セルフ監査のススメ - 日本SPIコンソーシアム...2011/7/22 セルフ監査のススメ現場の、現場による、現場のためのプロセス監査 Ⅱ 2011年7月22日

2011/7/22

セルフ監査のススメ

現場の、現場による、

現場のためのプロセス監査

Ⅱ

2011年7月22日大阪

キヤノンソフトウェア（株）

総合企画本部技術企画部

和良品文之丞

JASPIC夏セミ2011

CopyrightⒸ2011,Canon Software Inc. All rights reserved. 2011/7/22

０．自己紹介

P. 1

和良品文之丞（わらしなぶんのじょう）総合企画本部技術企画部１９８１年４月

氏名所属入社

オフコン、ＰＣのＯＳ、ドライバ開発10年開発部署の管理10年 2000年よりプロセス改善（CMMI）10年

業務経験

情報処理技術者システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、他 SEI Certificated SCAMPI Class A Lead Appraiser

資格


►受賞のポイント

►一般的に現場から嫌がられる監査を、

現場が自ら実施するという改善レベルの高さ

►現場が監査できるようチェックリスト等を工夫した点

SPI Japan 2010 実行委員長賞受賞！

P. 2


１．キヤノンソフトウェア概要

２．背景：プロセス改善概況

３．課題

４．セルフ監査の取り組み

５．セルフ監査実施結果

６．効果

７．今後の課題

目次

P. 3

CMMI、CMM、およびCapability Maturity Modelは、アメリカ合衆国特許商標庁に登録されています。

CMM Integration、SCAMPI、およびSEPGは、カーネギーメロン大学のサービスマークです。


１．キヤノンソフトウェア概要

►資本金： 13億4,800万円

►売上高：252億3,500万円（10/12期連結）

►従業員数：1,616名（09/12末連結）

►事業：

►エンジニアリング事業

►ソリューション事業

►本社所在地：

►東京都港区三田3-9-6

P. 4


１.１．グループ関係図

P. 5


２．背景：プロセス改善概況

P. 6

２.１．プロセス改善の歩み

２.２．プロセス改善活動の主な背景

２.３．プロセス改善活動の目的

２.４．役割と活動

２.５．組織的なプロセス改善活動

２.６．推進体制

２.７．組織における役割

２.８．主な会議体

２.９．啓蒙活動：ＣＭＭＩパンフレット


►CMMIを使ったプロセス改善の活動

►2001年２月より活動開始

►2003年9月CMMIレベル２達成

►2005年12月CMMIレベル３達成

►200８年12月CMMIレベル３再達成

►2009年部門による監査を実施

►2010年部門による監査を継続

２.１．プロセス改善の歩み

P. 7


２.２．プロセス改善活動の主な背景

P. 8

メーカの責任の重大さ

製品に占めるソフトの比重拡大

キヤノン（株）キヤノンソフト

ウェア（株）製品開発

ソフトウェアの品質とセキュリティの重要性


２.３．プロセス改善活動の目的

P. 9

ソフトウェア品質の向上競争優位性の向上

目的

プロジェクト管理体系の確立ソフトウェア開発の生産性の向上

重点目標

プロジェクトが持っている良い面を

組織全体の財産へ


►部門SEPG（改善担当）

►事業方針に基づくプロセス改善推進

►部門SQAへのプロセストレーニング

►部門SQAG（品質担当）

►PM/PLへのプロセストレーニング

►プロセスレビュー（遵守状況監視）

►全社ＳＱＡ（品質担当）

►プロセス監査

２.４．役割と活動

P. 10


２.５．組織的なプロセス改善活動

P. 11

ビジネス目標

組織方針

プロセス改善計画

(SEPG計画)

品質保証計画

(SQA計画)

