20
平成26年度全国労働衛生週間説明会 働く人々の健康管理 あなたのきこえ、大丈夫? -働く人々の聴覚管理埼玉産業保健総合支援センター地域窓口 (通称:大宮地域産業保健センター)地域運営主幹 武石容子

働く人々の健康管理 あなたのきこえ、大丈夫?omiyarokikyo.or.jp/souon26.pdf「ガイドライン」認知 55.7 75.6 騒音測定 81.8 67.5 騒音健診 28.4 37.0

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 平成26年度全国労働衛生週間説明会

    働く人々の健康管理

    あなたのきこえ、大丈夫?-働く人々の聴覚管理ー

    埼玉産業保健総合支援センター地域窓口

    (通称:大宮地域産業保健センター)地域運営主幹

    武石容子

  • 日常生活における音の役割

    1. 危険の察知

    例)警報、警笛、猛獣の鳴き声

    2.音声によるコミュニケーション

    例)会話、電話

    3.音声による情報伝達

    例)ラジオ、TV

    4.癒しや楽しみ

    例)虫の音、川のせせらぎ、音楽

  • 音 と 耳

    音→

  • 一般健診(雇入時・定期)の聴力検査

  • 1.目的

    労働者の聴力を正しく評価し、その結果に応じて

    聴覚管理を行うこと

    (職域において聴覚は安全作業やコミュニケーション

    のために重要)

  • 2.検査方法

    (1)対象

    雇入時健康診断:全員

    定期健康診断:原則として全員

    (45歳未満(35歳及び40歳を除く)の者については医師が適当と認める聴力検査をもって代えることができる)

    ※医師が適当と認める検査:音叉を用いる検査等

    (2)検査音:下表のような純音

    表.検査音

    (3)方法:年1回選別聴力検査

    オージオメータを使用し、検査音を呈示して聴取不能な場合を有所見とする

    周波数 1000Hz 4000Hz

    雇用時健診 30dB 30dB

    定期健診 30dB 40dB

  • 選別聴力検査用オージオメータ日本耳鼻咽喉科学会、産業・環境保健委員会の規格

    • 受話器に遮音カップを付け、両耳に装着

    • 検査時の騒音レベルが検査に適しているか否かを知るために環境騒音モニターを内臓

  • 3.聴力低下の原因

    (1)外耳:耳垢栓塞等 →治療可多

    (2)中耳:慢性中耳炎、滲出性中耳炎等 →治療可多

    (3)内耳:老人性難聴、騒音性難聴、突発性難聴、メニエール病等

    図.耳の解剖

  • 4.保健指導(医療指導含む)

    (1)一般職場• 有所見者に対して1度は耳鼻咽喉科医療機関へ受診勧奨(内耳疾患による難聴の毎年の有所見者は最長3年に1度の精密聴力検査)

    表.聴力像と年齢別平均値(岡本牧人,1989)

    ((社)日本耳鼻咽喉科学会:聴覚管理マニュアル.4版,2003;9.)

  • • 業務上必要な補聴器装用については耳鼻咽喉科専門医(補聴器相談医)へ受診勧奨

    • 内耳疾患による難聴増悪予防のための音響対策及びメタボリックシンドローム対策

    • メニエール病に対するストレス対処

  • 事例:3○歳、女性、製造業

    • 中学生頃より周囲に難聴を指摘される。

    • 20歳以後、某大学病院を受診し、精査・加療を行うも改善せず、通院中止となる。

    • 現在、比較的静かな部屋での検品業務。

    • 補聴器を使用せず、電話の応対はできるが、会議など人の話が聞き取りにくい。

    • さらなる精密検査をして治療できるものなら希望。

  • 定期健診における聴力検査の有所見率平成 全国特殊 埼玉特殊 全国一般 埼玉一般

    (業種別) 1000Hz 4000Hz 1000Hz 4000Hz

    11 17.6 13.1 4.2 9.3 3.6 8.1

    12 17.3 15.2 4.1 9.1 4.1 8.3

    13 16.9 13.2 4.1 9.1 3.9 7.9

    14 16.6 14.0 3.9 8.7 3.6 7.7

    15 16.8 16.8 3.8 8.5 3.8 7.5

    16 17.1 14.6 3.7 8.4 3.8 7.7

    17 16.5 21.8 3.7 8.2 3.5 7.3

    18 16.9 22.9 3.6 8.2 3.6 7.4

    19 16.8 20.9 3.6 8.1 3.7 7.5

    20 16.4 21.1 3.6 7.9 3.8 7.6

    21 15.8 18.7 3.6 7.9 3.7 7.5

    22 15.3 17.0 3.6 7.6 3.6 7.0

    23 14.6 19.1 3.6 7.7 3.6 7.0

    24 14.6 20.2 3.6 7.7 3.5 6.9

    25 14.4 19.5 3.6 7.6 3.7 6.8

  • 埼玉県における騒音職場の衛生管理(事業場規模50人~、不明は除く)

    (%)

    産業保健推進センター1)

    n=88

    労働局2)

    n=446

    「ガイドライン」認知 55.7 75.6

    騒音測定 81.8 67.5

    騒音健診 28.4 37.0

    注:1) 製造業(2005年) 2) 製造業、建設業(2008年)

  • (2)騒音職場:「騒音障害防止のためのガイドライン」

    (以下「ガイドライン」)が対象とする作業場

    • 騒音からの聴力保護を目的として「ガイドライン」に

    示される特殊健康診断の実施

    • 一般定期健診の有所見者に対して耳鼻咽喉科専門医(騒音性難聴担当医)へ受診勧奨

    • 個人表を作成し、保健指導の際に活用

  • 特殊健診(騒音)の体系

    雇入時健康診断(雇入時・配置替え時)・既往歴・業務歴の調査・自他覚症状の有無の検査・オージオメータによる気導純音聴力検査・その他必要とする検査

    定期健康診断(6月以内ごとに1回)・既往歴・業務歴の調査・自他覚症状の有無の検査・オージオメータによる

    選別聴力検査

    騒音作業従事労働者

    医師が必要と認める者

    二次検査・オージオメータによる気導純音聴力検査

    ・その他必要とする検査 有所見者

    事後措置

    異常なし

    異常なし

    ※騒音性難聴担当医の活用

  • ((社)日本耳鼻咽喉科学会:聴覚管理マニュアル.4版,2003;66.)

  • 5.受診勧奨先への依頼方法

    (1)受診勧奨先

    耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医、騒音性難聴担当医氏名は(一社)日本耳鼻咽喉科学会HP上に掲載

    (2)依頼方法

    耳鼻咽喉科診察依頼票を使用(事前に依頼方法、内容、費用については要相談)

  • ((社)日本耳鼻咽喉科学会:聴覚管理マニュアル.4版,2003;56.)

  • 6.労働の適正の判断

    • 危険を伴う作業の場合、安全管理上の問題はないか?

    • コミュニケーションを要する業務の場合、能力の低下はないか?

    • 労働者の業務が適正であるか判断する

    • 職場の環境整備(視覚情報の強化等)

  • ご清聴、ありがとうございました!