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情報通信の政策動向 -無線通信3- 無線システムの標準化 無線システムその1 20131122四国総合通信局 無線通信部長 大野

情報通信の政策動向 -無線通信3-ict.ehime-u.ac.jp/ict9852/ict13.pdf(Digital Video Broadcasting - Terrestrial) 日本(ISDB-T) (2003年12月開始) ペルー(ISDB-T)

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情報通信の政策動向

-無線通信3-

無線システムの標準化

無線システムその1

2013年11月22日

四国総合通信局 無線通信部長

大野 真

無線システムの標準化の意義

短波の時代

通信ができればOK

標準化する項目は通信方法、使用周波数、呼び出し時間

遭難呼び出し(SOS)と時間

500kHz

2182kHz

第1沈黙時間:毎時15分から3分間及び45分から3分間

第2沈黙時間:毎時0分から3分間及び30分から3分間

現代

システムが副雑化してきたため技術基準を合わせても、細かいところで食い違いがあると通信できない。

規格が合わないものを使用すると、通信できないだけではなくシステム全体を機能不全に陥れる危険が生じる。

これらのことは、RR(無線通信規則)の規定やITU-R(旧CCIR)の勧告に従うことで実現可能

国内的には、無線局運用規則や無線設備規則で規定

標準化団体

標準化団体は、共通の規格を作ろうとする2者以上の者が作った団体ということになるため、公的・国際的な団体から、企業連合に過ぎないものまであるが、総務省では以下の組織および組織が行っているプロジェクトを標準化団体と見ている。

2

○国際電気通信連合(ITU)

○アジア・太平洋電気通信標準化機関(ASTAP)

○国際標準化機構(ISO)

○国際電気標準会議(IEC)

○IETF(Internet Engineering Task Force)

○IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc)

○社団法人情報通信技術委員会

○社団法人電波産業会

○社団法人日本CATV技術協会

○次世代IPネットワーク推進フォーラム

○ユビキタスネットワークキングフォーラム

○高度通信システム相互接続推進会議(HATS推進会議)

強制規格と任意規格

強制規格

3

任意規格

ITU-R

我が国

IEEE等の標準化機関

勧告

無線通信規則

Frequency Allocation Table

電波法

無線局運用規則他

周波数割当計画

802.11シリーズ他

ARIB標準規格

業界規格

伝統的な無線システムの標準化

ニーズ把握 無線利用者

メーカー

利用可能周波数の有無を調査

情報通信技術審議会

総務省

諮問

答申

技術基準策定(無線設備規則、無線局審査基準等)

メーカー等が技術基準を独自に解釈して無線機を製作

無線システムとして最低限必要な規格はここで決定

法令に基づく強制規格

新システム導入を指向

無線システム単位、かつ、メーカー単位の色合いの濃い機器が誕生

システム別に製品が作られるため、それぞれが特注品となり、高コスト、かつ、部品の利用が進まない機器が生まれる(少量、多品種)。

ガラパゴス化と国際化

日本独自に進化した規格が諸外国で採用されていない場合に、その規格がガラパゴス化していると呼ばれている。

従って、ガラパゴス化した規格が劣っているか優れているかは判らない訳だが売れる先が広がらないことからすればビジネス的に劣っていることは明らか。

5

ガラパゴス化させないためには

①早期に国内規格を外国規格と統合する ②国内規格を多くの国に採用してもらう

5GHz帯無線LANの周波数を変更 規格を輸出

成功と呼べそうな例は地デジのみ?

国際規格へ向けた活動 成功例

6

○2006年6月29日、ブラジルにおいてISDB-Tを基礎とするデジタル放送方式の規格採用が決定され、2007年12月2日 にデジタル放送を開始した。その後、日伯が協力し、海外へのISDB-T導入に関して働きかけを実施した結果、2009年にペルー、アルゼンチン、チリ及びベネズエラ、2010年の3月にエクアドル、5月にコスタリカ、6月にパラグアイ及びフィリピン、7月にボリビア、12月にウルグアイ、2011年の10月にモルジブがISDB-Tの採用を決定。また、2010年3月にペルーで、4月にアルゼンチンで、2011年6月にベネズエラで、8月にパラグアイで本放送開始。

○中南米諸国、東南アジア諸国、アフリカ諸国等においてデジタル放送の導入検討が進められている中、放送分野における我が国の国際競争力強化に資するため、これらの国においてセミナーやデモンストレーション等を実施して、我が国が開発した地上デジタルテレビジョン放送方式であるISDB-Tの海外普及を目指している。

2012年6月現在 総務省作成

日本方式(ISDB-T) (Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)

米国方式(ATSC) (Advanced Television Systems Committee)

欧州方式(DVB-T, T2) (Digital Video Broadcasting - Terrestrial)

日本(ISDB-T) (2003年12月開始)

ペルー(ISDB-T) (2009年4月方式決定) (2010年3月放送開始)

コスタリカ(ISDB-T) (2010年5月方式決定)

チリ(ISDB-T) (2009年9月方式決定)

ブラジル(ISDB-T) (2006年6月方式決定) (2007年12月放送開始)

エクアドル(ISDB-T) (2010年3月方式決定)

ベネズエラ(ISDB-T) (2009年10月方式決定) (2011年6月放送開始)

アルゼンチン(ISDB-T) (2009年8月方式決定) (2010年4月放送開始)

パラグアイ(ISDB-T) (2010年6月方式決定) (2011年8月放送開始)

フィリピン(ISDB-T) (2010年6月方式決定)

中国方式(DTMB) (Digital Terrestrial Multimedia Broadcast)

ボリビア(ISDB-T) (2010年7月方式決定)

ウルグアイ(ISDB-T) (2010年12月方式決定)

モルディブ

(2011年10月方式決定)

(国営放送)

