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農地防災・災害復旧事業関連法 愛媛県農林水産部 農業振興局農地整備課 1 農地や農業施設を対象とする 地すべり対策、海岸保全、災害復旧などの 事業に関連する制度や関係法

農地防災・災害復旧事業関連法web.agr.ehime-u.ac.jp/~haruta/Doboku Law/No_11.pdf農地防災・災害復旧事業関連法 愛媛県農林水産部 農業振興局農地整備課

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農地防災・災害復旧事業関連法

愛媛県農林水産部農業振興局農地整備課

1

農地や農業施設を対象とする地すべり対策、海岸保全、災害復旧などの

事業に関連する制度や関係法

2目 次

3

第1章 防災に関する法整備の概要

主な災害の歴史(災害毎の死者・行方不明者総数)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

19

東南海地震

20

阿久根台風

23

福井地震

24デラ

台風

25ジェー

ン27ダイアナ

28

南紀豪雨

29

台風1

2

32

諫早豪雨

34

宮古島台風

36

梅雨前線

37

梅雨前線

40

台風2

3

・24

・2542

7月豪雨

43

第3

宮古島台風

51

台風1

7

号54

台風2

0号

58

日本海中部地震

1

梅雨台風6

1

前線

2前線、台風1

93

台風1

7,18,19

5台風4

5

台風1

36

台風2

67

前線

8

台風1

29

梅雨

9

台風1

910

台風5

10

台風1

011

台風16

12

台風13

13

台風1

113

台風1

615

前線

16

新潟福島豪雨

16

台風1

5

16

台風2

1

16

新潟県中越地震

17

梅雨前線

17

豪雪(-1

8

18

台風1

3

19

台風4

20

7月豪雨

21

7月豪雨

22

梅雨前線

23

新潟豪雨

24

九州豪雨

凡 例

台風等の豪雨災害地震災害

【気象庁HPより】

4

22 カスリン台風

21 南海地震

23 東北地方太平洋沖地震

7 兵庫県南部地震34 伊勢湾台風20 枕崎台風

23 福井地震

契機となった災害・社会的背景 災害に係る法制度

国土の荒廃及び相次ぐ水害(M27年の大水害等)

M29年 (旧)河川法

M30年 砂防法

S22年 カスリン台風 S24年 水防法

S28年 西日本豪雨及び台風13号 S31年 海岸法

S32年 西九州地方における豪雨による地すべり災害

S33年 地すべり等防止法

S34年 伊勢湾台風 S36年 災害対策基本法

S39年 河川法

S42年 西日本豪雨によるがけ崩れ災害 S44年 急傾斜地法(略称)

S51年 東海地震発生可能性の研究 S53年 大規模地震対策特別措置法

H 7年 阪神・淡路大震災 H 7年 地震防災対策特別措置法

H11年 広島豪雨災害 H12年 土砂災害防止法(略称)

H14年 東南海・南海地震防災対策推進特別措置法(略称)→<H25改正>南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法

5第1章 防災に関する法整備の概要

水害・土砂災害対策等の法制度

6

災害対策基本法 S36

大規模地震対策特別措置法 S53

南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法など

H14

H25

改正

砂防法 M30

海岸法 S31

地すべり等防止法 S33

河川法 S39

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律など

H12

災害救助法 S22

消防法 など S23

農林水産業施設災害復旧事業国庫補助の暫定措置に関する法律 S25

公共土木施設災害復旧事業国庫負担法 S26

激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 S37

被災者生活再建支援法 など H10

第1章 防災に関する法整備の概要法制度の分類 色付けは略称を示す。

自然災害から国土や国民の生命、身体及び財産を保護

→ 重要課題

伊勢湾台風(S34)を契機に、総合的かつ計画的な防災体制の整備を図るため、災害対策基本法(S36)を制定。

法 の 主 な 内 容

1 防災責任の明確化

3 防災計画

5 災害応急対策

7 財政金融措置

2 防災に関する組織

4 災害予防

6 災害復旧

8 災害緊急事態

7第1章 防災に関する法整備の概要

災害対策基本法

指定(地方)公共機関

独立行政法人の一部、日本銀行、NHKなどの公共的機関や電力会社、ガス会社、NTTなど公益的事業を営む指定された機関。

8

【国レベル】内閣総理大臣

↓中央防災会議(防災基本計画)

↓指定行政機関指定公共機関(防災業務計画)

【都道府県レベル】知 事↓

都道府県防災会議(地域防災計画)

↓指定地方行政機関指定地方公共機関

【市町レベル】市町長↓

市町防災会議(地域防災計画)

第1章 防災に関する法整備の概要

防災計画(体制)

中央防災会議は、

災害対策基本法に基づき内閣府に設置。

9

内閣総理大臣、防災担当大臣

中央防災会議

会長 内閣総理大臣

委員 防災担当大臣をはじめ全閣僚(17名以内)

指定公共機関の長(4名)

学識経験者(4名)

専門調査会

東南海・南海地震等に関する専門調査会

災害教訓の継承に関する専門調査会

など

幹 事 会

会 長 内閣府大臣政務官顧 問 内閣危機管理監副 会 長 内閣府政策統括官幹 事 各府省庁局長

諮問 答申 意見具申

第1章 防災に関する法整備の概要

中央防災会議

10

第2章 地すべり等防止法 11

砂防法地すべり等防止法急傾斜地法

ハード対策

ソフト対策

【施設整備】砂防工事、地すべり防止工事、急傾斜地崩壊防止工事・国土保全・人命・財産保護

施設整備

警戒避難

【警戒避難】・土砂災害警戒区域・土砂災害ハザードマップ作成・警戒避難体制の整備・強化土砂災害警戒情報の作成・伝達情報システム整備 等

適切な開発

【行為制限、開発制限、構造制限】砂防指定地、地すべり防止区域・切り土、盛土等の一定行為を制限

土砂災害特別警戒区域・建築物の構造規制・特定開発行為の制限

砂防法地すべり等防止法急傾斜地法土砂災害防止法

土砂災害防止法

目的(第1条)

定義(第2条)

地すべり、ぼた山の崩壊による被害を除却し、又は軽減するため、崩壊を防止し、国土の保全と民生の安定に資することを目的。

土地の一部が地下水等に起因してすべる現象又はこれに伴い移動する現象。

第2章 地すべり等防止法

地すべり防止工事とは?

