国首脳会議。温家宝首相が「深化全面合作、推進中国-東盟戦略伙伴(パートナー)関係不断発展」と題して演説。

2006年3月28日~4月12日:広西壮族自治区主席・陸兵を団長とする自治区人民政府代表団が、フィリピン、ブルネイ、シンガポール、ミャンマーを訪問。

2006年3月28日~4月3日:同代表団がフィリピン訪問。アロヨ大統領、プロスペロ下院議長、フィリピン華人聨誼総会会長などと会見。第3回CAEXPOへの協力要請。

2006年4月 3日~5日:同代表団がブルネイ訪問。3日、国王ハッサナル・ボルキアと会見。

2006年4月 5日~9日:同代表団がシンガポール訪問。5日、リーシェンロン首相と会見。

2006年4月9日~12日:同代表団がミャンマー訪問。10日、ソーウィン首相と会見。11日、「広西ミャンマー投資協力懇談会」を実施。

2006年4月13日~25日:広西壮族自治区委員会書記・曹伯純を団長とする自治区人民政府代表団と、同副主席李金早を団長とする経済貿易代表団が、ベトナム、マレーシア、ラオス、カンボジア、香港を訪問。

2006年4月

13日~16日:ベトナム訪問。国家主席チャン・ドゥック・ルオン(陳徳良)、副総理グエン・タン・ズン(阮晋勇、2006年6月から首相)、外務大臣・阮怡年、貿易副大臣・杜如、ハノイ市党書記グエン・フー・チョン(阮富仲、2011年から党書記長)、ホーチミン市党書記グエン・ミン・チェット(阮明哲、2006年6月から2011年7月まで国家主席)などと会見。

2006年4月 17日~19日:マレーシア訪問。上院議長曽永森、エネルギー通信大臣林敬益などと会見。

2006年4月 19日~21日:ラオス訪問。20日、ブンニャン首相と会見。

2006年4月 21日~23日:カンボジア訪問。22日、フン・セン首相と会見。

付表3(2) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO) の関連年表、2005-2006年

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

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年月 事項(日程を含む)

2006年6月

6日:第3回泛珠三角区域協力発展フォーラムを雲南省曲靖市で開催(第1回は2003年)。広東省主導の「9+2」の間の協力関係(広東、雲南、福建、江西、湖南、広西、海南、四川、貴州プラス香港、マカオ)。2005年の香港とASEAN諸国間の実績は貿易額が550億ドル、投資合計額が250億ドルに達する。(2007年、144頁)。

2006年7月9日~:タイ側の招聘に応じて、CAEXPO広西委員会副主任兼広西人大常務委員会副主席の袁鳳蘭を団長とする9人の代表団がタイを訪問。バンコク、チエンマイ、コーンゲーン、ソンクラーを回る。

2006年7月

20日~21日:環北部湾経済協力高級レベル・フォーラム(Forum on Economic Cooperation of BeibuGulf Rim: ECBGR)を開催。国務院西部地区開発特別委員会弁公室、中国財務部、アジア開発銀行、広西壮族自治区人民政府の共同主催。”3つのM型戦略構想”(①海上経済協力 MarineEconomic Cooperation;②陸上経済協力 Mainland Economic Cooperation;③メコン圏経済協力Mekong Sub-region Cooperation)を掲げる。(2007年、144-145頁)。

2006年9月9月中旬現在、ブース使用申請者の数は4191で、目標の3300を大きく上回る。うちASEANとその他外国が1013。内訳はベトナム182、マレーシア156、タイ144。中国国内企業は3178ブース。中国売上高上位500社のうち270社が出展を企画。(2007年、153頁)。

2006年10月30日:南寧で「中国ASEAN建立対話関係15周年記念サミット」を開催。温家宝首相、李肇星外務大臣、金人慶財務大臣、薄熙來商業大臣、ASEAN各国の指導者、フィリピンのアロヨ大統領が参加。(2007年、149-150頁)。

2006年10月31日:第3回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はフィリピン。温家宝首相とともに、アロヨ大統領が開会の挨拶。

2006年10月31日:第3回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。中国国務院、中国国際貿易促進委員会、広西壮族自治区人民政府共同主催。ASEAN工商会共催。温家宝首相、ASEAN各国首相が開幕式に出席。全体では1000人出席。共通テーマは「共同的需要、共同的未来」。

2007年5月9日~23日:広西壮族自治区委員会書記・劉奇葆を団長とする自治区人民政府代表団と、同副主席・李金早を団長とする経済貿易代表団が、ベトナム、インドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシアの5カ国を訪問。

2007年5月9日~13日:ベトナム訪問。阮晋勇首相、農徳孟総書記、范家謙副首相兼外務大臣、黄忠海工業大臣、武洪福計画投資大臣、黎明永貿易副大臣、ハノイ市党書記范光毅、ホーチミン市党書記黎清海等と会見。

2007年5月13日~15日:インドネシア訪問。工業大臣(不明)、貿易大臣マリ・バンゲストゥ(瑪慧蘭)、ASEAN事務局長王景榮と会見。

2007年5月17日~19日:フィリピン訪問。アロヨ大統領、プロスペロ下院議長、黄厳輝・農業大臣、法維拉貿易工業大臣等と会見。

2007年5月 20日~23日:シンガポール訪問。リーシェンロン首相、林勲強貿易工業大臣等と会見。

2007年5月28日~31日:広西壮族自治区主席・陸兵を団長とする人民政府代表団がカンボジア訪問。フン・セン首相、チャム貿易大臣等と会見。

2007年10月 28日:第4回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はブルネイ。

2007年10月

28日:第4回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。中国国務院、中国国際貿易促進委員会、広西壮族自治区人民政府共同主催。ASEAN工商会共催。曾培炎副首相ほかが開会代表演説。ASEAN各国の首脳、閣僚のほか業界代表、企業家、学者、新聞記者など1400人以上が出席。共通テーマは「創新合作:加快提升区域増長力」。「金融協力の深化」が新たな課題。

付表3(3) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO) の関連年表、2006-2007年

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年月 事項(日程を含む)

20008年3月29日~4月3日:広西壮族自治区主席・馬飈(Ma Biao)、GMSサミット(ビエンチャン)に出席する温家宝首相に随行してラオスを訪問。ブアソーン首相と会見。

2008年4月2日~?日:広西壮族自治区委員会書記・郭声琨(Kuak Shingkun)、同副主席李金早が率いる代表団が、ベトナム、カンボジア、ブルネイ、フィリピンの4カ国を訪問。

2008年5月 6日:北京にて第5回CAEXPO準備会議を開催。

2008年5月7日~21日:広西壮族自治区主席・馬飈率いる代表団が、タイ(商務省)、日本(国際貿易促進協会)、韓国(忠清北道)を訪問。

2008年7月 この時点でASEAN諸国の出展予定ブース数は1130、中国国内は473社、1136ブース。

2008年10月22日:第5回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はカンボジア。フン・セン首相が開会の挨拶。

2008年10月

22日:第5回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。中国国務院、中国国際貿易促進委員会、広西壮族自治区人民政府共同主催。ASEAN工商会共催。王岐山副首相が開会演説。ASEAN各国の首脳、閣僚のほか業界代表、企業家、学者、新聞記者など1400人が出席。共通テーマは「広い視野、果敢な行動」をもって中小企業協力、投資協力を進める。

2009年2月CAEXPO事務局がブルネイ、マレーシア、タイの3カ国を訪問。第6回CAEXPOへの協力要請。この時期、同時に中国内の各国大使館、領事館にアプローチして第7回CAEXPOへの協力を要請する。

2009年2月CAEXPO事務局派遣の代表団が、初めてアメリカを訪問。ニューヨークなどで、駐米中国大使、ニューヨーク州政府開発庁の責任者、米中国際商会常務理事(邢空)などと会見。

2009年3月18日~21日:カンボジア商務省の招聘に応じて、広西壮族自治区主席・馬飈を団長とする代表団がカンボジアを訪問。CAEXPOでの経済貿易協定の確認。

2009年3月 29日~4月2日:広西壮族自治区主席・馬飈を団長とする代表団が香港とマカオを訪問。

2009年5~6月CAEXPO事務局派遣の代表団が、ミャンマー、タイ、インドネシアネ、シンガポール、マレーシア訪問。

2009年7~8月広西壮族自治区委員会書記・郭声琨を団長とする代表団が、ミャンマーとラオスの首相の強い要請に応じて訪問する。

2009年8月末 CAEXPO事務国がインドネシア、タイ訪問。第6回博覧会への協力を依頼。

2009年10月 20日:第6回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はラオス。

2009年10月

20日:第6回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。中国国務院、中国国際貿易促進委員会、広西壮族自治区人民政府共同主催。ASEAN工商会共催。李克強副首相ほかが開会演説。ASEAN各国の首脳、閣僚のほか業界代表、企業家、学者、新聞記者など1500人が出席。共通テーマは「携手応対危機、促進共同発展」。サミット期間中にASEAN首脳と中国企業CEOの対話、「市場開放と新しいビジネスチャンス」のテーマで10+1工商指導者訪談会などを開催。

2009年11月1日~4日:広西壮族自治区主席・馬飈を団長とする代表団が、マレーシアを訪問。クアラルンプルでナジブ首相と会見。第7回CAEXPOへの協力を要請。

2009年11月 4日~8日:同上代表団がフィリピン訪問。副大統領と会見。

2010年1月13日~14日:広西壮族自治区党書記・郭声琨を団長とする代表団がタイを訪問。アピシット首相と会見。

2010年1月 17日~19日:同上代表団がシンガポール訪問。リーシェンロン首相と会見。

付表3(4) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO) の関連年表、2007-2010年

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第 2 章 南進する中国と中国 ASEAN 博覧会

80

年月 事項(日程を含む)

2010年4月 9日:南寧にて中国商務部が第7回CAEXPO高官会議を開催。

2010年5月25日~27日:広西壮族自治区主席・馬飈を団長とする代表団がインドネシア訪問。ASEAN副事務局長と会見。

2009年7月中旬

CAEXPO事務局派遣の代表団が、国内の江蘇、浙江、上海、山東、四川、陜西省と直轄市を訪問して、第6回CAEXPOへの出展協力を要請する。スローガンは「両多、両新、三突破」。両多は出展ブースの増加を目指す。両新は現在進行中のサービス貿易自由化推進のため、農業、金融サービスを新たに加えることを指す。「三突破」は国内省市、域外の外国、企業の三者の参加を促すことを指す。

2010年9月

9日~14日:広西壮族自治区主席・馬飈を団長とする代表団がベトナム訪問。11日、「広西ベトナム経済貿易協力懇談会」と項目条約の締結を行う。この席にはベトナム5省の政府高官、工業省、農業省、交通運輸省、企業家など400人が参加。12日、阮明哲国家主席と会見。13日、ハノイで「南寧=ハノイ」「南寧=シンガポール」の経済回廊について討論会。「両廊一圏」を確認。(2011年、225-226頁)。

2010年9月18日:南寧にて第7回CAEXPO準備壮行会を開催。このときまでに、貿易は81.71億ドル、国際投資合作は350.62億ドル、国内投資合作は3300億元が、それぞれ成立済み。

2010年10月 19日:第7回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はインドネシア。

2010年10月

19日:第7回中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)を開催。中国国務院、中国国際貿易促進委員会、広西壮族自治区人民政府共同主催。ASEAN工商会共催。ASEAN各国の首脳、閣僚のほか業界代表、企業家、学者、新聞記者など1500人が出席。共通テーマは「中国ASEAN自由貿易区域経済貿易協力の展望」。サミット期間中に、ASEAN首脳と中国企業CEOの対話、中国ASEAN商会指導者フォーラム、中国ASEAN経済貿易と物流協力フォーラム、商務部主催早晩餐会、中国(永州)走進ASEAN経済貿易商談会などを実施。

2011年10月21日:第8回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国はマレーシア。共通テーマは「環境保全協力」(Environment Cooperation)。

2012年9月21日:第9回中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式。幹事国は?。共通テーマは「合作共嬴促発展」(Win-Win Cooperation for Common Development)。

(注)(1)中国ASEAN博覧会(CAEXPO)の開幕式のそれぞれの年度における出席者の詳細な情報については、付表2(1)から付表2(3)を参照。

(2)博覧会準備作業と開幕式、中国ASEANビジネス投資サミット(CABIS)に関する記述は、「出所」を参照。それ以外は随時、項目の中に引用頁を示した。

(出所)『中国-東盟年鑑2004』、87-91頁;『中国-東盟年鑑2005』、150-153, 158-159頁;『中国-東盟年鑑2006』、160-161,167-168頁;『中国-東盟年鑑2007』、152-153, 158-161頁;『中国-東盟年鑑2008』、193-194, 200-201頁;『中国-東盟年鑑2009』、196-197, 205-206頁;『中国-東盟年鑑2010』、219-220, 228-231頁;『中国-東盟年鑑2011』、222-228, 238-241頁。

付表3(5) 中国ASEAN博覧会(CAEXPO) の関連年表、2010-2012年

<写真>2012 年 9 月、第 9 回中国 ASEAN 博覧会の開幕式(公式サイトより)

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81

第 3 章

中国 ASEAN 経済関係の諸相

南進しているのは誰か?

伊藤亜聖

はじめに

本章では中国と ASEAN 諸国の間の経済関係の現状について、主に中国側からの輸出、投

資、経済協力(特に工事請負)の担い手を特定化することで、「中国の南進」と呼ばれる現

状をよりブレークダウンして把握することを試みる。

2000 年代以降、中国と ASEAN の経済関係は急速に緊密化しており、既に先行研究が、

貿易面での密接化、制度面での関係強化、国境地域での取り組みを報告している1。ここで、

先行研究に見られる一つの論点として、中国の対外経済進出をどの程度一体化されたもの

として捉えるか、という点がある。

中国対外経済進出については、2000 年に正式に提起された「走出去」戦略がもっとも包

括的な計画だと言え、特に海外への直接投資と経済協力の促進に重点が置かれていた(片

岡 2007 年, 2008 年; 馬 2007 年)2。これと関連して、ASEAN 諸国との間の貿易・投資・援

助・協力関係の同時並行的進展を「四位一体」として捉える視点や(末廣 2011 年)、更に

各論として、対外援助については、中国による貿易、投資、援助の「三位一体」の対外進

出が指摘されている(下村・大橋・日本国際問題研究所編 2013 年)。また、経済協力の視

点からは、中央政府のみならず地方政府の関与に注目する論稿も見られる(益尾 2010 年)。

ここで念頭に置いておくべきことは、以下の 2 つの論点である。

第一の論点は、中国経済研究の分野における、中国の経済発展の原動力を巡った、「国家

資本主義(State Capitalism)」説と「大衆資本主義(Mass Capitalism)」説である。前者は、

中国政府及び中国共産党の政策と、その手足となる国有企業の役割を重視しており(加藤・

渡邉・大橋 2013 年)、それに対して、後者は無数のたたき上げの企業家の叢生こそが中国

経済の高成長をもたらしたと見る(丸川 2013 年)。

対 ASEAN 経済関係に落とし込めば、国有企業(とりわけ中央政府が直接監督する中央企

業)、民営企業、さらには外資系企業が中国の対外経済関係の深化に、それぞれどの程度関

1 FTA を含めた貿易関係についてはトラン・松本編著(2007 年)、末廣・宮島・大泉・助川・

青木・ソムポップ(2009 年)、国境経済圏については石田編(2010 年)を参照。 2 この背後には中国企業の成長、貿易摩擦の回避、資源の確保、外貨準備の増大などが挙げ

られる。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

82

与しているかが重要な論点となり、これを特定することにより、経済の軸における対ASEAN

経済関係の特徴に接近できると考えられる。

第二の論点は、中国の政治研究の分野において、政治体制と対外政策を「分断化された

権威主義(Fragmented Authoritarianism)」として捉える議論である。この視角は、中国の対

外政策を、公的関与者(共産党、国務院及び外交部、人民解放軍)と周辺の関与者(金融

機関、エネルギー関連企業、地方政府、研究機関、メディア)を含む、多様な利害関係者

の綱引きと競合の結果として把握する(ヤーコブソン・ノックス 2011 年)。逆に言えば、重

要案件の意思決定をつかさどる決定的な主体(例えば毛沢東)は存在しない、という見方

である。

例えば、中国の対アジア外交について、青山(2013 年)は「対外政策は中央指導部や外

交部によって定められた方針だけではなく、時としては石油や水力などの国内経済政策や

地域振興策の論理が持ち込まれ、安全保障、経済、エネルギーなどの多次元によって形成

されている(同上書、286-287 頁)」と指摘し、雲南省と広西チワン族自治区という地方政

府の関与を「中央戦略の地方化」、「中央政府と地方政府の協議型」の国家戦略と特徴づけ

ている3。この政治・外交の軸からすれば、共産党中央と国務院の他に、地方政府、国有企

業(産業)を含む利害関係者が、どの程度分散して存在しているかを測ることが重要な論

点となる。

中国の「南進=三位一体」という把握は、現実に起きた現象を把握する意味では有意義

であり、また、「走出去」戦略のように、中央政府が対外経済進出の青写真を描いてきたこ

とも事実であろう。本章では一歩進んで、「南進しているのは誰なのか?」を問い、具体的

な担い手を特定化することで、対外経済進出の実態把握を目指す。この問いに答えるうえ

で、本章では、とりわけ直近の 2010 年以降に注目し、データ面では主に中国側資料、とり

わけ中国商務部のデータを活用することで、可能な限りミクロなレベルで担い手を特定す

ることを試みる。

あらかじめ議論の流れと論旨を示しておくと、第1節では、貿易関係の概況を確認した

うえで、中国の対 ASEAN 輸出の担い手を確認し、対 ASEAN 輸出の 大の担い手が中国に

進出している外資企業であることを示す。続いて第2節では、投資関係を検討し、対 ASEAN

投資の担い手を確認することで、国有中央企業の投資の平均規模が大きいものの、件数と

しては「その他の企業」、とりわけ民営企業の投資が支配的である可能性が高いことを示す。

第3節では、対外協力関係を検討し、対外工事請負の主たる担い手は国有企業であること

を示す。また、中国が過去 10 年開設を進めてきた孔子学院にも目を向け、中国の財政的支

援と受け入れ国側のメリットがかみ合うことで、ASEAN 諸国でその数が増加していること

を確認する。本章の結論部では、このような「南進」をどのように捉えるべきか、若干の

3 益尾(2010 年)は中央政府が中国―ASEAN 自由貿易協定の締結を決めたことを受けて、

広西チワン族自治区政府が積極的に博覧会開催や地方経済振興策を立案したことを報告し

ている。

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検討を加える。

第 1 節 貿易の概況と担い手

はじめに中国と ASEAN の貿易額の推移をごく簡単に整理しておこう(より詳細な貿易分

析については第 4 章、第 5 章を参照)4。

図表 3-1 は中国と ASEAN 諸国の貿易額を示している。はじめに中国と ASEAN 諸国の輸

出入総額を見ると、2008 年以降、中国側が若干の貿易赤字となっているものの、ほぼ拮抗

した状況が続いており、中国側の大幅な貿易黒字となっている対アメリカや対 EU とは大き

く異なる。

中国からの輸出を見ると、2004 年から 2012 年にかけて中国の全世界への輸出額は 2.8 倍

に増加したのに対して、この間、ASEAN 諸国への輸出額は 3.7 倍となっており、全輸出に

占める比率も 5.7%から 7.5%へと増加している。輸入に関しては、中国の全輸入の伸び率よ

りもわずかに低いものの、同期間に 3.2 倍の規模となっている。この間、日本と中国の貿易

額の伸び率が輸出入ともに平均を下回る水準となっており、この結果、2012 年には対中貿

易総額で ASEAN 諸国が日本を上回ることとなったのは、第 5 章(176 頁)でも指摘されて

いる通りである。

<写真>左は広東省東莞市のアパレルメーカーの生産現場(2013 年 7 月 16 日、伊藤撮影)。

右は広東省東莞市の香港系携帯電話用プラスチック部品メーカーの金型加工用マシニング

センター(2013 年 9 月 6 日、伊藤撮影)5。

4 中国の貿易額については、中国本土の海関統計で算出された額と、相手国側の統計では数

字が大きく食い違うことがある。これは主に香港経由の輸出入によって生じていると考え

られるため、香港経由の分をも含めて、対中輸入と計上される輸入国側のデータから検討

を加える。 5 同時期、同地域に全く性質の異なる産業と生産方式が同居している。だからこそ、図表

3-2 で見るように労働集約的な製品の多い原料別工業製品と、技術・資本集約的な精密機械

製品の輸出が両立することとなる。この背景として、中国における量的に膨大な労働力供

給、外資企業の進出、産業集積の形成、販売市場の重層性が指摘できる。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

84

2004 2008 20122008/2004

2012/2008

2012/2004

世界 1,417,432 2,943,089 4,205,659 2.1 1.4 3.0

ASEAN 111,361 230,177 374,904 2.1 1.6 3.4

CMV+タイ 28,219 69,114 127,523 2.4 1.8 4.5

カンボジア 495 1,093 2,399 2.2 2.2 4.8

ミャンマー 918 2,009 4,051 2.2 2.0 4.4

ベトナム 7,077 20,310 45,565 2.9 2.2 6.4

タイ 19,728 45,703 75,508 2.3 1.7 3.8

日本 188,667 293,830 366,267 1.6 1.2 1.9

アメリカ 255,265 437,890 578,173 1.7 1.3 2.3

EU 241,981 533,365 635,333 2.2 1.2 2.6

世界 856,204 1,810,527 2,387,460 2.1 1.3 2.8

ASEAN 48,393 113,174 179,036 2.3 1.6 3.7

CMV+タイ 13,959 38,435 71,229 2.8 1.9 5.1

カンボジア 465 1,054 2,184 2.3 2.1 4.7

ミャンマー 712 1,361 2,753 1.9 2.0 3.9

ベトナム 4,595 15,974 29,336 3.5 1.8 6.4

タイ 8,188 20,046 36,957 2.4 1.8 4.5

日本 94,340 143,230 188,435 1.5 1.3 2.0

アメリカ 210,517 356,305 444,407 1.7 1.2 2.1

EU 171,487 400,719 423,262 2.3 1.1 2.5

世界 561,229 1,132,562 1,818,199 2.0 1.6 3.2

ASEAN 62,967 117,003 195,868 1.9 1.7 3.1

CMV+タイ 14,259 30,679 56,294 2.2 1.8 3.9

カンボジア 30 39 215 1.3 5.5 7.2

ミャンマー 207 648 1,298 3.1 2.0 6.3

ベトナム 2,482 4,336 16,229 1.7 3.7 6.5

タイ 11,541 25,657 38,551 2.2 1.5 3.3

日本 94,327 150,600 177,832 1.6 1.2 1.9

アメリカ 44,748 81,586 133,766 1.8 1.6 3.0

EU 70,494 132,646 212,071 1.9 1.6 3.0

中国の輸入額

(注) 香港経由を含めるために相手国・地域の輸入額より算出。

(出所) UNCTADデータベースより。

図表3-1 中国とASEAN諸国の貿易額の推移(単位:100万ドル)

貿易総額

中国の輸出額

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次に、日中間の貿易規模を上回った中国―ASEAN 貿易の中身を確認する意味で、大分類

のカテゴリー別シェアを見ておこう(図表 3-2)。この間の中国と ASEAN の貿易で、 大の

規模であったのが機械・機器類の輸出入であったことはよく知られているが、2008 年以降

の変化に注目すると、若干の変化の兆しが確認できる。2000 年以降、中国の対 ASEAN 輸

出のほぼ半分を機械類が占める構造が継続しているものの、比率としては 2004 年の 55.5%

から 2006 年の 56.9%を頂点として、その後若干ではあるがその比率が下がり始めている。

この間、化学工業製品や原料別工業製品が 2.0~2.8 ポイントほどシェアを高めている。

一方、中国が ASEAN 諸国から輸入したカテゴリーを見ると、同じく機械類が高い比率を

占めており、広い意味での産業内貿易が示されると同時に、とりわけ 2008 年以降には、そ

の比率の低下傾向も鮮明である。この間、もっとも伸びが著しかったのは、天然ゴム、パ

ルプ、金属鉱石などが含まれる原材料であった。

品目別のトレードバランスを見るため、中国側の輸出特化係数を見てみよう。輸出特化

係数は中国側のみが輸出している場合には 大値 1、逆に輸出せず輸入のみの場合には 小

値-1 となる。例えば、2012 年の飲料及びたばこは 0.83 となっているが、これは中国側の

輸出と輸入がほぼ 9 対 1 の比となっていることを意味する。同指標をみると原材料、鉱物

性燃料、油脂の中国の輸入超過が鮮明であり、逆に輸出超過が明確な品目は、飲料及びた

ばこ、原料別工業製品、雑製品、特殊取扱品であることがわかる。貿易額としてもっとも

大きい機械類のトレードバランスが、2008 年以降ほぼ拮抗している状況は、中国と ASEAN

諸国の間での産業内貿易を示している。これらのデータから、中国と ASEAN の貿易は、①

ASEAN 諸国から中国への原材料と燃料の供給、②中国から ASEAN への化学製品、原料別

工業製品の輸出、③機械製品における相互輸出、以上の 3 つのパターンを内包するもので

あることが分かる。①と②はクラシックな貿易論が想定してきた産業間分業であるのに対

して、③はクルーグマンらが指摘した産業内貿易である。

このうちで、2008 年以降、シェアの変化が大きかったのは、ASEAN から中国への原材料

及び燃料の輸出額シェアの増加と、機械類のシェアの減少であった。換言すれば、ASEAN

諸国は、2000 年代後半以降、よりエネルギーや原材料を中国に供給する構造へと変化し、

中国はこれらの資源をもちいて多様な製品を全世界に輸出するようになっていった。この

ことは、中国―ASEAN 貿易がより垂直貿易の特徴を強めつつあると捉えることもできる。

むろん、ASEAN 諸国を一括して捉えることには無理もあるため、より詳細な国別・地域別

の貿易動向の検討も必要であるが、この点については本報告書の第 4 章以降を参照された

い。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

86

2004 2008 20122004年から2008年の

増減幅

2008年から2012年の増減幅

2004年から2012年の

増減幅

食料品 3.3% 2.7% 3.1% -0.6% 0.4% -0.3%

飲料及びたばこ 0.4% 0.3% 0.4% -0.1% 0.1% 0.0%

原材料 1.1% 0.9% 1.0% -0.1% 0.1% 0.0%

鉱物性燃料、油 5.6% 3.5% 4.5% -2.1% 1.0% -1.1%

加工油脂 0.1% 0.1% 0.1% 0.0% -0.1% 0.0%

化学工業生産品 7.1% 8.8% 9.0% 1.7% 0.3% 2.0%

原料別工業製品 17.5% 21.3% 20.2% 3.8% -1.1% 2.8%

機械類及び輸送機器 55.5% 52.1% 52.2% -3.3% 0.1% -3.2%

雑製品 8.6% 8.0% 9.1% -0.6% 1.1% 0.5%

特殊取扱品 0.9% 2.2% 0.3% 1.2% -1.9% -0.7%

食料品 2.2% 2.1% 3.8% -0.1% 1.8% 1.7%

飲料及びたばこ 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

原材料 6.3% 9.8% 11.8% 3.5% 2.0% 5.5%

鉱物性燃料、油 12.0% 10.7% 13.9% -1.4% 3.3% 1.9%

加工油脂 3.4% 5.4% 4.2% 1.9% -1.2% 0.8%

化学工業生産品 11.3% 8.6% 9.6% -2.7% 1.0% -1.7%

原料別工業製品 6.4% 4.9% 5.7% -1.5% 0.8% -0.7%

機械類及び輸送機器 55.1% 55.0% 46.5% -0.1% -8.5% -8.7%

雑製品 3.1% 3.4% 4.4% 0.2% 1.0% 1.3%

特殊取扱品 0.1% 0.2% 0.0% 0.0% -0.1% -0.1%

食料品 0.08 0.12 -0.16 0.03 -0.27 -0.24

飲料及びたばこ 0.95 0.76 0.83 -0.20 0.07 -0.13

原材料 -0.77 -0.83 -0.85 -0.06 -0.02 -0.08

鉱物性燃料、油 -0.47 -0.51 -0.54 -0.04 -0.03 -0.07

加工油脂 -0.97 -0.96 -0.98 0.01 -0.01 0.00

化学工業生産品 -0.35 -0.01 -0.07 0.34 -0.07 0.28

原料別工業製品 0.36 0.62 0.53 0.26 -0.09 0.17

機械類及び輸送機器 -0.13 -0.04 0.01 0.08 0.06 0.14

雑製品 0.36 0.39 0.31 0.04 -0.08 -0.05

特殊取扱品 0.66 0.86 0.67 0.20 -0.19 0.01

(注) 香港経由を含めるために中国の輸出についてはASEAN側の輸入額より算出。輸出特化係数は(輸出-輸入)/(輸出+輸入)で算出。

(出所) UNCTADデータベースより。

図表3-2 中国とASEAN諸国の大分類品目貿易推移

中国のASEAN諸国への輸出

中国のASEAN諸国からの輸入

中国から見た輸出特化係数

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次に、中国の対 ASEAN 輸出の主要な担い手を確認してみよう。本章の末尾に掲載した付

表 1 は、中国の対 ASEAN 輸出額の上位 100 社を示しており、一見して国有大企業や、外資

系企業が多いことが目につく。この表をもとに、産業分野と資本の所有形態について判別

可能な範囲でクロス集計したものが図表 3-3 である。

第一に、もっとも顕著な点は、上位 100 社のうち、41 社を外資企業が占め、更にそのう

ちの 37 社を電気通信機器メーカーが占めている点である。

例えば、輸出額で第 3 位の昱科環球存儲産品(深圳)有限公司は、元々は IBM と日立の

合弁企業で、現在は米国 HGST 社の子会社であり、第 5 位の英特爾産品(成都)有限公司

は、米国インテル社の子会社である。会社数から見て単独で も目立つのは、韓国のサム

スンの子会社で、第 10 位の天津三星電子有限公司、第 21 位の天津三星視界移動有限公司、

第 37 位の深圳三星視界有限公司、第 55 位の三星高新電機(天津)有限公司、第 75 位の天

津三星通信技術有限公司、第 87 位の東莞三星視界有限公司、第 88 位の蘇州三星電子電脳有

限公司と、合計で 7 社がランクインしている。また台湾系の EMS も目立ち、第 4 位の達功(上

海)電脳有限公司と、第 9 位の達豊(重慶)電脳有限公司はクアンタ(廣達)のグループ

企業に属し、また、第 29 位の鴻富錦精密電子(鄭州)有限公司、第 66 位の鴻富錦精密電

子(天津)有限公司、第 81 位の鴻富錦精密電子(成都)有限公司、第 94 位の鴻富錦精密

工業(武漢)有限公司は台湾系のホンハイ(鴻海精密工業)グループの子会社である。

第二に目立つのは、国有企業が合計 30 社ランクインしている点である。そのうち、中央

中央 他

合計 100 18 12 3 9 41 6 11

石油化学 9 7 0 0 1 0 1 0

鉄鋼、鉱業 10 1 3 1 4 0 0 1

造船 11 5 2 0 1 1 2 0

電気通信機器 43 1 0 0 2 37 3 0

設備機械 4 2 2 0 0 0 0 0

貿易 8 1 2 0 0 2 0 3

物流 6 0 2 2 0 0 0 2

鉄道 1 1 0 0 0 0 0 0

紡織・アパレル 2 0 0 0 1 1 0 0

その他 2 0 1 0 0 0 0 1

不明 4 0 0 0 0 0 0 4

(出所) 付表1より集計。

図表3-3 中国の対ASEAN輸出額上位100社の内訳

合計国有 公有・

集団所有

民営 外資 合資 不明所有形態

産業分野

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

88

企業と呼ばれる も規模が大きく戦略的に重視されている企業が 18 社、地方国有企業は 12

社である。

中央企業を産業別に見ると、石油化学が 7 社、造船が 5 社となっており、例えば、第一

位の中国国際石油化工聯合有限責任公司は中央企業である中国石油化工集団公司

(SINOPEC)の子会社である。造船に関しては、第 20 位の舟山中遠船務工程有限公司は、

中国遠洋運輸集団公司(COSCO)の子会社、そして第 26 位の大連船舶重工集団有限公司は

中国船舶工業集団公司(CSIC)の子会社である。一方、地方レベルの国有企業には設備機

械、造船、鉄鋼、貿易、物流などが含まれ、特定の業種への集中は見られない。

第三に、民営企業については、9 社となっているものの、資本の所有形態を特定できなか

った 11 社うち、民営企業だと推測されるものもあったため、実際には 10 社以上と見ること

ができ、決して無視できない比率を占めている。

このうち、第 2 位の華為技術有限公司(Huawei)、第 25 位の中興通詢股份有限公司(ZTE)

は も国際競争力の高い中国の企業とされており、ランクインは当然と言えよう。この他

には、鉄鋼や造船でも民営企業が含まれている。ここで同時に指摘できるのは、国境貿易

だと推測される「凭祥」(ベトナムのランソンと国境を接する中国側の県級市)の名前のつ

いている貿易会社が目につく点である。これらの企業は資本の所有形態を特定しにくいが、

国境で様々な財を輸出入している民営企業だと考えられる。

輸出規模の大きな企業に限られているという点には注意が必要ではあるが、上記の企業

リストの整理から、図表 3-2 の中国側の輸出が、実際にどのような企業によって担われてい

るのかが、一定程度明らかになった。中国の対 ASEAN 輸出額による利益を も享受してい

るのが、外資企業であるという事実は、強調されてしかるべきであろう。品目別に見ると、

2012 年の対 ASEAN 輸出の中で も大きな金額を占めた機械類は、主に外資系の電気通信

機器メーカーによって担われ、それに対して燃料や化学工業製品は国有企業によるもので

あったと考えられる。また、上位 100 社のうち 71 社が外資企業と国有企業によって占めら

れているものの、民営企業の役割も無視できない。つまり、対 ASEAN 輸出について、中国

の国家資本主義論から説明できる部分は決して支配的ではなく、むしろ、中国に進出して

いる外資企業の貢献の方が圧倒的に大きく、また民営企業による ASEAN 市場開拓という点

にも目を向ける必要があるだろう。

第 2 節 直接投資の概況と担い手

次に中国と ASEAN の間の直接投資の動向を見ておこう(図表 3-4)6。

6 直接投資においても、中国側統計と受入国側統計で大きな差が生じていることが確認され

ている(末廣 2009 年)。データの食い違いは受入国側の承認ベース統計と中国側の実行ベ

ース統計の違いから生じていると考えられるが、この他に華人を介した投資が漏れるとい

った問題点も指摘されている。これらの問題点を踏まえたうえで、ここでは、中国側の統

計から、その推移を追い、とりわけ企業レベルの動向に注目する。

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89

2004 2008 20122008/2004

倍率(%は増減幅)

2012/2008倍率

(%は増減幅)

2012/2004倍率

(%は増減幅)

世界 5,498 55,907 87,804 10.2 1.6 16.0

2,628 38,640 51,238 14.7 1.3 19.5

47.8% 69.1% 58.4% 21.3% -10.8% 10.5%

196 2,484 6,100 12.7 2.5 31.2

3.6% 4.4% 6.9% 0.9% 2.5% 3.4%

タイ 23 45 479 1.9 10.5 20.4

カンボジア 30 205 560 6.9 2.7 19.0

ラオス 4 87 809 24.4 9.3 227.2

ミャンマー 4 233 749 56.9 3.2 183.1

ベトナム 17 120 349 7.1 2.9 20.7

シンガポール 48 1,551 1,519 32.3 1.0 31.7

マレーシア 8 34 199 4.2 5.8 24.5

インドネシア 62 174 1,361 2.8 7.8 22.0

フィリピン 0 34 75 673.8 2.2 1498.0

ブルネイ N.A. 2 1 N.A. 0.5 N.A.

15 59 211 3.8 3.6 13.8

0.3% 0.1% 0.2% -0.2% 0.1% 0.0%

120 462 4,048 3.9 8.8 33.8

2.2% 0.8% 4.6% -1.4% 3.8% 2.4%

世界 60,630 92,395 111,716 1.5 1.2 1.8

18,998 41,036 65,561 2.2 1.6 3.5

31.3% 44.4% 58.7% 13.1% 14.3% 27.4%

3,041 5,461 7,073 1.8 1.3 2.3

5.0% 5.9% 6.3% 0.9% 0.4% 1.3%

タイ 179 129 78 0.7 0.6 0.4

カンボジア 21 3 17 0.1 5.7 0.8

ラオス 4 7 2 1.6 0.3 0.5

ミャンマー 9 3 4 0.4 1.2 0.4

ベトナム 1 2 3 1.8 1.5 2.8

シンガポール 2,008 4,435 6,305 2.2 1.4 3.1

マレーシア 385 247 318 0.6 1.3 0.8

インドネシア 105 167 64 1.6 0.4 0.6

フィリピン 233 127 132 0.5 1.0 0.6

ブルネイ 96 340 151 3.5 0.4 1.6

5,452 3,652 7,352 0.7 2.0 1.3

9.0% 4.0% 6.6% -5.0% 2.6% -2.4%

3,941 2,944 2,598 0.7 0.9 0.7

6.5% 3.2% 2.3% -3.3% -0.9% -4.2%

日本

アメリカ

(出所) 『中国商務年鑑』2013年版、pp.186-192及び『中国統計年鑑』各年版より。

図表3-4 中国の対外と対内直接投資のフロー額 (単位:100万ドル, %)

中国からの直接投資 (対外直接投資)

中国への直接投資 (対内直接投資)

香港

ASEAN

香港

ASEAN

日本

アメリカ

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

90

中国の対外直接投資は香港向けの金額が著しく大きく、香港経由で他の地域へと再投資

される量を捕捉できないが7、この図表から、①中国から ASEAN、そして ASEAN から中国

への投資、この双方が世界平均よりも高い伸びを示していること、そして②2004 年と 2008

年の時点では、中国の ASEAN 諸国への投資額よりも、ASEAN 諸国の中国投資額の方が大

幅に大きかったが、2012 年時点ではこの差が大幅に縮まっていることがわかる。後者の金

額の接近については、ASEAN から中国への直接投資の国別の内訳をみると、大部分をシン

ガポールが占めており、また堅調な伸びを示している。

逆に、中国から ASEAN 諸国への直接投資フローは、2004 年の約 2 億ドルから、2012 年

の 61 億ドルへと 30 倍以上に急増しており、ASEAN から中国への投資額の伸び(8 年間に

2.3 倍)を大きく上回った。2012 年でも依然として中国の投資受入額の方が多いものの、こ

の傾向に従えば、近い将来、中国の ASEAN への投資額の方が上回ることが予想される。国

別に見ると、例えばタイの場合、中国からの直接投資が 2004 年から 2012 年にかけて 20 倍

に増加した一方で、タイからの中国への投資は低迷しており、2012 年時点では中国側の投

資規模(4.79 億ドル)が、タイからの投資受入額(0.78 億ドル)を圧倒している。

次に、中国の対 ASEAN 投資について、ストックを見てみよう(図表 3-5)。2004 年から

2012 年にかけて、中国による対全世界の直接投資額は 11.9 倍に増加しており、この間、一

貫して香港経由の投資額が圧倒的な規模を占めてきたが、その比率は徐々に減少した。対

ASEAN の投資額を見ると、8 年間に 29.5 倍増で、全直接投資ストックに占める比率も、2004

年の 2.1%から 2012 年の 5.3%へと増加している。なかでもシンガポール向けは 123 億ドル

となっており、大きく差があいてインドネシアとミャンマー向けの投資が続いている。投

資の伸びについて見ると、フローのデータからも確認されることだが、ラオス、ミャンマ

ー向けの投資規模が急激に増加しており、ミャンマーへの投資はもともと少なかったこと

もあるが、8 年間に 153 倍増となっている8。

7 なお、Wang, Mao, and Gou(2014)はプロジェクトレベルの投資データから、大企業の場

合にはオーストラリア向けの投資が、中小企業の場合にはアメリカ向けの投資が も投資

件数として多いことを報告している。なお筆者が商務部の 1970 年から 2013 年の投資件数

データを集計したところでは、全 2 万 8545 件のうち、香港 7954 件、アメリカ 3049 件、ロ

シア 1152 件、日本 835 件、ベトナム 812 件、オーストラリア 685 件、アラブ首長国連邦 677件、ドイツ 676 件、シンガポール 627 件、韓国 617 件となっている。このデータについて

は別稿で検討をくわえたい。 8 中国の対外直接投資の特徴については、Cheng and Ma(2010)、Ramasamy, Yeung, and Laforet(2012)、Kolstad and Wiig(2010)が、市場の大きな国、資源が豊かな国、地理的・文化的

に近接している国、制度が脆弱な国への投資が大きくなる傾向を報告している。企業レベ

ルでの差異については、Ramasamy, Yeung, and Laforet(2012)が、上場企業のデータを用い

て、国有企業の場合、自然資源が豊富で政治リスクのある国への投資が多く、民営企業の

場合にはマーケットを獲得しようとする投資が多くなるという興味深い結果を得ている。

また、直接投資の規模について、Nolan(2012)は、多国籍企業が中国に進出している規模

ほどには中国企業は海外には進出していないことから、「まだ中国は世界を買っていない」

という論旨を展開している。

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91

次に中国の対外直接投資の中身を見るために、2011 年末時点の ASEAN 諸国向けの直接

投資ストックの産業別内訳を確認しよう(図表 3-6)。それによると、金額ベースで も大

きいのは電力、エネルギー関係(38 億ドル)で、以下リース、ビジネス向けサービス業(28

億ドル)、卸売・小売業(27 億ドル)が続いている。中国の対外直接投資の全体傾向と比べ

ると(図表 3-6「ASEAN 特化係数」の欄を参照)、対 ASEAN 向け投資では、電力、エネ

ルギー関係への投資比率が 10 倍以上も高いことと、建設業も 4 倍の水準となっていること

が目につく。

同時に、対外投資の世界平均と比べると、特定セクターへの集中傾向が観察されない点

はかえって特徴的であり、多様な産業へ投資する傾向が確認できる。急増する対 ASEAN 投

資はインフラへの投資を軸としながらも、金融、卸売・小売、製造業、鉱業を含む多様な

産業を対象とするものであると評価できる。このことは、たとえ、対 ASEAN 投資が国有企

業主導のものであったとしても(のちに確認するように実際には国有企業の投資件数は支

配的ではない)、多様な産業の利害関係者が存在していることを示唆している。

2004 2008 20122008/2004

倍率(%は増減幅)

2012/2008倍率

(%は増減幅)

2012/2004倍率

(%は増減幅)

世界ストック 44,777 183,971 531,941 4.1 2.9 11.9

30,393 115,845 306,372 3.8 2.6 10.1

67.9% 63.0% 57.6% -4.9% -5.4% -10.3%

956 6,487 28,238 6.8 4.4 29.5

2.1% 3.5% 5.3% 1.4% 1.8% 3.2%

タイ 182 437 2,127 2.4 4.9 11.7

カンボジア 90 391 2,318 4.3 5.9 25.8

ラオス 15 305 1,928 19.8 6.3 125.0

ミャンマー 20 500 3,094 24.8 6.2 153.3

ベトナム 160 522 1,604 3.3 3.1 10.0

シンガポール 233 3,335 12,383 14.3 3.7 53.1

マレーシア 123 361 1,026 2.9 2.8 8.3

インドネシア 122 543 3,098 4.5 5.7 25.4

フィリピン 10 87 593 8.9 6.8 60.5

ブルネイ 0 7 66 50.1 10.2 510.4

139 510 1,620 3.7 3.2 11.6

0.3% 0.3% 0.3% 0.0% 0.0% 0.0%

665 2,390 17,080 3.6 7.1 25.7

1.5% 1.3% 3.2% -0.2% 1.9% 1.7%

(出所) 『中国商務年鑑』2013年版、pp.186-192より。

図表3-5 中国の国別・地域別対外直接投資ストック (単位:100万ドル, %)

日本

アメリカ

ASEAN

香港

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

92

次により詳しい動向を見ておこう9。1980 年代以降、中国企業の対 ASEAN 直接投資企業

の件数は 2013 年末時点で、合計 3813 社であった。このうち、1987 年から 1999 年にかけて

設立された企業数はわずか 12 社で、図表 3-7 のように、「走出去」戦略が提起された 2000

年以降の進出数増加が顕著である10。このうち、国有の中央企業の推移を見ても同様の傾向

が見られるが、進出企業数からすれば、「走出去」政策が策定された直後には、実はそれほ

ど、中央企業の対外投資は目立っておらず、その件数が顕著に増加し始めたのは、むしろ

2000 年代の末以降である点は興味深い。逆に言えば、2007 年頃までは、「その他企業(地

方国有企業、民営企業、外資企業を含む)」の増加の方が圧倒的に多い11。

金額ベースでみれば、中央企業の投資額が支配的である可能性や、その他企業には地方

9 なお、商務部が発行する『対外投資合作国別(地区)指南』は、国別に投資の可能性とリ

スクや注意点を整理しており、中国政府が各国への対外投資をどのように捉えているかを

知ることができる資料であるが、本章では取り上げない。 10 商務部のデータは各地ごとにデータが、いつから集計されているのか、不明な点は残る

ものの、趨勢としては 2000 年代半ば以降の急増は間違いないであろう。 11 これはそもそも中央企業の数が限定的であるという理由と、進出件数ベースで見ている

からかもしれないが、ここでは民営企業による投資の存在を強調しておきたい。

比率(A)

金額(100万ドル)

比率(B)

金額(100万ドル)

合 計 100.0% 424,781 100.0% 21,462 -

農林、畜産、漁業 0.8% 3,417 3.3% 709 4.1

鉱業 15.8% 66,995 11.1% 2,385 0.7

製造業 6.3% 26,964 12.0% 2,566 1.9

電力、エネルギーの生産と供給業

1.7% 7,141 17.7% 3,803 10.5

建築業 1.9% 8,051 7.6% 1,624 4.0

交通輸送、倉庫、郵送業

5.9% 25,261 9.0% 1,940 1.5

卸売、小売業 11.6% 49,094 12.6% 2,699 1.1

金融業 15.9% 67,393 10.6% 2,281 0.7

リース、ビジネスサービス業

33.5% 142,290 12.9% 2,759 0.4

科学研究、技術サービス、地質検査業

1.0% 4,388 1.9% 415 1.8

その他 5.5% 23,182 1.3% 280 0.2

図表3-6 中国の対ASEAN向け直接投資の産業別分布(2011年年末時ストック)

対全世界 対ASEAN (B/A)ASEAN

特化係数

(出所) 『中国統計年鑑』2012年版、『2011年度 中国対外直接投資経済公報』より。

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国有企業も含まれていることから、地方国有企業の投資が多い可能性も否定できないが、

後で詳細を見るように、多くの民営企業が ASEAN 諸国に投資を開始していると考えるのが

自然であろう。このことは、中国の対外投資を、国家資本主義論の視角のみから把握する

ことは難しいことを示唆している。図表 3-8 は国別の動向を示しているが、これによれば、

シンガポール、インドネシア、カンボジアへの進出数が急増する一方で、ブルネイ、フィ

リピンへの進出数は横ばいの状況が続いていることが確認できる。

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

その他企業

中央企業数

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP資料より作成。

図表3‐7 各年の中国企業の対ASEAN諸国進出数推移(件数)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

タイ

カンボジア

ラオス

ミャンマー

ベトナム

シンガポール

マレーシア

インドネシア

フィリピン

ブルネイ

図表3‐8 各年の中国企業の対ASEAN諸国進出数推移(国別件数)

(出所) 図表3‐7に同じ。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

94

それぞれの国について、中国企業の進出件数を資本と時期別に見たものが図表 3-9 である。

累計企業数が も多いのはベトナムの 812 件で、このうち国有中央企業及び商務部企業が

38 件、その他企業が残りの 774 件となっている。逆に、進出数が も少ないのはブルネイ

の 15 件で、このうち国有中央企業及び商務部企業は 1 件である。おおむね中央企業が 20

から 30件程度進出し、その他企業が 300から 500件進出しているのが平均的な姿といえる。

進出時期については、既に確認したように 2000 年以降に本格化しており、なかでも 2010

年から 2013年の 4年間の進出数が、2000年から 2009年の 10年間分を大きく上回っており、

近年の進出増が改めて確認される。

次に中国のどの地域からの投資件数が多いか、図表 3-10 から見てみよう。中国の場合、

北京や東北部には国有企業が多く、またもう一方で浙江省には民営企業が多く、広東省に

は外資企業(香港、マカオ、台湾系を含む)が多い、といった地域的な特徴がある。この

ため、投資元の地域から投資の性質をある程度推測することができる。

図 3-10 によると、地域別に見て、対 ASEAN 投資件数が も多いのは浙江省の 479 件で、

以下江蘇省の 389 件、湖南省の 341 件、山東省の 329 件が続く。このなかで浙江省は民営

企業の発展が著しかった地域であり、また江蘇省も集団所有制企業の発展と外資企業を基

礎としつつも、多くの民営企業が発展した地域である。

クロス集計して も多いルートを見てみると、 大値は雲南省からラオスへの 181 件、

つづいて湖南省からラオスへの 131 件、浙江省からベトナムの 128 件、広西チワン族自治

区からベトナムへの 104 件となっており、国境地域からの投資が目立っている。ここから、

①総数としてみると、民営企業を中心として経済発展した沿海部から投資が多いことと、

合計国有中央企業・商務部企業

その他企業 ~1999 2000~2009 2010~2013

ASEAN合計 3,813 272 3,541 12 1,411 2,390

タイ 378 26 352 3 137 238

カンボジア 306 22 284 0 64 242

ラオス 526 18 508 0 249 277

ミャンマー 170 27 143 2 52 116

ベトナム 812 38 774 1 437 374

シンガポール 628 58 570 2 143 483

マレーシア 292 26 266 3 88 201

インドネシア 531 41 490 0 168 363

フィリピン 155 15 140 1 69 85

ブルネイ 15 1 14 0 4 11

(出所) 図表3-7に同じ。

(注) なお、2012年までの国別進出数はタイ294件、カンボジア212件、ラオス453件、ミャンマー123件、ベトナム717件、シンガポール456件、マレーシア214件、インドネシア414件、フィリピン133件、ブルネイ13件である。

