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はじめに
本報告は,第33回全国クレーン安全大会で発
表した「クレーン等のフックの外れ止め装置につ
いて」の内容を,当つり具委員会において深堀り
してまとめた日本クレーン協会技術報告書「クレー
ン等フックの外れ止め装置に関する調査報告書」
の概要を著したものである。
1 調査の目的
クレーン等を用いたつり荷の1本つり作業中,
①つり荷の片方を着地させた結果,②玉掛けワイ
ヤロープが緩んで,③ねじり戻された玉掛けワイ
ヤロープのアイがフックの外れ止め装置の背面を
回り込んで外れる現象いわゆる「知恵の輪現象」
(又は「背抜け現象」)により死亡災害が発生して
いる。この現象を防止するための調査検討を行った。
クレーン等のフックの外れ止め装置の安全な使
用に関する要求事項を,「玉掛け作業方法」,「玉
掛け用具」,「外れ止め装置の構造」及び「つり具
の点検保守」に分類して明示し,広く関連業界に
周知することで,玉掛けワイヤロープのアイがフ
ックから外れ,つり荷等が落下して災害に至る危
険を防止する。
2 調査項目
以下の項目について調査検討し,対策案の検討
を行った。
⑴ クレーン等のフックの外れ止め装置に関する
規則・規定
⑵ クレーン等のフックの外れ止め装置に関連す
る災害事例
⑶ 国内のクレーン等のフックの外れ止め装置の
現状
⑷ 諸外国のクレーン等のフックの外れ止め装置
関連の規格及び現状
3 調査結果例
上記調査項目の中で,⑵の災害事例の1例を示す。
移動式クレーンを用いて,長尺資材を地面に寝
かせようとして災害が起きたものである。
1本つりしたロッド管の片側を着地させ,クレ
ーンを旋回させながら,フックを巻下げる過程で,
玉掛けワイヤロープが突然クレーンのフックから
外れ,ロッド管が転倒し,作業員に落下した。
委員会報告
クレーン等フックの外れ止め装置に関する
調査報告書(概要編)
つり具委員会
― 6 ―
『クレーン』第52巻 1号 2014
4 再発防止策
「玉掛けワイヤロープのアイがフックから外れ
るメカニズム」により生ずる災害の再発防止を図
るには,作業条件に最適な外れ止め装置を選択す
べきであることが明らかとなった。
そこで,最適な「クレーン及び玉掛け作業にお
ける外れ止め装置」を選定するために必要な内容
を提案する。
1 従前の再発防止策の徹底
以下に示す再発防止策は,従前より示されてき
た内容であるが,まずはこの防止策を徹底する。
① 1本つりは,玉掛けワイヤロープが切断した
とき,つり荷が落下して転倒したりするおそれ
がある。また,ピラー,トレミー管,シートパ
イル,鋼板及びコンクリートパネル等長尺のつ
り荷の場合に,つり荷が着地した時クレーンフ
ックの巻き下げにより玉掛けワイヤロープが一
瞬緩み,無負荷になったとき,玉掛けワイヤロー
プのねじれが戻り,クレーンフックから玉掛け
ワイヤロープが外れ,つり荷が転倒するものと
推察される。よって,2本2点つりを原則とする。
なお,繊維スリングにおいても同様の取り扱
いとすること。
図 1 災害事例の 1例
番号 運 転 状 態
⑴ ロッド管をつり上げた状態
⑵ ロッド管片側を着地させ,クレーンの旋回,巻下げ運転開始状態
⑶ 旋回,巻下げ運転が正常で,玉掛けワイヤロープに引張りがかかっている状態
⑷ 旋回又は巻下げ運転が早く(止めるタイミングが遅れ),玉掛けワイヤロープが緩んだ状態
⑸ 玉掛けワイヤロープがより戻しで回転(自転)し,アイ部がフック先端部を飛び越えた状態
⑹ 玉掛けワイヤロープのアイ部がフックの背面に回りこみ,外れ止め装置を押し開いて外れた状態
⑺ 玉掛けワイヤロープがフックから外れ,ロッド管が転倒開始した状態
⑴ ⑵ ⑶
巻下げ
旋 回
⑷
⑸