地すべり防止施設とは?

地すべりとは?

地すべり防止区域内にある排水施設、擁壁、ダムその他の地すべりを防止するための施設 。

地すべり防止施設の新設、改良その他地すべり防止区域内における地すべりを防止するための工事。

12

地すべり防止区域

主務大臣は、目的を達成するため必要があるときは、関係知事の意見をきいて、地すべり区域(地すべりしている区域又は地すべりするおそれのきわめて大きい区域を

いう。以下同じ。)及びこれに隣接する地域のうち地すべり区域の地すべりを助長し、若しくは誘発し、又は助長し、若しくは誘発するおそれのきわめて大きいもの(以

下これらを「地すべり地域」と総称する。)であって、公共の利害に密接な関連を有するものを地すべり防止区域として指定することができる。

第2章 地すべり等防止法 (第3条)

指定は、目的を達成するため必要な 小限度のものでなければならない。

主務大臣は、区域の指定をするときは、省令で定めるところにより、当該地すべり防止区域を告示するとともに、その旨を関係知事に通知しなければならない。これを廃止するときも、同様。

地すべり防止区域の指定又は廃止は、告示によってその効力を生ずる。

13

上記に該当しない地すべり地域又はぼた山のうち

国土交通大臣

農林水産大臣(農村振興局)

国土交通大臣

農林水産大臣(林野庁)

この他の地すべり地域又はぼた山に関しては、国土交通大臣

土地改良法に規定する土地改良事業が施行されている地域又は同法により土地改良事業計画の決定されている地域(これらの地域に準ずべき地域を含む。)の存する地すべり地域又はぼた山

砂防法により指定された土地(これに準ずべき土地を含む。)の存する地すべり地域又はぼた山に関するもの

森林法の規定により指定された保安林又は保安施設地区の存する地すべり地域又はぼた山に関するもの

第2章 地すべり等防止法主務大臣等(第51条)

14

第2章 地すべり等防止法指定基準(S33.7.3:建設省、農林省、大蔵省)

地すべり地域の面積が5ha以上のもので次の各号の1に該当するも(市街化区域は2ha以上)

6 農地10ha以上に被害を及ぼすおそれのあるもの農地5ha以上10ha未満であって当該地域に存する人家の被害を合せ考慮できる

5 人家10戸以上に被害を及ぼすおそれのあるもの

4 貯水量30,000m3以上のため池 関係面積100ha以上の用排水施設若しくは農道又は利用区面積500ha以上の林道に被害を及ぼすおそれのあるもの

3 官公署、学校又は病院等の公共建物のうち重要なものに被害を及ぼすおそれのあるもの

2 鉄道 都道府県道以上の道路又は迂回路のない市町村道その他公共施設のうち重要なものに被害を及ぼすおそれのあるもの

1 多量の崩土が渓流又は河川に流入し下流河川に被害を及ぼすおそれのあるもの

15

16第2章 地すべり等防止法地すべり防止区域の指定例

八幡浜市役所

第2章 地すべり等防止法(法第12条:築造等の基準)

排水施設は、地すべりの原因となるべき地表水及び地下水をすみやかに地すべり

防止区域から排除することができるもの。

地表水排除は・明渠 ・管渠・暗渠 ・導水管・排水トンネルを用いること。

地下水排除は、・暗渠 ・ボーリング排水孔・排水トンネル ・集水井戸・地下止水壁 ・明渠・管渠 ・導水管を用いること。

擁壁、くい、土留は、地すべり力に対して安全な構造のもの。

ダム、床固、護岸、導流堤及び水制は、

地すべりの規模及び流水による浸食の防止に適合するもの。

地すべりの に応じて

有効かつ適切なもの

・種 類・配 置・構 造・規 模

・水流の付替・地すべり地塊の除去・その他地すべり防止

地すべり防止施設

工 事

17

・原 因・機 構・規 模

【図出典:国土交通省ホームページより】

18第2章 地すべり等防止法地すべり断面模式図

抑 制工

地 表 水 排 除 工承 水 路 工排 水 路 工浸 透 防 止 工

地 下 水 排 除 工

暗 きょ 工明 暗 きょ 工深 層 暗 きょ 工水 抜 ボーリング 工集 水 井 工排 水 トンネル 工

浸 食 防 止 工

渓 流 護 岸 工堰 堤 工渓 流 暗 きょ 工河 川 付 替 工海岸浸食防止工湖岸浸食防止工

斜 面 改 良 工排 土 工押 さ え 盛 土 工

抑 止工

杭 工シャ フ ト 工ア ン カ ー 工擁 壁 工

19第2章 地すべり等防止法対策の工法

第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(1/4):抑制工(水抜ボーリング工)

第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(1/4):抑制工(水抜ボーリング工)

20

完成

完成

ボーリングマシンによる掘進状況

第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(2/4):抑制工(集水井)

第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(2/4):抑制工(集水井)

