26
コスタリカにおける雇用契約解除、 休暇と給与に関する留意点 2010 10 日本貿易振興機構(ジェトロ) メキシコセンター

コスタリカにおける雇用契約解除、 休暇と給与に関 …コスタリカにおける雇用契約解除、 休暇と給与に関する留意点 2010年10月 日本貿易振興機構(ジェトロ)

  • Upload
    others

  • View
    6

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

コスタリカにおける雇用契約解除、

休暇と給与に関する留意点

2010 年 10月

日本貿易振興機構(ジェトロ)

メキシコセンター

はじめに

本報告書では雇用主が留意すべきコスタリカの労働関連規則のうち雇用契約の解除に関

する事項を中心に取り上げた。今日コスタリカでは労働関連法規が整備され、雇用契約の解

除について規則が定められている。コスタリカの労働関連法規は労働者保護に重きを置いて

おり、雇用契約を解除する際には労働者の権利を侵害することのないよう留意する必要があ

る。本報告書がコスタリカで事業を展開している、あるいは今後事業展開を検討する各位の

お役にたてば幸いである。

2010年 9月

日本貿易振興機構(ジェトロ)

メキシコセンター

本報告書の利用についての注意・免責事項

本報告書は、日本貿易振興機構(ジェトロ)サンホセ事務所が弁護士事務所KPMG Abogados

S.A.に委託し作成したものである。本書の記述、所見、結論、および提言は必ずしもジェト

ロの見解を反映したものではない。 海外の制度・規制等は日々変化するため、最新の情報

は必ずご自身で確認願いたい。

ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付随

的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失責任、

あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負わない。これは、

たとえ、ジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様である。

目次

I.労働関連法規................................................................ 1

II.解雇 ...................................................................... 1

1.解雇の種類................................................................ 1

2.労働者への退職金支給 ...................................................... 2

3.実際例 ................................................................... 5

III.職務不能.................................................................. 6

1.概要 ..................................................................... 6

2.労働者の権利と義務 ........................................................ 6

3.補助金支給方法............................................................ 7

4.職務不能のための補助金の性質 .............................................. 7

5.職務不能期間中の労働者の解雇の可能性 ...................................... 7

IV.休暇 ...................................................................... 8

1.概念 ..................................................................... 8

2.休暇の取得................................................................ 8

3.休暇期間中の給与額の算出方法 .............................................. 8

4.休暇の分割................................................................ 9

5.禁止事項 ................................................................. 9

V.遅刻に対する罰則........................................................... 10

VI.給与 ..................................................................... 10

1.最低賃金 ................................................................ 10

2.昇給 .................................................................... 10

3.減給 .................................................................... 10

VII.労働関連法規入手先ホームページアドレス一覧 ................................ 11

VIII.本報告書で言及した法規条項の原文一覧 .................................... 12

1

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

I.労働関連法規

本報告書作成に際して以下の労働関連法規を参照した。コスタリカの労働関連法規は労務

問題について必ずしも明確な解を示さないことから、手続きの実際や労務問題の解釈につい

ては過去の判例を参照する必要がある。またコスタリカの労働関連法規は労働者保護に重き

を置いている点に留意する必要がある。

憲法(Constitución Politica de Costa Rica)

労働法(Código de Trabajo)

労働者保護法(Ley de Protección al Trabajador)

民間企業における年末賞与に関する法(Ley de Aguinaldo para la Empresa Privada)

コスタリカ社会保険庁法

(Ley Constituiva de la Caja Costarricense de Seguro Social)

コスタリカ社会保険庁の健康保険に関する規則

(Reglamento del Seguro de Salud de la Caja Costarricense de Seguro Social)

判例(Jurisprudencia)

II.解雇

1.解雇の種類

解雇事由により以下のとおり 2種類の解雇がある。

① 労働者に起因する事由による雇用契約の解除(正当解雇)

② 雇用主による一方的な労働契約の解除(不当解雇)

(1)正当解雇(労働者の責任による解雇)

労働者が法律や雇用契約、雇用主が定める就労規則などに背いた場合、その解雇は正当と

言える。正当解雇は一切の事前通知を必要とせず、労働者の過失を知った時点で雇用主の責

に帰さずして解雇することができる。労働法 81条は「雇用主に責任が生じることなく労働

者を解雇するための事由」を次のとおり規定している。

ア. 労働者が勤務時間中に反道徳行為や侮辱行為、非難中傷を公然と行ったり、雇用主に

対し反抗的な態度をとったりした場合。

イ. 労働者が勤務中に規律を乱したり、作業を中断したりするなどの行為を繰り返し行っ

た場合。

ウ. 勤務地外かつ勤務時間外で、故意でなくても労働者が雇用主や所属長に対し業務遂行

のための協調や調和を不可能にするような侮辱行為や非難中傷をした場合。

エ. 労働者が雇用主の所有物(権)に対し、直接損害を与えるような犯罪、間違いを犯し

た場合。または間接的に機械や工具、原料、商品、さらには業務に直接的かつ確実に関

連するものに損害を与えた場合。

2

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

オ. 労働法 71 条 g)項が言及する「秘密」を暴露した場合。

カ. 労働者が絶対にその責を免れ得ない過失または不注意によって職場の安全またはそこ

にいる人の安全を脅かした場合。

キ. 労働者が正当な理由なしに雇用主の許可なく 2 日間続けて欠勤した場合。または暦上

同じ月に 1日おきに 2 日以上欠勤した場合。

ク. 労働者が事故や病気を予防するための手順の順守を明確に、かつ度重なり否定した場

合。業務効率の最大化のために雇用主または所属長により明確に提示された規則の順守

を拒否した場合。

ケ. 雇用主が一度警告したにもかかわらず、労働法 72条 a)b)c)d)e)項で言及している予期

される原因により過失を犯した場合。

コ. 労働者が契約書に署名する際、明らかに有していない特技や適正、知識があるように

振る舞い雇用主に誤認させた場合や後に虚偽が確認されるような履歴書や参考資料を

提出した場合。就労中に契約した業務内容を遂行できない精神的、身体的無能が露見し

た場合。

サ. 労働者が確定判決により投獄される場合。

シ. 労働者が雇用契約書により課された義務に対しいかなる深刻な過失を犯した場合。

雇用契約書にも正当解雇となりうる過失を規定することができる。労働法 81条の定めに

ないが雇用契約書または就業規則に正当解雇となり得る過失を規定している場合、雇用主が

労働者の過失について知見を得た時点から労働者を解雇するまでに 1カ月の期間を要する。

また解雇理由を示した文書を用意する必要がある。

(2)不当解雇(雇用主責任による解雇)

