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7月4日播種 莢付が悪く、空莢率が高い。特に早生種の「江戸緑」は株ができていない。
8月2日播種 「江戸緑」は株が小さいままだが、「富貴」、「福獅子」は株ができ、莢付もよい。
江戸緑 富貴 福獅子
露地抑制栽培に挑戦 !〜適期表にないマイナー作型をこっそり伝授〜
エダマメの抑制栽培
一般地でのエダマメ栽培は、早生〜中生系品種は5月〜6月上旬播種、7月中旬〜8月中下旬収穫、晩生系品種は6月中旬以降播種、��月上中旬収穫が一般的です。特に晩生種は生育期間が長いため株が大きくなりやすく、病害虫の対策も必要になることから、家庭菜園ではもてあましてしまう方も多いのではないでしょうか。 そこでタキイの提案ですが、中早生や中生種を使って抑制栽培に挑戦されてはいかがでしょう。抑制栽培では播種から約2カ月で収穫することができるので、例えばスイートコーン→夏まきエダマメ→ホウレンソウ(あるいはコマツナ)といった輪作を組むことも可能になります。
ここでは聞きなれないエダマメの露地抑制栽培について、タキイ研究農場での試験を元にご紹介します。●品種選びのポイント 中早生〜中生の品種を使います。「富
ふう
貴き
」や「福ふく
獅じ
子し
」などがよいでしょう。早生種では株が十分にできず、黒エダマメや茶エダマメでは莢
さや
の退色が早いことから、この抑制作型には向いていません。●播種期設定 一般地では7月下旬〜8月中下旬に播種します。7月上中旬にまいてしまうと、開花時期が高温期に当たるため莢つきや実入りが悪くなり、収量が下がります。●栽培のポイント 施肥量は春の栽培の8割程度を目安とします。��㎡当たり成分量でチッソ
��g、リン酸���g、カリ��gを基準に施します。 抑制栽培では生育期間の気温が高いため、短期間で花が咲いてきます。このため、草姿は春より節間が詰まり着
ちゃっ
莢きょう
数が減ることになるので、収量を確保したい場合はやや密植にする方がよいでしょう。畝幅�2�㎝、株間2�㎝の2条植えを目安に考えてください。 また、播種後の地温の上昇を防ぐため白マルチをして、発芽が始まるまで敷きわらか黒寒
かん
零れい
紗しゃ
で覆います。播種後約3週間で開花が始まるので、このころ乾燥で着莢不良を起こさないようしっかり潅水をしてください。 収穫は播種後��〜��日程度で可能になりますが、莢の黄化に注意して適期収穫を心掛けます。
江戸緑 富貴 福獅子
ブリーダー通信�
タキイ研究農場
瀬せ
野の
晃あき
好よし
(エダマメ、スイートコーン)
タキイ研究農場
新しん
久ひさ
紀のり
(キュウリ、カボチャ)
エダマメ スイートコーン キュウリ カボチャ
20 2014 タキイ最前線 夏号
エダマメ播種期・品種別収量調査
播種日 品種名日 程 収穫数
熟 期 開花日 実収穫日 実日数 合計(個) 空莢率(%)
7月4日江戸緑 早 生(78日タイプ) 7月30日 8月30日 57 92 37富貴 中早生(80) 8月2日 8月30日 57 172 55福獅子 中 生(85) 8月1日 8月30日 57 175 52
7月19日江戸緑 早 生(78) 8月11日 9月19日 62 138 18富貴 中早生(80) 8月13日 9月19日 62 218 17福獅子 中 生(85) 8月15日 9月19日 62 203 8
8月2日江戸緑 早 生(78) 8月25日 10月4日 63 117 10富貴 中早生(80) 8月26日 10月4日 63 190 3福獅子 中 生(85) 8月27日 10月4日 63 132 3
※早生の「江戸緑」では、抑制栽培で収量が上がらない
(タキイ研究農場調べ)
※注意…ここでご紹介する作型は、地域や条件によって困難な場合がございます。また、適期栽培と同等の結果を保障するものではありません。ご了承ください。
スイートコーンの抑制栽培
●品種選びのポイント 抑制栽培では熟期が86日以上の中生品種で、草勢が強い品種を用います。「おひさまコーン88」や「キャンベラ90」がよいでしょう。●播種期設定 一般地では7月中下旬〜8月中下旬に播種します。これより遅く播種すると生育後半の気温が不足し、穂が十分に肥大しなくなります。●肥料は少なめに チッソ、リン酸、カリの成分量で10㎡当たり各150〜200gと春作の8割程度施します。●害虫防除 アワノメイガなどの害虫が多く発生
する時期になりますので、雄穂の出穂期から雌穂の出穂期にかけて、捕殺して早めに防除しましょう。
キュウリの露地抑制栽培
●播種時期と施肥設計 9〜10月の収穫を目指し、7月20日前後に“直播”する作型です。 元肥はあえて、“0
ゼロ
”で栽培をスタートします。キュウリが1本収穫できたら、追肥(軽くひと握りの化成肥料で2株分)を始め、以降は1週間に1回を目安に、追肥を続けます。●仕立て方と整枝方法 夜温が高く、キュウリの生育が早いので、1本仕立てにした親づるの誘引と側枝の整枝が遅れないよう注意しま
す。わき芽と雌花の除去は5節まで、6節目からの側枝はすべて1節で摘みとり、過繁茂を未然に防ぎます。●推奨品種 病虫害の多い時期なので、耐病性、耐暑性にすぐれる「Vアーチ」「シャキット」が安心でしょう。
カボチャの露地抑制栽培
●畑の準備と推奨品種 7月20日〜8月1日に“直まき”します。冬至カボチャを狙うならこの作型が考えられます。この時期は、つる伸びが旺盛で、雌花の着生が少なくなる
ので元肥は施さず、畝幅3m以上、株間40㎝で畑を準備します。なお、生育初期はウイルス病と害虫の食害予防のため、アーチ支柱を立て、「サンサンネット」などで被覆するのがよいでしょう。品種は、着果のよい「えびす」を使用します。●栽培方法 親づる1本仕立てにします。雌花は、播種後40日、15節以降から徐々に着生してくるので晴れた日でも受粉作業を行い、確実に着果させましょう。 果実がこぶし大になるまで、わき芽の除去を続け、草勢を落ち着かせるのが果実を肥大させるためのポイントです。収穫期は、交配後45日ごろからになります。
↓中生種の「キャンベラ90」。
↓中生種の「おひさまコーン88」。
↑「えびす」。
↓中早生種の「富貴」。
↓中生種の「福獅子」。
↑つるもちがよい「Vアーチ」。
2014 タキイ最前線 夏号 19
↓病気に強く抑制におすすめの「シャキット」。