21

完成

ライナープレートの立て込み状況

掘削状況

集水ボーリングによる排水状況

22第2章 地すべり等防止法対策工の事例(3/4):抑止工(アンカー工)第2章 地すべり等防止法対策工の事例(3/4):抑止工(アンカー工)

完成

ボーリングマシンによる掘進状況

23第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(4/4):抑止工(杭工)

第2章 地すべり等防止法

対策工の事例(4/4):抑止工(杭工)

施行中の杭工

のり長3m以上ののり切り 直高2m以上の切土。

地すべり防止区域内において、次の行為をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。

③ のり切又は切土で政令で定めるもの

第2章 地すべり等防止法行為の制限(第18条)

④ ため池、用排水路その他の地すべり防止施設以外の施設又は工作物で政令で定めるもの(「他の施設等」という。)の新築又は改良

⑤ このほか、地すべりの防止を阻害し、又は地すべりを助長し若しくは誘発する行為で政令で定めるもの

・誘致、停滞

・排水施設の機能を阻害する行為・排除を阻害する行為(政令で定める軽微な行為を除く。)

させる行為で地下水を増加させるもの

①地下水※軽微な行為① 防止区域外から漏水の恐れの少い管渠(45㎝2以下)で地下水を引く行為② 地下水を汲み上げる行為(一馬力を超える動力を用い汲くみ上げる行為を除く。)③ 水道管(45㎝2を超える水道管で防止区域外から地下水を引水するものを除く。)、ガス

管その他これらに類する物件の埋設④ このほか、防止区域の状況を勘案して知事が指定する軽微な行為

② 地表水

・放流、停滞

・地表水のしん透を助長する行為(政令で定める軽微な行為を除く。)

させる行為

※軽微な行為① 水田(浸透しやすい水田を除く。)に放流、停滞させる行為② かんがいのため土地(著しく浸透する土地を除く。)に放流する行為③ 日常生活のため地表水を土地(著しく浸透する土地を除く。)に放流する行為④ 海、河川その他の公共の水域又は用排水路に地表水を放流する行為⑤ ため池、池その他の貯水施設に地表水を放流し、又は貯留する行為⑥ このほか、防止区域の状況を勘案して知事が指定する軽微な行為

① 地表から深さ2m以上の掘削。防止施設から5m(防止施設の構造又は地形、地質その他の状況により知事が距離を指定した場合は、当該距離)以内の掘削

く(防止施設から1mを超える地域における地表から深さ50㎝未満の掘さくで当該掘さくした土地を直ちに埋め戻すものを除く。)

② 載荷重が10㌧/㎡ (地形、地質その他の状況により都道府県知事が載荷重を指定した場合には、当該載荷重)以上の土石その他の物件の集積

① 断面積600cm2を超える用排水路、断面積600cm2以下の用排水路で地割れなどの状況により地表水の浸透しやすいもの

② 容量6m3を超えるため池、池その他の貯水施設又は容量が6m3以下のため池、池その他の貯水施設で、地表水の浸透しやすいもの

③ 載荷重が10㌧/㎡ (地形、地質その他の状況により知事が載荷重を指定した場合は、当該載荷重)以上の施設や工作物

24

第2章 地すべり等防止法

制限行為(第18条)

行為の許可申請

地すべり防止を著しく阻害地すべりを著しく助長

地すべりを防止するため必要な条件を付して

許 可

25

第2章 地すべり等防止法監督処分、損失補償(第21条)

・許可を取り消し・許可条件を変更・行為の中止・他の施設等の改築、移転若しくは除却・他の施設等により生ずべき地すべりを防止するために必要な施設をする若しくは原状回復を命ずる ことができる。

偽りその他不正な手段で【行為の制限】の許可を受けた者

【行為の制限】の許可に附した条件に違反した者

【行為の制限】の規定に違反した者

処分又は命令により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

地すべり防止工事のためやむを得ない必要が生じたとき

地すべりの防止上著しい支障が生じたとき

地すべりの防止上の理由以外の理由に基く公益上やむを得ない必要が生じたとき

【行為の制限】の許可を受けた者に対し、処分や必要な措置を命ずることができる。

26

27

第3章 海 岸 法

目的:第1条

適正な利用公衆の海岸の

海岸環境の・整備

・保全

による被害から海岸を防護

・津波

・高潮

・波浪

・海水

・地盤の変動

28

第3章 海 岸 法海 と 陸

海岸法に関係する概念図

春分の日の満潮時水際線

50m以内 50m以内

民有地

国有の海浜地

一般公共海岸区域

29

春分の日の干潮時水際線

海岸管理者とは?

国又は地方公共団体が所有する公共の用に供されている海岸の土地(他の法令の規定により施設の管理を行う者がその権原に基づき管理する土地として主務省令で定めるものを除

き、地方公共団体が所有する公共の用に供されている海岸の土

地にあつては、都道府県知事が主務省令で定めるところにより指

定し、公示した土地に限る。)及びこれと一体として管理を行う必要があるものとして都道府県知事が指定し、公示した低潮線までの水面

規定により指定される海岸保全区域及び一般公共海岸

区域について、法の規定によりその管理を行うべき者。

規定により指定される海岸保全区域内にある堤防、突堤、護岸、胸壁、離岸堤、砂浜(海岸管理者が、消波等の海岸を防護する機能を維持するために設けたもので、指定したものに限

る。)その他海水の侵入又は海水による侵食を防止するための施設

海岸保全施設とは?

公共海岸とは?

第3章 海 岸 法(第2条)

公共海岸の区域のうち、法の規定により指定される海岸保全区

域以外の区域。

一般公共海岸区域とは?

