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新たなライフサイエンス研究の構築と展開 -第4期科学技術基本計画におけるライフサイエンス研究の基本的方向- (中間とりまとめ) 平成21年12月7日 ライフサイエンス委員会

新たなライフサイエンス研究の構築と展開-2 - はじめに 今、ライフサイエンス研究の新たな展開を切り開く時期に来ている。 21世紀は「生命の世紀」と言われ、第2期科学技術基本計画(平成13年3月閣議決定)

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新たなライフサイエンス研究の構築と展開

-第4期科学技術基本計画におけるライフサイエンス研究の基本的方向-

(中間とりまとめ)

平成21年12月7日

ライフサイエンス委員会

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目 次

はじめに ・・・ 2

Ⅰ.現状認識 ・・・ 3

1 我が国のライフサイエンス研究の動向

2 グローバルなライフサイエンス研究の進捗

Ⅱ.新たなライフサイエンス研究の構築と展開 ・・・ 7

1 今後のライフサイエンス研究の基本的方向

2 研究基盤

2-1 バイオリソース

2-2 ライフサイエンス統合データベース

2-3 最先端計測・分析設備基盤

2-4 創薬・医療技術支援基盤

3 研究環境・体制

4 ライフサイエンス研究の展開

4-1 新たなライフサイエンス研究の潮流と重要研究課題

4-2 適切な予算措置

ライフサイエンス委員会の構成員及び審議の経過 ・・・23

参考資料 ・・・26

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はじめに

今、ライフサイエンス研究の新たな展開を切り開く時期に来ている。

21 世紀は「生命の世紀」と言われ、第2期科学技術基本計画(平成 13 年3月閣議決定)

以降、ライフサイエンス研究には多額の重点投資が行われてきた。第4期科学技術基本計

画の検討は、政府全体の科学技術投資戦略の新たな方向性を定め、今後のライフサイエン

ス研究の行方を左右する重要な方針決定となる。また、本年9月に新政権が発足し、同月

に開かれた「国連気候変動サミット」の鳩山総理演説で「全ての主要国による意欲的な削

減目標の合意を前提として、温室効果ガスを 2020 年までに 1990 年比で 25%削減する」と

いう目標を掲げた。これにより、低炭素社会の実現に向けた革新的な環境・エネルギー技

術開発の重要性が飛躍的に高まっている。このような状況のなか、ライフサイエンス研究

のどのような研究領域に今後重点をおくのか、今それが問われている。

本委員会では、上述の問題意識のもと、第4期科学技術基本計画におけるライフサイエ

ンス研究の基本的方向について審議検討を重ね、ここに「中間とりまとめ」を行うに至っ

た。すなわち、ライフサイエンス研究は、国民の健康長寿や低炭素社会の実現、新興・再

興感染症への対応、食の安全の確保等の国民の安全確保に資するとともに、食料自給率向

上や医薬品・医療機器等の産業競争力強化、新産業創出を図る上で重要な科学技術である

こと。これは新政権の基本方針(平成 21 年9月 16 日)にて示された「人の命を大切にす

る社会の実現」、「医療・介護・環境など新たな分野における産業と雇用の創出による内需

主導型の経済成長の実現」に合致するものである。このため、現在のライフサイエンス研

究の進捗と課題を明確にした上で、グローバルな視点でライフサイエンス研究の新たな展

開を切り開くべく重点的な投資を行っていくことが必要との結論を得た。

今後は、この「中間とりまとめ」を総合科学技術会議などの関係機関における検討に適

切に反映されるよう提言していくとともに、今後の重要研究課題の更なる検討など「中間

とりまとめ」で検討課題とされた事項の審議検討を進めていく。そして、何よりも、国、

大学等(大学及び大学共同利用機関をいう。)、研究機関、産業界等のライフサイエンス関

係者は、我が国のライフサイエンス研究が現在大きな分岐点に差し掛かっていることを認

識の上、今一度、ライフサイエンス研究の今後の方向について議論を惹起して頂きたい。

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Ⅰ.現状認識

1 我が国のライフサイエンス研究の動向

(社会・国民のニーズや期待)

現在、地球規模の気候変動に伴う自然災害の多発、食料・水利用の不安定化など地

球温暖化による様々な環境影響、新型インフルエンザなど新興・再興感染症の蔓延が

指摘され、こうした問題の解決に向けて国際的な関心が高まっている。このため、植

物研究をはじめとする食料問題、水資源問題の解決に資する研究や免疫システムを基

盤とした感染症対策に資する研究が重要となっている。

また、世界規模での資源・エネルギーの需要増加に伴い、世界的な資源獲得競争が

激化しており、地球生態系の保全と低炭素社会の実現を目指した、ライフサイエンス

研究の重要性が一層高まっている。

我が国では、世界に類を見ない速さで少子高齢化が進みつつあると同時に、社会の

多様化・複雑化が進んでおり、国民の生活の質(QOL)向上や医療・福祉等の問題

への適切な対応が求められている。健康長寿社会の実現に向けて、心に問題を抱える

人の著しい増加1に対応する精神医学の研究、加齢に伴って生命維持機構に異常をきた

す免疫疾患や代謝疾患、がんの克服のための研究、事故等で失われた生体機能の修復

等を目指した再生医学研究、神経疾患1の病態解明に向けた脳科学研究、「個人差」に

着目した医療の実現に向けた研究などがその重要さを増している。また、再生医学研

究のみならず、人から提供された臓器の安全性確保や安定な受容に向けた臓器移植医

療の研究は健康長寿社会の実現に重要である。

このように、ライフサイエンス研究は、国民の健康長寿や低炭素社会の実現、新興・

再興感染症への対応、食の安全の確保等の国民の安全確保に資するとともに、また、

食料自給率向上や医薬品・医療機器等の産業競争力強化、新産業創出を図る上で重要

な科学技術として、そのニーズや期待は高まっている。

(我が国のライフサイエンス研究の動向)

21 世紀は「生命の世紀」と言われている。上述のニーズや期待を背景として、我が

国では、第2期科学技術基本計画に続く第3期科学技術基本計画(平成 18 年3月閣議

決定)において、「ライフサイエンス」を重点推進4分野の1つとして位置付け、これ

まで重点的な財政措置が行われてきている2。この間、分野別推進戦略(平成 18 年3

月総合科学技術会議)に沿ってライフサイエンス研究が着実に進められ、世界をリー

ドする多くの研究成果を挙げてきている。

例えば、京都大学山中伸弥教授らの研究グループが発表したマウス iPS 細胞(人工

多能性幹細胞)の樹立(平成 18 年8月)及びヒト iPS 細胞の樹立(平成 19 年 11 月)

は、学術的にも新たな領域を切り開いただけでなく、再生医療や創薬開発、疾患研究

1 我が国において、認知症とされる人は約170万人、うつ病等を含む気分障害は約90万人、パーキンソン病は約15万人、自殺者

の数は毎年3万人以上とされ、大きな社会問題となっている。 2 政府全体のライフサイエンス予算:平成 18 年度当初予算 3,154 億円(17.8%)→平成 21 年度当初予算 3,461 億円(20.4%)。

( )内は、分野別予算総額に占めるライフサイエンス予算の割合。

文部科学省のライフサイエンス予算:平成 18 年度当初予算 684 億円→平成 21 年度当初予算 711 億円

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への応用も期待される我が国発の画期的な研究成果であった。全米科学協会(AAA

S3)刊行の科学誌「Science」は、毎年末に公表する世界の画期的な科学研究成果の

トップ 10(Science Breakthrough of the Year)のなかで、我が国の研究グループが

重要な貢献をした研究成果を上位に取り上げている(「ヒトの遺伝的多様性の解明の進

展 (平成 19 年1位)」、「iPS 細胞の樹立(平成 19 年2位)」及び「細胞の初期化(平成

20 年1位)」など)。この他にも、ヒトの遺伝的多様性の解明によるゲノムワイド関連

解析の発展や、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術に代表されるラ

イフサイエンスと機械工学等との融合による進展、霊長類の遺伝子改変モデル動物の

作出など多くの研究進展が見られている。また、近年の計測・分析技術の目覚ましい

進歩により、ライフサイエンスは数学や情報科学などの数理計算科学との連携の重要

性が増し、システムバイオロジーなどといった新たな研究領域の創出、研究の新しい

パラダイムが起こりつつある。

その一方で、健康長寿社会の実現のための介護(支援)機器や医療機器の開発に向

けた医工連携の更なる推進、食料問題の解決を目指したGMO4の研究や新興・再興感

染症の研究を進めていくための国民理解の促進などの課題が一層顕在化してきている。

(医薬品・医療機器等の実用化に向けた動向)

これまでに我が国のライフサイエンス研究には多額の重点投資が行われ、これによ

り多彩な基礎研究シーズが生まれている。また、医薬品・医療機器産業に関しては、

医療費の拡大とその抑制が課題となっているなかにあっても、高齢化などに伴い、今

後、世界的な市場規模は拡大していくことが予想されている。その一方で、世界の医

薬品市場に占める我が国のシェアは、国別では米国に次いで第2位であるが減少傾向

にある。加えて、製薬業界では医薬品売上げ上位の品目の特許期限切れが迫っており

(いわゆる「2010 年問題」)、今後有望な医薬品開発の強化が求められている。現在の

医薬品開発は、これまでの低分子医薬品の開発に加えて、バイオ医薬品の開発重要性

が増しており、開発過程で時間・コスト・戦略性・アライアンスが大きく必要とされ

るこの分野において、我が国の開発は伸び悩んでいる。また、医療機器開発において

も貿易収支は悪化傾向にあり、特に治療用の医療機器の国際競争力が弱い。

このため、現在の世界的な同時不況のなかで、医薬品・医療機器産業のような新た

な市場・産業の創出・拡大が見込まれる分野への重点的な取組が求められている。府

省の縦割りを打破し一体的かつ横断的に、革新的な研究シーズの実用化に向け集中

的・集約的に投資し、質の高い医療・福祉サービスの提供、新たな産業の創出などの

形で社会・経済に早急に還元していくことが急務であると言える。

(低炭素社会の実現、食料問題の解決等に向けた動向)

本年9月の「国連気候変動サミット」の鳩山総理演説で、我が国は「全ての主要国

による意欲的な削減目標の合意を前提として、温室効果ガスを 2020 年までに 1990 年

3 The American Association for the Advancement of Science 4 Genetically Modified Organism:遺伝子組換え生物

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比で 25%削減する」という目標を掲げた。低炭素社会の実現に向けたライフサイエン

ス研究としては、現在バイオエタノールなどの研究が進められているが、これに留ま

ることなく、自然界における炭素循環システムの理解と活用の研究(光合成生物を対

象とした研究、有用物質を生産する植物研究など)や、エネルギー変換効率の高い微

生物等を用いた環境浄化システムの開発や生産システムに関する研究などを進めてい

く必要がある。

また、地球規模の気候変動がもたらす環境影響などによる世界的な食料事情の深刻

化は、多くを輸入に頼っている我が国5では国の安全保障にも影響を与える問題である。

諸外国では、この問題の解決策としてGMOの実用化が既に始まっているが、我が国

においては、国民目線による受益者側の議論が不十分でGMOに対する社会的受容が

十分には進んでいないため、屋外での栽培実験を行う環境が整っていない。また、我

が国では、イネの遺伝子解析技術や網羅的な植物代謝物の解析技術など優れた基盤を

有しており、実際にDNAマーカーを用いて短期間にイネの新品種が開発されるなど

ゲノム解析の成果が実用レベルに達しているものの、基礎研究の成果が実用技術に活

用されるのは、現時点ではごく一部の植物種に限られている。

2 グローバルなライフサイエンス研究の進捗

(諸外国のライフサイエンス政策)

経済社会のグローバリゼーションの進行、国際的な科学技術協力の進展に鑑みれば、

今後のライフサイエンス政策は、国民・社会のニーズ・期待等を踏まえつつ、グロー

バルな視点で企画・立案する必要がある。

近年、諸外国(米国、欧州、中国など)では、新たな産業の創出が見込まれるライ

フサイエンス研究に重点投資を行っている。競争力強化に資する基礎研究や革新的な

技術に対する支援(ハイリスク研究への支援)などに焦点を当てており、特に、米国

オバマ政権では、幹細胞研究に対する連邦政府予算投資の再開やがん研究への重点支

援、ゲノム研究の医療への応用をはじめとして、これまで以上に諸外国を圧倒する巨

額の予算が投入されている。英国では、平成 18 年より、「個人」の医療実現を目指し

た 50 万人規模のゲノムコホートの構築を進めている。また、科学技術新興国の代表格

である中国は、ライフサイエンス研究の重要発展目標として、農業技術の向上や感染

症を含む重大な疾病の予防治療技術を取り上げており、毎年ライフサイエンス研究へ

の投資の大幅な拡大を図り、研究の猛烈な追い上げを見せている。シンガポール、韓

国、インドなど他のアジア地域の科学技術新興国においても、長期的戦略に基づいた

研究拠点施設の整備や国際的な企業・研究機関の誘致、世界トップレベル研究者の招

聘、自国出身研究者の呼び戻し政策等を通して、創薬開発やバイオインフォマティク

ス分野等での発展を遂げている。

5 我が国の食料自給率は 40%。主な先進国と比べると、アメリカ 128%、フランス 122%、ドイツ 84%、英国 70%となっており、我が

国は主要な先進国の中で最低の水準。

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(世界的なライフサイエンス研究動向)

ライフサイエンス研究の世界的な潮流としては、特に、生命現象の理解から制御・

合成を目指した分野横断型研究(例えば、エピジェネティクス、代謝、炎症など)の

開始や革新的な研究シーズを医療・福祉・産業などに早急に還元していくための研究

(目的達成型の橋渡し研究)の強化、「個人」の医療実現を目指した大規模コホートの

構築、ライフサイエンス研究の進展に即した生命倫理研究とルール化の適切な検討の

実施が挙げられる。

(成長戦略と国際競争力強化の必要性)

このような国際的な政策・研究動向は、健康や医療等の分野へ戦略的な重点投資を

行い、この分野での新規市場を獲得することが、今後の「国際競争を制する」と各国

とも考えていることに他ならない。諸外国の戦略と比し、これまで以上に我が国の特

色や優位性を活かしたライフサイエンス研究推進による成長戦略を具体化し、この分

野における国際競争力を強化していくことが求められている。また、アジア諸国で共

通した課題や特徴(例えば、人種的な類似性を踏まえた「個人」の医療実現など)等

を踏まえて、これらの国との連携強化を図りつつ、我が国が先導した研究を行ってい

くことも重要である。

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Ⅱ.新たなライフサイエンス研究の構築と展開

1 今後のライフサイエンス研究の基本的方向

○ライフサイエンス研究の目標は、

①生命現象の包括的・統合的理解〔学術的な意義〕

②健康長寿社会の実現に資する医学・医療・福祉の発展〔社会への貢献〕

③地球規模課題(地球温暖化・気候変動問題、資源・エネルギー問題など)の解決

を先導する科学(環境、農業、生物多様性など)の発展〔社会への貢献〕

の3本柱と総括できる。

○ライフサイエンス研究の中長期的な学術的展望としては、「遺伝子(ゲノムDNA)

→RNA、タンパク質等→細胞→個体→生命」の理解といった個体としての生命現

象の解明を目指した研究から、「精神(こころ)」や「地球生態系」の理解などを目

指した、より高次かつ統合的な研究へと進んでいくものと考えられる。このような

研究の方向等を踏まえて、ライフサイエンス研究は、人文・社会科学の分野も含め

た学際的・統合的な生命科学(「総合生命科学」)として研究を構築・発展させてい

くことが求められる。

○ライフサイエンス研究を国として推進するにあたっては、「重厚な人材育成」、「世界

最高水準のライフサイエンス基盤の整備・活用」、「国際的な連携体制の構築」、「科

学の成果の社会還元への取組」の4点をその基本的方針とすべきである。

(ライフサイエンス研究の目標)

ライフサイエンス研究の目標は、概して、①生命現象の包括的・統合的理解〔学術

的な意義〕、②健康長寿社会の実現に資する医学・医療・福祉の発展〔社会への貢献〕、

③地球規模課題(地球温暖化・気候変動問題、資源・エネルギー問題など)の解決を

先導する科学(環境、農業、生物多様性など)の発展〔社会への貢献〕の3本柱と総

括できる。

(今後のライフサイエンス研究の方向)

世界的な研究動向としては、1990 年代に世界の自然科学の主軸が生命科学・基礎医

学へと重点化していき、ヒトゲノムのドラフト配列解読完了と時を同じくして「生命

の世紀」と呼ばれる 21 世紀の幕が開けた。今後のライフサイエンス研究の中長期的な

学術的展望としては、「遺伝子(ゲノムDNA)→RNA、タンパク質等→細胞→個体

→生命」の理解といった個体としての生命現象の解明を目指した研究から、「精神(こ

ころ)」や「地球生態系」の理解などを目指した、より高次かつ統合的な研究へと進ん

でいくものと考えられる。

また、例えば、健康・医療に関しては、今後、SNP等遺伝情報などの様々なバイ

オマーカーを活用したオーダーメイド医療や予防医学などの「個人」に着目した医療

が実現・本格化していくと考えられ(「21 世紀型の個人医療の実現」)、ゲノム研究や

疫学研究等、最新の生命科学に関する研究成果をベースとして、医療・健康など出口

に活かしていく研究へと一層進んでいくと考えられる。このような研究の進展ととも

に、倫理的・社会的な課題が重みを増してくる。具体的には、遺伝子操作治療、全ゲ

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ノム解読などは、受益者の倫理的・社会的な受容がないと実用化まで進まず、適切な

基準(ルール)を設定していくことが極めて重要になってくる。さらに、脳科学の分

野では、脳の構造と機能についての知見を学問として究めるとともに、従来の専門分

化型の枠組みに縛られることなく、人文・社会科学までも含めた異分野や関連諸領域

との連携・融合を積極的に進めながら、人間の総合的理解を目指す「総合的人間科学」

の構築を目指すことが期待されている6。このような研究の方向等を踏まえて、今後、

ライフサイエンス研究は、人文・社会科学の分野も含めた学際的・統合的な生命科学

(「総合生命科学」)として研究を構築・発展させていくことが求められる。 研究開発システムについては、研究成果の出口(医療・福祉・環境・農業・産業・

生物多様性など)と実施内容の整合性がとれた研究推進の実施システムと俯瞰的なフ

ァンディングシステムを構築していくことが重要である。研究初期からの知的財産戦

略の重要性、イノベーション(革新)が起こる環境基盤の醸成も重要である。

(ライフサイエンス研究施策の基本的方針)