不当解雇とは、解雇理由が法律により認められている「雇用者に責任が生じることなく解

雇できる事由」のいずれにも当てはまらないものをいう。コスタリカには、妊娠中または授

乳中の女性、労働組合特権に守られている労働者、未成年を扱う場合を除いては、いつ何時

でも労働者を解雇する自由が認められており、この場合の解雇は雇用者の一方的な意思によ

る。前述の 3つの例外のうち前者 2つの場合には解雇理由が存在する必要がある。また全て

の例外において解雇に特別な手続きが必要となる。

2.労働者への退職金支給

労働者は退職金の給付を受ける権利を有する。退職金を算出するためには「基本給」と「時

間外給与」、その他全ての支払いを基に算出する必要がある。同様に「特別給与」も考慮し

なければならない。「特別給与」は金銭による報酬ではなく、いかなる利益による報酬、雇

用主による諸経費の支払い(例えば携帯電話を支給しその電話代を負担している場合など)

の全部または一部からなる。特別給与は享受した利益と同等の価値を有する。その価値が定

義されていない場合は、労働法 166 条の定めに従って、現金支給された給与額の 50%に相当

3

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

する金額と評価されることになる。

(1)正当解雇における解雇金

労働者の解雇が雇用契約書および(または)就労規則、労働法 81条の定めに基づいてい

るのであれば、労働者は事前通知および退職手当の給付を受け取る権利を失う。

しかし解雇事由が何であれ、雇用者は労働者に対し有給休暇残の買い上げおよび年末手当

を支払わなければならない。

ア.休暇買い上げ

全ての労働者は就労期間が 50週を超えた後、最低でも年間 2週間の休暇取得の権利を得

る。両者が合意すれば 2 週間以上の休暇を取得することも認められている。

雇用契約終了時に就労期間が 50週に満たない場合でも労働者は 1カ月につき最低 1日の

休暇を取得する権利を得る。労働者が法定最低休暇日数より多くの休暇を享受することで合

意していた場合、月当たりの休暇日数はその合意日数をもとに案分して算出しなければなら

ない。仮に労働者が 40週の就労期間あたり 3週間の休暇を得る権利があった場合、満1ヵ

月毎に 1日半の休暇の権利を得ることになる。4週間の休暇の権利を与えた場合には月毎に

2 日の休暇の権利を与えることになり、以後同様に算出される。

休暇買い上げ金額は、就労期間の最後の 50週間、就労期間がそれに満たない場合は権利

を有する期間に支給された基本給および時間外給与の平均より算出される。

イ.年末手当

年末手当とは、労働の対価として給与を支払う全ての民間セクターにおいて雇用主が労働

者に対し毎年 12 月 20日までに支払う「付随的な給与」のことである。

労働者は基本的に満 1 ヵ月分の給与を受け取る。その額は前年 12月からそれを受け取る

年の 11 月までの 12カ月間に受け取った基本給および時間外給与の合計額を 12で案分する

ことによって得られる。

雇用契約の終了時に労働者は就労期間の基本給および時間外給与の平均支給額を基に、受

け取った額の合計を 12で案分して算出した額を受け取る権利を有する。

(2)不当解雇

労働者が正当な理由なく解雇される場合、以下の労働給付金を受け取る権利を有する。

ア.事前通知

契約期間が明示されていない雇用契約においては事前通知を行うだけで正当な理由なし

に雇用関係を終了することができる。労働法 28条は事前通知について次のとおり定めてい

る。契約期限が明示されていない契約を終了する場合、解雇の 1週間から 1 カ月前に事前通

知をしなければならないが、賠償金を支払うことにより事前通知を省略して即日解雇するこ

4

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

ともできる。その場合、賠償金額は契約終了日から直近 6カ月間に労働者に支払われた平均

給与額を基に算出される。

イ.退職手当

契約期間が明示されていない契約において正当な理由なく契約を終了する場合には退職

手当の支払いが義務付けられる。労働法 29条によると、退職手当は以下の方法で算出され

なければならない。

就労期間が 3カ月以上、6カ月未満の場合、給与の 7日分に相当する金額

就労期間が 6カ月以上 12カ月未満の場合、給与の 14日に相当する金額

就労期間が 1年以上の場合、以下の表に従った日数に相当する金額

勤務年数 1年以上:19.5 日

勤務年数 2年または1年 6カ月以上:20日

勤務年数 3年または 2年 6カ月以上:20.5 日

勤務年数 4年または 3年 6カ月以上:21日

勤務年数 5年または 4年 6カ月以上:21.24 日

勤務年数 6年または 5年 6カ月以上:20.5 日

勤務年数 7年または 6年 6カ月以上:22日

勤務年数 8年または 7年 6カ月以上:22日

勤務年数 9年または 8年 6カ月以上 22日

勤務年数 10年または 9年 6カ月以上:21.5日

勤務年数 11年または 10年 6カ月以上:21日

勤務年数 12年または 11年 6カ月以上:20.5 日

勤務年数 13年およびそれ以上:20 日

8 年以上の就労期間がある場合でも 8年分を超える退職手当は補償されない。しかし、労

働者保護の原則に基づきその上限をさらに増やすか、または上限を撤廃するかを雇用契約で

取り決めることもできる。

退職手当を算出する際は労働法 30条の記述も併せて考慮しなければならない。労働者保

護法が発効する以前に勤務を開始した労働者の場合は、8年分を最大に就労年数 1年あたり

1 カ月分(30 日)の退職手当を支払わなければならないとする旧労働法 29条を考慮した「複

合計算」をしなければならない。

ウ.休暇買い上げおよび年末手当の支給

前述の「正当解雇」の項で説明したとおり、雇用主は労働者の就労期間に応じた未消化の

有給休暇の買い上げおよび年末手当を支給しなければならない。

5

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

3.実際例

本項では労働者に支給する退職給付金の算出方法を明確にするため、事例に基づき解説す

る。ここでは関連する全ての法律が定める退職給付金を適用した不当解雇の例を取り上げる。

(事例)

