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モータと減速機を考慮したロボットマニピュレータ制御†ashimada/research/... · た制御系を設計し,多 関節ロボットの高性能制御の実現を

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Page 1: モータと減速機を考慮したロボットマニピュレータ制御†ashimada/research/... · た制御系を設計し,多 関節ロボットの高性能制御の実現を

[計 測 自動 制 御 学 会 論 文 集

Vol.41, No.5, 466/472 (2005) ]

モータと減速機を考慮したロボ ットマニピュレータ制御†

小 坂 裕 紀 *・島 田 明**

Robot Manipulator Control Considering Motors and Reduction Gears•õ

Yuhki KOSAKA* and Akira SHIMADA**

This paper proposes a motion control technique for robot manipulators. And the strongest point of the

technique is high performance on vibration suppression based on an exact dynamic model. The robot control

system proposed is characterized by a function that considers the rotor dynamics including rotor masses and the

low rigidity in the mechanical reduction gears like the Harmonic Drive Gears. The controller is designed as a

sampled-data optimal servo control system with a digital disturbance observer expressed by a state space form.

Finally, an experimental results on a real two degrees of freedom robot manipulator are shown by using the servo

acceleration sensors.

Key Words: control, robot, manipulator, rotor, reduction gear

1. は じ め に

ロボ ットマ ニ ピュレ ー タは,20年 以上 に渉 り,工 場 の製造

工程 な どの現 場 で利用 され てお り,性 能向上 とコス トダウ ン

とが 同時 に求 め られ て きた2)~6).性 能 向上 要 求の 中で,最

も重 要 な項 目に,振 動 抑 制性 能 の向 上が 挙げ られ る.特 に,

腕時計や精密電子部品の組立作業のための精密組立ロボット

は,繰 り返し精度が数μm~ 数十μm以 内であると共に,

残留振動がいかに速く減衰されるかが,生 産性向上の重要な

鍵どなる.多 くのロボットは,複 数のリンクを直列に接続し

たシリアルリンク型と呼ばれる構造が採用され,関 節ごとに

サーボモータと減速機が搭載されている.関 節に搭載される

代表的な減速機の例として,波 動歯車装置が挙げられる7).

同減速機は登録商標名のハーモニックドライブで広く知られ

ている.そ して同減速機はその体積に比して大きな減速比を

持ち,モ ータ出力軸の同軸上に出力軸を持つ.反 面,同 減速

機は弾性を有するために,ロ ボ ットの各関節軸はバネに近似

される特性を持ち,そ れが,組 立作業での自標仕様が高まる

につれ,無 視できなくなる.従 来,低 剛性系の制御問題は,

多慣性系の制御問題として知られ,さ まざまな制御法が提案

されてきたが,そ の多 くは1自 由度系として扱われ,必 ずし

も多関節ロボットに最適な制御法とはいえなかった8)~12).

これら対して本論文は,ロ ボットの正確な運動方程式を導

出し,同 方程式の構造と外乱とを考慮したオブザーバによ

る高精度な状態推定を行ない,サ ンプル点間応答を考慮 し

た制御系を設計し,多 関節ロボ ットの高性能制御の実現を

目指すものである.以 降,そ の過程を詳しく述べる.ロ ボツ

トの高性能化を目指す上で,多 関節ロボットの運動方程式の

定 式化は制御系設計に先立つ重要な問題であるが,サ ーボ

モータと減速機の配置や構造を考慮し,減 速機の低剛性を考

慮に入れた例は少なかった.実 際に既報告を調べたところ,

先駆的で貴重な知見を与えて くれるものの,ロ ータと減速

機の位置や姿勢変化が考慮されていない例3),4),正 確かつ一般的に考慮されているもの の

,そ れが世間にあまり認 知

されていない例などが見られた5).結 果的には,そ の差異の

影響は必ずしも大きくないが,正 確な運動方程式に基づい

てロボット制御を試みることは,学 術的に意味のあることで

ある.本 論文で扱 う対象は2関 節ロボ ットに阪定されるも

のの,物 理的な理解が得易い前者3)か ら学んだ知識を基に

して,ロ ータの位置 ・姿勢,質 量,そ して減速機の弾性を考

慮した運動方程式の導出を独 自に試みている16).そ の結果

は1後 者5)と も同様の結果に至った.つ ぎに,同 運動方程

式の物理パラメータを逐次同定法とボード線図の実測結果

から算出する6).逐 次同定法は関節軸を剛体と見て,物 理パ

ラメータを算出する方法であるが,低 剛性系においても,共

振周波数以下の低周波領域では剛体系と差異のない特性を

示すので,同 法で得られた結果を基に,ボ ード線図に表われ

る反共振周波数と共振周波数の値を用い,各 関節のロータ側

とアーム側の質量と慣性モーメントを分け,全 体の物理パラ

†The 8th IEEE International Workshop on Advanced

Motion Controlで 発 表(2004・3)1)

* 日産 自動 車(株)総 合研 究所 横 須 賀市 夏 島 町1

** 職業 能 力 開発 総 合大 学校 相 模 原市橋 本 台4 -1-1

*Nissan Motor Co ., Ltd., Nissan Research Center, Nat-sushima 1, Yokosuka-shi

**Polytechnic University , 4-1-1 Hashimotodai, Sagami-hara-shi

(Received April 26, 2004)(Revised January 19, 2005)

TR 0005/05/4105-0466 (c) 2004 SICE

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計測 自動制御学会論文集 第41巻 第5号 2005年5月 467

メー タを得 る こ と とした.

