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6 40 1 2 4 40 5 5 2 TEL0594411041917 2101003廊下の壁には、吉田さん作成の掲示物 金星や火星などの立体工作も展示 「ながしま遊館」の広い敷地内に建つ、長島ふれあい学習館 アットホームな雰囲気のプラネタリウム 解説をする吉田 勝美さん 月1回星空だよりを発行 専用フィルターを使うことで太陽を観察できる。尾鷲市立天文科学館 専用フィルターを使うことで太陽を観察できる。尾鷲市立天文科学館 取材・文/椋木 敬子 写真/松原 豊・山羽 宏樹 編集/武田 美穂  ※印の写真は取材先から提供していただきました 取材・文/椋木 敬子 写真/松原 豊・山羽 宏樹 編集/武田 美穂 ※印の写真は取材先から提供していただきました 1 1 2

長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

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Page 1: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

 

市民の生涯学習の拠点として

整備された複合拠点施設「なが

しま遊館」。そのなかに、長島ふ

れあい学習館があります。陶芸

教室も備えた多目的施設で、プ

ラネタリウムはここにあります。

 

直径6メートルの半球形スク

リーンを備えた小型ドームは、

座席が40席。「市内の中学生以

下は、観覧料が無料です。子ど

もだけで気軽に立ち寄ってくれ

ますよ。平日は1日2回、土

曜・日曜・祝日は4回投映して

います。」と話されるのは、星空

案内人の吉田

勝美さん。

 

約40分の投映では、今夜の星

空の解説や、星座やオーロラ、

宇宙開発など月替わりの番組を

上映。その後、吉田さんによる、

その時季の天文現象や宇宙開発

にまつわる話を聞くことができ

ます(吉田さんの話は週5回)。

 「小さなプラネタリウムなの

で、皆さんの近くで話をしま

す。疑問に思ったことを、どん

どん聞いてくる子どももいます

よ。皆さんとの気軽な会話が楽

しいですね」と、話されました。

廊下の壁には、吉田さん作成の

天文写真や解説が掲示されてい

ます。ここで会話が弾むことも

あるそうです。

 

ほかにも年に5回、館外の広

い場所に天体望遠鏡を出して、

星空観望会が行われます。ま

た、天文研究家による星空教室

は、専門的な内容をわかりやす

く解説してくれると好評です。

 

館内には、紙で小惑星探査

機はやぶさ2やロケットなどの立

体模型を作るコーナーもあるの

で、立ち寄ってみてください。

長島ふれあい学習館

TEL

0594・41・1041

桑名市長島町源部外面337

開館時間/9時〜17時

休館日/月曜日

観覧料/高校生以上210円

    市外中学生以下100円

    市内中学生以下・3歳以下無料

お問い合わせ

廊下の壁には、吉田さん作成の掲示物

金星や火星などの立体工作も展示

「ながしま遊館」の広い敷地内に建つ、長島ふれあい学習館

アットホームな雰囲気のプラネタリウム

解説をする吉田 勝美さん

星空案内人と気軽に話ができる小型プラネタリウム

長島ふれあい学習館

桑名市長島町

月1回星空だよりを発行

上げると、そこには星

すい月や金星。

 

夜、ふと空を見上げると、そこには星

が輝いています。見つけやすい月や金星。

はるか彼方から光を届ける、宇宙の遠い

星たち。星空を眺めていると、日常から

解き放たれて心が楽になったり、時には

宇宙の不思議に、知的好奇心がくすぐ

られることもあるでしょう。

 

今回は、私たちをロマンあふれる宇宙

へ一歩近づけてくれる三重県内の天文台

とプラネタリウムを紹介します。

宇宙〜星空〜を

もっと身近に

宇宙〜星空〜を

もっと身近に

専用フィルターを使うことで太陽を観察できる。尾鷲市立天文科学館専用フィルターを使うことで太陽を観察できる。尾鷲市立天文科学館取材・文/椋木 敬子 写真/松原 豊・山羽 宏樹 編集/武田 美穂 ※印の写真は取材先から提供していただきました取材・文/椋木 敬子 写真/松原 豊・山羽 宏樹 編集/武田 美穂 ※印の写真は取材先から提供していただきました

星は気象条件によって、見えないこともあります。

各施設の詳しい日程や内容、プラネタリウムの投

 映時間などは、それぞれ異なりますので、事前に

 ご確認ください。

112

Page 2: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

 