ある労働者が 2002年 1 月 1日に X社に勤務し始めた。2007年 8月 29日、5年 8カ月勤務

した時点で X 社は雇用者の都合で彼を解雇することを決めた。最後の 6 カ月の平均月給は

2,200 ドルで、日給 73.33 ドル(2,200 ドル÷30日)に相当する。彼は債権や特別給与、そ

の他一切の追加的な保障を受け取っていなかった。2006 年 12 月 10 日に最後の年末手当を

受け取り、2006 年の終わりに全ての有給休暇を利用した(50週に対し 2週間)。

有給休暇買い上げ

有給休暇残日:8日

最後の 50週の平均日給:$73.33

休暇に相当する金額:8×$73.33=$586.67

年末手当

2006 年 12月から退職月までの給与累計額:$19,800

年末手当に相当する金額:$19,800÷12=$16,500

退職手当

最後の 6カ月の平均日給:$73.33

勤務年数:6年(5年目以降、8 カ月を経過しているので勤務年数 6年となる)

支払い日数:勤務年数 5 年または 4年 6カ月以上:21.24日×6年=127.44 日

退職手当に相当する金額:$73.33×127.44=$9,345.17

事前通知

最後の 6カ月の平均日給:$73.33

事前通知に相当する金額:=$2,200

注)就労期間が 1年を超える労働者の場合、事前通知は給与 1カ月分である。

合計:$13,781.84

6

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

III.職務不能

1.概要

労働者が病気により業務を遂行できない場合、3カ月を超えない期間は労働者の責に帰す

ることなく雇用契約が一時停止される。ただし、病気により業務が遂行できないことをコス

タリカ社会保険庁(CCSS)の医師を通じて雇用主に証明する必要がある。雇用契約は一次停

止されてもその効力を維持するため、職場への出勤を除き契約が定める労働者が果たすべき

義務を遂行しなければならない。

労働者の病気により雇用契約が一時停止された場合、雇用者は労働者が完全に復帰するま

で休暇を与える義務を負う。また全ての雇用主は労働者を CCSSの社会保険に加入させる義

務がある。CCSSへの労働者の登録は、労働者が CCSSの健康保険へ加入することを意味する。

健康保険は憲法 177条が定める国民の普遍的な権利であり、これに関する規則により全て

の国民に保証するものである。ここで言う規則とは「コスタリカ社会保険庁の健康保険に関

する規則」である。同規則は健康保険の適用、財務、権利、義務、関連する裁量までを規定

している。

同規則 15条は、職務不能による欠勤のための補助金について規定している。この補助金

の目的は同規則 28条に示されているとおり、病気による職務不能または産休による一時的

な収入減少を埋め合わせるものである。

2.労働者の権利と義務

(1)主な権利

前述のとおり業務遂行に支障をきたすことが証明された、一般的な病気を患った労働者は、

仕事に復帰できるよう雇用契約を労働者の責に帰することなく留保する権利を有する。

同様に業務遂行を妨げる一般的な病気を患い、社会保険の被保険者である労働者は病気に

対する補助金を受ける権利を有する。

(2)病気の証明

労働者は業務遂行を困難にした病気に罹患したことを雇用主に証明する義務を有する(労

働法 79 条)。その業務不能の状態を CCSS の医師による診断書によって証明しなければなら

ない。適用される基準は CCSSの医師または CCSS 理事会によって認められるので、個人開業

医により認められた職務不能を受け入れるか否かは雇用主の裁量によって決められる。

(3)通知義務

労働者は雇用主に対し、欠勤の連絡および職務不能の診断結果の通知を即時行われなけれ

ばならない。診断書を提出するなど適切な方法で雇用者に職務不能を通知すること、理由説

明をすることは雇用契約上、労働者の果たすべき善意と責務であると裁判所は結論付けてい

る。判例によると、労働者による通知および職務不能の正当化は、雇用主がその利害関係に

対応することができるよう欠勤の 2日前までに行わなければならない。

7

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

労働法 81 条 g)節にある、雇用者の許可なくまた正当な理由なく連続して 2 日間、また

は暦上同じ月に 2日以上欠勤した場合は解雇の理由となり得るとの解釈から判断して、少な

くとも 2日間と解釈できる。

3.補助金支給方法

労働者が病気を患い業務遂行が困難となった場合は給与を支給する義務はないが、補助金

を支給しなければならない。業務遂行が困難となった最初の 3日間は、労働法 79条及び労

働・社会保険省(Ministerio de Trabajo y Seguro Social)の各種ガイドラインに基づき

雇用主は少なくとも給与額の 50%に相当する補助金を労働者に支給しなければならない。企

業によっては労働者に対するインセンティブとして給与額の 100%に相当する補助金を支給

している。

職務不能の 4 日目以降、補助金は CCSS から労働者に直接支給される。CCSS から支払われ

る補助金は職務不能から直近 3 カ月間、雇用者によって提出された給与支払い台帳

(Planilla)に記載されている給与額の 60%となる。一般的に、多くの企業が CCSS の補助

金とは別に補助金を支給し、労働者が月額給与と変わらぬ収入を得られるようインセンティ

ブを与えている。(例:CCSS補助金が担保しない月額給与の 40%分を企業が補助金として支

給)。

最初に職務不能となってから 30日経過せずに再び職務不能の状態に陥った場合、CCSSの

補助金は再び職務不能になった 1日目から支払われる。これは労働法 35条を根拠としてい

る。

4.職務不能のための補助金の性質

雇用主および CCSSから受け取る補助金は、年末手当、有給休暇、退職金、事前通知や社

会保険料、所得税を算出する際の加算対象ではなく給与とは見なされない。

5.職務不能期間中の労働者の解雇の可能性

雇用主は、労働者が職務不能になってから 3カ月経過した後にその労働者を雇用主責任に

より解雇する権利を得る。その場合、解雇は雇用主が事前通知や退職金の支払いなど、法律

に基づいた給付金の全項目を満たさなければならない。

退職給付金算出の就労期間には職務不能であった期間も考慮しなければならない。例えば

労働者が 4カ月勤務し 6 カ月職務不能であった場合には、その就労期間は合計で 10カ月に

なる。