図表3-9 中国企業の対ASEAN諸国進出数の内訳(件数)

資本別 進出時期別

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95

②特定のチャンネルとしてみると雲南省、広西チワン族自治区といった CMV との国境隣接

地域からの投資が多いこと、この 2 点を指摘できるであろう。国境地域からの投資が増加

している点は、地理的な近接性に加えて、第 2 章で指摘されている博覧会をはじめとした

取り組みが一定の成果を上げていると捉えられる。

以上のように、対ベトナム、対ラオス、対ミャンマーといった周辺国への投資を見る際

にも、国境を接する地域のみではなく、とりわけ中国の沿海部地域からの投資の動向にも

目を向ける必要があるだろう。

総計 タイカンボジア

ラオスミャンマー

ベトナム

シンガポール

マレーシア

インドネシア

フィリピン

ブルネイ

合計 3813 378 306 526 170 812 628 292 531 155 15

北京 129 10 5 17 4 14 42 14 14 7 2

天津 89 8 5 7 3 14 24 7 15 6

河北 80 5 8 18 2 10 8 7 16 6

山西 30 4 1 6 8 3 4 4

内モンゴル 13 6 1 1 1 4

遼寧 100 7 9 2 3 22 25 2 24 5 1

吉林 19 1 3 3 1 6 4 1

黒竜江 16 3 1 4 2 5 1

上海 142 14 10 3 2 35 48 7 19 3 1

江蘇 389 39 53 12 11 75 96 35 50 14 4

浙江 479 66 36 15 7 128 84 55 66 22 0

安徽 45 9 5 3 0 11 4 2 10 1 0

福建 112 3 2 7 4 17 22 10 36 9 2

江西 45 3 3 2 1 11 5 3 9 8

山東 329 23 54 11 9 52 62 33 68 17 0

河南 59 3 6 7 2 15 8 3 10 5

湖北 58 7 1 2 14 8 11 11 4

湖南 341 54 11 131 13 63 8 16 39 6

広東 258 52 17 13 9 57 46 19 35 8 2

広西 192 4 20 17 8 104 6 11 19 2 1

海南 24 2 5 3 1 3 6 2 1 1

重慶 61 2 7 14 3 22 5 5 2 1

四川 116 6 3 27 11 31 18 5 10 5

貴州 12 5 5 1 1

雲南 347 21 16 181 44 56 12 2 14 1

チベット 1 1

陝西 27 8 4 1 3 5 1 3 1 1

甘粛 12 2 1 1 3 3 1 1

青海 9 4 5

寧夏 4 1 1 1 1

新疆 3 1 1 1

中央企業 268 26 21 18 26 37 57 26 41 15 1

商務部企業

4 1 1 1 1

(出所) 図表3-7に同じ。

図章3-10 中国の対ASEAN諸国直接投資件数

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

96

後に、投資の担い手とその特徴についても検討を加えておこう。

図表 3-5 に示した 2012 年時点の国別投資ストックを、図表 3-9 の注で示した 2012 年まで

の国別進出企業件数で割ると、平均投資規模が得られる。それによると、平均投資額が

も大きいのはシンガポールの 2720 万ドル、その次がミャンマーの 2520 万ドルとなり、規

模が少額なのはベトナムの 220 万ドルとラオスの 430 万ドルであった。この平均規模の違

いは、多分に投資主体の属性(投資案件の業種)も示唆していると思われ、実際に国有中

央企業の投資企業数が相対的に多い国では平均投資規模が大きくなる傾向がある。

ここで別の資料から国有電力企業による投資を見てみよう。中国国家電網、中国南方電

網、中国華能集団などを含む中国の国有大型電力企業 11 社は、2010 年に 25 件(計 10.06

億ドル)、2011 年に 22 件(計 16.09 億ドル)の大型投資を実施しており、2 年間に実施され

た投資の平均事業規模は 5563 万ドルとなる。図表 3-11 は国有電力企業による投資件数を示

しており、対 ASEAN 諸国への投資が目立つ。

2 年分の合計 47 件のうち、ラオス向けが 9 件、ミャンマーとインドネシア向けがそれぞ

れ 7 件、カンボジア向けが 4 件、ベトナム向けが 2 件、これらの国の合計で実に 29 件(全

件数の 64.4%)を占めている12。図表 3-6 で示した対 ASEAN 投資ストックの電力、エネル

ギーの分野における投資は、主に大型国有企業によるものだと考えることができ、またす

でに示した ASEAN 諸国への平均投資規模よりも大口の投資によって占められていると考

えられる。

同時に注目すべきことは、投資件数でみると、沿海部の民営企業が多い地域が も目立

12 これらの投資方式としては、BOT(Build-Operate-Transfer)方式の他に、株式買収による

投資も増加しており、2011 年の場合、全投資額の 77%が株式買収によるものであった。

012345678910

ラオ

ミャ

ンマ

イン

ドネ

シア

カン

ボジ

香港

ベト

ナム

アメ

リカ

オー

スト

ラリ

ザン

ビア

コン

ウズ

ベキ

スタ

モザ

ンビ

ーク

ネパ

ール

ブラ

ジル

イタ

リア

ポル

トガ

ロシ

韓国

図表3‐11 中国国有電力企業による対外投資件数

(2010,2011年)

(出所) 『中国対外投資合作発展報告2011~2012』、pp.45‐46より。

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97

つという点である。投資案件の詳細を見るために、浙江省からベトナムへの直接投資企業

128 社のリストを付表 2 に示した。これらの企業については、企業規模が小さいためか、企

業情報を収集することが難しく、資本の所有形態と産業でのクロス集計を行うことができ

なかったが、国有企業と思われる事例は見当たらず、9 割以上が民営企業だと考えられる。

浙江省には民営企業主体の産業集積が多数存在しており(伊藤 2012 年)、付表 2 の企業リ

ストからも、各産業集積地からの投資だと判断できる事例がある。

例えば、紹興市の紡織製品メーカー(紹興市培斯塔服装輔料有限公司)、温州市の皮革製

品メーカー(浙江協力皮革股份有限公司)、嵊州市のネクタイメーカー(嵊州市恒利領帯服

飾有限公司)、余姚市の日用プラスチック製品メーカー(余姚市余姚鎮凱達塑料廠)が確認

できる。このように浙江省の産業集積地から、民営企業がベトナムに展開していることは

興味深い事実である13。

このように、件数ベースでは民営企業が海外投資の大多数を占めると考えられるものの、

中国政府による各種の支援策が海外展開をサポートしていることも明らかである。対外投

資に関しては、①税制優遇(中国側が配分を受けた所得税の 5 年間免税、中国側が投資と

して持ち込む設備の輸出関税免税など)、②金融支援(貸付、優遇利率の適用、中小企業向

け支援など)、③関連情報の提供(『国別投資指導目録』の作成など)が実施されている(片

岡 2008 年)。

このうち明確な形で観察できるのが工業団地の開設である。商務部国際貿易経済合作院

院長の柴海濤氏によれば、「境外経済貿易合作区」と呼ばれる中国企業向けの工業団地(な

お、中国企業以外も入居可能)は、将来的には 50 か所程度開設される計画で、各工業園区

にそれぞれ 大 2~3 億元の財政支出と 大 20 億元の中長期貸出が国家開発銀行から行われ

るとされる14。2013 年の 10 月時点で、すでに 13 か国に 16 の合作区が設置されており、投

資総額は 44 億ドル、合計 390 社が入居し、これらの企業は、進出国の優遇政策だけでなく、

中国側の優遇政策をも享受できるスキームとなっている15。

このうち、ASEAN 諸国に開設されている合作区のうち、詳細が判明している事例につい

て情報をまとめたものが図表 3-12 である。これによれば、投資規模は 1 億ドルから 3 億

ドル程度で、各国の工業団地内(例えばタイのラヨーン工業団地)に開設されている。入

居企業は中国企業に限っておらず、例えば、インドネシアのベカシ合作区の場合は 23 社の

うち、大陸中国の企業は 8 社となっており、半数を切っている。これに対してタイのラヨ

13 こうした投資で進出した中国企業が現地での原材料調達と、中国からの部品調達をどの

ように行っているかは、アジアにおける中国発生産ネットワークの形成を考えるうえで重

要な論点となると考えられるため、今後の研究課題としたい。 14 『中国質量新聞網』2006 年 6 月 26 日記事「中国将建立 50 個境外経貿合作区」、『中国新

聞網』2011 年 11 月 29 日記事「中国在東盟国家建境外経貿合作区 助企業走進東盟」、『中

国証券網』2013 年 12 月 19 日記事「兩部門五大措施支持境外経貿合作区建設」より。 15 『中国新聞網』2013 年 12 月 3 日記事「商務部: 中国企業已在 13 国建 16 個境外経貿合

作区」。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

98

ーン合作区の場合には 53 社のうち 50 社を中国企業が占めている16。こうした合作区の設置

についても、既に第 2 章で取り上げられている中国 ASEAN 博覧会の議題となっており、例

えば、インドネシアの合作区は第 6 回の博覧会で設置が契約された。このように民営企業

の海外展開の環境整備を中央政府と地方政府が後押ししていると言えるだろう17。

<写真>泰中ラヨーン合作区の様子。左は合作区の看板、右の写真は重慶のオートバイ大

手力帆の子会社。商務部 HP 及び泰中ラヨーン園区 HP より。

16 各合作区の入居企業は付表 3 に示しておいた。タイ・ラヨーン合作区は自動車・オート

バイ関連の企業が比較的多く、現地にある関連産業・産業集積に対応した進出となってい

る。本書第 1 章の図表 1-13 に示されたアマタグループ・ラヨーン県工業団地の企業国籍

の 13%は中国企業であり、これも合作区の存在が貢献していると考えられる。アマタグル

ープの 2012 年年次報告書(p.126)によれば、この合作区は、アマタ側が 46.1%を出資して

いる。これに対してベトナムとインドネシアの合作区では特定産業への特化傾向は弱く、

雑多な企業構成となっている。 17 なお、温州市の皮革製品メーカーとして挙げた浙江協力皮革股份有限公司は、ベトナム

の工業団地の開発にも参画しており、また自社も団地に入居している。

タイ・ラヨーン工業園区合作区

ベトナム・龍江工業園区合作区

インドネシア・西ジャワ州ベカシ合作区

カンボジア・シハヌークビル港経済

特区合作区

立地 アマタ工業団地内 前江省新福県 ベカシ県国際工業センターシハヌークビル港東部ブ

ラヌ区

建設開始 2006年3月 2008年5月 2009年1月 2009年8月

総投資計画 1.2億ドル 1.05億ドル 0.93億ドル 3.2億ドル

面積 3.5平方キロメートル 6平方キロメートル 2平方キロメートル 11.13平方キロメートル

主要産業自動車部品、機械、家

電紡織、電子機器、

建材化学

家電、精密化学、バイオ製薬、農産品加工、機械、

新材料関連

紡織アパレル、電子機器、ハイテク、物流サー

ビス

入居企業数 53 16 23 54

うち中国大陸企業

50 10 8 36

開発計画企業中国側:華立集団

タイ側:アマタグループ

中国側:合資企業(四川乾盛鉱業有限責任公

司、浙江海亮集団有限公司、浙江協力皮革股

份有限公司)

中国側:広西農墾集団有限責任公司

中国側:合資企業(江蘇紅豆集団、無錫光明集団、無錫益多投資発展有限公司、華泰投資置

業咨詢有限公司)

(注) 入居企業はタイ、ベトナムについて2014年1月時点、インドネシア、カンボジアについては2013年12月時点。

図表3-12 中国のASEAN諸国における対外合作区の概況

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP資料より作成。

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99

第3節 経済協力(合作)の担い手

1.工事請負の担い手

次に中国の対外経済援助・協力(合作)を見るが、この面では各種国有企業が支配的な

位置を占めており、国家資本主義の色彩が濃い。先行研究によれば中国の経済援助は、OECD

の DAC(Development Assistance Committee)に加盟している先進国による ODA とは性質が

異なり、中国の対外援助は南南協力を基礎として、互恵関係を原則とするためにひも付き

である(王 2013 年)。

このことは、政府による対外援助が自国企業の海外展開に直結することを意味しており、

中国政府によって政策的に優遇借款された資金を用いたインフラ開発が行われる場合には、

中国の建設企業がその業務を担うこととなる。これらの事業は「対外経済合作」と呼ばれ、

工事請負(中国で「対外承包工程」)、対外労務協力(同「対外労務合作」)、対外設計コン

サルティング(同「対外設計諮詢」)に分けられる(大橋 2013 年)18。以下では、このうち

金額が大きな工事請負について、その動向を検討しよう。

図表 3-13 は、「対外経済合作」のうち工事請負の規模を示したものである。これによれば、

中国の工事請負額は 2004 年の 175 億ドルから、2012 年には 6.7 倍の 1166 億ドルにまで増加

しており、アフリカ向けの比率が 35%にまで高まった。対 ASEAN 諸国向けの請負額は、同

期間に 8.6 倍となっており、その比率も 2012 年には 16.5%を占めるに至っている。2012 年

時点の金額ベースでは、インドネシア、ベトナム、シンガポールでの請負額が大きくなっ

ているが、伸び率で見ると、経済発展水準から予想されるようにシンガポールの伸び率は

低く、インドネシアやベトナム、そしてカンボジア、ラオスといった国での請負額の伸び

が、アフリカの平均を上回る水準となっている19。

<写真>中国 ASEAN 博覧会(第 7 回)における「中国―ASEAN 基礎インフラ合作フォー

ラム」。中国対外承包工程商会と ASEAN 建設業者連合会が主催(博覧会公式 HP より)。

18 なお、工事請負には他国によってファイナンスされた事業の建設も含まれる。 19 ASEAN 諸国への直接投資額と工事請負営業額を比べると、2012 年にはベトナム、マレ

ーシア、インドネシア、フィリピンでは工事請負営業額の方が大きくなっているが、香港

を経由した各国への直接投資額が巨額であると考えられるため、単純な比較はできない。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

100

中国の工事請負に関しては、商務部が各年の請負額上位企業の営業額及び新規契約額を

公表している(図表 3-14 は営業額)。この額は全請負額で順位付けされているため、対

ASEAN 諸国のみのデータではない点に注意が必要だが、上位企業が大きなシェアを占め、

またその顔ぶれも大きく変わらないことがわかる。

例えば、2004 年から 2012 年にかけて、上位 5 社の請負額のシェアはおおむね 25%前後で

推移し、また上位 30 社で全請負額の半分を占める状況が続いている。上位 10 社の顔触れ

の変化は少なく、華為技術有限公司(HUAWEI)、中国水利水電建設集団、中国建築工程総

公司がほぼ一貫して上位を占めているほか、中国港湾工程有限責任公司、中信建設有限責

任公司など、インフラ建設系の国有企業が目立つ。華為技術有限公司(HUAWEI)と中興通

詢股份有限公司(ZTE)を除けば、インフラ建設と機械設備の国有企業で上位を占めている

と言えるだろう。

2004 2008 20122008/2004

倍率(%は増減幅)

2012/2008倍率

(%は増減幅)

2012/2004倍率

(%は増減幅)

世界 17,468 56,612 116,597 3.2 2.1 6.7

2,232 8,383 19,292 3.8 2.3 8.6

12.8% 14.8% 16.5% 2.0% 1.7% 3.8%

970 3,674 9,351 3.8 2.5 9.6

5.6% 6.5% 8.0% 0.9% 1.5% 2.5%

タイ 166 482 1,079 2.9 2.2 6.5

カンボジア 62 360 1,172 5.8 3.3 18.8

ラオス 133 225 1,905 1.7 8.5 14.3

ミャンマー 331 683 2,198 2.1 3.2 6.6

ベトナム 278 1,923 2,998 6.9 1.6 10.8

シンガポール 656 1,320 2,880 2.0 2.2 4.4

マレーシア 214 757 2,373 3.5 3.1 11.1

インドネシア 263 2,237 3,464 8.5 1.5 13.2

フィリピン 127 395 1,161 3.1 2.9 9.2

ブルネイ 3 1 63 0.2 94.8 21.1

3,813 19,749 40,835 5.2 2.1 10.7

21.8% 34.9% 35.0% 13.1% 0.1% 13.2%

(出所) 『中国統計年鑑』各年版より。

ASEAN

アフリカ

CLMV+タイ

図表3-13 中国の対ASEAN向け工事請負営業額 (単位:100万ドル)

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101

次に、担い手の属性を特定するために、2012 年の請負企業上位 50 社について、営業額と

新規契約額について資本の所有形態と産業分野でクロス集計したものが図表 3-15 である。

それによると、営業額で見て、上位 50 社のうち、31 社を国有中央企業(及びその子会社)

が占め、その他の国有企業は 12 社、合計すると 43 社が国有企業であることが判明した。

民営企業については、華為技術や中興通詢など 3 社にすぎず、華為技術が請負金額で 大

であることはかなり特異な事例と言えそうである。産業分野としては、建設、石油プロジ

ェクト、電力、設備機械、鉄道などの主要なインフラ業種が大多数を占めている。

これら 50 社については、会社別の請負営業金額が判明しているため、業種分類をもとに

して、請負金額の内訳も推計することができる。これによれば、上位の国有中央企業の営

業額は合計で 402 億ドル、その他国有企業と合算すると 532 億ドルとなり、これは、図表

3-14 に示した 2012 年の総営業額の 45.6%を占めている。上位 50 社に入らない国有企業も多

数存在していると考えられるため、国有企業が建設請負金額で半分以上を受注していると

考えられる。2010 年時点で、工事請負に参画している企業は 1295 社と報告されており、そ

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

総額(億ドル) 175 218 300 406 566 777 922 1,034 1,166

上位5社合計額(億ドル)

44 56 95 128 144 186 224 227 290

上位5社シェア 25.0% 25.6% 31.6% 31.6% 25.5% 23.9% 24.3% 21.9% 24.8%

上位10社合計額(億ドル)

59 74 127 167 202 269 314 316 398

上位10社シェア 33.7% 33.9% 42.2% 41.2% 35.7% 34.7% 34.1% 30.6% 34.2%

上位30社合計額(億ドル)

85 110 185 240 322 427 508 523 619

上位30社シェア 48.8% 50.5% 61.6% 59.1% 57.0% 55.0% 55.1% 50.6% 53.0%

1位中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

2位華為技術有限公司

華為技術有限公司

華為技術有限公司

中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

中国建築工程総公司

中国水利水電建設集団公司

3位中国石油工程建設(集団)公司

中国石油工程建設(集団)公司

上海振華港口機械股份有限公司

上海振華港口機械股份有限公司

中国機械設備進出口総公司

中信建設有限責任公司

中国水利水電建設集団公司

中国水利水電建設集団公司

中国建築工程総公司

4位上海振華港口機械股份有限公司

長城钻井公司

中国水利水電建設集団公司

中国水利水電建設集団公司

中国水利水電建設集団公司

上海振華港口機械股份有限公司

中国石油工程建設(集団)公司

中国港湾工程有限責任公司

中興通詢股份有限公司

5位上海建工(集団)総公司

中国機械設備進出口総公司

長城钻井公司

長城钻井公司

国華国際工程承包公司

中国水利水電建設集団公司

中信建設有限責任公司

中信建設有限責任公司

中国港湾工程有限責任公司

6位中国港湾工程有限責任公司

中国水利水電建設集団公司

中国機械設備進出口総公司

中国機械設備進出口総公司

長城钻探工程有限公司

中国石油工程建設(集団)公司

中国電工設備総公司

中国石油工程建設(集団)公司

中信建設有限責任公司

7位中興通詢股份有限公司

上海ベルアルカテル股份有限公司

上海ベルアルカテル股份有限公司

中国港湾工程有限責任公司

上海振華港口機械股份有限公司

中国機械設備進出口総公司

中国港湾工程有限責任公司

山東電力建設第三工程公司

中国機械設備工程股份有限公司

8位中国水利水電建設集団公司

中国港湾工程有限責任公司

中材国際工程股份有限公司

中国路橋工程有限責任公司

中国港湾工程有限責任公司

中国港湾工程有限責任公司

上海振華重工(集団)股份有限公司

中国機械設備工程股份有限公司

山東電力基本建設総公司

9位中国機械設備進出口総公司

中国石油集団東方地球物理勘探有限責任公司

中国港湾工程有限責任公司

中国石油工程建設(集団)公司

中国土木工程集団公司

中国石化工程建設公司

上海建工(集団)総公司

上海電気集団股份有限公司

中国葛洲壩集団股份有限公司

10位中国土木工程集団公司

上海振華港口機械股份有限公司

中国石油工程建設(集団)公司

国華国際工程承包公司

四川東方電力設備聯合公司

中石油集団長城钻探工程有限公司

山東電力建設第三工程公司

山東電力基本建設総公司

中国路橋工程有限責任公司

図表3-14 中国の対外工事請負(営業額)の上位企業ランキング

(出所) 『中国統計年鑑』及び中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HPの統計資料各年版より作成。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

102

の中でごく一部の国有企業が金額として支配的な比率を占めていると言える。なお、新規

契約額でもほぼ同じ傾向が観察され、建設、石油、電力の国有企業が大きな比率を占めて

いる20。

このように、工事請負から も大きな利益を享受しているのは国有企業であり、石油、

電力、建設に関わる中央企業を筆頭にしつつも、各種のその他国有企業も大きなシェアを

占めていることが確認された。金額の大きさからしても、これらの企業が対外援助を通し

て受注をしようとするインセンティブが大きいことは明らかである。上記の請負企業のデ

ータは、対 ASEAN の請負額のみではなく、全請負額の順位付けである点は注意が必要なも

のの、対 ASEAN でも類似したパターンが観察されると考えられる。例えば、中国対外請負

20 2012 年の営業額上位 50 社と新規契約額 50 社を比較すると、33 社が同じ顔ぶれである一

方、17 社は入れ替わっている。これは過去に受注した企業が営業額を稼ぐ一方、新たな受

注を同じ契約できるとは限らないため、入れ替わりが生じていると考えられる。

中央 その他 中央 その他

合計 50 31 12 2 5 合計 50 32 11 3 4

建設全般 19 7 10 2 建設全般 12 5 5 2

石油 10 10 石油 8 7 1

電力 8 5 1 2 電力 8 5 1 2

冶金 1 1 冶金 2 2

設備機械 4 3 1 設備機械 6 5 1

鉄道 4 4 鉄道 4 4

その他 1 1 その他 7 3 4

電気通信機器 3 1 2 電気通信機器 3 1 2

中央 その他 中央 その他

合計 717 402 130 153 33 合計 1165 665 266 196 38

建設全般 243 133 97 13 建設全般 313 141 161 0 11

石油 88 88 石油 115 105 0 10 0

電力 133 98 20 15 電力 248 161 60 0 27

冶金 4 4 冶金 15 15 0 0 0

設備機械 59 46 13 設備機械 118 109 9 0 0

鉄道 23 23 鉄道 56 56 0 0 0

その他 6 6 その他 106 70 36 0 0

電気通信機器 161 8 153 電気通信機器 193 8 0 185 0

(出所) 付表4より集計。

不明

請負金額の内訳(単位:億ドル)

図表3-15 中国の対外工事請負上位50社の内訳(2012年)

(A) 営業額 (B) 新規契約額

不明民営国有

合計国有

民営 不明

合計国有

民営 不明

(注) 金額の内訳は各社の主要業務によって分類したため、実際の業務別請負金額とはかい離が生じえる。

50社の内訳(単位:社)

請負金額の内訳(単位:億ドル)

合計

50社の内訳(単位:社)

合計

国有民営

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103

プロジェクト商会の副会長は、ASEAN 地域では水力・電力のプロジェクトが大きいと指摘

している21。中央と地方で様々な利害関係者がいる状況が、中国の対外援助の実態だと言え

よう。

直接投資と同様に、経済協力(合作)についても中国 ASEAN 博覧会が活用されており、

博覧会のブース割の中に電力関係のものも少なくない。例えば、本書第 2 章の図表 2-6 に示

されているように、2005 年の展示会では、「国際経済合作」の区割りに工事請負で上位に入

る中国機械進出口集団や中国水利水電対外公司などが出展している。その後もこうした傾

向は続いており、2010 年の第 7 回の博覧会の際には電力関係が 140 社で合計 240 ブースを

出展し、関連するバイヤー569 名が訪れたという22。

政治の軸から見れば博覧会という場を通じて、ASEAN 諸国への援助と協力強化が目指さ

れている点で、青山(2013 年)が指摘するように「中央戦略の地方化」の特徴を見ること

ができるが、同時に、経済の軸から見れば、自国企業、とりわけ国有企業の利益獲得をサ

ポートしているという意味では、国家資本主義としての性質が垣間見えている。

2.孔子学院の拡大

後に対外援助・協力とは異なるが、視野を広げて、中国 ASEAN 博覧会とほぼ同時期に

始まり、中国政府が過去 10 年力を入れてきたソフトパワーの強化について、孔子学院を事

例として若干の検討を加えておこう23。

中国は海外中国語教育の拡充のために、1987 年、教育部部長をトップとする国家対外漢

語教学領導班を組織し、その実務を担う国家対外漢語領導辯公室(国家漢辯)が設置され

た。中国語能力試験 HSK の整備や教師の養成を図り、2006 年には「国家漢語国際推広領導

小組」へと改革された。これにより、組織のトップを国務委員が務めるという意味で、中

国中央政府に直結した体制へと強化された(現在の国家漢辯のトップは国務院副首相の劉

延東)。この間、2003 年に教育部が海外の中国語教育の強化計画(中国語ブリッジプロジェ

クト)を策定し、その中心事業として開始されたのが、国外における中国語教育機関・孔

子学院の建設である(黒田 2010 年)。

孔子学院(Confucius Institute)は 2004 年 11 月に第一号がソウルに創設されている。その

運営の特徴は、①現地の状況に応じた体制を許容し、教師には現地人も採用する、②中国

の教育機関(多くは大学)と現地の大学の 1 対 1 のパートナー関係として設立する、③費

用の半分は中国側から、もう半分は受入側(大学)から支出する点ある(黒田 2010 年; 李

21 『中国新聞網』2013 年 5 月 27 日記事「東盟成中国重要国外工程承包市場」、『第一財経日

報』2011 年 10 月 25 日記事「専訪中国対外承包工程商会副会長王禾:開拓東盟市場須分析

其国情」参照。 22 『広西日報』2011 年 5 月 3 日記事「博覧会助中国電企走東盟」、『中国新聞網』2011 年 5月 4 日「中国―東盟博覧会為中国電企打開東盟市場」より。 23 中国 ASEAN 博覧会と同じく、孔子学院も 2004 年から始動している。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

104

2011 年; 漢辯 HP)24。

創設以来、孔子学院の数と規模の拡大は目覚ましい(図表 3-16)。2012 年末時点で全世界

に 400 校、より規模の小さい孔子課堂(Confucius Classroom)は 535 ヵ所開設されている。

2012 年末時点の活動状況を見ると、中国側予算規模 1.96 億ドル、教員数 2 万人(うち 6000

人が中国人とされる)、3.4 万クラスで 65.5 万人の生徒に教育を行っている。費用を折半す

るという原則のもとで、設置校がこれだけ増加していることは、中国の高度成長により、

外国における中国語学習のインセンティブが高まりつづけ、また各大学側からしても、学

生を集めるうえでの利点があるからだと考えられる。

今後の目標について、「孔子学院発展計画(2012-2020 年)」の目標では、2015 年に孔子

学院 500 ヵ所、孔子課堂 1000 ヵ所、総教師数 5 万人(うち中国側派遣 2 万人)、総生徒数

150 万人をめざし、そのうち通学生徒は 100 万人、残りの 50 万人はインターネットによる

通信教育とすることが明記されている25。さらに 2020 年には、①統一された指標での中国

語能力の評価と教師の派遣・教育を行うこと、②教材の多言語化と中国言語文化によるグ

ローバルな通信体系をつくること、③中国語を外国人が広く学ぶ言語の一つとすることが

目指されている。なお、2013 年の第 18 回中央委員会第三回大会の「決定」においても、国

際報道能力、中国語学習システムの構築、中華文化の対外伝播のための手段の一環として、

孔子学院の設立を奨励することが明記されている26。

<写真>孔子学院本部理事会(左、孔子学院 HP より)と、タイのコーンゲン大学構内の孔

子学院(右、建設中新校舎、2013 年 8 月 21 日、伊藤撮影)。

24 孔子学院研究の多くはソフトパワーの文脈から行われているが、特異なものとして Lien, Oh, Selmier(2012)は中国の貿易額と投資額を推計する方程式に孔子学院の数を組み込み、

発展途上国との貿易と投資では、孔子学院の設立数が正の効果をもたらすことを示してい

る。 25 『光明日報』2013 年 2 月 28 日記事「孔子学院発展規劃(2012-2020 年)正式発布」よ

り。E ラーニングは『網連孔子学院』(http://www.chinesecio.com/)で展開されている。 26 「中共中央関於全面深化改革若干重大問題的決定」、及び『人民日報』2013 年 12 月 3 日

記事「学習貫徹十八届三中全会精神 進一歩深化文化体制改革」を参照。

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ASEAN 諸国での孔子学院・課堂の開校状況を見たものが図表 3-17 である。2006 年時点

で、既に 15 か所の孔子学院が設置されているが、このうち 12 校はタイに集中し、シンガ

ポール、マレーシア、フィリピンにそれぞれ 1 校ずつであった。その後の 6 年間に、カン

ボジア、ラオス、インドネシアにも設置されている。2012 年時点でミャンマー、ベトナム、

ブルネイの 3 か国にはまだ孔子学院は開設されていないが、ミャンマーには孔子課堂が 2

か所設置されている。孔子学院と課堂は、2012 年末時点で合計 8 カ国 43 か所に設置されて

いることがわかる27。一見してタイでの開設数が多いが、各国の人口と孔子学院の比を見て

も、タイは韓国、オーストラリアと並んで密度が高い国の一つであることが確認されてい

る(李 2011)。この意味で、中国のソフトパワー政策は、対 ASEAN 諸国のなかでも濃淡が

ある状況だと言えよう。

27 タイにおける 12 か所の孔子学院と中国側提携校は、本報告書第1章の図表 1-15 で示さ

れている。このうち、広西省が 3 校、雲南省が 1 校となっており、西南或いは華南地域の

大学が多いように見受けられる。

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2012/2007

孔子学院と課堂の総数 126 246 305 554 701 858 935 29

孔子学院数 122 226 249 282 332 358 400 1.8

孔子課堂数 4 20 56 272 369 500 535 26.8

中国側予算支出額(1000ドル)

N.A. 60,492 118,004 179,805 137,761 164,103 196,330 3.2

うち教師・ボランティアのトレーニングと派遣支出(1000ドル)

N.A. 12,973 30,191 41,271 35,467 60,075 76,876 5.9

総教員数(人) N.A. 1,000 2,100 3,100 4,109 10,000 20,000 20.0

うち中国人教師(人) N.A. 300 600 1,150 2,049 2,200 6,000 20.0

生徒数(人) 13,000 46,000 130,000 260,000 360,000 500,000 655,000 14.2

クラス数 N.A. 1,200 6,000 9,000 18,000 24,000 34,000 28.3

中国人教師一人当たり支出(千ドル)

N.A. 43.24 50.32 35.89 17.31 27.31 12.81 0.3

学院・課堂の平均規模(人)

103.2 187.0 426.2 469.3 513.6 582.8 700.5 3.7

平均クラス規模(人) N.A. 38.3 21.7 28.9 20.0 20.8 19.3 0.5教師一人当たりの生徒数(人)

N.A. 46.0 61.9 83.9 87.6 50.0 32.8 0.7

寄贈教材・本・CD等(万冊)

N.A. 81.3 130 430 N.A. 405 116 1.4

図表3-16 孔子学院の規模の推移

(注) 予算支出額は、2009年から2010年にかけて減少しており、不自然である。原資料では2007年から2009年は人民元表示であり(支出総額は2007年4.60億元、2008年8.19億元、2009年12.28億元)、当該年の年平均レートでドル換算した。中国人教師一人当たり支出もドル換算して算出した。ただしトレーニング支出には現地教員への支出も含まれると考えられることから、あくまで推計である。寄贈教材数は、孔子学院以外の機関への寄贈を含む。

(出所) 中華人民共和国国家漢語国際推広領導小組(漢辯)・孔子学院総部HPの各年年度報告書より。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

106

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

全世界 122 226 249 282 332 358 400

ASEAN小計 15 17 17 20 27 26 26

タイ 12 12 12 12 12 12 12

カンボジア 0 0 0 1 1 1 1

ラオス 0 0 0 1 1 1 1

ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0

ベトナム 0 0 0 0 0 0 0

シンガポール 1 1 1 1 1 1 1

マレーシア 1 1 1 2 2 2 2

インドネシア 0 1 1 1 7 6 6

フィリピン 1 2 2 2 3 3 3

ブルネイ 0 0 0 0 0 0 0

日本 6 10 11 12 12 12 13

アメリカ 16 39 52 61 72 75 90

イギリス 6 10 11 12 13 17 22

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

全世界 4 20 56 272 369 500 535

ASEAN小計 1 2 14 14 14 14 17

タイ 1 1 11 11 11 11 11

カンボジア 0 0 0 0 0 0 0

ラオス 0 0 0 0 0 0 0

ミャンマー 0 0 2 2 2 2 2

ベトナム 0 0 0 0 0 0 0

シンガポール 0 1 1 1 1 1 2

マレーシア 0 0 0 0 0 0 2

インドネシア 0 0 0 0 0 0 0

フィリピン 0 0 0 0 0 0 0

ブルネイ 0 0 0 0 0 0 0

日本 2 4 6 6 6 7 7

アメリカ 0 0 4 182 215 299 315

イギリス 0 7 14 25 57 60 70

図表3-17 ASEANにおける孔子学院と孔子課堂の数

(A)孔子学院

(B)孔子課堂

(注) 各年末の数。インドネシアの孔子学院の数が2011年にかけて1つ減少しているが、これも原資料の記載のまま。なお、学院・課堂ともに数としてみると圧倒的にアメリカの設置数が多く、2009年にAsian SocietyとNorth Carolina Center for International Understandingに合計145の孔子課堂が設置されている。

(出所) 『国家漢辯暨孔子学院総部 年度報告』各年版より。

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おわりに

本章では、近年の中国の対 ASEAN 経済関係を、貿易、投資、援助の 3 点から検討した。

ここで、冒頭に述べた経済の軸(経済関係が国有企業主導か民間企業主導か)と、政治の

軸(対外政策のアクターが集中的か分断的か)から、若干の整理しておこう。

第一に、貿易面では、中国の対 ASEAN 輸出は、外資企業のうち、とりわけ電子機器メー

カーの貢献が大きく、国有企業と民営企業も一定のシェアを占めていることが確認できた。

つまり、経済の軸からすれば、輸出については「国家資本主義」の観点から全面的に理解

することは適切ではない。本稿では貿易政策に関する検討を加えることができなかったが、

上記の結果からして、貿易政策に影響力を行使しようとするアクターも多様であることが

示唆される。

第二に、対 ASEAN 投資は、大口のものは国有企業によるエネルギー関係が目立つものの、

件数からして も支配的なのは民営企業である。経済貿易合作区の設置に見られるように、

中国の対 ASEAN 投資は、経済面では「大衆化」しつつも、投資政策に関わる案件に関して

は、商務部と国家開発銀行の協力体制や、中国 ASEAN 博覧会をチャンネルとした中央と地

方との協力体制も存在している。

第三に、対外援助・協力の面では、工事請負額の集計から、国有企業の受注が支配的で

あり、華為技術有限公司といった民営企業の参画は例外的と言えそうである。ただし、受

注国有企業の顔触れを見ると、中央企業の石油、電力、建設、更に地方国有企業も多数参

画しており、援助政策の利害関係者は多様である。一方、ソフトパワー政策では中央政府

の直轄に近い体制で中国語教育の仕組みを構築しようとしていることが確認できた。

以上の整理をもとに、仮説的に中国の対外経済政策の概念図を示したものが、図表 3-18

である。「三位一体」と表現されることもある中国の対外経済進出であるが、この把握は、

政治面には中央政府の直轄という意味で中央集権的で、また経済面では国有企業中心とい

う意味で国家資本主義的であるという印象を与えがちである。「走出去」戦略のように、2000

年代の初めに中央政府側に青写真があったとしても、近年の担い手から見れば、より多く

の、そしてより多様なアクターが、対外経済関係に関与するようになっていると考えられ

る。つまり、当初の計画や政策の立案段階と、その後の実態の推移の段階では、利害関係

者は変化しているのである。同じ青写真(あるいは理論)の下で、異なる利害を持つアク

ターが登場していることに目を向けることで、中国の対外経済進出の理論と実践について、

理解を深めることができるのではないだろうか。

下村・大橋・日本国際問題研究所編(2013 年)もその終章で、中国の対外経済協力につ

いて、貿易、投資、援助の連関を強調しながらも、「ここで注意すべきことは、「三位一体」、

「四位一体」といっても、政府が民間部門に指示を出して、民間部門が「号令一下」で動

くわけではなく、各企業が自己利益の実現を目的として行動し、結果として政府、実施機

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

108

関、企業の活動の相乗効果が発生している」と指摘しているとおりである(同上書、265-266

頁)。本章では、政治面、とりわけ政策決定過程に影響を与えるアクターとその実態につい

て直接検討を加えることはできなかったため、あくまでも仮説の域はでていない。中国の

対 ASEAN 経済関係が、その側面ごとに異なる経済的な担い手によって分担され、また異な

る利害関係者によって政策が影響を受けている点について、今後更に掘り下げた検討を進

める余地があるだろう。

<写真>習近平体制となって登場したスローガン、「中国夢(China Dream)」。左に「民族復

興」、右に「国家富強」とある(2013 年 9 月 26 日、四川省成都市双流空港のロビー中央、

伊藤撮影)。

経済の軸

大衆資本主義 国家資本主義(ここでは外資を含む)

政治の軸

中央集権

分権・分断

分断された、しかし国家資本主義的な援助・協力

分断され、大衆化された貿易と投資

国家資本主義かつ

中央集権「三位一体」説

分断

図表3‐18 中国の対ASEAN経済進出の仮説的変化

(出所) 本章の議論をもとに筆者作成。

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<写真>左はタイ・ナコンサワンのチャオプラヤー川源流地点にあった「那空沙旺(ナコ

ンサワン)海南会館」(2013 年 8 月 25 日、伊藤撮影)。右はミャンマー・ミヤワディのマー

ケットで見つけた中国製バッグ(2013 年 8 月 23 日、伊藤撮影)。2012 年夏に調査団が訪れ

た広東省広州市花都市獅嶺鎮は人造皮革製品の産業集積であり(第 1 章、補足 3 参照)、こ

のバッグは同工業区で生産されたものである。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

112

順位 名称 資本 産業 順位 名称 資本 産業

1 中国国際石油化工聯合有限責任公司 中央 石油化学 51 楽金显示(広州)有限公司 外資 電気通信機器

2 華為技術有限公司 民営 電気通信機器 52 寧波奇美電気有限公司 外資 電気通信機器

3 昱科環球存儲産品(深圳)有限公司 外資 電気通信機器 53 煙台中集来福士海洋工程有限公司 合資 船舶

4 達功(上海)電脳有限公司 外資 電気通信機器 54 凭祥市佳憶進出口貿易有限公司 不明 日用品貿易

5 英特爾産品(成都)有限公司 外資 電気通信機器 55 三星高新電機(天津)有限公司 外資 電気通信機器

6 大連西太平洋石油化工有限公司 合資 石油化学 56 福建省船舶工業集団公司 国有 船舶

7 許基亜通信有限公司 外資 電気通信機器 57 本鋼集団国際経済貿易有限公司 国有 鉄鋼

8 深圳賽意仏微電子有限公司 合資 電気通信機器 58 飛思卡爾半導体(中国)有限公司 外資 電気通信機器

9 達豊(重慶)電脳有限公司 外資 電気通信機器 59 北京索愛普天移動通信有限公司 合資 電気通信機器

10 天津三星電子有限公司 外資 電気通信機器 60 索尼物流貿易(中国)有限公司 外資 物流業

11 広西省竜州県対外経済貿易公司 公有 鉱業 61 叶水福洋山物流(上海)有限公司 不明 物流業

12 日月光封装測試(上海)有限公司 外資 電気通信機器 62 瓮福国際貿易股份有限公司 国有 鉱業

13 江蘇沙鋼国際貿易有限公司 民営 鉄鋼 63 包鋼集団国際経済貿易有限公司 国有 鉄鋼・鉱業

14 星科金朋(上海)有限公司 外資 電気通信機器 64 国際商業機器系統集成(深圳)有限公司 外資 電気通信機器

15 東北中石油国際事業有限公司 中央 石油化学 65 威宏電子(上海)有限公司 外資 電気通信機器

16 安靠封装測試(上海)有限公司 外資 電気通信機器 66 鴻富錦精密電子(天津)有限公司 外資 電気通信機器

17 寧明県鳳冠貿易有限責任公司 民営 紡織 67 中海油田服務股份有限公司 中央 石油化学

18 深圳海量存儲設備有限公司 合資 電気通信機器 68世天威物流(上海外高橋保税物流園区)有限公司

外資 物流業

19 錦州中石国際事業有限公司 中央 石油化学 69 南通中遠川崎船舶工程有限公司 合資 船舶

20 舟山中遠船務工程有限公司 中央 船舶 70 渤海船舶重工有限責任公司 中央 船舶

21 天津三星視界移動有限公司 外資 電気通信機器 71 楼氏電子(蘇州)有限公司 外資 電気通信機器

22 江蘇熔盛重工有限公司 民営 船舶 72 緯創資通(重慶)有限公司 外資 電気通信機器

23珠海恒基達鑫国際化工倉儲股份有限公司

民営 石油化学 73 南通中遠船務工程有限公司 中央 船舶

24 南車株洲電力機車有限公司 中央 鉄道 74 中石化浙江舟山石油有限公司 中央 石油化学

25 中興通詢股份有限公司 民営 電気通信機器 75 天津三星通信技術有限公司 外資 電気通信機器

26 大連船舶重工集団有限公司 中央 船舶 76 上海浦東国際機場進出口有限公司 国有 貿易全般

27 日照鉄鋼軋鋼有限公司 民営 鉄鋼 77 中国電力工程有限公司 不明 建設請負

28 中国石化海南鍊油化工有限公司 中央 石油化学 78 美光半導体(西安)有限公司 外資 電気通信機器

29 鴻富錦精密電子(鄭州)有限公司 外資 電気通信機器 79 凭祥森煌商貿有限公司 不明 不明

30 蘇州得爾達国際物流有限公司 国有 物流 80 深圳中電投資股份有限公司 中央 電気通信機器

31 江蘇永鋼集団有限公司 民営 鉄鋼 81 鴻富錦精密電子(成都)有限公司 外資 電気通信機器

32 上海江南長興造船有限公司 中央 船舶 82 東莞南城新科磁電制品有限公司 外資 電気通信機器

33 本溪北营鋼鉄集団進出口有限公司 不明 鉄鋼 83 上海振華重工(集団)股份有限公司 中央 機械設備・建設

34 营口千祥貿易有限公司 民営 鉄鋼 84 帝艾斯光電(蘇州)有限公司 外資 電気通信機器

35 広西集万流進出口貿易有限公司 不明 貿易全般 85 磐亜班拿物流(上海)有限公司 不明 不明

36 達運精密工業(厦門)有限公司 外資 電気通信機器 86 雲南雲天化聯合商務有限公司 国有 貿易全般

37 深圳三星視界有限公司 外資 電気通信機器 87 東莞三星視界有限公司 外資 電気通信機器

38 深圳市徳安国際貨運代理有限公司 不明 貿易全般 88 蘇州三星電子電脳有限公司 外資 電気通信機器

39 中国技術進出口総公司 中央 貿易全般 89 東莞市鳳崗物流園有限公司 公有 物流業

40 宝山鋼鉄股份有限公司 中央 鉄鋼 90 広西貝利他達貿易有限公司 集団 物流業

41 丹沙物流(上海)有限公司 不明 物流業 91 先進半導体材料(深圳)有限公司 外資 電気通信機器

42 東莞市対外加工装配服務公司 不明 不明 92 漢佰(南京)紡織品有限公司 外資 紡織業

43 上海電気集団股份有限公司 国有 機械設備 93 中国煙草雲南進出口有限公司 国有 食品・たばこ

44 広西中石油国際事業有限公司 中央 石油化学 94 鴻富錦精密工業(武漢)有限公司 外資 電気通信機器

45 愛普生技術(深圳)有限公司 外資 電気通信機器 95 昌碩科技(上海)有限公司 外資 電気通信機器

46 凭祥安鼎商貿有限公司 不明 不明 96 上海電気(集団)総公司 国有 機械設備

47 瑞儀光電(蘇州)有限公司 外資 電気通信機器 97 上海外高橋造船有限公司 国有 船舶

48 深圳市深国際華南物流有限公司 国有 物流業 98 捷普電子(広州)有限公司 外資 電気通信機器

49 昱科環球存儲科技(深圳)有限公司 外資 電気通信機器 99 STX(大連)造船有限公司 外資 船舶

50 東方電気集団国際合作有限公司 中央 機械設備 100 仁宝信息技術(昆山)有限公司 外資 電気通信機器

(出所) 『中商情報網』記事「2012年度中国対東盟出口企業百強排行情況」より作成。

付表1 中国の対ASEAN輸出企業上位100社 (2012年)

(注) 資本の欄の「中央」は国有中央企業を、「地方」は地方国有企業を、「集団」は集団所有制企業を指す。インターネットの情報を基に分類したが、国有企業については判別可能な場合には中央企業と表記した。なお、親会社が国有企業である場合は、当該企業が上場

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113

2002年 浙江陽光照明電器集団股分有限公司 浙江省水電建築安装有限公司 

湖州中菱电梯有限公司 寧波大勝衣架有限公司 

温州裕達電器儀表有限公司 嘉興花衣娜露服飾有限公司 

嘉善天鵝羽絨制品有限公司 竜元建設集団股份有限公司

紹興市培斯塔服装輔料有限公司 浙江天喜実業集団有限公司

浙江省新昌県明珠膠嚢実業有限公司 浙江滬縉机床有限公司

浙江省新昌県明珠膠嚢実業有限公司 寧波中策動力机電集団有限公司

杭州天野通信設備有限公司 富陽金固脚手架廠 

浙江新亜実業有限公司 寧波匯竜泵業有限公司

宝石控股(集団)有限公司 浙江百歳堂控股集団有限公司 

慈渓市怡春冲气具制造有限公司 泰栄針紡集団有限公司

舟山市博泰机械有限公司 鑫磊圧縮机有限公司

松陽県松越進出口有限公司 寧波安拓実業有限公司

浙江紅鷹集団股分有限公司 寧波鑫高益磁材有限公司

台州市精工服装机械有限公司 蒼南越中貿易有限公司

臨安蒼竜電纜有限公司 諸曁市順峰木制品有限公司 

嵊州市恒利領帯服飾有限公司 磐安県景光塑膠制品廠 

中控科技集団有限公司 紹興県凝昱進出口有限公司

温州市甌海泰潔五金制品廠 杭州春江発電設備有限公司

浙江協力皮革股份有限公司 平陽県華鑫玻繊器材有限公司

浙江海亮股份有限公司 海寧安麗紡織有限公司

温嶺市金鴻食品机械有限公司 寧波世展新材料有限公司

浙江富士達電子机械有限公司 寧波寧興恒騏国際貿易有限公司

美通日用品(杭州)有限公司 浙江蘇泊爾股份有限公司

寧波永発進出口有限公司 浙江蘇泊爾股份有限公司

杭州中華橡膠有限公司 浙江蘇泊爾股份有限公司

諸曁泰栄針織有限公司 寧波安拓実業有限公司

東陽市牡丹経済貿易有限公司 寧波天邦股份有限公司 

寧波市江北興達焊割減圧儀表厰 寧波詩蘭姆汽車零部件有限公司

浙江三鑫印刷物资有限公司 衢州市竜月水利水電投資有限公司

余姚市竜成机械有限公司 温州貝勒工藝包装有限公司

余姚市美格衛浴工業有限公司 博威集団有限公司

紹興高徳汽配制造有限公司 寧波微特軸承有限公司

台州市正超汽摩有限公司 縉雲県滬東車業有限公司

嘉善天鵝羽絨制品有限公司 蒼南県藍天工藝包装有限公司

紹興市伯力電機有限公司 浙江瑞凱汽車配件有限公司

紹興県解放五金机械廠 浙江瑞凱汽車配件有限公司

紹興県弘尭服飾有限公司 浙江省電力公司

慈渓市盛合閥門有限公司 寧波得力進出口有限公司

紹興県豊徳紡織品有限公司 浙江衢州星月神電動車有限公司

人民電器集団浙江進出口有限公司 浙江方正電機股份有限公司

浙江中控技術股份有限公司 浙江方正電機股份有限公司

浙江物産国際貿易有限公司 浙江海徳曼机床制造有限公司

寧波経済技術開発区自然好緑科技発展有限公司

寧波市呉泰進出口股份有限公司

浙江協力皮革股份有限公司 蒼南越中貿易有限公司

杭州新宏基能源有限公司 余姚市余姚鎮凱達塑料廠

浙江天竜数碼印染有限公司 寧波海天華遠机械有限公司

嘉興市海基貝爾工貿有限公司 余姚市偉英特国際貿易有限公司 

余姚市標華電器有限公司 百隆東方股份有限公司

紹興市凱馬電器有限公司 杭州華安無損検測技術有限公司 

嘉興市匯衆電脳商標織造有限公司  玉環世航進出口有限公司 

温州巨豊皮業有限公司 江山市平安消防発展有限公司 

寧波百富田工業股份有限公司 平陽県美味食品有限公司 

美通日用品(杭州)有限公司  温州佩蒂動物営養科技有限公司

浙江浙電投資有限公司 盛宇家紡集団股份有限公司

寧波市舜輝電器有限公司  徳清県誠建金属拉絲有限公司 

寧波海天華遠机械有限公司 嵊州盛泰色織科技有限公司

紹興順吉金属衣架有限公司 浙江華立国際発展有限公司 

浙江華彩化工有限公司 寧波市慈渓進出口股份有限公司

前江投資管理有限責任公司  慈渓市三開電子実業有限公司 

温州市遠昌進出口貿易有限公司  博威集団有限公司

新昌五霊軸承廠 利欧集団股份有限公司

浙江海亮股份有限公司 寧波澳翔精細化工有限公司

浙江杭鑽機械制造股份有限公司 杭州華安無損検測技術有限公司

2008年

2011年

2005年

2006年

2012年

2007年

(注) 浙江蘇泊爾股份有限公司や浙江方正電機股份有限公司 は複数掲載されているが、これは現地で名称の異なる複数の会社を設立していることと、中国側登記の番号が異なることによる。なお、両者とも規模の大きな民営企業である。(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP資料より作成。

