20
1 平成23年度アジア産業基盤強化等事業 (環境配慮型資源開発のための鉱業関係法制度調査) ラオスにおける鉱業事情について (ラオスの鉱業関連法制度調査) 2012年3月16日 JFEテクノリサーチ株式会社

ラオスにおける鉱業事情について (ラオスの鉱業関連法制度 ...mric.jogmec.go.jp/kouenkai_index/2012/briefing_120316_2.pdf2 ラオス鉱業について (ベトナムとカンボジアの鉱業との比較)

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 1

    平成23年度アジア産業基盤強化等事業 (環境配慮型資源開発のための鉱業関係法制度調査)

    ラオスにおける鉱業事情について

    (ラオスの鉱業関連法制度調査)

    2012年3月16日

    JFEテクノリサーチ株式会社

  • 2

    ラオス鉱業について (ベトナムとカンボジアの鉱業との比較)

    ラオス ベトナム カンボジア

    人口(百万人) 6.9(2008年) 85.8 (2009年) 13.4 (2007年)

    国内総生産GDP

    (10億ドル)

    5.6(2009年) 94.0 (2009年) 8.7 (2007年)

    一人当たりGDP(ドル) 885(2009年) 1,096 (2009年) 649 (2007年)

    GDP 成長率(%, 実質,) 7.9%(2005~2009) 7.8% (2002~2006) 9.9% (2002~2007)

    GDP に占める鉱業の割合(%)

    20.3(2008年) 10.6 (2009年) 0.4 (2007年)

    鉱業の就業人口(千人) 12(2005年推定) 431.2 (2008年) 22 (2007年)

    主要鉱物の生産量 (2009年データ)

    金 (5,033kg)

    銅 (121.6千トン)

    亜鉛(3.3千トン)

    石膏(775千トン)

    石灰石(750千トン)

    石炭(600千トン)

    土砂(100千トン)

    (2008年データ)

    石炭(3,850 万トン)

    チタン(50 万トン)

    錫(3,300 トン)

    銅 (4万トン)

    鉄 (210 万トン)

    リン灰石 (283 万トン)

    (2009年データ)

    石灰石(112万トン)

    砕石(108.5 万トン)

    砂(561.4 万m3)

    リン酸塩(8,000 トン)

    (1)ラオス鉱業の比較

  • 3

    ラオスの鉱業関連法規

    政府機関 内容

    計画投資省-投資促進局 ・投資全般の総合窓口(ワンストップユニット)

    天然資源環境省-地質局(DOG)

    ・地質概査、探査、その運営管理(モニタリング)

    ・探査権の許可、採掘権の承認

    天然資源環境省-環境と社会に与える評価局

    ・鉱山開発に係る環境影響評価の審査

    ・鉱山における環境汚染に関する監督検査

    エネルギー鉱山省-鉱山局(DOM)

    ・鉱物資源に関する保護、合理的使用、採掘・加工などに関する戦略、長期計画、政策の策定

    ・鉱業活動に関する外国及び国際組織との協力関係

    労働・社会福祉省-労働管理局

    ・労働法に基づく労働安全衛生、監督

    (1)鉱業関連の政府機関

  • 4

    ラオスの鉱業関連法規

    鉱業政策と鉱業関連法規 内容

    鉱業政策 ラオスの土地は国家のものとなったが、土地使用権は認めている。政府から土地を賃借(リース)または免許権(コンセッション)を取得できる。

    現在、155企業が267の資源開発プロジェクトを実施しているが、探鉱コンセッションの取得のみを行い所定の探鉱活動を行わない転売目的等の鉱業権者や環境や地域社会への影響を無視して鉱業活動を行う鉱業権者も多く現れ、適正な鉱業活動を行っていない者に対してはライセンスを取消す措置を取っている。

    鉱業法(2008年12月に改正、12年一部改訂予定)