標準化機関の活動①電波産業会

7

電波産業会(ARIB)の標準規格では、国の技術基準以外に必要と考えられる無線システムの互換性や品質保持に関する規格を策定している。

なお、規格書として取りまとめるに当たっては国の技術基準も含めて記述している。

標準規格の決定には、ARIB規格会議参加者全員の賛成が必要である。

その一方で、標準規格が策定された場合には規格会議参加者全員に遵守義務がある。

標準化機関の活動②ITU-R

8

ITU-Rでは、周波数の割り当てや運用ルールなどの強制規格を定めるほか、個別の問題の解決のため勧告を出している。

強制規格は、各締約国の法令に反映される(我が国は電波法令に反映)。

勧告は強制規格ではないが、国際機関においてとりまとめられた知見であることから広範に利用されている。また、勧告の一部を国内の強制規格に盛り込むケースがある(我が国では無線局の免許の審査基準に盛り込まれているものもある[例:混信検討に使用するアンテナの指向特性])

勧告は、以下のシリーズに分類されている。 BO Satellite delivery BR Recording for production, archival and play-out; film for television BS Broadcasting service (sound) BT Broadcasting service (television) F Fixed service M Mobile, radiodetermination, amateur and related satellite services P Radiowave propagation RA Radio astronomy RS Remote sensing systems S Fixed-satellite service SA Space applications and meteorology SF Frequency sharing and coordination between fixed-satellite and fixed service systems SM Spectrum management SNG Satellite news gathering TF Time signals and frequency standards emissions V Vocabulary and related subjects

標準化機関の活動③IEEE

9

k RRM

r Fast Roam

a 54 Mbps

5GHz

b 11 Mbps 2.4GHz

d Intl roaming

V Network

Management

s Mesh

u WIEN

Y

Contention

Based

Protocol

n High

Throughput (>100 Mbps)

W Management

Frame Security

z TDLS

p WAVE

802.11 -1999

PHY

MAC

802.11 -2012

(2012年3月)

802.11 -2007

802.11ae QoS Mgt Frames

(標準化済)

802.11ah <1GHz

802.11ac Very High

Throughput 6Gbps @ 5GHz

802.11ai FILS

802.11ad Very High

Throughput 6Gbps @ 60GHz

802.11af TV Whitespace 802.11

-2003

g 54 Mbps 2.4GHz

e QoS

i Security

h DFS & TPC

j JP bands

f Inter AP

Doc.IEEE802.11-12/0462r0 「802.11 Plenary Snapshots - May 2012」 (Bruce Kraemer) 並びに http://www.ieee802.org/11/Reports/802.11_Timelines.htm 及び http://www.ieee802.org/11/QuickGuide_IEEE_802_WG_and_Activities.htm の情報を元に作成

802.11aa Video Transport

(標準化済)

IEEE802.11標準規格一覧

http://www.ieee802.org/11/Reports/802.11_Timelines.htm 及び http://www.ieee802.org/11/QuickGuide_IEEE_802_WG_and_Activities.htm の情報を元に作成(平成24年6月末現在)

規格名/検討 グループ名

概要 状況

IEEE802.11a 5GHz帯無線LAN 正式標準化

IEEE802.11b 2.4GHz帯無線LAN 正式標準化

IEEE802.11c ブリッジ接続 IEEE802.1Dの一部と

なった

IEEE802.11d 地域的周波数規制適合 正式標準化

IEEE802.11e QoS改善・管理 正式標準化

IEEE802.11F AP間通信プロトコル 正式標準化

IEEE802.11g 高速化2.4GHz帯無線LAN 正式標準化

IEEE802.11h ヨーロッパにおける5GHz帯 無線LAN

正式標準化

IEEE802.11i セキュリティ拡張機能 正式標準化

IEEE802.11j 日本における4.9-5GHz帯無 線LAN

正式標準化

IEEE802.11k 無線資源測定技術 正式標準化

IEEE802.11m 規格メンテナンス 継続中

IEEE802.11n 高スループット無線LAN 正式標準化

IEEE802.11p ITS支援 正式標準化

IEEE802.11r 高速ローミング 正式標準化

IEEE802.11s メッシュメットワーク 正式標準化

規格名/検討 グループ名

概要 状況

IEEE802.11T 無線LANパフォーマンステ

スト 規格化断念

IEEE802.11u 外部ネットワークとの連携 正式標準化

IEEE802.11v 無線ネットワーク管理 正式標準化

IEEE802.11w マネジメントフレームへのセ キュリティ

正式標準化

IEEE802.11y 米国における3.6-3.7GHz帯 無線LAN

正式標準化

IEEE802.11z ダイレクト通信 正式標準化

IEEE802.11aa 音声・映像伝送の品質強化 802.11aa-2012として策

定・公表済

IEEE802.11ac 6GHz帯以下における超高 スループット無線LAN

ドラフト2.0

IEEE802.11ad 60GHz帯における超高ス ループット無線LAN

ドラフト7.0

IEEE802.11ae マネジメントフレームの優 先順位

802.11ae-2012として策

定・公表済

IEEE802.11af テレビ用周波数ホワイトス ペース利用の無線LAN

ドラフト2.0

IEEE802.11ah 1GHz以下の周波数帯を利 用する無線LAN

ドラフト策定中

IEEE802.11ai 高速初期リンク確立 ドラフト策定中

無線LAN用周波数と規格の変遷

11

IEEE802.11b (1999年)

IEEE802.11a (1999年)

IEEE802.11g (2003年)

IEEE802.11j (2004年) 2.4GHz[11Mbps]

5.2GHz/5.3GHz/5.6GHz [54Mbps]

2.4GHz[54Mbps] 4.9GHz/5.03GHz[54Mbps]

IEEE802.11n (2009年)

2.4GHz/5.2GHz/5.3GHz/5.6GHz [~600Mbps]

1992年

1999年

2000年

2005年

2007年

2002年

第一世代2.4GHz帯(2471~2497MHz)

第二世代2.4GHz帯(2400~2483.5MHz)

5.2GHz帯(5.15~5.25GHz)

4.9GHz/5.03GHz帯 (4.9~5.0GHz, 5.03~5.091GHz )

※5.03GHz帯における無線アクセスシステム用への使用は、2017年11月30日までに限る。

5.3GHz帯(5.25~5.35GHz)

5.6GHz帯(5.470~5.725GHz )

[2.4GHz帯] 97MHz

[5GHz帯] 455MHz

◆無線アクセス(登録局)