2009年

2009年

付表2 浙江省からベトナムへの直接投資企業リスト (合計128件)

2013年

2010年

2008年

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

114

企業名称 投資元 業務 企業名称 投資元 業務

1 皮爾軸承 中国(浙江)自動車用ベアリング

28 英利能源  中国(河北) 太陽光パネル

2 巨泰汽配 中国(浙江)自動車用伝動システム

29 中集集団 中国(広東) コンテナ連結車

3 盾安環境 中国(浙江) 空調部品 30 中山聯昌 中国(広東) 霧吹きポンプ4 富通集団  中国(浙江) 通信ケーブル 31 新琪安  中国(広東) 食品添加剤5 永宏 中国(浙江) 締め具 32 鍇誠模具 中国(広東) 金型6 万基特高化繊 中国(浙江) 化学繊維 33 安泰鋼研 中国(北京) 工具7 健力股份 中国(浙江) シームレスパイプ 34 同正 中国(北京) 工具8 宇立塑膠  中国(浙江) 照明用布 35 恒信未来科技 中国(北京) 石油パイプ9 今飛集団 中国(浙江) 自動車用車輪 36 安泰 中国(北京) 産業用機械

10 中策 中国(浙江) タイヤ 37 力帆摩托 中国(重慶) オートバイ11 中捷厨衛 中国(浙江) 風呂用陶器 38 宗申摩托 中国(重慶) オートバイ12 金固車輪 中国(浙江) 自動車部品 39 健嘉五金 中国(上海) 締め具13 永興  中国(浙江) プラスチック製品 40 延鋒江森 中国(上海) 自動車用シート

14 品輝 中国(浙江) オフィス設備部品 41DENKA KOGYO

中国(四川) 電子ケーブル

15 震雄銅業 中国(江蘇) IT用銅線 42 威玻 中国(四川) ガラス繊維16 常紅塑膠 中国(江蘇) 射出成形 43 万邦 中国(湖北) 産業用機械17 蘭花蜂蜜 中国(江蘇) はちみつ香料 44 黒旋風  中国(湖北) 産業用機械18 貝爾装飾 中国(江蘇) 強化パネル 45 億利達 中国(山東) 園芸用機械19 西姆莱斯鋼管 中国(江蘇) シームレスパイプ 46 三宝生物 中国(新疆) バイオ製品20 泰鑫達 中国(江蘇) 食品添加剤 47 虔東稀土 中国(江西) レアアース

21 和晶  中国(江蘇)スマート家電用コントローラー

48 欧華金属  中国(河南) 酸化モリブデン

22 欣盛 中国(江蘇) 化学繊維 49 永平 中国(安徽) プラスチック製品23 権華物資 中国(江蘇) パイプ部品 50 恒通蝋燭 中国(遼寧) ロウソク24 富潤太陽能 中国(江蘇) 太陽光パネル 51 Monami 韓国 文具25 南通企鵝家紡 中国(江蘇) 綿製ふとん 52 菲利普 アメリカ 海鮮食品

26 立中車輪  中国(河北) 自動車部品 53 Flexplas トリニダードトバゴ

プラスチック製品

27 博深工具 中国(河北) 機械

付表3-A タイ・ラヨーン工業園区中国タイ経貿合作区入居企業

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「泰国泰中羅勇工業園入園企業」より作成。

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115

企業名称 投資元生産品

(一部業務)1 海亮(越南)銅業有限公司  中国 銅管2 越南禾瑞康食用油有限公司 中国 食用油3 江南包装越南有限公司 中国 木製梱包4 方正電機(越南)有限責任公司 中国 モーター5 越南新東亜工藝品有限公司 中国 鞄6 博建(越南)有限公司 中国 建材7 越南思源明膠加工有限公司 中国 食品8 天虹銀竜紡織有限公司  中国 繊維9 盛宇越南紡織有限公司 中国 紡織

10 康納越南紡織有限公司 中国 紡織

11NISSEI ELECTRIC MYTHO CO., LTD

日本 家電

12 LOCK & LOCK LIVING 日本プラスチック包装

13SUNJIN VINA MEKONG CO., LTD

韓国 飼料

14 LOCK & LOCK LIVING 韓国 厨房用品

15前江省国際農業営養股份有限公司

マレーシア 飼料

16 SU PACIFIC EDIBLE OILS CO., シンガポール 食用油(注) 同名の会社があり、不自然だが原資料のまま記載した。

付表3-B ベトナム龍江(Longjiang)工業園区経貿合作区入居企業

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「越南龍江工業園入園企業名単」より作成。

企業名称 投資元生産品

(一部業務)

1 西電集団:西電斯科(印尼)有限公司 中国 変圧器

2 康橋油脂(印尼)有限公司 中国 ヤシ油

3 地球鋼鉄印尼有限公司  中国 鋼材

4 印尼聯合衆工有限公司 中国 印刷製版

5 印尼佳文建築有限公司 中国 建材

6 印尼双獅有限公司 中国 セメントパイプ

7 天泰投資有限公司 中国 セメント撹拌

8 印尼鑫海鋼結構有限公司 中国 鋼材

9 全興工業有限公司  台湾 自動車部品

10 印尼虎星有限公司 台湾 中空板、建材

11 新光彩有限公司  台湾自動車、オートバイ部品

12 Arta Griya Multiguna インドネシア 倉庫、物流

13 Starindo Karya Utama インドネシア 自動車用品販売

14 Yoto Industri Indonesia インドネシア 農業機械

15 Indahtex インドネシア 紡織

16 Alam Sejahtera maju インドネシア 倉庫、物流

17 Berlindo Mitra Utama インドネシア 自動車部品

18 Kendali Paramita インドネシア 自動車部品

19 Schlumberger Geophysics Nusantara インドネシアオイル・ガスサービスセンター

20 Sankyu Indonesia International 日本 物流輸送

21 Sanden Indonesia 日本自動車空調及び部品

22 Showa Autopart Indonesia 日本 自動車部品

23 Fonterra Brands Indonesia ニュージーランド 粉ミルク

付表3-C 中国インドネシア経貿合作区入居企業

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「中国印尼経貿合作区入園企業名単」より作成。

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

116

企業名称 投資元 業務 企業名称 投資元 業務

1 南国制衣有限公司 中国(江蘇) アパレル 28欧菲婭皮件(柬埔寨)有限公司

中国(広東) 鞄

2 威爾斯(柬埔寨)鋼業工程有限公司

中国(江蘇) 鋼材 29DESHENLI(CAMBODIA) CO.,LTD

中国(広東) 金物

3 柬埔寨万海衣架廠 中国(江蘇) ハンガー 30四通包装(柬埔寨)有限公司

中国(遼寧)プラスチック包装

4 紅豆国際制衣有限公司 中国(江蘇) アパレル 31AUSWELFIT( Cambodia) Co.,ltd

中国(遼寧) パイプ部品

5江夏服飾(柬埔寨)有限公司 

中国(江蘇) アパレル 32 柬埔寨輝煌鞋業有限公司 中国(福建) 靴

6柬埔寨全星家用紡織品有限公司

中国(江蘇)家具、寝室用品

33 上海洵彊国際貿易有限公司 中国(上海) 衣料用品

7柬埔寨由美泓家居用品有限公司

中国(江蘇)家具、寝室用品

34瑞貝卡発制品(柬埔寨)有限公司

中国(河南) かつら

8雷利電機(柬埔寨)有限公司

中国(江蘇) 電気機械 35Sanhe Many Lighter Manufacturing (Cambodia)Co., Ltd

中国(湖南) ライター

9POLLYSA  (Cambodia)  Home Textile Co.,Ltd   

中国(江蘇)家庭用紡織品

36江西3L医用制品集団

股份有限公司中国(江西) 衣料用品

10New Glory Bags & Luggage (Cambodia) Co., Ltd.

中国(江蘇) 鞄 37 J.D.Y  PHARM  Co.,Ltd合弁(中国とカンボジア)

バイオ製品

11 Cambotruck Co.,Ltd 中国(江蘇)搬送用フォークリフト

38 柬埔寨聖瑞斯服装有限公司合弁(中国とイタリア)

アパレル

12 Xindashun Textiles Co., Ltd        中国(江蘇)家庭用紡織品

39HEXXON INTERNATIONAL CORPORATION Co., Ltd

カンボジア コンクリート

13Canwin Worldwild(Cambodia)Co., LTD 

中国(江蘇) アパレル 40 Link Star Logisitics Co., Ltd カンボジア 物流

14ANGKOR(CAMBODIA)ART SUPPLY MFG Co., Ltd.  

中国(江蘇) 画材 41 柬埔寨加華銀行 カンボジア 銀行

15 日英鞋業(柬埔寨)有限公司 中国(江蘇) 靴 42 中正(柬埔寨)有限公司 香港 鞄16 程軍(個人名義) 中国(江蘇) 射出成型 43 匯泰(柬埔寨)有限公司  香港 自転車

17 南京尭化土石方工程有限公司 中国(江蘇)建設プロジェクト

44 順成実業(柬埔寨)有限公司  香港 文具

18 海派皮具(柬埔寨)有限公司 中国(浙江) 革サイフ 45 特派国際有限公司  香港 包装

19 科莱雅皮件(柬埔寨)有限公司 中国(浙江)鞄、ソファーセット

46Cambodian Gateway Underwear Co.,Ltd

フランス アパレル

20克裏爾沃特皮業柬埔寨有限公司

中国(浙江) ソファーセット 47Royal Cargo Combined Logistics, Inc.

ドイツ 物流

21 柬埔寨豊利有限公司  中国(浙江) ハンガー 48 Aurora Inc. 台湾 眼鏡

22 慕容世家(柬埔寨)有限公司  中国(浙江)ソファー、皮革製品

49 均輝船務(柬埔寨)有限公司 台湾 船舶業務

23 緑能投資発展有限公司  中国(浙江) 発電 50Galey Global (Cambodia) Co., Ltd.

アメリカ 制服用ズボン

24 浙江東宸建設有限公司 中国(浙江) 建設プロジェクト 51Caffco International (Cambodia) Ltd.

アメリカ 工芸品

25山東森林木業(柬埔寨)有限公司

中国(山東)パーティクルボード

52Horseware Products(Cambodia)Co.,Ltd.

アイルランド 馬装用品

26 KKFF BEND (Cambodia) Co., Ltd 中国(山東) 金物 53ASLE Electronic (Cambodia) Co., Ltd

日本 電線

27 柬埔寨青島保利紡織有限公司  中国(山東) 紡織品 54IZUMI Electronics (Cambodia) Co.,Ltd.

日本テレビフレーム

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「柬埔寨西努克港経済特区入区企業名単」より作成。

付表3-D カンボジア・シハヌークビル港経済特区・中国カンボジア経貿合作区入居企業

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名称 資本 業務営業額

(100万ドル)

1 華為技術有限公司 民営 電気通信機器 10,390

2 中国水利水電建設股份有限公司 中央 建設請負(電力) 5,473

3 中国建築工程総公司 中央 建設請負(建設) 4,988

4 中興通訊股份有限公司  民営 電気通信機器 4,894

5 中国港湾工程有限責任公司   中央 建設請負(建設) 3,215

6 中信建設有限責任公司 その他国有 建設請負(建設) 2,636

7 中国機械設備工程股份有限公司  中央 建設請負(機械) 2,217

8 山東電力建設第三工程公司 中央 建設請負(建設) 2,119

9 中国葛洲壩集団股份有限公司 その他国有 建設請負(電力) 2,009

10 中国路橋工程有限責任公司 その他国有 建設請負(建設) 1,884

11 山東電力基本建設総公司 中央 建設請負(電力) 1,880

12 上海振華重工(集団)股份有限公司 中央 建設請負(機械) 1,831

13 中工国際工程股份有限公司 中央 建設請負(建設) 1,464

14 中国石油集団長城鑽探工程有限公司 中央 石油プロジェクト 1,432

15 中国土木工程集団有限公司  その他国有 建設請負(建設) 1,378

16 上海電気集団股份有限公司 その他国有 建設請負(機械) 1,320

17中国石油集団東方地球物理勘探有限責任公司 

中央 石油プロジェクト 1,241

18 中国石油工程建設公司 中央 石油プロジェクト 1,122

19 中国石油集団川慶鑽探工程有限公司 中央 石油プロジェクト 1,088

20 中国水利電力対外公司 中央 建設請負(電力) 1,084

21 中地海外建設集団有限公司    中央 石油プロジェクト 1,017

22 中鉄四局集団有限公司 中央 建設請負(鉄道) 999

23 中国電力工程有限公司 不明 建設請負(電力) 970

24 青建集団股份公司 不明 建設請負(建設) 880

25 上海貝爾股份有限公司 中央 電気通信機器 782

26  国家電網公司  中央 建設請負(電力) 758

27 中石化錬化工程(集団)股份有限公司 中央 石油プロジェクト 755

28 上海建工(集団)総公司 その他国有 建設請負(建設) 690

29 中国石油天然気管道局   中央 石油プロジェクト 674

30 中国地質工程集団公司  その他国有 建設請負(建設) 663

31 中国石化集団中原石油勘探局 中央 石油プロジェクト 623

32 中国技術進出口総公司  中央 技術提供 600

33 東方電気股份有限公司   中央 建設請負(電力) 592

34 上海隧道工程股份有限公司  その他国有 建設請負(建設) 579

35 中冶京誠工程技術有限公司 中央 建設請負(建設) 540

36 哈爾濱電気国際工程有限責任公司 不明 建設請負(電力) 539

37 安徽建工集団有限公司 その他国有 建設請負(建設) 537

38 中国機械進出口(集団)有限公司 中央 建設請負(機械) 516

39 中国交通建設股份有限公司  中央 建設請負(建設) 499

40 中国中材国際工程股份有限公司 中央 建設請負(建設) 490

41 中国石油天然気管道局   中央 石油プロジェクト 473

42 中国河南国際合作集団有限公司   その他国有 建設請負(建設) 470

43 中国江蘇国際経済技術合作公司 不明 建設請負(建設) 458

44  中国海外工程有限責任公司  中央 建設請負(鉄道) 435

45 中鉄十八局集団有限公司     中央 建設請負(鉄道) 432

46 沈陽遠大鋁業工程有限公司 不明 建設請負(冶金) 428

47 中海油田服務股份有限公司 中央 石油プロジェクト 422

48 中国河南国際合作集団有限公司   その他国有 建設請負(建設) 419

49 中国中鉄股份有限公司 中央 建設請負(鉄道) 419

50新彊生産建設兵団建設工程(集団)有限責任公司

その他国有 建設請負(建設) 410

(注) 資本と業務は各社HP、有価証券報告書、国有資産監督管理委員会HPなどを参照して分類した。なお、中央企業の子会社、或いは孫会社である場合も中央企業と分類した。その他国有企業には中央レベル以外の地方国有企業、部レベル国有企業を含む。

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「2012年我国対外承包工程業務完成営業額前50家企業」より作成。

付表4-A 中国の対外建設請負額(2012年営業額)上位50社リスト

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第 3 章 中国 ASEAN 経済関係の諸相

118

名称 資本 業務新規契約額(100万ドル)

1 華為技術有限公司 民営 電気通信機器 13,151

2 中国水利水電建設股份有限公司 中央 建設請負(電力) 12,299

3 中国建築工程総公司 中央 建設請負(建設) 8,553

4 中信建設有限責任公司 その他国有 建設請負(建設) 6,310

5 中国葛洲壩集団股份有限公司 その他国有 建設請負(電力) 5,992

6 中国港湾工程有限責任公司   中央 建設請負(港湾) 5,507

7 中興通訊股份有限公司  民営 電気通信機器 5,391

8 中国土木工程集団有限公司  その他国有 建設請負(建設) 5,282

9 中国機械設備工程股份有限公司  中央 建設請負(機械) 4,252

10 中鉄国際経済合作有限公司 中央 建設請負(鉄道) 3,208

11 中国路橋工程有限責任公司 その他国有 建設請負(建設) 2,953

12 上海振華重工(集団)股份有限公司 中央 建設請負(機械) 2,795

13 中国石油工程建設公司 中央 石油プロジェクト 2,373

14 中国交通建設股份有限公司  中央 建設請負(建設) 2,082

15 中国浦発機械工業股份有限公司 中央 建設請負(機械) 1,967

16 中国石油集団長城鑽探工程有限公司 中央 石油プロジェクト 1,872

17 中国石油天然気管道局   中央 石油プロジェクト 1,660

18 山東高速集団有限公司 その他国有 建設請負(道路) 1,653

19 中地海外建設集団有限公司    中央 石油プロジェクト 1,579

20 中工国際工程股份有限公司 中央 建設請負(建設) 1,576

21 中国水利電力対外公司 中央 建設請負(電力) 1,482

22 中国電力工程有限公司 不明 建設請負(電力) 1,387

23 特変電工股份有限公司  不明 建設請負(電力) 1,299

24中国石油集団東方地球物理勘探有限責任公司 

中央 石油プロジェクト 1,222

25中国石化集団国際石油工程有限公司

中央 石油プロジェクト 1,220

26 中国中材国際工程股份有限公司 中央 建設請負(建設) 1,125

27 恵生工程(中国)有限公司 民営 石油プロジェクト 1,028

28 中国機械進出口(集団)有限公司 中央 建設請負(機械) 994

29 中鉄四局集団有限公司 中央 建設請負(鉄道) 977

30 中国成套設備進出口(集団)総公司 中央 建設請負(機械) 929

31 北方重工集団有限公司 その他国有 建設請負(機械) 904

32 山東電力基本建設総公司 中央 建設請負(電力) 878

33 雲南建工集団有限公司 その他国有 建設請負(建設) 878

34 中冶京誠工程技術有限公司 中央 建設請負(冶金) 822

35 上海貝爾股份有限公司 中央 電気通信機器 790

36 中国成達工程有限公司 中央 建設請負(化学) 788

37 中鉄一局集団有限公司   中央 建設請負(鉄道) 762

38 山東電力建設第三工程公司 中央 建設請負(電力) 741

39 東北電業管理局第二工程公司 中央 建設請負(電力) 731

40 北方国際合作股份有限公司 中央 建設請負(建設) 730

41 北京城建集団有限責任公司 その他国有 建設請負(建設) 715

42 中国十七冶集団有限公司 中央 建設請負(冶金) 708

43 中国技術進出口総公司  中央 技術提供 696

44 中国江西国際経済技術合作公司     その他国有建設請負(鉱業)、労働者派遣

687

45 中国地質工程集団公司  その他国有建設請負(鉱業)、労働者派遣

664

46 中鉄二十局集団有限公司  中央 建設請負(鉄道) 634

47 青建集団股份公司 不明建設請負(建設)、労働者派遣

598

48 中国石化集団中原石油勘探局 中央 石油プロジェクト 569

49 中国河南国際合作集団有限公司   その他国有 建設請負(鉱業) 562

50 威海国際経済技術合作股份有限公司 不明建設請負(建設)、労働者派遣

516

(注) 資本と業務は各社HP、有価証券報告書、国有資産監督管理委員会HPなどを参照して分類した。なお、中央企業の子会社、或いは孫会社である場合も中央企業と分類した。その他国有企業には中央レベル以外の地方国有企業、部レベル国有企業を含む。

(出所) 中華人民共和国商務部対外投資和経済合作司HP「2012年我国対外承包工程業務新簽合同額前50家企業」より作成。

付表4-B 中国の対外建設請負額(2012年新規分)上位50社リスト

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119

第 4 章

中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

貿易結合度指数を用いて

大泉 啓一郎

はじめに

21 世紀に入って、中国と ASEAN 諸国の貿易関係は深化している。

中国側の統計によれば、対ASEAN輸出は 2001年の 186億ドルから 2006年に 713億ドル、

2012 年には 2039 億ドル、輸入も同期間に 222 億ドルから 895 億ドル、1967 億ドルへ増加

した。

ただし、ASEAN 諸国との貿易関係が中国全土で一様に深まっているわけではない。中国

の国土面積は 960 万平方キロメートルと広大であり(日本の約 25 倍)、ASEAN 諸国との貿

易関係は地域によって大きく異なる。たとえば、ある 2 地点の貿易関係が双方の経済規模

とその距離に影響を受けるという「重力効果(gravity effect)」に従えば、ASEAN 諸国との

距離が近い地域ほど貿易関係は強く、他方、距離が離れているほど弱いと考えられる。

この点について、筆者は、中国の各省・自治区・直轄市別の輸出入結合度指数を算出し、

対 ASEAN 貿易、さらに対先発 ASEAN 貿易、対後発 ASEAN(カンボジア、ラオス、ミャ

ンマー、ベトナム)について、どの地域との関係が強いのかを考察したことがある1。その

結果、沿海南部が先発 ASEAN 諸国と、内陸南部が後発 ASEAN 諸国との関係が強いことが

判明した。

その後も、この中国と ASEAN との貿易関係を深化させるような環境が整備されてきた。

たとえば、2005 年から発効した「ASEAN 中国自由貿易協定(ACFTA)」では、2010 年にノ

ーマルトラックに属する品目について関税が原則撤廃された。GMS(Greater Mekong

Sub-region)開発プログラムによるインフラ整備の進展は、中国とメコン川流域の ASEAN

諸国との間の輸送コスト低下に寄与している。

本章は、2001~2012 年の貿易データを用いて、対 ASEAN 貿易における中国の地理的関

係の変化を考察することを目的とする。そのため、各省の輸出入結合度指数を算出した。

また、近年の変化を考察するため、2001~06 年と 2007~12 年の 2 期間に区分し、その傾向

1 大泉啓一郎(2009 年)「中国・ASEAN 貿易の担い手は誰か?:貿易結合度指数を用いて」

(末廣昭、宮島良明、大泉啓一郎、助川成也、青木まき、ソンポップ・マーナランサン『大

メコン圏(GMS)を中国から捉えなおす』東京大学社会科学研究所 現代中国研究拠点研

究シリーズ No.3、113-131 頁)。

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

120

を比較した。さらに、地理的特徴を支える要因を分析するため、ASEAN 各国や東アジア(日

本、韓国、台湾、香港)について結合度を算出した。

本章の構成は以下の通りである。第 1 節では、貿易結合度指数について解説し、本章に

おける評価方法を示す。第 2 節では、輸出結合度、第 3 節では、輸入結合度の計算結果か

ら、その特徴を整理する。第 4 節では、今回得られた結果を総括するとともに、今後の研

究課題を提示する。なお添付資料に東アジア諸国・地域との輸出入結合度指数を掲載した。

第1節 本章の分析方法と評価方法

1.貿易結合度指数

本章では、分析方法として「貿易結合度指数(Trade Intensity Index:以下結合度)」を用

いる。これは、2 国間の貿易関係の強さを示すために用いられる指標で、たとえば、A 国の

B 国向け輸出の関係の強さを示す輸出結合度は、以下の式で算出される(図表 4-1)。

図表 4-1 輸出結合度の算出式

分子は、A 国の輸出に占める B 国向け輸出の割合であり、分母は世界輸出全体に占める B

国向け輸出の割合である。結合度は、0~∞の値をとり、その値が1を超える場合は、A 国

の B 国との輸出における結合が強く、1を下回れば弱いとみなす。

本章では、この考え方を中国の各省・自治区・直轄市(以下、各省)の輸出入に用い、

ASEAN 諸国を含む東アジア諸国・地域との関係(結合度)を評価する。結合度の算出式は

以下の通りである(図表 4-2)。

図表 4-2 中国の各省の輸出結合度の算出式

A 国の B 国に対する輸出結合度 =

A 国の B 国向け輸出額

A 国の輸出総額

世界の B 国向け輸出額

世界の輸出総額

A 省の B 国に対する輸出結合度=

A 省の B 国向け輸出額

A 省の輸出総額

中国の B 国向け輸出額

中国の輸出総額

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121

2. 観察対象と評価方法

本章は中国の 31 省(図表 4-3)を対象とし ASEAN 加盟 10 カ国(ブルネイ、カンボジア、

インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベ

トナム)、日本、韓国、台湾、香港の 14 カ国・地域との貿易関係を考察する。

図表 4-3 中国の対象地域

(出所)大泉作成。

また、地域区分として、ASEAN(加盟 10 カ国)、大陸部 ASEAN(タイ、カンボジア、ラ

オス、ミャンマー、ベトナム)、島嶼部 ASEAN(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、

フィリピン、シンガポール)を用いた2。データは、Global Trade Information Services 社の GTA

(Global Trade Atlas)を用いた。

観察期間は、2001~2012 年の 12 年間とした。また、おおまかな変化を捉えるため、2001

~2006 年と 2007~2012 年の 6 年間に区分し比較した。

貿易関係の強さ(結合の強さ)は、2001~2012 年の 12 年間については、結合度が 1 を超

えた年数が 10 年以上であった場合を、「結合が強い地域」と評価した。2001~2006 年と 2007

~2012 年については、各 6 年間に結合度が 1 を超えた年数が 5 年以上であった場合を、「結

合が強い」と評価した。また関係の変化をより明確に把握するため、結合度が1を超えた

2 大泉(2009)では、ASEAN を先発 ASEAN と後発 ASEAN に区分したが、本章では、

GMS に属する国と中国各省との貿易の変化を把握したいという意図から本文中の区分とし

た。

8

31

7

1

30 2

29

26 15

17 9

24 14

25 13

20

19

21

2223

28

27

10

11

12

16

18

3

4

56

1.北京

2.天津

3.河北

4.山西

5.内モンゴル

6.遼寧

7.吉林

8.黒竜江

9.上海

10.江蘇

11.浙江

12.安徽

13.福建

14.江西

15.山東

16.河南

17.湖北

18.湖南

19.広東

20.広西

21.海南

22.重慶

23.四川

24.貴州

25.雲南

26.チベット

27.陝西

28.甘粛

29.青海

30.寧夏

31.新疆

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

122

年数が 3 年もしくは 4 年の場合を「ある程度の結合が認められる」、2 年以下は「結合が弱

い」と評価し、地図上に色分けした。なお、各国・地域の算出結果および地理的変化は添

付資料に示した。

第2節 輸出結合度

1.ASEAN との輸出結合度

中国の対 ASEAN 輸出は 2001 年の 186 億ドルから 2012 年には 2039 億ドルに増加した。

2012 年の対 ASEAN 輸出額では、広東省が 620 億ドルと最も多く、次いで上海市が 499

億ドルと続く。対 ASEAN 輸出において結合が強い地域は、遼寧省(12、数字は 2001~2012

年に結合度が 1 を超えた年数。以下同じ)、上海市(11)、河南省(12)、湖北省(12)、広西

チワン族自治区(12)、重慶市(12)、貴州省(11)、雲南省(12)、陝西省(10)の 9 省であ

った(添付資料1)。結合の強い地域は、長江流域から内陸南部にかけて広がり、結合度の

水準は、河南省や広西チワン族自治区、雲南省が高い。

2001~06 年に対 ASEAN 輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 13 省、2007~12 年が

11 省であった。結合度を弱めたのは、北京市(6→3:前者は 2001~06 年に結合度が 1 を超

えた年数、後者は 2007~12 年に結合度が 1 を超えた年数、以下同じ)や河北省(6→1)な

どの沿海北部で、他方、福建省(3→5)や海南省(3→6)などの沿海南部では、強まる傾

向にある(図表 4-4)。

図表 4-4 中国の対 ASEAN 輸出結合度

(出所)GTA より大泉作成。

0~2年 3~4年 5~6年

2001~2006年

結合度が1を超えた年数

2007~2012年

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123

2.大陸部 ASEAN との輸出結合関係

中国の対大陸部 ASEAN 輸出は、2001 年の 50 億 6500 万ドルから 2012 年には 747 億

6300 万ドルに増加した。2012 年の輸出を省別にみると、上海市が 186 億 5800 万ドルと最

も多く、次いで広東省が 171 億 5700 万ドル、広西チワン族自治区が 105 億 4400 万ドルと

多い。

対大陸部 ASEAN 輸出において結合が強い地域は、天津市(11)、河南省(12)、湖北省(12)、

広西チワン族自治区(12)、海南省(10)、重慶市(10)、貴州省(12)、雲南省(12)の 8

省であった。天津市と海南省を除けば、内陸中南部の地域に位置する(添付資料 2)。結合

度の水準では、ASEAN の場合と同様に、河南省、広西チワン族自治区、雲南省が高い。

2001~06 年に対大陸部 ASEAN 輸出結合度が5年以上1を超えた地域は 8 省、2007~12

年も 8 省であったが、沿海部の遼寧省(5→1)や山東省(3→0)、内陸西部の甘粛省(3→1)、

青海省(3→0)が結合を弱め、他方、上海市(0→4)や江西省(1→5)が結合を強めるな

ど、結合の強い地域的には南部へとシフトする傾向が確認できる(図表 4-5)。

図表 4-5 中国の大陸部 ASEAN との結合度

(出所)GTA より大泉作成。

以下、国別にみる。

中国の対タイ輸出は、2001 年の 25 億 200 万ドルから 2012 年には 312 億 2300 万ドルに増

加した。2012 年の輸出を省別にみると、上海市が 91 億 2700 万ドル、広東省が 91 億 2400

万ドルと多い。対タイ輸出において結合の強い地域は、天津市(12)、上海市(12)、河南

省(12)、湖北省(10)、湖南省(10)、広西チワン族自治区(12)、重慶市(11)、雲南省(12)

の 8 省であった。結合度の水準は、雲南省が突出して高く、河南省も比較的高い水準を維

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

124

持している(添付資料 3)。雲南省は野菜・果実などの農林水産品、河南省は電気製品や化

学工業品の輸出が多い。

2001~06 年に対タイ輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 10 省で、2007~12 年も 10

省であった。ただし、安徽省(5→3)が結合を若干弱めたものの、貴州省(3→5)が若干

強めるなど、全体として結合の強い地域が内陸中南部にシフトする傾向がある。

中国の対カンボジア輸出は、2001 年の 2 億 600 万ドルから 2012 年には 27 億 600 万ドル

に増加した。2012 年の輸出において、最も多いのは上海市の 13 億 1000 万ドルで、ほぼ半

分を占める。そのほか、広東省も 7 億 9200 万ドルと多い。輸出品目では衣料品の原料であ

る繊維・織物が多い。近年、カンボジアは衣服の輸出を伸ばしているが、その原材料を中

国、とくに上海市から輸入していることがわかる。

対カンボジア輸出において結合の強い地域は、上海市(12)と重慶市(11)の 2 省であり、

この傾向は、2001~06 年、2007~12 年を通じて変化していない(添付資料 4)。なお、重慶

市の輸出は一般機械が多い。近年結合を強めつつある山東省や福建省の輸出は繊維・織物

が多い。

中国の対ラオス輸出は、2001 年の 3400 万ドルから 2012 年は 9 億 3400 万ドルと額が小さ

いものの急増している。2012 年の輸出を省別にみると、雲南省が 5 億 3700 万ドルと全体の

57.5%を占める。その結果、対ラオス輸出において結合の強い地域は雲南省(12)1 省と、

地域的に大きく偏っている(添付資料 5)。

ただし、2001~06 年、2007~12 年を比較すると、陝西省(5→4)と比較的関係が強く、

広西チワン族自治区(3→5)や貴州省(1→4)などが徐々に関係を強めている。広西チワ

ン族自治区の対ラオス輸出は、一般機械、電気機器が多く、貴州省からは飲料関連製品が

多い。

中国の対ミャンマー輸出は、2001 年の 4 億 9600 万ドルから 2012 年には 56 億 7500 万ド

ルに増加した。2012 年では、雲南省の輸出が 24 億 4900 万ドルと最も多く、全体の 43.1%

を占める。また、雲南省の輸出額の 53.2%を占めている。次いで上海市の 7 億 7700 万ドル、

広東省の 7 億 4300 万ドルが多い。対ミャンマー輸出において結合の強い地域は、雲南省(12)

と天津市(11)である(添付資料 6)。天津市は、鉄鋼製品、一般機械、輸送機器が多い。

2001~06 年、2007~12 年をみると、河南省(5→4)が関係を維持している。河南省の対

ミャンマー輸出では、鉄鋼や一般機械が多い。また、近年は、貴州省(1→6)が食料品を

中心に輸出結合を強めている。

中国の対ベトナム輸出は、2001 年の 15 億 3700 万ドルから 2012 年には 342 億 2400 万ド

ルに増加した。2012 年では、広西チワン族自治区が 101 億 5800 万ドルと最も多く、全体の

29.7%を占める。次いで上海市が 73 億 6000 万ドルと多い。

対ベトナム輸出において結合の強い地域は、河南省(12)、湖北省(10)、広西チワン族

自治区(12)、海南省(10)、重慶市(10)、貴州省(12)、雲南省(12)の 7 省で内陸中南

部に多い(添付資料 7)。結合度の水準をみると、広西チワン族自治区、雲南省、河南省が

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125

高い。広西チワン族自治区や雲南省の輸出品目は広範囲に及ぶ一方、河南省の輸出は鉄鋼

製品、一般機械、食品が多い。

2001~06 年に対ベトナム輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 8 省で、2007~12 年も

8 省であったが、遼寧省(5→1)や安徽省(5→1)が結合を弱める一方、天津市(1→6)、

湖南省(2→5)が結合を強めた。天津市からの輸出は、鉄鋼製品、一般機械、電気機器が

多く、湖南省からの輸出は鉄鋼製品、輸送機器が多い。結合の強い地域が総じて内陸中南

部に集中する傾向がみられる。

3.島嶼部 ASEAN との輸出結合関係

中国の対島嶼部ASEAN輸出は、2001 年の 135億 9500万ドルから 2012年には 1292億 6200

万ドルに増加した。2012 年に輸出額が最も多いのは広東省で 447 億 9800 万ドル、次いで上

海市が 312 億 6200 万ドルとなっている。対島嶼部 ASEAN 輸出において結合の強い地域は、

北京市(10)、遼寧省(12)、上海市(11)、江蘇省(10)、福建省(12)、河南省(12)、湖北

省(12)、重慶市(12)、陝西省(11)の 9 省で、沿海全域と長江流域に広がっている(添付

資料 8)。

2001~06 年に対島嶼部 ASEAN 輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は、12 省から 2007

~12 年は 8 省となった。河北省(5→1)、四川省(5→1)が結合を弱める一方で、海南省(2

→6)と結合を強めている(図表 4-6)。その結果、結合の強い地域が沿海部と長江流域に集

中する傾向にある。

図表 4-6 中国の対島嶼部 ASEAN の輸出結合度

(出所)GTA より大泉作成。

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

126

以下、国別にみる。

中国の対ブルネイ輸出は、2001 年のわずか 1300 万ドルから 2012 年には 12 億 5200 万ド

ルに増加した。2012 年の広東省の対ブルネイ輸出は 10 億 3800 万ドルと、全体の 82.9%を

占める。

対ブルネイ輸出において、2001~2012 年に結合度が 10 年以上 1 を上回った地域はないも

のの、2003 年以降でみれば、広東省の輸出結合度が 10 年中 9 年で1を超えている(添付資

料 9)。広東省の対ブルネイ輸出品目は広範囲にわたるが、電気機器以外に家具や陶器など

雑貨も多い。2001~06 年と 2007~12 年を比較すると、吉林省(0→5)が食料品の輸出を中

心に関係を強めている。

中国の対インドネシア輸出は、2001 年の 30 億 6100 万ドルから 2012 年には 342 万 9100

万ドルに増加した。2012 年では広東省が 105 億 9400 万ドルと最も多く、次いで上海市が

84 億 8500 万ドルと多い。対インドネシア輸出において結合が強い地域は、天津市(12)、

遼寧省(11)、浙江省(10)、山東省(10)、河南省(12)、湖北省(10)、湖南省(12)、広西

チワン族自治区(12)、重慶市(12)の 9 省であった(添付資料 10)。結合度の水準では広

西チワン族自治区が最も高く、輸出品目では、石油精製品や肥料が多い。

2001~06 年に対インドネシア輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 9 省から 2007~12

年は 10 省に増加した。上海市(2→5)、福建省(3→6)、海南省(1→5)が結合を強めてお

り、浙江省(6→4)、湖北省(6→4)は結合を弱めたものの、それは軽微なもので、結合の

強い地域は拡大しているといえる。

中国の対マレーシア輸出は、2001 年の 25 億 6500 万ドルから 2012 年には 365 億 9100 万

ドルに増加した。2012 年では、広東省が 152 億 900 万ドルと最も多く、次いで上海市が 83

億 8500 万ドルと多い。対マレーシア輸出において結合が強い地域は、北京市(12)、上海

市(10)、福建省(10)、湖北省(10)の 4 省である(添付資料 11)。

2001~06 年に対マレーシア輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 4 省、2007~12 年は

5 省である。高所得地域である上海市(6→4)や江蘇省(6→3)が結合を弱める一方、安徽

省(2→5)、福建省(4→6)、河南省(2→6)などが結合を強めており、結合の強い地域が

沿海中部から内陸中部へシフトする傾向がみられる。河南省の対マレーシア輸出には、石

油化学製品や鉄鋼などの原材料が多く、福建省は食料品、雑貨などの消費財が多い。

中国の対フィリピン輸出は、2001 年の 14 億 6400 万ドルから 2012 年には 167 億 7200 万

ドルに増加した。2012 年では、広東省が 45 億 7300 万ドルと最も多いが、これに次いで福

建省が 34 億 7000 万ドルと多い。対フィリピンにおいて結合の強い地域は、河北省(11)、

遼寧省(10)、福建省(12)、海南省(10)、重慶市(12)、貴州省(10)の 6 省である(添

付資料 12)。結合度の水準では、福建省が一貫して高い。品目でみると、衣料や履物など労

働集約的な製品が多い。

2001~06 年に対フィリピン輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 9 省、2007~12 年は

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127

8 省であった。広西チワン族自治区(6→2)や湖北省(5→3)、山東省(5→3)が結合を若

干弱めるなか、天津市(2→6)、河南省(3→6)が結合を強めている。天津市の対フィリピ

ン輸出では鉄鋼製品が多く、河南省からの輸出は電気機器が多い。

中国の対シンガポール輸出は、2001 年の 57 億 5500 万ドルから 2012 年には 403 億 2100

万ドルに増加した。2012 年では、広東省が 133 億 8500 万ドルと最も多く、次いで上海市が

113億 2500万ドルと多い。対シンガポール輸出結合が強い地域は、北京市(12)、遼寧省(12)、

江蘇省(10)、陝西省(12)の 5 省である(添付資料 13)。結合度の水準をみると、陝西省

が高く、同省の対シンガポール輸出は 2006 年の 551 億ドルから 2012 年には 2193 億ドルに

増加し、そのほとんどが一般機械、電気機械であった。

2001~06 年に対シンガポール輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 5 省、2007~12 年

は 6 省であった。内陸西部の四川省(5→0)、青海省(3→0)が関係を弱める一方、湖北省

(1→5)や海南省(0→6)などが関係を強める傾向にある。海南省の対シンガポール輸出

では、鉱物燃料が多い。

4.その他東アジアとの輸出結合関係

本章では、日本、韓国、台湾、香港についても同様に輸出結合度を算出した。結果は以

下の通りである。

中国の対日本輸出は、2001 年の 416 億 1100 万ドルから 2012 年には 1515 億 900 万ドルに

増加した。2012 年において、上海市が 551 億 8900 万ドルと最も多く、次いで広東省が 306

億 900 万ドルと多い。対日本輸出において結合が強い地域は、天津市(12)、河北省(12)、

遼寧省(12)、上海市(12)、安徽省(11)、福建省(12)、山東省(12)、湖南省(11)の8

省であり、結合度の水準からみると遼寧省との関係が最も強い(添付資料 14)。

2001~06 年に対日本輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 5 省、2007~12 年は 6 省で

あった。江西省(6→1)、河南省(5→2)、海南省(5→2)が結合を弱める一方、陝西省(0→5)、

寧夏回族自治区(1→4)など内陸北部が結合を強めている。全体として結合の強い地域が

北部に集中する傾向が指摘できる。

中国の対韓国輸出は、2001 年の 112 億 8700 万ドルから 2012 年には 876 億 4700 万ドルに

増加した。2012 年では、広東省が 210 億 9800 万ドルと最も多く、次いで上海市が 168 億

6800 万ドルと多い。対韓国輸出において結合が強い地域は、天津市(12)、河北省(12)、

遼寧省(12)、吉林省(11)、江蘇省(12)、山東省(12)、湖南省(12)の7省であり、沿海

北部に集中している(添付資料 15)。結合度の水準でいえば、河北省が突出して高い。

2001~06 年に対韓国輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 10 省、2007~12 年は 8 省

であった。青海省(6→1)や安徽省(6→2)や海南省(6→0)が結合を弱める一方で、江

西省(0→5)が関係を強めており、全体的な傾向として結合の強い地域が沿海北部に集中

している。

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

128

このように日本や韓国と結合の強い地域は、上海市以北の地域に多く、ASEAN との結合

が強い地域とは異なっている。

中国の対台湾輸出は、2001 年の 50 億 4000 万ドルから 2012 年には 367 億 6900 万ドルに

増加した。2012 年で最も多いのは上海市の 125 億 5200 万ドルで、広東省の 77 億 3000 万ド

ルが続く。対台湾輸出において結合度が強い地域は、河北省(12)、上海市(12)、江蘇省

(12)、福建省(12)、江西省(11)、河南省(12)の 6 省である(添付資料 16)。

2001~06 年に対台湾輸出結合度が 5 年以上1を超えた地域は 9 省、2007~12 年は 8 省で

あった。北京市(0→6)、湖南省(1→6)が結合を強め、他方、安徽省(5→2)、湖北省(5

→3)、広西チワン族自治区(6→0)が関係を弱めており、この結果から結合の強い地域が

沿海中部に集中する傾向が指摘できる。

中国の対香港輸出は、2001 年の 445 億 3000 万ドルから 2012 年は 3236 億 5400 万ドルに

増加した。 2012 年では、広東省が 2452 億ドルと圧倒的に多く、対香港輸出全体の 75.7%

を占める。また広東省の輸出の 34.2%を占める。対香港輸出において結合が強い地域は、

広東省(12)、海南省(12)の 2 省である(添付資料 17)。2012 年の海南省の対香港輸出は

8 億 7300 万ドルで、同省の輸出総額の 33.3%を占めている。

2001~06 年と 2007~12 年を比較すると、四川省(3→5)が結合を強め、貴州省(6→3)

が結合を弱めているが、構造はほとんど変化していない。

<写真>中国ベトナム国境の友誼関。手前の建物は歴史博物館(友誼館)

(2012 年 8 月 19 日、大泉撮影)

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129

第3節 輸入結合度

1.ASEAN との輸入結合度

中国の対 ASEAN 輸入は 2001 年の 479 億ドルから 2012 年には 3737 億ドルに増加した。

2012 年の輸入額では、広東省が 582 億ドルと最も多く、以下上海市が 429 億ドル、江蘇

省が 268 億ドルとなっている。対 ASEAN 輸入において結合度が高い地域は、江蘇省(11)、

福建省(12)、広東省(12)、広西チワン族自治区(12)、貴州省(10)、雲南省(12)の 6

省であり、南部に集中している(添付資料 18)。結合度の水準は雲南省と貴州省が高く、近

年では、重慶市の結合度が急速に高まっている。

2001~06 年に対 ASEAN 輸入結合度が 5 年以上1を超えた地域は 5 省、2007~12 年は 7

省であった。上海市(3→5)、貴州省(4→6)が結合を強めた(図表 4-7)。上海市は、原油

などの鉱物性燃料、雑製品、繊維および同製品、一般機械の輸入が増加しており、ASEAN

地域のアブソーバー的役割を果たすようになってきた。江蘇省は、鉱物性燃料のほかに、

電気機器や輸送機器が多く、ASEANとのサプライチェーンが形成されていると考えられる。

対 ASEAN 輸入において結合の強い地域は、輸出に比べて南部に一段と集中している。

図表 4-7 中国の対 ASEAN 輸入結合度

(出所)GTA より大泉作成。

2.大陸部 ASEAN との輸入結合度

中国の対大陸部 ASEAN 輸入は 2001 年の 58 億 9900 万ドルから 2012 年には 569 億 8600

万ドルへ増加した。2012 年で、広東省が 192 億 2100 万ドルと最も多く、次いで上海市が 111

0~2年 3~4年 5~6年

2001~2006年

結合度が1を超えた年数

2007~2012年

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

130

億 5400 万ドルと多い。対大陸部 ASEAN 輸入において結合が強い地域は、広東省(12)、広

西チワン族自治区(12)、海南省(12)、貴州省(12)、雲南省(12)の 5 省である(添付資

料 19)。結合度の水準は雲南省と貴州省が突出して高い。

2001~06 年に対大陸部 ASEAN 輸入結合度が 5 年以上1を超えた地域は 6 省、2007~12

年は 6 省であった。河南省(5→0)が結合を弱めている一方、江蘇省(1→6)が結合を強

めているが、大きな構造変化はない(図表 4-8)。

図表 4-8 中国の大陸部 ASEAN との輸入結合度

(出所)GTA より大泉作成。

以下、国別にみる。

中国の対タイ輸入は、2001 年の 47 億 1300 万ドルから 2012 年には 384 億 5600 万ドルに

増加した。2012 年では広東省が 135 億 7400 万ドルと最も多く、次いで上海市が 66 億 3500

万ドルと多い。対タイ輸入において結合が強い地域は、上海市(11)、広東省(12)、貴州省

(12)の 3 省と少ない(添付資料 20)。結合度の水準では貴州省が突出して高く、2012 年

の同省の対タイ輸入は 1 億 8018 万ドルで全体の 29.5%を占める。品目別にみると、ほぼ

100%が天然ゴムであった。

2001~06 年に対タイ輸入結合度が 5 年以上1を超えた地域は 3 省、2007~12 年は 5 省で

あった。沿海部の江蘇省(1→6)や山東省(1→5)が結合を強めている。品目別にみると、

江蘇省は、一般機械、石油化学製品、食料が多く、山東省は、天然ゴムが最も多く、その

ほか一般機械、砂糖が多い。

中国の対カンボジア輸入は、2001 年の 3500 万ドルから 2012 年には 2 億 1500 万ドルに増

加した。2012 年において、上海市が 1 億 900 万ドルと最も多く、対カンボジア輸入全体の

50.8%を占める。対カンボジア輸入において 2001~2012 年の 12 年間に、結合度が 10 年以

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

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131

上 1 を超えた地域は海南省(10)1つだけである(添付資料 21)。海南省の対カンボジア輸

入を品目別にみると、食料品と木材およびその加工品が圧倒的に多い。

2001~06 年に対カンボジア輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 2 省、2007~12 年は

3 省であった。福建省(6→2)と山東省(5→1)が結合を弱める一方、浙江省(3→6)と上

海市(2→5)、海南省(4→6)が結合を強めている。上海市の対カンボジア輸入では衣料が

急増しており、上海市からカンボジアへの繊維・織物の輸出が増えていることと整合的な

動きをしている。つまり、上海市とカンボジアとの間で、衣料の加工貿易関係が形成され

ていると推測される。浙江省は、天然ゴムや木材およびその加工品の輸入が多い。

中国の対ラオス輸入は、2001 年はわずか 700 万ドルであったが、2012 年には 7 億 8500

万ドルに増加した。2012 年では、上海市が1億 8300 万ドルと最も多く、次いで雲南省が1

億 7400 万ドルと多い。対ラオス輸入において、2001~2012 年の 12 年間に輸入結合度が 10

年以上 1 を上回った地域は雲南省(12)1つだけであった(添付資料 22)。ラオスからの輸

入では、木材、天然ゴム、米などが多い。

2001~06 年に対ラオス輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 1 省であったが、2007~

12 年は 5 省に増えている。結合を強めたのは、安徽省(0→5)、福建省(0→5)、山東省(1

→5)、広西チワン族自治区(1→5)で、安徽省は鉄くずを、福建省は木材を、山東省と広

西チワン族自治区は鉄くずと木材の 2 品目を輸入し始めた。上海市は、2010 年の 7500 万ド

ルから 2012 年に1億 8500 万ドルと倍増させているが、なかでも銅鉱の輸入を増加させて

いることを特記しておきたい。

中国の対ミャンマー輸入は、2001 年の 1 億 3400 万ドルから 2012 年には 12 億 9900 万ド

ルに増加した。2012 年では、雲南省が 7 億 3800 万ドルと多く、対ミャンマー輸入の 56.3%

を占める。そのほか広東省が 3 億 8000 万ドルと多い。対ミャンマー輸入において、2001~

2012 年の 12 年間に輸入結合度が 10 年以上 1 を上回った地域は、対ラオス輸入と同様に雲

南省(12)のみである(添付資料 23)。雲南省は、主に木材や鉄くずを輸入している。

2001~06 年、2007~12 年に対ミャンマー輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域も、雲南

省だけである。もう少し詳細にみれば、広西チワン族自治区(1→4)、広東省(1→3)が結

合を若干強めている。広西チワン族自治区の輸入は天然ゴムが多く、広東省は、水産加工

品、木材とその加工品のほかに宝石を多く輸入している。

中国の対ベトナム輸入は、2001 年の 10 億 1000 万ドルから 2012 年には 162 億 3000 万ド

ルに増加した。2012 年では、広東省が 51 億 5600 万ドルと最も多く、次いで上海市が 41 億

5300 万ドルと多い。対ベトナム輸入において結合が強い地域は、広西チワン族自治区(12)、

海南省(12)、雲南省(12)の 3 省である(添付資料 24)。いずれも結合度の水準は高く、

広西チワン族自治区は多くの品目を輸入しているが、海南省は鉱物燃料や木材とその加工

品、雲南省は食品を含む農産品の輸入が多い。

2001~06 年に対ベトナム輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 6 省、2007~12 年は 4