ライフサイエンス研究を国として推進するにあたっては、「重厚な人材育成」、「世界

最高水準のライフサイエンス基盤の整備・活用」、「国際的な連携体制の構築」、「科学

の成果の社会還元への取組」の4点をその基本的方針とすべきである。 「重厚な人材育成」:研究者は無論のこと、研究プロジェクトを技術面で担う技術者

や、研究プロジェクトの運営支援を担う科学的知識とマネジメント能力を併せ持つ人

材(プログラム・オフィサー等)、研究者と社会との間のコミュニケーションを促進す

るサイエンスコミュニケーターなど、ライフサイエンス研究に関係する人材全体の重

層化を図っていくことが重要である。その際、基本的に研究論文を書いて評価される

研究者のみならず、管理・運営、実験技術等のスペシャリストである技術者や、サイ

エンスコミュニケーターなどが適正に評価されるよう、それぞれの職種に合った評価

軸を用意すべきである。大学教員をはじめとする研究者の評価は、研究論文のみなら

ず、教育(若手研究者の育成や活躍できる場(環境)の提供等)、社会への貢献(研究

成果の実用化への橋渡し、地域での取組、公共政策の企画・立案(審議会等)への貢

献等)をその指標に組み入れていくことが重要である。 また、ライフサイエンス分野は他の分野と比べてポストドクターを多く雇用してい

るが、その一方で、我が国の産業界等での受け皿は少なく流動性にも乏しい。ライフ

サイエンス分野の研究者の今後のキャリアパスを構築するためにも、関係府省及び産

業界等は、企業と大学等との間の人材交流促進やライフサイエンス分野の新たな市場

創出に向けた具体的施策を講じていくことが必要である。 「世界最高水準のライフサイエンス基盤の整備・活用」:世界最高水準のライフサイ

エンスの情報基盤(データベース)やバイオリソース(生物遺伝資源等の研究用材料)

基盤等を有することは、最先端のライフサイエンス研究を実施し、研究ポテンシャル

の高さを維持する上で欠かせない。また同時に、どのようなライフサイエンス基盤を

有し、国際的な供用や提供体制を構築するかは、ライフサイエンス研究に関する国家

6 長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について~総合的人間科学の構築と社会への貢献を目指して~(第1次答申)

(平成 21 年6月 23 日科学技術・学術審議会)

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戦略でもある。 「国際的な連携体制の構築」:近年、国家戦略としての科学技術の重要性が増してい

る。国、研究者コミュニティーがこれを認識しつつ、協同して、戦略的に国際的な連

携体制を構築していく必要がある。特に、標準化など国際的な規格策定の検討への国

の関与が重要である。本委員会や日本学術会議、学協会など適切な場を通して、研究

者コミュニティーと国や社会との連携体制を確立し、グローバルな対応を戦略的に進

めることが重要である。これに関する科学技術振興機構(JST)研究開発戦略セン

ター(CRDS)の支援を期待したい。

「科学の成果の社会還元への取組」:我が国のライフサイエンス研究は基礎研究とし

てのレベルは米国、欧州等の諸外国と伍しているものの、その成果を社会に還元して

いく取組に関しては未だ十分とは言えない。GMOや個別化医療に共通した「遺伝子」、

「遺伝情報」の利用に対する社会的受容や生命倫理の問題、産学連携の在り方やベン

チャー企業が活躍できる環境整備の問題など、科学の成果を社会に還元するための課

題を明確にしつつ、国全体としてその克服に向けた取組を進めていく必要がある。関

係府省では、これまで「健康研究推進会議」、「革新的創薬等のための官民対話」など

の枠組みのもとで、社会への早期還元を目指した取組等を進めてきたところであるが、

今後は、新政権のもとでの府省連携の新たな枠組みの設定や、大学等や産業界などの

現場やコミュニティーレベルでの政策対話や連携促進を具体的に進めていく必要があ

る。 2 研究基盤

○今後のライフサイエンス研究の重要な知的基盤として、

①バイオリソース(生物遺伝資源等の研究用材料)

②ライフサイエンス統合データベース

③最先端計測・分析設備基盤

④創薬・医療技術支援基盤

の整備が重要である。

○第4期科学技術基本計画においては、これまで整備してきた知的基盤の一層の質的

充実とともに、国内のみならず国際的に貢献できる提供・活用体制を整備していく

べきである。このため、ライフサイエンス研究の立場からは「2020 年までに世界に

貢献するライフサイエンス基盤の質的充実及び提供・活用体制の整備」といった目

標を掲げ、国際的な優位性、標準化等に関する戦略性を十分考慮した計画を新たに

策定し、同計画のもとで知的基盤の更なる充実を図る必要がある。

(重要な知的基盤)

第3期科学技術基本計画では、知的基盤(生物遺伝資源等の研究用材料、データベ

ース等)の整備について、「2010 年に世界最高水準を目指して重点整備を進める」こ

ととされ、分野別推進戦略及び知的基盤整備計画について(平成 19 年9月科学技術・

学術審議会技術・研究基盤部会)に基づき、計画的な整備を行ってきた。今後のライ

フサイエンス研究の重要な知的基盤としては、以下のものが挙げられる。

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①バイオリソース(生物遺伝資源等の研究用材料)

②ライフサイエンス統合データベース

③最先端計測・分析設備基盤

④創薬・医療技術支援基盤

第4期科学技術基本計画においては、これまで整備してきた知的基盤の一層の質的

充実とともに、国内のみならず国際的に貢献できる提供・活用体制を整備していくべ

きである。このため、ライフサイエンス研究の立場からは「2020 年までに世界に貢献

するライフサイエンス基盤の質的充実及び提供・活用体制の整備」といった目標を掲

げ、国際的な優位性、標準化等に関する戦略性を十分考慮した計画を新たに策定し、

同計画のもとで知的基盤の更なる充実を図る必要がある。

2-1 バイオリソース(生物遺伝資源等の研究用材料)

バイオリソースは、「リサーチリソースなくしてリサーチなし」と言われるように、

ライフサイエンス研究の礎となるものである。国としてライフサイエンス研究を進め

ていく上で必要不可欠な基盤であり、生物多様性の確保を考慮しつつ、継続的かつ戦

略的な整備を進めていくことが重要である。個々の研究者や研究室任せではなく、国

の施策として、リソースの開発及び一元的な管理を行い、科学材料としての妥当性を

検証し、厳格な品質管理を行っていくことが肝要である7。これにより、汚染リソース

の流通や研究成果の海外散逸などを防止し、我が国のライフサイエンス研究の効率

的・効果的な推進を図ることが可能となっている。バイオリソースの特徴は、一度途

絶えたら復元することが困難であることにある。このため、国の研究資金等の成果に

より作出した貴重なバイオリソースの散逸を防止するため、競争的資金等により実施

する研究プロジェクトとバイオリソースの中核的機関との早期からの連携を進める。 今後は、米国、欧州、アジア諸国のバイオリソース提供機関との連携も視野に入れ

て、国内外に広く提供していくための体制整備を強化していく必要がある。その際、

MTAの簡素化やワンストップサービスの実現など、リソース使用側に立った取組が

重要である。

また、基礎研究領域と実用化に近い領域で取り扱うバイオリソースの連携を深め、

相互に「戦略的な整備促進」を図っていくべきである。今後、ヒト細胞の収集・保存・

提供の体制強化が一層重要となるが、その際、大学病院等における臨床研究と基礎研

究との連携強化も必要となろう。さらに、標準化したバイオリソースの取扱技術の普

及を図るため、国は、リソース提供機関が大学等と連携して、バイオリソース取扱技

術の教育・研修事業を新たに実施していく施策を検討すべきである。

2-2 ライフサイエンス統合データベース

ライフサイエンスデータベースの整備・活用については、統合データベースタスク

フォース報告書(平成 21 年4月総合科学技術会議)にて、世界的にも評価されるデー

タベースの構築等が進められている一方で、その規模や継続的な利用を視野に入れた

7 寄託リソースのうち、細胞の約 10%は取り違え、約 30%は細菌等による汚染、マウスの約 20%は病原微生物の汚染が認められている

(理化学研究所バイオリソースセンター調べ)。

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体制、活用状況等について更なる取組の必要性が指摘されている。

また、オミックス8技術等の急速な進展により、近年、ライフサイエンス研究から膨

大な試料付随情報が得られるようになってきている。これら膨大な生命情報をどのよ

うに処理し、読み解くか、といったバイオインフォマティクス(生命情報科学)及び

これを扱う人材の重要性が指摘され続けている。

公的な研究資金で得られたデータの共有化、データベースの統合化とその積極的な

利活用(データ駆動型の研究)は、今後のライフサイエンス研究全体が発展していく

上で必要不可欠なものである。平成 23 年度からJSTにて、「統合データベースセン

ター(仮称)」を設置することになっており、現在、JSTにおいてその具体化の検討

が行われている。データベース基盤の構築・統合・活用にあたっては、産業界を含め

たデータベース利用者の視点に立った取組と遺伝情報を取り扱う際の適切な管理の在

り方についての検討が重要である。そのためには国のライフサイエンス研究資金等で

新たに構築されるデータベースと「統合データベースセンター(仮称)」との早期から

の連携等を進め、データ生産者が利用者の視点も踏まえた取組を円滑に進められるよ

うにしていく必要がある。さらに、国際的な貢献を視野に入れた戦略的な整備とグロ

ーバルな連携体制の構築を進める必要がある。

また、バイオインフォマティクスの分野は、データ処理・解析等の情報科学研究と

シーケンシング等の実験・計測による生命科学研究が一体的・融合的に行われること

が重要で、このため、ドライ(情報科学研究)とウェット(実験・計測による生命科

学研究)の双方を扱える人材の育成が急務である。このようなファンディング機能の

充実を図るとともに、大学等又は研究機関において、これらが一体となって人材育成

を行える場を提供することが必要であろう。大学等には、バイオインフォマティクス

を教授する専攻等の設置検討を期待したい。

2-3 最先端計測・分析設備基盤

近年、先端光科学やナノ科学等の遺伝子、タンパク質、細胞、器官レベルでの応用

により、生体関連の計測・分析技術の進展が目覚ましい。NMR9装置、放射光施設

(SPring-8など)、X線自由電子レーザー(XFEL)、MRI10施設、スーパーコン

ピューターなどに加え、次世代シーケンサーや先端的なイメージング機器を含めた生

命動態の定量化に関する最先端計測・分析設備等を国としていち早く整備することは、

今後のライフサイエンス研究を国際的に先導できるか否かを決める前提条件になって

いる。このため、国として、これら計測・分析設備等を備える中核的機関をライフサ

イエンス研究の異分野横断的研究拠点として整備し、新たな次世代技術の創生ととも

に、先端基盤を我が国全体で最大限有効に利活用できる体制構築を進めていくことが

重要である。その際、中核的な拠点と大学等や産業界などとの連携により技術開発等

を行う、我が国全体としての体制づくりが必要である。現在の米国、欧州等の状況を

踏まえて、今後、どのような最先端計測・分析設備を重点的に整備・開発すべきか、

8 遺伝子の発現からタンパク質生成、細胞内の代謝、表現形等、生物の体の中にある分子全体や機能・表現を網羅的に調べる研究。 9 Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴 10 Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像

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これらの計測設備等を効果的に活用する技術基盤や共用体制をどのように発展・維

持・継承していくべきか検討を深める必要がある。さらに、最先端計測・分析設備の

開発にあたっては、国内研究の需要に留まることなく諸外国への波及効果など戦略的

な展開を同時に検討すべきである。

2-4 創薬・医療技術支援基盤

上述の最先端計測・分析設備の整備に加えて、近年、国の研究資金により化合物ラ

イブラリーの整備、イメージング技術・アッセイ技術の開発など、創薬プロセスや医

療の現場で活用可能な技術基盤が整備されつつある。創薬・医療技術シーズを着実か

つ迅速に医薬品等に結び付けられるよう、大学等や産業界などの意見を踏まえながら、

このようなポテンシャルを有効に活用して、我が国全体としての創薬・医療技術支援

体制を構築し、外部供用していく基盤を整備していくべきである。

3 研究環境・体制

○世界のライフサイエンス研究が熾烈な競争を繰り広げている現在、我が国は、自ら

の優位性、国内の競争と協調を重視しながら、グローバルな視点で国際競争力のあ

る研究推進体制を構築しなければならない。このため、大学、大学共同利用機関及

び理化学研究所等との間で、様々なレベルでの有機的な研究連携を構築していかな

ければならない。また、理化学研究所の研究基盤等と大学や大学共同利用機関の教

育研究ポテンシャルを一体的に活用した人材育成の場の設置も検討していくべきで

ある。

○橋渡し研究・臨床研究の推進については、これに従事する人材の確保を進め、また

臨床現場における医薬品等の開発に対するインセンティブ向上を図るとともに、開

発早期からの開発戦略策定や実用化に向けた産学連携等を強力に進めていくことが

重要である。

新規性の高い革新的医薬品・医療機器の開発段階における規制側の課題について

は、研究機関の有する安全性・有効性に関する科学的データを、開発と並行して、

規制当局に提供していくことにより、規制側の安全性・有効性評価に関する科学的

実証データを充実させ、審査システムへ貢献していくことが必要である。

ベンチャー企業に関しては、今後、民間資金がハイリスク研究へ供給されるよう

な投資環境の改善や、ベンチャー企業の積極的参加による産学間の技術移転を進め

る中期的視野を持った支援施策の充実など関係府省等は具体的施策を講じていくこ

とが必要である。

○地球生態系の保全、低炭素社会の実現に向けたグリーンテクノロジーなどを推進す

る研究環境や体制を強化していく必要がある。例えば、GMOの研究やゲノム育種

など遺伝子操作等の技術に対する国民理解の増進が重要となっている。また、研究

面の体制に関しては、関係府省の連携を図り、基礎研究から実用化を目指した研究

への橋渡しを強化していくことが重要である。

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○上述のほか、研究開発早期からの国際的な知的財産戦略の構築と広くイノベーショ

ンが創出される環境の醸成、ライフサイエンス研究の進捗に応じた倫理基準の整備、

多様な資金源によるライフサイエンス研究の振興、科学技術ステークホルダーの一

層の成熟化と機能分化等が重要である。

(我が国全体での研究推進体制の構築)

世界のライフサイエンス研究が熾烈な競争を繰り広げている現在、我が国は、先に

述べた「ライフサイエンス研究施策の基本的方針」を踏まえて、自らの優位性、国内

の競争と協調を重視しながら、グローバルな視点で国際競争力のある研究推進体制を

構築しなければならない。このため、大学、大学共同利用機関及び理化学研究所等と

の間で、様々なレベル(研究者間・組織間、ネットワーク型、拠点型など研究領域の

特性に応じたレベル)での有機的な研究連携を構築していかなければならない。また、

理化学研究所の研究基盤等と大学や大学共同利用機関の教育研究ポテンシャルを一体

的に活用した人材育成の場の設置も検討していくべきである。

なお、本検討に際しては、「学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェク

トに関する作業部会」における審議状況等も踏まえ、学術研究に関する研究者コミュ

ニティーにおける検討とも十分整合あるものとしていくことが重要である。

(医薬品・医療機器等の実用化に向けた研究環境・体制の整備)

橋渡し研究・臨床研究の推進については、健康研究推進戦略(平成 21 年7月健康研

究推進会議)が策定されるなど府省の枠を超えた一元的な取組が進みつつある。大学

等における革新的な基礎研究の成果を途切れることなく医療として速やかに国民に還

元できるよう、まず、橋渡し研究・臨床研究に従事する人材の確保を進める必要があ

る。また臨床現場における医薬品等の開発に対するインセンティブ向上を図るととも

に、開発早期からの開発戦略策定や実用化に向けた産学連携等を強力に進めていくこ

とが重要である。実用化に向けた研究を進めるにあたっては、研究全体を統括するプ

ログラム・オフィサーの役割が重要である。優れた研究者とプログラム・オフィサー

が「車の両輪」となって実用化までの道筋を示していくことが有効であり、このよう

な優れた取組事例の共有化と支援を進めていくべきである。

加えて、新規性の高い革新的医薬品・医療機器の開発段階における規制側の課題と

して、その安全性・有効性を評価する技術が開発・標準化されていないことが挙げら

れる。このため、研究機関の有する安全性・有効性に関する科学的データを、開発と

並行して規制当局に提供していくことにより、規制側の安全性・有効性評価に関する

科学的実証データを充実させ、審査システムへ貢献していくことが必要である。

医薬品・医療機器の開発が高度化・複雑化する中で、開発のミドル・ステージにお

いて、大学発ベンチャーを含めたバイオベンチャーが果たす役割が大きくなっている。

諸外国に目を向けると、近年、米国、欧州で承認されたバイオ医薬品の多くは、ベン

チャー企業がその開発の先導的役割を果たしている。その一方で、我が国ではハイリ

スク・ハイリターンな医薬品・医療機器の開発を進めるベンチャー企業等へリスクマ

ネーを供給する環境(ベンチャーキャピタルによる投資環境など)が未だ十分機能し

ていない、主要な製薬企業等との連携も十分に進んでいない、といった課題がある。

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今後、民間資金がハイリスク研究へ供給されるような投資環境の改善や、ベンチャー

企業の積極的参加により産学間の技術移転を進める中期的視野を持った支援施策の充

実など関係府省等は具体的施策を講じていくことが必要である。 また、新型インフルエンザの発生など世界は新興・再興感染症の蔓延の脅威にさら

されている。我が国として、感染症の予防や治療、迅速な検査手法の研究開発を進め、

このような脅威を克服していくため、感染症研究を進めるための研究環境・体制の整

備・促進等(高度の安全性を有する研究施設や国民理解の促進等)を国全体として進

めていく必要がある。

(低炭素社会の実現、食料問題の解決等に向けた研究環境・体制の整備)