1995年 2000年 2005年 2010年

12

ITS(高度道路交通システム)とは

環境

安全 快適・利便

ITS

(高度道路交通システム)

CO2排出削減

環境負荷軽減 運行管理

交通円滑化 危険回避

渋滞解消 交通事故

削減 安全運転支援システムによる交通事故削減の実現

ITS (Intelligent Transport Systems)とは、情報通信技術を用いて「人」「道路」「車両」を結び、

一体のシステムとして構築することにより、交通事故削減や渋滞解消、環境効率の向上といった道路交通問題の解決を図るシステム

ITSの目的

13

ITSにおける電波メディア

放送型

段差が あります。

ETC / DSRC

料金決済システム

60㍑でした 5500円です

駐車場利用管理 自動門扉開閉/車両通門

~100m

ミリ波

先行車

通信型

携帯電話(テレマティクス) (800MHz,1.5GHz,1.7GHz,2GHz 他)

広域型 (双方向型)

狭域型

FM 多重放送(76~90MHz)

広域型(放送型)

-VICS- (Vehicle Information and Communication System)

UWB、ミリ波車載レーダー (24/26,60,76,79GHz)

電子タグで歩行者ITS等

(13.56MHz、950MHz、2.4GHz)

OBU

公共道路交通情報

路車間通信 (5.8GHz)

GPS

ETC : Electronic Toll

Collection

DSRC : Dedicated Short

Range Communication

電波ビーコン (2.5GHz、5.8GHz)

車車間通信 (700MHz、5.8GHz)

注意喚起

接近車両有り

接近車有り

右折注意

センサー型

14

周波数帯 システム概要 技術基準状況

VICS (道路交通情報通信システム)

76~90MHz帯(FM多重放送)

・道路交通情報提供 平成6年制度化 2.5GHz帯

(電波ビーコン)

ETC (自動料金収受システム)

5.8GHz帯

・自動料金収受

(通信型) 平成9年制度化

DSRC (路車間通信システム)

・自動料金収受

・様々な情報提供

(通信型、放送型)

平成13年制度化

(平成19年改正)

準ミリ・ミリ波帯レーダー

システム

24/26GHz帯 ・障害物の検知

(自律型)

平成22年制度化

60/76GHz帯 平成9年制度化

79GHz帯 平成24年制度化

車車間・路車間通信システム

5.8GHz帯 ・安全情報の伝達

(通信型)

平成19年5月 ITS情報通信システム推進会議において実験用ガイドライン(RC-005)策定

700MHz帯 平成23年制度化

制度化の状況

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

1996.

6月

199

6.1

2月

19

97.

6月

199

7.1

2月

19

98.

6月

199

8.1

2月

19

99.

6月

199

9.1

2月

20

00.

6月

200

0.1

2月

20

01.

6月

200

1.1

2月

20

02.

6月

200

2.1

2月

20

03.

6月

200

3.1

2月

20

04.

6月

200

4.1

2月

20

05.6

200

5.1

2月

20

06.

6月

20

06.1

2月

20

07.

6月

200

7.1

2月

20

08.

6月

200

8.1

2月

VICS累計出荷実績

VICSユニット

累計1000万台突破! (2004年7月)

累計2000万台突破! (2007年11月)

VICSセンターで編集、処理された渋滞や交通規制などの道路交通情報を、様々な通信メディアを通じてリアルタイムに送信し、カーナビゲーションなどの車載器に文字・図形で表示する画期的な情報通信システム。 VICS情報は24時間365日提供されている。

累計出荷台数は2000万台を突破(2007年11月)

約2,322万台 ( 2008年12月)

15

VICS(道路交通情報通信システム)

0

100

200

300

400

500

600

700

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

~20

01.

2月

2001

.7月

200

1.1

2月

2002

.5月

200

2.1

0月

2003

.3月

2003

.8月

2004

.1月

2004

.6月

200

4.1

1月

2005

.4月

2005

.9月

2006

.2月

2006

.7月

200

6.1

2月

2007

.5月

200

7.1

0月

2008

.3月

2008

.8月

2009

.1月

ETC累積・新規セットアップ件数

累積セットアップ件数

単月新規セットアップ件数

累計1000万台突破! (2005年12月)

累計2000万台突破! (2007年11月)

有料道路において、料金所と車載器間の無線通信により、ノンストップで料金を徴収するシステム

ETC(自動料金収受システム)

料金所におけるETC利用率は76.8%(2009年2月)

約2,724万台 (2009年2月)

16

狭域通信(DSRC)について

DSRCシステムの概要

5850 5770

Downlink Uplink

MHz

5775 5780 5785 5790 5795 5800 5805 5815 5820 5825 5830 5835 5840 5845

DS

RC

ETC ETC

◎特徴 ・特定のスポット内で高速大容量通信が可能 ・高速移動体との間の通信が可能 ・複数レーンへの情報の配信が可能

DSRC

無線周波数帯 5.8GHz band

システム Active system

帯幅許容値 4.4MHz

チャンネル数-Downlink 7

チャンネル数-Uplink 7

変調方式 ASK,QPSK (ETC;ASK)

伝送速度 1Mbps/ASK

4Mbps/QPSK (ETC;1Mbps)

無線アクセス方式 TDMA/FDD

最大空中線電力(基地局) 300mW

最大空中線電力(陸上移動局) 10mW

・車両検知器による合流車検出

・合流車両情報提供

・前方障害物情報提供

エリア内の車両に

情報提供

左から合流車、注意

路車間通信

17

● ドライバーが認知困難な位置にある自動車等を車車間通信等により、その情報を提供し、ドライバーに注意を促すシステム。

● 「IT新改革戦略」(H18.1決定)において、世界一安全な道路交通社会の実現のため、ITSのうち「安全運転支援システム」の実用化により、交通事故死傷者数等を削減することとしている。

安全運転支援システムとは

料金は ○○円です。

○番が空いています。 入場時間は○○です。

入口

出口

DSRC

VICS

ETC 料金は ○○円です。

道路交通情報通信システム

自動料金収受システム

狭域通信応用サービス

高度化

交通事故死者数の削減

700MHz帯を使った安全運転支援システムによる事故防止例

安全運転支援システムのイメージ VICS

ETC

DSRC

18

注意喚起 優先道に接近車両あり!