省であった。遼寧省(5→2)や河南省(6→3)、浙江省(5→0)が結合を弱める一方、広東

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

132

省(0→5)が結合を強めた。総じて南部に集中する傾向がある。また近年は、重慶市(0→

3)が結合を急速に強める動きがある。輸入品目では、電気製品が 1 万ドルから 2012 年に

は 1 億 8906 万ドルと急増しており、ベトナムと重慶市との間に電子関連のサプライチェー

ンが形成されつつあると考えられる。

総じて、中国の対大陸部 ASEAN 輸入は、距離的に近い南部地域が担い手となっている。

この傾向は輸出の場合よりも明確である。しかし詳細にみると、輸出の担い手が、時間と

ともに南部に集中する傾向があるのとは対照的に、輸入の担い手は、南部から徐々に内陸

中部や沿海部に拡大する傾向が指摘できる。これは GMS 開発プロジェクトや ASEAN 中国

FTA の影響を受けているものと考えられる。

3.島嶼部 ASEAN との輸入結合関係

中国の対島嶼部ASEAN輸入は、2001 年の 173億 3000万ドルから 2012年には 1387億 4200

万ドルに増加した。2012 年において、最も輸入額が多いのは、広東省の 390 億 2300 万ドル

で、ついで上海市が 327 億 8200 万ドルと多い。対 ASEAN 輸入において結合が強い地域は、

江蘇省(12)、福建省(12)、広東省(12)の 3 省で、沿海中南部に集中している(添付資

料 25)。

2001~06 年に対島嶼部 ASEAN 輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 3 省、2007~12

年は 4 省であった。上海市(3→5)のほか、広西チワン族自治区(1→4)や山東省(0→3)

など沿海部全域が島嶼部 ASEAN との輸入関係を強めている(図表 4-9)。近年、重慶市(0

→3)が結合を強め、かつ結合度の水準が高いことに注意したい。

図表 4-9 中国の対島嶼部 ASEAN の輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

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133

(出所)GTA より大泉作成。

以下、国別でみる。

中国の対ブルネイ輸入は、2001 年の1億 4800 万ドルから 2012 年は 3 億 5600 万ドルに増

加した。2012 年では、遼寧省が1億 9700 万ドルと最も多く、次いで河南省が 1 億 3800 万

ドルと多い。この2省で対ブルネイ輸入の 94.2%を占める。対ブルネイ輸入において、2001

~2012 年に輸入結合度が 10 年以上1を上回った地域はない(添付資料 26)。比較的結合が

強い地域としては、遼寧省(8)があげられる。遼寧省のほか、2001~06 年は、山東省(6

→0)の結合が強く、2007~12 年は、河南省(1→5)の結合が強まった。いずれも鉱物燃料

が主たる輸入品であった。

中国の対インドネシア輸入は、2001 年の 38 億 8800 万ドルから 2012 年には 320 億 3300

万ドルに増加した。2012 年では、広東省が 73 億 7400 万ドルと最も多く、次いで山東省が

52 億 5000 万ドルと多い。対インドネシア輸入において結合が強い地域は、河北省(10)、

江蘇省(12)、浙江省(11)、福建省(12)、山東省(10)、広西チワン族自治区(11)の6省

であり、主に沿海部に集中している(添付資料 27)。なかでも福建省の結合度の水準が高い。

2001~06 年に対インドネシア輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 7 省、2007~12 年

は 7 省であった。安徽省(6→0)、寧夏回族自治区(5→3)と結合を弱める一方、山東省(4

→6)、海南省(3→5)などの沿海部の結合が強まった。山東省や海南省の主な輸入品は鉱

物燃料で、それぞれ 2007 年の 2 億 8978 万ドル、2872 万ドルから 2012 年に、19 億 1250 万

ドル、5 億 1932 万ドルに増加した。

中国の対マレーシア輸入は、2001 年の 62 億 600 万ドルから 2012 年には 582 億 4700 万ド

ルに増加した。2012 年では、上海市が 169 億 1700 万ドルと最も多く、次いで広東省が 157

億 300 万ドルと多い。対マレーシア輸入において結合の強い地域は、江蘇省(12)、広東省

(12)の 2 省である(添付資料 28)。両省とも電気機器の輸入が圧倒的に多く、それぞれ

53.6%、43.0%を占める。

2001~06 年に対マレーシア輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 3 省、2007~12 年は

3 省と限定的である。福建省(6→2)が結合を弱め、寧夏回族自治区(3→5)が結合を強め

ているが、大きな変化はない。ただし近年の特徴として重慶市が結合を強めていることを

指摘しておきたい。重慶市の電気機器の対マレーシア輸入は、2009 年の 274 万ドルから 2012

年は 24 億 7009 億ドルへ急増した。重慶市がマレーシアとの間で、電子関連のサプライチ

ェーンを形成していることがうかがえる。

中国の対フィリピン輸入は、2001 年の 19 億 4500 万ドルから 2012 年には 196 億 7800 万

ドルに増加した。2012 年で、広東省が 64 億 8100 万ドルと最も多く、次いで上海市が 48 億

400 万ドルと多い。対フィリピン輸入において結合が強い地域は、上海市(10)、江蘇省(11)、

広東省(12)の3省であり、沿海部に集中している(添付資料 29)。

2001~06 年に対フィリピン輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 2 省から 2007~12 年

は 5 省に増加した。結合が強まった地域は、 北京市(2→6)、上海市(4→5)、四川省(0

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

134

→5)である。2012 年の輸入結合度の水準では、重慶市が高い。同市の対フィリピン輸入に

おいて、一般機械は、2009 年の 13 万ドルから 2012 年は 4 億 2321 万ドルに急増した。これ

はマレーシアやベトナムの場合と同様に、電子関連のサプライチェーンの形成の影響と考

えられる。

中国の対シンガポール輸入は、2001 年の 51 億 4300 万ドルから 2012 年には 284 億 2900

万ドルに増加した。2012 年では、広東省が 94 億 5800 万ドルと最も多く、次いで上海市が

65 億 5600 万ドルと多い。対シンガポール輸入において結合が強い地域は、北京市(11)、

上海市(12)、広東省(12)の 3 省であり、いずれも高所得地域である(添付資料 30)。

2001~06 年に対シンガポール輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 4 省、2007~12 年

は 5 省であった。天津市(5→2)が結合を弱める一方、江蘇省(2→6)と陝西省(0→5)

が結合を強めている。陝西省の対シンガポール輸入は 2007 年の 1000 万ドルから 2012 年に

は 5 億 5200 万ドルに急増しており、そのほとんどが電気機器で、同期間に 100 万ドルから

5 億 2300 万ドルに急増した。陝西省はシンガポールとサプライチェーンを構築していると

考えられる。

総じて、中国の対島嶼部 ASEAN 輸入は、沿海部が担い手になっている。ただし、近年は、

重慶市がマレーシアやフィリピンと、陝西省がシンガポールと関係を強めており、これは

島嶼部 ASEAN が形成するサプライチェーンに内陸部も組み込まれ始めたと捉えることが

できる。

4.その他東アジアとの輸入結合関係

中国の対日本輸入は、2001 年の 428 億 800 万ドルから 2012 年には 1777 億 2700 万ドルに

増加した。2012 年では、広東省が 504 億 9200 万ドルと最も多く、次いで上海市が 492 億

7000 万ドルと多い。対日本輸入において結合の強い地域は、天津市(12)、上海市(12)、

江蘇省(11)、安徽省(11)、重慶市(11)、四川省(12)の 6 省であり、長江流域に集まっ

ている(添付資料 31)。

2001~06 年に対日本輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 9 省、2007~12 年は 10 省

であった。遼寧省(6→3)、広東省(5→0)、海南省(6→0)などが結合を弱めるなかで、

北部の北京市(0→6)、吉林省(3→6)、長江流域の湖北省(3→6)、広東省(3→6)が結合

を強めている。前者は ASEAN との関係が強まることで、日本のプレゼンスが後退したこと、

後者は日本企業の長江地域への進出加速が背景にあるものと考えられる。

中国の対韓国輸入は、2001 年の 233 億 9400 万ドルから 2012 年には 1665 億 9000 万ドル

に増加した。2012 年では、広東省が 458 億 6900 万ドルと最も多く、次いで江蘇省が 284 億

4600 万ドルと多い。対韓国輸入において結合の強い地域は、北京市(10)、天津市(12)、

江蘇省(12)、山東省(12)の 4 省であり、沿海北中部に集中している(添付資料 32)。

2001~06 年に対韓国輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 4 省、2007~12 年は 4 省で

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135

あった。湖南省(5→0)が結合を弱める一方、北京市(4→6)が関係を強めている。北京

市の対韓国輸入では、鉱物燃料が 2006 年の 8 億ドルから 2012 年には 15 億ドル 9800 万ド

ルにほぼ倍増した。

中国の対台湾輸入は、2001 年の 273 億 4400 万ドルから 2012 年には 1321 億 9400 万ドル

に増加した。2012 年では、広東省が 543 億 7100 万ドルと最も多く、次いで江蘇省が 254 億

2900 万ドルと多い。対台湾輸入において結合の強い地域は、江蘇省(12)、福建省(12)、

広東省(12)の3省である(添付資料 33)。いずれも台湾との距離が近い沿海部であり、台

湾企業が多く進出している地域である。

2001~06 年に対韓国輸入結合度が 5 年以上 1 を超えた地域は 3 省、2007~12 年は 4 省で

あった。浙江省(0→5)が結合を強めており、台湾との輸入関係は沿海南部が強い。

中国の対香港輸入は、2001 年の 94 億 2100 万ドルから 2012 年は 179 億 5500 万ドルに増

加した。2012 年では広東省の 71 億 6100 万ドルが最も多い。対香港輸入において結合度が

強い地域は、北京市(11)、広東省(12)の 2 省であり、2001~06 年と 2007~12 年を比較

しても、大きな変化はほとんど生じていない(添付資料 34)。

第4節 総括と今後の課題

本章を通じて、中国と ASEAN との貿易関係は、時間とともに深化しているものの、各地

域で結合の程度が異なることを確認した。ASEAN 諸国全体では、沿海中南部、内陸南部と

の結合が強い。ただし、大陸部 ASEAN は内陸南部と沿海南部で強く、島嶼部 ASEAN は沿

海南部と長江流域で強いという違いが確認できた。

他方、日本や韓国は沿海北部と沿海中部、長江流域との関係が強いこと、台湾は沿海中

部、香港は沿海南部など距離的に近い地域との関係が強いことなどが明らかになった。ま

た、中国の東アジアとの貿易関係において、各地域が棲み分ける傾向にあることも判明し

た。これは重力効果からの推測と一致するものである。

ただし、例外も少なくない。河北省の ASEAN 向けの鉄鋼製品の輸出や、重慶市とマレー

シア、フィリピン、陝西省とシンガポールの電気機器の相互取引の増加などがそれである。

これらは、製品そのものの競争力やサプライチェーンの状況に影響を受けているものと考

えられる。

したがって、中国と ASEAN の貿易関係の今後の分析では、品目別輸出入金額や量の変化

に加え、価格や品質の違いなどにも注目する必要があるだろう。加えて、重力効果を取り

入れた計量分析による考察も有用であろう。これらは、今後の課題としたい。

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

136

<写真>中国広西チワン族自治区南寧市の中心部。中国 ASEAN 博覧会に便乗した大規模な

開発が進む(2012 年 8 月 20 日、伊藤撮影)

<写真>タイのアマタナコン工業団地。午後 8 時、2 回目の帰宅ラッシュアワーを迎える

(2013 年 8 月 19 日、伊藤撮影)。

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137

2001~12

2001~06

2007~12

北京 1.3 1.0 1.2 2.2 1.8 2.3 2.0 1.6 1.1 0.9 0.7 0.7 9 6 3

天津 0.9 1.1 1.1 0.9 1.0 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.2 9 4 5

河北 1.1 1.1 1.1 1.7 1.5 2.0 1.7 0.7 0.6 0.7 0.6 0.8 7 6 1

山西 0.2 0.2 0.1 0.0 0.0 0.2 0.6 0.2 0.2 0.1 0.2 1.3 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.4 1.5 1.7 1.4 1.8 1.5 1.7 1.5 1.7 1.6 1.3 1.3 12 6 6

吉林 0.2 0.3 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.0 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0 1.0 11 6 5

江蘇 1.3 1.3 1.0 1.0 1.1 1.2 1.0 1.1 1.0 0.9 0.9 0.8 7 5 2

浙江 0.7 0.7 0.9 0.8 0.7 0.7 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.8 0 0 0

安徽 0.5 0.5 0.7 0.8 0.6 0.8 0.4 0.7 1.4 1.1 1.0 1.1 3 0 3

福建 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 1.0 1.0 1.0 1.1 1.2 1.3 1.3 8 3 5

江西 0.7 0.4 0.8 0.7 0.8 0.6 0.6 1.0 0.7 1.8 1.2 0.9 2 0 2

山東 0.8 0.8 0.9 1.0 1.0 0.9 0.8 0.9 0.7 0.9 0.9 0.8 1 1 0

河南 3.7 3.2 3.8 2.9 4.9 4.8 3.2 2.2 2.5 2.7 2.4 3.1 12 6 6

湖北 1.2 1.4 1.8 1.5 1.3 1.2 1.3 1.3 1.1 1.2 1.0 1.1 12 6 6

湖南 0.6 0.7 1.0 1.2 1.6 1.1 1.0 1.1 0.9 1.1 1.1 0.8 7 4 3

広東 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.8 0.8 0.9 0.8 0.8 0.9 0 0 0

広西チワン 8.0 7.4 8.0 7.3 7.3 7.2 7.1 6.5 7.7 7.7 7.9 7.7 12 6 6

海南 0.5 0.5 0.8 1.6 1.5 2.3 4.1 2.0 3.4 3.5 1.4 2.1 9 3 6

重慶 4.5 2.5 2.0 2.7 1.9 1.5 1.3 1.3 1.2 1.2 1.1 1.1 12 6 6

四川 2.3 2.0 2.9 3.2 1.2 0.6 0.7 0.6 0.4 0.6 0.4 1.0 5 5 0

貴州 1.4 2.1 5.1 2.1 1.0 2.8 2.0 1.4 1.9 2.8 1.5 1.9 11 5 6

雲南 10.7 11.0 11.8 10.6 9.9 9.5 9.6 9.7 9.4 10.2 9.6 9.0 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 1.6 1.6 1.9 2.1 1.7 1.8 1.1 1.4 0.7 1.7 1.7 1.0 10 6 4

甘粛 0.3 0.5 0.2 0.1 3.4 0.1 0.0 3.0 0.3 0.6 0.3 0.0 2 1 1

青海 7.3 1.7 0.9 1.4 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 9.3 0.0 0.1 0.0 0.0 0.2 0.0 0.9 0.0 0.1 0.1 0.1 1 1 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料1 中国各省の対ASEAN輸出結合度

0~2年 3~4年 5~6年

2001~2006年

結合度が1を超えた年数

2007~2012年

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第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

138

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.5 0.4 0.4 0.6 0.8 1.0 0.8 0.7 0.6 0.5 0.5 0.6 0 0 0

天津 0.9 1.4 1.2 1.1 1.3 1.3 1.3 1.2 1.1 1.2 1.2 1.4 11 5 6

河北 0.1 0.1 0.6 3.2 3.0 4.1 3.3 1.1 1.0 1.2 0.8 0.9 6 3 3

山西 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.3 0.3 0.2 0.2 0.0 0.1 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.2 0.9 1.1 1.4 1.4 1.1 0.8 0.9 0.7 0.8 0.7 1.0 6 5 1

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.8 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 4 0 4

江蘇 1.2 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0.7 0.9 0.7 0.6 0.6 0.7 1 1 0

浙江 0.6 0.6 0.7 0.6 0.6 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0 0 0

安徽 0.7 1.0 1.1 1.6 1.4 1.7 0.5 0.4 1.4 1.3 1.0 1.2 8 4 4

福建 0.6 0.6 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.8 0.9 0.9 0 0 0

江西 1.5 0.7 1.0 0.7 0.9 0.5 1.1 1.1 0.6 1.7 1.0 1.0 6 1 5

山東 0.7 0.7 1.0 1.2 1.3 1.1 1.0 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8 3 3 0

河南 10.7 9.3 8.7 4.9 8.4 8.5 4.8 3.4 4.1 4.2 4.0 6.2 12 6 6

湖北 1.2 1.6 2.2 2.1 2.0 1.5 1.6 1.5 1.3 1.2 1.0 1.0 12 6 6

湖南 0.7 0.7 1.6 1.4 1.8 1.4 2.0 2.2 1.3 1.2 1.0 0.7 8 4 4

広東 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0 0 0

広西チワン 27.6 24.9 25.7 23.0 22.9 22.8 22.4 18.8 23.1 21.1 19.6 19.1 12 6 6

海南 0.8 0.8 1.2 2.7 3.2 3.2 3.7 1.5 4.8 1.6 1.6 1.5 10 4 6

重慶 10.6 5.1 2.3 4.5 3.0 2.2 1.8 1.5 1.5 1.3 0.9 0.8 10 6 4

四川 0.6 0.5 0.8 1.0 1.3 0.9 1.0 0.4 0.2 0.2 0.2 0.7 2 1 1

貴州 1.7 3.3 16.1 6.7 3.1 8.5 6.4 3.5 4.5 4.5 2.9 2.5 12 6 6

雲南 38.3 41.2 43.1 39.0 34.4 28.0 29.4 30.8 30.0 28.6 26.1 24.4 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 2.0 1.4 0.9 0.2 0.8 3.0 1.1 0.5 0.2 0.1 0.3 0.6 4 3 1

甘粛 0.3 0.8 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.3 0.4 1.1 0.7 0.1 1 0 1

青海 0.0 0.0 2.3 3.8 1.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 34.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 1 1 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料2 中国各省の対大陸ASEAN輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 162: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

139

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.9 0.8 0.8 1.0 1.3 1.6 1.2 1.0 0.8 0.8 0.6 0.6 4 3 1

天津 1.0 1.5 1.6 1.3 1.5 1.4 1.3 1.3 1.2 1.1 1.2 1.5 12 6 6

河北 0.0 0.1 0.1 2.6 2.2 3.4 2.7 0.4 0.5 0.5 0.4 0.5 4 3 1

山西 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.5 0.6 0.5 0.5 0.1 0.3 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.8 0.5 0.8 1.3 1.3 1.2 0.9 1.0 0.7 0.9 0.9 1.1 5 4 1

吉林 0.0 0.0 0.0 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.0 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.1 1.1 1.2 1.2 1.2 1.2 12 6 6

江蘇 1.4 1.0 0.8 0.9 1.1 1.1 1.0 1.2 1.1 0.9 1.0 1.0 6 3 3

浙江 0.8 0.8 0.9 0.8 0.7 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.9 0 0 0

安徽 0.8 1.1 1.1 2.3 1.7 2.1 0.5 0.3 2.4 2.1 1.3 0.6 8 5 3

福建 0.6 0.6 0.8 0.7 0.7 0.8 0.8 0.9 1.0 0.9 0.9 1.0 2 0 2

江西 0.2 0.3 0.9 0.6 0.7 0.4 0.7 0.4 0.4 0.6 0.9 1.7 1 0 1

山東 0.9 1.0 1.2 1.5 1.5 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.1 9 4 5

河南 2.0 3.1 2.7 2.0 1.7 1.8 2.8 2.0 2.5 1.2 1.5 2.1 12 6 6

湖北 0.9 2.5 3.8 3.2 2.7 1.9 1.9 1.8 1.9 1.2 0.9 1.2 10 5 5

湖南 1.1 1.0 2.5 1.9 2.6 1.3 1.7 1.2 1.1 1.2 1.1 0.9 10 5 5

広東 1.0 1.0 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8 0.9 0.9 1.0 0.9 0.8 0 0 0

広西チワン 1.3 2.0 2.5 3.7 2.6 3.0 3.0 2.4 1.3 1.4 1.6 1.3 12 6 6

海南 1.2 1.5 1.7 3.6 0.9 1.9 1.4 0.7 2.4 1.1 1.2 0.8 9 5 4

重慶 1.4 1.2 1.3 1.7 1.7 1.2 1.2 1.5 1.3 1.0 1.0 1.2 11 6 5

四川 0.8 0.5 0.8 1.2 1.7 1.0 1.5 0.6 0.3 0.4 0.2 0.3 4 3 1

貴州 0.0 0.3 27.4 9.1 0.3 5.2 2.1 0.9 3.3 3.8 1.4 1.2 8 3 5

雲南 2.9 2.5 6.7 7.3 7.0 5.2 4.8 7.2 6.9 6.5 6.0 5.1 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 2.0 1.2 0.4 0.2 0.5 1.4 0.8 0.3 0.4 0.1 0.5 0.3 3 3 0

甘粛 0.2 0.3 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.4 0.9 2.0 1.2 0.1 2 0 2

青海 0.0 0.0 3.7 3.9 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.2 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料3 中国各省の対タイ輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 163: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

140

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 1.1 0.6 1 0 1

天津 0.9 1.3 0.8 0.7 0.7 0.8 0.5 0.6 0.6 1.0 1.6 0.7 2 1 1

河北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

遼寧 0.3 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0.2 0.4 0.3 0.3 0.2 0.3 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.8 2.0 2.2 2.1 2.0 1.9 1.9 1.7 1.7 1.9 1.8 2.0 12 6 6

江蘇 1.1 0.5 0.3 0.5 0.1 0.3 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.2 1 1 0

浙江 0.4 0.4 0.5 0.4 0.3 0.8 1.2 1.1 0.8 0.8 0.8 0.8 2 0 2

安徽 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.9 2.1 1 0 1

福建 0.4 0.4 0.4 1.5 1.2 1.1 1.0 1.0 1.1 1.1 0.7 0.8 5 3 2

江西 0.8 0.9 1.1 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.8 0.4 0.0 1 1 0

山東 0.7 1.0 1.0 1.1 1.4 0.8 0.8 0.9 1.0 0.7 0.6 0.6 3 3 0

河南 2.0 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 1.2 1.7 3 1 2

湖北 0.6 0.6 1.4 0.8 0.3 0.2 0.6 0.3 0.2 0.1 0.3 0.5 1 1 0

湖南 0.1 0.3 0.8 0.5 0.7 0.4 0.2 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

広東 0.9 0.7 0.7 0.5 0.7 0.7 0.8 0.9 1.0 0.8 0.8 0.8 0 0 0

広西チワン 0.6 0.3 0.5 0.3 0.4 0.5 0.5 1.4 0.9 0.6 1.3 0.3 2 0 2

海南 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 2.5 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

重慶 1.0 2.0 1.1 2.9 3.5 3.3 2.4 2.0 1.9 4.0 2.5 1.0 11 5 6

四川 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9 1.3 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 1 1 0

雲南 0.0 0.4 0.1 0.0 0.1 0.0 0.2 0.0 0.2 0.0 0.0 0.4 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.3 1 0 1

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料4 中国各省の対カンボジア輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 164: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

141

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.3 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0 0 0

天津 0.9 0.2 0.2 0.9 2.9 0.5 1.7 1.2 1.2 0.1 0.3 0.4 4 1 3

河北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.0 0.3 0.0 1.0 0.7 0.4 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 1.5 2 1 1

吉林 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.2 0.1 0.3 0.2 0.5 0.3 0.5 0.5 0.3 0.2 0.4 0.4 0 0 0

江蘇 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

浙江 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0 0 0

安徽 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.2 0.8 1.3 1.1 3 0 3

福建 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.2 0.3 0.1 0.1 0 0 0

江西 0.0 0.0 2.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

山東 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.3 0.1 0.1 0.2 0.1 0 0 0

河南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

湖北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0 0 0

広東 0.1 0.1 0.0 0.2 0.1 0.2 0.2 0.4 0.3 0.4 0.6 0.5 0 0 0

広西チワン 0.2 1.2 1.1 0.1 1.7 0.2 0.0 1.4 3.2 2.1 3.3 3.0 8 3 5

海南 0.0 0.0 2.0 1.0 4.1 0.2 0.6 0.1 0.0 0.3 2.3 0.0 3 2 1

重慶 1.3 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0.1 8.7 0.1 0.1 0.1 0.0 2 1 1

四川 1.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 1 1 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 8.2 0.0 0.0 7.3 12.3 11.1 8.5 5 1 4

雲南 358.9 389.0 410.4 381.0 351.8 291.4 286.9 331.0 355.5 347.2 266.6 256.3 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 15.5 27.1 52.4 0.0 7.4 195.9 62.4 43.5 0.0 0.5 1.1 18.9 9 5 4

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料5 中国各省の対ラオス輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 165: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

142

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 0.2 0.0 0.1 0.1 0.0 0 0 0

天津 1.3 2.9 2.3 1.3 1.0 1.3 1.0 1.1 1.9 1.5 1.8 2.1 11 6 5

河北 0.0 0.0 0.0 1.3 1.6 1.2 0.1 0.0 0.4 1.4 3.1 4.2 6 3 3

山西 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.1 0.1 0.1 0.2 0.3 0.5 0.7 1.3 1.3 0.6 0.5 0.7 2 0 2

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.0 0.9 1.0 0.6 0.6 0.6 0.9 0.8 0.8 0.7 0.7 0.6 0 0 0

江蘇 1.1 0.4 0.3 0.6 0.3 0.4 0.6 0.4 0.2 0.4 0.3 0.5 1 1 0

浙江 0.3 0.2 0.3 0.1 0.1 0.2 0.3 0.3 0.4 0.3 0.3 0.3 0 0 0

安徽 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.3 0.6 0.8 1.7 1.2 2 0 2

福建 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0.4 0.4 0.3 0.4 0.4 0.4 0 0 0

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.1 0 0 0

山東 0.3 0.3 0.6 0.7 0.8 0.9 0.7 0.8 0.7 0.6 0.7 0.7 0 0 0

河南 2.9 1.5 2.4 0.2 3.0 2.5 4.2 1.3 0.2 0.7 5.6 13.8 9 5 4

湖北 1.9 0.4 1.0 0.2 0.3 0.1 1.6 0.9 0.3 0.4 0.2 0.2 2 1 1

湖南 0.0 0.1 0.0 0.2 1.3 0.5 0.8 0.6 0.3 0.3 0.6 0.1 1 1 0

広東 0.1 0.1 0.1 0.3 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0 0 0

広西チワン 0.1 0.1 0.1 1.8 2.5 2.2 0.3 2.1 0.3 0.1 0.5 1.2 5 3 2

海南 0.0 0.0 0.0 0.0 32.7 0.0 0.0 11.0 0.1 0.0 0.1 0.3 2 1 1

重慶 1.4 1.1 0.7 0.7 1.9 1.2 1.8 1.2 1.4 1.2 0.5 0.4 8 4 4

四川 0.2 0.5 0.0 0.2 1.8 1.0 0.8 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 1 1 0

貴州 0.6 0.0 0.7 0.2 0.0 2.4 2.9 2.2 3.3 4.3 2.0 2.3 7 1 6

雲南 228.7 220.5 236.3 270.3 328.4 257.0 223.6 289.0 229.4 227.1 204.2 192.5 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 1.3 0.1 0.0 6.5 3.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 3 3 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料6 中国各省の対ミャンマー輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 166: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

143

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.1 0.1 0.2 0.3 0.5 0.5 0.5 0.6 0.5 0.5 0.6 0 0 0

天津 0.5 0.7 0.6 0.7 1.0 1.3 1.5 1.2 1.0 1.2 1.1 1.4 7 1 6

河北 0.2 0.2 1.4 4.8 4.7 6.1 4.7 2.1 1.5 1.9 0.7 0.7 8 4 4

山西 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.3 0.2 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.8 1.9 1.9 2.0 2.0 1.2 0.8 0.8 0.6 0.8 0.7 1.1 6 5 1

吉林 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.4 0.8 0.8 0.8 0.9 0.8 0.9 1.0 0.8 0.8 0.9 0.9 0 0 0

江蘇 0.9 0.5 0.9 0.8 0.5 0.6 0.5 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0 0 0

浙江 0.5 0.4 0.6 0.5 0.6 0.6 0.6 0.5 0.6 0.5 0.4 0.4 0 0 0

安徽 0.8 1.1 1.4 1.1 1.4 1.5 0.6 0.6 0.8 0.7 0.8 1.7 6 5 1

福建 0.6 0.8 1.0 0.8 0.6 0.6 0.5 0.5 0.6 0.7 0.9 0.8 0 0 0

江西 3.8 1.6 1.2 1.0 1.5 0.7 1.7 2.1 0.9 2.9 1.3 0.7 9 5 4

山東 0.7 0.6 0.9 1.1 1.0 1.1 0.9 0.9 0.6 0.6 0.6 0.6 3 3 0

河南 26.3 21.9 18.8 10.6 19.6 19.1 7.3 5.4 6.3 7.5 6.3 9.1 12 6 6

湖北 1.6 0.8 0.6 1.3 1.6 1.3 1.3 1.4 1.0 1.5 1.3 1.1 10 4 6

湖南 0.3 0.7 1.1 1.0 0.9 1.9 2.6 3.6 1.7 1.5 1.1 0.6 7 2 5

広東 0.3 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 0.5 0.6 0.7 0.6 0.6 0.5 0 0 0

広西チワン 75.5 68.2 64.0 56.9 57.0 54.7 47.0 39.4 45.8 42.5 40.3 40.1 12 6 6

海南 0.6 0.3 1.2 2.5 1.9 5.7 6.8 1.3 7.8 2.3 2.4 2.4 10 4 6

重慶 27.3 12.2 4.1 9.5 4.9 3.7 2.3 1.3 1.6 1.3 0.9 0.5 10 6 4

四川 0.4 0.6 1.1 1.0 0.8 0.8 0.7 0.3 0.2 0.1 0.2 1.2 2 1 1

貴州 4.7 8.8 8.9 5.7 7.9 14.3 11.9 6.7 5.9 5.2 4.6 3.7 12 6 6

雲南 29.6 30.0 24.5 27.2 21.0 17.6 24.8 18.2 15.1 12.7 12.4 9.7 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 2.3 1.2 0.2 0.3 0.2 0.9 0.6 0.1 0.0 0.0 0.1 0.3 2 2 0

甘粛 0.7 2.0 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 0.3 0.0 0.6 0.5 0.0 1 1 0

青海 0.0 0.0 1.5 5.1 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 95.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料7 中国各省の対ベトナム輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 167: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

144

2001~12

2001~06

2006~12

北京 1.6 1.2 1.6 2.8 2.2 2.7 2.5 2.0 1.4 1.0 0.9 0.8 10 6 4

天津 1.0 1.0 1.0 0.9 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 0.9 1.1 1.1 3 1 2

河北 1.4 1.5 1.2 1.1 0.9 1.2 1.1 0.6 0.4 0.5 0.5 0.7 6 5 1

山西 0.3 0.2 0.1 0.0 0.0 0.2 0.7 0.2 0.1 0.0 0.2 2.1 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.4 1.7 1.9 1.4 1.9 1.6 2.1 1.8 2.2 2.0 1.6 1.5 12 6 6

吉林 0.2 0.4 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.1 1.1 1.2 1.1 1.1 1.1 1.1 1.0 1.1 1.1 1.0 11 6 5

江蘇 1.4 1.5 1.1 1.0 1.2 1.3 1.1 1.2 1.1 1.0 1.1 0.9 10 6 4

浙江 0.8 0.8 0.9 0.9 0.8 0.7 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.9 0 0 0

安徽 0.5 0.4 0.5 0.5 0.3 0.4 0.4 0.8 1.4 1.0 0.9 1.1 3 0 3

福建 1.2 1.2 1.1 1.1 1.0 1.1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 12 6 6

江西 0.4 0.3 0.7 0.7 0.8 0.7 0.4 0.9 0.8 1.9 1.3 0.8 2 0 2

山東 0.8 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.7 0.9 0.9 0.9 0 0 0

河南 1.1 1.0 1.9 2.2 3.5 3.4 2.6 1.7 1.8 1.9 1.5 1.3 12 6 6

湖北 1.3 1.4 1.6 1.2 1.1 1.1 1.2 1.3 1.0 1.1 1.0 1.1 12 6 6

湖南 0.6 0.6 0.8 1.1 1.5 1.0 0.5 0.7 0.7 1.0 1.2 0.9 4 3 1

広東 0.9 0.8 0.7 0.7 0.8 0.7 0.8 0.9 1.0 0.9 0.9 1.0 1 0 1

広西チワン 0.7 1.3 1.5 1.5 1.4 1.4 1.0 1.3 0.7 0.5 1.2 1.1 9 5 4

海南 0.4 0.4 0.6 1.2 0.9 2.0 4.2 2.1 2.7 4.5 1.3 2.5 8 2 6

重慶 2.2 1.6 1.9 2.1 1.4 1.2 1.1 1.3 1.1 1.1 1.2 1.2 12 6 6

四川 2.9 2.5 3.7 4.1 1.1 0.5 0.6 0.7 0.5 0.7 0.5 1.2 6 5 1

貴州 1.3 1.7 1.1 0.4 0.2 0.6 0.2 0.5 0.7 1.9 0.6 1.6 5 3 2

雲南 0.3 0.4 0.2 0.2 0.8 2.6 1.8 0.8 0.1 0.3 0.1 0.1 2 1 1

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 1.4 1.6 2.3 2.7 2.0 1.4 1.1 1.7 0.9 2.5 2.5 1.2 11 6 5

甘粛 0.3 0.4 0.3 0.1 4.6 0.0 0.0 4.2 0.3 0.3 0.1 0.0 2 1 1

青海 10.1 2.3 0.3 0.5 0.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2 2 0

寧夏 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.2 0.0 1.3 0.0 0.0 0.1 0.2 1 0 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料8 中国各省の対海域ASEAN輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 168: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

145

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.0 0.3 1.0 1.1 1.5 2.0 3.5 3.1 1.8 0.8 0.1 7 3 4

天津 0.8 0.8 0.5 0.6 0.9 0.9 1.4 1.2 1.4 0.7 0.5 0.4 3 0 3

河北 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.2 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.2 0.5 0.1 0.1 0.2 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.5 7.8 3.3 2.2 1.0 5 0 5

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 0.7 0.6 1.0 0.7 0.6 0.7 0.8 0.6 0.3 0.2 0.2 1 1 0

江蘇 0.2 0.2 0.1 0.5 0.2 0.5 0.6 1.0 0.3 0.3 0.5 0.6 0 0 0

浙江 0.4 0.9 0.8 1.5 1.6 0.9 1.0 1.2 1.2 1.1 0.3 0.2 5 2 3

安徽 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.4 0.6 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0 0 0

福建 1.1 1.3 1.2 0.7 0.9 0.9 1.0 0.9 0.7 0.4 0.4 0.2 4 3 1

江西 3.4 0.7 1.9 0.8 0.6 0.5 0.6 0.1 0.1 0.1 1.1 0.7 3 2 1

山東 3.2 3.9 2.2 2.0 2.4 3.1 2.4 2.2 0.7 0.6 0.4 0.4 8 6 2

河南 0.4 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.1 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0 0 0

湖北 3.2 1.4 1.6 1.4 0.9 0.2 0.3 0.4 1.0 0.4 0.3 0.2 4 4 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 1.7 0.0 0.5 0.7 0.0 0.0 0.3 0.2 1 1 0

広東 1.0 1.0 1.5 1.1 1.2 1.2 1.1 1.0 1.6 2.2 2.5 2.4 9 4 5

広西チワン 0.6 0.4 0.4 0.6 0.8 1.3 2.3 0.8 1.1 0.5 0.2 0.1 3 1 2

海南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.0 1.6 0.7 0.1 0.3 0.0 1 0 1

重慶 2.1 1.7 0.6 2.9 3.9 0.8 0.7 0.4 0.9 0.2 0.1 0.0 4 4 0

四川 0.0 0.1 0.0 0.0 0.3 0.7 0.4 0.6 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 1.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.1 0.0 0.0 1 1 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 3.1 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料9 中国各省の対ブルネイ輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 169: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

146

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.6 0.4 0.4 0.5 0.7 0.6 0.7 0.5 1.1 0.9 0.4 0.3 1 0 1

天津 1.3 1.4 1.4 1.2 1.3 1.5 1.4 1.6 1.6 1.2 1.4 1.5 12 6 6

河北 0.8 0.9 0.8 0.9 1.2 3.3 3.1 0.6 0.4 0.4 0.4 0.3 3 2 1

山西 0.2 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 7.7 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.7 1.6 3.0 2.3 3.7 2.3 2.8 1.9 2.7 2.8 2.6 2.1 11 5 6

吉林 0.1 0.7 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.1 0.9 0.9 1.0 1.0 1.0 1.1 1.1 1.1 1.1 1.0 7 2 5

江蘇 1.1 1.0 0.6 0.8 0.7 0.6 0.6 0.7 0.8 0.8 0.9 0.7 1 1 0

浙江 1.5 1.5 1.4 1.4 1.1 1.3 1.4 1.1 1.0 0.9 1.0 1.0 10 6 4

安徽 0.3 0.3 0.4 0.2 0.2 0.7 0.8 0.7 0.9 0.6 0.6 0.6 0 0 0

福建 1.0 0.9 0.9 1.0 1.0 1.2 1.3 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 9 3 6

江西 0.4 0.1 1.0 1.0 0.7 0.8 0.7 0.7 0.9 0.8 0.9 1.1 3 2 1

山東 1.0 1.3 1.3 1.3 1.1 1.2 1.2 1.0 1.1 1.1 1.1 1.1 10 5 5

河南 1.9 2.9 7.0 8.8 12.1 5.3 4.8 1.6 1.7 1.8 1.5 1.3 12 6 6

湖北 1.7 1.8 2.9 1.7 1.5 1.3 1.5 1.7 1.2 1.2 1.0 0.9 10 6 4

湖南 1.4 1.4 2.7 3.8 2.9 3.0 1.5 1.6 1.6 1.9 1.7 1.6 12 6 6

広東 0.9 0.7 0.7 0.7 0.6 0.7 0.7 0.8 0.7 0.8 0.7 0.9 0 0 0

広西チワン 1.2 2.3 2.9 3.0 3.2 4.0 2.8 3.5 2.3 1.1 3.2 2.9 12 6 6

海南 0.2 0.2 0.2 0.7 0.7 5.0 1.5 0.9 3.0 3.1 2.3 2.0 6 1 5

重慶 5.5 3.3 5.2 5.6 3.0 2.8 2.9 2.9 2.4 2.0 1.6 1.8 12 6 6

四川 1.6 0.6 1.6 3.2 2.0 0.7 0.5 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 4 4 0

貴州 0.1 1.3 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 1.5 0.2 3.1 3 1 2

雲南 0.3 0.1 0.1 0.0 0.2 0.2 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.9 1.9 0.5 0.6 0.2 0.2 1.9 0.2 0.1 3.0 2.6 0.2 4 1 3

甘粛 0.5 0.0 0.0 0.2 0.1 0.0 0.1 0.5 0.5 0.1 0.4 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 1.0 2.2 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.8 0.0 0.0 0.0 0.0 1 0 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料10 中国各省の対インドネシア輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 170: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

147

2001~12

2001~06

2007~12

北京 3.5 1.0 1.3 1.3 1.9 2.3 2.3 2.2 1.4 1.2 1.1 1.0 12 6 6

天津 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 0.8 0.8 0.8 0.7 0.8 1.1 1.1 5 3 2

河北 0.7 2.0 1.2 0.4 0.1 0.1 0.3 0.4 0.7 0.4 0.4 0.4 2 2 0

山西 0.0 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.7 0.4 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.6 1.5 1.5 0.7 0.9 0.8 0.6 0.5 0.4 0.5 0.4 0.5 3 3 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.2 0.2 0.5 0.3 0.2 0.2 0.2 0.3 0.2 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.3 1.2 1.3 1.3 1.3 1.3 1.1 1.0 1.1 1.1 1.0 10 6 4

江蘇 1.3 2.0 2.0 1.6 1.9 1.9 1.7 1.7 1.4 0.9 0.7 0.6 9 6 3

浙江 0.6 0.6 0.8 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8 1.0 1.1 1.0 0.8 1 0 1

安徽 0.9 0.7 1.1 1.1 0.8 0.5 0.7 1.3 2.2 2.1 1.5 1.2 7 2 5

福建 1.0 0.9 1.3 1.3 1.1 1.3 1.3 1.4 1.5 1.6 1.5 1.3 10 4 6

江西 0.4 0.5 0.4 0.5 0.6 0.4 0.4 0.3 0.8 3.7 0.6 0.6 1 0 1

山東 0.8 0.8 0.9 1.0 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.9 1.0 0.8 1 0 1

河南 1.2 0.8 0.7 0.8 0.8 1.2 2.1 2.4 1.6 1.8 2.1 1.9 8 2 6

湖北 1.7 1.9 2.1 1.8 1.2 0.9 1.1 1.3 1.1 1.2 1.0 1.3 10 5 5

湖南 0.3 0.7 0.2 0.3 1.6 0.2 0.2 0.4 0.3 0.8 1.3 0.5 2 1 1

広東 0.8 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.7 0.9 1.1 0.9 1.0 1.2 3 0 3

広西チワン 0.6 1.1 0.9 1.2 0.8 0.7 0.6 0.8 0.5 0.5 0.4 0.5 2 2 0

海南 0.4 0.7 1.1 1.9 1.1 1.7 1.7 0.8 1.0 1.5 0.5 2.2 7 4 3

重慶 1.4 1.0 0.9 1.3 0.8 0.7 0.5 0.6 0.6 0.8 0.8 1.1 3 2 1

四川 0.5 0.2 0.6 0.7 0.6 0.4 0.7 0.7 1.1 0.6 1.0 3.1 3 0 3

貴州 1.7 1.1 0.7 0.4 0.2 0.3 0.2 0.5 0.4 1.8 0.4 0.5 3 2 1

雲南 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.7 0.3 0.2 0.3 0.4 0.4 0.1 0.2 0.5 0.4 0.3 0.3 0 0 0

甘粛 0.2 0.7 0.6 0.1 0.0 0.0 0.0 1.0 0.1 0.8 0.0 0.0 1 0 1

青海 0.0 0.0 0.6 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.2 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料11 中国各省の対マレーシア輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 171: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

148

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.5 0.7 0.4 1.4 1.1 0.9 1.1 0.7 0.4 0.6 0.6 0.5 3 2 1

天津 0.9 1.1 1.0 0.8 1.0 1.2 1.3 1.1 1.3 1.2 1.3 1.4 8 2 6

河北 9.1 6.4 5.5 5.9 5.2 4.1 2.5 2.1 0.6 1.4 1.4 1.6 11 6 5

山西 1.9 1.4 0.3 0.1 0.2 0.9 2.8 0.6 0.6 0.0 0.0 0.0 3 2 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0 0 0

遼寧 0.8 1.0 1.3 1.4 1.4 1.7 1.4 1.3 1.0 1.0 1.3 0.9 10 5 5

吉林 1.6 1.6 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.3 0.4 0.3 0.3 2 2 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0 0 0

上海 1.1 1.2 1.4 1.4 1.3 1.2 1.2 1.1 0.9 0.9 0.8 0.7 8 6 2

江蘇 0.8 0.5 1.0 0.8 0.9 0.9 0.8 0.8 0.6 0.6 0.6 0.7 0 0 0

浙江 0.9 1.1 1.5 1.0 1.0 0.9 1.0 0.9 1.1 0.8 1.1 1.1 7 4 3

安徽 0.6 0.1 0.1 0.3 0.3 0.4 0.5 0.4 1.0 0.8 1.0 2.0 1 0 1

福建 2.3 2.5 1.5 1.6 2.1 2.3 2.4 2.4 3.4 3.6 4.1 5.2 12 6 6

江西 0.2 0.3 0.9 0.2 0.3 1.0 0.7 2.0 1.5 1.3 0.8 1.0 4 1 3

山東 1.1 1.2 1.1 1.0 1.0 1.1 1.0 1.0 1.0 0.9 0.8 0.9 8 5 3

河南 2.2 0.7 1.6 0.7 0.7 2.0 2.5 1.7 1.9 3.0 3.3 2.1 9 3 6

湖北 0.7 1.6 1.2 1.0 1.1 1.4 1.2 1.0 1.1 1.0 0.7 0.9 8 5 3

湖南 0.1 0.3 0.6 0.4 0.4 0.6 0.4 0.3 0.5 0.5 1.1 0.8 1 0 1

広東 0.7 0.6 0.5 0.5 0.5 0.6 0.6 0.7 0.8 0.9 0.9 0.8 0 0 0

広西チワン 1.6 3.2 4.0 3.7 3.3 1.6 1.6 1.5 0.8 0.5 0.7 0.6 8 6 2

海南 1.1 0.0 0.8 3.0 2.0 1.8 1.1 2.2 4.3 1.3 1.3 1.0 10 4 6

重慶 4.6 4.8 3.7 3.2 2.6 1.9 2.0 2.3 2.5 2.2 1.5 1.2 12 6 6

四川 0.5 0.3 0.2 0.7 0.6 0.3 0.4 0.8 0.7 1.8 0.5 0.5 1 0 1

貴州 5.4 6.4 4.0 1.5 0.8 2.8 1.0 2.1 2.5 5.2 1.7 3.1 10 5 5

雲南 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.2 0.4 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 5.4 0.5 0.2 0.2 0.1 1 0 1

甘粛 0.2 0.3 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 25.5 0.0 0.1 0.0 0.0 1 0 1

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 1.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料12 中国各省の対フィリピン輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 172: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

149

2001~12

2001~06

2007~12

北京 1.4 1.9 2.7 5.4 3.5 4.3 3.9 2.9 1.8 1.2 1.1 1.1 12 6 6

天津 0.8 0.8 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.7 0.6 0.7 0.8 0.8 0 0 0

河北 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.2 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 1.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.3 0.1 0.0 0.0 0.7 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.9 2.0 2.0 1.4 1.8 1.7 2.8 2.7 3.4 2.9 2.0 2.2 12 6 6

吉林 0.0 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.0 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.0 1.1 1.2 1.2 9 5 4

江蘇 1.8 1.5 0.9 0.9 1.2 1.4 1.0 1.2 1.2 1.3 1.6 1.4 10 4 6

浙江 0.5 0.5 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.5 0.5 0.7 0 0 0

安徽 0.3 0.2 0.4 0.3 0.2 0.3 0.1 0.6 1.1 0.5 0.8 1.0 1 0 1

福建 1.1 1.2 1.0 0.8 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 0.7 0.8 0.7 3 3 0

江西 0.5 0.3 0.8 0.7 1.1 0.7 0.3 1.2 0.6 1.4 2.4 0.7 4 1 3

山東 0.5 0.6 0.7 0.7 0.6 0.5 0.4 0.6 0.5 0.7 0.8 0.7 0 0 0

河南 0.3 0.4 0.4 0.3 1.8 4.3 2.1 1.3 1.9 1.6 0.3 0.4 6 2 4

湖北 0.9 0.8 0.8 0.7 0.7 1.0 1.1 1.1 0.8 1.1 1.3 1.2 6 1 5

湖南 0.5 0.4 0.4 0.4 1.1 0.9 0.4 0.5 0.6 0.7 0.7 0.6 1 1 0

広東 1.0 1.0 0.9 0.9 1.0 0.8 1.0 1.0 1.2 0.9 0.9 0.9 2 0 2

広西チワン 0.2 0.3 0.3 0.3 0.4 0.6 0.4 0.4 0.1 0.2 0.3 0.2 0 0 0

海南 0.2 0.3 0.4 0.4 0.5 0.9 7.7 3.7 3.3 9.0 1.0 3.9 6 0 6

重慶 0.4 0.3 0.4 0.4 0.8 0.6 0.3 0.5 0.3 0.4 1.2 0.9 1 0 1

四川 5.5 5.8 8.2 7.8 1.2 0.6 0.6 0.8 0.2 0.8 0.4 0.7 5 5 0

貴州 0.6 0.8 0.8 0.2 0.1 0.6 0.1 0.2 0.7 1.2 0.8 0.8 1 0 1

雲南 0.6 0.9 0.5 0.4 1.8 5.6 4.0 1.8 0.2 0.8 0.2 0.1 4 2 2

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 2.4 2.7 5.3 6.2 4.5 2.8 1.7 2.5 1.7 4.6 5.0 3.4 12 6 6

甘粛 0.2 0.3 0.3 0.0 11.1 0.0 0.0 2.2 0.4 0.2 0.0 0.0 2 1 1

青海 23.4 5.7 0.0 0.0 1.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.4 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料13 中国各省の対シンガポール輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 173: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

150

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.6 0.6 0.6 0.7 0.6 0.6 0.8 0.9 0.7 0.8 1.1 1.1 2 0 2

天津 1.2 1.1 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 1.0 1.0 1.1 1.2 1.1 12 6 6

河北 1.1 1.1 1.3 1.7 1.5 1.6 1.5 1.6 1.8 1.4 1.3 1.3 12 6 6

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.6 0.7 0.7 0.6 1.5 1 0 1

内モンゴル 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.1 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 2.3 2.4 2.3 2.3 2.3 2.5 2.7 2.6 2.7 2.8 2.6 2.6 12 6 6

吉林 1.5 0.9 0.6 0.3 0.2 0.4 0.7 0.7 0.5 0.3 0.3 0.2 1 1 0

黒竜江省 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.3 1.3 1.3 1.3 1.3 1.3 1.3 1.3 1.4 1.4 1.4 1.5 12 6 6

江蘇 1.4 1.1 1.1 1.0 0.9 0.9 0.8 0.7 0.8 0.9 0.9 0.9 3 3 0

浙江 0.8 0.7 0.6 0.6 0.7 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0 0 0

