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インドネシア物流事情

日本通運株式会社

神戸国際輸送支店

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第1章

インドネシアの物流事情



インドネシアの港湾

新港開発プロジェクト

出所：Indonesia Maritime Infrastructure

インドネシアには多数の港湾が点在しているが、最大の港はジャカルタ地域を担当するタンジュンプリオク港、次いでスラバヤのタンジュンペラク港となる。日本からの外航船が入港している港は合計６つになる。＊2015年4月現在

第1港湾管理局の管轄エリア




スマトラ島

カリマンタン島

ジャワ島

ニューギニア島

Medan(Belawan) Menard

スラウェシ島 Padan

Palembang

Semarang

Tanjung Perak



インドネシアの港湾規模

←東京港

50

タンジュンプリオク港

2011年 5,617,562TEU

世界第23位のコンテナ取扱い

2012年 6,200,000TEU

世界第20位のコンテナ取扱い

2011年東南アジアでは７番目の規模

出所：Containerisation International Yearbook 2012

※世界上位50港内の東南アジアの港湾

※東南アジアの港湾上位10港



港湾、空港のロケーション ※ジャカルタ近郊

スカルノハッタ空港

インドネシア日通


チラマヤ新港

タンジュンプリオク港の貨物集中緩和のため、西ジャワ州北部に新港を開発予定

日通インドネシア物流（日通LEMO）

インドネシア日通チビトン事務所

チカンペック高速道路

西ジャワ州のブカシ県、カラワン県に工業団地が多く、600社以上の日系企業が集積している。

特に自動車、二輪、電機関連企業が多く、この地域だけでサプライチェーンが形成されているケースが多い。 10㎞

スカルノハッタ国際空港、タンジュンプリオク港から西ジャワ州のブカシ県、カラワン県エリアの工業団地までは高速道路利用で2時間程度

非日系工業団地

日系工業団地

工業地帯密集エリア

インドネシア日通ミトラカラワン倉庫

MM2100

EJIP

BIIP

Delta Silicon

CIE

JBK

KIIC MIP

SCI KBIIC

BIIP

KIPK

PKIE

CIE

GIIC

KIM

※市内中心部

Blok M




コンテナ取扱量は年々増加傾向。2012年は620万TEUとなり対前年比で１０．３％となっている。


21％増




コンテナターミナル JICT

（Jakarta International Container Terminal） KOJA

管理主体 Hutchison Port Holdings （香港） Hutchison Port Holdings （香港）

コンテナ取扱量（2010年） 2,095,008TEU 754,592TEU

バース数 10 2

バース延長 2,338m 662m

水深 9-14m 14m

ターミナル面積 1,280,000㎡ 130,000㎡

コンテナ保管量 33,480TEU 15,256TEU

リーファープラグ 288 108

主な寄港船社

Admiral Lines, ANL, APL, CMA, CGM, CNCo, COSCON, Evergreen, Fesco, GL, Hanjin, HIC, Karana Line, MISC, NSCSA, Nusa Tenggara, OOCL, PIL, Samudera, TSK Line, など