平成27年3月、「四日市公害

と環境未来館」を併設し、「四日

市市立博物館」「プラネタリウム」

がリニューアルされました。その

3施設を総称して、「そらんぽ

四日市」といいます。ここでは、

「環境」という共通テーマのもと、

四日市ならではの情報発信と学

習支援が行われています。

 「そらんぽ四日市」5階にある

プラネタリウムは、フロア全体

を宇宙の港になぞらえ「ギンガ

ポート401」と名付けられま

した。ドームまでの通路は、「コ

ズミックギャラリー」として、宇

宙服や太陽系の惑星の解説パネ

ルなどが展示されています。そ

して、搭乗口まで進むと、ここ

からは「コズミッククルーザー」と

呼ばれる、プラネタリウムドー

ムです。天文係の加藤

正之さ

んは「来館者はクルーザーの乗客

です。宇宙の旅へでかけるワクワ

ク感を体感できるよう工夫しま

した」と、リニューアルへの想い

を話されました。 

 

リニューアル時に新しく導入

された「ケイロン401」は、世

界で最も多くの星を投映するプ

ラネタリウム投映機として、ギ

ネスに認定されています。1億

4000万個以上の星を映し出

し、さらに、地上で人の目で見

える約9500個の星の色を正

確に再現しています。この星の

数の多さに「肉眼では見えない

星まで映し出すことで、皆さん

に宇宙の深さを感じてほしいと

思っています。座席の座り心地

や音響にもこだわった、究極の

プラネタリウムをぜひ体感して

みてください」と、加藤さん。

 

季節に合わせて投映される番

組は、世界最高のプラネタリウ

ムを活かした、職員による自主

制作が主です。「今夜の星空を

生解説で楽しむことができる、

四日市オリジナルの内容です。

星空を眺めるだけでなく、宇宙

から地球を眺めたり、さまざま

な天体を訪ねたりすることで、

宇宙への興味を深めてほしい。

そして、私たちの住む美しい地

球を振り返り、環境にも関心を

持ってもらえればと思っていま

す。自分の視点を広げてもらえ

たら嬉しいですね」と、言葉を

続けます。

各教室は「コズミックラウンジ」で開催 ※

公開観望会の様子 ※

「コズミックギャラリー」は近未来的な空間

入り口近くに宇宙服のレプリカを展示

1億4000万個の星空。迫力の映像と音響で宇宙の旅

四日市市立博物館・プラネタリウム

四日市市安島

 

土曜・日曜・祝日や学校長期

休暇期間は、ファミリー向けの

番組も投映しています。また、

毎週土曜日の18時30分から夜間

特別投映が行われています(イ

ベント時を除く)。この夜の投

映は、プラネタリウムでは珍しい

当館ならではの企画で、昼間忙

しい方に大変好評です。

 

ほかにも、ここではさまざま

なイベントが行われています。

「プラネタリウムコンサート」で

は、星空だけではなく生演奏の

音色なども楽しむことができま

す。「宇宙塾」は、天文の専門家

を招いて最新の話題や天文現象

を解説し、より深く宇宙や科学

を知りたい方に好評です。ま

た、主に子どもを対象として、

宇宙の不思議を学んだり、天体

観察や科学工作を行ったりする

「コズミックスクール」や天文ボラ

ンティアとともに行う「ガリレオ

教室」があります。

 

そして、毎月第4土曜日には、

移動天文車「きらら号」による公

開観望会が行われます。会場

は、お買い物の帰りなどに気軽

に立ち寄れる「そらんぽ四日市」

前の市民公園。月のクレーター

や見ごろの惑星などを観に出か

けてみませんか。

宇宙船内をイメージした「コズミッククルーザー」の座席は座り心地満点

四日市市立博物館・プラネタリウム

TEL

059・355・2700

四日市市安島1-

3-

16

(近鉄四日市駅から西へ徒歩3分)

開館時間/9時30分〜17時

休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)

    整備休館あり

観覧料/一般540円、高・大学生380円

    小・中学生210円、幼児無料

お問い合わせ

「宇宙を体感してください」と加藤 正之さん

よんまるいち

34

Page 3: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

 

