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73 声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響 Effects of Fundamental Frequency on Estimation of Speaker’s Personality and Competence 石 井  辰 典 * Tatsunori ISHII Tatsunori ISHII 健康・スポーツ心理学科(Department of Health and Sport Psychology) Previous studies (e.g., Uchida, 2002, 2005a, b, 2011; Uchida & Nakaune, 2004) have demonstrated that some nonverbal features of speech (e.g., pitch, speech rate, intonation, pause duration) affect personality trait ratings of the speaker. This study investigated how fundamental frequency (F 0 ) of speech affects estimation of the speaker’s personality and competence. Both male and female volunteers read out the same self-introduction sentence. Their speeches were recorded as original speeches, and then converted into whole tone high / low speeches. Japanese university students (n ? 42+ nkuvgpgf vq vjgug ukz urggejgu *ugz 4< ocng. hgocng ) F 0 3: low, original, high) and rated each speaker’s personality and competence. A short version of the Big Five Personality Scale was used for personality ratings, and the characteristics of aggressiveness, sociality, reliability, self- control, and communication skills were used for measures of competence. The results of statistical analyses showed that the speakers of original speeches were not only estimated less neurotic, more conscientious and agreeable, but also more competent. Moreover, F 0 was positively correlated with ratings of extroversion. These tguwnvu ctg eqpukuvgpv ykvj vjg Þpfkpiu qh Wejkfc ( Pcmcwpg *4226+0 Ogcpyjkng. vjgtg ygtg ugz fkhhgtgpegu kp ratings of extroversion, neuroticism, conscientiousness, agreeableness, reliability, and self-control. The possible reasons for why these unexpected results emerged are discussed. Keywords: fundamental frequency, personality, Big Five, competence

声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える …75 声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響 尺度(話し好き、悩みがち、独創的など)を使用し、10件法で評定を求めた。その結果、声の高さや

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

Effects of Fundamental Frequency on Estimation of Speaker’s Personality and Competence

石 井  辰 典 *

Tatsunori ISHII

* Tatsunori ISHII 健康・スポーツ心理学科(Department of Health and Sport Psychology)

Previous studies (e.g., Uchida, 2002, 2005a, b, 2011; Uchida & Nakaune, 2004) have demonstrated that

some nonverbal features of speech (e.g., pitch, speech rate, intonation, pause duration) affect personality trait

ratings of the speaker. This study investigated how fundamental frequency (F0) of speech affects estimation of

the speaker’s personality and competence. Both male and female volunteers read out the same self-introduction

sentence. Their speeches were recorded as original speeches, and then converted into whole tone high / low

speeches. Japanese university students (n F0 3: low,

original, high) and rated each speaker’s personality and competence. A short version of the Big Five Personality

Scale was used for personality ratings, and the characteristics of aggressiveness, sociality, reliability, self-

control, and communication skills were used for measures of competence. The results of statistical analyses

showed that the speakers of original speeches were not only estimated less neurotic, more conscientious and

agreeable, but also more competent. Moreover, F0 was positively correlated with ratings of extroversion. These

ratings of extroversion, neuroticism, conscientiousness, agreeableness, reliability, and self-control. The possible

reasons for why these unexpected results emerged are discussed.

Keywords: fundamental frequency, personality, Big Five, competence

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東京成徳大学研究紀要 ―人文学部・応用心理学部― 第 23 号(2016)

問題と目的

 ヒトは、他者の内に心的な状態があると想定し、かつその状態を他者の発する様々な情報から推測

する能力を持つという稀有な動物である。例えば、口角の上がった表情を見れば、相手の内に“嬉

しい”という心的状態があると感じるし、他者がお茶の入ったカップに手を伸ばす姿を見れば、相

手の内に“お茶を飲みたい”という意図があると感じる。また相手の表情や行動を直接見なくても、

“Aさんはこんな行動をした”といった行動描写を読むだけで、そこから相手の意図や感情、性格と

いった心的状態を推測可能であることが示されている(Ames, 2004 ; 石井, 2014 ; Winter & Uleman,

1984)。この能力は、広義のマインドリーディング、すなわち“知覚的にアクセスできる社会的刺激

を処理し、直接知覚することが困難な、隠された考え、望み、知識や意図に到達する”能力(定義は

古見・子安, 2012による)と位置づけられ、その能力の発達過程の検討(e.g., Epley, Morewedge, &

Keysar, 2004 ; Gergely, Bekkering, & Kiraly, 2002 ; Wimmer & Perner, 1983)や比較認知科学的な

