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グラフで見る関西経済(202012月) 関西経済見通し 20201224調査部 主任研究員 塚田 裕昭

グラフで見る関西経済(2020年12月) 関西経済見通し · 2020. 12. 24. · 4 Mitsubishi UFJ Research and Consulting LINE 本文ページ 企業景況感(日銀短観)

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    グラフで見る関西経済(2020年12月)

    関西経済見通し

    2020年12月24日

    調査部 主任研究員 塚田 裕昭

  • 1 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    今月の景気判断 ~新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にあるが、持ち直している

    現状

    新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にあるが、持ち直している

    生産 持ち直している

    輸出 持ち直している

    設備投資 増勢が鈍化している

    雇用 弱い動きとなっている

    賃金 減少している

    個人消費 下げ止まりの動きがみられる

    住宅投資 弱含んでいる

    公共投資 横ばい圏で推移している

    項目

    景気全般

    【今月のポイント】

    ◼ 新型コロナウイルス感染症の影響で、足下の指標は総じて厳しい水準にあるが、生産、輸出などを中心に持ち直している

    ◼ 生産(10月)は2ヶ月連続で前月比で増加。電子

    部品デバイス、汎用・生産用・業務用機械が増加した。

    ◼ 実質輸出(11月)は前月比-4.0%と2ヶ月ぶりに減少となったが、水準は高い。

    ◼ 賃金(9月)は14ヶ月連続で前年比マイナス。

    ◼ 個人消費関連指標は、このところ下げ止まりの動きがみられる。10月は、前年同月が消費税率

    引き上げ直後で低水準であったこともあって高めの伸びとなった。インバウンド蒸発の影響もあり、全国に比べ弱い動きとなっている。

  • 2 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    生産

    10月の鉱工業生産は前月比+1.9%と2ヶ月連続で増加した。電気機械、化学が減少したが、電子部品デバイス、汎用・生産用・業務用機械が増加した。前年比では-2.1%減。先行きについては持ち直しが見込まれる。

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    16 17 18 19 20

    関西 全国

    (2015年=100)

    (年、月)

    鉱工業生産指数

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    16 17 18 19 20

    電子部品デバイス(2015年=100)

    (年、月)

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    16 17 18 19 20

    電気機械(2015年=100)

    (年、月)

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    16 17 18 19 20

    化学(2015年=100)

    (年、月)

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    16 17 18 19 20

    汎用・生産用・業務用機械(2015年=100)

    (年、月)

    (出所)経済産業省「鉱工業生産動向」

    20年10月(前月比%)

    1.9

  • 3 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    輸出

    11月の名目輸出額は前年比-4.0%と2ヶ月ぶりに減少した。地域別では中国を含むアジア向けが2ヶ月

    ぶりに減少。品目別では前月過去最高額を記録した医薬品が減少に転じ、半導体電子部品も減少した。11月の実質輸出指数(季節調整値)は前月比-0.9%と6ヶ月ぶりに小幅低下した。

    80

    85

    90

    95

    100

    105

    110

    115

    17 18 19 20

    実質輸出指数(季節調整値)

    関西 全国(年、月)

    (出所)日銀大阪支店「実質輸出入」

    (2015年=100)

    -25

    -15

    -5

    5

    15

    25

    35

    17 18 19 20

    名目輸出(前年比、寄与度)

    対アジア その他 輸出総額

    (%)

    (年、月)(出所)大阪税関「近畿圏貿易概況」

    11月114.0

    11月-4.0 %

  • 4 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    企業景況感(日銀短観)

    日銀短観12月調査の業況判断DIは全産業で-20ptと9月から改善。製造業は-24pt、非製造業は

    -16pt。先行き(3月)については、全産業、非製造業は悪化、製造業は横ばいと見込まれている。

    -40

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    16 17 18 19 20 21

    短観 業況判断DI「全産業」

    関西 全国

    12月-20pt

    3月-22pt

    (出所)日銀「短観」(年、四半期)

    予測

    -50

    -40

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    30

    16 17 18 19 20 21

    同 製造業

    関西 全国

    3月-24pt

    (出所)日銀「短観」 (年、四半期)

    12月-24pt

    予測

    -50

    -40

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    30

    16 17 18 19 20 21

    同 非製造業

    関西 全国

    (出所)日銀「短観」 (年、四半期)

    3月-21pt

    12月

    -16pt

    予測

  • 5 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    設備投資

    日銀短観12月調査によると、20年度の設備投資(計画)は前年比+2.7%の増加が見込まれている。製造業、非製造業ともに増加の見込みであるが、いずれも9月調査に比べ下方修正となった。製造業では素材

