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補綴 マニュアル GRAND MORSE TM

補綴 マニュアル - Straumann...3 目次 1.0 GRAND MORSETM コネクションについて 5 2.0 歯科インプラント補綴の分類 92.1 固定方式:セメント固定式またはスクリュー固定式補綴

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補綴 マニュアルGRAND MORSETM

2

GRAND MORSETM

インプラントシステム

3

目次

1.0 GRAND MORSETM コネクションについて 5

2.0 歯科インプラント補綴の分類 9

2.1 固定方式:セメント固定式またはスクリュー固定式補綴 10

2.2 単冠(クラウン)または複数歯(バーまたはブリッジ) 10

3.0 アバットメントおよび補綴物を選択するうえでの注意事項 11

4.0 アバットメントおよび補綴物の装着に関する一般的注意事項 12

4.1 Grand MorseTM ヒーリングアバットメントの概要 12

4.1.1 Grand MorseTM アバットメントおよび対応するヒーリングアバットメントの概要 14

4.2 Grand MorseTM アバットメントおよび補綴物を装着する際の生物学的注意事項 15

5.0 インプラントまたはアバットメントのトランスファーおよび模型製作 16

5.1 インプラントおよびアバットメントのトランスファー(オープントレー法またはクローズトレー法) 16

5.2 模型の製作 17

6.0 スキャンおよびデジタル技術 18

6.1 スキャンボディ 18

6.2 デジタル手順による補綴製作(CAD/CAM) 19

6.2.1 石膏模型のスキャン 19

6.2.2 口腔内スキャン 19

7.0 アバットメントの選択肢 20

7.1 アバットメントレベル 20

7.1.1 Exactアバットメント(スクリュー固定式、単冠用) 20

7.1.2 ミニコニカルアバットメント(複数歯の補綴用、スクリュー固定式) 21

およびマイクロアバットメント(単冠または複数歯の補綴用、スクリュー固定式)

7.1.3 Exact Clickユニバーサルアバットメント(セメント固定式、単冠の補綴用) 24

4

8.0 従来の補綴製作手順(ロストワックス法、暫間クラウンなど) 27

9.0 使用ドライバーとトルクの概要 27

10.0 GRAND MORSETM 補綴プランニングキット 28

11.0 GRAND MORSETM 補綴キット 29

12.0 NEODENT® の推奨する手法 30

12.1 One Step法 30

12.2 ディスタルバー法 32

参考文献 33

5

1.0 GRAND MORSETM のコネクションについて

近年、インプラント歯科の分野では、インターナルコネクションに対する評価が大きく高まっています。インターナルコネク

ション機構を採用したインプラントによる優れた治療結果が認められるようになり、その実用性の高さから多くの歯科医師

がインターナルコネクションのインプラントを使用するようになっています。インターナルコネクションは、導入後またたく

間に普及しました。インターナルコネクションインプラントを利用することで、生物学的にも機械的にもより良い結果が得

られると考えられています(文献1)。Morseテーパーコネクションは、2つの部品同士のコネクションの安定性および信頼性

を高めることを目的として、1864年にStephen A. Morseが初めて発表しました。その後、テーパー形状の連結部は、機械加

工の現場において、旋盤部品を接続する際にMorseテーパーという名称が一般的に用いられるようになりました(文献2)。歯

科領域では、インターナルコネクション機構が歯科インプラントに採用されています。この接続部品の特性(着脱に要する

力や応力の分布など)に影響する要素として、以下のものが挙げられます(文献2,3,4,5,6)。

1. テーパー角度

2. 接触面の長さ

3. 各部品の内径および外径

4. 埋入深度

5. 材料特性

6. 摩擦係数

7. メイルコネクター部のサイズおよび質量

Neodent® は歯科インプラント領域で25年以上の経験を誇り、臨床現場で本当に必要とされているものに応える包括的な

イノベーションを生み出すための専門家によるチームを擁しています。このチームが、従来のコネクションの改善を目指して

社内のインプラントグループと綿密に協力し、Grand MorseTM コネクションを新たに開発しました(図1)。

このマニュアルは、各製品の取扱説明書の代わりにはなりません。製品ごとの取扱説明書は、PMDA(独立行政法人 医薬品医療

機器総合機構)ホームページ(www.pmda.go.jp)からご覧いただけます。それぞれの臨床状況にどの製品が最適であるかは、

歯科医師にてご判断ください。

6

この革新的な取組みにより、インプラントのデザインにも大きな進化がもたらされました。新たなインプラントシステムでは、

さまざまな手技や骨密度に対応できるよう、コネクションからインプラント本体まで、すべてを設計しています。その結果として

得られた大きな長所の一つが、Grand MorseTM インプラントがインプラントの直径にかかわらず同一のコネクション(内側

角度16°)を採用していることです(図2)。内壁が厚くなっているため、機械的強度が高く、良好な治療結果が得られます。

︵図2)Neodent® Grand MorseTM インプラントのコネクションは、インプラントの直径にかかわらず同一寸法となっており、補綴治療を簡便に行えます。