視点からの検討も進められてきた(e.g., Byrne, 1996 ; Call & Tomasello, 2008 ; Premack & Woodruff,

1978)。しかし、推測を行う情報源として他者の音声を用いた研究は国内外を問わず少ない。例え

ば、経験的にも低い声の人は“落ち着いた性格ではないか”といった印象を受けることがあるよう

に、他者の発話音声も他者の心的状態を推測する手がかりになりうると考えられる注1。

 音声情報に注目した心理学研究として古典的なものには、Addington(1968)やSmith, Brown,

Strong, & Rencher(1975)、Aronovitch(1976)などがある。また2000年代にはYamada, Hakoda,

Yuda, & Kusuhara(2000)が、日本語を用いた検討している。いずれも、発話の特徴(速度、音程

の高さなど)から相手の性格特性を評価する過程について検討しているが、ただこれらの研究に対し

ては、音声の実験的統制が十分ではない可能性や音声が自然ではないことに対する疑問が呈されてい

る(内田・中畝, 2004)。

 一方、本邦においては内田らにより系統的な研究がなされている(内田, 2002, 2005a, b, 2011 ; 内

田・中畝, 2004)。例えば内田・中畝(2004)は話者の声の高さや発話速度によって評価される性

格特性(Big Fiveの5次元)がどのように変化するのかを検討している。また内田(2002)や内田

(2005a)は、発話の速度や休止時間といった、音声の時間な要因が性格の評価に与える影響を検討

している。内田らの研究は、人間の自然な発話音声が実験刺激として用いられていること、音声の

様々な特徴(高さ、速度、休止時間、声の明瞭性など)が性格特性の評価に与える影響を体系的に検

討していることなどの理由から、発話音声に基づく心的状態の推測プロセスを理解する上で極めて重

要であると言える。

 そこで本研究でも、発話音声から聞き手が話者の性格特性をどのように評価するのかについて実験

的に検討を行う。特に、内田・中畝(2004)を参考に、話者の声の高さが性格評価に与える影響を検

討したい。それにあたり、以下では内田・中畝(2004)について詳述する。

 内田・中畝(2004)は、声の高さと発話速度を操作した聴覚実験を行った。参加者に、声の高さや

台詞、発話速度を変えた男女の声、合計20種類の発話音声を参加者に聞いてもらい、1音声ごとに話

者の性格についての評定を求めた。評定には、和田(1996)を基に作成された短縮版のBig Five性格

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

尺度(話し好き、悩みがち、独創的など)を使用し、10件法で評定を求めた。その結果、声の高さや

発話速度は、話者の性格評価に規則的な影響を与えていることが見出された(Figure 1参照)。具体

的には、外向性は全般的に声の高さが高くなるほど、その評価が上昇していた。また情緒不安定性は

高い声、もしくは低い声で評定値が上昇していた。さらに経験への開放性、勤勉性、協調性では、原

音声の周辺で最も評価が高く、声の高さの上昇・下降いずれに対しても評価は低下していた。発話速

度の影響については、外向性と勤勉性は全般的に速い発話で評価が高く、ゆっくりした発話で急激に

評価が低下していた。情緒不安定性には目立った発話速度の影響は見られなかったが、経験への開放

性は普通かやや速い発話で評価が高かった。協調性では、速い発話では急峻に評価が下降するが、

ゆっくりとした発話での評価の低下は緩やかだった。

Figure 1.

本研究の目的・仮説

 本研究の1つ目の目的は、声の高さが話者の性格評価に与える影響について検討することである。

話者が文章を読み上げた際の音声を録音し、この原音声の音の高さだけを機械的に操作する。こうし

て作成された複数種類の音声を実験参加者に聞いてもらい、それぞれの音声から推測される話者の

性格について評定を求める。評定には、性格のBig Five理論に基づく10個の性格特性語を用いる。内

田・中畝(2004)に基づき、5つの仮説が立てられた。

 仮説1 外向性の評価は声の高さに伴って上がる

 仮説2 情緒不安定性の評価は原音声に比べ、高い声と低い声でより高い

 仮説3 開放性の評価は原音声に比べて、高い声と低い声でより低い

 仮説4 勤勉性の評価は原音声に比べて、高い声と低い声でより低い

 仮説5 協調性の評価は原音声に比べて、高い声と低い声でより低い

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東京成徳大学研究紀要 ―人文学部・応用心理学部― 第 23 号(2016)