さて 近 年,未 知 の外 乱 や パ ラ メー タ変 動 を考 慮 したH∞

制 御,H2制 御 な どの ロバ ス ト制 御法 が提 案 され て い る17).

これに対 し,本 論文 で 用 い る制御 則は,従 来 のオブ ザ ーバ併

用 型 サ ーボ 系 に基 づ く もので あ る.従 来 法 に はパ ラ メ ー タ

変動 を直接 に設計 に 反映 で きな い こ とと,オ ブザ ーバ が,未

知 外乱 の 下で 推 定誤 差 を生 む 問題 とが あ る.し か しなが ら,

本 論文 では,従 来 見落 と されが ちだ ったモデ ル化誤 差が 減 少

され るこ とと,状 態 空 間表 現 の外 乱 オブ ザ ーバ を用 い る こ と

で,未 知 外乱下 で の状態 変 数 の推 定誤差 が大 幅 に軽 減 され る

ため,従 来型 のサ ーボ 系 を基礎 にお く制 御系 を用 いて も良好

な制御 特性 が得 られ る と考 えて い る1),13),16).

一方,従 来 の外 乱 オブ ザ ーバ は未知外 乱 の推定 と補 償 に重

点 が置 かれが ちで あ った.本 論文 では,状 態 空 間表 現 を用 い

る と,状 態変 数が 未知 外乱 の影響 を排 除 した上で推 定 され る

こ とを構造面 か ら明 らか に し,そ れ を制 御系 に利 用す る方 法

を用 い てい る13).ま た,ス テ ップ状 外乱 を仮定 し た外 乱 オ

ブザ ーバ であ って も,そ の極 で定 まる指 数 関数の速 度 で収 束

し,時 間変 化の あ る外 乱 に対 して も推定 が 可能 であ るた め,

同 オブザ ーバ を利用 す る こ とで,制 御 性能 の向上が 期 待 で き

る と考 えて い る.サ ー ボ 系 は連 続 時 間 に おけ る評 価 関数 を

最小 化 す る多 入 力 多 出 力 サ ンプ ル値 最適 サ ー ボ系 と して 実

装 し13)~15),制 御 偏 差 演 算 部 で は,観 測 出力 で あ るモ ー タ

の 回転 角度の代 わ りに,外 乱 オブザ ーバで推 定 す るロボ ッ ト

の 関節 角度を用 い てい る.ま た,追 従性 を向上 させ るた めに

フ ィー ドフ ォウー ド機 能 を付加 した2自 由度制 御系 とす る.

最後 に,シ ミュ レ ーシ ョン お よび サ ーボ加速 度計 を用 い た加

速度 評価 実験 の 実施 に よ り,同 制 御系 の実 用性 を検証 す る.

2. モ ー タ と減 速 機 を考 慮 した モ デ リン グ

2.1 .2 関節 マニ ピ ュ レー タの モデ リング

制 御 対 象 を複 数 の リ ン ク を直 列 に接続 した シ リアル リン

ク型 の ロボ ットマ ニ ピュ レー タとし,関 節 ご とにサ ーボ モ ー

タ と波動 歯車 装置 がFig. 1の よ うに搭 載 され る もの とす る.

簡 単の た め,本 論 文で はFig. 2に 示す2関 節 ロボ ッ トに 関

す る検討 を行 な うが,基 本 的 な考 え方 は3関 節 以上 の ロボ ッ

トに も拡 張で きる.Fig. 2中 の ロー タを含 まな い各 リン クの

質 量 中心 回 りの慣性 モ ー メン トIoi,関 節 軸 回 りの慣 性 モ ー

メン トIri,質 量mri,長 さli,第i関 節 か らiリ ン クの重

心 まで の 距 離ri,ウ ェー ブ ジ ェ ネ レー タや付 属 部 品 を含 む

ロー タの慣性 モ ー メン トImi,質 量mmiと す る.波 動 歯車

装 置 は 剛性 の低 い 機 構部 を有 す るため,ロ ー タ部 と ア ー ム

部 は弾性 体 に よって接続 され て いる と見なす.同 減速 機 の も

う一 つ の特 徴 で あ るロ ス トモ ー シ ョンの影 響 に つい て は扱

わ な い.低 剛性 を考 慮 し た ロボ ッ トの運 動 方 程式 につ いて

は,従 来,各 関節 を1自 由 度2慣 性 系 に近 似 した 報告 例が 多

く8)~12),多 自由度系 と して扱 っ た報 告例 は少 ない.本 論 文

で は,既 報告3)か ら基礎 を学 び つ つ,ロ ー タの 運動 に伴 う

項 を補 足す る もの で あ り1),16),結 果 は古 荘 らに よ る方法5)

Fig. 1 Installation of harmonic drive gear

Fig. 2 2-Link articulated robot configuration

と一致 す る.