⑹
⑺
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『クレーン』第52巻 1号 2014
② つり荷が落下あるいは転倒し,作業者に危険
を及ぼすおそれがある場合には,作業員に対す
る立入り禁止措置を行う。
③ クレーン運転者及び玉掛け作業者は,荷をつ
る時に,横引き・斜めつりをしない。特に電動
ホイストや電動チェーンブロックを使用した天
井クレーンの場合は厳禁とする。
④ クレーン運転者及び合図者は,正しく玉掛け
した場合でも,クレーン等フックから玉掛けワ
イヤロープ等が外れることがあることを常に意
識し,つり荷の転倒範囲外かどうかつり荷の状
況を監視する。
⑤ つり荷の反転作業は原則禁止とし,反転装置
等他の手段を講じる。
しかし,作業の形態等によりやむを得ない場
合には,追加的安全方策を施すことが必要である。
2 最適玉掛け用具の選定
玉掛け作業時には,つり荷形状や作業に応じた
玉掛け用具を選定する。
① 長さが短い玉掛けワイヤロープ等は曲げやね
じれに対する剛性が強くなり,着地した時に玉
掛けワイヤロープ等が直立しやすく「知恵の
輪」的な現象が発生するおそれがある。従って,
つりチェーン,又はつり荷に適した長さの軟ら
かい玉掛けワイヤロープ等を用いる。
② 玉掛けワイヤロープを使用するときは,フッ
クと玉掛け用ワイヤロープとの間に,ねじり戻
しの緩衝材としてリングやシャックルを併用する。
③ 玉掛けワイヤロープは,柔軟性のある繊維心
の6ストランドワイヤロープ(6×24)あるい
は(6×37)を推奨する。6×Fi(25)や6×Fi
(29)は,一般的に使用しない。
また,長さ(L)は,ワイヤロープの直径
(d)の150倍以上(L≧150×d)あるものを推
奨する。
3 クレーン等フックの外れ止め装置の選定
① 今回の調査で推奨できる対策型外れ止め装置
を装着したフックを,表 1~6に示す。
対策型Ⅰ:ピン固定型外れ止め装置装着フック
表1
対策型Ⅱ:先端カバー型外れ止め装置装着
フック 表2
対策型Ⅲ:ロッキングフック 表3
対策型Ⅳ:外れ止め装置二重装着フック 表4
対策型Ⅴ:形状効果型フック 表5
対策型Ⅵ:横力強化型外れ止め装置装着フック
表6
図 2 床置き型の反転装置
図 3 つり下げ型の反転装置
A面 B面
減速機
モータ
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『クレーン』第52巻 1号 2014
ただし,ほとんどの対策はフックの開口部が
狭くなり,ワイヤロープ等が玉掛けしにくくな
ることに注意すること。
② 対策型の外れ止め装置には様々なタイプのも
のがアメリカやヨーロッパにあり,今後,国内
においても改善された外れ止め装置も開発され
ることが想定される。従って,選定にあたって
は,クレーン等フックに係る残留リスクに関す
る検討を使用者と製造者が行い,その作業に適
した対策型外れ止め装置を採用することが肝要
である。
その際の検討例として,フックから玉掛けワ
イヤロープ等が外れることのない外れ止め装置
の採用が必要な作業を行う業界における,クレー
ンの使用者(保有者)とクレーンの製造者の間
で行う残留リスク情報の提供例及びリスクアセ
スメント例を,表 7,8に示す。
4 クレーン等フックの外れ止め装置の保守・点検
フック及び外れ止め装置は単純な構造であるが,
古くなると,製造初期の性能を維持できない場合
がある。従って,クレーン等フックと外れ止め装
置の点検・保守の実施が重要である。
① 外れ止め装置が正常でも,フックの開口部が
大きくなり,外れ止め装置の機能が十分果たせ
ないときはフックを廃棄とする。ここで,開口
部の寸法は,製造者が定めた基準値がある場合
はそれに従う。