3.0mm

16°

6.6mm

(図1)Neodent® Grand MorseTM インプラントは、インプラント内部に深いテーパー形状のコネクションを備えており、

インプラントとアバットメントの接触面が大きくなっています。また、このコネクションは直径も大きく、手技が簡単かつ効率的に行えます。

3.0mm

7

︵図3)内側の六角形のインデックスがインプラントの配置

の目安となり、補綴の際にはアバットメントを固定し

ます。

また、図3に示すように、Grand MorseTM テーパーコネクションは、Grand MorseTM Exactという六角形のインデックス

付きソケットを内側に備えています。Grand MorseTM Exactは、インプラントを配置する際の目安となり、インプラン

トレベルでアバットメントが正確に嵌合し、正しい向きで固定できます。

また、臨床現場のニーズに応え、インプラントに接続したアバットメントを取り外すことができる接続解除機能を開発しまし

た。詳細は図4をご覧ください。

8

Grand MorseTM 製品の多くには、GMスクリュードライバーが使用できます。

Grand MorseTM シリーズの角度付きExactミニコニカルアバットメントも、解剖学的により正しい形状となるよう、また

インプラント周囲の軟組織への影響が少なくなるよう設計されています。この製品を図6に示します。

︵図5) 本システムの全てのスクリューにGM

スクリュードライバーを使用します。

︵図6)角度付きExactミニコニカルアバットメント

︵図4)Grand MorseTM アバットメントの接続解除機能により、

試適をより簡便に行えます。

9

2.0 歯科インプラント補綴の分類

歯科インプラントを使用した患者の治療には複数の方法があります。治療を行いやすくするために、歯科インプラント補綴

は以下の観点から分類されます。

●インプラントレベルまたはアバットメントレベル

●セメント固定式またはスクリュー固定式

●単冠(クラウン)または複数歯(ブリッジ)

補綴物はセメントまたはスクリューで固定

アバットメントはすべてスクリューでインプラントに固定

アバットメントレベルでの印象採得および試適

インプラントレベルでの印象採得および試適

現代ではデジタル技術が利用可能なこともあり、インプラントレベルとアバットメントレベルのいずれの方式にするかの選

択基準は多数存在しています。しかし、アバットメントレベルの修復では軟組織が安定し、インプラント周囲組織を維持

できるため、粘膜が薄い場合はアバットメントレベルでの修復が推奨されます。

︵図7)クローズトレー法による

アバットメントレベルでの印象採得

アバットメントレベルの補綴治療では、印象採得、試適、

暫間修復などの作業は、必ずアバットメントの締結後、アバ

ットメントレベルで行う必要があります。そのため、アバッ

トメントを何度も取り外す必要がなく、インプラント周

囲の組織に変化が生じることを防ぎます(図7)。

患者に合わせたアバットメントを個々に製作する必

要がある場合は、インプラントレベルでの修復を行い

ます。この加工は、鋳造またはミリング(デジタルを使

用する場合)で行います。インプラントレベルの作業

では、図8のようにインプラントに対して直接行われ

ます。アバットメントレベルでの修復と同じく、インプラ

ントレベルでの修復もスクリュー固定式またはセメン

ト固定式で行えます。インプラントレベルでセメント固

定式の修復を行う場合、それぞれの患者にカスタマイズ

したアバットメントが必要になります。

︵図8)クローズトレー法による

インプラントレベルでの印象採得

10

2.1 固定方式:セメント固定式またはスクリュー固定式補綴

2.2 単冠(クラウン)または複数歯(ブリッジ)

