内閣府・地方創生推進事務局

地域活性化伝道師

中西準治

道府県別薬用作物栽培状況

高知県 ； ミシマサイコ、サンショウ、キジツ、 トウキ、アロエ、

センブリ、セネガ、キハダ、オウレン、トチュウ

愛媛県 ； シソ、ミシマサイコ、サンショウ,ウコン

香川県 ； ミシマサイコ

徳島県 ； ミシマサイコ、ドクダミ、アマチャズル

薬用作物（生薬）関係資料、平成27年度

31

道府県別薬用作物栽培状況

鳥取県 ： ハトムギ、カワラケツメイ、ナタマメ、シソ

ヱビスグサ

島根県 ： クワ、ウコン、モロヘイヤ、ヤーコン、ハトムギ

キハダ

岡山県 ： アマチャズル、ハトムギ、クワ、ケール、ケシ

広島県 ： センブリ、トチュウ、タマサキツヅラフジ、シソ

カミツレ

薬用作物（生薬）関係資料、平成27年度

陳皮の生産

32

陳皮の乾燥

33

シソ畑 ５月

シソの収穫

34

シソの乾燥

蘇葉の分析

35

チョウセンゴミシ

チョウセンゴミシ

36

サンショウの栽培

サンショウの栽培の特徴

小規模栽培でも高収益。

作付すれば１５年ほどは毎年所得がある。

遊休畑や傾斜地や段々畑等が利用できる。

作業は女性や高齢者でもできる。

37

栽培に適した条件

気候 ； 温暖な地域。雨量は少ない方が良い。

日照 ； 樹の生育は半日陰でもよいが、実の収量は日

当たりの方が良い。

地形 ； 傾斜地などの水はけのよいところ。乾燥には強

い。

いや地が発現しやすいので、植え付けの場所を

選ぶ。

サンショウの種類 １

サンショウ、落葉低木、有刺

北海道、本州、四国、九州

アサクラサンショウ、植栽

ヤマアサクラサンショウ、刺は極めて短い

本州中部

フユサンショウ、葉柄葉軸有

本州中南部、四国、九州

カラスサンショウ、有刺、落葉高木

本州、四国、九州

本田静六原著、森林家必携、林野弘済会 、昭和５７年

38

サンショウの種類 ２ イヌザンショウ、刺互生、果実に臭気

本州各部、四国、九州

オオバイヌザンショウ、植栽

ホソバイヌザンショウ、葉狭披針形

九州

コバノイヌザンショウ、葉小型

本州

コカラスザンショウ、イヌザンショウとカラスザンショウの雑種

本州中南部、四国、九州

サンショウの種類

アサクラサンショウ 兵庫県養父市八鹿町

ヤマサンショウ

ブドウサンショウ 和歌山県有田川町

タカハラサンショウ 岐阜県高山市

フユザンショウ

イヌザンショウ

カラスザンショウ

真野隆司 サンショウ 創森社 ２０１６

39

サンショウの分類

葉ザンショウ

花ザンショウ（雄木）

実ザンショウ（雌木）

栽培目的と品種 台木 ； イヌサンショウ、ヤマサンショウ

木の芽 ； サンショウ 花サンショウ ； サンショウの雄株 実サンショウ ； アサクラサンショウ

（佃煮、漬物） 実サンショウ ； ブドウサンショウ

（香辛料、生薬）

内藤一夫、サンショウ、農文協、２００４

40

サンショウの栽培状況

栽培戸数 ； １，３０９戸

栽培面積 ； １８，６８７a

生 産 量 ； １６０，７３８Ｋｇ

主産県 ； 埼玉県、奈良県、和歌山県、愛媛県、高知県

薬用作物（生薬）に関する資料（平成２７年）より

サンショウの出荷実績

栽培面積 ha 収穫量 t 出荷量（加工向け） t３２０．８ ６２３．９ ６１０．２ （４７０．９）

主要産地名 （収穫量 ： ｔ）

和歌山（４８５） 高知（４３） 京都（２１）

平成２５年度産・特産果樹生産動態等調査

種類別栽培状況より

41

サンショウの市場価格例 実サンショウ

月 数量 ｋｇ 金額 円 単価 円/ｋｇ ０５ ５０，５８２ ７６，４２８，０３２ １，５１１