注意喚起 接近バイクあり!

注意喚起 車の陰に接近車両あり!

右折

左折

交通事故分類・要因と安全運転支援システムの効果

認知エラー 判断

エラー

操作の誤り

出会い頭 26%

14%

70% 追突

その他 9%

32%

【交通事故件数】 【人的要因】

ITS無線システムの高度化に関する研究会作業班資料より

○ 交差点や見通しの悪い場所での交通事故の件数が8割を占める ○ 認知ミスを減少させる安全運転支援システムが有効

右折時/ 左折時衝突

19

対歩行者 対自転車 対二輪車 交差点 正面衝突 単独 追突

車対車

インフラ協調システム低減効果

自律システムの低減効果

効果薄 死者数

低減効果

死傷者数

低減効果

交通事故分類と要因

歩行者との衝突

見通し外でも情報が伝わる電波を使った安全運転支援システムなどが有効

安全運転支援システムの効果

安全運転支援 システムによる 交通事故削減

20

背景・目的

ITS(高度道路交通システム)の安全運転支援システムにおいて利用される車車間・路車間通信システムの利用イメージや無線システムに求められる要求条件等を明確化し、ITSに関する電波の効率的な利用を図るため、「ITS無線システムの高度化に関する研究会」を開催。平成21年6月に検討結果を報告書として取りまとめ。

自動車メーカー

通信機器メーカー

関連団体

ユーザー関係

ITS関係省庁

学識経験者

検討項目

構成員

:トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ

:沖電気工業、 デンソー、NEC、日立、富士通、住友電工

:ITS-Japan、電波産業会、情報通信研究機構、日本自動車工業会、VICSセンター

:マリ・クリスティーヌ(異文化コミュニケータ)、山村レイコ(元国際ラリースト、エッセイスト)

:警察庁、経済産業省、国土交通省(道路局・自動車交通局)

:電気通信大学 唐沢 好男 教授、慶應義塾大学 川嶋 弘尚 教授(座長)

(1)ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ

(3)車車間通信実現に向けた課題及び推進方策

(2)車車間通信システムに求められる無線システムの機能と要求条件

平成20年10月~平成21年6月 検討期間

ITS無線システムの高度化に関する研究会

21

ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ①

<利用シーン>

道幅が狭く、植栽や塀などが高く存在している住宅街など見通しの悪い道路において、交差点に自車と他車が同じタイミングで進入するような場合、ITS安全運転支援無線システムは、自車のドライバーに対して、どの方向から接近車両があるのかを伝え、注意喚起を行う。

22

ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ②

<利用シーン>

長いカーブが続く道路など、ドライバーが進行方向の車両や道路状態を認識しづらい状況において、渋滞や事故、故障などの影響でカーブの先で車両(他車)が停車している場合、ITS安全運転支援無線システムは、自車のドライバーに対して、進行方向前方に停車車両があることを伝え、注意を促します。

23

ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ③

<利用シーン>

交差点で右折しようと待機しているとき、対向車線で右折しようとする大型車の影響で直進車両が見えづらい状況において、ITS安全

運転支援無線システムは、自車のドライバーに対して、対向車線に直進車両が接近していることを伝え、注意を促します。

24

ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ④

<利用シーン>

左折しようと交差点に接近しているとき、後続車がバイクの場合でも、ITS安全運転支援無線システムは、自車のドライバーに対して、バイクが接近中であることを伝え、注意を促します。

25

ITS安全運転支援無線システムの利用イメージ⑤

<利用シーン>

運転中に緊急車両のサイレンが聞こえたとき、他の車両や沿道建物の影響で、緊急車両の位置や進行方向が分かりづらい状況において、ITS安全運転支援無線システムは、自車のドライバーに対して、どの方向から緊急車両が接近しているのかを伝え、注意を促します。

車車間通信 路車間通信

概要 車両同士の無線通信により周囲の車の情報(位置、速度、車両制御情報等)を入手し、必要に応じて運転者に安全運転支援を行う

車両と路側機との無線通信によりインフラからの情報(信号情報、規制情報、道路情報等)を入手し、必要に応じて運転者に安全運転支援を行う

特徴 路側機の整備されていない不特定の場所でサービス提供が可能

路側設備のある場所では、確実にサービス提供が可能

実現に

向けた課題

自車に車載器が搭載されていても、他の車両への車載器の普及が進まないとサービスの機会が限定的

路側設備の整備が必要であり、一気に路側設備の整備が進むのは困難

■車車間通信と路車間通信の比較(メリット・デメリット)

26

ITS安全運転支援無線システムの在り方

○ 平成19年情報通信審議会答申においては、700MHz帯周波数は安全のための車車間通信による周波数利用が想定。

○ ユーザメリット拡大、システム構成の合理化、コストパフォーマンス向上等の観点から、車車間通信及び路車間通信の共用可能なシステムとすることが適当。

■車車間通信と路車間通信の共用のメリット

○ 車車間・路車間通信が共用することでサービスを受ける機会が増加する。

(ユーザがサービスを受けるにあたり車車間通信及び路車間通信という通信方式の区別は重要ではない)

○ 一つの車載器で車車間・路車間通信が利用できれば、システム構成の合理化、コストパフォーマンス向上等の観点からメリットがある。

車車間通信及び路車間通信の共用可能なシステムとすることが適当

ITS安全運転支援無線システムに求められる周波数特性

700MHz帯 5.8GHz帯

電波の特徴 ・電波の回り込みがあり、ビル影、大型車の後方等見通し外にも回りこむ

・電波の直進性が強く、ビル影、大型車の後方等見通し外には回り込みにくい

通信距離※1 ~数百m程度 ~数十m程度

伝送速度 10Mbps程度※2 4Mbps※3

実現に向けた課題

・車車間通信システム等との相互干渉回避が必要

・電波伝搬特性の把握や隣接システムとの干渉回避が必要

・車車間通信に使用する場合、路車間通信システム(ETC等)を含む隣接チャンネルとの干渉回避が必要

通信特性 ・見通し外の通信を行うのに適当

・狭域への通信に適当

・見通し外の通信も可能だが、一定基準の通信特性

を得るには、パケットの連送が必要

周波数特性の比較

27 ※1:見通し外の交差点における車車間通信を想定した場合 ※2:ITS無線システムの高度化に関する研究会作業班資料より ※3:5.8GHz帯を用いた車車間通信システムの実験用ガイドライン(ITS FORUM RC-005)より