東海道五十三次の宿場町と

して知られる関町坂下。鈴鹿峠

のふもとに位置する、自然に囲

まれた町です。「この町の天文台

建設は、数名の親子が開いた、

小さな星空観察会がはじまりで

した。以来、星に興味のある人

たちが集まるようになり、『坂下

星見の会』が誕生しました。会

が地域の活動として発展するな

かで、その実績を受けて、平成

22年に亀山市によって天文台が

建てられたのです」と教えてく

れたのは、「坂下

星見の会」代

表の瀧本

麻須美さん。鈴鹿峠

自然の家に建つ天文台「童夢」

は、地域の交流の場となるコミュ

ニティ天文台として、県下でも

貴重な存在になっています。

 

毎月第3土曜日の19時から21

時は、申込み不要、無料で利用

できる一般開放デーです。口径

40センチの反射望遠鏡と、口径

11.

5センチの屈折望遠鏡を使

いながら、天文台運営スタッフの

解説のもと、天体観察が楽しめ

ます。天文台の壁に映像を映し

て、季節の星座解説をすること

もあるそうです。

 

この日は、星空がきれいに見

える坂下に、地域外からも多く

の人が集まります。そして天文

台「童夢」の周りには、星好きの

人たちが持参する、数々の天体

望遠鏡が並びます。

 

瀧本さんは「初心者の方も、

ベテランの方も、一緒に楽しんで

もらえたらと思っています。こ

こに集まる人は、気さくな人ば

かり。天体望遠鏡とタブレット

をつなげて、大きな画面で星雲

を見せてくれる人もいます。天

文台の望遠鏡では、スマートフォ

ンで月を撮影できますよ」と話

されました。

 

また、今年で6回目を迎える

「みえ星空環境案内人」の講座

も、この施設を研修の場として

います。この講座を受講した何

名かは、天文台「童夢」の運営ス

タッフとして活躍しています。市

外から訪れる運営スタッフの千

啓義さんは「坂下は星の数が

多くて、夜空がとてもきれいで

す。数キロメートル先の町では

見えにくい天の川も、ここでは

肉眼できれいに見えます。流星

群観察会では、皆でグラウンド

に寝転がって見ました」と、教え

てくれました。

 

ほかにも年間をとおして、「坂

亀山市教育委員会生涯学習室

TEL

0595・84・5057

(天文台)亀山市関町沓掛123

利用料金/小学生以上は100円(予約必要)

お問い合わせ

2016年の「ペットキャンドルの夕べ」 ※

2015年、春の星空観察会での天文講座 ※

天文台の壁に星座を映して解説

天の川がきれいに見える坂下の夜空 ※ 天文台「童夢」に集まった、左から千種さん、石垣さん、瀧本さん

「坂下 星見の会」代表の瀧本 麻須美さん星空がきれいな坂下に建つ天文台「童夢」

天体観察の日には、天体望遠鏡が並ぶ

せいうん

ぐさひろよし

ただし

どーむ

星まつりや観察会。誰もが楽しめるイベントを開催

鈴鹿峠自然の家

天文台「童夢」

亀山市関町

星見の会」の企画運営によ

る、さまざまな星空観察の催し

が開かれています。一番大きな

観察会は「親子でわいわい星ま

つり」です。昨年は秋に行われ、

星空解説や天体観察、演奏会

などが行われました。なかでも

「ペットキャンドルの夕べ」は、好

評です。これは、ペットボトルを

再利用してキャンドルホルダーを

作り、約1000灯を並べて絵

にするものです。美しい星空と

キャンドルの灯りで、みんなの

心に安らぎの光が灯るようにと

願いが込められています。

 

今年度は、5月7日、星のお

兄さんによる爆笑星空解説な

ど。8月12日、ペルセウス座流

星群の観察会など。星まつりは、

10月28日に開かれる予定です。

 

亀山市教育委員会の石垣

さんは「宇宙を難しく思わない

で、気軽に遊びに来てほしい」

と、笑顔で話されました。

※イベントがある月は、一般開放デーの日程に変更があります。56

Page 4: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

番組を企画している水谷 潔さん

解説は水谷さんの生の声

天文用語をわかりやすい言葉で、番組を作成

ギャラリーでは、立体の惑星や衛星を作って展示

鈴鹿から見える星空を映し出している

屋上で科学工作の実験を行う参加者 ※

イベントでは、かわいいイラストの星も登場

「楽しい催しにぜひ」とスタッフの大田 祐子さん

ギャラリーでは季節の星空情報や催しを案内

「0歳からのお星さまと絵本と音楽の世界」 ※

みえこどもの城は、ドーム型の建物が目印 ※

ドーム全体に映る「ドーム映画」は、子どもたちに大好評 ※

 