さて,力 学 的な側 面か らモ ー タの ス テー タ側 とロー タ側 の

属 性 を 解釈 す る には,つ ぎの2通 りが 考 え られ る.第i軸

モ ー タの ステー タ(以 下,第iス テ ー タと)が 第i-1リ ン

ク に固 定 され,同 モ ー タの ロ ー タ(以 下,第iロ ー タ)が

減 速機 を介 して,第iリ ン クに接 続 され て い る場 合 と,第i

軸 モ ー タの ステ ー タが 第iリ ンクに 固定 され て,同 モ ー タの

ロー タが 減 速機 を介 して,第i-1リ ン クに接 続 され る場 合

で あ る.iは 正 の整 数 とす る.後 者 は前 者 と双対 の 関係 に あ

るの で 前者 につ い て述 べ る.第iス テー タは 第i-1リ ン

クと1剛 体 と見立 て られ る ため,そ の 質量 お よび慣 性 モ ー

メン トは第i-1リ ン クの質 量 お よび慣 性 モ ー メン トの 一

部 と見 なす.第iロ ー タは,減 速機 の 弾性 を無視 した場 合,

その慣 性モ ー メン トと減 速 比の 自乗 との積が,第iリ ン クの

慣 性 モ ー メ ン トに加 え られ て 一体 と 見 なせ る と され て来 た

が,そ れ は 同ロー タの位 置が 固定 され てい る場 合で あ る.特

に,減 速 機の弾 性 を考慮 した場 合は,ロ ー タは 固有の運 動 を

行 な う独立 した剛 体 と位 置づ け られ る.ま た,第iロ ー タは

その 回転 軸の ベ ア リン ク を介 して 第iス テ ー タに接 続 され,

同 ロー タ自身 の 回転運 動 とは 無 関 係 に,第i-1リ ン ク と

共 に並 進移動 す る.そ して,同 ロー タ 自身が 第i-1リ ン ク

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468 T. SICE Vol.41 No.5 May 2005

に対 して回転 をせず に静止 してい る場 合であ って も,第i-

1リ ンクの回転 運動 と共 に 回転 す る こ とに留 意す る必要が あ

る.そ の ため,こ の並 進運 動 と回転運 動 も運 動方 程式 に反 映

す る必 要が ある.従 来の 報告 例 では,こ の こ とが 見落 とされ

が ちで あ った ようで あ る.本 論文 で は,こ の 考 え方に基づ い

て運 動お よび ポ テ ンシ ヤル エ ネルギ ー を記述 し,そ の 上で,

ラ グラ ンジュ法 を用 いて,Fig. 2の よ うなマ ニ ピュ レー タの

運 動方 程式 を求め てい る.以 下 に具 体 的な手順 を述べ る.一

般 化座 標 を仮 に{θr1, θr2, qm1, qm2}と す る.各 要 素は 順 に

第1,2軸 アー ムの回転 角度,第1,2軸 ロー タの 回転 角度 で

あ る.ア ーム部 の ラグ ラ ジ ア ンをLr,ロ ー タ部 の ラグ ラジ

ア ンをLmと 定 義 す る と,シ ス テ ム全 体の ラ グ ラジ ア ンは

L=Lr+Lmで あ る.以 下,sin, cosをs, cと 略記 す る.

Lr = 1lrlerl + 1Io2(erl + er2)2 2 2

1 + -mr2{llOrl + r2(8rl + 0r2)2 + 2l1r2(6r1

2 + erler2)cer2} - mrlgrl(1 + serl)

- mr2g[l1(1 + serl) + r2{1 + s(erl + 0r2)}] (1)

Lm, = 1lmlgml + 1Im2(erl + gm2)2 + lmm2llerl 2 2 2

- mm2gll(1 + SOrl) (2)

この と き,(2)式 の右 辺 第2項 の 括 弧 内 第1項 と右 辺 第

3,4項 は,ロ ー タの姿 勢 や 質量 を無視 した既報 告 には 含 まれ

な い.つ ぎに,ラ グ ラ ンジュ の運 動方 程式 を解 き,摩 擦 項 を

加 えて,各 リン クの ア ーム 部,ロ ー タ部 の運動 方程 式(3)~

(6)が 得 られ るが,(3)式 と(6)式,お よび ただ し書 きの下 線

部が,(2)式 の従 来 との 差異 に よって 生 じ る項 で あ る.ロ ー

タ部 に関す る(5),(6)式 は,後 に 式 を ま とめ る都 合で,減

速機 のギ ア比niを 考 慮 し,両 辺 をni倍 してい る.ni値 は

正 または 負の 有理 数で あ る.