○ 車車間通信で期待される見通し外通信を行うには、700MHz帯の利用が適しており、安全運転支援無線システムで用いる周波数帯は、2012年から利用可能となる700MHz帯を優先して実用化のための検討を進める。

○ 車車間通信で期待される見通し外通信を行うには、700MHz帯の利用が適している。 ○ 車載器のコスト低減や普及を考えると700MHz帯を用いて車車間通信と路車間通信の共用を図ることが 望ましい。

700MHz帯を用いたITS無線システムの推進方策のイメージ

いつでも利用可能な実証 実験環境の整備 ・業界団体を中心に、車車・路車共用方式のガイドラインを2009年に策定

・実環境における実験環境構築、体制の整備を推進

導入方策

普及方策

安全運転支援システムの 技術的条件の早期策定 ・技術的条件の検討に向けて、2009年に情報通信審議会に諮問

・ITS及び放送・電気通信事業者等の関係者で周波数の共存検討を実施

適時適切な国際調和 ・ITS世界会議等の国際的な場での情報発信や収集、交換を実施

・ITU-R等への国際標準化活動へ積極的な提案を推進

円滑な導入に向けた産学官の連携

・ITS推進協議会における検討

・ITS情報通信システム推進会議に

おいて、導入方策を推進するため

の検討の場を設置

速やかな普及の促進

インセンティブの提供

・税制面や自動車保険等による

優遇措置の検討

サービスの拡大・向上

・高齢者等を考慮した技術開発及び歩行者への情報提供の実現

・車載器の導入時期に合わせた路側インフラ等の環境整備

安全運転支援サービスの 効果・利便性のPR ・2012年頃の導入に合わせたサービス認知度の向上

・自動車メーカによる標準装備の検討

ITS安全運転支援無線システム

の導入・普及に向けては

様々な方策の推進が必要

28

29

2009年 (平成21年)

2010年 (平成22年)

2011年 (平成23年)

2012年

(平成24年)

2013年 (平成25年)

全体 スケジュール

実用化に向けた 推進方策

実証実験の 推進

国際調和

官民連携による推進

ITS安全運転支援 無線システムの運用

地上アナログ

テレビ放送終了

空き周波数が

使用可能に

リパック 研究会報告書

とりまとめ

6月 7月 7月

普及推進 官民連携により、以下 の普及方策を推進

効果・利便性のPR サービスの 拡大・向上 インセンティブの提供

導入

ITS安全運転支援無線システムの導入に向けたスケジュール

ITU-R等への国際標準化の推進

実証環境整備 実証実験・検証

情通審 電監審

ITS推進協議会による官民連携の推進

700MHz帯安全運運転支援通信システムの技術的条件の審議

● 700MHz帯を用いた安全運転支援通信システムの技術的条件について、情報通信審議会ITSシステム委員会において審議(2009年7月~)

住宅街などの見通しの悪い道路での出会い頭衝突事故防止

安全運転支援システムの利用イメージの例

右折時に、右折待ちの対向車の陰からくる直進車との衝突防止

車車・路車共用通信方式

路側機

路車間通信エリア

車車間通信

路車間通信

710MHz 730MHz

ガード

バンド

ガード

バンド

放送 電気通信 ITS 共存

10MHz

共存

隣接他システムとの共存条件

携帯電話基地局

携帯端末(端末送信) ITS(車載器送信)

ITS(車載器受信)

干渉波

携帯電話とITSの干渉検討例(携帯電話→ITS)

ITS(車載器送信) 地上デジタルTV

放送(送信)

地上デジタルTV(受信)

干渉波

地デジ対応カーナビ(受信)

放送事業とITSの干渉検討例(ITS→TV受信端末)

検討すべき技術的条件

出会い頭衝突防止

右折時衝突防止

700MHz帯において車車間通信・路車間通信を同時に実現するための通信方式について検討

ITSと隣接する放送業務及び電気通信業務との共存条件の検討

通信要件

国際協調

30

地上波デジタルテレビ ITS 電気通信

710 730

TV ITS LTE

TV放送波からITSへの干渉 LTEからITSへの干渉

ITSからTV受信装置への干渉 ITSからLTEへの干渉

モデル8

モデル9

モデル1

モデル10 ※2

モデル11 ※2

モデル12 ※2

モデル13 ※2

モデル14 ※3

モデル15 ※3

モデル16 ※3

モデル17 ※3

モデル4

モデル2 モデル5

モデル3 モデル6

モデル7

家庭受信 (ブースタなし)

家庭受信 (ブースタあり)

被干渉

ISDB-T 受信

ITS 受信

可搬型

屋外

車内

大規模中継局

極微小電力局

路側機

車載機

与干渉

ISDB-T (送信) ITS (送信)

親局 大規模 中継局

極微小 電力局

路側機 車載機

電気通信 (送信)

基地局 端末

電気通信

受信

基地局

端末

※1

700MHz帯干渉形態イメージ

周波数割当状況(2012年7月~)

※1 このモデルは、モデル3の場合の方が明らかに干渉量が大きいので、検討せず ※2 電気通信システムにおいて、700MHz帯が端末送信に割当てられた場合 ※3 電気通信システムにおいて、700MHz帯が基地局送信に割当てられた場合

700MHz帯の周波数割当計画および干渉の形態について

31

79GHz帯高分解能レーダの技術的条件の審議

極近距離ターゲット(数10cm程度)の高精度検知により、 後方の高度な安全確保を実現。(壁と分離して子供を検出)