OOCL, PACC Temas Line, K-line、など

出所：Containerisation International Yearbook 2012

タンジュンプリオク港の基幹となるコンテナターミナルは主にJICTとKOJAの２つ





タンジュンプリオク港の上空写真

JICT

KOJA

MTI




インドネシア港湾の課題

港湾へアクセスするための道路インフラ不足

非効率な作業による高いターミナル料金やムダな費用の発生

*輸入コンテナのOB（=Overbrengen）、Sotorage費用の発生

入港待ちによるスケジュール遅延が頻発

上記のボトルネックにより・・・

コンテナターミナルの老朽化とキャパシティー不足

ターミナル付近での激しい渋滞が発生

入港待ちのため沖で停泊している貨物船

港湾付近は常に激しい渋滞




タンジュンプリオク港の最適化計画

JICT

KOJA

Car Terminal

新タンジュンプリオク港の建設

（2018年着工を目標）





JICT拡張工事プラン


広大なゲートスペース

により混雑緩和を図る




港湾アクセス道路の整備プラン


一般道を通らずランプウェイで

直接アクセスが可能に

Off

Ramp On

Ramp




ジャカルタ首都圏第２港湾（チラマヤ新港）の開発

出所：外務省資料

工業団地群

2013年1月 JICAによるF/S調査開始（現在進行中）

既存港湾および周辺道路の混雑の緩和



ジャカルタ近郊の道路の路面状況は比較的良好

ジャカルタの道路事情

市内中心部の道路

空港付近の道路の様子

港湾付近の道路の様子

建設中のランプウェイ



規制エリア

問題は頻発する激しい道路渋滞

市内の車両進入規制時間

→運転手を含めて３名以上が乗車していないと走行不可

7:00-10:00

16:00-19:00 ※土日祝日を除く

＊ジョッキー利用も危険が伴うので

注意が必要。

激しい渋滞が毎日発生


※地図上の枠外以外でも市内近郊では渋滞が頻発



タンジュンプリオク港から工業団地へ向かう道路の様子


次へ

①

②

④

⑤

③



タンジュンプリオク港から工業団地への道路の様子 ※続き


①コンテナターミナルゲート前 ②港湾周辺の道路 ③工業団地に向かう高速道路

④チカンペック高速道路 ⑤工業団地に到着

港湾周辺やジャカルタ中心地の道路は大混雑（② ③）

港湾から工業団地に近づくにつれて車両の台数は減少（④）

激しい渋滞が発生



渋滞改善に向けたインフラ改善プラン（2020年までの着工計画）


セクター目的マスタープラン

公共交通鉄道・バスによる旅客輸送の増大

ジャカルタ都市高速鉄道（MRT）

ジャカルタ首都圏鉄道輸送能力増強

スカルノハッタ国際空港アクセス鉄道建設など

道路平均走行速度の改善

7km/時から 15km/時に改善

ジャカルタ首都圏道路ネットワーク改善

タンジュンプリオク港アクセス道路建設

ジャカルタ外環道路の整備

新国際空港へのアクセス道路の整備など

港湾国際・国内コンテナ貨物取扱能力の向上

720万TEUから1160万TEUに増大

タンジュンプリオク港改修及び拡張

チラマヤ新港整備・アクセス道路整備など

ジャカルタ中心部の混雑緩和を図る。



ジャカルタ VS 東京の旅客輸送分担率比較


輸送機関ジャカルタ首都圏東京首都圏

鉄道 2.1% 55.4%

バス 54.9% 44.6%

私用車 43.0%

全旅客輸送人員 220万人/日 650万人/日

注：私用車にはオートバイ、トラック、タクシーを含む。

出所：社団法人鉄道建設業協会鉄建協会報 No.240（2007年4月号）

経済成長にともなう車両台数の増加に加えて、圧倒的に不足する公共輸送機関（鉄道）も渋滞の大きな原因のひとつ




出所：外務省資料

ジャカルタ都市高速鉄道（ジャカルタ都市高速鉄道（MRT）

2014年8月着工、2018年の開業を目指す。

第Ⅰ期工事完了後、着手予定



第２章

インドネシアの輸出入制度



輸出入で必要となる手続き

輸出入者は通関を行うに際して、主に以下のライセンスを取得が必要となる。税関への通関データ送信時に必要なものが揃っていない場合は通関手続きは不可。※ただし、引越貨物、贈与、個人間の郵送の場合等は除く。

1．輸入業者登録（API）インドネシア商業省より取得するライセンス ※輸入業者登録（API=Angka Pengenal Importir）

取得に要する期間は概ね1～2週間程度

2．NIK （通関基本番号）財務省関税総局に登録して取得するライセンス

取得に要する期間は概ね2～5週間程度

3．特別輸入業者登録（NPIK）特定の物品を輸入する場合に、APIに加えて商業省国際貿易局より取得するライセンス

4．ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ国家規格（SNI）品質基準の厳守が義務付けられた製品を輸入する場合に、国家認証委員会（KAN）より