8

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

IV.休暇

1.概念

休暇は疲労回復のための休息を労働者に与える目的を有する。疲労回復のための休息とは、

肉体労働者の体力を回復することおよび知的労働者の思考の散漫を取り除くことの両方と

理解できる。これは年間を通じた勤務中に消耗した体力をその年の有給休暇中に回復させる

ことを目的とした、全ての労働者に与えられた権利によるものである。

全ての労働者は 15週間続けて勤務した後、最低 2週間の年間有給休暇を取得する権利を

有する。雇用主と労働者は 2週間を超える有給休暇を取り決めることができるが、2週間を

下回ることは絶対にできない。

労働時間、日数、週数が法律で認められている上限に満たない場合でも、休暇の権利は全

ての労働者に与えられるものである。仮に労働者が雇用主と週 2日のみの雇用契約を有して

いた場合でも労働者に休暇を与えなければならない。

2.休暇の取得

職場の秩序維持や労働者によるサービスの提供を担保するため、雇用主は労働者に休暇時

期を指定する責務を負う。同時に労働者の休息の効果にも気を配る義務がある。労働法 155

条の定めに基づき雇用主は労働者の就労期間が50週間を超えてから15週間以内にこれをし

なければならない。

仮に労働者が休暇期間中に病気などの理由により職務不能状態に陥った場合、雇用者は職

務不能により労働者が享受できなかった休暇日数を再度享受させる義務を負う。

また休暇期間中に給与の支払い義務がある祝祭日がある場合、休暇期間から祝祭日を差し

引き、追加しなければならない。

また労働法 161 条に基づき休暇取得承認の証拠書類を残しておかなければならない。(労

働者の名前、申請した日、日付、署名など)。労働監督当局の要請に対して雇用主がそれら

証拠書類を示せなければ、休暇は与えられなかったと推定される。

3.休暇期間中の給与額の算出方法

(1)雇用期間中

休暇期間中に労働者が受け取る給与の計算は以下の方法に沿って行わなければならない。

ア. 50週間に労働者が受け取った全ての基本給および時間外手当を合計する。

イ. 合計額を 50週間で除することにより、平均週給が得られる。

ウ. 平均週給を雇用契約に定める労働者の権利である休暇取得可能週数(一般的には 2週

間)を掛ける。これが休暇中に労働者に支払わなければならない給与である。

(2)雇用契約終了時における休暇買い上げ

いかなる理由で雇用契約を終了する場合でも、就労期間が 50週間に達する前において労

働者が与えられた有給休暇の権利を享受していなかった場合、1カ月の就労につき最低 1日

9

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

の休暇を労働者から買い上げなければならない。計算方法は以下のとおりである。

ア. 就労期間に労働者が受け取った全ての基本給および時間外手当を合計し、それを就労

月数で除することにより労働者の平均月給が算出される。

イ. 労働者が 15 日単位または月単位で給与を支給されている、営業に従事している、雇

用者が休日、祝祭日を含めて給与を支払うことを習慣としている場合は、平均月給を

30(日)で、給与の支給が週、日、時間単位で行われている場合は、26(日)で割る

ことによりその労働者の平均日給が得られる。

ウ. この平均日給に未消化の休暇日数を掛けて得られた額が休暇買い上げ金額となり、こ

の日数は常に労働月数に対応していなければならない。

4.休暇の分割

休暇を分割取得することはできないが、労働法 158 条は以下を条件に休暇の分割取得を例

外として認めている。

a) 両者の合意があること。

b) 労働者に委ねられている業務が、休暇の分割取得によっても業務の停滞または遅延の原

因にならない性質であること。

休暇取得時期を聖週間(Semana Santa)の祝日や年末年始の時期に合わせることで労働者

と合意しているケースが多い。

5.禁止事項

(1)休暇期間中の労働の禁止

労働法は休暇中の労働を禁止している。労働法 156 条に定める例外を除いて休暇を金銭で

補償することはできない。また労働者は休暇を享受するべきとの労働法の精神に基づき、休

暇期間中の労働を許可することも禁止されている。

(2)休暇累積の禁止

原則休暇を累積(繰り越し)することはできないが、労働法 159 条は例外を定めている。

立法者の意図は、労働者がその対象期間中に休暇を取得することを保証するというものだが、

休暇の累積禁止の例外を以下のとおり定め、1度だけ休暇の累積を認めている。

ア. 労働者の担当業務を一時的な手段で代替できなかった場合

イ. 労働者が業務の都合により勤務地を変えるため家族と離れて生活しなければならな

い状況にあった場合

また労働法 156 条 c)項はやむを得ない事情により休暇を取得できない場合には法定最低

休暇日数(2 週間)を超える給与(ただし 3期 6週間を超えないこと)を支払い補償するこ

とも認めている。ただし、これを休暇の累積や補償を認めるものと理解してはならない。同

条項は、労働者は休暇を毎年享受するものでありこれを取得させることを雇用者の義務とし

ている。

10

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

V.遅刻に対する罰則

労働者は雇用契約が定める時間、場所で業務に服さねばならない。判例によれば、正当な

理由がなく遅刻が繰り返される場合はそれを解雇の理由として正当化することができる。労

働者の遅刻常習性や時間に対する正確性の欠如を予見することはできないことから、労働法

第 81 条は遅刻を「雇用主責任によらない解雇の原因」と明示していない。しかし、遅刻常

習性は重大な欠如の要因となり得ることから先述のとおり解雇の理由として正当化するこ

とができる。

VI.給与

1.最低賃金

最低賃金は雇用主が労働者に対して支払うべき最低限の報酬であり、法によりこれを下回

ることは認められない。また労働者との合意に基づき労働の対価として支払われる最低限の

給与である。

雇用主は労働者の給与額を定める自由を有するが、法により最低賃金を下回る給与を定め

ることはできない。労働法 163条は「給与額は自由に設定されるが、この法に基づき最低賃

金を下回ることはできない。」と規定している。コスタリカ憲法も 57条、177 条で最低賃金

の権利を保護している。

2.昇給

最低賃金は 6 カ月毎に労働・社会保険省の特別委員会により改定される。政令(Decreto)