０６ ３，６９８ １，７９４，５４３ １，０２６

０８ ９ ８，６４０ ９６０

１２ １ １０，８００ １０，８００

京都市中央卸売市場 平成２７年年報

漢方処方例大建中湯

適応症 ； 腹が冷えて痛み、腹部膨満感のるもの

組成 ； ニンジン、サンショウ、カンキョウ

当帰湯

適応症；背中に寒冷を覚え、腹部膨満感や腹痛のあるもの

組成 ； トウキ、ハンゲ、ケイヒ、コウボク、シャクヤク

ニンジン、オウギ、サンショウ、カンゾウ

カンキョウツムラ医療用漢方製剤より

42

サンショウ（生薬）の使用量

原料生薬使用量等調査報告書

平成23年度 平成24年度日本 その他の国 日本 その他の国

５０，３６２ １，１４６ ５４，４０５ １，５３７

kg ｋｇ

日本漢方生薬製剤協会平成27年

日本薬局方 サンショウ 山椒

本品はサンショウZanthoxylum ｐｉｐｅｒｉｔｕｍ Ｄｅ Ｃａｎｄｏｌｌｅ 又はその他同族植物（Ｒｕｔａｃｅａｅ）の成熟した果皮で、果皮から分離した種子をできるだけ除いたものである。

性状 本品は偏球形のさく果の果皮で、開裂した径約５㎜の２心皮からなり、１果柄に、通例、２～３個合着するが、しばしば、そのうちの１個はい縮退化していることがある。外面は暗黄赤色～暗赤かっ色で、多数のくぼんだ小点があり、内面は淡黄白色である。

本品は特異な芳香があり、味は辛く舌を麻ひする。

43

日本薬局方純度試験

１、種子 本品は種子２０％以上を含まない。

２、果柄及び枝 本品は果柄及び枝５％以上を含まない。

３、異物 本品は種子、果柄及び枝以外の異物１．０％

以上を含まない。

灰分 ６．０％以上

酸不溶性灰分 １．５％以下

精油含量 本品の粉末３０．０ｇをとり、精油定量法によって試

験を行うとき、その量は１．０ｍｌ以上である。

果実の品質の構成要素

色沢 ；鮮緑色で新鮮さを感じること。

芳香 ； 良好な芳香、ハッカのような爽やかな香りがする。

１房の粒数 ；粒数が多いほど豪華に見える。収量も多い。

食味 ； 苦味、渋みがなく、適当な辛味があり、舌触り良い。

顆粒の大きさと硬軟 ；用途別に適当に肥大している。

脱粒の難易度 ；野生種ほど脱粒しにくい。

内藤一夫、タキイ最前線、２０１２

44

収量の構成要素とその役割

内藤一夫、タキイ最前線、２０１２

優秀な苗木の確保 ３５％

苗木の植え付けと栽培管理の適正化 ２５％

適地の選定 ２０％

適期収穫 １０％

上手な販売流通 １０％

苗木の良否と収量

内藤一夫、タキイ最前線、２０１２

１房粒数 苗木の等級 １本当たり成木収量

１０a当たり成木収量

１本当たり販売額

１５０ 特上 １５ｋｇ ３０００ｋｇ ２２，５００円

１２０ 特 １２ ２４００ １８，０００

９０ 上 ９ １８００ １３，５００

６０ 中 ６ １２００ ９，０００

３０ 下 ３ ６００ ４，５００

45

サンショウの樹齢と収量樹齢

年１～２ ３～４ ５～６ ７～８ ９～１０

収量ｋｇ

０ ２ ４～５ １０ １２

１１～１２ １３～１４ １５～１６ １７～１８ １９～２０ ２１～

１２ １０ ８ ６ ４ ３

内藤一夫、サンショウ、農文協

有田川町はブドウサンショウの生産量日本一ぶどう山椒の発祥の地、和歌山県有田川町

有田川町遠井地区は、ブドウ山椒発祥の地。天保時代

（１８３０～１８４４）、自生していたものを植え替えたことが始

まりとされています。

山椒はミカン科の低木。浅根性植物で排水のよい乾燥した場所を好みます。栽培には、西日が当たらず、日照時間が短い中山間の傾斜地が適しています。このため遠井地区をはじめとする、標高５００～６００ｍの地域を中心に栽培が広まっていきました。