取得するライセンス ※SNI証使用製品証明（SPPT-SNI）

※輸入品目や条件によっては上記以外にも関係官署のライセンスが必要

＜必要となる手続き＞



輸入業者登録（API=Angka Pengenal Importir）

輸入者は、輸入業者登録をしなければ輸入行為ができない。

根拠法令：商業大臣規則第 25 号（No.25/M-DAG/PER/4/2012）

登録の種類：輸入ライセンスは、製造輸入業者登録（API-P）と一般輸入業者登録（API-U）の２種類に

分類される。

①製造輸入業者登録（API-P ）

発行元はインドネシア商業省で、主に製造業等に付与される。

本ライセンスにより輸入が可能なものは以下の通り

生産工程で使用する資本財、原材料、補助材、材料を自社使用のために輸入されるもの

※自社で製造できないもので数量、期間は限定

製造のためのテスト、サンプル品

②一般輸入業者登録（API-U ）

発行元は、インドネシア投資調整庁（BKPM）で、主に商社等に付与される。

本ライセンスにより輸入が可能なものは以下の通り

21分野に分類されたHSコード群から１セクションのみ輸入可能 ※次ページ参照

ただし、特殊関係のある会社からの輸入品目についてはセクション以外からの輸入も可能

※2013年1月1日より本規定に則した運用を求められているが、完成品の定義等に不透明な点が多いため、輸入の際には事前の確認が必要



一般輸入業者登録（API-U）の21分類

輸入業者登録（API=Angka Pengenal Importir）

分野商品分野 HSコード

1 動物、動物性製品 01.01-05.11

2 植物性製品 06.01-14.04

3 動物性油、植物性油 15.01-15.22

4 加工食品、飲料、酒類、酢、たばこ 16.01-24.03

5 ミネラル製品 25.01-27.16

6 化学品 28.01-38.16

7 プラスチック・ゴム製品 39.01-40.17

8 革製品、かばん 41.01-43.04

9 木材、木製品、コルク 44.01-46.02

10 パルプ、紙 47.01-49.11

11 繊維、繊維製品 50.01-63.10

分野商品分野 HSコード

12 靴、防止、傘など 64.01-67.04

13 意思製品、セメント、セラミック製品、など 68.01-70.20

14 天然・人造真珠、宝石、貴金属 71.01-71.18

15 貴金属以外の金属製品 72.01-83.11

16 機械、器具、テレビ、レコーダー 84.01-85.48

17 車両、航空機、船舶など 86.01-89.80

18 器具、光学製品、写真、映画、医療用具、時計、楽器 90.01-92.09

19 武器 93.01-93.07

20 各種工業製品 94.01-96.19

21 芸術品、アンティーク製品 97.01-98.03



特別輸入業者登録（NPIK）とインドネシア国家規格（SNI)

①特別輸入業者登録（NPIK）

インドネシア商業省国際貿易局が定める以下の物品の輸入する場合は、NPIKを取得しなければならない。

APIを保有する輸入者の申請により、インドネシア商業省国際貿易局からNPIKが発行される。

※有効期限は5年間

NPIK取得業者は、毎月特別輸入品の取扱実績を翌月15日までに輸入局長へ報告しなければならない。期限までの報告を2回怠るとライセンスは凍結される。

＜NPIK該当品目＞

とうもろこし、コメ、小麦、砂糖、繊維及び繊維製品、履物、電気製品及びコンポーネント、玩具

②インドネシア国家規格（SNI）

品質基準の厳守が義務付けられた製品については、国内の製造者だけでなく輸入者もSNI証使用製品証明（SPPT-SNI）を取得し、製品にこれを付与しなければならない。