② 外れ止め装置は,変形,き裂,摩耗がなく,
ばね部に異常がないこと。異常を認めた場合に
は補修するか部品を交換すること。補修や部品
の交換ができない場合は廃棄すること。
おわりに
使用者が,従前の再発防止策のうち管理的保護
方策を徹底すれば,クレーン等のフックから玉掛
けワイヤロープが外れても災害に至る確率は少な
いであろう。しかし,作業条件に最適な外れ止め
装置を選択することが重要と考える。さらに「機
械の包括的な安全基準に関する指針」の趣旨に則
り,作業等における危険源を同定し,本質的安全
設計方策や付加保護方策を採用すれば,同種の災
害をゼロにすることができると信じるものである。
なお,日本クレーン協会技術報告書「クレーン等
フックの外れ止め装置に関する調査報告書」は,
技術普及部に問合せすれば入手することができる。
表 1 対策型 ピン固定型外れ止め装置装着フック
対象機種 移動式クレーン
特 徴 ・フック先端にピン穴を設ける必要があり,特殊な場合での使用となる。
留意点 ・固定ピンを確実に取り付ければ,知恵の輪現象に対して完全な対策案である。
・取り扱いに手間がかかるため,玉掛け・玉外しの作業回数が少ない場合の採用となる。
外れ止め
支点ピン
~構造例~
固定ピン
外れ止めとフック先端部を
ピン固定することで,知恵
の輪現象を防止する。外れ止めは,両端を支点ピンと固定ピンで支持する構造。
(固定ピンを外し,外れ止めを開放して,玉掛けする)
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『クレーン』第52巻 1号 2014
表 2 対策型 先端カバー型外れ止め装置装着フック
対象機種 天井クレーン,移動式クレーン
特 徴 ・通常,「先端カバー」は収納状態になっているが,長尺物を1本つりせざるをえない等「知
恵の輪現象」が起こる懸念がある場合に,フック先端を「先端カバー」で覆うことができる。
留意点 ・新規に導入する場合に検討する案である。(特許出願中)
ストッパーベース
先端カバー収納時
先端カバー
フック
・通常時は,「先端カバー」を収納し,玉掛け作業時の開口寸法を大きく取ることができる。
・先端カバー使用時は,フック先端を「先端カバー」で覆うことで,ワイヤロープ緩みによる脱索を防ぐ。
~構造例~
表 3 対策型 ロッキングフック
対象機種 移動式クレーン
特 徴 ・つり荷の荷重がかかれば外れにくくなるので,知恵の輪対策として適切な案である。
・JIS B 2803:2007「フック」にも種類・寸法の規定がある。
留意点 ・移動式クレーンの補巻きフックには使用されつつある。
・ラッチレバーの操作を指で行うため,現在小型のものが主流である。
ラッチ
ねじりコイルばね
(ラッチレバー用) ラッチ部拡大
ラッチ機構でロックされ,
い
~構造例~
フックが分割,支点ピンを中心に開閉でき,ラッチ機構で円環形状を保持(ロック)する構造。
ラッチレバーは,支点ピンに取付られた“ねじりコイルばね”によって,フックをロックする方向に押
付けられる。
(ラッチレバーを開放,フックを開放して,玉掛けする。)
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『クレーン』第52巻 1号 2014
表 4 対策型 外れ止め装置二重装着フック
対象機種 天井クレーン,移動式クレーン,クライミングクレーン
特 徴 ・クレーン本体の普通型フックに2重目を追加設置する。
・普通型外れ止めと2重目の外れ止めを開放して,玉掛けする。
留意点 ・知恵の輪現象対策として以前に発案され,建設業において2重目を追加設置した事例がある。
・従来品は,強度不足のものが多かったが,最近クライミングクレーンのフックに取り付けた
事例もある。
外れ止め