さまざまなあそび体験を提

供するとともに、家族や地域の

人との触れ合いの場を創出する

みえこどもの城。星の世界を楽

しめるドームシアターも、この施

設の一つです。「こどもの城に遊

びに来たときに、気軽に立ち寄っ

てくださる方が多いですね。ドー

ムスクリーンは直径22メートル

で、県内最大の大きさです。臨

場感あふれる映像と、迫力いっ

ぱいの音響を楽しんでください」

と話されるのは、スタッフの大田

祐子さん。

 

ここでは、赤ちゃんからファミ

リー、シニアまで、あらゆる世

代が楽しめる番組が、バラエティ

豊かに企画されています。通常

のプラネタリウム番組は、季節

の星空案内。子どもと大人が一

緒に楽しめる内容です。この番

組と交互の時間で上映されるの

が「ドーム映画」。宇宙や自然を

テーマにした映画が投影されま

す。ドームいっぱいに広がる映

像は、映画館で観るのとは違っ

た楽しさがあるでしょう。

 

定期的に開かれる催しに「0

歳からのお星さまと絵本と音楽

の世界」があります。音楽の生

演奏や絵本の読み語りと、映像

のコラボレーションを楽しむファミ

リーコンサートです。赤ちゃんと

一緒に気兼ねなく入場できると

あって、大変好評です。

 

小学生以上を対象にした天文

講座も開かれています。天文専

門家が、宇宙の神秘や謎をわか

りやすく解説するので、興味の

ある方は参加してみてください。

三重県立みえこどもの城

TEL

0598・23・7735

松阪市立野町1291

中部台運動公園内

開館時間/9時30分〜17時

休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)

    臨時点検日

観覧料/一般400円

    児童生徒等200円

    3歳以上100円

お問い合わせ

きよし

専任員手づくりの展示や番組で、親しみやすい施設に

鈴鹿市文化会館

プラネタリウム

鈴鹿市飯野寺家町

 

鈴鹿市文化会館のなかに、直

径15メートルのプラネタリウム

があります。ギャラリーには、

太陽系の惑星模型が、実際の大

きさと同じ比率で順に並べられ

ています。写真では表せない宇

宙の様子を、立体でわかりやす

く展示しています。これらはす

べて、専任員の水谷

潔さんの

手づくりによるもの。「少しでも

宇宙を身近に感じてもらえれば

嬉しいですね。入場が無料なの

で、気軽に遊びに来てください」

と、水谷さん。

 

この姿勢は、番組づくりにも

表れています。3か月ごとに、

季節に合わせた内容でオリジナ

ルな番組を制作。そのなかでも、

今日の金星や、満月の月の表面

といった、リアルタイムな内容を

随時盛り込んでいます。水谷さ

んは「家に帰ったら、その日に星

空を見てほしいのです。ここの

プラネタリウムは水平型で、地

上と同じ夜空を再現しているの

で、わかりやすいと思います」

と、教えてくれました。

 

ここでは、年に6回、屋上に

上がって天体観望会を開いてい

ます。望遠鏡で星を観察しなが

ら、質疑応答も活発に行われ

ます。水谷さんは「地方の小さ

いプラネタリウムだからこそ、

皆さんとたくさん触れ合うこと

ができます」と、笑顔で話されま

した。また、演奏者を募るコン

サート「音楽プラネタリウム」や、

科学工作教室も行っています。

 

最後に「地球の成り立ちは、

宇宙から始まっています。夜空

を眺めて、私たちの源は、この

大きな宇宙にあることを感じて

ほしい」と語られました。

鈴鹿市文化会館

プラネタリウム

TEL

059・382・8111

鈴鹿市飯野寺家町810

開館時間/10時〜16時

休館日/月曜日・第3火曜日(祝日の場合は翌日)