が定める労働者の職種、職責毎の最低賃金に基づき 6カ月毎に賃金を引き上げることは全て

の雇用者の義務である。なお最低賃金を超える給与を享受している労働者についてはその限

りではない。

最低賃金を超える給与を享受している場合でも、雇用者と労働者の合意に基づく昇給、物

価上昇や生活コストを考慮した昇給は当然あり得る。この場合、昇給額は最低賃金の上昇率

を超える必要はない。

3.減給

雇用主は労働条件を常時、一方的に修正することができるが、雇用契約における重要事項

(給与、勤務時間、労働者の権利)については除外される。ただし、労働法は雇用契約にお

ける重要事項の内容を定義していないため、ここに掲げた定義は過去の判例によるものであ

る。重要事項の一方的な修正は雇用者による不当な行為であり、雇用者責任の解雇の原因と

なり得る。ただし、雇用者責任の解雇に伴う退職金等の支払いの他に損害罰は科されない。

結論は、雇用主による減給はできないということである。雇用主が減給しようとすること

は労働者の権利を侵害する行為であり、労働者は雇用契約を終了し雇用主に対して労働の対

価を請求する正当な権利を有する。労働者の権利が侵害された場合の退職は労働法 70 条 i

項、83 条 i項により認められている。

11

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

VII.労働関連法規入手先ホームページアドレス一覧

本資料「I.労働関連法規」で掲げた法規を以下のウェブサイトで閲覧することができる。

コスタリカ労働・社会保険省ウェブサイト※ http://www.mtss.go.cr/

コスタリカ社会保険庁ウェブサイト http://www.ccss.sa.cr/

コスタリカ検察庁法令情報システム(SCIJ) http://www.pgr.go.cr/Scij/

コスタリカ国会 http://www.asamblea.go.cr/

本資料「VI.給与」で触れた最低賃金は 6カ月毎に改定される。最低賃金はコスタリカ労

働・社会保険省ウェブサイトか官報で確認することができる。

コスタリカ労働・社会保険省ウェブサイト※ http://www.mtss.go.cr/

官報「La Gaceta」 http://www.gaceta.go.cr/

※2010年 9月 30日現在ウェブサイト再構築作業中のため最低賃金のみ閲覧することができ

る。

12

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

VIII.本報告書で言及した法規条項の原文一覧

労働法(Código de Trabajo)28 条

ARTÍCULO 28.- En el contrato por tiempo indefinido cada una de las partes puede ponerle

término, sin justa causa, dando aviso previo a la otra, de acuerdo con

las siguientes reglas:

a) Después de un trabajo continuo no menor de tres meses ni mayor de

seis, con un mínimo de una semana de anticipación;

b) Después de un trabajo continuo que no exceda de seis meses y no

sea mayor de un año, con un mínimo de quince días de anticipación,

y

c) Después de un año de trabajo continuo con un mínimo de un mes de

anticipación.

Dichos avisos se darán siempre por escrito, pero si el contrato fuere

verbal, el trabajador podrá darlo en igual forma en caso de que lo

hiciere ante dos testigos; y pueden omitirse, sin perjuicio del auxilio

de cesantía, por cualquiera de las partes, pagando a la otra una cantidad

igual al salario correspondiente a los plazos anteriores.

Durante el término del aviso el patrono estará obligado a conceder un

día de asueto al trabajador, cada semana, para que busque colocación.

労働法 29条

ARTÍCULO 29.- Si el contrato de trabajo por tiempo indeterminado concluye por despido

injustificado, o algunas de las causas previstas en el artículo 83 u

otra ajena a la voluntad del trabajador, el patrono deberá pagarle un

auxilio de cesantía de acuerdo con las siguientes reglas:

1. Después de un trabajo continuo no menor de tres meses ni mayor de seis,

un importe igual a siete días de salario.

2. Después de un trabajo continuo mayor de seis meses pero menor de un

año, un importe igual a catorce días de salario.

3. Después de un trabajo continuo mayor de un año, con el importe de días

de salario indicado en la siguiente tabla:

a) AÑO 1 19,5 días por año laborado.

b) AÑO 2 20 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

13

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

c) AÑO 3 20,5 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

d) AÑO 4 21 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

e) AÑO 5 21,24 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

f) AÑO 6 21,5 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

g) AÑO 7 22 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

h) AÑO 8 22 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

i) AÑO 9 22 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

j) AÑO 10 21,5 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

k) AÑO 11 21 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

l) AÑO 12 20,5 días por año laborado o fracción superior a seis meses.

m) AÑO 13 y siguientes 20 días por año laborado o fracción superior a seis

meses.

4. En ningún caso podrá indemnizar dicho auxilio de cesantía más que los

últimos ocho años de relación laboral.

5. El auxilio de cesantía deberá pagarse aunque el trabajador pase

inmediatamente a servir a las órdenes de otro patrono.

労働法 30条

ARTÍCULO 30.- El preaviso y el auxilio de cesantía se regirán por las siguientes reglas

comunes:

a) El importe de los mismos no podrá ser objeto de compensación, venta o

cesión, ni podrá ser embargado, salvo en la mitad por concepto de

pensiones alimenticias;

b) La indemnización que corresponda se calculará tomando como base el

promedio de salarios devengados por el trabajador durante los últimos

seis meses que tenga de vigencia el contrato, o fracción de tiempo menor

si no se hubiere ajustado dicho término;

c) La continuidad del trabajo no se interrumpe por enfermedad, vacaciones,

huelga legal y otras causas análogas que, según este Código, no rompen

el contrato de trabajo, y

Será absolutamente nula la cláusula del contrato que tienda a interrumpir la

continuidad de los servicios prestados o por prestarse.