 以上に加えて、声の高さが話者の有能さの評価に与える影響について検討することを2つ目の目的

とする。こちらは目的1と異なり、アカデミックというよりも現実場面で生じる問題を意識した目的

設定である。例えば、大学生の就職面接場面などに代表されるように、短時間のうちに相手の有能さ

を推測・評価しなくてはならない場面が存在する。このような場面には一般的に、面接官と受験者の

相互作用が存在するため、その中でどのように有能さをアピールするかに焦点が当てられることだろ

う。しかし上述の通り、声の高さが話者の性格の評価に影響をあたえるならば、それが話者の有能さ

についての評価にも影響を与えると考えられる。例えば、人事院(2006)によれば、仕事上の有能さ

の評価項目として、積極性、社会性、信頼感、経験学習力、自己統制、コミュニケーション力などが

挙げられているが、こうした項目の評価に対して声の高さはどのような影響があるのだろうか。この

点についても検討を行いたい。音声と有能さの評価との関連については先行研究が乏しく、本研究の

データには資料的な価値が期待される。

 なお目的2については探索的な検討となるため、具体的な仮説は立てない。ただし、勤勉性や協調

性が原音声で高く評価されるとされていることから(内田・中畝, 2004)、有能さについても原音声

で高く評価されると予想される。

方 法

 参加者 東京成徳大学の学部学生20名(男性5名、女性15名)が実験に参加した。

 音声刺激の作成 まず原音声データを作成した。原音声の発話者は、男声1名、女声1名の計2名で

あった。発話内容は、就職面接場面を想定した、“A大学のヤマダタロウ(男性話者)/サトウハナ

コ(女性話者)です。本日はよろしくお願いします”という文章であった。発話者には、静かな実験

室でこの文章を発話してもらい、iPhone4Sの録音機能を使って録音を行った。

 次に、こうして得られた2種類の原音声データを、音声編集ソフトaudacity注2を使用し、声の高さ

を調整した。具体的には、それぞれを1音下げた音声と、1音上げた音声を作成し、これに原音声を

加えて性別2 × 声の高さ3の合計6種の音声刺激を用意した。音響分析ソフトPraat注3を用いて作成し

た、男性話者の原音声、低音性、高音声の音声波形とF0軌跡をFigure 2に示す。なお、全ての音声を

流す前に、5秒間の純音(440Hz)を流した。これは、参加者に6種の音声を順番に聞いてもらう際、

直前に聞いた音声が次の音声の評価に影響するのを防ぐためであった。

 実験材料の作成 実験では、参加者に音声を聞いてもらうために、音声刺激をパワーポイントに埋

め込み、参加者自身に操作をしてもらう方法をとった。なお、6種の音声を異なる順番で配置した3パ

ターンのスライドを作成し、これらを参加者にランダムに割り振った。全てのパワーポイントの最初

のスライドには、“これから就職活動場面を想定した6名の音声を聞いてもらいます。流れてくる音

声を、面接官の立場になったつもりで聞いてください。その音声はあなたにどのような印象を与え

ましたか?”という説明を記載した。スライドの2枚目は、練習用のスライドだった。“下のマーク

にカーソルを合わせると再生ボタンが出てくるので、そこをクリックして、質問紙の例題の欄に回答

してください。回答し終えたら次に進んでください。音声は2回再生されます”という教示文と音声

マークを、スライドの下部に配置した。スライド3枚目では、次のスライドから本番が始まると予告

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

Figure 2. Speech waveforms and F

From top to bottom: high, Original, low speech.

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東京成徳大学研究紀要 ―人文学部・応用心理学部― 第 23 号(2016)

