4
り窯業蒜-# して,鉄針の使用は200本を越え イー た.鉄針はSPレコード片面ごとに Fも 交換必要がある. D89160イコライザに使われて いたWE-91Aリクーデーションコ イル(RET)を東京・代々木のウェ スタンサウンドインクから頒けても らった. 80年も前の、WEのトラン スが在庫しているとは私も信じられ なっかった.日本は凄いと以前アメ リカの知人から羨ましがられた.今 回の91A RETも同様である. 回路図の指定通りの91 A RET 護憲4_Avi:SDbs': レコード再生はWEのスピーカ・シ ステムで本領を発揮する. WE-555 やWE-594Aがよく合っていて, 同じWEでも753C (wE-713A+ WE-32A, KS-12004)やWE-755 A OCT 2004 では悪くはないが,どうもしっくり しない.これはこの1カ月間に実験 した結果だが,現代のスピーカでも SPレコードが古いWE製のスピ ーカ並に生き生きとした音で鳴らな いものかと,真剣に考え始めた. 真空管史上パワー管の最後 を飾ったKT 88 オーディオ史を振り返ってみる ど,増幅素子として真空管が半導体 に移行した1960年代になると,い とも簡単に大パワーがとれる出力管 が出現した.イギリスGEC社の KT 88もその一つだった.代表的な アンプとしてDynaco MARKIII があげられる.マッキントンュの MC275もKT88だった. Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に, 3極管部がPK分 割の位相反転回路で使用され, KT88を振っている極めてシンプ ルなアンプで60Wの出力を得て いた.当時の私には60Wという大 出力がピンと来なかった. Good- mansのAXIOM 80を使っ から73.. 今回KT88パワー・アンプを製 作する動機になったのは,アムトラ ンスに修理品として持ち込まれた DynacoMARKIIIをパワ ンスと出力トランスを生かして完璧 にオーバホールをした聴かせてもら ったのがきっかけだった.試聴に鳴 らしたB&Wシグネチェア802が 私の594Aシステムと同様のスピ ード感のある音で鳴ったのには「瞬 耳を疑ったほどだった. 今まで私の製作したパワー・アン プでB&Wシグネチュア802がこ のように軽々と鳴ったのはWE300 EWE 300 B二WE 212 ル・アンプだけだった.もっとも B&Wシグネチェア802を私の自 9

ルなアンプで60Wの出力を得て - TOK202...Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に,

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ルなアンプで60Wの出力を得て - TOK202...Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に,

語 り窯業蒜-#して,鉄針の使用は200本を越え

イー   た.鉄針はSPレコード片面ごとに

Fも   交換必要がある.

D89160イコライザに使われて

いたWE-91Aリクーデーションコ

イル(RET)を東京・代々木のウェ

スタンサウンドインクから頒けても

らった. 80年も前の、WEのトラン

スが在庫しているとは私も信じられ

なっかった.日本は凄いと以前アメ

リカの知人から羨ましがられた.今

回の91A RETも同様である.

回路図の指定通りの91 A RET

巨 護憲4_Avi:SDbs':レコード再生はWEのスピーカ・シ

ステムで本領を発揮する. WE-555

やWE-594Aがよく合っていて,

同じWEでも753C (wE-713A+

WE-32A, KS-12004)やWE-755 A

OCT 2004

では悪くはないが,どうもしっくり

しない.これはこの1カ月間に実験

した結果だが,現代のスピーカでも

SPレコードが古いWE製のスピ

ーカ並に生き生きとした音で鳴らな

いものかと,真剣に考え始めた.

真空管史上パワー管の最後

を飾ったKT 88

オーディオ史を振り返ってみる

ど,増幅素子として真空管が半導体

に移行した1960年代になると,い

とも簡単に大パワーがとれる出力管

が出現した.イギリスGEC社の

KT 88もその一つだった.代表的な

アンプとしてDynaco MARKIII

があげられる.マッキントンュの

MC275もKT88だった.

Dynaco MARK HIは5極+ 3極

複合MT管の6AN8が1本前段

にあるという構戒だった. 5極管部

が電圧増幅段に, 3極管部がPK分

割の位相反転回路で使用され,

KT88を振っている極めてシンプ

ルなアンプで60Wの出力を得て

いた.当時の私には60Wという大

出力がピンと来なかった. Good-

mansのAXIOM 80を使っていた

から73..

今回KT88パワー・アンプを製

作する動機になったのは,アムトラ

ンスに修理品として持ち込まれた

DynacoMARKIIIをパワー・トラ

ンスと出力トランスを生かして完璧

にオーバホールをした聴かせてもら

ったのがきっかけだった.試聴に鳴

らしたB&Wシグネチェア802が

私の594Aシステムと同様のスピード感のある音で鳴ったのには「瞬

耳を疑ったほどだった.