(Mrl + 2RCBr2)erl + (Ir2 + RCBr2)Br2 + Im2gm2

+ Drvlerl + Drclsgn(8rl) + Ci +G1 = nlTdl ( 3)

(Ir2 + RCer2)erl + Ir2er2 + Drv28r2

+ DrC2 • sgn(er2) + C2 + G2 = n2Tdi2 (4)

nllmlgml +n1DmVlgml

+ niDmcl • sgn(gmi) = n1Tml - n1Tdl (5)

n2lrn2erl + n2lm2gm2 + n2DmV2gm2

+ n2DmC2 • sgn(gm2) = n2Tm2 - n2Td2 (6)

こ こ で, Mr1=Ir1+Ir2+mr2l21+Im2+mm2l21,

R=mr2l1r2, C1=-mr2l1r2(2Įr1Įr2+Į2r2)sĮr2, C2=

mr2l1r2Į2r1sĮr2, G1=(mr1r1+mr2l1+mm2l1)gcĮr1+

mr2r2gc(ƒÆr1+ƒÆr2), G2=mr2r2gc(ƒÆr1+ƒÆr2) とし,各 モ ー

タ発 生 トル クを τmi,外 部 に 仕 事 を す る トル ク τdi,各関節

と各 ロー タの 粘性 摩擦 係数 と クー ロン摩擦 の大 きさをお のお

のDrVi, DmVi, DrCi, DmCiと す る.ス テ ー タのパ ラ メ ー

タ値は リンクの それ に含 め る.ロ ニ タ に関す る物理 パ ラ メー

タは得 られ る もの とす る.こ こで 減 速 機の 弾性 を1)無 視 で

きる場 合 と2)で きな い場 合 の2通 りの 運 動 方 程式 を示 す.

Aが い わ ゆ る剛体 アー ムの運 動 方程 式 で あ る.

A:減 速 機 の弾 性 を無 視で きる場 合:

常 にniθri=qmiの 関係 が成 り立 つ と仮定 す る と,一 般 化

座 標 は{θr1,θr2}に 減 り,(3)~(6)式 が(7)式 に まとめ られ

る.そ の結 果,慣 性 行 列 の2行2列 成 分 以外 の項 と重 力 項

は既報 告 と異 な るが,そ れ は(2)式 の既 報告 の 前提 との差 異

に起 因す る.こ こで,.M11=Mr1+2Rcθr2, M12=M21=

Ir2+Rcθr2, Dvi=DrVi+n2iDmViと お く.下 線部が 前 記

の差 異 に よ って影 響 を受 け る項 で あ る.

AI11 + nilml M12 + n2Im2 erl

M21 +n2Im2 Ir2 + n2Im2 ere

DV1 0 er1 C1 + G1

0 DV2 ere C2 + G2

Drcisgn(erl) + n1Dmclsgn(n10r1)

Drc2sgn(er2) + n2DmC2sgn(n2er2)

n1Tm1

n2Tm2

(7)

B:減 速 機の 弾性が 無視 で きな い場 合:

τdiが 減 速機 を介 して伝 播 され,減 速 機 の アー ム側 に 換算

したバ ネ定 数をkni,粘 性摩 擦 をdniと し,(8)式 を得 る3).

さ らに(3)~(6)式 お よび(8)式 を ま とめ,(9)式 を得 る.

n1Td1 kn1(gml/n1 - erl)

n2Td2 kn2(gm2/n2 - 0r2)

dnl(Qml/n1 - erl) g

dn2(Qm2/n2 - 0r2)

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計測 自動制御学会論文集 第41巻 第5号 2005年5月 469

ただ し,Dri=DrVi+dni, Dmi=n2iDmVi+dniと お く.

以 上 を総括 す る と,(7)式 お よび(9)式 に お いて,下 線 を

付 したn2Im2と,M11の 定義 式 に 含 まれ るMr1の 定義 式

の 右辺 第4,5項 で あ るIm2+mm2l21, G1の 定義 式の右辺 第

1項 の()内 の 第3項mm2l1が 既 報 告3)と 差 異 を有 す る項

で あ る.こ れ らの差 異は,す べ て,(2)式 の差 異 に起 因する.