する文章を書き、スライド4枚目から本番のスライドとした。本番のスライドには、スライド上部に

音声番号を記し、スライドの中心部には“再生ボタンをクリックし、音声を聞いて質問に回答してく

ださい。音声が2回再生され、質問に回答し終えたら次に進んでください”という説明を記載した。

スライドの下部には音声マークを配置した。このスライドを6枚作成し、最後のページでお礼の言葉

を記載した。

 手続き 実験室実験を行った。室内には、パワーポイントの1ページ目を表示し、ヘッドフォン

(JVCケンウッド社製、ステレオヘッドホンHA-S680)をつないだ状態のパソコン(Dell社製、

Inspiron5437)を2台用意し、2名ずつ実施した。パソコンの前には予め質問紙を準備し、2名の間に

しきりを置き、お互いの様子が見えない状態にした。参加者には2名ずつ実験室に来て席についても

らい、“本日は実験にご協力いただき、ありがとうございます”と告げてから、パワーポイントに

表示された説明文を読み上げ、参加者がヘッドフォンを装着してから練習問題を行ってもらった。練

習問題が終わってから、音量を調節してもらい、質問はないかを聞いた後、実験の本番を開始しても

らった。参加者はそれを聞いて音声を聞くごとに話し手の性格や有能さについて評価した。性格の評

価には、内田・中畝(2004)を参考に、Big Five性格理論に基づく5特性に関する特性語10個(外向

性:話し好きである、無口である、情緒不安定性:不安になりやすい、心配性である、開放性:独創

的である、計画的である、勤勉性:いい加減である、計画性がある、協調性:温和である、協力的で

ある)を、また有能さの評価には、人事院(2006)が発表している個別面接評定表案に基づく24項目

から、積極性、社会性、信頼感、自己統制、コミュニケーション力に関する10項目(向上心がある、

チャレンジ精神がある、組織や集団のメンバーと信頼関係を築けそうである、他人の気持ちを理解で

きる、仕事に対する気構え・使命感がありそうである、まじめで信頼できる、落ち着いているか、ス

トレスに強そうである、話し方に説得力がある、はきはきとしている)を選出して使用した。これら

の項目に対して“非常に当てはまる”から“まったく当てはまらない”の5件法で評定を求めた。な

お、質問紙としてBig Fiveの項目の提示順序をランダムにした4種類を準備し、参加者にランダムに

割り振った。実験の所要時間は、1回の実験につき約30分前後であった。

結 果

 結果の整理 まず性格の評定値は次のように算出した。Big Fiveの5特性ごとの合成得点を、各特

性に関する2項目に対する評定値の平均によって求めた。逆転項目では、評定値を反転させてから平

均した。そして話者の性別2(男性、女性)× 声の高さ3(低音声、原音声、高音声)の6種類の音声

ごとに、5特性それぞれの合成得点の参加者平均を算出し、それらをその音声刺激に対する話者の性

格特性の評定値とした(Table 1)。有能さについても同様に、6種類の音声ごとに、有能さ10項目の

全参加者平均を算出し、それらを音声刺激に対する話者の有能さの評定値とした(Table 2)。そして

Big Five5特性や有能さの項目の平均値に対して、2(話者の性別)× 3(声の高さ)の繰り返しのあ

る分散分析を実施した。

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

Table 1. Mean Ratings and SDs for the Big-Five Traits

Big Five5 M SD M SD M SD

2.05a 0.72 3.20b 1.02 2.78b 0.943.60a 1.08 3.80a 0.71 4.25b 0.682.38a 0.94 2.45a 1.13 3.43b 0.862.98 0.99 3.08 1.21 3.00 1.263.03 1.14 3.08 1.09 2.73 1.042.75 0.84 2.65 0.89 2.88 1.053.48 0.94 3.95 0.74 3.50 0.713.63a 0.76 3.88a 0.72 2.90b 1.122.73a 1.04 3.93b 0.92 3.58b 0.823.80 0.55 3.75 0.82 3.45 0.90

Note. Within rows, means not sharing subscripts are significantlly different at the .05 level. Subscripts are added to means if a simple main effect of F0 is significant.