SNIは、国家認証委員会（KAN）が証明した製品承認機関（LSPro）のテストおよび監査を経て発行される。

＜SNI該当品目＞

タイヤ、自動車用安全ガラス、セメント、2輪車用ヘルメット、小麦粉、粉カカオ、一次電池、ガラスシート

ライター、水上げポンプ、アイロン、ビデオデッキ、冷延スチール、鋼材、ミネラルウォーター、陶製品など



主な輸入禁制品

輸入禁止品目（一部）以下品目の輸入は禁止されている。

危険・有毒原料廃棄物

ハロゲン、プラスチック廃棄物、タバコ

鉛・電池廃棄物を除いた廃棄物、PCB・PCT・PBBなどの廃棄物

＜根拠法令＞工業商業大臣布告No.230/MPP/Kep/7/1997の添付I

鉛廃棄物や使用済みの一次電池・蓄電池の廃棄物

＜根拠法令＞工業商業省令第520号（No.520/MPP/Kep/8/2003）

オゾン層破壊原料ハロン1211以下23品目（HSコード10桁ベース）のオゾン層破壊原料

＜根拠法令＞商業大臣規則第3号（No.03/M-DAG/PER/1/2012） ※2012年１月

エビ

HS0306.13.00.00、HS0306.23.30.00に該当するエビ

＜根拠法令＞商業・海洋水産大臣合同規則No.52/M-DAG/PER/12/2010

およびNo.PB.02/MEN/2010 ※2010年12月

モッツァレラチーズモッツァレラチーズ類

＜根拠法令＞農業省畜産総局長回状第02033号（No.02033/SE/H/F/04/2008）

危険な魚

フグ5種、ナマズ10種、ピラニア11種、カワカマス3種、デンキウナギ1種の計30種の魚

研究目的、その他の特別な目的の輸入の場合は例外的に認められることがあるが、基本的には

当該魚が発見された場合は検疫段階で搬入が拒否、廃棄処分となる。

＜根拠法令＞海洋水産大臣規定第17号（No.PER.17/MEN/2009）

※ここで掲載した品目は禁止品目の一部であり、かつ上記法令も頻繁に変更されることから、輸入の際には必ず現地へ確認すること




輸入禁止品目（一部） ※続き

中古車

中古車の輸入は、2007年2月28日搬入分以降、一旦停止状態

＜根拠法令＞商業大臣文書第1311号 ※2006年12月

中古財の輸入に関わる商業大臣令第No.57/M-DAG/PER/12/2008が公布されているが、輸入可能な

中古財リストに自動車はなし（＝中古車の輸入はNG）。今後の方針も明らかになっていないため、

輸入を検討する際は必ず現地に確認を取ること

※ここで掲載した品目は禁止品目の一部であり、かつ上記法令も頻繁に変更されることから、輸入の際には必ず現地へ確認すること




輸入制限品目（一部）以下品目の輸入は制限（管理）されている。

水産物

水産物の輸入は、輸入業者認証番号（API-P あるいは API-U）を有する輸入業者に限定

上記に加えて、海洋水産省水産物加工販売総局長が発行する水産物搬入許可を取得する。

搬入港は、主要5海港（べラワン、タンジュンプリオク、タンジュンマス、タンジュンぺラク、スカルノハッタ）と

国内の国際空港に限定

＜根拠法令＞海洋水産大臣規則No.PER.15/MEN/2011

砂糖

粗糖（Raw Sugar）と精糖（Refined Sugar）の輸入は、製造輸入業者（IP）に限定

耕地白糖（Plantation White Sugar）の輸入は、登録輸入業者（IT）に限定

登録輸入業者（IT）の輸入については、輸入承認の取得が必要

サトウキビは、圧搾期や価格下落時は輸入が禁止

＜根拠法令＞商業大臣規則第20号（No.20/M-DAG/PER/5/2010）

米

船積み前検査が必要

検査機関は、PT. Surveyor Indonesia と PT. SUCOFINDOの2社

米の輸入は食料調達庁（BULOG）から一般輸入業者に開放されたが、プロジェクトの内容や緊急時等

によって輸入者が限定されるため事前に確認すること