安徽 0.8 1.0 2.0 2.7 2.8 1.5 1.4 1.9 1.5 1.5 1.5 1.3 11 5 6

福建 1.1 1.4 1.5 1.5 1.5 1.6 1.6 1.5 1.2 1.1 1.1 1.0 12 6 6

江西 1.5 2.5 2.2 2.3 2.0 1.6 1.2 0.6 0.9 0.7 0.9 0.8 7 6 1

山東 1.7 1.7 1.7 1.6 1.6 1.6 1.6 1.6 1.7 1.6 1.7 1.8 12 6 6

河南 0.8 1.1 1.1 1.4 1.1 1.0 1.3 1.5 0.6 0.5 0.7 0.5 7 5 2

湖北 0.8 0.7 0.7 0.9 0.8 0.5 0.5 0.5 0.7 0.5 0.5 0.6 0 0 0

湖南 1.0 1.1 1.1 1.4 1.7 1.6 1.4 0.8 1.1 1.1 1.3 1.0 11 6 5

広東 0.5 0.5 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0 0 0

広西チワン 0.4 0.4 0.6 0.6 0.6 0.6 0.4 0.5 0.2 0.3 0.3 0.2 0 0 0

海南 0.9 1.0 1.2 1.2 1.3 1.3 1.1 1.1 0.9 0.7 0.9 0.8 7 5 2

重慶 0.6 0.4 0.5 0.6 0.7 0.6 0.7 0.7 0.6 0.7 0.4 0.3 0 0 0

四川 0.5 0.2 0.3 0.9 1.0 0.6 0.4 0.5 0.4 0.8 0.8 0.7 0 0 0

貴州 0.2 0.2 0.1 1.3 3.8 1.8 0.0 0.1 0.2 0.3 0.1 0.4 3 3 0

雲南 0.2 0.2 0.3 0.5 0.7 0.6 0.6 0.4 0.2 0.2 0.1 0.1 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.4 0.3 0.3 0.4 0.9 0.8 1.1 1.2 1.2 1.2 0.7 1.2 5 0 5

甘粛 0.1 0.3 0.3 0.4 0.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.5 0.2 0 0 0

青海 0.2 0.0 0.8 1.9 3.3 4.5 0.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

寧夏 0.0 0.1 1.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9 2.0 9.4 6.2 6.9 5 1 4

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料14 中国各省の対日本輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 174: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

151

2001~12

2001~06

2007~12

北京 1.6 1.0 0.6 0.6 0.4 0.4 0.6 0.8 0.8 1.0 1.2 0.6 3 2 1

天津 2.3 2.4 2.5 2.1 2.2 2.3 2.1 1.8 2.2 2.2 2.0 1.9 12 6 6

河北 6.0 6.9 5.2 5.3 5.8 5.7 6.6 7.3 6.2 4.8 4.7 5.0 12 6 6

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.4 0.3 0.0 0.0 0.0 7.3 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 2.6 2.9 3.0 2.8 3.2 2.8 3.2 2.7 2.5 2.3 2.4 2.6 12 6 6

吉林 4.2 5.4 5.7 3.9 2.6 3.4 2.4 1.4 1.9 2.0 1.3 0.7 11 6 5

黒竜江省 0.4 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.7 0.8 0.8 0.8 0.8 0 0 0

江蘇 1.3 1.2 1.1 1.1 1.1 1.2 1.3 1.7 1.3 1.4 1.6 1.4 12 6 6

浙江 1.0 1.0 0.7 0.6 0.5 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0 0 0

安徽 2.8 3.6 2.8 2.2 2.4 4.0 0.9 0.9 1.0 1.2 1.2 1.0 8 6 2

福建 0.3 0.3 0.4 0.3 0.4 0.5 0.6 0.5 0.6 0.7 0.7 0.7 0 0 0

江西 0.5 0.3 0.6 0.5 0.6 0.4 1.0 2.2 2.3 2.0 1.5 1.4 5 0 5

山東 3.0 3.3 3.4 3.4 3.2 3.4 3.2 2.9 3.3 3.3 3.0 2.8 12 6 6

河南 0.8 0.7 1.0 1.1 1.1 0.3 0.9 1.5 0.7 1.0 1.1 0.4 4 2 2

湖北 1.0 1.0 1.0 2.9 4.3 2.8 2.2 2.8 1.2 1.2 0.8 0.6 8 4 4

湖南 2.9 2.3 2.0 1.6 1.5 1.2 1.1 2.0 3.0 3.0 3.4 2.7 12 6 6

広東 0.3 0.3 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.4 0.5 0.5 0.5 0.7 0 0 0

広西チワン 0.4 0.4 0.5 0.8 1.0 0.9 0.8 0.6 0.4 0.4 0.4 0.3 0 0 0

海南 1.3 1.4 1.4 1.4 1.5 1.0 0.7 0.9 0.6 0.7 0.4 0.5 6 6 0

重慶 1.0 0.7 0.6 0.6 0.6 0.4 0.4 0.3 0.4 0.4 0.3 0.3 1 1 0

四川 0.5 0.1 0.1 0.5 1.5 1.3 0.3 0.2 0.2 0.4 0.1 0.2 2 2 0

貴州 0.0 0.3 0.2 0.1 0.2 0.6 0.9 0.3 0.3 0.4 0.5 1.0 1 0 1

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.2 0.2 0.3 0.2 0.4 0.8 1.9 0.9 0.8 0.4 0.9 0.6 1 0 1

甘粛 1.9 2.7 0.4 0.5 12.0 15.8 4.0 4.8 0.1 0.1 0.0 0.0 6 4 2

青海 3.5 10.0 13.7 5.6 2.9 7.6 7.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 7 6 1

寧夏 0.0 0.2 8.3 4.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.1 2 2 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料15 中国各省の対韓国輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 175: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

152

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.4 0.8 0.9 0.5 0.4 0.6 1.0 1.6 1.6 1.8 1.5 1.8 6 0 6

天津 0.8 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 1.0 1.0 1.0 1.1 0.9 1.0 1 0 1

河北 11.2 9.3 9.0 8.5 7.3 7.7 5.1 5.3 3.2 2.3 1.3 1.1 12 6 6

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.5 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 5.3 2 1 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.3 0.7 0.4 0.1 0 0 0

遼寧 0.5 0.5 0.4 1.0 0.9 1.0 0.9 0.8 0.6 0.6 0.7 0.5 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.3 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.0 1.1 1.2 1.3 1.3 1.4 1.5 1.3 1.5 1.4 1.4 1.4 12 6 6

江蘇 1.0 1.7 1.8 1.8 2.0 1.6 1.4 1.4 1.3 1.3 1.2 2.1 12 6 6

浙江 0.6 0.5 0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.5 0 0 0

安徽 5.6 4.7 3.7 2.4 0.8 5.9 0.6 0.5 1.2 1.3 1.0 0.7 7 5 2

福建 1.4 1.2 1.2 1.0 1.1 1.1 1.2 1.3 1.8 1.8 2.1 2.1 12 6 6

江西 1.3 1.2 1.4 0.9 1.2 1.2 4.5 7.2 10.0 4.1 2.1 1.5 11 5 6

山東 0.4 0.6 0.6 0.7 0.6 0.6 0.5 0.6 0.5 0.6 0.7 0.7 0 0 0

河南 4.0 2.9 2.8 3.1 2.2 1.7 2.4 1.8 1.6 2.0 2.4 1.6 12 6 6

湖北 3.6 1.8 3.9 2.8 1.8 1.0 0.8 0.8 1.2 1.2 0.9 1.3 8 5 3

湖南 0.5 0.6 0.5 0.7 1.2 0.9 1.2 1.4 1.3 1.6 1.1 1.4 7 1 6

広東 1.0 0.9 0.8 0.6 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0 0 0

広西チワン 2.3 1.2 1.4 2.4 1.4 1.8 1.0 0.8 0.4 0.4 0.3 0.3 6 6 0

海南 1.2 1.6 2.1 1.3 0.6 0.7 0.8 0.5 0.5 1.3 0.4 0.4 5 4 1

重慶 0.3 0.2 0.3 0.3 0.6 0.8 1.0 0.9 0.9 0.6 0.6 0.7 0 0 0

四川 0.7 0.4 1.3 1.4 2.1 2.1 1.4 2.2 1.2 1.6 0.7 0.4 8 4 4

貴州 2.5 0.3 0.1 0.0 0.2 1.6 15.1 24.0 2.7 1.9 0.2 0.5 6 2 4

雲南 0.4 0.3 0.3 0.3 0.5 0.4 0.3 0.2 0.6 0.5 0.3 0.2 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.8 0.8 0.7 0.5 0.9 0.9 0.2 0.3 0.6 0.8 2.0 3.7 2 0 2

甘粛 1.4 0.7 0.8 0.5 0.0 0.0 19.9 5.6 0.0 0.0 0.0 0.0 3 1 2

青海 0.0 0.0 3.4 5.7 1.9 5.3 26.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5 4 1

寧夏 3.3 0.0 3.1 0.0 0.0 11.5 0.0 8.4 0.0 0.0 0.0 0.0 4 3 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料16 中国各省の対台湾輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 176: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

153

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0.3 0 0 0

天津 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

河北 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.3 0.1 0 0 0

山西 0.1 0.0 0.0 0.0 0.2 0.7 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

遼寧 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.4 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0 0 0

江蘇 0.4 0.5 0.6 0.7 0.6 0.6 0.5 0.6 0.6 0.6 0.7 1.0 1 0 1

浙江 0.4 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

安徽 0.6 0.5 0.5 0.6 1.0 0.4 0.5 0.4 0.8 0.5 0.3 0.2 0 0 0

福建 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 0 0 0

江西 0.5 0.7 0.7 1.2 1.4 1.5 1.0 0.6 0.9 1.0 1.5 1.8 7 3 4

山東 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

河南 0.9 0.7 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4 0 0 0

湖北 1.2 1.1 1.0 0.7 0.4 0.3 0.3 0.4 0.4 0.2 0.1 0.2 2 2 0

湖南 1.1 1.2 1.1 0.8 0.7 0.8 0.8 0.2 0.6 1.0 0.7 1.3 4 3 1

広東 2.0 2.0 2.1 2.2 2.2 2.3 2.4 2.5 2.4 2.4 2.4 2.2 12 6 6

広西チワン 0.4 0.6 0.4 0.3 0.3 0.4 0.2 0.3 0.3 0.4 0.3 0.2 0 0 0

海南 3.1 3.1 2.6 2.4 2.6 1.9 1.7 2.7 2.2 2.0 2.4 2.1 12 6 6

重慶 0.4 0.2 0.3 0.4 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.2 0 0 0

四川 1.1 0.5 0.6 0.6 1.2 2.4 3.7 3.9 4.5 3.6 1.1 0.5 8 3 5

貴州 1.1 1.5 2.6 3.3 1.8 1.0 0.7 0.9 1.4 1.9 1.2 0.9 9 6 3

雲南 0.8 0.5 0.2 0.4 0.4 0.5 0.7 0.6 0.7 0.2 0.4 0.3 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 1.3 1.3 1.1 1.1 0.8 0.3 0.2 0.2 0.5 0.7 0.8 1.1 5 4 1

甘粛 0.2 2.2 4.0 3.8 0.9 1.4 1.7 1.7 3.3 1.1 0.0 0.0 8 4 4

青海 0.0 1.6 0.6 0.9 0.9 0.3 0.0 0.1 0.0 7.1 0.0 0.0 2 1 1

寧夏 0.2 5.4 0.7 0.3 0.2 2.7 0.0 0.2 2.6 0.9 0.5 0.0 3 2 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料17 中国各省の対香港輸出結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 177: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

154

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.5 0.5 0.6 0.9 1.0 0.9 0.9 0.7 0.8 0.9 0.7 0.7 0 0 0

天津 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.5 0.6 0.5 0.5 0.6 0 0 0

河北 0.4 0.6 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0 0 0

山西 0.6 0.5 0.4 0.2 0.1 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0.3 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.6 0.5 0.6 0.7 0.4 0.3 0.5 0.4 0.6 0.5 0.4 0.5 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.5 0.1 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 0.9 1.0 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 0.9 1.0 1.1 1.3 8 3 5

江蘇 1.0 1.0 1.0 1.1 1.2 1.4 1.4 1.4 1.4 1.5 1.4 1.3 11 5 6

浙江 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.6 0.5 0.6 0 0 0

安徽 1.2 0.9 0.5 0.6 0.5 0.5 0.6 0.6 0.5 0.4 0.6 0.6 1 1 0

福建 1.1 1.3 1.2 1.2 1.0 1.1 1.0 1.3 1.2 1.2 1.3 1.3 12 6 6

江西 0.2 0.2 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.5 0.4 0.4 0.5 0.5 0 0 0

山東 0.5 0.7 0.7 0.6 0.6 0.7 0.9 1.1 0.9 1.0 1.1 1.1 4 0 4

河南 1.9 1.7 1.3 0.7 0.7 0.4 0.7 0.7 0.8 0.6 0.7 0.5 3 3 0

湖北 0.2 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.3 0.5 0.4 0.6 0.5 0.7 0 0 0

湖南 0.2 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0 0 0

広東 1.4 1.3 1.3 1.3 1.2 1.2 1.2 1.3 1.3 1.3 1.3 1.2 12 6 6

広西チワン 2.6 2.0 2.0 1.6 1.5 2.0 1.9 1.9 1.9 2.0 1.9 1.3 12 6 6

海南 1.3 0.8 1.0 0.8 1.5 0.9 0.5 0.9 0.6 0.8 0.9 1.1 4 3 1

重慶 0.1 0.1 0.2 0.1 0.2 0.2 0.3 2.2 0.4 0.6 2.2 3.3 3 0 3

四川 0.4 0.7 0.8 0.7 0.4 0.4 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 1.0 1 0 1

貴州 0.6 0.7 1.2 2.1 2.4 3.1 3.0 3.0 3.5 4.5 3.0 3.0 10 4 6

雲南 2.5 2.8 3.4 3.7 2.8 3.4 3.5 5.1 4.2 4.8 5.1 5.3 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.9 0.6 1.6 0.9 1.1 2 0 2

甘粛 0.0 0.1 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.3 0.3 0.6 0.3 0.2 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.2 1 0 1

寧夏 0.5 1.1 1.1 0.5 0.5 1.3 1.4 1.5 1.0 0.7 1.5 0.4 6 3 3

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料18  中国各省の対ASEAN輸入結合度

0~2年 3~4年 5~6年

2001~2006年

結合度が1を超えた年数

2007~2012年

Page 178: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

155

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.4 0.4 0.5 0.4 0.4 0 0 0

天津 0.6 0.5 0.4 0.7 0.5 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.4 0.3 0 0 0

河北 0.3 0.2 0.1 0.3 0.1 0.1 0.2 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 1.5 1.9 1.1 0.3 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.6 3 3 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.7 0.6 0.8 1.1 0.6 0.5 0.9 0.4 0.4 0.5 0.4 0.4 1 1 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.2 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 1.0 1.0 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.1 7 3 4

江蘇 0.5 0.6 0.7 0.6 0.8 1.2 1.2 1.2 1.3 1.4 1.2 1.2 7 1 6

浙江 0.8 1.1 1.0 0.9 0.9 0.8 0.7 0.6 0.6 0.5 0.6 0.7 2 2 0

安徽 0.7 0.6 0.2 0.1 0.4 0.5 0.4 0.8 0.2 0.4 0.8 0.7 0 0 0

福建 1.0 1.3 1.0 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.1 1.0 1.1 1.0 7 3 4

江西 0.3 0.3 0.8 0.4 0.1 0.0 0.1 0.2 0.2 0.4 0.2 0.1 0 0 0

山東 1.0 1.0 1.2 0.9 0.7 0.8 0.9 1.3 1.0 1.1 1.3 1.2 5 1 4

河南 3.6 3.1 1.7 1.1 1.2 0.8 0.5 0.2 0.8 0.3 0.2 0.5 5 5 0

湖北 0.1 0.1 0.0 0.2 0.2 0.3 0.1 0.4 0.3 0.4 0.4 1.0 1 0 1

湖南 0.2 0.4 0.4 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

広東 1.3 1.2 1.2 1.3 1.3 1.2 1.2 1.5 1.4 1.4 1.5 1.4 12 6 6

広西チワン 7.4 5.6 5.8 4.6 5.0 6.3 5.3 4.0 4.0 4.6 4.0 2.3 12 6 6

海南 2.7 2.0 2.2 1.9 4.1 2.4 1.2 1.6 1.3 2.0 1.6 1.6 12 6 6

重慶 0.1 0.2 0.4 0.2 0.2 0.6 0.5 1.6 0.2 0.5 1.6 2.0 3 0 3

四川 0.1 0.6 1.4 0.7 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.3 1 1 0

貴州 1.5 2.6 3.9 4.8 5.0 8.6 9.2 9.9 11.1 15.9 9.9 9.4 12 6 6

雲南 9.7 12.2 15.5 15.5 11.0 12.9 14.4 18.1 13.6 17.3 18.1 16.5 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.4 0.7 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.8 2.2 1.2 0.0 0.2 0.4 1.5 0.2 0.5 0.4 0.2 0.1 3 2 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料19 中国各省の対大陸ASEAN輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 179: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

156

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.1 0.3 0.3 0.4 0.3 0.3 0.4 0.4 0.3 0.5 0.4 0.5 0 0 0

天津 0.5 0.5 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.4 0.4 0 0 0

河北 0.3 0.2 0.1 0.3 0.1 0.1 0.2 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 1.8 2.3 1.3 0.3 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3 3 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

遼寧 0.6 0.5 0.6 0.6 0.3 0.5 0.8 0.4 0.3 0.5 0.4 0.4 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.2 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 1.1 1.1 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.1 1.0 1.1 1.0 11 5 6

江蘇 0.6 0.7 0.7 0.6 0.9 1.4 1.4 1.4 1.5 1.6 1.4 1.5 7 1 6

浙江 0.3 0.5 0.7 0.6 0.6 0.8 0.8 0.6 0.6 0.5 0.6 0.7 0 0 0

安徽 0.8 0.4 0.2 0.2 0.5 0.5 0.5 0.2 0.1 0.1 0.2 0.5 0 0 0

福建 1.0 1.2 1.0 0.9 0.8 1.0 1.0 1.0 1.1 1.0 1.0 7 3 4

江西 0.3 0.4 0.9 0.4 0.1 0.0 0.1 0.3 0.1 0.3 0.3 0.1 0 0 0

山東 1.0 0.9 1.2 0.9 0.7 0.8 0.9 1.5 1.1 1.2 1.5 1.5 6 1 5

河南 0.8 0.5 0.4 0.6 0.6 0.6 0.4 0.2 0.5 0.1 0.2 0.5 0 0 0

湖北 0.1 0.1 0.0 0.3 0.2 0.3 0.2 0.5 0.4 0.5 0.5 0.6 0 0 0

湖南 0.2 0.5 0.5 0.3 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

広東 1.6 1.4 1.4 1.5 1.5 1.3 1.3 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 12 6 6

広西チワン 2.2 0.7 0.8 0.4 0.3 0.5 0.2 0.3 0.3 1.0 0.3 0.2 1 1 0

海南 1.4 1.4 1.3 0.9 1.0 0.4 0.1 0.3 0.2 0.3 0.3 0.6 3 3 0

重慶 0.1 0.3 0.5 0.2 0.3 0.6 0.5 1.4 0.2 0.5 1.4 2.3 3 0 3

四川 0.1 0.7 1.6 0.9 0.3 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.2 1 1 0

貴州 1.9 3.2 4.6 6.0 6.0 9.9 10.8 13.3 13.7 20.0 13.3 14.0 12 6 6

雲南 0.4 0.6 0.9 0.7 0.7 0.7 1.5 1.5 0.4 0.4 1.5 2.8 4 0 4

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.3 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 1.1 1.9 1.2 0.0 0.3 0.5 1.7 0.3 0.6 0.6 0.3 0.2 4 3 1

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料20 中国各省の対タイ輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 180: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

157

2001~12

2001~06

2006~12

北京 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.3 0.6 0.4 0.3 0.2 0 0 0

天津 0.1 0.0 0.0 0.5 0.2 0.8 0.3 0.3 0.6 0.5 0.3 0.5 0 0 0

河北 0.0 0.0 0.0 2.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.3 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 0.8 1.3 0.6 0.7 0.4 0.8 2.4 1.6 1.6 2.4 3.0 7 2 5

江蘇 0.8 0.4 0.3 0.1 0.3 0.3 0.1 0.0 0.4 0.2 0.0 0.3 0 0 0

浙江 0.4 0.2 0.5 1.7 1.4 1.2 1.5 3.2 2.9 5.4 3.2 1.9 9 3 6

安徽 3.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 1 0

福建 2.1 2.6 3.1 1.4 1.4 4.7 3.3 0.1 1.6 0.5 0.1 0.2 8 6 2

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山東 0.3 1.6 4.2 5.6 4.5 3.7 1.8 0.9 0.3 0.6 0.9 0.8 6 5 1

河南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖北 0.0 0.0 0.0 0.3 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

広東 1.6 1.7 0.7 0.9 1.0 1.1 0.7 0.6 0.3 0.4 0.6 0.8 4 4 0

広西チワン 1.1 1.1 0.9 0.1 3.4 2.6 38.2 0.1 7.1 1.6 0.1 0.1 7 4 3

海南 0.0 0.0 20.7 10.6 21.2 5.9 1.4 10.7 21.7 10.7 10.7 3.7 10 4 6

重慶 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

四川 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 13.0 0.0 0.0 1.3 2 0 2

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料21 中国各省の対カンボジア輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 181: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

158

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

天津 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 2.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 1 0 1

河北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 9.8 0.0 0.0 0.0 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9 0.4 0.0 0.9 0.0 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.6 0.6 0.7 0.4 0.3 1.0 0.7 0.9 0.5 0.7 0.9 1.4 1 0 1

江蘇 0.0 0.5 0.1 0.1 0.1 0.3 0.1 0.0 1.0 1.0 0.0 0.0 1 0 1

浙江 1.3 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 1 1 0

安徽 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 42.3 7.6 23.5 42.3 24.2 5 0 5

福建 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 1.2 4.3 2.1 1.2 2.6 5 0 5

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 10.6 12.5 0.4 0.1 2 0 2

山東 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.3 1.8 1.1 1.3 1.5 5 0 5

河南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

広東 0.7 0.7 0.7 1.1 1.3 0.1 0.2 0.6 0.2 0.2 0.6 0.4 2 2 0

広西チワン 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 1.6 3.4 8.6 5.8 0.2 8.6 8.1 6 1 5

海南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.1 0.0 0.0 0.0 1 0 1

重慶 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

四川 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 255.4 334.2 528.6 536.9 313.0 542.7 434.6 161.0 126.3 150.7 161.0 185.5 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 39.8 50.7 0.0 0.0 2 0 2

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料22 中国各省の対ラオス輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 182: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

159

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

天津 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.4 0.1 0.1 0.6 0.4 0.1 0.1 0 0 0

河北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.5 0.2 0.0 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.6 0.5 0.4 0.2 0.1 0.3 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.3 0 0 0

江蘇 0.2 0.3 0.1 0.4 0.4 0.2 0.6 0.2 0.2 0.2 0.2 0.3 0 0 0

浙江 0.1 0.0 0.1 0.0 0.3 0.2 0.3 0.1 0.4 0.0 0.1 0.1 0 0 0

安徽 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

福建 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0 0 0

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山東 0.3 0.2 0.4 0.6 0.1 0.3 0.3 0.3 0.1 0.3 0.3 0.2 0 0 0

河南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

湖北 0.2 0.0 0.5 0.0 0.1 0.0 0.3 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0 0 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0 0 0

広東 0.3 0.2 0.2 0.2 0.3 0.5 0.7 2.1 0.6 0.8 2.1 1.2 3 0 3

広西チワン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.0 1.1 1.6 0.0 1.4 1.6 0.8 5 1 4

海南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.2 0.0 0.3 0.0 0.0 0.3 1.1 1 0 1

重慶 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

四川 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 329.8 443.5 723.7 758.2 493.7 510.2 462.9 365.6 445.7 535.5 365.6 474.8 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料23 中国各省の対ミャンマー輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 183: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

160

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.5 0.9 1.1 0.5 0.3 1 0 1

天津 1.2 0.4 0.3 1.6 1.2 0.6 0.4 0.3 0.4 0.3 0.3 0.2 3 3 0

河北 0.2 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 2.2 1 0 1

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.3 1.2 2.0 3.8 1.9 0.6 1.3 0.3 1.1 0.7 0.3 0.4 7 5 2

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.8 0.5 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.9 0.6 0.9 0.9 1.5 1 0 1

江蘇 0.1 0.2 0.5 0.3 0.2 0.3 0.4 0.8 0.4 0.4 0.8 0.6 0 0 0

浙江 3.4 3.9 3.5 2.7 2.9 0.9 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.7 5 5 0

安徽 0.0 2.1 0.3 0.0 0.1 0.3 0.3 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 1 1 0

福建 1.0 2.0 1.1 2.1 2.1 0.7 1.1 1.3 1.0 0.6 1.3 1.0 8 4 4

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

山東 0.9 1.3 1.3 0.9 0.9 0.8 0.7 0.9 0.7 0.9 0.9 0.8 2 2 0

河南 17.6 16.6 10.1 3.7 5.0 2.3 1.3 0.5 2.5 1.0 0.5 0.5 9 6 3

湖北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 2.1 1 0 1

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

広東 0.2 0.3 0.3 0.3 0.5 0.8 0.8 1.2 1.1 1.1 1.2 1.3 5 0 5

広西チワン 33.2 31.1 37.2 24.6 31.3 48.7 41.2 16.8 24.0 22.4 16.8 7.3 12 6 6

海南 8.9 5.1 8.1 6.6 21.3 17.1 9.6 6.3 7.3 10.4 6.3 4.2 12 6 6

重慶 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.6 0.3 0.7 2.6 1.6 3 0 3

四川 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 8.9 15.4 18.1 20.0 12.6 40.0 43.2 14.3 16.0 15.7 14.3 4.4 12 6 6

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 4.3 1.6 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2 2 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料24 中国各省の対ベトナム輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 184: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

161

2001~12

2001~06

2006~12

北京 0.7 0.6 0.7 1.1 1.2 1.1 1.1 0.8 1.0 1.0 0.8 0.8 4 3 1

天津 0.9 0.8 0.8 0.7 0.8 0.8 0.7 0.6 0.7 0.5 0.6 0.7 0 0 0

河北 0.5 0.7 0.7 0.5 0.6 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 0 0 0

山西 0.4 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.5 0.5 0.6 0.6 0.3 0.3 0.4 0.4 0.6 0.4 0.4 0.5 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.6 0.1 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 0.9 1.0 1.1 1.2 1.2 1.2 1.2 0.9 1.1 1.2 1.3 8 3 5

江蘇 1.2 1.2 1.1 1.2 1.3 1.4 1.4 1.5 1.5 1.5 1.5 1.4 12 6 6

浙江 0.7 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.6 0.5 0.6 0 0 0

安徽 1.4 1.0 0.6 0.8 0.6 0.5 0.7 0.6 0.6 0.4 0.6 0.5 1 1 0

福建 1.2 1.3 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.4 1.2 1.2 1.4 1.5 12 6 6

江西 0.2 0.2 0.1 0.2 0.2 0.3 0.3 0.7 0.5 0.5 0.7 0.6 0 0 0

山東 0.4 0.6 0.6 0.6 0.6 0.7 0.8 1.1 0.9 1.0 1.1 1.0 3 0 3

河南 1.3 1.3 1.1 0.6 0.6 0.3 0.7 0.9 0.8 0.7 0.9 0.5 3 3 0

湖北 0.2 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.3 0.6 0.4 0.6 0.6 0.6 0 0 0

湖南 0.2 0.3 0.2 0.2 0.3 0.3 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0 0 0

広東 1.4 1.3 1.3 1.3 1.2 1.2 1.2 1.2 1.3 1.3 1.2 1.2 12 6 6

広西チワン 1.0 1.0 0.9 0.8 0.5 0.8 0.9 1.1 1.0 1.1 1.1 0.8 5 1 4

海南 0.8 0.5 0.7 0.5 0.7 0.5 0.3 0.6 0.4 0.4 0.6 0.9 0 0 0

重慶 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 2.4 0.5 0.7 2.4 3.8 3 0 3

四川 0.6 0.7 0.7 0.7 0.4 0.5 0.8 0.7 0.6 0.6 0.7 1.3 1 0 1

貴州 0.3 0.1 0.4 1.3 1.7 1.5 1.0 0.4 0.4 0.2 0.4 0.4 4 3 1

雲南 0.1 0.1 0.0 0.3 0.5 0.5 0.0 0.2 0.4 0.2 0.2 0.6 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 1.2 0.8 2.1 1.2 1.6 4 0 4

甘粛 0.0 0.1 0.0 0.1 0.4 0.0 0.0 0.5 0.2 0.5 0.5 0.2 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.1 1 0 1

寧夏 0.4 0.8 1.0 0.7 0.6 1.6 1.3 2.0 1.2 0.8 2.0 0.5 6 2 4

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 201120052001 2002 2003 2004

添付資料25 中国各省の対海域ASEAN輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 185: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

162

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

天津 2.9 1.3 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 1.2 0.0 0.0 3 2 1

河北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.0 3.5 2.5 6.3 3.8 0.0 5.3 0.0 17.6 10.1 0.0 14.1 8 4 4

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

江蘇 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.2 0.3 0.2 0 0 0

浙江 6.6 1.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.8 2.9 0.0 0.0 4 2 2

安徽 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

福建 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.5 0.2 0.3 0.5 0.5 0 0 0

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山東 4.5 9.3 13.8 12.0 12.8 14.4 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 0.0 6 6 0

河南 0.0 2.5 0.0 0.0 0.0 0.0 43.5 57.9 0.0 11.8 57.9 25.6 6 1 5

湖北 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

広東 0.3 0.4 0.3 0.0 0.0 0.0 0.6 0.1 0.6 0.1 0.1 0.1 0 0 0

広西チワン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

海南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 14.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1 0 1

重慶 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

四川 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

貴州 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料26 中国各省の対ブルネイ輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 186: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

163

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

天津 0.9 0.8 0.9 0.9 1.0 1.0 1.2 1.0 0.9 0.8 1.0 0.9 3 0 3

河北 0.2 1.0 1.9 2.0 3.3 2.3 2.7 1.2 1.7 1.6 1.2 0.9 10 5 5

山西 1.4 0.4 0.9 1.2 0.7 0.7 0.2 0.0 0.1 0.0 0.0 0.5 2 2 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.2 1.0 1.1 0.9 0.6 0.5 0.8 0.9 1.3 1.0 0.9 0.8 4 3 1

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.4 0.1 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.9 0.9 0.8 1.0 0.9 0.9 0.7 0.6 0.7 0.5 0.6 0.6 1 1 0

江蘇 2.0 1.7 1.4 1.2 1.1 1.2 1.1 1.1 1.0 1.1 1.1 1.2 12 6 6

浙江 1.7 1.3 1.5 1.4 1.5 1.4 1.3 1.2 1.3 1.4 1.2 0.9 11 6 5

安徽 4.7 3.8 1.6 1.7 1.0 1.1 0.9 0.7 0.8 1.0 0.7 0.8 6 6 0

福建 1.5 1.5 1.3 1.5 1.1 1.9 1.6 3.9 2.7 3.4 3.9 3.8 12 6 6

江西 0.0 0.9 0.0 0.0 0.2 0.6 0.7 2.3 1.6 1.3 2.3 1.0 4 0 4

山東 0.7 0.8 1.0 1.0 1.3 1.5 2.3 1.7 1.6 1.7 1.7 1.7 10 4 6

河南 0.2 0.8 1.3 1.1 2.9 1.2 2.8 0.9 2.3 1.0 0.9 0.9 6 4 2

湖北 0.1 0.0 0.1 0.8 0.9 1.5 0.9 0.7 0.3 0.6 0.7 1.0 1 1 0

湖南 0.2 0.1 0.1 0.2 0.3 0.8 0.5 0.0 0.3 0.0 0.0 0.7 0 0 0

広東 1.1 1.0 1.1 1.0 1.0 0.9 0.8 0.9 0.9 0.9 0.9 1.0 3 3 0

広西チワン 1.2 0.7 1.2 2.2 1.1 2.5 2.6 3.1 3.0 2.9 3.1 1.9 11 5 6

海南 0.9 0.6 1.2 0.6 2.1 1.1 0.5 1.5 1.4 1.5 1.5 2.5 8 3 5

重慶 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.3 0.2 0.4 0 0 0

四川 0.1 0.1 0.3 0.4 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

貴州 0.7 0.0 0.2 0.1 3.9 3.3 4.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 3 2 1

雲南 0.2 0.1 0.0 1.3 2.8 2.1 0.0 0.2 0.5 0.2 0.2 1.7 4 3 1

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.5 0.5 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 2.8 0.0 0.0 1.5 0.0 1.4 1.5 0.4 4 1 3

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 1.7 2.6 1.4 2.2 0.6 3.8 2.8 0.7 1.5 0.5 0.7 1.3 8 5 3

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料27 中国各省の対インドネシア輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 187: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

164

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.6 0.6 0.5 0.9 1.1 1.0 1.1 0.7 0.9 0.8 0.7 0.7 2 1 1

天津 0.7 0.7 0.8 0.7 0.6 0.6 0.6 0.4 0.5 0.4 0.4 0.5 0 0 0

河北 0.2 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0 0 0

山西 0.1 0.2 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 0.1 0.3 0.2 0.1 0.1 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.3 0.4 0.7 0.7 0.4 0.3 0.5 0.2 0.5 0.3 0.2 0.3 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 1.1 0.2 0.0 0.0 1 0 1

上海 0.8 0.7 0.9 0.9 1.0 1.1 0.9 1.4 0.9 1.2 1.4 1.7 6 2 4

江蘇 1.0 1.1 1.1 1.2 1.4 1.4 1.4 1.8 1.8 1.8 1.8 1.4 12 6 6

浙江 0.4 0.4 0.4 0.5 0.4 0.3 0.3 0.2 0.4 0.4 0.2 0.4 0 0 0

安徽 0.5 0.5 0.6 1.0 1.0 0.8 1.4 0.7 0.9 0.2 0.7 0.5 3 2 1

福建 1.3 1.5 1.4 1.3 1.3 1.3 1.4 0.7 1.0 0.8 0.7 0.7 8 6 2

江西 0.5 0.1 0.1 0.5 0.5 0.5 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0 0 0

山東 0.2 0.4 0.4 0.5 0.5 0.7 0.7 1.1 0.8 1.0 1.1 1.0 3 0 3

河南 2.6 2.6 2.2 1.0 0.1 0.3 0.3 0.8 0.6 0.7 0.8 0.4 3 3 0

湖北 0.0 0.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.6 0.5 0.8 0.6 0.5 0 0 0

湖南 0.2 0.4 0.4 0.4 0.5 0.3 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

広東 1.6 1.5 1.4 1.4 1.3 1.3 1.4 1.3 1.5 1.3 1.3 1.1 12 6 6

広西チワン 1.1 0.9 1.1 0.7 0.4 0.3 0.4 0.4 0.5 0.6 0.4 0.4 2 2 0

海南 0.8 0.6 0.7 0.8 0.6 0.4 0.1 0.4 0.1 0.1 0.4 0.5 0 0 0

重慶 0.0 0.0 0.2 0.1 0.2 0.2 0.4 4.6 0.4 1.1 4.6 7.3 4 0 4

四川 0.7 1.0 1.2 1.2 0.7 0.7 1.1 0.6 0.6 0.6 0.6 2.0 4 2 2

貴州 0.3 0.1 0.3 0.9 1.6 2.5 1.0 0.7 0.7 0.2 0.7 0.7 3 2 1

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.3 0.1 0.5 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.2 0.3 0.1 0.2 0.2 0.1 0.2 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 7.3 1 0 1

寧夏 0.0 0.9 2.1 1.0 1.4 3.1 2.6 4.2 2.1 1.6 4.2 0.5 8 3 5

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料28 中国各省の対マレーシア輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 188: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

165

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.6 0.5 0.6 0.8 1.2 1.1 1.4 1.4 1.6 2.5 1.4 1.2 8 2 6

天津 0.7 0.5 0.3 0.2 0.2 0.4 0.3 0.6 0.2 0.3 0.6 0.6 0 0 0

河北 2.9 3.0 1.7 0.6 0.1 0.3 0.1 0.9 0.0 0.3 0.9 1.2 4 3 1

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.5 0.3 0.3 0.5 0.4 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.8 0.8 1.2 1.3 1.3 1.5 1.8 1.3 1.2 1.2 1.3 1.4 10 4 6

江蘇 0.9 1.4 1.4 1.5 1.8 1.8 1.5 1.4 1.4 1.4 1.4 1.5 11 5 6

浙江 0.1 0.1 0.2 0.6 0.4 0.3 0.3 0.2 0.2 0.3 0.2 0.2 0 0 0

安徽 0.0 0.2 0.2 0.2 0.1 0.0 0.0 0.5 0.1 0.4 0.5 0.6 0 0 0

福建 1.3 1.6 1.1 0.9 0.7 0.7 0.6 0.8 0.6 0.7 0.8 1.0 3 3 0

江西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.5 1.0 0.1 1.9 1 0 1

山東 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.4 0.6 0.7 0.7 0.6 0.6 0 0 0

河南 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

湖北 0.3 0.4 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0.5 0.7 0.5 0.5 0.4 0 0 0

湖南 0.0 0.3 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

広東 1.7 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1.0 1.5 1.5 1.4 1.5 1.4 12 6 6

広西チワン 0.5 0.3 0.0 0.1 0.0 0.3 0.3 0.7 0.4 0.4 0.7 0.8 0 0 0

海南 0.4 0.1 0.0 0.0 0.3 0.4 0.3 0.4 0.1 0.2 0.4 0.1 0 0 0

重慶 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 1.8 0.3 0.4 1.8 3.3 3 0 3

四川 0.5 0.7 0.3 0.3 0.3 0.6 0.6 1.5 1.5 1.3 1.5 1.3 5 0 5

貴州 0.0 0.0 0.0 0.2 0.3 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.8 0.2 0.1 0.8 0.5 0 0 0

甘粛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 1.0 1.5 0.6 0.6 1 0 1

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料29 中国各省の対フィリピン輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 189: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

166

2001~12

2001~06

2007~12

北京 1.1 0.9 1.3 1.9 1.9 1.7 1.4 1.3 1.4 1.3 1.3 1.4 11 5 6

天津 1.2 1.1 1.1 0.9 1.4 1.6 1.0 0.7 1.4 0.7 0.7 0.8 7 5 2

河北 0.2 0.2 0.1 0.2 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.4 0.3 0.4 0.3 0.2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.0 0.3 0.3 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.1 1.1 1.1 1.3 1.1 1.1 1.3 1.0 1.1 1.3 1.4 12 6 6

江蘇 1.1 0.9 0.7 1.0 1.0 1.2 1.5 1.5 1.3 1.3 1.5 1.4 8 2 6

浙江 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 0.6 0.4 0.5 0.6 0.8 0 0 0

安徽 0.5 0.3 0.1 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

福建 0.8 1.1 1.1 1.1 1.0 0.8 0.8 0.6 0.8 0.7 0.6 0.9 3 3 0

江西 0.0 0.1 0.2 0.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.6 0.1 0.2 0.2 0 0 0

山東 0.4 0.6 0.5 0.5 0.5 0.6 0.7 0.6 0.7 0.7 0.6 0.5 0 0 0

河南 1.0 0.4 0.3 0.3 0.4 0.2 0.2 0.3 0.3 0.5 0.3 0.3 0 0 0

湖北 0.3 0.4 0.4 0.3 0.3 0.2 0.3 0.7 0.3 0.4 0.7 0.6 0 0 0

湖南 0.2 0.2 0.1 0.2 0.2 0.3 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0 0 0

広東 1.3 1.3 1.3 1.3 1.2 1.2 1.2 1.4 1.3 1.5 1.4 1.4 12 6 6

広西チワン 1.1 1.6 1.2 0.7 0.8 0.9 1.2 0.6 1.0 1.0 0.6 0.6 4 3 1

海南 1.0 0.5 0.6 0.5 0.5 0.2 0.3 0.3 0.2 0.2 0.3 0.2 0 0 0

重慶 0.4 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0.3 0.5 1.2 0.3 0.5 1.1 2 0 2

四川 0.8 0.8 0.4 0.4 0.4 0.4 0.7 1.0 0.6 0.7 1.0 1.1 3 0 3

貴州 0.2 0.3 1.1 3.3 1.6 0.6 0.2 0.5 0.5 0.7 0.5 0.6 3 3 0

雲南 0.1 0.2 0.0 0.2 0.1 0.6 0.1 0.6 0.9 0.2 0.6 0.2 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0.4 4.8 2.9 9.1 4.8 6.3 5 0 5

甘粛 0.0 0.3 0.1 0.2 0.0 0.1 0.0 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.8 0.1 0.0 0.0 0.0 0.2 0.1 0.0 0.2 0.3 0 0 0

寧夏 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料30 中国各省の対シンガポール輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 190: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

167

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.9 0.9 0.8 0.9 0.9 0.9 1.0 1.3 1.0 1.1 1.3 1.1 6 0 6

天津 1.1 1.2 1.3 1.3 1.2 1.3 1.3 1.3 1.2 1.3 1.3 1.3 12 6 6

河北 0.4 1.0 0.7 0.7 0.4 0.7 0.5 0.1 0.3 0.2 0.1 0.1 0 0 0

山西 1.0 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0.3 0.2 0.2 0.1 0.2 0.9 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.6 1.6 1.4 1.2 1.3 1.2 1.1 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 9 6 3

吉林 0.4 0.4 0.8 1.3 1.6 1.6 1.4 2.2 2.1 2.2 2.2 2.0 9 3 6

黒竜江省 0.1 0.4 0.6 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0 0 0

上海 1.4 1.3 1.2 1.3 1.3 1.3 1.3 1.5 1.4 1.4 1.5 1.6 12 6 6

江蘇 1.0 1.1 1.0 1.0 1.0 1.1 1.1 1.2 1.1 1.1 1.2 1.2 11 5 6

浙江 0.7 0.8 0.8 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.7 0 0 0

安徽 1.6 1.8 1.8 1.7 1.9 1.5 1.3 1.3 1.1 1.8 1.3 1.0 11 6 5

福建 0.8 0.7 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0 0 0

江西 2.1 1.2 1.0 0.9 1.5 0.8 0.5 0.2 0.5 0.3 0.2 0.2 4 4 0

山東 0.7 0.7 0.7 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0 0 0

河南 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖北 0.9 0.7 0.9 1.5 2.3 1.7 1.2 1.8 2.5 1.9 1.8 1.9 9 3 6

湖南 1.2 0.9 1.1 1.3 1.4 1.5 1.0 1.0 0.9 0.9 1.0 0.9 5 5 0

広東 0.9 0.9 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.2 1.1 1.1 1.2 1.2 9 3 6

広西チワン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0 0 0

海南 1.2 1.4 2.5 1.5 2.4 1.1 0.4 0.3 0.2 0.2 0.3 0.3 6 6 0

重慶 2.5 2.4 2.5 2.1 2.0 1.5 1.7 1.5 1.8 2.1 1.5 1.0 11 6 5

四川 1.2 1.5 1.2 1.5 1.5 1.3 1.1 1.9 1.4 1.5 1.9 1.7 12 6 6

貴州 0.5 0.6 2.1 1.1 1.2 0.4 0.4 0.3 0.5 0.6 0.3 0.3 3 3 0

雲南 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

チベット 0.0 0.3 0.2 0.0 0.0 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 1.4 0.9 1.3 1.1 0.9 0.5 0.6 0.4 0.3 0.4 0.4 0.6 3 3 0

甘粛 0.2 0.4 0.4 0.3 0.2 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.1 0.5 0.1 0.1 0.5 0.1 0.1 1.3 1.1 0.6 1.3 0.0 3 0 3

寧夏 0.9 0.4 0.8 0.7 0.7 0.7 0.5 2.2 0.8 1.4 2.2 2.0 4 0 4

新疆 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料31 中国各省の対日本輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 191: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

168

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.4 1.0 1.5 1.6 1.6 1.5 1.4 1.7 1.4 1.4 1.7 1.5 10 4 6

天津 1.6 1.7 1.6 1.5 1.5 1.5 1.7 1.6 1.5 1.4 1.6 1.7 12 6 6

河北 0.4 0.6 0.6 0.5 0.5 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0.2 0.2 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 1.5 1.5 1.3 1.0 0.9 0.9 0.8 0.7 0.7 0.6 0.7 0.6 3 3 0

吉林 0.4 0.3 0.2 0.1 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

黒竜江省 0.3 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.7 0.7 0.9 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 1.1 1.0 0.9 3 1 2

江蘇 1.2 1.1 1.1 1.3 1.5 1.4 1.4 1.6 1.5 1.6 1.6 1.6 12 6 6

浙江 1.0 1.2 0.9 0.7 0.6 0.7 0.7 0.6 0.6 0.5 0.6 0.6 1 1 0

安徽 0.9 0.6 0.7 0.7 1.0 0.5 0.5 0.4 0.5 0.6 0.4 0.4 0 0 0

福建 1.1 1.2 1.2 1.0 0.9 0.9 0.8 0.5 0.5 0.6 0.5 0.5 4 4 0

江西 0.2 0.3 0.6 0.3 0.5 0.4 0.6 0.2 0.5 0.2 0.2 0.1 0 0 0

山東 2.5 2.5 2.2 1.9 1.8 1.7 1.8 1.5 1.9 1.8 1.5 1.5 12 6 6

河南 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0 0 0

湖北 0.2 0.4 0.4 0.4 0.3 0.4 0.3 0.4 0.5 0.4 0.4 0.3 0 0 0

湖南 2.9 3.6 1.9 1.9 1.1 0.7 0.4 0.1 0.1 0.1 0.1 0.3 5 5 0

広東 0.9 0.8 0.8 0.8 0.7 0.8 0.8 1.1 0.9 0.9 1.1 1.1 3 0 3

広西チワン 0.3 0.2 0.2 0.2 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0 0 0

海南 0.4 0.3 0.2 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0 0 0

重慶 0.1 0.2 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.6 0.5 0.5 0.6 0.6 0 0 0

四川 0.2 0.7 0.6 0.5 0.6 0.8 0.8 1.3 0.6 0.5 1.3 1.8 3 0 3

貴州 0.3 3.9 0.6 0.1 0.2 0.5 0.3 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 1 1 0

雲南 0.0 0.0 0.2 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

チベット 0.3 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.3 0.2 0.2 0.3 0.4 0 0 0

甘粛 0.4 0.1 0.5 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.1 0.2 0.2 0.1 0.2 0.1 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

添付資料32 中国各省の対韓国輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 192: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

169

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.7 0.5 0.5 0.7 0.6 0 0 0

天津 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

河北 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.1 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.2 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 0.8 0.8 0.9 0.9 1.0 1.0 0.9 1.0 1.0 1.0 1.0 0.9 1 1 0

江蘇 1.1 1.4 1.7 1.8 1.7 1.8 1.8 1.9 1.7 1.8 1.9 1.9 12 6 6

浙江 0.6 0.6 0.6 0.5 0.6 0.6 0.9 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 5 0 5

安徽 0.5 0.7 0.3 0.4 0.6 0.3 0.2 0.7 0.3 0.4 0.7 0.8 0 0 0

福建 2.3 1.9 1.7 1.7 1.7 1.7 2.0 2.3 2.2 2.3 2.3 2.2 12 6 6

江西 0.7 0.6 0.9 0.6 1.2 1.8 0.8 1.2 0.6 0.7 1.2 1.7 5 2 3

山東 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

河南 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

湖北 0.2 0.3 0.3 0.4 0.6 0.5 0.5 0.5 0.7 0.6 0.5 0.6 0 0 0

湖南 0.3 0.1 0.1 0.2 0.2 0.1 0.1 0.3 0.1 0.2 0.3 0.2 0 0 0

広東 1.7 1.5 1.4 1.4 1.4 1.4 1.4 1.6 1.5 1.5 1.6 1.7 12 6 6

広西チワン 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0 0 0

海南 0.3 0.2 0.3 0.3 0.4 0.4 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0 0 0

重慶 0.2 0.2 0.9 0.6 0.6 0.5 0.4 0.9 0.1 0.2 0.9 1.3 1 0 1

四川 0.5 0.8 0.5 0.6 0.4 0.4 0.7 1.2 0.5 0.7 1.2 1.4 3 0 3

貴州 0.0 0.0 0.4 0.8 0.5 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.0 0 0 0

雲南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.0 0 0 0

チベット 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.1 0.2 1.6 0.9 1.2 1.6 1.6 4 0 4

甘粛 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

巻末資料33 中国各省の対台湾輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 193: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 4 章 中国・ASEAN 貿易の担い手はどう変化したか?