注意:後方の壁の手前に何かあります

短距離(数10㎝)から遠距離(数100m)までのターゲットの距離及び速度を高精度で検知することで、追従走行や渋滞時追突防止に必要なきめ細かい車間距離制御を実現。

周波数 占有周波数帯域幅 電力 空中線利得 最大分解能 測距可能な距離

UWBレーダ 22~29GHz 4750MHz以下 -41.3dBm/MHz - 3㎝程度 最大 30m 程度

60GHz帯レーダ 60~61GHz 500MHz以下 10mW 40dBi以下 30㎝程度 最大 200m 程度

76GHz帯レーダ 76~77GHz 500MHz以下 10mW 40dBi以下 30㎝程度 最大 200m 程度

79GHz帯レーダ(短距離モード) (長距離モード)

77~81GHzを候補に検討

数㎝程度 数10㎝程度

最大 数10m程度 最大 数100m程度

既存レーダとの比較

● 79GHz帯高分解能レーダの技術的条件について、情報通信審議会ITSシステム委員会で審議(2009年11月~)

注意:前方○百mに徐行車両があります

ミリ波帯の周波数割当状況(一次業務)

76.0 77.0 77.5 78.0 79.0 81.0

欧州でのレーダーシステムへの周波数割当 無線標定(公共・一般業務)

電波天文 アマチュア、 アマチュア 衛星

電波天文

無線標定

(レーダー、公共・一般業務)

利用シーン

今後具体的に検討

概要 ● 79GHz帯高分解能レーダは数10㎝から数100m距離離れた状態でも物体を高精度に検知・分離することが可能

● 欧州では2004年に制度化 周波数帯:77GHz~81GHz 出力:-9dBm/MHz(125μW/MHz) (今後、米国、アジア諸国等でも導入に向けた検討が開始されることが想定)

32

IT戦略本部

情報通信技術 利活用のための規制・制度改革に

関する 専門調査会

企画委員会(副大臣級会合) IT政策担当大臣、国家戦略室及び関係府省の副大臣又は政務官

幹事会 IT政策担当大臣、国家戦略室・内閣府・総務省・経済産業省の副大臣又は政務官

電子行政に関する

タスクフォース

医療情報化に関する

タスクフォース

ITSに関する

タスクフォース

CIO連絡会議

33

IT戦略本部における「ITSに関するタスクフォース」の設置

グリーンITS部分抜粋

Ⅱ.3つの柱と目標

3.新市場の創出と国際展開

○ 2020年までに、高度道路交通システム(ITS)等を用いて、全国の主要道における

交通渋滞を2010年に比して半減させることを目指しつつ、自動車からのCO2の

排出削減を加速する。

Ⅲ.分野別戦略

3.新市場の創出と国際展開

(1) 環境技術と情報通信技術の融合による低炭素社会の実現

【重点施策】

○ ITSによる人やモノの移動のグリーン化などを積極的に推進する

【具体的取組】

ⅱ)人・モノの移動のグリーン化の推進

リアルタイムの自動車走行(プローブ)情報を含む広範な道路交通情報を集約・配信

し、道路交通管理にも活用するグリーンITSを推進する。このため、企画委員会に

ITSに関するタスクフォースを設けて、情報の集約・配信・活用方法や実施方策を

検討し、2010年度中に、具体的なロードマップを策定する。

【内閣官房、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省】

34

新たな情報通信技術戦略(グリーンITS関係)

2010年度 2014年度 2011年度 2012年度 2013年度 2020年度

交通管制の高度化

広範な道路交通情報の集約・配信

・安全かつ快適な交通の確保

・車載機の普及

運用開始 (試験運用含)

信号機の集中制御化、プログラム多段系統化、多現示化等の

信号制御・交通情報提供の高度化の推進

プローブ情報の信号制御・

交通情報高度化への

活用技術開発、検証

国際標準化推進、海外展開

プローブ情報の集約・活用の効果検証

シミュレーション用

データ項目の選定

実車走行による

データ検証 シミュレーションによる

集約化データの検証

リアルタイムデータ配信

の大規模な効果検証

ITS世界会議

(東京)

車両の高度IT化、システムの海外展開を見据えたロー

ドマップの

策定

(タスクフォース)

最適経路案内等、グリーンITS

サービスの普及

交通流に応じた交通管理の

最適化

本格運用

技術開発効果の活用

プローブ情報の相互利用

交通渋滞半減(2010年比)

警察庁

警察庁

運用モデルの検討

・情報の収集、配信に係るコスト分担

・共有情報の範囲 等

内閣府 総務省 経済産業省 警察庁 国土交通省

道路・交通政策との連携

総務省 経済産業省 警察庁 国土交通省

35

人・モノの移動のグリーン化 工程表

安全運転支援部分抜粋

Ⅲ.分野別戦略

2.地域の絆の再生

(4) 地域主権と地域の安心安全の確立に向けた取組

ⅱ)災害・犯罪・事故対策の推進

交通事故等の削減のため、情報通信技術を活用

した安全運転支援システムの導入・整備を推進する。

【内閣官房、内閣府、警察庁、総務省、国土交通省、 経済産業省】

36

新たな情報通信技術戦略(安全運転支援関係)

2010年度 2014年度 2011年度 2012年度 2013年度 2020年度

安全運転支援システム

効果的、効率的な次世代型通信システムの技術開発、制度整備

国際標準化推進

一般道路での路車 協調型システムの

パイロット整備

車車間通信型システムの

技術検証・指針策定

共用車載機・車両の開発・普及

ITS世界

会議

(東京)

ITS用専用UHF

帯域開放

(地デジ跡地)

民間主体の実地検証

警察庁

国土交通省

総務省

経済産業省

交通事故死者数2,500人以下

ロードマップの策定(タスクフォース)

警察庁 国土交通省 総務省

高速道路での路車協調型システムの全国整備

経済産業省 警察庁 国土交通省 総務省

道路インフラ整備の推進 警察庁

国土交通省

国土交通省

37

事故対策の推進 工程表

※プローブ情報: 走行している自動車から収集される速度や位置などの情報。

マイカープローブ等

A社

B社

タクシー

車両情報

GPS

(1)事業者が個別に情報収集

(2)質的に不十分な情報

各社サーバ

<現状>

マイカープローブ等

A社

B社

タクシー

(1)プローブ情報の共通化(経済産業省と連携して実施)