地球生態系の保全、低炭素社会の実現に向けたグリーンテクノロジーなどを推進す

る研究環境や体制を強化していく必要がある。例えば、GMOの研究やゲノム育種な

ど遺伝子操作等の技術に対する国民理解の増進が重要となっている。これに関しては、

総合科学技術会議のリーダーシップのもと関係府省、学協会、産業界等がそれぞれの

立場から、「食」の安全や環境影響評価、生物多様性の確保に資する科学的取組のほか、

新しい技術に対する正確な情報・知識の普及やリスクコミュニケーションの推進など、

実用化に向けた取組の社会受容の促進と研究・産業へのフィードバックを進める必要

がある。また、研究面の体制に関しては、ゲノム情報を最大限活用して、生産性向上

につながる実用形質を効率的に組み合わせる育種技術や、種の壁を越えたDNA導入

による有用GMO作物の作出技術の開発が進展していることを踏まえ、関係府省の連

携を図り、基礎研究から実用化を目指した研究への橋渡しを強化していくことが重要

である。

(知的財産戦略と支援)

研究開発早期からの国際的な知的財産戦略が重要となっている。研究機関及び研究

者は、国際的な知財戦略を意識し国際出願するものを早期に選別できるよう研究開発

早期から知財人材と密接に連携してライフサイエンス研究を進めていくことや、知的

財産を利用する企業等との協力体制を構築していくことが重要である。国は、研究機

関の知財支援体制(コンサルティング、大学等へのライフサイエンス知財人材の配置、

国内外の特許出願費用措置等)の構築支援を行っていくことが重要である。 また、研究機関及び研究者は、我が国において広くイノベーションが創出される環

境を醸成するため、新しい技術や知見を囲い込むのではなく、研究機関・研究者同士

のリサーチツール特許の活用促進(パテントプール、パテントコモンズの形成促進)

を進めていくべきである。

(生命倫理)

ライフサイエンス研究や先進医療の進捗に応じた倫理基準の整備等が今後益々重要

となる。例えば、バイオバンクの整備やゲノム情報の解読技術の進展への対応ととも

に再生医療やBMIが実現する時代の到来を見据え、先んじて課題の抽出を行い、倫

理基準の考え方等を整理しておくことが必要である。また、研究実施にあたっても、

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問題の性質に応じた対策が適時的確に講じられることが重要であり、研究内容の多様

化に伴って、倫理的・法的・社会的観点からの検討が必要なケースが増えてきている。

研究者コミュニティーにおいては、国との適切な連携のもとで、社会に対し正確で分

かり易い情報発信に努めるとともに、国際的な動向も踏まえつつ、学協会などの場を

活用して検討のリーダーシップを期待したい。

(多様な資金源によるライフサイエンス研究の振興)

多様な資金源によるライフサイエンス研究の振興を図っていくべきである。産業界

や慈善団体、個人などから研究機関等への寄付拡大に繋がる施策(寄付税制の拡充な

ど)の検討を進める必要がある。

(科学技術ステークホルダー11への期待)

日本学術会議、学協会、政策分析・立案機関(JSTCRDSなど)など様々なラ

イフサイエンスに関する科学技術ステークホルダーが存在するが、一層の成熟化と機

能強化を期待したい。それぞれの社会的・歴史的背景などをもとに、各ステークホル

ダーの実績を積んでいくことを通して、適切な機能分化を遂げていくことが望ましい。 学協会等に関しては、学術、研究者コミュニティーとしての情報発信を積極的に行

うことを期待したい。例えば、中長期的なライフサイエンス研究の振興を図る観点か

ら、研究の状況や課題、今後の展開など国のライフサイエンス政策に対して提言する

機能が挙げられる。時には、国の政策に対して批判的な目で学術界の意見を表明して

いくことや、国の政策や規制を十分に把握した上で学術界から新たな施策を企画・立

案し提言していくことは、ライフサイエンス研究の健全な発展を遂げる上で重要であ

る。また、ライフサイエンス研究に関して、国民と国や研究者との間の「情報の非対

称性」を埋める役割を期待したい(科学技術コミュニケーション)。JSTCRDSに

は、洞察力を効かせた調査研究機能の強化を期待したい。行政と密接に連携した体制

のもと、調査研究を遂行していく必要がある。

4 ライフサイエンス研究の展開

○今後の重要研究課題については、社会・国民のニーズや期待をもとに、ライフサイ

エンス研究の目標を踏まえて、重要な政策課題とこれに対応するライフサイエンス

研究の例を、別添のとおりとりまとめた。また、別添に掲げた研究のなかでも、今

後のライフサイエンス研究の方向や新たな潮流等に鑑みて、国を挙げて新たに取り

組むべき戦略研究プロジェクトを以下のとおり具体化した。

(1)生命の統合的理解:「生命動態システム科学研究(仮称)」の推進

(2)健康長寿社会の実現:「個人」に着目した医療の実現に向けた研究強化

-大規模疫学研究体制の構築-

11 科学技術ステークホルダー(Scientific and Technological Stakeholder):科学技術に関して政策提言を行う機能を持つシンクタ

ンク、日本学術会議、学協会などの科学技術関係の組織であり、国の政策決定に実質的かつ相関的な影響を与えているもの。

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(3)地球規模課題の解決:低炭素社会の実現に資する生物利用研究の推進

○今後の重要研究課題に対応して、国として重層な科学技術基盤を有しつつ、ライフ

サイエンス研究を進めていくため、研究領域や特性に応じて、研究や基盤整備の予

算を相補的かつ並行的に措置していくことが重要である。大学等や研究開発法人の

基盤的な経費(運営費交付金等)の確実な措置は、教育・研究の基礎体力を確保す

る上で何よりも重要である。

4-1 新たなライフサイエンス研究の潮流と重要研究課題

(新たなライフサイエンス研究の潮流)

ライフサイエンス研究は、生命の複雑さが故に、その理解を目指して細分化と専門

化が益々進行する一方で、近年、計測・分析技術の飛躍的な進展と相俟って、これま

でのゲノムやタンパク質、小分子、細胞などに関する膨大なオミックスデータの解析

とともに、その時空間的な動態(ダイナミクス)を、モデルによる数理解析やシミュ

レーションを通じて理解する新たな研究領域の創出に向かいつつある。

これまでのライフサイエンス研究では、遺伝子や細胞など個々の要素現象を実験に

より理解することに主眼が置かれていた。最近では、遺伝子発現制御機構からゲノム

産物(RNAなど)を包括的に計測し、データを系統的に解析する手法が進展し、実

験結果から普遍的な原理を導き出し、生命現象を演繹することが現実的になってきた。

さらに、実時間イメージングや先端光学計測技術の目覚ましい進展により、細胞や組

織を生きたまま経時的に詳細な解析を行うことが可能となり、生命らしさを有する複

雑な現象の制御過程に関する時系列データや高分解能の空間的データを定量的に得る

ことが可能となりつつある。例えば、免疫担当細胞のように生体内を移動・循環する

細胞の動態を実時間で捉えることが可能となってきた。これにより、従来の分子生物

学研究のみでは困難であった「刻々と変化する生命現象の動態」の解明に迫るシステ

ム科学研究の展開が期待されている。このように先端的な分子生物学研究をベースに、

進展の著しい計測・分析科学や数学、物理学、情報・計算科学との融合が生み出す新

しい研究潮流である「生命を動的システムとして理解し、操作するライフサイエンス」

が始まろうとしている。

(今後の重要研究課題)

今後の重要研究課題については、社会・国民のニーズや期待をもとに、ライフサイ

エンス研究の目標(①生命現象の包括的・統合的理解、②健康長寿社会の実現に資す

る医学・医療・福祉の発展、③地球規模課題の解決を先導する科学の発展)を踏まえ

て、重要な政策課題とこれに対応するライフサイエンス研究の例を、別添のとおりと

りまとめた。また、別添に掲げた研究のなかでも、今後のライフサイエンス研究の方

向や新たな潮流等に鑑みて、国を挙げて新たに取り組むべき戦略研究プロジェクトを

以下のとおり具体化した。今後グローバルな視点で我が国の研究の優位性や発展性、

実用化を目指した研究であれば経済性などを考慮して更に検討を深めていく必要があ

る。

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(1)生命の統合的理解:「生命動態システム科学研究(仮称)」の推進

我が国の数学、物理学、情報・計算科学に関するレベルは高く、これまでの優れた

知見の集積は、幅広いライフサイエンス研究への相乗効果が期待できる。現に、ライ

フサイエンスと情報科学の融合は、疾患の原因遺伝子の同定など社会的意義も高い貢

献をしている。今後「生命を動的システムとして理解し、操作するライフサイエンス」

を推進することで、例えば、最も複雑な動的システムである脳の作動原理の解明とい

う根本的問題に迫る一方、新しい治療法の有効性・安全性の予測や創薬、人工臓器の

設計、炎症制御、再生医療の開発などの画期的な発展にも応用が期待できる。このた

め、日本学術会議では「このような生命科学の新たな潮流は 21 世紀の科学全体に大き

な影響を与えるものと推定され、わが国においても生命科学と数理計算科学の融合に

よる新たな生命科学領域の創出に早急に取り組む必要がある」12としている。

新たなライフサイエンス研究の潮流を研究領域として育てていくためには、第一に、

研究者コミュニティーによる、研究内容の多様性に十分留意した検討、具体化が欠か

せない。それを踏まえて、国は、我が国の優位性を活かした国全体での研究推進体制

を構築・支援していく必要がある。具体的には生命動態システム科学研究(仮称)への

研究投資に加え、これらの研究の基盤となる計測・分析技術を集中的に開発・提供す

る拠点の整備が挙げられる。また、当該研究を推進していくためには、新しい研究領

域を担う若手人材の育成が必要であり、例えば、課程の人材養成目的に沿って拠点と

一体的に連携した大学院博士課程の設置検討を期待したい。

(2)健康長寿社会の実現:「個人」に着目した医療の実現に向けた研究強化

-大規模疫学研究体制の構築-

今後、オーダーメイド医療や予防医学などの「個人」に着目した医療の実現を進め

ていくためには、国民の健康状態を長期に追跡調査し、生活習慣、生活環境等の影響、

個人の遺伝的素因等の総合的な疫学調査の実施が必要不可欠である。これらの疫学情

報にゲノム、バイオマーカー等の生体情報を加えた前向きコホート研究13を行うことで、

生命現象と疾患のメカニズム解明だけでなく、疾患の罹患や医薬品の副作用に対する

リスク、あるいは食品の健康に対する影響の評価・予測が可能となる。このような疫

学研究は、疫学や統計学の専門的知識に基づいて大規模かつ長期の調査としてデータ

を蓄積していく必要があり、総合科学技術会議のリーダーシップのもとで関係府省が

連携し、実効的かつ安定的な体制を構築していくことが必要である。その際、これま

で各研究機関等で実施された貴重な疫学研究のデータや試料の散逸を防ぐとともに、

これを有効に活用できるよう留意すべきである。

また、創薬研究についても、新たな技術により大きく変革することが期待される。

例えば、遺伝子解析による創薬ターゲットの探索と iPS 細胞を活用した薬効スクリー

ニング、PET等の分子イメージング手法などを組み合わせて用いることにより、探

索から安全性の評価までヒトの系を用いて検証ができる可能性がある。このような創

12 今後のライフサイエンス・ヘルスサイエンスのグランドデザイン(平成 20 年8月日本学術会議)2頁より抜粋 13 多数の健康な人を対象に食生活や生活習慣など疾病の原因となる可能性のある要因を調査した上で、その集団を追跡調査して病気に

なった人を確認し、先に調べた要因と発病との因果関係を分析する研究。

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薬研究全体への中長期的な波及効果も十分に考慮していく必要がある。

(3)地球規模課題の解決:低炭素社会の実現に資する生物利用研究の推進

現在、低炭素社会の実現に向けた革新的な環境・エネルギー技術開発の重要性が飛

躍的に高まっており、これに向けたライフサイエンス研究からの貢献を強化していく

ことが求められている。具体的には、環境保全と修復に資する生態系の理解、高い光

合成能や生産効率を上げるための悪環境抵抗性をもつ植物の作出研究、食料資源との

競合を避けるバイオマスの利活用を促進する技術開発などを、現状の課題や我が国の

優位性・発展性等を整理した上で、総合的かつ戦略的に取り組んでいくことが重要で

ある。

4-2 適切な予算措置

今後の重要研究課題に対応して、国として重層な科学技術基盤を有しつつ、ライフ

サイエンス研究を進めていくため、研究領域や特性に応じて、研究や基盤整備の予算

を相補的かつ並行的に措置していくことが重要である。また、大学等や研究開発法人

の基盤的な経費(運営費交付金等)の確実な措置は、教育・研究の基礎体力を確保す

る上で何よりも重要である。運営費交付金等の一律的な削減は、人的・物的な研究基

盤の散逸を招き、中長期的な国際競争力の致命的な低下を誘起しかねない。

基礎研究領域については、研究者の発想を基本にした、奨励的研究や挑戦的研究、

学際・融合的研究などに焦点を当て、研究人材の重層化を図っていくことが重要であ

る。特に、学際・融合的研究は、若手研究者が幅広い視野を持った研究者としての研

鑽を積む効果が高く、ライフサイエンス分野では、人文・社会科学との学際的研究や、

臨床医学と生命科学研究、物理学・工学・情報科学と生命科学研究との融合研究など

が重要となる。

基盤整備領域については、国が戦略的に整備すべき研究基盤(バイオリソース、ラ

イフサイエンス統合データベース、最先端計測・分析設備基盤、創薬・医療技術支援

基盤)の充実を図るために、適切に評価を行いながら継続的に予算措置を行うことが

重要である。その際、研究基盤の外部開放等にあたっての外部資金の導入について、

役割分担や考え方を明確にしていくことが必要である。

戦略的重点化領域については、特定の重要政策課題への対応や府省の枠を超えた研

究、研究に必要となる基盤技術開発等に焦点を当てて、機動的に予算措置を行うこと

が重要である。

特に、「戦略的重点化領域」については、関係府省等の一体的連携のもとで、革新的

な基礎研究シーズを一気通貫で実用化まで、知財戦略や研究支援人材なども含め、総

合的かつ柔軟に支援する統合支援研究施策を新たに創設することを検討すべきである。

その際、「基金」制度の活用も考慮すべきであろう。

また、戦略的重点化領域の研究プロジェクトをはじめとして、国の研究費の時限に

ついては、現在、5年間を設定しているものが多いが、当該研究プロジェクトの特性

や研究支援人材のキャリアパス構築などを勘案して、より柔軟な設定に改めていくべ

きである(例えば、時限は最長のみ設定し、研究チームがその範囲内で決定するなど)。

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(参考)

「分野別推進戦略」中間フォローアップについて(平成 21 年5月 27 日総合科学技術会議基本政策推進

専門調査会)より抜粋

(4)今後の取組について

①「重要な研究開発課題」及び「戦略重点科学技術」について

平成18 年度からの第3期科学技術基本計画の策定以降の特筆すべき研究成果であるiPS 細胞研究の

今後の取組方策については、再生医療への応用研究を推進するほか、より実用化に近い創薬標的の探索

や毒性評価への応用を早急に進めることが重要である。

「臨床研究・臨床への橋渡し研究」については、健康研究推進会議が平成21年5月に策定予定の長期

戦略に基づいて着実に事業を実施すること、スーパー特区などを通じて臨床研究・橋渡し研究を推進す

ること、大学での臨床研究に向けたインセンティブを高めること、大学での臨床研究教育を推進するこ

と、税制改革などを通じて、臨床研究を実用化するベンチャーキャピタルを強化することが必要である。

「標的治療等の革新的がん医療技術」については、個人の特性に応じた治療や創薬に資するよう、が

ん関連遺伝子の同定を行うとともに、予防・診断・治療につなげるための手法を開発すること、また、

治療効果が高く、低侵襲でQOLの維持が可能な研究を引き続き実施していくことが必要である。

「新興・再興感染症科学技術」については、新型インフルエンザの流行やバイオテロなどに対応する

ため、迅速診断法やワクチン開発などの研究を更に推進すること、新興・再興感染症の発生国、あるい

は発生が予想される国の機関との共同研究や、高度の安全性を有する研究施設の整備、人材の育成等を

推進することが求められる。

「国際競争力を向上させる安全な食料の生産・供給科学技術」については、GMOの実用化研究ができ

る実験施設の整備を行うとともに、屋外栽培試験を行うための承認申請などの手続きを支援するための

体制を整備すること、また、国民が、遺伝子操作技術などのバイオ技術を、科学的に理解し判断できる

よう、普及・啓発活動を促進すること、水産資源についてもDNAマーカーの標準化やデータベース化を

行うなど、研究を進めること、遺伝子特許などの世界規模での知財戦略を進めることが必要である。

「生物機能活用による物質生産・環境改善科学技術」については、今後5年程度を視野に我が国のバ

イオテクノロジーを推進していく戦略として平成20年12月にBT戦略推進官民会議において策定された

「ドリームBTジャパン」に掲げられた方策に沿って、引き続き微生物や植物等を活用した環境修復技術

や物質生産についての研究開発を進めていくことが求められる。

「生命プログラム再現科学技術」については、新型シーケンサーの性能を最大限に活用するために、

サンプル処理等のシーケンサー利用技術の開発を進めること、新型シーケンサーを活用し、生命現象の

解明等を目指した個別研究を進めること、病因の解明や予防・治療法の開発に結びつく疫学等と融合し

た研究も推進すること、長期戦略の下に、常に最先端の設備が使用可能な拠点をオールジャパンの体制

で整備するとともに、網羅的解析で得られる大量のデータを処理するためのバイオインフォマティクス

を進めること、バイオインフォマティクスの人材育成を進めることが求められる。

「世界最高水準のライフサイエンス基盤」については、有期である統合データベースプロジェクトの

成果や資産を継承し、継続的に進める必要があることから、ライフサイエンスPT統合DBタスクフォース

会合における検討結果を踏まえ、統合データベースを恒久的かつ一元的に管理、運用するための具体的

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仕組みと、その整備に向けたロードマップをまとめることが必要である。