30

知事は、海水又は地盤の変動による被害から海岸を防護するため海岸保全施設の設置、管理を行う必要があるときは、防護すべき海岸に係る一定の区域を海岸保全区域として指定することができる。

2 知事は、海岸の防護上特別の必要があると認めるときは、保安林又は保安施設地区の全部又は一部を、農林水産大臣等に協議して、海岸保全区域として指定することができる。

3 指定は、目的を達成するため必要な 小限度の区域に限ってする。陸地においては満潮時(指定の日の属する年の春分の日における満潮時をいう。)の水際線から、水面においては干潮時(指定の日の属する年の春分の日における干潮時をいう。)の水際線からそれぞれ50mをこえてはならない。ただし、地形、地質、潮位、潮流等の状況により必要やむを得ないと認められるときは、それぞれ50mをこえて指定することができる。

4 知事は、海岸保全区域を指定するときは、公示するとともに、その旨を 主務大臣に報告しなければならない。これを廃止するときも、同様。

5 海岸保全区域の指定又は廃止は、公示によつてその効力を生ずる。

第3章 海 岸 法

海岸保全区域(第3条)

ただし、河川法に規定する河川の河川区域砂防法の規定により指定された土地森林法の規定による保安林(一部例外)森林法の規定による保安施設地区(指定することができない。)

31

海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第1項の規定により別表に掲げる海岸の保全区域を次のとおり指定する。ただし、森林法第25条第1項の規定による保安林及び同法第41条の規定による保安施設地区を除く。1 堤防のある部分にあつては、陸域は、堤防法尻から20メートル以内にある土地。水域は、昭和33年3月21日(以下「春分の日」という。)の干潮線から50メートル以内の海面。

2 堤防のない部分にあつては、陸域は、春分の満潮線から30メートル以内にある土地。水域は、春分の日の干潮線から50メートル以内の海面。

(略)

別表1 農林水産大臣が管理する海岸

海岸名 市町村 主管省 管理者 区 域

大島 新居浜市 農林水産省 愛媛県知事新居浜市大島西の鼻から同 大島古江まで

32第3章 海 岸 法

海岸保全区域の指定例(1/2)

参考 愛媛県HP 「条例・規則」を参照

海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第1項の規定により、次のとおり海岸保全区域を指定する。(略)

海岸名 市町 主管省 管理者 区 域

燧灘沿岸瀬戸海岸

今治市 農林水産省及び国土交通省

愛媛県知事

基点1から基点19までを順次結んだ線並びに基点19、補助点7、補助点6、補助点5、補助点4、補助点3、補助点2、補助点1及び基点1を順次結んだ線により囲まれた区域

基点及び補助点の表示(角度の表示は真北)

基点1は、今治市上浦町瀬戸1310番の標柱(北緯34度13分43秒、東経133度3分22秒)

基点2は、基点1から196度05分20秒111.32mの標柱

基点3は、基点2から203度11分51秒173.12mの標柱

基点4は、基点3から198度31分21秒45.56mの標柱

基点5は、基点4から268度54分06秒18.26mの標柱(略)・・・

33第3章 海 岸 法

海岸保全区域の指定例(2/2)

参考 愛媛県HP 「条例・規則」を参照

国土交通大臣国土交通大臣

農林水産大臣(農村振興局)

国土交通大臣農林水産大臣

農林水産大臣(水産庁)

保全区域の指定の際、現に県、市町等が農地の保全のため必要な事業として管理している施設で海岸保全施設に該当するものの存する地域に係る海岸保全区域に関する事項

保全区域の指定の際、現に国、都道府県、土地改良区等が土地改良法の規定による土地改良事業として管理している施設で海岸保全施設に該当するものが存する地域の海岸保全区域同法 の規定により決定されている土地改良事業計画に基づき海岸保全

施設に該当するものを設置しようとする地域に係る海岸保全区域に関する事項

港湾区域、港湾隣接地域、公告水域及び特定離島港湾区域に係る海岸

保全区域に関する事項

漁港区域に係る海岸保全区域に関する事項

第3章 海 岸 法

主務大臣等(第40条)

・ 一般公共海岸区域のうち、法の規定により特定区域の管理者が管理するものに関する事項については、特定

区域に関する事項を所掌する大臣

・ 前各号に掲げる海岸保全区域等以外の海岸保全区域等に関する事項については、国土交通大臣

○ 前項の規定にかかわらず、主務大臣を異にする海岸保全区域相互にわたる海岸保全施設で一連の施設として一

の主務大臣がその管理を所掌することが適当であると認められるものについては、関係主務大臣が協議して別に

その管理の所掌の方法を定めることができる。

○ 前項の協議が成立したときは、関係主務大臣は、政令で定めるところにより、成立した協議の内容を公示するとと

もに、関係都道府県知事及び関係海岸管理者に通知しなければならない。

○ この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

34

第3章 海 岸 法

海岸保全区域の指定例(御荘湾)

35

凡 例

水管理・国土保全局

港湾局

農村振興局

水産庁

水・国農振共管

主要な海岸保全施設の形状、構造及び位置について、海岸の保全上必要とされ

る技術上の基準は、主務省令で定める。

・自重・水圧・波力・土圧・風圧

・地震・漂流物等

・地形・地質・地盤の変動・侵食の状態・その他海岸の状況

第3章 海 岸 法技術上の基準(第14条)

・形状・構造・位置

・海岸環境の保全・海岸、近傍の土地の利用状況・船舶の運航・船舶による衝撃

安全な構造のもの

振動衝撃

36

37第3章 海 岸 法海岸保全施設例(1/4)