＜根拠法令＞商業大臣規則第第12号（No.12/M-DAG/PER/4/2008）

＜根拠法令＞商業大臣決定第第336号（No.336/M-DAG/KEP/4/2008）

※ここで掲載した品目は制限品目の一部であり、かつ上記法令も頻繁に変更されることから、輸入の際には必ず現地へ確認すること




輸入制限品目（一部） ※続き

繊維・繊維製品

すべての繊維・繊維製品で船積み前検査が必要

検査機関は、PT. Surveyor IndonesiaとPT. SUCOFINDOの2社

以下HS品目は、製造輸入業者（IP-Tekstil）に認定された業者のみの輸入が限定

52.08～52.12、54.07、55.12～55.16、58.01、54.07、60.01、60.05～60.06

輸出目的の輸入関税免除スキーム（KITE）によるIP-Tekstilの輸入、および以下のHS品目は船積み前検

査は不要

5407.20.00.00、5407.91.00.00、5512.21.00.00、5513.12.00.00、5513.13.00.00、5513.19.00.00、5513.21.00.00

5513.23.00.00、5514.11.00.00、5514.12.00.00、5514.21.00.00、5514.22.00.00、5514.23.00.00、5514.29.00.00

5514.30.00.00、5806.32.10.00、5806.32.90.00、5808.90.10.00、5902.10.10.00、5902.10.90.00、5902.20.20.00

5902.20.90.00、5903.10.10.00、5903.20.00.00、5911.31.00.00、5911.32.00.00、5911.90.10.00、5911.90.90.00

＜根拠法令＞商業大臣規定第23号（No.23/M-DAG/PER/6/2009）


※繊維製品は、積下港や輸入形態によっても輸入条件が変わるので、事前に現地へ確認が必要

ガラスシート

以下HS品目に該当するガラスシートは、船積み前検査が必要

7003、7004、7005、7006、7007

検査機関は、PT. SUCOFINDOの1社


根拠法令＞商業大臣決定第1235号（No.1235/M-DAG/KEP/10/2009）





輸入制限品目（一部） ※続き

タイヤタイヤの輸入は、船積み前検査が必要（対象となるHSコードは4011の19品目）


化粧品

化粧品の輸入は、輸入の都度で輸入証明書（SKI）をBPOMより取得する。

輸入証明書に加えて、国内での化粧品の流通許可、APIの保有が必要

＜根拠法令＞国家食品医薬品監督庁（BPOM）長官規則No.HK.03.1.23.04.11.03724

コピー機

輸入は、商業省国際貿易局に登録、指名された輸入業者に限定され、船積み前検査が必要

検査機関は、PT.SUCOFINDO とPT.SURVEYOR INDONESIAの2社

商業省国際貿易総局より輸入承認の取得する。承認は、輸入の数量、種類、技術仕様、目的港、原産国

が定められたもので有効期間は6ヶ月


商業大臣規則第7号（No.07/M-DAG/PER/2/2012）

商業大臣決定第386号（No.386/M-DAG/KEP/5/2007）

中古資材

輸入は、①中古機械設備を直接使用する者、②修理業者として認定された事業者、③医療サービスに

必要な放射線を含有する中古資本財を輸入する医療関係の会社に限定

輸入可能なHS品目は、73類、84～85類、87～90類の一部で事前に確認が必要 ※毎年更新

中古資材は、使用に耐えうるものであるか確認のため船積み前検査が必要 ※製造から20年を超える

中古品の輸入は不可





船積み前検査

船積み前検査：以下の品目は発地国で船積み前検査を行い、インドネシアへの輸入通関の際に船積み前検査証明書（LS）を提出しなければならない。検査証明書がない場合は現地で積み戻しになるため注意が必要