品質方針マニュアル

SMs（組織の責任者）

品質方針

SEPG（プロセス改善G）

SQA（品質保証G）

プロセス

パイロティング

（試験運用）

実装

プロジェクト

モニタリング

監査

承認

承認

依頼

プロジェクト計画

品質目標

組織教育計画

OT（教育G）改善要求

教育受講承認


２.６．推進体制

全社

SQA

全社

SEPG

報告ルート技術企画部SM

上級管理者

品質担当者

QR

部門

SQA

部門

SEPG

計画/活動報告

計画/活動報告

監査/監視

トレーニング

本部

部門長SM

プロジェクト

マネージャーPM

事業部

プロジェクト

B

プロジェクト

リーダー

プロジェクト

チームメンバ

経営者

・・・プロジェクト

A

プロジェクト

リーダーPL

チームメンバ

TM

・・・

プロセス

レビュー品質担当者

QR

プロセス

承認委員会

対象組織

P. 12

上級管理者

報告・承認ルート


２.７．組織における役割

P. 13

チームメンバ

（TM）

プロジェクト

リーダ（PL）

プロジェクト

マネージャ（PM）

シニア

マネジメント（SM）

品質担当者

（QR）

品質保証担当者

（SQA）プロセス改善者

（SEPG）

どうしたらプロセスが守れるか

プロセスを守っているか

プロセス

トレーニング

改善要求

監査不適合追跡

改善要求

エスカレート

された問題


２.８．主な会議体

P. 14

名称参加者頻度

プロセスレビューＰＬ、ＱＲ

毎週／隔週

ＳＱＡ会議部門ＳＱＡＧ、部門ＳＥＰG（全社ＳＱＡ、全社ＳＥＰG）

毎月

ＳＥＰＧ会議ＳＭ、部門ＳＱＡ、部門ＳＥＰG

毎月

プロセス監査ＳＭ、部門ＳＱＡＧ、部門ＳＥＰG（全社ＳＱＡ、全社ＳＥＰG）

毎年


２.９．啓蒙活動：ＣＭＭＩパンフレット

P. 15


３．課題

P. 16

３.１．参画意識に温度差

３.２．被監査側の現場の負担大

３.３．不遵守の判断にばらつき


►限られたメンバ（PL/QR）の活動

►ＰＬ：プロセスの大半を実行

►ＱＲ：定期的なチェック、報告

►全社ＳＱＡ：定期的な監査の実施

►活動に対する関心

►メリットを知るチームと他のチーム

►ＰＭのサポート、実行のコミットメント

３.１．参画意識に温度差

P. 17


►証拠一覧作成の負荷

►通常使っている環境からのコピー

►膨大な量の証拠物件

►プロセス別に同じ証拠を記載

►インタビュー時間

►監査期間中に実施（期間限定）

►１回１時間～２時間、目的別に複数回

３.２．被監査側の現場の負担大

P. 18


３.２.１．証拠物件一覧の例

シート名： CMMIのプロセス名

各プロジェクトで記載

証拠物件のハイパー

リンクと、記載の説明

CMMIのゴール、

プラクティス

対象組織

のプロセス

ダイレクト、イン

ダイレクトの別

各証拠物件の説明

「どのようなものを証拠とするか」を記載

P. 19

！

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9月 10月 11月 12月活動

準備

監査実施

監査

フォロー

2011/7/22

３.２.２．従来のスケジュール

実施要綱検討

証拠一覧作成

ドキュメント調査

インタビュー

報告書

全社SQA 現場 P. 20


►是正結果の判断基準があいまい

►証拠物件がある／ない

►記載事項がある／ない

►目標が明記されている／いない

►記載された目標は妥当？

►前例・是正例を知る機会がない

►他のプロジェクトのことはわからない

►自分のプロジェクトに合った内容は？

３.３．不遵守の判断にばらつき

P. 21


４.１．現場からの提案内容

４.２．全社ＳＱＡ側のコンセプト

４.３．既存活動の活用

４.４．証拠一覧の簡素化

４.５．厳密さと手軽さの両立

４.６．個人の評価差異を小さく

４．セルフ監査の取り組み

P. 22


►目的

►より多くのメンバの参画意識の向上

►提案内容

►現場のQR主体でプロセス監査実施

►部門SQAがQRを監査

►全社SQAには、QRが実施可能な

監査チェックリストの提供と監査の支援を依頼

４.１．現場からの提案内容

P. 23


►現場の負担を軽減する

►既存活動を活用したい

►証拠一覧を簡素化したい

►厳密さと手軽さを両立する

►現場がわかる人同士の実施に注目

►個人による評価差異を小さくする

►チェックリストの判断基準を明確に

４.２．全社ＳＱＡ側のコンセプト

P. 24


►プロセスレビューの場で監査を実施

►通常の運営手順

►プロジェクトのライフサイクルをベース

に、月次でチェック内容決定

►毎週実施する代わりに短時間で済む

►毎月計画と結果をＳＱＡに報告

►チェック内容に監査項目を追加

►プロセス別の監査チェックリスト提供

４.３．既存活動の活用

P. 25


４.４．証拠一覧の簡素化

CMMIのプロセス名証拠物件の一覧

チェックすべきところに●

P. 26

証拠物件主体で、ダブりを少なく


►現場がわかる人同士での実施に注目

►開発環境へのアクセス

►物理的なアクセス

►オンライン上のアクセス

