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超伝導体の基本方程式
電子論的考察とF.London方程式
By Lr.x
超伝導とは?
• 1911年ヘイケ・カルメリング・オネス(Heike Kamerlingth Onnes,1853~1926)が水銀の温度を4.2K(約-270℃)以下にすると、突然電気抵
抗が消失することを発見したことによって確認された現象である。超伝導体内ではOhmの法則(Georg Simon Ohm’s law,1789~1854)が成り立たない事が注目をあびたと期待される。
超伝導体内での電子論的考察
・考察系の設定 一般には
電界𝐸がかかった領域での質量𝑚𝑒のN個の電子を特別な容器にいれた孤立系を想定する。なお、個々の電子はτ秒で1回容器に衝突し、(1秒でτ回としたいところだが次の束縛のためそうではない→)衝突をしたら、衝突した電子は静止したとみなせるとする。←これを要項しないと解くことはほぼ不可能(いろいろ考えてみたが難しい)。なお、衝突は電子同士、電子と壁以外では起こらないとする。
ここでの特別な容器は、内部からの熱は完全に逃がすが、外部からの熱は通さない容器とする。外部からの影響はうけないので孤立系であることに注意されたい
・しかしこのように、考察系を設定しても数多くの電子の運動は簡単には記述できない。そこで、
考察系の等価変換 1
• N個の内の一個の電子の運動に注目すると、時刻t~時刻t+Δtの間に衝突して、静止するか、否かでその電子の運動は特徴づけられるので、N個の電子を系の束縛はそのまま課したままで、孤立させる事ができる。(熱力学を学べばわかる)つまり、
• 孤立系の数: 1個 → N個
• 電子の数: N個 → 1 個
のようにできるわけである。ただし、
考察系の等価変換 2
ただし、内部束縛 • 衝突すると、衝突した電子は静止する。 • 平均をとった物理量は平均をとったまま • 衝突は電子同士か、電子と壁かで起こる は課したままである。(関係は保持される) 準備ができたので、次のような思考実験をする。
今、時刻tから実験を初め、透明な特別な容器(ただし、上記の内部束縛はある)に入ったN個の孤立系のうち時刻t+Δtに見たときにおおよそn個の孤立系の電子が止まっていたとみなせるとする。ただしうちk個は容器に衝突してとまらず時刻t+Δt+Δt’’に止まったと見なせるとする。
Newtonの運動方程式と状態量 1
• 状態量
各状態の物理量が一意的に決まる量をいう。
つまり、時刻tで特徴づけられる状態量をX=X(t)としたとき、同条件下での𝑋1 𝑡 , 𝑋2(𝑡)なる二つの状態量の間には
• 𝑋1 𝑡 = 𝑋2(𝑡)
が理論的に成り立つ事である。
*成り立たないと考察がしにくくなると思われる。
Newtonの運動方程式と状態量 2
・Newtonの運動方程式に登場する物理量、運
動量と外力は状態量なので、同じ条件下にある場合は同じ、運動量、外力が使えるというわけである。
*この約束があるからN個の孤立系にわけると扱いやすい。
・一次元のNewtonの運動方程式の状態表示
運動量をp、外力をFexとすると、
Newtonの運動方程式 -状態表示1
・①衝突がない時 p t + Δt − p t = FexΔt
・②衝突される時 p′ t + Δt − p t = FexΔt + (F
′Δt′) ・③衝突がある時(電子同士)
0 − p t = FexΔt + (−F′Δt′)
・④衝突がある時(電子と壁) p t + Δt + Δt′′ = 0 − p t = FexΔt + −F′′Δt′′′′ + [Fdf] + Fex t
′′ Δt′′
計算すると、(Fdf+Fex(t′′)) Δt′′ = −p(t + Δt)になるが、決して、 −p t + Δt は移項
してはいけない。 (計算の都合上はいいけど)それ以外はだめである。ちゃんと意味がある。
𝐹𝑑𝑓 𝑑𝑎𝑚𝑝𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑜𝑟𝑐𝑒 + 𝐹𝑒𝑥(𝑡′′′) = lim
Δt′′′→0
p(t′′′ + Δt′′′) − p 𝑡′′′
Δt′′′
今回は、p t + Δt + Δt′′ = 0
Newtonの運動方程式 -状態表示2
Δt′′はエネルギーを失うまでにかかった時間である。
𝐹𝑑𝑓はエネルギーを失った事による減衰力である。 ただし、 Fex = Fex(t)の時は区間[t,t+Δt]で Fex t + Δt ~Fex(t)とする。 ・Δ𝑡′′ → 0が理想である。つまりエネルギーは瞬時に失う ・簡単な計算で理論的にP’(t+Δt)=2P(t+Δt)である。 ・ 簡単な計算でF′Δt′ = FexΔt + p(t)である。 ・F’’Δt′′′′~F′Δt′であり、F’’とF’は衝突による作用力?である。 ・Δt’,Δt’’’’が衝突が起こっている時間である。 *作用・反作用の経験則を使っていることはいうまでもない。