「バイオリソースの整備」については、生き物を維持することが重要な活動であり、今後も継続的に

事業を実施していくこと、量的、質的両方の観点から世界最高水準のバイオリソースを整備すること、

世界の科学に対する我が国の貢献のため、国際的な連携を進めている遺伝子改変マウスなどのバイオリ

ソースと、iPS 細胞、メダカ、カイコなど我が国が強みを持つバイオリソースの整備について、国際戦

略に基づいて推進することが求められる。

②推進方策について

環境整備面の「推進方策」の今後の取組について、まず、「生命プログラム再現への取組」について

は、超高速でDNA塩基配列を解析する新型DNAシーケンサー(第2世代)が開発されたが、我が国の保有

台数は少なく、得られた大量のデータを処理するバイオインフォマティクスの研究者も少ない現状にあ

ることから、今後のライフサイエンス研究の国際競争を戦って行くためには、新型シーケンサーを配備

した開かれた拠点の整備と、人材育成を含めたバイオインフォマティクスの研究環境の整備に努めてい

くことが不可欠である。

「臨床研究推進のための体制整備」については、世界同時不況の中、我が国経済の活性化のためにも

医療産業の発展が期待されている。しかし、バイオ医薬品の開発は伸び悩んでおり、臨床研究の基盤も

弱く、バイオベンチャーの活力も低いなど、我が国として一元的な橋渡し研究・臨床研究の充実・強化

が引き続き求められる状況にあることから、前述の健康研究推進会議が策定する予定の長期戦略の着実

な実施や、スーパー特区を推進していくことが必要である。その中で、引き続き、橋渡し研究・臨床研

究の拠点の整備、臨床研究に従事する人材の育成、バイオベンチャーの支援に強力に取り組んで行くこ

とが必要である。

また、「臨床研究のための体制整備」以外の項目として、「推進方策」に掲げられている「医療にお

けるIT の活用」、「バイオ産業等における標準化の推進」、「バイオベンチャーの育成・支援」、「知

的財産権の戦略的確保と活用」については、健康研究の推進に向けた取り組みの中で、一体的に推進し

て行くことが求められる。

「安全の確保のためのライフサイエンスの推進」については、東南アジアにおいて、引き続き鳥イン

フルエンザウイルスが人に感染し、死亡する例も報告されていること、新型インフルエンザの感染が広

がっていること、ラッサ熱、エボラ出血熱等が現在も発生し、先進国においても輸入例が発生している

こと、地球温暖化によるマラリアの流行地域の拡大が懸念されていることから、国民の安全の確保のた

めに、新型インフルエンザの迅速診断法やワクチン開発などの新興・再興感染症研究を更に推進すると

ともに、海外の研究機関等とも連携を深めていくことが必要である。

「成果に関する国民理解の促進」については、世界的には、既にGMOの実用化が始まっており、栽培

面積も大幅に伸びていること、GMO開発やゲノム育種のための遺伝子特許について、海外との競争が激

しくなっている状況にあることから、我が国においても、このような革新的技術の研究開発を国民の理

解を深めながら進めて行くことが必要である。そのためには、「BT戦略推進官民会議」の「国民理解推

進作業部会」の活動を充実し、官民が一体となって取組んでいくことが求められる。また、「生物多様

性の保全確保」についても、GMOに関する国民理解の促進と表裏一体の関係にあることから、「BT戦略

推進官民会議」の取組の中でも推進して行くことが求められる。

「医理工連携等の促進」については、我が国は、少子高齢化が進み、要介護高齢者・有病者・障害者

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が地域や社会で安心して暮らせるための介護機器の開発や、国民が期待する低侵襲でQOLの維持が可能

な手術を実現する医療機器の開発、特に国際競争力の低い我が国の医療機器開発力を強化することが求

められており、そのためには更なる医理工連携の促進が不可欠である。その具体的な推進方策としては、

前述のスーパー特区において採択された24課題のうち、8課題が医療機器分野であり、それぞれの研究

について医工連携、産学連携を考慮した体制となっているほか、社会還元加速プロジェクト「高齢者・

有病者・障害者への先進的な在宅医療・介護の実現」の中でも医工連携によって研究開発が進められて

おり、こうしたプロジェクトを着実に推進していくことが挙げられる。

以上、第3期科学技術基本計画が実施された平成18年度以降の状況等を踏まえ、

○我が国発の画期的研究成果であるiPS 細胞研究について、再生医療の実現化や、創薬への活用に向け

た研究、

○我が国の優れたライフサイエンスの成果を医薬品等として社会に還元していく健康研究(橋渡し研

究・臨床研究)について関係大臣と有識者からなる健康研究推進会議のもと、府省一体となった取組

の実現、

○引き続き人類の脅威となっている新興・再興感染症に対する研究開発の推進、

○新型DNAシーケンサーを活用した研究の推進や、その基盤となるバイオインフォマティクスの充実・

強化

○健康長寿社会の実現のための介護(支援)機器や医療機器の研究開発に向けて、特に我が国で弱い医

工連携の推進、

○遺伝子組換え作物(GMO)などの先進的な研究開発を円滑に進めていくための国民理解の推進、

等に関するライフサイエンス分野の戦略を一層推進していくこととする。

(了)

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ライフサイエンス委員会の構成員及び審議の経過

科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会

ライフサイエンス委員会 委員名簿

飯島 貞代 株式会社三菱ケミカルホールディングスヘルスケア戦略室部長

磯貝 彰 奈良先端科学技術大学院大学学長

小川 智也 独立行政法人理化学研究所横浜研究所長

甲斐 知惠子 東京大学医科学研究所教授

門脇 孝 東京大学大学院医学系研究科教授

鎌谷 直之 株式会社スタージェン情報解析研究所長

○ 小原 雄治 情報・システム研究機構国立遺伝学研究所長

笹井 芳樹 独立行政法人理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターグループディレクター

坂口 志文 京都大学再生医科学研究所長

定藤 規弘 自然科学研究機構生理学研究所教授

新宅 祐太郎 テルモ株式会社取締役

末松 誠 慶應義塾大学医学部長

田中 紘一 財団法人先端医療振興財団先端医療センター長

◎ 中西 重忠 財団法人大阪バイオサイエンス研究所長

長洲 毅志 エーザイ株式会社 CEO オフィス理事・研究開発担当付担当部長

中村 祐輔 東京大学医科学研究所教授

垣生 園子 順天堂大学医学部客員教授

廣橋 説雄 国立がんセンター総長

南 砂 読売新聞東京本社編集委員

若槻 壮市 高エネルギー加速器研究機構教授

◎:主査、○:主査代理

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ライフサイエンス委員会における審議の経過

第48回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年6月22日(月) 13:00-15:30

議題:

(1)主査代理の指名について

(2)ライフサイエンス委員会の活動状況等について

(3)文部科学省におけるライフサイエンス研究の現状について

(4)作業部会の設置について

(5)ライフサイエンス委員会における評価の進め方について

(6)第4期科学技術基本計画について

・現状認識(第4期基本計画の検討を巡る動向、第3期基本計画のフォローアップ)

(7)その他

第49回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年7月22日(水) 15:00-17:30

議題:

(1)平成20年度・21年度終了事業の事後評価について

(2)平成22年度新規・拡充課題の事前評価について

(3)平成19年度開始事業の中間評価について

(4)作業部会の設置について

(5)第4期科学技術基本計画について

・現状認識(諸外国のライフサイエンス政策、研究進捗状況)

(6)その他

第50回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年8月19日(水) 15:00-17:30

議題:

(1)平成20年度終了事業の事後評価について

(2)平成22年度新規・拡充課題の事前評価について

(3)平成19年度開始事業の中間評価について

(4)第4期科学技術基本計画について

・研究開発の方向性、主な重点課題など

(5)その他

第51回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年9月14日(月) 15:00-17:30

議題:第4期科学技術基本計画について

・研究基盤について

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・ライフサイエンス分野の主要論点

第52回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年10月15日(木) 13:00-15:30

議題:第4期科学技術基本計画について

・主な重要課題(各委員からの意見)

第53回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年11月9日(月) 15:00-17:00

議題:第4期科学技術基本計画について

・中間とりまとめ(骨子案)

第54回ライフサイエンス委員会

日時:平成21年12月7日(月) 15:00-17:00

議題:第4期科学技術基本計画について

・「中間とりまとめ」報告書案

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参考資料 目次

1.現状認識

・ライフサイエンス10年 ・・・ 1

・ライフサイエンス予算の推移 ・・・ 2

・第3期科学技術基本計画の分野別推進戦略(ライフサイエンス分野) ・・・ 3

・我が国の主要なライフサイエンス研究(現在の主要研究予算等を俯瞰したもの)

・・・ 4

・医薬品・医療機器の開発動向①~⑨ ・・・ 5

・遺伝子組換え作物・バイオマス燃料の世界的動向 ・・・14

・諸外国のライフサイエンス研究(政策・研究動向)①~④ ・・・15

・我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ①~⑦ ・・・19

2 研究基盤

・ライフサイエンス人材①~③ ・・・26

・世界最高水準のバイオリソースの整備①、② ・・・29

・ライフサイエンスデータベース(DB)の整備について ・・・31

・最先端計測・分析設備基盤の整備・開発 ・・・32

・創薬・医療技術支援基盤の整備①、② ・・・33

3 研究環境・体制

・大学、大学共同利用機関、理化学研究所における連携体制 ・・・35

・ベンチャーキャピタルの投資比較 ・・・36

・知財・産学官連携に関する大学等への支援(体制・環境整備) ・・・37

・パテントプール・パテントコモンズ ・・・38

・寄付金収入について ・・・39

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1

第2期基本計画にて、ライフサイエンスを重点4分野のひとつとして位置付け。

●分野の状況・ヒトゲノム配列の概要公表に代表されるように、21世紀は「生命の世紀」。・ライフサイエンス分野の研究開発水準は、我が国は、全般的に欧米に比して後れを取っている。ヒトゲノム解読をもとに今後、広範な研究が発展するものと期待され、我が国の国情を踏まえ、重点的・戦略的に取り組む。

●重点領域・項目・タンパク質の立体構造や疾患・薬物反応性遺伝子の解明などのゲノム科学・移植・再生医療の高度化のための細胞生物学・脳機能の解明、脳の発達障害や老化の制御などの脳科学

第3期基本計画にても、ライフサイエンスを重点推進4分野のひとつとして位置付け。

●時代認識・ヒトゲノム解読等が終了し、各種遺伝子の機能解析、タンパク質解析等のポストゲノム研究が進展。・創薬、医療技術等の実現に向け、研究成果を実用化し、国民に成果還元する取組を強化することが必要。・また、国民の安全を確保する観点等から、新興・再興感染症の脅威への対処強化が必要。

●選択と集中の戦略理念「生命のプログラムの再現」、「研究成果を創薬や新規医療技術などに実用化するための橋渡し」などに重点投資

ライフサイエンス10年概 要・ライフサイエンス分野の研究は、当時の研究の進展状況や課題を踏まえて策定される「科学技術基本計画」(5年毎に策定)や同計画に基づく「分野別推進戦略」など

に基づき、研究をこれまで実施。

▼H13.3第2期科学技術基本計画(閣議決定)

▼H13.9分野別推進戦略(総合科学技術会議)

▼H18.3

▼H18.3第3期科学技術基本計画(閣議決定)

分野別推進戦略(総合科学技術会議)

▼H21.6iPS

細胞研究ロードマップ(文部科学省)

▼H21.6長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及

び推進方策について(科学技術・学術審議会)

▼H19.6イノベーション25(閣議決定)

▼H19.4

革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略

(内閣府・文科省・厚労省・経産省)

▼H15.7

第3次対がん10カ年総合戦略(文科省・厚労省)

▼H19.6がん対策推進基本計画(閣議決定)

分野の状況及び

重点研究領域

分野の状況及び

重点研究領域

▼H19.5脳科学研究ルネッサンス(文部科学省)

▼H19.12

iPS

細胞研究等の加速に向けた総合戦略

(文科大臣)

▼H14.12バイオテクノロジー戦略大綱(BT戦略会議)

▼H21.7

健康研究推進戦略(健康研究推進会議)

▼H21.1iPS

細胞研究等の加速に向けた総合戦略(改訂版)

第3期科学技術基本計画(H18~H22)第2期科学技術基本計画(H13~H17)第1期

▼H20.12ドリームBTジャパン(BT戦略推進官民会議)

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2

ライフサイエンス予算の推移

○政府のライフサイエンス予算は、第3期科学技術基本計画の期間(平成18~22年度)中に、307億円増加。

(3,461億円(平成21年度)←3,154億円(平成18年度))

<分野別予算の推移(当初予算)>

○H17年度の予算については、H18年度以降の集計方法を用いて推定。○個々の事業の分野への帰属・分類は、各年度における基準に基づくため、年度により異なるものも含まれる。

出典:総合科学技術会議基本政策推進専門調査会資料(平成21年5月)

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3

重点戦略と推進方策

時代認識 選択と集中の戦略理念

推進方策のポイント

1.生命のプログラムの再現(統合的全体像の理解で生命の神秘に迫る)●第2期計画期間中に様々な生物種のゲノム解読等が終了した結果、生物の成り立ち、機能の複雑さが明らかになっており、第3期計画の下では、個々の機能分子や機能集合体の物質的理解に留まらず、生命の統合的全体像の理解を深める研究を強化。●この際、イノベーションの源泉となり、高い波及効果や我が国のライフサイエンス研究の国際的優位性の確保が期待できる技術の研究を推進。

2.研究成果を創薬や新規医療技術などに実用化するための橋渡し●第2期計画下における、疾患研究などのライフサイエンス研究の財産を活かしつつ、成果の実用化の橋渡し研究を強化し、創薬、新規医療技術などの成果を国民に還元。●予算の選択と集中とともに、研究体制、制度面の環境の整備を充実。●本領域の強化は、産業競争力強化や感染症対策のような人類共通の課題にも貢献。

3.革新的な食料・生物の生産技術の実現●安全な食料を低コスト・安定的に生産・供給する研究、生物機能を活用した有用物質生産・環境対応技術を強化。●本領域の強化は、国民の生活の質を確保し、競争力につながるとともに地球環境問題にも貢献。

4.世界最高水準の基盤の整備●国際的な優位性の確保が確実な生命情報の統合化データベースや生物遺伝資源等の整備、融合研究を強化。

○ポストゲノム研究を取り巻く状況●ヒトゲノム解読等が終了し、各種遺伝子の機能解析、タンパク質解析等のポストゲノム研究が進展。

○国民への成果還元の課題●我が国の創薬、医療技術等の実現に向けた基礎研究の水準は欧米に伍しているので、研究成果を実用化し、国民に成果還元する取組を強化することが必要。●また、国民の安全を確保する観点等から、新興・再興感染症の脅威への対処の強化が必要。

○食料・生物生産技術の実現●我が国の食料自給率は年々低下し、食料安全保障上の課題。これを受け、平成17年3月に、食料自給率を平成15年度の40%から平成27年度には45%に向上させることを閣議決定。●有用物質生産について、我が国は微生物を利用した生産技術について伝統的強みを有する。欧米諸国も近年、本分野の研究に力点。

○ライフサイエンス研究の基盤●生物遺伝資源やデータベースといった基盤整備については、欧米の取組が我が国に比べて先行。また、融合領域研究については、米国において集中投資。

1.生命プログラム再現への取組 生命の統合的全体像の理解のための関連科学技術の連携、統合的学問領域の創成等。2.臨床研究推進のための体制整備 支援体制等の整備・増強、臨床研究者・臨床研究支援人材の確保と育成、研究推進や承認審査のための

環境整備、国民の参画促進等。3.安全の確保のためのライフサイエンス 安全・安心を脅かす社会的課題への対応のための高度安全実験施設等の活用や人材育成等。

の推進4.成果に関する国民理解の促進 研究成果の実用化に際しての国民理解の促進、学校教育や生涯教育の場を含めた情報発信、生命倫理に関す

る検討等。5.医療におけるITの活用 疾患解析、疫学研究、予防医療への応用等のための医療情報システムの整備・強化等。6.医理工連携等の推進 応用科学と純粋科学の連携、生命科学と他分野の融合した新領域の創成等。

7.生物多様性の保全・確保 遺伝子組換え生物の利用における生物多様性の保全・確保等。8.バイオ産業等における標準化の推進 計測技術等の信頼性、同等性等の確保、バイオ産業の国際競争力強化等のための国際標準化の取組の推進等。9.バイオベンチャーの育成・支援 バイオベンチャーの支援の充実、産学官等のネットワーク活用等。10.知的財産権の戦略的確保 産業競争力の源泉となる知的財産権の戦略的確保と活用、人材育成等。

第3期科学技術基本計画の分野推進戦略(ライフサイエンス分野)出典:総合科学技術会議ライフサイエンスPT資料(平成18年12月)

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4

農芸化学・畜産学等農学分野環境分野・食品科学 等

疾患研究

炎症

健康長寿社会の実現(医療・福祉等の発展)

地球温暖化・気候変動

(環境影響、食料・水資源問題)対策 新興・再興感染症対策資源・エネルギーの需要増加への対応

数理・計算科学等との融合(システムバイオロジー等)

我が国の主要なライフサイエンス研究(現在の主要研究予算等を俯瞰したもの)

概要:・ライフサイエンスは、国民の健康長寿や安全確保を実現するとともに、食料自給率向上や産業競争力強化、新産業創出に繋がる科学技術。

・これまでの重点投資により、多彩な基礎研究シーズが生まれ研究が進展。今後は、生命現象の統合的理解、社会への還元を目指した研究を強力に推進すべき。

基礎

実用化

要素還元型研究

目標

生命の統合的理解

目標

生命の統合的理解

目標 地球規模課題の解決を先導する科学の発展目標 地球規模課題の解決を先導する科学の発展

ライフサイエンス知的基盤(バイオリソース、データベース、先端計測・分析設備)

世界最高水準の基盤構築 創薬・医療技術支援基盤

細胞の基礎的研究(オミックス、糖鎖、タンパク研究等)

計測技術(高速シーケンサー等)の向上により、分子レベルから細胞・組織へ

【文科】革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ(58億円)

脳科学

【文科】ナショナルバイオリソースプロジェクト(14億円)統合データベースプロジェクト(9億円)分子イメージング研究プログラム(11億円)

※予算はH21本予算であり、科研費、国立大学法人運営費交付金等は記載していない。

【文科】脳科学研究戦略推進プログラム(23億円)

学際(人社、情報等)融合による研究進展

幹細胞・再生医学

【文科】再生医療の実現化プロジェクト(27億円)

がん研究

【厚労】国立がんセンター臨床開発センター経費(8億円)

新興・再興感染症研究

【文科】新興・再興感染症研究拠点形成プログラム(21億円)

植物科学

【理研】植物科学研究事業(15億円)

【農水】新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(65億円)

イノベーション創出基礎的研究推進事業(68億円)

産学官連携による食料産業等活性化のための新技術開発事業(2億円)

