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Urban and Regional Planning System Lab., Tohoku University 1 広域連携の実態と課題 ―日本とドイツにおける取組事例- 姥浦 道生 (東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻) 資料-1 Urban and Regional Planning System Lab., Tohoku University 2 1、はじめに 1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

広域連携の実態と課題 ―日本とドイツにおける取組 …...Urban and Regional Planning System Lab., Tohoku University 1 広域連携の実態と課題 ―日本とドイツにおける取組事例-

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広域連携の実態と課題―日本とドイツにおける取組事例-

姥浦 道生(東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻)

資料-1

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1、はじめに

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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広域連携の必要性

QOLの低下

都市機能整備水準の低下

人口減少

単一自治体でのフルセット機能の

整備・維持が困難に(機能整備の可能性

の低下)

自治体財政の悪化

(少子)高齢化

・自治体合併?・広域連携?

要求される都市機能の高度化(機能維持・整備の必要性)

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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広域連携の類型(1)

垂直的・水平的協働

近接隣接する複数の自治体が、その規模の差異に依拠せず同レベルの機能を具備(受益・負担)することによって、住民サービスの補完や対外的活動の強化を図る連携態様

例)同規模の施設相互利用・観光政策・ネットワーク形成

注)・円の大きさは自治体の規模を表す・色が濃いほど高次の都市機能を表す

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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広域連携の類型(2)

垂直的機能分担同一都市圏内に中心都市と周辺自治体がある場合に、中心都市のみがより高次の都市機能を有し、その圏域を周辺自治体にも及ばせることを通じて地域全体におけるQOLを維持・向上させる連携態様

例)医療施設・文化施設・商業施設の整備・立地、中心ー周辺都市間の図書館間相互貸借

注)・円の大きさは自治体の規模を表す・色が濃いほど高次の都市機能を表す

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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広域連携の類型(3)

水平的機能分担

近接・隣接した類似規模の複数の自治体が、同一の圏域を対象とした(すなわち同次元の)、それぞれ異なる都市的機能を計画的分野横断的相互補完的に整備・維持させる連携態様

中心都市が複数あるような地域におけるより高次の都市機能の整備・維持の可能性

注)・円の大きさは自治体の規模を表す・色が濃いほど高次の都市機能を表す

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

水平的市町村連携

垂直的市町村連携

機能分担協働

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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2、ドイツにおける広域連携

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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ドイツの都市・地域計画システム

州計画(Landesplan)

州計画(Landesplan)

地域計画(Regionalplan)

地域計画(Regionalplan)

自治体レベル

州レベル

地域レベル

自治体土地利用計画(F-Plan)

自治体土地利用計画(F-Plan)

地区詳細計画(B-Plan)

地区詳細計画(B-Plan)

地区レベル

都市計画制度(建設法典・広域計画法)

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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中心地理論

クリスタラーの中心地理論

中心地=市場、補完地域=市場圏と定義し、ある一つの財について購買者が自由意思で購入地点を選択するものとすると、中心地の勢力圏である補完地域が六角形で蜂の巣上に分布することが均衡解であること、かつそれらが階層構造(ヒエラルキー)になっていることを実証的に明らかにする

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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計画理論:中心地システム

中心地システム

中心地:周辺地域の住民に対して物やサービスを供給する施設の立地場所

(特に)広域計画において数段階(ヒエラルキー構造)で指定→【垂直的連携】

都市施設・インフラ整備の実施内容に間接的ながらも強い影響

財政面での直接的補助あり(例:ブランデンブルク州では中位中心地に対して年間約1億円のヒモ

なし交付金)

中心地の階層

整備すべき施設の内容 供給地域

上位 中心地 (Ober-

Zentrum)

・ 特別の高度の需要をカバーするための施設を有する

・ 具体的には、大学、スポーツスタジアム、大規模病院、劇場、大規模百貨店及び特別の買物の可能性、高度なレベルの行政サービス、大銀行等

上位地域

中位 中心地 (Mittel-

Zentrum)

