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阿木川湖(ダム湖)に生息する陸封アユ ・阿木川湖で自生・再生産を繰り返し、平成24年で8代目。 ・湖内で採捕・近隣河川に放流し、水産資源として活用。 ~ダム湖による新たな生息環境の創出~

阿木川湖 ダム湖)に生息する陸封アユ阿木川湖(ダム湖)に生息する陸封アユ ・阿木川湖で自生・再生産を繰り返し、平成24年で8代目。・湖内で採捕・近隣河川に放流し、水産資源として活用。~ダム湖による新たな生息環境の創出~

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阿木川湖(ダム湖)に生息する陸封アユ

・阿木川湖で自生・再生産を繰り返し、平成24年で8代目。

・湖内で採捕・近隣河川に放流し、水産資源として活用。

~ダム湖による新たな生息環境の創出~

アユは一回繁殖型の淡水魚であり、通常秋に河川の中・下流で産卵・ふ化し、海アユは一回繁殖型の淡水魚であり、通常秋に河川の中・下流で産卵・ふ化し、海で成長、春になると河川を遡上します。(「海産アユ」と呼ばれています。)で成長、春になると河川を遡上します。(「海産アユ」と呼ばれています。)

しかし、アユの中には、湖沼やダム湖などを海の代わりとして、海に下ることなくしかし、アユの中には、湖沼やダム湖などを海の代わりとして、海に下ることなく淡水域で一生を完結させる個体群も存在します。(「陸封アユ」と呼ばれています。)淡水域で一生を完結させる個体群も存在します。(「陸封アユ」と呼ばれています。)

丸山ダム(98.2m

)1955年完成

兼山ダム(36.3m

)1943年完成

落合ダム(33.3m

)1926年完成

読書ダム(32.1m

1960年完成

笠置ダム(40.8m

)1936年完成

河口から約110km

木曽川本川上には戦前からいくつものダムが建設されており、海産木曽川本川上には戦前からいくつものダムが建設されており、海産アユは木曽川上流域まで遡上できません。アユは木曽川上流域まで遡上できません。

阿木川ダム建設前に阿木川にいたアユは、放流されたものです。阿木川ダム建設前に阿木川にいたアユは、放流されたものです。

山口ダム(38.6m

)1857年完成

大井ダム(53.4m

)1924年完成

戦前・戦中に完成したダム

戦後(1946年以降)に完成したダム

魚類等が遡上できない河川横断構造物魚類等が遡上できない河川横断構造物

岸辺近くで見られたアユ玉(平成24年6月撮影)

湖内で見られる アユ玉

阿木川ダム建設後、阿木川湖内で阿木川ダム建設後、阿木川湖内で

アユが群れ(アユ玉)を成して生息しているのが確認されています。アユが群れ(アユ玉)を成して生息しているのが確認されています。

岸辺で群れるアユ(平成岸辺で群れるアユ(平成2424年年66月撮影)月撮影)

阿木川湖上流にある阿木川貯留ダムの魚道では、阿木川湖上流にある阿木川貯留ダムの魚道では、毎年毎年55月から月から77月にかけて大量の稚アユが魚道を遡上しています。月にかけて大量の稚アユが魚道を遡上しています。

魚道を遡上する稚アユ

阿木川貯留ダムの魚道

魚道内の稚アユ

阿木川貯留ダム上流域(阿木川湖より上流)において、

毎年9月から10月にかけて産卵が確認されています。

アユ卵(H23.10.1)

(阿木川貯留ダム上流域で採取)

毎年産卵が確認される河川域毎年産卵が確認される河川域

この河川域は、魚類保護のため網漁の禁止区域になっています。この河川域は、魚類保護のため網漁の禁止区域になっています。

阿木川湖内には、ダム管理開始(平成3年)当初から琵琶湖産ア

ユが放流されてきましたが、平成17年以降は阿木川湖内にアユは放流されておりません。(注:阿木川湖より上流の阿木川及び岩村川に、阿木川貯留ダムで採捕したアユの放流は続けられています。)

平成24年に魚道を遡上したアユは、

阿木川湖で生まれ育った(自生・再生産された)8代目のアユといえます。

→→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→ →→

・・・・・・ H14H14年年 H15H15年年 H16H16年年 H17H17年年 H18H18年年 H19H19年年 H20H20年年 H21H21年年 H22H22年年 H23H23年年 H24H24年年

((11代目)代目) ((22代目)代目) ((33代目)代目) ((44代目)代目) ((55代目)代目) ((66代目)代目) ((77代目代目 )()(88代目代目))

琵琶湖産アユの放流琵琶湖産アユの放流

阿木川湖での自生・再生産阿木川湖での自生・再生産

41 42

450

210

569

809

1,002

597

899

238

111

323

529

178151

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

平成

9年

平成

10年

平成

11年

*

平成

12年

*

平成

13年

平成

14年

*

平成

15年

平成

16年

平成

17年

平成

18年

平成

19年

平成

20年

平成

21年

平成

22年

平成

23年

平成

24年

**

採捕

量(kg)

1,813

毎年5月から6月にかけて、地元の漁協により、阿木川貯留ダムの

魚道を遡上するアユを捕獲し、管轄内の河川に放流しています。

写真:アユの捕獲状況(毎年5月~6月頃)

(水産資源としての活用)

トラップカゴの設置状況トラップカゴの設置状況

何重ものトラップカゴをすり抜けて多くのアユが堰の上流へ遡上しています。

阿木川貯留ダムの魚道での捕獲量の推移

** えりでの採捕量を含めない。えりでの採捕量を含めない。

**** 岩村川貯留ダム魚道での採捕量を含めない。岩村川貯留ダム魚道での採捕量を含めない。

阿木川湖で採捕された稚アユは、

恵那市・中津川市内の河川に放流され、多くの釣り人が訪れています。

長野県長野県

中津川市中津川市

恵那市恵那市

図:捕獲したアユの放流先(平成22年の実績)

瑞浪市瑞浪市

加茂郡加茂郡

写真:平成24年解禁日の阿木川

1 ウナギ目 ウナギ科 ウナギ2 コイ目 コイ科 コイ- コイ(ニシキゴイ)3 ゲンゴロウブナ4 ギンブナ5 ニゴロブナ- キンギョ- フナ類6 ハス7 オイカワ8 カワムツ9 アブラハヤ10 ウグイ11 モツゴ12 カマツカ13 コウライニゴイ14 イトモロコ15 スゴモロコ16 コウライモロコ17 ドジョウ科 ドジョウ18 アジメドジョウ19 ナマズ目 アカザ科 アカザ20 ナマズ科 ナマズ21 サケ目 サケ科 ニジマス22 ヤマメ23 アマゴ24 アユ科 アユ25 ダツ目 メダカ科 メダカ26 スズキ目 ハゼ科 トウヨシノボリ27 カワヨシノボリ28 サンフィッシュ科 ブルーギル29 オオクチバス30 コクチバス

No. 目名 科名 種名

阿木川湖および上流河川には、アユ以外にも多くの魚種が確認されています。

表: 阿木川ダム湖及び

直上流河川で確認された魚種

オイカワオイカワ

カワムツカワムツ

アブラハヤアブラハヤ

カマツカカマツカ

アユアユ

ドジョウドジョウ

アマゴアマゴ

トウヨシノボリトウヨシノボリ

おわり