*壁に衝突した電子に減衰力は働くとしているが、実際はN個の電子に働きかけるのである。N個の孤立系にわけて考えている事情と見通しをよくするために壁に衝突した電子に“代表させて”働かせている。それを[]で表現した。つまり、あとから全部得られた運動方程式の状態表示を足す事を前提にしている話なのである。実際そのようにする。
Newtonの運動方程式 -状態表示3
このように丁寧に書いてもまだわかりにくい。そこで唯一、始状態から終状態まで働き続ける外力Fexに注目し、その時間スケールで観測時間間隔内に働く力を規格化することを考える。こうすることでずいぶん見通しがよくなる。それに“確実に等価的に働き続けている力”というのは扱いやすい。実際に変形してみよう。熱力学的に力学系を論じていることを考えると非平衡状態つまり、始状態~終状態の間は基本的に興味がない。そのことを考えると、等価変換することは可能である。実際Newtonの運動方程式の微分表示形はそのような形をしている。そのように考えないと人間は直感的に理解できないということの現れなんだろう。このように考えたときNewtonの運動方程式の微分形は本質ではなく、むしろ熱力学的な表示であるNewtonの運動方程式の状態表示の方が本質的?と考えることもできる。
Newtonの運動方程式 -状態表示4
・ ①衝突がない時 p t + Δt − p t = FexΔt
・②衝突される時
p′ t + Δt − p t = (Fex+F′Δt′
Δt)Δt
・③衝突がある時(電子同士)
0 − p t = (Fex−F′Δt′
Δt)Δt
・④衝突がある時(電子と壁) p t + Δt + Δt′′ = 0 − p t
= (Fex − F′′Δt′′′′
Δt + Δt′′+ [Fdf]
Δt′′
Δt + Δt′′)(Δt + Δt′′)
このように書くことで実際この方程式はNewtonの運動方程式の微分形に持ち込むことができ、人間が直感的に理解できる領域に入ってくるというわけである。
Newtonの運動方程式 –減衰力1 *代表させて働かせた時のみに限る なじみの薄い減衰力に関する説明
すべては特別な容器内で電子が運動しているということにある。つまりエネルギーは保存されないのである。壁にぶつかる電子の数をk個とすると、壁にぶつかって失うエネルギーの総和𝐸𝑙𝑜𝑠𝑡は
𝑒𝑙𝑜𝑠𝑡(𝑡′′) =
𝑝(𝑡 + Δt)2
2me=p(𝑡′′)2
2me 𝐸𝑙𝑜𝑠𝑡 = kelost
である。このエネルギーは通常は熱になって外部に逃げる。しかし、実際はすべてではない。一部は他の電子の運動に影響する。しかし、一部では考察しにくいので今回は全て逃げるとする。(ただし、外部からは熱をもらわない)状況を想定するわけである。すると、エネルギーを失う事による減衰力が働くはずである。その力が𝐹𝑑𝑓 𝑑𝑎𝑚𝑝𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑜𝑟𝑐𝑒 (𝑒𝑙𝑜𝑠𝑡あたり)である。 運動エネルギーの変化は外力がした仕事という式(ここでのΔxは仮想的な距離) から (p 𝑡′′ + Δt′′ = 0)2
2me−p 𝑡′′ 2
2me~(𝐹𝑑𝑓+𝐹𝑒𝑥(𝑡
′′)) Δx
2= (𝐹𝑑𝑓+𝐹𝑒𝑥(𝑡
′′))𝑝 𝑡′′
2𝑚𝑒Δt′′
∴ 𝐹𝑑𝑓′ = (𝐹𝑑𝑓 + Fex(t
′′)) Δt′′ = −p t′′ = −p(t + Δt)
どうして、𝐹𝑑𝑓’がした仕事がおおよそ、𝐹𝑑𝑓′Δx
2かを次のページで説明する。
Newtonの運動方程式 –減衰力2 *代表させて働かせた時のみに限る まず、初めにあった運動エネルギー
p 𝑡′′ 2
2me
が0になるまでにかかった時間はΔt’’でその間に電子の進んだ距離はΔx‘(実効距離)であるとしよう。初めの運動量p t′′ をつかって表現される仮想的な距離を
Δx =p t′′
𝑚𝑒Δt′′
とする。 p t′′ の時間変動が激しくなければ良いのだが、Δt’’の間に”0”になってしまうと約束したので、時間変動が激しい。時間変動が激しいと減衰力がした仕事を簡潔に書くことはできない。減衰力がはたらいて運動量はゼロになるわけであるが、t’’+Δt’’にいきなりゼロになるようなことは最小作用の原理に反するので(t’’+Δt’’に∞の力が働く事を意味している)最小作用の原理をみとめるかぎりありえない。それに物理的にナンセンスである。最小作用の原理を考慮すると、時間と運動量が直交した座標系の初めの点と終わりの点を結んだ線の付近を運動量がゼロになる過程は通るはずである。つまり、Δt’’の間減衰力は一定であると見なせる。まぁこれはおおかた想像がつく話である。