インプラントは、単独歯または複数歯が失われたことで生じた欠損部を修復するために用いられます。歯科医師の治療計

画に応じて、複数のインプラントを連結したり、独立したクラウンとして補綴します。アバットメントおよびコーピングは、エ

ンゲージ型(クラウン用)とノンエンゲージ型(複数歯の補綴物用)から選択出来ます。

Grand MorseTM システムでエンゲージ型とノンエンゲージ型のどちらの形態を選択するかの判断要素は、アバットメントの

下部にGrand MorseTM Exactを備えているかどうか、コーピングのエンゲージ機構の有無によって決まります。

インプラント補綴は、臨床状況や歯科医師の判断に応じてセメントまたはスクリュー固定式をご選択いただけます。スクリ

ュー固定式の補綴物は取り外しができるほか、余剰セメントによる周囲組織の炎症のリスクがありません。そのため、スク

リュー固定式の補綴物は正確な連結および適合が必要です。また、スクリューホールを咬合面に設ける必要があるため、審

美性を損なわないよう、スクリューホールの位置を検討する必要があります。スクリューホールを理想的な位置にするため

に、角度付きアバットメントを使用することもあります。

セメント固定式の補綴物は、スクリューホールの向きを考慮する必要がないため、スクリュー固定式と比べて手順が簡単

で審美的にも優れています。ただし、取り外しは容易ではありません。また、クラウンをセメントで固定する際に余剰セメン

トが残らないよう注意する必要があります。スクリュー固定式とセメント固定式の歯科補綴物の違いを図9に示します。セ

メント固定式およびスクリュー固定式のいずれの補綴物にもチタンベースが使用可能です。ただし、余剰セメントがインプラン

ト周囲の組織に残留することがないよう、チタンベースのセメント固定は口腔外(技工所)で行います。その後、上部構造を

スクリューでインプラントに装着します。詳細は第7章で説明します。

(図9)スクリュー固定式およびセメント固定式の修復物の例

11

︵図10)複数歯の補綴にはノンエンゲージ型、単冠歯の補綴にはエンゲージ型が用いられます。各アバットメントまたは補綴物は、それぞれ特性およびオプション

が異なります(ノンエンゲージ型またはエンゲージ型、Exactありまたはなし)。いずれの場合でも、コーピングとアバットメントの関係は、単冠歯の補綴

に使用するか複数歯の補綴に使用するかに応じて決まります。

3.0 アバットメントおよび補綴物を選択するうえでの注意事項

次の表に示すように、選択すべきアバットメントは固定方式、作業の範囲、単冠もしくは複数歯であるかに応じて決まります。

単冠(クラウン) 複数歯 単冠(クラウン) 複数歯

ノンエンゲージ型 ノンエンゲージ型 ノンエンゲージ型エンゲージ型エンゲージ型

ノンエンゲージ型 ノンエンゲージ型ノンエンゲージ型 エンゲージ型エンゲージ型

複数歯

ミニコニカルアバットメント

マイクロアバットメント

マイクロアバットメント

角度付きExactミニコニカルアバットメント

Exactアバットメント

インプラントレベル

アバットメントレベル

作業の範囲

固定方式スクリュー固定式 セメント固定式

複数歯

単冠

単冠

●マイクロアバットメント

●ミニコニカルアバットメント

●Exactチタンベース

●ExactチタンベースC

●チタンブロック

●Exactチタンベース●ExactチタンベースC●チタンブロック

●チタンブロック

●Exactアバットメント

●マイクロアバットメント

単冠

●Exact Clickユニバーサルアバットメント●Exact Clickアナトミックアバットメント

複数歯 単冠

コーピング

アバットメント

12

それぞれのアバットメントには複数の粘膜貫通部高さ、形状および角度が用意されているため、その他の特性も決定する

必要があります。主な特性は次のものです。

A. 直径

B. アバットメントの高さ

C. 粘膜貫通部高さ

D. 角度(一部のアバットメントで、角度なし、17°、30°から選択可能)

4.0 アバットメントおよび補綴物の装着に関する一般的注意事項

アバットメントを装着するタイミングとしては、(1)治癒後(ヒーリングアバットメントまたは暫間クラウンの取り外し後)、

(2)手術中、インプラントの位置決め直後(即時負荷)、(3)カバースクリューの取り外し後(ヒーリングアバットメントでは

なくアバットメントを装着する場合)が考えられます。

アバットメントの種類を選択した後、デザインを決定するために以下の状況を検討します。

A. アバットメントの高さおよび直径

B. 粘膜貫通部高さ

C. 生物学的幅径(アバットメントと歯槽骨の距離)

D. インプラントとアバットメントの角度補正の要否、またはそのアバットメントが隣接するアバットメントと平行かどうか

注: スクリュー固定式の補綴物を用いる場合、上記の検討事項Aですべてのスクリューヘッドのデザインを考慮してください。スクリューヘッドは、補綴計画上の咬合高径に直接

影響するため考慮する必要があります。

Grand MorseTM インプラントシリーズにはさまざまなヒーリングアバットメントがあり、最終的なアバットメントに合わせて

種々の直径および粘膜貫通部高さが用意されています。正しいヒーリングアバットメントを選択することができれば、生物

学的幅径を維持しつつ応力を制御し、軟組織の適切な治癒が得られます。

Grand MorseTM ヒーリングアバットメントには複数の形態があり、歯科医師の必要に応じて選択することができます。

4.1 Grand MorseTM ヒーリングアバットメントの概要

* Exactアバットメントは、機械的強度が高くなるよう、

スクリューの直径が大きくなっています。1.3mm

Ø2.35mm

2.0mm

3.8mm1.7mm

Ø1.9mm

1.5mm

3.7mm

Exactアバットメント用 オクルーザルスクリュー*

ミニコニカル/マイクロアバットメント用 オクルーザルスクリュー

スクリューヘッドのデザイン

13

Grand MorseTM ヒーリングアバットメントは、次の図のように、すべての種類のアバットメントで適切なエマージェンスプロ

ファイルが得られるよう設計されています。

︵図11)ヒーリングアバットメントの設計とすべてのGrand MorseTM アバットメントの寸法の関係

1.0mm

2.5mm

Grand MorseTM シリーズには、患者に合わせてカスタマイズ可能なヒーリングアバットメントもあります。これらのカスタマイズ

ヒーリングアバットメントはチタン製で、カスタマイズ可能な部分はPEEK製です。なお、カスタマイズヒーリングアバットメ

ントのうち7.0×5.5mm(直線部分の高さ2.5mm)および7.0×6.5mm(直線部分の高さ3.5mm)の両サイズをのぞき

直線部分の高さは基本的に1.5mmです。いずれのサイズでも、ヒーリングアバットメントの上面および側面を加工する可

能性があります。スクリューと上面および側面との間に少なくとも0.5mmの厚さを確保することが推奨されます。

粘膜貫通部高さ

カスタマイズヒーリングアバットメント

Ø5.5/7.0

加工可能部分

Ø5.5 Ø7.0

1.5mm 1.5mm

2.5mm 1.5mm

3.5mm 1.5mm

4.5mm 1.5mm

5.5mm 1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm*1

6.5mm*2

1.5mm

1.5mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

*1: 直線部分の高さ2.5mm *2: 直線部分の高さ3.5mm

Ø3.3 Ø4.5

0.8mm 0.8mm

1.5mm 1.5mm

2.5mm 2.5mm

3.5mm 3.5mm

4.5mm 4.5mm

5.5mm 5.5mm

粘膜貫通部高さ0.8~5.5mm

ヒーリングアバットメント

Ø3.3/4.5

加工可能部分 加工可能部分

粘膜貫通部高さ

粘膜貫通部高さ

14

4.1.1 Grand MorseTM アバットメントおよび対応するヒーリングアバットメントの概要

種類

直径

粘膜貫通部高さ

ミニコニカルアバットメント

Exactアバットメント

角度付きExactミニコニカルアバットメント

マイクロアバットメント

直径

粘膜貫通部高さ

4.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.8mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