(知恵の輪現象防止用)
支点ピン
ねじりコイルばね
外れ止め 外れ止め
2重目の外れ止め付き
フック先端部をカバーして,
知恵の輪現象を防止する。
~構造例~
通常型(普通型)バネ式外れ止めに2重目の外れ止めを追加した構造。
(普通型外れ止めと2重目の外れ止めを開放して,玉掛けする。)
表 5 対策型 形状効果型フック
対象機種 小型のクライミングクレーン
特 徴 ・ワイヤロープをフック先端部外側からばねの押付け力以上で押すことにより,外れ止め装置
を開放して,玉掛けする。
留意点 ・フック先端の突出部がなく,知恵の輪現象対策のアイデアとも考えられるが,外部からの力
に弱い懸念がある。
・ワイヤロープが入る部分のふところが狭く,太いワイヤロープ径には向かないので,小型の
クレーンに利用することになる。
支点ピン
ねじりコイル
ばね
外れ止め装置
フックと外れ止めの先端部に
ワイヤ(アイ部)が引っ掛かり
にくい形状となっている。
~構造例~
外れ止めは,支点ピンに取付られた“ねじりコイルばね”によって,フック先端部に押付けられる。
(フック先端部側からばねの押付け力以上で押すことにより外れ止め装置を開放して,玉掛けする。)
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『クレーン』第52巻 1号 2014
表 6 対策型 横力強化型外れ止め装置装着フック
対象機種 天井クレーン,移動式クレーン
特 徴 ・外れ止めは,支点ピンに取付けられた“ねじりコイルばね”によってフック先端部に押付け
られる。
・EN規格1677-2:2000の考え方である横力に対し強度をもたせている。
・国内にも同様なタイプが市販されている。
留意点 ・外からの押し付け力に弱く,知恵の輪現象の対策としては十分ではないとの評価もある。
支点ピン
ねじりコイルばね
外れ止め
外れ止め
フック先端部
矢視A-A
外れ止めがフック先端を
挟込む構造となっていて,
横方向の外力が作用
することによる知恵の輪
現象を防止する。
~構造例~
通常型(普通型)ばね式外れ止め先端がフック先端を挟込む形にした構造。
(外れ止めは,支点ピンに取付られた“ねじりコイルばね”に,よってフック先端部に押付けられる。)
表 7 クレーン等フックの外れ止め装置に関する残留リスク情報のクレーン等製造者からの提供例
運用段階
作業作業に必要な資格等
機械上の箇所
危害の程度
危害の内容機械ユーザーが実施する
追加の保護方策
玉掛けワイヤロープやシャックルを2本2点つりとする。
直立しない剛性の小さい玉掛けワイヤロープやスリングを使用する。
運転
長尺物を縦つりし,下端を着地させ,クレーン操作により長尺物を寝かせる作業
△!危険
つり荷の下端が着地する際に,玉掛けワイヤロープの張力が緩み,つり荷が不安定な状態となり,回転等を生じ,玉掛けワイヤロープのアイがねじれることで外れ止め装置をすり抜け,つり荷が転倒し,転倒範囲にいる作業員に激突する。
長尺物が転倒する範囲を予測し,長尺物を寝かせるまで,その予測範囲を立入禁止とし監視する。
玉掛けワイヤロープが緩んでも,外れ止め装置をすり抜けない機能を備えたつり具を使用する。
玉掛けワイヤロープやシャックルを2本2点つりとする。
直立しない剛性の小さい玉掛けワイヤロープやスリングを使用する。
運転
長尺物を縦つりし,下端を着地して固定する作業
クレーン運転士
玉掛け技能講習修了者
クレーンフック
外れ止め装置
△!危険
つり荷の下端が着地する際に,玉掛けロープの張力が緩み,つり荷が不安定な状態となり,玉掛けワイヤロープのアイが直立することで外れ止め装置をすり抜け,つり荷が転倒し,転倒範囲にいる作業員に激突する。
長尺物の長さを半径とする転倒範囲内を,長尺物足元が固定できるまで立入禁止にする。