14

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

労働法 70条

ARTÍCULO 70.- Queda absolutamente prohibido a los patronos:

a) Inducir o exigir a sus trabajadores a que compren sus artículos de

consumo a determinados establecimientos o personas;

b) Exigir o aceptar dinero de los trabajadores como gratificación para

que se les admita en el trabajo o por cualquier otra concesión o

privilegio que se relacione con las condiciones de trabajo en general;

c) Obligar a los trabajadores, cualquiera que sea el medio que se adopte,

a retirarse de los sindicatos o grupos legales a que pertenezcan, o

influir en sus decisiones políticas o convicciones religiosas;

d) Retener por su sola voluntad las herramientas u objetos del trabajador,

sea a título de indemnización, garantía o de cualquier otro no

traslativo de propiedad;

e) Hacer colectas o suscripciones obligatorias en los establecimientos

de trabajo;

f) Portar armas en los lugares de trabajo, excepto en los casos especiales

autorizados debidamente por la ley. La sanción en este caso será la

que determina el artículo 154 del Código de Policía;

g) Dirigir los trabajos en estado de embriaguez o bajo cualquier otra

condición análoga;

h) Omitir, en tratándose de fincas rurales, el plazo de que habla el

artículo 691, párrafo final, del Código de Procedimientos Civiles, en

caso de desalojamiento por cesación del contrato de trabajo u otro

motivo, e

i) Ejecutar cualquier acto que restrinja los derechos que el trabajador

tiene conforme a la ley.

労働法 71条

ARTÍCULO 71.- Fuera de las contenidas en otros artículos de este Código, en sus

Reglamentos y en sus leyes supletorias o conexas, son obligaciones de

los trabajadores:

a) Desempeñar el servicio contratado bajo la dirección del patrono o de

su representante, a cuya autoridad estarán sujetos en todo lo

concerniente al trabajo;

b) Ejecutar éste con la intensidad, cuidado y esmero apropiados, y en la

15

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

forma, tiempo y lugar convenidos;

c) Restituir al patrono los materiales no usados y conservar en buen estado

los instrumentos y útiles que se les faciliten para el trabajo; es

entendido que no serán responsables por deterioro normal ni del que

se ocasione por caso fortuito, fuerza mayor, mala calidad o defectuosa

construcción;

d) Observar buenas costumbres durante sus horas de trabajo;

e) Prestar los auxilios necesarios en caso de siniestro o riesgo inminente

en que las personas o intereses del patrono, o de algún compañero de

trabajo están en peligro, nada de lo cual le dará derecho a remuneración

adicional;

f) Someterse a reconocimiento médico, sea al solicitar su ingreso al

trabajo o durante éste, a solicitud del patrono, para comprobar que

no padecen alguna incapacidad permanente o alguna enfermedad

profesional, contagiosa o incurable; o a petición de un organismo

oficial de Salubridad Pública o de Seguridad Social, con cualquier

motivo;

g) Guardar rigurosamente los secretos técnicos, comerciales o de

fabricación de los productos a cuya elaboración concurran directa o

indirectamente, o de los cuales tenga conocimiento por razón del

trabajo que ejecutan; así como de los asuntos administrativos

reservados, cuya divulgación pueda causar perjuicios al patrono, y

h) Observar rigurosamente las medidas preventivas que acuerden las

autoridades competentes y las que indiquen los patronos, para seguridad

y protección personal de ellos o de sus compañeros de labores, o de

los lugares donde trabajan.

労働法 72条

ARTÍCULO 72.- Queda absolutamente prohibido a los trabajadores:

a) Abandonar el trabajo en horas de labor sin causa justificada o sin

licencia del patrono;

b) Hacer durante el trabajo propaganda político-electoral o contraria a

las instituciones democráticas del país, o ejecutar cualquier acto que

signifique coacción de la libertad religiosa que establece la

Constitución en vigor;

c) Trabajar en estado de embriaguez o bajo cualquier otra condición

16

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

análoga;

d) Usar los útiles y herramientas suministrados por el patrono, para

objeto distinto de aquél a que están normalmente destinados, y

e) Portar armas de cualquier clase durante las horas de labor, excepto

en los casos especiales autorizados debidamente por las leyes, o cuando

se tratare de instrumentos punzantes, cortantes o punzo-cortantes que

formaren parte de las herramientas o útiles propios del trabajo.

La infracción de estas prohibiciones se sancionará únicamente en la

forma prevista por el inciso i) del artículo 81, salvo el último caso

en que también se impondrá la pena a que se refiere el artículo 154 del

Código de Policía.

労働法 79条

ARTÍCULO 79.- Igualmente es causa de suspensión del contrato, sin responsabilidad para

el trabajador, la enfermedad comprobada que lo incapacite para el normal

desempeño de sus labores durante un período no mayor de tres meses.

Salvo lo dicho en disposiciones especiales o que se tratare de un caso

protegido por la Ley de Seguro Social, la única obligación del patrono

es la de dar licencia al trabajador, hasta su total restablecimiento,

siempre que éste se produzca dentro del lapso indicado, y de acuerdo

con las reglas siguientes:

a) Después de un trabajo continuo no menor de tres meses, ni mayor de seis,

le pagará medio salario durante un mes.

b) Después de un trabajo continuo mayor de seis meses pero menor de nueve,

le pagará medio salario durante dos meses, y

c) Después de un trabajo continuo mayor de nueve meses, le pagará medio

salario durante tres meses.

Es entendido que a estos casos se aplicará lo dispuesto en el artículo

30 y que el patrono durante la suspensión del contrato podrá colocar

interinamente a otro trabajador.