4.5mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

4.8mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

4.5mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

3.5mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

3.3mm

0.8mm

1.5mm

2.5mm

3.5mm

4.5mm

5.5mm

種類 種類Exact Clickユニバーサル

アバットメント

直径

粘膜貫通部高さ

3.3mm

角度なし 角度付き

0.8mm

1.5mm 1.5mm

2.5mm 2.5mm

3.5mm 3.5mm

4.5mm

5.5mm

角度なし 角度付き

0.8mm

1.5mm 1.5mm

2.5mm 2.5mm

3.5mm 3.5mm

4.5mm

5.5mm

4.5mm

Exact Clickユニバーサルアバットメント

直径

粘膜貫通部高さ

角度なし 角度付き

0.8mm

1.5mm 1.5mm

2.5mm 2.5mm

3.5mm 3.5mm

4.5mm

5.5mm

3.3mm

角度なし 角度付き

0.8mm

1.5mm 1.5mm

2.5mm 2.5mm

3.5mm 3.5mm

4.5mm

5.5mm

4.5mm

アバットメント

アバットメント

対応するヒーリング

アバットメント

対応するヒーリング

アバットメント

スクリュー固定式

セメント固定式

15

4.2 Grand MorseTM アバットメントおよび補綴物を装着する際の生物学的注意事項

通常、Grand MorseTM アバットメントは骨内から立ち上がります。そのため、インプラント頸部に存在する骨によりアバット

メントが挿入出来ない場合にボーンプロファイラドリルを使用します。粘膜貫通部高さを確認するにはGHメジャーを使用

してください。

アバットメントの上縁は歯槽骨からの距離が1.5mm以上で、かつ粘膜表面からの距離が2.0mm以下となるようにしてく

ださい。適切なアバットメントの位置を次の図に示します。

1.5 mm以上

2.0mm以下

5.3mm

ボーンプロファイラドリル GHメジャー

16

5.1 インプラントレベルおよびアバットメントレベルの印象採得(オープントレー法またはクローズトレー法)

アバットメントレベルの印象採得手順は、基本的にはインプラントレベルの手順(オープントレー法またはクローズトレー

法)と同じ流れですが、印象用コーピングを直接各アバットメントに装着する点が異なります。オープントレー法またはク

ローズトレー法のいずれに対応しているかは各アバットメントにて異なります。

5.0 インプラントレベルまたはアバットメントレベルの印象採得および模型製作

現在は、補綴物の製作に、従来の鋳造法(従来法)またはCAD/CAM技術を利用できるため、技工操作および補綴物製

作に際しインプラントの印象を複数の方法で採得することができます。従来の印象およびスキャンニング(模型および口腔

内)の方法を以下にて説明します。

インプラントレベルまたはアバットメントレベルの従来法の印象採得で、オープントレー法およびクローズトレー法のいず

れかを選択し、印象用コーピングをアバットメントまたは直接インプラントにスクリューで固定します。

クローズトレー法では、固定された印象用コーピングの上にプラスチック製のキャップを装着します。印象材を用いて印象

を取得すると、プラスチックのキャップは印象材に取り込まれます。印象材が硬化したら、慎重にトレーを取り外します。スク

リューを緩めて印象用コーピングを取り外し、印象トレーと共に技工所に送ります。各アバットメントには専用の印象採得シ

ステムがあります。カタログや作業手順書ですべての選択肢を確認してください。

インプラントレベルのオープントレー法とクローズトレー法にはインプラントコネクションからの高さに応じて2種類の長さがあ

ります。粘膜貫通部高さおよびインプラントの最終的な位置に応じて適した長さを選択してください。

オープントレー法 クローズトレー法

2.0

19.1

4.0

23.0

4.0

16.9

2.0

13.0

17

5.2 模型の製作

まず、印象用コーピングが正しく配置されていることを確認してください。以下の手順は歯科技工所で行ってください。

A. アナログ(手法に応じてインプラントレベルまたはアバットメントレベル)を装着します。次の図のように正しく取り付け

てください。

B. 任意の人工歯肉を使用して、深さ3~4mmの可撤式の歯肉を作製します(人工歯肉の作製に用いる材料の取扱説明書

に従ってください)。

C. タイプ4の石膏を使用して練和物を準備します。製造業者の指示に従い、粉と水を正確な分量で混合してください。

D. 練和した石膏を印象材に注入します。解剖学的部位の細部まで石膏で覆い、特にアナログが完全に覆われるようにして

ください。

E. 石膏が硬化するまで所定の時間の経過後、印象用トレーから慎重に取り外します。

F. 気泡がないこと、細部まで完全に再現できていることを確認します。

G. 模型製作は以上で完了です。

H. 対合する歯列の模型も製作し、両方の模型を咬合器に装着し、確認してください。

Neodent® は、模型の作製に際して従来の手順(石膏模型)およびデジタル手順(3D模型)の両方に使用できるアナログを開

発しました。これはデジタルアナログという名称で、インプラントレベルおよびアバットメントレベルの印象採得やスキャン

に利用することができます。

︵図13)デジタルアナログ(左から、GMデジタルアナログ、Exactアバットメント用、

ミニコニカルアバットメント用、マイクロアバットメント用、Exact Clickユニバーサル用)

