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肺炎球菌は細菌による子どもの感染症のうち、 二大病原体のひとつです。 肺炎球菌が起こす病気には髄膜炎のほかに、菌血症、 肺炎、副鼻腔炎、中耳炎などが挙げられます。 ワクチン導入前の細菌性髄膜炎の罹患率は 5歳未満で年間500人前後と推定されて いました(肺炎球菌以外も含む)。 !? …… 小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に7価ワクチン として接種が始まり、2013年より 13価ワクチンに切り替わりました。 現在は100か国以上の国々で使用されています。 多くの国から、ワクチン接種の効果で 肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重篤な 肺炎球菌感染症が減少していることが 報告されています。 マンガで学ぶ予防接種 ~染子先生のおはなし~ その② 肺炎球菌ってなあに? ~小児用の肺炎球菌ワクチンについて~ 国立感染症研究所 感染症疫学センター 肺炎球菌は子どもの細菌感染症の、二大原因のひとつです。 肺炎球菌が起こす病気には髄膜炎のほかに、菌血症(血液の中に 菌が入りこんだ状態)、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎などが挙げ られます。ワクチン導入前は5歳未満人口10万人あたり 2.8人前後が肺炎球菌による髄膜炎にかかっていました。 2010年にワクチンが導入されたことにより、2013年には 5歳未満人口10万人あたり1.1人まで減少しています (厚労科研神谷・庵原・菅ら)。 小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に7価ワクチン として接種が始まり、2013年より 13価ワクチンに切り替わりました。 現在は100か国以上の国々で使用されています。 多くの国から、ワクチン接種の効果で 肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重篤な 肺炎球菌感染症が減少していることが 報告されています。 学くん まなぶ 染子先生 そめこ !? …… H i b

マンガで学ぶ予防接種...(出典:平成25年度予防接種健康状況調査集計報告書) 初めて接種を開始する月齢が生後7か月を超えて しまった場合あるいは1歳以上2歳未満の場合、

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Page 1: マンガで学ぶ予防接種...(出典:平成25年度予防接種健康状況調査集計報告書) 初めて接種を開始する月齢が生後7か月を超えて しまった場合あるいは1歳以上2歳未満の場合、

肺炎球菌は細菌による子どもの感染症のうち、二大病原体のひとつです。肺炎球菌が起こす病気には髄膜炎のほかに、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎などが挙げられます。ワクチン導入前の細菌性髄膜炎の罹患率は5歳未満で年間500人前後と推定されていました(肺炎球菌以外も含む)。

5歳未満 学くんまなぶ

染子先生そめこ

今回は子どもの

鼻の奥にいる

肺炎球菌に

ついてよ!

肺炎球菌が

引き起こす

髄膜炎は

学くん

は︑鼻!?

それらを予防するための

小児用肺炎球菌ワクチン

なんだね…

小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に7価ワクチンとして接種が始まり、2013年より13価ワクチンに切り替わりました。現在は100か国以上の国々で使用されています。多くの国から、ワクチン接種の効果で肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重篤な肺炎球菌感染症が減少していることが報告されています。

マンガで学ぶ予防接種~染子先生のおはなし~

その②

肺炎球菌ってなあに?~小児用の肺炎球菌ワクチンについて~

国立感染症研究所 感染症疫学センター

肺炎球菌は子どもの細菌感染症の、二大原因のひとつです。肺炎球菌が起こす病気には髄膜炎のほかに、菌血症(血液の中に菌が入りこんだ状態)、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎などが挙げられます。ワクチン導入前は5歳未満人口10万人あたり2.8人前後が肺炎球菌による髄膜炎にかかっていました。2010年にワクチンが導入されたことにより、2013年には5歳未満人口10万人あたり1.1人まで減少しています(厚労科研神谷・庵原・菅ら)。

小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に7価ワクチンとして接種が始まり、2013年より13価ワクチンに切り替わりました。現在は100か国以上の国々で使用されています。多くの国から、ワクチン接種の効果で肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重篤な肺炎球菌感染症が減少していることが報告されています。

5歳未満 学くんまなぶ

染子先生そめこ

今回は子どもの

鼻の奥にいる

肺炎球菌に

ついてよ!

肺炎球菌が

引き起こす

髄膜炎は

学くん

は︑鼻!?

それらを予防するための

小児用肺炎球菌ワクチン

なんだね…

その①で学んだ  

による

髄膜炎よりも致命率や

後遺症の頻度が高いの

その①で学んだ 

 

による

髄膜炎よりも頻度は少ないけど

命にかかわることや

後遺症の頻度が高いの

Hib

Page 2: マンガで学ぶ予防接種...(出典:平成25年度予防接種健康状況調査集計報告書) 初めて接種を開始する月齢が生後7か月を超えて しまった場合あるいは1歳以上2歳未満の場合、

(出典:平成25年度予防接種健康状況調査集計報告書)

初めて接種を開始する月齢が生後 7 か月を超えて

しまった場合あるいは 1 歳以上 2 歳未満の場合、

2 歳以上 5 歳未満の場合はそれぞれ接種の回数が

異なりますので、 お住まいの市区町村、 保健所、 あるい

はかかりつけの小児科医にご相談ください。

生後2か月以上 5歳未満

27日以上 27日以上 60日以上

初回(1回目) 初回(3回目)初回(2回目)1歳以上で追加(4回目)

四種混合(DPT-IPV)ワクチン、HibワクチンやB型肝炎ワクチンとの同時接種は、医師が特に必要と認めた場合、保護者の同意のもとに接種可能です。

内容に関するお問い合わせは、国立感染症研究所 感染症疫学センター第三室(予防接種室)まで。

発熱(37.5℃以上)25.0~32.0%

副反応は

接種したところの

発赤や腫れ

発熱が

挙げられるわ

不安な時は

お医者さんに

相談よ!

うんっ!

接種部位の紅斑(発赤)67.8~74.4%腫脹(はれ)47.2~57.1%

初めて接種を開始する月齢が生後 7 か月を超えて

しまった場合、 あるいは 1 歳以上 2 歳未満の場合、

2 歳以上 5 歳未満の場合は、 それぞれ接種の回数が

異なりますので、 お住まいの市区町村、 保健所、 あるい

はかかりつけの小児科にご相談ください。

標準的な接種のしかた〔接種年齢〕   生後2か月以上5歳未満(初回接種開始が生後2か月以上7か月未満の場合)〔接種間隔・回数〕  初回はそれぞれ27日以上あけて3回、追加は初回終了後60日以上あけて1歳以上で          1回(合計4回)。最初の3回は1歳になるまでに終了させ、1歳以降に1回追加。   いずれも1回に0.5mLを注射します。

生後2か月以上 5歳未満

27日以上 27日以上 60日以上

初回(1回目) 初回(3回目)初回(2回目)1歳以上で追加(4回目)

四種混合(DPT-IPV)ワクチン、HibワクチンやB型肝炎ワクチンとの同時接種は、医師が特に必要と認めた場合、保護者の同意のもとに接種可能です。

内容に関するお問い合わせは、国立感染症研究所 感染症疫学センター第三室(予防接種室)まで。

接種部位の紅斑(発赤)67.8~74.4%腫脹(はれ)47.2~57.1%

発熱(37.5℃以上)25.0~32.0%

(出典:平成25年度予防接種健康状況調査集計報告書)

副反応は

接種したところの

発赤や腫れ

発熱が

挙げられるわ

不安な時は

お医者さんに

相談よ!

うんっ!