・ 高度の需要をカバーするための施設を有する

・ 具体的には、大学進学のための高校または職業高校、大規模スポーツ施設、多様な買物の可能性

中位地域

下位 中心地 (Unter

zentrum)

小中心地 (Klein-

zentrum)

・ 社会的、文化的、経済的観点からの住民の一般的需要をカバーするための施設を有する

・ 両者の明確な区別はなく、単に「下位中心の方がよりよく整備されているという程度

・ 具体的には、中規模の学校施設、スポーツ・レクリエーション施設、病院や薬局などの医療施設、小売業、手工業、サービス業などを整備

近隣地域

下位中心地中位中心地上位中心地下位中心地

下位中心地機能

中位中心地機能

上位中心地機能

D村C市B市A町

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伝統的中心地システムの補完(1)

「連携中心地」

(人口減少等により)一つの自治体では維持できない機能を例外的に複数の自治体で維持

適切な圏域内の水平的連携による施設整備・維持を意図

但し自治体間の関係性が課題に

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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伝統的中心地システムの補完(2)

都市ネットワーク

空間的・機能的にフレキシブルな、自治体発意による能動的水平的連携

EUにおける地域強化政策を背景に90年代から

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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ブランデンブルク州

ブランデンブルク州

ベルリンの周辺地域

州都:ポツダム市

人口:約250万人(≒宮城県)

面積:約3.0万㎢(≒宮城+山形+福島県)

ベルリン周辺の人口周密地域以外は人口減少・過疎化の進展の著しい農村地帯

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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B-B州計画2009

ベルリン‐ブランデンブルク共同州計画(B-B州計画)

1996年から共同で州計画を策定

2006年に改定手続に入り、09年に計画決定

主な変更点

7段階の中心地指定を首都/上位中心地/中位中心地の3段階

に簡素化

中位中心地の指定基準の緩和

圏域人口3.5万人 → 3万人以上

公共交通1時間圏内 → 自動車アクセス原則30分以内

最終的なゴール

州全域における同等の住民の生活基盤の整備

→「選択と集中」+「集約拠点の分散的配置」

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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B-B州計画2009

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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「垂直的連携」

上位中心地

「上位中心地においては、超広域的意義を有する、生活基盤保障のための高度な空間的機能を集中させるものとする。」

特に「経済・市街地機能」「商業機能」「文化・レクリエーション機能」「行政機能」「教育・研究・保健・社会サービスの供給機能」「超広域的交通結節点機能」

中位中心地

「中位中心地においては、それぞれの圏域を対象として広域的意義を有する、生活基盤保障のための高度な空間的機能を集中させるものとする。」

特に「経済・市街地機能」「商業機能」「文化・レクリエーション機能」「行政機能」「教育・研究・保健・社会サービスの供給機能」「広域的交通結節点機能」

財政調整法による特別支援:約1億円/年

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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Excursion:「垂直的“調整”」

宅地開発

市街地開発は原則として中心地においてのみ認める

中心地以外においては【内発的需要+500㎡/1000人/年】

大規模商業施設

大規模商業施設(床面積1,200㎡以上)の開発は中心地においてのみ認

める。

近隣の中心地の発展・機能を阻害する開発、住民の近隣での提供を阻害する大規模商業施設開発は認められない。

新規の大規模商業施設開発は、その中心地の圏域や機能と整合していなければならない。

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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「水平的連携」 (1995)

連携型中心地

「中位中心地的意義を有する計画及び事業は、機能補完型中位中心地間で相互に調整されるものとする」

指定状況

ベルリン首都圏近郊地帯(1ヶ所)

農村地帯(2ヶ所)

「比較的近距離に位置する中心地が中位中心地的施設に関して相互に補完し、隣接する自治体が共同の中位圏域に供給することができる。それにより、財政状況の厳しさや開発ポテンシャルの縮小を考慮して供給施設を、需要に合致した形で整備するための良い前提条件が創出される」(解説)