    ラオスの鉱物資源の予備調査、概査、探査、採鉱、加工に関する法律として、2008年12月に「鉱業法」の最終改正が行われ、国会決議後、2009年12月に公布されている。昨年2011年の省庁改組により、エネルギー鉱山省から地質局が天然資源環境省へ移管されるなどの変更があり、2012年現在、(数箇所の)条文の見直しが国会審議されている。

    労働法(2006年12月改訂) 労働法は、2006年12月に最終改正されている。鉱山における使用者及び労働者鉱の安全・衛生に関連する条項には第42条などがある。

    環境保護法 環境保護法は、1999年4月に制定されたが、その後2000年10月に環境影響アセスメント規則、翌2001年6月には法施行令が公布されている。

    投資奨励法 投資奨励法は、2009年7月に、従来の外国投資奨励法及び国内投資奨励法を改正して、統一の投資奨励法として成立した。

    (2)鉱業関連法

    2008年改正鉱業法は配布資料「ラオス鉱業法(和訳)」参照

  • 5

    ラオスの鉱業関連法規

    (3)鉱業法の概要 現地踏査

    概査・調査(Prospect ing)

    探査権(Explorat ion )

    実現可能性性調査(Feasibi l i ty Study)

    採掘・採鉱(Min ing)

    内容

    一般地質調査とは、鉱化作用の存在、地質構造の調査、及び基礎的な地質図の作成に関して、鉱物の種類及び鉱物資源地域の分類の参考となる基礎調査ならびに踏査を行うことである。(鉱業法第11条)

    鉱物調査(概査)とは、探査を実現することが可能な地域を明らかにするために行う評価を含め、当該地域の地質の状態及び鉱化の存在を決定するためのデータと情報及び野外活動のことである。(鉱業法第20条)

    鉱物探査とは、鉱床の量とグレードについて知識を得て、採掘に関する経済的な実現可能性及び技術的条件を評価するために実施する地質調査、地球物理学、掘削、坑道掘削、トレンチ工事、ピット掘削、サンプル採取、分析、その他の活動を含む所定の地域における地質構造及び鉱床の調査及び評価のことである。(鉱業法第21条)

    実現可能性調査とは、経済的な実現可能性、環境上及び社会的な影響、採掘に関する技術の調査、処理、市場と販売、及び資金繰りの正当化に関して、鉱床の開発を評価することである。実現可能性調査の期間は1年を超えてはならず、「エネルギー鉱山省(MEM)」の承認に基づいて、1回に限り1年以内で延長することができる。(鉱業法第22条)

    採鉱は、表土の処理、表土のストリッピング、鉱物の掘削、採掘、穿孔、ポンプ輸送、発破、選鉱、移動、及び貯蔵により地表と地下から鉱物を抽出することである。鉱業事業に関しては、極めて効果的で近代的な基準に合致し、環境と社会に対する悪影響を低減する技術を使用するものとする。(鉱業法第23条)

    必須条件

    鉱物事業を実施しようとする目的のある法人は、いかなる特定鉱物に関しても指定された「エネルギー鉱山」部門に予備調査の許可を申請するものとする。予備調査の許可の下における作業は、露頭及び見込みのある鉱化、環境状況を調べ、地表から分析サンプルを採取するため、事務所における机上調査と現地訪問とにより実施することができる。(鉱業法30条)

    「エネルギー鉱山省」は、実現可能性調査に関する報告書を受け取った日から120日以内に、その報告書の受理あるいは拒絶を書面により検討するものとする。この報告書が受理された場合には、「エネルギー鉱山省」は関係部門に対して検討を提案するものとする。(鉱業法第42条)

    申請者に求められる採掘権取得の条件は以下のとおり。(1)財政的、技術的能力を有すること。(2)鉱業活動を実施するに足る経験、経歴の説明。(3)鉱業活動を効率的に進められ、かつ、環境・生態への影響を最小限に出来る経済社会計画の説明(鉱業法第41条)