Newtonの運動方程式 –減衰力3 *代表させて働かせた時のみに限る • Δt’’の間、減衰力は最小作用の原理に従う限り一定とわかったので、仕事を求めるためにはあとはその力によって変位した距離(実効距離)を求めればいい。容易に想像はつくはずで
Δx′ = p t′′′
𝑚𝑒dt′′′~
𝑝 𝑡′′
2𝑚𝑒Δt′′ =
Δx
2
Δt′′
0
p t′′′ ~𝑝 𝑡′′ −𝑝 𝑡′′
Δt′′𝑡′′′
として計算した。 なお、Δt’’であるが、できる限り小さい範囲に見積もっておくべきである。実際はN個の電子が一つの孤立系にあるためあまりに大きくとると、運動量がゼロになる過程の可能性の幅が急激に広がり(というか、広がりすぎて決めることができない)事態におちいり、議論ができなくなるからである。それと同時に減衰力を一定の大きさで見積もれなくなる。
Newtonの運動方程式 –減衰力4
この減衰力はどこから来たのかといえば、壁による作用である。したがって、作用・反作用の経験則より、壁は(-k𝐹𝑑𝑓)の反作用を受けるはずである。(外力によって邪魔されない減衰力であることに注意である。)これは壁との衝突による電子の作用(おおかた電子同士の衝突の時と同じとした)ものとは違うものである。それはkF′′の力として受けている。(ただし、簡単のためF’’Δt′′′′~F′Δt′とした)電子同士の場合は衝突した電子がエネルギーを失い、代わりに衝突された電子がそのエネルギーを得るように設定した。今、衝突された電子の代わりにエネルギーを外に逃がす(理想的にΔt’’→0)特別な容器を想定しているので孤立系のエネルギーが保存されない。どのくらいのエネルギーが保存されないのかといえば、外力𝐹𝑒𝑥(𝑡
′′)がした仕事が非常に小さいとした時、おおよそ壁はk𝑒𝑙𝑜𝑠𝑡(𝑡
′′)のエネルギーを獲得している。それを外部に熱として逃がすのでk𝑒𝑙𝑜𝑠𝑡(𝑡
′′)のエネルギーが保存されていない事になるということである。詳しい計算は容器の質量などを考慮しないと行けなくなり物理量が増えるのでやめることにする。そうしないためにも特別な容器は特別に扱っているのである。
各孤立系とNewtonの運動方程式1
孤立系1 p’ t + Δt − p t = FexΔt + F′Δt′
孤立系2 0 − p t = FexΔt − F′Δt′
孤立系3 p t + Δt + Δt′′ = 0 − p t = FexΔt − F′′Δt′′′′ + [F′dfΔt
′′]・・・・・
孤立系N p t + Δt − p t = FexΔt
• ただし、物理量は平均値である。 • p’ t + Δt =2 p t + Δt
• F′Δt′ = 𝐹′′Δt′′′′ = FexΔt + p(t)
• F′df(外力に邪魔されながらの減衰力)Δt′′ = −p(t + Δt)
• 壁に衝突した電子に減衰力は働くとしているが、実際はN個の電子に働きかけるのである。N個の孤立系にわけて考えている事情と見通しをよくするために壁に衝突した電子に“代表させて”働かせている。それを[]で表現した。つまり、あとから全部得られた運動方程式の状態表示を足す事を前提にしている話なのである。実際そのようにする。
各孤立系とNewtonの運動方程式2
全部の和をとると、
N − n + n − k p t + Δt − Np t =
NFexΔt − 𝑘(𝐹′Δt′ = 𝐹𝑒𝑥Δt + p(t)) + 𝑘(𝐹𝑑𝑓Δt
′′ = −p(t + Δt))
まとめると、 Np t + Δt − N − k p t = N − k FexΔt
Kは容器に衝突した回数で、0≤ k ≤ nである。 また、0≤ Δt′ < Δtである。Nでわれば、衝突が理論的に考慮された孤立系1個あたりのNewtonの運動方程式の状態表示が得られる。
p t + Δt − 1 −k
Np t = 1 −
𝑘
𝑁FexΔt
となる。これはこのままでは解くことができない。なぜなら、k
Nが何の関数で在
るかわからないし、そのオーダもはっきりしないからだ。そこで、
各孤立系とNewtonの運動方程式3
• そこで、𝑘
𝑁を時間で特徴づけるのである。
よく考えてみると、 𝑘
𝑁は時刻tから時刻t+Δtの間に
壁に衝突する確率である。τ秒で一回壁に衝突すると約束していたので、
1 −𝑘
𝑁~ 1 −
Δt
𝜏
とかけることがわかる。ただし、Nは十分に大きいと考えておく。なぜなら、左辺は有理数であるが、右辺は実数の可能性があるからである。
各孤立系とNewtonの運動方程式4