しかし 州は連携を促進せず、地域レベルからも自発的動きはなし

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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連携中心地指定の変遷

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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連携中心地の設定

>15km

郡境をまたいで

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「機能分担型中位中心地」

計画文書内の規定

「機能分担型中位中心地に指定された自治体は、共同中位圏域への物やサービスの提供機能を共同で果たすものとし、そのためにそれぞれの中位中心的機能の分担に関して密接な調整を行うものとする。拘束的協調形態はそのための基礎となるものである」

協定の具体的内容の例示

機能整備・拡張の内容

資金確保の方法

組織形態

圏域内の他の自治体との協働の推進方法

=協定・95年計画で連携の進展が不十分だったことを受けて・但し強制まではできず

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協定締結状況

協定締結状況(2010.03現在)

8箇所のうち6箇所において協定締結済み

1箇所では草案作成段階

=「上からの」事実上の「強制」

「連携自治体間の協定が中位中心地機能を確実なものとしているか、また連携の実現状況はどうか」について「計画策定の3年後に再検討する」(計画理由書)

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チューリンゲン州

チューリンゲン州

州都:エアフルト市

人口:約225万人(≒宮城県)

面積:約1.6万㎢(≒岩手県)

州都エアフルト市(20.3万人)と第2の都市イエナ市(10.3万人)、第4の都市ワイマール市(6.5万人)以外ほぼすべての都市で

人口減少

州の大部分を人口減少・過疎化が進展する農村地帯が占める

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チューリンゲン州計画2004

チューリンゲン州計画20041996年から共同で州計画を策定

2006年に改定手続に入り、09年に計画決定

主な変更点6段階の中心地指定を上位中心地/一部上位中心地機能を有する中位中心地/中位中心地/基礎中心地の4段階に簡素化

中位中心地の指定基準

圏域人口 原則3万人以上

公共交通によるアクセス可能性:45分以内/1日3回以上

最終的なゴール多中心型の市街地構造の維持・発展

農村地域における生活基盤の整備・確保

→「選択と集中」+「集約拠点の分散的配置」

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「垂直的連携」

上位中心地

「超広域的意義を有する高度で特別な施設の整備」

具体例:高校、研究所、専門図書館、高次の行政施設・裁判所、会議・メッセ施設、劇場、博物館、、、

中位中心地

「広域的意義を有する幅広い施設の整備」

具体例:基礎教育機関・職業学校、市民大学、専門書を有する公共図書館、低次の行政施設・裁判所、

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「水平的連携」 in チューリンゲン州計画1993

連携型中心地

計画には特段規定なし

指定状況

「一部上位機能を有する中位中心地」2ヶ所

「中位中心地」1ヶ所

「一部中位中心地」1ヶ所

但し「地域開発計画」の策定を推進(プロジェクトマネジメント型)

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「水平的連携」(2004)

「機能分担型中心地」指定

「一部上位中心地機能を有する中位中心地」2ヶ所

「中位中心地」4ヶ所、うち3ヶ所が新規指定(いずれも一部中位中心地からの“昇格”)

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計画文書における連携中心地に関する規定

水平的連携について

「中心地機能は国土整備協定を基礎として、または共通の圏域を対象とした共同F-planの策定のための計画連合の結成を通じて、複数の

自治体によって機能分担的に引き受けられうる(機能分担型中心地)」

モニタリング

「機能分担型中心地の指定は当初は3年間に限定する」

「3年期限の延長は、協定内容実現に関する検討を経た上で行う」

2009年に見直しが行われるが、5ヶ所のうち1ヶ所は条件を満たしていなかったものの、「政治的判断」から

指定維持の結論に

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エルスターヴェルダ地域

エルスターヴェルダ地域

ベルリンの南約110km

人口減少(-1~1.5%/年)

構成自治体

エルスターヴェルダ(E)市(人口約9千人)

鉄道交通の結節点

工業用地を多く有する産業都市

バード-リーベンヴェルダ(BL)市(人口約1.0万人)