    鉱区面積

    有効期間

    1年間実現可能性調査の期間は1年を超えてはならず、「エネルギー鉱山省(MEM)」の承認に基づいて、1回に限り1年以内で延長することができる。(鉱業法第22条)

    20年間 採鉱は、本「鉱物法」の第23条に規定するように実施するものとする。鉱業ライセンスの期間は、鉱業ライセンスの取得日から20年を超えてはならず、また1件ごとに国による取り決めにより鉱山の規模に従って5年を超えない範囲で延長することができる。(鉱業法44条)

    更新

    1年間/回×1回の更新が可能鉱物調査のライセンス期間は、調査契約の締結日から2年以内とするものとし、1年の追加期間を延長できる。(鉱業法第36条)

    2年間/回×1回の更新が可能鉱物探査のライセンス期間は、探査契約の締結日から3年以内とするものとし、2年以内の追加期間を延長できる。(鉱業法第36条)

    1年間/回X1回のみ実現可能性調査の期間は1年を超えてはならず、「エネルギー鉱山省(MEM)」の承認に基づいて、1回に限り1年以内で延長することができる。(鉱業法第22条)

    最大5年間/回X1回1件ごとに国による取り決めにより鉱山の規模に従って5年を超えない範囲で延長することができる。(鉱業法44条)

    調査及び鉱物探査に関する投資家の基本的な条件は以下のとおり。(1)企業あるいは会社として、鉱物事業を的確に実施するため設立・登録されていなくてはならい。(2)企業あるいは会社は、規則に従って良好な財務状況を有しており、またその他十分な財源を保有し、担保財産を保有していなくてはならない。(3)企業あるいは会社は、鉱物事業に関連して、良好で健全かつ信頼できる沿革を有していなくてはならない。(4)企業あるいは会社は、調査及び鉱物探査に関する技術スタッフと技術的な経験を有していなくてはならない。 以上に加えて投資家は、提案する地域を決めて、調査及び鉱物探査プログラム、最低支出費用、及び環境アセスメント及び社会影響に関する予備報告書を提出するものとする。 これに加えて、鉱物探査に関する投資家は、鉱物探査に関して提案した地域における鉱物調査の結果に関する報告書を保管することが望ましい。(鉱業法第35条)

    最大500km2 企業あるいは会社は、1ブロックあるいは2ブロックにおいて鉱物の調査を実施することができる。各ブロックは500平方キロメートル以内でなくてはならない。引き続く鉱物調査の承認地域は、実施した鉱物調査活動の結果に基づくものとする。調査活動をすでに実施した地域、及び鉱物調査活動と地質データがすでに存在する地域に関して鉱物探査を実施する企業あるいは会社は、直接その申請を行うことができる。鉱物調査及び探査のライセンスに関する条件、基準及びシステムは、特定の規則に従うものとする。(鉱業法第37条)

    3年間 鉱物の調査あるいは探査に関する申請は、申請書の受領日から90日以内に検討するものとする。申請者は書面により検討結果の通知を受けるものとする。鉱物調査のライセンス期間は、調査契約の締結日から2年以内とするものとし、1年の追加期間を延長できる。鉱物探査のライセンス期間は、探査契約の締結日から3年以内とするものとし、2年以内の追加期間を延長できる。鉱物の調査あるいは探査に関するライセンス期間の延長の条件は、特定の規則及び法律に従うものとする。(鉱業法第36条)

  • 6

    ラオスにおける鉱業関連法規等 の分析と評価

    鉱業関連法規の遵守状況

    1)鉱業関連法規の運用が、上手く実施されていない。

    2)エネルギー・鉱山省鉱山局、労働社会福祉省労働管理局では、担当の職員数不 足などから鉱山に対する監督が十分実施できていない。

    ラオスにおける鉱業制度上の問題点

    1)中央-地方の行政府間の連携が上手く機能していない。

    2)金の違法採掘現場では、精製時のシアン廃液が河川に垂れ流しとなっているという情報が天然資源環境省当局に入っているが、環境汚染の規模や被害発生状況について把握しておらず、積極的な取り締まりも行われていない。