観覧料/無料

お問い合わせ

県内最大ドームスクリーン。0歳から楽しめる催しも

三重県立みえこどもの城ドーム シアター

松阪市立野町

78

Page 5: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

皆既月食を合成した写真(多重露出) ※

当施設で撮影された燃える木(写真一番明るい星の下辺りの星雲)と馬頭星雲(右側中央の星雲) ※

望遠鏡をのぞきながら星の説明を聞くことができる

「大人クラブ」の集まり。左手前が沼田君

中部台運動公園敷地内にある天体観測施設

熊野少年自然の家の敷地内にある天体観測室

月に1回行われる星空観望会 ※

オリオン大星雲。望遠鏡にカメラをつけて撮影 ※

冬に見ることができる、一角獣座(いっかくじゅうざ)のバラ星雲 ※

ピントを調整する畑中 明利さん

星空観察に適した立地

 

山の中腹に位置し、熊野灘の

雄大な眺めを一望できる三重県

立熊野少年自然の家。ここの広

い芝生広場に、口径45センチの

反射望遠鏡を備えた天体観測室

があります。昭和62(1987)

年、松阪市天体観測施設と双

子の天文台として建設されまし

た。

 「この天体観測施設は高台に

あるので、街の明かりや気流の

影響を受けにくく、星空観察

に適しています。6月から10月

は、天の川を肉眼ではっきり見

ることができますよ。ほかの地

域の天文家の方も『ここで見る

天の川はきれいですね』といって

くださります。都会から遊びに

来られた方は、その美しさに驚

かれます」と話されるのは、当

施設の畑中

明利さん。

 

ここでは、熊野天文同好会会

員の協力のもと、月に1回、星

空観測に適した日に観望会が開

かれます。畑中さんは「季節の

代表的な星座や、星雲、月、惑

星などを観察することが、皆さ

んが宇宙へ興味を持つきっかけ

になれば」と言葉を続けます。

 

今年度の予定は、5月27日、

木星と春の星座。6月24日、木

星とジョンソン彗星。7月1日、

土星と木星と月。8月12日、土

星と夏の星座と天の川。9月16

日、土星と夏の星雲星団。10月

14日、秋の星座と星雲星団。

いずれも土曜日の18時から20時

30分に行われます。

 

ほかにも熊野少年自然の家で

は、山遊びやアウトドアクッキン

グなどの体験活動を企画。さま

ざまな角度から、自然に親しむ

ことができそうです。

三重県立熊野少年自然の家

TEL

0597・89・3340

熊野市金山町1577

利用料金/施設利用者および

     観望会参加者は無料

     (観望会以外の日は、予約必要)

お問い合わせ

せいうん

すいせい

せいだん

天体写真を好きなボランティア指導員が運営

松阪市天体観測施設

松阪市立野町

 

昭和62(1987)年、アマチュ

ア天文家たちの働きかけで建て

られた松阪市天体観測施設。当

時、三重県内には一般公開され

ている天文施設はなく、また、

口径45センチの反射望遠鏡の導

入は、一般公開を目的とした施

設のなかでは全国最大級の大き

さでした。開設以来、ボランティ

アの指導員たちによって運営さ

れ、「多くの人や子どもたちに星

に興味を持ってほしい」と星空教

室が開かれています。

 

毎週土曜日(19時から21時)

は、天体観測施設の望遠鏡や大

型双眼鏡を使って、季節の星雲

星団、月や惑星の解説と観望会

を無料で行っています。夜空に

レーザー光線をあてて星座を解

説するなど、初心者にわかりや

すい取組みが、「天然のプラネタ

リウムみたいですね」と、参加者

に喜ばれています。また、毎月最

終土曜日の観望会に合わせて、

小中学生を対象に「子どもクラ

ブ」を開催。ここでは、天文に関

する学習や、望遠鏡の操作など

を学ぶことができます。天文写

真愛好家が集まる「大人クラブ」

もここを拠点に活動しています。

 

宇宙に魅せられて「大人クラ

ブ」に参加していた小学6年生

(取材当時)の沼田

克彦君は、

「宇宙にはきれいな星雲がいっぱ

いあって、目では見えないもの

も、撮影することで初めて見る

ことができます。これからも、

銀河や超新星を撮っていきたい」

と目を輝かせて話してくれまし

た。

 