有田川町、ブドウ山椒パンフレットから

46

サンショウの産地（和歌山県）

47

サンショウ産地（京都府）

サンショウ産地 （兵庫県）

48

サンショウ産地（高知県）

サンショウ苗の販売例

タキイ種苗カタログ

49

苗の植え付け

真野隆司、サンショウ、創森社から

50

雌雄異株

51

サンショウの苗づくりさし木の方法

春挿し ； ３月、 前年の枝を用いる。梅雨挿し ； ６月中旬～７月中旬、 新芽を用いる。

発根剤で処理。挿し床 ； 育苗箱、駄温鉢浅鉢など。培養土 ； 赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなど。

移植 ； ９月～１０月に５号鉢などに移植する。

定植 ； さし木２年目の秋ごろ。

サンショウの苗づくり 接ぎ木

台木 ； カラスサンショウ、フユサンショウ、サンショウ

接ぎ穂 ； ２月下旬採取、乾燥を避けて冷暗所で保

存する。

時期 ； 春の彼岸前後

52

サンショウの接ぎ木

真野隆司、サンショウ 栽培・利用加工、創森社、２０１６

53

収穫用爪

アサクラサンショウ栽培の手引き兵庫県立農林水産技術センター

54

施肥

真野隆司、サンショウ、創森社

剪定

55

サンショウの病害虫 アゲハチョウ類

アブラムシ

カイガラムシ

ハダニ

さび病

病害虫防除 12月～1月上、カイガラムシ、機械油乳剤 2月～3月、 越冬病害虫、石灰硫黄合剤 5月～ アザミウマ ハダニ

さび病

8月～ ハダニ さび病

56

獣害対策

栽培作業

１月 ２月 ３月 ４月 ５月 ６月

苗木植え付

収穫、生果 収穫、生果

追肥

防除、剪定

57

栽培作業

７月 ８月 ９月 １０月 １１月 １２月

苗木植え付

収穫、乾果 収穫、乾果

礼肥 元肥

防除

サンショウの鉢植え

58

材の利用

すりこぎ

箸

箸置き

杖

下駄

爪楊枝入れ

サンショウの商品

59

サンショウの利用部分別、用途別の栽培法と収穫期

種別 利用部位 用途 栽培法 収穫期

木の芽 若葉 料理のツマ香辛料、

フレーム周年栽培

周年

葉サンショウ 若芽 香辛料、みそ 露地、ハウス ４～６月

花サンショウ 雄花のつぼみ 料理のツマ佃煮

露地、ハウス ４～５月

生果 未熟果 佃煮漬物

露地、ハウス露地

５～6月６上～７中

乾果 成熟果 香辛料漢方薬

露地露地

７中～８下

樹皮 樹皮の内側 佃煮 １０年生以上

材 幹 すりこぎ １０年生以上

特産野菜、サンショウ、農文協

参考中西準治、儲かる薬草栽培が何故発展せぬか１、和漢薬、Ｎｏ．７５７、２０１６

同上 ２、和漢薬、Ｎｏ．７５８、２０１６

中西準治、儲かる薬草栽培が何故発展せぬか３、和漢薬、Ｎｏ．７６１、２０１６

同上 ４、和漢薬、Ｎｏ．７６２、２０１６

中西準治、薬草の料理、薬事日報、２０１６，７

中西準治、機能性植物が秘めるビジネスチャンス、情報機構、２０１６

中西準治、薬草の栽培・これから １、和漢薬、Ｎｏ．６２６、２００５

～

中西準治、薬草の栽培・これから ４、和漢薬、Ｎｏ．６２９、２００５

60