温泉保養都市

両自治体間の距離

中心市街地間は約14km(車で15分)

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計画の経緯

2005年計画草案

旧計画策定以降の連携が進展しない一方で人口は減少→州当局の草案では中位中心地から外される

地域計画主体もそれに賛同

2006年議会の代表者からなる調整委員会の設置

連携協定の締結

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協定の内容

目的(第1条)

各自治体が共同中心地の発展目標と整合した開発を進めていくこと

インフラ施設については競合的立地を行わないこと

機能補完(第2条)BL市:温泉・健康・保養・観光都市

E市:経済・学校都市

連携のための整備基本計画の策定(第3条)

それぞれの市が有すべき機能を長期的視点から示した計画の策定

組織(第4条)市長・副市長・部長クラスが年3,4回会合を持つ→連携の具体的内容や進め方についての実務的内容を話し合う

外部コーディネーター等はなし

→実際には政治的に困難で策定されておらず

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具体的連携の状況(1)

学校(E市)

BL市の高等中学校がE市の学校に統合される

E市には州学校法に定める6種類すべての学校がある

両市で計画的協調的に学校施設の集約化を図っているというよりは州の方針に基づきE市に集中してきている実態を結果的に協定に

位置づけている

産業誘致・振興(E市)

BL市においても産業誘致・振興担当が設置

水曜日はBL市とE市の担当者が合同で執務、企業間交流

の促進や共同の企業誘致パンフレット作成などを行う

自治体にとっての重要な財源や雇用を容易には手放せず

「機能分担」というよりは「協働」

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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具体的連携の状況(2)

商業(E市)

商圏が自治体域を超える場合はE市

BL市中心部における5,000㎡の開発→B-Plan策定、調整中

共同F-Plan土地利用に関するマスタープラン(F-Plan)を合同で策定(4条)

各市議会が計画高権の侵害として計画権保持

コスト・ベネフィット調整

費用/植樹の自治体間調整、共同の資金源からの事業の実施などは行われておらず。

但し現在、州からの中位中心地への交付金80万€(約1億円弱)を基金

として共同事業に活用することを検討中

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「協働」事業

観光

川辺・水路周辺空間の共同整備

ウォーキングコース/休憩所の共同整備

観光案内標識の共通化・共同整備

GISの共同利用・管理

土地利用情報の共同利用・管理

都市計画情報の共同利用・管理

インターネット

両市の企業間交流/行政ー企業間交流を促進するための共同のウェブサイトの立ち上げ

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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ザーレボーゲン地域

ザーレボーゲン地域

エアフルト市・イエナ市等の上位中心地から50-60km離れた

「空白」区域

人口は年間約1%ずつ減少

構成自治体

ザールフェルト市(人口2.7万人)

ルドルシュタット市(人口2.4万人)

バード‐ブランケンブルク市(人口0.7万人)

中心市街地間の距離:約10km(車で約10分)

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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連携の内容

ザーレボーゲン地域開発計画(1996)各自治体の機能

産業・居住等の機能は重複しているが、BB市における温泉保養機能、会議・文化機能、S市における広域行政

機能や交通機能など各市固有の機能も

プロジェクトに関する規定

計画策定後4年間で行う予定の具体的事業プロジェクト

についても期間を含めて記載

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連携の組織

ザーレボーゲン都市連合(1997)

市長会議

作業部会

合同会議・市長・議会代表者から構成(人口比)・広域的課題の政治レベルでの調整

・市長から構成・地域の課題に関する情報・意見交換

・市長から構成・地域の課題に関する情報・意見交換

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具体的連携実態(1)

レクリエーションプール・サウナ施設

ルドルシュタット市(観光機能)

大型観光レクリエーション施設に対して総工費2,300万€のうち約1,000万€が州からの補助金

市民ホール

バード・ブランケンブルク市(会議/文化機能)

2千人収容の市民ホールに対して500万€の補助金

駅前広場

ザールフェルト市(交通機能)