労働法 81条

ARTÍCULO 81.- Son causas justas que facultan al patrono para dar por terminado el

contrato de trabajo:

17

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

a) Cuando el trabajador se conduzca durante sus labores en forma

abiertamente inmoral, o acuda a la injuria, a la calumnia o a las vías

de hecho contra su patrono;

b) Cuando el trabajador cometa alguno de los actos enumerados en el inciso

anterior contra algún compañero, durante el tiempo que se ejecutan los

trabajos, siempre que como consecuencia de ello se altere gravemente

la disciplina y se interrumpan las labores;

c) Cuando el trabajador, fuera del lugar donde se ejecutan las faenas y

en horas que no sean de trabajo, acuda a la injuria, a la calumnia o

a las vías de hecho contra su patrono o contra los representantes de

éste en la dirección de las labores, siempre que dichos actos no hayan

sido provocados y que como consecuencia de ellos se haga imposible la

convivencia y armonía para la realización del trabajo;

d) Cuando el trabajador cometa algún delito o falta contra la propiedad

en perjuicio directo del patrono o cuando cause intencionalmente un

daño material en las máquinas, herramientas, materias primas,

productos y demás objetos relacionados en forma inmediata e indudable

con el trabajo;

e) Cuando el trabajador revele los secretos a que alude el inciso g) del

artículo 71;

f) Cuando el trabajador comprometa con su imprudencia o descuido

absolutamente inexcusable, la seguridad del lugar donde se realizan

las labores o la de las personas que allí se encuentren;

g) Cuando el trabajador deje de asistir al trabajo sin permiso del patrono,

sin causa justificada durante dos días consecutivos o durante más de

dos días alternos dentro del mismo mes-calendario.

h) Cuando el trabajador se niegue de manera manifiesta y reiterada a

adoptar las medidas preventivas o a seguir los procedimientos indicados

para evitar accidentes o enfermedades; o cuando el trabajador se niegue

en igual forma a acatar, en perjuicio del patrono, las normas que éste

o su representante en la dirección de los trabajos le indique con

claridad para obtener la mayor eficacia y rendimiento en las labores

que se están ejecutando;

i) Cuando el trabajador, después de que el patrono lo aperciba por una

vez, incurra en las causales previstas por los incisos a), b), c), d)

y e) del artículo 72;

j) Cuando el trabajador al celebrar el contrato haya inducido en error

18

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

al patrono, pretendiendo tener cualidades, condiciones o conocimientos

que evidentemente no posee, o presentándole referencias o atestados

personales cuya falsedad éste luego compruebe, o ejecutando su trabajo

en forma que demuestre claramente su incapacidad en la realización de

las labores para las cuales ha sido contratado;

k) Cuando el trabajador sufra prisión por sentencia ejecutoria; y

l) Cuando el trabajador incurra en cualquier otra falta grave a las

obligaciones que le imponga el contrato.

Es entendido que siempre que el despido se funde en un hecho sancionado

también por las leyes penales, quedará a salvo el derecho del patrono

para entablar las acciones correspondientes ante las autoridades

represivas comunes.

労働法 83条

ARTÍCULO 83.- Son causas justas que facultan al trabajador para dar por terminado su

contrato de trabajo:

a) Cuando el patrono no le pague el salario completo que le corresponda,

en la fecha y lugar convenidos o acostumbrados. Quedan a salvo las

deducciones autorizadas por la ley;

b) Cuando el patrono incurra durante el trabajo en falta de probidad u

honradez, o se conduzca en forma reñida con la moral, o acuda a la

injuria, a la calumnia o a las vías de hecho contra el trabajador;

c) Cuando un dependiente del patrono o una de las personas que viven en

casa de éste, cometa, con su autorización expresa o tácita, alguno de

los actos enumerados en el inciso anterior contra el trabajador;

d) Cuando el patrono directamente o por medio de sus familiares o

dependientes, cause maliciosamente un perjuicio material en las

herramientas o útiles de trabajo del trabajador;

e) Cuando el patrono o su representante en la dirección de las labores

acuda a la injuria, a la calumnia o a las vías de hecho contra el

trabajador fuera del lugar donde se ejecutan las faenas y en horas que

no sean de trabajo, siempre que dichos actos no hayan sido provocados

y que como consecuencia de ellos se haga imposible la convivencia y

armonía para el cumplimiento del contrato;

f) Cuando el patrono, un miembro de su familia, o su representante en la

19

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

dirección de las labores u otro trabajador esté atacado por alguna

enfermedad contagiosa, siempre que el trabajador deba permanecer en

contacto inmediato con la persona de que se trate;

g) Cuando exista peligro grave para la seguridad o salud del trabajador

o de su familia, ya sea por carecer de condiciones higiénicas el lugar

de trabajo, por la excesiva insalubridad de la región o porque el

patrono no cumpla las medidas de prevención y seguridad que las

disposiciones legales establezcan;

h) Cuando el patrono comprometa con su imprudencia o descuido inexcusable,

la seguridad del lugar donde se realizan las labores o la de las personas

que allí se encuentren;

i) Cuando el patrono viole alguna de las prohibiciones contenidas en el

artículo 70, y

j) Cuando el patrono incurra en cualquier otra falta grave a las

obligaciones que le imponga el contrato.

La regla que contiene el párrafo final del artículo 81 rige también a

favor de los trabajadores.

労働法 155条

ARTÍCULO 155.- El patrono señalará la época en que el trabajador gozará de sus

vacaciones, pero deberá hacerlo dentro de las quince semanas

posteriores al día en que se cumplan las cincuenta de servicio continuo,

tratando de que no se altere la buena marcha de su empresa, industria

o negocio, ni la efectividad del descanso.

労働法 156条

ARTÍCULO 156.- Las vacaciones serán absolutamente incompensables, salvo las

siguientes excepciones:

a) Cuando el trabajador cese en su trabajo por cualquier causa, tendrá

derecho a recibir en dinero el importe correspondiente por las

vacaciones no disfrutadas.

b) Cuando el trabajo sea ocasional o a destajo.

c) Cuando por alguna circunstancia justificada el trabajador no haya

disfrutado de sus vacaciones, podrá convenir con el patrono el pago

del exceso del mínimo de dos semanas de vacaciones por cada cincuenta

semanas, siempre que no supere el equivalente a tres períodos

20

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

acumulados. Esta compensación no podrá otorgarse, si el trabajador

ha recibido este beneficio en los dos años anteriores.

Sin perjuicio de lo establecido en los incisos anteriores, el patrono

velará porque sus empleados gocen de las vacaciones a las cuales

tengan derecho anualmente. En todo caso, se respetarán los derechos

adquiridos en materia de vacaciones.”

労働法 158条

ARTÍCULO 158.- Los trabajadores deben gozar sin interrupciones de su período de

vacaciones. Estas se podrán dividir en dos fracciones, como máximo,

cuando así lo convengan las partes, y siempre que se trate de labores

de índole especial, que no permitan una ausencia muy prolongada.