高潮や波浪、津波などから背後地を防護するほか、陸域の侵食を防ぐ役割もある海岸線付近に設置する施設

海岸線に漁港や港湾などの施設があり、利用面を考慮し、水際線より陸域に設置することにより、高潮や波浪、津波などから背後地を防護する施設

【高知県HPから】

38

海岸侵食の防止や海浜を安定させるために造られた陸上から沖合いに細長く延びた施設

高潮や波浪から背後地を防護するほか、海岸侵食の防止や海浜を安定させるために、沖合いの海域に汀線と平行に海面より高く造られる施設

【高知県HPから】

第3章 海 岸 法海岸保全施設(2/4)

39

高潮や波浪から背後地を防護するため、海岸侵食や海浜を安定させる目的で汀線と平行に海面より低く造られる施設。自然のサンゴ礁が持つすぐれた消波機能を

模し、海面にブロック等が見えないため景観を損なわない。

越波や海岸侵食の防止のほか、海浜の安定のために、汀線付近に汀線と平行に造られた堤防等の前面に設置した消波ブロック堤

【高知県HPから】

第3章 海 岸 法海岸保全施設(3/4)

40

高潮や津波時などに海水等の外水の浸入を防ぎ、海岸背後にある人命や財産を湛水の被害から守るための施設

水門閉鎖後に降雨による河川水や都市排水、耕地排水などが自然排水できない場合や排水能力が不足する場合に、不要な内水を機械的に汲み出し、海岸背後にある人命や財産を湛水の被害から守るための施設

堤防や護岸、胸壁の前面を利用するために、人や車両が通れるように設けた施設。閉鎖時には堤防や護岸、胸壁と同じ機能

を有す。

【高知県HPから】

第3章 海 岸 法海岸保全施設(4/4)

41

水面

水面

水面 水面 水面 水面 水面 水面

国有地 国有地

国 公有地 国 公有地

他の土地他の管理者

民有地他の管理者 民有地

水面

陸地(土地)

海岸保全区域 一般公共海岸

E

C

DB

A

低潮線(春分の日の干潮水際線)

高潮線(春分の日の満潮水際線)

公共海岸

海岸保全区域

海岸の保全上特に海岸管理者が指定した区域

(法第8条の2)

海岸の保全上特に海岸管理者が指定した区域

(法第37条の6)

第3章 海 岸 法制限行為等 (1/2)

42

「海岸保全区域の占用」(法第7条) 「一般公共海岸区域の占用」(法第37条の4)

① 海岸管理者以外の者が海岸保全区域(公共海岸の土地に限る。)内において、海岸保全施設又は工作物を設けて占用しようとするときは、海岸管理者の許可を受けなければならない。

A 海岸管理者以外の者が一般公共海岸区域(水面を除く。)内において、施設又は工作物を設けて占用しようとするときは、海岸管理者の許可を受けなければならない。

行為の許可

「海岸保全区域における行為の制限」(法第8条第1項)

行為の許可

「一般公共海岸区域における行為の制限」(法第37条の5)

② 第1号 土石(砂を含む。)の採取。 B 第1号 土石の採取。

③ 第2号 水面又は公共海岸の土地以外の土地において、他の施設等を新設し、又は改築すること。

C 第2号 水面において施設又は工作物を新設し、又は改築すること。

④ 第3号 土地の掘削、盛土、切土その他政令で定める行為をすること。

D 第3号 土地の掘削、盛土、切土その他海岸の保全に支障を及ぼすおそれのある行為で政令で定める行為をすること

行為の禁止

⑤ (法第8条の2)

行為の禁止

E (法第37条の6)

第1号 海岸管理者が管理する施設等の損傷汚損の禁止

第1号 海岸管理者が管理する施設等の損傷汚損の禁止

第2号 油等による海岸の汚損の禁止 第2号 油等による海岸の汚損の禁止

第3号 自動車、船舶等の乗入れや放置の禁止

第3号 自動車、船舶等の乗入れや放置の禁止

第4号 その他海岸の保全に支障を及ぼす行為の禁止

第4号 その他海岸の保全に支障を及ぼす行為の禁止

【参考】

第3章 海 岸 法制限行為等 (2/2)

43

海岸管理者は、次の者に対して、その許可を取り消し、若しくはその条件を変更し、又はその行為の中止、他の施設等の改築、移転若しくは除却(第八条の二第一項第三号に規定する放置された物件の除却を含む。)、他の施設等により生ずべき海岸の保全上の障害を予防するために必要な施設をすること若しくは原状回復を命ずることができる。一 占用、行為の制限に関する法の規定に違反した者二 占用、行為の制限に関する法の規定による許可に付した条件に違反した者三 偽りその他不正な手段により占用、行為の制限の規定による許可を受けた者

2 海岸管理者は、次の場合においては、占用、行為の制限の許可を受けた者に対し、法に規定する処分をし、又は必要な措置を命ずることができる。一 海岸保全施設に関する工事のためやむを得ない必要が生じたとき。二 海岸の保全上著しい支障が生じたとき。三 海岸の保全上の理由以外の理由に基く公益上やむを得ない必要が生じたとき。

海岸管理者は、処分又は命令により損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

監督処分(第12条)

損失補償(第12条の2)

第3章 海 岸 法監督処分(第12条)損失補償(第12条の2)

44

災害とは、「異常な天然現象」により生じた災害(法第2条第5項)

第4章 災害復旧事業

異常な天然現象の例(事務取扱要綱等)