【厚労】難治性疾患克服研究事業(100億円)

免疫

【理研】免疫・アレルギー科学総合研究事業(32億円)

iPS細胞の樹立など幹細胞研究の進展

【環境】地球環境研究総合推進費(40億円)

メタボローム解析等の進展

計測技術(一分子動態計測等)の向上による生体分子ネットワークの解明

複雑な系・システムを対象とした研究

海外研究拠点における共同研究等国際連携の進展

がんの疫学研究の知見の集積

目標 健康長寿社会の実現目標 健康長寿社会の実現

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医薬品・医療機器の開発動向①(国民医療費の増加)

○我が国の国民医療費は、33.1兆円、対国民所得比は8.9% (平成18年度)となっており、その10年前の医療費 28.5兆円、

対国民所得比 8.0%(平成8年度)に比べ大きく増加。

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月),社団法人日本医師会 定例記者会見(2008年9月),厚生労働省「平成18年度国民医療費の概況」(2008年8月)

<国民医療費と対国民所得比の推移>

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医薬品・医療機器の開発動向②(医薬品市場のシェア)

出典:革新的創薬等のための官民対話第3回資料(日本製薬工業協会・米国研究製薬工業協会・欧州製薬団体連合会, 2009年2月)

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月)Annual Report of GSK

<世界の医薬品市場の地域別シェア>

○我が国の医薬品市場は世界の約10%を占めているが、シェアは減少傾向。

○世界の医薬品市場の規模は、96年から06年の10年間で2倍以上に拡大。

<世界の医薬品市場規模の推移>

530 920 890 570

640 2740 1840 1230

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医薬品・医療機器の開発動向③(橋渡し・臨床研究)

○主要雑誌に掲載された論文数について我が国は、基礎研究に関しては欧州諸国とほぼ同等であるが、臨床研究分野の論文数が少なく、橋渡し・臨床研究の強化が必要な状況。

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月),政策研ニュース(医薬産業政策研究所,2008年)

<主要雑誌に掲載された論文数(平成14年~19年)>

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医薬品・医療機器の開発動向④(主要医薬品の特許期限)

○我が国の製薬会社の主要製品について、特許期限切れが迫っている。

○同時に、諸外国の製薬企業においても、特許期限切れにより収益の14%から41%を失うものと予測されている。

世界的に新製品の開発・投入が急務な状況となっている。

出典:医薬品業界2010年の衝撃(酒井文義, 2009年)

34%31億ドルLovenox38億ドル

21億ドル

US Plavix

Avapro

20億ドルTaxotereサノフィアベンティス

41%17億ドル

8.6億ドル

11億ドル

Viagra

Detrol

Geodon

121億ドル16億ドル

Lipitor

Xalatan

8億ドルAriceptファイザー

14%60億ドルDiovan11億ドルFemaraノバルティス

22%45億ドルSingulair32億ドルCozaar/

Hyzaar

メルク

22%48億ドルZyprexaイーライリリー

23%25億ドルAvandia38億ドルAdvairGSK

30%21億ドルAbilify48億ドル

13億ドル

US Plavix

Avapro

BMS

38%37億ドルSymbicort47億ドルSeroquel22億ドルArimidexアストラゼネカ

収益に占める割合

2012年2011年2010年会 社 名

<諸外国の製薬企業が特許期限切れにより失われる収益>

<医薬品世界売上ランキング(2007年)と米国における特許期限切れの時期>

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月)

我が国発の医薬品について、世界売上ランキング100位以内に14品目入っているが、米国において、このうち9品目が2011年までに特許期限切れとなる。

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医薬品・医療機器の開発動向⑤(医薬品開発までの流れ)

○医薬品開発については、基礎研究から審査・承認までの期間が長く、成功確率も低い。製品化までに長期間及び多大の投資が必要。

基礎研究

病気・薬のシーズの探索

発明研究

化合物合成・薬効スクリーニング

臨床試験

P1→P2→P3

薬事審査

約50~100万化合物から探索約5,000~

20,000化合物からスクリーニング

約20,000化合物あたり、3化合物

申請

開発研究

動物での薬効・毒性・体内動態

販売承認特許満了

後発品の販売

スクリーニング 非臨床試験 臨床試験 審査 先発独占期間

2~3年 3~5年 5~10年 2~3年 10~15年

約20,000化合物あたり、1化合物

ライブラリー 候補化合物 開発化合物 先発品 後発品

特許出願

出典:文部科学省作成

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医薬品・医療機器の開発動向⑥(治験年数の各国差)

○治験に要する平均期間について、日本は欧米に比べ、これに要する期間が長い。

○薬事法に基づく承認審査期間を欧米と比較すると、我が国の承認審査期間は米国の約2 倍、欧州の約1.5 倍長い。

<日本・米国・欧州の承認審査期間(承認申請日~承認日)>

出典:政策研ニュース No.25(日本製薬工業協会医薬産業政策研究所,2008年7月)

注)日本:部会審議及び報告品目、米国:CDER 承認品目、欧州:EU 販売許可可能品目

<治験期間の日米比較(1993-2001年)>

出典:政策研ニュース No.10(日本製薬工業協会医薬産業政策研究所,2003年3月)

注)1993年から2001年までに上市された新有効成分のうち、治験期間を把握できた、米国で治験が実施された105品目、日本で治験が実施された53品目を分析の対象とした。新有効成分全数の分析ではないことに注意。

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医薬品・医療機器の開発動向⑦(アンメット・メディカル・ニーズ)

○近年、未だ満たされない医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ/Unmet Medical Needs)の高い疾患に対応する新薬が数多く承認

されてきている。

○製薬企業はアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患に対応する新薬の開発に傾注。

<治療満足度(2005年)別にみた新薬の承認状況(2006~2007年)> <治療満足度(2005年)別にみた新薬の開発状況(2008年9月時点)>

出典:厚生労働省中央社会保険医療協議会薬価専門部会資料(2009年3月) 出典:厚生労働省中央社会保険医療協議会薬価専門部会資料(2009年3月)

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医薬品・医療機器の開発動向⑧(製薬企業の研究開発費と売上高)

○医薬品産業の研究開発には、より多額の開発費が必要とされてきている。

○我が国は、欧米に比べ研究開発投資の規模が小さく、研究開発投資の効率性をさらに向上させていくことが重要。

<製薬企業の研究開発費と売上高>

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月)出典:製薬協DATA BOOK 2008

<製薬企業の研究開発費・対売上高比率の増大>

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医薬品・医療機器の開発動向⑨(バイオ医薬品開発)

○現在の医薬品開発は、従来の低分子医薬品からバイオ医薬品(遺伝子組み換えやクローニングなどのバイオテクノロジーを活用してつくら

れた医薬品)の研究開発に中心を移してきている。

○我が国におけるバイオ医薬品開発品目数は、96年から06年にかけて減少しており、欧米諸国に比べ伸び悩んでいる状況。バイオ医薬品

の開発企業は米国のバイオベンチャーが圧倒的に多いが、我が国においてはベンチャーにおける開発数が少ない。

<各国のバイオ医薬品の開発品目数>百万ドル

4,121米国アムジェン社腎性貧血ダルベポエチンαアラネスプ14

4,425米国セントコア社関節リウマチ等

インフリキシマブレミケード9

4,475米国アムジェン社関節リウマチ等

エタネルセプトエンブレル8

4,781米国バイオジェン・アイデック社

非ホジキンリンパ腫

リツキシマブリツキサン/マブセラ

6,027米国アムジェン社腎性貧血エポエチンα

エポジェン/プロクリット/エスポー

06年

売上開発企業薬効等一般名製品名

順位

<世界医薬品売上ランキング15位以内のバイオ医薬品>

出典:政策研ニュースNo.23(日本製薬工業協会医薬政策研究所, 2007年)

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月),Pharmaprojects(PJB, 2007年)

出典:Pharmaprojects(PJB, 2007年)

<各国のバイオ医薬品開発品目数(開発企業の国籍別)>

820その他の国

16デンマーク

08カナダ

48フランス

95日本

717ドイツ

536イギリス

12222米国

製薬企業における開発品目数(06年)

バイオベンチャーにおける開発品目数(06年)

企業国籍

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遺伝子組換え作物・バイオマス燃料の世界的動向

○諸外国では、食料問題の解決策として、遺伝子組換え作物(GMO)の実用化が既に始まっている。

○地球温暖化防止の観点、原油価格の高騰を背景に、世界的に農産物等を原料としたバイオマス燃料の需要が高まっている。

<世界のバイオマス燃料の導入に向けた動き><世界の遺伝子組換え作物栽培面積の推移>

出典:ドリームBTジャパン(BT戦略推進官民会議,2008年12月)

(単位:百万ha)

<世界のバイオマス燃料の生産量の動向>

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全米科学財団(National Science Foundation, NSF)

•基礎研究からイノベーションへの橋渡し研究への積極投資•次世代ナノ、バイオ、情報技術を創出する生物学研究の推進•生物科学分野の研究資源と中核施設の確保(バイオリソースの蓄積とデジタル化、バイオインフォマティクスの拡充)•民間財団やNIHなど他の資金配分機関との共同投資プログラムの設立、主導(植物科学→農業への橋渡し、脳科学研究等)

主な連邦政府研究予算配分機関の研究予算額の推移 2008年度 2009年度 2009年度 2010年度 2009年度からの増減

配分 予測 景気回復法 予算 増減額 %

National Institutes of Health 28,547 29,748 10,400 30,184 436 1.50%

Department of Energy 9,807 10,621 2,446 10,740 119 1.10%

National Science Foundation 4,580 4,857 2,900 5,312 455 9.40%

Department of Agriculture 2,336 2,421 176 2,272 -149 -6.20%

国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)

•新規幹細胞研究計画に対する連邦政府予算投資の再開

•癌・自閉症・ナノテク・バイオディフェンス・AIDS研究への投資増

•NIHの研究所横断型プロジェクト(NIH Common Fund)の拡充

•ハイリスク研究への投資(“GO”grant)

•生命倫理研究への新規投資

(作成:JST CRDS)

(単位: 百万ドル)

・ 2009年8月5日発表の”A STRATEGY FOR AMERICAN INNOVATION”において

Healthcare Technology (医療技術)を国家として取り組むべき優先課題のひとつとして明記

・ 「GDPに占める研究開発費の割合を3%以上」という目標を設定(現在2.66%)

・ 今後5年間にSTEM (Science 科学、Technology 技術、Engineering 工学、Mathematics 数学)教育へ15億ドル投資

・ 癌研究への投資額を8年間で倍増へ

・ 幹細胞研究への連邦政府予算投資の再開と新ガイドライン策定(2009年7月7日発表)

・ 科学への投資 「Invest in the Sciences」

– 基礎研究機関の予算を10年間で倍増

– ハイリスク研究への投資拡大(全科学分野の革新、革新的新技術の創出)

諸外国のライフサイエンス研究(政策・研究動向)①【米国】【特徴】・今後の経済成長の原動力となり、疾患治療の未来を切り開く生物医学研究(基礎研究、がん研究、幹細胞研究等)に重点投資。

・基礎研究から医療などの産業応用への橋渡し研究を強力に推進。

・目的指向型基礎研究(神経疾患をはじめとする難病研究等)の支援体制が充実。

<ライフサイエンスに関する政策>

<ライフサイエンス関係の予算・動向>

疾患治療の未来を切り開く最先端研究のために500億ドルの投資を行う。これは生物医学研究史上、最大規模の増額投資である。

(2009年9月30日国立衛生研究所での大統領演説より)

Obama大統領

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諸外国のライフサイエンス研究(政策・研究動向)②【EU】

【特徴】 FP7(Framework Program 7: 2007-2013年)において創薬・健康研究を重視した投資戦略を展開。

<ライフサイエンスに関する政策>

<ライフサイエンス関係の予算・動向>

FP7においてはFP6に比べてライフサイエンス関連分野予算が3倍以上に増加 FP7 Cooperation Health における重点開発項目(人類の健康のための)バイオテクノロジー、ツール、医療技術

- ハイスループット研究

- 検知・診断・モニタリング技術

- 治療の適合性、安全、効果の予測

- 革新的治療手法と介入技術

(人類の健康のための)橋渡し研究- 生物学的データとプロセスの統合- 脳関連疾患、ヒトの発達、老化の研究- 感染症の橋渡し研究- 重大疾患の橋渡し研究

EU市民への健康医療提供の最適化- 臨床研究の成果から臨床における実践への橋渡し- 橋渡し研究を含む保健医療システムの質、

効率、連携の改善- よりよい投薬による疾患予防の促進- 新しい治療技術の適切な用法の開発

(作成:JST CRDS)

欧州委員会のFP7におけるライフサイエンス研究に係る主な方針 (2006年12月18日発表)

・ サスティナビリティ(持続可能性)を重視した研究推進策として、「EU経済復興計画(EU economic recovery plan)」の一環と位置づけ科学技術研究開発計画「Framework Program 7」 (FP7)を実施中

・ FP7実施期間(2007-2013年)中に総額 505億ユーロを投資予定、2009年の総研究費は68億ユーロ

・ FP7においては、産学連携による橋渡し研究を促進するJoint Technology Initiative (JTI)枠によって「水素・燃料電池、航空機・航空輸送、ナノエレクトロニクス、革新的医薬」等に投資

・ FP7の国際共同研究(Cooperation)枠における重点10分野に、情報・コミュニケーション技術、ナノサイエンス、運輸(航空含)、エネルギー、環境(含:気候変動)などとともに、健康、食料・農業・バイオテクノロジーを設定

単位:百万ユーロ

単位:百万ユーロ

FP7(Cooperation)における投資分野健康 6100食料・農業・バイオテクノロジー 1935情報・コミュニケーション技術 9050

ナノサイエンス・ナノテクノロジー・材料・新製造技術

3475

エネルギー 2350環境(気候変動含) 1890運輸(航空含) 4160社会・経済科学・人文科学 623宇宙 1430安全 1400

FP6における投資分野 ライフサイエンス 2514情報通信 3984ナノテクノロジー 1429宇宙開発 1182食品安全 753持続性社会 2329市民ガバナンス 247

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(作成:JST CRDS)

・ 2009年6月にビジネス・企業・規制改革省(BERR)とイノベーション・大学・技能省(DIUS)の2省が統合され、新たにビジネス・イノベーション・技能省(BIS)が誕生

・ ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)内に設置されたライフサイエンス庁(Office of Life Science(OLS):2009年1月27日設立)が、省庁間の垣根を越え、産業界、学術界、国民保健サービス(National Health Service, NHS)との協力による英国のライフサイエンス関連企業を取り巻く事

業環境の変革を目指す。

・ 「Building Britain’s Future (英国の未来構築)」計画の重要部分として、

2009年7月14日にライフサイエンス庁 が”the Life Sciences Blueprint” を発表。

-「イノベーション・パス(Innovation Pass)」(選択された画期的な新薬をNHSで利用できる

3年間のイニシアティブ(2,500万ポンド)

-英国ライフサイエンス・スーパークラスター(UK Life Science Super Cluster)の形成支援

-技術戦略審議会(TSB)による商用化前提研究開発支援プログラム

諸外国のライフサイエンス研究(政策・研究動向)③【英国】【特徴】・医療や保健と密接に連携したライフサイエンスの基礎から橋渡しへの重点投資。

・臨機応変な行政組織の改編と新設による、迅速かつ戦略的な研究推進。

・ライフサイエンス研究成果の将来的課題を見据えた科学行政、研究者、一般市民間の円滑なコミュニケーション体制の確保。

<ライフサイエンスに関する政策>

<ライフサイエンス関係の予算・動向>

Brown首相

英国研究会議(Research Councils UK )の優先投資5分野(2009年5月18日発表)

財政見直しと効率化により1億600万ポンドを調達、高い経済効果の期待できる分野に2011年まで重点投資

・グリーン経済・ライフサイエンス部門(健康と食品を含む)・デジタル経済・高付加価値製造システムとサービス・文化的で創造性に富む産業

英国研究会議への予算投資への推移

健康医療分野で世界で通用する学術研究機関10ヵ所を設立する。また、心疾

患研究施設を新たに立ち上げるために2.2百万ポンドの投資を行う。(2008年6月24日国民保健サービス60周年記念祝賀会発言より)

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諸外国のライフサイエンス研究(政策・研究動向)④【中国】

【特徴】・農業技術と疾患予防、治療技術開発研究を重視した投資戦略を展開。

・ライフサイエンス関連の機器・技術イノベーションを重視。

<ライフサイエンスに関する政策>

<ライフサイエンス関係の予算・動向>

(作成:JST CRDS)

・ 「国家中長期科学技術発展規画綱要(2006~2020年)(2006年1月発表)」において実現すべきライフサイエンス分野における発展目標

‐ 農業分野での科学技術総合力の世界トップレベル入り(農業生産力の向上促進、効果的な国の食糧安全保障)

‐ 重大な疾病の予防と治療レベルの飛躍的な向上(エイズ、肝炎等の重大な疾病の抑制、新薬の開発と重要な医療器械の開発に関する飛躍的な

進歩と産業としての発展に資する技術力の整備)

・ 2009年9月10日に中国科学院北京生命科学研究院に「ライフサイエンス機器・技術イノベーションセンター」が設立

(北京生命科学研究院所管のもと、北京地区のライフサイエンス研究におけるニーズに対応した、「ライフサイエンス機器の独自開発」、「新たな研究手法の探索と実現」、「大型機器の潜在能力導出」、「革新的な機器の研究開発」、「既存技術強化による専門技術プラットフォーム」等に取り組む)

・ 2009年6月に国務院が発表した「生物産業の発展加速促進に関する政策」において生物産業は中国のハイテク分野における基幹産業及び国の戦略的振興産業として位置づけ

・ 2009年5月、重大科学技術特定プロジェクトの一つとして「重大新薬創製」プロジェクトを設立

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ①(ゲノム・機能分子)

産業技術力はそれほど高くはないが、上海国家生物製薬科技産業基地(メディカルバレー)に100以上の研究機関、R&Dセンター、多国籍企業、国内有力製薬企業、120以上のベンチャー企業が集積しており産業技術力向上の核になっている。

↗×産業技術力

バイオマーカー、糖タンパク質解析ではTianjin Biochip Techなどのベンチャーが力をつけてきている。また、中国科学院傘下の研究機関や北京大学等で生薬や海洋天然物からの有用生理活性物質探索など生命機能化合物研究を活発化させており、その成果による産学研合作や抗弁企業が進展。