170

2001~12

2001~06

2007~12

北京 0.9 2.5 2.6 1.9 1.8 1.9 2.7 2.8 4.6 3.3 2.8 2.0 11 5 6

天津 0.7 0.8 0.6 1.0 1.3 1.3 1.1 0.5 0.7 0.6 0.5 0.3 4 3 1

河北 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0 0 0

山西 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

内モンゴル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

遼寧 0.1 0.3 0.2 0.3 0.3 0.4 0.2 0.2 0.3 0.3 0.2 0.1 0 0 0

吉林 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0 0 0

黒竜江省 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

上海 1.1 1.1 1.0 0.7 0.7 0.6 0.8 0.6 0.8 0.7 0.6 0.4 2 2 0

江蘇 0.6 0.7 0.6 0.8 0.7 0.6 0.4 0.2 0.3 0.2 0.2 0.1 0 0 0

浙江 0.2 0.3 0.4 0.5 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0 0 0

安徽 0.1 0.0 0.1 0.1 0.3 0.2 0.0 0.0 0.9 0.2 0.0 0.0 0 0 0

福建 0.6 0.5 0.6 0.6 0.5 0.4 0.3 0.3 0.4 0.3 0.3 0.5 0 0 0

江西 0.4 0.1 0.2 0.1 0.3 0.4 1.4 0.1 0.1 0.5 0.1 0.4 1 0 1

山東 0.4 0.3 0.3 0.5 0.6 0.7 0.6 0.2 0.4 0.3 0.2 0.2 0 0 0

河南 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.1 0.0 0 0 0

湖北 0.5 0.4 0.6 0.7 0.2 0.1 0.1 0.2 0.1 0.2 0.2 0.2 0 0 0

湖南 0.3 0.2 0.1 0.2 0.1 0.2 0.1 0.1 0.3 0.2 0.1 0.0 0 0 0

広東 1.6 1.4 1.5 1.7 1.8 1.8 1.9 1.5 1.7 1.6 1.5 1.7 12 6 6

広西チワン 0.4 0.2 0.3 0.4 0.5 0.4 0.5 0.2 0.6 0.3 0.2 0.2 0 0 0

海南 0.4 0.3 0.3 0.3 0.4 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

重慶 0.1 0.3 0.3 0.2 0.1 0.1 0.1 0.4 0.5 0.6 0.4 0.3 0 0 0

四川 0.4 0.4 0.3 0.4 0.3 0.4 0.3 0.2 0.3 0.2 0.2 0.1 0 0 0

貴州 0.2 0.4 0.5 0.9 0.3 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

雲南 0.0 0.1 0.2 0.8 0.6 0.8 0.6 0.1 0.2 0.3 0.1 0.1 0 0 0

チベット 0.1 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

陝西 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.1 0.2 0.8 0.2 0.8 0.8 0.2 0 0 0

甘粛 0.3 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

青海 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

寧夏 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.3 0.0 0.2 0.3 0.0 0 0 0

新疆 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0 0

(注)1超は網掛け

(出所)Global Trade Atlas より大泉作成

20052001 2002 2003 2004 2012

結合度が1を超えた年数

2006 2007 2008 2009 2010 2011

巻末資料34 中国各省の対香港輸入結合度

2001~2006年 2007~2012年

0~2年 3~4年 5~6年

結合度が1を超えた年数

Page 194: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

171

第 5 章

南進する中国と北進する ASEAN の貿易

Global Trade Atlas (1995-2012) の分析から

宮島 良明

はじめに

2000 年以降、中国経済が急成長したことは周知の事実である。名目 GDP は 2000 年の 1

兆 1,985 億ドルから 2012 年の 8 兆 3,584 億ドルへ、12 年間で実に 7 倍となった1。その規模

は、2012 年に日本の 1.4 倍に達した。それに伴って、中国の貿易も急拡大した。輸出額は

2000 年の 2,492 億ドルから 2012 年の 2 兆 501 億ドルへ、輸入は同 2,251 億ドルから同 1 兆

8,173 億ドルへと、それぞれ 8 倍以上の伸びを示した(付表 5-1 を参照)。

この中国の台頭から、もっとも強い影響を受けた地域のひとつが ASEAN 地域であった。

この点については、これまでの本研究グループ(東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠

点事業「貿易班」)の調査・研究においても、一貫して中心的なテーマであった2。とくに、

後発 ASEAN 諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム: CLMV)においては、そ

の影響は大きいものであった。

実際にベトナムでは、2000 年代、中国との貿易が急拡大した3。また、カンボジア、ラオ

ス、ミャンマーにおいては、中国との貿易額が全体としては必ずしも大きいものではないが、

中国国内の特定地域、すなわち中国の南部地域(雲南省、広西チワン族自治区)との貿易が

目立って多いところに、その特徴があった4。

一方、先発 ASEAN 諸国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)

は、世界的にインターネットや携帯電話が急速に普及したことを背景に、IT 関連製品の需

要が急激に高まった 2000 年代を通して、中国との間に、その生産における分業体制を形成

することにより、貿易を増加させた。そして、いまや中国や ASEAN 諸国を含む東アジア地

域は、世界的な IT 関連製品の一大生産・輸出拠点となった5。

ところで、現在、ASEAN 諸国の間では、2015 年末の ASEAN 経済共同体(ASEAN Economic

Community: AEC)の発足に向けて準備が進められている。これが実現すれば、人口は 6

億人、GDP は 2 兆 2,000 億ドルを越える巨大な単一市場、単一生産基地が誕生することに

1 GDP のデータは、世界銀行の WDI。 2 研究成果として、2000 年代の中国と東アジア諸国の貿易を分析した宮島・大泉(2008 年)、

大メコン圏(GMS)プロジェクトなどをとおした中国の ASEAN への影響力の拡大などに

ついて調査・研究した末廣ほか(2009 年)、末廣ほか(2011 年)がある。 3 中国とベトナムの貿易については、宮島(2011 年)を参照。 4 CLMV と中国の省別・地域別貿易については、本報告書の第 4 章(大泉論文)、並びに宮

島(2009 年)を参照。 5 東アジアにおける IT 関連製品の域内貿易については、宮島(2010 年)を参照。

Page 195: 南進する中国と東南アジア: Sinicizing Southeast …¾代...ASEAN 経済関係の全体像に関するデータを、中国側資料(商務部など)をフルに使ってア

第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

172

なる6。人口は日本の 5 倍、GDP は韓国の 2 倍に相当する規模である。安倍晋三首相の

ASEAN10 カ国歴訪も相まって、現在、この巨大なマーケットの成長力に注目が集まるのも

当然であろう。

本稿では、2000 年代に急成長を遂げた中国と、2015 年に経済共同体の発足をひかえた

ASEAN の経済関係がどのようなものか、とくに貿易について、最新のデータを用いて改め

て検討を行う。これまでの研究では、ASEAN の 10 カ国を、たとえば、「先発」「後発」な

どと区分して分析を行うことが多かった。しかし、2015 年を見据え、本稿では、ASEAN を

中国に匹敵する巨大な「ひとつの経済体」、つまり、「単体」とみなし、中国との貿易構造が

どのようなものかを検討する。なお、貿易データについては、Global Trade Information Services

社の Global Trade Atlas を用い、商品コード HS4 桁分類での分析を行う。また、1995 年、2005

年、2012 年の 3 つを基準年として、中国側の輸出入データを使用する。

第 1 節では、中国と ASEAN との貿易について、その推移と主要輸出入品目の変化を確認

する。第 2 節では、中国の輸入市場に着目し、ASEAN 製品がそこでどの程度、浸透してい

るのか、製品別のマーケットシェアなどから、検証する。中国の「南進」と並行して進む

ASEAN の「北進」の状況をつかむ。第 3 節では、この背景を中国と ASEAN との「水平貿

易」と「垂直貿易」という観点から再検討し、本章を閉じる。

第 1 節 2000 年以降の中国と ASEAN の貿易

1 貿易額の増加

6 ただし、ASEAN の場合、EU のように超国家機関として主権の委譲を行うことはなく、こ

れまでどおり国民国家の枠組みのなかで、国家間協力が行われる(清水 2013 年、18 頁)。

また、EU のような対外共通関税や共通通貨の導入についても、その計画はいまのところな

い(石川 2013 年、24-25 頁)。人口と GDP のデータは世界銀行の WDI を使用。

▲ 50,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

100万

ドル

図表5‐1 (付表5‐2‐1) 中国の対ASEAN貿易の推移

貿易収支

輸出

輸入

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173

中国と ASEAN の貿易は、2000 年以降、急激に拡大した。図表 5-1 は、中国の対 ASEAN

貿易の推移を示したものであるが、リーマンショック直後の 2009 年に輸出、輸入ともに減

少を経験した以外は、まさに「右肩上がり」の伸びとなった。2000 年の中国の ASEAN へ

の輸出額は 173 億ドル、ASEAN からの輸入額は 222 億ドルであったが、2012 年には輸出額

が 2,039 億ドルと 11.8 倍、輸入額は 1,957 億ドルと 8.8 倍に増加した。

貿易収支は、中国の旺盛な消費財需要、原材料需要を反映し、2000 年代を通して中国側

の赤字傾向が続く。ASEAN 側から見ると貿易黒字ということであるが、これは、中国製品

が一方的に ASEAN 市場に溢れるというよりは、ASEAN 製品もそれと同時に、中国市場に

広がっているということを示している。

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

%

図表5‐2 中国のASEAN各国への輸出シェアの変化

(ASEANへの総輸出額を100とした)

ブルネイ

カンボジア

インドネシア

ラオス

マレーシア

フィリピン

ミャンマー

シンガポール

タイ

ベトナム

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

図表5‐3 中国のASEAN各国からの輸入シェアの変化

(ASEANからの輸入総額を100とした)

ブルネイ

カンボジア

インドネシア

ラオス

マレーシア

フィリピン

ミャンマー

シンガポール

タイ

ベトナム

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

174

本稿では ASEAN を「ひとつの経済体」として議論を進めていくが、その前にここで中国

との貿易について、ASEAN 内の各国の内訳(シェア)を確認しておこう。図表 5-2 と図表

5-3 は、それぞれ輸出と輸入について、中国・ASEAN 貿易における ASEAN 各国のシェアの

変化を見たものである。

2012 年に ASEAN のなかでもっとも中国の輸出先として割合が大きいのは、シンガポー

ルで 19.8%である。ただし、その割合は減少傾向にある。2 位はマレーシアの 17.9%、3 位

はインドネシアで 16.8%、4 位は同率でベトナムとなっている。近年、とくにベトナムの割

合が上昇している。

一方、輸入シェアをみても、シンガポールの割合が、2000 年の 22.8%から 2012 年の 14.5%

へと減少している。また、輸出同様、ベトナムは 2000 年代後半からその割合を増加させ、

2012 年には 8.3%となった。2012 年に中国の輸入相手先としてもっとも割合が大きいのは、

マレーシアで 29.8%、2 位はタイで 19.6%、3 位はインドネシアで 16.4%となっている。こ

こでは、いまだに ASEAN 内においては、中国の貿易相手国として「先発」ASEAN の割合

が大きいものの、ベトナムがその存在感を増してきているということが確認できる。

2 貿易品目の変化

中国・ASEAN 貿易においては、その輸出入額の増加に伴って、貿易品目も大きく変化し

てきた。図表 5-4 は、中国・ASEAN 貿易について、輸出額と輸入額の金額が大きい上位 10

品目(HS 4 桁分類)を示したものである。

大きな特徴は、現在に近くなるほど機械・機器類、とくに IT 関連製品 3 品目、「コンピュ

ータ関連製品(8471)」「コンピュータ関連部品(87473)」「集積回路(8542)」が上位にラン

クされていることである。中国から ASEAN への輸出品目をみると、1995 年の第 1 位は、「葉

巻(2403)」であったが、2005 年には「コンピュータ関連部品(8473)」、2012 年には「コン

ピュータ関連製品(8471)」が第 1 位の品目となった。輸入をみると、1995 年の時点では、

第 9 位に「コンピュータ関連部品(8473)」が入っていたが、上位に IT 関連製品は入ってい

ない。2005 年になると「集積回路(8542)」「コンピュータ関連製品(8471)」が 1 位、2 位

を占め、2012 年時点でもその順位は変わっていない。

また、これら IT 関連製品 3 品目の輸出入額の増加も著しいものであった。たとえば、輸

入をみると、1995 年の第 1 位品目「石油精製品(2710)」の輸入額は 12 億ドルであったが、

2012 年の第 1 位品目「集積回路(8542)」は 442 億ドルと 38 倍の輸入額となった。この「集

積回路(8542)」のみで、2012 年には ASEAN からの全輸入のうち 22.6%を占めているほど

である。輸出でも同様に、1995 年、第 2 位の品目だった「コンピュータ関連製品(8471)」

の輸出額は、同年の 3 億ドル(輸入全体に占める割合は 2.8%)から、2012 年には 27 倍の

78 億ドル(同 3.9%)に増加している。

2000 年代の中国と ASEAN の貿易が拡大した最大の要因は、この IT 関連製品の輸出と輸

入、双方の増加にあったということがわかる。中国と ASEAN は、2000 年代、日本や韓国、

台湾などの東アジア地域の国々とともに、域内で水平分業体制を形成し、急速に拡大した世

界の IT 関連製品の需要に応えてきたのである。

ところで、この期間、上位品目のなかにあって変化しないものもある。たとえば、1995

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175

年の輸入第 3 位の品目である「パーム油(1511)」は、2005 年に 8 位、2012 年に 6 位であっ

た。輸入金額も 8 億ドル(1995 年)から 18 億ドル(2005 年)、65 億ドル(2012 年)に増加

している。「天然ゴム(4001)」も 1995 年の第 6 位、2005 年の第 7 位、2012 年の第 5 位と上

位品目の常連で、金額も 4 億ドル(1995 年)から 18 億ドル(2005 年)、68 億ドル(2012

年)に増加している。これら原材料輸入についても、中国・ASEAN 貿易においては見逃せ

ない重要な特徴となっている。この点については、第 3 節で再度検討を行う。

第 2 節 中国貿易における ASEAN のプレゼンスの拡大

1 中国の貿易相手国の変化と ASEAN

第 1 節では、2000 年代に中国・ASEAN 貿易が急拡大したことを確認した。では、その貿

易の拡大のなかで、中国にとっての ASEAN の位置づけに変化はあったのだろうか。それを

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 555 5.3コンピュータ関連部品

(8473)6.7 3.9

2コンピュータ関連製品

(8471)288 2.8 石油精製品 (2710) 5.5 3.8

3 鉄鋼半製品 (7207) 244 2.3 集積回路 (8542) 5.2 3.4

4 石油精製品 (2710) 233 2.2無線送信機器(携帯電

話を含む) (8525)4.3 3.0

5鉄鋼フラットロール製品

(熱間圧延) (7208)216 2.1

コンピュータ関連製品

(8471)4.1 2.7

6その他の船舶(軍艦、

救命艇など)(8906)210 2.0 通信機器部品 (8529) 3.3 2.2

7 原油 (2709) 154 1.5 鉄鋼半製品 (7207) 2.3 2.2

8 無線受信機器 (8527) 136 1.3 レーザー (9013) 2.0 1.7

9鉄鋼フラットロール製品

(冷間圧延) (7209)124 1.2 原油 (2709) 1.9 1.5

10 綿織物 (5208) 123 1.2 有線電信機器 (8517) 1.1 1.1

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 石油精製品 (2710) 1,166 11.8 集積回路 (8542) 31.5 22.6

2 原油 (2709) 932 9.4コンピュータ関連製品

(8471)10.9 8.1

3 パーム油 (1511) 800 8.1 原油 (2709) 5.1 4.2

4 合板 (4412) 700 7.1 石油精製品 (2710) 3.4 3.9

5 コメ (1006) 424 4.3コンピュータ関連部品

(8473)3.2 3.4

6 天然ゴム (4001) 404 4.1 半導体デバイス (8541) 2.6 3.3

7 ショ糖 (1701) 352 3.6 天然ゴム (4001) 2.4 2.4

8 特殊船舶 (8905) 338 3.4 パーム油 (1511) 2.4 2.4

9コンピュータ関連部品

(8473)177 1.8 通信機器部品 (8529) 1.9 2.2

10 木材 (4403) 175 1.8 エチレン重合体 (3901) 1.6 2.1

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

図表5-4(付表5-2-2) 中国の対ASEAN貿易: 輸出品目と輸入品目TOP10(HS4桁分類)

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

3,721コンピュータ関連製品

(8471)7,862

3,024 有線電信機器 (8517) 7,812

2,908 集積回路 (8542) 6,902

2,391 石油精製品 (2710) 6,155

2,252 一般船舶 (8901) 5,552

1,818 レーザー (9013) 4,511

1,287 女性用スーツ (6104) 4,461

1,119 家具部品 (9403) 3,442

1,049コンピュータ関連部品

(8473)3,150

607 トランスフォーマー (8504) 2,180

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

23,664 集積回路 (8542) 44,219

8,200コンピュータ関連製品

(8471)15,875

3,794 石油精製品 (2710) 8,253

2,536 石炭 (2701) 7,608

2,419 天然ゴム (4001) 6,751

1,965 パーム油 (1511) 6,467

1,815コンピュータ関連部品

(8473)4,745

1,778 ニッケル鉱 (2604) 4,624

1,411 半導体デバイス (8541) 4,317

1,173配合ゴム(未加硫)

(4005)4,167

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

176

確認するために、図表 5-5 では中国の輸出相手国と輸入相手国について、それぞれ輸出入金

額が大きい上位 15 の国(地域)を示した。ASEAN を「ひとつの経済体」とみなした場合、

2012 年の時点で ASEAN は中国の輸出先として 3 位(輸出総額の 9.9%)、輸入先として 1

位(輸入総額の 10.8%)となり、輸出先としても輸入先としても、日本を上回った。

【輸出】

金額(100万ドル)

%金額(100万ドル)

%金額(100万ドル)

1 35,983 24.2 1 162,939 21.4 1 351,884 17.2

2 28,467 19.1 2 124,505 16.3 2 323,654 15.8

3 24,713 16.6 3 84,097 11.0 3 203,924 9.9

4 10,474 7.0 4 55,459 7.3 4 151,509 7.4

5 6,688 4.5 5 35,117 4.6 5 87,647 4.3

6 5,671 3.8 6 32,537 4.3 6 69,176 3.4

7 3,501 2.4 7 25,876 3.4 7 58,917 2.9

8 3,232 2.2 8 18,983 2.5 8 47,746 2.3

9 3,098 2.1 9 16,716 2.2 9 46,279 2.3

10 2,798 1.9 10 16,559 2.2 10 44,073 2.1

11 2,067 1.4 11 13,211 1.7 11 40,321 2.0

12 1,842 1.2 12 11,695 1.5 12 37,762 1.8

13 1,752 1.2 13 11,658 1.5 13 36,769 1.8

14 1,665 1.1 14 11,648 1.5 14 36,526 1.8

15 1,626 1.1 15 11,065 1.5 15 34,291 1.7

15,203 10.2 130,263 17.1 479,632 23.4

148,780 100.0 762,327 100.0 2,050,109 100.0

【輸入】

金額(100万ドル)

%金額(100万ドル)

%金額(100万ドル)

1 29,005 22.0 1 100,468 15.2 1 195,728 10.8

2 16,118 12.2 2 76,874 11.6 2 177,727 9.8

3 14,784 11.2 3 75,017 11.4 3 166,590 9.2

4 10,293 7.8 4 74,655 11.3 4 142,819 7.9

5 9,901 7.5 5 55,178 8.4 5 132,194 7.3

6 8,591 6.5 6 48,735 7.4 6 127,755 7.0

7 8,038 6.1 7 30,668 4.6 7 92,029 5.1

8 3,799 2.9 8 20,108 3.0 8 78,593 4.3

9 3,398 2.6 9 16,531 2.5 9 58,247 3.2

10 3,115 2.4 10 16,147 2.4 10 54,945 3.0

11 2,681 2.0 11 15,886 2.4 11 52,060 2.9

12 2,648 2.0 12 13,994 2.1 12 44,615 2.5

13 2,585 2.0 13 12,870 1.9 13 43,952 2.4

14 2,255 1.7 14 12,286 1.9 14 38,456 2.1

15 2,071 1.6 15 12,232 1.9 15 33,458 1.8

12,803 9.7 78,573 11.9 378,177 20.8

132,083 100.0 660,222 100.0 1,817,344 100.0

(出所) Global Trade Atlas より宮島作成。

その他 その他 その他

合計 合計 合計

中国 サウジアラビア タイ

マレーシア 香港 アンゴラ

フランス タイ 南アフリカ

オーストラリア フィリピン ロシア

イタリア オーストラリア サウジアラビア

カナダ ロシア ブラジル

ロシア マレーシア オーストラリア

シンガポール シンガポール マレーシア

香港 アメリカ アメリカ

ドイツ ドイツ ドイツ

韓国 台湾 中国

ASEAN 中国 台湾

アメリカ 韓国 日本

台湾 ASEAN 韓国

国名 国名 国名

日本 日本 ASEAN

合計 合計 合計

1995 2005 2012

オーストラリア オーストラリア インドネシア

その他 その他 その他

タイ カナダ 台湾

ロシア フランス マレーシア

イタリア ロシア シンガポール

フランス イタリア オーストラリア

台湾 シンガポール イギリス

イギリス 台湾 ロシア

シンガポール オランダ オランダ

オランダ イギリス インド

韓国 韓国 韓国

ドイツ ドイツ ドイツ

ASEAN ASEAN 日本

香港 アメリカ アメリカ

日本 香港 香港

図表5-5 中国の貿易相手国とASEAN

1995 2005 2012

国名 国名 国名

アメリカ 日本 ASEAN

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177

従来から ASEAN が上位に位置していたわけではない。1995 年には輸出が 4 位、輸入が 5

位であったが、この時点では輸出入ともに、その額は日本の 3 分の 1 程度に過ぎなかった。

中国の台頭とともに、ASEAN 経済も急成長し、いまや中国にとって ASEAN は欠かすこと

のできない重要な貿易パートナーとなったのである。私自身の研究も含めて、これまでの研

究では、中国の「南進」に注目することが多かったが、少なくとも貿易の分野に限るとASEAN

の「北進」も着実に進んでいるようだ。

2 中国輸入市場における ASEAN 製品の浸透

前項では、中国の貿易相手国のなかでの ASEAN の位置づけを確認した。2012 年の時点

で、中国の輸出相手としては、ASEAN より上位にアメリカや香港が存在したが、輸入相手

国としては、ASEAN からの輸入がもっとも大きく、中国にとって輸入相手先としての

ASEAN の重要性が増している。

中国が ASEAN からどのような品目を輸入しているかについては、前節の図表 5-4 で確認

したので、ここでは、どの品目が中国輸入市場で製品別のマーケットシェアを伸ばしている

のか、また、どの品目で輸入金額が伸びているのか、について見てみたい。

HS 2桁分類 2000 2012 増加分

輸入金額(100万ドル) 9 1,955 1,947

シェア(%) 9.3 70.1 60.8

輸入金額(100万ドル) 20 498 477

シェア(%) 31.9 86.2 54.3

輸入金額(100万ドル) 24 1,811 1,787

シェア(%) 29.8 75.2 45.5

輸入金額(100万ドル) 0 6 6

シェア(%) 1.6 40.4 38.9

輸入金額(100万ドル) 11 632 621

シェア(%) 3.5 35.4 31.9

輸入金額(100万ドル) 0 33 32

シェア(%) 0.9 28.5 27.6

輸入金額(100万ドル) 680 11,887 11,207

シェア(%) 35.7 57.6 21.9

輸入金額(100万ドル) 6 254 248

シェア(%) 1.5 18.9 17.4

輸入金額(100万ドル) 33 885 852

シェア(%) 4.0 21.3 17.3

輸入金額(100万ドル) 1 81 79

シェア(%) 3.7 20.5 16.8

輸入金額(100万ドル) 22,181 195,728 173,547

シェア(%) 9.9 10.8 0.9

(出所) Global Trade Atlas より宮島作成。

07  食用野菜

図表5-6 2000年~2012年に中国輸入市場でシェアを伸ばしたASEAN製品(HS 2桁)TOP10

80  すず及びその製品

11  穀粉、デンプンなど

46  わら、竹など組物材料

64  履物

78  鉛及びその製品

63  紡織用繊維

ASEANからの総輸入

40  ゴム及びその製品

61  衣類

91  時計及びその部品

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

178

図表 5-6 は、2000 年と 2012 年を比較して、中国の輸入市場でもっともマーケットシェア

を伸ばした ASEAN 製品を、増加分が大きいものから 10 品目、抜き出したものである。こ

こでは、ASEAN がどの製品分野でマーケットシェアを伸ばしているのか、その全体像を把

握するために、HS 2 桁分類を用いて計算を行った。

もっとも大きくシェアを伸ばした品目は「すず及びその製品(80)」であり、2000 年の 9.3%

から 2012 年の 70.1%へと 60.8 ポイント、輸入シェアを増加させた。2 位は「穀粉、デンプ

ンなど(11)」で同 54.3 ポイント、3 位は「食用野菜(07)」で同 45.5 ポイント、輸入シェ

アを上昇させた。上位 10 品目をみると、概ね一次産品に分類できる製品のようである。

ちなみに、HS 2 桁の分類の場合、製品は全部で 01~98 まで 97 種類(77 が無い)に分類

できるが、同期間に中国輸入市場で輸入シェアを伸ばした ASEAN 製品は、61 製品であっ

た。その 61 製品の輸入合計額は、中国の ASEAN からの輸入総額の 74.8%に及んだ7。

一方、2000 年から 2012 年の間に、中国輸入市場でもっとも輸入額が増加した 10 品目を

示したのが、図表 5-7 である。

7 筆者が Global Trade Atlas をもとに試算したもの。

HS 2桁分類 2000 2012 増加額

輸入金額(100万ドル) 5,471 65,477 60,006

シェア(%) 10.8 17.2 6.4

輸入金額(100万ドル) 3,522 27,162 23,641

シェア(%) 17.1 8.7 ▲ 8.3

輸入金額(100万ドル) 3,529 26,737 23,208

シェア(%) 10.2 14.7 4.4

輸入金額(100万ドル) 680 11,887 11,207

シェア(%) 35.7 57.6 21.9

輸入金額(100万ドル) 75 10,063 9,988

シェア(%) 2.4 7.5 5.1

輸入金額(100万ドル) 631 7,923 7,291

シェア(%) 61.7 60.7 ▲ 1.0

輸入金額(100万ドル) 1,651 8,466 6,815

シェア(%) 11.4 12.2 0.8

輸入金額(100万ドル) 634 7,161 6,527

シェア(%) 7.6 11.7 4.1

輸入金額(100万ドル) 300 3,482 3,182

シェア(%) 4.1 3.3 ▲ 0.9

輸入金額(100万ドル) 328 2,167 1,840

シェア(%) 13 14 1.2

(出所) Global Trade Atlas より宮島作成。

84  機械類

図表5-7 2000年~2012年に中国輸入市場で輸入金額が増加したASEAN製品(HS 2桁分類)TOP10

85  電気機器

27  鉱物性燃料

40  ゴム及びその製品

26  鉱石

15  動物性・植物性油脂

38  化学工業製品

39 プラスチック及びその製品

29  有機化学品

90  光学機器、写真用機器

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179

前節の図表 5-4 でもみたように、IT 関連製品を含む「機械・機器」や、天然資源、農産

品などの一次産品の輸入額が増加していることがわかる。具体的に見ると、第 1 位は「電気

機器(85)」で、2000 年の 55 億ドルから 2012 年の 655 億ドルへ 600 億ドル輸入額を増加さ

せた。第 2 位は「鉱物性燃料(27)」で 236 億ドル、第 3 位は「機械類(84)」で 232 億ドル

の増加と続く。第 4 位の「ゴム及びその製品(40)」については、唯一マーケットシェアと

輸入額の両者でトップ 10 にランクインしている品目である。実質的な意味で、中国にとっ

て ASEAN への依存度がもっとも高い製品のひとつであると言えよう。

第 3 節 中国と ASEAN の貿易構造

前節では、2000 年代を通して、中国の貿易における ASEAN のプレゼンスが高まってき

たことを述べた。その理由を探るため、本節では、改めて中国と ASEAN の 2000 年代の貿

易構造についての考察を行う。そのための方法として、ここでは、産業内貿易指数(貿易特

化係数)によって「水平貿易(分業)」と「垂直貿易(分業)」の割合を算出する宮島・大泉

(2008: 20)の手法を援用した。

産業内貿易指数(貿易特化係数)は、「(輸出額-輸入額)/(輸出額+輸入額)」により求

められ、1 から-1 の値をとる。各品目の産業内貿易指数を計算後、その結果により、

①中国が優位な品目(0.6 超)、

②中国がやや優位な品目(0.2 以上 0.6 以下)、

③優位性が見きわめにくい品目(-0.2 超 0.2 未満)、

④ASEAN がやや優位な品目(-0.6 以上-0.2 以下)、

⑤ASEAN が優位な品目(-0.6 未満)、

の 5 つのカテゴリーに分類する。その後、カテゴリーごとに貿易額を合算することで、貿易

総額に占める割合を求めることができる。

ここでは、①と⑤のカテゴリーに分類される品目を「垂直貿易」とした。産業内貿易指数

の特徴として、「1」および「-1」に値が近づくほど、その貿易品目は「片貿易」の状態であ

ると判断できるからである。次に、②と③と④のカテゴリーに分類される品目を「水平貿易」

とした。産業内貿易指数の値が「0」に近づくほど、分子の差が小さい、もしくは分母の和

が大きいということ、つまり、同一品目をお互いに貿易しあっている品目ということになる

からである。

この試算に用いた貿易データは、Global Trade Information Services 社の Global Trade Atlas

である。HS 4 桁分類で 1280 品目について集計し、1995 年から 2012 年の各カテゴリーの割

合をグラフにしたものが、次頁の図表 5-8 である。

1995 年の段階では、「①中国が優位な品目(0.6 超)」の割合が 39.8%、「⑤ASEAN が優位

な品目(-0.6 未満)」の割合が 38.9%であった。両者を合わせて 78.7%がいわゆる「垂直貿

易」に分類できる貿易であった。他方、「②中国がやや優位な品目(0.2 以上 0.6 以下)」の

割合は 7.5%、「③優位性が見きわめにくい品目(-0.2 超 0.2 未満)」の割合は 5.6%、「④ASEAN

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

180

がやや優位な品目(-0.6 以上-0.2 以下)」の割合は 8.2%であり、3 つのカテゴリーを合わせ

て 21.3%がいわゆる「水平貿易」に分類できる貿易であった。

その後、2000 年代に入り、世界的な IT 関連製品への需要の高まりを背景に、東アジア地

域がその生産・輸出拠点化したことは、前節でも触れた。この動きを反映する形で、中国・

ASEAN 貿易においても、「水平貿易(②+③+④)」に分類できる割合が増え、2000 年には

39.8%、2005 年には 43.2%と、4 割を越える水準となった。

水平貿易の割合は 2005 年以降、低下の傾向にあり、2012 年には 32.0%にまで下がってい

る。これは、近年、「垂直貿易」に分類できる貿易が着実に増えているからである。具体的

な貿易品目は、図表 5-4 でみたとおり、中国が ASEAN から輸入する「天然ゴム(4001)」「パ

ーム油(1511)」などの一次産品と、中国から ASEAN へ輸出される「一般船舶(8901)」「レ

ーザー(9013)」などの工業製品などである。

図表 5-9 は、この「垂直貿易」と「水平貿易」の貿易額の推移を示したものである。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

図表5-8 中国の対ASEAN貿易: 産業内貿易指数による分類ごとの推移(%)

(HS4桁、貿易総額を100とした)

0.6超 0.2超0.6以下 -0.2以上0.2以下 -0.6以上-0.2未満 -0.6未満

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

(年)

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181

垂直貿易に分類できる品目の貿易額を確認すると、「①中国が優位な品目(0.6 超)」の中

国から ASEAN への輸出合計額は、2000 年の 91 億ドルから 2012 年には 1,346 億ドルに増加

し、また、「⑤ASEAN が優位な品目(-0.6 未満)」の中国の ASEAN からの輸入合計額も、

同 130 億ドルから同 1,212 億ドルに増加した。2000 年代を通して、10 倍前後増加したこと

になる。

一方、水平貿易に分類できる品目(②+③+④)については、中国の ASEAN への輸出合

計額が、2000 年の 70 億ドルから 2012 年の 604 億ドルへ、中国の ASEAN からの輸入合計

額が、2000 年の 87 億ドルから 2012 年の 674 億ドルへと増加したことが確認できた。

おわりに

本稿では、2015 年を見据えて、中国と ASEAN の貿易について、Global Trade Atlas の最

新データをもとに考察を行ってきた。2000 年代の中国・ASEAN 貿易は急拡大したが、その

特徴は、IT 関連製品の水平貿易の増加とともに、ASEAN からの一次産品と中国からの工業

製品とを貿易する垂直貿易も拡大しているという貿易構造にあった。この、はからずも良い

バランスのなかでこそ、貿易は急拡大したのである。

また、中国にとって貿易相手としての ASEAN の重要性も増していった。巨大なマーケッ

トとして中国製品の輸出市場、消費市場としての役割はもちろんのこと、原材料の供給先や

IT 関連製品の分野などで、分業相手として重要な役割を担っているのである。

本研究グループが、本章と同様の貿易データの分析を行ったのは 6 年前の 2008 年のこと

であった。このときは、東アジア域内の IT 関連製品の水平貿易(分業)が拡大している最

中であった。

0

20000

40000

60000

80000

100000

120000

140000

160000

100万

ドル

ASEAN優位品目(‐0.6未満)の中

国のASEANからの輸入合計額

中国優位品目(0.6超)の中国か

らASEANへの輸出合計額

水平貿易(‐0.6以上0.6以下)の

品目の中国のASEANへの輸出合

計額

水平貿易(‐0.6以上0.6以下)の

品目の中国のASEANからの輸入

合計額

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

図表5‐9 中国とASEANの垂直貿易額と水平貿易額の推移

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

182

今回の分析では、世界金融危機(リーマンショック)が発生した 2008 年以後、とくに両

者の垂直貿易が拡大しているという、新たな事実が判明した。同時に、中国の輸入市場でマ

ーケットシェアを拡大している ASEAN 製品も少なからずあるということを確認すること

もできた。ASEAN 経済共同体が発足する「2015 年」のあと、ASEAN の「北進」にどのよ

うな展開があるのか、今後の動向に注目していきたい。

参考文献

石川幸一・清水一史・助川成也編著 [2013].『ASEAN 経済共同体と日本: 巨大統合市場の誕

生』文眞堂。

石川幸一 [2013].「ASEAN 経済共同体はできるのか」(石川ほか編著 [2013]、 所収)。

清水一史 [2013].「世界経済と ASEAN 経済統合: ASEAN 共同体の実現とその意義」(石川ほ

か [2013]、 所収)。

末廣昭・大泉啓一郎・助川成也・布田功治・宮島良明 [2011].『中国の対外膨張と大メコン

圏(GMS)・CLMV』東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠点研究シリーズ No. 7。

末廣昭・宮島良明・大泉啓一郎・助川成也・青木まき・ソンポップ・マーナランサン [2009].

『大メコン圏(GMS)を中国から捉えなおす』東京大学社会科学研究所・現代中国研

究拠点研究シリーズ No. 3。

宮島良明 [2009].「中国の省・地域と CLMV の貿易関係: World Trade Atlas 2007 の分析から」

(末廣ほか [2009]、所収)。

宮島良明 [2010].「自立に向かう東アジア: 域内貿易の拡大と分業体制の形成」(『環太平洋

ビジネス情報 RIM』Vol. 10、No. 38)。

宮島良明 [2011].「世界に向かうベトナムの貿易と南進する中国」(末廣ほか [2011]、所収)。

宮島良明・大泉啓一郎 [2008].『中国の台頭と東アジア域内貿易: World Trade Atlas (1996-2006)

の分析から』東京大学社会科学研究所・現代中国研究拠点研究シリーズ No. 1。

貿易データ

Global Trade Information Services, Global Trade Atlas.

GDP データ

The World Bank, World Development Indicators.

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183

<写真>広西チワン族自治区の南寧市内で開発が進む「中国 ASEAN 国際商業コンプレッ

クス」(国際 ASEAN 村)の案内板。民間デベロッパーの開発で、ASEAN10 カ国の国名を

付したブロックに分かれ、それぞれに「お国柄」を反映させたマンションと商店街が立つ。

看板は上からラオス、フィリピン、カンボジア、日本。↑の第一区はベトナム、マレーシア

(2012 年 8 月 20 日、南寧市、宮島撮影)。

<写真>「中国 ASEAN 国際商業コンプレックス」(南寧・中国-東盟国際商務区)の中にあ

る「日本商業地区」。秋田県、山形県、熊本県などがアンテナショップを出店していた

(同上)。

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付表5-1 中国の対世界貿易

5 国 目と 入 目T ( 分 )

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 女性用スーツ (6204) 3,600 2.4コンピュータ関連製品(8471)

10.0 8.0

2 男性用スーツ (6203) 3,573 2.4無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

4.1 7.5

3 玩具 (9503) 2,895 1.9コンピュータ関連部品(8473)

3.8 2.6

4 鞄 (4202) 2,857 1.9 通信機器部品 (8529) 2.4 1.9

5 無線受信機器 (8527) 2,698 1.8 集積回路 (8542) 1.9 1.6

6 皮履物 (6403) 2,661 1.8 レーザー (9013) 1.5 1.5

7 ジャージー (6110) 2,361 1.6 女性用スーツ (6204) 1.4 1.4

8コンピュータ関連製品(8471)

2,302 1.5 有線電信機器 (8517) 1.2 1.3

9 原油 (2709) 2,236 1.5 ジャージー (6110) 1.2 1.3

10 ゴム履物 (6402) 2,135 1.4トランスフォーマー(8504)

1.1 1.2

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 特殊機械 (8479) 4,098 3.1 集積回路 (8542) 12.5 12.1

2 有線電信機器 (8517) 3,097 2.3 原油 (2709) 7.2 10.6

3 集積回路 (8542) 2,366 1.8 レーザー (9013) 4.6 5.3

4 原油 (2709) 2,356 1.8 鉄鉱(2601) 2.8 3.8

5合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

2,338 1.8コンピュータ関連製品(8471)

2.7 3.1

6 石油精製品 (2710) 2,065 1.6 通信機器部品 (8529) 2.5 2.5

7 小麦 (1001) 2,026 1.5コンピュータ関連部品(8473)

2.5 2.2

8 スチレン重合体 (3903) 1,895 1.4半導体デバイス(8541)

1.7 1.9

9 配合肥料 (3105) 1,636 1.2 石油精製品 (2710) 1.6 1.9

10 エチレン重合体 (3901) 1,563 1.2 特殊機械 (8479) 1.3 1.8

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 2005 2012

10,570

9,434

9,407

8,521

品目名輸出額

(100万ドル)

コンピュータ関連製品(8471)

有線電信機器 (8517)

集積回路 (8542)

レーザー (9013)

輸出額(100万ドル)

76,392

30,932

28,597

18,140

14,614

11,446

輸入 貿易収支

27,742

27,360

27,023

25,321

(100万ドル)

132,083

138,833

142,140

140,385

163,428

153,231

53,754

38,715

32,211

30,425

一般船舶 (8901)

コンピュータ関連部品(8473)

テレビ (8528)

半導体デバイス (8541)

家具部品 (9403)

鞄 (4202)

1995

1996

1997

1998

1999

2000

輸出

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2001

2002

2003

2004

2005

2006

1,899,281

2,050,109

266,403

325,642

438,473

593,647

762,327

969,324

148,780

151,048

182,744

183,746

195,177

249,240

16,696

12,215

40,604

43,361

29,397

24,145

22,841

30,339

660,222

165,779

225,095

243,563

295,303

413,096

560,811

198,155

184,535

157,851

232,765

1995 2005 2012

25,377

32,836

102,105

177,530

261,894

297,401

1,741,430

1,817,344

791,794

956,261

1,131,469

1,003,893

1,393,909

1,218,155

1,428,869

1,202,047

1,578,444

18,025

16,570

16,459

11,250

10,439

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

82,213

47,861

30,613

32,742

輸出

輸入

石油精製品 (2710)

220,395

192,939

95,458

68,746

55,967

45,512

39,146

34,927

34,891

8,587

原油 (2709)

集積回路 (8542)

鉄鉱(2601)

中国特有(9800)

レーザー (9013)

乗用車 (8703)

有線電信機器 (8517)

大豆 (1201)

コンピュータ関連製品(8471)

18,324

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

100万

ドル

付表5‐1‐1 国 世界

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-2 中国の対ASEAN貿易

付 5 2 国 E N 易 目と 入 目T H 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 555 5.3コンピュータ関連部品(8473)

6.7 3.9

2コンピュータ関連製品(8471)

288 2.8 石油精製品 (2710) 5.5 3.8

3 鉄鋼半製品 (7207) 244 2.3 集積回路 (8542) 5.2 3.4

4 石油精製品 (2710) 233 2.2無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

4.3 3.0

5鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

216 2.1コンピュータ関連製品(8471)

4.1 2.7

6その他の船舶(軍艦、救命艇など)(8906)

210 2.0 通信機器部品 (8529) 3.3 2.2

7 原油 (2709) 154 1.5 鉄鋼半製品 (7207) 2.3 2.2

8 無線受信機器 (8527) 136 1.3 レーザー (9013) 2.0 1.7

9鉄鋼フラットロール製品(冷間圧延) (7209)

124 1.2 原油 (2709) 1.9 1.5

10 綿織物 (5208) 123 1.2 有線電信機器 (8517) 1.1 1.1

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 石油精製品 (2710) 1,166 11.8 集積回路 (8542) 31.5 22.6

2 原油 (2709) 932 9.4コンピュータ関連製品(8471)

10.9 8.1

3 パーム油 (1511) 800 8.1 原油 (2709) 5.1 4.2

4 合板 (4412) 700 7.1 石油精製品 (2710) 3.4 3.9

5 コメ (1006) 424 4.3コンピュータ関連部品(8473)

3.2 3.4

6 天然ゴム (4001) 404 4.1半導体デバイス(8541)

2.6 3.3

7 ショ糖 (1701) 352 3.6 天然ゴム (4001) 2.4 2.4

8 特殊船舶 (8905) 338 3.4 パーム油 (1511) 2.4 2.4

9コンピュータ関連部品(8473)

177 1.8 通信機器部品 (8529) 1.9 2.2

10 木材 (4403) 175 1.8 エチレン重合体 (3901) 1.6 2.1

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1,411 半導体デバイス (8541) 4,317

1,173配合ゴム(未加硫)(4005)

4,167

1,815コンピュータ関連部品(8473)

4,745

1,778 ニッケル鉱 (2604) 4,624

2,419 天然ゴム (4001) 6,751

1,965 パーム油 (1511) 6,467

3,794 石油精製品 (2710) 8,253

2,536 石炭 (2701) 7,608

23,664 集積回路 (8542) 44,219

8,200コンピュータ関連製品(8471)

15,875

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

1,049コンピュータ関連部品(8473)

3,150

607トランスフォーマー(8504)

2,180

1,287 女性用スーツ (6104) 4,461

1,119 家具部品 (9403) 3,442

2,252 一般船舶 (8901) 5,552

1,818 レーザー (9013) 4,511

2,908 集積回路 (8542) 6,902

2,391 石油精製品 (2710) 6,155

3,721コンピュータ関連製品(8471)

7,862

3,024 有線電信機器 (8517) 7,812

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

2011 169,860 192,466 ▲ 22,606

2012 203,924 195,728 8,197

2009 106,306 106,203 104

2010 138,236 154,346 ▲ 16,110

2007 94,243 108,381 ▲ 14,138

2008 114,139 116,933 ▲ 2,794

2005 55,459 75,017 ▲ 19,558

2006 71,325 89,538 ▲ 18,213

2003 30,935 47,350 ▲ 16,415

2004 42,903 62,955 ▲ 20,052

2001 18,559 23,230 ▲ 4,670

2002 23,574 31,193 ▲ 7,619

1999 12,280 14,930 ▲ 2,650

2000 17,334 22,181 ▲ 4,847

1997 12,698 12,357 341

1998 11,032 12,637 ▲ 1,605

1995 10,474 9,901 573

1996 10,308 10,850 ▲ 542

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

▲ 50,000

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

100万

ドル

付表5‐2‐1 国 ASEAN の推

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-3 中国の対ブルネイ

ブル イ 入品 分 )

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 セメント(2523) 12 34.3鉄鋼棒(その他)(7214)

11.2 34.6

2鉄鋼棒(その他)(7214)

6 17.4無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

4.8 6.3

3鉄鋼製管(その他)(7306)

5 14.2 羊毛・綿製編物 (6006) 4.7 6.2

4 鉱物選別機(8474) 2 5.9 有線電信機器 (8517) 4.1 4.0

5 大理石など (6802) 1 3.5 エアコン (8415) 3.2 2.4

6 メリヤス編物 (6002) 1 2.8 プラスチック管(3917) 2.9 2.4

7鉄鋼製鋳造製品(7325)

0 0.9 タイル(6907) 2.0 1.8

8 調整肉 (1602) 0 0.9 アルミニウム棒 (7604) 1.9 1.6

9 鉄鋼製ワイヤ (7314) 0 0.7 テレビ (8528) 1.9 1.4

10 塩化ビニル (3904) 0 0.6ゴム製の空気タイヤ(4011)

1.9 1.2

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 綿織物 (5208) 0 66.3 原油 (2709) 100.0 94.2

2 印刷回路 (8534) 0 33.7 乾燥魚 (0305) 0.0 4.9

3 - ジャージー (6110) 0.0 0.8

4 - 記録用媒体 (8524) 0.0 0.0

5 - 郵便切手(4907) 0.0 0.0

6 - 地図(4905) 0.0 0.0

7 - その他印刷物(4911) 0.0 0.0

8 - 紙製帳簿(4820) 0.0 0.0

9 - 書籍(4901) 0.0 0.0

10 - 紙製ケース(4819) 0.0 0.0

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 34 0 34

1996 39 0 39

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 8 0 8

2000 13 61 ▲ 48

1997 33 0 33

1998 9 0 9

2003 34 311 ▲ 277

2004 48 251 ▲ 204

2001 17 148 ▲ 131

2002 21 242 ▲ 221

2007 113 242 ▲ 129

2008 130 83 47

2005 53 208 ▲ 155

2006 100 215 ▲ 116

2011 744 562 183

2012 1,252 356 896

2009 140 282 ▲ 142

2010 368 639 ▲ 272

6 家具部品 (9403) 433

3 ゴム履物 (6402) 79

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

2 女性用スーツ (6104) 30

2 照明器具部品 (9405) 30

3 椅子 (9401) 77

2 合金鋼棒 (7228) 50

1 かご細工物(4602) 18

1 鉄鋼構造物・部品 (7308) 15

1 鞄 (4202) 23

1ゴム製の空気タイヤ(4011)

20

208 原油 (2709) 335

0 非環式アルコール (2905) 17

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

0組物用植物性材料(1401)

0

0 自動車部品 (8708) 0

0 古紙 (4707) 3

0 冷凍魚 (0303) 0

0 家具部品 (9403) 0

0 甲殻類 (0306) 0

0 木材 (4407) 0

0 魚フィレ (0304) 0

▲ 400

▲ 200

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

100万

ドル

付 5‐3‐1 国 ブ イ 易

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-4 中国の対カンボジア貿易

付 ン ジ 出品 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 7 12.8 羊毛・綿製編物 (6006) 15.3 15.0

2 タバコ(その他) (2403) 5 10.4 綿織物 (5209) 11.2 5.2

3ディーゼルエンジン(8408)

5 9.7 綿織物 (5208) 9.0 5.2

4鉄鋼棒(その他)(7214)

3 5.7 パイル編物 (6001) 5.9 4.4

5 タイル(6908) 2 3.9合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

4.3 4.1

6 配合肥料 (3105) 2 3.8 ジャージー (6110) 3.3 2.8

7 食器(6911) 2 3.4合成繊維(短繊維)の織物 (5513)

3.2 2.2

8鉄鋼棒(熱間圧延)(7213)

1 2.3 羊毛織物 (5801) 3.0 2.1

9木材など加工用機械(8465)

1 1.7 調整カニ・エビ (1605) 2.6 1.9

10 貨物自動車(8704) 1 1.7 綿織物 (5210) 1.9 1.8

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 合板用単板 (4408) 3 52.6 木材 (4407) 30.5 9.9

2 木材 (4403) 1 17.7 綿糸 (5205) 26.2 7.2

3 天然ゴム (4001) 1 17.2 天然ゴム (4001) 11.5 7.0

4 ナット (0801) 0 6.3 合板 (4412) 9.9 6.7

5 合成ゴム (4002) 0 4.9 精油(3301) 4.0 6.4

6 合板 (4412) 0 0.9 乳児用衣類 (6209) 3.0 5.3

7組物用植物性材料(1401)

0 0.2 男性用スーツ (6203) 1.6 5.1

8 木材 (4407) 0 0.2 生きている魚 (0301) 1.5 4.7

9 テレビ (8528) 0 0.0 男性用シャツ (6205) 1.2 3.9

10 - 甲殻類 (0306) 1.1 3.7

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 52 6 46

1996 63 7 56

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 105 56 49

2000 164 59 105

1997 76 45 31

1998 114 48 65

2003 295 26 268

2004 452 30 423

2001 206 35 171

2002 252 25 227

2007 881 51 830

2008 1,095 39 1,056

2005 536 27 509

2006 698 35 663

2011 2,319 185 2,133

2012 2,706 215 2,491

2009 905 36 868

2010 1,347 95 1,253

82 羊毛・綿製編物 (6006) 406

60 綿織物 (5209) 141

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

23 メリヤス編物 (6004) 112

18 綿織物 (5208) 77

48 有線電信機器 (8517) 139

32 パイル編物 (6001) 118

14ウォッチム-ブメント(9108)

52

10合成繊維(短繊維)の織物 (5513)

48

17 綿織物 (5211) 59

16 鉄鋼構造物・部品 (7308) 57

8 天然ゴム (4001) 21

7 男性用スーツ (6203) 15

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

1 ジャージー (6110) 14

1 ぼろひも・綱 (6310) 11

3 木材 (4403) 15

3配合ゴム(未加硫)(4005)

14

0乳児用衣類(メリヤス編)(6111)

8

0 女性用スーツ (6104) 8

0 木材 (4407) 11

0 Tシャツ (6109) 10

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

100万

ドル

5‐4‐1 国 カン ジ

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-5 中国の対インドネシア貿易

付 の イン シ 入品 分 )

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 原油 (2709) 74 5.2 石油精製品 (2710) 11.8 6.3

2 ショ糖 (1701) 57 3.9 原油 (2709) 7.0 3.9

3 落花生 (1202) 47 3.3 鉄鋼半製品 (7207) 2.9 3.2

4 銑鉄 (7201) 41 2.8無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

1.9 2.0

5 乾燥豆 (0713) 37 2.6コンピュータ関連部品(8473)

1.8 1.6

6 鉄鋼半製品 (7207) 35 2.4 綿織物 (5208) 1.6 1.6

7 たばこ (2401) 31 2.1オートバイ・自転車部品 (8714)

1.5 1.4

8鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

29 2.0 たまねぎ (0703) 1.5 1.2

9 エンジン部品 (8409) 27 1.9 レーザー (9013) 1.5 1.1

10 炭酸塩 (2836) 25 1.7合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

1.3 1.1

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 原油 (2709) 735 35.8 原油 (2709) 18.9 19.5

2 合板 (4412) 416 20.3コンピュータ関連製品(8471)

8.5 9.8

3 窒素肥料 (3102) 69 3.3化学木材パルプ(4703)

7.6 9.3

4化学木材パルプ(4703)