各社サーバ

(2)プローブ情報の高度化

車両情報

環境負荷の計測

正確な渋滞情報

リアルタイム経路情報提供

GPS

アクセル

ブレーキ

速度変化

大容量化

リアルタイム化

C社

位置・時刻

・・・

<概要>

情報の集約

社会全体としての活用

・・・

プローブ情報※の共通化・高度化により、交通渋滞の低減に資する効率的な交通情報収集・配信を実現 (H22~H24)

プローブ情報 共通化

二酸化炭素排出量の削減

38

環境負荷軽減のためのITS情報通信技術の実証

39

処理アルゴリズム 処理アルゴリズム

通信プロトコル 700MHz帯無線機

700MHz帯無線機 LLC SAP

CLP※アーキテクチャ

○700MHz帯近距離移動体通信システムを利用したセンタレス型のプローブ情報システムを開発し、交通情報や低燃費走行可能経路情報等をドライバに提供することによって、CO2の削減を実現する。

○700MHz帯によるセンタレスプローブ情報システムのためのリンク層サービスアクセスポイント(LLC SAP)、通信プラットフォームアーキテクチャ、これを支援するための通信プロトコルについて技術規格の策定を目指す。

目的・概要

技術規格の策定

イメージ図

※CLP:Center-Less Probe vehicle system

慶応義塾大学、アイシン精機㈱、㈱アイ・トランスポート・ラボ、NECソフト㈱、㈶日本自動車研究所の5機関へ委託

実施体制

700MHz帯を用いたセンタレスプローブ情報システムの研究開発

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

CVIS/SAFESpot/Coopers

ASV4

SmartWay

DSSS

ITS戦略研究プラン (US運輸省)

ITSアクション・プラン (EU委員会)

VII

IT新改革戦略 (IT戦略本部)

CtoC_CC

ASV3

COMeSafety

IntelliDrive

40

新たな情報通信技術戦略 (IT戦略本部)

VSC-A

eSafetyイニシャティブ

SAFETEA-LU

日米欧のITS無線システム関連政策・プロジェクト

国際調和の方向性

C2C/C2I

Network

Active

Safety

C2C/C2I

Transport

システムアーキテクチャ

PHY/MAC/LLC

IPv6

MIP/NEMO

UDP/TCP

Traffic

Efficiency Infotainment

IEEE1609

COMeSafety

C2C-CC

ARIB

米国 欧州 日本

標準化活動

IEEE802.11

ETSI

ASV-4/DSSS/

Smartway VSC/VII アプリ層

ネットワーク層

SAE J2735 ETSI TC ITS

ISO/TC204

WG16

CALM

ISO22837

物理層

■日米欧における標準化に向けた状況

通信方式等の標準化については、ネットワーク層を含めた検討が重要。

また、複数アプリケーションに効率よく対応するための検討および標準化も重要。

システムアーキテクチャについても、諸外国の動向を踏まえた検討が重要。

○ 日本で現在検討を進めている通信方式(RC-006※)について、変調方式・アクセス方式は米欧で検討中の方式との共通性がある。

○ 日本においてもまだ検討すべき部分(隠れ端末対策、上位プロトコル等)があり、我が国で検討しているアプリケーションに基づく要求条件を満たすことを前提に、可能な範囲で米国及び欧州で検討されている方式と調和を図ることが重要。

物理層は日米欧共通性有

41 ※RC-006: 700MHz帯を利用した運転支援通信システムの実験用ガイドライン(ITS FORUM RC-006)

要検討

(参考)日米欧における無線システムの比較

日本 北米 欧州

規格・委員会 RC-006 IEEE802.11p/1609.x draft C2CCC/ETSI ES202 663 draft

使用周波数 715~725MHz 5.850~5.925GHz 5.875~5.905MHz(割当済分)

ch数 10MHz×1ch 10MHz×7ch (20MHz幅オプションあり) 10MHz×3ch(割当済分)

変調方式 直交周波数分割多重方式(OFDM)

伝送速度 3~18Mbit/s 3~27Mbit/s(10MHz幅)/

6~54Mbit/s(20MHz幅)

3~27Mbit/s

送信電力 20dBm(給電) 23~33dBm(EIRP)

アクセス方式 CSMA/CA

アクセス制御拡張 DCF (Distributed

Coordination Function)

DCF

加えてPCF(Point Coordination Function)の扱いも検討中

隠れ端末対策

検討中

RTS/CTSによる優先制御も使用可能

時刻同期 GPSにより標準時刻(UTC)を取得し、TSF(Time Sync. Function)を使って同期

検討中

通信形態 単向同報通信

(ACKなしのブロードキャスト)

単向同報通信、一対多通信、単信一対一通信

(ACKなしのブロードキャスト、マルチキャスト、ACKありのユニキャスト)

上位プロトコル 今後検討必要 WAVEプロトコル、IP C2CCC独自、IP

※RC-006: 700MHz帯を利用した運転支援通信システムの実験用ガイドライン(ITS FORUM RC-006) 42

安全運転支援無線システムの国際標準化に向けた取組

ITS情報通信システム推進会議

国際標準化推進WG

(2009.6設置)

ARIB

欧州委員会(EC)

ETSI

欧州 アジア 日本

GSC IEEE

TIA

ITS-TG

AWF (APT無線フォーラム)

APT

米国

第14回GSC(2009.7)において、 ・ITS-TFの検討課題に700MHz帯 ITS無線システム等を追加 ・ARIBがITS-TF議長へ就任

○ 安全運転支援無線システムの国際標準化に向けて、国内の標準化推進体制を構築するとともに、アジア、欧州等との連携体制を強化し、ITU-R等への標準化提案を積極的に推進。

ITU-R 国際標準化

※GSC:Global Standards Collaboration

日米欧の標準化団体が集まりグローバルな標準化について議論する集まり。

参加

参加

日本からITSを検討するタスクグループの立ち上げを提案し、承認。

(2009.9設置)

CEN

C2CCC

ITS無線システムの国際標準化対応のWGを設置

・・・

IEEE802.11pの国際標準化

総務省 (MIC)