• 以上の考察から、超伝導体内での電子論的考察によって得られるNewtonの運動方程式の状態表示は
p t + Δt − 1 −Δt
𝜏p t = 1 −
Δt
𝜏FexΔt
のようになり、この式をo(Δt)の精度でとけば、 dp t
dt= Fex −
p t
𝜏
を得ることができる。 *方程式をこのように書くのは解く手段であり本質は
p t + Δt − 1 −k
Np t = 1 −
𝑘
𝑁FexΔt
であることを忘れてはならない。
各孤立系とNewtonの運動方程式5
• 別の導出の仕方としては、ボルツマンの輸送方程式からの導出の方法であるが、一度やってみたが、位相空間を想定して分布関数を定義して行う方法で、イメージが全くわかない
• 他にもあったら教えてほしい。
そこで、今回行ったような方法を考えたわけである。
各孤立系とNewtonの運動方程式6
• 各物理量が時間だけではなく、位置でも特徴づけられるなら、次元を三次元に拡張して(ただし、平均衝突時間τが方向によらない。つまり等方的だとすると、考察の過程から想定して
𝜕p 𝑥 , t
𝜕t= Fex −
p 𝑥 , t
𝜏
となる。
外力をFex = −𝑒 𝐸(𝑥 , 𝑡) , 運動量をp 𝑥 , 𝑡 = 𝑚𝑒𝑣 𝑑 𝑡
𝑚𝑒:電子の質量、𝑣 𝑑 𝑡 : 𝑁個の電子の平均的な速度ベクトル として実際に適用してみよう。 *磁場がある時は今回は考えないことにする。
電子論的考察の適用1
𝑚𝑒𝜕vd 𝑥 , t
𝜕t= −e E(𝑥 , 𝑡) − me
vd 𝑥 , t
𝜏
電子の分布がおおよそ連続的であるとすると、単位体積あたり何個の電子がというように電子の密度が定義できる。そうでなかったらδ関数で定義される。それをn(個/𝑚3)として両辺に(-e)nをかけて、𝑚𝑒でわる。電気抵抗が粒子の衝突によって起こっていると考えると超伝導体内ではそれがないので、τ→∞と考えて得た式を変形すると、右辺第二項目は落ちて
電子論的考察の適用2
−𝑒 𝑛𝜕vd 𝑥 , t
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡)
電子密度nの時間変化は無視できるほどに小さいとする。また、電流密度を
𝑖 𝑒 𝑥 , 𝑡 = −𝑒 𝑛𝑣 𝑑 𝑥 , 𝑡 [C/s・𝑚2]
とかくと、 𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡)
電子論的考察の適用3
• まず、超伝導体での現象を考える上で重要な式を得た。見通しをよくかくと、
𝜕𝑖 𝑒𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E at B = 0
である。この関係式をmaxwellの方程式とあせて考えればF.London方程式を得る結果となる。
Maxwell方程式との併合1
• Maxwellの方程式(Maxwell’s equations,1864)
𝑟𝑜𝑡𝐸 𝑥 , 𝑡 +𝜕𝐵 𝑥 , 𝑡
𝜕𝑡= 0
𝑟𝑜𝑡𝐻 𝑥 , 𝑡 −𝜕𝐷 𝑥 , 𝑡
𝜕𝑡= 𝑖 𝑒(𝑥 , 𝑡)
𝑑𝑖𝑣𝐷 𝑥 , 𝑡 = 𝜌𝑒(𝑥 , 𝑡)
𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0
𝐷 𝑥 , 𝑡 = 𝜖𝐸(𝑥 , 𝑡)
𝐵 𝑥 , 𝑡 = 𝜇𝐻(𝑥 , 𝑡)
Maxwell方程式との併合2
• 超伝導が発見された年はmaxwellが死んだあとのことなので、もしかしたらmaxwellの方程式の一部が成り立たない事があるかもしれないが、成り立つとしないと話が進まないので成り立つとして考えて(成り立たないときはそのときで考える)
𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡)
𝑟𝑜𝑡𝐸 𝑥 , 𝑡 +𝜕𝐵 𝑥 , 𝑡
𝜕𝑡= 0
とを組み合わせて、非相対論的に扱うと
Maxwell方程式との併合3
𝜕
𝜕𝑡𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 +
𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0
となる。任意定数ベクトル𝐶 𝑥 (磁束密度の次元)として、
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 =
𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐶 𝑥
となるが、この状況は𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0が次のようにして得られていると考える状況に同じである。以下のようにする。 詳しくは、理論電磁気学 p45