■降雨:最大24時間雨量が80㎜以上、時間雨量20㎜以上

■洪水:警戒水位以上・低水位と堤防高の1/2以上

■暴風:最大風速(10分間平均)15m/s以上

■干害:連続干天日数(日雨量5 ㎜未満)が20日以上

■火山噴火の降灰:粒径 1 ㎜以下にあっては2cm以上

粒径0.25 ㎜以下にあっては5cm以上

■高潮・津波 :異常な高潮若しくは波浪で被災程度が比較的大

(消波ブロックは1/2以上)

■融雪、地すべり、地震、落雷 など

45

46第4章 災害復旧事業

農村での災害

頭首工が被災

農地、農道が被災

農地、県道(負)が被災

火山等からの酸性水により農作物等

に被害

用水路が被災

農地が埋没

農地が流亡・埋没

ため池が被災

農地が被災

地すべりにより、地すべり防止施設(負)、

農地、農道が被災

農道橋が被災

排水路が被災

農村生活環境施設(農村公園)が被災(補)

漂着した流木等が海岸保全施設の機能を阻害(補)

破堤により農地が湛水

海岸保全施設(負)が被災

47

農地の埋没 農地の流亡

田面に段差水田畦畔の崩壊

第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(農地災害)

48第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(ため池1/2)

49

ため池の決壊被害

ため池の埋没被害

第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(ため池2/2)

50第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(頭首工)

頭首工の流亡 頭首工の流亡

頭首工(取り付け護岸、根固め工の流亡)

51第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(水路)

既製品水路の崩壊

既製品水路の崩壊

52第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設の災害事例(農道)

農道 路側法面の崩壊

農道 路面の流亡

農道 山側法面の崩壊

① 災害復旧事業は、原形に復旧することを目的に実施② 被災した施設の従前の効用回復を行う事業③ 復旧工法は、次の4パターンに分類

効用回復

例:水路に埋そくした土砂の撤去

原形復旧

例:崩壊した法面を土羽により復旧

原形復旧不可能

例:河床洗堀された頭首工の根入れを深く

する工事

原形復旧困難又は不適当

例:土水路による排水路復旧が不適当な場合、

コンクリート水路による復旧をする工事

第4章 災害復旧事業

復旧工法は、原形復旧を原則

53

暫 定 法 災 害 負 担 法 災 害

54

1 目的農地、農業用施設、林業施設、漁業

用施設、及び共同利用施設の災害復旧事業に要する費用につき国が補助を行い、もって農林水産業の維持を図り、あわせてその経営の安定に寄与。

2 対象となる施設① 農地、農業用施設

・・かんがい排水施設・・農業用道路・・農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設

② 林業用施設③ 漁業用施設④ 共同利用施設

1 目的公共土木施設の災害復旧事業費に

ついて地方公共団体の財政力に適応するように国の負担を定めて、災害の速やかな復旧を図る。

2 対象となる施設① 河 川② 海 岸③ 砂防設備④ 林地荒廃防止施設⑤ 地すべり防止施設⑥ 急傾斜地崩壊防止施設⑦ 道 路⑧ 港 湾⑨ 漁 港⑩ 下水道⑪ 公 園

第4章 災害復旧事業

災害復旧の法制度

暫 定 法 災 害 負 担 法 災 害

55

3 補助率(農地・農業用施設の場合)

1月1日~12月31日までに発生した災害により被害を受けた農地、農業用施設の災害復旧事業について、市町毎に決定された災害復旧事業費を関係農家数で除した1戸当たりの災害復旧事業費の総額に応じて補助率が決定される。

3 国庫負担率1月1日~12月31日までに発生した

災害につき、決定された災害復旧事業費の総額を次の区分に定める率を乗じて算出した額の当該災害復旧事業費の総額に対する率。

① 当該地方公共団体の当該年度の標準税収入の1/2までの額

・・・2/3

② 標準税収入の1/2を超え2倍に達するまでの額

・・・3/4

③ 標準税収入の2倍を超える額・・・4/4

第4章 災害復旧事業

1戸当たりの金額補助率

農地 農業施設

8万円までの部分 5/10 6.5/10

8万円を超え15万円までの部分

8/10 9/10

15万円を超える部分 9/10 10/10

○増高申請の事務手続き

、 ( ) ( )○補助率の増高は 各市町村別に当該災害年に発生した災害復旧事業費 査定事業費の総額 を関係農家数 被災農家戸数

で除した農家一戸当たりの復旧事業費が 万円以上になる場合に適用8○関係農家数は、字切図という被災箇所ごとの受益農家数の図面から算出

市町村の申請

市町村ごとの災害復旧事業費

関係農家数 申請書類

※農家一戸当たり事業費8万円~15万円 の (暫定法)

間は1次高率、15万円以上は2次高率

災 害 復 旧 工 事 箇 所 図

(被災箇所ごとの受益農家戸数算出図)字切図

字 切 図

維持管理証明書及び

被災履歴書

耕 作 者 名 簿

高 率 補 助 該 当 調 査 表

農林水産大臣

=農家一戸当たり事業費 8万円

被災箇所

被 災 農 家 戸 数

第4章 災害復旧事業農地・農業用施設の補助率(1/2)

56

基本補助率 1次高率 2次高率50% 80% 90%

15万 8万

市町村・農家の負担部分

○ 基本補助率 農地50%、農業用施設65%暫定法の は、○ (市町村毎に補助率を決定)農家負担軽減の観点から農家の1戸当たりの復旧事業費に応じて、高率補助を適用○ は、暫定法の補助残の部分について が適用激甚災害に指定された場合 補助の嵩上げ

○農地の場合の国庫補助率

(農地の被災)

農家1戸当たりの復旧事業費

○農業用施設の場合の国庫補

助率

用水路の被災)(

農家1戸当たり復旧事業費農家1戸当たりの復旧事業費

基本補助率

65%

1次高率 2次高率

90% 100%

15万 8万

市町村・農家の負担部分

暫定法の国庫補助率 激甚法の補助の嵩上げ率

国の補助率

国の補助率

市町村・農家負担部分につ

いて下図の補助率が適用

(補助残部分)