 外向性 まず外向性に評定値についての分散分析の結果、交互作用効果が有意であった(F(2,38) =

6.46, p < .001, ηp2 = .254)。男性の声における声の高さの単純主効果が有意であり(F(2,38) = 13.91,

p < .001, ηp2 = .423)、多重比較(Holm法による。以下同様)の結果、低音声(M = 2.05, SD =

0.72)よりも原音声(M = 3.20, SD = 1.02)や高音声(M = 2.78, SD = 0.94)が同程度に高く外向的

と評価された(ps < .010)。また有意には至らなかったが、高音声よりも原音声の方が評価値が高い

傾向があった(p = .063)。女性の声においても単純主効果が有意で(F(2,38) = 5.41, p = .009, ηp2 =

.222)、低音声(M = 3.60, SD = 1.08)と原音声(M = 3.80, SD = 0.71)の評価は同程度であったが

(p = .418)、それらに比べ高音声(M = 4.25, SD = 0.68)がもっとも外向的と評価されていた(ps

< .016)。また話者の性別の主効果も有意で(F(1,19) = 54.31, p < .001, ηp2 = .741)、男性の声(M

= 2.68, SD = 1.01)よりも、女性の声(M = 3.83, SD = 0.88)の方がより外向的と評価されていた。

 情緒不安定性 次に情緒不安定性の評定値についての分散分析の結果、交互作用効果が有意であっ

た(F(2,38) = 3.86, p = .030, ηp2 = .169)。下位検定によると、男性の声で声の高さの単純主効果が

有意で(F(2,38) = 5.96, p = .006, ηp2 = .239)、低音声(M = 2.38, SD = 0.94)や原音声(M = 2.45,

SD = 1.13)に比べて、高音声(M = 3.43, SD = 0.86)がもっとも情緒不安定的と評価されていた(ps

<. 013)。この傾向は、女性の声(低音声:M = 2.98, SD = 0.99 ; 原音声:M = 3.08, SD = 1.21 ; 高音

声:M = 3.00, SD = 1.26)では認められなかった(F(2,38) = 0.07, p = .932, ηp2 = .004)。なお性別の

主効果は有意ではなかった(F(1,19) = 1.88, p = .187, ηp2 = .090)。

 開放性 開放性の評定値についての分散分析の結果、音程や性別の主効果、交互作用効果のいずれ

も有意ではなかった(Fs < 1.52, ps > .23, ηp2s < .074)。

 勤勉性 勤勉性の評定値についての分散分析の結果、有意には至らなかったが交互作用効果のパ

ターンが認められた(F(2,38) = 2.94, p = .065, ηp2 = .134)。下位検定の結果、有意ではなかったが

男性の声で単純主効果のパターンが認められ(F(2,38) = 2.78, p = .074, ηp2 = .128)、多重比較によ

ると低音声(M = 3.48, SD = 0.94)や高音声(M = 3.50, SD = 0.71)に比べ、原音声(M = 3.95, SD=

0.74)で最も勤勉だと評価されていた(ps < .050)。女性の声では単純主効果が有意で(F(2,38) =

8.45, p = .001, ηp2 = .308)、高音声(M = 2.90, SD = 1.12)に比べ、低音声(M = 3.63, SD = 0.76)

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と原音声(M = 3.88, SD = 0.72)が同程度に高く評価されていた(ps < .010)。なお性別の主効果は

有意ではなかった(F(1,19) = 0.74, p = .400, ηp2 = .037)。

 協調性 協調性の評定値に対する分散分析の結果、交互作用効果が有意であった(F(2,38) = 8.37, p = .001, ηp

2 = .306)。男性の声で声の高さの単純主効果が有意で(F(2,38) = 10.55, p < .001, ηp2 =

.357)、低音声(M = 2.73, SD = 1.04)に比べて原音声(M = 3.93, SD = 0.92)や高音声(M = 3.58, SD = 0.82)の方が高く評価されていた(ps < .01)。一方、女性の声での単純主効果は有意ではな

かった(F(2,38) = 1.29, p = .286, ηp2 = .041)。なお性別の主効果は有意ではなかった(F(1,19) =

2.32, p = .144, ηp2 = .110)。

Table 2. Mean Ratings and SDs for Competence items

10 M SD M SD M SD2.75 1.12 3.35 1.23 2.75 0.973.05 1.10 3.55 0.60 3.25 1.212.45 1.10 3.25 1.21 2.75 1.022.90 1.12 3.40 0.99 3.35 1.182.60 0.94 3.90 0.79 3.40 1.103.60 1.10 4.10 0.91 3.75 0.912.95 1.00 3.65 0.99 3.30 1.133.60 0.99 3.75 1.16 3.20 1.203.65 1.14 4.00 0.73 3.50 1.193.70 0.92 3.85 0.93 3.25 1.293.60a 1.14 4.20b 0.70 3.75a 0.913.80a 0.95 3.75a 0.79 2.70b 1.224.05 0.89 4.10 0.79 3.70 1.173.80 1.06 3.90 0.72 2.85 1.353.37a 1.34 3.58a 1.02 2.05b 0.913.05 1.18 2.63 1.01 2.42 1.223.30 1.34 3.40 1.35 2.30 1.033.10 1.17 3.10 1.17 2.25 1.162.45 1.23 3.40 1.31 2.55 1.233.50 0.95 3.95 1.10 3.95 0.94

Note. Within rows, means not sharing subscripts are significantlly different at the .05 level. Subscripts are added to means if a simple main effect of F0 is significant.