Maxwell方程式との併合4
• Maxwell方程式の第一式にdivをとり、非相対論的に扱うと
𝑑𝑖𝑣𝑟𝑜𝑡𝐸 𝑥 , 𝑡 +𝜕𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡
𝜕𝑡= 0
ベクトルの性質から
𝜕𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡
𝜕𝑡= 0
𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡 = 𝐼(𝑥 ) となる。つまり、初期条件として
𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0 = 𝐼 𝑥 = 0 と与えれば、
Maxwell方程式との併合5
𝑑𝑖𝑣𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0 が得られるわけである。
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 =
𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐶 𝑥
ここで、𝐵 𝑥 , 𝑡 の時と同様、初期条件として
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0 =
𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐶 𝑥 = 0
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0
が得られると考えることもできるし、
Maxwell方程式との併合6
次のように考えることもできる。 t=0で超伝導が起きたとすると、t=0を中心に今までの考察をまとめればいい。つまり、𝑡 ≤ 0で電子論的考察をおこなって、
𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t ≤ 0
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡 ≤ 0)
𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t ≥ 0
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡 ≥ 0)(仮定)
ただし、𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0 を得たとする。実際、磁場はないもとで考察をした。 *𝑡 ≥ 0では磁場による影響がどうなのか?わからないので“仮定”となります。
Maxwell方程式との併合7
𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0 = 0なので、
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0 =𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐶 𝑥
が得られる。つまり
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 ≥ 0
+𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 −
𝑚𝑒𝑛 −𝑒 2
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0
= 0 となるから、実は超伝導になった瞬間t=0での電流密度が磁場を形成しているとみて
Maxwell方程式との併合8
𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 = 𝐵 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 −𝑚𝑒
𝑛 −𝑒 2𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0
とおいて、𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 が超伝導体内での磁束密度(まぁ、磁場)だと考えると、 𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 =0という条件下でのF.Londonの方程式を得ることができる。