玉掛けワイヤロープが緩んでも,外れ止め装置をすり抜けない機能を備えたつり具を使用する。
玉掛けワイヤロープやシャックルを2本2点つりとする。
つり荷の転倒範囲内を,反転が完了するまで立入禁止にする。
運転
平板あるいは箱型のものの反転する作業
△!危険
平板あるいは箱型のつり荷の反転時,下端が着地するような状況において,つり荷が不安定な状態になり,かつ玉掛けロープの張力が緩み,つり荷の回転等により玉掛けワイヤロープのアイが直立あるいはねじれることで外れ止め装置をすり抜け,つり荷が転倒し,転倒範囲にいる作業員に激突する。
クレーンによる荷の反転作業を行わず,床置き型の反転装置,あるいはつり下げ型の反転吊り装置を用いる。
玉掛けワイヤロープが緩んでも,外れ止め装置をすり抜けない機能を備えたつり具を使用する。
△! 危険 保護方策を実施しなかった場合,人が死亡又は重症を負う可能性が高い内容
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『クレーン』第52巻 1号 2014
表 8 クレーン等フックの外れ止め装置に関するリスクアセスメント例
危険源の同定 リスクの見積 期待するリスク低減
危険源 危険状態危険
事象
重篤度
発生可能性
リスク
機械ユーザーが
要望する安全防護付加保護方策
重篤度
回避可能性リスク
対策型Ⅰ:ピン固定型外れ止め装置装着フック
(ピンを確実に使用できる作業に適する)確実に回避 3
対策型Ⅱ:先端カバー型外れ止め装置(必要に応
じカバーできる)確実に回避 3
対策型Ⅲ:ロッキングフック(補巻きフックとし
て使用できる作業に適する)確実に回避 3
縦つりし
た長尺物
を地上に
寝かせる
時のつり
荷の転倒
つり荷の回転
等により玉掛
けワイヤロー
プのアイが直
立あるいはね
じれることで
生じる知恵の
輪(背抜き)
現象により外
れ止め装置を
すり抜ける。
つり荷転
倒範囲に
いる作業
員に激突
致命的
高い
5高
致命的対策型Ⅳ:外れ止め装置二重装着フック(既存に
フックに追加的に装備する場合に適する)確実に回避 3
対策型Ⅴ:形状効果型フック(小径の玉掛けワイ
ヤロープに適する)回避可能 4
対策型Ⅵ:横力強化型外れ止め装置装着フック
(横力に対する保護方策が必要な場合に適する)回避可能 4
(この表の数値はあくまで参考であり,各事業所の状況に応じ最適な「リスク見積」を行うこと)
参照資料:「危険性又は有害性等の調査等に関する指針同解説」厚生労働省
表 9 リスク要素評価基準
内 容
致命的 死亡災害や身体の一部に永久損傷を伴うもの
重 大 休業災害(1ヶ月以上のもの)「危害の重篤度」
評価基準 中程度 休業災害(1ヶ月未満のもの)
軽度 不休災害やかすり傷程度のもの
内 容
極めて高い 日常的に長時間行われる作業の中で,危険源となる
高い 日常的に行われる作業の中で,危険源となる「発生可能性」
評価基準 非定常的 非定常的な作業の中で危険源となる
まれ まれに危険源となる作業がある
内 容
新たな危険源 この方策では新たな危険源が生じる
回避困難 この方策では危険源の回避が困難である「回避可能性」
評価基準 回避可能 この方策実施により危険源の回避が可能になる
確実に回避 この方策実施により危険源の回避が確実になる
表 10 リスクマトリクス法
重篤度
致命的 重大 中程度 軽度
極めて高い 5 5 4 3
高い 5 4 3 2「発生可能性」
非定常 4 3 2 1
まれ 4 2 1 1
新たな危険源発生 5 5 4 2
回避困難 5 4 3 2「回避可能性」
回避可能 4 3 2 1
確実に回避 3 1 1 1
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『クレーン』第52巻 1号 2014