対象品目（一部）： ①Garment、Textiles（既製服）

②Electronics Cargo（電気機器、電気製品、携帯電話など）

③Children Goods （玩具、幼児用・介護用生理用品、紙おむつ）

④Footwear（靴、履物）

⑤Food and Beverages（食品、飲料）

⑥鉄鋼（鋼矢板、くぎ、ねじ、レンジ、調理用加熱器など）

⑦中古機械

⑧その他（陶磁器、真珠、タイヤなど）

検査機関：日本での検査代理店は以下の通り

①セイフティテック社（STI） ※インドネシアの検査指定業者がPT.SURVEYOR INDONESIAの場合

②日本海事検定協会 ※インドネシアの検査指定業者がPT.SUCOFINDOの場合



船積み前検査

手配の流れ：船積み前検査の手続きは以下のとおり

①輸入者は、必要な輸入ライセンスを取得する。

②輸入者は、取得したライセンスに基づき、インドネシアの指定検査機関に検査

の依頼申請をする。

③インドネシアの指定検査業者は、国際検査機関SGS社経由で日本の検査代理店

へ検査依頼通知を行う。

④日本側検査代理店は輸出者と船積み前検査の日程を調整する。

※通常検査希望日の3～4日前までにブッキングを行う。

⑤（検査終了後）輸出者は、出荷を進めて船積み書類を検査代理店へ提出する。

⑥日本検査代理店は、インドネシア指定検査機関へ検査終了の通知を行う。

⑦輸入者は、インドネシア側の検査機関に検査費用を支払い、検査証を入手する。

※検査証（LS）入手までの期間は申請から7～14日程度

⑧輸入者は、LSを含む通関書類を物流会社に渡す。

⑨物流業者は、入手した資料を基に輸入通関手続きに入る。



一時輸入制度

展示会の一時輸入手続き

インドネシアは、一時輸入に関する条約（展覧会条約、商品見本条約、職業用具条約）のすべてに加盟いない。そのため、ATAカルネは使用できない。インドネシア国内で行われる展示会に出展する貨物については、税関により事前に認められた展示貨物であれば、輸入時の関税、その他諸税の免除が可能

＜根拠法令＞財務大臣規定第140号（No.140/PMK.04/2007） ※一次輸入品の輸入規定

財務大臣規定第123号（No.123/KMK.05/2000） ※保税展示場への展示品の輸入

＜関係官署＞インドネシア財務省関税消費税総局（DGCE）より、一時輸入許可を受ける。

一時輸入の条件

①貨物が使用により無くならないこと（消費により無くならないこと）

②貨物の内容が明瞭であること

③一時輸入期間中内において、貨物の形状が大きく変化しないこと

④再輸出を示す書類があること（契約書、展示会出展品を証明する資料等）

⑤使用される場所やその使途が定められて、かつ当局の許可なく場所を移動したり、別の目的に使用しないこと

一時輸入として認められる貨物

①展示やセミナー、ショーなどに必要な物品 ⑥乗客の携帯品

②サンプル品 ⑦海外支援の政府プロジェクトに必要な物品

③専門家が使用する道具類 ⑧インフラプロジェクトに必要な機械および備品

④外国人観光客が自分で使用する自動車 ⑨スポーツ競技等で使用される物品

⑤修理・リコンディショニング等される品



一時輸入制度

展示会の一時輸入手続き ※続き

輸入時の手続き

①保税展示場以外の展示会に出展

輸入者は、関税およびその他諸税額に相当する現金または税関が認める担保を提供する。

輸入時に輸入申告書、インボイス、パッキングリストを税関に提出し、輸入の許可を受ける。なお、税関に提出する通関申告書は、インドネシア語、英語、ラテン文字、アラビア数字が使用可能

②保税展示場に出展する場合

輸入者は財務大臣規定第123号（No.123/KMK.05/2000）の規定に基づいて税関に輸入申告を行う。

輸出時の手続き

輸出時は展示会終了から再輸出の船積みまで、当該貨物は封印され、税関より輸入時と形状等に変化がないと確認された後、輸出が可能となる。その後、輸入時に提供した担保が解除される。