    業種が増加を見込む一方、加工業種で減少見込み。非製造業では、建設、不動産が増加、卸小売、宿泊・飲食サービスで減少が見込まれている。

    2.1

    4.3

    9.5

    3.82.7

    7.6

    12.2

    2.4 2.0 2.4

    -1.5 -1.3

    15.3

    5.0

    2.9

    -5

    0

    5

    10

    15

    20

    16実績 17実績 18実績 19実績 20計画

    設備投資実績・計画

    全産業 製造業 非製造業

    (出所)日銀大阪支店「短観」 (年度)

    (前年比、%)

    新(今回)⇒ 今回

    3.8 2.7 3.3 -0.6

    製造業 2.0 2.4 3.3 -0.9

    非製造業 5.0 2.9 3.3 -0.4

    全産業

    設備投資額(前年比%)

    19年度実績

    20年度 計画

    9月調査時 [差異]

  • 6 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    個人消費(小売売上、自動車販売)

    10月の小売販売額は、前年同月が消費税率引き上げ直後で低水準であったこともあって前年比+2.9%と8ヶ月ぶりに増加した。インバウンド蒸発の影響もあって全国と比べて弱い動きが続いている。

    11月の新車販売は前年比+7.8%と2ヶ月連続で増加した。10月は前年が消費税率引き上げ直後で低水準であったことの反動により大幅増であったため、10月に比べ伸び率は縮小した。

    -20

    -15

    -10

    -5

    0

    5

    10

    15

    20

    17 18 19 20

    小売販売額(6業態計)

    関西 全国

    (前年比、%)

    (年、月)

    (出所)経済産業省「商業動態統計」

    (注)百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンターの合計

    -60

    -50

    -40

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    30

    40

    17 18 19 20

    新車販売台数(含む軽)

    関西 全国

    (前年比%)

    (年、月)(出所)日本自動車販売協会連合会「新車販売台数状況」

    全国軽自動車協会連合会「軽四輪車新車販売」

    11月

    +7.8%

    10月

    2.9 %

  • 7 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    個人消費(業態別)

    -20

    -15

    -10

    -5

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    17 18 19 20

    ドラッグストア販売額

    関西 全国

    (前年比、%)

    (年、月)

    (出所)経済産業省「商業動態統計」

    10月

    +3.6 %

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    17 18 19 20

    家電大型販売店販売額

    関西 全国

    (前年比、%)

    (年、月)

    (出所)経済産業省「商業動態統計」

    10月

    +17.4%

    -100

    -80

    -60

    -40

    -20

    0

    20

    40

    17 18 19 20

    百貨店売上高

    大阪 全国

    (出所)日本百貨店協会「百貨店売上高」

    (注)店舗調整後前年比

    (年、月)

    (前年比%)

    11月

    -18.1%

    -100

    -50

    0

    50

    100

    150

    200

    -800

    -400

    0

    400

    800

    1200

    1600

    17 18 19 20

    京阪神百貨店免税売上高

    免税売上高指数 前年比(右目盛)

    (出所)日銀大阪支店「百貨店免税売上(関西)」

    (年、月)

    (2013/4=100) (%)

    11月

    -88.4%

    11月の百貨店売上(大阪)は、コロナ感染再拡大、インバウンド蒸発の影響等で前年比-18.1%と大幅減が続いている。10月のドラッグストア、家電は前年が消費税率引き上げ直後で低水準であったことから増加に転じた。

  • 8 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    マインド・景況感

    11月の消費者態度指数(季節調整値)は32.1 と前月より小幅低下。

    11月の景気ウォッチャー調査(現状判断DI)は、新型コロナウイルス第3波拡大が影響し、43.2(前月差-10.5%pt)と7ヶ月ぶりに低下した。

    10

    20

    30

    40

    50

    16 17 18 19 20

    関西 全国(年、月)

    消費者態度指数

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    35

    40

    45

    50

    55

    60

    16 17 18 19 20

    関西 全国

    (DI)

    (年、月)

    景気ウォッチャー調査(現状判断)

    20年11月

    32.1

    20年11月

    43.2

    (注)関西の季節調整値はMURC試算

    (出所)内閣府「消費動向調査」

    (出所)内閣府「景気ウォッチャー調査」

  • 9 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    賃金・雇用

    9月の名目賃金指数は、前年比-1.5%と14ヶ月連続で前年比で減少。京都を除く1府4県で減少した。

    10月の有効求人倍率は1.02倍と10ヶ月連続で低下。求人数、求職者数ともに増加した。

    20年第3四半期の失業率は3.1%と前期から小幅上昇。就業者数は小幅減少した。

    950

    1,000

    1,050

    1,100

    1,150

    0

    1

    2

    3

    4

    17 18 19 20

    失業率と就業者数(季節調整値)

    就業者数(関西、右目盛) 完全失業率(関西) 完全失業率(全国)

    (万人)(%)

    (年、四半期)(出所)総務省「労働力調査」

    3Q

    3.1%

    1.0

    1.1

    1.2

    1.3

    1.4

    1.5

    1.6

    1.7

    17 18 19 20

    有効求人倍率(季節調整値)