(補助残部分)

%0

%100

%0

%100

%0

%100

国の補助率

57第4章 災害復旧事業農地・農業用施設の補助率(2/2)

暫 定 法 災 害 負 担 法 災 害

58

4 連年災害における補助率の特例

その年の12月31日までの3年間に発生した災害を、その年に発生したものとみなす。

4 連年災害における国庫負担率の特例

その年の12月31日までの3年間に発生した災害について決定された災害復旧事業費の総額が、その3年間の標準税収入額の合計額を超える地方公共団体。① 当該地方公共団体の当該年度の標準税収入の1/2までの額

・・・2/3

② 標準税収入の1/2を超え標準税収入に達するまでの額

・・・3/4

③ 標準税収入を超える額・・・4/4

第4章 災害復旧事業

暫 定 法 災 害 負 担 法 災 害

59

5 適用除外① 1箇所の工事の費用が40万円に満たないも

の。② 経済効果の小さいもの。③ 維持工事とみるべきもの。④ 明らかに設計の不備又は工事の施行の粗漏

に基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

⑤ 甚だしく維持管理の義務を怠ったことに基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

⑥ 災害復旧事業以外の事業の施行中に生じた災害に係るもの。

⑦ 土砂流入による農地の災害復旧事業のうち、その筆における流入土砂の平均の厚さが、粒径1㎜以下の土砂にあっては2㎝、粒径0.25㎜以下の土砂にあっては、5㎝に満たない農地に係るもの。

⑧ 耕土流出による農地の災害復旧事業のうち、その筆における流出耕土の平均の厚さが1割に満たない農地に係るもの。

⑨ 災害により搬出不能となった用薪材の量が550m3に満たない林道その他農地等のうち農林水産大臣の定める小規模な施設に係るもの。

5 適用除外① 1箇所の工事の費用が都道府県120万円、

市町60万円に満たないもの。② 工事の費用に比してその効果の著しく小さい

もの。③ 維持工事とみなせるもの。④ 明らかに設計の不備又は工事施工の粗漏に

基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

⑤ 甚だしく維持管理の義務を怠ったことに基因して生じたものと認められる災害に係るもの。

⑥ 河川、港湾及び漁港の閉そくに係るもの。ただし、維持上又は公益上特に必要と認められるものを除く。

⑦ 天然の河岸及び海岸の決壊に係るもの。ただし、維持上又は公益上特に必要と認められるものを除く。

⑧ 災害復旧事業以外の事業の工事施行中に生じた災害に係るもの。

⑨ 直高1m未満の小堤、幅員2m未満の道路その他主務大臣の定める小規模な施設に係るもの。

第4章 災害復旧事業

暫 定 法 災 害 負 担 法 災 害

60

4 適用除外(要綱 抄)①維持工事とみるべきもの(1) 石積み又は石張りの破損を防止するためのコンク

リート突込工事(2) 直ちに破損するおそれががなく、かつ、他に被害

を及ぼすおそれがない石積み又は石張り等の差狂いの修正のみ又は欠脱の補充のみの工事若しくは間詰めのみの工事

(3) 隧道の巻立コンクリートの軽微な亀裂を修繕する工事

(4) 木工沈床の方格材の軽微な破損の修繕のみの工事又はその小量の脱石の補充のみの工事

(5) 小量の捨石の補充のみの工事(6) 堤防、護岸等に直接影響のない程度の海岸地盤

の低下に対する床止め、根固め又は突堤のみに係る工事

(7) 堤体に被害のない場合の漏水止めのみの工事。(8) 橋梁の高欄又は橋梁若しくは隧道の照明設備の

みに係る工事(9) そだ、雑石程度の井堰に係る工事②小規模な施設とみるべきもの(1) 道路の路面又は側溝のみに係る工事(2) 車馬の交通に著しい妨げのない道路上の崩土の

堆積(幅員のうち車馬の交通の可能な部分が1.2m以上残されたものをいう。)のみに係る工事

4 適用除外(省令 抄)①維持工事とみるべきものア 石積み又は石張りの破損を防止するためのコンク

リート突込工事イ 直ちに破損するおそれががなく、かつ、他に被害

を及ぼすおそれがない石積み又は石張り等の差狂いの修正のみ又は欠脱の補充のみの工事若しくは間詰めのみの工事

ウ 隧道の巻立コンクリートの軽微な亀裂を修繕する工事

エ 木工沈床の方格材の軽微な破損の修繕のみの工事又はその小量の脱石の補充のみの工事

オ 照明設備のみの工事カ 小量の捨石を補充するのみの工事キ 堤体に被害のない場合の漏水止めのみの工事ク 堤防、護岸等に直接影響のない程度の海岸施設

の低下に対する根固め、床止め又は突堤のみの係る工事

ケ 地すべり防止施設の安定に影響しない程度の盛土の流出の補充のみの工事

第4章 災害復旧事業

災害復旧事業

直 轄

直轄・代行災害復旧事業 土地改良法

直轄海岸保全施設災害復旧事業 負担法、激甚法

直轄地すべり防止施設災害復旧事業 負担法、激甚法

補 助

農地災害復旧事業 暫定法、激甚法

農業用施設災害復旧事業 暫定法、激甚法

海岸保全施設等災害復旧事業地すべり防止施設を含む) 負担法、激甚法

湛水排除事業 激甚法

その他臨時的特例的災害復旧事業

除塩事業 発生の都度予算補助

干害応急対策事業 発生の都度予算補助

災害関連事業

直 轄 直轄地すべり対策災害関連緊急事業 地すべり等防止法

補 助

農業用施設災害関連事業

農業用施設災害関連事業暫定法関連予算補助

激甚法

ため池災害関連特別対策事業暫定法関連予算補助

激甚法

特殊地下壕対策事業 暫定法関連予算補助農地災害関連区画整理事業

災害関連農村生活環境施設復旧事業暫定法関連予算補助(激甚法【施設のみ】)