68 3.3 パーム油 (1511) 6.6 9.2

5 パーム油 (1511) 66 3.2 ポリカルボン酸 (2917) 4.9 4.2

6 天然ゴム (4001) 59 2.9 天然ゴム (4001) 4.4 4.0

7 紙 (4810) 56 2.7 石油精製品 (2710) 2.7 2.8

8 ポリカルボン酸 (2917) 34 1.7 木材 (4407) 2.3 2.8

9 カッザバ (0714) 33 1.6 合板 (4412) 2.1 2.5

10 木材 (4407) 33 1.6 やし油 (1513) 2.1 2.1

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 1,438 2,052 ▲ 614

1996 1,428 2,280 ▲ 853

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 1,779 3,051 ▲ 1,272

2000 3,061 4,402 ▲ 1,341

1997 1,841 2,673 ▲ 832

1998 1,172 2,462 ▲ 1,290

2003 4,482 5,754 ▲ 1,272

2004 6,257 7,212 ▲ 955

2001 2,842 3,888 ▲ 1,046

2002 3,427 4,501 ▲ 1,074

2007 12,609 12,380 229

2008 17,210 14,377 2,833

2005 8,349 8,430 ▲ 81

2006 9,453 9,610 ▲ 157

2011 29,257 31,323 ▲ 2,066

2012 34,291 32,033 2,258

2009 14,739 13,538 1,201

2010 21,973 20,760 1,214

981 石油精製品 (2710) 2,176

583 有線電信機器 (8517) 1,342

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

152 一般船舶 (8901) 565

133 女性用スーツ (6104) 538

244コンピュータ関連製品(8471)

1,092

156 レーザー (9013) 693

122トランスフォーマー(8504)

387

110 鞄 (4202) 370

129合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

477

124 男性用スーツ(6103) 424

1,590 石炭 (2701) 6,247

718 亜炭(2702) 3,145

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

412 天然ゴム (4001) 1,352

374 アルミニウム鉱(2606) 1,275

644 ニッケル鉱 (2604) 2,980

560 パーム油 (1511) 2,943

181 鉄鉱(2601) 810

174 歴青質混合物(2715) 672

230 化学木材パルプ (4703) 910

192 石油精製品 (2710) 882

▲ 5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

100万

ドル

付 5‐5‐1 中 ン シア

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-6 中国の対ラオス貿易

付 ラ ス 品 入 T

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 12 24.9 オートバイ (8711) 9.7 6.9

2 特殊航空機 (8802) 5 10.4無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

8.9 6.5

3 貨物自動車(8704) 4 8.5ディーゼルエンジン(8408)

6.6 5.2

4 ブルドーザー (8429) 3 6.4オートバイ・自転車部品 (8714)

5.6 3.8

5 たまねぎ (0703) 2 3.2 有線電信機器 (8517) 5.3 3.4

6 一次電池 (8506) 1 2.0 鉱物選別機(8474) 3.0 3.3

7 メリヤス編物 (6002) 1 1.9合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

2.6 3.1

8 トラクター(8701) 1 1.9光ファイバーケーブル(8544)

2.5 2.8

9ゴム製の空気タイヤ(4011)

1 1.9トランスフォーマー(8504)

2.4 2.6

10特殊用途自動車(8705)

1 1.8 エスカレーター (8428) 2.4 2.5

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 乾燥果実 (0813) 3 43.9 木材 (4403) 33.6 43.4

2 香料用植物(1211) 1 17.2 精製銅 (7403) 24.4 18.6

3 木材 (4403) 1 14.4 天然ゴム (4001) 16.3 11.1

4 コーヒ-豆 (0901) 1 11.2 木材 (4407) 10.1 10.8

5トランスフォーマー(8504)

0 4.0 海草 (1212) 3.7 6.8

6 木材 (4407) 0 1.5インドネシア特有、米国もある (9801)

2.1 1.7

7 コメ (1006) 0 1.5 家具部品 (9403) 1.6 1.2

8鉄鋼棒(その他)(7214)

0 1.1 香料用植物(1211) 1.1 1.0

9鉄鋼フラットロール製品(被覆) (7210)

0 1.0 とうもろこし (1005) 0.9 0.8

10 播種用の種(1209) 0 0.7 亜鉛鉱(2608) 0.9 0.7

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 48 6 41

1996 27 8 19

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 22 10 13

2000 34 6 28

1997 23 6 17

1998 18 8 10

2003 98 11 87

2004 101 13 88

2001 54 7 47

2002 54 10 45

2007 177 85 92

2008 268 149 119

2005 105 26 80

2006 169 50 119

2011 472 802 ▲ 330

2012 934 785 149

2009 373 337 36

2010 476 562 ▲ 86

10 鉄鋼構造物・部品 (7308) 65

9 貨物自動車(8704) 61

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

6コンピュータ関連製品(8471)

32

3光ファイバーケーブル(8544)

31

7 有線電信機器 (8517) 49

6 家具部品 (9403) 36

3 ブルドーザー (8429) 25

3 オートバイ (8711) 23

3 特殊航空機 (8802) 29

3アルミニウムケーブル(7614)

26

9 銅鉱(2603) 341

6 木材 (4403) 146

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

1 天然ゴム (4001) 54

1 とうもろこし (1005) 13

4 木材 (4407) 87

3 精製銅 (7403) 85

0 コメ (1006) 6

0 銅マット (7401) 6

0 海草 (1212) 10

0 鉄鉱(2601) 8

▲ 400

▲ 200

0

200

400

600

800

1,000

100万

ドル

5‐6‐1 ラ ス

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-7 中国の対マレーシア貿易

ア 入品 10( S 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

59 4.6コンピュータ関連部品(8473)

15.6 5.8

2 再生機部品 (8522) 52 4.0 レーザー (9013) 6.9 4.9

3トランスフォーマー(8504)

35 2.7コンピュータ関連製品(8471)

6.1 3.4

4鉄鋼フラットロール製品(冷間圧延) (7209)

33 2.6 集積回路 (8542) 5.1 3.0

5 大豆油かす (2304) 23 1.8無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

3.1 2.8

6 葉巻 (2402) 23 1.8 通信機器部品 (8529) 3.0 2.8

7 鉄鋼形鋼 (7216) 22 1.7 再生機部品 (8522) 2.1 1.9

8 陰極線管 (8540) 21 1.6 原油 (2709) 2.0 1.8

9 香料用植物(1211) 20 1.6 鉄鋼半製品 (7207) 1.4 1.6

10 調整肉 (1602) 18 1.4 拡声器 (8518) 1.3 1.5

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 パーム油 (1511) 685 33.1 集積回路 (8542) 48.2 46.4

2 合板 (4412) 271 13.1 パーム油 (1511) 6.0 6.1

3 木材 (4403) 102 4.9半導体デバイス(8541)

4.8 5.0

4 天然ゴム (4001) 94 4.5コンピュータ関連製品(8471)

4.1 4.4

5 原油 (2709) 90 4.3コンピュータ関連部品(8473)

3.0 4.1

6 集積回路 (8542) 64 3.1 天然ゴム (4001) 2.8 2.7

7合成繊維(長繊維)の糸 (5402)

50 2.4 エチレン重合体 (3901) 1.7 1.8

8 合板用単板 (4408) 49 2.4 通信機器部品 (8529) 1.6 1.7

9 木材 (4407) 45 2.1 有線電信機器 (8517) 1.3 1.7

10 スチレン重合体 (3903) 41 2.0 木材 (4403) 1.3 1.5

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 1,281 2,071 ▲ 790

1996 1,370 2,244 ▲ 873

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 1,675 3,607 ▲ 1,932

2000 2,565 5,480 ▲ 2,915

1997 1,920 2,485 ▲ 565

1998 1,594 2,675 ▲ 1,080

2003 6,142 13,998 ▲ 7,856

2004 8,085 18,162 ▲ 10,077

2001 3,221 6,206 ▲ 2,984

2002 4,975 9,295 ▲ 4,320

2007 17,702 28,737 ▲ 11,036

2008 21,383 32,112 ▲ 10,729

2005 10,618 20,108 ▲ 9,490

2006 13,540 23,577 ▲ 10,037

2011 27,901 62,017 ▲ 34,116

2012 36,526 58,247 ▲ 21,721

2009 19,632 32,206 ▲ 12,574

2010 23,817 50,375 ▲ 26,558

1,659 集積回路 (8542) 2,131

728 レーザー (9013) 1,800

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

328コンピュータ関連製品(8471)

1,024

316 女性用スーツ (6104) 1,022

643 家具部品 (9403) 1,242

544 有線電信機器 (8517) 1,090

146 拡声器 (8518) 584

141 自動車部品 (8708) 557

222 鞄 (4202) 711

216 男性用スーツ(6103) 642

9,701 集積回路 (8542) 27,036

1,215 パーム油 (1511) 3,525

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

606 石油精製品 (2710) 2,361

557配合ゴム(未加硫)(4005)

1,600

974コンピュータ関連製品(8471)

2,924

819 半導体デバイス (8541) 2,589

270 原油 (2709) 970

269 軽油 (2711) 854

345 有線電信機器 (8517) 1,060

322 天然ゴム (4001) 989

▲ 40,000

▲ 20,000

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100万

ドル

付 5‐7‐1 マ の

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-8 中国の対ミャンマー貿易

ン 10( S 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 66 10.6 鉱物性ろう(2712) 4.5 5.6

2 特殊航空機 (8802) 43 6.9 石油精製品 (2710) 4.1 4.6

3合成繊維(短繊維)の織物 (5513)

38 6.2合成繊維(短繊維)の織物 (5513)

3.0 4.0

4その他の船舶(軍艦、救命艇など)(8906)

38 6.1 特殊船舶 (8905) 2.9 3.8

5 貨物自動車(8704) 23 3.8鉄鋼棒(その他)(7214)

2.8 3.3

6ディーゼルエンジン(8408)

19 3.1マルチプルヤーン(5512)

2.6 2.5

7 鉄鋼製レール (7302) 18 2.9 綿糸 (5205) 2.4 2.5

8 医薬品(3004) 17 2.8 オートバイ (8711) 2.4 2.5

9 鉱物性ろう(2712) 16 2.5 鉄鋼半製品 (7207) 2.3 2.4

10鉄道用機関車(その他) (8602)

15 2.4 綿織物 (5208) 1.9 2.3

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 木材 (4403) 54 36.1 木材 (4403) 47.0 19.1

2 貴石(7103) 46 30.7 木材 (4407) 23.3 19.0

3 木材 (4407) 11 7.6 マンガン鉱(2602) 4.6 9.1

4 マンガン鉱(2602) 7 5.0 天然ゴム (4001) 3.5 5.0

5組物用植物性材料(1401)

5 3.4 鉄鉱(2601) 2.2 4.8

6 冷凍魚 (0303) 3 2.0 亜鉛鉱(2608) 2.1 4.8

7 乾燥魚 (0305) 2 1.2その他採油用種(1207)

1.7 3.7

8 牛革(原皮) (4101) 2 1.1 その他鉱物(2530) 1.7 3.6

9 天然の砂(2505) 1 0.9 乾燥果実 (0813) 1.6 3.5

10 乾燥豆 (0713) 1 0.9 貴石(7103) 1.3 3.3

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 618 150 468

1996 521 137 384

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 407 101 305

2000 496 125 372

1997 570 73 496

1998 533 62 471

2003 908 170 738

2004 939 207 732

2001 497 134 363

2002 725 137 588

2007 1,692 371 1,321

2008 1,979 645 1,335

2005 935 274 660

2006 1,207 253 955

2011 4,825 1,677 3,148

2012 5,675 1,299 4,376

2009 2,279 646 1,634

2010 3,481 961 2,520

42 オートバイ (8711) 320

38 鉄鋼製管 (7305) 262

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

27 貨物自動車(8704) 185

24 特殊船舶 (8905) 143

28 有線電信機器 (8517) 228

27 合金鋼棒 (7228) 216

22その他の船舶(軍艦、救命艇など)(8906)

137

18 マルチプルヤーン (5512) 133

22 石油精製品 (2710) 139

22鉄鋼フラットロール製品(被覆) (7210)

139

129 木材 (4403) 248

64 貴石(7103) 247

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

6 電気エネルギー(2716) 63

6 鉄鉱(2601) 62

13 天然ゴム (4001) 119

10 すず鉱(2609) 64

4 甲殻類 (0306) 45

4 海草 (1212) 43

5 木材 (4407) 48

5 真珠(7116) 47

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,00010

0万ド

ル5‐8‐1 ミ ンマ 推

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-9 中国の対フィリピン貿易

フィ 入 ( 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 244 23.7 集積回路 (8542) 12.4 2.6

2 鉄鋼半製品 (7207) 37 3.6コンピュータ関連部品(8473)

3.6 2.3

3鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

22 2.1 再生機部品 (8522) 3.2 2.3

4 石油精製品 (2710) 21 2.1無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

2.6 2.3

5ゴム製の空気タイヤ(4011)

21 2.0 石炭 (2701) 2.3 2.1

6 エアコン (8415) 19 1.9 蓄電池(8507) 1.9 1.9

7 落花生 (1202) 17 1.7 石油精製品 (2710) 1.8 1.9

8 テレビ (8528) 16 1.5 レーザー (9013) 1.7 1.8

9 綿織物 (5208) 15 1.5 発電機 (8501) 1.7 1.8

10鉄鋼フラットロール製品(冷間圧延) (7209)

14 1.3 通信機器部品 (8529) 1.6 1.6

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 軽油 (2711) 90 32.8 集積回路 (8542) 61.8 28.1

2 石油精製品 (2710) 24 8.6コンピュータ関連製品(8471)

16.4 20.7

3 バナナ (0803) 22 8.0半導体デバイス(8541)

3.3 8.7

4 銅鉱(2603) 21 7.5 レーザー (9013) 2.4 8.4

5 やし油 (1513) 10 3.6コンピュータ関連部品(8473)

2.4 4.2

6 精製銅 (7403) 10 3.5 通信機器部品 (8529) 1.7 3.5

7 銅板 (7409) 6 2.2 精製銅 (7403) 1.5 2.8

8 合板用単板 (4408) 6 2.1 再生機部品 (8522) 1.1 2.1

9 粗鋼 (7402) 5 1.8トランスフォーマー(8504)

0.8 1.6

10 集積回路 (8542) 4 1.4 バナナ (0803) 0.7 1.5

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 1,030 276 754

1996 1,015 373 642

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 1,380 908 473

2000 1,464 1,677 ▲ 213

1997 1,334 327 1,007

1998 1,499 517 982

2003 3,094 6,309 ▲ 3,215

2004 4,265 9,062 ▲ 4,797

2001 1,621 1,945 ▲ 324

2002 2,042 3,217 ▲ 1,174

2007 7,505 23,129 ▲ 15,623

2008 9,088 19,502 ▲ 10,414

2005 4,689 12,870 ▲ 8,181

2006 5,738 17,676 ▲ 11,938

2011 14,257 17,993 ▲ 3,736

2012 16,772 19,678 ▲ 2,906

2009 8,586 11,936 ▲ 3,349

2010 11,564 16,199 ▲ 4,635

580 有線電信機器 (8517) 436

169 玩具 (9503) 388

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

107鉄鋼フラットロール製品(被覆) (7210)

357

90 男性用スーツ(6103) 312

150 綿織物 (5208) 388

120 ゴム履物 (6402) 382

78 石油精製品 (2710) 294

76 集積回路 (8542) 267

86コンピュータ関連製品(8471)

312

78 軽油 (2711) 302

7,949 集積回路 (8542) 5,530

2,104コンピュータ関連製品(8471)

4,076

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

306 半導体デバイス (8541) 823

222 有線電信機器 (8517) 681

419コンピュータ関連部品(8473)

1,705

310 ニッケル鉱 (2604) 1,643

98 コンデンサー (8532) 321

90 バナナ (0803) 299

190 銅鉱(2603) 548

136 精製銅 (7403) 417

▲ 20,000

▲ 15,000

▲ 10,000

▲ 5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

100万

ドル

付 5‐9‐1 フ ン

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-10 中国の対シンガポール貿易

シン 入 (

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1コンピュータ関連製品(8471)

274 7.8 集積回路 (8542) 9.7 11.6

2 石油精製品 (2710) 173 4.9無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

8.1 9.1

3 葉巻 (2402) 129 3.7 通信機器部品 (8529) 7.0 9.0

4 身辺用細貨類(7113) 113 3.2コンピュータ関連製品(8471)

6.9 4.7

5コンピュータ関連部品(8473)

97 2.8コンピュータ関連部品(8473)

6.4 3.7

6 無線受信機器 (8527) 85 2.4 石油精製品 (2710) 6.0 2.7

7 原油 (2709) 80 2.3半導体デバイス(8541)

2.4 2.1

8 一般船舶 (8901) 66 1.9 一般船舶 (8901) 2.4 2.0

9 リネン (6302) 65 1.9 ジャージー (6110) 2.1 1.6

10 綿織物 (5208) 62 1.8 印刷回路 (8534) 2.0 1.5

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 石油精製品 (2710) 1,135 33.4 集積回路 (8542) 24.6 19.5

2 特殊船舶 (8905) 338 9.9 石油精製品 (2710) 12.4 16.6

3 通信機器部品 (8529) 141 4.2コンピュータ関連製品(8471)

11.0 6.8

4コンピュータ関連部品(8473)

123 3.6コンピュータ関連部品(8473)

3.4 3.0

5起重機関連部品(8431)

84 2.5 エチレン重合体 (3901) 3.3 2.9

6 再生機部品 (8522) 81 2.4 通信機器部品 (8529) 3.0 2.9

7 集積回路 (8542) 65 1.9 ポリアセタール (3907) 2.7 2.9

8コンピュータ関連製品(8471)

54 1.6プロピレン重合体(3902)

2.5 2.6

9 一般船舶 (8901) 48 1.4 冷蔵庫 (8418) 2.3 2.4

10プロピレン重合体(3902)

47 1.4 録音用媒体 (8523) 2.1 2.3

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 3,501 3,398 103

1996 3,749 3,601 148

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 4,503 4,062 442

2000 5,755 5,060 695

1997 4,321 4,385 ▲ 64

1998 3,901 4,226 ▲ 325

2003 8,873 10,486 ▲ 1,613

2004 12,695 14,002 ▲ 1,306

2001 5,793 5,143 650

2002 6,969 7,054 ▲ 86

2007 29,680 17,520 12,159

2008 32,325 20,062 12,263

2005 16,716 16,531 186

2006 23,188 17,675 5,514

2011 35,297 27,760 7,538

2012 40,321 28,429 11,892

2009 30,050 17,636 12,414

2010 32,333 24,583 7,751

1,626 一般船舶 (8901) 4,676

1,361コンピュータ関連製品(8471)

3,655

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

1,067 有線電信機器 (8517) 1,494

997 特殊船舶 (8905) 1,099

1,169 集積回路 (8542) 3,642

1,160 石油精製品 (2710) 1,883

346 合金鋼棒 (7228) 657

328 半導体デバイス (8541) 601

408コンピュータ関連部品(8473)

833

395 家具部品 (9403) 816

4,064 集積回路 (8542) 5,530

2,057 石油精製品 (2710) 4,722

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

549ウォッチム-ブメント(9108)

836

504 エチレン重合体 (3901) 832

1,824 録音用媒体 (8523) 1,934

562 プロピレン重合体 (3902) 855

378 環式炭化水素 (2902) 671

348 半導体ウエハー(8486) 664

439 非環式アルコール (2905) 832

409コンピュータ関連製品(8471)

735

▲ 5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

100万

ドル

5‐10‐1 の ガポ ル の

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-11 中国の対タイ貿易

11 品 入 O 1 分

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1その他の船舶(軍艦、救命艇など)(8906)

171 9.8コンピュータ関連部品(8473)

8.4 4.5

2 鉄鋼半製品 (7207) 148 8.4 鉄鋼半製品 (7207) 6.6 4.3

3鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

82 4.7無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

4.5 4.1

4鉄鋼フラットロール製品(冷間圧延) (7209)

58 3.3コンピュータ関連製品(8471)

3.8 3.9

5再生繊維(短繊維)の織物 (5516)

50 2.8 銀 (7106) 2.3 1.9

6 銑鉄 (7201) 48 2.8 有線電信機器 (8517) 2.1 1.7

7 牛革(原皮) (4101) 38 2.2 集積回路 (8542) 1.8 1.5

8 鉄鋼形鋼 (7216) 29 1.6 陰極線管 (8540) 1.5 1.4

9 石油精製品 (2710) 27 1.6 通信機器部品 (8529) 1.4 1.4

10 貨物自動車(8704) 25 1.4 発電機 (8501) 1.2 1.3

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 ショ糖 (1701) 345 21.4コンピュータ関連製品(8471)

19.3 20.4

2 コメ (1006) 322 20.0 集積回路 (8542) 12.8 9.5

3 天然ゴム (4001) 211 13.1コンピュータ関連部品(8473)

5.7 7.4

4 ポリカルボン酸 (2917) 42 2.6 天然ゴム (4001) 5.6 5.0

5合成繊維(短繊維)(5503)

33 2.1 原油 (2709) 3.6 4.6

6コンピュータ関連部品(8473)

29 1.8 ポリアセタール (3907) 3.0 3.7

7合成繊維(長繊維)の糸 (5402)

29 1.8半導体デバイス(8541)

2.5 3.2

8 エチレン重合体 (3901) 28 1.7 カッザバ (0714) 2.4 2.2

9牛革(なめしたもの)(4104)

26 1.6 ポリカルボン酸 (2917) 2.2 2.0

10 カッザバ (0714) 26 1.6 通信機器部品 (8529) 2.1 2.0

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 1,752 1,611 141

1996 1,255 1,890 ▲ 636

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 1,437 2,782 ▲ 1,345

2000 2,244 4,380 ▲ 2,136

1997 1,502 2,005 ▲ 503

1998 1,170 2,423 ▲ 1,253

2003 3,829 8,829 ▲ 5,000

2004 5,800 11,538 ▲ 5,737

2001 2,502 4,713 ▲ 2,210

2002 2,959 5,599 ▲ 2,640

2007 11,979 22,652 ▲ 10,674

2008 15,521 25,627 ▲ 10,106

2005 7,819 13,994 ▲ 6,175

2006 9,763 17,962 ▲ 8,198

2011 25,700 39,040 ▲ 13,340

2012 31,223 38,456 ▲ 7,233

2009 13,325 24,846 ▲ 11,521

2010 19,755 33,201 ▲ 13,446

655コンピュータ関連部品(8473)

1,404

517 レーザー (9013) 1,339

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

184 自動車部品 (8708) 597

161鉄鋼フラットロール製品(被覆) (7210)

519

354 有線電信機器 (8517) 1,283

300コンピュータ関連製品(8471)

1,230

113 通信機器部品 (8529) 449

96合金鋼フラットロール製品 (7225)

409

139 合金鋼棒(7227) 472

120 気体ポンプ (8414) 452

2,705コンピュータ関連製品(8471)

7,840

1,796 天然ゴム (4001) 3,649

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

509コンピュータ関連部品(8473)

1,754

414 エチレン重合体 (3901) 1,404

800 集積回路 (8542) 2,843

782配合ゴム(未加硫)(4005)

1,938

307 果実(その他) (0810) 786

287 環式炭化水素 (2902) 781

347 カッザバ (0714) 1,244

341高温コールタール蒸留物(2707)

835

▲ 20,000

▲ 10,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

100万

ドル

5‐11‐1 タイ

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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付表5-12 中国の対ベトナム貿易

5 国 ベト 目と 入 目T ( 分 )

品目名輸出額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 葉巻 (2402) 67 9.4 石油精製品 (2710) 15.4 6.1

2ディーゼルエンジン(8408)

35 4.8 鉄鋼半製品 (7207) 5.6 5.1

3 セメント(2523) 30 4.2鉄鋼フラットロール製品(被覆) (7211)

2.6 3.7

4 小麦粉 (1101) 16 2.3 配合肥料 (3105) 2.4 2.4

5 殺虫剤(3808) 15 2.1鉄鋼フラットロール製品(熱間圧延) (7208)

2.3 2.0

6 カリ肥料(3104) 13 1.8 綿織物 (5208) 1.8 1.9

7 すず塊 (8001) 11 1.5 窒素肥料 (3102) 1.7 1.8

8合成繊維(紡績糸)(5509)

10 1.4合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

1.6 1.6

9 テレビ (8528) 8 1.2 エンジン部品 (8409) 1.5 1.5

10 ビール (2203) 8 1.1 綿織物 (5209) 1.3 1.4

品目名輸入額

(100万ドル)% 品目名 % %

1 原油 (2709) 106 32.0 原油 (2709) 50.5 19.3

2 コメ (1006) 102 30.7 石炭 (2701) 14.5 10.5

3 大豆油 (1507) 31 9.3配合ゴム(未加硫)(4005)

3.6 8.2

4 パーム油 (1511) 15 4.5 天然ゴム (4001) 2.5 4.2

5 天然ゴム (4001) 15 4.5 木くず(4401) 2.1 4.1

6 カッザバ (0714) 8 2.4 カッザバ (0714) 2.0 3.6

7 ショ糖 (1701) 7 2.0 鉄鉱(2601) 1.8 3.5

8 ナット (0801) 5 1.4 でん粉 (1108) 1.6 3.4

9 木材 (4403) 3 0.9コンピュータ関連製品(8471)

1.2 3.2

10組物用植物性材料(1401)

3 0.8 発電機 (8501) 1.1 2.9

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

1995 720 332 388

1996 842 309 533

(100万ドル)

輸出 輸入 貿易収支

1999 964 354 610

2000 1,537 929 608

1997 1,078 357 721

1998 1,024 217 806

2003 3,180 1,455 1,725

2004 4,260 2,478 1,782

2001 1,805 1,010 795

2002 2,150 1,115 1,035

2007 11,906 3,214 8,691

2008 15,139 4,337 10,802

2005 5,639 2,549 3,090

2006 7,468 2,486 4,982

2011 29,088 11,108 17,980

2012 34,224 16,230 17,994

2009 16,278 4,741 11,537

2010 23,121 6,971 16,150

869 女性用スーツ (6104) 2,079

318 有線電信機器 (8517) 1,737

輸出

1995 2005 2012

輸出額(100万ドル)

品目名輸出額

(100万ドル)

129合金鋼フラットロール製品 (7225)

682

100 羊毛・綿製編物 (6006) 658

147 石油精製品 (2710) 1,260

136 綿織物 (5208) 834

86合成繊維(長繊維)の織物 (5407)

510

73コンピュータ関連製品(8471)

488

97 集積回路 (8542) 628

91 アルミニウム板 (7606) 560

1,289 集積回路 (8542) 3,140

371無線送信機器(携帯電話を含む) (8525)

1,706

輸入

1995 2005 2012

輸入額(100万ドル)

品目名輸入額

(100万ドル)

54 原油 (2709) 658

50 木くず(4401) 584

92 石炭 (2701) 1,335

64 コメ (1006) 682

31 カッザバ (0714) 526

28 拡声器 (8518) 478

46 天然ゴム (4001) 560

41 綿糸 (5205) 547

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

100万

ドル

5‐12‐1 中国の ベト ム

貿易収支

輸出

輸入

(出所)Global Trade Atlas より宮島作成。

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第 5 章 南進する中国と北進する ASEAN の貿易

196

<写真>タイ・ノンタブリー県のイスラーム私立学校廊下に掲示されていた ASEAN のポス

ター。“One Vision, One Identity, One Community”とある(2013 年 8 月 26 日、伊藤撮影)。

<写真>タイ・バンコクからコーラートへの走行時に目撃した工業団地(Prachinburi 県)の

広告。洪水リスクを前提に、「タイからタイへ」の工場移転を訴えかける。そして英語より

日本語の方が大きい(2013 年 8 月 20 日、伊藤撮影)。

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197

第 6 章

高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

助川成也

はじめに

ASEAN 自由貿易地域(AFTA)が 1992 年 1 月に開始され、既に 20 年以上経過した。そ

の間、AFTA は「到底、実現は不可能」と言われながらも、現在までに先行加盟 6 カ国の関

税撤廃率は99.2%に達するなど、極めて自由化水準の高いアジアを代表するFTAになった。

更に AFTA は原産地規則や利用条件などを企業活動の実態に即して改変される柔軟性を兼

ね備える。一方の中国と ASEAN との FTA も、2005 年 7 月の発効から 10 年弱になる。既に

中国と ASEAN 先行加盟国との関税撤廃が概ね完了し、今後は後発加盟国の着実な関税削

減・撤廃、センシティブ品目の削減、原産地規則の見直しを通じた改変に移る。

現在、2015 年の妥結を目指し交渉が開始された東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、

これら ASEAN 域内および域外との間で取り組んでいる FTA がベースとなり形作られる。

RCEP をより高水準なものにするには、それら ASEAN 域内外の FTA 自体を継続的に改善し

ていく必要がある。本章では、ASEAN 自由貿易地域(AFTA)と ASEAN 中国 FTA(ACFTA)

をとりあげ、その高度化に向けた動きを報告する。

また、FTA はこれまで関係国間での企業の生産拠点の統廃合を通じ、「勝ち組」と「負け

組」に大きく二分すると言われてきていた。しかし、2011 年に日本とタイとで発生した二

つの巨大自然災害の経験から、一極集中生産体制のリスクの高さがクローズアップされて

いる。そのため東アジア域内の FTA、例えば AFTA や ACFTA をインフラとして活用し、リ

スク分散を念頭に新たな分業体制の構築が進められている。本章では、より高度な東アジ

ア大の経済圏形成のための取り組みと、リスク分散を念頭にした東アジアの拠点機能の役

割の変化を概観する。

第 1節 東アジアの経済圏作りの中での ASEAN

1. 次々と立ち上がる巨大経済圏構想

ASEANを含む東アジア16カ国で、2013年5月から「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)

交渉が開始された。2015 年末までの合意を目指す。これまで東アジア地域大の自由貿易圏

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

198

構想は 2 つあった。中国と韓国とが主導し ASEAN+3 で構成される東アジア自由貿易地域

(EAFTA)構想と、日本が音頭をとり ASEAN+6 で構成される東アジア包括的経済連携

(CEPEA)構想である。しかし、これら構想を巡り両陣営は激しい綱引きを演じ、ASEAN

はどちらか一方につくわけにいかず、東アジア大の経済圏構築に向けた取り組みは膠着状

態に陥っていた。

しかし、この状況に外から刺激を与え打破したのは環太平洋戦略的経済連携協定、いわ

ゆる TPP に向けた動きである。2011 年 11 月の東アジア首脳会議に先立って、米国ハワイ・

ホノルルで行われた第 19 回アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議において TPP 交渉が

にわかに注目された。TPP には ASEAN 加盟国のうちシンガポール、ブルネイ、マレーシア、

ベトナムが交渉に参加していることもあり、ASEAN もその動きを注視していたが、前述の

通り東アジア広域経済圏構想で主導的役割を担ってきた日本が APEC 首脳会議に先立ち、

TPP 交渉参加に向けた協議開始の意向を表明したこと、更にはカナダとメキシコも同会議の

席上、日本と同様の意思を見せたことなどで、自ら「ドライビングシート」に座りアジア

太平洋地域での貿易自由化を推し進めると自負してきた ASEAN は、その役割が TPP に移

るのではと懸念を抱いた。

東アジアではこれまで、ASEAN をハブとし、東アジア各国が ASEAN と結びつくいわゆ

る「ASEAN+1」の形態をとることで東アジア域内の経済圏形成の主導権を確保してきた。

現在までに ASEAN+1FTA は、日本、中国、韓国、インド、豪州・ニュージーランドと 5

つ締結されている。

ASEAN は 2011 年 11 月の ASEAN 首脳会議で、これまでの「プラス 3 か、プラス 6 か」

という対象国の議論を棚上げし、東アジア 16 カ国のうち「テンプレート(参加基準)」を

満たせる国々とで広域経済圏作りを目指すとし、ASEAN の考える地域経済統合の枠組み

「ASEAN Framework on Regional Comprehensive Economic Partnership」(RCEP)を提示した。

ASEAN が、これまで躊躇していた東アジア広域経済圏構想に踏み出した瞬間である。この

背景には、足もとのアジア太平洋地域で TPP 等巨大経済圏構想が現実味を帯びてきたこと

に、ASEAN が危機感を覚えたことがあげられる。

RCEP の経済規模(名目 GDP)は 2012 年時点で、TPP の 28 兆 1,360 億ドルには及ばない

ものの、21 兆 1,910 億ドルで世界全体の 29.3%を占める。これは EU(16 兆 6,730 億ドル)

を大きく凌ぐ。ただし、東アジアは世界が欧州金融・財政危機等の影響が残る中、今後も

確実に成長していくことが見込まれる地域である。また、人口でも 34 億 390 万人と世界全

体の凡そ半分を抱える。

現在までに、RCEP、TPP 等に触発される形で、他にも巨大経済圏構想が誕生している。

まず、東アジアでは日中韓 3 カ国による FTA の動きである。TPP 交渉の枠組みに入ってい

ない中国と韓国は、TPPの動きに触発される形で 2012年 5月に日中韓 3カ国の首脳間で FTA

の年内交渉開始に合意、同年 11 月に東アジア首脳会議と並行して開催された日中韓首脳会

議で交渉開始を宣言した。正式な交渉は 2013 年 3 月に開始された。もともと日中韓 FTA は、

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199

韓国・金大中大統領(当時)が 1999 年 11 月に日中韓経済協力構想を提案したことに始まる。

以降、翌年 1 月から 3 カ国の研究機関間で FTA に関する共同研究が開始された。しかし、3

カ国の間には領土問題や歴史認識を巡る問題等センシティブな問題が数多く横たわってお

り、共同研究が行われている間にもこれら問題が度々噴出する度に研究自体も影響を受け

てきた。実際に、政府を交えた形で産官学共同研究会が開始されたのは 2010 年 5 月になっ

てからのことである。

一方、欧州に目を転じれば、EU は日本、そして米国との経済連携協定締結を目指す。EU

はもともと関税障壁が低い日本との交渉には積極的とは言えず、むしろ消極的であった。

2007 年 10 月に日 EU 間で民間研究会を立ち上げたものの、共同検討作業が開始されたのは

2010 年になってからのことである。しかし、アジア太平洋で TPP や RCEP 等巨大経済圏構

築の動きが出始めると、EU は「このままでは通商ルール作りに参加出来ない」と危機感を

強めた。交渉の対象および範囲を決める EPA 予備交渉を経て、2013 年 3 月に日 EU 首脳間

で EPA 交渉開始に合意、2013 年 4 月に正式に交渉を開始した。

また、EU と米国との間でも環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)実現に向け動き

出している。両国・地域の政府は 2013 年 2 月に共同声明で、交渉の開始に向けた内部手続

きを開始することを発表した。2013 年 3 月、欧州委員会は、EU 米国間の自由貿易協定交渉

の権限委任を加盟国に求める決定案(マンデート案)を採択、2013 年 7 月に正式に大西洋

を挟む巨大経済国・地域での交渉が開始された。

ASEAN は、これら巨大経済圏構想が次々と出てくる中、「ASEAN の中心性」の堅持によ

る求心力維持のためにも、自らが「ドライビングシート」に座れる RCEP 構想に向けてそ

の重い腰をあげた。2012 年 8 月の ASEAN FTA パートナーズ経済相会議で合意された RCEP

の「交渉の基本指針及び目的」によれば、対象範囲は、①物品貿易、②サービス貿易、③

投資、④経済及び技術協力、⑤知的財産、⑥競争、⑦紛争解決、⑧その他の事項、となる。

交渉の原則として RCEP では、「参加国の個別のかつ多様な事情を認識しつつ、既存の

ASEAN+1FTA よりも相当程度改善した、より広く、深い約束がなされる」ことが経済相

間で確認されている。また、物品貿易については「RCEP 参加国の既存の自由化レベルを基

礎として、また品目数及び貿易量の双方で高い割合の関税撤廃を通じて、高いレベルの関

税自由化を達成することを目指すべき」と関係国間で共通認識を持った。そのため、RCEP

をより自由化水準が高く、より企業が活動し易い経済統合にするには、ACFTA を含め 5 つ

の ASEAN+1FTA の高度化や制度の改善が不可欠である。

2. ASEAN 自由貿易地域(AFTA)構築作業のこれまで

90 年代まで、企業が ASEAN 各国市場に参入するには、高関税を払って輸出するか、投

資により製造拠点を設けるか、選択肢はそのいずれかであった。その市場に参入するため、

域内で同様の製品を作る工場を複数持つなど、重複投資を余儀なくされた企業も多く、投

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

200

資効率面や負担面で大きな課題であった。また、投資の重層化により徐々に裾野産業など

も形成されつつあったものの、関税障壁は各拠点間の域内製品・部品融通をも制限した。

そのため ASEAN 各国の機械分野を中心とする産業構造は似通ったものになった。

この問題に解決の道を与えたのが CEPT(共通効果特恵関税)措置を用いた ASEAN 自由

貿易地域(AFTA)である。AFTA の主要な目的は、①ASEAN 域内における水平分業体制を

強化し、ASEAN 諸国の地場産業の競争力を高めること、②市場規模を拡大し、スケール

メリットを確保、外資を呼び込むこと、③世界的な自由貿易体制への準備、の 3 つであっ

た1。

AFTA は 1992 年 1 月 28 日にシンガポールで開催された ASEAN 経済相会議(AEM)で

「AFTA における CEPT 協定」が署名されたことに始まる。ここでは品目を①適用品目(IL)、

②一時的除外品目(TEL;引き下げ準備が整っていない品目)、③一般的除外品目(GEL;防

衛、学術的価値から関税率削減対象としない品目)、④センシティブ品目(SL;未加工農産

物等適用品目への移行を弾力的に行う品目)、⑤高度センシティブ品目(HSL;米関連品目

等)に分け、IL の関税削減・撤廃を目指した。TEL、SL、HSL も順次 IL に移行、関税を削

減・撤廃する。当初、AFTA の目標は、93 年の発効から 5~8 年以内に IL の関税を 20%以

下に削減、更に 20%もしくはそれ以下になった品目については、2001 年から 7 年間かけて

(2008 年)域内関税を 0~5%に引き下げることであった。

ASEAN には 95 年にはベトナムが加盟し、これにラオス、ミャンマー(97 年)、カンボジ

ア(99 年)が続いた。これを踏まえ、AFTA も現在の 10 カ国体制となったが、関税削減ス

ケジュールは後発加盟国に配慮するなど柔軟性を持たせた。

1997 年 7 月、タイを震源とするアジア通貨危機が発生した。この危機は直ぐに ASEAN

全土に伝播した。これまで外国投資を受け入れることで工業化を果たしてきた ASEAN は、

同危機により世界の成長センターとしての地位から失墜、更に「有望な投資先」としての

位置付けからも転落しかねないとして、強い危機感を持ち、ASEAN として失地回復に向け

た新たな取り組みが模索されていた。

98 年に開催された第 12 回 AFTA 評議会(ASEAN の経済相で構成)は、ASEAN 先行加

盟国が 2008 年迄に予定していた「IL の 0~5%化」を 2003 年迄に、またベトナムは 2006

年迄、ミャンマー・ラオスは 2008 年迄に、それぞれ前倒しすることを決めた。閣僚レベル

の会議に続いて同年 12 月に開催された首脳会議では、AFTA 評議会決定の更なる前倒しを

決断した。ここでは「大胆な措置(Bold measure)」と銘打ち、先行加盟 6 カ国は、品目数・

域内貿易額双方で 2000 年迄に 90%の品目で、2002 年迄に一部を除き全ての品目で、それ

ぞれ CEPT 税率を 0~5%化することにした。また後発加盟国について、ベトナムは 2003

年迄に、ラオス・ミャンマーは 2005 年迄に、関税率 0~5%の品目数が 大になるよう、更

1 林哲三郎「AFTA~ASEAN 経済統合の実情と展望~」(青木健編著 2001 年、所収)

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201

に各々3 年後には、関税率 0%の品目数が 大となるよう、関税削減を進めることも決定し

た。

翌年 1999 年の第 13 回 AFTA 評議会では、当初、CEPT の目標関税をこれまでの「0~5%」

から「関税撤廃」にし、その上で IL につき先行加盟国は 2015 年迄に、また後発加盟国は

2018 年迄に、それぞれ関税を撤廃することで合意した。また中間目標として、先行加盟国

は 2003 年迄に品目数の 60%で関税を撤廃することでも合意した。しかし 2 カ月後にフィリ

ピンで開催された第 3 回非公式 ASEAN 首脳会議では、再び自由化に向かって加速化するこ

とを決断した。これまで先行加盟国は 2015 年、後発加盟国は一部を除き 2018 年としてい

た関税撤廃時期を、それぞれ 2010 年、2015 年に前倒すことを決めた。アジア通貨・経済危

機の下、「関税削減スケジュールの遅延も止むなし」とされていた中での加速化は、ASEAN

の強い危機意識の表れであった。このようにアジア通貨危機は、ASEAN に埋没リスクを強

く意識させた結果、ASEAN は求心力維持のため、AFTA による関税削減・撤廃の加速化・

深化を決断させた。

AFTA の関税撤廃措置の加速化は、特定分野を対象に更に進展している。ASEAN 各国は

2004 年 11 月に開催された首脳会議で、「ASEAN 優先統合分野枠組み協定」に調印した。こ

れは前年 2003 年 10 月にインドネシア・バリで開催された首脳会議で合意された第 2ASEAN

協和宣言(バリ・コンコードⅡ)に基づき、優先 11 分野が選定され、市場統合の加速化を

図るもの。優先統合分野については、関税撤廃を 3 年前倒しし、ベトナムを含む ASEAN 後

発加盟 4 カ国は 2012 年 1 月 1 日までに(先行加盟 6 カ国は 2007 年 1 月 1 日まで)撤廃し、

市場統合を後押しする。優先統合分野は、自動車、木製品、ゴム製品、繊維、農産物加工、

漁業、電子、e-ASEAN、ヘルスケア、航空、観光の計 11 分野2であるが、関税撤廃対象は航

空、観光を除いた 9 分野である。うち 大 15%(677 品目)はネガティブリストとして適用

対象外として取り扱うことが出来る。

3. より高水準な AFTA 実現に向けた ASEAN の取り組み

これまで幾度にも亘り関税削減、撤廃措置を加速化させてきた ASEAN であるが、AFTA

実施の問題点として、期限遵守が徹底されないなど執行体制の脆弱性が言われてきた。ベ

トナム経済管理中央研究院ヴォ・チ・タイン経済政策・国際統合研究部長は、AFTA-CEPT

協定の問題点として、①執行体制や強制力が弱いこと、②措置実施は国益、国民の利益に

影響する可能性があり、ASEAN 各国は個別利益をなかなか乗り越えられないこと、などを

指摘している。ベトナムが防衛、学術的価値のあるもの等に限られる一般的除外品目(GEL)

に、数多くの工業製品を指定したのはその典型的な例である。

2 後に優先統合分野 12 番目として「物流」が指定された。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

202

ASEAN 各国は当然、各々独自に育成を目指す産業があり、国内の産業界の声を受ける形

で特恵関税適用を拒んできた分野もある。前述の通り、ASEAN 先行加盟国は AFTA により

2003 年迄に一部を除き関税を 5%以下にすることが義務付けられたが、マレーシアは自動車

について国民車政策維持のため「関税削減は困難」として留保を要請した。当時、マレー

シアは AFTA からの脱退をちらつかせながら留保を求めたという。

マレーシアからの強い要請を受け、ASEAN 経済相会議はマレーシアの完成自動車につい

て、一時除外品目(TEL)から IL への移行を 05 年 1 月まで延期することを容認した。以降、

マレーシアは 1 年前倒し(04 年)で完成車を TEL から IL に移行させ、完成車の AFTA 特

恵関税率を 40~190%(改正前 60~300%)に、更に 2005 年には 20%に、そして翌 06 年 3

月に 5%以下に、それぞれ引き下げた。

AFTA では、「相互譲許」の原則があり、当該品目について輸出国側の関税率が 20%以下

に引き下げられて初めて輸入国側で AFTA 特恵税率が享受できる。マレーシアが 2005 年に

完成車の特恵関税率を 20%以下に引き下げて以降も、タイはマレーシアの完成車輸入に対

し AFTA 特恵税率付与を拒んできた。タイは、「マレーシアは輸入許可証(AP)により実質

的に ASEAN からの輸入数量制限を行っている」と強く主張していた。タイ・マレーシア両

国は二国間協議を重ね、タイは 2007 年 6 月の閣議でマレーシア製自動車に AFTA 関税 5%

を付与することと、2006 年 3 月に遡及適用することを決めた。ASEAN からの自動車輸入に

ついて、マレーシアは AP を引き続き求めるものの、あくまで数量のモニタリング目的とす

ることで決着した。

このように、AFTA は執行上脆弱性を抱えていた。1992 年 1 月に調印された AFTA-CEPT

協定は、全体でわずか 10 条しかない極めて短い協定であり、協定自体が不十分であったこ

とがその原因として挙げられる。SL や HSL を定めた議定書、コミュニケ、原産地規則、原

産地証明書発給手続き等 AFTA 実施に不可欠な事項が協定とは別に採択されていたことも、

原因の一つであった。また、関税削減・撤廃の前倒し等各種措置の中には、AFTA 評議会や

ASEAN 首脳会議で合意、声明に盛り込まれたのみで、議定書などに反映されておらず、法

的根拠が曖昧な措置もあった。

AFTA の脆弱性等の問題を解決すべく、2007 年 11 月の ASEAN 首脳会議で採択された

ASEAN 経済共同体(AEC)への工程表とも言える AEC ブループリントで、AFTA-CEPT 協

定自体を包括的な協定として見直すことが掲げられた。これを踏まえ ASEAN は見直し作業

に着手、2008 年 12 月、AFTA-CEPT 協定は「ASEAN 物品貿易協定」(ATIGA)として生ま

れ変わった。AEC ブループリントの中で AFTA は、サービス貿易、投資と並んで「ASEAN

単一市場・単一生産拠点」を実現する重責を担う。

ATIGA は、AFTA-CEPT 協定や関連する文書を一本化するとともに、これまでになかった、

①貿易円滑化、②税関、③任意規格・強制規格および適合性評価措置、④衛生植物検疫、

⑤貿易検疫措置、を新たに加えた。その結果、ATIGA は全 11 章 98 条にのぼり、制度的枠

組みが整った国際水準の FTA となった。

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203

ATIGA では、第 6 条で「内国民待遇」が規定されていることが特徴である。ここでは GATT

第 3 条を ATIGA の一部とし、内国税、内国課徴金、販売・輸送などに関する法令などを国

内産品に保護を与えるように適用してはいけないとしている。また、もう一つの特徴とし

て、第 5 条で「 恵国待遇」を規定している。現在、FTA/EPA については、ASEAN の枠

組みによるものに加え、加盟各国が独自に締結するなど、東南アジア地域の FTA ネットワ

ークは多方向かつ重層的になっている。加盟各国の中には、AFTA において一部の品目を

HSL や SL、GEL のカテゴリーに分類し、関税削減を行っていない品目、または IL の中で

も関税が 5%超の品目もある。それら品目で、ASEAN 各国が個別に域外国に対し、より低

い関税を付与している事例もある。その場合、ATIGA により ASEAN 加盟各国に同等の税

率を付与しなければならなくなった。AFTA-CEPT 協定の ATIGA への移行により、AFTA は

法的、制度的、包括的、かつ除外品目の少ない極めて高度な FTA になった。

4. AFTA の関税削減状況

ASEAN の AFTA のもと、先行加盟 6 カ国は 2010 年に、後発加盟 4 カ国は 2015 年に、そ

れぞれ域内関税を撤廃することが目標である。関税削減自体は一部に遅れは見られるもの

の、概して順調に進んでいる。図表 6-1 は 2013 年 12 月時点での AFTA のもとでの加盟各国

の関税撤廃・削減状況を示したものである。先行加盟 6 カ国は総品目数の 99.2%で関税を

撤廃している。関税は 0%超 5%以下の水準で関税が残存している品目は、マレーシアは果

物やたばこ、フィリピンは家畜肉やとうもろこし、砂糖である。また、タイは切り花、馬

鈴薯、コーヒー、コプラで関税が残存する。一方、依然として 5%超の関税が課せられてい

る品目は米や砂糖関連製品、その他には、一般的除外品目として特恵関税適用対象から除

外されている武器・弾薬等が指定されているに過ぎない。

一方、後発加盟国は 2015 年に関税削減・撤廃対象品目(IL)の関税撤廃を目指す。ただ

し、総品目数の 7%以下であれば 2018 年までの撤廃を容認するなど柔軟措置が与えられて

いる。

また、後発加盟国も徐々に関税撤廃品目を拡大していくことが求められている。IL 全体

の 80%の品目について関税撤廃が求められているのは、ベトナムで 2010 年、ミャンマー・

ラオスで 2012 年である。これらの国々について、現在までにベトナムで総品目数の 72.2%、

ラオスで 78.7%、ミャンマーで 79.7%の関税が撤廃されている。一方、 も遅い 1999 年に

ASEAN に加盟したカンボジアは、2010 年までに IL の 0~5%化、IL の 60%の品目の関税撤

廃が約束されていた。カンボジアの場合、現在までに関税撤廃品目比率は 59.6%と、ほぼ

目標を達成している。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

204

図表 6-1 ASEAN 各国の AFTA のもとでの関税削減状況(2013 年 12 月時点)

0%超

総品目数に対する

割合

総品目数に対する

割合

ブルネイ 9,916 9,844 99.3% 72 0 0.0% - 72インドネシア 10,012 9,899 98.9% 113 0 0.0% 17 96マレーシア 12,337 12,182 98.7% 155 60 0.5% 13 82フィリピン 9,821 9,685 98.6% 136 74 0.8% 35 27シンガポール 9,558 9,558 100.0% 0 0 0.0% - -タイ 9,558 9,544 99.9% 14 14 0.1% - -ASEAN-6 61,202 60,712 99.2% 490 148 0.2% 65 277カンボジア 9,558 5,700 59.6% 3,858 3,706 38.8% 152 0ラオス 9,558 7,525 78.7% 2,033 1,585 16.6% 361 87ミャンマー 9,558 7,614 79.7% 1,944 1,884 19.7% - 60ベトナム 9,558 6,905 72.2% 2,653 2,365 24.7% 98 190CLMV 38,232 27,744 72.6% 10,488 9,540 25.0% 611 337ASEAN10 99,434 86,083 86.6% 12,093 10,815 10.9% 664 614