    関西 全国

    (出所)厚生労働省「一般職業紹介状

    (倍)

    10月

    1.02

    -4

    -3

    -2

    -1

    0

    1

    2

    3

    4

    17 18 19 20

    賃金上昇率

    関西 全国

    9月

    -1.5 %

    (前年比、%)

    (年、月)(注)関西2府4県の名目賃金指数を常用労働者数で按分し合成したもの、

    MURC試算

    (出所)厚生労働省、各県「毎月勤労統計」

  • 10 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    住宅投資

    10月の住宅着工は季調・年率13.1万戸、前年比では-2.2%となり、弱含んでいる。貸家、持家が増加したが分譲が減少した。

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    16

    18

    20

    17 18 19 20

    新設住宅着工戸数(季調済年率換算)

    (年、月)(注)季調値はMURC試算値

    (出所)国土交通省「建築着工統計」

    (万戸)

    10月

    13.1万戸

    -40

    -30

    -20

    -10

    0

    10

    20

    30

    40

    17 18 19 20

    新設住宅着工戸数(前年比)

    持家 貸家 給与 分譲 合計

    (出所)国土交通省「建築着工統計」

    (%)

    (年、月)

    10月

    -2.2%

  • 11 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    倒産

    11月の倒産件数は168件(前年差-40件)と、前年に比べ低水準。

    公共投資は横ばい圏で推移している。

    公共投資

    800

    1,000

    1,200

    1,400

    1,600

    1,800

    2,000

    17 18 19 20

    公共工事請負金額

    請負金額(季節調整値) 請負金額(季調値、3ヵ月移動平均)

    (億円)

    (年、月)(注)季調値はMURC試算

    (出所)東日本建設業保証「公共工事前払金保証統計」

    -150

    -100

    -50

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    17 18 19 20

    倒産件数

    前年差 倒産件数

    (件)

    (年、月)

    (出所)東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」

    11月

    168件

    -40件

  • 12 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    関西経済見通し(1)

    ⚫20年度は▲5.3%と大幅マイナスだが、全国より落ち幅は小。設備投資の減少が相対的に軽微。

    ⚫21年度は「ウィズコロナ」の緩やかな回復が続き、+2.4%とプラス成長に転じる。

       関西の実質GRP(需要項目別)推移 (年度、%)

    17 18 19 20予 21予

    GRP 関西 2. 2 0. 6 0. 1 - 5. 3 2. 4全国 1. 8 0. 3 - 0. 3 - 5. 5 2. 6

    個人消費 関西 0. 6 0. 1 - 1. 0 - 6. 5 3. 0全国 1. 0 0. 2 - 0. 9 - 6. 3 2. 6

    住宅投資 関西 - 4. 8 1. 0 - 1. 0 - 7. 1 3. 0全国 - 1. 8 - 4. 9 2. 5 - 7. 4 2. 9

    設備投資 関西 4. 5 2. 4 2. 9 - 3. 6 0. 9全国 0. 3 1. 1 2. 0 - 9. 6 - 0. 1

    政府支出 関西 0. 8 0. 8 1. 5 1. 4 1. 8全国 0. 3 1. 1 2. 0 2. 7 1. 0

    公共投資 関西 0. 8 1. 8 4. 0 3. 0 2. 2全国 0. 6 0. 8 1. 5 3. 4 1. 0

    (注)17年は実績(内閣府)、18、19年は実績推計、20、21年は予測(当社)

  • 13 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

    LINE 本文ページ

    関西経済見通し(2)

    ⚫日銀短観の20年度設備投資計画は前年比プラスと全国に比して堅調。

    ⚫輸出、生産とも20年度は大幅減となるが、緩やかな回復が続き、21年度は7~8%の増加に。

    ⚫インバウンドは21年度もわずかな回復にとどまる。

    (年度、前年比、%)

    18 19 20予 21予

    輸出 -1.0 -0.3 -6.3 7.0

    鉱工業生産 -0.1 -4.2 -9.1 8.8(全国) 0.3 -3.8 -9.6 9.1

            輸出と生産

    (出所)日銀、経済産業省(注)輸出は実質輸出(財のみ)、予測はいずれも当社

    設備投資 実績・計画 (年度、前年比、%)

    19実績 20計画

    全産業 近畿 3. 8 2. 7全国 - 0. 6 - 3. 9

    製造業 近畿 2. 0 2. 4全国 0. 9 - 3. 1

    非製造業 近畿 5. 0 2. 9全国 - 1. 5 - 4. 5

    (出所)日銀短観20年12月調査

  • Back Cover 2

    14 Mitsubishi UFJ Research and Consulting

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    - ご利用に際して -

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    今月の景気判断生産輸出企業景況感(日銀短観)設備投資個人消費(小売売上、自動車販売)個人消費(業態別)マインド・景況感賃金・雇用住宅投資倒産、公共投資関西経済見通し(1)関西経済見通し(2)