    3)探査権の申請手続きから許可までに相当な時間を要すると共に手数料が不透明である。

    ラオスにおける鉱業関連法規上での問題点

    我が国の鉱業関連法規との比較の結果、次の問題点が認められる。

    1) 鉱山の操業期間中における第三者に対する損害賠償に関しては規定されているが、閉山後における鉱害などの被害発生に対する賠償責任について規定がない。

    2) 閉山後における鉱害防止事業を実施した坑道や捨石又は鉱滓の集積場から基準に適合しない有害物質を含む坑水又は廃水が排出され、それを永続的に処理するための鉱害防止事業及びその実施方法については環境保護法及び鉱業法においても規定がなく、閉山以後における鉱害防止対策に関する概念が法規には取り込まれていない。

  • 7

    ラオスにおいて構築すべき 鉱業制度・法規の提言

    安全・保安の確立 第1ステップでは、行政機関における鉱業検査及び鉱山保安監督の業務に精通した中核的な人材を育成する必要があり、先ずは中核となる鉱業検査官の育成を行う。

    第2ステップでは、彼らが指導者としての立場から部下の育成を行う。

    環境の保護 1)「汚染者負担の原則」から採鉱事業を行った投資者が鉱害防止事業を実施すると共に経費負担の措置を講じる制度を構築する必要がある。

    2)環境影響アセスメントに関する報告書を作成してもらうに当たり、鉱山開発に伴う開坑方式、採掘方法、選鉱方法、鉱業廃棄物の処理方法及び鉱石等の運搬方法などについて環境影響を低減する観点から検討してもらうと共に、特に閉山対策及び閉山後における坑道や捨石又は鉱滓集積場からの坑廃水が排出される可能性と処理対策等に関してガイドラインの整備を図る。

    鉱業関連法の整備 鉱業の特殊性を考慮し、鉱山における安全・保安の確立を目的とする新たな法律を制定する必要がある。

    その構成内容としては、

    「鉱山労働者に対する危害の防止」、「鉱山上使用する機械、器具、建設物及び工作物の保全」及び「鉱害の防止」に関する事項が最小限必要と考えられる。

  • 8

    鉛・亜

    鉛 金

    アル

    ミ(ボ

    ーキ

    サイ

    ト)

    鉄鉱

    マン

    ガン

    ニッ

    ケル 錫

    サフ

    ァイ

    石膏

    粘土

    ・珪砂

    石灰

    カリ

    石炭

    褐炭

    その

    他(レ

    アア

    ース

    A:大

    いに

    ある

    B:あ

    るC

    :多尐

    ある

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    回答件数

    A:大いにある

    B:ある

    C:多尐ある

    ラオス鉱業に対するアンケートに回答頂いた日本の非鉄企業及び商社22社のアンケート結果を紹介する。

    ラオス鉱業に対する 日本企業アンケート結果

    (1)有力鉱物資源

    図1 鉱物資源賦存量の認識

    ラオスにおける鉱物資源については、アンケート回答があった22社中20社が「鉱物資源賦存はある・鉱山開発もある」と考えており、日本企業はラオス鉱物資源賦存(図1参照)とその開発可能性を非常に高く評価しているといえる。

  • 9

    A:現

    在投

    資し

    てい

    る。

    B:過

    去に

    投資

    した

    が現

    在は

    投資

    して

    いな

    C:過

    去、

    現在

    とも

    投資

    して

    いな

    い。

    D:関

    心は

    ある

    。今

    後投

    資予

    定で

    ある

    E:関

    心が

    ない

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    16

    回答件数

    ラオス鉱業に対する 日本企業アンケート結果

    (2)投資環境

    図2 投資判断

    ラオスにおける探査、鉱山開発への投資については、3社は「現在投資している」が、他の16社は「過去、現在とも投資していない」と回答した(図2参照)。前述のとおり多種の鉱種の資源賦存はあるとの認識はあるが、ラオスでの探査、鉱山開発には踏み切れないとの判断である。