↗△技術開発

水準

ポストゲノミクスに比重。HapMap、1,000人ゲノムプロジェクト、中国人の完全遺伝子組織マップの推進により侮れない存在に。肝臓プロテオミクス、SARS、住血吸虫、中医証候など特徴を活かしzたプロテオミクス研究の水準も向上。海外の優れた研究者を呼び戻す政策(海亀政策)により今後、急激に水準が向上する可能性がある。

↗△研究水準

中国

積極的な国際展開姿勢(欧州が実施する臨床治験90%は国際共同治験。スイスのLonza社やドイツのべーリンガー社が大規模な抗体医薬生産受託業務を展開。バイオマーカーやメタボロームなど新規な技術を臨床や発酵生産に取り込む活動も活発化している。

↗◎産業技術力

英国、スイス、ドイツではメガファーマの合併から多額の資金投入が可能になり生命機能化合物やバイオマーカー、糖タンパク質解析の水準が向上。海外特許の積極出願や研究拠点のアジア進出も増加。プロテオミクス、タンパク質構造解析からのドラッグデザイン、抗体医薬、メタボロームなどでベンチャー企業が世界をリードする。

↗○技術開発

水準

米国に次ぐ水準。特にゲノム疫学・疾患遺伝子(英国、アイスランド)、プロテオーム解析(ドイツ、スイス、デンマーク)、生命機能化合物の水準が高い。欧州委員会が大規模ファンクショナルゲノミクスプロジェクトや米ーEU国際コンソーシアムを推進して水準を維持。

→◎研究水準

欧州

DNAチップ、ゲノム全域SNP解析プラットフォーム、454、Solexa、SOLiDなどの高速シークエンサーなどゲノム関連機器は米国の独断場。新薬開発における基礎的な探索研究はベンチャー、メガファーマは開発と分業が進んでいるが、両者を併せた産業技術力は高い。

↗◎産業技術力

10,000ドルゲノム、1,000ドルゲノムプロジェクトの実施やNIHの企業に委託した化合物ライブラリーの生産、管理など、公的支援が新規分野の企業の技術開発水準向上に寄与。プロテオミクス、メタボローム解析に用いられる質量分析器、バイオマーカー探索、抗体医薬開発などは世界のトップ。タンパク質構造解析からの薬剤設計は成功例が増えないため下火になっている。

↗◎技術開発

水準

全般的に高水準を維持。NIH(国立衛生研究所)では医学関連ゲノム解析にシフト。ヒト微生物叢の解析、エピジェネティクス、がんや血漿のプロテオミクス、糖タンパク質解析など新規分野への投資も活発。国際ノックアウトマウス、ヒト微生物叢、国際バイオバンクなど国際コンソーシアムの中核になっており、研究をリードしている。

↗◎研究水準

米国

わが国の大手製薬企業は世界的には中規模であるため限界はあるが、比較的効率よく産業技術力を高めている。しかし、ゲノム創薬は欧米に比べると大きな隔たりがある。発酵産業ではメタボロームの成果が事業化に活かされる段階にきているが、食品産業でのメタゲノムの技術力向上はこれから。

→△産業技術力

糖タンパク質解析が活発化。立体構造既知のタンパク質に対する化合物の最適化研究、抗体医薬開発、バイオマーカー探索などの水準向上はこれから。天然物生理活性化合物を中心とするライブラリーを活用したスクリーニングが行われている。DNAチップ研究所、東レ、島津・凸版印刷などで種々の遺伝子発現解析技術開発。

→○技術開発

水準

ゲノム疫学・疾患遺伝子探査研究が出遅れ、水準の低下が懸念される一方、メタボローム、リピドミクス、生命機能化合物分野では欧米に並ぶ水準。比較ゲノム・メタゲノムも水準向上。DNA塩基配列解析能力の低下が懸念される。

→◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレンド

現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ②(脳神経分野)

特筆すべき事項はない一方、産業実用レベルにおいて、欧米諸国企業の社会実装の試用の場となっている可能性は否定できない。→×産業技術力

製薬企業の数では世界一を誇り、欧米の技術を輸入して生産を図る努力がなされているものと思われるが、独自の技術開発は明確ではない。→×技術開発

水準

質も量も不十分であるが、「国家中長期科学技術発展規画綱要(2006~2020年)」による研究推進が始まっており、70以上の研究プロジェクトを設立。英国などとの国際共同研究を進め、部分的に発展の可能性が認められるため、今後の動向には注意を向ける必要あり。特に臨床研究における大規模なサンプル収集力は、今後注目すべきである

↗△研究水準

中国

米国型(産業界主導)の新薬の臨床開発とは一線を画し、新薬の臨床効果を検証した研究成果などが出されている。脳画像や解析機器などの技術はデザインに優れ、使いやすいパッケージとして展開されている。しかし欧州域内での差異は大きく、旧東欧諸国はいずれも一般的に水準は低い。

→○産業技術力

ユニークな先端技術に依拠した先進的技術開発(遺伝子関連技術、大規模なヒト脳非侵襲機能画像施設など)に米国に見られない強みがあるが、全体としては米国の後塵を拝する。イギリス・スイス・ドイツでは大手の製薬企業の合併により、研究開発に多額の投資をすることが可能となり、今後の動向が注目される

→○技術開発

水準

伝統的に、ヒトの認知・行動に関する心理学的および臨床神経心理学的研究に圧倒的な強み。独自の視点から生まれた成果を基盤に新たな分野を展開することにより、米国とは異なった得意分野を持つ。各国の連携も徐々に進められており、更なる力を発揮する可能性が認められる。

↗◎研究水準

欧州

疾患の克服など社会への貢献が明確な分野で企業活動と一体化した実現化への力強い研究活動や、民間ファンド中心の罹患患者数が多い疾患群の病態解明・新規治療原理開発を推進。背景に民間寄付を後押しする税制システムや、社会への情報公開や社会貢献への広報が大きく貢献していると思われる。

→◎産業技術力

技術開発の目標が全く新しいコンセプトの実験・計測原理の発見そのものに投資が向けられている。ブレイン-マシン・インタフェースの基礎となる剣山型電極、多次元データの解析システムの技術開発や新薬の臨床開発において世界の最先端にある。エンターテイメント分野での市場も大きく、先進的技術開発を競っている。

↗◎技術開発

水準

分厚い人材と研究支援体制に支えられ、質と量を併せた総合的な発信力を持つ。新規分野を開拓し、重要分野を引っ張る総合力もある。大規模シークエンシング施設の充実など、基盤的学問分野の維持・継承のためのプログラムのみならず臨床研究の体制( 人員の育成・配備等)も整えられており、大規模のサンプル整備( 神経画像データを具備したゲノム、ゲノムコーホート等) が進みつつある。

↗◎研究水準

米国

全般的に技術的な基盤は有するが、産業技術として展開するための推進体制の整備に遅れが見られる。臨床研究の基盤整備の遅れや国際共同治験参加機会の不足、長い新薬承認審査期間のため、欧米と比較して新薬が上市される時期に遅れが生じている。

→○産業技術力

分子生物学的手法を利用した神経回路研究など、独創的な技術開発。ロボットなど工業分野での研究開発は世界の群を抜いている。企業(日立、島津、日本電気、NTT など)による技術開発水準も高いものであるが、医療分野等へのヒトへの応用に関しては、日本固有の倫理観や制度上の制約から、欧米に遅れをとっている。

→○技術開発

水準

質において欧米と比肩。特に水準の高い研究は、シナプス伝達と可塑性、軸索ガイダンスやシナプス形成に関わる分子、細胞骨格分子のダイナミクスや細胞内情報伝達機構、脳の活動依存的発達、サル脳高次機能、アルツハイマー関連分子の探索、など。神経系の疾患、社会性脳科学など新規分野での総合的な展開や臨床応用など社会貢献に発展させる力をつけるためのシステムつくりが必要。日本の特徴を生かした独自の研究戦略が望まれる。

↗◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレンド

現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ③(発生・再生分野)

分野全体としては、なお全体的に後れている。しかし、組換えウシ由来ヒトラクトフェリンや組換えカイコ由来のGU-CSFがそれぞれ前臨床試験、第Ⅱ相試験に入っており、今後、政府の施策と米国、欧州の留学から帰国した研究者のリードにより、畜産及び農水産分野や創薬領域で急速な技術力の向上が予想される。

↗△産業技術力

世界初の体細胞クローン水牛の作出に成功してはいるが、分野全体としては現在なお特筆すべき技術開発は見られない。しかし、今後、基礎研究のレベルアップと相俟って、ことに生薬からの創薬技術、家畜、魚類の品種改良技術等の開発が見込まれる。

↗△技術開発

水準

幹細胞研究やヤギ、ウシ、ブタ等家畜の体細胞クローン動物の作出等、注目すべき成果も挙げつつあるが、分野全体としてはなお後れている。とは言え、米国、欧州から帰国した研究者が各領域でリーダーシップを発揮しつつあり研究水準は急速に向上すると思われる。

↗△研究水準

中国

生殖補助医療の実施率は世界のトップレベルであり、大規模臨床試験の実施力は日本より勝っているが、ベンチャー企業はなお育っておらず、分野全体としては進んでいるものの米国とはなお距離があり、日本と比べてもやや後れている。

→○産業技術力

ドイツ、英国、スイスにおける顕微鏡による発生現象解析技術、企業との共同による生殖細胞の発生プログラミング因子探索技術、ドイツにおける組織工学用デバイス開発、遺伝子組換えクローンヒツジによるアンチトリプシンタンパク製剤の開発など見るべき成果もあるが、発生・再生分野全体としては、米国はもとより、日本と比べてもいくらか後れをとっている。

↗○技術開発

水準

多様な生物種を用いた発生プログラム研究、英国、ドイツの幹細胞研究、網羅的ノックアウトマウスの作出、世界初の体細胞クローン動物の作出など世界をリードする領域は少なくない。米国、日本と共に、分野全体としては高水準を維持している。また、未だ日本には見られない長期的な計画マウスリバースジェネティックスやEpigenomeNetwork of Excellence(NoE)が欧州諸国共同で展開されていることも注目される。

→◎研究水準

欧州

生殖補助医療は欧州に後れをとっているものの、規制のハードルが低く社会的コンセンサスもそれなりに確立されていることで、企業の積極的コミットメントが得易く、また大学等の研究者と企業との連携もよく分野全体として世界のトップレベルを維持している。

→◎産業技術力

大学等の研究者と企業研究者相互間はもとより、研究者の交流環境が整っており、この分野のどの領域を見ても異分野間の融合的共同研究が盛んに展開されている。これらの条件がケミカルバイオロジーの情報の蓄積やシステムバイオロジーなどの新しい展開あるいは、大学における新しい学部等の開設を促し、高い技術開発水準の維持とその向上に結びついている。

→◎技術開発

水準

発生・再生分野全体を通じ、世界のトップレベルを維持している。この分野は長期的取り組みが不可欠であるが、米国ではポストゲノムとしてのENCODE計画、幹細胞分化のケミカルバイオロジー等のプロジェクトや異分野横断的なAHEAD(Alliance for the Human Epigenome and Disease)などの長期的計画が進められており、これらの計画や伝統的な世界各国からの人材確保が高い研究水準の不断の維持を支えていると思料される。

→◎研究水準

米国

倫理、社会的コンセンサスの確立が未だ為されず、そのためになお規制のハードルが非常に高い。これらの条件が大学等の研究機関の研究者と企業との連携や企業のコミットメントを阻害しており、産業技術力は米国に大きく離されている。

→○産業技術力

米国に比べて明かに後れをとってはいるが、近年ES細胞、万能細胞の培養や解析の技術(京大、理研等)や、1分子イメージング、胚発生のリアルタイムイメージング(大阪大等)などの研究技術開発が急速に進捗しつつあり、発生・再生分野全体としては、欧州と同程度あるいはむしろやや進んでいると判断できる。

↗○技術開発

水準

ES細胞、組織幹細胞の培養法と解析をはじめ、万能細胞の作出に成功するなど、発生・再生分野では米国を凌ぐ領域は少なくなく、この分野の研究水準は欧州先進諸国に勝るとも決して後れておらず、米国と近接する高水準を維持している。しかし、現時点では米国や欧州に見られるような長期的戦略がなく、将来が憂慮される。

→◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレン

ド現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ④(免疫分野)

低分子化合物や抗生物質などの受託生産を行っている企業は多いが、独自の技術で免疫抑制剤や抗体医薬品等を上市した例はない。↗△産業技術力

国際企業が中国において開発研究を進めることにより全体の水準の向上。しかしながら、これらを自国のものとするには相応の時間が必要と思われる。↗△技術開発

水準

米国や欧州で力をつけた研究者が相当数帰国して研究を開始。政府としても相応の予算を免疫分野に充当しており、今後水準が飛躍的に高まることが予測される。

↗△研究水準

中国

ロンザ社(スイス)など、動物細胞を用いた抗体医薬の製造に関して高い技術を有する企業が多い。動物個体を利用したバイオ医薬品の製造技術など、低コスト化に資するあらゆる技術開発に寛容である。

↗◎産業技術力

近年の企業再編により主要国ごとに世界を代表する製薬企業が誕生。各企業とも得意分野への集中投資により成長を続けているが、ノバルティスやロシュなどが免疫抑制剤の開発で競争力を持つ。ワイスなどはTNFをターゲットにした新しいタイプのリウマチ薬を開発している。

→◎技術開発

水準

古典的なテーマから新しいテーマまで独自のスタイルで着実に研究を推進。米国に比して人材層は薄いが、共同研究の推進により全体として高い成果を挙げている。

↗○研究水準

欧州

抗体医薬品の製造技術に関して多くの特許を保有する圧倒的な競争力。ワクチン製造に関しても国が積極的に投資、今後も高い競争力を維持すると思われる。

↗◎産業技術力

欧州比肩する開発研究力。重要な基礎研究の成果を小回りの効くベンチャー企業を介して速やかに開発研究へ持ってゆく体制が有効に機能。ヒトの免疫学に強いことも開発研究への道筋を支えている。

↗◎技術開発

水準

基礎研究の水準は極めて高く、また人材層も厚い。Th17の発見やリンパ球の運命決定に重要な複数の転写因子の発見等重要な成果が発信されている。↗◎研究水準

米国

生物製剤の製造技術では欧米に水を開けられているものの、抗体医薬の効果を格段に向上させる技術やマウスを活用したヒト抗体製造技術など、独自の技術が生まれつつある。

↗○産業技術力

日本発の免疫抑制剤の開発、抗体医薬の上市等、一定の成果。しかしながら、基礎免疫学の水準と比較すると企業の技術開発はやや立ち後れ。トランスレーショナルリサーチへの投資やベンチャー企業の育成などによる基礎研究の成果を切れ目なく展開していく仕組みが必要と思われる。

↗○技術開発

水準

基礎免疫学の水準は高く多くの重要な成果を発信。特にサイトカイン研究、自然免疫研究、制御性T細胞研究では世界の最先端。リンパ球の分化やシグナル伝達研究においても重要な知見を発表。一方、応用研究に向かうために重要なヒトの免疫学研究は遅れを取っており、臨床医等との連携も含めた研究体制の整備が急がれる。

↗◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレン

ド現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ⑤(がん分野)

顕在化したものは少ないが,国家戦略によりバイオテク企業が増加しており、産業化に重要な臨床開発能力は上昇している。↗△産業技術力

全般的には技術開発水準は高くないが、欧米で訓練された研究者が関与する企業が多くなっており、技術開発水準が上がっている分野も見られる。↗△技術開発

水準

現時点では欧米や日本から大きな隔たり。しかし、科学技術人材の呼び戻し政策により優秀な研究者が多数帰国しており、国家戦略による大型研究費支援もあって、今後は国際競争力が飛躍的に発展すると考えられる。

↗△研究水準

中国

新薬の臨床開発で米国を追い上げ。Micro-dosing の指針が欧州医薬品庁(EMEA)より発表され,治験の効率化が図られている。↗◎産業技術力

最近のベンチャーやメガファーマの活躍は特筆すべきものがある。欧州では大手の製薬企業の合併により、メガファーマが多数誕生しており、研究開発に多額の投資をすることが可能となっている。

↗◎技術開発

水準

EUを中心に欧州の共同研究体制が整備されつつあり、今後もさらに大きな伸びが見られ、分野においては米国と並ぶ成果も数多く出てくるものと予想される。

↗◎研究水準

欧州

新薬開発では世界の最先端。医師主導の臨床試験プログラムの活発な実施。臨床開発期間圧縮のために、通常の第Ⅰ相臨床試験よりも早いMicro-dosing の指針がアメリカ食品医薬品局(FDA)より発表され、開発候補物質の早期評価および選択が図られている。

↗◎産業技術力

質・量ともに世界をリード。シーズを速やかに実用化する技術力が高い。ベンチャー企業がさまざまなで分野で活躍・成功していることも特徴である。↗◎技術開発

水準

質・量ともに世界をリード。シーズを生み出す基礎研究など、研究水準の高さは特筆すべきものがある。またNIH/National Cancer institute(NCI)が中心となって種々のプロジェクトを有機的に連動して進めていることも米国が世界をリードし続けている大きな要因と考えられる。

↗◎研究水準

米国

米国や欧州に遅れ。国内の薬剤開発については、いくつかの制度上の問題(国際共同治験への参加が少ない、新薬の承認審査期間が欧米や中国に比べて長い、など)が緊急に解決すべき課題。ベンチャー企業の設立も奨励されたが、研究者を市場とするものが多く、黒字化したものは少ない。

→○産業技術力

新技術の開発は米国や欧州に遅れ。産学連携の活性化、特許の取得の増加などは進展。研究成果の実用化の成功例は限定。がん領域を重点に置く国内大手の製薬企業が強力な研究開発パイプラインを有する米国バイオ製薬企業や医薬品メーカーを買収したことより、技術開発水準の向上が期待される。

→○技術開発

水準

基礎研究は高水準で世界をリードし、独創的研究成果も発表する一方、量的には欧米に遅れ。がんの原因の多様性、治療法への多角的なアプローチを考慮した支援の拡大が必要。がん幹細胞、EMTや小胞体ストレスといった重要分野の研究の一部に立ち後れがあり、今後の底上げが必要である。

↗◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレン

ド現状フェーズ

国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ⑥(植物分野)