逆 に(2)式 の差 異が な ければ,(7)式 も(9)式 も既報 告3)と

一 致 す る.差 異 が な くな る条件 とは,第2軸 モ ー タが ベ ース

上 に固定 され,第2軸 をベル トな ど を介 して駆 動す るよ うな

特 別 な機構 で ある.そ の場 合,ロ ー タの 回転 速度 はqm2の み

と な り,並 進運 動が な く,重 力 の影 響 も受 け な い.ま た,上

記 の うち,Mr1に 関して は,Mr1内 のIr1+(Im2+mm2l21)

が 第1リ ン クの慣 性 モ ー メ ン トと第2軸 ロ ー タの 第1軸 か

ら 見 た慣 性 モ ー メ ン トの和 で あ るこ とか ら,そ れ を改 め て

Ir1と お けば,リ ン クとモ ー タを,意 識せ ず に,一 体 として

扱 って きた 多 くの既 報 告2)~4)と も一 致す る.同 様 に,G1

内のr1は 第2軸 ロー タを含 まない 質量 中心へ の 距離で あ り,

mr1に ロー タの 質量mm2を 含 め る場 合 はr1の 数値 が変 化

す る こ ととな り,そ の 場 合 はmm2l1も 消 す こ とが で きる.

す なわ ち,こ の2項 目に関 して は,変 数 の定 義次 第で,多 く

の 既報 告 との 差 異が な くな る こ とを 意 味 す るが,特 定 の 報

告5)以 外 は,本 稿 の よ うに ロー タの性 質 を詳細 に検 討 した

上 で得 た もの は少 ない よ うであ る.ま た残 る下 線部n2Im2

は,先 に記 した特別 な機 構 を除 い ては 消 え る こ とが な い.

2.2 システ ム同定

実 際 の ロボ ッ トの物 理 パ ラ メー タを 逐次 同定 法6)に よる

同定 実 験 と,ボ ー ド線 図の 実 測 波形 に よ る解 析 結 果 とか ら

求 め る.本 研 究で 用い る ロボ ッ トマニ ピ ュ レー タは,安 川電

機 製 の6軸 垂直 多 関節 ロボ ッ トMOTOMAN-SV3-J00で あ

り,第2軸 と第3軸 を2関 節 ロボ ッ トの 第1軸 と第2軸 に

見立 て て使 用 す る,Fig.  3に 同 ロボ ッ トの 外観 を示す.

つ ぎ に,運 動 方 程 式 の 未 知 係 数{Mr1, Mr2, R, DrV1,

DrV2, DrC1, DrC2, Im1, Im2, DmV1, DmV2, DmC1, DmC2,

kn1, kn2, dn1, dn2}を 推定 す る.逐 次 同定 法 は,制 御対 象 に

任 意 の入 力 トル クを与 えて状 態変 数 を観測 し,最 小二 乗法 を

用 い てパ ラ メー タを推定 す る手 法で あ る6).第1ス テ ップ と

して,減 速 機 を剛体 として見立 て て ロボ ッ トの パ ラ メー タを

推 定 し,第2ス テ ップ として,低 剛性 を考 慮 して,逐 次 同定

法 で 得 られ た慣性 モ ーメ ン トと質量 とを,ロ ボ ッ トの各軸 ご

との ボ ー ド線 図の 実測波 形 とシ ミュ レー シ ョン上 に構 築 した

数 学 モ デ ル の ボ ー ド線 図 とが 一 致 す る よ うに,ア ー ム部 と

ロ ー タ部 の パ ラ メー タ とに分 割 す る .最 終 的 に得 られ た 数

学 モ デ ルの周 波数 応答波 形 をFig. 4とFig. 5の 実線 で示 す

Fig. 3 Exterior of robot manipulator example

Table 1 Identified physical parameters

が,FFTア ナ ラ イザ(小 野 測器,DS-2000)を 用 い て測 定 し

た 実際 の ロボ ッ トのボ ー ド線 図波 形(破 線)と 比 較 す る とほ

ぼ一 致 して い る ことが わか る.以 上の 過 程 に よ り得 られ た結

果 をTable 1に 示す.

3. 制 御 系 設 計

3.1 制 御系 の構 造

提 案す る制御 系は,多 入力 多出力 の状 態空 間表 現デ ィジ タ

ル外 乱 オブ ザ ーバ,サ ンプ ル値 最適 サ ーボ13)~15),さ らに,

目標追 従性 を 向上 す るため,フ ィー ド フ ォワ ー ド項 か ら構

成 され る(Fig. 6参 照).TSブ ロ ックは,積 分 ゲ イン を連 続

系 の積 分補 償 ゲ イン と合 わせ る働 き を持 つ13).Fig. 6中 の

selectorは 状 態変 数の 推定 値の 中か らア ーム 変位[θr1, θr2]T

を選び 出す機 能で あ る.姿 勢 変化 に応 じ て生 じ るパ ラ メー タ

変 動 を考 慮 した非 線形 オブザ ーバ と非線 形 サ ーボ系 に拡 張す

る こ と も可 能だが,本 論 文で は作 業 領域 が 狭い もの と仮定 し

て,固 定パ ラ メー タ とした.フ ィー ドフ ォワー ド項 のP-1は,

P-1(z)=diag{P-11(z),P-12(z),…,P-1m1(z)}と し,減 速機

を剛体 と見 立て,し か も,1入 力1出 力 系 に近似 した第iリ ン

クの伝達 関数 の逆 関数 とす る.つ ま り,P-1i(s)=s2Mi+sDi

の よ うに,プ ロパ ーで な い連 続 系 と し,sを 時 間 領 域 の 微

分 演 算 子 と して扱 い,角 度の 次 元 を持 つ 参照 値rを 入 力 と

して,r'(kTs)=Miri(kTs)+Diri(kTs)を 求 め るだ け とす

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470 T. SICE Vol.41 No.5 May 2005