 向上心 次に有能さについての結果に移る。まず向上心の評定値についての分析の結果、声の高さ

の主効果のみが有意であった(F(2,38) = 4.10, p = .024, ηp2 = .178)。この評定値は、低音声(M =

2.90, SD = 1.11)や高音声(M = 3.00, SD = 1.11)よりも、原音声(M = 3.45, SD = 0.96)において最

も高かった(ps < .050)。

 チャレンジ精神 チャレンジ精神の評定値についての分析の結果、まず声の高さの主効果が有意

で(F(2,38) = 3.84, p = .030, ηp2 = .168)、低音声の評定値(M = 2.68, SD = 1.12)に比べ原音声の

評定値(M = 3.33, SD = 1.10)の方が有意に高かったが(p = .003)、これらと高音声(M = 3.05, SD

= 1.13)の間には有意な差は認められなかった(ps > .113)。また性別の主効果が有意で(F(2,38) =

6.28, p = .022, ηp2 = .248)、チャレンジ精神は、男性の声(M = 2.82, SD = 1.14)に比べ、女性の声

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

(M = 3.22, SD = 1.11)の方がより高く評価されていた。

 信頼関係 周囲との信頼関係を築くことができるかどうかについての評定値の結果は、まず声の高

さの主効果が有意で(F(2,38) = 7.49, p = .002, ηp2 = .283)、低音声(M = 3.10, SD = 1.13)よりも

原音声(M = 4.00, SD = 0.85)で評価が高く(p = .001)、また有意ではなかったが低音声より高音

声(M = 3.58, SD = 1.01)で評価が高かった(p = .056)。原音声と高音声での評価の差は有意では

なかった(p = .077)。また話者の性別の主効果も有意で(F(2,38) = 8.37, p = .010, ηp2 = .306)、男

性の声(M = 3.30, SD = 1.08)に比べ、女性の声(M = 3.82, SD = 0.98)の方が総じて評価が高かっ

た。

 他者理解 他者の気持ちを理解できるかについての評定値の結果は、声の高さの主効果のみが有意

であった(F(2,38) = 3.71, p = .034, ηp2 = .163)。多重比較の結果、低音声(M = 3.27, SD = 1.04)

と高音声(M = 3.25, SD = 1.15)では評価は変わらないが(p = .910)、これらよりも原音声(M =

3.70, SD = 1.07)で評価値が高かった(ps < .030)。

 使命感 使命感の評定値についての分析結果では、声の高さの主効果のみが有意であった(F(2,38)

= 4.18, p = .034, ηp2 = .180)。多重比較の結果、高音声(M = 3.37, SD = 1.23)に比べ原音声(M

= 3.93, SD = 0.83)で評定値が高い点のみ有意であり(p = .008)、これらと低音声(M = 3.68, SD =

1.02)との差は有意ではなかった(ps > .16)。

 まじめさ まじめさの評定値についての分析の結果、交互作用効果が有意であった(F(2,38) =

6.14, p = .005, ηp2 = .244)。男性の声における声の高さの単純主効果が有意で(F(2,38) = 6.12, p =

.005, ηp2 = .244)、低音声(M = 3.60, SD = 1.14)や高音声(M = 3.75, SD = 0.91)に比べて原音声

(M = 4.20, SD = 0.70)でよりまじめであると評価されていた(ps < .030)。女性の声の単純主効果

も有意で(F(2,38) = 8.02, p = .001, ηp2 = .297)、高音声(M = 2.70, SD = 1.22)に比べて、低音声

(M = 3.80, SD = 0.95)や原音声(M = 3.75, SD = 0.79)の方が同程度に高く評価されていた(ps <

.016)。また話者の性別の主効果のパターンも認められ(F(1,19) = 4.06, p = .058, ηp2 = .176)、総

じて女性の声(M = 3.42, SD = 1.11)に比べ、男性の声(M = 3.85, SD = 0.95)の方がより真面目で

あると評価されていた。

 落ち着き 落ち着きの評定値についての分析の結果、声の高さの主効果が有意で(F(2,38) = 11.18, p < .001, ηp

2 = .370)、高音声(M = 3.28, SD = 1.32)に比べ、低音声(M = 3.93, SD = 0.97)や原音

声(M = 4.00, SD = 0.75)でより落ち着きがあると評価されていた(ps < .010)。また話者の性別の

主効果も有意で(F(1,19) = 4.86, p = .040, ηp2 = .204)、総じて女性の声(M = 3.52, SD = 1.16)より

も、男性の声(M = 3.95, SD = 0.96)の方が落ち着きがあると評価されていた。

 ストレス耐性 ストレス耐性の評定値の分析結果では、交互作用効果が有意であった(F(2,36) =

4.71, p = .015, ηp2 = .207)。下位検定によると、男性の声における声の高さの単純主効果が有意で

(F(2,36) = 10.80, p < .001, ηp2 = .375)、高音声(M = 2.05, SD = 0.91)に比べ、低音声(M = 3.37,