今まで私の製作したパワー・アン

プでB&Wシグネチュア802がこ

のように軽々と鳴ったのはWE300

EWE 300 B二WE 212Aのシング

ル・アンプだけだった.もっとも

B&Wシグネチェア802を私の自

9

Page 2: ルなアンプで60Wの出力を得て - TOK202...Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に,

w EF86/6267  47k lW V3 ECC82/12AU7A vl W KT88

∧/M● 164V/NFBご13-5dB423V521V

INPUT �610肋3 劔劔僣as面moio

12 �98121V2630VL_一一リー丘:-:4 劔劔僣W-100-5

3 ��キ��ウ��2$庸�������抱奉�リx7�7箚�S���������⊥きき ≧S! :∴ (=} N 冓3醤 185V: i :8,の 一く"ー 7 6 �'iL6 書V �4��3メ�%e2������テメ�����R�.5V 凛B�

雪iT 劔�.5V

> くつ 響 i l⊃ io AC100V �+ �� 鼎#5b��」�����Ct板�c3�b�iLTニ4 3 521V●

." shimoto15Ok2W 400B360V � 劍�#S#Ub��bイ�*リ�イ�ョネ爾�

>2V4 6.3V4A VV3 僣a PT 剩��6�ヨ���2モ��モ#��r�S#苗メ��R�

100V 0 ��320V 280V �))」(���

ー 63V4A 110V N 剪�i トー

-108V-97V 75V▼ S30A30H_2.2k2W 剪モc%b�Cvウ%r�S�イモ��モc%b�Cvウ%r�僮

eon FuseP-SW 一m 5A 劔��0150A+\/+署

75VV 100〝160V

作アンプすべてで鳴らしたわけでは

ない. WE-86 B TypeのWE 300

Bプッシュプルはもう2年以上アン

プ倉庫に入れたままで このところ

火を入れていない.

EL 34プッシュプル・アンプを

KT 88に改造することにした

本誌2003年1月号と3月号に発

表したEL34プッシュプル・アンプ

はB電源の整流がファーストリカ

ヴァリ・ダイオードのブリッジ整流

だったが,その後SBDに交換する

つもりで棚の隅に置いてあった.

SBDも高電圧型で30Aタイプが

出来たのでブリッジ整流をやめて,

IO

半波整流にしだいと考えていた.

EL34をKT88用に改造するの

は, B電源とC電源(バイアス用)を

の変更で済むので早速SBDをオー

タした.

第1図が改造後の本機の全回路図

である.私にとってKT88は初体

験の球だったの?. GECのKT 88

の規格表をアムトランスで見せても

らった(第2図).この規格表の発行

日は1974年12月のIssue 5だっ

た.浅野勇著「魅惑の真空管アンプ」

の巻末には1963年10月発行の

Issue 4のKT88の規格表が載っ

ていることが後でわかった.

この規格表の中にあったUL接

続の固定バイアスによるABl級動

作を選ぶことにした.選んだ理由は

無信号時のプレート+スクリーン

グ・リッド電流を1本当たり50mA

にするという単純な設定だったから

だ.プレート電圧が560Vと460V

の2例があり,前者の最大出力が

100W後者の最大出力が70Wな

ので カソード電流を50mAにす

れば プレート電圧が460Vから

560 Vの範囲になっていれば良いと

いうことである.KT88プッシュプ

ルの2本分のカソード電流は最大で

も300 mA程度なので橋本電気の

PT-400 BのB巻線はDC450mA

(ブリッジ整流時)あるので半波整流

ラ ジ オ技術

Page 3: ルなアンプで60Wの出力を得て - TOK202...Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に,

0 8 6 �� �� ��○ �� �� �� �� �� �� ��

漢- �� �� �� ��ゥ.���9z��波数 ズ三0 �1舶2 _mV(8 剴�� �� �� ��

4 �� �� �� 劔劔 �� �� ��

漢音臆 �� �� �� 劔劔): �� �� ��

2 �� �� �� �� �� �� �� ��t��韮� ��

6_6 富4�687b�聞出 � �� ��

0 8 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

6 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

gS- �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� 回書鵜 �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� 4 �� �� �� �� �� �� ��/ �� �� 白�.