18

6.1. スキャンボディ

6.0 スキャンおよびデジタル技術

今日、歯科領域ではデジタル化が急速に進んでいます。スキャン技術は、従来法で採得した印象のデジタル化から、患者の

口腔内の直接スキャン(口腔内スキャン)まで幅広く用いられています。デジタルモデルが完成すると、装着する補綴物

の設計を専門の技士が行います。補綴物は、CAMシステムでミリングして製作します。従来法と異なる手順および器具

について以下で説明します。

スキャンボディは、インプラントやアバットメントに装着して使用し、これらの部品の位置をCAD/CAMによる手順で利用で

きるようにスキャンを通じて再現するものです。スキャンボディを使用することで、基準となるインプラントやアバットメントに

合わせて、ライブラリに登録されているインプラントやアバットメントを正しい向きで正しい位置に再現することができま

す。スキャンボディには、石膏模型のスキャンに用いる(模型用の)スキャンボディと、口腔内スキャンに用いる(インプラン

トおよびアバットメント用の)スキャンボディの2種類があります。スキャンボディは、PEEKを材料としており、スキャン用の

スプレーが不要です。

︵図14)模型のデジタル化や口腔内スキャンにはスキャンボディが不可欠です。

19

6.2.1 石膏模型のスキャン

製作した石膏模型(5.2項の模型の製作)はスキャンすることができます。この手法を用いるには、石膏模型用スキャナーまた

はデスクトップスキャナーが必要です。Neodent® が推奨するスキャナーは、Straumann CARES®D7Plusです。

●この手順を実施するためには、適切なライブラリをソフトウェアにインストールしておく必要があります。

ご使用のライブラリが最新のものであることを常に確認してください。

以下の手順の順序は、使用するソフトウェアおよびスキャナーに応じて異なる場合がありますが、基本的にはすべて同一です。

A. ソフトウェアのデータベースおよび選択したスキャナーを起動する。

B. 患者に適したオプションおよび材料を選択し、選択したライブラリが使用するスキャンボディと対応していることを確認

します。

C. スキャナーの製造業者が定める手順に従ってスキャンを行います。可撤式の歯肉を装着した状態および装着していない

状態の両方で石膏模型のスキャンを行うこと(通常は別々の手順として行う)、またインプラントまたはアバットメントの

アナログを所定の位置に装着した状態でスキャンを行うことが重要です。

注: ●スキャンボディのフラット面を唇側/頬側に向けてください。

●スキャンボディが適切に装着されていることを確認してください。

プラットフォームが損傷したインプラントにスキャンボディを装着した場合、デジタル化に際して問題が生じる恐れがあります。

デジタル化の完了後、CADソフトウェアで補綴物を設計します。

6.2 デジタル手順による補綴製作(CAD/CAM)