ワタの栽培において耕作地の約2/3がBTに置き換わるとともに、周辺の作物に対する防虫効果等、総合的生産性向上が報告されている。ワタ以外では、ポプラ、パパイヤの栽培にとどまっているが、イネに関しても実用化の直前にある。

↗○産業技術力

積極的な遺伝子組み換え作物の栽培と研究が展開。過度の応用への期待から、必ずしも規制が十分ではないことへの懸念がある。試薬の供給不足等も伝えられている。今後の発展の可能性は大きいが、これらの社会的要素にも注意すべきである。

↗○技術開発

水準

アメリカに次いで、第2の論文数に躍進し研究水準が急上昇。一方、帰国組の貢献が大きくレベルにばらつきがあることも事実。研究者人口の大きさと圃場レベルでの大規模栽培試験が可能なことから、今後も上昇が予想される。

↗○研究水準

中国

遺伝子組換え作物の大規模な栽培等による環境調査等には実績積み重ねがあり、潜在的な産業技術力は高い。また、バイオ燃料に関しても、2007年に作成されたRenewable Energy Road Map に従って、2020年までにエネルギー消費の10%をバイオ燃料化するべく、バイオディーゼルの生産を中心にした取り組みがなされている。

↗◎産業技術力

Syngenta, Bayer, BASFなどの巨大化学企業における植物関連事業は好調。EUの農業政策と相まって、域内のデンプン化学メーカーから遺伝子組換えジャガイモ(Amflora)の利用への期待大。遺伝子組換え作物の栽培はスペイン以外、限定的ではあるが、RR2ダイズの輸入が許可されるなど、受け入れに向けての体制が進みつつある。

↗◎技術開発

水準

欧州における植物科学の研究レベルは高く、研究成果も多い。中心課題に関わる地道で長期的な研究内容が多い。質的に高いインパクトを持つ論文が多い。

↗◎研究水準

欧州

モンサントをはじめとしたメジャー企業が、強力なバイオテクノロジーの基盤を活用し、生産性の向上に資する多くの組換え作物を開発。ダイズやワタなどの実用作物は市場を席巻しており、収量増加に大きく寄与している。また、化学メーカーにおける技術導入の動きが加速されているように感じられることから、さらなる生産性の向上も期待される。

↗◎産業技術力

広範囲なゲノム情報の収集と農学的に有用な量的形質に関する遺伝学の知見を活用し、ベンチャーからメジャー企業に至るまで植物機能の開発が切れ目なく推進されている。また、バイオ燃料に対しても、政府の強力な支援のもと、大規模な研究開発が進められている。

↗◎技術開発

水準

アラビドプシス2010と平行して、実用作物を対象としたゲノム解読と応用研究が進展。DOE Joint Genome Instituteにおいて広範囲な植物ゲノムの解析が行われている。これらのゲノム情報は比較ゲノムによる植物機能解析のプラットフォームとして有用であり、高い研究水準をさらに発展させる基盤の構築が継続されている。

↗◎研究水準

米国

青いバラが2009年度販売される予定。それ以外の国産の組換え植物の販売の予定はない。分析機器メーカー等の強力な産業技術力が活かされていない。植物工場を用いた遺伝子組換え作物の育成の取り組みが一つの起爆剤となる可能性はある。

→△産業技術力

種苗メーカーや食品企業等、潜在的技術開発力は高い。一方,組換え植物の圃場試験が極めて実施困難であることから、企業の技術開発は大きく停滞している。

→△技術開発

水準

シロイヌナズナ、イネ、さらには、最近のミヤコグサ、ヒメツリガネゴケのゲノム解読を基盤として、ポストゲノム解析が進展。植物ホルモンの網羅的解析等メタボロームの充実とともに、イネのQTL解析とゲノム情報の組み合わせによるゲノム育種(遺伝子機能のピラミッディング)が実証され、作物育種に新たな展望をもたらしている。

↗◎研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレン

ド現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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我が国のライフサイエンス研究の国際的位置づけ⑦(融合研究分野)

DNA合成を低価格で請け負う企業やレーザーで既製技術にもとづく製品化が進んでいるが、目立った活動はない。→×産業技術力

国主導でヒトゲノムやヒトメタボロームなどの大型解析が進行中。関連したバイオインフォマティクスの技術開発が進められているが、開発力は未知数。イメージングの特許増加や生体観察用低温電子顕微鏡(FEI)の積極導入など投資が進められているが、技術開発力が高まるのはこれから。

→×技術開発

水準

イメージング分野の研究開発が活発化しているが、それ以外は目立った活動は認められない。しかしながら、帰国研究者や海外在住の研究者の研究水準は高く、潜在的な競争力はある。

→×研究水準

中国

システム生物学、バイオインフォマティクス、構成生物学(合成生物学)、脳科学分野は萌芽的な分野でもあり、大企業発の製品はこれから。製品やサービスを提供するベンチャーでは事業化が進展。イメージング、構造生物学分野ではライカ、ツァイスなどが高水準で、最新技術を導入した顕微鏡装置等の製品化に優れている。また、英国、ドイツのMRI、PET関係の水準も高い。

↗○産業技術力

Novo(デンマーク)、Astra Zeneca(英国)、TNO(オランダ)などのシステム生物学の取組が進展。バイオインフォマティックス分野のベンチャーは下火に。NMR(ドイツ)、電子顕微鏡(オランダ)、2次元像検出器(ドイツ)分野は世界をリード。多額の投資に支えられ製薬企業の創薬に向けたタンパク等の構造解析分野の水準は高い。

→◎技術開発

水準

FP6、FP7におけるファンディングや欧州ライフサイエンス情報基盤計画コンソーシアム(ELIXIR)の整備など分野融合促進策を推進。また、フランスの大型放射光施設(ESRF)、中性子線施設(ILL)を中核とした欧州研究拠点整備や英国、スイス、ドイツのCOE支援など拠点形成も進捗。脳科学、イメージング、BMI、超解像光学顕微鏡、造影剤研究、MRI装置開発の水準が高い。

↗○研究水準

欧州

DNAチップ、DNAシーケンサー、MRIなどの分野では米国のリードが大きい。システム生物学、構成生物学、脳神経分野からの製品化はこれからであるが、ベンチャーによる先行開発、大手企業による事業化の組合せがうまくいけば他の例同様、圧倒的な強さを見せるであろう。

↗◎産業技術力

大学発のベンチャー設立と大企業によるベンチャー育成がシステムとして機能し、新規分野での技術開発の水準及びその速度ともに圧倒的な強み。バイオシミュレーション、超高速シーケンサー、合成ゲノム、BMI、イメージング用プローブなどの水準の高さが顕著である。

↗◎技術開発

水準

分野融合研究プログラム(NIHのGlue Grant、NSFの分野融合COEプログラムなど)の新設、分野融合研究所(ジャネリアファーム)の設置などが進展。大学における専門外の知識の保管が可能な人材育成プログラムを早くから充実させていることもあり、全般的に高い水準を保っている。

↗◎研究水準

米国

光学顕微鏡、電子顕微鏡、MRI、X線回折計などの要素部品や機器開発において東芝、日立、日本電子、リガクなどの大手企業が高い技術力を保持。国際的競争力強化のため新規分野での産学連携の強化は技術開発、人材育成の両面で急務である。

→○産業技術力

構成生物学(ミニマルゲノムなど)、脳科学(ブレインーマシン・インターフェイスなど)、イメージング(光源、顕微鏡、光検出器など)、構造生物学(X線回折、電子顕微鏡など)では最先端の技術開発、特に要素技術は高水準。しかし、製薬企業やベンチャーの取組が薄く、バイオインフォマティックスでは中心的企業が撤退し水準の低下が懸念される。

→◎技術開発

水準

システム生物学、構成生物学、脳科学、イメージング、構造生物学の研究は高水準。脳科学、イメージング、構造生物学は分野融合が進展。バイオインフォマティクスは高水準にあるが継続的な投資の不足からレベルダウンの懸念。他分野の知識や技術、ツールを活用する基盤形成が遅れており、Spring8、GLOBAL COEなどが分野融合の拠点としても機能することが期待される。

↗○研究水準

日本

留意事項などコメント全般トレン

ド現状

フェーズ国・地域

(註1)現状 [◎:非常に進んでいる, ○:進んでいる, △:遅れている, ×:非常に遅れている] ※我が国の現状を基準にした相対評価ではなく、絶対評価である。(註2) トレンド [↗:上昇傾向, →現状維持, ↘下降傾向]

(出典:ライフサイエンス分野 科学技術・研究開発の国際比較2008年版(JST)よりJSTCRDS作成)

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保健15,597人

2.9%農学17,482人

3.3%

人文・社会科学

5,966人1.1%

理学84,558人

15.8%

工学411,517人

76.9%

総数535,121人(平成20年3月31日現在)

ライフサイエンス人材①(研究者の専門別構成比)

○我が国のポストドクター等の専門別構成は、企業等の研究者の専門別構成と比べ、工学の比率が小さい一方で、理学、農学、保健等の比率

が大きい。

<我が国のポストドクター等の専門別構成比 平成17年> <我が国の企業等研究者の専門別構成比 平成20年>

理学4,853人31.3%

その他660人4.3%

不明 309人2.0%

人文・社会科学

1,121人7.2%

工学4,601人29.7%

農学1,618人 10.4%

保健2,334人 15.1%

総数15,496人(平成17年度)

(総数15,496人)

出典:大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査

(総数535,121人)

出典:科学技術研究調査報告(総務省統計局)

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18.1

7.4

12.2

7.2

3.5

3.6

7.2

3.6

10.7

7.7

16.1

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

ライフサイエンス分野[N=7.98]

情報・通信分野[N=16.35]

環境分野[N=6.43]

ナノテクノロジー・材料分野[N=10.38]

エネルギー分野[N=9.93]

製造技術分野[N=8.40]]

社会基盤分野[N=7.24]

フロンティア分野[N=13.75]]

その他の自然科学系[N=4.58]

人文社会科学系[N=5.20]

その他[N=8.35]

ライフサイエンス人材②(研究室に占めるポストドクター等の割合)

○ライフサイエンス分野においては、研究室に占めるポストドクター等の割合が比較的高い。

注)回答者の所属する研究室に

おける研究者の平均人数[N]に

対する、各分野におけるポスト

ドクター等の平均人数の比率を

グラフ化したもの。

出典:我が国の研究活動の実態に関する調査報告(平成17年度調査)(文部科学省, 2006年12月)

<研究室の研究者に占めるポストドクター等の割合 平成17年>

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ライフサイエンス人材③(ポスドク・企業等研究者の構成比 日米比較)

○我が国のポストドクター等の構成について、ライフサイエンス分野が全体の約4割を占めているが、米国のポストドクター等の構成におい

ては、ライフサイエンス等の分野の比率がより高く、全体の約6割を占めている。○米国の産業界では、ライフサイエンス分野の人材の受け皿がある。

環境825人5.0%

不明398人2.4%その他

2038人12.4%

人文・社会1589人

9.7%

フロンティア569人3.5%社会基盤

482人2.9% 製造技術

455人2.8%

エネルギー409人2.5%

ナノテクノロジー・材料

1888人11.5%

情報通信1282人

7.8%

ライフサイエンス6459人39.4%

生物学、農学、ラ

イ フサイ エンス

57%

心理学

9%

理学

18%

工学

7%

社会科学

4%

数学、統計学

3%

保健

2%

心理学

9% 工学

31%

理学

26%

生物学、

農学、ライ

20%

4% 科学

3%社会科学

5%

保健

2%

7

(出典 NSF Characteristics of Doctoral Scientists and Engineers in the US, Table 13.”Private for-profit”)

<我が国の企業等の研究者の専門別構成比 平成19年>

<米国のポストドクター等の分野別構成比 平成15年>

(調査対象 19,780人)

2.日米の企業等研究者の専門別構成

1.日米のポストドクター等の分野別構成

(総数16,394人)

<我が国のポストドクター等の分野別構成比 平成18年>

(S&E分野のポスドク数49,261人)

(出典 NSF Division of science Resources Statistics, Web CASPAR database system、

情報科学等3%

(博士号取得者雇用総数593,300人、うち営利企業雇用者数187,570人)

保健2%

NSF Characteristics of Doctoral Scientists and Engineers in the US, Table 7.”Private for-profit”(出典:文部科学省「大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査」)

数学、統計学4%

<米国の営利企業に雇用されている博士号取得者の専門別構成比 平成15年>

化学10.3

電気・通信

34.7

機械 ・ 船舶 ・ 航空

24.2

数学・物理3.7

生物1.0

その他の理学0.9

地学

0.2

材料5.0

繊維0.7

農学

3.7

人文・社会科学

1.2保健3.1

その他の工学

9.1

土木・建築

2.3

理学

16.1

工学

75.9(総数 52.7万人)

出典:科学技術要覧

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世界最高水準のバイオリソースの整備①

○生物遺伝資源(バイオリソース)は、ライフサイエンス研究の実施に必要不可欠な研究材料。文部科学省では「ナショナルバイオリソースプロジェクト」(NBRP)として、国が戦略的に整備することが重要なバイオリソース(27種)について、体系的な収集・保存・提供等を行うための体制を整備。

●世界三大拠点としての地位確立

4,701

国外国内

1,564

476

2,203

218

240

提供先機関数(累計)

2,526

483

332

891

562

258

バイオリソース保存数

(累計)提供

件数

実験動物 (世界第2位)マウス (個体・胚・精子) 3,885系統 2,771

実験植物 (世界3大拠点)シロイヌナズナ種子,cDNA等

570,399株 664

ヒト・動物細胞 (世界最大)

ヒト癌細胞株,動物細胞株,iPS細胞等

5,558株 4,148

遺伝子材料 (世界3大拠点)cDNAセット,ライブラリー,クローン等

3,284,668クローン

1,454

微生物 (新種登録株数世界第2位)

細菌,古細菌,糸状菌等18,816株 3,562

合計 12,599

件14,000

0

2,000

4,000

6,000

10,000

12,000

17年度 18年度 19年度 20年度

8,0508,000

12,599

9,219

11,390

●バイオリソースの提供数

動物

植物

細胞

遺伝子

微生物

(出典:理研BRC資料より)

マウス

ゼブラフィッシュ

ショウジョウバエシロイヌナズナ 線虫ラット カイコメダカ

ニホンザル

カタユウレイボヤ イネ

コムギ オオムギ

藻類 広義キク属

アサガオ ミヤコグサ・ダイズ

トマト

細胞性粘菌

病原微生物 一般微生物原核生物

(大腸菌・枯草菌)酵母 遺伝子材料 ヒトES細胞 ヒト・動物細胞

<NBRP27種のバイオリソース>

ネッタイツメガエル

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30

○我が国は、世界最高水準のバイオリソースの保存・提供数を誇り、量・質の両面において国内外の評価は極めて高い。○欧米等のバイオリソース提供機関との連携が進展している。

<諸外国のリソースバンクについて>

<バイオリソース保存数の国際比較>■動物(マウス) ■植物(シロイヌナズナ)

■微生物

世界最高水準のバイオリソースの整備②

<バイオリソースの国際連携>-Federation of International Mouse Resources(FIMRe)-

全世界で提供可能なマウスを一括検索

IMSR One StopDatabase

検索

リクエスト

マウス個体

利用者

凍結マウスリソース(胚・精子・異変ES細胞等)

最寄りのFIMRe機関

FIMRe機関が凍結杯・精子からマウスの作出を代行

Jackson研究所、EMMA、MMRRC、理研BRC、熊本大学生命資源研究・支援センターなど<NBRPリソースを利用した論文数>

3,667

1,684

833

714

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

(年)

(本)

動物 植物 微生物 細胞等

資料:NBRP情報センター調査より文部科学省作成資料:ATCC、HPA Culture collection

のHPより文部科学省作成

American Type Culture Collection(ATCC)【米】

18,000株以上

細菌 5,000株以上

ヒト病原性ウィルス 400株以上

菌類 約2500株

理研BRC 18,816株

Health Protection Agency CultureCollection(HPA CultureCollection) - National Collection ofType Cultures(NCTC)【欧】

保存数

EMMA:EMMA資料より文部科学省作成Jackson研究所、MMRRC:「ナショナルバイオリソース分野における研究動向調査業務」(平成18年3月三菱総合研究所)

資料:ABRC:ABRCホームページより文部科学省作成NASC:理化学研究所資料より文部科学省作成

注)NBRP27リソースを対象とする。注:海外のリソースセンターについては保存

数が明確に整理されていないものが多いため、一概に比較はできない。

保存数

Jackson Laboratory【米】 約2,950系統

Mutant Mouse RegionalResource Centers(MMRRC)【米】

約540系統

European Mouse Mutant Archive(EMMA)【欧】

約680系統

理研BRC 3,885系統

保存数

Arbidopsis Biological ResourceCenter(ABRC)【米】

約98,900系統・セット

Nottingham Arbidopsis StockCentre(NASC)【欧】

約550,000系統

理研BRC 570,399系統

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31

●中国内に在る自然科学データリソースを共有・統合するためのDB整備を目的に、National Scientific Data Sharing Project 立ち上げ(2003年)

●中華人民共和国科学技術部による予算:1.6億元(2006年)

【中

国】

●ELIXIR(European Life sciences Infrastructure for Biological Information)を組織し、欧州のライフサイエンスDBの共通プラットフォームを構築・運

用●現在、EMBL-EBI中心とする13カ国32機関のコ

ンソーシアム体制(2007-2009年:€4.5Million、2011-2018年:€470Million)を組んでいる。

【欧

州】

ライフサイエンスデータベース(DB)の整備について○ライフサイエンス研究により、DNA、タンパク質等の膨大なデータが蓄積。現在、データベース(DB)は国内に散在しており、DBの

統合化と恒久的な整備体制を実施・検討中。○国際的には、米国、欧州ではDBの恒久的な整備体制を図り、これらのDBから大規模解析時代のデータベース活用研究(バイオインフォ

マティクス研究)へシフト。今後は、データ駆動型、モデル駆動型研究による数理システム生物研究の推進が重要。

1.我が国の主なライフサイエンスデータベース 2.諸外国の主なライフサイエンスデータベース

・塩基配列バンク(EMBL-Bank)の他、タンパク配列を基礎とした機能情報、ゲノム情報の統合サービス等も提供

・EMBL(欧州分子生物学研究所)が半分負担、残りは外部資金(欧州委員会20%、Wellcome Trust財団

17%、米国NIH8%等)で運営

DNA塩基配列データ(累計7,381,800件/H21年9月現在)