＜輸出条件＞展示品を輸入された日から起算して3年以内に輸出すること。

なお、輸入日から起算して最長3年間（延長申請は1回まで）の延長が可能

＜根拠法令＞財務大臣規定第140号（No.140/PMK.04/2007）

展示会で輸入品を販売・消費した場合

①保税展示場以外の展示会で販売された展示品

通常の輸入とみなされ、関税や諸税の支払いおよび同関税額と同等の罰金の支払い

②保税展示場で開催された展示会内で販売された場合

通常の輸入申告書（PIB）を行い、関税やその他諸税を納付し、税関の承認を得た後に搬出が可能



第３章

インドネシアの通関手続き



通関の申告区分

プライオリティーレーン ①輸入関税の支払い不足がない。

②過去１年間に通関便宜の悪用・通関誤申告がなく、監査の結果も良好である。

①＆②に該当する輸入者に対しては、書類審査や貨物検査は原則行なわれず輸入許可される。

グリーンライン原則として、輸入申告に際して形式上の書類審査のみが課される。

グリーンラインで3～4営業日程度で搬出となる。

グリーンラインの出現率は概ね70％程度＊ただし、輸入者の輸入実績による。

イエローライン書類検査官によって必要と判断された場合に書類審査が実施される。

イエローレーンを指定される輸入は、税関によって設定された輸入者や品目のリスクレベルデータに基づいて判断される。

ハイリスクとされた輸入者がローリスク品目を輸入する場合、またはミドルリスクの輸入者がミドルリスク品目を輸入する場合にイエローレーンとなる。

レッドライン輸入申告に際しては、書類審査および現物検査ともに課せられる。

レッドラインの場合は5～6営業日で搬出となる。

レッドラインおよびイエローラインの出現率は概ね30％程度＊輸入実績が少ない場合はほとんどがこれに該当する。

※現在、プライオリティ・レーンとして認められているのは、日系企業に限らず全国で約40～50社程度

通関の申告区分

インドネシアの通関はEDIシステムによって行われる。ただし、システムによる申告後、輸入申告書の原本、その他必要書類を税関に提出しなければならない。

輸出入申告は、コンピュータによりグリーンライン、レッドライン等に区分が判定される。



手続きの詳細 -22 -21 -20 -19 -18 -17 -16 -15 -14 -13 -12 -11 -10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10 +11 +12 +13 +14

船積み前検査申請(JKT)～完了(TYO)海上輸送船積書類受領関税消費税支払EDI申告貨物到着EDIにてレッドレーンの通知通関書類（原本）を税関へ提出税関書類審査税関より書類返却CYから検査場へのコンテナ移動申請CYから検査場へコンテナ移動検査日時・税関検査官の氏名を入手税関検査検査結果の入手輸入許可港湾諸費用の支払い

手続きの詳細 -22 -21 -20 -19 -18 -17 -16 -15 -14 -13 -12 -11 -10 -9 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10 +11 +12 +13 +14

船積み前検査申請(JKT)～完了(TYO)海上輸送船積書類受領関税消費税支払EDI申告貨物到着EDIにてグリーンレーンの通知港湾諸費用の支払い配達

申告即時許可の場合

貨物検査の場合

通関

※検査の場合

２週間程度

通関

※検査なしの場合

4～5日程度

海上輸送

概ね11～25日前後

※本事例では15日

船積み前検査

※申請からLS取得まで

7～14日前後

輸入通関の流れ

申告前に関税納付が原則

品目により船積み前に発地国で検査が義務

申告前に関税納付が原則

品目により船積み前に発地国で検査が義務

※あくまで輸送事例であり実際と異なる場合があります。

船会社の業務

荷主or物流業者の業務

税関の業務



輸出通関の流れ船会社の業務

荷主物流業者の業務

税関の業務

通常の輸出通関 ※輸出の場合はほとんどがこの流れ

※NPE 輸出許可書、PEB 輸出通関書類

通関

※検査なしの場合

4～5日程度

海上輸送

概ね11～25日前後

※本事例では15日

※あくまで輸送事例であり実際と異なる場合があります。

手続きの詳細 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10 +11 +12 +13 +14 +15 +16 +17 +18 +19 +20 +21 +22 +23 +24 +25 +26 +27 +28 +29船積み指示（S/I）船社へブッキング船社からBooking　Confirmation入手輸出者へスケジュール案内　通関書類入手、通関準備輸出申告輸出許可バンニング作業、シールCYへコンテナ搬入（CYカット日）本船出港日税関にNPE/PEBオリジナル提出通関手続き完了（出港後10日以内）海上輸送日本側輸入手続き、配送