SD = 1.34)や原音声(M = 3.58, SD = 1.02)で同程度にストレス耐性が高いと評価されていた(ps

< .010)。一方で、女性の声(低音声:M = 3.05, SD = 1.18 ; 原音声:M = 2.63, SD = 1.01 ; 高音声:M = 2.42, SD = 1.22)では声の高さによる評定値の違いはなかった(F(2,36) = 1.96, p = .155, ηp

2 =

.098)。

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 説得力 説得力の評定値の分析結果では、声の高さの主効果のみが有意であった(F(2,38) = 8.06, p = .001, ηp

2 = .298)。説得力は、総じて高音声(M = 2.28, SD = 1.09)に比べ、低音声(M = 3.20, SD = 1.25)と原音声(M = 3.25, SD = 1.26)の方が同程度に高いと評価されていた(ps < . 010)。

 はきはき はきはきしているかについての評定値の分析結果では、まず声の高さの主効果が有意で

あった(F(2,38) = 5.84, p = .006, ηp2 = .235)。多重比較の結果、低音声(M =2.98 , SD = 1.21)よ

りも原音声(M = 3.68, SD = 1.23)ではきはきしていると評価されており(p = .004)、また有意に

は至らなかったものの、高音声(M = 3.25, SD = 1.30)よりも原音声よりではきはきしていると評価

される傾向があった(p = .067)。低音声と高音声の間では評価に違いはなかった(p = .157)。ま

た話者の性別の主効果も有意で(F(1,19) = 20.85, p < .001, ηp2 = .523)、総じて男性の声(M = 2.80,

SD = 1.31)に比べ、女性の声(M = 3.80, SD = 1.01)の方がはきはきとしていると評価されていた。

考 察

 本研究の目的は、声の高さが話者の性格や有能さの評価に与える影響を検討することであった。性

格評価についての仮説は内田・中畝(2004)に基づき、5つが立てられた(問題と目的参照)。

 性格の評価 実験の結果、まず外向性は、高い声で文章が読み上げられている時により高く評価さ

れる傾向にあった。これは男性の声よりも女性の声の方が総じて高く評価されたことからも裏付け

られる。つまり仮説1(外向性の評価は声の高さに伴って上がる)に合致する結果が得られたといえ

る。情緒不安定性は、原音声に比べ高音声で評価が上がっていたが、低音声で評価が上がることはな

かった。加えて、この傾向は男性の声のみでしか得られていない。したがって、仮説2(情緒不安定

性の評価は原音声に比べ、高い声と低い声でより高い)は、ポジティブに見ても部分的な支持にとど

まった。開放性は、声の高さの影響は見られず、仮説3(開放性の評価は原音声に比べて、高い声と

低い声でより低い)は支持されなかった。勤勉性については、原音声で高く評価されると傾向が認め

られ、これは仮説4(勤勉性の評価は原音声に比べて、高い声と低い声でより低い)を支持する結果

といえる。協調性は、原音声に比べ低音声で評価が低くなっていたが、原音声と高音声の評価に違い

はなかった。加えて、この傾向は男性の声でのみで認められた、仮説5(協調性の評価は原音声に比

べて、高い声と低い声でより低い)は部分的な支持にとどまった。

 以上より、支持された仮説は一部のみであった。ただし、原音声において勤勉性や協調性が高く、

情緒不安定性が低く評価される傾向にあった点は内田・中畝(2004)と共通していた。また話者の性

別によって、声の高さが性格評価に与える影響が異なるという交互作用があったことが、仮説が支持

されなかった理由の1つでもあった。この結果が得られたのは、男性の声と女性の声の質的な違いが

原因である可能性もあるが、女性の声のほうが男性の声よりも一般的に高音であることに由来する音

声の高さの量的な違いが原因である可能性もある。本研究の結果からはこの点について明確な回答

はできない。ただし、こうした交互作用は内田・中畝(2004)の結果では認められなかったものであ

る。本研究の結果は再現性があるものなのか、またもし再現性があるならばなぜそうした交互作用が

存在するのか、これらの点についてさらなる検討が必要である。

 有能さの評価 一方、有能さについての結果では、ある程度の一貫した傾向が認められた。すなわ

ち、総じて低音声や高音声に比べて、原音声で評価が高かったのである。先述した通り、勤勉性や

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声の高さが話者の性格および有能さの評価に与える影響