駅広・バスターミナルの設置に対して500万€の補助金

単独自治体では整備が困難な広域的都市施設を計画に位置づけることで州等からの補助金を獲得、新規整備(⇔生活利便施設の計画的削減)

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具体的連携実態(2)

共同F-plan州から策定を促されているものの具体的動きはまだ見られず

原因の一つは大規模商業施設の立地コントロール問題→現在広域商業計画を策定して問題解決へ

コスト/ベネフィットの調整

各プロジェクト間でコスト/ベネフィットの調整が行われているものとみなし、特段調整システムは存在せず

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3、日本における広域連携

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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4242

幡多広域圏(高知県宿毛市・四万十市)

幡多広域圏

圏域人口:約10万人

四万十市約3.7万人、宿毛市約2.3万人、土佐清水市約1.7万人

特に土佐清水市の人口減少傾向が顕著

圏域面積が大きい

広域連携の沿革

幡多広域市町村圏事務組合の設立(1969)

ごみ処理、特別養護老人ホーム等の運営、ふるさと市町村圏計画に基づくソフト事業

地方拠点都市地域指定(1994)

県から話がもたらされ、地元市町村が同意

事務組合が市町村から出されてきた要望を取りまとめる

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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幡多広域圏(高知県宿毛市・四万十市)

地方拠点都市地域基本計画

総論

各地域が持つ個性と特性を活かした役割分担により「職」「住」「遊」「学」の魅力ある総合的生活空間を持つ地域として開発整備を進める

各市の機能

中村市:商業・教育・文化

宿毛市:工業生産都市

土佐清水市:国際観光都市

“機能分担”に関する課題

各自治体の既存の整備事業計画を「持ち寄って束ねた」計画

他都市における当該機能を排除する意味までは持たない

生活利便施設ではない (圏域の広さによるアクセス問題)

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幡多地域の定住自立圏構想

複眼的中心市(四万十市+宿毛市)

「四万十市と宿毛市が、相互の連携をより強化しながらマネジメント機能を積極的に担うとともに、都市機能を相互に補完することで中心市としての複眼的な役割を果た」すことを宣言(中心地宣言書)

計画内容

生活機能強化のための取り組み(医療ネットワーク、産業振興、教育文化・・・)

ネットワーク強化の取り組み(地域公共交通、交通インフラ整備)

圏域マネジメント能力強化のための取り組み(人材確保・育成)

中心地間の“機能分担”「明確な役割分担は両市間の勢力争いになる」(市役所職員)

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→垂直的連携・水平的協働には今後取り組む予定

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八幡浜・大洲広域圏(八幡浜・大洲・西予)

八幡浜大洲広域圏

圏域人口約17万人

八幡浜市4.0万人、大洲市5.1万人、西予市4.5万人

各市とも人口減少傾向

広域連携の沿革

八幡浜・大洲地区広域市町村圏協議会の設立(1970)

八幡浜大洲地区運動公園の管理・運営

地方拠点都市地域指定(1993)

計画策定にあたっては県職員も派遣

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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八幡浜・大洲広域圏(八幡浜・大洲・西予)

地方拠点都市地域基本計画

総論:明確な機能分担の思想

「密接な連携によって一体的かつ中核的な都市圏を形成するトライアングルゾーンを構築する」

各市の機能

八幡浜市:商業・業務機能

大洲市:生産・研究機能

宇和町:歴史・文化機能

“機能分担”に関する効果と課題

各市の歴史的・地理的特色を踏まえた内容

具体的施設整備は進行

八幡浜市が「商業核」⇔他市で特段のロードサイド立地制限はせず→八幡浜市の売上3割減・・・

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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八幡浜・大洲広域圏(八幡浜・大洲・西予)

47

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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仙南広域圏(宮城県白石市・大河原町他)

仙南広域圏

圏域人口約19万人

柴田町4.0万人、白石市3.9万人、角田市3.0万人等

大河原町を除き各市町村とも人口減少傾向

広域連携の沿革

仙南地域広域行政事務組合の設立(1970)