6.2.2 口腔内スキャン

この手法を用いるには、口腔内スキャナーが必要です。歯科技工所には、印象トレーが郵送される代わりにデータが電子的

に送信されます。口腔内スキャンの実施に際しては、歯科領域における通常の臨床ケアおよび安全上の注意事項すべてに

加え、口腔内スキャナーの製造業者による手順に従う必要があります。基本的には、すべてのスキャナーで同様の手順が

用いられます。

A. ソフトウェアからのすべての指示に適切に従ってください。

B. 選択したアバットメントまたはGrand Morse インプラントに応じた、正しい IOS用スキャンボディを使用します。

C. 用途、材料、関連するインプラントの種類を正しく選択します。

D. スキャナーの製造業者が定める手順に従います。

E. スキャンボディの細部が、デジタル化により再現されていることを確認します。

F. ソフトウェアの指示に従ってスキャン手順を完了します。

G. 最終的なスキャンファイルをCADソフトウェア(チェアサイドまたはCAD/CAMシステムを備えた歯科技工所)に

転送します。

注: ●スキャンボディのフラット面を唇側/頬側に向けてください。

●スキャンボディが適切に装着されていることを確認してください。

●プラットフォームが損傷したインプラントにスキャンボディを装着した場合、デジタル化に際して問題が生じる恐れがあります。

20

7.0 アバットメントの選択肢

7.1 アバットメントレベル

7.1.1 Exactアバットメント(単冠補綴用、スクリュー固定式)

Exactアバットメントは、以下の手順で使用します。

A. 軟組織およびエマージェンスプロファイルに問題がないことを確認します。

B. 生物学的組織を考慮したうえで、治療計画に従って適切なExactアバットメントを選択します。

C. Exactアバットメントを装着します(GMスクリュードライバーを使用して20Ncm)。

D. 5.1項で説明した手順で印象採得を行います。

E. 続いて、歯科技工士が従来の手法(ロストワックス法)で補綴物を製作します。

F. 補綴物をExactアバットメントに装着します(GMスクリュードライバーを使用して10Ncm)。

G. Exactアバットメントがインプラントの埋入軸と重なっていることを確認してください。

H. Exactアバットメントがインプラントの真上にあり、補綴物がインプラント周囲の組織に圧力を加えていないことを確認

します(X線画像で確認)。

Exactアバットメントは、スクリュー固定式の単冠補綴物(クラウン)に使用することが推奨されており、ASTM規格F136

に準拠したチタン合金を材料としています。本アバットメントのシリンダーに付属する固定用スクリューは、他の補綴物の

固定用スクリューよりも直径が大きく(Exactアバットメントの固定スクリューは2.0mm、他は1.5mm)なっており、機械的

性能の向上につながっています。

またはまたは +バーンアウトコーピング

CoCrコーピング

補綴物アバットメントの装着Exactアバットメント

20Ncm

10Ncm

10Ncm

装着にはGMスクリュードライバーを使用

接続解除機構

直径4.8mm

粘膜貫通部高さ0.8/1.5/2.5/3.5/

4.5/5.5mm

Exact

2.5mm

2.0mm

印象採得暫間補綴

※ Exactアバットメントの上部構造はデジタル(CAD/CAM)による製作は出来ません。

21

7.1.2 ミニコニカルアバットメント(複数歯の補綴用、スクリュー固定式)

およびマイクロアバットメント(単冠または複数歯の補綴用、スクリュー固定式)