Fig. 4 Bode diagram of 1st axis(2nd axis=90•‹)

Fig. 5 Bode diagram of 2nd axis

る.ri(kTs), ri(kTs)は あ ら か じ め,サ ン プ リ ン グ タ イ ム ご

との 離 散 デ ー タ列r'[k],(k=0,1,2,… と して,オ フ ラ イ

ンで 算 出 で きる もの とす る.そ の時 系 列 信号 をつ ぎのF(z)

に入力 す る.F(z)=diag{F1(z),F2(z),…,Fm(z)}で あ り,

各要 素 を安 定 プ ロパ ーに選 ぶ.結 局,F(z)の 出力 を フ ィー

ドブ オワー ド入 力 とす る.し たが って,逆 シ ステ ムの離散 化

に伴 っ て生 じる不 安定 零点 な どの問 題 は生 じ ない.

3.2 状 態空 間表現 外乱 オブ サーバ の構 造

従来,外 乱 オブ ザーバ は伝達 関数 の 形で 実 現 され,未 知 外

乱 を推 定 す るた めだけ に用 い られ る こ とが 多 い.本 例で は状

態 空間 表現 を用 い,通 常の状 態オブザ ーバ よ り,高 精度 な状 態

推 定 を行 な う.こ れ はFig. 6中 の オブ ザ ーバ の構造 か ら明 ら

か とな る.同 図 は制御対 象の入 力部 の未 知 外乱 を仮定 した離

散 系 の状 態 方 程式(10),(11)式 に基づ いて 設 計 したオブ ザー

バ(12) ,(13)式 の構造 に沿 っ て,外 乱 以外 の 状 態推 定部 と外

乱 推定 部 を分 離 して 図示 した もの で あ る.離 散 系 の状態 変数

x=[θr1, θr2, qm1, qm2, θr1, θr2, qm1, qm2]T∈R8,制 御 入力

u=[τm1, τm2]T∈R2,入 力端 外乱d=[τdis1, τdis2]T∈R2

と す る.係 数 行 列Ad∈R8×8, Bd∈R8×2, Cd∈R2×8

は(9)式 の 非 線 形 項 を省 き,0次 ホ ー ル ド機 能 を制御 入 力

に仮 定 し て 求 め る.観 測 出 力 はy=[qm1, qm2]Tで あ り,

[H1,H2}T∈R10は オ ブ ザ ー バ の ゲ イ ン 行 列 で あ る.

x(k+ 1) = Adx(k) +Bdu(k) -Bd •d(k) (10)

y(k) = Cdx(k) (11)

[ x(k+1) 1 [ Ad -Bd (k)

[d(k+1)jL 0 0 d(k) + F Bd u (k)+ H1 k- ~ k(12 )

2

[ x ~ (k) ( (13) 1~) = Cd 0 y

d

Fig. 6よ り,同 外 乱 オ ブ ザ ーバ は制 御 対 象 の 出 力 とオ ブ

ザ ーバ 出 力の差 の 積分 値 とオブ ザ ーバ ゲ インの積 算 か ら外 乱

推 定値 を求め て い る.さ らにそ の外乱 推定 値 を制 御 入 力か ら

減 算 して,外 乱 以外 の 状 態 オブ ザ ーバ部 に入 力 す る こ とで,

外 乱 の 影 響 を 排 した 正確 な状 態 変数 の 推定 が 可 能 な 構 造 を

有 して い る こ とが 読 み取 れ る13).

4. 制 御 実験 に よ る 評 価

制 御 性 能 を評 価 す る ため,実 機 に よ る制御 実験 を行 な う.

制御 系 は汎 用 コ ン トロー ラ(A & D(株)製,AD5410)を 用

い て実 現 し,サ ンプ リ ング周 期 を5msと す る.数 値 が 少 々

長い の はオブ ザ ーバ の次 数が 多 いこ とに よる.サ ンプ リング

周期 を長 くす る こ とに よって発生す る可 能性 の あ る フ ィー ド

バ ック制 御系 として の不 具合 は,サ ンプ ル値 最適 サ ーボ を適

用す る ことで 補 うこ と とした.