  • 10

    A:鉱業関連法制度(運用も含む) 38%

    B:環境規制・その他の制度 19%

    C:税制度 13%

    D:社会環境 25%

    E:その他 6%

    ラオス鉱業に対する 日本企業アンケート結果

    問題点 課題認識

    鉱業関連法制度上の問題点

    ・鉱業権の審査過程が不透明、鉱業権の許認可に時間がかかる。

    ・法制度の問題のみならず、それを運用・管理する「人」の問題が大きい。

    ・鉱山関係の申請および許認可について、システムは近隣諸国と比べて、ラオスのほうが構築されているが、時間がかかりすぎる。

    ・法規が整備されても遵法精神が乏しく恣意的な法運用がなされることが多い。資源ナショナリズムが外資を遠ざけ、結果的にラオスにおける資源開発を遅らせないことを願う。

    インフラ整備の問題点

    ・インフラ (特に港までのアクセス)の整備が重要と考えられる。

    ・道路・鉄道・港湾整備・ユーティリティ等のインフラ整備が不十分。

    鉱物資源規模に見合った整備が望まれる。

    ・労働者・技術者不足。

    情報提供 ・投資案件情報が入手できていない。

    ・どの様な資源がどこに賦存するのか、確度の高い鉱物賦存マップと現存鉱山マップならびに企業リストが欲しい。

    図3 投資問題点の認識

    (3)投資環境の問題点

  • 11

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (1)免許権コンセッション(Concession)の契約時期

    図4 契約時期

    海外企業の鉱区権益・免許権の契約時期の推移を図4に示す。2009年に契約が集中していることが分かる。一方、ラオス国内企業も、2009年前後の海外企業の進出に合わせて権益取得が積極的に始まったものと推察される。ただし、探鉱権の取得のみを行い所定の探鉱活動を行わない転売目的等の鉱業権者や環境や地域社会への影響を無視して鉱業活動を行う鉱業権者も多く現れ、ラオス政府は、適正な鉱業活動を行っていない者に対してはライセンスを取消す措置を取っている。

    海外企業の契約件数の推移

    0123456789

    101112131415

    1993年

    3月

    1994年

    3月

    1995年

    3月

    1996年

    3月

    1997年

    3月

    1998年

    3月

    1999年

    3月

    2000年

    3月

    2001年

    3月

    2002年

    3月

    2003年

    3月

    2004年

    3月

    2005年

    3月

    2006年

    3月

    2007年

    3月

    2008年

    3月

    2009年

    3月

    2010年

    3月

    2011年

    3月

    国内企業の契約件数の推移

    0123456789

    101112131415

    1993年

    3月

    1994年

    3月

    1995年

    3月

    1996年

    3月

    1997年

    3月

    1998年

    3月

    1999年

    3月

    2000年

    3月

    2001年

    3月

    2002年

    3月

    2003年

    3月

    2004年

    3月

    2005年

    3月

    2006年

    3月

    2007年

    3月

    2008年

    3月

    2009年

    3月

    2010年

    3月

    2011年

    3月

    2009年頃 2009年頃

  • 12

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (2)海外企業の免許権コンセッション(Concession)件数

    ラオスには海外企業が121社(194プロジェクト)進出している。その内訳は図5に示すとおりである。 日系は双日・日鉄鉱業、 ラオ・サンサイ・ミネラルズ(三井物産・リオチント(英)の2社が進出している。