【日米欧全体の6%に相当】

約300名

約45億円

EBI(欧州バイオインフォマティクス研究所)

EMBL-Bank

・塩基配列バンク (GenBank)の他、文献情報と配列等の分子情報の提供や統合サービス等も提供

・法律に基づきNLM(米国国立

医学図書館)予算で運営

DNA塩基配列データ(累計75,013,904件/H21年9月現在)

【日米欧全体の64%に相当】

約400名

約80億円

NCBI(米国国立生物工学情報センター)

GenBank代表的なデータベース

PDBj(Protein Data Bank Japan)

DDBJ(DNA Data Bank of Japan)

KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes

and Genomes )

運営機関 大阪大学蛋白質研究所情報・システム研究機構国立遺伝学研究所

京都大学化学研究所

予 算(H21年度)

約1.4億円 約12億円 約9億円

人 員 27名 (教員 13名他) 58名(教員 10名他) 40名(教員 7名他)

DBの内容・

規模等

タンパク質の立体構造データ(累計60,756件/

H21年10月現在)

【日米欧全体の28%に相当】

DNA塩基配列データ(累計15,298,998件/H21年9月現在)

【日米欧全体の14%に相当】

分子間相互作用情報(Pathway)等を登録(1,182種の生物種毎に最大337種類のPathway図を登録、累計96,525件/H21年10月

現在)

特 徴

・タンパク質・核酸等の生体高分子立体構造データバンクを構築

・日米欧三極連携(wwPDB)の日本拠点

・タンパク3000, ターゲット

タンパクの成果を蓄積

・塩基配列バンクを構築・日米欧三極連携(DDBJ/

EMBL/GenBankの3

極:「国際塩基配列データベース」 )の日本拠点

・研究者の手作業による知識集約・編集、分類したDBを構築

・NCBI、EBIの関係DBとは

データの相互リンクを実現

(出典)「ライフサイエンス委員会(第49回)資料5」、「ライフサイエンス委員会(第51回)資料2 」等から文部科学省作成

3.諸外国の主な科学情報整備・統合化の動向

●学術情報基盤整備を目的に、NSF内に”Office ofCyberinfrastructure” (OCI)を設置(2005年)

●NSFとNIHがCI関連プロジェクトに資金提供し、OCIが全体の管理・調整を実施・(NSF) The BIRN Project (ヒトやモデル生物の神経解剖

学研究基盤):14億円/年・(NIH) The caBIG Project(がん研究関連のDBやツール

の統合等の構築・整備):20億円/年

( 注 : 教 員 人 件 費 を 除 く )

【世界中のデータほぼ全て網羅】

【米

国】

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32

最先端計測・分析設備基盤の整備・開発

○近年、次世代シーケンサーなどに代表される計測・分析技術の進展は目覚ましく、最先端のライフサイエンス研究を実施する上で国として保持すべき基盤。

○今後とも、最先端の計測・分析設備の開発・整備を行い、これらを効果的に活用していく技術基盤を整備していく必要。

・7テスラ超fMRIの実現により、3テスラfMRIと比べて空間分解能や時間分解能等が向上し、神経細胞や抗がん剤の代謝がリアルタイムに把握可能となり、情動等の高次脳機能の更なる解明や創薬開発への貢献が可能に。

・シーケンサーの解析能力は毎年10倍ずつ進化。・最先端のシーケンサーを整備することで、シーケンサーから産出される大量データから、網羅的情報ネットワーク解析技術の開発を進めることが必要。

・更なる高磁場・高感度NMR装置(世界最高の1GHz超)及び新たな解析法の技術開発により、高分子量で複雑な重要タンパク質の構造・相互作用及び機能を動的に高解像度でとらえることが可能に。

・現在、マイクロビームビームラインとその試料調整技術等を開発中(約50μm→ 5μm以下の結晶の構造解析を目指す)。これにより、膜タンパク質や巨大な複合体等これまで結晶化が困難だった重要で難解析タンパク質の構造や相互作用を解析することが可能に。

今後の開発整備

<ゲノム解析>・スーパーコンピューターを用いてゲノム解析。数日かかっていたゲノム情報復元が1時間で可能に。<タンパク質挙動解析>・タンパク質の機能等のシュミレーション。数100万原子でのシュミレーションが可能に。

創薬・疾患治療法開発に貢献

・脳神経細胞の活動を脳血流量・脳酸素代謝率の変化を非侵襲の方法で解析し、心と知性の基盤となる高次脳機能等を解明。・画像解析技術の高度化による分子レベルでの動態解析が可能になり、前臨床研究段階における創薬プロセスを短縮。

生命機能の理解、創薬開発等に貢献

・シーケンス技術(DNA、RNAの塩基の並びを、端から順番に解析していくこと)の飛躍的向上により、DNAを増幅することなく1分子シーケンスが可能に。・次世代シーケンサーの開発と要素技術(CAGE法等)の組み合わせにより、RNA発現制御ネットワーク及び細胞機能の全容解明への道が開けた。

生命の統合的理解、創薬開発に貢献

・NMR解析は、低分子量タンパク質やある程度構造の揺らぐタンパク質等の研究に適する。・がん疾患関連タンパク質の作用機序の解明や食品中の添加物の分析など、医薬品開発や食品衛生分野等ライフサイエンス分野に広く貢献。

生命の統合的理解、創薬開発に貢献

・放射光(X線)解析は、高分解能で静止したタンパク質の様子をとらえるのに適する。

・平成21年ノーベル化学賞受賞者yonath 教授は、長年 Photon Factory を利用しリボソームを解析。次世代の抗生物質の開発等ライフサイエンス分野に広く貢献。

生命の統合的理解、創薬開発に貢献

ライフサイエンス

研究への活用

・理化学研究所が次世代スーパーコンピューター(10ペタFLOPS級)を開発整備中(平成22年度末一部稼働。平成24年完成予定)。

・高水準の画像化が可能な3テスラfMRIは研究機関、大学病院等に整備され、平成19年に国内稼働台数が100台を越えた(全世界での稼働台数は平成20年6月時点で約1000台)。

・理化学研究所(横浜研究所)に1日で約10億塩基を解読できる超高速シーケンサー拠点を整備。・また、情報・システム研究機構にシーケンサーからの大量データを処理する解析拠点を整備。

・理化学研究所(横浜研究所)に35台の高磁場・高感度NMR装置(最高900MHz)を備えた世界最大の大規模NMR拠点を整備。・ NMR解析試料の調製から、NMRデータ測定、タンパク質の立体構造の決定までを一貫して行う世界に類を見ない高度な解析法を開発・整備。・それらをいかした支援事業を実施し、外部開放事業を展開

・理化学研究所(播磨研究所)に世界最高性能のSPring-8を整備。高輝度ビームラインにより高精度のデータを得ることが可能。・高エネルギー加速器研究機構にPhoton Factoryを整備。低エネルギービームラインにより重原子ラベルが不可能でも解析が可能。・ともに、外部開放事業を展開

主な整備状況

次世代スーパーコンピューター

(開発中)

fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging)機能的磁気共鳴イメージング法

次世代シーケンサーNMR

( Nuclear Magnetic Resonance )核磁気共鳴法

放射光施設

分析設備(解析:シュミレーション)

計測設備(実験:定量計測)

<主な最先端計測・分析設備の整備・開発>※以下の表は、ライフサイエンス研究に活用される主な計測・分析設備を挙げており、網羅的なものではない。

ほかに、クライオ電子顕微鏡法、1分子計測技術、マルチカラーイメージング法などの計測技術等もある。

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33

創薬・医療技術支援基盤の整備①○これまでのライフサイエンス研究により、化合物ライブラリーをはじめとする研究基盤が蓄積。○これらの研究基盤は、創薬プロセスや医療の現場で活用可能な技術等が多く含まれている。このようなポテンシャルを有効に活用し、我が

国全体としての創薬・医療技術支援体制を構築し、外部供用していく仕組みを整備していくことが今後重要。創薬・医療技術シーズを着実かつ迅速に医薬品に結び付ける革新的創薬プロセスを実現

標的分子の同定非臨床試験(動物実験)

ヒトに対する臨床試験(治験)

承認審査新薬候補物質

の同定

個人に対する最適な

医療の模索

【主な整備状況】<東京大学化合物ライブラリー>

○約15万種類の化合物ライブラリー

を構築

<理化学研究所(和光研究所)>

○天然物を中心とした約3万種類の

化合物ライブラリーを構築

○水中のタンパク質動態を考慮した

シミュレーションを含むインシリ

コスクリーニング基盤を構築

【活 用】○新薬候補物質の探索・合成

○制御化合物の探索

【主な整備状況】<理化学研究所(横浜研究所)>○1日で数十億塩基を解読できる超高速シーケンサーを

整備するとともに、RNA発現制御ネットワークの解明に資する要素技術を提供

【活 用】○網羅的細胞内情報ネットワーク解析○安全性評価○生理応答試験

【主な整備・開発状況】<放射線医学総合研究所>

○従来の10~100倍の感度で生体内

分子の挙動を観察できる技術を開発

<理化学研究所(神戸研究所)>

○約90種類の分子プローブ

ライブラリーを構築

【活 用】○動物・ヒトにおける創薬

候補物質のスクリーニング

○高精度の疾患診断

○病因分子の動態追跡による疾患

メカニズムの解明

【主な整備状況】<理化学研究所(横浜研究所)>○600Mhz以上の高性能NMR(核磁気共鳴装置)を35台整備<高エネルギー加速器研究機構・理化学研究所(播磨研究所) >

○世界最高性能の大型放射光施設を整備

【活 用】○新薬候補となる低分子化合物の特定○創薬の標的となるタンパク

質の立体構造解析

【主な整備・開発状況】<京都大学>○ヒトてんかんのモデルである「SERラット」等の疾患モデル動物を収集・保存し、提供。

<理化学研究所>○筑波研究所に体系的・網羅的なマウスの表現型解析プラットフォームを構築

○急性骨髄性白血病の患者の病態を再現する「白血病ヒト化マウス」などの免疫ヒト化マウスを開発

【活 用】○薬効試験○安全性評価

創薬プロセスでの活用

創薬プロセスでの活用

医療現場での活用

医療現場での活用

予 防 診 断 治 療

化合物ライブラリー化合物ライブラリー 分子イメージング技術分子イメージング技術疾患モデル動物疾患モデル動物

シーケンス拠点シーケンス拠点 タンパク質高次構造解析拠点タンパク質高次構造解析拠点

【主な整備・開発状況】<東京大学医科学研究所>○日本人30万症例の

DNA・血清サンプル、臨床情報等を疾患ごとに収集・保管した世界最大規模のバイオバンクを構築

<理化学研究所(横浜研究所)>○バイオバンクに収集された全疾患の全ゲノムSNP解析を実行し、疾患研究基盤情報を整備

【活 用】○疾患関連遺伝子の特定○薬剤効果予測・副作用予測○投薬前の薬剤効果予測による副作用回避、適切な量の薬剤投与

○病気のリスク診断

バイオバンク+SNP解析拠点バイオバンク+SNP解析拠点

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34予防 診断 治療

創薬・医療技術支援基盤の整備②(活用例)

標的分子の同定非臨床試験(動物実験)

ヒトに対する臨床試験(治験)

承認審査新薬候補物質

の同定

個人に対する最適な

医療の模索

医療の現場での活用

医療の現場での活用

創薬プロセスでの活用

創薬プロセスでの活用

バイオバンク+SNP解析バイオバンク+SNP解析

薬物の動態がその場で判明(Bの薬剤は脳に移行しない

ので候補から除外)

・新規医薬品のスクリーニングを迅速化

・安全性・有効性の確認にも活用

→創薬プロセスへの応用

入る 入らない

A B

イメージングデータと症状との相関関係を解析し、異常分子の集積部位、経時的変化を観察

健常者 認知症患者

・早期診断法の確立・様々な薬剤を投与し

病態を解明→診断・治療への応用

分子イメージング技術分子イメージング技術

糖尿病や心筋梗塞などの発症リスクと関連するSNPを解析

・ハイリスクと診断された人への積極的な予防策を講じることが可能→予防への活用

個人個人の薬に対する副作用の有無や適切な投与量を決定するSNPを解析

・副作用のリスク低減や無駄な投薬の回避が可能→より安全で適切な治療

の実現

危険因子の数危険因子の数危険因子の数

00 ≧≧11 ≧≧22 ≧≧33 ≧≧44 66

N/AN/A

≧≧55

肥満や糖尿病を避けるようなライフスタイルの指導

肥満や糖尿病を避けるようなライフスタイルの指導

(危険因子の数とオッズ比)(危険因子の数とオッズ比)

心筋梗塞の遺伝的危険因子数と相対危険

○生体イメージング技術は、診断技術を高度化するだけでなく、動物やヒトに対する創薬候補物質の効果を早期に確認することが可能であり、創薬プロセスの革新につながる。

○バイオバンクとSNP解析技術を組み合わせることにより、疾患関連遺伝子や薬剤応答に関する遺伝子を特定することが可能であり、個人の遺伝情報に応じたオーダーメイド医療の実現につながる。

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35

大学、大学共同利用機関法人、理化学研究所等における連携体制(例)

○世界のライフサイエンス研究は熾烈な競争を繰り広げており、我が国は、グローバルな視点で国際競争力のある研究推進体制を構築する

必要。

大学、大学共同利用機関及び理化学研究所等との間で、様々なレベル(研究者間・組織間、ネットワーク型、拠点型など)

での有機的な研究連携を構築する必要。

<理化学研究所における連携大学院の取組の例>

独立行政法人理化学研究所は、1989年に我が国初の連携大学院を埼玉大学と連携し開設。現在、30大学との

間で連携大学院の協力を実施。

東京女子医科大学と早稲田大学は、2008年、医工融合研究教育拠点である

「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)」を

オープン。

<大学間の取組の例(東京女子医大・早稲田大)>

<拠点の形成の取組例(WPIプログラム)>

世界の第一線の研究者が結集する、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」を形成するため平成19年度に公募により5件を選定。

<ネットワークの形成の取組例(iPS細胞等研究ネットワーク)>

2008年、文部科学省および独立行政法人科学技術振興機構が支援するiPS細胞研究等に係る事業の研究

機関・研究者を包含したネットワークを構築。研究情報や成果有体物などを共有し、iPS細胞研究等を推進。

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36

ベンチャーキャピタルの投資比較

○我が国のベンチャーキャピタルの投資額は少なく、投資環境の改善を含めたベンチャー企業への支援体制の強化が求められる状況。

<日米欧のベンチャーキャピタル投資>

出典:健康研究推進戦略(健康研究推進会議, 2009年7月),平成18年度ベンチャーキャピタル等投資動向調査報告(財団法人ベンチャーエンタープライズセンター, 2007年2月)

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知財・産学官連携に関する大学等への支援(体制・環境整備)

○第1期科学技術基本計画の期間から現在まで、大学における知的財産管理体制整備・産学連携体制整備のための各種支援を実施。

‘‘0909‘‘9696 ‘‘9797 ‘‘9898 ‘‘9999 ‘‘0000 ‘‘0101 ‘‘0202 ‘‘0303 ‘‘0404 ‘‘0505 ‘‘0606 ‘‘0707 ‘‘0808

大学の教員等の任期

に関する法律等

大学等技術移転促進法

大学等技術移転促進法

産業活力再生特別措置法

知的財産基本法

国立大学法人化

イノベーション25

教育基本法改正

第一回産学官連携推進会議

(京都)

第3期科学技術基本計画

第2期科学技術基本計画

第1期科学技術基本計画

大学知的財産本部整備事業

国が「知財推進計画」を策定

日本版”バイドール”条項

(=国の研究委託の成果を受託者へ帰属)

法人格の取得承認TLOへの出資特許の機関帰属 等

承認TLO制度(=大学等の研究成果の産業への移転を促進)

大学の役割として社会貢献を明文化

中央省庁再編

研究開発力強化法

科学技術による地域活性化戦略

知的クラスター創成事業

(第Ⅰ期) (第Ⅱ期)

第3期科学技術基本計画“産学官連携はイノベーション創出のための重要な手段”

第2期科学技術基本計画“技術移転のため仕組みの改革”

第1期科学技術基本計画“産学官の人的交流等の促進”

産学官連携戦略展開事業

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38

パテントプール・パテントコモンズ

○知的財産を獲得した技術が多数存在し相互に関連する中、各者の有する知的財産を束ねて、それぞれの権利をパッケージとして使うための

仕組みが必要。

○研究者同士のリサーチツール特許の活用促進(パテントプール、パテントコモンズの形成促進)を進めるべき。

【パテントプール】特許等を所有する複数の権利者が、それぞれの所有する特許等のライセンスをする権限を特定の組織に集約し、当該組織を通じて各権利者が必要なライセンスを受けるシステム。※知的財産推進計画2006(知的財産本部、2006年6月)より抜粋

【パテントコモンズ】個々の権利者が知財権を所有しつつ、一定の条件下でコミュニティによる自由な使用を認める(一定の条件下で特許権等の権利の不行使を宣言する)仕組み。

※知的財産推進計画2009(知的財産本部、2009年6月)より抜粋

<パテントプールの概念図>

出典:共同研究における特許の取り扱いに関する調査研究報告書(特許庁,2008年)一部改変

D大学C研究機関

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39

寄付金収入について

<NPOの寄付金収入の日米比較>

出典:科学技術政策研究所(2007年3月)

<米国大学の寄付金収入の推移 (1982年=100)>

出典:Global Innvation Ecosystem 2007 シンポジウム科学技術振興機構講演資料(2007年6月)

244億ドル(2003年度)

○米国における大学の寄付金収入は1988年以降拡大を続け、2000年以降は安定してきているが、2003年度の総計は244億ドルに達する。

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第3期科学技術基本計画期間中における文部科学省ライフサイエンス分野の

主な成果集

本資料は、関係機関の御協力のもと、第3期科学技術基本計画の期間中(平成18年度から5ヶ年)に文部科学省が支出する研究資金等を用いて得られた主な研究成果をまとめたものである。

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目 次

幹細胞・再生医学研究の加速

・・・

革新的医薬品・医療器機の創出に向けた研究の推進

・・・12

脳科学研究の戦略的推進

・・・43

ライフサイエンス研究全体に資する基礎研究

・・・54

ライフサイエンス研究全体を支える体制整備等

・・・85

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