ITS Task Force

※ TIA: Telecommunications

Industry Association

(米国電気通信工業会)

・・・

アジア、欧州等と連携し、安全運転支援無線システムの国際標準化を推進

協力確認

(2009.9)

協力合意

(2009.10)

ITS-TF議長

(2009.7)

TG設置提案

(2009.9)

安全運転支援システムに関する提案(2009.11)

43

日・ブラジルICT国際ワークショップ

日時:平成22年3月8日~9日 場所:トランスアメリカ (ブラジル サンパウロ) 参加人数:約200名 概要:日本、ブラジルの政府関係者、

専門家等が参加し、ITSを始めとする移動通信システムの政策や技術開発等の取組について情報交換を実施。

日・インドICT技術セミナー

日時:平成21年5月19日~22日 場所:オベロイホテル (インド ニューデリー) 参加人数:約125名 概要:総務省、国土交通省及び国内の

ICT関係事業者等とインド通信IT省電気通信局関係者、電気通信事業者等が参加し、ETCをはじめとする日本のITSに関する取組等を広く紹介。

ベトナム・ETCワークショップ

日時:平成22年3月25日 場所:ヒルトン・ハノイオペラホテル (ベトナム ハノイ) 参加人数:約60名 概要:日本のETCの技術基準や導

入に向けたノウハウ等を紹介するため、総務省、国土交通省及び民間各社と共同でワークショップを開催。

日・マレーシアITSセミナー

日時:平成22年11月24日 場所:スリ・パシフィックホテル (マレーシア クアラルンプール) 参加人数:約300名 概要:各国のITS政策の概要、ITS技術等の紹介を実

施。日本からは、ITSを活用した広範囲な道路交通情報提供や公共交通機関との連携など、多様なサービスが可能である旨説明。

ETC/ITSの国際展開

44

インド ベトナム マレーシア

1.導入・ 検討状況

○ デリー/グルガオン間の高速道路で欧州方式が採用済

○ ノイダ橋で赤外線方式が採用済

○ ホーチミン/ハノイ間を結ぶ高速道路を建設中

○ ホーチミン周辺で、欧州方式と赤外線方式のトライアルを実施中

○交通運輸省がETC規格を検討中

○ 赤外線方式及び電子マネーが高速道路料金所で導入済

○ クアラルンプール周辺料金所でDSRC方式の導入に向け日本方式と欧州方式のトライアル(技術評価)を実施中

2.働きかけ 状況

2009.3 インド高速道路庁とハイデラバード環状自動車道公社の幹部が訪日。国土交通省において意見交換及び日本方式をPR。(総務省からも参加)

2009.5 日印ICT技術セミナー(総務省主催)を開催。河内総括審議官がダット交通省次官を訪問し、日本方式をPR。(国土交通省からも出席)

2009.7 堂道大使が道路交通省ナート大臣の就任表敬した際に日本方式をPR

2009.1 アジア太平洋移動通信セミナー(NICT

主催)の参加に合わせて交通運輸省を訪問し、日本方式をPR(総務省)。

2009.2 ベトナム交通省の視察団が訪日。国土交通省において意見交換及び日本方式をPR。 (総務省からも参加)

2009.3 ベトナムITSセミナー(総務省主催)を開催(国土交通省からも出張)

2009.7 ホーチミン/ゾーゼイ高速道路向けITS計画(ODA)の事前審査が発表され、Active方式が仕様に反映

2009.8 ベトナム国交省向けITS標準化支援を実施(JICA)

2009.12 交通運輸省ドゥック副大臣を表敬(国土交通省と連携)

2008.6 公共事業省ズィン大臣が国土交通省冬柴大臣を表敬し、ETCを含む道路政策等について意見交換を実施。

2009.1 アジア太平洋移動通信セミナー(NICT

主催)の参加に合わせて高速道路庁を訪問し、日本方式をPR(総務省)。

2009.5 日本方式のトライアルを開始

2009.8 吉田電波部長がシャジマン公共事業大臣を訪問し、日本方式をPR(国土交通省からも出席)

2009.11 ベトナムITSセミナーを開催。ITSJapanとITSマレーシアがMoU締結

2010.4 鳩山総理よりナジブ首相に対し日本方式ETC採用に向けた働きかけ

3.今後の 予定等

○ハイデラバード外環道路建設事業ITS導入支援プロジェクト入札開始

○日本ETC方式を含むITSの円借款案件(ホーチミン=ゾーゼイ区間)の入札開始

○技術評価の検討中

○ インド、マレーシア、ベトナムを中心とするアジア各国における高速道路整備に合わせて、日本方式ETCを国際展開を推進中(国土交通省と連携)。

○ 上記アジア各国の他、その他国への導入可能性について調査等を行い、世界各国に展開

○日本方式ETC展開活動と今後の予定等

アジア各国へのETCシステムの導入活動

45

世界の主要ETCシステムの現状

方式名 アクティブDSRC (日本方式)

パッシブDSRC (欧州方式)

赤外線方式

1. 国際標準 ITU-R 勧告 M.1453-2 (Layer-1) ISO標準 15628 (Layer-2,7), ISO14906(Application

interface)

ISO標準21214

2. 地域標準 [ARIB標準]

STD-T75, STD-88

[CEN標準]

ENV 12253 etc.

3. 通信方式 アクティブ方式 (車載器自ら電波を発射)

パッシブ方式 (基地局の電波を反射)

アクティブ方式 (車載器自ら光を発射)

4. 周波数帯 5.8GHz 5.8GHz 赤外線

5. 伝送速度 下り 1Mbps /4Mbps ※高速 500Kbps 1Mbps

上り 1Mbps /4Mbps 250Kbps 1Mbps

6. 通信距離 4m ~30m ※高機能・ 拡張性

5m程度 4 mから 数10m

7. 非接触 ICカードの利用 有り ※高機能 無し 有り

8. 車載器の単価 (競争的なレベルとなるよう検討中) $ 20 $ 60~70

9.ベンダー数 9 社(三菱重工等) 5 社(カプシュ社等) 1 社(エフコン社)

10.採用国 日本 欧州:18カ国 オーストラリア 等

台湾 等

※他に北米方式あり 46