書類の記載内容

すべての書類（インドネシア側ライセンスも含む）の記載内容が一致していること

→輸出側作成したインボイス等が、輸入地（インドネシア側）で取得したライセンスと表記が同じであること

→B/LのDescription欄とI/VおよびP/Lの商品名が一致していること

※上記に相違がある場合、訂正に1～2週間を要し、追加費用も発生

B/Lの記載方法

Shipper、Consignee、Notifyに表記にも正確な名称と住所の記載が必要

B/L上のDescription欄には具体的な品名表記が必要（2009年より税関規則が強化）

これまで（×）現在（○）

Auto Parts → Gear Box, Chain, Nut

Electric Parts → LED, Diode, Transistor

Fabrics, Textile → T-shirts, Pullover, Under ware

Machinery → Sewing Machine

通関手続き上の注意点

税関による貨物検査

検査割合は3割程度であるが、新規設立の会社は100%検査 ※1年ほど誤謬なく通関実績を積めばグリーンに変わると言われているが、スムーズな輸入通関までには時間を要する。

内容確認のために税関職員によりバリア梱包が破られ、かつ再梱包対応が遅れることにより貨物（機械）に錆びが発生するケースが多発

→出来る限りインドネシア側での通関開梱時に立会い、バリア梱包が破られた場合は、迅速に養生できる体制を整える。

（受け側との連携を図ることが必要）

→電気、機械関係の貨物には十分な防錆材を塗布し、錆びの防止を図る。特に開梱検査になるとコンテナドア付近の貨物が

開梱されるケースが多いため、ドア付近の製品には十分な防錆処置を施す。



第４章まとめ



インドネシア物流のまとめ

ハード面

ソフト面

検査になると輸入通関に入港から2週間程度はかかる。書類の訂正が発生するとさらに1～2週間を要してしまう。

制度変更が頻繁に起こり、かつ急に施行されることが多い。昨今では輸入ライセンスの内容変更による輸入の停止が問題として大きい模様

船積み前検査が必要な品目が多い。かつインドネシアでの輸入検査も発生するため、同じ貨物で2度の検査を要する。

税関職員が不在なことが多く、急ぎの貨物の許可が切れない、臨時開庁が出来ないといったケースが発生している。

空港・港湾など基本的設備はあるものの整備が遅れている。

タンジュン・プリオク港は大混雑しており、施設、ヤードともに狭隘で逼迫している。

港湾施設、周辺道路等のインフラも脆弱であり、慢性的な道路渋滞とも相まって急ぎの貨物の輸送に関しては難渋するケースが頻発している。

道路は、産業道路と生活道路の区分がされておらず、効率的な物流の妨げとなっている。ジャカルタ都市圏の渋滞はアセアンでも最も悪く、配送時間が読めない。


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インド

自由貿易協定

（ＡＩＦＴＡ） 2010.1発効

自由貿易協定

（ＡＣＦＴＡ） 2005.5発効

中国

包括的経済連携協定

（ＡＪＣＥＰ） 2008.07発効

日本

アセアンを中心とした自由貿易エリアが拡大しており、

消費地としての魅力が今後も増大していくと考えられる。

オーストラリア・ニュージーランド

ＡＦＴＡ

（アセアン自由貿易地域）

自由貿易協定（AANZＦＴＡ） 2012.01発効

自由貿易協定

（ＡＫＦＴＡ） 2007.6発効

韓国

段階的な関税障壁の撤廃（～2015）

インドネシア

シンガポールタイ

フィリピンマレーシア

ブルネイ

カンボジアベトナムラオス

ミャンマー

CLMVとはCambodia, Laos, Myanmar, Vietnam カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムを指す略称

先行加盟国

後発加盟国

(CLMV)

41

周辺環境の変化（アセアン自由貿易エリア）


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