►成果物の確認が容易

►共通のフォルダ構成

►ＰＬと共にその場で確認

►人間ハイパーリンク？

４.５．厳密さと手軽さの両立

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►現場用チェックリスト作成

►CMMIのプラクティスごと

►解説およびチェックポイントを記載

►ＯＫの例、ＮＧの例を記載

►過去の監査でのベストプラクティス、不遵守等、経験を活用

►集計を意識

►評価を入力するとレーダーチャートに

４.６．個人の評価差異を小さく

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４.６.１．チェックリスト【集計部分】

プロセス別

遵守状況

CMMIの

プラクティス

対象

ドキュメント

具体的な項目と

チェックポイント

P. 29

！


４.６.２．チェックリスト【解説部分】

チェックする際の

注意点を説明

ＯＫとする基準

を具体的に記載

ＮＧの例を具体

的に記載

P. 30

！


５.１．現場主導で計画・実施

５.２．本社側の支援【実施前】

５.３．本社側の支援【実施中】

５.４．本社側の支援【実施後】

５．セルフ監査実施結果

P. 31


►スコープ

►部門の全プロジェクト（１０個）

►重点プロセス（６個）

►期間

►２ヶ月の期間内で各ＱＲがＰＬと調整

►実施方法

►プロセスレビューの場で対話形式

５.１．現場主導で計画・実施

P. 32


►ＱＲへチェックリストの提供と説明

►チェックリストとトレーニング資料のセット

►ＳＱＡ会議でトレーニングとチェックリストの内容を説明

►指摘の反映

►わかりにくい箇所の修正

►質問があった箇所も見直し、補足

►メール等でも質問を随時受付

５.２．本社側の支援【実施前】

P. 33


►Ｑ＆Ａ対応（部門ＳＱＡと協調）

►質問内容は部門ＳＱＡと共有

►ＱＲが判断に迷ったら

►状況を記載

►評価は空欄

►定期的に部門ＳＱＡ／全社ＳＱＡがレビューしてフォロー

５.３．本社側の支援【実施中】

P. 34


►全体レビュー

►監査結果の内容の妥当性

►ＱＲ間の整合性、一貫性

►報告会内容レビュー

►結果に対する評価

►報告会出席

►主体は部門ＳＱＡ、本社側はゲスト

５.４．本社側の支援【実施後】

P. 35


６.１．現場の負荷軽減

６.２．現場の自立と浸透

６.３．プロセスに対する理解の深まり

６．効果

P. 36


►証拠一覧の作成負荷を大幅に軽減

►一覧表は全社ＳＱＡが提供

►普段どおりの共有フォルダを使用

►どこに何が？がわかればＯＫ

►インタビュー時間の自由度の向上

►日常の活動の中で実施

►プロセスレビューの時間は増

►監査チェックリストの追加実施

６.１．現場の負荷軽減

P. 37

CopyrightⒸ2011,Canon Software Inc. All rights reserved.

9月 10月 11月 12月活動

チェック

リスト

QRトレーニング

監査実施

監査

フォロー

2011/7/22

６.１.１．スケジュール2009実績

サンプル

レビュー

ドラフト

レビュー

正式版・基準含

全社SQA 現場 P. 38


►現場の参画意識の高まり

►現場のための、現場の活動である、

という意識

►監査報告会も現場主導

►スポンサー（部門長）も参加、コメント

►体制強化

►ＳＥＰＧ、ＳＱＡ各２名に増員

６.２．現場の自立と浸透

P. 39


►ＱＲとＰＬの協議で監査結果に納得

►具体的なポイントに基づいて確認

►ＯＫ／ＮＧの具体例による判断

►互いに経験を共有

►ＱＲがＰＬの立場としてアドバイス

►ＱＲがベストプラクティスの伝道師に

６.３．プロセスに対する理解の深まり

P. 40


７.１．実施していないプロセスの監査

７.２．客観性の確保

７.３．さらなる今後に向けて

黒文字：ＳＰＩＪａｐａｎ2010発表時

青文字：その後

７．今後の課題

P. 41


►チェックリストの追加作成

►SPI Japan2010発表時：６

►現在のチェックリスト：１８

►CMMI レベル２、３を全てカバー

►証拠物件一覧も１８プロセスに対応

►組織管理プロセスの監査

►ＯＴ（組織トレーニング）を現場で実施

►他の組織管理プロセスは未実施

７.１．実施していないプロセスの監査

P. 42


►ＱＲの監査をＳＱＡが監視

►通常の活動（ＳＱＡ会議、報告ルート）

►ＰＰＱＡのＰＰＱＡ

►ＳＥＰＧがＰＰＱＡの監査を実施

►証拠物件による検証（アプレイザル）

►未実施

７.２．客観性の確保

P. 43


►ＣＭＭＩ V1.3 への対応

►言語（英語版）

►未対応

►他部署への水平展開

►現場同士の連携で自主展開

►正確な専門用語よりも、判断がしやすい解

説と評価

►組織目標と体制の確立が重要

►昨年一部実施の他部署は、その後未実施

７.３．さらなる今後に向けて

P. 44

2011/7/22

セルフ監査のススメ

現場の、現場による、

現場のためのプロセス監査

Ⅱ

JASPIC夏セミ2011

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