提 案 手 法 の 振 動 抑 制効 果 を評 価 す る ため,各 軸 同時 に振

幅0.01radの ス テ ップ 状 の位 置 指令 を与 え,マ ニ ピ ュ レ ー

タ先 端 の振 動 を サ ー ボ 加 速 度 計(日 本 航 空 電 子 工 業 製,

JA-24MA)で 測 定 した(Fig. 7参 照).ま た,振 動 の 影 響 を

顕 著 にす るた め,ロ ボ ッ ト先 端 に5kgの 負 荷 を接 続 して 実

験 を行 な う.制 御 系 は負 荷 を含んだ 制御 対 象モ デ ル に基づ き

設計 す るこ と と した.

この実験 結 果 をFig. 8とFig. 10に 示す.X方 向の セ ンサ

出力 をFig. 8,Y方 向の セ ンサ出力 をFig. 10に 実線 で 示 す.

比較 の ため,1軸 ご とにPID制 御 を行 な った結 果 に つ いて も

Fig. 6 Block diagram of presented control system

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計測 自動制御学会論文集 第41巻 第5号 2005年5月 471

Fig. 7 Installation of acceleration sensor

Fig. 9とFig. 11に 示す.同 図 よ りPID制 御 は加 速度 セ ン

サの 出 力が 減 衰 す るまで に 加振 時 か ら約1.5sか か る の に対

し,提 案 法 は,約1.0sほ どで0.1m/s2以 下 に 減衰 して い る

こ とが わか る.設 計パ ラメー タは1.0s後 に,位 置 決め 誤差が

0.1rad以 下 に な る ように設計 した もので,提 案法 の重 み 関数

をQ=diag(3×104, 2×104, 9×104, 6×104, 10, 1, 1, 1, 1×

105, 6×104), R=diag(1×10-2, 5×10-3)と した.PID制 御

ゲ インは,比 較 の ための一つ の基 準 として,立 ち上が り時 間が

提案法 と一致 し,減 衰特 性 も含めて,提 案法 に近い波 形が得 ら

れ る よ うにゲ イン値 を調 整 した もので あ り,第1軸 をKP=

5300(N/rad), KD=300(Ns/rad), KI=330(N/rads),

第2軸 をKP=5200(N/rad), KD=70(Ns/rad), KI=

520(N/rads)と した.と ころが,収 束時 周辺 の ロボ ット先 端

の加 速度 を拡大 して 観測 す る と,大 きな差異が 生 じて い る.

Fig. 12とFig. 13は 前 記 したス テ ップ 応答 実験 で の収 束

時の 各モ ー タ軸 の 角度波 形 を拡大 した図で あ る.矩 形状 の 波

形 は参 照 値,振 動 が 激 し いが 最 も速 い 収 束 を示 した 波 形が

PID制 御で あ る.比 較 的遅 い収 束 を示す 波 形が 提 案 す る制

御系 であ るが,ロ ボ ッ ト先 端 の速い加 速度 の収 束 に重 点 を置

き,な お か つ,速 い位 置 決 めが で きる よ うに 設計 した た め,

モ ー タ軸 上 で は必 ず し も速 い収 束 とな らな い.

以 上の 実験 結 果 を総括 す る と,提 案す る多 入力 多 出力系 の

最適 サ ーボ設 計 に よ り,良 好 な振動抑 制特 性が 得 られ た と考

え られ る.す なわ ち,提 案 手 法は,Fig. 12~Fig. 13に お い

て は,目 標 値 応 答 の収 束 の 途 中経 過 にお い ては,PIDよ り

オ ーバ ー シュ ー トが 大 き くな ってい ると ころが あ る に もかか

わ らず,Fig. 8~Fig. 11の 結果 か ら,ロ ボ ッ ト先端 の 収束 は

1入 力1出 力 系 のPID制 御 よ りも早 い.こ れ は,提 案 手 法

が単 純 に低帯 域 化 され た もので はな く,提 案す る多 入 力多 出

力 系 の最 適サ ーボ 系 を用 い た こ とで積 極 的 な振 動 抑 制 制 御

が 行 なわ れ た もの と考 え る.

5. ま と め

本 研究 で は,モ ー タ内の ロー タ と減速 機の性 質を考 慮 した

ロボ ッ トマ ニ ピュ レ ー タの モデ リング手法 に基づ き,状 態 推

定 外 乱 オ ブザ ーバ を含 む2自 由 度の 最適 サ ー ボ 制御 系 を提

Fig. 8 Acceleration in X-dirrection by presented controller

Fig. 9 Acceleration in X-dirrection by PID controller

Fig. 10 Acceleration in Y-dirrection by presented controller

Fig. 11 Acceleration in Y-dirrection by PID controller

案 し,実 験 に よ り有 用 性 を示 した.た だ し,ロ ー タの並 進運

動 に 関す る考 慮 を省 い た 多 くの従 来 法 との差 異 は 数式 の上

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472 T. SICE Vol.41 No.5 May 2005

Fig. 12 1st Axis rotor angle for step inputs

Fig. 13 2nd Axis rotor angle for step inputs

で は明 らか にで きた ものの,制 御上 では 直接 に は差 異 として

表 わせ な か った.ま た,本 制御 法は優 れ た振 動抑 制特 性 を示

した もの の,軌 道 追 従性 に つ いて は,PIDを 越 え る追 従 性

能 は得 られ て い ない こ とか ら,提 案 法は 本論 文で 設定 した振

動抑 制 を重 視 す る用途 には 向いて い る もの の,高 い 軌道追 従

性 を合 わせ 持 つ必 要の あ る用:途に対 して は,さ らな る工夫 が

必 要 とす る こ とが 結論づ け られ る.