2 �� �� �� �� �� �� �� ��I I_ �� 辻�

1 �� �� �� �� �� �� ��3rdHD i ��I �� �� 8 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

6 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

g- �� �� �� �� �� �� ��ヽ 白� �� ��

4 �� �� �� �� �� �� �� 白� �� ��

gS漢 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

2 �� �� �� ��ノ / ノ �� �� �� �� �� ��

1 �&襯В�剪� �6メ�6メ�6メ��� �� �� �� �� �� ��

8 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

8-°- �� �� �� �� �� �� �� �� �� �� 6 �� �� ���� �� �� �� �� �� ��

4 �� �� �� �� �� �� �� �� �� ��

漢音■ �� ���� �� �� �� �� �� �� ��

2 � �� �� �� �� �� �� �� �� ��

工.. �"�4 ��6 ��8 �����2 ��4 澱� 唐�102 ��4 ��6 ��810

出力(W)

(第3図〉雑音ひずみ寧特性

/ �4�5B�66時 ノブ閥 劍趙�

I �� �� �� ��

I �� �� �� ��

I �� �� �� ��

/ �� �� �� ��

○○

/ �� �� �� �� �� �� ��

iii 劔i � �� �� �� �� �� ��

韻 ����喜一o 囘B-12.5W � �� �� �� �� �� ��

4 6 8100  2  4 -6-81k  2

周波数(Hz)

(第4図〉周波数常陸

になっていたので, KT88はグリッ

ドバイアス電圧が大きいだけ感度が

低い.

残留雑音は0.5 mVで標準的な

値であった.第3図を見るとTHD

の成分が第2高調波である. THD

と第3次高調波の差がEL 34の時

より大きくなっている.これはビー

ム管の特徴かもしれない.

g4

6 810k  2   4 6 8100

いともシンプルな回路持戒で大出

カが取り出せるというのは,なにか

あっけにとられた感じを持った.

(2)周波数特性(第4図)

20Hzから70kHzがマイナス

0.6dB,プラスOdBであった.改造

前のEL34アンプでは初段管の

EF86/6267のプレート回路に入っ

4 6 80.1  2   4 6 81.0

入力(V)

〈第5図〉入出力特性

ている位相補正回路のCの値を

100Pにしていた.本機では100P

にすると高域減衰が大きいので47

Pにした. 10kHzの方形波テスト

でもまったく問題がなかった.また

低域は出力トランスの優秀陸を物語

っている.

(3)入・出力特性(第5図)

出力60 Wの時の入力電圧が0.6

V IWが70mVという高感度ア

ンプに仕上がった.

プ)ッジ整流と半波整流の音

の違いを聴いてみた

・本機はモノ・ブロック・アンプな

ので 片方のアンプをまずSBDの

半波整流にした.もう一方のアンプ

はバイアス電圧を深くしてKT88

に対応した.整流素子はB電源(ブ

リッジ整流)とバイアス電源(南淡整

演)ともにファーストリカヴァリ型

である.

片チャンネルづつ音を出してみる

ラ ジオ技術

4

 

2

 

0

 

(

 

4

 

6

 

8

 

 

 

 

Page 4: ルなアンプで60Wの出力を得て - TOK202...Dynaco MARK HIは5極+ 3極 複合MT管の6AN8が1本前段 にあるという構戒だった. 5極管部 が電圧増幅段に,

ど,かなり音の差があった.ブリッ

ジ整流の方はちょっと華やかな音色

でキラキラした感じで低音がプン

プン鳴るHiゼiアンプのサウンド

だった. B&Wシグネチュア802

はクリップ感などなくまったく危な

げなく鳴っていた.一方の半波整流に改造したアンプ

は音の切れ込みが良い,反応の良い

音を出した.ピアノの低音部の音は

生音を彷彿するようにハギレがい

い.演奏が鳴りやんだ瞬間の静寂感

がなによりも見事だった.重い音だ

というイメージが強かった802が

まるでホーン型のように軽々と鳴っ

たのには本当に嬉しかった.

大出カパワー管はどちらかという

と重い音を出すように思っていたが

Dynaco MARKHIやマッキントン

ュMC275は透明感のある足取り

の軽やかな音だったことを思い出し

た.いずれもパワー・アンプだけの

OCT. 2004

●電源部およびチョーク・コイル回りのワイヤリング

単独試聴の時である.どちらもプリ

アンプカ滑降的な音質を持っていた

ために,プリアンプに音のイメージ

づけをされていたのが, CD時代に

なってパワーアンプだけの上略交試聴

の機会で知ることができた.

ヴィンテージ管と現行生産管

の音質比較

今回の改造アンプでは現行生産品

のSOVTEK管を使用した.市場に

はGOLDLIONブランドのオリジ

ナル管やKT88相当管のアメリカ

管6550もまだ流通している.また

現行品はロシア管以外に,東欧諸国,

中国でも生産されている.古典管,

とくに直熱3極管の現行品は名前が

同じでもオリジナル管とは別の規格

の球があって,よく調べてみないと

差し換え不可能な同一名の真空管が

ある.その点KT88は近代管だか

ら,多分すべてのKT88が本機で

使用できるはず73-.本機を使った

「KT88の聴き比べ」をしてみたい

と思った.

●電源部のクローズアップ

器回書 �� �� ���

:1、 - � �� ������×\ヾ-(×× 仄8x�6メ�

*-S 劔�� ��

:∴∴

メ-,読),瞭 劔 ��∴∴

15