消防・廃棄物処理・火葬場に関する事務等の処理

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仙南広域圏(宮城県白石市・大河原町他)

NIMBY施設の分散立地

ごみ処理施設(伊具郡)

リサイクル・最終処分場(刈田郡)

し尿処理(柴田郡)

郡単位の共同処理施設立地の分担

大規模文化施設「えずこホール」

大ホール800席、小ホール300席

県が建設後、組合が管理・運営しているが費用は3町で負担

他の市町には別の文化施設(白石市「ホワイトキューブ」など)

他の自治体の他の機能との分担が計画的に行われているわけではない

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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淡路広域圏(洲本・南あわじ・淡路)

淡路広域圏

圏域人口約15万人

洲本市5.0万人、南あわじ市5.2万人、淡路市4.9万人等

各市とも人口減少傾向

広域連携の沿革

淡路広域行政事務組合の設立(1972)

但し供給処理施設の管理運営の多くは単独、または他の事務組合で

平成の大合併

一島一市案も出されたが反対が多く3市の枠組みに

→消極的な連携への動き

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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淡路広域圏(洲本・南あわじ・淡路)

観光分野における協働

温泉(洲本)、うず潮(南あわじ)、国際会議場・公園(淡路)などの観光資源

観光協会・連盟の統合の動きが出始める

県による連携の働きかけの動き

地域ビジョン・広域都市計画基本方針等の策定→機能分担という発想はない

一部事務組合・市長会等への参加→意思決定はあくまで3市に委ねられている

「県主導型連携」の課題

予算・権限が限定的:影響も限定的

県市ともに「縦割り」→職員が高度な連携調整(水平的機能分担)を行うのは困難

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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定住自立圏構想の基本的枠組み

垂直的機能分担・協働が中心

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

(総務省HPより)

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y定住自立圏における具体的取り組み例

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

(総務省HPより)

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4、まとめ

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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y「連携」のための基礎的条件

基礎的条件:空間的範囲の決定への影響因子

地理的条件

対内的地理的条件(ネットワーク)

対外的地理的条件

歴史的条件

対内的歴史的条件

対内々的歴史的条件

政治的条件

財政的条件

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1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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ドイツにおける広域連携の特色

広 域 政 府

Top Down

財政的支援:計画策定費用補助重点的予算付け交付金 等

人的支援:コーディネーター部局横断的

外部専門家

ア メ ム チ

中心地指定解除再審査

市町村 市町村

Bottom Up

具体的内容は地域で考える

広域計画制度(中心地システム)

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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y広域連携類型別の可能性と課題

協調型連携

例:広域的観光ルートの設定・広域的ネットワークの整備・維持管理

共通の利害関係構造の認識(Win-Winの関係性の構築・認識)

垂直的機能分担型連携

例:中心ー周辺自治体間の公共施設相互利用等

周辺自治体における整備内容調整

圏域拡大による整備機能高度化の可能性⇔中心市の超過負担対策

水平的機能分担型連携

NIMBY系、産業系の機能分担は比較的可能性が高い

プロジェクト型の機能分担も

生活利便施設系(削減型):相当程度ハードルは高い(客観的必要性+主観的許容性)

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ

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重要なのは・・・

トップダウンとボトムアップのミックス

ボトムアップだけに頼っていては難しい

広域政府の役割:「提案」「任意のコーディネート」「強制」

Win – Winの関係性の構築

客観的調査・評価・把握・理解・合意

広域連携の「成長」戦略:低ハードルから高ハードルへ

個別的Win – WinからWin – Loseの集合体へ

「信頼関係の醸成」「学習の積み重ね」「個別分野における実績作り」

当初計画(協定)よりも“その後”の方が重要(モニタリング)

住民理解の獲得

早期・根本的議論からの参加

客観的資料の提示

1、はじめに 2、ドイツにおける広域連携 3、日本における広域連携 4、まとめ