参 考 文 献

1) Y. Kosaka and A. Shimada: Motion Control for Ar-

ticulated Robots Based on Accurate Modeling, the 8th International Workshop on Advanced Motion Control

(AMC2004), IEEE IE Society, 849/853 (2004)2) R. Paul: Robot Manipulators, Mathematics, Program-

ming, and Control, MIT Press (1981)3) 有 本 卓:新 版 ロボ ッ トの力 学 と制 御,朝 倉書 店 (2002)

4) 川 崎晴 久:ロ ボ ッ ト工 学 の基 礎,森 北 出版 (1991)

5) 古 荘,長 尾,成 瀬:駆 動 系 に弾 性 を有 す る マニ ピ ュ レー タ制

御 系 の 一 般 化 根 軌 跡,日 本 機械 学 会 論 文 集(C編), 56-526,

1462/1469 (1990)

6) 小 林,増 田他:ロ ボ ッ ト制御 の実 際,コ ロナ社 (1997)

7) (株)ハ ー モ ニ ッ ク ド ラ イブ シ ス テ ム ズ:ホ ー ム ペ ー ジ:

http://www. hds. co. jp/

8) 和 田,西,宇 野,久 保:ロ ボ ッ トの防 振 制 御方 式 の 開発,日 本

ロ ボ ッ ト学 会 誌, 12-3, 363/364 (1994)

9) 結 城,村 上,大 西:共 振比 制 御に よる2慣 性共 振 系の 振 動抑 制

制 御,電 気 学 会論 文誌D, 113-10, 1162/1169 (1993)

10) Yoichi Hori: Comparison of Torsional Vibration Con-trols based on the Fast and Slow Disturbance Observers, IPEC'95, 1, 440/446 (1995. 4, Yokohama)

11) 島 田 明:外 乱 トル ク・速度 推 定 オブ ザ ーバ を用 い た低 剛性 マニ

ピ ュレ ー タ制 御,日 本 ロボ ッ ト学 会誌, 10-7, 983/991 (1992)

12) 宮 崎,大 石,橋 本,中 塚:ギ アの 角度 伝達誤 差 を考 慮 した ロボ ッ

トアー ムの ロバ ス ト速 度制御 系 の一構 成法,電 気 学 会論 文 誌D,

118-12, 1427/1434 (1998)

13) Y. Kosaka, A. Shimada and P. Viboonchaiceep: Vibra-tion Control for Articulated Robots without Feedback of Disturbance Estimates, IECON2003, 849/853, IEEE In-dustrial Electronics Society (2003)

14) T. Chen and B. Francis, Optimal Sampled-Data Control Systems, Communication and Control Engineering Series, Springer-Verlag (1995)

15) 萩原 朋 道:デ ィジ タル制御 入 門,コ ロ ナ社 (1999)

16) 島 田,小 坂:モ ー タと減速 機 を含 む マニ ピ ュ レー タの 正 確 なモ

デ リング,第4回 計 測 自動 制御 学会 シ ステ ム イン テ グ レー シ ョ

ン 部 門講演 会, 516/517 (2003)

17) J.C. Doyle, K. Glover, P.P. Khargonekar and B.A. Francis:

State-Space Solutions to Standard H2 and H•‡ Con-

trol Problems, IEEE Tans. of Automatic Control, 34-8,

831/847 (1989)

[著 者 紹 介]

小 坂 裕 紀

1979年9月 生.2002年 職業能力 開発総合大学

校電気工学科卒業 同年職業能力 開発総合大学校

研究課程(=修 士課程)電 気情報専攻入学.2004

年修了.同 年 日産 自動車(株)総 合研究所 に勤務.

在学 中,ロ ボ ットマニ ピュ レータの動力 学 解析,

モーシ ョンコン トロールの研究 に従事.

島 田 明(正 会員)

1958年9月 生.83年 電気通大 学電子工学科卒

業.同 年(株)第 二精工舎(現 セ イコー インスツ

ル(株))に 入社 し,ロ ボ ットコン トローラ開発

に従事.94年 より千葉大学非常勤講師を兼務,99

年 より客員教授 を兼務.2001年 より職業能力 開発

総合大学校電気 システム工学科助教授.電 気学会

上級会 員,IEEE,日 本 ロボ ット学 会などの会員,

博士(工 学)(96年,慶 応義塾大学).