    国別の契約件数

    1 1

    70

    3431

    27

    5 4 4 4 2 2 2 1 1 1 1 1 10

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    日本

    日本

    ・イギ

    リス

    中国

    ラオ

    ・中国

    ベト

    ナム

    ラオ

    ・ベト

    ナム

    オー

    スト

    ラリ

    タイ

    ラオ

    ・韓国

    ラオ

    ・タイ

    韓国

    ロシ

    カナ

    イギ

    リス

    台湾

    ペル

    ラオ

    ・オー

    スト

    ラリ

    ラオ

    ・ドイ

    ラオ

    ・ロシ

    件数

    図5 国別の契約件数(海外企業)

  • 13

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    70,000

    80,000

    90,000

    100,000

    イギ

    リス

    ベト

    ナム

    中国

    ラオ

    ー中

    ラオ

    ーベ

    トナ

    オー

    スト

    ラリ

    ラオ

    ・タイ

    韓国

    タイ

    ラオ

    ・オー

    スト

    ラリ

    ラオ

    ・ロシ

    イギ

    リス

    ・日本

    ペル

    日本

    カナ

    台湾

    ラオ

    ・ドイ

    ラオ

    ・韓国

    ロシ

    合計

    面積

    (ha)

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (2)海外企業のコンセッション(Concession)総面積(国別比較)

    図6 国別鉱区面積(海外企業)

    国名 合計面積(ha)イギリス・日本 48,400日本 22,640イギリス 1,970,800ベトナム 1,725,469中国 685,421ラオー中国 507,158ラオーベトナム 348,658オーストラリア 282,120ラオ・タイ 85,861韓国 68,400タイ 60,815ラオ・オーストラリア 58,800ラオ・ロシア 50,000ペルー 42,190カナダ 20,000台湾 18,200ラオ・ドイツ 10,600ラオ・韓国 3,850ロシア 3,118

  • 14

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (2)海外企業のコンセッション(Concession)面積(個別案件比較)

    個別案件の保有面積を見ると、 日系企業であるラオ・サンサイ・ミネラルズ(三井物産・リオ・ティント(英) 48,400ha 、双日・日鉄鉱業(日本)が 22,640ha ですので、単一鉱区としての保有面積としては上位グループといえる。

    0-50

    0050

    00-1

    0000

    1000

    0-20

    000

    2000

    0-30

    000

    3000

    0-40

    000

    4000

    0-50

    000

    5000

    0-60

    000

    6000

    0-10

    0000

    1000

    00-1

    5000

    015

    0000

    -200

    000

    2000

    00-

    イギ

    リス

    イギ

    リス

    ・日

    本日

    本オ

    ース

    トラ

    リア

    中国

    ベト

    ナム

    ラオ

    ー中

    国ラ

    オー

    ベト

    ナム

    05

    101520253035404550

    件数

    鉱区面積(ha)

    国別鉱区面積

    イギリス

    イギリス・日本

    日本

    オーストラリア

    中国

    ベトナム

    ラオー中国

    ラオーベトナム

    図7 国別鉱区面積(海外企業)

  • 15

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    0-50

    0050

    00-1

    0000

    1000

    0-20

    000

    2000

    0-30

    000

    3000

    0-40

    000

    4000

    0-50

    000

    5000

    0-60

    000

    6000

    0-10

    0000

    1000

    00-1

    5000

    0

    1500

    00-2

    0000

    0

    2000

    00-

    石油金

    銅 亜鉛

    アル

    ミ 鉄

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    認可件数

    鉱区面積(ha)分布

    鉱種別の鉱区面積(海外企業)

    石油

    亜鉛

    アルミ

    (2)海外企業のコンセッション(Concession)面積(鉱種別案件比較)

    図8 鉱区面積(海外企業)

    ここでは鉱区面積に着目して分析する。鉱種別では、石油や金銅鉱区を保有している会社が大規模な鉱区を保有している。 日本企業では、ラオ・サンサイ・ミネラルズ(三井物産・リオ・ティント(英)はアルミ(ボーキサイト)鉱区 、 双日・日鉄鉱業(日本)は銅鉱区である。

  • 16

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (3)海外企業のコンセッション(Concession)の進捗