ここから未来の天文家たち

が、しっかり育っているようです。

さんぎんアリーナ

TEL

0598・26・7155

天体観測施設開催中

TEL

0598・26・2132

松阪市立野町美濃平1268

中部台運動公園敷地内

利用料金/無料

お問い合わせ

天の川がきれいに見える、自然に囲まれた天体観測施設

三重県立熊野少年自然の家

天体観測室

熊野市金山町

910

Page 6: 長島ふれあい学習館 もっと身近に 宇宙 · ほしい大きな宇宙にあることを感じてを眺めて、私たちの源は、この宇宙から始まっています。夜空

 

尾鷲市立天文科学館は、尾

鷲の町並みが見渡せる中村山公

園の丘の上にあります。「尾鷲は

雨が多い地域なので、なぜここ

に天文台を、と思われ方もいる

でしょう。実は、雨が大気中の

塵を落とすので、空がきれいだ

からです。天体観測には条件が

良い地域です」と、教えてくれ

たのは、当館の設立を発案した

湯浅

祥司さんです。

 

平成2年の開館当時、口径81

センチの大型反射望遠鏡は、自

治体としては全国で初めての導

入でした。遠方から多くの天文

関係者が、見学に訪れたそうで

す。今でこそ、口径81センチを

超える望遠鏡は全国各地にあり

ますが、当館はまさに、その基

盤を築いたといえるでしょう。

 

望遠鏡の設計にも携わった湯

浅さんは「口径が大きいので、

星の色がよくわかりますよ。シ

リウスは青白い色、べテルギウス

はオレンジ色。遠い星に、宇宙

の美しさや神秘性を感じてもら

えたら嬉しいですね」と、楽し

そうに話されました。

 

望遠鏡の能力が高いことから、

太陽系の8惑星をすべて観察し

ようという、イベントを行ってい

ます。「なかなか見えにくい冥王

星(現在は準惑星)も観察できま

す。時季や天候を考えると2、

3年はかかるこのイベントに、多

くの人が参加しています」。

 

また、ここは昼の太陽や月な

ども観察できる貴重な施設で

す。「当館は予約の必要がないの

で、気軽に、太陽のプロミネン

スや黒点を見に来てください」

と、湯浅さんは話されました。

 

夜の観望は、夜8時ごろに見

やすい天体を選んで観察します。

見えそうな人工衛星があれば、

ベランダに出て探すこともあり

ます。また、望遠鏡の接眼レン

ズにスマートフォンやデジタルカ

メラをあてて、月を撮影するこ

ともできます。月面の様子がわ

かるリアルな画像が、大変好評

です。興味のある方は観測室

で、いつでも申し出てください。

 

当館では、多くの人に星の世

界に親しんでほしいと、さまざ

まな企画を行っています。平成

22年には、尾鷲高校美術部「星

の会」が創作紙芝居を上演しま

「気軽に遊びに来て」と話す湯浅 祥司さん

あれい星雲 ※

した。当時、小惑星探査機「は

やぶさ」が帰還した直後で、紙

芝居「はやぶさくん」は子どもた

ちに大好評でした。平成26年に

は市制60周年のイベントを開催。

JAXA(宇宙航空研究開発機

構)の協力も得て、講演や宇宙

食試食会を行いました。

 

現在取り組んでいるイベント

は、110個の星団・星雲など

を網羅する、有名なメシエカタ

ログをお手本にしたポスター作

りです。入館者に天体を撮影し

てもらい、それを集めて1枚の

大きなポスターにします。4歳

の子どもも、あれい星雲をきれ

いに撮影したそうです。現在、

40個近くの写真が集まっていま

す(平成29年2月現在)。

 

湯浅さんは「当館を町中に建

てたのは、お母さんが子どもの

手を引いて、気楽に来られる場

所だからです。これからもみん

なで楽しく星を眺めたい」と、

想いを語られました。

昼の太陽を観察できる。ユニークなイベントも企画

尾鷲市立天文科学館

尾鷲市中村町

ツートーンカラーのデザインにもこだわった大型反射望遠鏡

尾鷲市立天文科学館

TEL

0597・23・0525

尾鷲市中村町10-

41

開館時間/(金・土曜日)9時30分〜17時

     19時〜21時30分

     (日曜日)9時30分〜17時

利用料金/一般200円

     中学生・高校生100円

     小学生50円

お問い合わせ

高校生が制作した「はやぶさくん」の紙芝居 ※

昼も開館。太陽を見ることができる ※

見晴らしの良い、町中の丘の上に建つ

1階ロビーには天文の資料が展示されています

ちり

めいおう

せい

1112