労働法 159条

ARTÍCULO 159.- Queda prohibido acumular las vacaciones, pero podrán serlo por una sola

vez cuando el trabajador desempeñare labores técnicas, de dirección,

de confianza u otras análogas, que dificulten especialmente su

reemplazo, o cuando la residencia de su familia quedare situada en

provincia distinta del lugar donde presta sus servicios. En este último

caso, si el patrono fuere el interesado de la acumulación, deberá

sufragar al trabajador que desee pasar al lado de su familia las

vacaciones, los gastos de traslado, en la ida y regreso respectivos.

労働法 161条

ARTÍCULO 161.- De la concesión de vacaciones, así como de las acumulaciones que se

pacten dentro de las previsiones del artículo 159, se dejará testimonio

escrito a petición de patronos o de trabajadores.

Tratándose de empresas particulares se presumirá, salvo prueba en

contrario, que las vacaciones no han sido otorgadas si el patrono, a

requerimiento de las autoridades de trabajo, no muestra la respectiva

constancia firmada directamente por el interesado, o a su ruego por

dos compañeros de labores, en el caso de que éste no supiere o no pudiere

hacerlo.

労働法 163条

ARTÍCULO 163.- El salario se estipulará libremente, pero no podrá ser inferior al que

21

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

se fije como mínimo, de acuerdo con las prescripciones de esta ley.

労働法 166条

ARTÍCULO 166.- Por salario en especie se entiende únicamente lo que reciba el

trabajador o su familia en alimentos, habitación, vestidos y demás

artículos destinados a su consumo personal inmediato.

En las explotaciones agrícolas o ganaderas se considerará también

remuneración en especie el terreno que el patrono ceda al trabajador

para que lo siembre y recoja sus productos.

Para todos los efectos legales, mientras no se determine en cada caso

concreto el valor de la remuneración en especie, se estimará ésta

equivalente al cincuenta por ciento del salario que perciba en dinero

el trabajador.

No obstante lo dispuesto en los tres párrafos anteriores, no se

computarán como salario en especie los suministros de carácter

indudablemente gratuito que otorgue el patrono al trabajador, los

cuales no podrán ser deducidos del salario en dinero ni tomados en

cuenta para la fijación del salario mínimo.

憲法(Constitución Politica de Costa Rica)57条

ARTÍCULO 57.- Todo trabajador tendrá derecho a un salario mínimo, de fijación periódica,

por jornada normal, que le procure bienestar y existencia digna. El

salario será siempre igual para trabajo igual en idénticas condiciones

de eficiencia.

Todo lo relativo a fijación de salarios mínimos estará a cargo del

organismo técnico que la ley determine.

憲法 177 条

ARTÍCULO 177.-La preparación del proyecto ordinario corresponde al Poder Ejecutivo

por medio de un Departamento especializado en la materia,,,. cuyo jefe

será de nombramiento del Presidente de la República, para un período

de seis años. Este Departamento tendrá autoridad para reducir o suprimir

cualquiera de las partidas que figuren en los anteproyectos formulados

por los Ministerios de Gobierno, Asamblea Legislativa, Corte Suprema

de Justicia y Tribunal Supremo de Elecciones. En caso de conflicto,

decidirá definitivamente el Presidente de la República. Los gastos

presupuestados por el Tribunal Supremo de Elecciones para dar

22

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

efectividad al sufragio, no podrán ser objetados por el Departamento

a que se refiere este artículo.

En el proyecto se le asignará al Poder Judicial una suma no menor del

seis por ciento de los ingresos ordinarios calculados para el año

económico, Sin embargo, cuando esta suma resultare superior a la

requerida para cubrir las necesidades fundamentales presupuestas por

ese Poder, el Departamento mencionado incluirá la diferencia como

exceso, con un plan de inversión adicional, para que la Asamblea

Legislativa determine lo que corresponda.

Para lograr la universalización de los seguros sociales y garantizar

cumplidamente el pago de la contribución del Estado como tal y como

patrono, se crearán a favor de la Caja Costarricense de Seguro Social

rentas suficientes y calculadas en tal forma que cubran las necesidades

actuales y futuras de la Institución. Si se produjere un déficit por

insuficiencia de esas rentas, el Estado lo asumirá, para lo cual el Poder

Ejecutivo deberá incluir en su próximo proyecto de Presupuesto Ja

partida respectiva eme le determine como necesaria la citada

Institución para cubrir la totalidad de las cuotas del Estado.

El Poder Ejecutivo preparará, para el año económico respectivo, los

proyectos de presupuestos extraordinarios, a fin de invertir los

ingresos provenientes del uso del crédito público o de cualquier otra

fuente extraordinaria.

Artículo 177 - Transitorio.—El porcentaje a que se refiere el artículo

177 para el Presupuesto del Poder Judicial se fijará en una suma no menor

del tres y un cuarto por ciento para el año 1958, en una suma no menor

del cuatro por ciento para el año 1959 y en una suma no menor del uno

por ciento más para cada uno de los años posteriores, basta alcanzar

el mínimo del seis por ciento indicado".

Artículo 177 (párrafo tercero) - Transitorio.—La Caja Costarricense del

Seguro Social deberá realizar la universalización de los diversos

seguros puestos a su cargo, incluyendo la protección familiar en el

régimen de enfermedad y maternidad, en un plazo no mayor de diez años.

contados a partir de la promulgación de esta reforma constitucional.

23

Copyright © 2010 JETRO. All rights reserved.

コスタリカ社会保険庁の健康保険に関する規則

(Reglamento del Seguro de Salud de la Caja Costarricense de Seguro Social)15 条

ARTÍCULO 15.-De las Prestaciones.

El Seguro de Salud cubre, de acuerdo con las regulaciones que adelante

se indican, las siguientes prestaciones:

a) Atención Integral a la Salud.

b) Prestaciones en Dinero.

c) Prestaciones Sociales.

El contenido de dichas prestaciones, será determinado según las

posibilidades financieras de este Seguro.

同規則 28条

ARTÍCULO 28.-Del propósito de los subsidios por incapacidad o licencia.

El subsidio por incapacidad o por licencia de maternidad, tiene el

propósito de sustituir parcialmente la pérdida de ingreso que sufra el

asegurado directo activo por causa de incapacidad por enfermedad o de

licencia por maternidad.