    鉱業概査探査開発段階(海外企業)

    概査27%

    探査35%

    F/S4%

    開発34%

    図9 鉱業概査探査開発段階(海外企業194プロジェクト)

    海外企業による資源開発プロジェクトは121企業194プロジェクトある。2011年6月までのコンセッション194鉱区のうち概査フェーズにあるものが52鉱区(27%)、探査フェーズにあるものが69鉱区(35%)、F/Sフェーズにあるものが7鉱区(4%)、開発フェーズにあるものが66鉱区(34%)ある。

  • 17

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (3)ラオス国内企業のコンセッション(Concession)の進捗

    鉱業概査探査開発段階(ラオス国内企業)

    概査11%

    探査45%

    F/S1%

    開発40%

    建築(建設)3%

    図10 鉱業概査探査開発段階(国内企業73プロジェクト)

    ラオス国内企業による資源開発プロジェクトは34企業73プロジェクトある。2011年6月までのコンセッション73鉱区のうち概査フェーズにあるものが8鉱区(11%)、探査フェーズにあるものが33鉱区(45%)、F/Sフェーズにあるものが1鉱区(1%)、開発フェーズにあるものが29鉱区(40%)、建設中が2鉱区(3%)ある。

  • 18

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    (4)開発事例

    表1 探査権(海外企業)権益(コンセッション)

    会社番号通し番号会社名 国名 事業段階 鉱種 許可面積ha 郡名 地域名 村名1 1 中国 調査 金ほか 191,843

    2 中国 開発 金ほか 2,8512 3 Phoubia Mining Limited オーストラリア 調査 金ほか 119,980 Xiengkhuang and VientianeNo No

    4 Phoubia Mining Limited オーストラリア 調査 金ほか 131,500 Xiengkhuang and VientianeNo No5 Phubia Mining Limited オーストラリア 開発 金ほか 3,600 Vientiane Sayaomboun No6 Phubia Mining Limited オーストラリア 開発 金ほか 4,420 Vientiane Sayaomboun No

    3 7 ラオーベトナム 開発 金 3008 ラオーベトナム 調査 金 2,4009 ラオーベトナム 概査 金 22,600

    4 10 Yunnan Litu Mining Limited ラオー中国 調査 金 6,300 Vientiane SAnakham Namphok5 11 中国 開発 金 18

    12 中国 開発 金 1813 中国 開発 金 1414 中国 開発 金 33

    6 15 Tianjin Haukan Co., Ltd 中国 F/S 金 20016 Tianjin Haukan Co., Ltd 中国 調査 金 400 Luangphabang Pak-ou Phapon

    7 17 Dao Lao Ltd ラオーロシア 概査 金 50,000 Vientiane Sanakham No8 18 Argonaut Resoures (Lao) Ltd オーストラリア 調査 金 22,620 Capital Sangthong Sor,Vangma9 19 Xekong River Mining (Lao) Ltd ラオーオーストラリア 調査 金 58,800 Xekong Kaleum No

    10 20 ラオーベトナム 開発 金 38511 21 ラオーベトナム 概査 金 15,000

    22 ラオーベトナム 概査 金 19,00023 ラオーベトナム 概査 金 9,800

    12 24 ベトナム 調査 金13 25 Green Indochina Mining Joint Venture Company ラオーベトナム 概査 銅 77,300 Attapue Phouvong Ei-Toum

    (以下略)

    表11 鉱業開発プロジェクト例

    155企業267資源開発プロジェクトのうち、開発段階は95プロジェクトになる。

  • 19

    ラオス鉱業の資源開発投資契約の分析

    図12 鉱業開発プロジェクト地図

    薄緑枠線:概査地区

    青枠線:探査地区

    赤枠線開発案件

    濃緑:森林保護地域

    モスグリーン:特別区画

    赤:軍管理区

  • 20

    ご清聴ありがとうございました。

    Thank you for your attention.