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分子雲のあぶり出し
注意事項
・ 自己流で習得した内容なので、そのつもりでご覧下さい
・ おかしなところがあればご指摘頂けると嬉しいです
2020年2月
北杜市みずがき天文愛好会
(やまねももんが)
第1.0版
0/22
まだまだ発展途上ですが、、、
星間雲,分子雲,星雲(輝線星雲,反射星雲),暗黒星雲(暗黒物質ではありませんよ!)といろいろな言葉がありますが、
私は次のように捉えています。
素人なので勘違いしている部分があるかもしれませんが、、、。
星間雲は原子や分子のガスや塵などが集まって雲のようになっているものです。
その中で特に分子が主成分のものを分子雲と呼んでいるのだと思います。
宇宙で最も多く存在している原子は水素ですから、この場合の分子は主に水素分子です。
分子は原子同士が衝突して結合しないと出来ませんから、分子雲は星間雲の中でも濃い(密度が高い)と思われます。
それらがどのように見える(どのように写る)かによって呼び方が違ってきます。
近くに明るい星(恒星)があると、その星の光を反射して雲が輝きます。
これを反射星雲と呼び、その光は連続スペクトルになります。
その星が高温の場合は、紫外線などのエネルギーの高い光によって、分子が壊されたり原子が電離したり励起したりします。
この励起した原子は、原子特有の波長(エネルギー)の光(電磁波)を放出します。
水素原子では可視光の領域で最も輝度が高いのがHα光( 656.3nm の赤い光)です。
このように輝線スペクトルで輝いている星雲が輝線星雲で、写真ではほとんどが赤く写ります。
近くに明るい星(恒星)が無い場合には、星雲として輝かないので見えません。
でも背後の星の光を遮ってしまうほど雲が濃い場合には、暗黒星雲として認識できます。
背後に明るい星雲などがある場合は、馬頭星雲のようにもっとはっきり見えます。
淡い分子雲は色合いはほとんど無いようですが、比較的濃い場合は赤茶色のような色合いで仕上げている画像が多いですね。
[1] 分子雲
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◇ 分子雲のあぶり出しは難しい
・あぶり出すことはできても
・背景がザラザラになってしまう
・星が肥大化してしまう
・色が汚くなってしまう
・濃い分子雲は何とかあぶり出すことができる
・オリオン座分子雲
・おうし座分子雲
・それでも「おりおんさん」のような画像にはならない
・講師としてお招きしたいですね
・淡い分子雲は画像が荒れてしまって歯が立たない
[2] 分子雲のあぶり出し
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◇ 私が感じている処理のポイント
・フラット補正、かぶり補正
・あぶり出す前に、これを徹底的にやらなければならない
・強い処理に耐えられる元画像
・背景と分子雲とのコントラスト
・適切なフィルター
・1枚当たりの露光時間 → たっぷり露光する
・滑らかな背景
・適切なダーク減算
・それよりもディザリングが効果的なのかも?
・画像にやさしい強い処理
・適切なマスク
[2] 分子雲のあぶり出し
これが難しい!
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[3] 例題1
EOS 60Da (ISO1600、RAW)
EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
360sec×12枚 みずがき湖
360sec×18枚 みずがき湖
オリオン座 中心部
D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
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[3] 例題1D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
2日分の画像をコンポジットする前に
それぞれでフラット補正とかぶり補正を行っている
フリンジ低減
背景の荒れを低減
コントラスト強調複数の方法を使っているが、深い意味は無い
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[3] 例題1D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
通常の処理を行って、StarNet で星を消す前の画像
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[3] 例題1D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
StarNet で星を消した画像
7/22
[3] 例題1D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
星消し画像を処理したもの
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[3] 例題1D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
星だけの画像を加えたもの 覆い焼き(リニア)・加算で統合
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[4] 例題2
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EOS 60Da (ISO1600、RAW)
EF100mm F2.8 Macro (F4.0)
360sec×20枚 みずがき湖
360sec×21枚 みずがき湖
プレアデス星団とおうし座分子雲
D20161103_1598-1617--D20171217_3332-3352_C
[4] 例題2
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D20140102_3563-3574--D20141226_6502-6519_C
2日分の画像をコンポジットする前に
それぞれでフラット補正とかぶり補正を行っている
コントラスト強調複数の方法を使っているが、深い意味は無い
12/22
[4] 例題2D20161103_1598-1617--D20171217_3332-3352_C
通常の処理を行って、StarNet で星を消す前の画像
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[4] 例題2D20161103_1598-1617--D20171217_3332-3352_C
StarNet で星を消した画像
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[4] 例題2D20161103_1598-1617--D20171217_3332-3352_C
星消し画像を処理したもの
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[4] 例題2D20161103_1598-1617--D20171217_3332-3352_C
星だけの画像を加えたもの 覆い焼き(リニア)・加算で統合
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◇ ヒストグラムを意識して処理する
・分子雲はピークの右側の肩のあたり
・この部分の諧調を引き延ばしてやる
・背景はそれより左側の部分
・ここの諧調を広げてしまうとざらついてしまう
・星は右側で低く伸びた部分
・ここの諧調を広げてしまうと、
・星が肥大化してしまう
・星の飽和が進んでしまう
・そこで、コントラスト強調において適切なマスクを使うことが重要になる
・でも、これがなかなかうまくいかない
・StarNet++ は、強力な助っ人ソフトだ!
[5] 分子雲のあぶり出し処理
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ヒストグラム
分子雲ここの諧調を引き延ばす
背景ここはそのまま
星ここはそのまま
[5] 分子雲のあぶり出し処理 よく使っている方法
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CameraRaw をフィルターとして使う
コントラスト
ハイライト
シャドウ
トーンカーブ
パラメトリック
ストラクチャ
明瞭度
[5] 分子雲のあぶり出し処理 よく使っている方法
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Nik Collection の Silver Efex Pro 2
明るさ
コントラスト
ストラクチャ
それまでの処理のレイヤーを
いったん統合する
↓
それを調整レイヤーに
ペーストする
↓
SilverEfex Pro 2
↓
レイヤーの描画モードを
輝度にする
トーンカーブ
同じ曲線が簡単に作れないので、通常はほとんど使わない
しかし、分子雲の場合は背に腹は代えられないので使うことがある
[5] 分子雲のあぶり出し処理 よく使っている方法
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[5] 分子雲のあぶり出し処理 よく使っている方法
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表示モードを「ソフトライト」にした場合 → これを採用した
[5] 分子雲のあぶり出し処理 よく使っている方法
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表示モードを「通常」にした場合