注: マイクロアバットメントは、単冠にも複数歯の補綴にも使用できます。角度のバリエーションはありません。

ミニコニカルアバットメントおよびマイクロアバットメントは、複数歯の補綴への使用が推奨されています。ただし、マイクロ

アバットメントは上部構造との接続部にエンゲージ機構を備えているため、スクリュー固定式の単冠補綴(クラウン)にも使

用することができます。これら2つのアバットメントの主な違いは、次の図に示すように直径の大小にあります。

ミニコニカルアバットメント

装着にはHex補綴ドライバーを使用

直径4.8mm

粘膜貫通部高さ0.8/1.5/2.5/3.5/

4.5/5.5mm

インデックスなし

インデックスなし

2.2mm

1.5mm

マイクロアバットメント

装着にはHex補綴ドライバーを使用

粘膜貫通部高さ0.8/1.5/2.5/3.5/

4.5/5.5mm

直径3.5mm

1.2mm

1.5mm

22

ミニコニカルアバットメントは、複数の角度から選択できます(角度なし、17°、30°)。

以下に示すように、角度付きExactミニコニカルアバットメントには3つの粘膜貫通部高さのオプションがあります。

ミニコニカルアバットメント30°

ミニコニカルアバットメント17°

装着にはGMスクリュードライバーを使用

粘膜貫通部高さ1.5/2.5/3.5mm

Exact

直径4.8mm

1.5mm2.2mm

23

注: マイクロアバットメントは、単冠および複数歯のいずれの補綴にも使用できます。

ミニコニカルアバットメントおよびマイクロアバットメントは、以下の手順で使用します。

A. 軟組織およびエマージェンスプロファイルに問題がないことを確認します。

B. 前述のように生物学的組織を考慮したうえで、治療計画に従って適切なアバットメントを選択します。

C. 以下のようにアバットメントを装着します。

●ミニコニカルアバットメントおよびマイクロアバットメント:Hex補綴ドライバーを使用して32Ncmのトルクで締結し

ます。

●角度付きExactミニコニカルアバットメント:GMスクリュードライバーを使用して20Ncmで締結します。

D. アバットメントがインプラントの真上にあり、補綴物がインプラント周囲の組織に圧力を加えていないことを確認します

(X線画像で確認)。

E. 5.1項で説明した手順で印象採得を行います。

F. 続いて、歯科技工士が従来の手法(ロストワックス法)またはミリング(CAD/CAM)で補綴物を製作します。

G. 最終的な補綴物を装着します(GMスクリュードライバーを使用して10Ncm)。

H. アバットメントがインプラントの埋入軸と重なっていることを確認します。

アバットメントの装着マイクロアバットメント

暫間補綴 補綴物

バーンアウトコーピング

CoCrコーピング

+または または

32Ncm

10Ncm

10Ncm

アバットメントの装着ミニコニカルアバットメント

暫間補綴 補綴物

+または または

32Ncm

10Ncm

10Ncm

印象採得

印象採得

24

Exact Clickユニバーサルアバットメントは、セメント固定式の単冠補綴に使用します。印象採得および暫間補綴のセメント

仮着や製作を補助する「クリック機構」が搭載されています。ユニバーサルアバットメントには、以下のように複数のサイ

ズが用意されています。

「クリック機構」は、本アバットメント用のアナログや暫間補綴のテンポラリーコーピングにも搭載されています。また、

アナログおよび印象用コーピングは、図14のようにセメント固定領域の高さに応じて色分けされています(4mmは紫

色、6mmは緑色)。この手順には、デジタルアナログを使用することもできます。

(図14)クリック機構の溝を備えたアナログ。アナログおよびトランスファーの色はアバットメントの高さを表す。

7.1.3 Exact Clickユニバーサルアバットメント(単冠補綴用、セメント固定式)

Exact

直径3.3/4.5mm

粘膜貫通部高さ0.8/1.5/2.5/3.5/

4.5/5.5mm

アバットメント高さ4/6mm

クリック機構

接続解除機構

装着にはGMスクリュードライバーを使用

25

Exact Clickユニバーサルアバットメントは、複数の角度から選択できます(角度なし、17°、30°)。

アバットメント高さ4mm アバットメント高さ4mm

アバットメント高さ6mm アバットメント高さ6mm

アバットメント高さ4mm アバットメント高さ4mm

アバットメント高さ6mm アバットメント高さ6mm

17°

30°

26

Exact Clickユニバーサルアバットメントは、以下の手順で使用します。

A. 暫間クラウンに専用テンポラリーコーピングを用いることが可能です。ヒーリングアバットメントを取り外した直後から

ユニバーサルアバットメントを使用することができます。

B. ユニバーサルアバットメントを装着します(GMスクリュードライバーを使用して20Ncm)。

C. 軟組織およびエマージェンスプロファイルに問題がないことを確認します。

D. 適合性に問題がないことを確認し、クリック機構を備えたクローズトレー印象パーツを使用してユニバーサルアバット

メントの印象採得を行います。

E. 印象を技工所に送り、クリック機構を備えた印象用コーピングにアナログを装着して模型を製作します。

F. 続いて、歯科技工士が従来の手法(ロストワックス法)または切削加工(CAD/CAM)で補綴物を製作します。

G. 補綴物をセメントで合着します。インプラント周囲の組織に余剰セメントが残留しないよう注意してください。

H. 補綴物がアバットメントに完全に適合していること、補綴物が周囲組織に圧力を加えていないことを確認します。また、

余剰セメントが残留していないか確認します(X線画像で確認)。

+または または

アバットメントの装着ユニバーサルアバットメント

20Ncm

印象採得暫間補綴

27

Exactアバットメント

ミニコニカルアバットメント

角度付きExactミニコニカルアバットメント

マイクロアバットメント

Exact Clickアナトミックアバットメント

Exact Clickユニバーサルアバットメント

Exactチタンベース

ExactチタンベースC

Exactチタンブロック

Pro PEEKアバットメント

オクルーザルスクリュー

状況に応じた適切なアバットメントを選択し、次の表の手順に従ってください。

8.0 従来法による補綴製作手順(ロストワックス法、暫間クラウンなど)

9.0 使用ドライバーとトルクの概要

コーピング 用途 手法

CoCrコーピング

バーンアウトコーピング

チタンまたはポリマー

暫間補綴

最終補綴

最終補綴

●チタンテンポラリーコーピングまたはポリマーテンポラリーコーピングを選択します。●コーピングをアナログに固定し、咬合高径に合わせて加工します。●暫間補綴物を製作します。●補綴物とコーピングが適合していることを確認します。●コーピングをアバットメントに固定し、咬合を確認します。●暫間クラウンは、技工所および歯科医院(チェアサイド)のどちらでも製作できます。

●コーピングを石膏模型上のアナログに装着します。●ワックスを盛ります。●鋳造および仕上げを行います。●スクリュー固定式の補綴を使用する場合は、スクリューのアクセスホールをふさがないよう注意してください。

●コーピングを石膏模型上のアナログに装着します。●修復物にワックスを盛ります。●ワックスは0.5mm以上の厚さで盛ります。●鋳造を行うためにシリンダーのベースを準備し、カバーを付けます。●合金は、審美材料に適したものでなければなりません。●スクリューのアクセスホールの形状を損なわないよう注意してください。●仕上げおよび研磨の際は、ポリッシングプロテクターを使用することが推奨されます。●合金の仕上げ時に、腐食性材料は使用しないでください。鉄の粒子が含まれている可能性があります。