その他0%超5%以

下5%超

総品目数

関税率0%

(注 1)「その他」では AFTA 特恵関税が示されていないもの。5%以上の品目は、一般的除外品目(GEL)、

センシティブ品目(SL)、高度センシティブ品目(HSL)から関税削減・撤廃品目(IL)に組み込ま

れたばかりのもの。

(注 2)AHTN2012 バージョン。

(出所)ASEAN 事務局資料(2014 年 1 月)をもとに作成。

その結果、後発加盟国では総品目数の 72.6%で関税撤廃、25.0%で関税が 0%超 5%以下

に下がっている。したがって、後発加盟国でも既に総品目数の 97.6%で関税が 5%以下に削

減されている。物品貿易の自由化については、関税削減については概して順調に進んでい

ると言えよう。

第2節 東アジアの経済圏作りの中の中国

1. 中国と ASEAN との自由貿易地域(ACFTA)構築作業のこれまで

90 年代後半、世界は WTO 新ラウンド立ち上げに高い期待が寄せられていた。1999 年 11

月の第 3 回 WTO 閣僚会合(シアトル会議)では、途上国に対しより一層の市場開放を求め

る先進国と、ウルグアイ・ラウンドでの合意を自らにとってよりバランスのとれた方向に

是正しようとする途上国とで対立したことや、WTO の意思決定の透明性への懸念から途上

国が反発、新ラウンドの立ち上げが失敗した。2001 年 11 月の第 4 回閣僚会合で途上国の要

求に配慮する形でドーハ開発アジェンダ(ドーハ・ラウンド)が立ちあがったものの、米

国と中国やブラジル等新興国の対立により交渉は遅々として進まなかった。以降、閣僚会

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議では交渉全体が当面妥結しがたいことを認める一方で、有望な個別分野の交渉を進める

など異なるアプローチを模索する方向に舵を切った。その結果、バリ・パッケージとして、

①貿易円滑化協定、②農業 3 提案(食糧安全保障目的のための公的備蓄、関税割当の運用、

輸出競争)、③開発、の 3 分野が WTO 閣僚会議で合意をされたのは 2013 年 12 月になって

からのことである。新ラウンド立ち上げから、はや 12 年が経過している。

その一方で、同時期に妥結を目指した情報技術協定(ITA)の深堀交渉については、2012

年 5 月に交渉が開始されたものの、2013 年 11 月の第 15 回交渉会合で、中国が数多くの品

目の除外を要求し続けたことで妥結に至らなかった。多角的貿易交渉は、その利害が複雑

に絡むことから交渉が難しく、かつ合意までには長期に亘る時間が必要になる。

ASEAN 各国が FTA に関心を持ち始めた背景には、それら多国間交渉の困難性を背景に、

東アジア地域は欧米など FTA を既に締結している国々と比べ、輸出機会を逸する等、経済

的損失を被る可能性があることを懸念したことがあげられる。そのため WTO の多国間自由

化交渉を見守りつつも、特定国間での FTA は多国間自由化交渉を補完するものと位置付け、

FTA に向けて舵を切っていった。

中国が東アジアで FTA 形成の動きを見せたのが、WTO シアトル会議が決裂した翌 2000

年である。2000 年 11 月にシンガポールで開催された ASEAN 首脳会議および関連会議で、

中国の朱鎔基首相(当時)は、ASEAN 側に自由貿易圏構想に向けた作業部会を設置するよ

う提案した。その提案を ASEAN 側は支持したものの、一方で経済的にも軍事的にも台頭著

しい中国に警戒心を隠さなかった。

中国が ASEAN との FTA 締結を積極的に推進する戦略的意図として、①貿易・投資促進

による経済的利益の享受、②東アジアでの FTA における主導権の確保、③ASEAN における

中国脅威論の解消、④包括的な協力関係の構築、⑤台湾の南向政策に対する牽制、がある

と指摘されている。

中国は ASEAN 側の警戒心を和らげるべく、FTA において農水産品でのアーリーハーベス

ト(EH 措置。一部品目の早期関税削減)措置の導入を提案した。中国と ASEAN とは気候

が異なり、栽培される野菜や果物の種類の多くは異なる。熱帯果物の中国向け輸出拡大は、

農業従事者の所得向上、ひいては地方部の底上げに繋がるとし、中国の提案は ASEAN 各国

にとって魅力的に映った。ASEAN 各国が中国との FTA 設置に踏み出す決意を示したのは、

それら中国側の提案を契機に、「中国の経済成長は自国にとってもチャンス」と捉える見方

が出てきたことがある。その結果、翌 2001 年 11 月にブルネイで開催された ASEAN 中国首

脳会議では、10 年以内に FTA を設置することで合意した。

その合意から 1 年が経過した 2002 年 11 月、中国と ASEAN は首脳会議で FTA の骨格と

なる「中国・ASEAN 包括的経済協力枠組み協定」を締結した。この協定には前述のアーリ

ーハーベスト(EH)措置が盛り込まれており、HS01~08 の農水産品と鉱工業品の一部品目

について、2004 年 1 月からの関税削減を開始した。これら対象品目は、ASEAN 先行加盟国

と中国とは 2006 年、ベトナムは 2008 年、ラオス・ミャンマーは 2009 年、カンボジアは 2010

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

206

年の、各々1 月 1 日までに関税を撤廃する。

EH 措置は、2003 年 7 月 1 日時点の 恵国待遇(MFN)レートを基準に、ブルネイ、イ

ンドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイの 6 カ国は、農水産品全品目

を関税削減・撤廃の対象とした。ベトナムは生きた家禽や鶏肉、卵、レモンなど 15 品目を、

カンボジアは玉ネギ、ニンニクなどの野菜やグアバ、マンゴなどの熱帯性果物など 30 品目

を、ラオスは野菜や果物など 56 品目をそれぞれ適用除外品目としている。フィリピンは国

内農家の強い反対から実施が遅れていたものの、 終的に種芋、芽キャベツ、アーティチ

ョーク(チョウセンアザミ)などの例外を除き、生鮮野菜は EH 対象品目から除外された。

枠組み協定の中はモノの貿易以外にも、サービス貿易、投資、経済協力などについて枠

組みが示されている。更には、ASEAN 各国と中国とが5つの優先分野、具体的には、①農

業、②情報通信技術(ICT)、③人的資源開発、④投資、⑤メコン川流域開発、で協力する

ことが明記されるなど、ASEAN 側を惹きつける魅力的な事項が散りばめられている3。

また枠組み協定第 9 章では ASEAN の WTO 非加盟国に対して、中国は 恵国待遇の付与

を約束している。締結当時、ラオス、ベトナムが非加盟国であったが、中国は両国に対し

て関税や輸入手続きなど WTO 加盟国と同等の待遇付与を約束した。このように中国は、

ASEAN 先行加盟国には中国市場へのアクセス権を、また新規加盟国には経済協力など飴を

それぞれ与え、FTA に誘い込んだ。

2. ACFTA の取り組みの焦点はセンシティブトラックへ

EH 措置対象品目以外でモノの貿易に特化した協定が、2004 年 11 月に締結された「中国・

ASEAN 包括的経済協力枠組み協定における物品貿易協定」(以降、ACFTA)である。ACFTA

は ASEAN にとって域外国と締結をする初めての FTA であるが、関税削減方式や対象外品

目の決定、新規加盟国の段階的参加、原産地規則など、規則の多くで AFTA のルールが踏

襲されている。当初、ACFTA のもとでの関税引き下げ開始は 2005 年 1 月 1 日であったが、

実施する上での準備や国内手続きに時間を要したこと、一般的な原産地規則(地域累積原

産 40%以上)を適用しない特定品目の選定に時間を要したこと等により、半年遅れの 05 年

7 月 1 日となった。

ACFTA は、アーリーハーベスト対象品目を除き、一般スケジュール通り関税削減を実施するノ

ーマルトラック、一般より緩やかに関税を削減するセンシティブトラックに分かれている。ノーマル

トラックの場合、ASEAN 先行加盟 6 カ国は 2010 年までに、また後発加盟国は 2015 年まで

に、それぞれ撤廃することが規定されている。これは AFTA の関税削減・撤廃スケジュー

3 銀行、金融、観光、産業協力、運輸、通信、知的財産権、中小企業、環境、バイオテクノロジー、

漁業、林業、鉱業、エネルギー、地域開発など広い範囲で ASEAN と中国が協力することが明記さ

れている。

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ルと同じである。ノーマルトラックは、一部品目でノーマルトラック 2 として関税撤廃の

猶予を与えている。先行加盟国は 150 品目以内に限り関税撤廃が 2 年間(2012 年 1 月 1 日

まで)、また、後発加盟国は 250 品目以内に限り 3 年間(2018 年 1 月 1 日まで)、それぞれ

猶予される。そのため、現在までにノーマルトラックについてみれば、ASEAN 先行加盟国

と中国とはセンシティブトラックを除き関税撤廃が完了している。また後発加盟国は現在

までに ACFTA 特恵関税は 10%以下にまで既に引き下げられており、2015 年 1 月 1 日には

関税撤廃が完了する(図表 6-2、図表 6-3)。

ACFTA では、更に特定水準までの関税引き下げが求められている。具体的にみると、

CLMV は品目数の 50%について、ベトナムは 2009 年、ミャンマー・ラオスは 2010 年、カ

ンボジアは 2012 年に、それぞれ 0~5%に引き下げることが中間目標として求められてい

る。

図表 6-2 ACFTA ノーマルトラックにおける後発加盟国の関税引き下げ

ベースレート(2003年7月)

60%以上45%以上 60%未満35%以上 45%未満30%以上 35%未満25%以上 30%未満20%以上 25%未満15%以上 20%未満10%以上 15%未満7%以上 10%未満5%以上 7%未満

5%未満

(出所)中国・ASEAN包括的経済協力枠組み協定における物品貿易協定

0-50-50-50-5

000000

5

50-5

500

010 010

遅くとも2013年1月1日まで

遅くとも2015年1月1日まで

図表 6-3 ノーマルトラックにおける後発加盟国のコミットメント

先行加盟国と中国とはノーマルトラック関税が撤廃されたことから、今後の焦点は、セ

ンシティブトラックの関税削減に移る。センシティブトラックは、国内産業保護の観点か

ら、関税を 5%以下の水準にまで緩やかに引き下げるセンシティブ品目と、関税を 50%以

下にまで引き下げればよい高度センシティブ品目とに分かれている。センシティブトラッ

2013年1月1日まで 2015年1月1日まで 2018年1月1日まで 備考

ベトナム品目の45%以上を

撤廃※中国ベトナム

MOUで決定

ラオス・ミャンマー

品目数の40%以上を撤廃。

カンボジア品目数の40%以上

を撤廃。(出所) 中国・ASEAN包括的経済協力枠組み協定における物品貿易協定をもとに作成

0%(但し250品目以内を2018年まで猶予)

完全撤廃

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

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クは組み入れることが出来る品目数に上限を設定している。ASEAN 先行加盟国は 400 品目

以内(HS6 桁ベース)で、かつそれら品目が総輸入の 10%以内4、後発加盟国は 500 品目以

内とされている。

高度センシティブ品目はセンシティブトラックの中から抽出される。先行加盟国につい

ては、同トラック品目数の 40%以内もしくは 100 品目以内(HS6 桁ベース)のいずれか少

ない方を、またベトナムを除く後発加盟国は 40%以内の品目数もしくはHS6桁ベースで 150

品目以内のいずれか少ない方を、またベトナムは 40%以内の品目数もしくは 140 品目以内

のいずれか少ないほうを、それぞれ指定出来る。

センシティブ品目について、ASEAN 先行加盟国は 2012 年までに関税を 20%にまで削減

し、2018 年までに 0~5%に削減する。一方、新規加盟国は 2015 年までに関税を 20%にま

で削減、0~5%への削減は 2020 年まで猶予されている。また高度センシティブ品目につい

ては、ASEAN 先行加盟国は 2015 年までに、新規加盟国は 2018 年までに、それぞれ 大で

50%以下にまで削減すればよい(図表 6-4)。

図表 6-4 センシティブ及び高度センシティブ品目の関税引き下げにかかるコミットメント ≪センシティブトラック≫

前提条件2012年1月1日

まで2015年1月1日

まで2018年1月1日

まで2020年1月1日

まで

先行加盟6カ国400品目(HS6桁)、且つ総輸入の10%

以内20%以下に 0-5%に

後発加盟4カ国 500品目(HS6桁) 20%以下に 0-5%に

≪高度センシティブ品目≫

前提条件2015年1月1日

まで2018年1月1日

まで

先行加盟6カ国

センシティブ品目数の40%、もしくは100品目のいずれか少

ない方

50%以下に

ラオス・ミャンマー・カンボジア

センシティブ品目数の40%、もしくは150品目のいずれか少

ない方

50%以下に

ベトナム

センシティブ品目数の40%、もしくは140品目のいずれか少

ない方

50%以下に

(出所)中国・ASEAN包括的経済協力枠組み協定における物品貿易協定をもとに作成。

備考

※中国・ベトナム間MOUで決定

センシティブトラックの品目については、各国とも特徴が出ている。例えば中国はセン

シティブ品目に 160 品目、高度センシティブ品目に 100 品目の計 260 品目を組み込んでい

るが、そのうち 43%にあたる 112 品目は木材パルプ・紙製品(HS47~49)である。タイを

除く ASEAN 各国は中国の繊維製品流入に対する警戒心が強く、センシティブ品目に指定し

ている。タイでは繊維産業のほとんどは既に高付加価値分野にシフトし、欧米など第三国

4 2001 年の貿易統計ベース。

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市場で中国製品と既に競争を繰り広げている。中国製品がタイに流入したとしても、影響

は既に競争力を失っている汎用分野にとどまる。繊維分野以外では、インドネシアはプラ

スチック及びゴム製品、タイは卑金属及びその製品、機械類及び電気機器、フィリピンは

プラスチック及びゴム製品を中心に指定している(図表 6-5 を参照)。

図表 6-5 ASEAN 先行加盟国と中国のセンシティブ適用品目 SL HSL 合計 品目(センシティブに占める構成比)

中国 160 100 260 木材パルプ、紙製品(43%)インドネシア 349 50 399 プラスチック及びゴム製品(24%)、紡織用繊維及びその製品(18%)タイ 242 100 342 卑金属及びその製品(25%)、機械類及び電気機器(22%)マレーシア 272 96 368 卑金属及びその製品(21%)、紡織用繊維及びその製品(21%)フィリピン 267 77 344 紡織用繊維及びその製品(26%)、プラスチック及びゴム製品(18%)〔資料〕中国・ASEAN包括的経済協力枠組み協定における物品貿易協定をもとに作成

3. 「相互譲許」の原則適用で低い実質的自由化水準

ACFTA は枠組み協定の中で「授権条項」ではなく、GATT24 条に準拠した高度な FTA を

目指すと謳っている5。授権条項では、「域内における実質上すべての貿易について関税その

他の制限的通商規則を廃止」(GATT24 条)する義務からの例外として取り扱われる。しかし

ACFTA は WTO に対しては、先進国と異なった取り扱いが認められている授権条項に基づく

FTA と通報されている。実際に ASEAN 中国貿易において、WTO が高度な FTA として規定

している目安「90%以上の自由化」の確保は、協定に記載されている「相互譲許」が適用

されている状況では難しいと言わざるを得ない。

「相互譲許」は、輸出相手国が当該品目を関税撤廃品目としてノーマルトラックに分類

していたとしても、自国側で同品目がセンシティブ品目に設定されている場合、自国の MFN

税率が 10%以下でない限りは、ACFTA 特恵関税を享受することが出来ない。前述の通り

AFTA でも同様の規定があり、輸出国側の関税率が 20%以下に引き下げられて初めて、AFTA

特恵税率が享受できる。

ACFTA でセンシティブトラックは、ASEAN 先行加盟国と中国は、「400 品目(HS6 桁ベ

ース)かつ総輸入の 10%以内」と定められている。一方、ベトナムは 500 品目以内、ラオ

ス・カンボジア・ミャンマーについても 500 品目以内である。ASEAN 各国のセンシティブ

品目と中国との同品目とは一部には重複している品目があるものの、実質的には、全品目

に占める関税撤廃比率 90%を達成することは出来ない。協定上、「WTO に準拠した高度な

FTA」を謳っている ACFTA であるが、実質的にはその基準を満たしていない。

5 WTO では各々の地域貿易協定が 恵国待遇の例外として扱われる一定条件を満たしてい

るか審査するため、通報を義務付けている。中国と ASEAN との FTA はモノの貿易のみな

らず、サービス貿易、投資なども含まれた「中国・ASEAN 包括的経済協力枠組み協定」全

体を通報している。そのため、授権条件に基づく特恵協定として通報されている。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

210

一方、相互譲許規定は利用企業を困惑させている。同規定により企業は ACFTA を利用す

る際には、輸入国側の ACFTA 特恵関税率を調べるのみならず、同品目について輸出国側の

特恵税率も調べ、特恵関税を享受できる条件が揃っているかどうか、慎重に確認する必要

があるからだ(図表 6-6)。

図表 6-6 ACFTA の相互譲許で適用される関税

ノーマル センシティブ

ACFTAレートACFTAレート、もしくはMFNレートのうち低い方

MFNレート10%以下

ACFTAレート、もしくは輸出国側レートのうち、高

い方

ACFTAレート、もしくは輸出国側レートのうち、

高い方

MFNレート10%超

MFNレート MFNレート

〔資料〕「モノの貿易に関わるASEAN中国FTA協定」をもとにジェトロ作成

輸入側

輸出側

センシティブ

ノーマルトラック

第3節 高水準の RCEP 実現に向けた AFTA と ACFTA の利用規則の改善

1. 原産地規則を選択制に移行した AFTA

ASEAN はこれまで AFTA の利用条件である原産地規則を「ASEAN 累積付加価値率 40%

以上」を採用してきた。付加価値基準にはデメリットがある。例えば、為替レートや原材

料費の変動、また特に電機製品では製品サイクルの短期化に伴う急速な価格下落によって、

原産地比率の変動を余儀なくされる。そのため品目によっては、当初は「付加価値基準 40%」

を上回っていたものの、事業環境の変化によりその条件が満たせなくなる場面も散見され

一部の企業を悩ませてきた。付加価値基準の欠点を補うべく、2004 年 9 月の第 18 回 AFTA

評議会では、「部分累積」を認めることで合意した。部分累積とは、ASEAN 累積が 40%未

満の構成部品でも、現地調達率 20%以上であれば、現地調達部分に限り ASEAN 累積に算

入出来るようにするもの。

付加価値基準における管理上の難しさも問題点として指摘されていた。タイの家電メー

カー担当者は、「原産地証明書はモデル毎に取得する必要がある。売価や材料価格の変動も

あり、定期的に見直す必要はあるが、更新が間に合わない」として管理面で困難を抱えて

おり、実質変更基準の一つである「関税番号変更基準」(CTC)導入を要望していた。ASEAN

は産業界の要請を受ける形で、まず小麦粉、木製品、アルミニウム製品、鉄・鉄鋼分野、

および優先統合分野で CTC も選択肢の一つとして使えるようにした。

ASEAN は韓国と日本との間でも FTA/EPA を締結している。韓国とは 2005 年 12 月に署

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211

名、日本とは 2007 年 8 月に大筋合意に達していた。これら 2 つの協定の原産地規則は「付

加価値基準 40%」と「関税番号変更基準(4 桁)」との選択性を一般原則に据えている。2007

年 8 月に開催された AFTA 評議会で、自らの外国投資に対する求心力を維持するため、

ASEAN は原産地規則の一般原則を 2008 年 1 月から AKFTA や AJCEP と同様「選択性」へ

移行することを決定した。各国手続きが遅れたものの、2008 年 8 月に AFTA 改正原産地規

則により ASEAN で一斉に「選択性」が導入された。

関税番号変更基準を導入するに際し、日本が締結する多くの EPA で導入されているデミ

ニミス・ルール(僅少の非原産材料に関する規則)も導入した。関税番号変更基準では、

通常、輸入によって調達された全ての原材料・部材等について、4 桁レベルでの関税番号の

変更が求められる。AFTA 改正原産地規則では、FOB 価格の 10%以下であれば、関税番号

の変更が行われない非原産材料を使用しても、当該品目は ASEAN 原産と認められる。

選択制の導入で、ASEAN に広く展開する日系企業は、調達の幅を広げられるとともに、

原産地規則にかかる管理コストの低減化が可能になる。ただし、問題は多くの国々で CTC

で原産地証明書を取得する際、原産地決定にコストは無関係であるにも関わらず、コスト

計算表等これまでと同じ書類提出が求められていることである。AFTA は引き続き簡素化に

向けた取り組みが求められる。

2. 2015 年の本格実施に向け自己証明制度パイロットプロジェクトを実施

ASEAN 各国では、主に政府部局が商品の原産性を判定し「原産地証明書」(C/O)を発給

する「第三者証明制度」を採用している。しかし、ASEAN 域内は距離的にも近接している

こと、また各々祝祭日が異なる等により、輸入国側通関時に C/O 提出が間に合わないこと

が頻発していた。特にタイを除き多くの加盟国で、一旦通関をしてしまえば、当該品目の

関税の払い戻しが難しいことから、C/O が入手できるまで貨物を税関管轄地域内に留め置く

必要があった。

ASEAN は C/O 発給時間の短縮と手続きの簡素化・円滑化、AFTA 利用の拡大を目指し、

「自己証明制度」導入に向けた取り組みを開始した。2010 年 8 月にベトナム・ダナンで開

催されたASEAN経済相会議で同制度のパイロットプロジェクト実施にかかる覚書(MOU)

をシンガポール、マレーシア、ブルネイの 3 カ国が署名した6。同制度を利用するには、ATIGA

原産地規則と運用上の発給手続き(OCP)等に精通していることや、税関のブラックリスト

に掲載されたことがないこと等の条件を満たした「認定輸出者」になる必要がある。

これは認定輸出者が、自ら作成したインボイス等の商業上の書類に輸出貨物が原産品で

ある旨の申告を記入した上で、当該インボイス等を輸入国に提出、輸入国側税関で AFTA

6 タイは約 1 年遅れとなる 2011 年 10 月に参加。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

212

特恵関税を適用するものである。また、認定輸出者のインボイスを輸入者が入手出来ない

場合、具体的には、仲介貿易を行う場合も、認定輸出者は請求明細書、配送指示書、納品

書などインボイス以外の商業書類上で原産地「申告」を行うことが出来るとされている。

一方、同制度に参加していないインドネシア、フィリピン、ラオスの 3 カ国間では、異

なる枠組みでの「認定輸出者自己証明制度」(第 2 自己証明制度)を構築した。これら 3 カ

国は 2012 年 8 月にカンボジア・シェムリアップで開催された ASEAN 経済相会議にあわせ

て MOU を締結した。第 2 自己証明制度は第 1 制度に比べ、利用制限的な特徴を持つ。具体

的には、①認定輸出者は「製造事業者」のみ、②「原産地申告文言」の記載は「商業イン

ボイス」のみ、③署名権者は「3 人」まで等である。

現在、ASEAN で運用されている「第三者証明制度」での AFTA 利用者は「輸出者」であ

り、製造事業者に限らない。同一国内に複数の製造法人を有するグループ企業の場合、輸

出業務を統括法人が製造法人に代わって行う場合もある。第 2 自己証明制度の下では、こ

れら統括法人は自己証明手続きを行うことが出来ないことになる。また、「原産地申告文言」

の記載はインボイスに限られていることから、リ・インボイスによる仲介貿易では自ずと

使えないことになる。そのため、仲介貿易を利用している企業を中心に、第 2 自己証明制

度に対する懸念の声があがっている。

実際、仲介貿易を使っている企業の割合は近年、増加している。多くの企業は、取引一

元化を通じた物流の総合的な効率化やネッティングなどによる為替リスクの軽減が目的で

仲介貿易を利用している。ジェトロが2007年11~12月にかけて行ったアンケート調査では、

在タイ日系製造企業 141 社のうち、アジア域内向け輸出で仲介貿易を使っている企業は 23

社で利用比率は 15.3%であった。これら企業が仲介貿易を行っているのは「日本」が も

多く 69.6%のシェアを占め、これにシンガポール(同 39.1%)が続く。当時、在中国日系

製造業(295 社)の場合、仲介貿易を使ってアジア域内に輸出しているのは 49 社(利用比

率:16.6%)であった。仲介を行っている国は「日本」が も多く、利用している企業の

61.2%を占めた。これに香港(同 36.7%)、シンガポール(同 8.2%)が続いた。

同調査から 6年後の 2013年 10~11月にかけて実施した調査では、在タイ日系企業で 26.9%、

ASEAN 全体でも 29.9%の比率になっている。仲介国は ASEAN 全体では、日本が も高く

57.6%、これにシンガポール(25.8%)、タイが 17.9%で続く(図表 6-7)。

一方、在中国日系企業のうち仲介貿易を行っているのは 27.8%を占めるなど、6 年前から

11.2%ポイント拡大している。中国の場合、仲介国は日本が も高く 64.2%、これに香港

(44.0%)、タイ(16.4%)シンガポール(15.1%)が続く。

ASEAN は、これら 2 つの自己証明制度パイロットプロジェクト各々を評価し、2015 年に

統一した「ASEAN 地域自己証明制度」を稼働させる方針である。仮に、第 2 自己証明制度

の要素が多分に取りこまれた「ASEAN 地域自己証明制度」が構築され、それに伴いフォー

ム D が廃止された場合、AFTA 利用で非製造業者が排除され、かつ仲介貿易が利用出来な

くなる懸念が残る。ASEAN 域内取引活発化のためには、現在のビジネスの実態に配慮した

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制度構築が不可欠である。

図表 6-7 在 ASEAN・中国日系企業の仲介貿易の有無 単位:社/%

回答企業数

仲介貿易あり

仲介貿易なし

ASEAN 2,035 29.9 70.1

カンボジア 17 17.6 82.4

インドネシア 239 23.8 76.2

ラオス 22 9.1 90.9

マレーシア 222 42.8 57.2

ミャンマー 12 16.7 83.3

フィリピン 135 25.2 74.8

シンガポール 233 46.4 53.6

タイ 770 26.9 73.1

ベトナム 385 26.2 73.8

中国 844 27.8 72.2

(資料)在アジア・オセアニア日系企業実態調査(ジェトロ/2013年10月8日~11月15日実施)

3. 仲介貿易でも利用出来るよう ACFTA を改正

東アジアでは AFTA に次いで ACFTA が成立したこともあり、ACFTA の協定自体が現在

のビジネス取引を勘案しておらず、利用する上で難しい場面も見られた。例えば、前述の

仲介貿易もその一例である。ACFTA では仲介貿易の扱いは協定上明文化されていなかった。

実際に、中国商務部国際経済貿易関係局は、①現地調達比率が変わる可能性がある、②第 3

国による ACFTA の不正利用の懸念がある、③第 3 国を仲介させることで輸入価格が上昇す

る、などを指摘し、ACFTA での仲介貿易は認めないとのスタンスであった。一方、現場で

は利用の可否は輸入国側税関の裁量で決められ、一部には利用出来ていた税関もあること

から、その利用を巡って混乱した。例えば、中国・東莞税関は第 3 国発行インボイスであ

っても、原産国発行第 3 国向けインボイスも提示することで特恵関税を付与していた。そ

の一方、ASEAN 側税関の多くでは ACFTA 上で明文化されていないことから、ACFTA 特恵

関税の付与を拒否するなど、同じ協定であっても国によって対処が異なるという事態が発

生していた。

ACFTA は日本とは無関係の協定ではあるが、近年、中国と ASEAN 拠点との取引も年々

増加していることもあり、在 ASEAN 日系企業は ACFTA に関係する全ての国の税関で輸

入の際に第 3 国発行インボイスでも特恵関税を適用するよう要望してきた。特に、

ASEAN10 カ国の日本人商工会議所で構成される ASEAN 日本人商工会議所連合会

(FJCCIA)と ASEAN 事務総長との対話で、日系産業界は「5 つの ASEAN プラス 1FTA

の中で唯一 ACFTA だけが仲介貿易を認めていない」として、ASEAN 企業の一員として

改善を要望していた。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

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これら企業の声を踏まえて、ASEAN と中国は物品貿易協定の修正交渉を継続的に行い、

2010 年 10 月末に ASEAN 首脳会議にあわせて経済相が集まり、「ASEAN 中国包括的経済協

力枠組み協定における物品貿易協定第 2 修正議定書」、いわゆる ACFTA 第 2 修正議定書に

署名した。この中には、リ・インボイスを認める条項や移動証明書(Movement Certificate)

を利用可能にする条項が盛り込まれた。ACFTA 第 2 修正議定書は、ACFTA 利用の円滑化を

目的に「運用上の証明手続き(OCP)」の改正が主であった。第 2 修正議定書での主な変更

点は以下の通りであり、より現在のビジネスに即した協定に改正された。

① 現地調達部材の取扱い:フォーム E 発給申請の際、現地調達部材の取扱いは ACFTA を

使用して輸出する当該品目の 終製造者の自己申告ベースに(規則 5-(b))。

② 複数品目での利用:一つのフォーム E に複数の品目の申請が可能に(ただし 20 品目を超

えないこと)(規則 7-(e))

③ フォーム E 複写枚数:これまで 4 枚組であった原産地証明書が 3 枚組に(規則 8-(b);こ

れまでは正本と 3 枚目を輸入者を通じ相手国税関に提出。今後は正本のみ)

④ フォームE発給申請時点:船積時または輸出後すぐにとされていたフォームE発給申請を

「船積前および船積日、もしくは船積日から 3 日以内」へと変更(規則 11)。

⑤ 移動証明書:移動証明書(Movement Certificate:いわゆる Back to Back 原産地証明書)を

利用可能に。但し、利用条件は、a)中間国の輸出入者が同一であること、b)オリジナル

フォーム E を提示すること、c)オリジナルの発給機関名、発給日、受付番号を、FOB

価格は中間国のものをそれぞれ記入すること、d)移動証明書の有効期限はオリジナルと

同一、など。また輸入国税関は元々の輸出国、中間国それぞれに関連情報を問い合わせ

ることが出来る(規則 12)。

⑥ フォーム E 有効期間:フォーム E 有効期間をこれまでの 4 カ月(第 3 国を経由した場合 6

カ月)から 1 年に延長(規則 15)。

⑦ 記載事項相違による遅延:原産性に影響を与えない記載事項の相違について、事例として、

フォーム E と輸入書類上の関税分類の相違を掲げ、通関に際し遅延を生じさせないこと

を明文化。但し、各国税関管理規定等によりデポジットや MFN 等より高い税率額の差

し入れが必要な場合も。相違問題が解決次第、特恵税率適用、差額を還付(規則 17)。

⑧ 遡及調査:フォーム E 発給にかかる遡及調査の輸出国側回答期限をこれまでの半年から

90 日に短縮(規則 18)。

⑨ 書類保存義務期間:フォーム E 発給機関での発給関連書類の保存期間をこれまでより 1

年延長して 3 年以上に。また申請者も 3 年以上の保管義務(規則 19)。

4. 原産地証明書(C/O)上の FOB 価格省略に動く ASEAN

これまで AFTA の原産地証明書(C/O)フォーム D には FOB 価格記載が必須であった。

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しかし、FOB 価格の明示は、特に仲介貿易を中心に不都合な場合が多々ある。具体的には、

商社等が介在する仲介貿易の場合、輸入者は「フォーム D に記載された FOB 価格」と「仲

介国企業からのインボイス」とを比較することで仲介者のマージンを知ることが出来る。

そのため、仲介国企業は 終輸入者に自らのマージンを知られることを避けるため、AFTA

利用を忌避する企業も多かった。その結果、前述の FJCCIA は ASEAN 事務総長との対話に

おいて、2009 年の第 2 回対話から「FOB 価格情報の不記載」を求めてきた。FJCCIA は仲

介貿易において「AFTA の利用が進まず、ASEAN 域内貿易の拡大機会を逸している」とし

てきた。

当初、ASEAN 事務局側は、2010 年の第 3 回対話で、プッシュパナタン事務次長(当時)

は、「ASEAN 原産地規則タスクフォースに問題を提起し議論したものの、フォーム D 上の

FOB 価格は、その検証用途に加え付加価値を累積させる用途にも使用されるため必要」と

主張してきた。しかし、以降も ASEAN 側は同要望を入念に検討、その結果、ATIGA の「運

用上の証明手続き」(OCP)で特定条件を満たした取引について FOB 価格不記載を決めた。

具体的には、原産性審査の際に適用する原産地規則を「完全取得基準(WO)」、「関税番号

変更基準(CTC)」、「加工工程基準(PR)」を利用する際は、FOB 価格の記載義務を撤廃す

ることを決め、2014 年 1 月 1 日から発効させた7。また、付加価値基準(RVC)での FOB

価格不記載については、継続的に可能性を探るとした。

一方、FJCCIA は、ACFTA の C/O であるフォーム E についても、FOB 価格の不記載を

目指し中国と交渉するよう ASEAN 事務局に要望した。しかし、ASEAN 事務局は、ACFTA

ではほとんどの原産地基準が付加価値基準(RVC)であり、「フォーム E への適用拡大は困

難」との見解を示した。AFTA でも FOB 価格の不記載を認めるのは、あくまで RVC 以外

である。RVC の場合は引き続き FOB 価格の記載が求められていることを考えれば、ACFTA

への適用拡大は難しいだろう。

しかし、2013 年 7 月の FJCCIA と ASEAN 事務総長との第 6 回対話では、ASEAN 事務

局スバシュ ASEAN 経済共同体部長は、「ACFTA で関税番号変更基準や加工工程基準が採

用されれば、FOB 価格の不記載化に向けた取り組みは可能」とした上で、「以前、中国は原

産地規則の改訂に後ろ向きであったが、2013 年 10 月に開催予定の次回 ACFTA 改定交渉

では品目別規則(SPR)につき中国が議論に前向きな姿勢を示しており、本要望に関する

重要なステップになる」と発言している。

現在、中国と ASEAN は ACFTA について見直し交渉を進めている。2013 年 8 月の中国

ASEAN 経済相会議では、ACFTA を引き続きダイナミックかつビジネスを促進することを

目的に、ACFTA 共同委員会が ACFTA 自体の改訂に取り組んでいることが報告されている。

ACFTA では、少なくとも ASEAN 先行加盟 6 カ国と中国との間では自由化目標はほぼ達成

7 ただし、カンボジアとミャンマーに対しては 2 年間の猶予措置が与えられる。

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

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されており、改善の焦点は、ASEAN 中国間の更なる貿易円滑化に資する措置、具体的には、

現在適用されているセンシティブトラックと原産地規則の見直しである。経済相は ASEAN

中国間の貿易円滑化の重要性を指摘した上で、事務方に対し、2014 年の経済相会議より前

にこれら見直しを早期に終結させるよう促している。FOB 価格不記載については、原産地

規則改正後に本格的に取り組むことになろうが、ACFTA でもビジネス実態に即した規則の

改善が進んでいる。

第4節 FTA 時代の企業の立地戦略の変化

1. FTA 実現で拠点の統廃合に動く企業

ASEAN 各国は 80 年代後半のプラザ合意以降、輸出指向型投資を中心に投資誘致を図る

など、同様の産業・投資誘致政策を採った結果、各国の産業は似通った構造になった。FTA

時代の到来以前、各々の国境で関税障壁が存在する中で、意図する市場に参入するには、

現地生産に踏み出すか、もしくは高い関税障壁を承知で輸出するか、そのいずれかであっ

た。そのため、内需獲得を目指した総合電機メーカーは、国毎に扇風機、炊飯器、小物家

電、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、AV 機器等複数の製品群を国内向けに製造する体制を構築

した。関税によって閉ざされた当該市場でシェアを獲得するためには必然的な企業行動で

あり、当時は効果を発揮してきたといえる。しかし、ASEAN 各国の小さな市場で複数の大

企業がひしめき合い、市場を分け合っていたことから、大規模生産による経済のスケール

メリットは享受出来ず、「高コスト体質」を余儀なくされていた。

その中で AFTA 等により、関税障壁の削減、自由化に向けて ASEAN が関税を削減する動

きを見せたことから、競争のステージは「国内同業他社」から「ASEAN 域内同業他社」に

広がり、ASEAN 域内でも競争原理が働くようになった。そのため、企業は FTA 時代の到来

から、2000 年前後を中心に、複数拠点がある場合はグループ内国際水平分業や 適調達実

現を指向し、製造製品の見直し・再配置、そして拠点の統廃合が行われた。企業や産業毎

によって異なるものの、多くは同一製品の集中生産化による拠点の統廃合、生産・供給体

制のスリム化を実施した。

図表 6-8 は主要電気機器企業の製造拠点数について、ASEAN 域内で AFTA が域内関税 5%

を達成する前年の 2002 年と、完全撤廃を実現した 2010 年とを抜き出し、比較したもので

ある。その結果、パナソニックや三菱電機を除き生産拠点数が減少していること、増減が

ないパナソニックでもこの 8 年間に、マレーシアやフィリピン等での拠点数を減らす一方

でベトナム等を拡充してきたことがわかる。このように、FTA を 大限に利用すべく、生

産・調達・供給体制の見直しが進められた。

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図表 6-8 ASEAN における日系電気各社の生産拠点数推移 品目

国・地域 2002 2010 増減 2002 2010 増減 2002 2010 増減 2002 2010 増減ASEAN 48 48 0 15 7 ▲ 8 14 5 ▲ 9 18 16 ▲ 2

ベトナム 1 4 3 1 1 0 0 1 3 2タイ 10 12 2 5 3 ▲ 2 6 3 ▲ 3 7 5 ▲ 2シンガポール 7 7 0 2 1 ▲ 1 2 1 ▲ 1 3 2 ▲ 1マレーシア 17 14 ▲ 3 3 1 ▲ 2 3 ▲ 3 2 2 0フィリピン 5 2 ▲ 3 0 1 1 0 1 2 1インドネシア 8 9 1 4 1 ▲ 3 2 ▲ 2 4 2 ▲ 2

品目国・地域 2002 2010 増減 2002 2010 増減 2002 2010 増減

ASEAN 12 11 ▲ 1 10 9 ▲ 1 11 12 1ベトナム 4 4 2 2 0 0タイ 1 1 0 2 3 1 7 6 ▲ 1シンガポール 2 ▲ 2 0 1 1マレーシア 2 1 ▲ 1 3 2 ▲ 1 1 1 0フィリピン 1 ▲ 1 3 2 ▲ 1 1 2 1インドネシア 6 5 ▲ 1 0 2 2 0

(資料)海外進出企業総覧(2003年版、2011年版)

パナソニック ソニー 日立製作所 東芝

三洋電機 富士通 三菱電機

在マレーシアの大手 AV 機器企業は、「FTA が使える国にいるかどうかは、サプライヤー

選定基準の一つ。使える FTA は全て使う」と語るなど、FTA は企業戦略決定の重要な要因

になった。また、別の AV 機器メーカーは、各国の調達可能性や市場の特性を生かすべく、

冷蔵庫、洗濯機はタイに移管、タイを家電の集中生産拠点とした一方、マレーシアは、そ

れ以外の全ての電気機器と AV 製品の生産拠点化を果たした。

これに加え、AFTA の原産地規則の「選択制」への移行が、拠点再編を後押しした例もあ

る。これまでベトナムは、外資の国内販売につき、国内で製造したもののみ認めていた。

しかし、2007 年 1 月の WTO 加盟の条件として、外国企業に対し貿易業務を開放すると共

に、サービス分野開放の一環として流通サービス業につき、2009 年 1 月迄には外資独資へ

の開放を約束した。これを受け、ベトナムで国内向けに薄型液晶テレビを製造していた B

社は、2008 年、輸入・卸売業務が認められたことに伴い、国内製造から撤退し、100%外資

販売会社に移行した。B 社関係者によれば、決断の背景には AFTA の原産地規則変更がある

という。薄型液晶テレビにつき、CTC でも安定的に輸入出来ることが確認されたことから、

販売会社への移行を決断したという。

このように、通商条件の変化に対応すべく、特に電気機器メーカーや AV 機器メーカーを

中心に、拠点の統廃合や生産品目の調整が行われた。ASEAN 各国は、主に品目毎に特徴を

もった拠点に生まれ変わっていったのである。

2. 二つの自然災害の教訓

FTA 時代、企業は拠点の統廃合と製品製造地の再編を積極的に進め、企業体質のスリム

化と効率的・効果的経営を目指してきた。しかし、2011 年に発生した東日本大震災、そし

てタイ大洪水等巨大自然災害は、FTA 時代の事業戦略・拠点設置やリスク管理のあり方に

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

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一石を投じた。

1942 年以来「69 年振り」と言われた 2011 年のタイ大洪水では、2011 年 10 月から約半月

の間にバンコクの北部に位置する電機・電子部品の産業集積地である 7 つの工業団地が水

没し、壊滅的な打撃を受けた。大洪水の被害を受けた 7 つの工業団地の企業数は、ジェト

ロが確認しただけで 804 社、うち日系企業は 55.8%を占める 449 社にのぼる。また、工業

団地外に立地する企業も少なからずあり、洪水被害を被った日系企業数は工業団地内外合

わせ少なくとも 550 社は超えたとみられる(助川 2013a 年)。

タイ工場が洪水で操業停止を余儀なくされたことから、当時、日本を含め周辺国での代

替生産によりサプライチェーンを繋ぐことが火急の課題であった。2011 年下期タイ国日系

企業景気動向調査では、直接的に被災した製造業 49 社のうち、21 社(全体の 43%)が「タ

イ国内の他の場所で代替生産をした」と回答した。また、「タイ国外で代替生産をした」と

回答した企業はそれを上回る 30 社(同 61%)を占めた。代替生産を実施した国は、日本が

も多く 27 社、これに ASEAN(11 社)、中国(10 社)が続く。日本での代替生産では、

実際には被災工場のタイ人従業員が即戦力として日本に派遣され、代替生産を担った企業

も多い。実際に日本に入国したタイ人従業員数は 87 社で 5,409 名に達した。

2011 年に発生した東日本大震災、そしてタイ中部大洪水の経験は、特にサプライチェー

ンネットワークに組み込まれている企業を中心に、リスク分散の必要性を思い知らせた。

サプライチェーンの寸断リスクは日本、タイだけではない。例えば、台風等の自然災害、

鳥インフルエンザや SARS(重症急性呼吸器症候群)などの感染症の拡大・蔓延、更には火

災や暴動など政治情勢・治安の悪化等はどの国でも発生する可能性がある。

現在までに日本の製造企業は、中国や ASEAN 等アジアを中心に展開し、更にその生命線

ともいえるサプライチェーンは全世界に拡がる。そのサプライチェーンを強靭化し、また

一部が破綻した場合でも、すぐに応急措置・対応が取れる体制構築が必要である。リスク

分散方法として、これまで中国拠点との連携からその「解」を見出していこうとする企業

が増えている。これまで中国では ASEAN と同様の製品を製造しているものの、主に中国国

内向けに、また ASEAN は中国を除く世界市場向けの輸出拠点に位置付けてきた企業も多い

ためである。どちらかの拠点で生産ラインが止まるような事態が発生した場合は、復旧ま

での間、もう一方の拠点が代わりに供給することになる。

ジェトロが 2013 年 10 月 8 日~11 月 15 日に実施した在アジア・オセアニア日系企業実態

調査で、「国内外での代替生産・供給できる体制の構築の有無」を聞いたところ、在アジア・

オセアニア日系製造業 2,373 社のうち代替生産が出来る体制をとっている企業数は約半分

の 50.4%を占める 1,195 社であった。うち ASEAN に限れば、その比率は更に高く、製造業

1,300 社のうち 53.4%を占める 694 社、中でも 2011 年に大洪水を経験したタイは他国に比べ

その比率は高く、57.0%(474 社中 270 社)であった。

在 ASEAN 日系製造業のうち代替生産国として も期待されているのが日本である。国名

の記載があった在 ASEAN 日系製造企業 627 社のうち、代替生産国は「日本」が も多く

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219

370 社(59.0%)、これに中国(190 社、30.3%)、タイ(85 社、13.6%)が続く。一方、「同

一国内」に代替生産拠点を持っている在 ASEAN 日系製造企業は少なく、24 社に留まって

いる。 も日本を代替生産・供給拠点としている国はタイで 65.3%に達する。これにイン

ドネシアとマレーシアが 60.7%で次ぐ。 も低いフィリピンでも 50.0%に達する(図表 6-9

を参照)。

図表 6-9 在 ASEAN・中国日系製造企業の国内外での代替生産・供給体制構築の現状 単位:(上段:社数/下段:%)

有効回答代替生産拠点あり

国名記載あり

同一国内 日本 中国 タイ ベトナムインドネ

シアASEAN 1,300 694 627 24 370 190 85 34 51

タイ 474 270 251 13 164 73 17 30インドネシア 176 88 84 1 51 20 25 5マレーシア 187 101 89 3 54 33 16 6 6フィリピン 94 42 34 1 17 7 7 3 2ベトナム 280 138 119 5 62 39 28 10

中国 582 275 237 64 137 43 30 8ASEAN - 53.4 100 0 3.8 59.0 30.3 13.6 5.4 8.1

タイ - 57.0 100 0 5.2 65.3 29.1 - 6.8 12.0インドネシア - 50.0 100 0 1.2 60.7 23.8 29.8 6.0 -マレーシア - 54.0 100 0 3.4 60.7 37.1 18.0 6.7 6.7フィリピン - 44.7 100 0 2.9 50.0 20.6 20.6 8.8 5.9ベトナム - 49.3 100 0 4.2 52.1 32.8 23.5 - 8.4

中国 - 47.3 100 0 27.0 57.8 - 18.1 12.7 3.4(資料)在アジア・オセアニア日系企業実態調査(ジェトロ/2013年10月8日~11月15日実施)

また、在 ASEAN 日系企業にとって、日本に次ぐ代替生産・供給拠点は中国である。イン

ドネシアを除く ASEAN4 カ国が中国を日本に次ぐ代替生産・供給拠点としている。 もそ

の比率が高いのが在マレーシア日系企業であり、代替生産・供給拠点がある企業の 37.1%、

も低いフィリピンでも 5 社に 1 社は中国拠点との間で代替生産拠点と位置付けている。

また、日本、中国に次ぐ代替生産拠点と位置付けられているのはタイである。インドネシ

アでは約 3 割(29.8%)がタイを代替生産拠点としており、その割合は日本に次ぐ。ベトナ

ムでも同比率は 23.5%である。

ASEAN 域内で補完しあう事例として、自動車用 AV 機器部品メーカーA 社は、もともと

ASEAN で海外拠点はフィリピンのみであったが、近年、タイにも工場設置し、タイ自動車

顧客開拓するとともに、リスク分散を行うとする。その結果、タイはタイ国内企業向け、

フィリピンは第 3 国市場向けに仕向け先別で役割分担している。しかし、中国がそうであ

るように、リスク分散は基本的に「需要が大きい国」との相互補完になる傾向がある。自

動車産業ではこれまで ASEAN においてタイに集中的に投資をしてきたが、タイの政治的社

会的不透明感が高まる一方、インドネシアではユドヨノ政権下の社会的安定と同国市場拡

大から、ASEAN 域内では概してタイ、インドネシアの二極体制構築に動いている。

一方、中国の場合は少し様相が異なる。在中国日系製造企業 582 社のうち、代替生産拠

点を持っている企業は 47.3%を占める 275 社であった。国名の記載があった企業 237 社の

うち、代替生産先は日本が 137 社(57.8%)で も多く、これに「同一国内」が 64 社(27.0%)

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第 6 章 高水準の RCEP 実現に向け進む AFTA と ACFTA の制度改革

220

が次ぐ。更に、これにタイ(43 社、18.1%)、ベトナム(30 社、12.7%)が続く。

このように在 ASEAN 日系企業は、自然災害等で生産継続が長期に亘って困難になった場

合、日本工場、もしくは中国工場で代替生産を行うことになる。しかし、代替生産コスト

をいかに抑えるかが重要になる。代替生産による納入義務履行のため、当該代替生産国の

賃金に基づく生産を余儀なくされることに加え、生産品の空輸等輸送コスト、そして輸入

関税コストが課されることになる。在 ASAEN 企業が輸入関税コストを抑えるには、日本か

らの場合は、二国間または ASEAN 全体の枠組みで実施している経済連携協定(EPA)を、

中国からの場合は ACFTA を、ASEAN 域内の場合は ASEAN 物品貿易協定(ATIGA)を、

それぞれ利用することになる。

おわりに

一般的に、関税撤廃等による域内貿易自由化・統合は、企業・産業ベースで見れば技術

水準や生産要素利用可能性をベースにした比較優位に基づいた生産特化を促進し、域内大

での効率的経営を実現する。その一方、国ベースで見れば、投資の特定国への集中・逃避

とそれに伴う貿易偏重構造の固定化を招き、FTA は参加国の中で「勝ち組」「負け組」が生

まれる可能性がある。しかし、2011 年に発生した二つの自然災害は、拠点の統廃合・集約

化の動きに「待った」をかけた。更にそれら自然災害により、中国と ASEAN の拠点間の連

携した対応が検討されるようになってきている。

ASEAN の持つ「経済格差」は、経済統合を困難にするとされている。ASEAN の経済格

差是正は一筋縄ではいかず、この経済格差を抱えたまま RCEP 構築を進めざるを得ない。

2015 年に妥結を目指す RCEP には、大国である中国と経済格差を抱えた ASEAN10 カ国が

含まれる。RCEP 構想をより高水準なものにするには、まず AFTA と ACFTA との進化を踏

まえた上で RCEP を構築する必要がある。

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2014 年 3 月発行(非売品)

現代中国研究拠点 研究シリーズ No.13

末廣昭・伊藤亜聖・大泉啓一郎

助川成也・宮島良明・森田英嗣

南進する中国と東南アジア:地域の「中国化」

発行所 〒113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1

TEL 03-5841-4756 FAX 03-5841-4756

東京大学社会科学研究所 現代中国研究拠点

http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/

印刷所 大日本法令印刷株式会社

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