協調性は原音声で高く、また情緒不安定性は原音声で低く評価される傾向があることが示されてい

た(内田・中畝, 2004)が、本研究の結果でも同様の傾向が認められた。また勤勉性や協調性、情緒

不安定性は、有能さのいくつかの項目と概念的・項目的に類似する部分がある。例えば、計画性があ

る・いい加減である(勤勉性)、温和・協力的(協調性)、不安になりやすい・心配性である(情緒

不安定性)といった項目は、信頼関係、他者理解、まじめさ、落ち着き、ストレス耐性といった有能

さの項目と類似している。したがって、これらの有能さ項目の評価が原音声で高くなるのは理にか

なっているといえる。興味深いのは、向上心、チャレンジ精神、使命感、説得力、はきはきといった

有能さの項目でも、原音声で評価が高い点であろう。恐らく、勤勉で協調的、情緒も安定していると

評価される原音声は、今回の実験で用いられた音声の中で最も好印象を受けていたのだと思われる。

したがって、向上心などの有能さの項目でも、原音声で高い評定値を得る結果になったのだろう。

 有能さの結果についての考察の2点目は、性別によって結果が異なる項目があったことである。具

体的には、チャレンジ精神、信頼関係、はきはきの3つでは、総じて女性の声の方が高い評価を受け

ており、まじめさ、落ち着きの2つでは、総じて男性の方が高い評価を受けていた。この結果につい

ても、性格評価の考察と同様に、男女の声の質的な違いが原因であるのか、声の高さについての量的

な違いが原因であるのかはっきりとしない。ただ、落ち着きやまじめさについては、低い声のほうが

高く評価され、女性の声よりも男性の声でより高く評価されていた。この結果からは、男女の声の質

的違いというより、声の高さの違いが原因であることが推察される。この解釈が妥当であるのかを確

認するには、より厳密に声の高さを操作した実験が必要である。

 今後の課題 まず性格や有能さの評価についての考察で述べたように、話者の性別によって異なる

結果が得られたのは、男女の声の質的な違いか、声の高さという側面の量的な違いなのかについての

検討が課題となるだろう。

 また本研究の興味は、音声情報から他者の心的状態を推測するプロセスにあった。ただ今回の実験

では、声の高さによって性格や有能さの評価がどう異なるかという現象的な検討にとどまり、評価を

行うまでの認知プロセスを検討したものではない。はたして、どのような情報処理プロセスを経て、

高音声の話者は外向的であるといった評価が下されたのだろうか。例えば参加者は高音声を聞いて、

自分の回りにいる声の高い人物を想起し、その人物の性格についての知識・記憶を利用して評価を

行ったのかもしれない。こうした認知プロセスの検討が今後の課題となるだろう。

 さらに、本研究から原音声が最も有能であるという印象を与えた可能性が示唆された。このこと

は、就職面接などの場面では、声色を使って高い/低い声を出す必要はないということを示している

のかもしれない。しかし、具体的にどのような周波数帯の音声が良い印象を与えるとったことを明ら

かにしたわけではない。言い換えれば、絶対的に良い印象を与える声の高さを見つけたわけではない

のである。それでは、果たして有能であるという印象を与えることのできる声の高さというのは存在

するのだろうか、存在するならばどのような高さなのだろうか。この点は、今後検討すると興味深い

問題であろう。

脚 注

注1 ここでは音声に基づく性格の評価を心的状態の推測の一種とみなしているが、こうした評価には推測という意識的な認知過程が関与しているとは限らず、むしろ自発的特性推論のような自動的・非意識的

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な認知過程によるという考えもある。ただそれでも、音声を聞いて“話者は無口であるか、陽気であるか”といった質問に答える際には意識的な思考・推測が必要になると考えられる。

注2 Audacityの公式Web URLは次の通りである: http://audacityteam.org(2015年11月15日現在)注3 Praatの公式Web URLは次の通りである: http://www.fon.hum.uva.nl/praat/(2015年11月15日現在)

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謝 辞

 本研究は,著者の指導のもと,東京成徳大学応用心理学部健康スポーツ心理学科2014年度卒業生である湯沢めぐみさんが実施したものである。記して感謝の意を表します。

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