GMスクリュードライバー

Hex補綴ドライバー

20Ncm

20Ncm

20Ncm

20Ncm

20Ncm

32Ncm

32Ncm

20Ncm

GRAND MORSETMGM

20Ncm

20Ncm

10Ncm

28

10.0 GRAND MORSETM 補綴プランニングキット

ヒーリングアバットメントおよび補綴アバットメントの選択を補助するために、Neodent® はGrand MorseTM 補綴プラン

ニングキットを用意しています。このキットには、Grand MorseTM シリーズのアバットメントにおいて、直径、粘膜貫通部高

さ、角度および咬合高径の考えられる組合せすべてが含まれています。本キットには、アバットメントを模したチタン製部品

が入っています。各部品は、スペースを評価するための情報を再現した寸法となっています

A

B2

B2

B1B1

DC C

A

参考となる主な情報は以下のものです。

A. 直径

B. 補綴物の咬合高径(B1=4mm、B2=6mm)

C. 粘膜貫通部高さ

D. 角度(Neodent® は角度なし、17°および30°を提供)

Grand MorseTM プランニングキット。アバットメントを模したチタン製部品で構成されています。

29

11.0 GRAND MORSETM 補綴キット

Grand MorseTM 補綴キットには、Grand MorseTM アバットメントの装着に必要なすべての器具が入っています。HP用

およびトルクラチェット用のGMスクリュードライバー(各3サイズ)、HP用およびトルクラチェット用のHex補綴ドライバー、

手用変換アダプターラチェット用、GHメジャー、トルクラチェットが入っています。

Grand MorseTM 補綴キット

30

1)インプラント埋入用に顎堤を整形

する。

2)ドリリング完了。オトガイ孔と遠心側

インプラントの間に十分な間隔を確保

する。

3)Neodent® 製インプラント5本を、

用途に従い埋入する。

4)対応するNeodent® 製アバットメント

を装着する。

5) 印象用コーピングを装着し、アクリル

レジンで連結する。

6)顎間比率を確認し、軟組織の印象を

採得する。

7)印象用コーピングにアナログを装着

する。

8)人工歯肉付きの作業模型。 9)左から焼成可能なOne Stepバーン

アウトコーピング、One Stepコーピ

ングBRASS、One StepコーピングTi

12.0 NEODENT® の推奨する手法

12.1 One Step法

One Step法では、チタンコーピングをフレームワークにセメントで合着することで、鋳接を必要とすることなく

補綴物のパッシブフィットを達成できます。この手法は、スクリュー固定式の複数歯の補綴を対象としたもので、技工操作

に要する時間を短縮することが可能です。この手法は、ミニコニカルアバットメントおよびマイクロアバットメントを使用で

きます。One Step法の手順例を以下に示します。

31

10)One StepコーピングBRASSを

アナログに装着し、その上にOne

Stepバーンアウトコーピングをラ

ボ用スクリューで固定する。

11)焼成可能なリングおよびワックス

アップしたフレームワーク。

12)フレームワークを焼成する。

13)フレームワークを石膏模型に装着

する。

14) セメント固定スペースを確認する。 15)One StepコーピングTiをフレーム

ワークに合着する。

16)最終的に口腔内に装着した様子。

32

12.2 ディスタルバー法

この手法は全顎的なプロビジョナルレストレーションを行う際に生じるカンチレバーを補強するために行います。ディスタ

ルバー法には、ミニコニカルアバットメントの使用が可能です。この手法の手順を、以下に示します。

1)アバットメントを装着する。 2)臼歯部の完全性を損なわないようにして、事前に作成したプロビジョナルレストレーションにテンポラリーコーピングを配置するためのスペースを設ける。

3)最遠心に配置したインプラントにディスタルバーを、それ以外にはテンポラリーコーピングを装着する。

4)プロビジョナルが中心咬合位にあること、コーピングへの干渉がないことを確認する。

5)軟組織を保護するために、コーピングにラバーダムをかける。

6)即時重合アクリルレジンをコーピングに塗布する。

7)アクリルレジンをコーピングの間に充填する。

8)口腔内で位置を調整し、完全に重合するまで患者に咬合を保たせる。

9)レジンが重合しコーピングが連結された様子

10)ポリッシングプロテクタを使用して、補綴の表面処理、研磨を行う。

11)インプラントで支持されたプロビジョナルレストレーションの完成。

12)口腔内に装着した様子。

33

1. Macedo JP, Pereira J, Vahey BR, et al. Morse taper dental implants and platform switching: The new par-

adigm in oral implantology. Eur J Dent. 2016 Jan-Mar;10(1):148-54.

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taper: from Stephen A. Morse in 1864 to complications related to modularity in hip arthroplasty. Int

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CERECはSirona Dental Systems社の商標または登録商標です。

Dentsply Sironaは、Dentsply Sirona社の商標または登録商標です。

Medentikaは、Medentika社の商標または登録商標です。

Straumann、CARES、coDiganostiXは、Straumann Holding社の商標または登録商標です。

Neodent®、Helixは、JIGC Industria e Comercio de Materials Dentarios社の商標または登録商標です。

参考文献

販売名 : 分類 : 承認/認証/届出番号 :

ネオデント GMインプラントツール(単回使用) 一般医療機器 13B1X10163000330

ネオデント GMインプラントツール(複数回使用) 一般医療機器 13B1X10163000329

ネオデント GMインプラント上部構造材 管理医療機器 231AKBZX00025000

ネオデント GM2ピースアバットメント 高度管理医療機器 23100BZX00086000

ネオデント GMインプラント(NeoPoros)テーパード 高度管理医療機器 23100BZX00078000

ネオデント GMチタンブロック 高度管理医療機器 23100BZX00079000

ネオデント GMヒーリングアバットメント 高度管理医療機器 23100BZX00077000

ネオデント GMマルチピースアバットメント 高度管理医療機器 23100BZX00085000

本カタログに掲載されている製品は、下記のそれぞれの医療機器承認番号を得ています。

【製造販売】

ストローマン・ジャパン株式会社〒108-0014 東京都港区芝5-36-7 三田ベルジュビル 6階受注専用ダイヤル: 0120-418-995製品サポート: 0120-689-930デジタルサポート: 0120-4 1 8-320FAX(共通): 0120-4 1 8-089TEL受付時間: 平日9:00~17:30(デジタルサポートは18:00まで)当日出荷受付時間: 平日1 7:00まで

● 記載内容は2019年4月現在のものです。予告なく変更させて頂く場合もございます。

Neodent® はJJGC Indústria e Comércio de Materiais Dentários S.A.社の登録商標です。CARES® はStraumann Holding AG社の登録商標です。 © 2019 - Institut Straumann AG. ALL RIGHTS RESERVED.

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