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 = 0
ただし、
𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 = 𝐵 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 −𝑚𝑒
𝑛 −𝑒 2𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0
ただし、𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0
Maxwell方程式との併合9
としてF.Londonの方程式が得られるが、なるべく仮定は避けたいものである。
決定する方法は、𝐶 𝑥 ≠ 0 として、解いてみて実験結果から
𝐶 𝑥 = 0 を得る方法がまず第一に思い浮かぶ。
*𝐶 𝑥 は磁束密度の次元を表す。
満たす性質は, 𝑑𝑖𝑣𝐶 𝑥 = 0
それ以外は、ゲージ変換という数学的な手法で矛盾や帰納法的方法で得るかが思い浮かぶ(得られないかもしれない,できたらかっこいい)
超伝導体における基本方程式1
電子論的考察から 𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t ≤ 0
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡 ≤ 0)
𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t ≥ 0
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡 ≥ 0)(仮定)
ただし、𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0 Maxwell方程式との併合で、F.Londonの方程式
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵 𝑥 , 𝑡 = 0
この方程式は電磁場の解に対する初期条件を与えているにすぎないという認識は必要である。未知数に対して、maxwell方程式は多いからである。それと、もう一つの解釈で
超伝導体における基本方程式2
Maxwell方程式との併合で、F.Londonの方程式
𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 +𝑛 −𝑒 2
𝑚𝑒𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 = 0
ただし、
𝐵′ 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 = 𝐵 𝑥 , 𝑡 ≥ 0 −𝑚𝑒
𝑛 −𝑒 2𝑟𝑜𝑡𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0
𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0 と理解する方法があると私は考えます。こちらF.Londonの方程式は初期条件を与えているに過ぎないという解釈はできないので注意が必要です。なぜならt=0を代入したとき、任意の𝑖𝑒 𝑥 , 𝑡 = 0 に対して成り立つからです。
超伝導体における基本方程式3
• F.London方程式のあり方はこのように二つあるきがしますが、私的には超伝導になったときの物理量がF.Londonの方程式に関係している後者の方が正しい可能性が高いと考えています。後者の式は
• [超伝導での磁場]=[超伝導でない時の磁場]+[超伝導が実現された事による反磁場?]
*線を引いた所がきっと、マイスナー効果を語ってる?
のように線形性も自然に満たされていて物理的に美しいです。
他に解釈の仕方はないだろうか?とりあえず私が考えついたのは二つです。
超伝導体における基本方程式4
残された問題は 𝜕𝑖 𝑒 𝑥 , t ≥ 0
𝜕t=𝑛 −e 2
𝑚𝑒E(𝑥 , 𝑡 ≥ 0)(仮定)
ただし、𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0 が本当に成り立つのか?ということと
𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 ≠ 0 でのF.Londonの方程式にかわる方程式はなんなのか?ということである。
これを解決して、初めて基本方程式としてまとめ上がると私は考えます。とりあえず、 𝐵 𝑥 , 𝑡 ≤ 0 = 0での考察をやってみたわけです。