海岸保全施設等災害関連事業

(地すべり防止施設を含む)負担法関連予算補助

激甚法

災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業 負担法関連予算補助

災害関連緊急地すべり対策事業 地すべり等防止法

鉱毒対策事業 土地改良法

61第4章 災害復旧事業

農地・農業用施設に関連する災害復旧事業

査 定

・復旧工法の決定・事業費の決定

62

災害発生

(査定設計書)

災害復旧事業計画概要書の提出(査定設計書)

制度

手続き

の流れ

市町→知事→農政局長災害報告

復旧計画の樹立

復旧工事着工

補助金の交付決定

復旧体制:事業主体復旧方針・復旧工法の決定

知事→農政局長災害発生後60日以内に提出

農政局長等→農村振興局長

査定設計書に基づき現地で実施

復旧工事は災害年も含め原則3年以内に完成

応急仮工事(仮設的な工事による被害軽減)

査定計画書の提出

応急本工事(査定前着工による被害軽減)

被害拡大防止のために必要な場合、応急対策を実施

ため池堤体の増破防止

緊急に復旧すれば作付けに間に合う等の場合の農地復旧など

農地復旧

第4章 災害復旧事業

フロー

62

(農地・農業用施設の場合)

災害査定官(調査官)

財務立会官(実地監査官)

申請者(県・市町村・改良区等)

立会い(県)

災害現場

査定設計書(災害復旧事業計画概要書)

申請

査定設計書

朱入れ

事業費の決定

災害復旧工事災害復旧工事

災害査定では被災事実の確認災害原因の調査暫定法が適用される災害か復旧工法が妥当か・・・・・を調査

災害復旧事業の補助を受けるには、災害査定が必要

第4章 災害復旧事業

査定

63

64

激甚災害制度とは、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づく制度。政府は、国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による

地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成措置を行うことが特に必要と認められる災害が発生した場合には、中央防災会議の意見を聴いた上で、政令でその災害を「激甚災害」として指定するとともに、当該激甚災害に対し適用すべき措置を併せて指定することとしている。● 激甚災害に指定されると、地方公共団体の行う災害復旧事業等への国庫補助の嵩上げなど、特別の財政援助又は助成措置が講じられる。

● 激甚災害の指定は、中央防災会議が定めている、「激甚災害指定基準」(本激の基準)及び「局地激甚災害指定基準」(局激の基準)による。

65第5章 激甚災害制度

激甚災害制度の概要図

66第5章 激甚災害制度

概要図災 害 発 生

河川、海岸、砂防設備、道路、港湾、漁港、海岸、下水道等

公立学校、公営住宅、生活保護施設、児童福祉施設等

農地、農業用施設、林道、農林水産業共同利用施設

国庫補助率の嵩上げ措置(1~2割程度)

災害復旧貸付等の特例措置

(金利引き下げ、償還期間延長等)

激甚災害の指定の場合(激甚災害制度)

概ね6割~8割

程度

2分の1~

3分の2

8割程度(共同利用施設は2割)

公共土木施設等の被害 農地等の被害 中小企業等の被害

災害復旧貸付等の支援措置

災 害 復 旧 国 庫 負 担 (補助) 事 業

激甚災害

局地激甚災害

従来型

早期型

指定基準

激甚災害指定基準(中央防災会議決定)

災害の規模により、激甚災害、局地激甚災害、

激甚災害ではA基準,B基準、局地激甚災害では従来型、早期型がある

A基準

B基準

67第5章 激甚災害制度

激甚災害指定基準(1/2)

農地等の災害復旧等に係るもの 公共土木施設災害復旧事業に関するもの

68

・激甚災害指定(本激)A全国の農地等の災害復旧事業費査定見込額

>全国農業所得推定額×0.5%又はB全国の農地等の災害復旧事業費査定見込額

>全国農業所得推定額×0.15%かつ

(1) 一の県の査定見込額>当該兼の農業所得推定額×4%

・・・・の県が1以上又は

(2) 一の都道府県の査定見込み額>10億円

・・・・の県が1以上

・局地激甚災害指定(局激)①当該市町村の区域内における農地等の災害復旧事

業費に要する経費の額>当該市町村農業所得推定額×10%

・当該経費が1,000万円未満を除く。・該当する市町村の当該経費を合算した額が5,000万円未満である場合を除く。

又は、明らかに①に該当すると見込まれる災害

・激甚災害指定(本激)A全国査定見込額

>全国標準税収入×0.5%又はB全国査定見込額

>全国標準税収入×0.2%かつ

(1) 県分査定見込額>県の標準税収入×25%

・・・・の県が1以上又は

(2) 県内市町村の査定見込額総計>県内市町村標準税収入総計×5%

・・・・の県が1以上

・局地激甚災害指定(局激)①当該市町村の区域内における公共施設災害復旧事

業等の査定事業費の額>当該市町村標準税収入×50%

・当該経費が1,000万円未満を除く。・該当する市町村の当該経費を合算した額が1億円未満である場合を除く。

又は、明らかに①に該当すると見込まれる災害

第5章 激甚災害制度

激甚災害指定基準(2/2)

おわりに 69